説明

情報処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラム

【課題】様々なノウハウの蓄積が可能となり、またより適切な対処方法をユーザに提供することが可能な情報処理装置等を提供する。
【解決手段】コンピュータ2Aは成膜装置20Aに関する情報を処理する。コンピュータ2Aは、成膜装置20Aに異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を表示する。コンピュータ2Aは、発生した異常に対処した際の対処情報を受け付ける。コンピュータ2Aは、受け付けた対処情報を、発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて記憶する。コンピュータ2Aは記憶した異常特定情報及び対処情報を、サーバコンピュータ1へ出力する。成膜装置20Bに異常が発生した場合、コンピュータ2Bは異常特定情報に対応する対処情報をサーバコンピュータ1から受信し、表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体処理装置に関する情報を処理する情報処理装置、処理システム、処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場内の産業機械を監視するホストコンピュータと、ベンダ側のコンピュータとを接続し、産業機械に異常が発生した場合に、ベンダ側のコンピュータがホストコンピュータへ応答情報を送信するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2706793号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ベンダ側のコンピュータに提供すべき情報が存在しない場合、適切な情報を現場に提供することが出来ないという問題があった。このような場合、結果として作業員が直接現場にて対応する必要があり負担が大きかった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものである。その目的は、発生した異常に対処した際の対処情報を他のコンピュータへ送信し共有することにより、様々なノウハウの蓄積が可能となり、またより適切な対処方法をユーザに提供することが可能な情報処理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する情報処理装置は、半導体処理装置に関する情報を処理する情報処理装置において、半導体処理装置に異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を表示する表示部と、発生した異常に対処した際の対処情報を受け付ける受け付け部と、受け付けた対処情報を発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて記憶する記憶部と、記憶した異常特定情報及び対処情報を、通信部を介して外部へ出力する出力部と、異常が発生した場合に、候補となる複数の対処項目を表示する項目表示部と、表示された複数の処理項目から選択された対処項目を異常特定情報に対応付けて記憶する項目記憶部と、該項目記憶部により記憶した異常特定情報及び対処項目を、前記通信部を介して外部へ送信する項目送信部と外部から送信された異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を受信する項目受信部と、異常が発生した場合、受信した前記異常に係る異常特定情報に対する対処項目に関する統計を表示する項目統計表示部とを備える。
【0007】
本願に開示する情報処理装置は、異常が発生した場合に、該異常に係る異常特定情報に対応する対処情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した対処情報を表示する対処情報表示部とを備える。
【0008】
本願に開示する情報処理装置は、前記取得部は、異常が発生した場合に、該異常に係る異常特定情報を、前記通信部を介して外部へ送信する送信部と、外部から送信された異常特定情報に対応する対処情報を受信する受信部とを含む。
【0009】
本願に開示する情報処理装置は、異常発生原因の候補を複数表示する原因表示部と、表示された複数の異常発生原因から選択された異常発生原因を異常特定情報に対応付けて記憶する原因記憶部と、該原因記憶部に記憶した異常特定情報及び異常発生原因を、前記通信部を介して外部へ送信する原因送信部とを備える。
【0010】
本願に開示する情報処理装置は、異常特定情報に対応する異常発生原因に関する統計を受信する原因受信部と、異常が発生した場合に、受信した前記異常に係る異常特定情報に対応する異常発生原因に関する統計を表示する統計表示部とを備える。
【0011】
本願に開示する情報処理装置は、前記統計は異常特定情報に対応する複数の異常発生原因の数または割合であり、前記統計表示部は、異常が発生した場合に、受信した前記異常に係る異常特定情報に対応する複数の異常発生原因と、各異常発生原因の数または割合を高い順に表示する。
【0012】
本願に開示する情報処理装置は、前記受け付け部は、発生した異常に対処した際の対処情報及び該対処情報の保存期間情報を受け付け、前記出力部は、記憶した異常特定情報、対処情報及び保存期間情報を前記他のコンピュータへ出力する。
【0013】
本願に開示する処理システムは、半導体処理装置に関する情報を処理する複数の情報処理装置及びサーバコンピュータが通信網を介して接続された処理システムにおいて、一の情報処理装置は、半導体処理装置に異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を表示する表示部と、発生した異常に対処した際の対処情報を受け付ける受け付け部と、受け付けた対処情報を発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて記憶する記憶部と、記憶した異常特定情報及び対処情報を、前記サーバコンピュータへ出力する出力部と、異常が発生した場合に、候補となる複数の対処項目を表示する項目表示部と、表示された複数の処理項目から選択された対処項目を異常特定情報に対応付けて記憶する項目記憶部と、該項目記憶部により記憶した異常特定情報及び対処項目を、前記通信部を介して前記サーバコンピュータへ送信する項目送信部とを備え、前記サーバコンピュータは、前記一の情報処理装置から送信された異常特定情報及び対処情報を記憶する情報記憶部と、前記情報記憶部により記憶した異常特定情報に対応する対処情報を読み出す読み出し部と、読み出した異常特定情報に対応する対処情報を前記他の情報処理装置へ送信する送信部と、前記一の情報処理装置から送信された異常特定情報及び対処項目を記憶する対処項目記憶部と、該対処項目記憶部により記憶した複数の異常特定情報に対応する対処項目に基づき、異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を生成する統計生成部と、該統計生成部により生成した異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を前記他のコンピュータへ送信する統計送信部とを備え、前記他の情報処理装置は、前記サーバコンピュータから送信された異常特定情報に対応する対処情報を受信する受信部と、該受信部が受信した対処情報を表示する対処情報表示部と、前記サーバコンピュータから送信された異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を受信する項目受信部と、異常が発生した場合、受信した前記異常に係る異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を表示する項目統計表示部とを備える。
【0014】
本願に開示する処理システムは、前記受け付け部は、発生した異常に対処した際の対処情報及び該対処情報の保存期間情報を受け付け、前記出力部は、記憶した異常特定情報、対処情報及び保存期間情報を前記サーバコンピュータへ出力し、前記サーバコンピュータは、前記一の情報処理装置から出力された異常特定情報、対処情報及び保存期間情報を記憶する期間記憶部と、保存期間情報に基づき、保存期間を経過した異常特定情報の対処情報を消去する消去部とを備える。
【0015】
本願に開示する処理方法は、半導体処理装置に関する情報を、制御部を有する情報処理装置により処理する処理方法において、半導体処理装置に異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を表示する表示ステップと、発生した異常に対処した際の対処情報を前記制御部により受け付ける受け付けステップと、受け付けた対処情報を発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて、前記制御部により記憶する記憶ステップと、記憶した異常特定情報及び対処情報を、通信部を介して外部へ出力する出力ステップと、異常が発生した場合に、候補となる複数の対処項目を前記制御部により表示する項目表示ステップと、表示された複数の処理項目から選択された対処項目を異常特定情報に対応付けて記憶する項目記憶ステップと、該項目記憶ステップにより記憶した異常特定情報及び対処項目を、前記通信部を介して外部へ送信する項目送信ステップと外部から送信された異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を受信する項目受信ステップと、異常が発生した場合、受信した前記異常に係る異常特定情報に対する対処項目に関する統計を前記制御部により表示する項目統計表示ステップとを含む。
【0016】
本願に開示するプログラムは、半導体処理装置に関する情報を、制御部及び表示部を有するコンピュータに処理させるプログラムにおいて、コンピュータに、半導体処理装置に異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を前記制御部により表示する表示ステップと、発生した異常に対処した際の対処情報を前記制御部により受け付ける受け付けステップと、受け付けた対処情報を発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて、前記制御部により記憶する記憶ステップと、記憶した異常特定情報及び対処情報を、通信部を介して外部へ出力する出力ステップと、異常が発生した場合に、候補となる複数の対処項目を前記制御部により表示する項目表示ステップと、表示された複数の処理項目から選択された対処項目を異常特定情報に対応付けて記憶する項目記憶ステップと、該項目記憶ステップにより記憶した異常特定情報及び対処項目を、前記通信部を介して外部へ送信する項目送信ステップと、外部から送信された異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を受信する項目受信ステップと、異常が発生した場合、受信した前記異常に係る異常特定情報に対する対処項目に関する統計を前記制御部により表示する項目統計表示ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0017】
当該装置の一観点によれば、異常が発生した場合でも対処した際の対処情報を蓄積し、共有することにより、異常に対するノウハウを蓄積でき、また、適切な対処方法をユーザに提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】処理システムの概要を示す模式図である。
【図2】コンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図3】異常ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図4】異常情報の表示イメージを示す説明図である。
【図5】異常履歴ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図6】選択画面のイメージを示す説明図である。
【図7】対処情報入力画面のイメージを示す説明図である。
