説明

情報処理装置、情報処理システムおよびプログラム

【課題】ブラウザの操作において、2度目以降の操作が再現される技術の提供を目的とする。
【解決手段】ネットワーク上に配備されたサーバ102のウェブページとそのウェブページに対する操作端末104によるブラウザの操作内容を記憶し、その操作内容を再生(再現)することで、前回行ったブラウザの操作と同じ操作が操作端末104において実行される。この際、各種の操作は、記録され、それがソフトウェアによって再現されるので、ユーザは、前回と同じ各種の操作を行う必要はない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウェブページとして表示され、入力項目毎に送信すべきデータを入力する構成のフォーム入力ページに対するデータの入力を支援するための方法を提供することを目的に、ウェブページとして表示されたフォーム入力ページを保存し、保存された前記フォーム入力ページをオフライン状態で表示させ、その入力項目毎に入力された送信すべきデータを当該フォーム入力ページと関連付けて保存し、フォーム入力ページと関連付けられて保存された送信すべきデータを取り出し、当該送信すべきデータをウェブページとしてオンライン状態で表示された、対応するフォーム入力ページ中の入力項目に対し貼り付けて表示する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−104453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ブラウザの操作において、2度目以降の操作が再現される技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、表示手段における表示を制御する表示制御手段と、通信回線を介して接続された接続先から発信された前記表示手段に表示する情報を取得する表示情報取得手段と、前記表示手段に表示されている内容を特定する表示内容特定手段と、前記接続先への情報の送信を指示する操作を含む前記表示手段に表示されている内容に対して行われる操作を特定する操作特定手段と、前記表示内容特定手段と前記操作特定手段が特定した内容を記録する記録手段と、前記記録手段の記録内容と前記表示情報取得手段が取得した情報とを比較する比較手段と、前記比較手段における処理の結果に基づいて、前記記録手段に記録された内容を実行する記録内容実行手段とを備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記記録手段は、複数の連続した頁の内容および前記複数の連続した頁に対する操作の内容を記録し、前記記録内容実行手段は、前記複数の連続した頁に対する操作の内容を実行することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記表示手段は特定の端末の表示装置であり、前記表示内容特定手段は、前記特定の端末の内部情報も取得し、前記操作特定手段は、前記特定の端末の前記内部情報に対する操作の特定も行うことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記表示制御手段は、前記比較手段における前記比較の結果を前記表示手段に表示する制御を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記比較手段における前記比較の結果に基づいて、表示情報取得手段が取得した情報を解析する解析手段を備え、前記解析手段における前記解析に基づいて、前記記録内容実行手段における処理が行われることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記比較手段における前記比較は、前記接続先を特定する情報、または前記接続先から発信される情報の一部に基づいて行われることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記記録内容実行手段は、前記表示内容特定手段が特定した内容の表示を省略する機能を有することを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明において、前記記録内容実行手段は、前記操作特定手段が特定した操作の一部を実行しない機能を有することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、表示手段における表示を制御する表示制御手段と、通信回線を介して接続された接続先から発信された前記表示手段に表示する情報を取得する表示情報取得手段と、前記表示手段に表示されている内容を特定する表示内容特定手段と、前記接続先への情報の送信を指示する操作を含む前記表示手段に表示されている内容に対して行われる操作を特定する操作特定手段と、前記表示内容特定手段と前記操作特定手段が特定した内容を記録する記録手段と、前記記録手段の記録内容と前記表示情報取得手段が取得した情報とを比較する比較手段と、前記比較手段における処理の結果に基づいて、前記記録手段に記録された内容を実行する記録内容実行手段とを備えることを特徴とする情報処理システムである。
【0014】
