説明

情報処理装置およびプログラム

【課題】リカバリ処理を行う情報処理装置において、リカバリ処理後のHDDの状態をユーザが簡易に設定することができる情報処理装置、該情報処理装置において実行されるプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】リカバリ処理を行うPCにおいてHDD104のリカバリ処理後の状態に関する情報を有する構成ファイル、およびリカバリ処理によってHDD104に復元されるデータの情報を持つリカバリ用イメージ64をユーザから設定変更可能とするユーザインターフェースを用意する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリカバリ機能を有する情報処理装置に関するものであり、特にリカバリ処理後のHDD(Hard Disk Drive)内のデータをユーザの所望のデータとする機能を有する情報処理装置および情報処理装置において実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)において故障等のトラブルが生じたととき、PCを購入時(出荷時)の環境へと復元させるリカバリ機能を有したPCが提供されている。このリカバリ機能は、HDDのHDDリカバリ領域に格納されているリカバリ用イメージというイメージファイルを用いて、HDD内のOS(Operating System)領域を購入時(工場出荷時)と同様の内容へと復元させる機能である。従来このイメージファイルは予め提供されているファイルであり、リカバリ処理を行うとHDDは購入時(工場出荷時)の状態に戻るだけで、別に保存しておかなければユーザの追加したデータを復元することは不可能であった。
【0003】
しかし、近年リカバリ用イメージファイルをユーザが作成、選択することができるOSが提案されている(特許文献1を参照)。この提案にかかるOSを用いれば、リカバリ用イメージの変更を行ない、リカバリ後のHDD内のデータをユーザが追加したデータを含む所望の状態にすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−99268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記提案にかかるOSを用いてリカバリ処理に使用するリカバリ用イメージを変更することで、リカバリ処理後のHDD内のデータをユーザ所望の状態に復元することは可能であるが、上記提案はPCメーカ又は情報技術専門家向けの技術として開示されており、直接コマンドレベルの操作を要するなど作業ミスが生じやすく、一般のユーザには扱いづらいものとなっていた。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、リカバリ処理後のHDDの状態をユーザが簡易に設定することができる情報処理装置、該情報処理装置において実行されるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる情報処理装置は、記憶装置と、記憶装置の記憶内容を保存したリカバリ用ファイルと、前記リカバリ用ファイルを前記記憶装置に復元した場合の該記憶装置の状態が記された構成ファイルと、前記構成ファイルに記された前記記憶領域の状態を画面に表示し、該構成ファイルの情報を編集する編集手段と、前記リカバリ用ファイルと前記構成ファイルに記された情報に基づいて、前記記憶装置をリカバリするリカバリ手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
また本発明にかかるプログラムは、処理部と、表示装置と、記憶装置とを有する情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記記憶装置の記憶内容を保存したリカバリ用ファイルと、前記ファイルを前記記憶装置に復元した場合の該記憶装置の状態が示された構成ファイルとの内容を前記表示装置に表示させ、前記構成ファイルに記された情報を前記処理部に編集させ、前記リカバリ用ファイルおよび前記構成ファイルに記された情報に基づいて前記記憶装置を前記処理部にリカバリ処理させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
PCのユーザがHDDリカバリ用のイメージファイルの復元イメージを視覚的に提供する、HDD内のデータ復元のためのユーザインターフェースを用意することで、リカバリ処理後のHDD内の状態をユーザが簡易に選択または設定可能な情報処理装置、該情報処理装置において実行されるプログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態におけるPCの内部構成の一例を示すブロック図。
