説明

情報処理装置および情報処理方法、プログラム格納媒体、並びに、プログラム

【課題】上書き時にクラス多数が不足しないような下書きデータを記録メディアに記録する。
【解決手段】k番目のデータ量をS(k)、k番目以降の総データ量をT(k)とした場合、k番目以降の任意の絵柄のデータを格納することができるクラスタ数は、ceiling((T(k)−(M−k))/C)+(M−k)となる。したがって、(k+1)番目以降の任意の絵柄のデータを格納することができるクラスタ数は、ceiling((T(k)−S(k)−(M−k−1))/C)+(M−k−1)となる。すなわち、任意のk番目データ格納に必要なクラスタ数は、ceiling((T(k)−(M−k))/C)−ceiling((T(k)−S(k)−(M−k−1))/C)+1となる。本発明は、編集装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および情報処理方法、プログラム格納媒体、並びにプログラムに関し、特に、記録メディアに記録された圧縮映像データに対するインサート編集を行う場合において好適な情報処理装置および情報処理方法、プログラム格納媒体、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MPEG(Moving Picture Coding Experts Group/Moving Picture Experts Group)などに代表される画像圧縮方式では、フレーム間予測を用いて映像信号を圧縮符号化することで、高い圧縮効率を実現している。
【0003】
例えばMPEGにおいて、Iピクチャ、Pピクチャ、およびBピクチャから構成される双方向のフレーム間予測を用いた圧縮符号化方式は、Long GOP(Group of Picture)方式の圧縮と呼ばれている。
【0004】
ここで、Iピクチャとは、フレーム内(Intra)符号化画像のことであり、他の画面とは独立に符号化されるピクチャであり、この情報のみで画像を復号することができるものである。Pピクチャとは、フレーム間(inter)順方向予測符号化画像のことであり、時間的に前(順方向)のフレームからの差分によって表現される前方向予測符号化ピクチャである。また、Bピクチャとは、双方向予測符号化画像のことであり、時間的に前(順方向)、または後(逆方向)、または前後(双方向)のピクチャを利用して動き補償フレーム間予測により符号化されるピクチャである。
【0005】
従来、Long GOP方式で圧縮(エンコード)されたストリームをカット編集(アセンブル編集とも称する)する方法が提案されており、そのようなカット編集においては、図1に示すように、ストリームA1とストリームB1とが編集点において接続される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
なお、図中、Pa1およびPb1はそれぞれ、ストリームA1およびストリームB1における編集点を示しており、図中、縦方向の線は、それぞれのストリームにおけるGOPの切れ目を示している。
【0007】
図1の例においては、ストリームA1の編集点Pa1を含むGOPの開始位置α1から編集点Pa1までの部分と、ストリームB1の編集点Pb1から、その編集点Pb1を含むGOPの終了位置β1までの部分がデコードされて接続され、ストリームC1とされる。そして、接続されて得られたストリームC1は再エンコード区間とされて、再エンコード区間の開始位置のVBV(Video Buffering Verifier)バッファのオキュパンシが、ストリームA1の位置α1におけるオキュパンシの位置から推移が開始され、再エンコード区間の終了位置におけるオキュパンシが、ストリームB1の位置β1におけるオキュパンシの位置で終了するように、再エンコード区間が再エンコードされる。
【0008】
そして、再エンコードされたストリームC1は、その開始位置および終了位置が、それぞれストリームA1の位置α1以前の部分およびストリームB1の位置β1以降の部分と接続され、ストリームD1とされる。すなわち、ストリームA1の区間a1および区間b1までの符号、ストリームC1の区間d1の符号、並びにストリームB1の区間c1以降の符号からなるストリームD1が、編集の結果として得られたストリームとされる。
【0009】
ところで、上述したカット編集の技術が用いられて、記録メディアに記録されているストリーム(以下、下地データとも称する)における所定の区間を、他のストリーム(以下、上書きデータ)に置き換えることによって、下地データの所定の区間に上書きデータを挿入するインサート編集が知られている。
【0010】
インサート編集においては、図2に示すように、下地データであるストリームA2に対して、上書きデータであるストリームB2の所定の区間が挿入され、ストリームB2が挿入されるIN点の近傍およびOUT点の近傍が、カット編集における場合と同様に再エンコードされる。なお、図中、縦方向の線は、それぞれのストリームにおけるGOPの切れ目を示している。
【0011】
図2の例においては、ストリームA2における位置IN2から位置OUT2までの区間に、ストリームB2の位置IN3から位置OUT3までの区間が挿入される。このとき、位置IN2を含むGOPの開始位置α2から位置IN2までの部分と、ストリームB2の位置IN3から、その位置IN3を含むGOPの終了位置β2までの部分とがデコードされて接続され、ストリームC2とされる。
【0012】
同様に、ストリームB2の位置OUT3を含むGOPの開始位置γ2から位置OUT3までの部分と、ストリームA2の位置OUT2から、その位置OUT2を含むGOPの終了位置δ2までの部分とがデコードされて接続され、ストリームD2とされる。
【0013】
さらに、ストリームC2およびストリームD2が再エンコードされ、ストリームA2およびストリームB2と、再エンコードされたストリームC2およびストリームD2とが接続されてストリームE2とされる。
【0014】
すなわち、ストリームA2の位置α2までの区間a2の符号、ストリームC2の区間j2の符号、ストリームB2の位置β2から位置γ2までの区間、すなわち区間g2、区間h2、および区間i2の符号、ストリームD2の区間k2の符号、並びにストリームA2の位置δ2以降の区間f2の符号からなるストリームE2が、インサート編集の結果として得られるストリームとされる。
【0015】
なお、以下の説明において、位置IN2または位置IN3をIN点とも称し、位置OUT2または位置OUT3をOUT点とも称する。
【0016】
このような記録メディアに記録されているストリームの所定の区間を、他のストリームに置き換えるインサート編集は、VTR(Video Tape Recorder)に記録されている動画像信号に対してインサート編集を行う場合と同様の効果が得られる。すなわち、下地データが記録されている記録メディアに、他のデータを記録する記録容量がない場合においても、下地データの編集の対象となる区間に他のデータを上書きすることで、記録メディアに記録されている下地データを編集することができる。
【0017】
多くの記録メディアにおいては、その記録メディアへのデータの記録時にクラスタ管理が行われている。すなわち、多くの記録メディアでは、その記録メディアごと、または記録メディアにデータを記録する装置の動作を制御するOS(Operating System)ごとに、記録メディアの記録単位である固有の大きさのクラスタが用意され、記録されるデータは、そのクラスタの大きさに分割されて記録メディアに記録される。ここで、クラスタの大きさは、例えば1Byte以上の所定の大きさとされる。
【0018】
例えば、可変長符号化された動画像ファイルが記録メディアに記録される場合、その動画像ファイルは、各フレームがクラスタの大きさに分割され、フレームごとに記録される。したがって、1つのクラスタには、1つのフレームのデータだけが格納されて記録される。
【0019】
【特許文献1】特開2006−67095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところが、動画像の1フレーム分の符号長、すなわち各フレームの大きさは、必ずしもクラスタの大きさの整数倍ではないため、記録メディア上の動画像ファイルが記録されているクラスタのなかには、クラスタギャップを有するクラスタが存在する。
【0021】
したがって、互いにストリーム全体のデータ量が等しいストリームであっても、フレームの絵柄が異なる場合、各フレームの大きさは異なるので、それらのストリームを記録するときのクラスタギャップを有するクラスタの数も異なり、それぞれのストリームを記録メディアに記録するために必要とされるクラスタ数、つまり記録容量も異なる。
【0022】
例えば、図3に示すように、ストリームPおよびストリームQを記録メディアに記録する場合、それらのストリームの符号量は同じであっても、ストリームを記録するために必要となるクラスタ数は異なる。
【0023】
図3には、ストリームPおよびストリームQを構成する各フレーム、すなわち各ピクチャの符号量および各ピクチャの記録に必要とされるクラスタ数と、ストリームPおよびストリームQの符号量およびそれらのストリームの記録に必要とされるクラスタ数とが示されている。なお、ストリームPおよびストリームQは、ピクチャレートが30Hz、ビットレートが50Mbps、GOP内のピクチャ数が15、IピクチャまたはPピクチャの間隔を示すM値が3である、CBR(Constant Bit Rate)によりエンコードされたストリームであり、図3における1つのクラスタの大きさは2000Byteとされている。
【0024】
図3の例では、ストリームPの先頭のピクチャI2の符号量は10000000Byteであり、クラスタ数は5000個とされている。これに対して、ストリームQの先頭のピクチャI2の符号量は9999986Byteであり、クラスタ数は5000個であるので、ストリームQのピクチャI2の符号量は、ストリームPのピクチャI2の符号量よりも少ないが、記録に必要なクラスタ数はストリームPのピクチャI2と同じ数となっている。
【0025】
また、ピクチャB0以降のピクチャ、すなわちピクチャB0乃至ピクチャB13のそれぞれについては、ストリームQよりもストリームPの方が各ピクチャの符号量は1Byteだけ少なく、クラスタ数も1個だけ少なくなっている。
【0026】
さらに、ストリームPおよびストリームQのそれぞれは、符号量が25000000Byteであり同じであるが、ストリームPを記録するために必要なクラスタ数が12500個であるのに対して、ストリームQを記録するために必要なクラスタ数は12514個であり、ストリームPにおける場合よりも14個だけ多くなっている。
【0027】
このように、可変長符号化により得られたストリームは、同じデータ量のストリームであっても、記録メディアにおける記録に必要な記録容量は異なる。そのため、図2を参照して説明したインサート編集を行い、下地データの所定の区間に上書きデータを上書きしようとした場合に、その下地データの区間と、上書きデータとは、データ量が同じであっても、記録メディア上の大きさ、すなわち記録に必要なクラスタ数は一般には異なるので、上書きデータの記録に必要なクラスタ数が、下地データにおける上書きデータが挿入される区間のクラスタ数よりも多いときには、下地データに上書きデータを挿入することができなくなってしまう。
