説明

情報処理システム、電力制御方法、電源装置、及び、電力制御プログラム

【課題】各情報処理装置へ供給される電力の量が不足することを防止しながら、比較的高い負荷にて情報処理装置を作動させることが可能な情報処理システムを提供すること。
【解決手段】情報処理システム100は、複数の情報処理装置と、複数の情報処理装置のそれぞれへ電力を供給する電源装置と、を備える。電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備える。情報処理システム100は、電源装置から複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する。情報処理システム100は、情報処理装置の負荷が閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、上記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する上記上限電力制御の実行を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の情報処理装置と電源装置とを備える情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の情報処理装置と電源装置とを備える情報処理システムとして特許文献1に記載の情報処理システムが知られている。この情報処理システムにおいて、電源装置は、外部電源からの電力を変換し、変換した電力を複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する。この情報処理システムは、ラックマウント型のサーバである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−512080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記情報処理システムにおいて、電源装置が複数の情報処理装置へ供給可能な電力の量には上限がある。従って、ある情報処理装置の負荷が過大となることにより、当該情報処理装置が消費する電力の量が過大となると、他の情報処理装置へ供給される電力の量が不足する虞がある。
【0005】
このため、各情報処理装置へ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行するように情報処理システムを構成することが好適であると考えられる。しかしながら、この場合、比較的高い負荷にて情報処理装置を作動させることができないという問題があった。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「各情報処理装置へ供給される電力の量が不足する場合が生じること、及び、比較的高い負荷にて情報処理装置を作動させることができないこと」を解決することが可能な情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である情報処理システムは、複数の情報処理装置と、外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置と、を備えるシステムである。
【0008】
更に、上記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備える。
加えて、上記情報処理システムは、
上記蓄電池に蓄電されている電力を上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給可能に構成されるとともに、
上記電源装置から上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定する供給電力量測定手段と、
上記蓄電池に蓄電されている電力が上記情報処理装置へ供給されていない状態において、上記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、上記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する上限電力制御実行手段と、
上記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する第1負荷判定手段と、
上記情報処理装置の負荷が上記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、上記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する上記上限電力制御の実行を停止する上限電力制御停止手段と、
を備える。
【0009】
また、本発明の他の形態である電力制御方法は、複数の情報処理装置と、外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置と、を備える情報処理システムに適用される方法である。
【0010】
更に、上記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備える。
加えて、上記情報処理システムは、上記蓄電池に蓄電されている電力を上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給可能に構成される。
更に、上記電力制御方法は、
上記電源装置から上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定し、
上記蓄電池に蓄電されている電力が上記情報処理装置へ供給されていない状態において、上記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、上記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行し、
上記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定し、
上記情報処理装置の負荷が上記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、上記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する上記上限電力制御の実行を停止する方法である。
【0011】
また、本発明の他の形態である電源装置は、外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する装置である。
【0012】
更に、この電源装置は、
電力を蓄電する蓄電池と、
上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定する供給電力量測定手段と、
上記蓄電池に蓄電されている電力が上記情報処理装置へ供給されていない状態において、上記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、上記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する上限電力制御実行手段と、
上記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する第1負荷判定手段と、
上記情報処理装置の負荷が上記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、上記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する上記上限電力制御の実行を停止する上限電力制御停止手段と、
を備える。
【0013】
また、本発明の他の形態である電力制御プログラムは、外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置が実行するプログラムである。
【0014】
更に、上記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備える。
加えて、上記電力制御プログラムは、上記電源装置に、
上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定し、
上記蓄電池に蓄電されている電力が上記情報処理装置へ供給されていない状態において、上記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、上記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行し、