【図8】対処情報ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図9】サーバコンピュータのハードウェア群を示す説明図である。
【図10】装置DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図11】対処情報DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図12】対処情報の表示イメージを示す説明図である。
【図13】対処情報の受け付け処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】対処情報の表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2に係る処理システムの概要を示す模式図である。
【図16】実施の形態2に係る対処情報の表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態3に係る異常ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図18】異常情報表示画面のイメージを示す説明図である。
【図19】対処情報ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図20】対処情報入力画面のイメージを示す説明図である。
【図21】実施の形態2に係る対処情報DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図22】対処情報の受け付け処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】対処情報の受け付け処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】実施の形態4に係るサーバコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図25】統計DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図26】対処情報の表示イメージを示す説明図である。
【図27】統計の表示処理を示すフローチャートである。
【図28】統計の表示処理を示すフローチャートである。
【図29】対処情報の入力画面を示す説明図である。
【図30】実施の形態5に係る対処情報ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図31】対処情報DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図32】消去処理の手順を示すフローチャートである。
【図33】実施の形態6に係る異常ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図34】実行処理の手順を示すフローチャートである。
【図35】実施の形態7に係る装置DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図36】警告画面のイメージを示す説明図である。
【図37】抽出処理の手順を示すフローチャートである。
【図38】警告情報の表示処理手順を示すフローチャートである。
【図39】実施の形態8に係る処理システムの概要を示す模式図である。
【図40】実施の形態9に係るコンピュータのハードウェア群を示すブロック図である。
【図41】実施の形態10に係る統計DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図42】統計の表示処理手順を示すフローチャートである。
【図43】統計の表示処理手順を示すフローチャートである。
【図44】対処情報の表示イメージを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態1
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は処理システムの概要を示す模式図である。処理システムは、コンピュータ1、半導体処理装置20及び情報処理装置2等を含む。半導体処理装置20は、情報処理装置2の制御に従い半導体に対して処理を行う装置である。半導体処理装置20は例えば、ウェハ上に酸化膜を成膜する成膜装置、洗浄装置、エッチング装置または露光装置である。本実施形態においては、半導体処理装置20を成膜装置20として説明するがこれに限るものではない。
【0020】
情報処理装置2は例えば、成膜装置20内部に組み込まれるコンピュータ、成膜装置20の外部に外付けされるパーソナルコンピュータまたはPDA(Personal Digital Assistance)等である。本実施形態では情報処理装置2の一例として成膜装置20内部に組み込まれるコンピュータ2であるものとして説明する。複数のコンピュータ2にLAN(Local Area Network)またはインターネット等の通信網Nを介して接続されるコンピュータ1は、例えばサーバコンピュータまたはパーソナルコンピュータである。以下ではコンピュータ1をサーバコンピュータ1であるものとして説明する。サーバコンピュータ1は通信網Nを介して接続された各コンピュータ2A、2B、2C(以下、場合によりコンピュータ2で代表する)・・・との間で、HTTP(HyperText Transfer Protocol)等により情報を送受信する。
【0021】
コンピュータ2A、2B、2Cはそれぞれ成膜装置20A、20B、20C(以下、場合により20で代表する)に組み込まれる。例えば、成膜装置20Aに異常が発生した場合、コンピュータ2Aは発生した異常に関する異常情報を表示する。ユーザは異常に対処した際の対処情報をコンピュータ2Aへ入力する。コンピュータ2Aは入力された対処情報を、異常を特定するための異常特定情報(以下、異常IDという)と共に、サーバコンピュータ1へ送信する。
【0022】
後に、同様の異常が他の成膜装置20Bに発生した場合、コンピュータ2Bは異常IDをサーバコンピュータ1へ送信する。サーバコンピュータ1は異常IDに対応する対処情報をコンピュータ2Bへ送信する。コンピュータ2Bには異常情報と共に、送信された対処情報が表示され、ユーザはノウハウとしての対処情報に基づき、異常に対応することが可能となる。以下詳細を説明する。なお、各半導体処理装置20は異なる種類の装置であっても良い。例えば成膜装置20A、エッチング装置20B及び露光装置20Cを接続する形態であっても良い。また本実施形態では各半導体処理装置20を一の工場または研究所等の施設に設置する例を挙げて説明するがこれに限るものではない。例えば、成膜装置20A及び20Bを一の工場に設置し、成膜装置20Cを他の工場に設置し、通信網Nを介して接続するようにしても良い。
【0023】
図2はコンピュータ2のハードウェア群を示すブロック図である。コンピュータ2は制御部としてのCPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、入力部23、表示部24、記憶部25、通信部26、通信ポート294及び時計部28等を含む。成膜装置20は通信ポート294を介してコンピュータ2に接続されている。
【0024】
CPU21は、バス27を介してハードウェア各部と接続されている。CPU21はハードウェア各部を制御すると共に、記憶部25に格納された制御プログラム25Pに従って、種々のソフトウェア機能を実行する。入力部23はマウス、キーボード、成膜装置20を制御するための制御ボタン、スイッチ、タッチパネル等の入力デバイスである。入力部23は、受け付けた操作情報をCPU21へ出力する。表示部24は液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、CPU21の指示に従い異常情報を含む各種情報を表示する。
【0025】
RAM22は例えばSRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、フラッシュメモリ等である。RAM22は、記憶部としても機能し、CPU21による各種プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。通信部26は無線または有線のLANカード等である。通信部26はサーバコンピュータ1との間で通信網Nを介して情報の送受信を行う。時計部28は日時情報をCPU21へ出力する。
【0026】
記憶部25は、例えばハードディスクまたは大容量フラッシュメモリ等である。記憶部25には上述した制御プログラム25Pの他、異常ファイル251、対処情報ファイル252、及び、異常履歴ファイル253を格納している。なお、本実施形態では説明を容易にするために、異常ファイル251、対処情報ファイル252、及び、異常履歴ファイル253が記憶部25に格納されている例を挙げて説明するがこれに限るものではない。異常ファイル251、対処情報ファイル252、または、異常履歴ファイル253をサーバコンピュータ1または図示しないデータベース(以下、DBという)サーバに格納しておき、CPU21は必要に応じてデータを読み出し、または、記憶するようにしても良い。
【0027】
通信ポート294は例えばUSBポート(Universal Serial Bus)またはRS232C規格に基づく通信ポート等である。通信ポート294はコンピュータ2と成膜装置20との間の情報の送受信を行う。成膜装置20は成膜処理部29、ステージ制御部290、第1センサ291、第2センサ292及び第3センサ293等を含む。成膜処理部29は例えばウェハ上に酸化膜等を成膜する。ステージ制御部290はウェハが載置されるステージの移動を制御する。第1センサ291〜第3センサ293は成膜装置20の温度、ガス流量、ステージの位置等を検出するセンサである。なお、本実施形態では説明を容易にするために成膜装置20の一部の機能についてのみ説明したが、これ以外の構成を含んでも良い。
【0028】
図3は異常ファイル251のレコードレイアウトを示す説明図である。異常ファイル251は異常IDに対応付けて成膜装置20に発生した異常に関する異常情報を記憶している。異常ファイル251は異常IDフィールド及び異常情報フィールドを含む。異常IDフィールドには、成膜装置20に発生する異常を特定するための固有のIDが記憶されている。異常情報フィールドには、異常IDに対応づけて異常情報が記憶されている。例えば異常ID「1001」はステージのX軸方向の移動を検出する第1センサ291が反応していない事を示す異常情報が記憶される。また本実施形態においては異常を異常IDで特定したがこれに限るものではない。例えば、成膜処理部29内の部品またはセンサ等の組み合わせで特定するようにしても良い。例えば異常ID「1001」については、「ステージ」と「第1センサ」とに替えても良い。また異常ID「1002」については、「ステージ」と「第2センサ」とに替えても良い。さらに異常ID「2003」については、「ガス供給部」と「第3センサ」とに替えても良い。
【0029】
図4は異常情報の表示イメージを示す説明図である。異常が発生した場合、成膜装置20は通信ポート294を介して異常IDをCPU21へ出力する。CPU21は異常IDに対応する異常情報を異常ファイル251から読み出し、表示部24に表示する。またCPU21は異常IDが出力された際に時計部28から出力される日時情報を取得する。CPU21は取得した日時情報を発生日時として表示部24に表示する。図4に示すように、異常ID、異常情報及び発生日時が表示される。異常ID「1001」の異常情報として「ステージの第1センサが反応していません。」が表示されている。なお、画面表示用の画像データ及びテンプレートデータは記憶部25に記憶されている。その他、CPU21は、対処情報を表示するための対処情報表示ボタン241を表示部24に表示する。対処情報表示ボタン241を操作した場合の処理は後述する。
【0030】
