説明

情報処理装置およびプログラム

【課題】単体の装置では、実現できない処理の組み合わせ要求がある場合に、回線に接続されている複数の装置の機能を利用することでこの要求に応えることができる技術を提供する。
【解決手段】画像形成装置103がN-Up機能を備え、画像形成装置104がステープラの機能を備えている場合に、画像形成装置103によりN-Up処理を行った画像データを作成し、それを画像形成装置104に送って、ステープラの処理を行った印刷を行う。こうすることで、単体の装置では行えない処理を複数の装置を組み合わせて実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、1枚の印刷用紙に数ページ分の内容を縮小して印刷する機能が知られている。この印刷方法は、N-Up印刷と呼ばれ、この機能を備えた画像形成装置や文書作成ソフトウェアが市販されている。また、印刷物をステープラー(Stapler)で綴じて小冊子とする作業を行うことが出来る画像形成装置が知られている。
【0003】
ここで、N-Up機能を備えるが、印刷物をステープラで綴じる機能を備えない第1の画像形成装置があり、さらにN-Up機能は備えていないが、印刷物をステープラで綴じる機能を備える第2の画像形成装置がある場合を考える。この場合、N-Up機能とステープラで綴じる機能とを組み合わせて使うことはできない。別途N-Up機能が使える文書作成ソフトウェアがあれば、そこでN-Up機能を使った印刷データを作成し、それを第2の画像形成装置を用いて印刷することで、目的を達成することができる。しかしながら、N-Up処理はユーザ側で操作を行わなくてはならず、作業効率が悪い。また、ユーザ側で個々の機能を有した装置やソフトウェアを把握していなければならず、例えばオフィスで効率良く利用するには難点がある。
【0004】
ネットワークに接続された機器へのデータの配布や制御に関して、例えば、特許文献1や特許文献2に記載された技術が公知である。しかしながら、これらの技術は、上記問題に対応できる技術ではない。
【0005】
【特許文献1】特開平9−204363号公報(要約書)
【特許文献2】特開2006−20054号公報(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した背景に鑑み、単体の装置では、実現できない処理の組み合わせ要求がある場合に、複数の装置の機能を利用することでこの要求に応えることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、異なる機能を有する複数の装置が接続される接続部と、前記複数の装置の前記異なる機能を記憶する記憶部と、複数の処理を含む作業を実行するに当たり、前記複数の処理に含まれる第1の処理を前記複数の装置に含まれる第1の装置に割り当て、前記複数の処理に含まれる前記第1の処理とは異なる第2の処理を前記複数の装置に含まれる第2の装置に割り当てる制御を行う制御部とを備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の処理の組み合わせ内容を含む制御画面のデータを生成する生成部を更に備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、制御画面には、前記複数の装置のそれぞれが備える互いに異なる機能の組み合わせを選択することができる選択手段が含まれていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、複数の処理における最後の処理が行われる装置をユーザに通知する制御を行う制御部を更に備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、第1および第2の装置が画像形成装置であり、制御部は、第1の装置で行われた第1の処理が施された印刷データを第2の装置に送り、この第2の装置において画像の形成を行わせることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、接続された複数の装置の異なる機能を記憶する記憶ステップと、複数の処理を含む作業を実行するに当たり、前記複数の処理に含まれる第1の処理を前記複数の装置に含まれる第1の装置に割り当て、前記複数の処理に含まれる前記第1の処理とは異なる第2の処理を前記複数の装置に含まれる第2の装置に割り当てる制御を行う制御ステップとを備えることを特徴とするプログラムである。
【0013】
請求項7に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、複数の装置の異なる機能を記憶する記憶ステップと、前記複数の装置に含まれ、複数の処理に含まれる第1の処理を実行可能な第1の装置に関する情報と、前記複数の装置に含まれ、前記複数の処理に含まれる第2の処理を実行可能な第2の装置に関する情報とを前記複数の装置に含まれる少なくとも一つの装置または前記複数の装置に含まれない他の装置の表示装置上に表示させるステップとを備えることを特徴とするプログラムである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、複数の処理における最後の処理が行われる装置を前記表示装置上に表示するステップを更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、一つの装置では実行できない異なる複数の処理を含む作業を行うに当たり、複数の装置の中の当該処理が可能な装置のそれぞれに各処理を割り振り、リレー式に処理を順次その処理が実行可能な装置で行わせる。