請求項10に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、コンピュータを表示手段における表示を制御する表示制御手段と、通信回線を介して接続された接続先から発信された前記表示手段に表示する情報を取得する表示情報取得手段と、前記表示手段に表示されている内容を特定する表示内容特定手段と、前記接続先への情報の送信を指示する操作を含む前記表示手段に表示されている内容に対して行われる操作を特定する操作特定手段と、前記表示内容特定手段と前記操作特定手段が特定した内容を記録する記録手段と、前記記録手段の記録内容と前記表示情報取得手段が取得した情報とを比較する比較手段と、前記比較手段における処理の結果に基づいて、前記記録手段に記録された内容を実行する記録内容実行手段として動作させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、ブラウザの操作において、2度目以降の操作が再現される情報処理装置が提供される。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、複数の連続した頁に対する操作が再現される。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、操作している端末の内部情報に対する操作も再現可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、ブラウザの操作が再生できない場合にその旨の報知が行われる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、再生するブラウザの操作の対象と再生の対象となるその時点におけるウェブページの内容とが一致しない場合に、ブラウザの操作の再生が可能かどうか、が調べられる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明を採用しない場合に比較して、比較の処理が効率よく行える。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、必要としない表示を省略できる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、再生を希望しない操作が行われない。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、ブラウザの操作において、2度目以降の操作が再現される情報処理システムが提供される。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、ブラウザの操作において、2度目以降の操作が再現される制御をコンピュータに行わせるプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】発明を利用したシステムの一例を示す概念図である。
【図2】実施形態のブロック図である。
【図3】記録される情報の内容を示す概念図である。
【図4】ブラウザの画面表示の一例である。
【図5】ブラウザの画面表示の一例である。
【図6】操作端末のディスプレイの画面表示の一例である。
【図7】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】操作端末のディスプレイの画面表示の一例である。
【図13】操作端末のディスプレイの画面表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(全体の構成)
以下、発明を利用した一例を説明する。まず用いる用語について説明する。ブラウザ(またはウェブブラウザ)とは、ウェブページを閲覧するためのソフトウェアのことである。ウェブページとは、インターネット上で公開される文書、レイアウト情報、画像、動画などのデータで構成された表示内容のことである。
【0027】
図1には、発明が適用されるシステムの一例が示されている。図1には、インターネット回線101が示されている。インターネット回線101には、サーバ102とプリンタ103とが接続されている。サーバ102とプリンタ103とは、遠隔地に離れて位置している。プリンタ103は、コンピュータとして機能する操作端末103を備えている。操作端末103は、プリンタ103を動作させるための操作を行う端末であると共に、サーバ102にアクセスし、ブラウザを用いた各種の操作が行うことができる構成とされている。例えば、操作端末103を操作して、サーバ102にアクセスを行い、サーバ102で管理されるウェブページを閲覧し、このウェブページに対して各種の操作を行って、当該ウェブページからデータをダウンロードし、それをプリンタ104で印刷し、出力することができる。また、プリンタ103は、FAX機能および複写機能を備えている。
【0028】
以下、具体的な一例を説明する。例えば、サーバ102が旅行会社の本社に配置され、プリンタ103がその旅行会社の営業所に配置されているものとする。そして、この営業所を訪れた顧客の要望に基づいて、営業所の社員がある地域の旅行プランをこの顧客に提示したい場合、この社員は操作端末104を操作し、サーバ102にアクセスする。そして、当該旅行プランに関する資料をサーバ102で管理されるウェブページから操作端末104にダウンロードし、それをプリンタ103によってプリントアウトする。そしてこのプリントアウトされた資料を、当該営業所を訪れた顧客に提示し、旅行プランに関する説明が行われる。一つの例であるが、このような状況で図1に示すシステムが利用される。