図5は異常履歴ファイル253のレコードレイアウトを示す説明図である。異常履歴ファイル253は発生した異常の履歴を記憶する。異常履歴ファイル253は発生日時フィールド及び異常IDフィールドを含む。発生日時フィールドには異常が発生した際の発生日時を記憶している。異常IDフィールドには、発生日時に対応付けて異常IDを記憶している。CPU21は異常IDが成膜装置20から出力された場合、異常ID及び発生日時を異常履歴ファイル253に記憶する。
【0031】
図6は選択画面のイメージを示す説明図である。ユーザは異常に対処した際の対処情報をノウハウとして入力する場合、入力部23から過去に発生した異常履歴を選択するための選択画面の表示命令を入力する。CPU21は入力部23から選択画面の表示命令を受け付けた場合、異常履歴ファイル253から発生日時及び異常IDを読み出し、表示部24に表示する。CPU21は、選択画面に発生日時、異常ID及び選択するためのチェックボックスを表示する。ユーザは入力部23から対処情報を入力する一の発生日時及び異常IDを選択し、「OK」ボタンを操作する。
【0032】
図7は対処情報入力画面のイメージを示す説明図である。CPU21は選択画面において選択された発生日時及び異常IDを受け付け、異常IDに対応する異常情報を異常ファイル251から読み出す。CPU21は図7に示すように、発生日時、異常ID、異常情報を対処情報入力画面に表示する。またCPU21はユーザIDの入力を促す画面を表示する。さらにCPU21は対処情報を入力するための対処情報入力ボックス242を表示する。ユーザIDは対処情報を入力するユーザを特定するための識別情報である。CPU21は入力部23から入力されたユーザIDを受け付ける。なお、ユーザIDに代えて、氏名等の個人を特定できる情報を入力しても良い。
【0033】
ユーザは入力部23から対処情報入力ボックス242に対処情報を入力する。対処情報はユーザが異常に対処した際の対処情報をテキスト文で入力する。なお、対処情報の入力は、テキスト文に限るものではない。例えば、画像ファイル、音声ファイル、または、PDF(Portable Document Format、登録商標)ファイル等のアプリケーションファイルを入力しても良い。OKボタンが入力部23から入力された場合、CPU21は入力されたユーザID及び対処情報を受け付ける。CPU21は受け付けた対処情報及びユーザIDを発生日時及び異常IDに対応付けて、対処情報ファイル252に記憶する。
【0034】
図8は対処情報ファイル252のレコードレイアウトを示す説明図である。対処情報ファイル252は発生日時フィールド、異常IDフィールド、対処IDフィールド、対処情報フィールド及びユーザIDフィールド等を含む。対処情報フィールドには、対処情報入力ボックス242に入力された対処情報が発生日時及び異常IDに対応付けて記憶されている。対処IDフィールドには対処情報を特定するための固有の識別情報が記憶されている。ユーザIDフィールドには、対処情報入力画面にて対処情報を入力したユーザのユーザIDが対処情報に対応付けて記憶されている。CPU21は適宜のタイミングで対処情報ファイル252に記憶した対処情報及び異常IDを含む情報を、通信部26を介してサーバコンピュータ1へ送信する。なお、本実施の形態においては対処情報ファイル252を記憶部25に設ける例を挙げて説明したがこれに限るものではない。記憶部25に記憶することなく、RAM22に一時的に記憶し、記憶した対処情報及び異常IDをサーバコンピュータ1へ送信するようにしても良い。また本実施形態で述べるファイル及びDBのデータレイアウトは一例であり、データ間の関係が維持されていれば他の形態であっても良い。
【0035】
図9はサーバコンピュータ1のハードウェア群を示す説明図である。サーバコンピュータ1は、制御部としてのCPU11、RAM12、入力部13、表示部14、通信部16、時計部18及び記憶部15等を含む。CPU11は、バス17を介してハードウェア各部と接続されている。CPU11は各ハードウェアを制御すると共に、記憶部15に格納された制御プログラム15Pに従って、ソフトウェア機能を実行する。時計部18は日時をCPU11へ出力する。通信部16はファイアウォールとしての機能を果たすゲートウェイ等であり、コンピュータ2または図示しない他のサーバコンピュータとの間でHTTP等により情報を送受信する。
【0036】
入力部13はマウス、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスである。入力部13は、受け付けた操作情報をCPU11へ出力する。表示部14は液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等であり、CPU11の指示に従い異常情報を含む各種情報を表示する。RAM12は例えばSRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。RAM12は、記憶部としても機能し、CPU11による各種プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。記憶部15は例えばハードディスクまたは大容量メモリ等である。記憶部15は上述した制御プログラム15Pの他、装置DB151及び対処情報DB152等を記憶している。なお、本実施形態では説明を容易にするために、装置DB151及び対処情報DB152が記憶部15に格納されている例を挙げて説明するがこれに限るものではない。装置DB151または対処情報DB152を図示しないDBサーバに格納しておき、CPU11はSQL(Structured Query Language)を用いてデータを読み出し、または、記憶するようにしても良い。
【0037】
図10は装置DB151のレコードレイアウトを示す説明図である。装置DB151はコンピュータIDフィールド、成膜装置IDフィールド及びアドレスフィールド等を含む。コンピュータIDフィールドには、コンピュータ2を特定するための固有の識別情報が記憶されている。成膜装置IDフィールドには、成膜装置20を特定するための固有の識別情報がコンピュータIDに対応付けて記憶されている。アドレスフィールドにはIP(Internet Protocol)アドレス、または、MAC(Media Access Control)アドレス等のコンピュータ2のアドレスが、コンピュータIDに対応付けて記憶されている。
【0038】
図11は対処情報DB152のレコードレイアウトを示す説明図である。対処情報DB152は発生日時フィールド、異常IDフィールド、対処IDフィールド、対処情報フィールド、ユーザIDフィールド、及び、コンピュータIDフィールド等を含む。CPU11は、通信部16を介してコンピュータ2から発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID及びコンピュータIDが送信された場合、対処情報DB152に記憶する。例えば異常ID「1001」に関する対処情報は、コンピュータID「P001」のコンピュータ2A、及び、コンピュータID「P002」のコンピュータ2Bからそれぞれ送信されている。これにより、異常ID毎に対処情報が各成膜装置20のコンピュータ2から収集されることになる。
【0039】
図12は対処情報の表示イメージを示す説明図である。ユーザは異常発生時に既に収集された対処情報の取得を希望する場合、図4に示した対処情報表示ボタン241を、入力部23を通じて入力する。CPU21は入力部23から対処情報表示ボタン241の操作を受け付けた場合、コンピュータID、異常ID及び対処情報の取得要求を、通信部26を介してサーバコンピュータ1へ送信する。サーバコンピュータ1のCPU11は通信部16を介して、コンピュータID、異常ID及び対処情報の取得要求を受信する。CPU11は異常IDに対応する対処ID及び対処情報を、対処情報DB152から抽出する。CPU11はコンピュータIDに対応するアドレスを装置DB151から読み出す。
【0040】
CPU11は読み出したアドレスに係るコンピュータ2へ、読み出した対処ID及び対処情報を送信する。コンピュータ2のCPU21は受信した対処ID及び対処情報を表示部24に表示する。図12の例では、異常ID「1001」に対する対処情報として、対処ID「N1001」及び「N1008」の対処情報が表示される。以上のハードウェア構成において、ソフトウェア処理を、フローチャートを用いて説明する。
【0041】
図13は対処情報の受け付け処理の手順を示すフローチャートである。CPU21は通信ポート294を介して異常が発生した成膜装置20から異常IDを受け付ける(ステップS131)。CPU21は異常ファイル251から異常IDに対応する異常情報を読み出す(ステップS132)。CPU21は異常情報表示画面に、異常ID、異常情報、時計部28から取得した日時情報に基づく異常の発生日時、及び、対処情報表示ボタン133を表示部24に表示する(ステップS133)。CPU21は異常履歴ファイル253に発生日時及び異常IDを対応付けて記憶する(ステップS134)。
【0042】
ユーザに、対処情報を入力させるべく、CPU21は異常履歴ファイル253に記憶した発生日時及び異常IDを読み出し、表示部24に表示する。CPU21は入力部23を通じて、対処情報の入力を希望する一の発生日時及び異常IDの選択を受け付ける(ステップS135)。CPU21は選択を受け付けた発生日時及び異常IDに対応する異常情報を異常ファイル251から読み出す。CPU21は発生日時、異常ID及び異常情報を対処情報入力画面に表示する(ステップS136)。CPU21はさらに、対処情報入力ボックス242を表示部24に表示する。CPU21はユーザID及び対処情報を、入力部23から受け付ける(ステップS137)。
【0043】
CPU21は入力された対処情報に対応する対処IDを生成する(ステップS138)。CPU21は発生日時、異常ID、対処ID、対処情報及びユーザIDを対処情報ファイル252に記憶する(ステップS139)。その後CPU21は、通信部26を介して、発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID及びコンピュータIDをサーバコンピュータ1へ送信(出力)する(ステップS1310)。
【0044】
図14は対処情報の表示処理の手順を示すフローチャートである。CPU11はコンピュータ2から送信された発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID及びコンピュータIDを受信する(ステップS141)。CPU11は受信した発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID及びコンピュータIDを、対処情報DB152に記憶する(ステップS142)。コンピュータ2のCPU21は入力部23から、対処情報表示ボタン241の入力を受け付ける。CPU21は対処情報表示ボタン241の入力を受け付けた場合、コンピュータID、異常ID及び対処情報の取得要求をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS143)。
【0045】
サーバコンピュータ1のCPU11は、コンピュータID、異常ID及び対処情報の取得要求を受信する。CPU11は受信した異常IDに対応する対処ID及び対処情報を対処情報DB152から読み出す(ステップS144)。CPU11は装置DB151から受信したコンピュータIDに対応するアドレスを読み出す(ステップS145)。CPU11は読み出した対処ID及び対処情報を、読み出したアドレス宛のコンピュータ2へ送信する(ステップS146)。コンピュータ2のCPU21は対処ID及び対処情報を受信(取得)する(ステップS147)。
【0046】
CPU21は受信した対処ID及び対処情報を、異常ID、異常情報及び発生日時と共に表示部24に表示する(ステップS148)。これにより各コンピュータ2で入力された対処情報を共有でき、効率よく異常に対処することが可能となる。なお、本実施形態においてはコンピュータ2が対処情報の取得要求をサーバコンピュータ1へ送信した場合に、サーバコンピュータ1が対応する対処情報を送信する例を挙げたがこれに限るものではない。サーバコンピュータ1のCPU11は例えば3時間毎等定期的に、異常IDに対応する対処情報を各コンピュータ2へ送信しても良い。各コンピュータ2は記憶部25に受信した異常IDに対応する対処情報を記憶しても良い。異常が発生した場合、コンピュータ2のCPU21が異常IDに対応する対処情報を記憶部25から読み出して表示しても良い。