上記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定し、
上記情報処理装置の負荷が上記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、上記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する上記上限電力制御の実行を停止する、処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成されることにより、各情報処理装置へ供給される電力の量が不足することを防止しながら、比較的高い負荷にて情報処理装置を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの概略構成を表す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電源装置の機能の概略を表すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電源装置のCPUが実行する電力制御プログラムを示したフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの機能の概略を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る、情報処理システム、電力制御方法、電源装置、及び、電力制御プログラム、の各実施形態について図1〜図4を参照しながら説明する。
【0018】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る情報処理システム1は、ラックマウント型サーバである。なお、情報処理システム1は、ブレードサーバ、又は、複数のストレージ(記憶装置)を備えるストレージサーバ等であってもよい。
【0019】
情報処理システム1は、筐体2と、複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…と、電源装置20と、を備える。筐体2は、複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…と、電源装置20と、を収容する。
【0020】
各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…は、着脱可能に筐体2に固定されている。各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…は、図示しない中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)、及び、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD;Hard Disk Drive))を備える。
【0021】
電源装置20は、外部電源(例えば、商用電源等)から供給される交流電力を入力し、当該入力された交流電力を直流電力に変換し、当該変換された直流電力を出力する。更に、電源装置20は、電力を蓄電する蓄電池21を備える。
【0022】
更に、情報処理システム1は、図示しない、電力供給線、及び、制御信号線を備える。電力供給線は、電源装置20と各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…とを接続している。電力供給線は、電源装置20から各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ供給される電力を伝送する。
【0023】
制御信号線は、電源装置20と各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…とを接続している。制御信号線は、電源装置20から各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ、及び、各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…から電源装置20へ、制御信号を伝送する。
【0024】
即ち、情報処理システム1は、電源装置20が、外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…のそれぞれへ供給するように構成されている、と言うことができる。
【0025】
更に、情報処理システム1は、各電力供給線(即ち、各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…と電源装置20とを接続する電力供給線のそれぞれ)に対して、蓄電池21と当該電力供給線とを接続する供給状態と、蓄電池21と当該電力供給線とを遮断する非供給状態と、に状態が切り替わるリレー回路を備える。
【0026】
即ち、情報処理システム1は、蓄電池21に蓄電されている電力を複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…のそれぞれへ供給可能に構成されている、と言うことができる。
【0027】
更に、電源装置20は、図示しない中央処理装置(CPU)、及び、記憶装置(メモリ及びHDD)を備える。電源装置20は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されている。
【0028】
(機能)
図2は、上記のように構成された電源装置20の機能を表すブロック図である。電源装置20の機能は、供給電力量測定部(供給電力量測定手段)31と、上限電力制御実行部(上限電力制御実行手段)32と、負荷判定部(第1負荷判定手段、及び、第2負荷判定手段)33と、上限電力制御停止部(上限電力制御停止手段)34と、を含む。
【0029】
供給電力量測定部31は、電源装置20から複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定する。
【0030】
上限電力制御実行部32は、蓄電池21に蓄電されている電力が、いずれの情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へも供給されていない状態(即ち、外部電源からの電力のみが、各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ供給されている状態)において、複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…のすべてを作動させられるように、上限電力制御を実行する。
【0031】
具体的には、上限電力制御実行部32は、供給電力量測定部31により測定された供給電力量に基づいて、複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する。
【0032】
本例では、上限電力量は、外部電源からの電力のみを各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ供給する場合において、供給可能な電力の総量の最大値を、情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の数により除した値よりも僅かに小さい値に設定される。
【0033】
また、本例では、上限電力制御実行部32は、ある情報処理装置10a,10b,10c,10d,…に対して、供給電力量測定部31により測定された供給電力量が上限電力量よりも大きい場合、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ、負荷低減指示を送信する。
【0034】
負荷低減指示は、負荷を減らすように指示する制御信号である。本例では、負荷低減指示は、情報処理装置10a,10b,10c,10d,…が備えるCPUの使用率を低下させるように指示する情報を含む。
各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…は、負荷低減指示を受信した場合、当該負荷低減指示に従って、自装置の負荷を低減させる。
【0035】
負荷判定部33は、複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…のそれぞれに対して、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する。
【0036】