【図2】本実施形態における初期設定のHDD内の構成の一例を示す図。
【図3】本実施形態におけるリカバリ処理の流れの一例を示す図。
【図4】本実施形態における構成ファイルの内容の一例を示す図。
【図5】本実施形態における構成ファイルに基づいたリカバリ処理後のHDDのパーティション構成の例を示す図。
【図6】本実施形態におけるリカバリ用イメージファイルの例を示す図。
【図7】本実施形態におけるリカバリ処理の流れの一例を示す図。
【図8】本実施形態におけるリカバリ設定アプリケーションにおいて表示部に表示されるリカバリ設定画面の一例を示す図。
【図9】本実施形態におけるリカバリ設定処理フローの一例を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は本実施形態におけるPC100の内部構成の一例を示すブロック図である。図1にはPC100、CPU101、ROM102、RAM103、HDD104、光ディスク105、ODD106、表示部107、KBC108、キーボード109、マウス110、およびバス111が示されている。
【0013】
PC100はユーザからの指示によって各種計算処理を行う情報処理装置である。PC100はリカバリ処理機能を有している。ここでいうリカバリ処理機能とは、例えば何らかの理由でPC100のHDD104がアクセス不能となった場合に、HDD104を利用可能な状態に再設定するとともに、HDD104内のデータを復元する機能を指す。
【0014】
CPU101は中央演算処理装置(Central Processing Unit)であり、PC100全体を制御している。また各種プログラムに応じた所定の処理を実行する機能を有している。
【0015】
ROM102は半導体メモリによって構成され、例えばCPU101の実行するプログラムなどを格納している。
【0016】
RAM103は半導体メモリにより構成され、CPU101がプログラムを処理する際にプログラムおよびデータを展開する領域として利用される。
【0017】
HDD104は例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)であり、データを読み書き可能な不揮発性の大容量記憶領域である。HDD104はPC100の使用するプログラム、データ等を格納している。またHDD104は、各々を個別の領域として扱えるパーティションを作成することも可能である。本実施形態においては、初期状態のHDD104はOS領域とHDDリカバリ領域の二つのパーティションを持つ。また、HDD104にはリカバリ処理機能を備えたリカバリ設定アプリケーションプログラムを保存する。このリカバリ設定アプリケーションプログラムとはCPU101が本実施形態におけるリカバリ設定アプリケーションを実行するためのプログラムである。
【0018】
光ディスク105は例えばCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)であり、リムーバブルメディアとしてPC100が使用するプログラム、データ等を格納している。リムーバルメディアとして本実施形態では光ディスク105を例示しているが、これに限定されるものではない。
【0019】
ODD106は光学ディスクドライブ(Optical Disk Drive)であり、光ディスク105の各種情報の読み取り、書き込みを行なう機能を有している。
【0020】
表示部107は例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)であり、PC100が出力する画像情報をユーザに向けて表示する機能を有している。
【0021】
KBC108はキーボード109およびマウス110からの入力を制御するコントローラである。キーボード109およびマウス110からユーザの操作情報を伝達され、入力情報としてPC100に入力を行なう。
【0022】
キーボード109はユーザがキーを押圧したことを検知し、その情報をKBC108に伝達する機能を有している。
【0023】
マウス110は、ユーザが手で持ち動かしたときのマウス110の移動およびキーの押圧を検知し、その情報をKBC108に伝達する機能を有している。
【0024】
バス111にはPC100内の各種モジュールが接続されており、モジュール相互間での通信を可能としている。
