説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体

【課題】異なる能力をもつ複数のサービス提供機器と連携させてサービス提供機器を利用する場合の、機能設定時のユーザ操作性を改善する。
【解決手段】ネットワーク上に存在する複数のサービス提供機器が提供可能なサービスを利用する情報処理装置に関する。この情報処理装置複数のサービス提供機器の機器情報及び複数のサービス提供機器が提供可能なサービスに関連するサービス関連情報を取得する情報取得手段と、利用可能なサービスのサービス機能のリストを表示する第1表示制御手段とを備える。さらに表示された利用可能なサービスのサービス機能のリスト中から利用するサービス機能を選択するサービス機能の選択手段と、選択された利用するサービスで利用可能なサービス機能を判定するサービス機能の判定手段と、利用可能なサービス機能を識別可能に表示する第2表示制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上に存在する複数のサービス提供機器が提供するサービスを利用する情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
サービス項目を検索した結果を一覧リストとしてユーザに提示し、その一覧リストの中からユーザに所望のサービス項目やサービスを提供する情報機器を選択させ、選択された情報機器が提供可能なサービスを利用することが行われている。複数のサービス項目の中からユーザの所望のサービス項目を選択させるためには、どの情報機器がどのような機能、即ちサービスを提供しているかをユーザに提示する必要がある。この問題を解決するための従来技術として、機能を示すアイコンを利用する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。この技術では、サービスを提供する情報機器のリストを表示する際、その情報機器が所有する機能をアイコンとして表示し、並べ替えることで、各機能ごとの情報機器の一覧をユーザに提供している。
【0003】
また、ユーザの操作性を改善するための技術として、ネットワーク内の管理サーバ装置等に、利用可能なサービスを問い合わせ、利用できないサービスに関しては、ユーザの選択操作を禁止にする技術が例えば、特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2004−110375号公報
【特許文献2】特開2006−107081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、選択されている情報機器が提供可能な機能と同等の機能を提供可能な他の情報機器を見つけたい場合、特許文献1に開示された発明では、ユーザが機能を示すアイコンを見比べ、ユーザ自身が判断する必要があるという問題があった。このため、同等の機能をもつ複数のサービスを選択して利用したい場合、情報機器を選択する操作がユーザの負担になっていた。
【0005】
また、同種のサービスを複数同時に利用する場合、全てのサービス項目がすべて同じ機能を提供しているとは限らない。例えば複数のプリントサービスを利用して出力を行う場合、全てのプリントサービスが両面出力機能をサポートしているとは限らない。このような状況では、特許文献2に開示された発明を用いるだけでは、同種のサービスを複数同時に利用する場合の機能設定においてユーザにとって使いやすい操作性を提供することができなかった。
【0006】
本発明の目的は、ユーザが選択したサービス項目と同等な機能を持つサービス項目を容易に識別することを可能とし、ユーザの利便性を向上させることにある。さらに、同種のサービスを複数同時に利用する場合の機能設定の操作性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の実施形態における情報処理装置は、
ネットワーク上に存在する複数のサービス提供機器が提供するサービスを利用する情報処理装置において、
前記複数のサービス提供機器の機器情報及び前記複数のサービス提供機器が提供可能なサービスに関連するサービス関連情報を取得する情報取得手段と、
前記機器情報及び前記サービス関連情報に基づき、利用可能なサービスのサービス機能のリストを表示するための第1表示制御手段と、
前記第1表示制御手段により表示される前記利用可能なサービスの前記サービス機能のリスト中から利用するサービス機能を選択するサービス機能の選択手段と、
前記サービス機能の選択手段により選択された前記利用するサービスで利用可能なサービス機能を判定するサービス機能の判定手段と、
前記サービス機能の判定手段により判定された前記利用可能なサービス機能を識別可能に表示する第2表示制御手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の実施形態における情報処理装置の制御方法は、
ネットワーク上に存在する複数のサービス提供機器が提供するサービスを利用する情報処理装置の制御方法において、
前記複数のサービス提供機器の機器情報及び前記複数のサービス提供機器が提供可能なサービスに関連するサービス関連情報を取得する情報取得工程と、
前記機器情報及び前記サービス関連情報に基づき、利用可能なサービスのサービス機能のリストを表示するための第1表示制御工程と、
