情報処理装置、チップ貼り付けプリンタ装置、印刷物
【課題】非接触によりデータ読み取りが可能なICチップをより有効に活用することを可能にする。
【解決手段】情報処理装置1には、印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るチップ読取部18が設けられている。CPU10は、チップ読取部18によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、それぞれのICチップに対応する概要を作成して表示部13において表示し、この表示された何れかの概要を選択する指示が入力部12あるいはタッチパネル14から入力されると、選択された概要に対応するICチップから読み取られたデータをもとにした情報を出力させる。
【解決手段】情報処理装置1には、印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るチップ読取部18が設けられている。CPU10は、チップ読取部18によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、それぞれのICチップに対応する概要を作成して表示部13において表示し、この表示された何れかの概要を選択する指示が入力部12あるいはタッチパネル14から入力されると、選択された概要に対応するICチップから読み取られたデータをもとにした情報を出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触でデータの読み取りが可能なICチップが埋め込まれた印刷物、同印刷物に埋め込まれたチップからデータを読み取る情報処理装置、チップが埋め込まれた印刷物を作成するチップ貼り付けプリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、非接触でデータの読み取りが可能な電子タグ(ICタグ、RFID(Radio Frequency Identification)、無線タグ)が、製品(商品)や梱包物の管理などのために使用されている。例えば、製品(商品)に電子タグを貼り付けておき、製品(商品)を通過させる経路近くに、電子タグからデータを読み取ることができる情報処理装置を設置しておくことで、作業者がデータ読取のための特別な作業を行なうことなく、情報処理装置近くを製品(商品)が通過したことを検知することができる。これにより、製品(商品)の出荷管理、在庫管理、販売管理などを自動で行なうことができ、物流、流通業界における作業の効率化が図られている。
【0003】
こうした電子タグ(ICタグ)を利用して、配送作業の効率化に貢献できるようにする配送票なども考えられている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載された配送票では、表面に繰り返し印刷が可能なリライト面を設けたICタグを分離可能に設け、ICタグを接着した状態でプリンタにかけて印刷できるようにしている。ICタグには、伝票番号と同じバーコードが印字され、ICタグのメモリには伝票番号をはじめとする配送情報や配送地域を特定する情報と同一内容の情報などが書き込まれる。そして、この配送票を用いた配送品の配送作業が終了した後、ICタグを剥離し、メモリに入力してあるデータとリライト層に印刷されたバーコードを消去して再度使用可能にしている。
【0004】
従来では、1つの製品(商品)に対しては1つの電子タグ(ICチップ)が貼り付けられているだけであり、電子タグを貼り付ける製品(商品)や特許文献1に記載された配送票における位置は特に意味を持つものではなかった。
【0005】
特許文献1の配送票では、配送品に対応する固有のバーコードが1つのICタグに印刷されるので、バーコードとICタグとが1対1に対応しているため、何れの位置に貼り付けられていても良い。
【特許文献1】特開2002−211170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来では、電子タグ(ICタグ)を製品(商品)や配送票などに付けることで、出荷管理、在庫管理、販売管理などに利用して作業効率の向上を図っている。しかしながら、電子タグ(ICタグ)は、製品(商品)を識別する情報、あるいは特許文献1に記載されたような配送品に関する配送情報や配送地域の情報などが記録されているだけであった。すなわち、従来では印刷によって目視可能としていた製品(商品)自体の単一の情報を電子タグにデータとして記録し、情報処理装置により自動で読み出せるようにしただけであった。
【0007】
本発明の課題は、非接触によりデータ読み取りが可能なICチップをより有効に活用することが可能な情報処理装置、チップ貼り付けプリンタ装置、印刷物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、前記ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、前記ICチップ読み取り手段によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、それぞれのICチップに対応する対応情報を表示する表示手段と、前記表示手段により表示された対応情報の何れかの情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された情報に応じて、当該情報に対応するICチップから読み取られたデータをもとにした情報を出力する第1情報出力手段と
を具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ICチップ読み取り手段によって印刷物に埋め込まれた複数のICチップの全てについて読み取りが完了したか判別する判別手段と、前記判別手段により読み取りが完了していないと判別された場合に、読み取りが完了していないことを表す確認指示を出力する確認出力手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記判別手段は、読み取り終了の確認報告を通信により送信する報告送信手段と、前記報告送信手段により送信した確認報告に対する応答を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された応答から読み取りが完了したかを判別する応答判別手段とを具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ICチップに記録されるデータには通信による接続先を示す接続先データを含み、前記ICチップ読み取り手段によって読み取られた接続先データが示す接続先にデータを送信するデータ送信手段をさらに具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ICチップ読み取り手段によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、段階的に情報を出力するための出力データを作成する出力データ作成手段と、前記出力データ作成手段により作成された出力データをもとに段階的に情報を出力する段階情報出力手段と、前記段階情報出力手段により出力される情報を次の段階に更新させる指示を入力する更新入力手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ICチップ読み取り手段によって前記ICチップから読み取られたデータをもとに、次にデータを読み取るべきICチップが埋め込まれた前記印刷物の位置を判別する位置判別手段と、前記位置判別手段によって判別された前記印刷物の位置を通知するための出力を行なう通知出力手段と、前記通知出力手段によって出力された通知に応じた位置に埋め込まれたICチップから前記ICチップ読み取り手段によって読み取られたデータに応じた情報を出力する読取情報出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、前記ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、前記ICチップ読み取り手段によって前記ICチップから読み取られたデータを、他の電子機器に送信するデータ送信手段と、前記データ送信手段によって送信したデータに対する、前記他の電子機器における処理結果とするデータを受信するデータ受信手段と、前記受信手段によって受信したデータを出力するデータ手段とを具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、複数の書類を綴じるための機構を有するバインダ型の情報処理装置であって、前記機構によって綴じられた書類に埋め込まれたICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、前記ICチップ読み取り手段によって読み取られたデータをもとに、前記機構により綴じられた複数の書類を管理するための書類データを更新する書類データ更新手段と、前記書類データ更新手段により更新される書類データを格納する書類データ格納手段とを具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記書類データ格納手段に格納された書類データを他の電子機器に送信する書類データ送信手段をさらに具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記ICチップ読み取り手段を複数設けて、それぞれに対して前記書類に埋め込まれた複数のICチップに対するデータ読み取り範囲を設定することを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、印刷用紙に対して印刷するプリンタ装置において、前記印刷用紙に対して印刷された対象物の位置にICチップを接着するチップ接着手段と、前記チップ接着手段によって接着されたICチップに対して、前記対象物に関係するデータを書き込むデータ書き込み手段とを具備したことを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記チップ貼り付け手段は、前記ICチップを含んだシールが台紙上に連続的に配置され、保護フィルムにより覆われたチップシールロール紙が巻回されたチップシールロールと、前記チップシールロール紙を印刷用紙の搬送路に沿って搬送させる搬送手段と、前記搬送手段による搬送に伴って、前記保護フィルムを剥離させながら巻き取る保護フィルム剥離巻き取り機構と、前記保護フィルムが剥離されたチップシールロール紙のICチップを含んだシールを前記印刷用紙に押圧して接着するチップ接着手段とを具備したことを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、印刷が施された印刷部材に非接触によりデータの読み取りがされるICチップを複数埋め込み、前記ICチップのそれぞれに、前記ICチップが埋め込まれた位置に印刷された印刷内容と関連するデータと、他のICチップとの関連を示すデータとを記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項に記載された発明によれば、印刷物に埋め込まれたICチップに記録されたデータを非接触により読み取り、複数のICチップから読み取られたデータを選択的に出力できるようにすることで、例えば印刷物に印刷された複数の対象物の位置のそれぞれに埋め込まれたICチップに対象物と関連するデータを記録しておくことで、印刷された対象物に関連するデータを任意に読み出して参照することができるようになり、非接触によりデータ読み取りが可能なICチップをより有効に活用することが可能となるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本実施形態(第1〜第5実施形態)における情報処理装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態における情報処理装置1は、印刷物(回路図、地図、書籍、薬袋、書類など)に埋め込まれた複数の電子タグ(RFID、ICタグ、無線タグ)(以下、単にチップと略称する)からデータを読み取り、このデータをもとに利用者に対して有効な情報を出力するための機能が設けられている。
【0024】
図1に示すように、本実施形態における情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、入力部12、表示部13、タッチパネル14、通信制御部15、RAM(random access memory)16、記録装置17、チップ読取部18、及び音声出力部19が設けられている。
【0025】
CPU10は、記録装置17に記録されているシステムプログラムを含む各種のプログラムを読み出してRAM16に展開し、このRAM16に記録されたプログラムに基づいて各部を制御して各種機能を実現する。例えば、CPU10は、チップ読み取り処理プログラムにより、印刷物に埋め込まれた複数のチップからデータを読み取り、このデータをもとに所定の形式の情報を生成して出力させるチップ読み取り処理を実行することができる。
【0026】
入力部12は、各種データの入力や装置に対するユーザからの指示を入力するために用いられるもので、例えば複数のボタンが設けられる。情報処理装置1がどのような形態によって構成されるかによるが、例えば図2に示すような携帯型(腕時計型)に構成される場合には数個のボタンが設けられる。また、情報処理装置1がPDA(personal digital assistant)などの例えば手のひらサイズ以上の大きさで構成される場合には、数字、仮名、各種記号等の文字を入力するための文字ボタンの他、上下左右方向を指示するためのカーソルボタン、選択実行等を指示するためのボタン、特定の機能が割り当てられる機能ボタンなどを設けることができる。
【0027】
表示部13は、CPU10の制御に従って各種処理に伴う画像を表示するもので、例えば液晶ディスプレイが用いられる。情報処理装置1によりチップ読み取り処理を実行する場合には、チップから読み取ったデータをもとにして生成された、印刷物に印刷された内容に関する各種の情報が、文字あるいは画像(動画、静止画がなど)によって表示される。
【0028】
タッチパネル14は、指先あるいはペン先などにより押圧されることで座標データを入力するもので、表示部13の表示面と一体に形成されている。タッチパネル14から表示部13において表示されるボタンなどの位置の座標データを入力することで、各種データや装置に対する指示を入力することができる。
【0029】
通信制御部15は、例えばBluetooth(登録商標)などによってCPU10の制御のもとで近距離無線通信を実行するもので、例えばパーソナルコンピュータや電子辞書端末、PDA、携帯電話機などとの間で無線通信を実行してデータの送受信を行なう。
【0030】
RAM16は、プログラムやデータなどを記録するもので、CPU10によりアクセスされる。RAM16には、通信制御部15を介して送受信されるデータ、チップ読取部18によって印刷物に埋め込まれたチップ(ICタグ)から読み取られたデータ、さらにはチップから読み取られたデータをもとに生成される出力対象とするデータ等が記録される。
【0031】
記録装置17は、システムプログラムやチップ読み取り処理プログラムなどの各種プログラム、各種データなどが記録されており、必要に応じてCPU10により読み出されてRAM16に展開される。
【0032】
チップ読取部18(ICタグリーダ)は、印刷物に近接されることで、印刷物に埋め込まれたチップから非接触によりデータを読み取る。
【0033】
音声出力部19は、例えば印刷物から読み取ったデータをもとに生成された出力対象とする情報を、音声によって図示せぬスピーカから出力する。
【0034】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態における情報処理装置1の使用形態の一例を示す図である。第1実施形態における情報処理装置1は、携帯が容易となるように腕時計型に構成されている例を用いて説明する。なお、情報処理装置1は、腕時計型に限るものではなく、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話機などの他の形態により構成することも可能である。
【0035】
図2に示す情報処理装置1は、装置筐体本体の上面部に表示部13(液晶ディスプレイ)とタッチパネル14とが設けられており、腕(手首)に装着された際に表示内容の確認や入力操作を容易にできるようになっている。また、チップ読取部18は、情報処理装置1を腕に装着した場合に、装置筐体本体と腕を介して反対側に位置するように設けられている。すなわち、図2に示すように、装置筐体本体を手の甲側にして表示面が上となるように装着した場合に、手のひら側にチップ読取部18が位置するように設けられる。これにより、チップ読取部18を印刷物に近接させて、印刷物に埋め込まれたチップからデータを読み込ませながら、この読み取られたデータをもとにした情報を表示させて内容を確認することができる。
【0036】
第1実施形態では、図2に示すように、印刷物としてチップ埋め込み回路図20を対象としている。チップ埋め込み回路図20は、例えば電子装置(機器)に対してメンテナンス作業をする場合に利用されるもので、電子回路図(設計図)中のメンテナンスポイント(メンテナンス作業の対象となる位置)に、このポイントにおけるメンテナンス作業を補助するためのデータが記録されたチップ(電子タグ)20aが埋め込まれている。チップ20aは、回路図(設計図)中に設定された複数箇所のメンテナンスポイント、すなわち印刷された回路(対象物)と対応づけたそれぞれの位置に埋め込まれている。なお、図2においては、チップ20aを黒四角マークにより表しているが、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれているチップ20aが直接視認できる必要はなく、メンテナンスポイントであることを示す印刷、すなわちチップ20aが埋め込まれていることを示す印刷がされているだけでも良い。
【0037】
図3(a)(b)(c)には、印刷物(チップ埋め込み回路図20)に対してチップを埋め込む構造の一例を示している。
【0038】
図3(a)は、用紙(紙媒体)中にチップ20aが埋め込まれた例を示している。チップ20a(電子タグ)は、数ミリ角程度で紙媒体よりも薄い極小サイズに構成することができるため、用紙20bを生成する場合に予め所定の位置に埋め込んでおく。用紙20bはプリンタ装置などにより印刷されることにより、その上面部に印刷層20cが形成される。
【0039】
図3(b)は、用紙20bの上面部にチップ20aが埋め込まれた(貼り付けられた)例を示している。チップ20aは、例えば用紙20bの表面に印刷(インキに混ぜて塗布する)、あるいはプリンタ装置によって用紙20bに対する印刷と同時に貼り付けられる。
【0040】
図3(c)は、用紙20bの下面部にチップ20aが埋め込まれた(貼り付けられた)例を示している。図3(c)に示すように、チップ20aを用紙20bの下面部に貼り付けることで、用紙20bの印刷面が均一な状態とすることができる、印刷により安定して印刷層20cを形成することができる。
【0041】
なお、図3(c)に示す印刷物は、後述する第5実施形態に示すチップ貼り付けプリンタ装置40により、印刷用紙にチップ20aを貼り付けながら印刷を施すことにより作成することができる。
【0042】
次に、第1実施形態における情報処理装置1の動作について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、図2に示すチップ埋め込み回路図20を参照しながら、回路基板に実装された回路についてメンテナンス作業を行なう場合を想定する。
【0043】
まず、作業者は、情報処理装置1を起動して、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aのデータ読み取りが可能な状態にし、情報処理装置1をチップ埋め込み回路図20の表面、すなわち回路図中のメンテナンスポイントとする回路部分に近接させる。
【0044】
これにより、情報処理装置1のチップ読取部18は、電波照射による電磁誘導によって、チップ埋め込み回路図20に印刷されたメンテナンスポイントとする回路部分に埋め込まれたチップ20aに記録されたデータを読み取る(ステップA1)。
【0045】
CPU10は、チップ読取部18によりチップ20aから読み取られたデータをRAM16に格納しておく(ステップA2)。
【0046】
ここで、チップ読取部18により複数のチップ20aからデータの読取が可能な場合、読み取り可能なすべてのチップ20aからデータの読み取りを実行し、それぞれのチップ20aから読み取られたデータを格納しておく(ステップA1〜A3)。
【0047】
