説明

情報処理装置、広告情報配信装置、及び広告情報配信システム

【課題】プライバシーの保護はもちろん、紹介するに相応しい広告情報を適切に利用者
へ紹介することのできる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】車両1などの移動体に搭載される情報処理装置2において、特定施設にお
いて提供されるサービスを利用者U(例えば、車両1の運転手)が利用するにあたって利
用者Uにとって制限となり得る(広告情報配信装置5から送信されてくる)制限情報と、
利用者Uに関する利用者情報及び/又は車両1などの移動体に関する移動体情報とに基づ
いて、サービスの広告情報を利用者Uへ紹介すべきか否かを判断する手段と、サービスの
広告情報を利用者Uへ紹介すべきと判断された場合、サービスの広告情報を利用者へ紹介
する手段とを装備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、広告情報配信装置、及び広告情報配信システムに関し、より詳
細には、車両などの移動体に搭載される情報処理装置、広告情報を配信するための広告情
報配信装置、及び広告情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近は、携帯電話などの移動体通信手段を用いて、インターネットなどのネットワーク
に接続することによって、利用者は車両での移動中であったとしても、様々な情報を取得
することができるようになっている。例えば、訪問先となる土地の行楽地情報や宿泊施設
情報を取得することによって、観光地を訪問したり、ホテルの予約をすることなどができ
るようになっている。
【0003】
ところで、車両での移動中のとき、利用者は現在地周辺や目的地周辺など、特定の地域
に存在する施設の広告情報を取得したい場合がある。しかしながら、特定の地域に存在す
る施設の広告情報を利用者自身で捜し出すのは容易なことではない。そのため、利用者は
特定の地域に存在する施設の広告情報を容易に取得することはできなかった。
【0004】
このような問題を解決するものとして、例えば、下記の特許文献1に、車両の現在位置
をサーバー側で管理し、特定施設に対する車両の到着可能時間を予測し、この到着可能時
間に基づいて、広告情報の配信先となる車両を特定することによって、施設を利用してく
れる可能性の高い利用者のみに的を絞った、効率の良い広告情報配信を実現できるように
した技術について開示されている。
【0005】
しかしながら、これでは車両の現在位置がサーバーで管理されることになり、プライバ
シー保護の観点から問題がある。また、車両の現在位置情報だけでは、配信するに相応し
い対象を特定することは困難である。例えば、車両の現在位置からあまり遠くないところ
に存在する施設であったとしても、目的地と正反対の方向に存在する場合や、目的地から
大きく離れている場合、その施設に関する広告情報は利用者へ紹介するに相応しい情報と
はあまり言えない。
従って、配信するに相応しい対象をより精度良く特定するには、車両の現在位置だけで
なく、目的地などについても、サーバーで管理する必要がある。しかしながら、これを実
現するにはプライバシー保護の観点からやはり問題がある。
【特許文献1】特開2003−130660号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、プライバシーの保護はもちろん、紹介
するに相応しい広告情報を適切に利用者へ紹介することのできる情報処理装置、広告情報
配信装置、及び広告情報配信システムを提供することを目的としている。
【0007】
上記目的を達成するために本発明に係る情報処理装置(1)は、移動体に搭載される情
報処理装置において、特定施設において提供されるサービスを利用者が利用するにあたっ
て該利用者にとって制限となり得る制限情報と、前記利用者に関する利用者情報及び/又
は前記移動体に関する移動体情報とに基づいて、前記サービスの広告情報を前記利用者へ
紹介すべきか否かを判断する紹介要否判断手段と、該紹介要否判断手段により前記サービ
スの広告情報を前記利用者へ紹介すべきと判断された場合、前記サービスの広告情報を利
用者へ紹介する紹介手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記情報処理装置(1)によれば、前記特定施設において提供されるサービスを利用者
が利用するにあたって該利用者にとって制限となり得る制限情報と、前記利用者に関する
利用者情報及び/又は前記移動体に関する移動体情報とに基づいて、前記サービスの広告
情報(例えば、前記特定施設に関する情報や、前記サービスの内容に関する情報)を前記
利用者へ紹介すべきか否かが判断され、紹介すべきと判断された場合、前記サービスの広
告情報が前記利用者へ紹介される。例えば、電化製品の安売りサービスを実施している電
気屋に到着するまでに要する時間が30分であり、電気屋の閉店まで残り30分以下であ
る場合、このサービスの広告情報は利用者へ紹介すべきものでないと判断することができ
る。
【0009】
このように、前記利用者へ紹介すべき広告情報であるか否かの判断処理(すなわち、前
記利用者へ紹介するに相応しい広告情報の選択処理)が、広告情報を配信する配信者側で
はなく、前記利用者側で行われる。従って、前記配信者側に前記利用者のプライバシーに
関する情報を送信しておかなくて良いので、前記利用者のプライバシーの保護を図ること
ができる。
【0010】
また、本発明に係る情報処理装置(2)は、上記情報処理装置(1)において、前記紹
介要否判断手段が、前記サービスを前記利用者が利用し得る場合、前記サービスの広告情
報を前記利用者へ紹介すべきと判断するものであることを特徴としている。
【0011】
上記情報処理装置(2)によれば、前記サービスを前記利用者が利用し得る場合、前記
サービスの広告情報が前記利用者へ紹介すべきものと判断される。すなわち、前記利用者
が利用することのできないサービスの広告情報は、前記利用者へ紹介されないことになる
。これにより、前記利用者へ紹介するに相応しい広告情報だけを前記利用者へ紹介するこ
とができる。
【0012】
また、本発明に係る情報処理装置(3)は、上記情報処理装置(2)において、前記制
限情報に、前記サービスが提供される有効期間情報と、前記特定施設の所在地情報とが含
まれ、前記移動体に関する移動体情報に、前記移動体の現在地情報が含まれ、前記紹介要