【0029】
(操作端末の構成)
操作端末104は、コンピュータとしての機能を備え、タッチパネルディスプレイ105を備え、各種の操作が行える構成とされている。操作端末104は、通信部106、GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)制御部107、ブラウザ再生制御部200を備えている。通信部104は、インターネット回線101への接続を行うための機能部であり、通常のパーソナルコンピュータが備えているインターネット接続機能と同じ機能を有する。GUI制御部は、タッチパネルディスプレイ105を用いた各種操作を行うためのインターフェース環境を提供する。また、操作端末104には、インターネット上のブラウザを閲覧するための閲覧用ソフトウェアがインストールされている。
【0030】
ブラウザ再生制御部200は、ブラウザの操作の記録を開始するモードと、終了するモード、および操作記録を再生するモードを持つ。また、ブラウザ制御部200は、記録開始から終了までの間に表示されるブラウザの表示頁を特定する情報と、表示頁の頁遷移(例:頁遷移に必要な操作は、リンク操作、フォーム操作、locationオブジェクトへのURL設定、などである。)または頁操作(スクロール、ボタン操作など)に必要な操作を記憶する手段を持つ。
【0031】
また、ブラウザ再生制御部200は、操作再生時に記憶していたブラウザの表示頁と現在の表示頁が合致していたら、操作記憶に従い操作を再現し、記憶していた最終表示頁操作が終了した段階で再生モードを終了する動作を行う。また、ブラウザ再生制御部200は、記録していた表示頁の遷移と実際の表示頁が異なる場合には、エラー画面を表示し、再生を中止する。また、ブラウザ再生制御部200は、頁遷移に伴い、いかなる設定情報もウェブサーバに送信しない場合は、その頁をスキップする再生モードを有する。
【0032】
また、ブラウザ再生制御部200は、表示頁の遷移と実際の表示頁が異なる場合には、実際の表示頁を解析し、再生可能と判断した場合は、実際の表示頁の操作に変換して再生する再生モードを有する。また、ブラウザ再生制御部200は、再生開始頁から、最終頁までの間の画面表示を省略する再生モードを有する。また、ブラウザ再生制御部200は、再生開始頁から、最終頁までの間の画面表示を省略するとともに、再生状態(何画面を再生中かなど)を表示する画面を表示する再生モードを有する。また、ブラウザ再生制御部200は、頁の有効期限を判定する手段を設け、表示頁の有効期限が切れていた場合は、エラー画面を表示し、再生を中止する機能を有する。
【0033】
また、ブラウザ再生制御部200は、操作頁の入力中の、キーおよび仮想キーボードの入力情報を記憶するか、しないかを設定できる。ここで、入力値が記憶および再生されない頁は、画面遷移を終了するか、中断後、次の頁から再生を継続するモードが切り替えられる。また、ブラウザ再生制御部200の操作記録には、ウェブブラウザの操作に加え、操作端末104の内部機能に対する画面操作も含まれる。この例において、操作端末104の内部機能は、プリンタ103の操作を行う機能である。すなわち、サーバ102で管理されるウェブページに対するブラウザの操作内容に加えて、タッチパネルディスプレイ105を操作してのプリンタ103の操作の内容も、記録され、この記録された操作の内容が再生可能とされている。
【0034】
以下、ブラウザ再生制御部200について詳細に説明する。ブラウザ再生制御部200は、コンピュータとして機能する操作端末104の内部においてソフトウェア的に構成されている。ブラウザ再生制御部200は、表示制御部201、入力受け付け部202、表示データ取得部203、外部データ表示制御部204、記録モード管理部205、表示頁特定部206、頁操作特定部207、操作記録部208、操作再生部209、比較部210、表示頁解析部211を備えている。なお、専用のハードウェアで上記機能部の一または複数を構成することも可能である。
【0035】
表示制御部201は、タッチパネルディスプレイ105に表示する内容の制御を行う。入力受け付け部202は、タッチパネルディスプレイ105に対する操作内容を受け付ける。表示データ取得部203は、サーバ102から得られるタッチパネルディスプレイ104に表示する内容の表示データ(ウェブページのデータ)を取得する。外部データ表示制御部204は、表示データ取得部203が取得した表示データに基づき、サーバ102で管理されているウェブページをタッチパネルディスプレイ104に表示する。
【0036】
記録モード管理部205は、操作記録の開始、終了、再生を管理する。表示頁特定部206は、タッチパネルディスプレイ105に表示されているサーバ102で管理されているウェブページの内容を特定する。頁操作特定部207は、タッチパネルディスプレイ105に表示されているサーバ102で管理されているウェブページの内容に対する操作(タッチパネルディスプレイを操作しての操作)の内容を特定する。操作記録部208は、表示頁特定部206と頁操作特定部207が特定した情報を記憶する。すなわち、操作端末104におけるブラウザの操作によるサーバ102のウェブページに対する操作の内容およびこの際のディスプレイ105上のその変遷も含めた表示内容が操作記録部208に記録される。また、それに加えて、操作記録部208には、プリンタ103に対する操作の内容も記録される。