【0028】
つまり、図2において、ストリームA2乃至ストリームD2のそれぞれがCBRによりエンコードされて得られたストリームである場合、VBVバッファのオキュパンシが連続で、またビットレートが0となる期間はないため、ストリームA2における位置α2から位置δ2までの区間、すなわち区間b2から区間e2までの総符号量と、ストリームE2における区間j2から区間k2までの総符号量とは同じとなる。しかしながら、記録に必要なクラスタ数は必ずしも同じではないため、記録メディアにおけるストリームA2の位置α2から位置δ2までの部分に、ストリームE2の区間j2乃至区間k2までの部分を上書きすることができないおそれがある。
【0029】
従来、下地データにおける上書きデータが挿入される部分のクラスタ数よりも、上書きデータの記録に必要なクラスタ数が多く、下地データを上書きデータに書き換えることができない場合、上書きデータは、記録メディア上における下地データが記録されている領域とは異なる領域に記録されていた。
【0030】
したがって、下地データのクラスタ数よりも、上書きデータの記録に必要なクラスタ数が多いために下地データを上書きデータに書き換えることができず、さらに下地データが記録されている記録メディアに、上書きデータを記録するために必要な記録容量が残っていない場合には、下地データを編集することができなくなってしまう。
【0031】
また、記録メディアに予め上書きデータを記録するための記録領域をある程度確保しておくこともできるが、その記録領域の大きさは、編集の回数や上書きデータの大きさによって異なる。従来においては、予め適切な大きさの記録領域を算出する方法がなく、予め適切な大きさの記録領域を確保しておくことは困難であった。
【0032】
さらに、インサート編集の結果、記録メディア上における下地データの所定の区間を上書きデータに書き換えることができず、上書きデータが下地データの記録されている領域とは異なる領域に記録された場合、インサート編集において下地データの所定の区間に接続された上書きデータは、上書きデータの直前に再生される下地データが記録されている位置とは物理的に不連続な位置に記録されているので、上書きデータの部分の再生を行うときには、その上書きデータの直前に再生される下地データが記録されている位置から、上書きデータが記録されている位置までジャンプして再生しなければならなかった。
【0033】
そのような場合、記録メディアや、データを再生する装置特有の条件によっては、記録位置の物理的なジャンプに長い時間が必要とされたり、データを一時的に記憶するバッファが必要とされたりするので、ジャンプやバッファリングにより生じるある程度の遅延が容認されなければ、下地データに挿入される上書きデータの再生区間には時間的な制限が必要であった。
【0034】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、記録メディアに記録できる記録容量が残り少ない場合であっても、インサート編集されたストリームを確実に記録メディアに記録することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の第1の側面の情報処理装置は、物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する情報処理装置であって、前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算するデータ量計算手段と、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータ、前記データ量計算手段により計算された前記データの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算する記録単位数計算手段と、前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御する記録制御手段とを備える。
【0036】
前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数よりも、前記所定のデータ単位の前記データの記録に必要な前記物理的な記録単位の数が少なかった場合、少なかった分の前記物理的な記録単位を、前記所定のデータ単位に続く次のデータ単位を記録しない予備の前記物理的な記録単位とする予備記録単位配置手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0037】
前記物理的な記録単位はクラスタであるものとすることができ、前記所定のデータ単位は、符号化ストリームにおける1フレームであるものとすることができ、前記記録単位数計算手段には、k番目のフレームを符号化する直前のVBV占有量V(k)、フレームレートF、データレートR、クラスタサイズC、総フレーム数Mとして、f(k)=ceiling((V(k)+(M−k)×R/F−(M−k))/C)としたとき、k番目に記録される前記フレームを記録するために必要な前記クラスタの数を、f(k)−f(k+1)+1により算出させるようにすることができる。
【0038】
前記データ量計算手段には、前記記録制御手段により前記所定のデータ単位の前記データが記録された前記記録媒体に上書き記録する前記所定のデータ単位の上書きデータのデータ量を更に計算させるようにすることができ、前記記録単位数計算手段には、前記記録媒体におけるk番目の前記データに対応する位置に記録される前記上書きデータのデータ量を取得して、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータ、前記データ量計算手段により計算された前記上書きデータの総データ量、および、k番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を更に計算させるようにすることができ、前記記録制御手段には、前記記録単位数計算手段により計算された前記上書きデータを記録するために必要な前記物理的な記録単位の数に基づいて、前記上書きデータを、前記記録媒体におけるk番目の前記データに対応する位置に更に記録させるようにすることができる。
【0039】
前記上書きデータの符号化を制御する符号化制御手段を更に備えさせるようにすることができ、前記物理的な記録単位はクラスタであるものとすることができ、前記所定のデータ単位は、符号化ストリームにおける1フレームであるものとすることができ、前記符号化制御手段には、前記上書きデータの記録の開始箇所と終了箇所において、前記記録制御手段により記録された前記所定のデータ単位の前記データと前記上書きデータとで、仮想バッファ占有量が連続性を有するように、前記上書きデータの符号化を制御させるようにすることができる。
【0040】
本発明の第1の側面の情報処理方法は、物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得し、前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算し、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し、取得された前記パラメータ、計算された前記データの総データ量、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し、計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御するステップを含む。
【0041】
本発明の第1の側面のプログラムは、物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得し、前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算し、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し、取得された前記パラメータ、計算された前記データの総データ量、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し、計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0042】
本発明の第1の側面においては、記録媒体に記録されるデータに関するパラメータが取得され、記録媒体に記録されるデータの総データ量が計算され、k(kは正の整数)番目に記録される所定のデータ単位のデータのデータ量が取得され、取得されたパラメータ、計算されたデータの総データ量、取得されたk番目に記録される所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降のデータを記録媒体に記録するために必要な物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される所定のデータ単位のデータを記録するために必要な、物理的な記録単位の数が計算され、計算された物理的な記録単位の数に基づいて、1つの物理的な記録単位に所定のデータ単位のデータが1つを超えて記録されないように、所定のデータ単位のデータの記録が制御される。
【0043】
本発明の第2の側面の情報処理装置は、1つの物理的な記録単位に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体に、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する情報処理装置であって、前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算するデータ量計算手段と、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータ、前記データ量計算手段により計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算する記録単位数計算手段と、前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御する記録制御手段とを備える。
【0044】
本発明の第2の側面の情報処理装置は、1つの物理的な記録単位に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体に、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得し、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し、前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算し、取得された前記パラメータ、計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し、計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御するステップを含む。
【0045】