否判断手段が、前記有効期間情報と、前記特定施設の所在地情報と、前記移動体の現在位
置情報とに基づいて、前記有効期間と、前記移動体が前記特定施設へ到達するまでに要す
る時間との関係性から、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否かを判断するもので
あることを特徴としている。
【0013】
上記情報処理装置(3)によれば、前記サービスが提供される有効期間(例えば、営業
時間)と、前記移動体が前記特定施設へ到達するまでに要する時間との関係性から、前記
サービスを前記利用者が利用し得るか否かが判断される。例えば、電化製品の安売りサー
ビスを実施している電気屋に到着するまでに要する時間が30分であり、電気屋の閉店ま
で残り30分以下である場合、このサービスを利用者は利用し得ないと判断されることに
なる。このように、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否かの判断を適切に行うこ
とができるようになる。従って、前記利用者へ紹介するに相応しい広告情報だけをより適
切に前記利用者へ紹介することができる。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置(4)は、上記情報処理装置(2)又は(3)におい
て、前記制限情報に、前記特定施設において提供される物の重量及び/又は大きさに関す
る情報が含まれ、前記移動体に関する移動体情報に、前記移動体の積載制限情報が含まれ
、前記紹介要否判断手段が、前記物の重量及び/又は大きさに関する情報と、前記移動体
の積載制限情報とに基づいて、前記物の前記移動体への積載可否から、前記サービスを前
記利用者が利用し得るか否かを判断するものであることを特徴としている。
【0015】
上記情報処理装置(4)によれば、前記物の重量及び/又は大きさに関する情報と、前
記移動体の積載制限情報とに基づいて判断される、前記物の前記移動体への積載可否から
、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否かが判断される。例えば、家具屋で安く売
られているタンスが前記移動体に積むことができない場合、このサービスを利用者は利用
し得ないと判断されることになる。このように、前記サービスを前記利用者が利用し得る
か否かの判断を適切に行うことができるようになる。従って、前記利用者へ紹介するに相
応しい広告情報だけをより適切に前記利用者へ紹介することができる。
【0016】
また、本発明に係る情報処理装置(5)は、上記情報処理装置(2)〜(4)のいずれ
かにおいて、前記制限情報に、前記特定施設において提供される物を積載し得る車種情報
が含まれ、前記移動体に関する移動体情報に、前記移動体の車種情報が含まれ、前記紹介
要否判断手段が、前記物を積載し得る車種情報と、前記移動体の車種情報とに基づいて、
前記物の前記移動体への積載可否から、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否かを
判断するものであることを特徴としている。
【0017】
上記情報処理装置(5)によれば、前記物を積載し得る車種情報と、前記移動体の車種
情報とに基づいて判断される、前記物の前記移動体への積載可否から、前記サービスを前
記利用者が利用し得るか否かが判断される。例えば、家具屋で安く売られているタンスが
前記移動体に積むことができない場合、このサービスを利用者は利用し得ないと判断され
ることになる。このように、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否かの判断を適切
に行うことができるようになる。従って、前記利用者へ紹介するに相応しい広告情報だけ
をより適切に前記利用者へ紹介することができる。
【0018】
また、本発明に係る情報処理装置(6)は、上記情報処理装置(2)〜(5)のいずれ
かにおいて、前記制限情報に、前記特定施設において提供されるサービスを利用し得る人
に関する情報が含まれ、前記紹介要否判断手段が、前記人に関する情報と、前記利用者に
関する利用者情報とに基づいて、前記利用者が前記サービスを利用し得るか否かを判断す
るものであることを特徴としている。
【0019】
上記情報処理装置(6)によれば、前記サービスを利用し得る人に関する情報(例えば
、年齢制限情報や、性別制限情報)と、前記利用者に関する利用者情報とに基づいて、前
記サービスを前記利用者が利用し得るか否かが判断される。例えば、エステなどの美容に
関するサービスで対象が女性であり、前記利用者が男性である場合、このサービスを利用
者は利用し得ないと判断されることになる。このように、前記サービスを前記利用者が利
用し得るか否かの判断を適切に行うことができるようになる。従って、前記利用者へ紹介
するに相応しい広告情報だけをより適切に前記利用者へ紹介することができる。
【0020】
また、本発明に係る情報処理装置(7)は、上記情報処理装置(1)〜(6)のいずれ
かにおいて、前記紹介要否判断手段が、前記サービスを前記利用者が利用する価値が有る
又は高い場合、前記サービスの広告情報を前記利用者へ紹介すべきと判断するものである
ことを特徴としている。
【0021】
上記情報処理装置(7)によれば、前記サービスを前記利用者が利用する価値が有る又
は高い場合、前記サービスの広告情報が前記利用者へ紹介すべきものと判断される。すな
わち、前記利用者が利用する価値が無い又は低いサービスの広告情報は、前記利用者へ紹
介されないことになる。これにより、前記利用者へ紹介するに相応しい広告情報だけを前
記利用者へ紹介することができる。
【0022】
また、本発明に係る情報処理装置(8)は、上記情報処理装置(7)において、前記制
限情報に、前記特定施設において提供される物の品目に関する情報が含まれ、前記利用者
に関する利用者情報に、前記利用者における不足品の品目情報が含まれ、前記紹介要否判
断手段が、前記物の品目に関する情報と、前記利用者における不足品の品目情報とに基づ
いて、前記物の品目が不足している場合、前記サービスを前記利用者が利用する価値が有
る又は高いと判断するものであることを特徴としている。
【0023】
上記情報処理装置(8)によれば、前記物の品目に関する情報と、前記利用者における
不足品の品目情報とに基づいて、前記物の品目が不足している場合、前記サービスを前記