これにより、単体の装置では、実現できない処理の組み合わせ要求がある場合に、複数の装置の機能を利用することでこの要求に応えることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、当該情報処理装置に接続された装置の表示部に、ユーザが選択可能な機能の組み合わせと、装置との関係を示す表示を行わすことができる。これにより、装置の組み合わせに関する情報をユーザに視覚的に提示することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、複数の装置中の一つの装置の表示部に表示される制御画面を使って、上記視覚的に表示される情報を参考にして、ユーザが装置および機能の組み合わせを選択することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、複数の処理により構成される作業の最後の処理が行われる装置がユーザに通知されるので、ユーザが最後の処理の結果にアクセスすることが容易となる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、複数の画像形成装置の異なる機能を利用した作業において、第1の画像形成装置において画像データに対する処理が行われ、その処理を受けた画像データが第2の画像形成装置に送られて、そこで画像の形成が行われる。これにより、一つの画像形成装置では、行えない作業を複数の画像形成装置のそれぞれが備える機能を組み合わせることで実行することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の優位性を得ることができる処理をコンピュータに実行させることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、ユーザが操作する装置の表示装置に複数の処理のそれぞれを実行可能な装置の一覧が表示される。これにより、複数の処理が必要な作業を実行するに当たり、予めユーザが装置の組み合わせに関する知識を有していなくても、その組み合わせに関する知見を得ることができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、複数の処理により構成される作業の最後の処理が行われる装置がユーザに通知されるので、ユーザが最後の処理の結果にアクセスすることが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(1)第1の実施形態
(全体の構成)
図1は、本発明を利用したネットワークの構成を示す概念図である。図1には、サーバ101、パーソナルコンピュータ102、画像形成装置103、画像形成装置104、およびFAX装置106が回線105に接続されたネットワーク100が示されている。
【0024】
サーバ101は、画像形成装置103(MC1)と104(MC2)が備える機能を統合して使用するためのソフトウェアがインストールされている。このソフトウェアの内容については後述する。このソフトウェアにより、サーバ101は、以下に説明する機能ブロックを備えた装置として動作する。図2は、サーバ101を機能の観点から捉えた構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、サーバ101は、制御画面生成部201、装置制御部202、動作制御部203、記憶部204およびネットワーク接続部205を備えている。制御画面生成部201は、画像形成装置103のタッチパネルディスプレイ103aと画像形成装置104のタッチパネルディスプレイ104aに表示する制御画面を生成する。
【0026】
装置制御部202は、回線105(図1参照)を介して接続されたパーソナルコンピュータ102、画像形成装置103、画像形成装置104およびFAX装置106の動作をサーバ101側から制御する機能を有する。また、装置制御部202は、制御画面生成部201が生成した画面のデータを当該装置に表示させる制御を行う。また、装置制御部202は、ユーザが操作している装置に対して、最後の処理が行われる装置を通知する処理を制御する。
【0027】
動作制御部203は、サーバ101の動作を統括して制御する。記憶部204は、動作に必要なデータやプログラムを記憶する。記憶部204に記憶されるデータには、回線105に接続された装置の機能に関するデータも含まれる。ネットワーク接続部205は、回線105からのデータをサーバ101に取り込み、またサーバ101から回線105を介して、他の装置にデータを送信する機能を有する。
【0028】
図1に戻り、パーソナルコンピュータ102は、文書作成を行うためのソフトウェアがインストールされている。回線105は、LAN等の公知の通信規格を利用したものが用いられている。
【0029】
画像形成装置103(MC1)は、N-Up処理を行う機能を備えている。ただし、画像形成装置103は、印刷物を綴じるステープラの機能は備えていない。画像形成装置103は、操作に関連する情報が表示され、また各種の操作を行うためのタッチパネルディスプレイ103aを備えている。
【0030】
画像形成装置104(MC2)は、印刷物を綴じるステープラの機能を備えている。ただし、画像形成装置104は、N-Up処理を行う機能は備えていない。画像形成装置104も操作に関連する情報が表示され、また各種の操作を行うためのタッチパネルディスプレイ104aを備えている。
【0031】