ここで、読み取り可能な全てのチップ20aについて読み取りが完了すると(ステップA3、Yes)、CPU10は、複数のチップ20aからデータが読み取られている場合には(ステップA4、Yes)、それぞれのチップ20aから読み取られたデータをもとにした概要を表示部13において表示させる(ステップA5)。
【0048】
例えば、メンテナンスポイントとする複数の回路がチップ埋め込み回路図20中で近接している場合には、それぞれのポイントに対応して埋め込まれた複数のチップ20aからデータが読み取られる。こうした場合、例えばそれぞれのメンテナンスポイントの位置と回路名とを概要として一覧表示させる(出力手段に相当)。
【0049】
ここで、タッチパネル14あるいは入力部12に対する操作によって、複数のチップ20aのそれぞれに対応する概要の何れかが選択されると、CPU10は、この選択された概要に対応するチップ20aから読み取ったデータに応じた情報を出力する(ステップA7(表示手段に相当))。
【0050】
例えば、図2においては、表示部13にメンテナンス作業に関する情報が表示された例を示している。図2に示す表示例では、メンテナンス位置と、メンテナンス対象とする回路名、さらにはメンテナンス作業の詳細な内容について記述されている。メンテナンス作業の詳細では、部品の型名、作業内容、作業方法などが含まれている。
【0051】
なお、図2示すように文字による表示だけでなく、画像(静止画像、動画像)を表示させたり、音声出力部19から音声によって情報を出力することもできる。例えば、設計図の詳細(拡大図)を表示させたり、メンテナンス作業の手順を動画像で表示させたり、あるいはメンテナンス作業の段階ごとに操作内容を音声出力させるといったことができる。
【0052】
こうして、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aから読み取ったデータをもとに、印刷された回路図中のメンテナンスポイントにおける作業に必要な情報を簡単に出力させることができる。
【0053】
ここで、先の表示された複数のチップ20aに対応する概要の一覧を表示し、前述と同様にして何れかを任意に選択させて、チップ20aから読み取ったデータに応じた情報を出力することができる。
【0054】
また、別のメンテナンスポイントにおけるチップ20aの読み取りが実行された場合(ステップA1)、前述と同様の処理を実行する(ステップA1〜A7)。
【0055】
なお、作業者は、情報処理装置1により出力された情報を参照してメンテナンスポイントにおける作業を終了した場合、その旨を入力部12から入力しておく。CPU10は、入力部12から入力された作業終了の入力に応じて、チップ20aから読み取ったデータと対応づけて作業完了データとして記録しておく。ここで記録された作業完了データは、後述する作業終了確認報告として通知する。
【0056】
ここで、メンテナンス作業の終了が作業者によって入力された場合(ステップA8、Yes)、CPU10は、チップ埋め込み回路図20において設定されているメンテナンス作業が完了したか、すなわちチップ埋め込み回路図20に埋め込まれた全てのチップ20aについての読み取りが完了したかを確認する(ステップA9)。
【0057】
全てのチップ20aについての読み取り完了は、例えば何れか一つのチップ20aから読み取ったデータ(例えばメンテナンス位置を示すデータなど)から何れの種類のチップ埋め込み回路図20をメンテナンス作業に利用されているかを判別し、このチップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aの数分の読み取りが完了しているかによって確認することができる。チップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aの数については予め情報処理装置1の記録装置17に記録しておいても良いし、各チップ20aに記録されていても良い。この場合、ステップA1において新たにデータを読み取ったチップ20aの数を計数しておき、この数を用いて読み取り完了を確認する。また、チップ20aに対する読み取り順序が決められている場合には、最後に設定されているチップ20aについての読み取りをした場合に、読み取り完了と判別することもできる。
【0058】
ここで、CPU10は、予め設定されている送信先、例えばメンテナンス作業を管理しているセンター装置(メンテナンス作業者を派遣している本部などに設置されている)に、通信によって自動で作業終了確認報告を送信する(ステップA10)。作業終了確認報告には、メンテナンスポイント(チップ20a)ごとの作業完了データデータが含まれている。作業終了確認報告は、例えば電子メールやその他の通知方法により送信されるものとする。
【0059】
情報処理装置1は、作業終了確認報告に対するセンター装置から応答を受信する。CPU10は、センター装置からの応答が全てのチップ20aについて読み取りが完了していることを示す場合には処理を終了する。
【0060】
一方、作業終了確認報告から全てのチップ20aについて読み取りが完了していないことがセンター装置から応答された場合、すなわち全てのメンテナンスポイントについての作業が終了していない場合、あるいは予め決められたメンテナンスポイント以外の追加メンテナンスポイントがセンター装置から通知された場合には、CPU10は、読み取りが完了していないことを表す確認指示を出力して作業者に通知する(ステップA12)。作業者は、センター装置からの通知に応じたメンテナンス作業を実行して作業を終了する。
【0061】
なお、前述した説明では、作業終了確認報告を送信することで、全てのチップ20aについて読み取りが完了しているか確認されるとしているが、情報処理装置1において確認し、読取が完了していないアクセスポイント(チップ20a)を判別して作業者に提示するようにしても良い。
【0062】
このようにして、機器のメンテナンス作業などを行なう場合に、作業対象とする機器に対応するチップ埋め込み回路図20を用い、回路図中のメンテナンスポイントに埋め込まれたチップ20aからデータを読出して、そのメンテナンスポイントに対するメンテナンス作業に有効な情報を出力させることができる。
【0063】
作業者は、例えば腕に装着した情報処理装置1をチップ埋め込み回路図20に近接させるだけで、メンテナンス作業に必要な情報を出力させることができるので、メンテナンス作業の効率化を図ることができる。
【0064】
なお、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aから読み取ったデータをもとに情報を出力するとしているが、チップ20aに出力対象とするデータそのものを記録することができる場合には、このデータを表示あるいは音声により出力すれば良い。
【0065】
また、チップ20aには、メンテナンスポイントを示すデータ(例えば、メンテナンス位置(コードや数字などで表す)、チップ埋め込み回路図20上の位置(XY座標)など)のみを記録しておき、このデータに対応する出力対象とするデータについては予め情報処理装置1(記録装置17)に記録されているようにしても良い。CPU10は、チップ20aから読み取られたデータに対応する情報を記録装置17から検索し、該当する情報を表示または音声によって出力する。この場合、より多くの情報を作業者に対して提供することができ、また情報の内容(メンテナンス作業内容や手順など)が変更された場合でも、記録装置17に記録されている情報の変更だけで対応することができ、チップ埋め込み回路図20に対する変更を不要とすることができる。
【0066】
さらに、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれた複数のチップ20aに記録されたデータを相互に関連づけておくこともできる。例えば、予め決められたメンテナンス作業の手順に応じて、複数のチップ20aについての読み取り順序を決めておき、各チップ20aにはその順序の前後のチップ20aを示すデータを記録しておく。これにより、あるチップ20aから読み取ったデータをもとに、次に読み取るべきチップ20a(メンテナンスポイント、あるいは回路名など)を出力して、作業者にメンテナンス作業の手順を示すことができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、図5に示すように、印刷物としてチップ埋め込み地図22を対象としている。
【0068】
チップ埋め込み地図22は、地図中の要所となるそれぞれの位置に、その要所に関わるデータが記録されたチップ(電子タグ)22a,22bが埋め込まれている。地図中の要所(対象物)としては、地図情報である道路(交差、分岐、合流地点など)、重要な施設(公的施設、建築物)、記念物、観光ポイント、観光施設などがある。チップ22a,22bには、これら地図に印刷された要所についての住所、関連地へのアクセス方法、観光案内、画像、歴史などのデータの他、他のチップ22a,22bに記録されたデータとの関連を示すデータ(例えば、ルート案内を作成するための要所間の経路データなど)が記録されている。また、チップ22a,22bには、要所に関する文字データの他、画像(静止画、動画)、音声などのデータを記録しておくことができる。
【0069】
図5においては、地図の要所となる箇所(施設/建築物など)にチップ22aが埋め込まれ、地図上の要所となる道路(交差点、分岐など)にチップ22bが埋め込まれている例を示している。図5では、チップ22aを黒四角マーク、チップ22bを白四角マークにより表しているが、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれているチップ22,22bが直接視認できる必要はない。
【0070】
次に、第2実施形態における情報処理装置1の動作について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、利用者は、情報処理装置1を起動して、モード選択入力が可能な状態にする。第2実施形態の情報処理装置1では、例えばチップ埋め込み地図22から読み取ったデータをもとに、チップ22a,22bが埋め込まれた位置に関する情報を出力する情報出力モードと、読み取ったデータをもとにルート案内を出力するルート案内モードの設定が可能である。
【0071】
CPU10は、モード選択用の画面を表示部13において表示させ、情報出力モードとルート案内モードの何れかのモードを選択する指示を、タッチパネル14あるいは入力部12から入力する(ステップB1)。
【0072】
また、情報出力モードが選択された場合には、チップ埋め込み地図22のチップ22aから読み取られるデータをもとにして施設関連情報を出力するか、チップ22bから読み取られるデータをもとにして道路関連情報を出力するかを選択できるものとする。さらに、情報の出力形態として、文字表示、画像表示、音声出力などについても選択できるものとする。
【0073】
以下、情報出力モードが選択された場合について説明する(ステップB2、Yes)。
まず、CPU10は、チップ埋め込み地図22に埋め込まれたチップ22a,22bのデータ読み取りが可能な状態にし、情報処理装置1をチップ埋め込み地図22の表面、すなわち地図中の情報を必要とする施設や道路が印刷されている位置に近接させる。
【0074】
これにより、情報処理装置1のチップ読取部18は、電波照射による電磁誘導によって、チップ埋め込み地図22に印刷された施設や道路に埋め込まれたチップ22a,22bに記録されたデータを読み取る(ステップB1)。
【0075】
CPU10は、チップ読取部18によりチップ22a,22bから読み取られたデータを、モード選択において指定された情報、すなわち施設関連情報と道路関連情報の何れかを選択してRAM16に格納しておく(ステップB2)。
【0076】
ここで、チップ読取部18により複数のチップ22a,22bからデータの読取が可能な場合、読み取り可能なすべてのチップ22a,22bからデータの読み取りを実行し、それぞれのチップ22a,22bから読み取られたデータを格納しておく(ステップB3〜B5)。
【0077】
ここで、読み取り可能な全てのチップ22a,22bについて読み取りが完了すると(ステップB5、Yes)、CPU10は、複数のチップ22a,22bからデータが読み取られている場合には(ステップB6、Yes)、それぞれのチップ22a,22bから読み取られたデータをもとにした概要を表示部13において表示させる(ステップB7)。
【0078】
例えば、チップ埋め込み地図22中で要所が近接している場合には、それぞれの要所に対応して埋め込まれた複数のチップ22a,22bからデータが読み取られる。こうした場合、例えばそれぞれの要所の要所名を概要として一覧表示させる。
【0079】
図7には、施設関連情報の表示例を示している。図7(a)では、例えばチップ埋め込み地図22の「○○寺」の位置に埋め込まれたチップ22aを読み取る操作をした場合に、その周辺の「○×寺」「×○寺」の位置に埋め込まれたチップ22aからもデータが読み込まれたために、「○○寺」「○×寺」「×○寺」が一覧表示されている。
【0080】
ここで、タッチパネル14あるいは入力部12に対する操作によって、複数の要所名の一覧から何れかが選択されると(ステップB8)、CPU10は、この選択された要所名に対応するチップ22a,22bから読み取ったデータに応じた情報を出力する(ステップB9)。
【0081】
例えば、図7(a)においては、「○○寺」が選択されることにより、チップ22aから読み込んだデータに基づく「○○寺」に関する情報(例えばルート説明)が表示された例を示している。ここでは、スクロールバーに対する操作によって、情報のスクロール表示をさせることができる。
【0082】
なお、情報の出力形態として画像が選択されている場合には、例えば図7(b)に示すように、要所の周辺の拡大地図などを表示させることもできる。
【0083】
こうして、チップ埋め込み地図22に埋め込まれたチップ22a,22bから読み取ったデータをもとに、印刷された要所における情報を簡単に出力させることができる。
【0084】
ここで、先の表示された複数のチップ22a,22bに対応する概要(要所名)の一覧を表示し、前述と同様にして何れかを任意に選択させて、チップ22a,22bから読み取ったデータに応じた情報を出力することができる。
【0085】
また、施設関連情報の出力が選択されている場合(ステップB10)、CPU10は、入力部12あるいはタッチパネル14に対する入力操作によって、当該施設への通信による接続の要求を受け付けることができる。ここで、接続要求が入力された場合(ステップB11、Yes)、CPU10は、チップ22aから読み取ったデータをもとに、施設に関連する例えばホームページへのアクセス、当該施設宛の電子メールの送信、あるいは音声通話ができるように回線接続するなどの処理を実行する。この場合、チップ22aには、接続先を示すアドレス(接続先データ)、例えばURL(uniform resource locator)や電子メールアドレスなどが記録されていることになる。
【0086】
こうして、チップ埋め込み地図22に埋め込まれたチップ22a,22bからデータを読み取ることで、チップ埋め込み地図22に記録された要所における施設などの情報をホームページなどから取得したり、電子メールなどによる問い合わせ、あるいは電話を掛けるといったことができる。例えば、観光案内の地図(あるいはパンフレットなど)に埋め込まれたチップから読み取られた情報をもとに、観光地の宿泊施設へ直接接続し、空き部屋確認や予約などを円滑に行なうことができる。
【0087】
ここで、処理が終了されず(ステップB13)、別の要所におけるチップ22a,22bの読み取りが実行された場合、前述と同様の処理を実行する(ステップB1〜B12)。
【0088】
なお、前述した説明では、読み取り可能なチップ22a,22bの全てからデータを読み取った後に、モード選択において指定された情報を選択して記録するとしているが、チップ22a,22bからデータを読み取る際に、モード選択において指定された情報に該当するデータのみを読み出すようにしても良い。
【0089】
例えば施設関連情報の出力が設定されている場合には、チップ22aからのもデータを読み取り、また情報の出力形態として画像表示のみが選択されている場合には、画像に関するデータのみを読み出して文字と音声に関するデータについては読み出さないようにしても良い。
【0090】
次に、モード選択において、ルート案内モードが選択された場合について説明する(ステップB2、No)。
【0091】
まず、ルート案内モードか選択されると、CPU10は、チップ埋め込み地図22上においてスタート位置から目的地までの経路にあるチップからのデータ読み取りの実行を指示するための出力(表示、音声)を行なう(ステップB14)。すなわち、利用者により、情報処理装置1をチップ埋め込み地図22に近接させた状態で、スタート位置から通行しようとする経路に合わせて目的地まで移動させなから、チップ埋め込み地図22に埋め込まれたチップ22a,22bからのデータ読み取りを実行させる。
【0092】
そのために、チップ22a,22bからのデータ読み取り開始がタッチパネル14あるいは入力部12から指示されると(ステップB15)、CPU10は、チップ読取部18によってデータの読み取りを開始させ、チップ読取部18によりチップ22a,22bから読み取られたデータをRAM16に格納していく(ステップB16,B17)。
【0093】
CPU10は、入力部12あるいはタッチパネル14から読み取り終了が指示されるまで、目的地までの経路上の各チップ22a,22bからデータ読み取りを実行し、順次、RAM16に読み取ったデータを格納していく。
【0094】
CPU10は、読み取り終了が入力されると、すなわち目的地までの経路上の各チップ22a,22bからデータ読み取りが終了すると(ステップB18、No)、RAM16に格納されたスタート位置から目的地までのチップ22a,22bから読み取ったデータをもとに、ルート案内を出力するためのルート案内データ(出力データ)を作成する(ステップB19)。
【0095】
ここで、チップ埋め込み地図22の各要所に埋め込まれたチップ22a,22bには、周辺の要所との間の経路に関するデータ、例えば経路上のある要所から次の要所までに通行可能な道路、経路の目印とする目標物、距離、所用時間、要所から経路方向(進行方向)への風景画像などのデータが記録されている。従って、CPU10は、複数のチップ22a,22bから連続してデータを読み取ることで、利用者が意図する目的地までのルートを作成し、利用者からの要求に応じて経路に関する情報を提供することができる。
【0096】
CPU10は、ルート案内データの作成が完了すると、このデータに応じてルート案内を出力する(文字、画像、音声など)。ルート案内データは、例えば各要所における経路上の次の要所までの経路に関する情報を段階的に出力できるように作成されており、入力部12あるいはタッチパネル14から入力され情報更新の指示に応じて、各段階(次の要所まで)の情報を順次出力する(ステップB20,B21、Yes(段階情報出力手段))。
【0097】
従って、利用者は、ある要所に到達した時点で情報更新の指示を入力することで、次の要所までの経路の情報、例えば経路の目印とする目標物、次の要所までの距離、所用時間、要所から経路方向(進行方向)への風景画像など、地図からは取得されない、より詳細な情報を出力させ、これらの情報をもとに進むことができる。こうして、情報処理装置1から順次出力されるルート案内の情報を参考にして目的地に到達することができる。
【0098】
CPU10は、終了が指示されると、処理を終了する(ステップB22、Yes)。
【0099】
このようにして、チップ埋め込み地図22に印刷されたスタート地点から目的地までの経路上の要所に埋め込まれたチップ22a,22bを辿るようにしてデータを読み取るだけで、複数のチップ22a,22bから読み取ったデータをもとに目的地までのルート案内を出力させることができる。すなわち、取り扱いが容易なチップ埋め込み地図22と情報処理装置1とにより、簡易的なナビゲーションシステムを構成することができる。
【0100】
なお、前述したルート案内モードの処理では、予めスタート位置から目的地までの経路上に埋め込まれた複数のチップ22a,22bからデータの読み取りを一括して行なうものとして説明しているが、逐次、データの読み取りの対象とするチップ22a,22bを指示するようにしても良い。
【0101】
この場合のルート案内モードの処理を図8のフローチャートを示している。図8は、図6に示すフローチャートのステップB14〜B22の処理に相当する。
【0102】
まず、ルート案内モードか選択されると、CPU10は、チップ埋め込み地図22上のスタート位置と目的地に埋め込まれたチップからのデータ読み取りの実行を指示するための出力(表示、音声)を行なう(ステップC1)。
【0103】
