説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラム

【課題】ユーザインターフェースを持たない組込機器などにおいても、アプリケーション配備操作用のプログラムを作成することなく所望の配備操作を行う。
【解決手段】アプリケーションプログラムがネットワーク12を介してパーソナルコンピュータ(PC)13から配信されるプリンタ11Aにおいて、PC13がネットワーク12を介してアプリケーションプログラムを操作可能な状態で格納し、アプリケーションプログラムの格納状態あるいは格納情報に応じて、当該アプリケーションプログラムに対する処理を判別し、実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラムに係り、特にアプリケーションプログラムのインストール、アップデートあるいはアンインストールなどのアプリケーションプログラム配備操作技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、組込機器に関するJava(登録商標)アプリケーション(プログラム)の管理にOSGiという仕様が知られている。アプリケーション配備(インストール、アップデートあるいはアンインストール)にはJavaベースのAPI仕様が存在し、「install」、「update」、「uninstall」などの操作命令(操作コマンド)を介してアプリケーションプログラムのインストール、アップデート、アンインストールを行うように構成されていた。
【特許文献1】特開平5−270069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、組込機器の外部からアプリケーションの配備操作を実現するためには、命令を処理するサーバプログラムが必要であり、当該サーバプログラムの仕様に応じたクライアントプログラムも必要となってしまうという問題点があった。
また、Java以外のプログラムからJavaアプリケーションの配備操作を行う場合には、JNI(Java Native Interface)を利用したプログラムを作成する必要があり、手間がかかるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、ユーザインターフェースを持たない組込機器などにおいても、アプリケーション配備操作用のプログラムを作成することなく所望の配備操作を行うことが可能な情報処理装置、情報処理装置の制御方法および制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、アプリケーションプログラムが通信線を介して外部の情報配信装置から配信される情報処理装置において、前記情報配信装置が前記通信線を介して前記アプリケーションプログラムを操作可能な状態で格納するアプリケーション格納部と、前記アプリケーション格納部における前記アプリケーションプログラムの格納状態あるいは格納情報に応じて、当該アプリケーションプログラムに対する処理を判別する処理判別部と、前記判別結果に基づいて前記アプリケーションプログラムに対する処理を実行するプログラム処理部と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、アプリケーション格納部は、情報配信装置が通信線を介してアプリケーションプログラムを操作可能な状態で格納する。
この結果、処理判別部は、情報配信装置の操作の結果に対応するアプリケーション格納部におけるアプリケーションプログラムの格納状態あるいは格納情報に応じて、当該アプリケーションプログラムに対する処理を判別し、プログラム処理部は、判別結果に基づいてアプリケーションプログラムに対する処理を実行する。
【0005】
この場合において、前記処理判別部は、前記アプリケーション格納部に格納されているアプリケーションプログラムが存在している場合に、当該アプリケーションプログラムに対する処理はインストール処理であると判別し、前記プログラム処理部は、前記判別結果に基づいて前記アプリケーションプログラムのインストールを実行するように構成することも可能である。
また、前記処理判別部は、前記アプリケーション格納部に格納されているアプリケーションプログラムが存在し、かつ、当該アプリケーションプログラムのファイルサイズが所定サイズより大きい場合に、当該アプリケーションプログラムに対する処理はインストール処理であると判別し、前記プログラム処理部は、前記判別結果に基づいて対応する前記アプリケーションプログラムのインストールを実行するようにしてもよい。
さらに、前記処理判別部は、前記アプリケーション格納部に格納されているアプリケーションプログラムが存在し、当該アプリケーションプログラムのファイルサイズが所定サイズより大きく、かつ、既に同一名称のアプリケーションプログラムが実行可能な状態にある場合に、当該アプリケーションプログラムに対する処理はアップデート処理であると判別し、前記プログラム処理部は、前記判別結果に基づいて対応する前記アプリケーションプログラムのアップデートを実行するようにしてもよい。