前記第1表示制御工程により表示される前記利用可能なサービスの前記サービス機能のリスト中から利用するサービス機能を選択するサービス機能の選択工程と、
前記サービス機能の選択工程により選択された前記利用するサービスで利用可能なサービス機能を判定するサービス機能の判定工程と、
前記サービス機能の機能判定工程により判定された前記利用可能なサービス機能を識別可能に表示する第2表示制御工程と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが選択したサービスと同等な機能を持つ提供可能なサービスを容易に識別可能に表示することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることが出来る。さらに、同種のサービスを複数同時に利用する場合の機能設定の操作性を向上することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態1>
まず、本発明が実施される実施形態が適用される情報処理装置の構成を、図1を参照しながら説明する。図1においては、1台のサービス利用機器100と、少なくとも3台のサービス提供機器101、102及び103がLAN400を介して続されている。当然にして、サービス利用機器及びサービス提供機器は複数台接続されるが、その数は任意に設定可能である。これらは、例えば画像形成装置である。これら画像形成装置の代表的な構成の1例を、図2を使用して説明する。
【0011】
先ず、リーダ部200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部200は、原稿を読取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニット250とで構成される。画像形成装置の機種によっては、原稿給紙ユニット250を持たないもの(この場合はユーザによりプラテンガラス(原稿台)に原稿を置いてから読み取る)もあり得る。
【0012】
プリンタ部300は、記録用紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。プリンタ部300は、複数種の記録用紙カセットを持つ給紙ユニット360と、画像データを記録用紙に転写し定着させるマーキングユニット310、及び印字された記録用紙をソートしステイプルして機外へ出力する排紙ユニット370とで構成される。制御装置110は、リーダ部200及びプリンタ部300と電気的に接続されると共に、さらにLAN400に接続されている。
【0013】
制御装置110は、CPU、ワーク用のメモリなどを有し、HDD170に記憶されているプログラムコードをワーク用のメモリにロードし、このプログラムコードをCPUが解釈することにより情報処理装置全体の動作を制御する。
【0014】
制御装置110は、リーダ部200を制御して、原稿画像を画像データとして読込み、プリンタ部300を制御し、読込んだ画像データを記録用紙に印刷し、出力することでコピー機能を提供する。また、リーダ部200から読込んだ画像データをコードデータに変換し、LAN400を介してホストコンピュータ(例えば、図3のサービス管理サーバ109)へ送信するネットワークスキャナ機能を提供する。さらに、ホストコンピュータからLAN400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。これらは、提供可能なサービス機能である。
【0015】
操作部150は、液晶表示部160と、図示はしないが、液晶表示部160上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有し、ユーザ99が様々な操作を行うためのユーザI/Fを提供する。タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号は制御装置110に伝えられ、また液晶表示部160は、制御装置110から送られてきた画像データを表示する。したがって、制御装置110は液晶表示部160に対して表示制御手段として機能する。
【0016】
ここで、図1の説明に戻って説明すると、サービス提供機器101、102、103は、各サービス提供機器が持つ様々な提供可能な機能をサービスとして外部に提供することが可能である。サービス利用機器100は、ユーザ99の操作による指示により、サービス提供機器101、102、103において提供されるサービスを、LAN400を介して利用する。または、場合によっては、ユーザ99の操作によるものではなく、サービス利用機器100自身が能動的に判断してサービスを受ける場合もある。
【0017】
また、サービス提供機器101、102、103はサービスを提供するために、事前にどんな利用可能なサービス項目を備えているかの情報を外部のサービス利用機器100に提示することが可能である。サービス利用機器100は、その情報を検索し、サービス項目を確認したあとで、ユーザ99が利用する利用可能なサービス項目を決定し、実際にサービスを利用することになる。
【0018】
このサービス管理の技術に関しては、例えば、Webサービス技術におけるUDDI(Universal Description, Discovery and Integration)技術が広く一般的に知られている。UDDIはいわゆるサービスリポジトリである。サービス提供機器の所有者は、公開したいサービスの情報、例えばサービス名やサービスの種類、インタフェース定義、アクセスポイントなどのサービス関連情報をこのUDDIに登録する。そしてサービス利用機器の所有者はこのUDDIに対してどんなサービス項目があるかを問い合わせ、前述したサービス関連情報を得ることが可能となる。