本発明の第2の側面のプログラムは、1つの物理的な記録単位に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体に、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得し、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し、前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算し、取得された前記パラメータ、計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し、計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0046】
本発明の第2の側面によれば、記録媒体に記録されている下書きデータ、および、記録媒体に記録される上書きデータに関するパラメータが取得され、k(kは正の整数)番目に記録される所定のデータ単位の上書きデータのデータ量が取得され、記録媒体に記録される上書きデータの総データ量が計算され、取得されたパラメータ、計算された上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の上書きデータを記録媒体に記録するために必要な物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される所定のデータ単位の上書きデータを記録するために必要な、物理的な記録単位の数が計算され、計算された物理的な記録単位の数に基づいて、1つの物理的な記録単位に所定のデータ単位の上書きデータが1つを超えて記録されないように、所定のデータ単位の上書きデータの記録が制御される。
【0047】
編集装置は、独立した装置であっても良いし、記録装置、記録再生装置、または、情報処理装置の編集処理を行うブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明の第1の側面によれば記録媒体にデータを記録することができ、とくに、k番目以降の上書きデータを記録媒体に記録するために必要な物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される所定のデータ単位の上書きデータを記録するために必要な物理的な記録単位の数を計算して、その計算結果を基に、データを記録するので、この記録媒体に、同様の計算結果を基に上書きデータを書き込むことができる。
【0049】
また、本発明の第2の側面によれば、記録媒体に記録されているデータに対して、上書きデータを書き込むことができ、特に、k番目以降の上書きデータを記録媒体に記録するために必要な物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される所定のデータ単位の上書きデータを記録するために必要な物理的な記録単位の数を計算して、その計算結果を基に、データを記録するので、データを上書きしても、クラスタ数が不足してしまうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0051】
本発明の第1の側面の情報処理装置は、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとにデータが記録される記録媒体(例えば、記録メディア48)に、所定のデータ単位(例えば、符号化データにおけるフレーム)ごとにデータを記録する情報処理装置であって、前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得するパラメータ取得手段(例えば、図12のパラメータ取得部82)と、前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算するデータ量計算手段(例えば、図12のデータ量計算部83)と、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータ、前記データ量計算手段により計算された前記データの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算する記録単位数計算手段(例えば、図12のクラスタ数計算部84)と、前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御する記録制御手段(例えば、図12の符号化データ記録処理部85)とを備える。
【0052】
前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数よりも、前記所定のデータ単位の前記データの記録に必要な前記物理的な記録単位の数が少なかった場合、少なかった分の前記物理的な記録単位を、前記所定のデータ単位に続く次のデータ単位を記録しない予備の前記物理的な記録単位とする予備記録単位配置手段(例えば、図12の予備クラスタ配置部86)を更に備えることができる。
【0053】
前記上書きデータの符号化を制御する符号化制御手段を更に備えることができ、前記物理的な記録単位はクラスタであるものとすることができ、前記所定のデータ単位は、符号化ストリームにおける1フレームであるものとすることができ、前記符号化制御手段は、前記上書きデータの記録の開始箇所と終了箇所において、前記記録制御手段により記録された前記所定のデータ単位の前記データと前記上書きデータとで、仮想バッファ占有量(例えば、VBV占有量)が連続性を有するように、前記上書きデータの符号化を制御することができる。
【0054】
本発明の第1の側面の情報処理方法は、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとにデータが記録される記録媒体(例えば、記録メディア48)に、所定のデータ単位(例えば、符号化データにおけるフレーム)ごとにデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得し、前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算し(例えば、図14のステップS12の処理)、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し(例えば、図14のステップS12の処理)、取得された前記パラメータ、計算された前記データの総データ量、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し(例えば、図14のステップS16の処理)、計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御する(例えば、図14のステップS17の処理)ステップを含む。
【0055】
本発明の第1の側面のプログラムは、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとにデータが記録される記録媒体(例えば、記録メディア48)に、所定のデータ単位(例えば、符号化データにおけるフレーム)ごとにデータを記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得し、前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算し(例えば、図14のステップS12の処理)、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し(例えば、図14のステップS12の処理)、取得された前記パラメータ、計算された前記データの総データ量、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し(例えば、図14のステップS16の処理)、計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御する(例えば、図14のステップS17の処理)ステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0056】
本発明の第2の側面の情報処理方法は、1つの物理的な記録単位(例えば、クラスタ)に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体(例えば、記録メディア48)に、前記所定のデータ単位(例えば、符号化データにおけるフレーム)ごとに上書きデータを記録する情報処理装置であって、前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得するパラメータ取得手段(例えば、図13のパラメータ取得部82)と、前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算するデータ量計算手段(例えば、図13のデータ量計算部112)と、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータ、前記データ量計算手段により計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算する記録単位数計算手段(例えば、図13のクラスタ数計算部113)と、前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御する記録制御手段(例えば、図13の符号化データ記録処理部85)とを備える。
【0057】
本発明の第2の側面の情報処理方法は、1つの物理的な記録単位(例えば、クラスタ)に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体(例えば、記録メディア48)に、前記所定のデータ単位(例えば、符号化データにおけるフレーム)ごとに上書きデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得し(例えば、図15のステップS52,S56の処理)、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し(例えば、図15のステップS55の処理)、前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算し(例えば、図15のステップS57の処理)、取得された前記パラメータ、計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し(例えば、図15のステップS58の処理)、計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御する(例えば、図15のステップS59の処理)ステップを含む。
【0058】
本発明の第2の側面のプログラムは、1つの物理的な記録単位(例えば、クラスタ)に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体(例えば、記録メディア48)に、前記所定のデータ単位(例えば、符号化データにおけるフレーム)ごとに上書きデータを記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得し(例えば、図15のステップS52,S56の処理)、k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し(例えば、図15のステップS55の処理)、