【0047】
実施の形態2
実施の形態2はサーバコンピュータ1を介すことなく、コンピュータ2間で対処情報を送受信する形態に関する。図15は実施の形態2に係る処理システムの概要を示す模式図である。コンピュータ2A、2B、2C、・・・はピアツーピアで通信網Nを介して接続されている。コンピュータ2Aで対処情報が入力され、対処情報ファイル252が更新された場合、更新された対処情報が他のコンピュータ2B及び2Cにも送信される。異常発生時には、自身の対処情報ファイル252を参照して対処情報を表示する。
【0048】
図16は実施の形態2に係る対処情報の表示処理の手順を示すフローチャートである。CPU21は図7で示したように、ユーザID及び対処情報の入力を入力部23から受け付ける(ステップS161)。CPU11は対処情報を特定するための対処IDを生成する(ステップS162)。CPU11は発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID及びコンピュータIDを、対処情報ファイル252に記憶する(ステップS163)。CPU21は新たに記憶した発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID
及びコンピュータIDを他のコンピュータ2へ送信する(ステップS164)。
【0049】
このようにして各コンピュータ2は対処情報ファイル252が更新される度に、更新されたデータを他のコンピュータ2へ送信する。コンピュータ2のCPU21は他のコンピュータ2から送信された発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID及びコンピュータIDを受信する(ステップS165)。CPU21は受信したこれらの情報を対処情報ファイル252に記憶する(ステップS166)。
【0050】
CPU21は図4に示した対処情報表示ボタン241の入力を、入力部23から受け付ける(ステップS167)。CPU21は異常IDに対応する対処ID及び対処情報を対処情報ファイル252から読み出す(ステップS168)。CPU21は読み出した対処ID及び対処情報を表示部24に表示する(ステップS169)。これにより簡易な構成で各コンピュータ2間での対処情報の共有が可能となる。
【0051】
本実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0052】
実施の形態3
実施の形態3は異常時の対処項目及び異常発生原因を収集する形態に関する。図17は実施の形態3に係る異常ファイル251のレコードレイアウトを示す説明図である。異常ファイル251は異常IDフィールド、異常情報フィールド、対処項目フィールド、及び異常発生原因フィールド等を含む。対処項目フィールドには、異常IDに対応付けて異常が発生した場合に候補となる複数の対処項目が記憶されている。本実施形態では一例として3つの対処項目を記憶している。対処項目は例えば「リトライ」、「処理継続」及び「再起動」である。候補となる各対処項目には具体的な対処項目に関する説明が異常IDに対応付けて記憶されている。異常発生原因フィールドには、異常が発生する原因となった異常発生原因を、異常IDに対応付けて複数記憶している。例えば、「設計不良」、または「調整不良」等である。
【0053】
図18は異常情報表示画面のイメージを示す説明図である。異常ID及び異常情報が表示され、候補となる複数の対処項目が表示される。CPU21は、異常ファイル251を参照し、異常IDに対応する対処項目の候補と、各対処項目に関する説明を表示部24に表示する。例えば対処項目「リトライ」は、説明として「「リトライ」の場合、再度ステージの上昇動作を行います。」と表示される。ユーザは入力部23から複数の対処項目の中から一の対処項目を入力する。CPU21は入力部23から入力された対処項目を受け付ける。CPU21は対処項目に対応する信号を成膜装置20へ出力する。
【0054】
成膜装置20は対処項目に対応する信号に従い、成膜処理部29またはステージ制御部290等の制御を行う。CPU21は成膜装置20から異常発生時から異常IDの出力が停止されるまで、異常発生時から異常が解消するまで、または、異常発生時から所定時間経過後までに入力部23から入力された操作データを、発生日時及び異常IDに対応付けて記憶部25に記憶する。なお、成膜装置20から入力された他の操作データも併せて記憶部25に記憶しても良い。本実施形態においては説明を容易にするために、異常発生時から所定時間(例えば5分間)経過までに入力部23から入力された操作データを記憶部25に記憶する例を挙げて説明する。またCPU21は、第1センサ291〜第3センサ293の異常発生前の設定データ及び異常発生時のデータ(以下、場合によりセンサデータという)を、発生日時及び異常IDに対応づけて記憶部25に記憶する。
【0055】
図19は対処情報ファイル252のレコードレイアウトを示す説明図である。さらに、対処項目フィールド、センサデータフィールド、操作データフィールド、異常発生原因フィールド及び交換部品IDフィールドが設けられている。対処項目フィールドには、図18に示す異常情報表示画面において、ユーザが選択した対処項目が記憶される。CPU21は入力部23から対処項目が入力された場合、発生日時及び異常IDに対応付けて対処項目を対処情報ファイル252に記憶する。センサデータフィールド、操作データフィールド、異常発生原因フィールド及び交換部品IDフィールドについては後述する。
【0056】
図20は対処情報入力画面のイメージを示す説明図である。実施の形態1の構成に加え、さらに交換部品及び異常発生原因に関するデータを入力することができる。ユーザは異常に対処した際に部品の交換が必要となった場合は、交換部品IDを入力部23から入力する。CPU21は入力部23を介して入力された交換部品IDを受け付ける。なお、直接交換部品IDを入力させるほか、交換部品名称を一覧表示させ、一の交換部品を選択させても良い。CPU21は入力部23から交換部品IDを受け付けた場合、対処情報ファイル252の交換部品IDフィールドに、発生日時及び異常IDに対応付けて交換部品IDを記憶する。
【0057】
CPU21は、異常ファイル251から異常IDに対応する複数の異常発生原因を読み出す。CPU21は、複数の異常発生原因の候補を表示部24に表示する。図20に示すようにチェックボックスと共に、複数の異常発生原因の候補が表示される。ユーザは、表示された複数の異常発生の原因から一の異常発生原因を選択する。なお、本実施形態では説明を容易するために一の異常発生原因を選択する例を挙げたが、複数選択させても良い。
【0058】
CPU21は入力部23から選択された異常発生原因を受け付ける。CPU21は対処情報ファイル252の異常発生原因フィールドに、発生日時及び異常IDに対応付けて受け付けた異常発生原因を記憶する。CPU21は表示部24に、異常発生時に記憶部25に、発生日時及び異常IDに対応づけて記憶した入力部23からの操作データを、対処情報ファイル252に記憶するか否かを問う情報を表示する。図20に示す如く、操作データを記憶する場合は、「操作データを添付する。」のチェックボックスをクリックする。CPU21は入力部23から、操作データの記憶命令を受け付けた場合、記憶部25に記憶した操作データを、発生日時及び異常IDに対応づけて、対処情報ファイル252の操作データフィールドに記憶する。
【0059】
CPU21は表示部24に、異常発生時に発生日時及び異常IDに対応づけて記憶した第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータを、対処情報ファイル252に記憶するか否かを問う情報を表示する。図20に示す如く、第1センサ291の設定データ及び異常時のデータを記憶する場合、ユーザは、「第1センサデータを添付する。」のチェックボックスをクリックする。CPU21は、第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータの記憶命令を受け付けた場合、これらのデータを発生日時及び異常IDに対応づけて、対処情報ファイル252のセンサデータフィールドに記憶する。CPU21はOKボタンを入力部23から受け付けた場合、発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID、対処項目、センサデータ、操作データ、異常発生原因、交換部品ID及びコンピュータIDをサーバコンピュータ1へ送信する。
【0060】
図21は実施の形態2に係る対処情報DB152のレコードレイアウトを示す説明図である。さらに、対処項目フィールド、センサデータフィールド、操作データフィールド、異常発生原因フィールド及び交換部品IDフィールドが設けられている。サーバコンピュータ1のCPU11はコンピュータ2から送信された発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID、対処項目、センサデータ、操作データ、異常発生原因、交換部品ID及びコンピュータIDを記憶する。これにより、各コンピュータ2から様々なノウハウが蓄積される。
【0061】
図22及び23は対処情報の受け付け処理の手順を示すフローチャートである。CPU21は通信ポート294を介して異常が発生した成膜装置20から異常IDを受け付ける(ステップS221)。CPU21は異常ファイル251から異常IDに対応する異常情報を読み出す(ステップS222)。CPU21は異常ファイル251から異常IDに対応する複数の対処項目を読み出す(ステップS223)。CPU21は異常情報表示画面に、異常ID、異常情報、時計部28から取得した日時情報に基づく異常の発生日時、複数の対処項目及び対処情報表示ボタン133を表示部24に表示する(ステップS224)。
【0062】
CPU21は入力部23または成膜装置20の図示しない操作機構、制御機構から入力された操作データを、時計部28から出力される日時情報に対応付けて記憶部25に記憶する(ステップS225)。CPU21は第1センサ291〜第3センサ293の予め記憶部25に記憶された設定データと、異常時に第1センサ291〜第3センサ293から出力された異常時のデータとを対応付けて記憶部25に記憶する(ステップS226)。CPU21は複数の対処項目の中から選択された対処項目を、入力部23を介して受け付ける(ステップS227)。CPU21は異常履歴ファイル253に発生日時、異常ID、対処項目、操作データ、第1センサ291〜第3センサ293に係る設定データ及び異常時のデータを対応付けて記憶する(ステップS228)。
【0063】
CPU21は対処情報表示ボタン241の入力を通じて、対処情報の表示要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS229)。CPU21は対処情報の表示要求を受け付けたと判断した場合(ステップS229でYES)、図14で述べた処理を行い、対処情報を表示部24に表示する(ステップS231)。CPU21は対処情報の表示要求を受け付けていない場合(ステップS229でNO)、処理をステップS232へ移行させる。
【0064】
ユーザに、対処情報を入力させるべく、CPU21は異常履歴ファイル253に記憶した発生日時及び異常IDを読み出し、表示部24に表示する。CPU21は入力部23を通じて、対処情報の入力を希望する一の発生日時及び異常IDの選択を受け付ける(ステップS232)。CPU21は選択を受け付けた発生日時及び異常IDに対応する異常情報を異常ファイル251から読み出す。CPU21は発生日時、異常ID及び異常情報を対処情報入力画面に表示する(ステップS233)。CPU21はさらに、対処情報入力ボックス242を表示部24に表示する。CPU21はユーザID及び対処情報を、入力部23から受け付ける(ステップS234)。
【0065】
