情報処理装置、印刷装置及び監視方法
【課題】 起動時に発生する障害を検知する際に、装置の状態を監視する監視制御部を備えていては、コストが高くなってしまう。
【解決手段】 上述の課題を解決するために、装置全体の制御を行うための制御部と、装置に関する情報をネットワークを介して送受信する通常モードとして動作する通信制御部とを備える情報処理装置であって、情報処理装置の起動に際して、前記通信制御部の動作モードが監視モードに移行して、監視モードに移行した前記通信制御部が、前記制御部による当該起動に際して行うべき複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の、所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視し、異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記通信制御部が、ネットワークに対して異常の発生を出力することを特徴とする。
【解決手段】 上述の課題を解決するために、装置全体の制御を行うための制御部と、装置に関する情報をネットワークを介して送受信する通常モードとして動作する通信制御部とを備える情報処理装置であって、情報処理装置の起動に際して、前記通信制御部の動作モードが監視モードに移行して、監視モードに移行した前記通信制御部が、前記制御部による当該起動に際して行うべき複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の、所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視し、異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記通信制御部が、ネットワークに対して異常の発生を出力することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置が正常に起動するまでに生じたエラーなどの情報を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)などの情報処理装置の起動時に、通常通りの起動が完了するまでの間に障害が発生する場合がある。こういった場合、情報処理装置のユーザはなぜ起動しないのか認識することができない場合が多い。また、情報処理装置の起動時に障害が発生した場合には、電源を投入したにも関わらず、操作ができなかったり、表示が正常に行われなかったりと、情報処理装置の利用者にとっては適切な対応が困難な状況に陥ることが多い。
そこで特許文献1では、正常に起動するまでの装置の状態を監視するための専用の監視制御部を備えることで、情報処理装置の起動時に発生する障害を監視し、その内容を外部ネットワークを介して管理者に通知できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−039519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように装置の状態を監視するための専用の監視制御部を備えていては、情報処理装置を運用するためのコストが高くなってしまう。また、起動が完了した後では、当該監視制御部の機能やリソースなどは無駄になってしまう。
そこで、本発明では専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知できる手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、たとえば本発明における情報処理装置は、装置全体の制御を行うための制御部と、装置に関する情報をネットワークを介して送受信する通常モードとして動作する通信制御部とを備え、情報処理装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込み、情報処理装置の起動に際して、前記通信制御部の動作モードが監視モードに移行し、監視モードに移行した前記通信制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視し、異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記通信制御部が、ネットワークに対して異常の発生を出力し、異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記通信制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
通信制御部に監視モードと通常モードという2つの動作モードを備えることにより、専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明における情報処理装置のハードウェア構成を示す図
【図2】本発明における通信システムのハードウェア構成を示す図
【図3】本発明における拠点監視端末のハードウェア構成を示す図
【図4】実施例1における全体制御部の動作を示すフローチャート
【図5】本発明における停止ステップと故障部品IDの関係を示すリスト
【図6】実施例1における通信制御部の動作を示すフローチャート
【図7】実施例1における管理端末の動作を示すフローチャート
【図8】実施例2におけるソフトウェア構成を示す図
【図9】実施例2における全体制御部の動作を示すフローチャート
【図10】実施例2における停止ステップと故障部品IDの関係を示すリスト
【図11】実施例2における通信制御部の動作を示すフローチャート
【図12】本発明における印刷装置のハードウェア構成を示す図
【図13】実施例3における印刷制御部の動作を示すフローチャート
【図14】実施例3における障害情報の印刷例
【図15】実施例4における通信制御部の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施例]
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0009】
<情報処理装置の全体構成>
図1は、本発明における情報処理装置10の構成例を示す図である。ここで、情報処理装置の具体例としては後述する情報処理端末としての、ネットワークに接続可能な汎用PCや印刷装置や複写機といった画像形成装置が挙げられる。図1では、画像形成装置が備えるような印刷制御部、プリンタ部、スキャナ部などといった構成を省略して、説明している。
【0010】
図1の情報処理装置10は、CPU(Cental Processing Unit)やメモリなどから構成される全体制御部100と、Ethernet(登録商標)などの手段により外部ネットワークとの間で情報の送受信を行う通信制御部200を備える。また、情報処理装置内の各部へ電源を供給する電源部11と、ユーザによる電源投入操作を受け付ける電源スイッチ12と、HDD(Hard Disk Drive)などから構成される記憶装置13とを備える。さらに、全体制御部100の起動時に、通信制御部200に通知するデータを格納するための不揮発メモリ14を備える。また、図1の点線は、各構成部へ電源を供給するための電源ラインになっている。
【0011】
全体制御部100は、装置内の全体の制御を司り、演算処理などを行うCPU101と、アドレスバスおよびデータバスを制御するバス制御部102を備える。また、全体制御部ブートプログラム(図示せず)を記憶するブートROM(Read Only Memory)103と、メインメモリ104を備え、各部間はバスで接続されている。なお、図1では、データバスのみを示している。ブートROM103に格納されている全体制御部ブートプログラムは、情報処理装置10内の各ハードウェアの初期化およびOS(Operating System)のロードなどを行う。また、ブートプログラムにおいて、所定のステップまで到達すると不揮発メモリ14の所定の領域に到達したステップがわかるデータを書き込む。もちろん、記憶装置13に書き込んでもよいし、通信制御部200に直接伝えるようにしてもよい。メインメモリ104はランダムアクセスメモリであり、CPU101のワークメモリである。
【0012】
通信制御部200は、演算処理などを行うCPU201と、アドレスバスおよびデータバスを制御するバス制御部202を備える。また、通信制御部ブートプログラム(図示せず)を記憶するブートROM203と、メインメモリ204、タイマ205、通信部206を備え、各部間はバスで接続されている。なお、図1では、データバスのみを示している。ブートROM203に格納されているブートプログラムは、通信制御部200内の各ハードウェアの初期化およびOSのロードなどを行う。メインメモリ204はランダムアクセスメモリであり、CPU201のワークメモリである。タイマ205は、CPU201に一定時間経過後に通知を行う機能を有する。通信部206は、外部ネットワーク(EtherNet(登録商標)など)へのプロトコル変換を行い、データの送受信を行う機能を有する。通信制御部200は、通常モードとして、通信部206を介して装置に関する情報の送受信を行う。
【0013】
情報処理装置10は、全体制御部100の起動中に発生したエラーを通知する端末(図2に示される拠点監視端末301)と通信を行うための情報、例えばIP(Internet Protocol)アドレス等を不揮発メモリ14に保持する。もちろん、記憶装置13などの他の手段に保持してもよい。
【0014】
図2に、本実施例における情報処理装置を用いた通信システム1000の構成例を示す。通信システム1000は、本実施例における情報処理装置を適用した情報処理端末300−n(n=1,2,・・・)と、拠点監視端末301と、イントラネット302、インターネット303、管理端末304を備える。情報処理端末300−nと、拠点監視端末301と、イントラネット302を含む拠点は、1つの管理端末304に対して複数接続されていることもある。
【0015】
拠点監視端末301は、情報処理端末300−nとはイントラネット302で接続されており、情報処理端末300−nの情報を収集して、インターネット303を介して管理端末304へ送付する。収集される情報として、情報処理端末の動作モード設定や、稼働ログ、障害情報などがある。障害情報には、起動時に障害が発生したか否かを示す情報や、発生したステップなどの情報が含まれる。以下、これら情報をメンテナンス情報と記載する。拠点監視端末301から、情報処理端末300−nとの通信には、2種類の通信形式がある。1つは、拠点監視端末301から情報処理端末300−nに対して、SNMP(Simple Network Management Protocol)や独自プロトコルを用いてポーリングを行う情報収集方式である。もう1つは、拠点監視端末301がWebサービスや独自プロトコルを用いてサービスを提供し、端末から送信される情報を受信することで情報収集する方式である。管理端末304は、事業者が管理する端末であって、情報処理端末の稼働状況などの情報(メンテナンス情報)を複数の拠点監視端末から受信し解析する機能を有する。
【0016】
<拠点監視端末の構成>
拠点監視端末301は、CPU401、バス制御部402、ROM403、メインメモリ404に加えて、通信制御部405、記憶装置406、入力制御部407を備えている。
【0017】
バス制御部402は、図3の拠点監視端末301を構成する部品間のデータを受け渡す共通信号路である。メインメモリ404は、電気的に情報を記憶でき且つ書き換え可能な記憶手段であり、取得したデータや送信するデータはここで展開され、所定の形にデータ変換される。記憶装置406は、電気的に情報を書き換え可能であり且つ電源が無くなっても情報を記憶可能な不揮発性記憶手段である。記憶装置406には、ハードウェアの制御を行うOSのほかに、拠点監視端末301が監視を行う監視対象となる情報処理端末300−nのリストや、情報処理端末300−nからメンテナンス情報を取得するためのアクセスプログラムが記憶されている。また、情報処理端末300−nからのメンテナンス情報を受信するための常駐プログラム、取得したメンテナンス情報を管理端末304へ通知するための通知プログラムなども、同様に記憶されている。
【0018】
通信制御部405は、外部ネットワークと情報交換を行うインタフェースである。CPU401は、拠点監視端末301の全体制御を行うものであり、記憶装置406に格納されたプログラムとスケジュールに基づき、通信制御部405を介して情報処理端末300−nのメンテナンス情報を収集する。拠点監視端末301は、2種類のメンテナンス情報取得の通信方式を備えている。
【0019】
ひとつは、自身の監視プログラムに基づき、定められたスケジュール時刻に情報処理端末300−nへポーリングし、メンテナンス情報を取得する通信方式である。また、もう一つは、常駐プログラムを起動しネットワークサービスを提供することによって、情報処理端末300−nから送信されるメンテナンス情報を取得する通信方法である。ポーリングを行う場合には、記憶装置406に記録された情報処理端末300−nへのアクセスプログラムを所定のスケジュールにCPU401で実行することにより、通信制御部405を介して、メンテナンス情報を取得する。取得したメンテナンス情報は、ROM404にて展開され、所定の形式に変換されて記憶装置406へ記録される。また、ネットワークサービスを提供する場合には、記憶装置406に記録された常駐プログラムをCPU401で実行することにより、通信制御部405から情報処理端末300−nの通信処理を受け付けるサービスが開始される。情報処理端末300−nは、所定のプログラム処理に従い、メンテナンス情報を拠点監視端末301へ送信を行うと、このサービスを通じて、拠点監視端末301はメンテナンス情報をメインメモリ404へ展開し、所定の形式に変換して記憶装置406へ記録する。