【0019】
図3は、このUDDIを利用した場合の情報処理装置の構成の1例を示す。サービス管理サーバ(UDDI)109に対して、サービス提供機器104、105、106並びにサービス提供機器101、102、103がサービス関連情報を登録する。この情報取得の機能は、サービス管理サーバ(UDDI)109が備える。そして、サービス利用機器100から、このサービス管理サーバ(UDDI)109に対していかなる提供可能なサービス機能があるのかの検索を行うことが出来る。この場合、サービス管理サーバ(UDDI)109は複数存在する場合もある。
【0020】
次に、図4及び図5は、前述したUDDIに相当するサービス管理サーバ109の所在について説明する図である。図4は、前述したUDDIに相当するサービス管理サーバ109の機能を、各サービス提供機器101、102、103、、、に備える場合の例である。サービス提供機器101、102、103では、それぞれが所有する機能をサービス項目化し、自身内に設定されたサービス管理サーバに対してサービス関連情報の登録を行う。
【0021】
この場合、サービス管理サーバ機能としては、例えばサービスリスト501、502、503のように、登録したサービス項目が列挙されて保持されている状態となる。この場合、サービス利用機器100からは、LAN400で接続される全てのサービス提供機器101、102、、、、に対してサービス関連情報の検索を行う必要がある。
【0022】
一方、図5には、前述したUDDIに相当するサービス管理サーバ機能を、サービス提供機器101のみが備える場合の例を示す。サービス提供機器101、102、103ではそれぞれ、自身が所有する提供可能な機能をサービス項目化し、サービス提供機器101に設定されたサービス管理サーバ機能に対してサービス関連情報の登録を行う。この場合、サービス提供機器101に情報取得機能が備えられることになる。
【0023】
この場合、サービス管理サーバ機能としては、例えばサービスリスト504に示すように、登録したサービス関連情報が列挙され保持されている状態となる。そして、サービス利用機器100から、サービス提供機器101に設定されたサービス管理サーバ機能に対してのみサービス関連情報の検索を行えばよいこととなる。
【0024】
なお、サービス提供機器の機能選択の状況に連動してサービス利用の機能設定項目の画面やサービスリストの表示を変化させる場合がある。この場合には、以上のサービス関連情報に加え、サービス提供機器101、102、、、の構成や能力等機能の判定のために機器情報を取得する必要がある。そのために、サービス利用機器100は、サービス検索を行う際に、個々のサービス提供機器101、102、、、の構成や能力などの機器情報を取得する。
【0025】
サービス提供機器101、102、、、夫々の構成は、例えば、フィニッシャやそれに付随するステイプルやパンチャ、両面ユニット、FAXボードなどの有無、そして給紙カセット内の用紙サイズを示す給紙カセット情報等が含まれる。能力に関しては例えば、プリント機能に関して、カラープリント機能の有無や処理可能なPDL種、ネットワーク送信機能に関するプロトコルが含まれる。それらは、例えば、E−mail、FTP、SMB等、FAX機能に関する送信モード(G3、G4、カラー通信機能の有無等)が含まれる。従って、これらが機器情報とされる。なお、ここに挙げた構成や能力は一例であり、これらに限定するものではない。
【0026】
以下に、本発明の実施形態における情報処理装置の構成を具体的に記載する。ただし、本実施形態において必要となるサービス管理サーバは、一台のサーバとして存在してもよいし、個々のサービス提供機器が持つようにしてもよい。
【0027】
図6の検索結果リスト510は、サービス利用機器100が、サービス管理サーバ109、又は各サービス提供機器101、102、、、のサービス管理サーバ機能から取得したサービス関連情報や機器情報等の基づき生成した検索結果リストの一例である。この検索結果リスト510は、サービス利用機器100の内蔵するハードディスク(HDD)170又はメモリ(不図示)に記憶され、保存される。例えばサービス関連情報なら、サービス名:PrintA、サービス関連情報:Copy(コピー機能があることを示す)、PS(PDL種としてPostScriptを処理可能)などである。また機器情報なら、個々の機器から取得した機器情報、例えばシフトトレイ、両面ユニット、A4カセットに1000枚、A3カセットに500枚、などの情報である。
【0028】
この検索結果リスト510を生成するために、サービス利用機器100は、例えば起動時に、これらのサービス関連情報や機器情報を一度に取得しておく。ユーザ99が操作部150の操作をする前に、サービス関連情報や機器情報を取得し保存しておく。これにより、サービス内容の変更毎にネットワークを介した検索を行う必要がなく、サービス提供機器の選択に同期した高速な表示の変更が可能となり、ユーザ99の操作性が向上する。
【0029】