【0037】
操作再生部209は、操作再生中に表示頁特定手段206が特定した表示頁(その時点で取得したサーバ102のウェブページの表示頁)と操作記録部208が保持している表示頁が一致している場合に、操作記録部208が保持している頁操作(記録したタッチパネルディスプレイを利用しての操作)を実行する。比較部210は、後述する図8のステップS803の処理を行う機能部であり、再生用に記録していた頁情報とその時点でサーバ102から取得した頁情報とを比較し、両者の一致性を判定する。表示解析部211は、操作再生中に表示頁特定部206が特定した表示頁と操作記録部208が保持している表示頁が一致していない場合に、その時点でサーバ102から取得している表示頁を解析し、再生が不可と判断した場合は再生を中止し、その旨をタッチパネルディスプレイ105に表示するとともに、再生が可能と判断した場合には、再生を継続する
【0038】
図3は、操作記録部208に記録される記録情報の概要である。図4、図5は、ウェブブラウザの実行時の画面例である。この例ではhttp://xxx/index.htmというURL(Uniform Resource Locator)で指定されるサーバ102にアクセスし、そこからウェブページの表示データであるHTML(HyperText Markup Language)ファイルを取得した状態におけるタッチパネルディスプレイ105の画面例が示されている。
【0039】
図4において、表示されている上部のボタンは、ブラウザの操作部である。また、「操作記録開始」等の複数のボタンが、ブラウザの画面に重ねて表示されている。このボタンは、表示制御部201により制御されて表示されるボタンである。なお、これら「操作記録開始」等の複数のボタンの背後にサーバ102で管理されるウェブページの表示画面が表示されるが、図4および図5では図示省略されている。この例では、これらのボタンを選択することで、サブメニューとしてブラウザに対する操作の内容を記録する処理を開始する操作記録開始、この操作の記録を終了する操作記録終了、操作の記録に当たり各種の設定を行う操作記録再生モード、記録した操作の記録を再生(再現)する操作記録再生のいずれかを選択することができる。操作記録開始時には、さらに入力値を記憶するか、しないかを選択できる。操作記録再生モードはさらに、図5に示されるように、遷移中画面表示あり、遷移中画面表示なし、遷移中状態表示あり、遷移中スキップ、遷移中入力中断、遷移中入力終了を選択することができる。
【0040】
操作記録再生はさらに、登録されている操作記録名称が表示される。ここで表示される操作記録名称は、図3に記載されている記録情報の頁情報であるURLもしくはタイトルの何れかである。また、データを特定のURLに格納する個人文書格納操作を選択することもできる。
【0041】
また、記録される操作内容には、プリンタ103の操作画面の表示内容およびその操作内容も含まれる。この一例が図6に示されている。図6には、プリンタ103にプリント動作を指示する際に、タッチパネルディスプレイ105に表示される内容の一例が示されている。図6に示すようなプリンタ103に対する操作内容(例えば、各種のプリント条件等)も操作記録として記録され、その再生が可能とされている。これにより、例えば、操作端末104を操作してのサーバ102で管理されるウェブページへのアクセス、ブラウザを操作してのこのウェブページ内の特定頁の表示、更にこの特定頁のプリンタ103によるプリント、といった一例の操作が記録され、この記録に基づき、その一例の処理を再現することができる。
【0042】
(動作の一例:操作記録処理)
以下、動作の一例を説明する。ここで、以下説明する図7〜図11に示すフローチャートの処理は、図1の操作端末104内に記録された動作プログラムにより、操作端末104において実行される。なお、この動作プログラムは、適当な記録媒体に記録され、そこから操作端末104に提供される形態であってもよい。
【0043】
図7は、操作記録開始〜終了までの処理フローを示したものである。以下において、操作端末104を操作してサーバ102にアクセスし、サーバ102上のウェブパージにおける各種の操作が行われる状態を前提とする。この状態において、サーバ102にアクセスし、サーバ102のウェブページが開かれると、処理が開始され(ステップS701)、図4の画面がタッチパネルディスプレイ105上に表示される。
【0044】
ここで、図4の操作記録開始が選択されると、ステップS702がYESとなり、現在表示している頁に対して図3の頁情報が記録される(ステップS703)。ここで、種別はブラウザの表示頁か、操作端末104の内蔵画面であるデバイスの表示頁(例えば、図6の画面)か、の何れかが登録される。
【0045】