また図1には、ネットワーク100にFAX装置106が接続された状態が示されている。FAX装置106も操作に関連する情報が表示され、また各種の操作を行うためのタッチパネルディスプレイ106aを備えている。なお、本実施形態では、FAX装置106は利用されない。
【0032】
(実施形態の動作)
図3は、図1に示すシステムで実行される処理の一例を示すフロー図である。本実施形態において、図3に示す処理の手順を実行するためのプログラムは、図2に示すサーバ101の記憶部204に格納されている。なお、このプログラムは、回線を介して提供されるものでもよく、また適当な記憶媒体に記憶されて提供されるのでもよい。以下、図3を参照してサーバ101が行う処理の一例を説明する。
【0033】
まず、図1のネットワーク100にパーソナルコンピュータ102が予め接続されているとする。この状態において、ネットワーク100に画像形成装置103(MC1)が接続されると、サーバ101は、それを認識する(ステップS201)。そしてサーバ101は、回線105を介して、画像形成装置103(MC1)に画像形成装置103(MC1)のマシン情報(MC情報)を要求する(ステップS202)。ここでいうマシン情報は、画像形成装置103の機能に関する情報である。このマシン情報には、画像形成装置103が、N-Up処理を行う機能を備え、印刷物を綴じるステープラの機能を備えていない旨に関する情報が含まれる。
【0034】
また、上記ステップS202において、サーバ101から画像形成装置103に、図3の処理手順を実行する際に、画像形成装置103側で必要とされる動作プログラムが送信される。画像形成装置103は、この動作プログラムを取得し、以後サーバ101側の動作と連携して必要な動作を行う。ステップS202で要求したマシン情報を取得したら、サーバ101は、内部のデータベースを更新し、取得した画像形成装置103に関するマシン情報を記憶する(ステップS203)。
【0035】
次ぎにネットワーク100に画像形成装置104(MC2)が接続されると(ステップS204)、サーバ101は、それを認識する。そしてサーバ101は、回線105を介して、画像形成装置104(MC2)に画像形成装置104(MC2)のマシン情報を要求する(ステップS205)。ここでいうマシン情報は、画像形成装置104の機能に関する情報である。このマシン情報には、画像形成装置104が、N-Up処理を行う機能を備えず、印刷物を綴じるステープラの機能を備えている旨に関する情報が含まれる。
【0036】
上記ステップS205において、サーバ101から画像形成装置104に、図3の処理手順を実行する際に、画像形成装置104側で必要とされる動作プログラムが送信される。画像形成装置104は、この動作プログラムを取得し、以後サーバ101側の動作と連携して必要な動作を行う。ステップS205で要求したマシン情報を取得したら、サーバ101は、内部のデータベースを更新し、取得した画像形成装置104に関するマシン情報を記憶する(ステップS206)。
【0037】
画像形成装置103のタッチパネルディスプレイ103aが操作されると、サーバ101に対して、画像形成装置103から画像形成装置103および104の機能に関するリストが要求される(ステップS207)。このリストには、画像形成装置103が、N-Up処理を行う機能を備え、印刷物を綴じるステープラの機能を備えていない旨に関する情報、および画像形成装置104が、N-Up処理を行う機能を備えず、印刷物を綴じるステープラの機能を備えている旨に関する情報が含まれる。
【0038】
ステップS207の要求を受けて、サーバ101は、要求されたリストを作成し、さらに、これら各装置の機能の組み合わせをユーザが認識しやすく、またこの組み合わせを選択する操作が可能な画面データであるGUIデータ(グラフィカル・ユーザ・インターフェースのデータ)を作成する(ステップS208)。次いでステップS208で作成されたデータがサーバ101から画像形成装置103に送られ、このデータが画像形成装置103に記憶される(ステップS209)。
【0039】
この状態において、ユーザがパーソナルコンピュータ102を操作し、書類の印刷を行うとするとする。またこの際、ユーザは、2up(つまり、1枚に2頁分を縮小して印刷)機能とステープラによる綴じる機能を利用した希望を持っているものとする。この場合、印刷を行う装置として、画像形成装置103が選択されると、画像形成装置103のタッチパネルディスプレイ103aに図4に示す内容が表示される。この表示内容は、ステップS208においてサーバ101側で作成され、ステップS209において、画像形成装置103に送られたデータに基づいて作成される。
【0040】
この場合、図4に示すように、画像形成装置103(MC1)と画像形成装置104(MC2)が備える機能が列挙され、各装置で使用可能な機能が強調表示される。この例では、2up機能とステープラの機能に絞って表示された例が記載されている。すなわち、図4に示すタッチパネルディスプレイの表示画面には、2up処理は、MC1(画像形成装置103)において選択可能であり、ステープラによる印刷物を綴じる処理は、MC2(画像形成装置104)において選択可能である旨が視覚的に表示されている。
【0041】
この例では、ユーザは、2up機能とステープラによる綴じる機能を組み合わせる処理を希望しているので、ユーザは、図4に示すタッチパネルディスプレイ103a(図1参照)の画面をタッチ操作し、MC1(画像形成装置103)で2upの処理を行い、MC2(画像形成装置104)でステープラを用いた印刷物を綴じる処理を選択する。そしてユーザが実行と表示された部分を押すと(ステップS210)、これら選択内容のデータと処理実行の命令が、画像形成装置103からサーバ101に送られる(ステップS211)。