【0020】
それぞれの通信方式によって、収集したメンテナンス情報は、記憶装置406に記録されている管理端末304へ通知する通知プログラムの処理によって、通信制御部405を介して管理端末304へ通知される。本実施例では、監視対象である情報処理端末300−nから収集したメンテナンス情報に障害情報が含まれると、管理端末304へ即時通知されるものとする。
【0021】
<管理端末の構成>
管理端末304のハードウェア構成は、拠点監視端末301と同一であるため、記載を省略する。
管理端末304は、様々なサービス機能が実行可能なようになっている。例えば、サービス機能として、情報処理端末300−nの稼働状況をまとめたレポートを作成するサービスなどが含まれる。管理端末304の通信制御部(図示せず)は、拠点監視端末301から通知されるメンテナンス情報を受信し、記憶装置(図示せず)に保存する。管理端末304の記憶装置(図示せず)には、ハードウェアの制御を行うOSのほかに、拠点監視端末301から通知されるメンテナンス情報が記憶される。管理端末メンテナンス情報は、また、拠点監視端末301に対応した顧客情報が記憶されている。顧客の情報には、例えば電子メールのアドレスなどの顧客の連絡先が含まれる。加えて、障害情報と故障可能性がある部品の対応リストも記憶されている。対応リストについて、詳細は後述する。
【0022】
<障害通知フロー>
以下、情報処理端末300−1への電源供給時に全体制御部100に障害が発生した場合の動作について図を用いて詳細に説明する。電源スイッチ12が投入されると、電源部11に通知され、電源部11は各構成部に電源を供給する。電源が供給されると、全体制御部100と通信制御部200は、起動処理を開始する。
【0023】
まず、図4を参照し、全体制御部100の起動処理に関して説明する。図4では、全体制御部100の起動処理に関するフローチャートを示す。
電源が供給されると全体制御部100のCPU101は、ブートROM103に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S101)。前述したように、ブートプログラムでは情報処理装置全体の初期化を行い、OSのロードを行う。本実施例では、ブートプログラムを4つのステップに分割し、各々のステップが終了した際に、不揮発メモリ14に書き込みを行うものとする。
【0024】
4つのステップのそれぞれの説明を行う。ステップ1でCPU101内部の初期化を行う。ステップ2で、メインメモリ104の初期化を行う。ステップ3で記憶装置13の初期化を行う。ステップ4で記憶装置13からOSのロードを行う。このように、ステップを区切ることで、停止したステップと、故障の可能性がある部分の対応が明確になる。停止したステップと、故障の可能性がある部品IDの対応リストを図5に示す。
【0025】
CPU101は、ステップ1を実行する(S102)。ステップ1が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば1)を書き込む(S103)。次に、CPU101は、ステップ2を実行する(S104)。ステップ2が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば2)を書き込む(S105)。次に、CPU101は、ステップ3を実行する(S106)。ステップ3が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば3)を書き込む(S107)。次に、CPU101は、ステップ4を実行する(S108)。ステップ4が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば4)を書き込む(S109)。ステップ4が終了すると、全体制御部100の起動処理は終了である。
【0026】
また、すべてのステップにおいて、正常終了(図中のNG)しない場合は、CPU101は起動処理を終えることができず異常終了となる。
【0027】
次に、図6を参照し、通信制御部200の起動処理に関して説明する。図6では、通信制御部200の起動処理に関するフローチャートを示す。
【0028】
電源が供給されると通信制御部200のCPU201は、ブートROM203に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S201)。次に、CPU201はブートプログラムにおいて通信制御部200内部の初期化を行い、プログラムのロードを行う(S202)。その後、通信制御部200は、本実施例において監視モードと呼ぶ動作モードに移行する(S203)。通信制御部200は、全体制御部100の起動処理が完了するまではこの監視モードで動作し、完了した後には、通常の通信制御を行う動作モード(通常モード)で動作する。
【0029】
CPU201は監視モードに移行すると、所定時間が経過した後にCPU201に対し通知を行うようにタイマ205を設定する(S204)。本実施例では、タイマ205に設定する所定時間とは、全体制御部100が起動完了する時間よりも十分長い時間とする。これにより、タイマ205からの通知が来るまでに、全体制御部100の起動処理が完了していなければ、障害が発生した、と判断することができる。もちろん、タイマ205に設定する所定時間を全体制御部100が起動完了する時間よりも短い時間として、所定の回数通知が来ると、全体制御部100に障害が発生した、と判断してもよい。
【0030】
次にCPU201は、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)の読み出しを行う(S205)。読み出すアドレスは、全体制御部100のCPU101が、起動処理中に書き込みを行うアドレスと同一とする。読み出すアドレスを特定する方法としては、不揮発メモリ14の別の領域にアクセスするアドレスが書き込まれていてCPU101およびCPU201が読み出すようにしてもよいし、プログラム自体にアクセスするアドレスが予め書き込まれていてもよい。
【0031】
CPU201は、読み出したデータを解析し、全体制御部100の起動処理がどのステップまで進んだかを確認する(S206)。具体的には、読み出したデータが1であれば全体制御部100の起動処理はステップ1が完了していると判断できる。同様に、本実施例では、全体制御部100の起動処理が完了した時に書き込まれるデータは4であるため、S206では、CPU201が、読み出したデータが4であるかどうかを判断する。CPU201は、読み出したデータが4であれば、全体制御部100の起動処理が完了していると判断できるため、動作モードを監視モードから通常モードに移行し(S207)、通信制御部200の起動処理を完了する。
【0032】
一方、S206で、CPU201が読み出したデータが4でなければ、タイマ205からの通知の有無を判断する(S208)。通知が来ていない場合にはS205に戻り、通知が来ている場合にはCPU201が全体制御部100の起動時に障害が発生したと判断する。この際には、まず不揮発メモリ14の所定の領域(例えば、アドレス4)を読み出し、拠点監視端末301のIPアドレスを取得する(S209)。次に、S206において読み出した起動処理がどのステップまで進んだかを示すデータを含むメンテナンス情報を、S209にて取得したIPアドレスで通信部206を介して拠点監視端末301に送信する(S210)。
【0033】
前述のように、拠点監視端末301は、情報処理装置300−nから、起動時に障害が発生した旨を含むメンテナンス情報を受信すると、管理端末304に通知する。
図7に、管理端末304のメンテナンス情報受信時の処理を説明するためのフローチャートを示す。
【0034】
メンテナンス情報を受信した管理端末304は、メンテナンス情報を解析する(S301)。管理端末304は、メンテナンス情報に起動時に障害が発生した旨を含む情報が含まれるか否かを判断する(S302)。含まれない場合は、そのメンテナンス情報が管理端末304のサービス機能を必要としているかを判断する(S303)。必要としている場合は、所定のサービス機能を実行する(S304)。必要としていない場合は、処理を終了する。
【0035】
メンテナンス情報に起動時に障害が発生した旨を含む情報が含まれる場合は、メンテナンス情報に含まれる拠点監視端末301を識別する情報を参照し、対応した顧客情報を取得する(S305)。次に、メンテナンス情報に含まれる障害が発生したステップを示すデータを取得する(S306)。次に、起動ステップと故障の可能性がある部品IDの対応リストを参照し、本メンテナンス情報に含まれる情報に対応する部品IDを特定する(S307)。障害が発生した旨および特定した部品IDを、拠点監視端末301が設置されている拠点(顧客)を担当する事業者に電子メールなどの手段で通知する(S308)。さらに、通知するだけでなく、部品IDに対応する部品を発注したりしてもよい。加えて、拠点の情報処理端末300−nを使用しているユーザや、拠点の管理者に電子メールなどの手段で通知してもよい。
【0036】
以上、述べたように通信制御部200に監視モードと通常モードという2つの動作モードを備えることにより、専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知することが可能になる。
【0037】
もちろん、通信システム1000の構成として拠点監視端末が存在しない場合でも本発明は実施可能である。具体的には、情報処理端末300−nが管理端末304のIPアドレスを不揮発メモリ14に保持し、障害発生時に前記IPアドレスにメンテナンス情報を通知する。
【0038】
また、管理端末304への通知方法として、情報処理端末300−nが直接管理端末304に通知するのではなく、以下のようなケースでももちろん可能である。情報処理端末300―nは、同一サブネットに自身に障害が発生し、起動できなかったことを通知する。通知を受けた他の情報処理端末300−mが、管理端末304へ通知する。
【0039】
[第2の実施例]
以下、本発明を実施するための第2の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、実施例1の電源投入時の監視手法に加え、情報処理装置10が省電力モードから通常電力モードへ移行する際に発生する障害を通知する処理の例を示す。
【0040】
本実施例における省電力モードについて説明する。省電力モード中は全体制御部100や記憶装置13への電源供給を行わず、情報処理装置10全体で消費する電力を低減する。省電力モード中でも通信制御部200には、電源供給を行うことで、外部ネットワークとの通信を維持することが可能になる。また、通信制御部200で消費される電力は小さいため、情報処理装置10全体での省電力化が可能になる。
【0041】
また、情報処理装置10は、省電力モードに移行した状態で所定の条件を満たしたことに応じて通常電力モードへと復帰する。この所定の条件の1つとして、通常電力モードへ復帰するための条件に適合するパケットがネットワークから受信されたことが挙げられる。このようなパケットを受信するために、省電力モードに移行したときにも通信制御部200には電力が供給されている。
【0042】
本実施例における、情報処理装置10、通信システム1000、拠点監視端末301、管理端末304の構成は、第1の実施例と同一である。
【0043】
<全体制御部及び通信制御部のソフトウェア構成>
図8は、全体制御部100及び通信制御部200の間の通信や省電力モードに関わるソフトウェア構成を示すブロック図である。図8に示す各機能部はCPU101および201がそれぞれプログラムを実行することにより実現される。
【0044】
スリープ制御部500は、省電力モードに移行するための条件を満たしたこと、または通常電力モードに復帰するための条件を満たしたことを検知し、通常電力モードと省電力モードの切り替え制御を行う。通常電力モードから省電力モードへの移行時には、全体制御部100がそれまで動作していた情報を、記憶装置13や不揮発メモリ14に保持する。
CPU間通信部501、502はCPU101および201の間でのデータ通信を制御する。
【0045】
復帰情報保持部503は、情報処理装置10が省電力モードに移行する際に、全体制御部100から送信される復帰条件情報を受け取って保持する。復帰判定部504は、情報処理装置10が省電力モードに移行した状態でネットワーク送受信部505が受信するパケットを解析する。そして、受信したパケットが復帰情報保持部503に保持されている情報が示す条件に合致するものであるかどうかを判定する。そして、この判定結果に基づいて、受信したパケットを全体制御部100側で処理すべきであるか否か、或いは情報処理装置10を通常電力モードに復帰させるか否かを決定する。
【0046】
受信したパケットを全体制御部100側で処理すべきであると決定した場合、或いは情報処理装置10を通常電力モードに復帰させると決定した場合は、電源部11に対して通常電力モードへの復帰を指示する。また、受信したパケットを全体制御部100に転送する。通信制御部200は、通常電力モードに復帰させると決定した後、第1の実施例で述べた監視モードに移行する。本実施例における監視モードの動作の詳細については、後述する。