前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算し(例えば、図15のステップS57の処理)、取得された前記パラメータ、計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し(例えば、図15のステップS58の処理)、計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御する(例えば、図15のステップS59の処理)ステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0059】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0060】
図4は本発明を適用した編集装置31のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0061】
CPU(Central Processing Unit)41は、ノースブリッジ42に接続され、例えば、HDD(Hard disk Drive)46または記録メディア48に記録されているデータの読み出しなどの処理を制御したり、CPU52が実行する編集処理を制御するための制御信号やコマンドを生成して出力する。ノースブリッジ42は、PCIバス(Peripheral Component Interconnect/Interface)44に接続され、例えば、CPU41の制御に基づいて、サウスブリッジ45を介して、HDD46または記録メディア48に記録されているデータの供給を受けて、PCIバス44、PCIブリッジ49を介して、メモリ50、デコーダ54、またはデコーダ55に供給する。また、ノースブリッジ42は、メモリ43とも接続されており、CPU41の処理に必要なデータを授受する。
【0062】
メモリ43は、CPU41が実行する処理に必要なデータを保存する。サウスブリッジ45は、HDD46のデータの書き込みおよび読み出しを制御する。HDD46には、記録メディア48に記録するための圧縮映像データ(以下、適宜、下地データも称する)や、下地データが記録された記録メディア48の所定の位置に挿入される圧縮映像データ(以下、適宜、上書きデータとも称する)が記録される。
【0063】
また、サウスブリッジ45には、ドライブ47が接続されており、ドライブ47は、記録メディア48から下地データを読み出したり、サウスブリッジ45から供給された下地データや上書きデータを記録メディア48に記録する。記録メディア48は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどからなり、インサート編集の対象となる下地データを記録している。
【0064】
PCIブリッジ49は、メモリ50のデータの書き込みおよび読み出しを制御したり、デコーダ54、デコーダ55、またはストリームスプライサ57への圧縮映像データの供給を制御するとともに、PCIバス44およびコントロールバス51のデータの授受を制御する。メモリ50は、PCIブリッジ49の制御に基づいて、HDD46または記録メディア48より読み出された、インサート編集される圧縮映像データや、ストリームスプライサ57から供給される編集後の圧縮映像データを記憶する。
【0065】
CPU52は、ノースブリッジ42、PCIバス44、PCIブリッジ49、およびコントロールバス51を介して、CPU41から供給された制御信号やコマンドにしたがって、PCIブリッジ49、デコーダ54乃至デコーダ56、ストリームスプライサ57、エフェクト/スイッチ58、エンコーダ59、およびスイッチ60が実行する処理を制御する。メモリ53は、CPU52の処理に必要なデータを記憶する。
【0066】
デコーダ54乃至デコーダ56は、CPU52の制御に基づいて、供給された圧縮映像データをデコードし、非圧縮の映像信号(ベースバンドの画像データ)を出力する。また、デコーダ54乃至デコーダ56は、編集装置31に含まれない独立した装置として設けられていても良い。例えば、デコーダ56が、独立した装置として設けられている場合、デコーダ56は、後述する処理により編集されて生成された圧縮映像データの供給を受け、復号し、出力することができるようになされる。
【0067】
ストリームスプライサ57は、CPU52の制御に基づいて、供給された圧縮映像データをデコーダ56に供給したり、PCIブリッジ49を介してメモリ50に供給して保存させたりする。また、ストリームスプライサ57は、エンコーダ59から、エンコード処理において取得されたデータの供給を受け、PCIブリッジ49を介して、メモリ50に供給して保存させることも可能である。
【0068】
エフェクト/スイッチ58は、CPU52の制御に基づいて、デコーダ54またはデコーダ55、もしくは、入力端子61から非圧縮の映像信号の供給を受け、CPU52の制御に基づいて、供給される非圧縮の映像信号の出力を切り替える。すなわち、エフェクト/スイッチ58は、供給された非圧縮の映像信号を所定のフレームで結合するとともに、必要に応じて所定の範囲にエフェクトを施して、エンコーダ59に供給する。エンコーダ59は、CPU52の制御に基づいて、供給された非圧縮の映像信号をエンコードする。すなわちエンコーダ59は、非圧縮の映像信号をエンコードすることにより、再エンコードされたストリームである再符号化ストリームを生成する。
【0069】
スイッチ60は、CPU52の制御に基づいて、エフェクト/スイッチ58から出力されるベースバンド画像信号、または、ストリームスプライサ57から供給され、デコーダ56によってデコードされたベースバンド画像信号のいずれかを、外部の、例えば、表示装置などに出力する。
【0070】
また、入力端子61からは、ベースバンドの画像データが入力され、エフェクト/スイッチ58に供給される。
【0071】
次に、図5は、図4の編集装置31の機能の構成例を示すブロック図である。なお、図5において、図4における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0072】
編集装置31は、制御部71、取得部72、ドライブ47、デコーダ54、デコーダ55、およびエンコーダ59から構成される。
【0073】
制御部71は、CPU41およびCPU52から構成され、編集装置31の各部を制御する。取得部72は制御部71の制御に基づいて、HDD46から、またはドライブ47を介して記録メディア48から圧縮映像データを取得してデコーダ54またはデコーダ55に供給する。なお、圧縮映像データが記録されるHDD46が取得部72に含まれるようにしてもよいし、取得部72が編集装置31に接続されている他の装置から上書きデータとしての圧縮映像データを取得するようにしてもよい。
【0074】
デコーダ54およびデコーダ55は、取得部72から供給された圧縮映像データをデコードし、その結果として得られた非圧縮の映像信号をエンコーダ59に供給する。なお、図5に示す編集装置31には、圧縮映像データをデコードするデコーダとして、2つのデコーダ54およびデコーダ55が設けられているが、編集装置31に設けられるデコーダは1つであってもよいし、3以上であってもよい。
【0075】
エンコーダ59は、デコーダ54およびデコーダ55においてデコードされたか、または、入力端子61から入力され、接続された映像信号をエンコードし、エンコードにより得られた圧縮映像データを、取得部72を介してドライブ47に供給する。
【0076】
次に、編集装置31の動作について説明する。
【0077】
編集装置31は、記録メディア48に下地データ(符号化ストリーム)を記録することができる。
【0078】
編集装置31は、HDD46に記録された符号化ストリーム、または、入力端子61から供給されて、エンコーダ59によって符号化された符号化ストリームを、記録メディア48に記録することができる。
【0079】
CPU41は、エンコーダ59によって符号化され、メモリ50に供給されて記憶されている符号化ストリーム、または、HDD46に記録されている符号化ストリームが、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47に供給され、記録メディア48に記録されるように、各部を制御する。
【0080】
上述したように、可変長符号化により得られたストリームは、同じデータ量のストリームであっても、記録メディアにおける記録に必要な記録容量は異なる。そのため、図2を参照して説明したインサート編集を行い、下地データの所定の区間に上書きデータを上書きしようとした場合に上書きデータが上書きされる範囲における下地データの区間とは、データ量が同じであっても、記録メディア上の大きさ、すなわち記録に必要なクラスタ数は一般には異なるので、上書きデータの記録に必要なクラスタ数が、下地データにおける上書きデータが挿入される区間のクラスタ数よりも多いときには、下地データに上書きデータを挿入することができなくなってしまう。
【0081】
図6を用いて、下書きデータであるストリームAの所定のIN点からOUT点までの間を、上書きデータBに置き換える上書き編集が行われる場合について説明する。
【0082】
ユーザからIN点とOUT点が指定されたとき、それぞれの編集素材において、IN点を含むGOPを基準とした所定範囲と、OUT点を含むGOPを基準とした所定範囲のベースバンドデータが得られて、例えば、上述した特開2006−67095号公報に記載されている技術を用いて、スプライシング処理が実行され、IN点を含む所定範囲α乃至β´およびOUT点を含む所定範囲γ乃至δ´と、β´乃至γの部分とが接続されて、記録メディア48に上書きされる。
【0083】
例えば、上書き用の編集素材が、入力端子61から入力されるベースバンド信号である場合について、図7を用いて説明する。
【0084】
まず、記録メディア48から、符号化ストリームAのうちのIN点を含む1GOPが読み出され、デコーダ54に供給されてデコードされ、エフェクト/スイッチ58に供給される。そして、IN点までの間は、エフェクト/スイッチ58からは、記録メディア48から読み出された符号化ストリームAに対応するベースバンドデータが出力されて、エンコーダ59に供給されてエンコードされる。そして、IN点においてエフェクト/スイッチ58が切換えられて、入力端子61から入力されるベースバンド信号がエンコーダ59に供給され、上書き部分のベースバンド信号がエンコードされる。
【0085】
すなわち、記録メディア48への上書きは、IN点から開始されるのではなく、IN点手前のαから、新規に符号化が実行されて、記録メディア48への符号化ストリームの上書きが開始される。
【0086】
そして、記録メディア48から、符号化ストリームAのうちのOUT点を含む1GOPが読み出され、デコーダ54に供給されて、デコードされ、エフェクト/スイッチ58に供給される。OUT点までは入力端子61から入力されるベースバンド信号がエンコーダ59に供給されているが、OUT点においてエフェクト/スイッチ58が切換えられて、エンコーダ59にOUT点以降の記録メディア48から読み出された符号化ストリームAに対応するベースバンドデータが供給される。