利用者が利用する価値が有る又は高いと判断される。例えば、スーパーで牛乳や卵などが
安く売られている場合、前記利用者の冷蔵庫にこれら牛乳や卵が無い場合、このサービス
を利用者が利用する価値は有る又は高いと判断されることになる。このように、前記サー
ビスを前記利用者が利用する価値が有る又は高いの判断を適切に行うことができるように
なる。従って、前記利用者へ紹介するに相応しい広告情報だけをより適切に前記利用者へ
紹介することができる。
【0024】
また、本発明に係る情報処理装置(9)は、上記情報処理装置(7)又は(8)におい
て、前記制限情報に、前記特定施設の所在地情報が含まれ、前記移動体に関する移動体情
報に、前記移動体の現在地情報と、前記移動体の目的地情報とが含まれ、前記紹介要否判
断手段が、前記特定施設の所在地情報と、前記移動体の現在地情報と、前記移動体の目的
地情報とに基づいて、前記特定施設へ立ち寄った場合の前記目的地への到着時間遅れの大
きさから、前記サービスを前記利用者が利用する価値が有る又は高いか否かを判断するも
のであることを特徴としている。
【0025】
上記情報処理装置(9)によれば、前記特定施設へ立ち寄った場合の前記目的地への到
着時間遅れの大きさから、前記サービスを前記利用者が利用する価値が有る又は高いかが
判断される。例えば、電化製品の安売りサービスを実施している電気屋へ立ち寄った場合
に、前記目的地へ到着する時間が所定の時間(例えば、1時間)以上遅れるとき、このサ
ービスを前記利用者が利用する価値は無い又は低いと判断されることになる。このように
、前記サービスを前記利用者が利用する価値が有る又は高いの判断を適切に行うことがで
きるようになる。従って、前記利用者へ紹介するに相応しい広告情報だけをより適切に前
記利用者へ紹介することができる。
【0026】
また、本発明に係る情報処理装置(10)は、上記情報処理装置(1)〜(9)のいず
れかにおいて、前記サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合を求める度合算出手
段を備え、前記紹介手段が、前記度合算出手段により求められた前記サービスを利用し得
る可能性の度合に基づいて、前記サービスの広告情報の前記利用者への紹介形態を変更す
るものであることを特徴としている。
【0027】
上記情報処理装置(10)によれば、前記サービスを利用し得る可能性の度合に基づい
て、前記サービスの広告情報の前記利用者への紹介形態が変更される。例えば、電化製品
の安売りサービスを実施している電気屋の閉店まで残り30分以上ある場合と、閉店まで
30分を切っている場合とで、前記サービスの広告情報の前記利用者への紹介形態が変更
される。これにより、時間的余裕があるかどうかなどを、前記利用者は情報の紹介形態か
ら容易に把握することができるようになる。
【0028】
また、本発明に係る情報処理装置(11)は、上記情報処理装置(10)において、前
記度合算出手段が、前記サービスが提供される有効期間情報と、前記特定施設の所在地情
報と、前記移動体の現在位置情報とに基づいて、前記有効期間と、前記移動体が前記特定
施設へ到達するまでに要する時間との関係性から、前記サービスを前記利用者が利用し得
る可能性の度合を求めるものであることを特徴としている。
【0029】
上記情報処理装置(11)によれば、前記サービスが提供される有効期間(例えば、営
業時間)と、前記移動体が前記特定施設へ到達するまでに要する時間との関係性から、前
記サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合が求められる。例えば、電化製品の安
売りサービスを実施している電気屋の閉店まで残り1時間となった時点で、30分以内で
電気屋へ到着できる場合(すなわち、電気屋で活動できる時間が30分以上ある場合)に
は、前記サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合は比較的高いと判断され、他方
、電気屋への到着に30分より長くかかる場合(すなわち、電気屋で活動できる時間が3
0分を切っている場合)には、前記サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合は比
較的低いと判断されることになる。従って、前記サービスを前記利用者が利用し得る可能
性の度合を適切に求めることができる。
【0030】
また、本発明に係る情報処理装置(12)は、上記情報処理装置(10)において、前
記度合算出手段が、前記サービスにおいて提供される物の残数情報に基づいて、前記サー
ビスを前記利用者が利用し得る可能性の度合を求めるものであることを特徴としている。
【0031】
上記情報処理装置(12)によれば、前記サービスにおいて提供される物の残数情報に
基づいて、前記サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合が求められる。例えば、
電気屋で安売りが実施されているテレビの台数が残り10台以上である場合、前記サービ
スを前記利用者が利用し得る可能性の度合は比較的高いと判断され、10台未満である場
合、前記サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合は比較的低いと判断されること
になる。従って、前記サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合を適切に求めるこ
とができる。
【0032】
また、本発明に係る広告情報配信装置(1)は、特定施設において提供されるサービス
の広告情報を配信するための広告情報配信装置において、前記サービスの広告情報に付加
して、前記サービスを利用者が利用するにあたって該利用者にとって制限となり得る制限
情報を配信する配信手段を備えていることを特徴としている。
【0033】
上記広告情報配信装置(1)によれば、前記サービスの広告情報に付加して、前記サー
ビスを利用者が利用するにあたって該利用者にとって制限となり得る前記制限情報が配信
されるので、移動体に搭載される情報処理装置は、前記サービスの広告情報だけでなく、
前記制限情報についても受信して取得することができるようになる。
【0034】
従って、前記情報処理装置で、前記制限情報に基づいて、前記サービスの広告情報を前
記利用者へ紹介すべきか否かを判断することができ、そして紹介すべきと判断したものだ