次に、図7を使用して、操作部150に表示するGUI(グラフィカルユーザインターフェース)画面について説明する。601が液晶表示部160の表示画面を表している。液晶表示部160への表示は、制御装置110が備える表示制御機能で実行される。
【0030】
602はトップメニューキーであり、この図7に表示したようなトップメニューのGUI画面表示に戻るために用意されたキーである。603はマイポータルキーであり、このマイポータルキー603が押下されると、例えばログインしたユーザ99に関連する情報(そのユーザ99が入力したジョブの情報やそのユーザ固有のキー表示など)のみの情報が掲載されたGUI画面が表示される。
【0031】
604乃至611は各種機能キー、612乃至614は各種機能へのショートカットキーである。615は登録キーであり、ショートカットキー612乃至614を登録するためのキーである。616はログアウトキーであり、現在のユーザセッションからログアウトするためのキーである。617はステータスラインであり、例えば実行中のジョブの情報を表示したり、消耗品(トナーなど)警告情報を表示したりするエリアである。618はシステム状況キーであり、例えば実行中のジョブリストやジョブログリストの情報が閲覧できるGUI画面を表示するためのキーである。
【0032】
図8はコピー機能設定のGUI画面の一例であり、図7におけるコピー機能ボタン604が押下された場合に表示する画面である。801は出力先リストキーであり、図9で示すような出力先サービス提供機器の候補一覧から出力先を設定させるための出力先選択のGUI画面を表示するためのキーである。802乃至809までは各種の設定キーであり、コピーを行う際の各種の設定を変更するためのキーである。810はコピースタートキーであり、設定された設定に基づいてコピー動作を開始させるためのキーである。811はストップキーであり、実行中のコピー動作を停止させるためのキーである。
【0033】
図9は、図8において出力先リストキー801が押下された場合に出力先を選択するための出力先選択のGUI画面を表示したものである。901が液晶表示部160の表示画面を示している。902は出力先選の択画面である。この例ではコピー機能の設定画面に関するものであるので、コピー機能設定の画面に対応するサービスであるコピーサービスを提供しているサービス提供機器のみが表示される。903は、図8で説明したコピー機能設定のGUI画面である。904は出力先リストを閉じるためのキーであり、押下されると、902の出力先リストを閉じ、図8のGUI画面表示に戻る。
【0034】
出力先選択の画面902の内の、905の列はサービス提供機器の選択チェックボックスであり、出力先を選択するために使われる。906の列はサービス提供機器の名前の列であり、出力先候補のサービス提供機器の名前が表示される。907の列は機器情報の列であり、カラー/白黒、フィニッシャ種類、両面ユニット、給紙カセット情報等の機器情報が表示される。
【0035】
次に、出力先選択操作に同期した設定画面の変更の動作について、図9乃至13を用いて説明する。
【0036】
コピー機能を利用する際にデフォルトで、サービス提供機器自身に出力する設定になっている場合、出力先サービス提供機器の選択リストは、図9に示すように表示される。すなわち、「This Device」に対応するチェックボックスだけが選択された状態になっている。このとき「This Device」と同等の機能を所有する「This Device」、「 Device B」、「 Device C」のサービス提供機器の名前が太字で強調表示される。さらに「 Device I」、「 Device J」、「 Device M」のサービス提供機器の名前も太字で強調表示される。「This Device」だけが選択されている状態では、コピー機能に関する設定は制限されないため、コピー設定画面903に変化はない。
【0037】
この状態で「Device G」及び「Device H」が選択されると、その機能が判定されて、図10に示すような表示になる。「Device G」及び「 Device H」はフィニッシング機能を持たないサービス提供機器であるため、利用不可能であるので、コピー設定画面903のソータキー805をグレーアウト表示とし、設定不可能として押下できないようにする。
【0038】
また、出力先サービス提供機器一覧画面902では、選択されている「This Device」、「 Device G」、「 Device H」が共通して所有する機能を備えるサービス提供機器が強調表示される。この場合、「This Device」、「 Device G」、「 Device H」が共通して所有する機能は、「Color」、「 Duplexer」、「 A4」、「 A3」である。よって、これらの印刷機能を持つ「This Device」、「 Device A」、「Device B」が強調表示される。さらに、「 Device C」、「 Device G」、「 Device H」、「 Device I」、「 Device J」、「 Device M」も強調表示される。
【0039】
次に、既存の設定項目に対応しないサービス提供機器を追加選択した場合の処理について説明する。基本的に以下の処理は、制御装置110で実行されるものである。まず、図10の状態においてユーザ99によって両面設定が行われたとすると、操作部150が備える液晶表示部160のGUI画面表示は、図11に示すように変化する。この時、両面設定キー806は、両面印刷の設定が行われている状態であることをユーザ99に知らせるために反転表示される。そして、図11に示す状態で、両面印刷の機能を持たない「Device L」が選択されたとその機能が判定された場合、図12に示すような表示を行う。