【0025】
図2は本実施形態における初期設定のHDD104内の構成の一例を示す図である。図2にはHDD104、OS領域21、HDDリカバリ領域22、OS23、およびリカバリ用イメージ24が示されている。
【0026】
HDD104は本実施形態における初期設定のままであり、OS領域21およびHDDリカバリ領域22の二つのパーティションを有している。
【0027】
OS領域21はHDD104のパーティションの一つであり、OS23および各種情報(例えばPC100で使用する各種ソフトウェアやユーザが通常保存するデータ等)が格納されている。
【0028】
HDDリカバリ領域22はHDD104のパーティションの一つであり、リカバリ用イメージ、構成ファイル等のリカバリ処理に必要な情報が格納されている。リカバリ用イメージとはリカバリ処理をおこなう際に用いる所定のデータを圧縮したイメージファイルであり、リカバリ処理の際はPC100はこのリカバリ用イメージを伸長してHDD104のOS領域に保存することでデータの復元を行なう。構成ファイルとは例えば、HDD104のパーティションの個数、各パーティションの使用方法、各パーティションのサイズ情報等の情報が格納されている。リカバリ処理とはPC100がこれらのリカバリ用イメージ、構成ファイルの情報に基づいてHDD104内の状態を再構成する処理である。また本実施形態におけるリカバリ設定処理とは、リカバリ設定アプリケーションによって、これらのリカバリ用イメージ、構成ファイルの内容をユーザに設定変更させる処理であり、このリカバリ設定処理によってユーザはリカバリ後のHDD104内のデータを所望の状態とすることが可能である。
【0029】
OS23はPC100におけるオペレーティングシステムであり、PC100全体を管理するソフトウェアである。
【0030】
リカバリ用イメージ24はリカバリ処理時に使用するファイルであり、PC100の初期設定におけるOS23を含むOS領域21のデータを保存用に圧縮したイメージファイルである。
【0031】
図3は本実施形態におけるリカバリ処理の流れの一例を示す図である。
【0032】
図3左上のHDD104はOS領域31に欠陥(物理的ではない)が生じている状態である。このHDD104に対してリカバリ処理を行うものとする。まず欠陥が生じているOS領域31にフォーマットを行ない、HDD104のOS領域32にあたる領域を初期化する。初期化を行なった後に、OS領域31のあった領域にOS領域32を作成する。ここでのOS領域32は欠陥も無く、何のデータも入っていない状態である。そしてHDDリカバリ領域22に格納されているリカバリ用イメージ24に伸長処理を施し、伸長処理後のデータであるOS23をOS領域32に格納する。こうすることでOS領域に欠陥を持たず、OS23を有するHDD104が復元される。以上でリカバリ処理は終了となる。
【0033】
図4は本実施形態における構成ファイルの内容の一例を示す図である。
【0034】
PC100はHDD104のHDDリカバリ領域22に図5に示す内容を含む構成ファイルを有している。本実施形態におけるリカバリ処理では、この構成ファイルの内容に基づいてHDD104のパーティション構成および各種設定を行なう。図4に示す構成ファイルは初期設定でのリカバリ処理用データが保存されている状態である。本実施形態におけるリカバリ設定処理ではこの構成ファイルの内容を変更し、リカバリ処理後のHDD104のパーティション構造の変更および各種設定変更を行う。
【0035】
構成ファイルの内容として図4には例えばパーティションの個数、各パーティションの設定、各パーティションのサイズ、各パーティションのファイルシステム、リカバリのレベル、各パーティションの暗号化設定、各パーティションの隠し設定等が示されている。このようにユーザはリカバリ設定アプリケーションにより構成ファイル内の設定変更ができ、リカバリ処理後のHDD104の状態を自在に選択、設定することができる。ここでのパーティションファイルシステムとは、それぞれのパーティションに格納するファイルを管理するファイルシステム形式を指す。リカバリのレベルとはリカバリ処理を行う際に、例えば元々HDD104に保存してあったデータを後に読み取りづらくするように、リカバリ処理時にHDD104上に意味の無いデータを上書きする作業の実施レベルを指す。また各パーティションの暗号化設定とはリカバリ処理後に各パーティションに関して暗号化処理を行うか否かの設定を指す。また、各パーティションの隠し設定とはリカバリ処理後に各パーティションをユーザから隠蔽するか否かの設定を指す。また、構成ファイルの内容としては本実施形態ではこれらを例示したが、これに限定されるものではなく、リカバリ処理に必要な情報は構成ファイルに保存される。