【0006】
さらにまた、前記アプリケーション格納部におけるアプリケーションプログラムの格納領域を管理する格納領域管理部を備え、前記処理判別部は、前記格納領域管理部において管理されている前記格納領域に前記アプリケーションプログラムが存在しない場合に、当該アプリケーションプログラムに対する対する処理はアンインストール処理であると判別し、前記プログラム処理部は、前記判別結果に基づいて対応する前記アプリケーションプログラムのアンインストールを実行するようにしてもよい。
また、前記格納領域を表す情報としてファイルパス情報を用いるようにしてもよい。
さらに、一のアプリケーションプログラムに対し依存関係のある他のプログラムがあるか否かを判別する依存関係判別部と、一のアプリケーションプログラムに対し依存関係のある他のプログラムがある場合には、前記プログラム処理は、前記一のアプリケーションプログラムおよび当該プログラムに対し依存関係のある全ての他のプログラムがアンインストール対象である場合を除き、アンインストール処理の実行を禁止するようにしてもよい。
【0007】
また、アプリケーションプログラムが通信線を介して外部の情報配信装置から配信され、前記情報配信装置が前記通信線を介して前記アプリケーションプログラムを操作可能な状態で格納するアプリケーション格納部を備えた情報処理装置の制御方法において、前記アプリケーション格納部における前記アプリケーションプログラムの格納状態あるいは格納情報に応じて、当該アプリケーションプログラムに対する処理を判別する処理判別過程と、前記判別結果に基づいて前記アプリケーションプログラムに対する処理を実行するプログラム処理過程と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、アプリケーションプログラムが通信線を介して外部の情報配信装置から配信され、前記情報配信装置が前記通信線を介して前記アプリケーションプログラムを操作可能な状態で格納するアプリケーション格納部を備えた情報処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、前記アプリケーション格納部における前記アプリケーションプログラムの格納状態あるいは格納情報に応じて、当該アプリケーションプログラムに対する処理を判別させ、前記判別結果に基づいて前記アプリケーションプログラムに対する処理を実行させる、ことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は実施形態のアプリケーション配信システムの概要構成ブロック図である。
アプリケーション配信システム10は、情報処理装置として機能し、後述するパーソナルコンピュータの制御下で各種印字処理を行うプリンタ11A〜11Cと、プリンタ11A〜11Cが接続されたインターネット、LANなどを含むネットワーク12と、ネットワーク12に接続され、ネットワーク12を介してプリンタ11A〜11Cに接続され、印刷制御およびアプリケーションの配信を行うパーソナルコンピュータ(PC)13と、を備えて構成されている。
この場合において、プリンタ11A〜11Cに対して配信されるアプリケーションとしては、正規のユーザによる印字出力であるか否かを判別するための認証アプリケーション、複数のプリンタで処理を分散(例えば、60部の印刷を3台のプリンタ11A〜11Cで20部ずつ印刷させる等)して行わせるクラスタプリント(分散印刷)アプリケーション、印刷対象の画像に対して処理を行う画像処理アプリケーション、プリンタ11A〜11Cのステータスを管理サーバとして機能するパーソナルコンピュータ13などに通知したり、メンテナンスや消耗品補充のためにサービス会社に通知するなどの状態管理アプリケーションなどがあげられる。
【0010】
ここで、プリンタの構成について説明する。
プリンタ11A〜11Cは、同一構成であるので、プリンタ11Aを例として説明する。
プリンタ11Aは、プリンタ11A全体を制御するMPU21と、ネットワーク12とMPU21との間のインタフェース動作を行うネットワークカード22と、MPU21の制御下で各種印字処理を実際に行う印字ユニット23と、図示しないUSB、IEEE1394端子、パラレル端子などとMPU21との間のインタフェース動作を行うインタフェース(I/F)回路24と、を備えている。
ここで、MPU21は、マイクロコンピュータとして構成されており、当該MPU21全体を制御するCPU、制御プログラムなどを予め記憶するROM、一時的にデータなどを格納するRAMなどを備えている。
また、印字ユニット23は、各種印字を行う印字ヘッド、印字ヘッドを所定の印字方向に駆動するキャリッジ機構、記録媒体を搬送するための搬送機構などを備えている。
【0011】
図2は、プリンタの機能ブロック図である。
図2においても、プリンタ11A〜11Cは、同一構成であるので、プリンタ11Aを例として説明するものとする。