【0047】
全体制御部100は、通常電力モードへの復帰を行う際に、設定情報が失われた箇所に対して再設定を行う。本実施例においては、記憶装置13およびメインメモリ104の設定情報が失われるとする。もちろん、この限りではない。
【0048】
なお、情報処理装置10が通常電力モードで動作している場合は、ネットワーク送受信部506が受信するパケットは、復帰判定部505での判定を行うことなく、そのまま全体制御部100に転送される。
【0049】
<障害通知フロー>
以下、情報処理端末300−1が省電力モードから通常電力モードへの移行時に全体制御部100に障害が発生した場合の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0050】
図9を参照し、全体制御部100の通常電力モードへの復帰時に行う処理に関して説明する。以下、本実施例では全体制御部100の通常電力モードへの復帰時に行う処理を「復帰処理」と記載する。図9では、全体制御部100の復帰処理に関するフローチャートを示す。
【0051】
電源が供給されると全体制御部100のCPU101は、ブートROM103に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S401)。本実施例において、CPU101はブートプログラムにおいて、現在復帰処理を行うべきか起動処理を行うべきか、を判断する(S402)。判断手法は、不揮発メモリ14の所定の領域に省電力モード移行時に情報を書き込み、通常電力モードへの復帰時にそれを読み出すようにしてもよいし、他の手段でもよい。起動処理を行うべきと判断された場合、起動処理を行う(S403)。復帰処理を行うべきと判断されると、復帰処理を行う。以下、具体的に復帰処理の手順について述べる。本実施例では、復帰処理を3つのステップに分割し、各々のステップが終了した際に、不揮発メモリ14に書き込みを行うものとする。
【0052】
3つのステップのそれぞれの説明を行う。ステップ1でメインメモリ104の初期化を行う。ステップ2で記憶装置13の初期化を行う。ステップ3で記憶装置13からOSのロードを行う。このように、ステップを区切ることで、停止したステップと、故障の可能性がある部分の対応が明確になる。停止したステップと、故障の可能性がある部品IDの対応リストを図10に示す。
【0053】
CPU101は、ステップ1を実行する(S404)。ステップ1が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば1)を書き込む(S405)。次に、CPU101は、ステップ2を実行する(S406)。ステップ2が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば2)を書き込む(S407)。次に、CPU101は、ステップ3を実行する(S408)。ステップ3が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば3)を書き込む(S409)。ステップ3が終了すると、全体制御部100の復帰処理は終了である。
【0054】
また、すべてのステップにおいて、正常終了しない(図中のNG)場合は、CPU101は復帰処理を終えることができず異常終了となる。
【0055】
図11は、本実施例の省電力モードにおける通信制御部200の動作を示すフローチャートである。なお、本フローチャートで述べる動作は、図8に示したソフトウェア構成のプログラムをCPU201で実行することで実現できる。
【0056】
省電力モードにある通信制御部200のCPU201は、通信部206が受信するパケットを解析する(S501)。そして、受信したパケットがメインメモリ204に保持されている復帰条件に合致するものであるかどうかを判定する(S502)。合致しない場合は、CPU201において受信したパケットを破棄したり、ネットワーク上に転送したりするなどの規定の処理を実行し(S503)、終了する。合致する場合は、電源部11に対して通常電力モードへの復帰を指示する(S504)。また、受信したパケットを全体制御部100に転送する(S505)。
【0057】
そして、通信制御部200は監視モードに移行する(S506)。所定時間が経過した後にCPU201に対し通知を行うようにタイマ205を設定する(S507)。本実施例では、タイマ205に設定する所定時間とは、全体制御部100が起動完了する時間よりも十分長い時間とする。これにより、タイマ205からの通知が来るまでに、全体制御部100の復帰処理が完了していなければ、障害が発生した、と判断することができる。次にCPU201は、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)の読み出しを行う(S508)。読み出すアドレスは、全体制御部100のCPU101が、復帰処理中に書き込みを行うアドレスと同一とする。読み出すアドレスを特定する方法としては、不揮発メモリ14の別の領域にアクセスするアドレスが書き込まれていてCPU101およびCPU201が読み出すようにしてもよいし、プログラム自体にアクセスするアドレスが書き込まれていてもよい。
【0058】
CPU201は、読み出したデータを解析し、全体制御部100の復帰処理がどのステップまで進んだかを確認する(S509)。具体的には、読み出したデータが1であれば全体制御部100の復帰処理はステップ1が完了していると判断できる。同様に、本実施例では、全体制御部100の復帰処理が完了した時に書き込まれるデータは3であるため、S509では、CPU201が、読み出したデータが3であるかどうかを判断する。CPU201は、読み出したデータが3であれば、全体制御部100の復帰処理が完了していると判断できるため、動作モードを監視モードから通常モードに移行し(S510)、通信制御部200の省電力モードから通常電力モードへの移行処理を完了する。
【0059】
一方、CPU201は、読み出したデータが3でなければ、タイマ205からの通知の有無、を判断する(S511)。通知が来ていない場合にはS508に戻り、通知が来ている場合にはCPU201は全体制御部100の通常電力モードへの復帰時に障害が発生したと判断する。この際には、まず不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス4)を読み出し、拠点監視端末301のIPアドレスを取得する(S512)。次に、S508において読み出した復帰処理がどのステップまで進んだかを示すデータを含むメンテナンス情報を、S512にて取得したIPアドレスで通信部206を介して拠点監視端末301に送信する(S513)。なお、メンテナンス情報に障害が、起動処理か復帰処理のいずれで発生したのか、を示す情報が含むものとする。
【0060】
前述のように、拠点監視端末301は、情報処理装置300−nから、起動時に障害が発生した旨を含むメンテナンス情報を受信すると、即時管理端末304に通知する。
【0061】
管理端末304のメンテナンス情報受信時の動作は第1の実施例とほぼ同一である。差分として、管理端末304は受信するメンテナンス情報に含まれる情報処理装置10の障害が起動処理か復帰処理のいずれで発生したのか、を示す情報の読み出しを行う。
【0062】
以上、述べたように本実施例では、通信制御部200に監視モードと通常モードという2つの動作モードを備え、省電力モードからの復帰時に監視モードに移行する例を示した。これにより、情報処理装置10の省電力モードからの復帰時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知することが可能になる。
【0063】
また、省電力モードからの復帰要因はパケット受信だけではない。省電力モードから通常電力モードへと復帰する際の他の条件としては、例えば、電源スイッチの押下などのユーザによる入力が挙げられる。そこで、復帰要因ごとに異なる「停止ステップと故障可能性のある部品IDの対応リスト」を保持することが考えられる。具体的には、ユーザによる入力が復帰要因となった場合は、図10に示すリストに対して、ディスプレイ(不図示)の表示処理が正常終了したかどうかを示すようなステップが追加される。このように、復帰要因ごとに異なる「停止ステップと故障可能性のある部品IDの対応リスト」を保持することにより、復帰要因に応じた、きめ細かい障害情報をメンテナンス情報に付加することが可能になる。
【0064】
[第3の実施例]
以下、本発明を実施するための第3の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、とくに印刷装置の電源投入などによる起動途中に障害が発生した場合に、その障害情報を印刷して通知する例について述べる。
【0065】
<印刷装置の全体構成>
図12は、本実施例にかかる印刷装置600の構成例を示す図である。全体制御部700、印刷制御部800、プリンタ部601、画像処理部602、記憶装置603、電源部604、電源スイッチ605、不揮発メモリ606から構成されている。
【0066】
全体制御部700は、CPUやメモリなどから構成され、印刷装置全体の制御をつかさどる部分である。印刷制御部800は、CPUやメモリなどから構成され、プリンタ部の制御をつかさどる部分である。プリンタ部601は電気的な画像信号を記録紙上に可視像としてプリントするブロックであり、レーザビームプリンタやインクジェットプリンタにより構成される。画像処理部602は記録画像処理を行うブロックである。記録画像処理は画像データを記録解像度にあわせて解像度変換するものであり、画像の変倍、スムージング、濃度補正等の各種画像処理を施して高精細な画像データに変換しレーザビームプリンタ等に出力する。記憶装置603は、例えばHDDなどのメモリデバイスであり、画像データを一時的に格納するだけでなく、全体制御部700が実行するプログラムやデータを格納する。また、情報処理装置内の各部へ電源を供給する電源部604と、ユーザによる電源投入操作を受け付ける電源スイッチ605を備える。さらに、全体制御部700の起動時に、印刷制御部800に通知するデータを格納するための不揮発メモリ606を備える。また、電源部604から各構成部へ電源の供給を行える構成とする。
【0067】
全体制御部700は、演算処理などを行うCPU701と、アドレスバスおよびデータバスを制御するバス制御部702と、全体制御部ブートプログラム(図示せず)を記憶するブートROM703と、メインメモリ704を備え、各部間はバスで接続されている。なお、図12では、データバスのみを示している。ブートROM703に格納されている全体制御部ブートプログラムは、印刷装置600内の各ハードウェアの初期化およびOSのロードなどを行う。また、ブートプログラムにおいて、所定のステップまで到達すると不揮発メモリ606の所定の領域に到達したステップがわかるデータを書き込む。もちろん、記憶装置603に書き込んでもよいし、印刷制御部602に直接伝えるようにしてもよい。メインメモリ704はランダムアクセスメモリであり、CPU701のワークメモリである。
【0068】
印刷制御部800は、演算処理などを行うCPU801と、アドレスバスおよびデータバスを制御するバス制御部802を備える。また、印刷制御部ブートプログラム(図示せず)を記憶するブートROM803と、メインメモリ804、タイマ805を備え、各部間はバスで接続されている。なお、図12では、データバスのみを示している。ブートROM803に格納されているブートプログラムは、印刷制御部800内の各ハードウェアの初期化およびOSのロードなどを行う。メインメモリ804はランダムアクセスメモリであり、CPU801のワークメモリである。タイマ805は、CPU801に一定時間経過後に通知を行う機能を有する。
【0069】
印刷装置600は、全体制御部700の起動中に障害が発生した際の印刷する障害情報を含む画像データを不揮発メモリ608に保持する。もちろん、記憶装置605などの他の手段に保持してもよい。
【0070】
<障害情報印刷フロー>
以下、印刷装置600への電源供給時に全体制御部700に障害が発生した場合の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0071】
電源スイッチ605が投入されると、電源部604に通知され、電源部604は各構成部に電源を供給する。電源が供給されると、全体制御部700と印刷制御部800は、起動処理を開始する。全体制御部700の起動処理のフローは、図4と基本的には同一である。つまり、分割された4つのステップを実行し、各々のステップが終了した際に、不揮発メモリ606に書き込みを行うものとする。
【0072】
4つのステップのそれぞれの説明を行う。ステップ1でCPU701内部の初期化を行う。ステップ2で、メインメモリ704の初期化を行う。ステップ3で記憶装置603の初期化を行う。ステップ4で記憶装置603からOSのロードを行う。このように、ステップを区切ることで、停止したステップと、故障の可能性がある部分の対応が明確になる。停止したステップと、故障の可能性がある部品IDの対応リストは図5と同様である。
【0073】
次に、印刷制御部800の起動処理に関して説明する。図13に、印刷制御部800の起動処理に関するフローチャートを示す。
【0074】