この際、種別=ブラウザの場合、URLは表示頁を取得したときのURLでありhttp://xxx/index.htmが記録される。タイトルは表示頁のHTMLの<TITLE>タグで指定された文字列が記録される。期限は<META>タグもしくはサーバ102から表示頁を取得する通信プロトコルであるHTTP(HyperText Transfer Protocol)のExpiresフィールドでサーバ102が指示した表示頁の有効期限を記録する。またHTTPのCache-Controlでno-cacheが指定されている場合は、この表示頁をブラウザが保持することは禁止されているので、有効無効情報は無効に、他の場合は有効と記録される。また、種別=デバイスであれば、操作端末104が具備している内臓画面(その一例が図6の画面表示)の頁番号(一意に識別可能な番号)が記録される。
【0046】
次に頁操作(ウェブページの表示画面を切り替える操作)があった場合は、ステップS704からステップS705に進み、入力値を記録するモードであれば、ステップS706に進み、入力値を記録しないモードであれば、ステップS707に進む。ステップS706とS707では、操作記録が行われる。すなわちステップS706では、操作端末104を用いてのブラウザに対する操作の内容の内容が記録される。ここで、種別がスクロールバー操作であれば、そのスクロールバーの移動量が記録され、文字や数値などの入力情報の場合は入力操作として入力値が記録される。ここで、操作記録開始時に入力値を記憶しないモードが指定されている場合(ステップS706)は、入力値が無効である旨が記録される。頁情報種別=デバイスの場合は、その画面での操作座標(つまりどの位置のボタン表示が押されたかに関する情報)が記録される。また、頁情報種別=ブラウザの場合において、<A>タグ等で指定されるリンクを操作した場合は、その結果としてサーバ102に送信される情報とURLが記録される。また、<FORM>タグ等のボタン操作の場合も、その結果としてサーバ102に送信される情報とURLが記録される。そして操作記録を終了するのであれば、ステップS708からステップS709に進んで処理を終了する。また、操作記録を終了しないのであれば、ステップS703以下の処理を繰り返す。
【0047】
(操作記録再生処理)
以下、図7の手順に従って行われた操作記録の内容を再生(再現)する処理の一例を説明する。図8は、操作記録を再生する際の処理フローを示したものである。操作記録の再生が指示されると処理が開始され(ステップS801)、まず操作記録の有無が判定される(ステップS802)。操作記録が無ければ、処理を終了し(ステップS814)、操作記録があれば、ステップS803に進む。
【0048】
ステップS803において、頁情報種別=ブラウザの場合、まず現在表示している頁と、指定された操作記録の頁情報からURLが同一で、タイトル情報が記録されている場合はその情報が同じかどうか、が比較される。この比較は、その時点で表示している画面の内容が記録している画面の内容と同じであるか否か、を判定するもので、同一性が判定できればよい。よってこの判定は、例えば上述したURLやタイトル以外に、画像データの一部や制御データの一部、その他付帯するデータ等の対象となるデータの一部を用いて行うことができる。
【0049】
この比較の結果、比較した情報が異なる場合は、表示頁の内容が解析され(ステップS804)、異なるウェブページの表示内容であっても記録した操作の内容が再生可能か(実行できるか)否か、が判定される(ステップS805)。また、ステップS803における判定で、比較の結果が同じである場合、後述のステップS806に進む。
【0050】
ステップS805では、URLが同じで、且つ、同じ記述内容が含まれている場合は再生可能と判断する。再生不可の場合はエラー画面(図12)が表示され(ステップS807)、処理を終了する。再生可能である場合、操作記録における送信情報の有無が判定され、送信情報があればステップS808に進み、送信情報がなければ、図9の処理に進む。
【0051】
ステップS808では、操作記録の入力値(例えば、数字や文字の入力の記録)が有効であるか否か、が判定され、有効であれば、操作記録の再生が行われる(ステップS809)。ステップS809では、図7のフローで行われた操作端末104に対するブラウザ操作の内容を記録したデータに基づき、この操作を再現する処理(再度実行される処理)が行われる。
【0052】
ステップS809における処理を説明する。この場合、頁情報種別=デバイスであれば、表示画面の頁番号と記録されている頁番号が比較される。頁番号が同じである場合は、操作情報に従い、スクロール操作、デバイス操作を行う。頁情報種別=ブラウザであれば、操作情報に従いリンク、ボタン操作の操作内容が、必要であればその他の送信情報と共に、記録されているURLに送信される。通常のリンク動作であればHTTPのGET http://xxx/aaa/a.htmなどが、フォームボタンなどであればHTTPのPOST http://xxx/aaa/a.htmにname=valueなどの送信情報がサーバ102に送出される。
【0053】
ステップS809の処理が行われることで、記録されていたブラウザ操作(更に必要であればデバイス操作(プリンタ103の操作))が、再現される。この際、ボタン操作等が、操作記録に従ってソフトウェアによって実行されるので、ユーザが操作記録時に行った操作を再度行う必要はない。そしてこの操作記録の再生を行う処理に対して、サーバ102からはHTMLファイルが操作端末104に返送され、その内容がタッチパネルディスプレイ105上に表示される。また、これに関連して、プリンタ103に対する操作も再現され、例えば、操作記録時に行ったサーバ102のウェブページの表示画面のプリント処理が再現される。