CPU21は入力された対処情報に対応する対処IDを生成する(ステップS235)。CPU21は異常IDに対応する複数の異常発生原因を異常ファイル251から読み出す(ステップS236)。CPU21は複数の異常発生原因を表示部24に表示する(ステップS237)。CPU21は入力部23を通じて、異常発生原因の選択を受け付ける(ステップS238)。CPU21は交換部品のIDの入力を受け付ける(ステップS239)。なお、交換部品が存在しない場合、交換部品のIDを入力する必要はない。
【0066】
CPU21は操作データを添付するか否かの情報を、入力部23を介して受け付ける(ステップS2310)。CPU21は第1センサ291〜第3センサ293のデータを添付するか否かの情報を、入力部23を介して受け付ける(ステップS2311)。CPU21は発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、対処項目、ユーザID、異常発生原因、交換部品ID、操作データ、設定データ、及び、異常時のデータを対処情報ファイル252に記憶する(ステップS2312)。なお、ステップS2310で操作データを添付する情報が入力されていない場合は、操作データを対処情報ファイル252に記憶しなくても良い。またステップS2311において、第1センサ291〜第3センサ293のデータを添付するとの情報を受け付けていない場合、設定データ及び異常時のデータを対処情報ファイル252に記憶しなくても良い。
【0067】
その後CPU21は、通信部26を介して、発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、対処項目、ユーザID、異常発生原因、交換部品ID、操作データ、設定データ、異常時のデータ及びコンピュータIDをサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS2313)。サーバコンピュータ1のCPU11は、通信部16を介して、発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、ユーザID、異常発生原因、交換部品ID、操作データ、設定データ、異常時のデータ及びコンピュータIDを受信する。CPU11は、受信した発生日時、異常ID、対処ID、対処情報、対処項目、ユーザID、異常発生原因、交換部品ID、操作データ、設定データ、異常時のデータ及びコンピュータIDを対処情報DB152に記憶する(ステップS2314)。これにより、入力部23により入力される対処情報に加えて、様々な情報がノウハウとして蓄積することが可能となる。
【0068】
本実施の形態3は以上の如きであり、その他は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0069】
実施の形態4
実施の形態4は対処情報を表示する際に、対処項目及び異常発生原因の統計を表示する形態に関する。図24は実施の形態4に係るサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部15には新たに統計DB153が設けられている。図25は統計DB153のレコードレイアウトを示す説明図である。統計DB153は異常IDフィールド、対処項目フィールド、異常発生原因フィールド、件数フィールド及び割合フィールドを含む。
【0070】
対処項目フィールドには、異常IDに対応付けて複数の対処項目が記憶されている。対処項目に対応する件数フィールドには、対処項目に対応付けて、選択された対処項目の件数が記憶されている。サーバコンピュータ1のCPU11は対処情報ファイル252を参照し、異常IDに対応する対処項目の数を計数する。CPU11は計数した値を件数として、対処項目毎に、統計DB153に記憶する。CPU11は各対処項目が占める件数を、全対処項目の件数で除し、100を乗ずることで、各対処項目の割合を算出する。CPU11は算出した割合を異常ID及び対処項目に対応付けて、統計DB153に記憶する。
【0071】
異常発生原因フィールドには、異常IDに対応付けて複数の異常発生原因が記憶されている。異常発生原因に対応する件数フィールドには、異常発生原因に対応付けて、選択された異常発生原因の件数が記憶されている。サーバコンピュータ1のCPU11は対処情報ファイル252を参照し、異常IDに対応する異常発生原因の数を計数する。CPU11は計数した値を件数として、異常発生原因毎に、統計DB153に記憶する。CPU11は各異常発生原因が占める件数を、全異常発生原因の件数で除し、100を乗ずることで、各異常発生原因の割合を算出する。CPU11は算出した割合を異常ID及び異常発生原因に対応付けて、統計DB153に記憶する。
【0072】
図26は対処情報の表示イメージを示す説明図である。異常IDに対応する対処情報に加えて、対処項目の統計及び異常発生原因の統計が表示される。サーバコンピュータ1のCPU11は異常ID及び対処情報の取得要求を受信した場合、統計DB153を参照し、異常IDに対応する対処項目、対処項目に係る件数及び割合と、異常発生原因、異常発生原因に係る件数及び割合とを読み出す。CPU11は読み出した対処項目、対処項目に係る件数及び割合と、異常発生原因、異常発生原因に係る件数及び割合とをコンピュータ2へ送信する。コンピュータ2のCPU21は表示部24に、図26の如く、対処項目毎の件数及び割合を表示し、また異常発生原因の件数及び割合を表示する。ここでOKボタンが入力部23を通じて入力された場合、CPU21は図18に示した異常情報表示画面に戻る。ここで、過去の対処項目統計に基づき、適切な対処項目を選択することができる。なお、本実施形態においては、統計として件数及び割合の双方を表示する例を挙げたが、一例でありこれに限るものではない。件数または割合のいずれか一方でも良く、また統計であればグラフ等により表示しても良い。さらに、本実施形態では対処項目の統計と、異常発生原因の統計との双方を表示する例を挙げたが、いずれか一方を表示しても良い。
【0073】
表示部24には、交換部品ID、操作データ、並びに、第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータを表示しても良い。サーバコンピュータ1のCPU11は対処情報DB152を参照し、異常IDに対応する対処ID、交換部品ID、操作データ並びに第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータを読み出す。CPU11は対処ID、交換部品ID、操作データ並びに第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータをコンピュータ2へ送信する。コンピュータ2のCPU21は表示部24に受信した対処ID、交換部品ID、操作データ並びに第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータを表示する。
【0074】
図27及び図28は統計の表示処理を示すフローチャートである。CPU11はコンピュータ2から送信された異常ID、対処項目及び異常発生原因を受信する(ステップS271)。CPU11は対処情報DB152を参照し、異常IDに係る対処項目及び異常発生原因を計数し、計数した件数を統計DB153に記憶する(ステップS272)。なお計数処理は定期的(例えば1時間毎)に行うほか、コンピュータ2から異常ID、対処項目及び異常発生原因が送信される度に行っても良い。CPU11は計数した件数に基づき、対処項目及び異常発生原因の割合を算出し、算出した割合を統計DB153に記憶する(ステップS273)。
【0075】
コンピュータ2のCPU21は入力部23から、対処情報表示ボタン241の入力を受け付ける。CPU21は対処情報表示ボタン241の入力を受け付けた場合、コンピュータID、異常ID及び対処情報の取得要求をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS274)。
【0076】
サーバコンピュータ1のCPU11は、コンピュータID、異常ID、対処情報、交換部品ID、操作データ、並びに、第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータの取得要求を受信する。CPU11は受信した異常IDに対応する対処ID、対処情報、交換部品ID、操作データ、並びに、第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータを対処情報DB152から読み出す(ステップS275)。CPU11は装置DB151から受信したコンピュータIDに対応するアドレスを読み出す(ステップS276)。CPU11は読み出した対処ID、対処情報、交換部品ID、操作データ、並びに、第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータを、読み出したアドレス宛のコンピュータ2へ送信する(ステップS277)。
【0077】
CPU11は異常IDに対応する対処項目の件数及び割合と、異常発生原因の件数と割合とを、統計DB153から読み出し、コンピュータ2へ送信する(ステップS278)。コンピュータ2のCPU21は対処ID、対処情報、交換部品ID、操作データ、並びに、第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータを受信する(ステップS279)。
【0078】
CPU21は受信した対処ID、対処情報、交換部品ID、操作データ、並びに、第1センサ291〜第3センサ293の設定データ及び異常時のデータを、異常ID、異常情報及び発生日時と共に表示部24に表示する(ステップS281)。CPU21は異常IDに対応する対処項目の件数及び割合と、異常発生原因の件数と割合とを受信する(ステップS282)。CPU21は異常IDに対応する対処項目の件数及び割合と、異常発生原因の件数と割合とを表示部24に表示する(ステップS283)。これにより、各コンピュータ2で入力された統計を参照することができ、複数の対処項目の中から相応しい対処項目を選択することができる。また、異常発生原因の統計を参照することで、適切な対応を採ることが可能となる。
【0079】
本実施の形態4は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至3と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0080】
実施の形態5
実施の形態5は対処情報を保存期間の情報を用いて管理する形態に関する。図29は対処情報の入力画面を示す説明図である。ユーザは入力部23を通じて対処情報の保存期間を入力することができる。なお、保存期間に替えて消去日時を入力しても良いことはもちろんである。本実施形態においては保存期間を入力する例を挙げて説明する。CPU21は記憶部25から、保存期間を入力するための情報を表示する。図29に示すように、保存期間は、異常IDに対応する対処情報を永久に保存する「永久」、所定の日時まで保存する「 年 月 日まで」、及び、所定月経過するまで保存する「 ヶ月」が一例として挙げられる。ユーザは対処情報が重要であり長期間に亘り保存する必要があると考えた場合、「永久」を入力部23から選択する。ユーザは所定期間後に消去しても良いと考える場合は、保存を希望する日時、または、保存する月数を入力部23から入力する。
【0081】
CPU21は入力部23から入力された保存期間を対処情報ファイル252に、記憶する。図30は実施の形態5に係る対処情報ファイル252のレコードレイアウトを示す説明図である。新たに保存期間フィールドが設けられている。CPU21は入力部23を通じて入力された保存期間を、発生日時及び異常IDに対応付けて記憶する。図の例では、2010年9月16日12時55分20秒に発生した異常ID「1001」の対処情報については永久に保存される。
【0082】