電源が供給されると印刷制御部800のCPU801は、ブートROM803に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S601)。次に、CPU801はブートプログラムにおいて印刷制御部800内部の初期化を行い、プログラムのロードを行う(S602)。その後、印刷制御部800は、本実施例において監視モードと呼ぶ動作モードに移行する(S603)。印刷制御部800は、全体制御部700の起動処理が完了するまでは監視モードで動作し、完了後は通常通りの印刷要求に応じた印刷制御を行うモード(通常モード)で動作する。
【0075】
CPU801は監視モードに移行すると、所定時間が経過した後にCPU801に対し通知を行うようにタイマ805を設定する(S604)。本実施例では、タイマ805に設定する所定時間とは、全体制御部700が起動完了する時間よりも十分長い時間とする。これにより、タイマ805からの通知が来るまでに、全体制御部700の起動処理が完了していなければ、障害が発生した、と判断することができる。もちろん、タイマ805に設定する所定時間を全体制御部700が起動完了する時間よりも短い時間として、所定の回数通知が来ると、全体制御部700に障害が発生した、と判断してもよい。
【0076】
次にCPU801は、不揮発メモリ606の所定の領域(例えばアドレス0)の読み出しを行う(S605)。読み出すアドレスは、ほかの実施例で前述したとおり、全体制御部700のCPU701が、起動処理中に書き込みを行うアドレスと同一とする。
【0077】
CPU801は、読み出したデータを解析し、全体制御部700の起動処理がどのステップまで進んだかを確認する(S606)。具体的には、読み出したデータが1であれば全体制御部700の起動処理はステップ1が完了していると判断できる。同様に、本実施例では、全体制御部700の起動処理が完了した時に書き込まれるデータは4であるため、S606では、CPU801が、読み出したデータが4であるかどうかを判断する。CPU801は、読み出したデータが4であれば、全体制御部700の起動処理が完了していると判断できるため、動作モードを監視モードから通常モードに移行し(S607)、印刷制御部800の起動処理を完了する。
【0078】
一方、S606で、CPU801が読み出したデータが4でなければ、タイマ805からの通知の有無、を判断する(S608)。通知が来ていない場合にはS605に戻り、通知が来ている場合にはCPU801が全体制御部700の起動時に障害が発生したと判断する。この際には、まず不揮発メモリ606の所定の領域(例えばアドレス4)を読み出し、画像データを読み出す(S609)。画像データには、印刷装置を管理する事業者の連絡先などが含まれる。次に、読み出した印刷画像に対して、S605で読み出したデータに応じた障害情報画像を付加する(S610)。
【0079】
図14に、読み出したデータが1つまり、全体制御部700がステップ1とステップ2の間で障害が発生した場合に印刷される画像を示す。図14に示すように、本実施例では障害が発生したステップに応じて故障の可能性がある部品リストを表示することで、事業者は印刷装置が設置されている場所へ訪問する際に、必要な部品のみを準備すればよくなる。
【0080】
次に、障害情報画像を含む画像データを、画像処理部602に送信し、画像処理を実行する(S611)。最後に、画像処理をされた画像データをプリンタ部601に送信し、印刷を実行する(S612)。
【0081】
以上、述べたように印刷制御部800に監視モードと通常モードという2つの動作モードを備えることにより、専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を印刷することが可能になる。
【0082】
なお、本実施例に前述した第2の実施例の制御を応用することも可能である。具体的には、印刷装置が省電力モードから通常電力モードへと復帰する際に発生した障害を、外部通知するのではなく、図14に示すようなレポートの形で印刷出力する。
【0083】
[第4の実施例]
以下、本発明を実施するための第4の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、情報処理装置10の通信制御部200が全体制御部100の電源を制御し、起動途中に発生する障害を通知する例を示す。
【0084】
本実施例における、情報処理装置10、通信システム1000、拠点監視端末301、管理端末304の構成は、第1の実施例と同一である。ただし、電源部11は、電源スイッチ12が投入された際に、全体制御部100には電源を供給しない。
【0085】
<障害通知フロー>
以下、情報処理端末300−1への電源供給時に全体制御部100に障害が発生した場合の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0086】
電源スイッチ12が投入されると、電源部11に通知され、電源部11は全体制御部100を除く各構成部に電源を供給する。電源が供給されると、通信制御部200は、起動処理を開始する。
【0087】
図15を参照し、通信制御部200の起動処理に関して説明する。図14では、通信制御部200の起動処理に関するフローチャートを示す。
【0088】
電源が供給されると通信制御部200のCPU201は、ブートROM203に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S701)。次に、CPU201はブートプログラムにおいて通信制御部200内部の初期化を行い、プログラムのロードを行う(S702)。その後、通信制御部200は、電源部11を制御し、全体制御部100のへ電源を供給する(S703)。
【0089】
次に、通信制御部200は、全体制御部100の起動処理が完了するまで監視モードに移行する(S704)。CPU201は監視モードに移行すると、所定時間が経過した後にCPU201に対し通知を行うようにタイマ205を設定する(S705)。本実施例では、タイマ205に設定する所定時間とは、全体制御部100が起動完了する時間よりも十分長い時間とする。これにより、タイマ205からの通知が来るまでに、全体制御部100の起動処理が完了していなければ、障害が発生した、と判断することができる。もちろん、タイマ205に設定する所定時間を全体制御部100が起動完了する時間よりも短い時間として、所定の回数通知が来ると、全体制御部100に障害が発生した、と判断してもよい。
【0090】
次にCPU201は、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)の読み出しを行う(S706)。読み出すアドレスは、ほかの実施例で前述したとおり、全体制御部100のCPU101が、起動処理中に書き込みを行うアドレスと同一とする。
【0091】
CPU201は、読み出したデータを解析し、全体制御部100の起動処理がどのステップまで進んだかを確認する(S707)。具体的には、読み出したデータが1であれば全体制御部100の起動処理はステップ1が完了していると判断できる。本実施例では、全体制御部100の起動処理が完了した時に書き込まれるデータは4であるため、S707で、CPU201が読み出したデータが4であるかどうかを判断する。CPU201は、読み出したデータが4であれば、全体制御部100の起動処理が完了していると判断できるため、動作モードを監視モードから通常モードに移行し(S708)、通信制御部200の起動処理を完了する。
【0092】
一方、S707で、CPU201が読み出したデータが4でなければ、タイマ205からの通知の有無を判断する(S709)。通知が来ていない場合にはS706に戻り、通知が来ている場合にはCPU201が全体制御部100の起動時に障害が発生したと判断する。この際には、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス4)を読み出し、拠点監視端末301のIPアドレスを取得する(S710)。次に、S707において読み出した起動処理がどのステップまで進んだかを示すデータを含むメンテナンス情報を、S710にて取得したIPアドレスで通信部206を介して拠点監視端末301に送信する(S711)。
【0093】
全体制御部100の起動処理は、図4に示すフローチャートと同一である。また、管理端末304のメンテナンス情報受信時の動作は図7に示すフローチャートと同一である。
【0094】
以上、述べたように通信制御部200に先行して電源を供給する構成においても、専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知することが可能になる。
【0095】
[他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置が正常に起動するまでに生じたエラーなどの情報を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)などの情報処理装置の起動時に、通常通りの起動が完了するまでの間に障害が発生する場合がある。こういった場合、情報処理装置のユーザはなぜ起動しないのか認識することができない場合が多い。また、情報処理装置の起動時に障害が発生した場合には、電源を投入したにも関わらず、操作ができなかったり、表示が正常に行われなかったりと、情報処理装置の利用者にとっては適切な対応が困難な状況に陥ることが多い。
そこで特許文献1では、正常に起動するまでの装置の状態を監視するための専用の監視制御部を備えることで、情報処理装置の起動時に発生する障害を監視し、その内容を外部ネットワークを介して管理者に通知できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−039519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように装置の状態を監視するための専用の監視制御部を備えていては、情報処理装置を運用するためのコストが高くなってしまう。また、起動が完了した後では、当該監視制御部の機能やリソースなどは無駄になってしまう。
そこで、本発明では専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知できる手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、たとえば本発明における情報処理装置は、装置全体の制御を行うための制御部と、装置に関する情報をネットワークを介して送受信する通常モードとして動作する通信制御部とを備え、情報処理装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込み、情報処理装置の起動に際して、前記通信制御部の動作モードが監視モードに移行し、監視モードに移行した前記通信制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視し、異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記通信制御部が、ネットワークに対して異常の発生を出力し、異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記通信制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
通信制御部に監視モードと通常モードという2つの動作モードを備えることにより、専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明における情報処理装置のハードウェア構成を示す図
【図2】本発明における通信システムのハードウェア構成を示す図
【図3】本発明における拠点監視端末のハードウェア構成を示す図
【図4】実施例1における全体制御部の動作を示すフローチャート
【図5】本発明における停止ステップと故障部品IDの関係を示すリスト
【図6】実施例1における通信制御部の動作を示すフローチャート
【図7】実施例1における管理端末の動作を示すフローチャート
【図8】実施例2におけるソフトウェア構成を示す図
【図9】実施例2における全体制御部の動作を示すフローチャート
【図10】実施例2における停止ステップと故障部品IDの関係を示すリスト
【図11】実施例2における通信制御部の動作を示すフローチャート
【図12】本発明における印刷装置のハードウェア構成を示す図
【図13】実施例3における印刷制御部の動作を示すフローチャート
【図14】実施例3における障害情報の印刷例
【図15】実施例4における通信制御部の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施例]
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0009】
<情報処理装置の全体構成>
図1は、本発明における情報処理装置10の構成例を示す図である。ここで、情報処理装置の具体例としては後述する情報処理端末としての、ネットワークに接続可能な汎用PCや印刷装置や複写機といった画像形成装置が挙げられる。図1では、画像形成装置が備えるような印刷制御部、プリンタ部、スキャナ部などといった構成を省略して、説明している。
【0010】
図1の情報処理装置10は、CPU(Cental Processing Unit)やメモリなどから構成される全体制御部100と、Ethernet(登録商標)などの手段により外部ネットワークとの間で情報の送受信を行う通信制御部200を備える。また、情報処理装置内の各部へ電源を供給する電源部11と、ユーザによる電源投入操作を受け付ける電源スイッチ12と、HDD(Hard Disk Drive)などから構成される記憶装置13とを備える。さらに、全体制御部100の起動時に、通信制御部200に通知するデータを格納するための不揮発メモリ14を備える。また、図1の点線は、各構成部へ電源を供給するための電源ラインになっている。