【0054】
なお、操作記録再生モードが遷移中画面遷移なしの場合は、返送されたHTMLファイルの解釈のみ実施され、画面表示は、以降の操作記録が無い場合のみ実施される。また、操作記録再生モードが遷移中の状態表示ありの場合は、プログレスバーやURL文字列のみを画面表示する(図13)。
【0055】
次いで、ステップS810の判定が行われ、頁遷移(例えば、他の頁への切り替え)があれば、ステップS811に進み、頁遷移がなければ、ステップS806以下の処理が繰り返される。ステップS811では、新規頁が取得され、「再生モード=画面表示あり」の設定であれば、取得した新規頁を表示し(ステップS813)、ステップS803以下の処理が繰り返される。
【0056】
ステップS806における判定で、操作記録に送信情報なしの場合、図9の処理に進む。この場合、ステップS821の判定が行われ、「再生モード=遷移中画面スキップ」の設定であれば、操作記録の再生(ステップS822)および新規頁の取得(ステップS823)が行われ、図8のステップS806以下の処理が実行される。ステップS821の判定がNOである場合、図8のステップS808以下の処理に進む。
【0057】
ここで、操作記録再生モードが遷移中画面スキップの場合は、送信情報が含まれないボタンやリンク操作は、記録されている操作情報の送信情報がある操作まで、画面表示を行わないことで、中間の画面遷移をスキップすることができる。
【0058】
ステップS808がNOである場合、図11の処理に進む。ここで操作記録再生モードが遷移中入力終了の場合は、記録されている操作情報が入力操作である時点で、再生を中止することができる(ステップS841)。再生モードが遷移中入力中断の場合は、記録されている操作情報が入力操作の時点で、入力が終了するまで待機し(ステップS842)、入力が終了した時点で、図8のステップS809に進み、記録再生を継続する。ステップS812がNOである場合、図10の処理に進み、図10の処理が実行される。
【0059】
(特徴)
以上説明した技術によれば、ネットワーク上に配備されたサーバ102のウェブページとそのウェブページに対する操作端末104によるブラウザの操作内容を記憶し、その操作内容を再生(再現)することで、前回行ったブラウザの操作と同じ操作が操作端末104において実行される。この際、各種の操作は、記録され、それがソフトウェアによって再現されるので、ユーザは、前回と同じ各種の操作を行う必要はない。このため、ユーザの負担が軽減され、また操作のために操作端末104を長時間占有するような事態を避けることができる。
【0060】
このような動作形態は、一例として上述した旅行会社の営業所のような所での作業に非常に有意となる。例えば、ある特定地域の旅行プランの資料を得るために、まずサーバ102にアクセスしてそのウェブページを表示させ、その上でブラウザの操作により、目的とする資料を操作端末105上で表示させ、それをプリンタ103でプリントアウトする作業を考える。
【0061】
この場合、本実施形態の技術を利用すると、ブラウザの操作およびプリンタ103の操作は、最初の一回でよく、次回以降、同じ資料をプリントアウトする際は、そのブラウザに対する操作記録およびプリンタ103に対する操作記録を再生すればよい。この際、操作記録の再生を指示すると、記録された操作が順次実行され、同じ資料がプリンタ103からプリントアウトされる。
【0062】
この際、初回と同じブラウザの操作およびプリンタ103の操作を繰り返す必要はなく、顧客の対応やその他の仕事にエネルギーを割り振ることができる。つまり、ブラウザを操作しての作業およびそれに関連したプリンタ103の操作が定型化されるで、仕事の効率を高めることができる。この優位性は、上記の旅行会社の例に限らず、各種の定型化できる作業において同様にいえることである。例えば、各種の規格の書類があり、それをウェブページを利用して入手する作業等が定型化され、作業の効率化を図ることができる。
【0063】
また、ウェブページの内容の更新等に起因して、操作記録の内容がアクセスしたウェブページの内容と一致しない場合であっても、ステップS804以下の処理が行われることで、その違いがある程度の範囲であれば、ブラウザ操作を再生することができる。
【0064】
また、操作記録の再生において、表示の再生表示を省略することができるので、ブラウザに対する操作さえ再現されればよい場合に、無駄な画面表示が行われないようにできる。
【0065】
(その他)
図7〜図11に示す処理の一部または全部が操作端末104以外の装置で行われるようにするシステムも可能である。この場合、操作端末104の操作内容が別の装置(処理サーバ等)に送られ、そこで図7〜図11の処理が行われる。また、処理の結果が当該装置から操作端末104に送られ、その結果がタッチパネルディスプレイ105に表示される。
【0066】