プリンタ11Aは、複数のアプリケーションを記憶可能な記憶部31と、アプリケーション全体の管理を行うアプリケーション管理部32と、複数のアプリケーション同士の依存関係に関する情報を取得するための依存関係取得部33と、当該プリンタ11Aにおけるアプリケーションの実行管理(インストール、アップデート、アンインストール)を行うアプリケーション実行管理部34と、記憶部31が記憶しており、かつ、インストール処理が完了したアプリケーションのファイルサイズ(情報)を変更するファイルサイズ変更部35と、記憶部31が記憶しているアプリケーションのファイルサイズ(情報)を確認するファイルサイズ確認部36と、記憶部31上に指定されたアプリケーションのファイルが存在するか否かを判別するファイル確認部37と、ネットワーク12を介してパーソナルコンピュータ13との間の接続処理を行う接続部38と、を備えている。
一方、パーソナルコンピュータ13もネットワーク12を介してプリンタ11Aとの間の接続処理を行う接続部41を備えている。
【0012】
次に実施形態の動作を説明する。
まず、アプリケーションのインストール時の動作について説明する。
図3は、インストール処理の処理フローチャートである。
図4は、インストール時動作の説明図である。
本実施形態においては、記憶部31の配備操作用の指定ディレクトリ(以下の説明では、ディレクトリ/bootとする)にインストール対象のアプリケーションを格納するだけで、プリンタ側でインストールがなされるようになっている。
初期状態において、記憶部31の配備操作用の指定ディレクトリには、図4の状態ST11で示すように、アプリケーションが何も格納されていないものとする。
【0013】
まずパーソナルコンピュータ13の接続部41がネットワーク12およびプリンタ11Aの接続部38を介して、インストール対象のアプリケーションAを記憶部31の配備操作用の指定ディレクトリ(ディレクトリ/boot)に転送し、格納すると、プリンタ11Aのファイル確認部37は、次回の起動時(再起動時)に記憶部31の指定ディレクトリにファイルが格納されているか否かを判別する(ステップS11)。
ステップS11の判別において、記憶部31の指定ディレクトリにファイルが何も格納されていない場合には(ステップS11;No)、プリンタ11AのMPU21は、インストール処理を終了し、通常処理に移行する。
ステップS11の判別において、図4の状態ST12で示すように、記憶部31の指定ディレクトリにファイルが格納されている場合には(ステップS11;Yes)、ファイルサイズ確認部36は、アプリケーションAのファイルサイズを取得する(ステップS12)。
【0014】
そしてファイルサイズ確認部36は、アプリケーションAのファイルサイズが0(バイト)より大きいか否かを判別する(ステップS13)。
ステップS13の判別において、アプリケーションAのファイルサイズが0(バイト)以下である場合には(ステップS13;No)、インストール処理は必要ないので、プリンタ11AのMPU21は、インストール処理を終了し、通常処理に移行する。
ステップS13の判別において、アプリケーションAのファイルサイズが0(バイト)より大きい場合には(ステップS13;Yes)、ファイルサイズ変更部35は、アプリケーションAのファイルサイズを0(バイト)とし、アプリケーション実行管理部は、記憶部に格納されているアプリケーションAのインストールを実行する。
これにより、アプリケーションAは、図4の状態ST13で示すように、プリンタ11Aに組み込まれ、再起動後に動作可能となる。
【0015】
したがって、これ以降において、プリンタ11Aが再起動された場合には、プリンタ11Aのファイル確認部は36、記憶部31の指定ディレクトリに格納されているファイルを確認しアプリケーションAが存在していることを確認する。
次にファイルサイズ確認部36は、アプリケーションAのファイルサイズを取得する。
この場合、ファイルサイズ確認部36は、アプリケーションAのファイルサイズが0(バイト)であることを確認し、アプリケーションAのインストールを行う必要がないことを確認してMPU21は当該アプリケーションAの実行に移行することとなる。
【0016】
次にアプリケーションのアンインストールを行う場合の動作を説明する。
図5は、アンインストール処理の処理フローチャートである。
図6は、アプリケーションのアンインストール動作時の説明図である。
本実施形態においては、記憶部31の配備操作用の指定ディレクトリからアンインストール対象のアプリケーションを削除するだけで、プリンタ側でアンインストールがなされるようになっている。
この場合において、図6の状態ST21で示すように、二つのアプリケーション、アプリケーションAおよびアプリケーションBが既にプリンタ11Aにインストールされて実行されており、アプリケーションBはアプリケーションAのみに依存しており、かつ、他のアプリケーションはアプリケーションAには依存していないものとする。
【0017】