【0011】
全体制御部100は、装置内の全体の制御を司り、演算処理などを行うCPU101と、アドレスバスおよびデータバスを制御するバス制御部102を備える。また、全体制御部ブートプログラム(図示せず)を記憶するブートROM(Read Only Memory)103と、メインメモリ104を備え、各部間はバスで接続されている。なお、図1では、データバスのみを示している。ブートROM103に格納されている全体制御部ブートプログラムは、情報処理装置10内の各ハードウェアの初期化およびOS(Operating System)のロードなどを行う。また、ブートプログラムにおいて、所定のステップまで到達すると不揮発メモリ14の所定の領域に到達したステップがわかるデータを書き込む。もちろん、記憶装置13に書き込んでもよいし、通信制御部200に直接伝えるようにしてもよい。メインメモリ104はランダムアクセスメモリであり、CPU101のワークメモリである。
【0012】
通信制御部200は、演算処理などを行うCPU201と、アドレスバスおよびデータバスを制御するバス制御部202を備える。また、通信制御部ブートプログラム(図示せず)を記憶するブートROM203と、メインメモリ204、タイマ205、通信部206を備え、各部間はバスで接続されている。なお、図1では、データバスのみを示している。ブートROM203に格納されているブートプログラムは、通信制御部200内の各ハードウェアの初期化およびOSのロードなどを行う。メインメモリ204はランダムアクセスメモリであり、CPU201のワークメモリである。タイマ205は、CPU201に一定時間経過後に通知を行う機能を有する。通信部206は、外部ネットワーク(EtherNet(登録商標)など)へのプロトコル変換を行い、データの送受信を行う機能を有する。通信制御部200は、通常モードとして、通信部206を介して装置に関する情報の送受信を行う。
【0013】
情報処理装置10は、全体制御部100の起動中に発生したエラーを通知する端末(図2に示される拠点監視端末301)と通信を行うための情報、例えばIP(Internet Protocol)アドレス等を不揮発メモリ14に保持する。もちろん、記憶装置13などの他の手段に保持してもよい。
【0014】
図2に、本実施例における情報処理装置を用いた通信システム1000の構成例を示す。通信システム1000は、本実施例における情報処理装置を適用した情報処理端末300−n(n=1,2,・・・)と、拠点監視端末301と、イントラネット302、インターネット303、管理端末304を備える。情報処理端末300−nと、拠点監視端末301と、イントラネット302を含む拠点は、1つの管理端末304に対して複数接続されていることもある。
【0015】
拠点監視端末301は、情報処理端末300−nとはイントラネット302で接続されており、情報処理端末300−nの情報を収集して、インターネット303を介して管理端末304へ送付する。収集される情報として、情報処理端末の動作モード設定や、稼働ログ、障害情報などがある。障害情報には、起動時に障害が発生したか否かを示す情報や、発生したステップなどの情報が含まれる。以下、これら情報をメンテナンス情報と記載する。拠点監視端末301から、情報処理端末300−nとの通信には、2種類の通信形式がある。1つは、拠点監視端末301から情報処理端末300−nに対して、SNMP(Simple Network Management Protocol)や独自プロトコルを用いてポーリングを行う情報収集方式である。もう1つは、拠点監視端末301がWebサービスや独自プロトコルを用いてサービスを提供し、端末から送信される情報を受信することで情報収集する方式である。管理端末304は、事業者が管理する端末であって、情報処理端末の稼働状況などの情報(メンテナンス情報)を複数の拠点監視端末から受信し解析する機能を有する。
【0016】
<拠点監視端末の構成>
拠点監視端末301は、CPU401、バス制御部402、ROM403、メインメモリ404に加えて、通信制御部405、記憶装置406、入力制御部407を備えている。
【0017】
バス制御部402は、図3の拠点監視端末301を構成する部品間のデータを受け渡す共通信号路である。メインメモリ404は、電気的に情報を記憶でき且つ書き換え可能な記憶手段であり、取得したデータや送信するデータはここで展開され、所定の形にデータ変換される。記憶装置406は、電気的に情報を書き換え可能であり且つ電源が無くなっても情報を記憶可能な不揮発性記憶手段である。記憶装置406には、ハードウェアの制御を行うOSのほかに、拠点監視端末301が監視を行う監視対象となる情報処理端末300−nのリストや、情報処理端末300−nからメンテナンス情報を取得するためのアクセスプログラムが記憶されている。また、情報処理端末300−nからのメンテナンス情報を受信するための常駐プログラム、取得したメンテナンス情報を管理端末304へ通知するための通知プログラムなども、同様に記憶されている。
【0018】
通信制御部405は、外部ネットワークと情報交換を行うインタフェースである。CPU401は、拠点監視端末301の全体制御を行うものであり、記憶装置406に格納されたプログラムとスケジュールに基づき、通信制御部405を介して情報処理端末300−nのメンテナンス情報を収集する。拠点監視端末301は、2種類のメンテナンス情報取得の通信方式を備えている。
【0019】
ひとつは、自身の監視プログラムに基づき、定められたスケジュール時刻に情報処理端末300−nへポーリングし、メンテナンス情報を取得する通信方式である。また、もう一つは、常駐プログラムを起動しネットワークサービスを提供することによって、情報処理端末300−nから送信されるメンテナンス情報を取得する通信方法である。ポーリングを行う場合には、記憶装置406に記録された情報処理端末300−nへのアクセスプログラムを所定のスケジュールにCPU401で実行することにより、通信制御部405を介して、メンテナンス情報を取得する。取得したメンテナンス情報は、ROM404にて展開され、所定の形式に変換されて記憶装置406へ記録される。また、ネットワークサービスを提供する場合には、記憶装置406に記録された常駐プログラムをCPU401で実行することにより、通信制御部405から情報処理端末300−nの通信処理を受け付けるサービスが開始される。情報処理端末300−nは、所定のプログラム処理に従い、メンテナンス情報を拠点監視端末301へ送信を行うと、このサービスを通じて、拠点監視端末301はメンテナンス情報をメインメモリ404へ展開し、所定の形式に変換して記憶装置406へ記録する。
【0020】
それぞれの通信方式によって、収集したメンテナンス情報は、記憶装置406に記録されている管理端末304へ通知する通知プログラムの処理によって、通信制御部405を介して管理端末304へ通知される。本実施例では、監視対象である情報処理端末300−nから収集したメンテナンス情報に障害情報が含まれると、管理端末304へ即時通知されるものとする。
【0021】
<管理端末の構成>
管理端末304のハードウェア構成は、拠点監視端末301と同一であるため、記載を省略する。
管理端末304は、様々なサービス機能が実行可能なようになっている。例えば、サービス機能として、情報処理端末300−nの稼働状況をまとめたレポートを作成するサービスなどが含まれる。管理端末304の通信制御部(図示せず)は、拠点監視端末301から通知されるメンテナンス情報を受信し、記憶装置(図示せず)に保存する。管理端末304の記憶装置(図示せず)には、ハードウェアの制御を行うOSのほかに、拠点監視端末301から通知されるメンテナンス情報が記憶される。管理端末メンテナンス情報は、また、拠点監視端末301に対応した顧客情報が記憶されている。顧客の情報には、例えば電子メールのアドレスなどの顧客の連絡先が含まれる。加えて、障害情報と故障可能性がある部品の対応リストも記憶されている。対応リストについて、詳細は後述する。
【0022】
<障害通知フロー>
以下、情報処理端末300−1への電源供給時に全体制御部100に障害が発生した場合の動作について図を用いて詳細に説明する。電源スイッチ12が投入されると、電源部11に通知され、電源部11は各構成部に電源を供給する。電源が供給されると、全体制御部100と通信制御部200は、起動処理を開始する。
【0023】
まず、図4を参照し、全体制御部100の起動処理に関して説明する。図4では、全体制御部100の起動処理に関するフローチャートを示す。
電源が供給されると全体制御部100のCPU101は、ブートROM103に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S101)。前述したように、ブートプログラムでは情報処理装置全体の初期化を行い、OSのロードを行う。本実施例では、ブートプログラムを4つのステップに分割し、各々のステップが終了した際に、不揮発メモリ14に書き込みを行うものとする。
【0024】
4つのステップのそれぞれの説明を行う。ステップ1でCPU101内部の初期化を行う。ステップ2で、メインメモリ104の初期化を行う。ステップ3で記憶装置13の初期化を行う。ステップ4で記憶装置13からOSのロードを行う。このように、ステップを区切ることで、停止したステップと、故障の可能性がある部分の対応が明確になる。停止したステップと、故障の可能性がある部品IDの対応リストを図5に示す。
【0025】
CPU101は、ステップ1を実行する(S102)。ステップ1が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば1)を書き込む(S103)。次に、CPU101は、ステップ2を実行する(S104)。ステップ2が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば2)を書き込む(S105)。次に、CPU101は、ステップ3を実行する(S106)。ステップ3が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば3)を書き込む(S107)。次に、CPU101は、ステップ4を実行する(S108)。ステップ4が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば4)を書き込む(S109)。ステップ4が終了すると、全体制御部100の起動処理は終了である。
【0026】
また、すべてのステップにおいて、正常終了(図中のNG)しない場合は、CPU101は起動処理を終えることができず異常終了となる。
【0027】
次に、図6を参照し、通信制御部200の起動処理に関して説明する。図6では、通信制御部200の起動処理に関するフローチャートを示す。
【0028】
電源が供給されると通信制御部200のCPU201は、ブートROM203に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S201)。次に、CPU201はブートプログラムにおいて通信制御部200内部の初期化を行い、プログラムのロードを行う(S202)。その後、通信制御部200は、本実施例において監視モードと呼ぶ動作モードに移行する(S203)。通信制御部200は、全体制御部100の起動処理が完了するまではこの監視モードで動作し、完了した後には、通常の通信制御を行う動作モード(通常モード)で動作する。
【0029】
CPU201は監視モードに移行すると、所定時間が経過した後にCPU201に対し通知を行うようにタイマ205を設定する(S204)。本実施例では、タイマ205に設定する所定時間とは、全体制御部100が起動完了する時間よりも十分長い時間とする。これにより、タイマ205からの通知が来るまでに、全体制御部100の起動処理が完了していなければ、障害が発生した、と判断することができる。もちろん、タイマ205に設定する所定時間を全体制御部100が起動完了する時間よりも短い時間として、所定の回数通知が来ると、全体制御部100に障害が発生した、と判断してもよい。
【0030】
次にCPU201は、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)の読み出しを行う(S205)。読み出すアドレスは、全体制御部100のCPU101が、起動処理中に書き込みを行うアドレスと同一とする。読み出すアドレスを特定する方法としては、不揮発メモリ14の別の領域にアクセスするアドレスが書き込まれていてCPU101およびCPU201が読み出すようにしてもよいし、プログラム自体にアクセスするアドレスが予め書き込まれていてもよい。
【0031】
CPU201は、読み出したデータを解析し、全体制御部100の起動処理がどのステップまで進んだかを確認する(S206)。具体的には、読み出したデータが1であれば全体制御部100の起動処理はステップ1が完了していると判断できる。同様に、本実施例では、全体制御部100の起動処理が完了した時に書き込まれるデータは4であるため、S206では、CPU201が、読み出したデータが4であるかどうかを判断する。CPU201は、読み出したデータが4であれば、全体制御部100の起動処理が完了していると判断できるため、動作モードを監視モードから通常モードに移行し(S207)、通信制御部200の起動処理を完了する。