けを前記利用者へ紹介することができるようになる。このように、前記利用者へ紹介すべ
き情報であるか否かの判断処理(すなわち、前記利用者へ紹介するに相応しい広告情報の
選択処理)が、広告情報を配信する配信者側ではなく、前記利用者側で行われる。そのた
め、前記配信者側に前記利用者のプライバシーに関する情報を送信しておかなくて良いの
で、前記利用者のプライバシーの保護を図ることができる。
【0035】
また、本発明に係る広告情報配信装置(2)は、上記広告情報配信装置(1)において
、前記制限情報に、前記サービスが提供される有効期間情報と、前記特定施設の所在地情
報と、前記特定施設において提供される物の重量及び/又は大きさに関する情報と、前記
特定施設において提供される物を積載し得る車種情報と、前記特定施設において提供され
るサービスを利用し得る人に関する情報とのうち、少なくとも一つの情報が含まれている
ことを特徴としている。
【0036】
上記広告情報配信装置(2)によれば、前記制限情報に、前記サービスが提供される有
効期間情報と、前記特定施設の所在地情報と、前記特定施設において提供される物の重量
及び/又は大きさに関する情報と、前記特定施設において提供される物を積載し得る車種
情報と、前記特定施設において提供されるサービスを利用し得る人に関する情報とのうち
、少なくとも一つの情報が含まれている。従って、前記移動体に搭載される情報処理装置
で、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否かの判断や、前記サービスを前記利用者
が利用する価値が有る又は高いか否かの判断、前記サービスを前記利用者が利用し得る可
能性の度合の算出などを適切に行うことができる。
【0037】
また、本発明に係る広告情報配信システム(1)は、上記情報処理装置(1)〜(12
)のいずれかと、特定施設において提供されるサービスの広告情報を配信するための広告
情報配信装置とを含んで構成される広告情報配信システムであって、前記広告情報配信装
置が、前記サービスの広告情報に付加して、前記サービスを利用者が利用するにあたって
該利用者にとって制限となり得る制限情報を配信する配信手段を備えていることを特徴と
している。
【0038】
上記広告情報配信システム(1)によれば、前記特定施設において提供されるサービス
を利用者が利用するにあたって該利用者にとって制限となり得る制限情報と、前記利用者
に関する利用者情報及び/又は前記移動体に関する移動体情報とに基づいて、前記サービ
スの広告情報(例えば、前記特定施設に関する情報や、前記サービスの内容に関する情報
)を前記利用者へ紹介すべきか否かが判断され、紹介すべきと判断された場合、前記サー
ビスの広告情報が前記利用者へ紹介される。例えば、電化製品の安売りサービスを実施し
ている電気屋に到着するまでに要する時間が30分であり、電気屋の閉店まで残り30分
以下である場合、このサービスの広告情報は利用者へ紹介すべきものでないと判断するこ
とができる。
【0039】
このように、前記利用者へ紹介すべき広告情報であるか否かの判断処理(すなわち、前
記利用者へ紹介するに相応しい広告情報の選択処理)が、広告情報を配信する配信者側で
はなく、前記利用者側で行われる。従って、前記配信者側に前記利用者のプライバシーに
関する情報を送信しておかなくて良いので、前記利用者のプライバシーの保護を図ること
ができる。また、前記制限情報は、前記広告情報配信装置から前記サービスの広告情報に
付加して配信されるので、前記情報処理装置は、前記サービスの広告情報だけでなく、前
記制限情報についても、最新のものを取得することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明に係る情報処理装置、広告情報配信装置、及び広告情報配信システムの実
施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態(1)に係る情報処理装置、及
び広告情報配信装置を含んで構成される広告情報配信システムの要部を概略的に示したブ
ロック図である。図中1は車両を示しており、車両1にはナビゲーション機能を有した情
報処理装置2が装備されている。情報処理装置2には、携帯電話などの移動体通信手段(
図示せず)が接続されており、この移動体通信手段を用いて、基地局3を介して、インタ
ーネットなどのネットワーク4と繋がることができ、ネットワーク4に接続されている広
告情報配信装置5などとの間でデータのやり取りを行うことができるようになっている。
【0041】
広告情報配信装置5は、CPU(図示せず)などを有したマイコン6と、通信手段7と
、記憶手段8とを含んで構成されている。記憶手段8には各施設(例えば、スーパーや電
気屋)において提供されるサービスの広告情報や、前記サービスを利用者が利用するにあ
たって該利用者にとって制限となり得る制限情報が記憶されている。なお、該制限情報と
しては、前記サービスが提供される有効期間情報や、前記特定施設の所在地情報、前記特
定施設において提供される物の重量及び/又は大きさに関する情報、前記特定施設におい
て提供される物を積載し得る車種情報、前記特定施設において提供されるサービスを利用
し得る人に関する情報(例えば、年齢制限情報、性別制限情報)などが挙げられる。
【0042】
また、マイコン6は、所定のタイミングで、通信手段7を使って、施設を識別するため
のIDコードに、当該施設において提供されるサービスの広告情報、前記制限情報、及び
データが更新された時刻情報が付加された広告データを情報処理装置2へ配信することが
できるようになっている。図2に、広告データのフォーマットの一例を示す。なお、前記
所定のタイミングとしては、例えば、情報処理装置2から前記サービスの広告情報の送信
が要求された場合などが挙げられる。
【0043】
図3は、実施の形態(1)に係る情報処理装置2の要部を概略的に示したブロック図で
ある。情報処理装置2は、CPU(図示せず)などを有したマイコン11と、地図データ
や施設データなどが記憶されたDVD−ROM12から地図データなどを読み出すための
DVDドライブ13と、ボタンスイッチ14aを有したリモコン14と、ディスプレイ1
5とを含んで構成されている。
【0044】
マイコン11に接続されているGPS受信機16は、アンテナ17を介して衛星からの
GPS信号を受信するものであり、マイコン11はGPS信号に基づいて自車位置を割り