CPU10は、例えばタッチパネル14あるいは入力部12からデータ読み取りの実行指示が入力されると、その時点でチップ読取部18によってチップ22a,22bからのデータの読み取りを実行させ、この読み取られたデータをRAM16に格納していく(ステップC2)。従って、チップ読取部18をスタート地点と目的地のそれぞれの要所に近接させた状態で読み取り実行を指示することで、スタート位置と目的地の要所に埋め込まれたチップ22a,22bからデータを読み取ることができる。
【0104】
CPU10は、スタート位置と目的地に埋め込まれたチップ22a,22bから読み取られたデータをもとに、スタート位置の次に読み取るべきチップ22a,22bの地図上の場所を判別する(ステップC3)。
【0105】
ここで、チップ埋め込み地図22の各要所に埋め込まれたチップ22a,22bには、周辺の要所との位置関係を示すデータ、例えば東西南北方向に位置するチップ22a,22bが埋め込まれた要所が何れであるかを示すデータが記録されている。従って、CPU10は、スタート位置を基準として目的地が何れの方向にあるかに応じて、次に読み取るべき地図上の場所を判別することができる。なお、複数の要所が候補として判別される場合には、複数の要所を表示させて、利用者に選択させるようにしても良い。
【0106】
ここで、次に読み取るべきチップ22a,22bが目的地に該当しなければ(ステップC4、No)、CPU10は、ステップC3で判別された、次にデータを読み取るべきチップ22a,22bが埋め込まれた要所の場所を利用者に通知するための出力を行なう(ステップC5)。
【0107】
例えば、図9(a)に示す地図において、スタート位置として駅、目的地としてある施設の位置に埋め込まれたチップ22aからそれぞれデータが読み取られているものとする。この場合、スタート位置の駅を基準として、次の読み取るべき地図上の場所として、駅より南方向に位置するガソリンスタンドが判別される(目的地が駅より南側に位置する)。従って、CPU10は、例えば図9(b)に示すように、駅の南方向に位置するガソリンスタンドの位置に埋め込まれたチップ22aからのデータ読み取りを利用者に促すメッセージを表示させる。
【0108】
ここで、メッセージに応じてチップ埋め込み地図22のガソリンスタンドの位置に埋め込まれたチップ22aからデータが読み取られると(ステップC6)、CPU10は、このデータをRAM16に格納する(ステップC7)。
【0109】
そして、CPU10は、チップ22aから読み取ったデータに応じたルート案内(情報)を出力する(ステップC8)。例えば、図9(c)には、データが読み取られたチップ22aが位置するガソリンスタンドから目的地方向の拡大地図をルート案内として表示した例を示している。なお、ルート案内の形態については、文字や音声による説明、画像表示など、各種の形態を用いることができる。
【0110】
CPU10は、チップ22aから読み取られたデータをもとに、前述と同様にして、次に読み取るべきチップ22a,22bの地図上の場所を判別し、前述と同様の処理を目的地に到達するまで繰り返し実行する(ステップC3〜C8()読取情報出力手段に相当)。
【0111】
このようにして、チップ埋め込み地図22の要所に埋め込まれたチップ22a,22bに記録されたデータを、スタート地点から目的地まで逐次的に読み出し、このデータをもとにルート案内を出力することができる。
【0112】
なお、チップ22a,22bには、地図上の要所を示すデータ(例えばコードや数字、緯度/経度など)のみを記録しておき、このデータに対応する出力対象とするデータについては予め情報処理装置1(記録装置17)に記録されているようにしても良い。CPU10は、チップ22a,22bから読み取られたデータに対応する情報を記録装置17から検索し、該当する情報を表示または音声によって出力する。この場合、より多くの情報を利用者に対して提供することができ、また情報の内容が変更された場合でも、記録装置17に記録されている情報の変更だけで対応することができ、チップ埋め込み地図22に対する変更を不要とすることができる。
【0113】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、図10に示すように、印刷物としてチップ埋め込み書籍24を対象としている。第3実施形態の情報処理装置1は、チップ埋め込み書籍24の用紙に埋め込まれたチップ24aから読み取ったデータをもとに、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標))によって接続される他の電子機器に対して所定の処理を要求することができる。
【0114】
第3実施形態では、例えば電子辞書端末25に対して、チップ24aから読み取られた文字コードを送信することで、この文字コードが表す文字列についての和英辞書の検索処理の実行を要求できるものとする。チップ埋め込み書籍24には、用紙に印刷された文字列(例えば、単語、熟語、欄外の注記など)の所定位置にチップ24aが埋め込まれており、このチップ24aに印刷された文字列の文字コード(列)が記録されている。
【0115】
なお、電子辞書端末25は、例えば電子辞書として構成された機器であり、情報処理装置1との通信が可能な機能が設けられているものとする。
【0116】
次に、第3実施形態における情報処理装置1と電子辞書端末25の動作について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。図11(a)は情報処理装置1、図11(b)は、電子辞書端末25の動作を説明するためのフローチャートである。
【0117】
まず、利用者は、チップ埋め込み書籍24の紙面に印刷された言葉(英単語)の訳を調べるために、情報処理装置1のチップ読取部18を該当する単語が印刷されている位置に合わせてデータの読み取りを実行させる。
【0118】
CPU10は、チップ読取部18により読み取られたデータ、ここでは文字コード(列)をRAM16に格納すると共に、通信制御部15を通じて近距離無線通信により電子辞書端末25に送信し、同文字コード(列)に対する辞書検索処理の実行を要求する(ステップD1,D2)。
【0119】
一方、電子辞書端末25は、情報処理装置1からの辞書検索要求と共に検索処理の対象とするデータ(文字コード(列))を受信すると(ステップE1、Yes)、この受信したデータをもとに和英辞書(データベース)を検索し、このデータに該当する訳語のデータを取得する(ステップE2)。
【0120】
電子辞書端末25は、この辞書検索処理によって得られた訳語のデータを、例えば表示装置において表示させると共に、情報処理装置1に対して送信する(ステップE3,E4)。
【0121】
情報処理装置1のCPU10は、通信制御部15により電子辞書端末25からデータを受信すると(ステップD3)、この受信した訳語のデータをRAM16に記録すると共に、この訳語のデータを表示部13において表示させる(ステップD5)。
【0122】
以下、処理の終了が指示されるまで(ステップD6、Yes)、CPU10は、チップ読取部18によりチップ24aから読み取られたデータについての検索要求を電子辞書端末25に送信し、その検索結果を受信して出力することができる(ステップD1〜D5)。
【0123】
図10には、チップ埋め込み書籍24の紙面に印刷された「reform」の単語の位置に埋め込まれたチップ24aから、この単語の文字コード列を取得し、電子辞書端末25に対して検索要求をした場合の表示画面例を示している。この場合、電子辞書端末25の表示画面と情報処理装置1の表示画面のそれぞれにおいて、辞書検索結果とする訳語に関するデータ、例えば「(社会的制度・事態などを)改正する、改革する…」が表示されている。
【0124】
このようにして、情報処理装置1は、チップ埋め込み書籍24(用紙)に埋め込まれたチップ24aから読み取られた単語等を表すデータをもとに、電子辞書端末25に対して辞書検索を実行させ、その検索結果を受信して出力させることができる。これにより、情報処理装置1に辞書データ(データベース)や辞書検索のアプリケーションなどを搭載しておく必要がない。従って、辞書データを変更する場合であっても、情報処理装置1における変更が不要であるので容易に対応することができる。また、チップ埋め込み書籍24に情報処理装置1を近接させて、チップ24aからデータを読み取るだけで辞書検索を実行できるので操作が非常に簡単となる。
【0125】
なお、前述した説明では、1つの単語に対応する文字コード列を読み取ることができるものとして説明しているが、複数のチップ24aから同時にデータが読み取られる場合には、この複数のデータの内容を表示部13において表示させ、利用者により検索対象とする文字列を選択させるようにしても良い。また、1つのチップ24aに1つの単語のデータを記録しておくだけでなく、チップ24aが埋め込まれた周辺に印刷された複数の文字列(単語など)のデータが記録されていても良い。
【0126】
また、電子辞書端末25は、和英辞書を検索するだけでなく、各種の辞書を対象とすることができる。電子辞書端末25は、情報処理装置1から受信されるデータに応じて辞書を切り替えて、辞書検索を実行するようにしても良い。また、辞書に限るものでなく、辞典や用語集、解説書、法令集など、各種情報が格納されたデータベースを検索対象とすることができる。
【0127】
また、前述した説明では、情報処理装置1との通信を行なう他の電子機器として電子辞書端末25を例にしているが、例えばパーソナルコンピュータやPDAなどの情報機器、テレビなどの家電製品などの他の機器を対象とすることもできる。
【0128】
また、電子辞書端末25のようにスタンドアロン型の電子機器だけでなく、通信網(有線、無線含む)を介して他の機器と接続可能な他の電子機器に対して、情報処理装置1から処理要求をするようにしても良い。
【0129】
例えば、チップ埋め込み書籍24に代えて通信販売に用いられるカタログを対象とし、情報処理装置1は、カタログに埋め込まれたチップ24aから商品コードを読み取り、この商品コードの商品の発注を他の電子機器、例えばパーソナルコンピュータや携帯電話機などを介して通信回線を介して送信することができる。ここでは、例えば電子メールにより送信したり、インターネットを介してWebページにアクセスして送信する。なお、発注先のアドレス(接続先データ)、例えば電子メールアドレス、URLなどは、カタログに埋め込まれたチップ24aに記録されているものとする。情報処理装置1は、この発注先のアドレスをチップ24aから取り込み、このアドレスが示す受注元に対する発注処理の要求を他の機器に送信して、前述した処理を実行させる。
【0130】
同様にして、チップ埋め込み書籍24に埋め込まれたチップ24aに、著者の他の作品に関するデータを記録しておくことで、携帯電話機などの他の機器を通じて、このデータを元にした商品の発注依頼を送信することができる。
【0131】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、図12に示すようなバインダ型情報処理装置30によって、印刷物に埋め込まれたチップからデータを読み取る構成としている。第5実施形態における印刷物としては、チップ埋め込み書類32を対象としている。チップ埋め込み書類32は、紙媒体による書類に複数のチップ32aが埋め込まれた構成をしている。チップ埋め込み書類32に埋め込まれたチップ32aには、例えば各書類を識別する識別データ(ID)や、書類の作成者、作成日付、書類の名称、書類に印刷(あるいは記入)された内容に関するデータなどが記録されている。
【0132】
バインダ型情報処理装置30は、一般的な書類を複数枚綴じることができる機構を有している。また、バインダ型情報処理装置30は、図1に示すCPU10、入力部12、通信制御部15、RAM16、及び記録装置17が実装される本体部30aと、表示部13、タッチパネル14、及び音声出力部19が実装される出力部30bとが背表紙面に実装され、複数のチップ読み取り部30cが表紙面及び裏表紙面に実装され、それぞれが電気的に接続されている。チップ読み取り部30cは、バインダ型情報処理装置30にチップ埋め込み書類32が綴じられることによって、チップ埋め込み書類32に埋め込まれたチップ32aと近接されデータの読み取りが可能となる。複数のチップ読み取り部30cは、例えばチップ埋め込み書類32に埋め込まれた複数のチップ32aのうち特定の位置(例えば左上隅)のチップ32aのみからデータを読み取るためのものと、その他の複数のチップ32aからデータを読み取るためのものに割り当て、それぞれ異なるデータ読み取り可能範囲を設定している。
【0133】
また、バインダ型情報処理装置30は、本体部30aに実装された通信制御部15により、他の電子機器、例えば第1〜第3実施形態において説明した情報処理装置1との間で、近距離無線通信によって相互にデータを送受信することができる。
【0134】
さらに、本体部30aの表面部に太陽電池パネル及び充電池(図示せず)を実装することで、この太陽電池パネルにより発生される電気により、バインダ型情報処理装置30の動作を継続的に動作させることができる。従って、チップ埋め込み書類32が多数綴じられたバインダ型情報処理装置30を書棚に長期間入れたままで、情報処理装置1などの電子機器により無線通信を通じて、バインダ型情報処理装置30が管理するチップ埋め込み書類32に関するデータを任意に取得することができる。なお、太陽電池パネルに限らず、他の電源供給手段が設けられていても良い。
【0135】
次に、第4実施形態におけるバインダ型情報処理装置30の動作について、図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0136】
バインダ型情報処理装置30は、新しい書類が追加されたかを監視している(ステップF1)。例えば、書類を綴じる機構が操作された場合、本体部30aのCPU10は、これを検知して、チップ読み取り部30cによってチップ32aからデータの読み取りを実行させる。ここでは、バインダ型情報処理装置30に綴じられている全ての書類の識別データ(ID)を読み取る。例えば、チップ埋め込み書類32の識別データは、チップ埋め込み書類32の所定の位置、例えば左上隅の位置に埋め込まれたチップ32aに記録されているものとする。
【0137】
CPU10は、チップ読み取り部30cにより全てのチップ埋め込み書類32から読み取った識別データより、新たな識別データがあることが判別できると、この新規のチップ埋め込み書類32のチップ32aからデータを読み取る(ステップF2)。
【0138】
CPU10は、新規のチップ埋め込み書類32から読み取ったデータをもとに、綴じられた書類を管理するための書類データを更新する(ステップF3)。ここでは、例えばバインダ型情報処理装置30に綴じられた書類の枚数を記録している枚数カウンタ(RAM16に記録される)を更新すると共に、新規のチップ埋め込み書類32に対して索引データを付加する(ステップF3)。なお、索引データは、チップ埋め込み書類32のチップ32aから読み出し、この読み出されたデータを用いて付加されるものとする。
【0139】
CPU10は、新たに追加されたチップ埋め込み書類32の索引データを含む更新された書類データを、RAM16あるいは記録装置17に格納しておく(ステップF4)。
【0140】
こうして、バインダ型情報処理装置30は、綴じられた複数のチップ埋め込み書類32について、管理データを作成して記録しておくことができる。
【0141】
なお、前述した説明では、チップ埋め込み書類32が追加された場合についてのみ説明しているが、綴じられていたチップ埋め込み書類32がバインダ型情報処理装置30から取り外された場合にも同様にして書類データを更新し、この更新されたデータを格納しておくものとする。
【0142】
また、バインダ型情報処理装置30は、通信制御部15を通じて、例えば情報処理装置1から書類データの送信要求を受信すると(ステップF5)、記録装置17あるいはRAM16に格納されている管理データを、要求元の情報処理装置1に対して送信する(ステップF6)。
【0143】
情報処理装置1では、バインダ型情報処理装置30から受信した管理データをもとに、書類枚数や、各書類の索引の一覧などを表示する。
【0144】
これにより、情報処理装置1の使用者は、バインダ型情報処理装置30に綴じられた各チップ埋め込み書類32を直に確認することなく、バインダ型情報処理装置30から受信した管理データから、綴じられている書類の枚数を把握し、各書類の内容を索引から知ることができる。
【0145】
なお、前述した説明では、バインダ型情報処理装置30は、綴じられたチップ埋め込み書類32の枚数と索引を管理するものとして説明したが、これは一例であって、チップ埋め込み書類32に埋め込まれたチップ32aに各種のデータを記録しておけば、そのデータに応じた様々な情報を管理しておくことができる。
【0146】
また、バインダ型情報処理装置30により管理されている情報は、情報処理装置1において受信して出力するだけでなく、出力部30bに実装される表示部13(例えば、液晶ディスプレイ)において、常時、表示しておくことが可能である。
【0147】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、前述した第1〜第4実施形態において処理対象としていた印刷物を作成するためのチップ貼り付けプリンタ装置40について説明する。
【0148】
図14は、第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40の構成を示すブロック図、図15は、チップ貼り付けプリンタ装置40における印刷物(印刷)の搬送系を搬送方向と垂直な方向から見た構成を示す図である。
【0149】
図14に示すように、チップ貼り付けプリンタ装置40には、制御部41、センサ制御部42、通信制御部43、記録部44、用紙搬送制御部45、印刷制御部46、チップシール搬送制御部47、チップ接着制御部48、及びチップデータ書き込み制御部49が設けられている。
【0150】
制御部41は、チップ貼り付けプリンタ装置40の全体の制御を司るもので、CPUや各種プログラムやデータが記録されたメモリを含んで構成される。
【0151】
センサ制御部42は、チップ貼り付けプリンタ装置40の動作状況を検出するために各所に設置されたセンサを制御する。センサは、図15に示す各モジュールや搬送機構に実装されている。
【0152】
通信制御部43は、チップ貼り付けプリンタ装置40を制御するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置との間の通信を制御する。通信制御部43、制御部41の制御のもとで、情報処理装置から印刷対象とする印刷データの他、用紙に埋め込まれる(貼り付けられる)チップに対して書き込む書き込みデータ、チップの用紙に対する貼り付け位置を示す用紙位置データなどが含まれる。
【0153】
記録部44は、通信制御部43を通じて情報処理装置などから受信される各種データなどを記録する。
【0154】
用紙搬送制御部45は、制御部41の制御のもとで、用紙搬送機構53を駆動し、印刷及びチップの貼り付けの対象となる印刷用紙50を搬送路上で搬送させる。
【0155】
印刷制御部46は、制御部41の制御のもとで、トナー/印刷ヘッドモジュール52を駆動し、印刷用紙50に対して印刷を施す。第5実施形態のチップ貼り付けプリンタ装置40では、印刷用紙50の一方の面に対して印刷を施し、他方の面にチップを貼り付けるものとする(図3(c)参照)。
【0156】
チップシール搬送制御部47は、制御部41の制御のもとで、チップ接着モジュール51のチップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51a及びチップ接着機構51dを制御して、印刷用紙50に対して貼り付けられるチップを含むチップシールを搬送させる。
【0157】
チップ接着制御部48は、制御部41の制御のもとで、チップ接着モジュール51のチップ接着機構51dによる印刷用紙50へのチップの貼り付け動作を制御する。
【0158】
チップデータ書き込み制御部49は、制御部41の制御のもとで、チップシール搬送制御部47及びチップ接着制御部48により印刷用紙50に貼り付けられたチップに対して、情報処理装置から受信された書き込みデータの書き込みを制御する。
【0159】
図15に示すように、チップ貼り付けプリンタ装置40の搬送系には、印刷用紙50の搬送路に沿って、チップ接着モジュール51、トナー/印刷ヘッドモジュール52、用紙搬送機構53、及びチップデータ書込機構54が設けられている。
【0160】
チップ接着モジュール51は、印刷用紙50に対してチップを貼り付ける(埋め込む)ためのもので、印刷用紙50の裏面にチップを貼り付けるために搬送路の下部に設けられている。チップ接着モジュール51には、チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51a、チップシールロール51b、シール台紙巻取り機構51cが設けられている。