【0087】
OUT点を含むGOPの符号化は、その後ろのGOP、すなわち、再符号化されないストリームAとVBVバッファの占有量が連続するように、制限付きで符号化される。なお、再符号化された部分と再符号化されていない部分、すなわち、図7中のδ´の部分においてVBVバッファの占有量が連続するようになされていれば、符号化の制限の方法は、いずれの方法であっても良く、また、OUT点を含む再符号化の範囲(すなわち、制限付符号化が実行される部分)も、1GOP以上の範囲であっても良い。IN点とOUT点によって定められる上書き部分にスプライシングのための再エンコード範囲を含むαからδ´の範囲を、差し替え区間と称する。
【0088】
このとき、差し替え区間αからδ´の範囲において、下地であるストリームAと、上書きデータであるベースバンドデータを符号化した符号化ストリームの符号量が等しくても、記録メディア48への記録時に、それぞれのフレームの絵柄によって、フレーム毎のクラスタ数が変化し、下地よりも上書きデータの方が大きなクラスタ数を必要としてしまう可能性がある。
【0089】
そこで、編集装置31においては、ドライブ47に装着されている記録メディア48に最初に下書きデータとして(すなわち、上書き編集の前のデータの書き込みとして)Mフレームの符号化ストリームを記録する際、k番目のフレームの記録を行う時には、(k+1)番目から最後(M番目)のフレームまでが任意の絵柄であるときに対して必要十分な数のクラスタが用意される様に、k番目のフレームデータの記録部分のクラスタ数を算出することができるようになされている。
【0090】
フレーム数、総データ量Sを固定して、任意の絵柄データを考えた場合、最もクラスタ数が多くなるのは、図8に示されるように、(M-1)フレームに関して各々のデータ量がクラスタサイズの整数倍+1byteとなる場合である。なお、図8においては、枠が1クラスタを表し、ハッチがかかっている部分が実データを表すものとする。
【0091】
したがって、任意の絵柄に対して必要十分なクラスタ数は、総データ量S、クラスタサイズC,総フレーム数Mとして、実数xに対してx以上の最小の整数として定義される関数をceiling(x)としたとき、次の式(1)で表現される。
【0092】
ceiling((S-(M-1))/C)+(M-1)・・・(1)
【0093】
例えば、記録メディア48に、フレームレートがF[Hz]、データレートがR[byte/s]、VBV BufferサイズがVBV[byte]、クラスタサイズがC[byte]の条件で動画符号を記録しようとした時に、最大でMフレームの記録が可能であるものとする。
【0094】
この条件下で最大の符号量はVBV bufferを使い切る場合のものであるので、総符号量S[byte]は、次の式(2)で示される。
【0095】
S=(M-1)×R/F+VBV・・・(2)
【0096】
具体例について、図9を用いて説明する。
【0097】
図9は、それぞれのフレームが符号順で記載されているものとし、例えば、CBR(Constant Bit Rate)でM=11の場合、このGOPの総符号量が最大となるケースのVBV占有量推移を示す図である。
【0098】
このGOPの総符号量が最大となるケースにおいて、最初のフレームにおけるVBV buffer占有量は100%であり、最後(11番目)の符号記録後のVBV buffer占有量は0%となる。
【0099】
以下、S(k)(ただし、kは何番目のフレームであるかを示す値であり、ここでは1乃至11)は各フレームの符号量を示し、V(k)(ただし、kは何番目のフレームであるかを示す値であり、ここでは1乃至11)は各フレーム記録時点でのVBV占有量を示すものとする。
【0100】
まず、1フレーム目を記録する時点で、それ以降に記録する必要がある総データ量は、次の式(3)で示される。
【0101】
S(1)+S(2)+・・・+S(11)・・・(3)
【0102】
したがって、この11フレームを記録するために任意の絵柄に対して必要十分なクラスタ数は、次の式(4)で表すことができる。
【0103】
ceiling(((S(1)+S(2)+・・・+S(11))−(11-1))/C)+(11-1)・・・(4)
【0104】
そして、2フレーム目を記録する時点で、それ以降に記録する必要がある総データ量は、次の式(5)で示される。
【0105】
S(2)+S(3)+・・・+S(11)・・・(5)
【0106】
したがって、同様に、2フレーム目以降の任意の絵柄に対して、必要十分なクラスタ数は、次の式(6)で表すことができる。
【0107】
ceiling(((S(2)+S(3)+・・・+S(11))−(11-2))/C)+(11-2)・・・(6)
【0108】
1フレーム目の符号データを記録するのに配置されるべきクラスタ数は、式(6)と式(4)との差であり、次の式(7)で示される。
【0109】
ceiling(((S(1)+・・・+S(11))-(11-1))/C)−ceiling(((S(2)+S(3)+
・・・+S(11))−(11-2))/C)+1
・・・(7)
【0110】
1フレーム目のデータ量はS(1)であるから、実際にデータを格納するのに必要なクラスタ数は、次の式(8)であらわされる。
【0111】
ceiling(S(1)/C)・・・(8)
【0112】
ここで、式(8)で示される値より式(7)で示される値の方が大きければ、その分のクラスタは、予備クラスタとして、1フレーム目の実データと連続させて配置させるものとする。
【0113】
以上の内容を、k番目のフレームにおける場合として一般化すると次のようになる。
【0114】
k番目のデータ量をS(k)、k番目以降の総データ量をT(k)とした場合、k番目以降の任意の絵柄のデータを格納することができるクラスタ数は、次の式(9)で示される。
【0115】
ceiling((T(k)−(M−k))/C)+(M−k)・・・(9)
【0116】
したがって、(k+1)番目以降の任意の絵柄のデータを格納することができるクラスタ数は、次の式(10)で示される。
【0117】
ceiling((T(k)−S(k)−(M−k−1))/C)+(M−k−1)・・・(10)
【0118】
すなわち、任意のk番目データ格納に必要なクラスタ数は、次の式(11)で示される。
【0119】
ceiling((T(k)−(M−k))/C)−ceiling((T(k)−S(k)−(M−k−1))/C)+1
・・・(11)
【0120】
ただし、(M+1)フレーム目に必要なクラスタ数は0であるので、最後のフレーム(M番目)の格納に必要なクラスタ数は、次の式(12)で示される。
【0121】
ceiling(S(M)/C)・・・(12)
【0122】
このようにして、符号化ストリームを記録する記録メディア(ここでは、記録メディア48)に対して最大記録データ量を想定することで、記録すべき符号量(この場合はT(k))に基づいてその符号を格納するクラスタ数を求めることが可能となる。
【0123】
また、k番目のフレーム記録時のVBV占有量V(k)[byte]と、残りフレーム数とから、その時点での残りデータ量は以下の式(13)のようにも表せる。
【0124】
T(k)=S(k)+・・・+S(M)=V(k)+(M−k)×R/F・・・(13)
【0125】
すなわち、V(k)をk番目のフレームを符号化する直前のVBV占有量であるとしたとき、図10に示されるように、
V(1)=VBV
となり、以下、
V(2)=V(1)−s(1)+R/F
・・・
V(k)=V(k-1)−S(k-1)+R/F
となる。
【0126】
そして、k番目のフレーム以降の総データ量T(k)に関しては、
T(1)=VBV+(M−1)×R/F=V(1)+(M−1)×R/F
T(2)=T(1)−S(1)=V(2)+(M−2)×R/F
・・・
T(k)=T(k-1)−S(k-1)=V(k)+(M−k)×R/F
が成り立つ。
【0127】
そして、式(11)に式(13)を代入することにより、k番目のフレームを格納するべきクラスタ数は、次の式(14)で表される。
【0128】
f(k)−f(k+1)+1・・・(14)
ただし、f(k)=ceiling((V(k)+(M−k)×R/F−(M−k))/C)
【0129】
なお、最後(M番目)のフレームの格納において、これまでに配置した予備クラスタ分を含めても、上述した条件の下、最大でMフレームの記録が可能という前提がある。このため、最後のフレームの記録は必ず可能である。したがって、最後(M番目)のフレームの格納に必要なクラスタ数は、式(12)で示されるが、最後のフレームに関しては、予備クラスタ数に関しては意識せずに、必要最小限のクラスタで記録を行うようにすれば良い。
【0130】
以上説明したクラスタ数の条件を基に、CPU41は、記録メディア48に下地データが記録されるとき、予め任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されて符号化ストリームが記録されるように、各部を制御する。これにより、下地データの任意位置に、フレーム数、総データ量が同一である、任意の絵柄のデータを上書きして差し替えても、クラスタ数が足りなくなることはない。
【0131】
また、CPU41は、編集処理により得られて、PCIブリッジ49、PCIバス44、および、ノースブリッジ42を介して供給される、差し替え区間の符号化ストリームを、メモリ43に一時保存する。そして、CPU41は、予め任意の絵柄に対して必要なクラスタを算出して、そのクラスタ配置に基づいて符号化ストリームが記録されるように、メモリ43に保存されたサウスブリッジ45を介してドライブ47に供給し、記録メディア48への記録を制御する。
【0132】
図9および図10を用いて説明したようにして、予め任意の絵柄に対して必要なクラスタを配置して各フレームのデータが記録された記録メディア48に対しては、VBV占有量が連続となる様にして書き換える限り、いずれのフレームから上書きを実行しても、すなわち、差し替え区間の位置にかかわらず、決してクラスタ数が足りなくなることはない。
【0133】
すなわち、所定のIN点およびOUT点による上書き編集のための差し替え区間がk番目のフレームからk´番目のフレームまでとなったとき、上書きされるデータの(k´+1)番目のVBV占有量V(k´+1)が、下地の対応する部分のVBV占有量と等しいならば、(k´+1)番目のフレーム以降に必要となるクラスタ数は等しいため、接続点において、データは過不足なく接合する。
【0134】
例えば、図11に示されるように、1GOP11フレームのうちの3フレーム目から9フレーム目を差し替え区間として書き換えた場合、3フレーム目以降の任意の絵柄のデータを格納することができるクラスタ数は、上述した式(9)より、ceiling((T(3)−(11−3))/C)+(11−3)で表され、10フレーム目以降の任意の絵柄のデータを格納することができるクラスタ数は、上述した式(9)より、ceiling((T(10)−(11−10))/C)+(11−10)で表される。
【0135】
下地記録時点で、いずれのフレーム以降においても任意の絵柄に対して対応できるクラスタ数が予め配置されているので、3フレーム目以降の記録においても、書き換えデータが記録メディア48に記録可能なフレーム数である限り、クラスタ数が足りなくなることは無い。