出すことができるようになっている。また、マイコン11には移動体通信手段18が接続
されており、この移動体通信手段18を使って、広告情報配信装置5(図1参照)との間
でデータのやり取りを行うことができるようになっている。
【0045】
また、マイコン11には自車の速度に関するデータを検出するための車速センサ19と
、自車の水平面内における方位に関するデータを検出するためのジャイロセンサ20とが
接続されている。また、マイコン11には各種データを記憶しておくための記憶手段21
が接続され、広告情報配信装置5から送信されてきた広告データや、リモコン14などを
使って入力された、車両11の積載制限情報(どの程度の大きさの物まで積載可能である
のかを示した情報)や、車両11の利用者(例えば、運転手)の年齢情報や性別情報など
が記憶されるようになっている。
【0046】
次に、実施の形態(1)に係る情報処理装置2におけるマイコン11の行う処理動作[
1]を図4−1、図4−2に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理
動作[1]は広告情報配信装置5から送信されてきた広告データを受信した場合に行われ
る動作である。
【0047】
まず、受信した広告データに、新規の施設に関する広告データが含まれているか否かを
判断する(ステップS1)。上記したように、記憶手段21には広告情報配信装置5から
送信されてきた広告データが記憶されるようになっているため、記憶手段21に記憶され
ている広告データ(後述する図5参照)に含まれているIDコードと、受信した広告デー
タに含まれているIDコードとを比較検索することによって、受信した広告データに、新
規の施設に関する広告データが含まれているか否かを判断することができる。
【0048】
新規の施設に関する広告データが含まれていると判断すれば、この新規の施設に関する
広告データ(IDコード、広告情報、制限情報、更新時刻情報)を、図5に示したように
、各IDコード毎に、サービスの広告情報が紹介されているか否かを示す紹介項目(1:
紹介中、0:不紹介)に関する情報と、後述する時間余裕度(初期値は0)に関する情報
と、残数余裕度(初期値は0)に関する情報と対応づけて記憶手段21へ記憶させる(ス
テップS2)。
【0049】
次に、施設Fにおいて提供されるサービスを利用者Uが利用するにあたって利用者Uに
とって制限となり得る制限情報に、前記サービスが提供される有効期間情報(例えば、営
業時間情報や、安売りが実施されている期間情報)が含まれているか否かを判断する(ス
テップS3)。
【0050】
前記制限情報に前記有効期間情報が含まれていると判断すれば、次に、施設Fの所在地
情報と、車両1の現在地情報とに基づいて、車両1が施設Fへ到着するまでに要する時間
T1を求め(ステップS4)、求めた時間T1情報と、前記有効期間情報とに基づいて、
車両1が有効期間内に施設Fに到着可能であるか否か(すなわち、前記サービスを利用者
Uが利用し得るか否か)を判断する(ステップS5)。一方、前記制限情報に前記有効期
間情報が含まれていないと判断すれば、ステップS4、S5の処理動作を飛ばして、その
ままステップS6へ進む。
【0051】
車両1が有効期間内に施設Fに到着可能であると判断すれば、次に、前記制限情報に施
設Fにおいて提供される物の大きさに関する情報が含まれている否かを判断する(ステッ
プS6)。前記制限情報に施設Fにおいて提供される前記物の大きさに関する情報が含ま
れていると判断すれば、次に、前記物の大きさに関する情報と、車両1の積載制限情報と
に基づいて、車両1に前記物を積載し得るか否か(すなわち、前記サービスを利用者Uが
利用し得るか否か)を判断する(ステップS7)。一方、前記制限情報に前記物の大きさ
に関する情報が含まれていないと判断すれば、ステップS7の処理動作を飛ばして、その
ままステップS8へ進む。
【0052】
なお、ここでは前記物の大きさに関する情報と、車両1の積載制限情報とに基づいて、
車両1に前記物を積載し得るか否かを判断するようにしているが、別の実施の形態では、
前記物の重量に関する情報と、車両1の積載制限情報とに基づいて、車両1に前記物を積
載し得るか否かを判断するようにしても良い。また、さらに別の実施の形態では、前記物
の大きさや重量そのものに関する情報ではなく、前記物を積載し得る車種情報と、車両1
の車種情報とに基づいて、車両1に前記物を積載し得るか否かを判断するようにしても良
い。
【0053】
車両1に前記物を積載し得ると判断すれば、次に、前記制限情報に年齢制限情報が含ま
れているか否かを判断する(ステップS8)。前記制限情報に前記年齢制限情報が含まれ
ていると判断すれば、次に、前記年齢制限情報と、利用者Uの年齢情報とに基づいて、利
用者Uが年齢条件を満たしているか否か(すなわち、前記サービスを利用者Uが利用し得
るか否か)を判断する(ステップS9)。一方、前記制限情報に前記年齢制限情報が含ま
れていないと判断すれば、ステップS9の処理動作を飛ばして、そのままステップS10
へ進む。
【0054】
利用者Uが年齢条件を満たしていると判断すれば、次に、前記制限情報に性別制限情報
が含まれているか否かを判断する(ステップS10)。前記制限情報に前記性別制限情報
が含まれていると判断すれば、次に、前記性別制限情報と、利用者Uの性別情報とに基づ
いて、利用者Uが性別条件を満たしているか否か(すなわち、前記サービスを利用者Uが
利用し得るか否か)を判断し(ステップS11)、利用者Uが性別条件を満たしていると
判断すれば、ステップS21(図4−2)へ進む。一方、ステップS10において、前記
制限情報に前記性別制限情報が含まれていないと判断すれば、ステップS11の処理動作
を飛ばして、そのままステップS21へ進む。
【0055】
また、ステップS5において、車両1は有効期間内に施設Fに到着できないと判断した
場合や、ステップS7において、車両1に前記物を積載することができないと判断した場
合、ステップS9において、利用者Uが年齢条件を満たしていないと判断した場合、ステ
ップS11において、利用者Uが性別条件を満たしていないと判断した場合、すなわち、
前記サービスを利用者Uが利用することができないと判断した場合は、ステップS28(
図4−2)へ進む。
【0056】
また、ステップS1において、受信した広告データに、新規の施設に関する広告データ