【0032】
一方、S206で、CPU201が読み出したデータが4でなければ、タイマ205からの通知の有無を判断する(S208)。通知が来ていない場合にはS205に戻り、通知が来ている場合にはCPU201が全体制御部100の起動時に障害が発生したと判断する。この際には、まず不揮発メモリ14の所定の領域(例えば、アドレス4)を読み出し、拠点監視端末301のIPアドレスを取得する(S209)。次に、S206において読み出した起動処理がどのステップまで進んだかを示すデータを含むメンテナンス情報を、S209にて取得したIPアドレスで通信部206を介して拠点監視端末301に送信する(S210)。
【0033】
前述のように、拠点監視端末301は、情報処理装置300−nから、起動時に障害が発生した旨を含むメンテナンス情報を受信すると、管理端末304に通知する。
図7に、管理端末304のメンテナンス情報受信時の処理を説明するためのフローチャートを示す。
【0034】
メンテナンス情報を受信した管理端末304は、メンテナンス情報を解析する(S301)。管理端末304は、メンテナンス情報に起動時に障害が発生した旨を含む情報が含まれるか否かを判断する(S302)。含まれない場合は、そのメンテナンス情報が管理端末304のサービス機能を必要としているかを判断する(S303)。必要としている場合は、所定のサービス機能を実行する(S304)。必要としていない場合は、処理を終了する。
【0035】
メンテナンス情報に起動時に障害が発生した旨を含む情報が含まれる場合は、メンテナンス情報に含まれる拠点監視端末301を識別する情報を参照し、対応した顧客情報を取得する(S305)。次に、メンテナンス情報に含まれる障害が発生したステップを示すデータを取得する(S306)。次に、起動ステップと故障の可能性がある部品IDの対応リストを参照し、本メンテナンス情報に含まれる情報に対応する部品IDを特定する(S307)。障害が発生した旨および特定した部品IDを、拠点監視端末301が設置されている拠点(顧客)を担当する事業者に電子メールなどの手段で通知する(S308)。さらに、通知するだけでなく、部品IDに対応する部品を発注したりしてもよい。加えて、拠点の情報処理端末300−nを使用しているユーザや、拠点の管理者に電子メールなどの手段で通知してもよい。
【0036】
以上、述べたように通信制御部200に監視モードと通常モードという2つの動作モードを備えることにより、専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知することが可能になる。
【0037】
もちろん、通信システム1000の構成として拠点監視端末が存在しない場合でも本発明は実施可能である。具体的には、情報処理端末300−nが管理端末304のIPアドレスを不揮発メモリ14に保持し、障害発生時に前記IPアドレスにメンテナンス情報を通知する。
【0038】
また、管理端末304への通知方法として、情報処理端末300−nが直接管理端末304に通知するのではなく、以下のようなケースでももちろん可能である。情報処理端末300―nは、同一サブネットに自身に障害が発生し、起動できなかったことを通知する。通知を受けた他の情報処理端末300−mが、管理端末304へ通知する。
【0039】
[第2の実施例]
以下、本発明を実施するための第2の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、実施例1の電源投入時の監視手法に加え、情報処理装置10が省電力モードから通常電力モードへ移行する際に発生する障害を通知する処理の例を示す。
【0040】
本実施例における省電力モードについて説明する。省電力モード中は全体制御部100や記憶装置13への電源供給を行わず、情報処理装置10全体で消費する電力を低減する。省電力モード中でも通信制御部200には、電源供給を行うことで、外部ネットワークとの通信を維持することが可能になる。また、通信制御部200で消費される電力は小さいため、情報処理装置10全体での省電力化が可能になる。
【0041】
また、情報処理装置10は、省電力モードに移行した状態で所定の条件を満たしたことに応じて通常電力モードへと復帰する。この所定の条件の1つとして、通常電力モードへ復帰するための条件に適合するパケットがネットワークから受信されたことが挙げられる。このようなパケットを受信するために、省電力モードに移行したときにも通信制御部200には電力が供給されている。
【0042】
本実施例における、情報処理装置10、通信システム1000、拠点監視端末301、管理端末304の構成は、第1の実施例と同一である。
【0043】
<全体制御部及び通信制御部のソフトウェア構成>
図8は、全体制御部100及び通信制御部200の間の通信や省電力モードに関わるソフトウェア構成を示すブロック図である。図8に示す各機能部はCPU101および201がそれぞれプログラムを実行することにより実現される。
【0044】
スリープ制御部500は、省電力モードに移行するための条件を満たしたこと、または通常電力モードに復帰するための条件を満たしたことを検知し、通常電力モードと省電力モードの切り替え制御を行う。通常電力モードから省電力モードへの移行時には、全体制御部100がそれまで動作していた情報を、記憶装置13や不揮発メモリ14に保持する。
CPU間通信部501、502はCPU101および201の間でのデータ通信を制御する。
【0045】
復帰情報保持部503は、情報処理装置10が省電力モードに移行する際に、全体制御部100から送信される復帰条件情報を受け取って保持する。復帰判定部504は、情報処理装置10が省電力モードに移行した状態でネットワーク送受信部505が受信するパケットを解析する。そして、受信したパケットが復帰情報保持部503に保持されている情報が示す条件に合致するものであるかどうかを判定する。そして、この判定結果に基づいて、受信したパケットを全体制御部100側で処理すべきであるか否か、或いは情報処理装置10を通常電力モードに復帰させるか否かを決定する。
【0046】
受信したパケットを全体制御部100側で処理すべきであると決定した場合、或いは情報処理装置10を通常電力モードに復帰させると決定した場合は、電源部11に対して通常電力モードへの復帰を指示する。また、受信したパケットを全体制御部100に転送する。通信制御部200は、通常電力モードに復帰させると決定した後、第1の実施例で述べた監視モードに移行する。本実施例における監視モードの動作の詳細については、後述する。
【0047】
全体制御部100は、通常電力モードへの復帰を行う際に、設定情報が失われた箇所に対して再設定を行う。本実施例においては、記憶装置13およびメインメモリ104の設定情報が失われるとする。もちろん、この限りではない。
【0048】
なお、情報処理装置10が通常電力モードで動作している場合は、ネットワーク送受信部506が受信するパケットは、復帰判定部505での判定を行うことなく、そのまま全体制御部100に転送される。
【0049】
<障害通知フロー>
以下、情報処理端末300−1が省電力モードから通常電力モードへの移行時に全体制御部100に障害が発生した場合の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0050】
図9を参照し、全体制御部100の通常電力モードへの復帰時に行う処理に関して説明する。以下、本実施例では全体制御部100の通常電力モードへの復帰時に行う処理を「復帰処理」と記載する。図9では、全体制御部100の復帰処理に関するフローチャートを示す。
【0051】
電源が供給されると全体制御部100のCPU101は、ブートROM103に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S401)。本実施例において、CPU101はブートプログラムにおいて、現在復帰処理を行うべきか起動処理を行うべきか、を判断する(S402)。判断手法は、不揮発メモリ14の所定の領域に省電力モード移行時に情報を書き込み、通常電力モードへの復帰時にそれを読み出すようにしてもよいし、他の手段でもよい。起動処理を行うべきと判断された場合、起動処理を行う(S403)。復帰処理を行うべきと判断されると、復帰処理を行う。以下、具体的に復帰処理の手順について述べる。本実施例では、復帰処理を3つのステップに分割し、各々のステップが終了した際に、不揮発メモリ14に書き込みを行うものとする。
【0052】
3つのステップのそれぞれの説明を行う。ステップ1でメインメモリ104の初期化を行う。ステップ2で記憶装置13の初期化を行う。ステップ3で記憶装置13からOSのロードを行う。このように、ステップを区切ることで、停止したステップと、故障の可能性がある部分の対応が明確になる。停止したステップと、故障の可能性がある部品IDの対応リストを図10に示す。
【0053】
CPU101は、ステップ1を実行する(S404)。ステップ1が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば1)を書き込む(S405)。次に、CPU101は、ステップ2を実行する(S406)。ステップ2が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば2)を書き込む(S407)。次に、CPU101は、ステップ3を実行する(S408)。ステップ3が終了したら、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)に、所定のデータ(例えば3)を書き込む(S409)。ステップ3が終了すると、全体制御部100の復帰処理は終了である。
【0054】
また、すべてのステップにおいて、正常終了しない(図中のNG)場合は、CPU101は復帰処理を終えることができず異常終了となる。
【0055】
図11は、本実施例の省電力モードにおける通信制御部200の動作を示すフローチャートである。なお、本フローチャートで述べる動作は、図8に示したソフトウェア構成のプログラムをCPU201で実行することで実現できる。
【0056】
省電力モードにある通信制御部200のCPU201は、通信部206が受信するパケットを解析する(S501)。そして、受信したパケットがメインメモリ204に保持されている復帰条件に合致するものであるかどうかを判定する(S502)。合致しない場合は、CPU201において受信したパケットを破棄したり、ネットワーク上に転送したりするなどの規定の処理を実行し(S503)、終了する。合致する場合は、電源部11に対して通常電力モードへの復帰を指示する(S504)。また、受信したパケットを全体制御部100に転送する(S505)。
【0057】
そして、通信制御部200は監視モードに移行する(S506)。所定時間が経過した後にCPU201に対し通知を行うようにタイマ205を設定する(S507)。本実施例では、タイマ205に設定する所定時間とは、全体制御部100が起動完了する時間よりも十分長い時間とする。これにより、タイマ205からの通知が来るまでに、全体制御部100の復帰処理が完了していなければ、障害が発生した、と判断することができる。次にCPU201は、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)の読み出しを行う(S508)。読み出すアドレスは、全体制御部100のCPU101が、復帰処理中に書き込みを行うアドレスと同一とする。読み出すアドレスを特定する方法としては、不揮発メモリ14の別の領域にアクセスするアドレスが書き込まれていてCPU101およびCPU201が読み出すようにしてもよいし、プログラム自体にアクセスするアドレスが書き込まれていてもよい。
【0058】
CPU201は、読み出したデータを解析し、全体制御部100の復帰処理がどのステップまで進んだかを確認する(S509)。具体的には、読み出したデータが1であれば全体制御部100の復帰処理はステップ1が完了していると判断できる。同様に、本実施例では、全体制御部100の復帰処理が完了した時に書き込まれるデータは3であるため、S509では、CPU201が、読み出したデータが3であるかどうかを判断する。CPU201は、読み出したデータが3であれば、全体制御部100の復帰処理が完了していると判断できるため、動作モードを監視モードから通常モードに移行し(S510)、通信制御部200の省電力モードから通常電力モードへの移行処理を完了する。
【0059】
一方、CPU201は、読み出したデータが3でなければ、タイマ205からの通知の有無、を判断する(S511)。通知が来ていない場合にはS508に戻り、通知が来ている場合にはCPU201は全体制御部100の通常電力モードへの復帰時に障害が発生したと判断する。この際には、まず不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス4)を読み出し、拠点監視端末301のIPアドレスを取得する(S512)。次に、S508において読み出した復帰処理がどのステップまで進んだかを示すデータを含むメンテナンス情報を、S512にて取得したIPアドレスで通信部206を介して拠点監視端末301に送信する(S513)。なお、メンテナンス情報に障害が、起動処理か復帰処理のいずれで発生したのか、を示す情報が含むものとする。
【0060】
前述のように、拠点監視端末301は、情報処理装置300−nから、起動時に障害が発生した旨を含むメンテナンス情報を受信すると、即時管理端末304に通知する。