【0136】
そして、この下地部分と上書き部分との接続部分において、VBV占有量が連続となるようにして、上述した式(14)に基づいて、各フレームの記録時に、それぞれのフレームを格納するクラスタ数が求められて、その結果を基に上書き処理が実行される。
【0137】
すなわち、ドライブ47には、編集装置31において、または、異なる他の装置において、予め任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されて下地データ(符号化ストリーム)が記録された記録メディア48が装着されている。その下地データに挿入される上書きデータ(符号化ストリーム)としては、HDD46に記録されているデータを用いても良いし、入力端子61から入力されるベースバンド画像データを用いても良い。
【0138】
CPU41は、図示しない操作入力部からユーザの操作入力を受け、編集される2つのストリームと、その編集点の情報を受ける。
【0139】
上述したように、記録メディア48には、予め任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置された下地データ(符号化ストリーム)が記録されている。
【0140】
そこで、図11に示されるように、1GOP11フレームのうちの3フレーム目から9フレーム目が差し替え区間とされた場合、CPU41は、編集処理により得られてPCIブリッジ49、PCIバス44、および、ノースブリッジ42を介して供給され、メモリ43に一時保存されている、上書きされる符号化ストリームに対して、上述した式(14)に基づいて、各フレームの記録時に、それぞれのフレームを格納するクラスタ数を求めて、下書きデータとの接続部分のVBV占有量が連続となるように、上書きされる符号化ストリームを、サウスブリッジ45を介してドライブ47に供給し、記録メディア48へ記録されるように制御する。
【0141】
なお、上書き部分と下書き部分との接続点におけるVBV占有量が連続となるようにするために必要な制御は、例えば、上述した、特開2006−67095号公報に記載の技術など、公知のいかなる方法を用いても良い。
【0142】
また、例えば、編集点(OUT点)を含むGOP(または、そのGOPと次のIピクチャまで)のエンコード終了時に、目標VBV占有量よりも占有量が小さくなってしまった場合は、zero stuffによってVBV占有量を連続にすることはできないため、次GOPもエンコード対象として、任意の発生符号調整方法により再エンコードが継続されるようしてもよい。
【0143】
このように、任意の絵柄に対応可能なクラスタ数を配置して、下書きデータを記録すること、または、その下書きデータに対して上書きデータを一部書き込むために、予め決まっていなければならないのは、フレームレートF[Hz]、データレートR[byte/s]、VBV BufferサイズVBV[byte]、クラスタサイズC[byte]、および、その記録メディアに記録可能な最大フレーム数Mのみである。このMは、下地記録を行う場合の最大記録数であり、編集を実行する(書き換えを行う)フレーム範囲ではない。
【0144】
したがって、上述した方法で、任意の絵柄に対応可能なクラスタ数を配置して、下書きデータを記録すること、または、その下書きデータに対して上書きデータを一部書き込む処理は、符号化を実行しながら、上書きの範囲を決定する場合、すなわち、符号化開始時に差し替え区間が決まっていない場合にも有効である。
【0145】
また、1GOPの長さとは無関係に編集記録が可能であり、VBV占有量の連続性 さえ保たれる書き換えであれば、その符号化方式が、Long符号であっても、Intra符号であってもかまわない。
【0146】
なお、編集装置31は、記録メディア48に、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように下地データを記録することが可能な装置であっても良い。また、編集装置31は、記録メディア48に任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように下地データを記録可能であり、かつ、上書きされるフレームのそれぞれにおいても任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように上書き編集を行うことが可能な装置であっても良い。また、編集装置31は、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように下地データが記録された記録メディア48に、上書きされるフレームのそれぞれにおいても任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように上書き編集を行うことが可能な装置であっても良い。
【0147】
図12に、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるようにして、下地データを記録メディア48に記録可能な編集装置31の制御部71、すなわち、CPU41およびCPU52が有する機能を説明するための機能ブロック図を示す。
【0148】
CPU41は、符号化データ取得制御部81、パラメータ取得部82、データ量計算部83、クラスタ数計算部84、符号化データ記録処理部85、予備クラスタ配置部86、および、編集処理制御部87の機能を有しており、CPU52は、スイッチング処理部91、デコード処理部92、エンコード処理部93、および、スプライシング制御部94の機能を有している。
【0149】
符号化データ取得制御部81は、下地データの基となる符号化データ、例えば、入力端子61から入力された非圧縮ベースバンド信号がエンコーダ59においてエンコードされることにより得られた符号化データ、または、HDD46に記録されている符号化データの取得を制御し、メモリ43への記録を制御する。
【0150】
パラメータ取得部82は、記録メディア48に符号化ストリームを記録するときの、フレームレートF[Hz]、データレートR[byte/s]、VBV BufferサイズVBV[byte]、クラスタサイズC[byte]、記録メディア48に記録可能な最大クラスタ数Mなどのパラメータを取得する。
【0151】
データ量計算部83は、記録される符号化ストリームの総データ量S[byte]を計算するとともに、k番目のフレーム以降の総データ量T(k)[byte]を算出する。
【0152】
クラスタ数計算部84は、上述した式(14)に基づいて、k番目のフレームを格納するべきクラスタ数を算出する。ここで、式(14)におけるk番目のフレームを符号化する直前のVBV占有量は、k番目のフレーム以降の総データ量T(k)[byte]を用いて算出しても良いし、それ以外の方法を用いて得るようにしても良い。
【0153】
符号化データ記録処理部85は、符号化データ取得制御部81により取得が制御され、メモリ43への記録が制御された符号化データを、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47へ供給し、クラスタ数計算部84により算出されたk番目のフレームを格納するべきクラスタ数に基づいて、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるようにして、符号化データを、記録メディア48に記録する処理を制御する。
【0154】
予備クラスタ配置部86は、クラスタ数計算部84により算出されたk番目のフレームを格納するべきクラスタ数より実際にデータを格納するのに必要なクラスタ数が少なかった場合、符号化データ記録処理部85により記録メディア48への記録が制御される符号化データとともに記録メディア48へ記録される予備クラスタの配置を制御する。
【0155】
編集処理制御部87は、ユーザの操作入力を基に、デコーダ54乃至デコーダ56、ストリームスプライサ57、エフェクト/スイッチ58、エンコーダ59、および、スイッチ60の動作を制御して、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるためのコマンドなどを生成し、ノースブリッジ42、PCIバス44、PCIブリッジ49、および、コントロールバス51を介して、生成したコマンドをCPU52に供給する。
【0156】
スイッチング処理部91は、編集処理制御部87から供給されたコマンドに基づいて、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるために、エフェクト/スイッチ58の動作を制御する。
【0157】
デコード処理部92は、編集処理制御部87から供給されたコマンドに基づいて、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるために、デコーダ54乃至デコーダ56の動作を制御する。
【0158】
エンコード処理部93は、編集処理制御部87から供給されたコマンドに基づいて、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるために、エンコーダ59の動作を制御する。
【0159】
スプライシング制御部94は、編集処理制御部87から供給されたコマンドに基づいて、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるために、ストリームスプライサ57の動作を制御する。
【0160】
図13に、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように下地データが記録された記録メディア48に、上書きされるフレームのそれぞれにおいても任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように上書き編集を行うことが可能な編集装置31の制御部71、すなわち、CPU41およびCPU52が有する機能を説明するための機能ブロック図を示す。
【0161】
なお、図12における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0162】
すなわち、CPU41は、上書き位置設定部111の機能を新たに有し、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84に代わって、データ量計算部112およびクラスタ数計算部113の機能を有する以外は、基本的に、図12における場合と同様の機能を有している。
【0163】
上書き位置設定部111は、上書きデータが記録メディア48上に記録される記録位置、すなわち、差し替え区間の記録メディア48上の領域を設定し、符号化データ記録処理部85に設定された記録位置を通知する。
【0164】
データ量計算部112は、上書き記録される符号化ストリームの総データ量を計算するとともに、k番目のフレーム以降の総データ量T(k)[byte]を算出する。
【0165】
クラスタ数計算部113は、上述した式(14)に基づいて、k番目の上書きデータのフレームを格納するべきクラスタ数を算出する。ここで、式(14)におけるk番目のフレームを符号化する直前のVBV占有量は、k番目のフレーム以降の総データ量T(k)[byte]を用いて算出しても良いし、それ以外の方法を用いて得るようにしても良い。