【0042】
ステップS211が行われると、画像形成装置103のタッチパネルディスプレイ103aに、画像形成装置104からプリントアウトが行われる旨を表示させる指示がサーバ101から画像形成装置103に対して行われ、タッチパネルディスプレイ103a上にその旨が表示される。
【0043】
ステップS211の後、サーバ101は、選択された処理を画像形成装置103と104に振り分け、各処理を各装置に実行させる(ステップS212)。この例では、まずサーバ101は、印刷データをパーソナルコンピュータ102から取得する。ついで、サーバは、この画像データを画像形成装置103に送る(ステップS213)。
【0044】
ステップS213により画像データを取得した画像形成装置103は、この画像データに対して、自身が備えるN-Up機能を利用した2UP処理を施し、2UP印刷用の印刷データを作成する(ステップS214)。この印刷データは、画像形成装置103からサーバ101に読み出され(ステップS215)、さらにサーバ101から画像形成装置104に転送される(ステップS216)。
【0045】
この2UP処理が施された印刷データを取得した画像形成装置104は、その画像データに基づく印刷処理を行い、この際、自身が備えるステープル機能により、印刷物を綴じる処理を行う(ステップS217)。こうして、ユーザが図4のタッチパネルディスプレイの画面を利用して選択した処理が実行され、N-Up機能とステープル機能とを組み合わせた印刷作業が終了する(ステップS218)。
【0046】
このように、画像形成装置103と画像形成装置104の機能を組み合わせた処理が、画像形成装置103を操作することで実行される。この際、図4に示すように組み合わせる機能が同一画面上に表示され、ユーザは、それらから希望する機能の組み合わせを選択することができる。
【0047】
図3では、画像形成装置103のタッチパネルディスプレイ103aにおいて操作が行われる例を示したが、同様な操作を画像形成装置104のタッチパネルディスプレイ104aにおいて行うこともできる。この場合、ステップS207の処理が画像形成装置104において行われ、ステップ209のデータの送信が、サーバ101から画像形成装置104に対して行われる。そして図4に示す画面が、画像形成装置104のタッチパネルディスプレイ104a(図1参照)に表示され、ステップS210の処理が画像形成装置104において行われる。
【0048】
(2)第2の実施形態
図1に示すシステムにおいて、図4に示す画面が、パーソナルコンピュータ102に表示され、その表示を利用してユーザが第1の実施形態の場合と同様な印刷処理を行うこともできる。
【0049】
この場合、図3のステップS208において作成されたデータが図3では図示されていないパーソナルコンピュータ102(図1参照)に送られる。そして、ステップS210の処理が図1のパーソナルコンピュータ102において実行される。この際、図4に示す画面がパーソナルコンピュータ102のディスプレイに表示され、パーソナルコンピュータ102が備えた公知のGUIの機能を利用して、ユーザが第1の実施形態において説明した内容の操作を行う。
【0050】
(3)第3の実施形態
組み合わせる処理は、画像形成装置が備えた機能に限定されない。以下、この一例を説明する。ここでは、図1に示すシステムにおいて、FAX装置106がスキャナの機能と、読み取ったイメージデータを文字データ化する機能とを備えている場合に、書類の読み取り→文字データ化→ステープラ印刷を行う場合の例を説明する。
【0051】
まずサーバ101は、図3に示す処理フローの場合と同様にFAX装置106の機能と画像形成装置103および104の機能に関するマシン情報を取得する。ユーザがFAX装置106のタッチパネルディスプレイ106aを操作し、FAX装置のスキャナの機能を選択すると、サーバ101からFAX装置106に各装置の機能情報のデータと、図4と同様な形式の制御画面を備えたGUIのデータとが送られる。
【0052】
次いでFAX装置106のタッチパネルディスプレイ106aに、サーバ101の制御画面生成部201(図2参照)で作成された図5の画面が表示される。ユーザは、読み取る書類をFAX装置106にセットし、さらにタッチパネルの機能を用いて、図5の中の希望する機能を選択する。この例において、ユーザは、図5に表示されたFAX(FAX装置106)における「スキャナ」と「文字データ化」を選択し、さらにMC2(画像形成装置104)における「ステープラ」を選択する。
【0053】
この後、図5の実行を押すと、まずFAX装置106において、セットした書類がスキャナの機能で読み取られ、さらにそのイメージデータが文字データに変換される。この文字データは、サーバ101によってFAX装置106から読み出され、さらにサーバ101から画像形成装置104(MC2)に送られる。画像形成装置104は、この文字データをステープラの機能を利用して印刷する。こうして、FAX装置106を操作しての書類の読み取り→文字データ化→ステープラ印刷が行われる。
【0054】
従来であれば、まずFAX装置を操作して文字データを得、次ぎにパーソナルコンピュータ102を操作して、FAX装置にアクセスしこの文字データをパーソナルコンピュータ102に移し、更にパーソナルコンピュータ102からこの文字データを画像形成装置104に送りステープラ印刷を行う作業が必要であった。しかしながら、上記の例示によれば、より簡略化された操作により同様な作業を行うことができる。
【0055】