ここで、アプリケーションBがアプリケーションAに依存するとは、アプリケーションBの実行には、アプリケーションAの実行が前提となっているようなもの、すなわち、アプリケーションBはアプリケーションAなしには単独で実行することができないものをいう。
以下の説明においては、パーソナルコンピュータ13が、アプリケーションA(ファイル名=applicationA.jar)およびアプリケーションB(ファイル名=applicationB.jar)のアンインストールを試みる場合について説明する。
まず、パーソナルコンピュータ13は、ネットワーク12を介して、アンインストール対象のアプリケーションAを記憶部31の配備操作用の指定ディレクトリ/bootから削除する。
これにより、プリンタ11Aのアプリケーション管理部32は、現在インストールされ、実行状態にあるアプリケーションのファイルパス名を取得する(ステップS21)。
具体的には、図6の状態ST21で示すように、アプリケーションAのファイルパス、
/boot/applicationA.jar
およびアプリケーションAに依存しているアプリケーションBのファイルパス、
/boot/applicationB.jar
を取得することとなる。
【0018】
次にファイル確認部37は、アプリケーション管理部32の取得したファイルパスに基づいてディレクトリ/boot以下のディレクトリに存在するファイルを確認し(ステップS22)、アプリケーションAが実際には存在していないことを確認する。
続いて、依存関係取得部33は、アプリケーションAと実行されているバンドルとの依存関係情報を取得する(ステップS23)。
続いて依存関係取得部33は、取得した依存関係情報に依存しているか否かを判別する(ステップS24)。
ステップS24の判別において、アプリケーションAは、アプリケーションBに依存されているため、図6の状態ST22で示すように、この時点ではアンインストールを行わずに処理をステップS21に移行する。
【0019】
一方、パーソナルコンピュータ13は、ネットワーク12を介して、アンインストール対象のアプリケーションBを記憶部の配備操作用の指定ディレクトリ/bootから削除する。
これに伴いプリンタのアプリケーション管理部32は、現在インストールされているアプリケーションのファイルパス名を取得する(ステップS21)。
この場合には、図6の状態ST23で示すように、未だアプリケーションAは削除されていないため、再びアプリケーションAのファイルパス、
/boot/applicationA.jar
およびアプリケーションAに依存しているアプリケーションBのファイルパス、
/boot/applicationB.jar
を取得することとなる。
次にファイル確認部37は、アプリケーション管理部32の取得したファイルパスに基づいてディレクトリ/boot以下のディレクトリに存在するファイルを確認し(ステップS22)、アプリケーションBが実際には存在していないことを確認する。
【0020】
続いて、依存関係取得部は、アプリケーションAおよびアプリケーションBと実行されているバンドルとの依存関係情報を取得する(ステップS23)。
続いて依存関係取得部33は、取得した依存関係情報に依存しているか否かを判別する(ステップS24)。
ステップS24の判別において、アプリケーションAおよびアプリケーションBは、他のアプリケーションに依存されておらず、アプリケーションAはアプリケーションBにのみ依存されているだけであるので、両アプリケーションA、Bのアンインストールにより影響を受ける他のアプリケーションは存在しないため、アプリケーションAおよびアプリケーションBはアンインストールされることとなり(ステップS25)、図6の状態ST24で示すように、アンインストール処理が終了される。
【0021】
次にアプリケーションのアップデート(更新)を行う場合の動作を説明する。
図7は、アップデート処理の処理フローチャートである。
図8は、アプリケーションのアップデート動作時の説明図である。
この場合において、アップデート対象のアプリケーションAは、図8の状態ST31で示すように、すでにインストールされているものとする。
まずパーソナルコンピュータ13は、ネットワーク12を介して、アップデート対象のアプリケーションAを記憶部の配備操作用の指定ディレクトリに転送し、格納する。
これに伴いプリンタ11Aのアプリケーション管理部32は、図8の状態ST32で示すように、現在インストールされているアプリケーションのファイルパス名を取得する(ステップS31)。
【0022】
具体的には図8の場合、アプリケーションAのファイルパス、
/boot/applicationA.jar
を取得することとなる。
次にファイル確認部37は、アプリケーション管理部32の取得したファイルパスに基づいてディレクトリ/boot以下のディレクトリに存在するファイルを確認し(ステップS32)、ディレクトリ/bootにアプリケーションAが存在していることを確認する。