【0166】
次に、図14のフローチャートを参照して、編集装置31が実行する下書き処理について説明する。なお、図14においては、編集装置31の制御部71が図12を用いて説明した機能ブロックの機能を有しているものとして説明するが、編集装置31の制御部71が図13を用いて説明した機能ブロックの機能を有している場合においても、同様の処理を実行することが可能であることは、いうまでもない。
【0167】
ステップS11において、符号化データ取得制御部81は、記録メディア48に記録されるデータの取得を制御し、メモリ43に保存する。
【0168】
ステップS12において、パラメータ取得部82は、記録メディア48に符号化ストリームを記録するときの、フレームレートF[Hz]、データレートR[byte/s]、VBV BufferサイズVBV[byte]、クラスタサイズC[byte]、記録メディア48に記録可能な最大クラスタ数Mなどのパラメータを取得し、データ量計算部83は、記録される符号化ストリームの総データ量S[byte]を計算する。
【0169】
ステップS13において、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84は、下書き処理を行うフレームが何番目のフレームであるかを示す値kをk=1とする。
【0170】
ステップS14において、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84は、次に下書き処理を行うフレームは、最後のフレームであるか否かを判断する。
【0171】
ステップS14において、次に下書き処理を行うフレームは、最後のフレームではないと判断された場合、ステップS15において、クラスタ数計算部84は、k番目のフレームの符号量S(k)を得る。
【0172】
ステップS16において、クラスタ数計算部84は、上述した式(14)に基づいて、k番目のフレームを格納するべきクラスタ数を算出する。
【0173】
ステップS17において、符号化データ記録処理部85は、符号化データ取得制御部81により取得が制御され、メモリ43への記録が制御された符号化データを、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47へ供給し、クラスタ数計算部84により算出されたk番目のフレームを格納するべきクラスタ数に基づいて、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるようにして、符号化データを、記録メディア48に記録する処理を制御する。
【0174】
ステップS18において、符号化データ記録処理部85は、クラスタ数計算部84により算出されたk番目のフレームを格納するべきクラスタ数より実際にデータを格納するのに必要なクラスタ数が少ないために余ったクラスタがあるか否かを判断する。
【0175】
ステップS18において、余ったクラスタがあると判断された場合、ステップS19において、予備クラスタ配置部86は、符号化データ記録処理部85により記録メディア48への記録が制御される符号化データとともに記録メディア48へ記録される予備クラスタの配置を制御する。
【0176】
ステップS18において、余ったクラスタはないと判断された場合、または、ステップS19の処理の終了後、ステップS20において、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84は、下書き処理を行うフレームが何番目のフレームであるかを示す値kをk=k+1とし、処理は、ステップS14に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0177】
ステップS14において、次に下書き処理を行うフレームは、最後のフレームであると判断された場合、ステップS21において、符号化データ記録処理部85は、符号化データ取得制御部81により取得が制御され、メモリ43への記録が制御された最後のフレームの符号化データを、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47へ供給し、最後のフレームの符号化データを、記録メディア48に記録する処理を制御して、処理が終了される。
【0178】
このような処理により、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるようにして、下地データを記録メディア48に記録することができる。
【0179】
次に、図15のフローチャートを参照して、編集装置31が実行する上書き処理について説明する。なお、図15においては、編集装置31の制御部71が図13を用いて説明した機能ブロックの機能を有しているものとして説明する。
【0180】
ステップS51において、符号化データ取得制御部81は、記録メディア48に上書き記録されるデータの取得を制御し、メモリ43に保存する。
【0181】
ステップS52において、パラメータ取得部82は、記録メディア48に符号化ストリームを上書き記録するときの、上書き開始位置mを取得する。また、パラメータ取得部82は、フレームレートF[Hz]、データレートR[byte/s]、VBV BufferサイズVBV[byte]、クラスタサイズC[byte]、記録メディア48に記録可能な最大クラスタ数Mなどのパラメータを取得する。
【0182】
ステップS53において、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84は、上書き処理を行うフレームが何番目のフレームであるかを示す値kをk=mとする。
【0183】
ステップS54において、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84は、次に上書き処理を行うフレームは、最後のフレームであるか否かを判断する。
【0184】
ステップS54において、次に上書き処理を行うフレームは、最後のフレームではないと判断された場合、ステップS55において、クラスタ数計算部84は、上書きされるk番目のフレームの符号量S(k)を得る。
【0185】
ステップS56において、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84は、上書きされるk番目のフレームにおけるVBV占有量V(k)を得る。
【0186】
ステップS57において、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84は、上述した式(13)に示される、k番目のフレーム以降の総データ量T(k)を求める。
【0187】
ステップS58において、クラスタ数計算部84は、上述した式(14)に基づいて、k番目のフレームを格納するべきクラスタ数を算出する。
【0188】
ステップS59において、符号化データ記録処理部85は、符号化データ取得制御部81により取得が制御され、メモリ43への記録が制御された符号化データを、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47へ供給し、クラスタ数計算部84により算出されたk番目のフレームを格納するべきクラスタ数に基づいて、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるようにして、k番目のフレームの上書きデータに対応する符号化データを、VBV占有量が連続するように、記録メディア48に記録する処理を制御する。
【0189】
ステップS60において、符号化データ記録処理部85は、クラスタ数計算部84により算出されたk番目のフレームを格納するべきクラスタ数より実際にデータを格納するのに必要なクラスタ数が少ないために余ったクラスタがあるか否かを判断する。
【0190】
ステップS60において、余ったクラスタがあると判断された場合、ステップS61において、予備クラスタ配置部86は、符号化データ記録処理部85により記録メディア48への記録が制御される符号化データとともに記録メディア48へ記録される予備クラスタの配置を制御する。
【0191】
ステップS60において、余ったクラスタはないと判断された場合、または、ステップS61の処理の終了後、ステップS20において、データ量計算部83およびクラスタ数計算部84は、上書き処理を行うフレームが何番目のフレームであるかを示す値kをk=k+1とし、処理は、ステップS54に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0192】
ステップS54において、次に上書き処理を行うフレームは、最後のフレームであると判断された場合、ステップS63において、符号化データ記録処理部85は、符号化データ取得制御部81により取得が制御され、メモリ43への記録が制御された最後のフレームの符号化データを、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47へ供給し、最後のフレームの符号化データを、VBV占有量が連続するように、記録メディア48に記録する処理を制御して、処理が終了される。
【0193】
このような処理により、上書きデータの1フレームごとに、任意の絵柄に対して必要なクラスタ数が算出され、算出結果に基づいた数のクラスタが配置され、VBV占有量が連続するようにして、記録メディア48に上書きデータが記録される。
【0194】
なお、図12乃至図15においては、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるようにして、下地データを記録メディア48に記録可能な編集装置31、および、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように下地データが記録された記録メディア48に、上書きされるフレームのそれぞれにおいても任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように上書き編集を行うことが可能な編集装置31のそれぞれについて説明したが、編集装置31は、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるようにして、下地データを記録メディア48に記録可能であり、かつ、任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように下地データが記録された記録メディア48に、上書きされるフレームのそれぞれにおいても任意の絵柄に対して必要なクラスタが配置されるように上書き編集を行うことが可能であってもよいことは言うまでもない。
【0195】
このように、任意の絵柄に対応可能なクラスタ数を配置して、下書きデータを記録すること、または、その下書きデータに対して上書きデータを一部書き込むために、予め決まっていなければならないのは、フレームレートF[Hz]、データレートR[byte/s]、VBV BufferサイズVBV[byte]、クラスタサイズC[byte]、および、その記録メディアに記録可能な最大フレーム数Mのみである。このMは、下地記録を行う場合の最大記録数であり、編集を実行する(書き換えを行う)フレーム範囲ではない。