が含まれていないと判断すれば、次に、受信した広告データに、記憶手段21に既に記憶
されている施設の広告データを更新したものが含まれているか否かを判断する(ステップ
S12)。図5に示したように、記憶手段21にはIDコード毎にデータが更新された更
新時刻情報が記憶されているので、この更新時刻情報と、受信した広告データに含まれて
いる更新時刻情報とを比較することによって、受信した広告データが、更新されたもので
あるか否かを判断することができる。
【0057】
受信した広告データに、更新されたデータが含まれていると判断すれば、記憶手段21
に記憶されているデータのうち、該当するものを更新し(ステップS13)、その後、処
理動作[1]を終了する。一方、更新されたデータが含まれていないと判断すれば、その
まま処理動作[1]を終了する。
【0058】
ステップS21(図4−2)では、利用者Uにより目的地Gが設定されているか否か(
すなわち、車両1が目的地Gへ向かっているか否か)を判断する。目的地Gが設定されて
いると判断すれば、次に、施設Fの所在地情報と、目的地Gの位置情報と、車両1の現在
地情報とに基づいて、車両1が施設Fを経由して目的地Gへ向かった場合に、目的地Gへ
到着するまでに要する時間T2を求め(ステップS22)、求めた時間T2情報と、施設
Fを経由せずに目的地Gへ向かった場合に目的地Gへ到着するまでに要する時間情報とに
基づいて、施設Fへ立ち寄った場合の目的地Gへの到着時間遅れが所定の時間(例えば、
1時間)以上であるか否か(すなわち、施設Fにおいて提供されるサービスを利用者Uが
利用する価値が有る又は高いか否か)を判断する(ステップS23)。
【0059】
施設Fへ立ち寄った場合の目的地Gへの到着時間遅れが前記所定の時間以上でない(す
なわち、前記サービスを利用者Uが利用する価値が有る又は高い)と判断すれば、次に、
施設Fにおいて提供されるサービスを利用者Uが利用し得る可能性の度合(例えば、時間
余裕度、残数余裕度)を算出するための『度合算出処理』(図6参照)を行い(ステップ
S24)、その後、ステップS25へ進む。
【0060】
なお、ここでは施設Fへ立ち寄った場合の目的地Gへの到着時間遅れの大きさに基づい
て、施設Fにおいて提供されるサービスを利用者Uが利用する価値が有る又は高いか否か
を判断するようにしているが、別の実施の形態では、施設Fにおいて提供される物の品目
に関する情報と、利用者Uにおける不足品の品目情報とに基づいて、施設Fにおいて提供
されるサービスを利用者Uが利用する価値が有る又は高いか否かを判断するようにしても
良い。例えば、スーパーで牛乳や卵の安売りが実施されていたとしても、利用者Uの自宅
の冷蔵庫に、牛乳や卵が十分ある場合には、そのサービスは利用者Uが利用する価値は無
い又は低いと判断するようにする。
【0061】
図6に示したステップS31では、施設Fにおいて提供されるサービスを利用者Uが利
用するにあたって利用者Uにとって制限となり得る前記制限情報に、前記サービスが提供
される有効期間情報(例えば、営業時間情報や、安売りが実施されている期間情報)が含
まれているか否かを判断する。
【0062】
前記制限情報に前記有効期間情報が含まれていると判断すれば、次に、施設Fの所在地
情報と、車両1の現在地情報とに基づいて、車両1が施設Fへ到着するまでに要する時間
T1を求め(ステップS32)、求めた時間T1情報と、前記有効期間情報とに基づいて
、車両1が有効期間終了の所定の時間(例えば、30分)以上前に施設Fに到着可能であ
るか否かを判断する(ステップS33)。
【0063】
30分以上前に到着可能である(すなわち、施設Fで活動できる時間が30分以上ある
)と判断すれば、図5に示した時間余裕度を「2」にし(ステップS34)、その後、ス
テップS38へ進む。一方、30分以上前に到着可能でないと判断すれば、次に、車両1
が施設Fへ有効期間内に到着可能であるか否かを判断し(ステップS35)、有効期間内
に到着可能であると判断すれば、時間余裕度を「1」にし(ステップS36)、その後、
ステップS38へ進む。他方、有効期間内に到着できないと判断すれば、施設Fにおいて
提供されるサービスの広告情報を利用者Uへ紹介する必要はないと判定し(ステップS3
7)、その後、『度合算出処理』を終了する。なお、前記所定の時間については、施設F
の広さや、施設Fにおいて提供されるサービスに内容などに基づいて、変更するようにし
ても良い。
【0064】
ステップS38では、前記制限情報に、前記サービスにおいて提供される物の残数情報
が含まれているか否かを判断する。前記制限情報に、前記残数情報が含まれていると判断
すれば、前記残数情報に基づいて、前記物の残数が所定の数(例えば、10個)以上であ
るか否かを判断する(ステップS39)。
【0065】
前記物の残数が10個以上であると判断すれば、図5に示した残数余裕度を「2」にし
(ステップS40)、その後、『度合算出処理』を終了する。一方、前記物の残数は10
個以上でないと判断すれば、次に、前記物の残数はあるか否かを判断し(ステップS41
)、前記物の残数はあると判断すれば、残数余裕度を「1」にし(ステップS42)、そ
の後、『度合算出処理』を終了する。他方、前記物は残っていないと判断すれば、施設F
において提供されるサービスの広告情報を利用者Uへ紹介する必要はないと判定し(ステ
ップS37)、そのまま『度合算出処理』を終了する。なお、前記所定の数については、
施設Fにおいて提供される物の種類などに基づいて、変更するようにしても良い。
【0066】
『度合算出処理』を行った後、図4−2に示したステップS25では、『度合算出処理
』での処理結果に基づいて、前記サービスの広告情報を利用者Uへ紹介する必要があるか
否かを判断する。紹介する必要があると判断すれば、ディスプレイ15に施設Fの所在地
を示した地図画面を表示したり、施設Fにおいて提供されるサービス内容を表示すること
によって、施設Fにおいて提供されるサービスの広告情報を利用者Uへ紹介すると共に、
対応する紹介項目を「1」にする(ステップS26、S27)。
【0067】
なお、このとき時間余裕度及び残数余裕度を考慮に入れて、前記サービスの広告情報を
利用者Uへ紹介するようになっており、例えば、時間余裕度が「0」である場合には、施
設Fの所在地を緑色で表示し、時間余裕度が「2」である場合には、施設Fの所在地を青
色で表示し、時間余裕度が「1」である場合には、施設Fの所在地を強調するために赤色