次にファイルサイズ確認部36は、アプリケーションAのファイルサイズを取得する(ステップS33)。
そしてファイルサイズ確認部36は、アプリケーションAのファイルサイズが0(バイト)より大きいか否かを判別する(ステップS34)。
【0023】
ステップS34の判別において、アプリケーションAのファイルサイズが0(バイト)以下である場合には(ステップS34;No)、アップデート処理は必要ないので、プリンタ11AのMPU21は、アップデート処理を終了し、通常処理に移行する。
ステップS34の判別において、アプリケーションAのファイルサイズが0(バイト)より大きい場合には(ステップS34;Yes)、ファイルサイズ確認部36は、ファイルサイズ変更部35およびアプリケーション実行管理部34にその旨を通知する。
これにより、ファイルサイズ変更部35は、記憶部31のディレクトリ/bootのアプリケーションA(アップデート前のアプリケーション)のファイルサイズ情報を更新し、記憶部のディレクトリ/bootのアプリケーションAのファイルサイズを0(バイト)とする(ステップS35)。
【0024】
これと並行して、アプリケーション実行管理部34は、記憶部31に新たに格納されたアプリケーションAを実行する(ステップS36)。
これにより、図8の状態ST33で示すように、アプリケーションAのアップデートがなされ、プリンタ11Aに組み込まれることとなる。
これ以降において、プリンタ11Aが再起動された場合には、図8の状態ST32で示すように、プリンタ11Aのファイル確認部37は、記憶部31の指定ディレクトリに格納されているファイルを確認しアプリケーションAが存在していることを確認する。
【0025】
次にファイルサイズ確認部36は、アプリケーションAのファイルサイズを取得する。
この場合、ファイルサイズ確認部36は、アプリケーションAのファイルサイズが0(バイト)であることを確認し、アプリケーションAのアップデート(インストール)を行う必要がないことを確認して処理を終了する。
【0026】
以上の説明のように、本実施形態によれば、パーソナルコンピュータなどの情報配信装置は、情報処理装置としてのプリンタの所定の配信操作用ディレクトリに対するファイル(アプリケーション)の書き込み操作あるいは削除操作を行うだけで、情報処理装置はアプリケーションのインストール、アップデートあるいはアンインストールを行えるため、サーバプログラムあるいはクライアントプログラムを作成する手間を削減することができる。この結果、開発効率の向上を図ることができる。
【0027】
以上の説明においては、配備処理対象(インストール、アンインストールあるいはアップデート対象)のアプリケーション(ファイル)を所定のディレクトリに格納する構成を採っていたが、専用の記憶装置(メモリなど)を設けておき、当該記憶装置に対象となるアプリケーション(ファイル)を格納するように構成することも可能である。
以上の説明においては、クライアントである外部機器として、プリンタ(印刷装置)の場合について説明したが、これに限られるものではなく、PDAや携帯電話などの携帯情報機器、パーソナルコンピュータなどの各種情報処理機能を有する情報処理装置であって、通信線を介して情報配信装置(例えば、情報配信サーバ)に接続可能なものであれば、適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態のアプリケーション配信システムの概要構成ブロック図である。
【図2】プリンタの機能ブロック図である。
【図3】インストール処理の処理フローチャートである。
【図4】インストール時動作の説明図である。
【図5】アンインストール処理の処理フローチャートである。
【図6】アプリケーションのアンインストール動作時の説明図である。
【図7】アップデート処理の処理フローチャートである。
【図8】アプリケーションのアップデート動作時の説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10…アプリケーション配信システム、11A〜11C…プリンタ(情報処理装置)、12…ネットワーク、13…パーソナルコンピュータ(情報配信装置)、21…MPU、22…ネットワークカード、23…印字ユニット、24…インタフェース(I/F)回路、31…記憶部、32…アプリケーション管理部、33…依存関係取得部、34…アプリケーション実行管理部、35…ファイルサイズ変更部、36…ファイルサイズ確認部、37…ファイル確認部、38…接続部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラムが通信線を介して外部の情報配信装置から配信される情報処理装置において、
前記情報配信装置が前記通信線を介して前記アプリケーションプログラムを操作可能な状態で格納するアプリケーション格納部と、
前記アプリケーション格納部における前記アプリケーションプログラムの格納状態あるいは格納情報に応じて、当該アプリケーションプログラムに対する処理を判別する処理判別部と、