【0040】
図12において、1201は確認ダイアログであり、現在設定されている設定内容に対応しない、すなわち利用不可能なサービス提供機器が出力先として選択されたことを確認するための確認画面のダイアログである。この確認画面のダイアログ1201では、新たに選択されたサービス提供機器が対応していない設定不可能の設定内容と、そのサービス提供機器を追加した場合にその設定がどのように変化するかが示される。
【0041】
1202はOKキーであり、ユーザ99に指定されたサービス提供機器を出力先として追加する処理を続行するためのキーである。1203はCancelキーであり、ユーザ99に指定されたサービス提供機器の選択を取りやめるためのキーである。OKキー1202が押下されると、図13に示すGUI画面を表示し、Cancelキー1203が押下されると、図11のGUI画面に戻る。
【0042】
図13は、図12においてOKキー1202が押下された場合のGUI画面である。「Device L」は両面出力に対応していないため利用不可能とし、両面設定を取り消し、コピー機能設定の画面902中の両面設定キー806をグレーアウト表示し、設定不可能とするため、押下できないようにする。また、サービス提供機器出力先の選択画面906では、選択中のサービス提供機器が共通に備える能力を有するサービス提供機器が強調して表示される。
【0043】
ここでは、「This Device」、「 Device G」、「 Device H」、「 Device L」が共通にもつ「Color」、「 A4」の印刷機能を有するサービス提供機器を強調して表示する。この例では、「This Device」、「 Device A」、「 Device B」が強調表示となる。さらに「 Device C」、「 Device D」、「 Device G」、「 Device H」、「 Device I」、「 Device J」、「 Device L」、「 Device M」も強調表示となる。
【0044】
次に、前述した処理の具体的な処理フローを、フローチャートを用いて説明する。
【0045】
図14は、コピー機能の設定画面において、ユーザ99が操作部150で何らかの指示を行った際の処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートはHDD170に記憶されたプログラムコードを制御装置110が読み出し、それを解釈することにより実行する処理の流れを示すものである。
【0046】
まず、処理の開始後ステップS1401にてユーザ99からの指示が、機能実行の指示であるかどうかを判定する。機能実行の指示であれば、ステップS1402に進み、現在の設定内容に基づいてコピー機能の実行処理を行い、処理を終了する。一方ステップS1401にて機能実行の指示でないと判定された場合はステップS1403に進む。なお、ここでの各判定は、制御装置110が、機能判定の機能を実行することで実現される。
【0047】
ステップS1403ではユーザ99からの指示が機能設定の指示であるか、出力先設定の指示であるかを判定する。もし機能設定の指示であった場合は、ステップS1404に進み、指定された設定内容に設定を変更し、処理を終了する。一方、ステップS1403で出力先設定の指示であると判定された場合はステップS1405に進む。
【0048】
ステップS1405では、ユーザ99の指示が出力先サービス提供機器の追加であるか、出力先サービス提供機器の削除であるかを判定する。もし、ユーザ99の指示が追加指示であった場合はステップS1406に進む。ステップS1406では、追加指定されたサービス提供機器の能力と現在の機能設定の内容が競合していないかを判定する。競合していない場合はステップS1407に進む。ステップS1407では、サービス提供機器出力先の選択画面において、指定されたサービス提供機器のチェックボックスを選択状態にし、ステップS1408に進む。
【0049】
ステップS1408では、全ての選択中のサービス提供機器が共通に持つ能力を記憶し、ステップS1409に進む。ステップS1409では、ステップS1408で記憶した能力を全て備えたサービス提供機器のサービス提供機器の名前を強調表示し、ステップS1410に進む。
【0050】
ステップS1410では、ステップS1408で記憶した能力に関する設定キー以外のキーをグレーアウトし処理を終了する。なおこの時、グレーアウトした設定項目に対して既に何らかの設定が行われていたら設定されていない状態に戻す処理も行う。
【0051】
また、ステップS1405において出力先の追加ではないと判定された場合は、ステップS1411に進む。ステップS1411では、指定されたサービス提供機器のチェックボックスを未選択状態にし、ステップS1408に進む。それ以降の処理は前述の通りである。
【0052】
また、ステップS1406で既存設定と競合していると判定された場合はステップS1412に進む。ステップS1412では、図12で示したような確認画面を表示しステップS1413に進む。この確認画面の表示制御は、たとえば、制御装置110が、表示制御手段の機能を果たし、表示されるものである。
【0053】