(3)他の実施形態
一般に画像形成装置には、テスト印刷のモードがある。このモードは、画像形成装置が備えた機能を試したい場合やメンテナンス時に利用される。このテスト印刷のモードを第1の実施形態で説明した印刷形態に適用することができる。
【0056】
この場合、例えば図1の画像形成装置103のタッチパネルディスプレイ103aを操作し、テスト印刷モードを選択すると、図4に示す画面がタッチパネルディスプレイ103a上に表示される。そして、MC1の2UP機能とMC2のステープラ機能を選択し、実行を押すと、タッチパネルディスプレイ103aの表示が、画像形成装置104からプリントアウトが行われる旨の表示に切り替わる。その後、テスト画像が2UP編集され、それがステープラで綴じられた(例えば、2枚が印刷され、それらがステープラで綴じられた)印刷物が画像形成装置104から出力される。
【0057】
図1に示す構成において、サーバ101の機能をパーソナルコンピュータ102や画像形成装置103に行わせることもできる。この場合、パーソナルコンピュータ102や画像形成装置103が、サーバ101の機能を肩代わりすることになる。
【0058】
タッチパネルディスプレイ以外のUI(ユーザインターフェース)としては、カーソルを用いてボタン表示を選択する形式や画面上の数字を10キーボードにより選択する形式を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、各種の事務処理を行う複数の装置が接続されたネットワークのシステムに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施形態のネットワークの構成を示す概念図である。
【図2】機能から捉えたサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態における処理の流れを示すフロー図である。
【図4】実施形態における制御画面の表示の一例を示す画面図である。
【図5】実施形態における制御画面の表示の一例を示す画面図である。
【符号の説明】
【0061】
100…事務処理を行う装置が接続されたネットワーク、101…サーバ、102…パーソナルコンピュータ、103…第1の画像形成装置(MC1)、103a…タッチパネルディスプレイ、104…第2の画像形成装置(MC2)、104a…タッチパネルディスプレイ、105…回線、106…FAX装置、106a…タッチパネルディスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる機能を有する複数の装置が接続される接続部と、
前記複数の装置の前記異なる機能を記憶する記憶部と、
複数の処理を含む作業を実行するに当たり、前記複数の処理に含まれる第1の処理を前記複数の装置に含まれる第1の装置に割り当て、前記複数の処理に含まれる前記第1の処理とは異なる第2の処理を前記複数の装置に含まれる第2の装置に割り当てる制御を行う制御部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の処理の組み合わせ内容を含む制御画面のデータを生成する生成部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御画面には、前記複数の装置のそれぞれが備える互いに異なる機能の組み合わせを選択することができる選択手段が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の処理における最後の処理が行われる装置をユーザに通知する制御を行う制御部を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1および第2の装置が画像形成装置であり、
前記制御部は、前記第1の装置で行われた第1の処理が施された印刷データを前記第2の装置に送り、前記第2の装置において画像の形成を行わせることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
接続された複数の装置の異なる機能を記憶する記憶ステップと、
複数の処理を含む作業を実行するに当たり、前記複数の処理に含まれる第1の処理を前記複数の装置に含まれる第1の装置に割り当て、前記複数の処理に含まれる前記第1の処理とは異なる第2の処理を前記複数の装置に含まれる第2の装置に割り当てる制御を行う制御ステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
複数の装置の異なる機能を記憶する記憶ステップと、
前記複数の装置に含まれ、複数の処理に含まれる第1の処理を実行可能な第1の装置に関する情報と、前記複数の装置に含まれ、前記複数の処理に含まれる第2の処理を実行可能な第2の装置に関する情報とを前記複数の装置に含まれる少なくとも一つの装置または前記複数の装置に含まれない他の装置の表示装置上に表示させるステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記複数の処理における最後の処理が行われる装置を前記表示装置上に表示するステップを更に備えることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−211523(P2009−211523A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55161(P2008−55161)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】