前記判別結果に基づいて前記アプリケーションプログラムに対する処理を実行するプログラム処理部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記処理判別部は、前記アプリケーション格納部に格納されているアプリケーションプログラムが存在している場合に、当該アプリケーションプログラムに対する処理はインストール処理であると判別し、
前記プログラム処理部は、前記判別結果に基づいて前記アプリケーションプログラムのインストールを実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記処理判別部は、前記アプリケーション格納部に格納されているアプリケーションプログラムが存在し、かつ、当該アプリケーションプログラムのファイルサイズが所定サイズより大きい場合に、当該アプリケーションプログラムに対する処理はインストール処理であると判別し、
前記プログラム処理部は、前記判別結果に基づいて対応する前記アプリケーションプログラムのインストールを実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記処理判別部は、前記アプリケーション格納部に格納されているアプリケーションプログラムが存在し、当該アプリケーションプログラムのファイルサイズが所定サイズより大きく、かつ、既に同一名称のアプリケーションプログラムが実行可能な状態にある場合に、当該アプリケーションプログラムに対する処理はアップデート処理であると判別し、
前記プログラム処理部は、前記判別結果に基づいて対応する前記アプリケーションプログラムのアップデートを実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の情報処理装置において、
前記アプリケーション格納部におけるアプリケーションプログラムの格納領域を管理する格納領域管理部を備え、
前記処理判別部は、前記格納領域管理部において管理されている前記格納領域に前記アプリケーションプログラムが存在しない場合に、当該アプリケーションプログラムに対する対する処理はアンインストール処理であると判別し、
前記プログラム処理部は、前記判別結果に基づいて対応する前記アプリケーションプログラムのアンインストールを実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5記載の情報処理装置において、
前記格納領域を表す情報としてファイルパス情報を用いることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の情報処理装置において、
一のアプリケーションプログラムに対し依存関係のある他のプログラムがあるか否かを判別する依存関係判別部と、
一のアプリケーションプログラムに対し依存関係のある他のプログラムがある場合には、前記プログラム処理は、前記一のアプリケーションプログラムおよび当該プログラムに対し依存関係のある全ての他のプログラムがアンインストール対象である場合を除き、アンインストール処理の実行を禁止することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
アプリケーションプログラムが通信線を介して外部の情報配信装置から配信され、前記情報配信装置が前記通信線を介して前記アプリケーションプログラムを操作可能な状態で格納するアプリケーション格納部を備えた情報処理装置の制御方法において、
前記アプリケーション格納部における前記アプリケーションプログラムの格納状態あるいは格納情報に応じて、当該アプリケーションプログラムに対する処理を判別する処理判別過程と、
前記判別結果に基づいて前記アプリケーションプログラムに対する処理を実行するプログラム処理過程と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
アプリケーションプログラムが通信線を介して外部の情報配信装置から配信され、前記情報配信装置が前記通信線を介して前記アプリケーションプログラムを操作可能な状態で格納するアプリケーション格納部を備えた情報処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、
前記アプリケーション格納部における前記アプリケーションプログラムの格納状態あるいは格納情報に応じて、当該アプリケーションプログラムに対する処理を判別させ、
前記判別結果に基づいて前記アプリケーションプログラムに対する処理を実行させる、
ことを特徴とする制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−206819(P2007−206819A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22635(P2006−22635)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】