【0036】
図5は本実施形態における構成ファイルに基づいたリカバリ処理後のHDD104のパーティション構成の例を示す図である。図5にはHDD104、OS領域21、HDDリカバリ領域22、OS領域51、ユーザ領域52、OS領域53、ユーザ領域A54、ユーザ領域B55、および空き領域56が示されている。
【0037】
本実施形態においてユーザがリカバリ設定アプリケーションによる構成ファイルの設定の変更を行なうことで、HDD14のパーティション構造および各種リカバリ処理設定を変更することができる。図5では構成ファイルの設定変更によって変更された場合のHDD104のパーティション構造の例をパターン1〜パターン3で示している。
【0038】
パターン1のHDD104パーティション構造は図4で示した構成ファイル内容に従っており、購入時(工場出荷時)のパーティション構造である。
【0039】
パターン2のHDD104パーティション構造はOS領域51がパターン1のOS領域21より小さい容量となっており、ユーザ領域52が加わっている。ここでユーザ領域52とはユーザが私的に作成、使用するパーティションである。ここでのOS領域51およびユーザ領域52の容量はそれぞれ60GB、30GBとなっている。リカバリ処理設定アプリケーションによって、構成ファイルの設定をパーティション数=3、第1パーティション=OS領域、第2パーティション=ユーザ領域、第3パーティション=HDDリカバリ領域、第1パーティションサイズ=60GB、第2パーティションサイズ=30GB、第3パーティションサイズ=30GB、・・・と変更すれば、パターン2のHDD104パーティション構造がリカバリ処理のHDD104のフォーマット後に作成される。ちなみにこのHDDリカバリ領域22はパターン1のHDDリカバリ領域22と同様のものである。
【0040】
パターン3に関して、HDD104はOS領域53、ユーザ領域A54、ユーザ領域B55の3つのパーティションと空き領域56によって構成されている。このようにユーザ領域はパターン3のように複数個作成することも可能であり、それぞれを目的に合わせた用途に使用できる。またこのパターン3の空き領域56とはリカバリ処理時にフォーマットされたままの状態まま、パーティションの作成が行なわれていない状態の領域である。また、ユーザがHDDリカバリ領域を必要としないときは、HDD104全体のフォーマットを行い、HDDリカバリ領域の存在しないHDD104構造を作成することも可能である。
【0041】
図6は本実施形態におけるリカバリ用イメージファイルの例を示す図である。図6にはOS23、リカバリ用イメージA24、追加ドライバ61、リカバリ用イメージB62、追加アプリケーション63、リカバリ用イメージC64、追加ユーザデータ65、およびリカバリ用イメージD66が示されている。
【0042】
HDD104のOS領域に格納されているデータにデータを追加していき、a→b→c→dの順にデータが変化した場合を考える。最初に格納されているデータはOS23のみのデータであり、次にユーザが追加ドライバ61の追加を行い、次に追加アプリケーション63を追加、そして最後に追加ユーザデータ65をOS領域に格納されているデータに順次追加していく。
【0043】
タイミングaではまだ何も追加されていない状態であり、HDD104のOS領域に格納されているデータはOS23のみである。この時点でのリカバリ用イメージは初期設定のリカバリ用イメージA24である。
【0044】
タイミングbにおいて追加ドライバ61を追加する。このとき本実施形態におけるリカバリ設定アプリケーションによってリカバリ用イメージの更新を行なうことが可能である。タイミングbにおいてリカバリ設定処理を行い、リカバリ用イメージの更新を行なうと、リカバリ用イメージはリカバリ用イメージB62として使用できるようにHDDリカバリ領域に保存される。このリカバリ用イメージB62はタイミングbにおけるOS領域内に格納されているデータを圧縮したイメージである。
【0045】