コンピュータ2のCPU21は通信部26を介してサーバコンピュータ1へ、発生日時及び異常IDに対応する保存期間を送信する。図31は対処情報DB152のレコードレイアウトを示す説明図である。新たに保存期間フィールドが設けられている。サーバコンピュータ1のCPU11は発生日時及び異常IDに対応付けて送信された保存期間を、対処情報DB152に記憶する。CPU11は時計部28から出力される日時情報を参照し、保存期間フィールドに記憶された保存期間を経過したレコードを消去する。なお、オペレータが入力部13または他の図示しないコンピュータから重要性の低い対処情報を適宜消去しても良い。
【0083】
図32は消去処理の手順を示すフローチャートである。CPU21は図29に示す如く対処情報入力画面を表示部24に表示する(ステップS321)。CPU21は対処情報及び保存期間を、入力部23を介して受け付ける(ステップS322)。CPU21は発生日時、異常ID、対処情報及び保存期間を対処情報ファイル252に記憶する(ステップS323)。CPU21は発生日時、異常ID、対処情報、保存期間及びコンピュータIDをサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS324)。サーバコンピュータ1のCPU11は発生日時、異常ID、対処情報、保存期間及びコンピュータIDを受信する(ステップS325)。
【0084】
CPU11は発生日時、異常ID、対処情報、保存期間及びコンピュータIDを対処情報DB152に記憶する(ステップS326)。CPU11は時計部18から日時情報を取得する(ステップS327)。CPU11は対処情報DB152の保存期間フィールド及び日時情報を参照し、保存期間を経過した対処情報が存在するか否かを判断する(ステップS328)。CPU11は存在しないと判断した場合(ステップS328でNO)、ステップS327へ移行し、処理を繰り返す。なお、保存期間として「永久」が記憶されている対処情報については処理を行わなくて良い。
【0085】
CPU11は保存期間を経過した対処情報が記憶されていると判断した場合(ステップS328でYES)、保存期間を経過した対処情報を消去する(ステップS329)。具体的には対処情報DB152の保存期間を経過した発生日時及び異常IDに対応する対処情報を含むレコードを消去する。これにより、より重要度の高い対処情報及びこれに付随するデータのみが他のコンピュータ2に提供され、対処効率を向上させることが可能となる。なお実施の形態2の如くコンピュータ2間で情報を送受信する場合、CPU21が対処情報ファイルの保存期間フィールド及び時計部28から出力される日時情報を参照し、保存期間を経過した対処情報に係るレコードを消去すればよい。
【0086】
本実施の形態5は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至4と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0087】
実施の形態6
実施の形態6は対処項目の統計に基づき処理を実行する形態に関する。図33は実施の形態6に係る異常ファイル251のレコードレイアウトを示す説明図である。新たに実行命令フィールドが用意されている。実行命令フィールドには異常ID及び対処項目毎に、成膜装置20に対する実行命令が記憶されている。例えば対処項目「リトライ」についてはステージ制御部290に対し、再度ステージを上昇動作させる実行命令が記憶されている。CPU21は実行命令を成膜装置20へ、通信ポート294を介して出力する。成膜装置20は実行命令に従いステージ制御部290を上昇させるべく制御する。
【0088】
また対処項目「処理継続」については、例えば異常IDによる異常情報を無視し、処理を継続する命令である。CPU21は成膜装置20へ処理継続命令を、通信ポート294を介して出力する。成膜装置20は、ステージの第1センサ291が反応しているか否かにかかわらず、次の処理を継続して行う。また対処項目「再起動」については、コンピュータ2及び成膜装置20の電源をオフ状態とし、再度オン状態とする命令である。CPU21は成膜装置20に対する電源供給を停止し、その後コンピュータ2の再起動処理を実行する。CPU21は再起動後、成膜装置20への電源供給を開始する。
【0089】
CPU21は実施の形態4で述べた統計に基づき、最も高い件数または割合を有する対処項目を選択し、対処項目に係る実行命令を異常ファイル251から読み出す。CPU21は読み出した実行命令に基づき、成膜装置20に対する処理を行う。例えば、対処項目「リトライ」の割合が95%以上の場合、異常発生時に「リトライ」に係る実行命令に基づき、処理を実行する。
【0090】
図34は実行処理の手順を示すフローチャートである。CPU21はステップS274で述べたように、コンピュータID、異常ID及び対処情報の取得要求をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS341)。ステップS282で述べたように、CPU21はサーバコンピュータ1から各対処項目の件数及び割合を受信する(ステップS342)。CPU21は記憶部25から予め記憶した件数の閾値及び割合の閾値を読み出す(ステップS343)。件数の閾値は、全ての対処項目の件数の合計値に関する値であり、例えば「30」が記憶されている。割合の閾値は、一の対処項目の件数が、全ての対処項目の件数に占める割合に関する値であり、例えば90%が記憶されている。
【0091】
CPU21はステップS342で受信した対処項目の件数の合計値を算出する。CPU21は合計件数がステップS343で読み出した件数の閾値を越えるか否かを判断する(ステップS344)。なお本実施形態においては件数の合計値と、件数の閾値とを比較する例を挙げたがこれに限るものではない。例えば、最大の件数をもつ対処項目の件数と、件数の閾値とを比較してもよい。CPU21は合計件数が件数の閾値を越えると判断した場合(ステップS344でYES)、最も割合の高い対処項目に係る割合を選択する(ステップS345)。
【0092】
CPU21は選択した対処項目の割合が、ステップS343で読み出した割合の閾値を越えるか否かを判断する(ステップS346)。CPU21は選択した対処項目の割合が、ステップS343で読み出した割合の閾値を越えると判断した場合(ステップS346でYES)、ステップS348へ移行する。なお、上述した閾値は入力部23から適宜の値を入力することにより、変更することが可能である。
【0093】
ステップS344において、CPU21は閾値を越えないと判断した場合(ステップS344でNO)、ステップS346において割合の閾値を越えないと判断した場合(ステップS346でNO)、処理をステップS347へ移行させる。CPU21はステップS283と同じく、対処項目の件数及び割合を表示部24に表示する(ステップS347)。ステップS346でYESの場合、CPU21は異常ID及び対処項目に対応する実行命令を、異常ファイル251から読み出す(ステップS348)。CPU21は読み出した実行命令に従い、コンピュータ2または成膜装置20に対する処理を実行する(ステップS349)。これにより、信頼性の高い対処項目である場合、異常が発生した場合でも、対応する処理を実行することにより早期に正常状態へ復帰することが可能となる。
【0094】
本実施の形態6は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至5と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0095】
実施の形態7
実施の形態7は関連する成膜装置20を有するコンピュータ2へ対処情報を提供する形態に関する。図35は実施の形態7に係る装置DB151のレコードレイアウトを示す説明図である。さらに分類フィールド、設置年月日フィールド及び稼働時間フィールドが設けられている。分類フィールドは成膜装置20の分類を特定するための情報が記憶されており、例えば型番、機種名等が記憶される。本実施形態においては説明を容易にするために分類「A」、「B」等が記憶されているものとして説明する。
【0096】
設置年月日フィールドには、成膜装置20の設置年月日がコンピュータID及び成膜装置IDと共に記憶されている。稼働時間フィールドには、コンピュータID及び成膜装置IDに対応付けて、成膜装置20の稼働時間の合計値が記憶されている。なお、コンピュータ2は定期的に、サーバコンピュータ1に対し成膜装置20の稼働時間を送信するものとして説明する。サーバコンピュータ1のCPU11はコンピュータ2から送信された稼働時間に基づき、設置してからの成膜装置20の稼働時間の合計値を稼働時間フィールドに記憶する。CPU11は分類と、設置年月日または稼働時間の合計値とに基づき同様の異常が発生する可能性のあるコンピュータ2を抽出する。CPU11は一のコンピュータ2と分類が同一であり、かつ、設置年月日が記憶部15に記憶した所定期間(例えば1ヶ月)しか相違しない他のコンピュータ2を抽出する。
【0097】
その他、CPU11は一のコンピュータ2と分類が同一であり、かつ、稼働時間の合計値が所定時間(例えば24時間)しか相違しない他のコンピュータ2を抽出する。本実施形態では一例として後者の稼働時間の合計値を用いる例を挙げて説明する。一のコンピュータ2から異常ID及び対処情報が送信された場合、抽出した他のコンピュータ2へ異常ID及び対処情報を送信する。
【0098】
図36は警告画面のイメージを示す説明図である。サーバコンピュータ1のCPU11は異常ID及び異常IDに対応する対処情報を対処情報DB152から読み出す。CPU11は読み出した対処情報及び異常IDをHTML(HyperText Markup Language)文書として記述する。CPU11はさらに異常IDに対応する詳細な情報を閲覧するためのアクセス情報をHTML文書に記述する。例えば、異常IDが一部に含まれたURL(Uniform Resource Locator)を記述する。CPU11は抽出したコンピュータ2のアドレスを参照し、以上のとおり記述した警告情報をコンピュータ2へ送信する。コンピュータ2の表示部24には図36に示す警告情報が表示される。
【0099】
ユーザは入力部23を操作し、URLをクリックした場合、異常ID及び詳細情報の表示要求がサーバコンピュータ1へ送信される。サーバコンピュータ1のCPU11は異常ID及び詳細情報の表示要求を受け付ける。CPU11は対処情報DB152を参照し、異常IDに対応する対処項目、センサデータ、操作データ、異常発生原因、または、交換部品の情報をコンピュータ2へ送信する。
【0100】
図37は抽出処理の手順を示すフローチャートである。コンピュータ2のCPU21はコンピュータID及び成膜装置20の稼働時間を送信する(ステップS371)。稼働時間は例えば成膜装置20の電源オフ時に、電源オン状態からオフ状態までの時間を求めるようにすればよい。なお、成膜装置20で設置時からの稼働時間の合計値を算出する機能を有する場合、当該合計値を利用すればよい。サーバコンピュータ1のCPU11はコンピュータID及び稼働時間を受信する(ステップS372)。CPU11は装置DB151の稼働時間フィールドを参照し、稼働時間の合計値を算出する(ステップS373)。具体的には、CPU11は受信した稼働時間と、稼働時間フィールドに記憶した稼働時間とを加算する。
【0101】
CPU11はコンピュータIDに対応付けて稼働時間の合計値を記憶する(ステップS374)。CPU11は装置DB151を参照し、同一分類のコンピュータIDを抽出する(ステップS375)。CPU11は抽出したコンピュータIDの各稼働時間の合計値を装置DB151から読み出す。CPU11は稼働時間の閾値を記憶部15から読み出す(ステップS376)。CPU11は2つのコンピュータIDの稼働時間の合計値の差が閾値以内のコンピュータIDを抽出する(ステップS377)。CPU11は抽出したコンピュータIDに対応するアドレスを抽出する(ステップS378)。これにより、分類が同じで、稼働時間が近似するコンピュータIDを抽出することが可能となる。
【0102】
図38は警告情報の表示処理手順を示すフローチャートである。上述したようにサーバコンピュータ1のCPU11は一のコンピュータ2から異常ID及び対処情報を受信する(ステップS381)。CPU11は、図37で示した処理により、一のコンピュータ2に関連する他のコンピュータ2のアドレスを抽出する(ステップS382)。CPU11はサーバコンピュータ1へアクセスするための異常IDを含むURLを生成する(ステップS383)。CPU11はステップS382で抽出したアドレスを参照し、異常ID、対処情報及びURLを警告情報として他のコンピュータ2へ送信する(ステップS384)。