再生されるデバイスの操作として、プリンタ103に対する操作の例を示したが、データのバックアップ処理等をデバイスの操作記録として記録し、それも含めて操作の再生が行われるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、ウェブページにアクセスして作業を行う技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
100…インターネット回線、102…サーバ、103…プリンタ、104…操作端末、105…タッチパネルディスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段における表示を制御する表示制御手段と、
通信回線を介して接続された接続先から発信された前記表示手段に表示する情報を取得する表示情報取得手段と、
前記表示手段に表示されている内容を特定する表示内容特定手段と、
前記接続先への情報の送信を指示する操作を含む前記表示手段に表示されている内容に対して行われる操作を特定する操作特定手段と、
前記表示内容特定手段と前記操作特定手段が特定した内容を記録する記録手段と、
前記記録手段の記録内容と前記表示情報取得手段が取得した情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段における処理の結果に基づいて、前記記録手段に記録された内容を実行する記録内容実行手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記録手段は、複数の連続した頁の内容および前記複数の連続した頁に対する操作の内容を記録し、
前記記録内容実行手段は、前記複数の連続した頁に対する操作の内容を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は特定の端末の表示装置であり、
前記表示内容特定手段は、前記特定の端末の内部情報も取得し、
前記操作特定手段は、前記特定の端末の前記内部情報に対する操作の特定も行うことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記比較手段における前記比較の結果を前記表示手段に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記比較手段における前記比較の結果に基づいて、表示情報取得手段が取得した情報を解析する解析手段を備え、
前記解析手段における前記解析に基づいて、前記記録内容実行手段における処理が行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記比較手段における前記比較は、前記接続先を特定する情報、または前記接続先から発信される情報の一部に基づいて行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記録内容実行手段は、前記表示内容特定手段が特定した内容の表示を省略する機能を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記録内容実行手段は、前記操作特定手段が特定した操作の一部を実行しない機能を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
表示手段における表示を制御する表示制御手段と、
通信回線を介して接続された接続先から発信された前記表示手段に表示する情報を取得する表示情報取得手段と、
前記表示手段に表示されている内容を特定する表示内容特定手段と、
前記接続先への情報の送信を指示する操作を含む前記表示手段に表示されている内容に対して行われる操作を特定する操作特定手段と、
前記表示内容特定手段と前記操作特定手段が特定した内容を記録する記録手段と、
前記記録手段の記録内容と前記表示情報取得手段が取得した情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段における処理の結果に基づいて、前記記録手段に記録された内容を実行する記録内容実行手段と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
コンピュータを
表示手段における表示を制御する表示制御手段と、
通信回線を介して接続された接続先から発信された前記表示手段に表示する情報を取得する表示情報取得手段と、
前記表示手段に表示されている内容を特定する表示内容特定手段と、
前記接続先への情報の送信を指示する操作を含む前記表示手段に表示されている内容に対して行われる操作を特定する操作特定手段と、
前記表示内容特定手段と前記操作特定手段が特定した内容を記録する記録手段と、
前記記録手段の記録内容と前記表示情報取得手段が取得した情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段における処理の結果に基づいて、前記記録手段に記録された内容を実行する記録内容実行手段と
して動作させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−197879(P2011−197879A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62384(P2010−62384)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】