【0161】
チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51aは、チップシールロール51bに巻回されたチップロール紙60(図16参照)の搬送に伴って、チップロール紙60から保護フィルム63を剥離して巻き取り収容するための機構である。チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51aにより保護フィルム63が剥離されることで、チップロール紙60のチップを含んだシール62の印刷用紙50と対向する面が露出され、チップ接着機構51dによるチップの貼り付けが可能な状態となる。
【0162】
チップシールロール51bは、チップロール紙60が巻回されたもので、シール台紙巻取り機構51cによる巻き取り動作に伴って順次チップロール紙60が引き出される。
【0163】
シール台紙巻取り機構51cは、回転駆動されることでチップシールロール51bからチップロール紙60を引き出し、チップロール紙60(シール台紙61)をチップ接着機構51dによるチップの貼り付け位置(接着部65)上を通過するように搬送させる。
【0164】
トナー/印刷ヘッドモジュール52は、印刷用紙50に対して印刷を施すためのもので、搬送路の上部に設けられている。トナー/印刷ヘッドモジュール52には、複数色分のトナー52aと、それぞれのトナー52aに対応する印刷ヘッド52bが設けられている。
【0165】
用紙搬送機構53は、印刷及びチップの貼り付けの対象となる印刷用紙50を搬送路上で搬送させる。
【0166】
チップデータ書込機構54は、チップ接着モジュール51のチップ接着機構51dによって、印刷用紙50の下面(裏面)に貼り付けられたチップに対して、チップデータ書き込み制御部49の制御により情報処理装置から受信された書き込みデータを書き込む。チップデータ書込機構54は、搬送される印刷用紙50の裏面に貼り付けられたチップと近接する位置に設けられており、電磁誘導により非接触でデータの書き込みを行なう。
【0167】
図16には、チップシールロール51bに巻回されたチップロール紙60の構成を断面によって示している。
【0168】
チップロール紙60は、シール台紙61とチップを含んだシール62と保護フィルム63とによる三層構造になっている。チップロール紙60は、シール台紙61の上にチップを含んだシール62が例えば等間隔で規則的に配置されている。チップを含んだシール62は、シール台紙61と反対側に加熱されることにより溶着する接着剤62bが塗布されており、その上に保護フィルム63が覆われている。
【0169】
図16に示す構造では、シール部分にチップ62aが含まれる(挟まれる)ため、チップ62aを直接、印刷用紙50に貼り付ける場合に比べてはがれにくくすることができ、またシールに印刷することができるので印刷用紙50に対して両面印刷することもできる。
【0170】
図17は、チップ接着モジュール51の周辺拡大図を示す図である。
チップシールロール51bは、シール台紙巻取り機構51cにより巻き取りが開始されることで、チップロール紙60が、順次、チップ接着機構51dによるチップの貼り付けが行われる接着部65を通過するように搬送される。
【0171】
この時、チップロール紙60の保護フィルム63は、チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51aによって巻き取られる。従って、シール台紙61は、チップを含んだシール62が露出された状態で接着部65を通過するように搬送される。
【0172】
チップ接着機構51dは、例えばソレノイドによる上下動を行なうヘッダ部51d1とシリンダ部51d2から構成されており、チップ接着制御部48の制御により、接着部65にチップを含んだシール62が到達した時点でヘッダ部51d1を上方向に押し上げることで、シール台紙61と共にチップを含んだシール62を印刷用紙50に圧接させる。ヘッダ部51d1の先端部分には、通電により加熱する加熱部が設けられている。加熱部は、シール62を印刷用紙50に圧接させるタイミングで加熱され、シール62に塗布されている接着剤62bを活性化させて印刷用紙50に溶着させる。
【0173】
シール台紙巻取り機構51cには、チップを含んだシール62が印刷用紙50に貼り付けられることで、シール台紙61のみが巻き取られる。
【0174】
なお、チップ接着機構51dは、図17に示すヘッダ部51d1とシリンダ部51d2とによる構成の他に、モータカムや油圧によりヘッド部を押し上げる構成とすることもできる。
【0175】
次に、第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40の動作について説明する。
まず、チップ貼り付けプリンタ装置40を制御する情報処理装置では、印刷用紙50に対して印刷するための印刷データを生成する。また、印刷用紙50に対する印刷データの内容に応じて、印刷用紙50に対するチップの埋め込み(貼り付け)位置を示す用紙位置データとチップに対する書き込みデータの作成と編集を実行する。
【0176】
基本的には、印刷用紙50に印刷される対象物(第1実施形態におけるメンテナンスポイントの回路、第2実施形態における建築物などの要所など)と、この対象物に関係する書き込みデータが生成される。また、チップの埋め込み(貼り付け)位置は、対象物が印刷される位置(あるいは近傍)に設定されるものとする。
【0177】
情報処理装置は、印刷データと共に用紙位置データと書き込みデータをチップ貼り付けプリンタ装置40に送信し、印刷実行を指示する。
【0178】
チップ貼り付けプリンタ装置40の制御部41は、通信制御部43を通じて各データを受信すると、用紙搬送制御部45により用紙搬送機構53を駆動して、印刷用紙50の搬送を開始させる。また、制御部41は、チップシール搬送制御部47により、印刷用紙50の搬送速度に合わせてチップロール紙60を搬送させて、チップを含んだシール62がチップ接着機構51d(ヘッダ部51d1)上にあるように位置決めする。
【0179】
印刷用紙50の用紙位置データが示す位置が接着部65にまで搬送されると、制御部41は、チップ接着制御部48によりチップ接着機構51dを駆動させ、ヘッダ部51d1によりシール62を印刷用紙50に圧接させる。また、チップ接着機構51dにより、ヘッダ部51d1の加熱部を一定時間加熱させ、シール62に塗布された接着剤62bを溶かして、チップを含んだシール62を印刷用紙50に溶着させる。一定時間が経過した後、チップ接着機構51dによりヘッダ部51d1が押し下げられると、シール62がシール台紙61から剥がれ、印刷用紙50の裏面に貼り付けられる。
【0180】
印刷用紙50はさらに用紙搬送機構53により搬送され、トナー/印刷ヘッドモジュール52による印刷位置に到達すると、印刷制御部46の制御によりトナー/印刷ヘッドモジュール52が駆動されて、印刷データに応じた印刷が表面に施される。
【0181】
また、搬送路の下部に設けられたチップデータ書込機構54の位置に、印刷用紙50の裏面に貼り付けられたチップが到達すると、チップデータ書き込み制御部49の制御によりチップデータ書込機構54が駆動され、書き込みデータがチップに対して書き込まれる。
【0182】
こうして、印刷用紙50は、用紙搬送機構53により搬送されながら、表面に印刷が施され、裏面にチップが貼り付けられて所定のデータが書き込まれた後に排出される。
【0183】
図18には、第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40により印刷が施される印刷物の具体例としてチップ埋め込み服薬指導書70を示している。
【0184】
チップ埋め込み服薬指導書70は、例えば調剤薬局店や病院の薬局などで患者に薬を出す際に、患者が誤った服用(あるいは使用)をしないように各薬についての詳細な情報を印刷すると共に、各薬についての詳細が記載された位置に応じてチップが埋め込まれて、詳細な説明を音声によって出力するための音声データやその他のデータが書き込まれたものである。
【0185】
チップ埋め込み服薬指導書70には、複数の薬ごとに、例えば薬の外観を表す画像の他、薬の特徴、服用方法、注意事項などの文章が詳細情報として印刷されている。この薬毎の詳細情報の印刷位置に合わせてチップ70aが埋め込まれており、それぞれの薬についてのデータが書き込まれている。
【0186】
例えば、調剤薬局店に設置された情報処理装置において、薬の種類、服用数、服用方法などを指定することで、印刷データが生成されると共に、書き込みデータ及び用紙位置データが生成されて、チップ貼り付けプリンタ装置40に送信される。チップ貼り付けプリンタ装置40は、前述したように、各データに応じて印刷を実行する共に、所定の位置にチップ72aを貼り付けてデータの書き込みを実行する。
【0187】
チップ埋め込み服薬指導書70を受け取った利用者は、例えば情報処理装置1を近接させて、チップ70aからデータを読み取ることで、図18に示すように、音声により服用方法や注意事項などを出力させることができる。
【0188】
これにより、視力が衰えた人であっても、音声により印刷された内容を確認できるので、間違いのない服用が可能となる。
【0189】
なお、チップ70aに印刷された内容と同様のデータを記録しておくことで、このデータを読み出して表示部13に表示させることもできる。
【0190】
なお、図15に示すチップ貼り付けプリンタ装置40の搬送系の構成では、図3(c)に示すように、表面に印刷を施し、裏面にチップを貼り付ける構成としているために、チップ接着モジュール51を搬送路の下部に設置しているが、図3(b)に示すように、チップを印刷面側に貼り付ける場合には、チップ接着モジュール51を搬送路の上部に設置すれば良い。また、チップ62aがシールに含まれているため両面印刷することもできる。
【0191】
また、チップロール紙60では、チップを含んだシール62が1列に配列された構成としているが、行列方向に複数のチップを含んだシール62が配列されていても良い。この場合、チップ接着モジュール51のチップ接着機構51dは、各列に対応して複数設けられるものとする。
【0192】
このようにして、チップ貼り付けプリンタ装置40では、一般的なプリンタ装置と同様にして印刷用紙50に対して印刷を施すのと同時に、印刷された内容に合わせた位置にチップを貼り付け、印刷内容に合わせたデータをチップに記録することができる。
【0193】
なお、前述した各実施形態では、印刷物とする部材として紙を用いた場合について説明しているが、例えば布、金属、樹脂などのその他の部材を用いる場合に適用することも可能である。
また、印刷物は平面状である必要もなく、表面に印刷が施された立体構造物(例えば地球儀などの球体、直方体など)であっても良い。
【0194】
さらに、印刷物に埋め込まれた複数のチップから一括してデータの読み取りが行われないように、すなわち特定のチップからのみデータの読み取りができるように、例えばチップ読取部18は、電界強度が最も強いチップからのみデータを読み取るようにしても良い。また、チップ読取部18は、特定のチップからのみデータの読み取りができるように、指向性を持つ構成とすることもできる。
【0195】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の実施形態(第1〜第5実施形態)における情報処理装置1の構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態における情報処理装置1の使用形態の一例を示す図。
【図3】本実施形態(第1〜第5実施形態)における印刷物に対してチップを埋め込む構造の一例を示す図。
【図4】第1実施形態における情報処理装置1の動作について説明するためのフローチャート。
【図5】第2実施形態における印刷物の具体例とするチップ埋め込み地図22を示す図。
【図6】第2実施形態における情報処理装置1の動作について説明するためのフローチャート。
【図7】第2実施形態における施設関連情報の表示例を示す図。
【図8】第2実施形態におけるルート案内モードの処理を説明するためのフローチャート。
【図9】第2実施形態のルート案内モードの動作を説明するための図。
【図10】第2実施形態における印刷物の具体例とするチップ埋め込み書籍24を示す図。
【図11】第3実施形態における情報処理装置1と電子辞書端末25の動作について説明するためのフローチャート。
【図12】第4実施形態におけるバインダ型情報処理装置30の外観構成を示す図。
【図13】第4実施形態におけるバインダ型情報処理装置30の動作について説明するためのフローチャート。
【図14】第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40の構成を示すブロック図。
【図15】第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40における印刷物(印刷)の搬送系を搬送方向と垂直な方向から見た構成を示す図。
【図16】第5実施形態におけるチップシールロール51bに巻回されたチップロール紙60の構成を断面によって示す図。
【図17】第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40の動作について説明するためのチップ接着モジュール51の周辺拡大図。
【図18】第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40により印刷が施される印刷物の具体例とするチップ埋め込み服薬指導書70を示す図。
【符号の説明】
【0197】
1…情報処理装置、10…CPU、12…入力部、13…表示部、14…タッチパネル、15…通信制御部、16…RAM、17…記録装置、18…チップ読取部、19…音声出力部、20…チップ埋め込み回路図、20a…チップ、20b…用紙、20c…印刷層、22…チップ埋め込み地図、24…チップ埋め込み書籍、25…電子辞書端末、30…バインダ型情報処理装置、30a…本体部、30b…出力部、30c…チップ読み取り部、32…チップ埋め込み書類、32a…チップ、40…チップ貼り付けプリンタ装置、41…制御部、42…センサ制御部、43…通信制御部、44…記録部、45…用紙搬送制御部、46…印刷制御部、47…チップシール搬送制御部、48…チップ接着制御部、49…チップデータ書き込み制御部、50…印刷用紙、51…チップ接着モジュール、51a…チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構、51b…チップシールロール、51c…シール台紙巻取り機構、51d…チップ接着機構、51d1…ヘッダ部、51d2…シリンダ部、52…トナー/印刷ヘッドモジュール、52a…トナー、52b…印刷ヘッド、53…用紙搬送機構、54…チップデータ書込機構、60…チップロール紙、61…シール台紙、62…チップを含んだシール、62a…チップ、62b…接着剤、63…保護フィルム、65…接着部、70…チップ埋め込み服薬指導書。
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触でデータの読み取りが可能なICチップが埋め込まれた印刷物、同印刷物に埋め込まれたチップからデータを読み取る情報処理装置、チップが埋め込まれた印刷物を作成するチップ貼り付けプリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、非接触でデータの読み取りが可能な電子タグ(ICタグ、RFID(Radio Frequency Identification)、無線タグ)が、製品(商品)や梱包物の管理などのために使用されている。例えば、製品(商品)に電子タグを貼り付けておき、製品(商品)を通過させる経路近くに、電子タグからデータを読み取ることができる情報処理装置を設置しておくことで、作業者がデータ読取のための特別な作業を行なうことなく、情報処理装置近くを製品(商品)が通過したことを検知することができる。これにより、製品(商品)の出荷管理、在庫管理、販売管理などを自動で行なうことができ、物流、流通業界における作業の効率化が図られている。
【0003】
こうした電子タグ(ICタグ)を利用して、配送作業の効率化に貢献できるようにする配送票なども考えられている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載された配送票では、表面に繰り返し印刷が可能なリライト面を設けたICタグを分離可能に設け、ICタグを接着した状態でプリンタにかけて印刷できるようにしている。ICタグには、伝票番号と同じバーコードが印字され、ICタグのメモリには伝票番号をはじめとする配送情報や配送地域を特定する情報と同一内容の情報などが書き込まれる。そして、この配送票を用いた配送品の配送作業が終了した後、ICタグを剥離し、メモリに入力してあるデータとリライト層に印刷されたバーコードを消去して再度使用可能にしている。
【0004】
従来では、1つの製品(商品)に対しては1つの電子タグ(ICチップ)が貼り付けられているだけであり、電子タグを貼り付ける製品(商品)や特許文献1に記載された配送票における位置は特に意味を持つものではなかった。
【0005】
特許文献1の配送票では、配送品に対応する固有のバーコードが1つのICタグに印刷されるので、バーコードとICタグとが1対1に対応しているため、何れの位置に貼り付けられていても良い。
【特許文献1】特開2002−211170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来では、電子タグ(ICタグ)を製品(商品)や配送票などに付けることで、出荷管理、在庫管理、販売管理などに利用して作業効率の向上を図っている。しかしながら、電子タグ(ICタグ)は、製品(商品)を識別する情報、あるいは特許文献1に記載されたような配送品に関する配送情報や配送地域の情報などが記録されているだけであった。すなわち、従来では印刷によって目視可能としていた製品(商品)自体の単一の情報を電子タグにデータとして記録し、情報処理装置により自動で読み出せるようにしただけであった。
【0007】
本発明の課題は、非接触によりデータ読み取りが可能なICチップをより有効に活用することが可能な情報処理装置、チップ貼り付けプリンタ装置、印刷物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、前記ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、前記ICチップ読み取り手段によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、それぞれのICチップに対応する対応情報を表示する表示手段と、前記表示手段により表示された対応情報の何れかの情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された情報に応じて、当該情報に対応するICチップから読み取られたデータをもとにした情報を出力する第1情報出力手段と