ステップS1413では、ユーザ99の入力を受けてサービス提供機器の追加処理を続行するか、中止するかを判定する。図12においてOKキー1202が押下されたら続行すると判定し、Cancelキー1203が押下されたら中止すると判定する。ここで、続行と判定された場合は表示しているダイアログを閉じてステップS1407に進み、前述の処理と同様の処理を行う。中止と判定された場合は、表示しているダイアログを閉じて処理を終了する。
【0054】
上記で説明したように、ユーザ99が使いたいサービス提供機器を選択していくと、選択されたサービス提供機器が共通に持っている機能を有するサービス提供機器が識別可能に表示される。このため、複数のサービス提供機器に同一の設定で出力を行いたい場合に、ユーザ99は、サービス提供機器の選択の操作を効率的に行うことができるようになる。
【0055】
また、出力先サービス提供機器の選択に同期して機能設定の画面が変化する。このため、ユーザ99は、無用な設定操作を行えなくなるためユーザ99の利便性が向上する。また、既存設定が無効化されるような状況では確認画面が表示されるため、ユーザ99の意図に反して設定が変えられて出力されるようなことがなくなる。なお、本実施形態ではコピー設定機能に関して述べたが、本発明はこれに制限されるものではなく、送信機能において他のサービス提供機器の送信機能を利用して送信する場合など、他の機能にも適用できる。
【0056】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、起動時にサービス及び機器の検索を行っている。しかし、操作部150に再検索キーを設け、ユーザ99が望むタイミングでの再検索を可能としてもよい。また、起動時以外に定期的に再検索をかけ検索結果リストを更新するようにしてもよい。
【0057】
また上記実施形態では、出力先の選択画面において同等の能力を持つサービス提供機器のサービス提供機器の名前を強調表示するようにしている。しかしながら、同等の機能を持つと判定されたサービス提供機器の名前を表の上部に表示し、以下、近い機能を持つ順に並べ替えて表示するようにしてもよい。このような構成では、同等の機能を持つと判定されるサービス提供機器がリストの上部に連続して表示されるようになる。そのため、同等の機能を持つ複数のサービス提供機器を選択することが頻繁に行われるような場合、ユーザ99の操作性向上につながる。
【0058】
また上記実施形態では、機器の検索で検出されたサービス提供機器を全て出力先候補として表示するようにしているが、設置場所情報、IPアドレス、機種等により予めリストに表示するサービス提供機器を絞り込めるようにしてもよい。このような構成にすると大量のサービス提供機器が存在するような環境における操作性も改善できる。
【0059】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給しても達成可能である。すなわち、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0060】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性の半導体メモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合もある。
【0061】
しかし、さらにそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0062】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる場合もあり得る。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を説明するための図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置に適用可能な画像形成装置の一例を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態に係る情報処理装置の他の構成の一例を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報処理装置の、さらに他の構成の一例を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態に係る情報処理装置の、さらに他の構成の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態に係る情報処理装置で使用される検索結果リストの一例を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報処理装置で使用される操作部に液晶表示部で表示される表示画面の一例を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態に係る情報処理装置で使用されるコピー機能画面の表示の一例を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態に係る情報処理装置で使用されるコピー機能画面において、出力先や設定を変更した場合の画面表示変化の一例を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態に係る情報処理装置で使用されるコピー機能画面において、出力先や設定を変更した場合の画面表示変化の、他の例を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態に係る情報処理装置で使用されるコピー機能画面において、出力先や設定を変更した場合の画面表示変化の、さらに他の例を説明するための図である。