【0103】
他のコンピュータ2のCPU21は異常ID、対処情報及びURLを受信する(ステップS385)。CPU21は異常ID、対処情報及びURLを警告情報として表示部24に表示する(ステップS386)。CPU21は、ユーザのURLの操作をトリガに、コンピュータID、異常ID及び詳細情報の表示要求をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS387)。サーバコンピュータ1のCPU11はコンピュータID、異常ID及び詳細情報の表示要求を受信する(ステップS388)。
【0104】
CPU11は異常IDに対応する対処項目、センサデータ、操作データ、異常発生原因、及び、交換部品の情報を他のコンピュータ2へ送信する(ステップS389)。なお、対処項目及び異常発生原因の統計を併せて送信するようにしても良い。他のコンピュータ2のCPU21は表示部24に、異常IDに対応する対処項目、センサデータ、操作データ、異常発生原因、及び、交換部品の情報を表示する。これにより、異常が発生していなくとも、関連性の強い成膜装置20にて発生した異常を早期に知ることが可能となる。
【0105】
実施の形態8
実施の形態8は複数のサーバコンピュータ1の情報を共有する形態に関する。図39は実施の形態8に係る処理システムの概要を示す模式図である。上述した実施形態で述べたサーバコンピュータ1、コンピュータ2及び成膜装置20と同様の構成のサーバコンピュータ3、コンピュータ4及び成膜装置20を設けても良い。サーバコンピュータ3も複数のコンピュータ4A、4B、4Cを備え、成膜装置40A、40B、40C(以下場合により40で代表する)には各コンピュータ4A、4B、4Cがそれぞれ組み込まれている。サーバコンピュータ1とサーバコンピュータ3とはインターネット等の通信網Nを介して総合サーバコンピュータ10に接続されている。本実施形態では説明を容易にするために、サーバコンピュータ1とサーバコンピュータ3との2つを用いる例を挙げて説明するが、さらに多くのサーバコンピュータ1、コンピュータ2及び成膜装置20の組み合わせを設けても良い。
【0106】
サーバコンピュータ1で述べた対処情報DB152の記憶内容は総合サーバコンピュータ10の図示しない記憶部に記憶される。同様にサーバコンピュータ3の図示しない対処情報DBも総合サーバコンピュータ10の記憶部に記憶される。コンピュータ2またはコンピュータ4から異常IDに対応する対処情報の表示要求が送信された場合、サーバコンピュータ1またはサーバコンピュータ3は総合サーバコンピュータ10へ異常ID及び対処情報の表示要求を送信する。総合サーバコンピュータ10は各サーバコンピュータ1、3・・・から受信した対処情報から異常IDに対応する対処情報を読み出す。総合サーバコンピュータ10は対処情報をサーバコンピュータ1またはサーバコンピュータ3へ送信する。サーバコンピュータ1またはサーバコンピュータ3は対処情報をコンピュータ2またはコンピュータ4へ送信する。このように、総合サーバコンピュータ10にて対処情報DBを共有することにより、さらなる情報の共有を達成することが可能となる。
【0107】
本実施の形態8は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至7と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0108】
実施の形態9
図40は実施の形態9に係るコンピュータ2のハードウェア群を示すブロック図である。実施の形態1乃至8に係るコンピュータ2を動作させるためのプログラムは、本実施の形態9のように、読み取り部(図示せず)にUSBメモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体1Aを読み取らせて記憶部25に記憶しても良い。また、当該プログラムは、インターネット等の通信網Nを介して接続される他のサーバコンピュータ(図示せず)からダウンロードすることも可能である。以下に、その内容を説明する。
【0109】
図40に示すコンピュータ2は、上述した各種ソフトウェア処理を実行するプログラムを、可搬型記録媒体1Aによりまたは通信網Nを介して他のサーバコンピュータ(図示せず)からダウンロードする。当該プログラムは、制御プログラム25Pとしてインストールされ、RAM22にロードして実行される。これにより、上述したコンピュータ2として機能する。
【0110】
本実施の形態9は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至8と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0111】
実施の形態10
実施の形態10は交換部品に関する統計を表示する形態に関する。図41は実施の形態10に係る統計DB153のレコードレイアウトを示す説明図である。サーバコンピュータ1のCPU11はコンピュータ2から異常ID、異常発生原因及び交換部品IDが送信された場合、異常ID及び異常発生原因に対応づけて、交換部品IDを対処情報DB152に記憶する。CPU11は対処情報DB152を参照し、異常ID、異常発生原因及び交換部品IDに対応する交換部品IDの数を計数する。CPU11は計数した数を、異常ID、異常発生原因及び交換部品IDに対応づけて統計DB153に記憶する。またCPU11は異常ID、異常発生原因及び交換部品IDの件数を、異常発生原因に対応する全ての交換部品IDの全件数で除し、100を乗じることで割合を算出する。CPU11は算出した割合を件数に対応づけて記憶する。なお、紙面の都合上対処項目等のレコードの記載は省略している。
【0112】
図42及び図43は統計の表示処理手順を示すフローチャートである。CPU11はコンピュータ2から送信された異常ID、対処項目、異常発生原因及び交換部品IDを受信する(ステップS421)。なお、操作データ及びセンサデータ等の記載は省略している。CPU11は受信した異常ID、対処項目、異常発生原因及び交換部品IDを対処情報DB152に記憶する(ステップS422)。CPU11は対処情報DB152を参照し、異常IDに対応する対処項目及び異常発生原因を計数し、件数を統計DB153に記憶する(ステップS423)。具体的にはCPU11は異常IDに対応する対処項目を抽出し、対処項目の数を計数する。CPU11は計数した数を異常ID及び対処項目に対応づけて、統計DB153に記憶する。なお、CPU11は異常IDに対応する対処項目を受信した場合に、統計DB153の異常ID及び対処項目に対応する件数をインクリメントしても良い。
【0113】
また、CPU11は、対処情報DB152を参照し、異常IDに対応する異常発生原因を抽出し、異常発生原因の数を計数する。CPU11は計数した数を異常ID及び異常発生原因に対応づけて、統計DB153に記憶する。なお、CPU11は異常IDに対応する異常発生原因を受信した場合に、統計DB153の異常ID及び異常発生原因に対応する件数をインクリメントしても良い。CPU11は統計DB153を参照し、対処項目の割合及び異常発生原因の割合を算出し、統計DB153に記憶する(ステップS424)。具体的にはCPU11は異常IDに対応する対処項目の件数を、異常IDに対応する全対処項目の件数で除し、100を乗じることで割合を算出する。CPU11は算出した割合を異常IDに対応する対処項目に対応づけて、統計DB153に記憶する。同様に、CPU11は異常IDに対応する異常発生原因の件数を、異常IDに対応する全異常発生原因の件数で除し、100を乗じることで割合を算出する。CPU11は算出した割合を異常IDに対応する異常発生原因に対応づけて、統計DB153に記憶する。
【0114】
CPU11は対処情報DB152を参照し、異常ID及び異常発生原因に対応する交換部品IDの数を計数し、件数を統計DB153に記憶する(ステップS425)。具体的にはCPU11は異常ID及び異常発生原因をアンド条件で満たす交換部品IDを抽出し、抽出した数を計数する。CPU11は計数した数を異常ID及び異常発生原因に対応づけて、統計DB153に記憶する。なお、CPU11は異常ID及び異常発生原因に対応する交換部品IDを受信した場合に、統計DB153の異常ID及び異常発生原因に対応する件数をインクリメントしても良い。CPU11は統計DB153を参照し、交換部品IDの割合を算出し、統計DB153に記憶する(ステップS426)。具体的にはCPU11は異常ID及び異常発生原因をアンド条件で満たす一の交換部品IDの数を、同条件を満たす全ての交換部品ID数で除し、100を乗じることで割合を算出する。CPU11は異常ID、異常発生原因及び交換部品IDに対応づけて算出した割合を統計DB153に記憶する。以上の処理を繰り返すことにより、異常ID及び異常発生原因に対応する交換部品IDの件数及び割合が蓄積されることとなる。
【0115】
コンピュータ2のCPU21は入力部23から、対処情報表示ボタン241の入力を受け付ける。CPU21は対処情報表示ボタン241の入力を受け付けた場合、コンピュータID、異常ID及び対処情報の取得要求をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS427)。
【0116】
サーバコンピュータ1のCPU11は、コンピュータID、異常ID及び対処情報の取得要求を受信する。CPU11は、受信した異常IDに対応する対処情報を対処情報DB152から読み出す(ステップS428)。CPU11は異常IDに対応する対処項目のうち、割合の高い順に複数の対処項目を、統計DB153から読み出す(ステップS429)。なお、読み出す数は、例えば割合の高いものから順に3つとすれば良い。その他、割合が一定値以上(例えば20%以上)のものだけを読み出しても良い。また本実施形態では割合を抽出して表示する例を挙げて説明するが、これに限るものではない。割合に代えて件数を読み出しても良い。この場合、件数の多い順に3つ程度、読み出せば良い。また割合と件数との双方を読み出しても良い。
【0117】
CPU11は、受信した異常IDに対応する異常発生原因のうち、割合の高い順に複数の異常発生原因を統計DB153から読み出す(ステップS431)。CPU11は異常ID及び読み出した異常発生原因に対する交換部品IDのうち、割合の高い順に複数の交換部品IDを、統計DB153から読み出す(ステップS432)。CPU11はステップS431にて読み出した全ての異常発生原因に対する交換部品IDの読み出しが終了したか否かを判断する(ステップS433)。CPU11は終了していないと判断した場合(ステップS433でNO)、処理をステップS432へ戻す。これにより、複数の異常発生原因に対する交換部品IDが読み出されていく。CPU11は全ての異常発生原因について処理が終了したと判断した場合(ステップS433でYES)、処理をステップS434へ移行させる。
【0118】
CPU11は装置DB151から受信したコンピュータIDに対応するアドレスを読み出す(ステップS434)。CPU11は異常IDに対応する対処情報、複数の対処項目と割合、複数の異常発生原因と割合、及び、複数の交換部品IDと対応する部品名と割合とを、読み出したアドレス宛のコンピュータ2へ送信する(ステップS435)。なおCPU11は交換部品IDに対応する部品名を予め記憶した記憶部15を参照し、交換部品IDに対応する部品名を抽出する。
【0119】
パーソナルコンピュータ2のCPU21は対処情報、複数の対処項目と割合、複数の異常発生原因と割合、及び、複数の交換部品IDと部品名と割合とを、通信部26を介して受信する(ステップS436)。CPU21は対処情報、複数の対処項目と割合、複数の異常発生原因と割合、及び、複数の交換部品IDと部品名と割合とを、表示部24に表示する(ステップS437)。
【0120】