本例では、負荷判定部33は、予め設定された判定期間(例えば、10分間)において、情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ負荷低減指示を送信した回数が、予め設定された第1の閾値回数(例えば、3回)よりも多くなった場合、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が第1の閾値負荷よりも大きくなったと判定する。
【0037】
更に、負荷判定部33は、複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…のそれぞれに対して、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さいか否かを判定する。本例では、第1の閾値負荷は、第2の閾値負荷よりも大きい値である。
【0038】
本例では、負荷判定部33は、上記判定期間において、情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ負荷低減指示を送信した回数が、予め設定された第2の閾値回数(例えば、2回)よりも少なくなった場合、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が第2の閾値負荷よりも小さくなったと判定する。
【0039】
上限電力制御停止部34は、負荷判定部33により、ある情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、上限電力制御停止処理を実行する。上限電力制御停止処理は、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…への、蓄電池21に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…に対する上限電力制御の実行を停止する処理である。
【0040】
更に、上限電力制御停止部34は、ある情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が第2の閾値負荷よりも小さいと負荷判定部33により判定された場合、上限電力制御再開処理を実行する。
【0041】
上限電力制御再開処理は、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…に対する上限電力制御の実行を再開し、且つ、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…への、蓄電池21に蓄電されている電力の供給を停止する処理である。
【0042】
(作動)
次に、上述した情報処理システム1の作動について説明する。
電源装置20のCPUは、図3にフローチャートにより示した電力制御プログラムを、複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…のそれぞれに対して独立に実行するようになっている。ここでは、情報処理装置10aに対する処理を一例として説明する。なお、他の情報処理装置10b,10c,10d,…に対する処理も同様に説明される。
【0043】
具体的に述べると、電源装置20は、電力制御プログラムの処理を開始すると、ステップS101にて、情報処理装置10aの負荷が第1の閾値負荷よりも大きく、且つ、蓄電池電力供給数NBTが、予め設定された閾値数(本例では、1)γよりも小さいか否かを判定する。蓄電池電力供給数NBTは、蓄電池21に蓄電されている電力が供給されている情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の数である。
【0044】
なお、閾値数は、2以上の値に設定されていてもよい。この場合、情報処理システム1は、複数の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ、同時に、蓄電池21に蓄電されている電力を供給し得る。
【0045】
いま、情報処理装置10aの負荷が第1の閾値負荷よりも大きいという第1の条件、及び、蓄電池電力供給数NBTが閾値数よりも小さいという第2の条件の少なくとも一方が成立していない場合を想定する。この場合、電源装置20は、「No」と判定してステップS102へ進み、上限電力制御を実行する。
【0046】
具体的には、先ず、情報処理装置10aへ供給されている電力の量(供給電力量)を測定する(ステップS102)。次いで、電源装置20は、測定された供給電力量が上限電力量よりも大きいか否かを判定する(ステップS103)。
【0047】
そして、供給電力量が上限電力量よりも大きい場合、電源装置20は、「Yes」と判定してステップS104へ進み、情報処理装置10aへ負荷低減指示を送信する。その後、電源装置20は、ステップS101へ戻る。一方、供給電力量が上限電力量以下である場合、電源装置20は、「No」と判定して、情報処理装置10aへ負荷低減指示を送信することなく、ステップS101へ戻る。
【0048】
このようにして、第1の条件、及び、第2の条件の少なくとも一方が成立していない場合、電源装置20は、上限電力制御を実行する。
【0049】
次に、第1の条件、及び、第2の条件の両方が成立している場合を想定する。この場合、電源装置20は、ステップS101にて「Yes」と判定してステップS105へ進み、蓄電池電力供給数NBTに1を加算する。
【0050】
そして、電源装置20は、情報処理装置10aへの、蓄電池21に蓄電されている電力の供給を開始する(ステップS106)。具体的には、電源装置20は、情報処理装置10aと電源装置20とを接続する電力供給線と、蓄電池21と、を接続する供給状態に、リレー回路の状態を切り替える。
【0051】
次いで、電源装置20は、情報処理装置10aの負荷が第2の閾値負荷よりも小さくなるまで待機する(ステップS107)。そして、情報処理装置10aの負荷が第2の閾値負荷よりも小さくなると、電源装置20は、ステップS108へ進み、蓄電池電力供給数NBTから1を減算する。
【0052】
そして、電源装置20は、情報処理装置10aへの、蓄電池21に蓄電されている電力の供給を停止する(ステップS109)。具体的には、電源装置20は、情報処理装置10aと電源装置20とを接続する電力供給線と、蓄電池21と、を遮断する非供給状態に、リレー回路の状態を切り替える。
その後、電源装置20は、ステップS101へ戻る。
【0053】
以上、説明したように、第1実施形態に係る情報処理システム1によれば、情報処理システム1は、各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ供給される電力の量を上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する。これにより、各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ供給される電力の量が不足することを防止することができる。
【0054】
更に、ある情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が第1の閾値負荷よりも大きくなった場合、情報処理システム1は、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…への、蓄電池21に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…に対する上限電力制御の実行を停止する。
【0055】
これにより、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ、上限電力量よりも多くの電力を供給することができる。この結果、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…を比較的高い負荷にて作動させることができる。更に、この場合においても、他の情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ供給される電力の量が不足することを防止することができる。
【0056】
このように、上記のように構成された情報処理システム1によれば、各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ供給される電力の量が不足することを防止しながら、比較的高い負荷にて情報処理装置10a,10b,10c,10d,…を作動させることができる。
【0057】