で表示するようになっている。また、残数余裕度が「2」である場合には、「数に余裕あ
り」といったコメントを表示し、残数余裕度が「1」である場合には、「残りわずか」と
いったコメントを表示するようになっている。
【0068】
次に、受信した広告データに、他の新規施設に関する広告データが含まれているか否か
を判断し(ステップS28)、他の新規施設に関する広告データが含まれていると判断す
れば、ステップS3(図4−1)へ戻る。一方、他の新規施設に関する広告データは含ま
れていないと判断すれば、ステップS12(図4−1)へ戻る。
【0069】
また、ステップS23において、施設Fへ立ち寄った場合の目的地Gへの到着時間遅れ
が前記所定の時間以上である(すなわち、前記サービスを利用者Uが利用する価値は無い
又は低い)と判断した場合や、ステップS25において、前記サービスの広告情報を利用
者Uへ紹介する必要がないと判断した場合は、ステップS28へ進む。
【0070】
次に、実施の形態(1)に係る情報処理装置2におけるマイコン11の行う処理動作[
2]を図7に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[2]は所
定の時間毎に行われる動作である。まず、図5に示した紹介項目に関する情報を検索する
ことによって、広告情報紹介中の施設が存在するか否かを判断する(ステップS51)。
【0071】
広告情報紹介中の施設が存在すると判断すれば、次に、施設Fにおいて提供されるサー
ビスを利用者Uが利用し得る可能性の度合(例えば、時間余裕度、残数余裕度)を算出す
るための『度合算出処理』(図6参照)を行い(ステップS52)、その後、ステップS
53へ進む。
【0072】
ステップS53では、『度合算出処理』での処理結果に基づいて、前記サービスの広告
情報を利用者Uへ紹介する必要があるか否かを判断する。紹介する必要がないと判断すれ
ば、前記サービスの広告情報の紹介を終了すると共に、対応する紹介項目を「0」にする
(ステップS54、S55)。次に、広告情報紹介中の他の施設が存在するか否かを判断
し(ステップS56)、他の施設が存在すると判断すれば、ステップS52へ戻り、一方
、他の施設が存在しないと判断すれば、そのまま処理動作[2]を終了する。
【0073】
また、ステップS53において、前記サービスの広告情報を利用者Uへ紹介する必要が
あると判断すれば、次に、施設Fにおいて提供されるサービスを利用者Uが利用し得る可
能性の度合(例えば、時間余裕度、残数余裕度)の変更があったか否かを判断し(ステッ
プS57)、変更があったと判断すれば、変更後の度合に基づいて、前記サービスの広告
情報を利用者Uへ紹介し(ステップS58)、その後、ステップS56へ進む。一方、変
更がないと判断すれば、ステップS58を飛ばして、そのままステップS56へ進む。
【0074】
上記実施の形態(1)に係る情報処理装置、及び広告情報配信装置を含んで構成される
広告情報配信システムによれば、情報処理装置2で、施設において提供されるサービスを
利用者が利用するにあたって該利用者にとって制限となり得る制限情報と、前記利用者に
関する利用者情報及び/又は前記移動体に関する移動体情報とに基づいて、前記サービス
の広告情報(例えば、前記特定施設に関する情報や、前記サービスの内容に関する情報)
を前記利用者へ紹介すべきか否かが判断され、紹介すべきと判断された場合、前記サービ
スの広告情報が前記利用者へ紹介される。
【0075】
このように、前記利用者へ紹介すべき広告情報であるか否かの判断処理(すなわち、前
記利用者へ紹介するに相応しい広告情報の選択処理)が、広告情報を配信する配信者側(
広告情報配信装置5)ではなく、前記利用者側(情報処理装置2)で行われる。従って、
前記配信者側に前記利用者のプライバシーに関する情報を送信しておかなくて良いので、
前記利用者のプライバシーの保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態(1)に係る情報処理装置、及び広告情報配信装置を含んで構成される広告情報配信システムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図2】広告データのフォーマットの一例を示した図である。
【図3】実施の形態(1)に係る情報処理装置の要部を概略的に示したブロック図である。
【図4−1】実施の形態(1)に係る情報処理装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図4−2】実施の形態(1)に係る情報処理装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図5】実施の形態(1)に係る情報処理装置の記憶手段に記憶されているデータの一部を示した図である。
【図6】実施の形態(1)に係る情報処理装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図7】実施の形態(1)に係る情報処理装置におけるマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
1 車両
2 情報処理装置
5 広告情報配信装置
6、11 マイコン
7 通信手段
8、21 記憶手段
18 移動体通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される情報処理装置において、
特定施設において提供されるサービスを利用者が利用するにあたって該利用者にとって
制限となり得る制限情報と、前記利用者に関する利用者情報及び/又は前記移動体に関す
る移動体情報とに基づいて、前記サービスの広告情報を前記利用者へ紹介すべきか否かを
判断する紹介要否判断手段と、
該紹介要否判断手段により前記サービスの広告情報を前記利用者へ紹介すべきと判断さ
れた場合、前記サービスの広告情報を利用者へ紹介する紹介手段とを備えていることを特
徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記紹介要否判断手段が、前記サービスを前記利用者が利用し得る場合、前記サービス
の広告情報を前記利用者へ紹介すべきと判断するものであることを特徴とする請求項1記
載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制限情報に、前記サービスが提供される有効期間情報と、前記特定施設の所在地情