【0061】
管理端末304のメンテナンス情報受信時の動作は第1の実施例とほぼ同一である。差分として、管理端末304は受信するメンテナンス情報に含まれる情報処理装置10の障害が起動処理か復帰処理のいずれで発生したのか、を示す情報の読み出しを行う。
【0062】
以上、述べたように本実施例では、通信制御部200に監視モードと通常モードという2つの動作モードを備え、省電力モードからの復帰時に監視モードに移行する例を示した。これにより、情報処理装置10の省電力モードからの復帰時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知することが可能になる。
【0063】
また、省電力モードからの復帰要因はパケット受信だけではない。省電力モードから通常電力モードへと復帰する際の他の条件としては、例えば、電源スイッチの押下などのユーザによる入力が挙げられる。そこで、復帰要因ごとに異なる「停止ステップと故障可能性のある部品IDの対応リスト」を保持することが考えられる。具体的には、ユーザによる入力が復帰要因となった場合は、図10に示すリストに対して、ディスプレイ(不図示)の表示処理が正常終了したかどうかを示すようなステップが追加される。このように、復帰要因ごとに異なる「停止ステップと故障可能性のある部品IDの対応リスト」を保持することにより、復帰要因に応じた、きめ細かい障害情報をメンテナンス情報に付加することが可能になる。
【0064】
[第3の実施例]
以下、本発明を実施するための第3の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、とくに印刷装置の電源投入などによる起動途中に障害が発生した場合に、その障害情報を印刷して通知する例について述べる。
【0065】
<印刷装置の全体構成>
図12は、本実施例にかかる印刷装置600の構成例を示す図である。全体制御部700、印刷制御部800、プリンタ部601、画像処理部602、記憶装置603、電源部604、電源スイッチ605、不揮発メモリ606から構成されている。
【0066】
全体制御部700は、CPUやメモリなどから構成され、印刷装置全体の制御をつかさどる部分である。印刷制御部800は、CPUやメモリなどから構成され、プリンタ部の制御をつかさどる部分である。プリンタ部601は電気的な画像信号を記録紙上に可視像としてプリントするブロックであり、レーザビームプリンタやインクジェットプリンタにより構成される。画像処理部602は記録画像処理を行うブロックである。記録画像処理は画像データを記録解像度にあわせて解像度変換するものであり、画像の変倍、スムージング、濃度補正等の各種画像処理を施して高精細な画像データに変換しレーザビームプリンタ等に出力する。記憶装置603は、例えばHDDなどのメモリデバイスであり、画像データを一時的に格納するだけでなく、全体制御部700が実行するプログラムやデータを格納する。また、情報処理装置内の各部へ電源を供給する電源部604と、ユーザによる電源投入操作を受け付ける電源スイッチ605を備える。さらに、全体制御部700の起動時に、印刷制御部800に通知するデータを格納するための不揮発メモリ606を備える。また、電源部604から各構成部へ電源の供給を行える構成とする。
【0067】
全体制御部700は、演算処理などを行うCPU701と、アドレスバスおよびデータバスを制御するバス制御部702と、全体制御部ブートプログラム(図示せず)を記憶するブートROM703と、メインメモリ704を備え、各部間はバスで接続されている。なお、図12では、データバスのみを示している。ブートROM703に格納されている全体制御部ブートプログラムは、印刷装置600内の各ハードウェアの初期化およびOSのロードなどを行う。また、ブートプログラムにおいて、所定のステップまで到達すると不揮発メモリ606の所定の領域に到達したステップがわかるデータを書き込む。もちろん、記憶装置603に書き込んでもよいし、印刷制御部602に直接伝えるようにしてもよい。メインメモリ704はランダムアクセスメモリであり、CPU701のワークメモリである。
【0068】
印刷制御部800は、演算処理などを行うCPU801と、アドレスバスおよびデータバスを制御するバス制御部802を備える。また、印刷制御部ブートプログラム(図示せず)を記憶するブートROM803と、メインメモリ804、タイマ805を備え、各部間はバスで接続されている。なお、図12では、データバスのみを示している。ブートROM803に格納されているブートプログラムは、印刷制御部800内の各ハードウェアの初期化およびOSのロードなどを行う。メインメモリ804はランダムアクセスメモリであり、CPU801のワークメモリである。タイマ805は、CPU801に一定時間経過後に通知を行う機能を有する。
【0069】
印刷装置600は、全体制御部700の起動中に障害が発生した際の印刷する障害情報を含む画像データを不揮発メモリ608に保持する。もちろん、記憶装置605などの他の手段に保持してもよい。
【0070】
<障害情報印刷フロー>
以下、印刷装置600への電源供給時に全体制御部700に障害が発生した場合の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0071】
電源スイッチ605が投入されると、電源部604に通知され、電源部604は各構成部に電源を供給する。電源が供給されると、全体制御部700と印刷制御部800は、起動処理を開始する。全体制御部700の起動処理のフローは、図4と基本的には同一である。つまり、分割された4つのステップを実行し、各々のステップが終了した際に、不揮発メモリ606に書き込みを行うものとする。
【0072】
4つのステップのそれぞれの説明を行う。ステップ1でCPU701内部の初期化を行う。ステップ2で、メインメモリ704の初期化を行う。ステップ3で記憶装置603の初期化を行う。ステップ4で記憶装置603からOSのロードを行う。このように、ステップを区切ることで、停止したステップと、故障の可能性がある部分の対応が明確になる。停止したステップと、故障の可能性がある部品IDの対応リストは図5と同様である。
【0073】
次に、印刷制御部800の起動処理に関して説明する。図13に、印刷制御部800の起動処理に関するフローチャートを示す。
【0074】
電源が供給されると印刷制御部800のCPU801は、ブートROM803に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S601)。次に、CPU801はブートプログラムにおいて印刷制御部800内部の初期化を行い、プログラムのロードを行う(S602)。その後、印刷制御部800は、本実施例において監視モードと呼ぶ動作モードに移行する(S603)。印刷制御部800は、全体制御部700の起動処理が完了するまでは監視モードで動作し、完了後は通常通りの印刷要求に応じた印刷制御を行うモード(通常モード)で動作する。
【0075】
CPU801は監視モードに移行すると、所定時間が経過した後にCPU801に対し通知を行うようにタイマ805を設定する(S604)。本実施例では、タイマ805に設定する所定時間とは、全体制御部700が起動完了する時間よりも十分長い時間とする。これにより、タイマ805からの通知が来るまでに、全体制御部700の起動処理が完了していなければ、障害が発生した、と判断することができる。もちろん、タイマ805に設定する所定時間を全体制御部700が起動完了する時間よりも短い時間として、所定の回数通知が来ると、全体制御部700に障害が発生した、と判断してもよい。
【0076】
次にCPU801は、不揮発メモリ606の所定の領域(例えばアドレス0)の読み出しを行う(S605)。読み出すアドレスは、ほかの実施例で前述したとおり、全体制御部700のCPU701が、起動処理中に書き込みを行うアドレスと同一とする。
【0077】
CPU801は、読み出したデータを解析し、全体制御部700の起動処理がどのステップまで進んだかを確認する(S606)。具体的には、読み出したデータが1であれば全体制御部700の起動処理はステップ1が完了していると判断できる。同様に、本実施例では、全体制御部700の起動処理が完了した時に書き込まれるデータは4であるため、S606では、CPU801が、読み出したデータが4であるかどうかを判断する。CPU801は、読み出したデータが4であれば、全体制御部700の起動処理が完了していると判断できるため、動作モードを監視モードから通常モードに移行し(S607)、印刷制御部800の起動処理を完了する。
【0078】
一方、S606で、CPU801が読み出したデータが4でなければ、タイマ805からの通知の有無、を判断する(S608)。通知が来ていない場合にはS605に戻り、通知が来ている場合にはCPU801が全体制御部700の起動時に障害が発生したと判断する。この際には、まず不揮発メモリ606の所定の領域(例えばアドレス4)を読み出し、画像データを読み出す(S609)。画像データには、印刷装置を管理する事業者の連絡先などが含まれる。次に、読み出した印刷画像に対して、S605で読み出したデータに応じた障害情報画像を付加する(S610)。
【0079】
図14に、読み出したデータが1つまり、全体制御部700がステップ1とステップ2の間で障害が発生した場合に印刷される画像を示す。図14に示すように、本実施例では障害が発生したステップに応じて故障の可能性がある部品リストを表示することで、事業者は印刷装置が設置されている場所へ訪問する際に、必要な部品のみを準備すればよくなる。
【0080】
次に、障害情報画像を含む画像データを、画像処理部602に送信し、画像処理を実行する(S611)。最後に、画像処理をされた画像データをプリンタ部601に送信し、印刷を実行する(S612)。
【0081】
以上、述べたように印刷制御部800に監視モードと通常モードという2つの動作モードを備えることにより、専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を印刷することが可能になる。
【0082】
なお、本実施例に前述した第2の実施例の制御を応用することも可能である。具体的には、印刷装置が省電力モードから通常電力モードへと復帰する際に発生した障害を、外部通知するのではなく、図14に示すようなレポートの形で印刷出力する。
【0083】
[第4の実施例]
以下、本発明を実施するための第4の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、情報処理装置10の通信制御部200が全体制御部100の電源を制御し、起動途中に発生する障害を通知する例を示す。
【0084】
本実施例における、情報処理装置10、通信システム1000、拠点監視端末301、管理端末304の構成は、第1の実施例と同一である。ただし、電源部11は、電源スイッチ12が投入された際に、全体制御部100には電源を供給しない。
【0085】
<障害通知フロー>
以下、情報処理端末300−1への電源供給時に全体制御部100に障害が発生した場合の動作について図を用いて詳細に説明する。
【0086】
電源スイッチ12が投入されると、電源部11に通知され、電源部11は全体制御部100を除く各構成部に電源を供給する。電源が供給されると、通信制御部200は、起動処理を開始する。
【0087】
図15を参照し、通信制御部200の起動処理に関して説明する。図14では、通信制御部200の起動処理に関するフローチャートを示す。
【0088】
電源が供給されると通信制御部200のCPU201は、ブートROM203に格納されているブートプログラムの読み出しを開始する(S701)。次に、CPU201はブートプログラムにおいて通信制御部200内部の初期化を行い、プログラムのロードを行う(S702)。その後、通信制御部200は、電源部11を制御し、全体制御部100のへ電源を供給する(S703)。
【0089】
次に、通信制御部200は、全体制御部100の起動処理が完了するまで監視モードに移行する(S704)。CPU201は監視モードに移行すると、所定時間が経過した後にCPU201に対し通知を行うようにタイマ205を設定する(S705)。本実施例では、タイマ205に設定する所定時間とは、全体制御部100が起動完了する時間よりも十分長い時間とする。これにより、タイマ205からの通知が来るまでに、全体制御部100の起動処理が完了していなければ、障害が発生した、と判断することができる。もちろん、タイマ205に設定する所定時間を全体制御部100が起動完了する時間よりも短い時間として、所定の回数通知が来ると、全体制御部100に障害が発生した、と判断してもよい。
【0090】
次にCPU201は、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス0)の読み出しを行う(S706)。読み出すアドレスは、ほかの実施例で前述したとおり、全体制御部100のCPU101が、起動処理中に書き込みを行うアドレスと同一とする。
【0091】
CPU201は、読み出したデータを解析し、全体制御部100の起動処理がどのステップまで進んだかを確認する(S707)。具体的には、読み出したデータが1であれば全体制御部100の起動処理はステップ1が完了していると判断できる。本実施例では、全体制御部100の起動処理が完了した時に書き込まれるデータは4であるため、S707で、CPU201が読み出したデータが4であるかどうかを判断する。CPU201は、読み出したデータが4であれば、全体制御部100の起動処理が完了していると判断できるため、動作モードを監視モードから通常モードに移行し(S708)、通信制御部200の起動処理を完了する。