を具備したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ICチップ読み取り手段によって印刷物に埋め込まれた複数のICチップの全てについて読み取りが完了したか判別する判別手段と、前記判別手段により読み取りが完了していないと判別された場合に、読み取りが完了していないことを表す確認指示を出力する確認出力手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記判別手段は、読み取り終了の確認報告を通信により送信する報告送信手段と、前記報告送信手段により送信した確認報告に対する応答を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された応答から読み取りが完了したかを判別する応答判別手段とを具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ICチップに記録されるデータには通信による接続先を示す接続先データを含み、前記ICチップ読み取り手段によって読み取られた接続先データが示す接続先にデータを送信するデータ送信手段をさらに具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ICチップ読み取り手段によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、段階的に情報を出力するための出力データを作成する出力データ作成手段と、前記出力データ作成手段により作成された出力データをもとに段階的に情報を出力する段階情報出力手段と、前記段階情報出力手段により出力される情報を次の段階に更新させる指示を入力する更新入力手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ICチップ読み取り手段によって前記ICチップから読み取られたデータをもとに、次にデータを読み取るべきICチップが埋め込まれた前記印刷物の位置を判別する位置判別手段と、前記位置判別手段によって判別された前記印刷物の位置を通知するための出力を行なう通知出力手段と、前記通知出力手段によって出力された通知に応じた位置に埋め込まれたICチップから前記ICチップ読み取り手段によって読み取られたデータに応じた情報を出力する読取情報出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、前記ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、前記ICチップ読み取り手段によって前記ICチップから読み取られたデータを、他の電子機器に送信するデータ送信手段と、前記データ送信手段によって送信したデータに対する、前記他の電子機器における処理結果とするデータを受信するデータ受信手段と、前記受信手段によって受信したデータを出力するデータ手段とを具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、複数の書類を綴じるための機構を有するバインダ型の情報処理装置であって、前記機構によって綴じられた書類に埋め込まれたICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、前記ICチップ読み取り手段によって読み取られたデータをもとに、前記機構により綴じられた複数の書類を管理するための書類データを更新する書類データ更新手段と、前記書類データ更新手段により更新される書類データを格納する書類データ格納手段とを具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記書類データ格納手段に格納された書類データを他の電子機器に送信する書類データ送信手段をさらに具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記ICチップ読み取り手段を複数設けて、それぞれに対して前記書類に埋め込まれた複数のICチップに対するデータ読み取り範囲を設定することを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、印刷用紙に対して印刷するプリンタ装置において、前記印刷用紙に対して印刷された対象物の位置にICチップを接着するチップ接着手段と、前記チップ接着手段によって接着されたICチップに対して、前記対象物に関係するデータを書き込むデータ書き込み手段とを具備したことを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記チップ貼り付け手段は、前記ICチップを含んだシールが台紙上に連続的に配置され、保護フィルムにより覆われたチップシールロール紙が巻回されたチップシールロールと、前記チップシールロール紙を印刷用紙の搬送路に沿って搬送させる搬送手段と、前記搬送手段による搬送に伴って、前記保護フィルムを剥離させながら巻き取る保護フィルム剥離巻き取り機構と、前記保護フィルムが剥離されたチップシールロール紙のICチップを含んだシールを前記印刷用紙に押圧して接着するチップ接着手段とを具備したことを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、印刷が施された印刷部材に非接触によりデータの読み取りがされるICチップを複数埋め込み、前記ICチップのそれぞれに、前記ICチップが埋め込まれた位置に印刷された印刷内容と関連するデータと、他のICチップとの関連を示すデータとを記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項に記載された発明によれば、印刷物に埋め込まれたICチップに記録されたデータを非接触により読み取り、複数のICチップから読み取られたデータを選択的に出力できるようにすることで、例えば印刷物に印刷された複数の対象物の位置のそれぞれに埋め込まれたICチップに対象物と関連するデータを記録しておくことで、印刷された対象物に関連するデータを任意に読み出して参照することができるようになり、非接触によりデータ読み取りが可能なICチップをより有効に活用することが可能となるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本実施形態(第1〜第5実施形態)における情報処理装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態における情報処理装置1は、印刷物(回路図、地図、書籍、薬袋、書類など)に埋め込まれた複数の電子タグ(RFID、ICタグ、無線タグ)(以下、単にチップと略称する)からデータを読み取り、このデータをもとに利用者に対して有効な情報を出力するための機能が設けられている。
【0024】
図1に示すように、本実施形態における情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、入力部12、表示部13、タッチパネル14、通信制御部15、RAM(random access memory)16、記録装置17、チップ読取部18、及び音声出力部19が設けられている。
【0025】
CPU10は、記録装置17に記録されているシステムプログラムを含む各種のプログラムを読み出してRAM16に展開し、このRAM16に記録されたプログラムに基づいて各部を制御して各種機能を実現する。例えば、CPU10は、チップ読み取り処理プログラムにより、印刷物に埋め込まれた複数のチップからデータを読み取り、このデータをもとに所定の形式の情報を生成して出力させるチップ読み取り処理を実行することができる。
【0026】
入力部12は、各種データの入力や装置に対するユーザからの指示を入力するために用いられるもので、例えば複数のボタンが設けられる。情報処理装置1がどのような形態によって構成されるかによるが、例えば図2に示すような携帯型(腕時計型)に構成される場合には数個のボタンが設けられる。また、情報処理装置1がPDA(personal digital assistant)などの例えば手のひらサイズ以上の大きさで構成される場合には、数字、仮名、各種記号等の文字を入力するための文字ボタンの他、上下左右方向を指示するためのカーソルボタン、選択実行等を指示するためのボタン、特定の機能が割り当てられる機能ボタンなどを設けることができる。
【0027】
表示部13は、CPU10の制御に従って各種処理に伴う画像を表示するもので、例えば液晶ディスプレイが用いられる。情報処理装置1によりチップ読み取り処理を実行する場合には、チップから読み取ったデータをもとにして生成された、印刷物に印刷された内容に関する各種の情報が、文字あるいは画像(動画、静止画がなど)によって表示される。
【0028】
タッチパネル14は、指先あるいはペン先などにより押圧されることで座標データを入力するもので、表示部13の表示面と一体に形成されている。タッチパネル14から表示部13において表示されるボタンなどの位置の座標データを入力することで、各種データや装置に対する指示を入力することができる。
【0029】
通信制御部15は、例えばBluetooth(登録商標)などによってCPU10の制御のもとで近距離無線通信を実行するもので、例えばパーソナルコンピュータや電子辞書端末、PDA、携帯電話機などとの間で無線通信を実行してデータの送受信を行なう。
【0030】
RAM16は、プログラムやデータなどを記録するもので、CPU10によりアクセスされる。RAM16には、通信制御部15を介して送受信されるデータ、チップ読取部18によって印刷物に埋め込まれたチップ(ICタグ)から読み取られたデータ、さらにはチップから読み取られたデータをもとに生成される出力対象とするデータ等が記録される。
【0031】
記録装置17は、システムプログラムやチップ読み取り処理プログラムなどの各種プログラム、各種データなどが記録されており、必要に応じてCPU10により読み出されてRAM16に展開される。
【0032】
チップ読取部18(ICタグリーダ)は、印刷物に近接されることで、印刷物に埋め込まれたチップから非接触によりデータを読み取る。
【0033】
音声出力部19は、例えば印刷物から読み取ったデータをもとに生成された出力対象とする情報を、音声によって図示せぬスピーカから出力する。
【0034】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態における情報処理装置1の使用形態の一例を示す図である。第1実施形態における情報処理装置1は、携帯が容易となるように腕時計型に構成されている例を用いて説明する。なお、情報処理装置1は、腕時計型に限るものではなく、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話機などの他の形態により構成することも可能である。
【0035】
図2に示す情報処理装置1は、装置筐体本体の上面部に表示部13(液晶ディスプレイ)とタッチパネル14とが設けられており、腕(手首)に装着された際に表示内容の確認や入力操作を容易にできるようになっている。また、チップ読取部18は、情報処理装置1を腕に装着した場合に、装置筐体本体と腕を介して反対側に位置するように設けられている。すなわち、図2に示すように、装置筐体本体を手の甲側にして表示面が上となるように装着した場合に、手のひら側にチップ読取部18が位置するように設けられる。これにより、チップ読取部18を印刷物に近接させて、印刷物に埋め込まれたチップからデータを読み込ませながら、この読み取られたデータをもとにした情報を表示させて内容を確認することができる。
【0036】
第1実施形態では、図2に示すように、印刷物としてチップ埋め込み回路図20を対象としている。チップ埋め込み回路図20は、例えば電子装置(機器)に対してメンテナンス作業をする場合に利用されるもので、電子回路図(設計図)中のメンテナンスポイント(メンテナンス作業の対象となる位置)に、このポイントにおけるメンテナンス作業を補助するためのデータが記録されたチップ(電子タグ)20aが埋め込まれている。チップ20aは、回路図(設計図)中に設定された複数箇所のメンテナンスポイント、すなわち印刷された回路(対象物)と対応づけたそれぞれの位置に埋め込まれている。なお、図2においては、チップ20aを黒四角マークにより表しているが、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれているチップ20aが直接視認できる必要はなく、メンテナンスポイントであることを示す印刷、すなわちチップ20aが埋め込まれていることを示す印刷がされているだけでも良い。
【0037】
図3(a)(b)(c)には、印刷物(チップ埋め込み回路図20)に対してチップを埋め込む構造の一例を示している。
【0038】
図3(a)は、用紙(紙媒体)中にチップ20aが埋め込まれた例を示している。チップ20a(電子タグ)は、数ミリ角程度で紙媒体よりも薄い極小サイズに構成することができるため、用紙20bを生成する場合に予め所定の位置に埋め込んでおく。用紙20bはプリンタ装置などにより印刷されることにより、その上面部に印刷層20cが形成される。
【0039】
図3(b)は、用紙20bの上面部にチップ20aが埋め込まれた(貼り付けられた)例を示している。チップ20aは、例えば用紙20bの表面に印刷(インキに混ぜて塗布する)、あるいはプリンタ装置によって用紙20bに対する印刷と同時に貼り付けられる。
【0040】
図3(c)は、用紙20bの下面部にチップ20aが埋め込まれた(貼り付けられた)例を示している。図3(c)に示すように、チップ20aを用紙20bの下面部に貼り付けることで、用紙20bの印刷面が均一な状態とすることができる、印刷により安定して印刷層20cを形成することができる。
【0041】
なお、図3(c)に示す印刷物は、後述する第5実施形態に示すチップ貼り付けプリンタ装置40により、印刷用紙にチップ20aを貼り付けながら印刷を施すことにより作成することができる。
【0042】
次に、第1実施形態における情報処理装置1の動作について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、図2に示すチップ埋め込み回路図20を参照しながら、回路基板に実装された回路についてメンテナンス作業を行なう場合を想定する。
【0043】
まず、作業者は、情報処理装置1を起動して、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aのデータ読み取りが可能な状態にし、情報処理装置1をチップ埋め込み回路図20の表面、すなわち回路図中のメンテナンスポイントとする回路部分に近接させる。
【0044】
これにより、情報処理装置1のチップ読取部18は、電波照射による電磁誘導によって、チップ埋め込み回路図20に印刷されたメンテナンスポイントとする回路部分に埋め込まれたチップ20aに記録されたデータを読み取る(ステップA1)。
【0045】
CPU10は、チップ読取部18によりチップ20aから読み取られたデータをRAM16に格納しておく(ステップA2)。
【0046】
ここで、チップ読取部18により複数のチップ20aからデータの読取が可能な場合、読み取り可能なすべてのチップ20aからデータの読み取りを実行し、それぞれのチップ20aから読み取られたデータを格納しておく(ステップA1〜A3)。
【0047】
ここで、読み取り可能な全てのチップ20aについて読み取りが完了すると(ステップA3、Yes)、CPU10は、複数のチップ20aからデータが読み取られている場合には(ステップA4、Yes)、それぞれのチップ20aから読み取られたデータをもとにした概要を表示部13において表示させる(ステップA5)。
【0048】
例えば、メンテナンスポイントとする複数の回路がチップ埋め込み回路図20中で近接している場合には、それぞれのポイントに対応して埋め込まれた複数のチップ20aからデータが読み取られる。こうした場合、例えばそれぞれのメンテナンスポイントの位置と回路名とを概要として一覧表示させる(出力手段に相当)。
【0049】
ここで、タッチパネル14あるいは入力部12に対する操作によって、複数のチップ20aのそれぞれに対応する概要の何れかが選択されると、CPU10は、この選択された概要に対応するチップ20aから読み取ったデータに応じた情報を出力する(ステップA7(表示手段に相当))。
【0050】
例えば、図2においては、表示部13にメンテナンス作業に関する情報が表示された例を示している。図2に示す表示例では、メンテナンス位置と、メンテナンス対象とする回路名、さらにはメンテナンス作業の詳細な内容について記述されている。メンテナンス作業の詳細では、部品の型名、作業内容、作業方法などが含まれている。
【0051】
なお、図2示すように文字による表示だけでなく、画像(静止画像、動画像)を表示させたり、音声出力部19から音声によって情報を出力することもできる。例えば、設計図の詳細(拡大図)を表示させたり、メンテナンス作業の手順を動画像で表示させたり、あるいはメンテナンス作業の段階ごとに操作内容を音声出力させるといったことができる。
【0052】
こうして、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aから読み取ったデータをもとに、印刷された回路図中のメンテナンスポイントにおける作業に必要な情報を簡単に出力させることができる。
【0053】
ここで、先の表示された複数のチップ20aに対応する概要の一覧を表示し、前述と同様にして何れかを任意に選択させて、チップ20aから読み取ったデータに応じた情報を出力することができる。
【0054】
また、別のメンテナンスポイントにおけるチップ20aの読み取りが実行された場合(ステップA1)、前述と同様の処理を実行する(ステップA1〜A7)。
【0055】
なお、作業者は、情報処理装置1により出力された情報を参照してメンテナンスポイントにおける作業を終了した場合、その旨を入力部12から入力しておく。CPU10は、入力部12から入力された作業終了の入力に応じて、チップ20aから読み取ったデータと対応づけて作業完了データとして記録しておく。ここで記録された作業完了データは、後述する作業終了確認報告として通知する。
【0056】
ここで、メンテナンス作業の終了が作業者によって入力された場合(ステップA8、Yes)、CPU10は、チップ埋め込み回路図20において設定されているメンテナンス作業が完了したか、すなわちチップ埋め込み回路図20に埋め込まれた全てのチップ20aについての読み取りが完了したかを確認する(ステップA9)。
【0057】
全てのチップ20aについての読み取り完了は、例えば何れか一つのチップ20aから読み取ったデータ(例えばメンテナンス位置を示すデータなど)から何れの種類のチップ埋め込み回路図20をメンテナンス作業に利用されているかを判別し、このチップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aの数分の読み取りが完了しているかによって確認することができる。チップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aの数については予め情報処理装置1の記録装置17に記録しておいても良いし、各チップ20aに記録されていても良い。この場合、ステップA1において新たにデータを読み取ったチップ20aの数を計数しておき、この数を用いて読み取り完了を確認する。また、チップ20aに対する読み取り順序が決められている場合には、最後に設定されているチップ20aについての読み取りをした場合に、読み取り完了と判別することもできる。
【0058】
ここで、CPU10は、予め設定されている送信先、例えばメンテナンス作業を管理しているセンター装置(メンテナンス作業者を派遣している本部などに設置されている)に、通信によって自動で作業終了確認報告を送信する(ステップA10)。作業終了確認報告には、メンテナンスポイント(チップ20a)ごとの作業完了データデータが含まれている。作業終了確認報告は、例えば電子メールやその他の通知方法により送信されるものとする。
【0059】
情報処理装置1は、作業終了確認報告に対するセンター装置から応答を受信する。CPU10は、センター装置からの応答が全てのチップ20aについて読み取りが完了していることを示す場合には処理を終了する。
【0060】
一方、作業終了確認報告から全てのチップ20aについて読み取りが完了していないことがセンター装置から応答された場合、すなわち全てのメンテナンスポイントについての作業が終了していない場合、あるいは予め決められたメンテナンスポイント以外の追加メンテナンスポイントがセンター装置から通知された場合には、CPU10は、読み取りが完了していないことを表す確認指示を出力して作業者に通知する(ステップA12)。作業者は、センター装置からの通知に応じたメンテナンス作業を実行して作業を終了する。
【0061】
なお、前述した説明では、作業終了確認報告を送信することで、全てのチップ20aについて読み取りが完了しているか確認されるとしているが、情報処理装置1において確認し、読取が完了していないアクセスポイント(チップ20a)を判別して作業者に提示するようにしても良い。
【0062】
このようにして、機器のメンテナンス作業などを行なう場合に、作業対象とする機器に対応するチップ埋め込み回路図20を用い、回路図中のメンテナンスポイントに埋め込まれたチップ20aからデータを読出して、そのメンテナンスポイントに対するメンテナンス作業に有効な情報を出力させることができる。
【0063】
作業者は、例えば腕に装着した情報処理装置1をチップ埋め込み回路図20に近接させるだけで、メンテナンス作業に必要な情報を出力させることができるので、メンテナンス作業の効率化を図ることができる。
【0064】
なお、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれたチップ20aから読み取ったデータをもとに情報を出力するとしているが、チップ20aに出力対象とするデータそのものを記録することができる場合には、このデータを表示あるいは音声により出力すれば良い。
【0065】
また、チップ20aには、メンテナンスポイントを示すデータ(例えば、メンテナンス位置(コードや数字などで表す)、チップ埋め込み回路図20上の位置(XY座標)など)のみを記録しておき、このデータに対応する出力対象とするデータについては予め情報処理装置1(記録装置17)に記録されているようにしても良い。CPU10は、チップ20aから読み取られたデータに対応する情報を記録装置17から検索し、該当する情報を表示または音声によって出力する。この場合、より多くの情報を作業者に対して提供することができ、また情報の内容(メンテナンス作業内容や手順など)が変更された場合でも、記録装置17に記録されている情報の変更だけで対応することができ、チップ埋め込み回路図20に対する変更を不要とすることができる。