報とが含まれ、
前記移動体に関する移動体情報に、前記移動体の現在地情報が含まれ、
前記紹介要否判断手段が、前記有効期間情報と、前記特定施設の所在地情報と、前記移
動体の現在位置情報とに基づいて、
前記有効期間と、前記移動体が前記特定施設へ到達するまでに要する時間との関係性か
ら、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否かを判断するものであることを特徴とす
る請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制限情報に、前記特定施設において提供される物の重量及び/又は大きさに関する
情報が含まれ、
前記移動体に関する移動体情報に、前記移動体の積載制限情報が含まれ、
前記紹介要否判断手段が、前記物の重量及び/又は大きさに関する情報と、前記移動体
の積載制限情報とに基づいて、
前記物の前記移動体への積載可否から、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否か
を判断するものであることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制限情報に、前記特定施設において提供される物を積載し得る車種情報が含まれ、
前記移動体に関する移動体情報に、前記移動体の車種情報が含まれ、
前記紹介要否判断手段が、前記物を積載し得る車種情報と、前記移動体の車種情報とに
基づいて、
前記物の前記移動体への積載可否から、前記サービスを前記利用者が利用し得るか否か
を判断するものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかの項に記載の情報処理装
置。
【請求項6】
前記制限情報に、前記特定施設において提供されるサービスを利用し得る人に関する情
報が含まれ、
前記紹介要否判断手段が、前記人に関する情報と、前記利用者に関する利用者情報とに
基づいて、前記利用者が前記サービスを利用し得るか否かを判断するものであることを特
徴とする請求項2〜5のいずれかの項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記紹介要否判断手段が、前記サービスを前記利用者が利用する価値が有る又は高い場
合、前記サービスの広告情報を前記利用者へ紹介すべきと判断するものであることを特徴
とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制限情報に、前記特定施設において提供される物の品目に関する情報が含まれ、
前記利用者に関する利用者情報に、前記利用者における不足品の品目情報が含まれ、
前記紹介要否判断手段が、前記物の品目に関する情報と、前記利用者における不足品の
品目情報とに基づいて、
前記物の品目が不足している場合、前記サービスを前記利用者が利用する価値が有る又
は高いと判断するものであることを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制限情報に、前記特定施設の所在地情報が含まれ、
前記移動体に関する移動体情報に、前記移動体の現在地情報と、前記移動体の目的地情
報とが含まれ、
前記紹介要否判断手段が、前記特定施設の所在地情報と、前記移動体の現在地情報と、
前記移動体の目的地情報とに基づいて、
前記特定施設へ立ち寄った場合の前記目的地への到着時間遅れの大きさから、前記サー
ビスを前記利用者が利用する価値が有る又は高いか否かを判断するものであることを特徴
とする請求項7又は請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合を求める度合算出手段を備え、
前記紹介手段が、前記度合算出手段により求められた前記サービスを利用し得る可能性
の度合に基づいて、前記サービスの広告情報の前記利用者への紹介形態を変更するもので
あることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記度合算出手段が、前記サービスが提供される有効期間情報と、前記特定施設の所在
地情報と、前記移動体の現在位置情報とに基づいて、前記有効期間と、前記移動体が前記
特定施設へ到達するまでに要する時間との関係性から、前記サービスを前記利用者が利用
し得る可能性の度合を求めるものであることを特徴とする請求項10記載の情報処理装置

【請求項12】
前記度合算出手段が、前記サービスにおいて提供される物の残数情報に基づいて、前記
サービスを前記利用者が利用し得る可能性の度合を求めるものであることを特徴とする請
求項10記載の情報処理装置。
【請求項13】
特定施設において提供されるサービスの広告情報を配信するための広告情報配信装置に
おいて、
前記サービスの広告情報に付加して、前記サービスを利用者が利用するにあたって該利
用者にとって制限となり得る制限情報を配信する配信手段を備えていることを特徴とする
広告情報配信装置。
【請求項14】
前記制限情報に、前記サービスが提供される有効期間情報と、前記特定施設の所在地情
報と、前記特定施設において提供される物の重量及び/又は大きさに関する情報と、前記
特定施設において提供される物を積載し得る車種情報と、前記特定施設において提供され
るサービスを利用し得る人に関する情報とのうち、少なくとも一つの情報が含まれている
ことを特徴とする請求項13記載の広告情報配信装置。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれかの項に記載の情報処理装置と、
特定施設において提供されるサービスの広告情報を配信するための広告情報配信装置と
を含んで構成される広告情報配信システムであって、
前記広告情報配信装置が、
前記サービスの広告情報に付加して、前記サービスを利用者が利用するにあたって該利
用者にとって制限となり得る制限情報を配信する配信手段を備えていることを特徴とする
広告情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−78810(P2006−78810A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263229(P2004−263229)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】