【図12】本発明の実施形態に係る情報処理装置で使用されるコピー機能画面において、出力先や設定を変更した場合の画面表示変化の、さらに他の例を説明するための図である。
【図13】本発明の実施形態に係る情報処理装置で使用されるコピー機能画面において、出力先や設定を変更した場合の画面表示変化の、さらに他の例を説明するための図である。
【図14】本発明の実施形態に係る情報処理装置において、ユーザから指示を受けた際の処理の動作を説明するためのフローチャート図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上に存在する複数のサービス提供機器が提供するサービスを利用する情報処理装置において、
前記複数のサービス提供機器の機器情報及び前記複数のサービス提供機器が提供可能なサービスに関連するサービス関連情報を取得する情報取得手段と、
前記機器情報及び前記サービス関連情報に基づき、利用可能なサービスのサービス機能のリストを表示するための第1表示制御手段と、
前記第1表示制御手段により表示される前記利用可能なサービスの前記サービス機能のリスト中から利用するサービス機能を選択するサービス機能の選択手段と、
前記サービス機能の選択手段により選択された前記利用するサービスで利用可能なサービス機能を判定するサービス機能の判定手段と、
前記サービス機能の判定手段により判定された前記利用可能なサービス機能を識別可能に表示する第2表示制御手段と、を備える、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記サービス機能の判定手段により判定された前記利用可能なサービス機能に基づいて、前記複数のサービス提供機器が提供可能なサービスの中で、利用可能ではないサービス機能に関する設定項目を判定する利用不可能の判定手段と、
前記利用不可能の判定手段により判定されたサービス機能の設定を不可能とする設定不可能手段と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記サービス機能の選択手段により特定のサービス機能が選択されることにより、現在の設定されている前記設定項目の設定が不可能になるサービス機能を検出する競合サービス機能の検出手段と、
前記設定が不可能とされるサービス機能が検出されると、その旨を示す確認画面を表示する確認画面の表示制御手段と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ネットワーク上に存在する複数のサービス提供機器が提供するサービスを利用する情報処理装置の制御方法において、
前記複数のサービス提供機器の機器情報及び前記複数のサービス提供機器が提供可能なサービスに関連するサービス関連情報を取得する情報取得工程と、
前記機器情報及び前記サービス関連情報に基づき、利用可能なサービスのサービス機能のリストを表示するための第1表示制御工程と、
前記第1表示制御工程により表示される前記利用可能なサービスの前記サービス機能のリスト中から利用するサービス機能を選択するサービス機能の選択工程と、
前記サービス機能の選択工程により選択された前記利用するサービスで利用可能なサービス機能を判定するサービス機能の判定工程と、
前記サービス機能の判定工程により判定された前記利用可能なサービス機能を識別可能に表示する第2表示制御工程と、を備える、ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項5】
前記機能判定工程により判定された前記利用可能なサービス機能に基づいて、前記複数のサービス提供機器が提供可能なサービスの中で、利用可能ではないサービス機能に関する設定項目を判定する利用不可能の判定工程と、
前記利用不可能の判定工程により判定されたサービス機能の設定を不可能とする設定不可能工程と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記サービス機能の選択工程により特定のサービス機能が選択されることにより、現在の設定されている前記設定項目が設定不可能になるサービス機能を検出する競合サービス機能の検出工程と、
前記設定不可能とされるサービス機能が検出されると、その旨を示す確認画面を表示する確認画面の表示制御工程と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置の制御方法の手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置の制御方法の手順をコンピュータに実現させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−123378(P2008−123378A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308407(P2006−308407)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】