【0066】
さらに、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれた複数のチップ20aに記録されたデータを相互に関連づけておくこともできる。例えば、予め決められたメンテナンス作業の手順に応じて、複数のチップ20aについての読み取り順序を決めておき、各チップ20aにはその順序の前後のチップ20aを示すデータを記録しておく。これにより、あるチップ20aから読み取ったデータをもとに、次に読み取るべきチップ20a(メンテナンスポイント、あるいは回路名など)を出力して、作業者にメンテナンス作業の手順を示すことができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、図5に示すように、印刷物としてチップ埋め込み地図22を対象としている。
【0068】
チップ埋め込み地図22は、地図中の要所となるそれぞれの位置に、その要所に関わるデータが記録されたチップ(電子タグ)22a,22bが埋め込まれている。地図中の要所(対象物)としては、地図情報である道路(交差、分岐、合流地点など)、重要な施設(公的施設、建築物)、記念物、観光ポイント、観光施設などがある。チップ22a,22bには、これら地図に印刷された要所についての住所、関連地へのアクセス方法、観光案内、画像、歴史などのデータの他、他のチップ22a,22bに記録されたデータとの関連を示すデータ(例えば、ルート案内を作成するための要所間の経路データなど)が記録されている。また、チップ22a,22bには、要所に関する文字データの他、画像(静止画、動画)、音声などのデータを記録しておくことができる。
【0069】
図5においては、地図の要所となる箇所(施設/建築物など)にチップ22aが埋め込まれ、地図上の要所となる道路(交差点、分岐など)にチップ22bが埋め込まれている例を示している。図5では、チップ22aを黒四角マーク、チップ22bを白四角マークにより表しているが、チップ埋め込み回路図20に埋め込まれているチップ22,22bが直接視認できる必要はない。
【0070】
次に、第2実施形態における情報処理装置1の動作について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、利用者は、情報処理装置1を起動して、モード選択入力が可能な状態にする。第2実施形態の情報処理装置1では、例えばチップ埋め込み地図22から読み取ったデータをもとに、チップ22a,22bが埋め込まれた位置に関する情報を出力する情報出力モードと、読み取ったデータをもとにルート案内を出力するルート案内モードの設定が可能である。
【0071】
CPU10は、モード選択用の画面を表示部13において表示させ、情報出力モードとルート案内モードの何れかのモードを選択する指示を、タッチパネル14あるいは入力部12から入力する(ステップB1)。
【0072】
また、情報出力モードが選択された場合には、チップ埋め込み地図22のチップ22aから読み取られるデータをもとにして施設関連情報を出力するか、チップ22bから読み取られるデータをもとにして道路関連情報を出力するかを選択できるものとする。さらに、情報の出力形態として、文字表示、画像表示、音声出力などについても選択できるものとする。
【0073】
以下、情報出力モードが選択された場合について説明する(ステップB2、Yes)。
まず、CPU10は、チップ埋め込み地図22に埋め込まれたチップ22a,22bのデータ読み取りが可能な状態にし、情報処理装置1をチップ埋め込み地図22の表面、すなわち地図中の情報を必要とする施設や道路が印刷されている位置に近接させる。
【0074】
これにより、情報処理装置1のチップ読取部18は、電波照射による電磁誘導によって、チップ埋め込み地図22に印刷された施設や道路に埋め込まれたチップ22a,22bに記録されたデータを読み取る(ステップB1)。
【0075】
CPU10は、チップ読取部18によりチップ22a,22bから読み取られたデータを、モード選択において指定された情報、すなわち施設関連情報と道路関連情報の何れかを選択してRAM16に格納しておく(ステップB2)。
【0076】
ここで、チップ読取部18により複数のチップ22a,22bからデータの読取が可能な場合、読み取り可能なすべてのチップ22a,22bからデータの読み取りを実行し、それぞれのチップ22a,22bから読み取られたデータを格納しておく(ステップB3〜B5)。
【0077】
ここで、読み取り可能な全てのチップ22a,22bについて読み取りが完了すると(ステップB5、Yes)、CPU10は、複数のチップ22a,22bからデータが読み取られている場合には(ステップB6、Yes)、それぞれのチップ22a,22bから読み取られたデータをもとにした概要を表示部13において表示させる(ステップB7)。
【0078】
例えば、チップ埋め込み地図22中で要所が近接している場合には、それぞれの要所に対応して埋め込まれた複数のチップ22a,22bからデータが読み取られる。こうした場合、例えばそれぞれの要所の要所名を概要として一覧表示させる。
【0079】
図7には、施設関連情報の表示例を示している。図7(a)では、例えばチップ埋め込み地図22の「○○寺」の位置に埋め込まれたチップ22aを読み取る操作をした場合に、その周辺の「○×寺」「×○寺」の位置に埋め込まれたチップ22aからもデータが読み込まれたために、「○○寺」「○×寺」「×○寺」が一覧表示されている。
【0080】
ここで、タッチパネル14あるいは入力部12に対する操作によって、複数の要所名の一覧から何れかが選択されると(ステップB8)、CPU10は、この選択された要所名に対応するチップ22a,22bから読み取ったデータに応じた情報を出力する(ステップB9)。
【0081】
例えば、図7(a)においては、「○○寺」が選択されることにより、チップ22aから読み込んだデータに基づく「○○寺」に関する情報(例えばルート説明)が表示された例を示している。ここでは、スクロールバーに対する操作によって、情報のスクロール表示をさせることができる。
【0082】
なお、情報の出力形態として画像が選択されている場合には、例えば図7(b)に示すように、要所の周辺の拡大地図などを表示させることもできる。
【0083】
こうして、チップ埋め込み地図22に埋め込まれたチップ22a,22bから読み取ったデータをもとに、印刷された要所における情報を簡単に出力させることができる。
【0084】
ここで、先の表示された複数のチップ22a,22bに対応する概要(要所名)の一覧を表示し、前述と同様にして何れかを任意に選択させて、チップ22a,22bから読み取ったデータに応じた情報を出力することができる。
【0085】
また、施設関連情報の出力が選択されている場合(ステップB10)、CPU10は、入力部12あるいはタッチパネル14に対する入力操作によって、当該施設への通信による接続の要求を受け付けることができる。ここで、接続要求が入力された場合(ステップB11、Yes)、CPU10は、チップ22aから読み取ったデータをもとに、施設に関連する例えばホームページへのアクセス、当該施設宛の電子メールの送信、あるいは音声通話ができるように回線接続するなどの処理を実行する。この場合、チップ22aには、接続先を示すアドレス(接続先データ)、例えばURL(uniform resource locator)や電子メールアドレスなどが記録されていることになる。
【0086】
こうして、チップ埋め込み地図22に埋め込まれたチップ22a,22bからデータを読み取ることで、チップ埋め込み地図22に記録された要所における施設などの情報をホームページなどから取得したり、電子メールなどによる問い合わせ、あるいは電話を掛けるといったことができる。例えば、観光案内の地図(あるいはパンフレットなど)に埋め込まれたチップから読み取られた情報をもとに、観光地の宿泊施設へ直接接続し、空き部屋確認や予約などを円滑に行なうことができる。
【0087】
ここで、処理が終了されず(ステップB13)、別の要所におけるチップ22a,22bの読み取りが実行された場合、前述と同様の処理を実行する(ステップB1〜B12)。
【0088】
なお、前述した説明では、読み取り可能なチップ22a,22bの全てからデータを読み取った後に、モード選択において指定された情報を選択して記録するとしているが、チップ22a,22bからデータを読み取る際に、モード選択において指定された情報に該当するデータのみを読み出すようにしても良い。
【0089】
例えば施設関連情報の出力が設定されている場合には、チップ22aからのもデータを読み取り、また情報の出力形態として画像表示のみが選択されている場合には、画像に関するデータのみを読み出して文字と音声に関するデータについては読み出さないようにしても良い。
【0090】
次に、モード選択において、ルート案内モードが選択された場合について説明する(ステップB2、No)。
【0091】
まず、ルート案内モードか選択されると、CPU10は、チップ埋め込み地図22上においてスタート位置から目的地までの経路にあるチップからのデータ読み取りの実行を指示するための出力(表示、音声)を行なう(ステップB14)。すなわち、利用者により、情報処理装置1をチップ埋め込み地図22に近接させた状態で、スタート位置から通行しようとする経路に合わせて目的地まで移動させなから、チップ埋め込み地図22に埋め込まれたチップ22a,22bからのデータ読み取りを実行させる。
【0092】
そのために、チップ22a,22bからのデータ読み取り開始がタッチパネル14あるいは入力部12から指示されると(ステップB15)、CPU10は、チップ読取部18によってデータの読み取りを開始させ、チップ読取部18によりチップ22a,22bから読み取られたデータをRAM16に格納していく(ステップB16,B17)。
【0093】
CPU10は、入力部12あるいはタッチパネル14から読み取り終了が指示されるまで、目的地までの経路上の各チップ22a,22bからデータ読み取りを実行し、順次、RAM16に読み取ったデータを格納していく。
【0094】
CPU10は、読み取り終了が入力されると、すなわち目的地までの経路上の各チップ22a,22bからデータ読み取りが終了すると(ステップB18、No)、RAM16に格納されたスタート位置から目的地までのチップ22a,22bから読み取ったデータをもとに、ルート案内を出力するためのルート案内データ(出力データ)を作成する(ステップB19)。
【0095】
ここで、チップ埋め込み地図22の各要所に埋め込まれたチップ22a,22bには、周辺の要所との間の経路に関するデータ、例えば経路上のある要所から次の要所までに通行可能な道路、経路の目印とする目標物、距離、所用時間、要所から経路方向(進行方向)への風景画像などのデータが記録されている。従って、CPU10は、複数のチップ22a,22bから連続してデータを読み取ることで、利用者が意図する目的地までのルートを作成し、利用者からの要求に応じて経路に関する情報を提供することができる。
【0096】
CPU10は、ルート案内データの作成が完了すると、このデータに応じてルート案内を出力する(文字、画像、音声など)。ルート案内データは、例えば各要所における経路上の次の要所までの経路に関する情報を段階的に出力できるように作成されており、入力部12あるいはタッチパネル14から入力され情報更新の指示に応じて、各段階(次の要所まで)の情報を順次出力する(ステップB20,B21、Yes(段階情報出力手段))。
【0097】
従って、利用者は、ある要所に到達した時点で情報更新の指示を入力することで、次の要所までの経路の情報、例えば経路の目印とする目標物、次の要所までの距離、所用時間、要所から経路方向(進行方向)への風景画像など、地図からは取得されない、より詳細な情報を出力させ、これらの情報をもとに進むことができる。こうして、情報処理装置1から順次出力されるルート案内の情報を参考にして目的地に到達することができる。
【0098】
CPU10は、終了が指示されると、処理を終了する(ステップB22、Yes)。
【0099】
このようにして、チップ埋め込み地図22に印刷されたスタート地点から目的地までの経路上の要所に埋め込まれたチップ22a,22bを辿るようにしてデータを読み取るだけで、複数のチップ22a,22bから読み取ったデータをもとに目的地までのルート案内を出力させることができる。すなわち、取り扱いが容易なチップ埋め込み地図22と情報処理装置1とにより、簡易的なナビゲーションシステムを構成することができる。
【0100】
なお、前述したルート案内モードの処理では、予めスタート位置から目的地までの経路上に埋め込まれた複数のチップ22a,22bからデータの読み取りを一括して行なうものとして説明しているが、逐次、データの読み取りの対象とするチップ22a,22bを指示するようにしても良い。
【0101】
この場合のルート案内モードの処理を図8のフローチャートを示している。図8は、図6に示すフローチャートのステップB14〜B22の処理に相当する。
【0102】
まず、ルート案内モードか選択されると、CPU10は、チップ埋め込み地図22上のスタート位置と目的地に埋め込まれたチップからのデータ読み取りの実行を指示するための出力(表示、音声)を行なう(ステップC1)。
【0103】
CPU10は、例えばタッチパネル14あるいは入力部12からデータ読み取りの実行指示が入力されると、その時点でチップ読取部18によってチップ22a,22bからのデータの読み取りを実行させ、この読み取られたデータをRAM16に格納していく(ステップC2)。従って、チップ読取部18をスタート地点と目的地のそれぞれの要所に近接させた状態で読み取り実行を指示することで、スタート位置と目的地の要所に埋め込まれたチップ22a,22bからデータを読み取ることができる。
【0104】
CPU10は、スタート位置と目的地に埋め込まれたチップ22a,22bから読み取られたデータをもとに、スタート位置の次に読み取るべきチップ22a,22bの地図上の場所を判別する(ステップC3)。
【0105】
ここで、チップ埋め込み地図22の各要所に埋め込まれたチップ22a,22bには、周辺の要所との位置関係を示すデータ、例えば東西南北方向に位置するチップ22a,22bが埋め込まれた要所が何れであるかを示すデータが記録されている。従って、CPU10は、スタート位置を基準として目的地が何れの方向にあるかに応じて、次に読み取るべき地図上の場所を判別することができる。なお、複数の要所が候補として判別される場合には、複数の要所を表示させて、利用者に選択させるようにしても良い。
【0106】
ここで、次に読み取るべきチップ22a,22bが目的地に該当しなければ(ステップC4、No)、CPU10は、ステップC3で判別された、次にデータを読み取るべきチップ22a,22bが埋め込まれた要所の場所を利用者に通知するための出力を行なう(ステップC5)。
【0107】
例えば、図9(a)に示す地図において、スタート位置として駅、目的地としてある施設の位置に埋め込まれたチップ22aからそれぞれデータが読み取られているものとする。この場合、スタート位置の駅を基準として、次の読み取るべき地図上の場所として、駅より南方向に位置するガソリンスタンドが判別される(目的地が駅より南側に位置する)。従って、CPU10は、例えば図9(b)に示すように、駅の南方向に位置するガソリンスタンドの位置に埋め込まれたチップ22aからのデータ読み取りを利用者に促すメッセージを表示させる。
【0108】
ここで、メッセージに応じてチップ埋め込み地図22のガソリンスタンドの位置に埋め込まれたチップ22aからデータが読み取られると(ステップC6)、CPU10は、このデータをRAM16に格納する(ステップC7)。
【0109】
そして、CPU10は、チップ22aから読み取ったデータに応じたルート案内(情報)を出力する(ステップC8)。例えば、図9(c)には、データが読み取られたチップ22aが位置するガソリンスタンドから目的地方向の拡大地図をルート案内として表示した例を示している。なお、ルート案内の形態については、文字や音声による説明、画像表示など、各種の形態を用いることができる。
【0110】
CPU10は、チップ22aから読み取られたデータをもとに、前述と同様にして、次に読み取るべきチップ22a,22bの地図上の場所を判別し、前述と同様の処理を目的地に到達するまで繰り返し実行する(ステップC3〜C8()読取情報出力手段に相当)。
【0111】
このようにして、チップ埋め込み地図22の要所に埋め込まれたチップ22a,22bに記録されたデータを、スタート地点から目的地まで逐次的に読み出し、このデータをもとにルート案内を出力することができる。
【0112】
なお、チップ22a,22bには、地図上の要所を示すデータ(例えばコードや数字、緯度/経度など)のみを記録しておき、このデータに対応する出力対象とするデータについては予め情報処理装置1(記録装置17)に記録されているようにしても良い。CPU10は、チップ22a,22bから読み取られたデータに対応する情報を記録装置17から検索し、該当する情報を表示または音声によって出力する。この場合、より多くの情報を利用者に対して提供することができ、また情報の内容が変更された場合でも、記録装置17に記録されている情報の変更だけで対応することができ、チップ埋め込み地図22に対する変更を不要とすることができる。
【0113】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、図10に示すように、印刷物としてチップ埋め込み書籍24を対象としている。第3実施形態の情報処理装置1は、チップ埋め込み書籍24の用紙に埋め込まれたチップ24aから読み取ったデータをもとに、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標))によって接続される他の電子機器に対して所定の処理を要求することができる。
【0114】
第3実施形態では、例えば電子辞書端末25に対して、チップ24aから読み取られた文字コードを送信することで、この文字コードが表す文字列についての和英辞書の検索処理の実行を要求できるものとする。チップ埋め込み書籍24には、用紙に印刷された文字列(例えば、単語、熟語、欄外の注記など)の所定位置にチップ24aが埋め込まれており、このチップ24aに印刷された文字列の文字コード(列)が記録されている。
【0115】
なお、電子辞書端末25は、例えば電子辞書として構成された機器であり、情報処理装置1との通信が可能な機能が設けられているものとする。
【0116】
次に、第3実施形態における情報処理装置1と電子辞書端末25の動作について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。図11(a)は情報処理装置1、図11(b)は、電子辞書端末25の動作を説明するためのフローチャートである。
【0117】
まず、利用者は、チップ埋め込み書籍24の紙面に印刷された言葉(英単語)の訳を調べるために、情報処理装置1のチップ読取部18を該当する単語が印刷されている位置に合わせてデータの読み取りを実行させる。
【0118】
CPU10は、チップ読取部18により読み取られたデータ、ここでは文字コード(列)をRAM16に格納すると共に、通信制御部15を通じて近距離無線通信により電子辞書端末25に送信し、同文字コード(列)に対する辞書検索処理の実行を要求する(ステップD1,D2)。
【0119】
一方、電子辞書端末25は、情報処理装置1からの辞書検索要求と共に検索処理の対象とするデータ(文字コード(列))を受信すると(ステップE1、Yes)、この受信したデータをもとに和英辞書(データベース)を検索し、このデータに該当する訳語のデータを取得する(ステップE2)。
【0120】
電子辞書端末25は、この辞書検索処理によって得られた訳語のデータを、例えば表示装置において表示させると共に、情報処理装置1に対して送信する(ステップE3,E4)。
【0121】
情報処理装置1のCPU10は、通信制御部15により電子辞書端末25からデータを受信すると(ステップD3)、この受信した訳語のデータをRAM16に記録すると共に、この訳語のデータを表示部13において表示させる(ステップD5)。
【0122】
以下、処理の終了が指示されるまで(ステップD6、Yes)、CPU10は、チップ読取部18によりチップ24aから読み取られたデータについての検索要求を電子辞書端末25に送信し、その検索結果を受信して出力することができる(ステップD1〜D5)。
【0123】