タイミングc、dにおいても同様にHDD104のOS領域内のデータの更新を行ない、リカバリ用イメージを、リカバリ用イメージC64、リカバリ用イメージD66のように更新することができる。ここでの追加アプリケーション63はユーザが追加を行なったアプリケーションであり、ここでの追加ユーザデータはユーザが追加を行なったユーザが使用する通常のデータおよびユーザが作成したユーザ独自のファイル等を指す。このリカバリ用イメージの更新についてだが、PC100はHDDリカバリ領域にリカバリイメージを一つ有しており、そのイメージを都度更新していくというものではなく、更新時には前回に更新したイメージとの差分となるデータのイメージがHDDリカバリ領域に更新に関係する情報(日付、更新時のユーザコメント等)と対応付けられて保存される。ユーザが復元を行なうリカバリ用イメージを選択する際は、復元を行ないたいリカバリ用イメージに対応付けられた情報(日付、更新時のユーザコメント等)を基に復元を行ないたい状態を選択する。選択が行なわれると、リカバリ処理時にはPC100はHDDリカバリ領域に保存されているイメージより、そのユーザが復元を行ないたいデータを作成し、OS領域に格納する。本実施形態において例えばタイミングbでのデータを復元したい場合にはPC100はOS23のみのイメージと、追加ドライバ61のイメージとを伸長処理し、OS領域に格納する。本実施形態では説明の便宜上、それぞれのリカバリ用イメージはそれぞれのタイミングでのOS領域内のデータが一つのイメージとして保存されているようにして取り扱う。
【0046】
図7は本実施形態におけるリカバリ処理の流れの一例を示す図である。図7ではパターン2のパーティション構成であって、タイミングcでのリカバリ用イメージC64を用いてリカバリ処理を行った場合を示す。図7にはHDD104、OS領域31、HDDリカバリ領域22、OS領域71、ユーザ領域72、リカバリ用イメージC64、および復元後データ73が示されている。
【0047】
ここでは図3を用いて説明を行なったリカバリ処理同様にHDD104のOS領域31に欠陥(物理的でない)が生じている状態からのHDD104のリカバリ処理を例示する。まず欠陥の生じているOS領域31にフォーマットを行い、構成ファイルの内容に基づいてパーティションを作成する。次にリカバリ用イメージC64に伸長処理を行い、OS領域71に格納する。このように本実施形態におけるリカバリ設定プログラムを用いてリカバリ設定処理を行った後にリカバリ処理をすることで、ユーザはリカバリ処理後の104内のパーティション構造およびOS領域のデータを所望のものに設定することが可能である。
【0048】
図8は本実施形態におけるリカバリ設定アプリケーションにおいて表示部107に表示されるリカバリ設定画面の一例を示す図である。図8にはリカバリ設定アプリケーションウィンドウ801、パーティション設定タブ802、イメージ設定タブ803、パーティション設定欄804、タイプ設定欄805、サイズ設定欄806、ファイルシステム設定欄807、暗号化設定欄808、隠し設定欄809、リカバリレベル設定欄810、決定ボタン811、およびキャンセルボタン812が示されている。
【0049】
PC100において本実施形態でのリカバリ設定アプリケーションを起動するとリカバリ設定アプリケーションウィンドウ801が表示部107に表示され、ユーザからリカバリ設定が可能となる。リカバリ設定アプリケーションウィンドウ801にはパーティション設定タブ802とイメージ設定タブ803があり、パーティション設定タブ802においてリカバリ時のHDD104パーティションに関する各種設定と、リカバリレベルに関しての設定を行なうことができる。またイメージ設定タブ803においてイメージの更新および、リカバリ処理時に用いるイメージの選択を行うことが可能である(図示せず)。
【0050】
パーティション設定欄804はパーティションの作成を行なうか否かの設定を行なう欄であり、「Enable」と「Disable」とのどちらか一方を選択することができる。「Enable」を選択すると該パーティションを作成し、「Disable」を選択すると該パーティションを作成しない。本実施形態では「Enable」とされたパーティションに関して図8におけるパーティションについている番号の若い順から第1パーティション、第2パーティションと名づけて説明を行なっている。
【0051】
タイプ設定欄805はそれぞれのパーティションを基本領域とするか拡張領域とするかが設定できる。ここで一般的に基本領域とはパーティション内部に論理領域を作成できないパーティションであり、拡張領域とはパーティション内部に論理領域を作成可能なパーティションである。また、拡張領域は一つしか作成することができないとされている。
【0052】
サイズ設定欄806はそれぞれのパーティションのサイズを設定する欄である。それぞれのパーティションのHDD104での使用する割合を記入可能となっている。
【0053】