図44は対処情報の表示イメージを示す説明図である。CPU21は対処情報に加えて、対処項目、異常発生原因及び交換部品IDを表示する。CPU21は複数の対処項目を割合の高い順に表示する。なお、本実施形態では、サーバコンピュータ1のCPU11が割合の高い順に対処項目を読み出す例を挙げたがこれに限るものではない。パーソナルコンピュータ2のCPU21が受信した複数の対処項目及び割合について、割合に基づきソートすることで、割合の高い対処項目から順に表示部24に表示しても良い。
【0121】
CPU21は同様に異常発生原因を割合の高い順に表示部24に表示する。図44の例では、割合が65%と最も高い「メカパーツ不良」が最初に表示され、次いで割合が30%と高い「エレキパーツ不良」が次に下側または右側に表示される。なお、紙面の都合上これよりも低い割合の異常発生原因については記載を省略している。CPU21は各異常発生原因について割合の高い順に部品名及び交換部品IDと、割合とを表示する。図44の例では、「メカパーツ不良」に対し、割合が80%と最も高い部品Aが最初に表示され、次いで10%と割合が高い部品Bが、例えば下側または右側に表示される。次いで5%と割合が高い部品Cが表示される。このように対処項目及び異常発生原因について割合の高い順に割合と共に表示するようにしたので、ユーザは適切な対応をとることができる。また異常発生原因毎に交換すべき部品名を割合と共に表示したので、入手に時間を要する部品を早期に、また適切に発注することが可能となる。
【0122】
本実施の形態10は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至9と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0123】
1 サーバコンピュータ
1A 可搬型記録媒体
2、2A、2B、2C コンピュータ
3 サーバコンピュータ
4、4A、4B、4C コンピュータ
10 総合サーバコンピュータ
11 CPU
12 RAM
13 入力部
14 表示部
15 記憶部
15P 制御プログラム
16 通信部
18 時計部
20、20A、20B、20C 成膜装置
40、40A、40B、40C 成膜装置
21 CPU
22 RAM
23 入力部
24 表示部
25 記憶部
25P 制御プログラム
26 通信部
28 時計部
29 成膜処理部
151 装置DB
152 対処情報DB
153 統計DB
251 異常ファイル
252 対処情報ファイル
253 異常履歴ファイル
290 ステージ制御部
291 第1センサ
292 第2センサ
293 第3センサ
294 通信ポート
N 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置に関する情報を処理する情報処理装置において、
半導体処理装置に異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を表示する表示部と、
発生した異常に対処した際の対処情報を受け付ける受け付け部と、
受け付けた対処情報を発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて記憶する記憶部と、
記憶した異常特定情報及び対処情報を、通信部を介して外部へ出力する出力部と、
異常が発生した場合に、候補となる複数の対処項目を表示する項目表示部と、
表示された複数の処理項目から選択された対処項目を異常特定情報に対応付けて記憶する項目記憶部と、
該項目記憶部により記憶した異常特定情報及び対処項目を、前記通信部を介して外部へ送信する項目送信部と
外部から送信された異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を受信する項目受信部と、
異常が発生した場合、受信した前記異常に係る異常特定情報に対する対処項目に関する統計を表示する項目統計表示部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
異常が発生した場合に、該異常に係る異常特定情報に対応する対処情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した対処情報を表示する対処情報表示部と
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
異常が発生した場合に、該異常に係る異常特定情報を、前記通信部を介して外部へ送信する送信部と、
外部から送信された異常特定情報に対応する対処情報を受信する受信部と
を含む請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
異常発生原因の候補を複数表示する原因表示部と、
表示された複数の異常発生原因から選択された異常発生原因を異常特定情報に対応付けて記憶する原因記憶部と、
該原因記憶部に記憶した異常特定情報及び異常発生原因を、前記通信部を介して外部へ送信する原因送信部と
を備える請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
異常特定情報に対応する異常発生原因に関する統計を受信する原因受信部と、
異常が発生した場合に、受信した前記異常に係る異常特定情報に対応する異常発生原因に関する統計を表示する統計表示部と
を備える請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記統計は異常特定情報に対応する複数の異常発生原因の数または割合であり、
前記統計表示部は、
異常が発生した場合に、受信した前記異常に係る異常特定情報に対応する複数の異常発生原因と、各異常発生原因の数または割合を高い順に表示する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受け付け部は、
発生した異常に対処した際の対処情報及び該対処情報の保存期間情報を受け付け、
前記出力部は、
記憶した異常特定情報、対処情報及び保存期間情報を前記他のコンピュータへ出力する
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
半導体処理装置に関する情報を処理する複数の情報処理装置及びサーバコンピュータが通信網を介して接続された処理システムにおいて、
一の情報処理装置は、
半導体処理装置に異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を表示する表示部と、
発生した異常に対処した際の対処情報を受け付ける受け付け部と、
受け付けた対処情報を発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて記憶する記憶部と、
記憶した異常特定情報及び対処情報を、前記サーバコンピュータへ出力する出力部と、
異常が発生した場合に、候補となる複数の対処項目を表示する項目表示部と、
表示された複数の処理項目から選択された対処項目を異常特定情報に対応付けて記憶する項目記憶部と、
該項目記憶部により記憶した異常特定情報及び対処項目を、前記通信部を介して前記サーバコンピュータへ送信する項目送信部とを備え、
前記サーバコンピュータは、
前記一の情報処理装置から送信された異常特定情報及び対処情報を記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部により記憶した異常特定情報に対応する対処情報を読み出す読み出し部と、
読み出した異常特定情報に対応する対処情報を前記他の情報処理装置へ送信する送信部と、
前記一の情報処理装置から送信された異常特定情報及び対処項目を記憶する対処項目記憶部と、
該対処項目記憶部により記憶した複数の異常特定情報に対応する対処項目に基づき、異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を生成する統計生成部と、
該統計生成部により生成した異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を前記他のコンピュータへ送信する統計送信部とを備え、
前記他の情報処理装置は、
前記サーバコンピュータから送信された異常特定情報に対応する対処情報を受信する受信部と、
該受信部が受信した対処情報を表示する対処情報表示部と、
前記サーバコンピュータから送信された異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を受信する項目受信部と、
異常が発生した場合、受信した前記異常に係る異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を表示する項目統計表示部とを備える
処理システム。
【請求項9】
前記受け付け部は、
発生した異常に対処した際の対処情報及び該対処情報の保存期間情報を受け付け、
前記出力部は、
記憶した異常特定情報、対処情報及び保存期間情報を前記サーバコンピュータへ出力し、
前記サーバコンピュータは、
前記一の情報処理装置から出力された異常特定情報、対処情報及び保存期間情報を記憶する期間記憶部と、
保存期間情報に基づき、保存期間を経過した異常特定情報の対処情報を消去する消去部と
を備える請求項8に記載の処理システム。
【請求項10】
半導体処理装置に関する情報を、制御部を有する情報処理装置により処理する処理方法において、
半導体処理装置に異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を表示する表示ステップと、
発生した異常に対処した際の対処情報を前記制御部により受け付ける受け付けステップと、
受け付けた対処情報を発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて、前記制御部により記憶する記憶ステップと、
記憶した異常特定情報及び対処情報を、通信部を介して外部へ出力する出力ステップと、
異常が発生した場合に、候補となる複数の対処項目を前記制御部により表示する項目表示ステップと、
表示された複数の処理項目から選択された対処項目を異常特定情報に対応付けて記憶する項目記憶ステップと、
該項目記憶ステップにより記憶した異常特定情報及び対処項目を、前記通信部を介して外部へ送信する項目送信ステップと
外部から送信された異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を受信する項目受信ステップと、
異常が発生した場合、受信した前記異常に係る異常特定情報に対する対処項目に関する統計を前記制御部により表示する項目統計表示ステップと
を含む処理方法。
【請求項11】
半導体処理装置に関する情報を、制御部及び表示部を有するコンピュータに処理させるプログラムにおいて、
コンピュータに、
半導体処理装置に異常が発生した場合に、発生した異常に関する異常情報を前記制御部により表示する表示ステップと、
発生した異常に対処した際の対処情報を前記制御部により受け付ける受け付けステップと、
受け付けた対処情報を発生した異常を特定するための異常特定情報に対応付けて、前記制御部により記憶する記憶ステップと、
記憶した異常特定情報及び対処情報を、通信部を介して外部へ出力する出力ステップと、
異常が発生した場合に、候補となる複数の対処項目を前記制御部により表示する項目表示ステップと、
表示された複数の処理項目から選択された対処項目を異常特定情報に対応付けて記憶する項目記憶ステップと、
該項目記憶ステップにより記憶した異常特定情報及び対処項目を、前記通信部を介して外部へ送信する項目送信ステップと、
外部から送信された異常特定情報に対応する対処項目に関する統計を受信する項目受信ステップと、
異常が発生した場合、受信した前記異常に係る異常特定情報に対する対処項目に関する統計を前記制御部により表示する項目統計表示ステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2012−208659(P2012−208659A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72935(P2011−72935)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】