【0092】
一方、S707で、CPU201が読み出したデータが4でなければ、タイマ205からの通知の有無を判断する(S709)。通知が来ていない場合にはS706に戻り、通知が来ている場合にはCPU201が全体制御部100の起動時に障害が発生したと判断する。この際には、不揮発メモリ14の所定の領域(例えばアドレス4)を読み出し、拠点監視端末301のIPアドレスを取得する(S710)。次に、S707において読み出した起動処理がどのステップまで進んだかを示すデータを含むメンテナンス情報を、S710にて取得したIPアドレスで通信部206を介して拠点監視端末301に送信する(S711)。
【0093】
全体制御部100の起動処理は、図4に示すフローチャートと同一である。また、管理端末304のメンテナンス情報受信時の動作は図7に示すフローチャートと同一である。
【0094】
以上、述べたように通信制御部200に先行して電源を供給する構成においても、専用の監視制御部を備えることなく、起動時に発生する障害を監視し、その内容を管理者に通知することが可能になる。
【0095】
[他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置全体の制御を行うための制御部と、装置に関する情報をネットワークを介して送受信する通常モードとして動作する通信制御部とを備える情報処理装置であって、
情報処理装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込み、
情報処理装置の起動に際して、前記通信制御部の動作モードが監視モードに移行し、
監視モードに移行した前記通信制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視し、
異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記通信制御部が、ネットワークに対して異常の発生を出力し、
異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記通信制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする情報処理装置
【請求項2】
前記情報処理装置の起動は、当該装置の電源の投入または省電力モードから通常電力モードへの復帰であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置の起動は、当該装置の省電力モードから通常電力モードへの復帰であって、
前記復帰の要因に応じて、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理が異なることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、プリント部及びスキャナ部の少なくとも何れかを備える画像形成装置であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
装置全体の制御を行うための制御部と、装置に関する情報をネットワークを介して送受信する通常モードとして動作する通信制御部とを備える情報処理装置のおける監視方法であって、
情報処理装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込む工程を有し、
情報処理装置の起動に際して、前記通信制御部の動作モードが監視モードに移行し、
監視モードに移行した前記通信制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視する工程と、
異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記通信制御部が、ネットワークに対して異常の発生を出力する工程とを有し、
異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記通信制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする監視方法。
【請求項6】
前記情報処理装置の起動は、当該装置の電源の投入または省電力モードから通常電力モードへの復帰であることを特徴とする請求項5に記載の監視方法。
【請求項7】
前記情報処理装置の起動は、当該装置の省電力モードから通常電力モードへの復帰であって、
省電力モードから通常電力モードへの復帰の要因に応じて、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理が異なることを特徴とする請求項6に記載の監視方法。
【請求項8】
前記情報処理装置は、プリント部及びスキャナ部の少なくとも何れかを備える画像形成装置であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の監視方法。
【請求項9】
装置全体の制御を行うための制御部と、印刷要求に従い印刷処理を行う通常モードとして動作する印刷制御部とを備える印刷装置であって、
印刷装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込み、
印刷装置の起動に際して、前記印刷制御部の動作モードが監視モードに移行し、
監視モードに移行した前記印刷制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視し、
異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記印刷制御部が、異常の発生を示す印刷出力を行い、
異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記印刷制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
装置全体の制御を行うための制御部と、印刷要求に従い印刷処理を行う通常モードとして動作する印刷制御部とを備える印刷装置における監視方法であって、
印刷装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込む工程を有し、
印刷装置の起動に際して、前記印刷制御部の動作モードが監視モードに移行し、
監視モードに移行した前記印刷制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視する工程と、
異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記印刷制御部が、異常の発生を示す印刷出力を行う工程とを有し、
異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記印刷制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする監視方法。
【請求項1】
装置全体の制御を行うための制御部と、装置に関する情報をネットワークを介して送受信する通常モードとして動作する通信制御部とを備える情報処理装置であって、
情報処理装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込み、
情報処理装置の起動に際して、前記通信制御部の動作モードが監視モードに移行し、
監視モードに移行した前記通信制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視し、
異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記通信制御部が、ネットワークに対して異常の発生を出力し、
異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記通信制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする情報処理装置
【請求項2】
前記情報処理装置の起動は、当該装置の電源の投入または省電力モードから通常電力モードへの復帰であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置の起動は、当該装置の省電力モードから通常電力モードへの復帰であって、
前記復帰の要因に応じて、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理が異なることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、プリント部及びスキャナ部の少なくとも何れかを備える画像形成装置であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
装置全体の制御を行うための制御部と、装置に関する情報をネットワークを介して送受信する通常モードとして動作する通信制御部とを備える情報処理装置のおける監視方法であって、
情報処理装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込む工程を有し、
情報処理装置の起動に際して、前記通信制御部の動作モードが監視モードに移行し、
監視モードに移行した前記通信制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視する工程と、
異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記通信制御部が、ネットワークに対して異常の発生を出力する工程とを有し、
異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記通信制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする監視方法。
【請求項6】
前記情報処理装置の起動は、当該装置の電源の投入または省電力モードから通常電力モードへの復帰であることを特徴とする請求項5に記載の監視方法。
【請求項7】
前記情報処理装置の起動は、当該装置の省電力モードから通常電力モードへの復帰であって、
省電力モードから通常電力モードへの復帰の要因に応じて、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理が異なることを特徴とする請求項6に記載の監視方法。
【請求項8】
前記情報処理装置は、プリント部及びスキャナ部の少なくとも何れかを備える画像形成装置であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の監視方法。
【請求項9】
装置全体の制御を行うための制御部と、印刷要求に従い印刷処理を行う通常モードとして動作する印刷制御部とを備える印刷装置であって、
印刷装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込み、
印刷装置の起動に際して、前記印刷制御部の動作モードが監視モードに移行し、
監視モードに移行した前記印刷制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視し、
異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記印刷制御部が、異常の発生を示す印刷出力を行い、
異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記印刷制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
装置全体の制御を行うための制御部と、印刷要求に従い印刷処理を行う通常モードとして動作する印刷制御部とを備える印刷装置における監視方法であって、
印刷装置の起動に際して、前記制御部が、当該起動に際して行うべき複数の処理を順次、実行して、各処理が完了するごとに所定の記憶領域に当該処理が完了した旨の情報を書き込む工程を有し、
印刷装置の起動に際して、前記印刷制御部の動作モードが監視モードに移行し、
監視モードに移行した前記印刷制御部が、前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報の前記所定の記憶領域に対する書き込みの有無に基づき、起動に際しての異常の発生を監視する工程と、
異常が発生した際には、前記監視モードに移行した前記印刷制御部が、異常の発生を示す印刷出力を行う工程とを有し、
異常が発生することなく、前記所定の記憶領域に対して前記複数の処理の中で最後に実行される処理が完了した旨の情報が書き込まれた際には、前記印刷制御部の動作モードが前記監視モードから前記通常モードに移行することを特徴とする監視方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−8228(P2013−8228A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140880(P2011−140880)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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