更に、第1実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…の負荷が第2の閾値負荷よりも小さいと判定された場合、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…に対する上限電力制御の実行を再開する。更に、この場合、情報処理システム1は、当該情報処理装置10a,10b,10c,10d,…への、蓄電池21に蓄電されている電力の供給を停止する。
【0058】
これによれば、情報処理装置10a,10b,10c,10d,…へ、蓄電池21に蓄電されている電力を無駄に供給することを回避することができる。
【0059】
なお、第1実施形態に係る情報処理システム1においては、電源装置20が供給電力量を測定するように構成されていたが、各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…が供給電力量を測定するように構成されていてもよい。この場合、各情報処理装置10a,10b,10c,10d,…は、測定された供給電力量を表す情報を電源装置20へ送信するように構成される。
【0060】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムについて図4を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る情報処理システム100は、複数の情報処理装置と、外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置と、を備えるシステムである。
【0061】
更に、上記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備える。
加えて、情報処理システム100は、上記蓄電池に蓄電されている電力を上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給可能に構成される。
【0062】
更に、情報処理システム100は、
上記電源装置から上記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定する供給電力量測定部(供給電力量測定手段)101と、
上記蓄電池に蓄電されている電力が上記情報処理装置へ供給されていない状態において、上記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、上記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する上限電力制御実行部(上限電力制御実行手段)102と、
上記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する第1負荷判定部(第1負荷判定手段)103と、
上記情報処理装置の負荷が上記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、上記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する上記上限電力制御の実行を停止する上限電力制御停止部(上限電力制御停止手段)104と、
を備える。
【0063】
これによれば、情報処理システム100は、各情報処理装置へ供給される電力の量を上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する。これにより、各情報処理装置へ供給される電力の量が不足することを防止することができる。
【0064】
更に、ある情報処理装置の負荷が第1の閾値負荷よりも大きくなった場合、情報処理システム100は、当該情報処理装置への、蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する上限電力制御の実行を停止する。これにより、当該情報処理装置へ、上限電力量よりも多くの電力を供給することができる。この結果、当該情報処理装置を比較的高い負荷にて作動させることができる。更に、この場合においても、他の情報処理装置へ供給される電力の量が不足することを防止することができる。
【0065】
このように、上記のように構成された情報処理システム100によれば、各情報処理装置へ供給される電力の量が不足することを防止しながら、比較的高い負荷にて情報処理装置を作動させることができる。
【0066】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0067】
なお、上記各実施形態において情報処理システムの各機能は、CPUがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現されていたが、回路等のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0068】
また、上記各実施形態においてプログラムは、記憶装置に記憶されていたが、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0069】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0070】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0071】
(付記1)
複数の情報処理装置と、
外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置と、
を備える情報処理システムであって、
前記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備え、
前記情報処理システムは、
前記蓄電池に蓄電されている電力を前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給可能に構成されるとともに、
前記電源装置から前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定する供給電力量測定手段と、
前記蓄電池に蓄電されている電力が前記情報処理装置へ供給されていない状態において、前記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、前記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する上限電力制御実行手段と、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する第1負荷判定手段と、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を停止する上限電力制御停止手段と、
を備える情報処理システム。
【0072】
これによれば、情報処理システムは、各情報処理装置へ供給される電力の量を上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する。これにより、各情報処理装置へ供給される電力の量が不足することを防止することができる。
【0073】
更に、ある情報処理装置の負荷が第1の閾値負荷よりも大きくなった場合、情報処理システムは、当該情報処理装置への、蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する上限電力制御の実行を停止する。これにより、当該情報処理装置へ、上限電力量よりも多くの電力を供給することができる。この結果、当該情報処理装置を比較的高い負荷にて作動させることができる。更に、この場合においても、他の情報処理装置へ供給される電力の量が不足することを防止することができる。
【0074】
このように、上記のように構成された情報処理システムによれば、各情報処理装置へ供給される電力の量が不足することを防止しながら、比較的高い負荷にて情報処理装置を作動させることができる。
【0075】
(付記2)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さいか否かを判定する第2負荷判定手段を備え、
前記上限電力制御停止手段は、前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、当該情報処理装置の負荷が前記第2の閾値負荷よりも小さいと判定された場合、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を再開し、且つ、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を停止するように構成された情報処理システム。