ファイルシステム設定欄807はそれぞれのパーティションのファイルシステムを設定する欄である。欄横の「下三角」ボタンをクリックすることで、設定可能なファイルシステムの一覧が表示され、ユーザが一覧から設定を行なうファイルシステムの選択を行なう。ここでのファイルシステムは「NTFS」および「FAT34」を例示しているが、これに限定されることは無い。
【0054】
暗号化設定欄808はそれぞれのパーティションに暗号化を行なう否かの設定を行なう欄である。
【0055】
隠し設定欄809はそれぞれのパーティションに隠し設定を行なうか否かの設定を行なう欄である。
【0056】
リカバリレベル設定欄810はリカバリ処理を行う際のリカバリレベルの設定を行なう欄である。
【0057】
決定ボタン811はクリックすることで、リカバリ設定アプリケーションにおけるそれぞれの設定を反映させるボタンである。
【0058】
取り消しボタン812はクリックすることで、リカバリ設定アプリケーションにおいて変更したそれぞれの設定の反映を行なわずに、リカバリ設定アプリケーションを終了するボタンである。
【0059】
本実施形態におけるパーティション1はOS領域のパーティションであり「Disable」とすることはできない。またパーティション4はHDDリカバリ領域のパーティションであり、パーティション設定欄804、サイズ設定欄806以外の設定を行なうことができない。またここでパーティション設定欄804を「Disable」に設定してリカバリ設定処理を行った後に、一度リカバリ処理を行うと、HDDリカバリ領域が無くなり、リカバリ処理に関する情報がPC100より消滅するため、その後PC100単体でのリカバリ処理は行えず、次にリカバリ処理を行う場合はリカバリ処理に関する情報を有するリムーバルメディア等を用いてリカバリ処理を行う必要がある。
【0060】
ここでのパーティション2とパーティション3は「Enable」とされたときはユーザ領域として扱われる。
【0061】
またここで設定される各パーティションサイズの合計が100%より少なくなる場合、リカバリ処理後に空き領域が生じる。
【0062】
図8でのリカバリ設定アプリケーションで設定されるパーティション設定は図5におけるパターン2のパーティション構造を設定したものを例示しており、図8でのリカバリ設定を反映させてリカバリ処理を行うと、そのときのHDD104のパーティション構造はパターン2の構造となる。
【0063】
図9は本実施形態におけるリカバリ設定処理フローの一例を示すフロー図である。
【0064】
まずCPU101はHD104よりリカバリ設定アプリケーションプログラムを取得し、アプリケーションの起動を行なう(S901)。アプリケーションを起動するとCPU101はHD104内のリカバリ領域よりリカバリ処理に関する情報(リカバリ用イメージ、構成ファイル内情報等の情報)を取得し、表示部にそれらの情報をリカバリ設定アプリケーションウィンドウ801によって、ユーザから設定可能に表示する(S902、S903)。次にCPU101はユーザからの指示に基づいて構成ファイルの内容の設定変更を行なうか否かの判別を行なう(S904)。構成ファイルの内容の設定変更を行なうとき(Yes)、CPU101はユーザからの変更情報を取得し(S905)、変更情報に基づいて構成ファイルに設定の更新を行う(S906)。S906が完了した後にユーザがリカバリ設定処理を継続するとき(S907、Yes)、処理フローはS902に戻る。またS904において構成ファイルの内容の設定変更を行なわずに(No)、リカバリ用イメージにイメージの更新を行なうとき(S908、Yes)、CPU101はOS領域に格納されるデータの前回イメージ更新時との差分を取得し、圧縮することで追加のイメージを取得し(S909)、更新情報と対応付けてHDDリカバリ領域に保存する(S910)。S910が終了すると処理フローはS907に進む。S907で処理を終了するとき(No)、またS908においてイメージの変更を行なわないときは(No)、S911へ進み、リカバリ設定アプリケーションを終了する。以上で一連の処理フローは終了となる。
【0065】
なお本実施形態におけるリカバリ設定アプリケーションはユーザが起動してもよいが、リカバリ処理を行う際に自動的に起動されてもよい。リカバリ処理時に自動的に起動されるとこれから行なうリカバリ処理に関しての設定を行なうことが可能であるのでユーザにとってより使い易いものとなる。
【0066】