図10には、チップ埋め込み書籍24の紙面に印刷された「reform」の単語の位置に埋め込まれたチップ24aから、この単語の文字コード列を取得し、電子辞書端末25に対して検索要求をした場合の表示画面例を示している。この場合、電子辞書端末25の表示画面と情報処理装置1の表示画面のそれぞれにおいて、辞書検索結果とする訳語に関するデータ、例えば「(社会的制度・事態などを)改正する、改革する…」が表示されている。
【0124】
このようにして、情報処理装置1は、チップ埋め込み書籍24(用紙)に埋め込まれたチップ24aから読み取られた単語等を表すデータをもとに、電子辞書端末25に対して辞書検索を実行させ、その検索結果を受信して出力させることができる。これにより、情報処理装置1に辞書データ(データベース)や辞書検索のアプリケーションなどを搭載しておく必要がない。従って、辞書データを変更する場合であっても、情報処理装置1における変更が不要であるので容易に対応することができる。また、チップ埋め込み書籍24に情報処理装置1を近接させて、チップ24aからデータを読み取るだけで辞書検索を実行できるので操作が非常に簡単となる。
【0125】
なお、前述した説明では、1つの単語に対応する文字コード列を読み取ることができるものとして説明しているが、複数のチップ24aから同時にデータが読み取られる場合には、この複数のデータの内容を表示部13において表示させ、利用者により検索対象とする文字列を選択させるようにしても良い。また、1つのチップ24aに1つの単語のデータを記録しておくだけでなく、チップ24aが埋め込まれた周辺に印刷された複数の文字列(単語など)のデータが記録されていても良い。
【0126】
また、電子辞書端末25は、和英辞書を検索するだけでなく、各種の辞書を対象とすることができる。電子辞書端末25は、情報処理装置1から受信されるデータに応じて辞書を切り替えて、辞書検索を実行するようにしても良い。また、辞書に限るものでなく、辞典や用語集、解説書、法令集など、各種情報が格納されたデータベースを検索対象とすることができる。
【0127】
また、前述した説明では、情報処理装置1との通信を行なう他の電子機器として電子辞書端末25を例にしているが、例えばパーソナルコンピュータやPDAなどの情報機器、テレビなどの家電製品などの他の機器を対象とすることもできる。
【0128】
また、電子辞書端末25のようにスタンドアロン型の電子機器だけでなく、通信網(有線、無線含む)を介して他の機器と接続可能な他の電子機器に対して、情報処理装置1から処理要求をするようにしても良い。
【0129】
例えば、チップ埋め込み書籍24に代えて通信販売に用いられるカタログを対象とし、情報処理装置1は、カタログに埋め込まれたチップ24aから商品コードを読み取り、この商品コードの商品の発注を他の電子機器、例えばパーソナルコンピュータや携帯電話機などを介して通信回線を介して送信することができる。ここでは、例えば電子メールにより送信したり、インターネットを介してWebページにアクセスして送信する。なお、発注先のアドレス(接続先データ)、例えば電子メールアドレス、URLなどは、カタログに埋め込まれたチップ24aに記録されているものとする。情報処理装置1は、この発注先のアドレスをチップ24aから取り込み、このアドレスが示す受注元に対する発注処理の要求を他の機器に送信して、前述した処理を実行させる。
【0130】
同様にして、チップ埋め込み書籍24に埋め込まれたチップ24aに、著者の他の作品に関するデータを記録しておくことで、携帯電話機などの他の機器を通じて、このデータを元にした商品の発注依頼を送信することができる。
【0131】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、図12に示すようなバインダ型情報処理装置30によって、印刷物に埋め込まれたチップからデータを読み取る構成としている。第5実施形態における印刷物としては、チップ埋め込み書類32を対象としている。チップ埋め込み書類32は、紙媒体による書類に複数のチップ32aが埋め込まれた構成をしている。チップ埋め込み書類32に埋め込まれたチップ32aには、例えば各書類を識別する識別データ(ID)や、書類の作成者、作成日付、書類の名称、書類に印刷(あるいは記入)された内容に関するデータなどが記録されている。
【0132】
バインダ型情報処理装置30は、一般的な書類を複数枚綴じることができる機構を有している。また、バインダ型情報処理装置30は、図1に示すCPU10、入力部12、通信制御部15、RAM16、及び記録装置17が実装される本体部30aと、表示部13、タッチパネル14、及び音声出力部19が実装される出力部30bとが背表紙面に実装され、複数のチップ読み取り部30cが表紙面及び裏表紙面に実装され、それぞれが電気的に接続されている。チップ読み取り部30cは、バインダ型情報処理装置30にチップ埋め込み書類32が綴じられることによって、チップ埋め込み書類32に埋め込まれたチップ32aと近接されデータの読み取りが可能となる。複数のチップ読み取り部30cは、例えばチップ埋め込み書類32に埋め込まれた複数のチップ32aのうち特定の位置(例えば左上隅)のチップ32aのみからデータを読み取るためのものと、その他の複数のチップ32aからデータを読み取るためのものに割り当て、それぞれ異なるデータ読み取り可能範囲を設定している。
【0133】
また、バインダ型情報処理装置30は、本体部30aに実装された通信制御部15により、他の電子機器、例えば第1〜第3実施形態において説明した情報処理装置1との間で、近距離無線通信によって相互にデータを送受信することができる。
【0134】
さらに、本体部30aの表面部に太陽電池パネル及び充電池(図示せず)を実装することで、この太陽電池パネルにより発生される電気により、バインダ型情報処理装置30の動作を継続的に動作させることができる。従って、チップ埋め込み書類32が多数綴じられたバインダ型情報処理装置30を書棚に長期間入れたままで、情報処理装置1などの電子機器により無線通信を通じて、バインダ型情報処理装置30が管理するチップ埋め込み書類32に関するデータを任意に取得することができる。なお、太陽電池パネルに限らず、他の電源供給手段が設けられていても良い。
【0135】
次に、第4実施形態におけるバインダ型情報処理装置30の動作について、図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0136】
バインダ型情報処理装置30は、新しい書類が追加されたかを監視している(ステップF1)。例えば、書類を綴じる機構が操作された場合、本体部30aのCPU10は、これを検知して、チップ読み取り部30cによってチップ32aからデータの読み取りを実行させる。ここでは、バインダ型情報処理装置30に綴じられている全ての書類の識別データ(ID)を読み取る。例えば、チップ埋め込み書類32の識別データは、チップ埋め込み書類32の所定の位置、例えば左上隅の位置に埋め込まれたチップ32aに記録されているものとする。
【0137】
CPU10は、チップ読み取り部30cにより全てのチップ埋め込み書類32から読み取った識別データより、新たな識別データがあることが判別できると、この新規のチップ埋め込み書類32のチップ32aからデータを読み取る(ステップF2)。
【0138】
CPU10は、新規のチップ埋め込み書類32から読み取ったデータをもとに、綴じられた書類を管理するための書類データを更新する(ステップF3)。ここでは、例えばバインダ型情報処理装置30に綴じられた書類の枚数を記録している枚数カウンタ(RAM16に記録される)を更新すると共に、新規のチップ埋め込み書類32に対して索引データを付加する(ステップF3)。なお、索引データは、チップ埋め込み書類32のチップ32aから読み出し、この読み出されたデータを用いて付加されるものとする。
【0139】
CPU10は、新たに追加されたチップ埋め込み書類32の索引データを含む更新された書類データを、RAM16あるいは記録装置17に格納しておく(ステップF4)。
【0140】
こうして、バインダ型情報処理装置30は、綴じられた複数のチップ埋め込み書類32について、管理データを作成して記録しておくことができる。
【0141】
なお、前述した説明では、チップ埋め込み書類32が追加された場合についてのみ説明しているが、綴じられていたチップ埋め込み書類32がバインダ型情報処理装置30から取り外された場合にも同様にして書類データを更新し、この更新されたデータを格納しておくものとする。
【0142】
また、バインダ型情報処理装置30は、通信制御部15を通じて、例えば情報処理装置1から書類データの送信要求を受信すると(ステップF5)、記録装置17あるいはRAM16に格納されている管理データを、要求元の情報処理装置1に対して送信する(ステップF6)。
【0143】
情報処理装置1では、バインダ型情報処理装置30から受信した管理データをもとに、書類枚数や、各書類の索引の一覧などを表示する。
【0144】
これにより、情報処理装置1の使用者は、バインダ型情報処理装置30に綴じられた各チップ埋め込み書類32を直に確認することなく、バインダ型情報処理装置30から受信した管理データから、綴じられている書類の枚数を把握し、各書類の内容を索引から知ることができる。
【0145】
なお、前述した説明では、バインダ型情報処理装置30は、綴じられたチップ埋め込み書類32の枚数と索引を管理するものとして説明したが、これは一例であって、チップ埋め込み書類32に埋め込まれたチップ32aに各種のデータを記録しておけば、そのデータに応じた様々な情報を管理しておくことができる。
【0146】
また、バインダ型情報処理装置30により管理されている情報は、情報処理装置1において受信して出力するだけでなく、出力部30bに実装される表示部13(例えば、液晶ディスプレイ)において、常時、表示しておくことが可能である。
【0147】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。
第5実施形態では、前述した第1〜第4実施形態において処理対象としていた印刷物を作成するためのチップ貼り付けプリンタ装置40について説明する。
【0148】
図14は、第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40の構成を示すブロック図、図15は、チップ貼り付けプリンタ装置40における印刷物(印刷)の搬送系を搬送方向と垂直な方向から見た構成を示す図である。
【0149】
図14に示すように、チップ貼り付けプリンタ装置40には、制御部41、センサ制御部42、通信制御部43、記録部44、用紙搬送制御部45、印刷制御部46、チップシール搬送制御部47、チップ接着制御部48、及びチップデータ書き込み制御部49が設けられている。
【0150】
制御部41は、チップ貼り付けプリンタ装置40の全体の制御を司るもので、CPUや各種プログラムやデータが記録されたメモリを含んで構成される。
【0151】
センサ制御部42は、チップ貼り付けプリンタ装置40の動作状況を検出するために各所に設置されたセンサを制御する。センサは、図15に示す各モジュールや搬送機構に実装されている。
【0152】
通信制御部43は、チップ貼り付けプリンタ装置40を制御するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置との間の通信を制御する。通信制御部43、制御部41の制御のもとで、情報処理装置から印刷対象とする印刷データの他、用紙に埋め込まれる(貼り付けられる)チップに対して書き込む書き込みデータ、チップの用紙に対する貼り付け位置を示す用紙位置データなどが含まれる。
【0153】
記録部44は、通信制御部43を通じて情報処理装置などから受信される各種データなどを記録する。
【0154】
用紙搬送制御部45は、制御部41の制御のもとで、用紙搬送機構53を駆動し、印刷及びチップの貼り付けの対象となる印刷用紙50を搬送路上で搬送させる。
【0155】
印刷制御部46は、制御部41の制御のもとで、トナー/印刷ヘッドモジュール52を駆動し、印刷用紙50に対して印刷を施す。第5実施形態のチップ貼り付けプリンタ装置40では、印刷用紙50の一方の面に対して印刷を施し、他方の面にチップを貼り付けるものとする(図3(c)参照)。
【0156】
チップシール搬送制御部47は、制御部41の制御のもとで、チップ接着モジュール51のチップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51a及びチップ接着機構51dを制御して、印刷用紙50に対して貼り付けられるチップを含むチップシールを搬送させる。
【0157】
チップ接着制御部48は、制御部41の制御のもとで、チップ接着モジュール51のチップ接着機構51dによる印刷用紙50へのチップの貼り付け動作を制御する。
【0158】
チップデータ書き込み制御部49は、制御部41の制御のもとで、チップシール搬送制御部47及びチップ接着制御部48により印刷用紙50に貼り付けられたチップに対して、情報処理装置から受信された書き込みデータの書き込みを制御する。
【0159】
図15に示すように、チップ貼り付けプリンタ装置40の搬送系には、印刷用紙50の搬送路に沿って、チップ接着モジュール51、トナー/印刷ヘッドモジュール52、用紙搬送機構53、及びチップデータ書込機構54が設けられている。
【0160】
チップ接着モジュール51は、印刷用紙50に対してチップを貼り付ける(埋め込む)ためのもので、印刷用紙50の裏面にチップを貼り付けるために搬送路の下部に設けられている。チップ接着モジュール51には、チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51a、チップシールロール51b、シール台紙巻取り機構51cが設けられている。
【0161】
チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51aは、チップシールロール51bに巻回されたチップロール紙60(図16参照)の搬送に伴って、チップロール紙60から保護フィルム63を剥離して巻き取り収容するための機構である。チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51aにより保護フィルム63が剥離されることで、チップロール紙60のチップを含んだシール62の印刷用紙50と対向する面が露出され、チップ接着機構51dによるチップの貼り付けが可能な状態となる。
【0162】
チップシールロール51bは、チップロール紙60が巻回されたもので、シール台紙巻取り機構51cによる巻き取り動作に伴って順次チップロール紙60が引き出される。
【0163】
シール台紙巻取り機構51cは、回転駆動されることでチップシールロール51bからチップロール紙60を引き出し、チップロール紙60(シール台紙61)をチップ接着機構51dによるチップの貼り付け位置(接着部65)上を通過するように搬送させる。
【0164】
トナー/印刷ヘッドモジュール52は、印刷用紙50に対して印刷を施すためのもので、搬送路の上部に設けられている。トナー/印刷ヘッドモジュール52には、複数色分のトナー52aと、それぞれのトナー52aに対応する印刷ヘッド52bが設けられている。
【0165】
用紙搬送機構53は、印刷及びチップの貼り付けの対象となる印刷用紙50を搬送路上で搬送させる。
【0166】
チップデータ書込機構54は、チップ接着モジュール51のチップ接着機構51dによって、印刷用紙50の下面(裏面)に貼り付けられたチップに対して、チップデータ書き込み制御部49の制御により情報処理装置から受信された書き込みデータを書き込む。チップデータ書込機構54は、搬送される印刷用紙50の裏面に貼り付けられたチップと近接する位置に設けられており、電磁誘導により非接触でデータの書き込みを行なう。
【0167】
図16には、チップシールロール51bに巻回されたチップロール紙60の構成を断面によって示している。
【0168】
チップロール紙60は、シール台紙61とチップを含んだシール62と保護フィルム63とによる三層構造になっている。チップロール紙60は、シール台紙61の上にチップを含んだシール62が例えば等間隔で規則的に配置されている。チップを含んだシール62は、シール台紙61と反対側に加熱されることにより溶着する接着剤62bが塗布されており、その上に保護フィルム63が覆われている。
【0169】
図16に示す構造では、シール部分にチップ62aが含まれる(挟まれる)ため、チップ62aを直接、印刷用紙50に貼り付ける場合に比べてはがれにくくすることができ、またシールに印刷することができるので印刷用紙50に対して両面印刷することもできる。
【0170】
図17は、チップ接着モジュール51の周辺拡大図を示す図である。
チップシールロール51bは、シール台紙巻取り機構51cにより巻き取りが開始されることで、チップロール紙60が、順次、チップ接着機構51dによるチップの貼り付けが行われる接着部65を通過するように搬送される。
【0171】
この時、チップロール紙60の保護フィルム63は、チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構51aによって巻き取られる。従って、シール台紙61は、チップを含んだシール62が露出された状態で接着部65を通過するように搬送される。
【0172】
チップ接着機構51dは、例えばソレノイドによる上下動を行なうヘッダ部51d1とシリンダ部51d2から構成されており、チップ接着制御部48の制御により、接着部65にチップを含んだシール62が到達した時点でヘッダ部51d1を上方向に押し上げることで、シール台紙61と共にチップを含んだシール62を印刷用紙50に圧接させる。ヘッダ部51d1の先端部分には、通電により加熱する加熱部が設けられている。加熱部は、シール62を印刷用紙50に圧接させるタイミングで加熱され、シール62に塗布されている接着剤62bを活性化させて印刷用紙50に溶着させる。
【0173】
シール台紙巻取り機構51cには、チップを含んだシール62が印刷用紙50に貼り付けられることで、シール台紙61のみが巻き取られる。
【0174】
なお、チップ接着機構51dは、図17に示すヘッダ部51d1とシリンダ部51d2とによる構成の他に、モータカムや油圧によりヘッド部を押し上げる構成とすることもできる。
【0175】
次に、第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40の動作について説明する。
まず、チップ貼り付けプリンタ装置40を制御する情報処理装置では、印刷用紙50に対して印刷するための印刷データを生成する。また、印刷用紙50に対する印刷データの内容に応じて、印刷用紙50に対するチップの埋め込み(貼り付け)位置を示す用紙位置データとチップに対する書き込みデータの作成と編集を実行する。
【0176】
基本的には、印刷用紙50に印刷される対象物(第1実施形態におけるメンテナンスポイントの回路、第2実施形態における建築物などの要所など)と、この対象物に関係する書き込みデータが生成される。また、チップの埋め込み(貼り付け)位置は、対象物が印刷される位置(あるいは近傍)に設定されるものとする。
【0177】
情報処理装置は、印刷データと共に用紙位置データと書き込みデータをチップ貼り付けプリンタ装置40に送信し、印刷実行を指示する。
【0178】
チップ貼り付けプリンタ装置40の制御部41は、通信制御部43を通じて各データを受信すると、用紙搬送制御部45により用紙搬送機構53を駆動して、印刷用紙50の搬送を開始させる。また、制御部41は、チップシール搬送制御部47により、印刷用紙50の搬送速度に合わせてチップロール紙60を搬送させて、チップを含んだシール62がチップ接着機構51d(ヘッダ部51d1)上にあるように位置決めする。
【0179】
印刷用紙50の用紙位置データが示す位置が接着部65にまで搬送されると、制御部41は、チップ接着制御部48によりチップ接着機構51dを駆動させ、ヘッダ部51d1によりシール62を印刷用紙50に圧接させる。また、チップ接着機構51dにより、ヘッダ部51d1の加熱部を一定時間加熱させ、シール62に塗布された接着剤62bを溶かして、チップを含んだシール62を印刷用紙50に溶着させる。一定時間が経過した後、チップ接着機構51dによりヘッダ部51d1が押し下げられると、シール62がシール台紙61から剥がれ、印刷用紙50の裏面に貼り付けられる。
【0180】
印刷用紙50はさらに用紙搬送機構53により搬送され、トナー/印刷ヘッドモジュール52による印刷位置に到達すると、印刷制御部46の制御によりトナー/印刷ヘッドモジュール52が駆動されて、印刷データに応じた印刷が表面に施される。
【0181】
また、搬送路の下部に設けられたチップデータ書込機構54の位置に、印刷用紙50の裏面に貼り付けられたチップが到達すると、チップデータ書き込み制御部49の制御によりチップデータ書込機構54が駆動され、書き込みデータがチップに対して書き込まれる。