【0076】
これによれば、ある情報処理装置の負荷が第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、第2の閾値負荷よりも小さいと判定された場合、情報処理システムは、当該情報処理装置に対する上限電力制御の実行を再開し、且つ、当該情報処理装置への、蓄電池に蓄電されている電力の供給を停止する。これにより、情報処理装置へ、蓄電池に蓄電されている電力を無駄に供給することを回避することができる。
【0077】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の情報処理システムであって、
前記上限電力制御実行手段は、前記情報処理装置に対して前記測定された供給電力量が前記上限電力量よりも大きい場合、当該情報処理装置へ、負荷を減らすように指示する負荷低減指示を送信するように構成された情報処理システム。
【0078】
(付記4)
付記3に記載の情報処理システムであって、
前記第1負荷判定手段は、予め設定された判定期間において、前記情報処理装置へ前記負荷低減指示を送信した回数が、予め設定された閾値回数よりも多くなった場合、当該情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きくなったと判定するように構成された情報処理システム。
【0079】
(付記5)
付記3又は付記4に記載の情報処理システムであって、
前記負荷低減指示は、前記情報処理装置が備えるCPU(Central Processing Unit)の使用率を低下させるように指示する情報を含む情報処理システム。
【0080】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、前記複数の情報処理装置と、前記電源装置と、を収容する筐体を備えたラックマウント型サーバである情報処理システム。
【0081】
(付記7)
複数の情報処理装置と、
外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置と、
を備える情報処理システムに適用される電力制御方法であって、
前記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備え、
前記情報処理システムは、前記蓄電池に蓄電されている電力を前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給可能に構成され、
前記電源装置から前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定し、
前記蓄電池に蓄電されている電力が前記情報処理装置へ供給されていない状態において、前記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、前記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行し、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定し、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を停止する、電力制御方法。
【0082】
(付記8)
付記7に記載の電力制御方法であって、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さいか否かを判定し、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、当該情報処理装置の負荷が前記第2の閾値負荷よりも小さいと判定された場合、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を再開し、且つ、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を停止する、電力制御方法。
【0083】
(付記9)
外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置であって、
電力を蓄電する蓄電池と、
前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定する供給電力量測定手段と、
前記蓄電池に蓄電されている電力が前記情報処理装置へ供給されていない状態において、前記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、前記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する上限電力制御実行手段と、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する第1負荷判定手段と、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を停止する上限電力制御停止手段と、
を備える電源装置。
【0084】
(付記10)
付記9に記載の電源装置であって、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さいか否かを判定する第2負荷判定手段を備え、
前記上限電力制御停止手段は、前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、当該情報処理装置の負荷が前記第2の閾値負荷よりも小さいと判定された場合、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を再開し、且つ、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を停止するように構成された電源装置。
【0085】
(付記11)
外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置が実行する電力制御プログラムであって、
前記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備え、
前記電力制御プログラムは、前記電源装置に、
前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定し、
前記蓄電池に蓄電されている電力が前記情報処理装置へ供給されていない状態において、前記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、前記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行し、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定し、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を停止する、処理を実行させるための電力制御プログラム。
【0086】
(付記12)
付記11に記載の電力制御プログラムであって、
前記電源装置に、更に、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さいか否かを判定し、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、当該情報処理装置の負荷が前記第2の閾値負荷よりも小さいと判定された場合、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を再開し、且つ、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を停止する、処理を実行させるための電力制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、複数の情報処理装置と電源装置とを備える情報処理システム、ラックマウント型サーバ、ブレードサーバ、及び、ストレージサーバ等に適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理システム
2 筐体
10a,10b,10c,10d,… 情報処理装置
20 電源装置
21 蓄電池
31 供給電力量測定部
32 上限電力制御実行部
33 負荷判定部
34 上限電力制御停止部
100 情報処理システム
101 供給電力量測定部