本実施形態にかかるリカバリ設定アプリケーションを提供することで、専門知識のない一般ユーザであっても、簡易にリカバリ処理に関する設定を行なうことが可能である。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0068】
100:PC
101:CPU
102:ROM
103:RAM
104:HDD
105:光ディスク
106:ODD
107:表示部
108:KBC
109:キーボード
110:マウス
111:バス
21:OS領域
22:HDDリカバリ領域
23:OS
24:リカバリ用イメージ
31:OS領域
32:OS領域
51:OS領域
52:ユーザ領域
53:OS領域
54:ユーザ領域A
55:ユーザ領域B
56:空き領域
61:追加ドライバ
62:リカバリ用イメージB
63:追加アプリケーション
64:リカバリ用イメージC
65:追加ユーザデータ
66:リカバリ用イメージD
71:OS領域
72:ユーザ領域
73:復元後データ
801:リカバリ設定アプリケーションウィンドウ
802:パーティション設定タブ
803:イメージ設定タブ
804:パーティション設定欄
805:タイプ設定欄
806:サイズ設定欄
807:ファイルシステム設定欄
808:暗号化設定欄
809:隠し設定欄
810:リカバリレベル設定欄
811:決定ボタン
812:キャンセルボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、
記憶装置の記憶内容を保存したリカバリ用ファイルと、
前記リカバリ用ファイルを前記記憶装置に復元した場合の該記憶装置の状態が記された構成ファイルと、
前記構成ファイルに記された前記記憶領域の状態を画面に表示し、該構成ファイルの情報を編集する編集手段と、
前記リカバリ用ファイルと前記構成ファイルに記された情報に基づいて、前記記憶装置をリカバリするリカバリ手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記編集手段は、複数用意された前記リカバリ用ファイルのうち、前記記憶装置のリカバリに用いる1つのファイルを選択入力する入力手段を
さらに備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記リカバリ用ファイルの更新を行なう更新手段をさらに備え、
前記編集手段は前記更新手段の起動を行なうこと
を特徴とする請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記リカバリ手段は、前記構成ファイルに記された情報に従い、前記記憶装置内に所定の大きさのパーティションと、該パーティションを所定の形式のファイルシステムで使用可能にフォーマットする機能を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
処理部と、表示装置と、記憶装置とを有する情報処理装置において実行されるプログラムであって、
前記記憶装置の記憶内容を保存したリカバリ用ファイルと、前記ファイルを前記記憶装置に復元した場合の該記憶装置の状態が示された構成ファイルとの内容を前記表示装置に表示させ、
前記構成ファイルに記された情報を前記処理部に編集させ、
前記リカバリ用ファイルおよび前記構成ファイルに記された情報に基づいて前記記憶装置を前記処理部にリカバリ処理させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
処理部が複数用意された前記リカバリ用ファイルのうち、前記記憶装置のリカバリに用いる1つのファイルをさらに選択する
ことを特徴とする請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
前記処理部に前記リカバリ用ファイルの更新を処理部にさらに行わせる
ことを特徴とする請求項5または請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記処理部に、前記リカバリ処理において前記構成ファイルに記された情報に従い、前記記憶装置に所定の大きさのパーティションと、該パーティションを所定の形式のファイルシステムで使用可能にフォーマットさせることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−176534(P2010−176534A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20377(P2009−20377)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】