【0182】
こうして、印刷用紙50は、用紙搬送機構53により搬送されながら、表面に印刷が施され、裏面にチップが貼り付けられて所定のデータが書き込まれた後に排出される。
【0183】
図18には、第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40により印刷が施される印刷物の具体例としてチップ埋め込み服薬指導書70を示している。
【0184】
チップ埋め込み服薬指導書70は、例えば調剤薬局店や病院の薬局などで患者に薬を出す際に、患者が誤った服用(あるいは使用)をしないように各薬についての詳細な情報を印刷すると共に、各薬についての詳細が記載された位置に応じてチップが埋め込まれて、詳細な説明を音声によって出力するための音声データやその他のデータが書き込まれたものである。
【0185】
チップ埋め込み服薬指導書70には、複数の薬ごとに、例えば薬の外観を表す画像の他、薬の特徴、服用方法、注意事項などの文章が詳細情報として印刷されている。この薬毎の詳細情報の印刷位置に合わせてチップ70aが埋め込まれており、それぞれの薬についてのデータが書き込まれている。
【0186】
例えば、調剤薬局店に設置された情報処理装置において、薬の種類、服用数、服用方法などを指定することで、印刷データが生成されると共に、書き込みデータ及び用紙位置データが生成されて、チップ貼り付けプリンタ装置40に送信される。チップ貼り付けプリンタ装置40は、前述したように、各データに応じて印刷を実行する共に、所定の位置にチップ72aを貼り付けてデータの書き込みを実行する。
【0187】
チップ埋め込み服薬指導書70を受け取った利用者は、例えば情報処理装置1を近接させて、チップ70aからデータを読み取ることで、図18に示すように、音声により服用方法や注意事項などを出力させることができる。
【0188】
これにより、視力が衰えた人であっても、音声により印刷された内容を確認できるので、間違いのない服用が可能となる。
【0189】
なお、チップ70aに印刷された内容と同様のデータを記録しておくことで、このデータを読み出して表示部13に表示させることもできる。
【0190】
なお、図15に示すチップ貼り付けプリンタ装置40の搬送系の構成では、図3(c)に示すように、表面に印刷を施し、裏面にチップを貼り付ける構成としているために、チップ接着モジュール51を搬送路の下部に設置しているが、図3(b)に示すように、チップを印刷面側に貼り付ける場合には、チップ接着モジュール51を搬送路の上部に設置すれば良い。また、チップ62aがシールに含まれているため両面印刷することもできる。
【0191】
また、チップロール紙60では、チップを含んだシール62が1列に配列された構成としているが、行列方向に複数のチップを含んだシール62が配列されていても良い。この場合、チップ接着モジュール51のチップ接着機構51dは、各列に対応して複数設けられるものとする。
【0192】
このようにして、チップ貼り付けプリンタ装置40では、一般的なプリンタ装置と同様にして印刷用紙50に対して印刷を施すのと同時に、印刷された内容に合わせた位置にチップを貼り付け、印刷内容に合わせたデータをチップに記録することができる。
【0193】
なお、前述した各実施形態では、印刷物とする部材として紙を用いた場合について説明しているが、例えば布、金属、樹脂などのその他の部材を用いる場合に適用することも可能である。
また、印刷物は平面状である必要もなく、表面に印刷が施された立体構造物(例えば地球儀などの球体、直方体など)であっても良い。
【0194】
さらに、印刷物に埋め込まれた複数のチップから一括してデータの読み取りが行われないように、すなわち特定のチップからのみデータの読み取りができるように、例えばチップ読取部18は、電界強度が最も強いチップからのみデータを読み取るようにしても良い。また、チップ読取部18は、特定のチップからのみデータの読み取りができるように、指向性を持つ構成とすることもできる。
【0195】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の実施形態(第1〜第5実施形態)における情報処理装置1の構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態における情報処理装置1の使用形態の一例を示す図。
【図3】本実施形態(第1〜第5実施形態)における印刷物に対してチップを埋め込む構造の一例を示す図。
【図4】第1実施形態における情報処理装置1の動作について説明するためのフローチャート。
【図5】第2実施形態における印刷物の具体例とするチップ埋め込み地図22を示す図。
【図6】第2実施形態における情報処理装置1の動作について説明するためのフローチャート。
【図7】第2実施形態における施設関連情報の表示例を示す図。
【図8】第2実施形態におけるルート案内モードの処理を説明するためのフローチャート。
【図9】第2実施形態のルート案内モードの動作を説明するための図。
【図10】第2実施形態における印刷物の具体例とするチップ埋め込み書籍24を示す図。
【図11】第3実施形態における情報処理装置1と電子辞書端末25の動作について説明するためのフローチャート。
【図12】第4実施形態におけるバインダ型情報処理装置30の外観構成を示す図。
【図13】第4実施形態におけるバインダ型情報処理装置30の動作について説明するためのフローチャート。
【図14】第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40の構成を示すブロック図。
【図15】第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40における印刷物(印刷)の搬送系を搬送方向と垂直な方向から見た構成を示す図。
【図16】第5実施形態におけるチップシールロール51bに巻回されたチップロール紙60の構成を断面によって示す図。
【図17】第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40の動作について説明するためのチップ接着モジュール51の周辺拡大図。
【図18】第5実施形態におけるチップ貼り付けプリンタ装置40により印刷が施される印刷物の具体例とするチップ埋め込み服薬指導書70を示す図。
【符号の説明】
【0197】
1…情報処理装置、10…CPU、12…入力部、13…表示部、14…タッチパネル、15…通信制御部、16…RAM、17…記録装置、18…チップ読取部、19…音声出力部、20…チップ埋め込み回路図、20a…チップ、20b…用紙、20c…印刷層、22…チップ埋め込み地図、24…チップ埋め込み書籍、25…電子辞書端末、30…バインダ型情報処理装置、30a…本体部、30b…出力部、30c…チップ読み取り部、32…チップ埋め込み書類、32a…チップ、40…チップ貼り付けプリンタ装置、41…制御部、42…センサ制御部、43…通信制御部、44…記録部、45…用紙搬送制御部、46…印刷制御部、47…チップシール搬送制御部、48…チップ接着制御部、49…チップデータ書き込み制御部、50…印刷用紙、51…チップ接着モジュール、51a…チップシールロール保護フィルム剥離巻取り機構、51b…チップシールロール、51c…シール台紙巻取り機構、51d…チップ接着機構、51d1…ヘッダ部、51d2…シリンダ部、52…トナー/印刷ヘッドモジュール、52a…トナー、52b…印刷ヘッド、53…用紙搬送機構、54…チップデータ書込機構、60…チップロール紙、61…シール台紙、62…チップを含んだシール、62a…チップ、62b…接着剤、63…保護フィルム、65…接着部、70…チップ埋め込み服薬指導書。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、前記ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、
前記ICチップ読み取り手段によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、それぞれのICチップに対応する対応情報を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された対応情報の何れかの情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された情報に応じて、当該情報に対応するICチップから読み取られたデータをもとにした情報を出力する第1情報出力手段と
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ICチップ読み取り手段によって印刷物に埋め込まれた複数のICチップの全てについて読み取りが完了したか判別する判別手段と、
前記判別手段により読み取りが完了していないと判別された場合に、読み取りが完了していないことを表す確認指示を出力する確認出力手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判別手段は、
読み取り終了の確認報告を通信により送信する報告送信手段と、
前記報告送信手段により送信した確認報告に対する応答を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された応答から読み取りが完了したかを判別する応答判別手段とを具備したことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ICチップに記録されるデータには通信による接続先を示す接続先データを含み、
前記ICチップ読み取り手段によって読み取られた接続先データが示す接続先にデータを送信するデータ送信手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ICチップ読み取り手段によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、段階的に情報を出力するための出力データを作成する出力データ作成手段と、
前記出力データ作成手段により作成された出力データをもとに段階的に情報を出力する段階情報出力手段と、
前記第2情報出力手段により出力される情報を次の段階に更新させる指示を入力する更新入力手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ICチップ読み取り手段によって前記ICチップから読み取られたデータをもとに、次にデータを読み取るべきICチップが埋め込まれた前記印刷物の位置を判別する位置判別手段と、
前記位置判別手段によって判別された前記印刷物の位置を通知するための出力を行なう通知出力手段と、
前記通知出力手段によって出力された通知に応じた位置に埋め込まれたICチップから前記ICチップ読み取り手段によって読み取られたデータに応じた情報を出力する読取情報出力手段と
を具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、前記ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、
前記ICチップ読み取り手段によって前記ICチップから読み取られたデータを、他の電子機器に送信するデータ送信手段と、
前記データ送信手段によって送信したデータに対する、前記他の電子機器における処理結果とするデータを受信するデータ受信手段と、
前記受信手段によって受信したデータを出力するデータ手段と
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
複数の書類を綴じるための機構を有するバインダ型の情報処理装置であって、
前記機構によって綴じられた書類に埋め込まれたICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、
前記ICチップ読み取り手段によって読み取られたデータをもとに、前記機構により綴じられた複数の書類を管理するための書類データを更新する書類データ更新手段と、
前記書類データ更新手段により更新される書類データを格納する書類データ格納手段と
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記書類データ格納手段に格納された書類データを他の電子機器に送信する書類データ送信手段をさらに具備したことを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ICチップ読み取り手段を複数設けて、それぞれに対して前記書類に埋め込まれた複数のICチップに対するデータ読み取り範囲を設定することを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
【請求項11】
印刷用紙に対して印刷するプリンタ装置において、
前記印刷用紙に対して印刷された対象物の位置にICチップを接着するチップ接着手段と、
前記チップ接着手段によって接着されたICチップに対して、前記対象物に関係するデータを書き込むデータ書き込み手段と
を具備したことを特徴とするチップ貼り付けプリンタ装置。
【請求項12】
前記チップ貼り付け手段は、
前記ICチップを含んだシールが台紙上に連続的に配置され、保護フィルムにより覆われたチップシールロール紙が巻回されたチップシールロールと、
前記チップシールロール紙を印刷用紙の搬送路に沿って搬送させる搬送手段と、
前記搬送手段による搬送に伴って、前記保護フィルムを剥離させながら巻き取る保護フィルム剥離巻き取り機構と、
前記保護フィルムが剥離されたチップシールロール紙のICチップを含んだシールを前記印刷用紙に押圧して接着するチップ接着手段と
を具備したことを特徴とする請求項11記載のチップ貼り付けプリンタ装置。
【請求項13】
印刷が施された印刷部材に非接触によりデータの読み取りがされるICチップを複数埋め込み、前記ICチップのそれぞれに、前記ICチップが埋め込まれた位置に印刷された印刷内容と関連するデータと、他のICチップとの関連を示すデータとを記録することを特徴とする印刷物。
【請求項1】
印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、前記ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、
前記ICチップ読み取り手段によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、それぞれのICチップに対応する対応情報を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された対応情報の何れかの情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された情報に応じて、当該情報に対応するICチップから読み取られたデータをもとにした情報を出力する第1情報出力手段と
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ICチップ読み取り手段によって印刷物に埋め込まれた複数のICチップの全てについて読み取りが完了したか判別する判別手段と、
前記判別手段により読み取りが完了していないと判別された場合に、読み取りが完了していないことを表す確認指示を出力する確認出力手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判別手段は、
読み取り終了の確認報告を通信により送信する報告送信手段と、
前記報告送信手段により送信した確認報告に対する応答を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された応答から読み取りが完了したかを判別する応答判別手段とを具備したことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ICチップに記録されるデータには通信による接続先を示す接続先データを含み、
前記ICチップ読み取り手段によって読み取られた接続先データが示す接続先にデータを送信するデータ送信手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ICチップ読み取り手段によって複数のICチップから読み取られたデータをもとに、段階的に情報を出力するための出力データを作成する出力データ作成手段と、
前記出力データ作成手段により作成された出力データをもとに段階的に情報を出力する段階情報出力手段と、
前記第2情報出力手段により出力される情報を次の段階に更新させる指示を入力する更新入力手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ICチップ読み取り手段によって前記ICチップから読み取られたデータをもとに、次にデータを読み取るべきICチップが埋め込まれた前記印刷物の位置を判別する位置判別手段と、
前記位置判別手段によって判別された前記印刷物の位置を通知するための出力を行なう通知出力手段と、
前記通知出力手段によって出力された通知に応じた位置に埋め込まれたICチップから前記ICチップ読み取り手段によって読み取られたデータに応じた情報を出力する読取情報出力手段と
を具備したことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
印刷物に埋め込まれたICチップに近接されることで、前記ICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、
前記ICチップ読み取り手段によって前記ICチップから読み取られたデータを、他の電子機器に送信するデータ送信手段と、
前記データ送信手段によって送信したデータに対する、前記他の電子機器における処理結果とするデータを受信するデータ受信手段と、
前記受信手段によって受信したデータを出力するデータ手段と
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
複数の書類を綴じるための機構を有するバインダ型の情報処理装置であって、
前記機構によって綴じられた書類に埋め込まれたICチップに記録されたデータを非接触により読み取るICチップ読み取り手段と、
前記ICチップ読み取り手段によって読み取られたデータをもとに、前記機構により綴じられた複数の書類を管理するための書類データを更新する書類データ更新手段と、
前記書類データ更新手段により更新される書類データを格納する書類データ格納手段と
を具備したことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記書類データ格納手段に格納された書類データを他の電子機器に送信する書類データ送信手段をさらに具備したことを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ICチップ読み取り手段を複数設けて、それぞれに対して前記書類に埋め込まれた複数のICチップに対するデータ読み取り範囲を設定することを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
【請求項11】
印刷用紙に対して印刷するプリンタ装置において、
前記印刷用紙に対して印刷された対象物の位置にICチップを接着するチップ接着手段と、
前記チップ接着手段によって接着されたICチップに対して、前記対象物に関係するデータを書き込むデータ書き込み手段と
を具備したことを特徴とするチップ貼り付けプリンタ装置。
【請求項12】
前記チップ貼り付け手段は、
前記ICチップを含んだシールが台紙上に連続的に配置され、保護フィルムにより覆われたチップシールロール紙が巻回されたチップシールロールと、
前記チップシールロール紙を印刷用紙の搬送路に沿って搬送させる搬送手段と、
前記搬送手段による搬送に伴って、前記保護フィルムを剥離させながら巻き取る保護フィルム剥離巻き取り機構と、
前記保護フィルムが剥離されたチップシールロール紙のICチップを含んだシールを前記印刷用紙に押圧して接着するチップ接着手段と
を具備したことを特徴とする請求項11記載のチップ貼り付けプリンタ装置。
【請求項13】
印刷が施された印刷部材に非接触によりデータの読み取りがされるICチップを複数埋め込み、前記ICチップのそれぞれに、前記ICチップが埋め込まれた位置に印刷された印刷内容と関連するデータと、他のICチップとの関連を示すデータとを記録することを特徴とする印刷物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−79276(P2006−79276A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261253(P2004−261253)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]