102 上限電力制御実行部
103 第1負荷判定部
104 上限電力制御停止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置と、
外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置と、
を備える情報処理システムであって、
前記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備え、
前記情報処理システムは、
前記蓄電池に蓄電されている電力を前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給可能に構成されるとともに、
前記電源装置から前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定する供給電力量測定手段と、
前記蓄電池に蓄電されている電力が前記情報処理装置へ供給されていない状態において、前記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、前記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する上限電力制御実行手段と、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する第1負荷判定手段と、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を停止する上限電力制御停止手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さいか否かを判定する第2負荷判定手段を備え、
前記上限電力制御停止手段は、前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、当該情報処理装置の負荷が前記第2の閾値負荷よりも小さいと判定された場合、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を再開し、且つ、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を停止するように構成された情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記上限電力制御実行手段は、前記情報処理装置に対して前記測定された供給電力量が前記上限電力量よりも大きい場合、当該情報処理装置へ、負荷を減らすように指示する負荷低減指示を送信するように構成された情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムであって、
前記第1負荷判定手段は、予め設定された判定期間において、前記情報処理装置へ前記負荷低減指示を送信した回数が、予め設定された閾値回数よりも多くなった場合、当該情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きくなったと判定するように構成された情報処理システム。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記負荷低減指示は、前記情報処理装置が備えるCPU(Central Processing Unit)の使用率を低下させるように指示する情報を含む情報処理システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、前記複数の情報処理装置と、前記電源装置と、を収容する筐体を備えたラックマウント型サーバである情報処理システム。
【請求項7】
複数の情報処理装置と、
外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置と、
を備える情報処理システムに適用される電力制御方法であって、
前記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備え、
前記情報処理システムは、前記蓄電池に蓄電されている電力を前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給可能に構成され、
前記電源装置から前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定し、
前記蓄電池に蓄電されている電力が前記情報処理装置へ供給されていない状態において、前記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、前記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行し、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定し、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を停止する、電力制御方法。
【請求項8】
外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置であって、
電力を蓄電する蓄電池と、
前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定する供給電力量測定手段と、
前記蓄電池に蓄電されている電力が前記情報処理装置へ供給されていない状態において、前記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、前記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行する上限電力制御実行手段と、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定する第1負荷判定手段と、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を停止する上限電力制御停止手段と、
を備える電源装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電源装置であって、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第2の閾値負荷よりも小さいか否かを判定する第2負荷判定手段を備え、
前記上限電力制御停止手段は、前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された後に、当該情報処理装置の負荷が前記第2の閾値負荷よりも小さいと判定された場合、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を再開し、且つ、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を停止するように構成された電源装置。
【請求項10】
外部電源からの電力を変換し、当該変換した電力を複数の情報処理装置のそれぞれへ供給する電源装置が実行する電力制御プログラムであって、
前記電源装置は、電力を蓄電する蓄電池を備え、
前記電力制御プログラムは、前記電源装置に、
前記複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量である供給電力量を測定し、
前記蓄電池に蓄電されている電力が前記情報処理装置へ供給されていない状態において、前記複数の情報処理装置のすべてを作動させられるように、前記測定された供給電力量に基づいて、当該複数の情報処理装置のそれぞれへ供給される電力の量を、予め設定された上限電力量以下に制御する上限電力制御を実行し、
前記複数の情報処理装置のそれぞれに対して、当該情報処理装置の負荷が、予め設定された第1の閾値負荷よりも大きいか否かを判定し、
前記情報処理装置の負荷が前記第1の閾値負荷よりも大きいと判定された場合、当該情報処理装置への、前記蓄電池に蓄電されている電力の供給を開始し、且つ、当該情報処理装置に対する前記上限電力制御の実行を停止する、処理を実行させるための電力制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−108815(P2012−108815A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258475(P2010−258475)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】