【0196】
したがって、上述した方法で、任意の絵柄に対応可能なクラスタ数を配置して、下書きデータを記録すること、または、その下書きデータに対して上書きデータを一部書き込む処理は、符号化を実行しながら、上書きの範囲を決定する場合、例えば、編集点(OUT点)を含むGOP(または、そのGOPと次のIピクチャまで)のエンコード終了時に、目標VBV占有量よりも占有量が小さくなってしまった場合は、zero stuffによってVBV占有量を連続にすることはできないため、次GOPもエンコード対象として、任意の発生符号調整方法により再エンコードが継続されるような場合など、符号化開始時に差し替え区間が決まっていない場合にも有効である。
【0197】
また、本発明は、1GOPの長さとは無関係に編集記録が可能であり、VBV占有量の連続性さえ保たれる書き換えであれば、その符号化方式が、Long符号であっても、Intra符号であっても適用可能である。
【0198】
更に、本発明は、例えば、上述したクラスタのように、データを記録する物理的な記録単位が決まっているとともに、記録されるデータにおいても、例えば、上述したフレームのように、記録単位が決まっている場合、すなわち、データを記録する物理的な単位と、データ地震の記録単位の関係で、データを記録する物理的な単位のうちの一部に記録されない領域がはっせいしてしまうような場合において適用可能である。
【0199】
また、本発明は、ディスク状の記録メディアやテープ上の記録メディアに情報を記録する場合のみならず、各種の記録媒体に情報を記録するときに適用可能であり、特に、連続して再生するべき情報を乖離した領域に記録した場合、再生処理中に、再生するべき情報の記録位置を探す(例えば、シーク処理を行う)ための時間がかかってしまうため、連続して再生するべき情報は、隔離した領域ではなく、連続した領域に記録されると好適な場合に用いると、その効果が大きい。
【0200】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、上述した処理は、図14に示されるようなパーソナルコンピュータ500により実行される。
【0201】
図14において、CPU(Central Processing Unit)501は、ROM(Read Only Memory)502に記憶されているプログラム、または、記憶部508からRAM(Random Access Memory)503にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM503にはまた、CPU501が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0202】
CPU501、ROM502、およびRAM503は、内部バス504を介して相互に接続されている。この内部バス504にはまた、入出力インターフェース505も接続されている。
【0203】
入出力インターフェース505には、キーボード、マウスなどよりなる入力部506、CRT,LCDなどよりなるディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507、ハードディスクなどより構成される記憶部508、並びに、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部509が接続されている。通信部509は、電話回線やCATVを含む各種のネットワークを介しての通信処理を行う。
【0204】
入出力インターフェース505にはまた、必要に応じてドライブ510が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどによりなるリムーバブルメディア521が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部508にインストールされる。
【0205】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0206】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0207】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0208】
【図1】カット編集を説明するための図である。
【図2】インサート編集を説明するための図である。
【図3】ストリームの記録時のクラスタ管理について説明する図である。
【図4】本発明を適用した編集装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図5】編集装置の機能の構成例を示すブロック図である。
【図6】上書き編集を説明するための図である。
【図7】上書き用の編集素材がベースバンド信号である上書き編集を説明するための図である。
【図8】最もクラスタ数が多くなる状態について説明するための図である。
【図9】VBV占有量推移を示す図である。
【図10】VBV占有量について説明するための図である。
【図11】3フレーム目から9フレーム目を差し替え区間として書き換える場合について説明する図である。
【図12】下地データを記録メディアに記録可能な編集装置のCPUが有する機能を説明する機能ブロック図である。
【図13】上書き編集を行うことが可能な編集装置のCPUが有する機能を説明する機能ブロック図である。
【図14】下書き処理について説明するためのフローチャートである。
【図15】上書き処理について説明するためのフローチャートである。
【図16】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0209】
31 編集装置, 41 CPU, 43 メモリ, 46 HDD, 47 ドライブ, 48 記録メディア, 52 CPU, 54乃至56 デコーダ, 58 エフェクト/スイッチ, 59 エンコーダ, 71 制御部, 81 符号化データ取得制御部, 82 パラメータ取得部, 83 データ量計算部, 84 クラスタ数計算部, 85 符号化データ記録処理部, 86 予備クラスタ配置部, 87 編集処理制御部, 91 スイッチング制御部, 92 デコード制御部, 93 スプライシング制御部, 94 エンコード制御部, 111 上書き位置設定部, 112 データ量計算部, 113 クラスタ数計算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する情報処理装置において、
前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算するデータ量計算手段と、
k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータ、前記データ量計算手段により計算された前記データの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算する記録単位数計算手段と、
前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御する記録制御手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数よりも、前記所定のデータ単位の前記データの記録に必要な前記物理的な記録単位の数が少なかった場合、少なかった分の前記物理的な記録単位を、前記所定のデータ単位に続く次のデータ単位を記録しない予備の前記物理的な記録単位とする予備記録単位配置手段
を更に備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記物理的な記録単位はクラスタであり、
前記所定のデータ単位は、符号化ストリームにおける1フレームであり、
前記記録単位数計算手段は、k番目のフレームを符号化する直前のVBV占有量V(k)、フレームレートF、データレートR、クラスタサイズC、総フレーム数Mとして、f(k)=ceiling((V(k)+(M−k)×R/F−(M−k))/C)としたとき、k番目に記録される前記フレームを記録するために必要な前記クラスタの数を、f(k)−f(k+1)+1により算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ量計算手段は、前記記録制御手段により前記所定のデータ単位の前記データが記録された前記記録媒体に上書き記録する前記所定のデータ単位の上書きデータのデータ量を更に計算し、
前記記録単位数計算手段は、前記記録媒体におけるk番目の前記データに対応する位置に記録される前記上書きデータのデータ量を取得して、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータ、前記データ量計算手段により計算された前記上書きデータの総データ量、および、k番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を更に計算し、
前記記録制御手段は、前記記録単位数計算手段により計算された前記上書きデータを記録するために必要な前記物理的な記録単位の数に基づいて、前記上書きデータを、前記記録媒体におけるk番目の前記データに対応する位置に更に記録する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記上書きデータの符号化を制御する符号化制御手段を更に備え、
前記物理的な記録単位はクラスタであり、
前記所定のデータ単位は、符号化ストリームにおける1フレームであり、
前記符号化制御手段は、前記上書きデータの記録の開始箇所と終了箇所において、前記記録制御手段により記録された前記所定のデータ単位の前記データと前記上書きデータとで、仮想バッファ占有量が連続性を有するように、前記上書きデータの符号化を制御する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する情報処理装置の情報処理方法において、
前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得し、
前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算し、
k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し、
取得された前記パラメータ、計算された前記データの総データ量、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し、
計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項7】
物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記記録媒体に記録される前記データに関するパラメータを取得し、
前記記録媒体に記録される前記データの総データ量を計算し、
k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データのデータ量を取得し、
取得された前記パラメータ、計算された前記データの総データ量、取得されたk番目に記録される前記所定のデータ単位のデータ量に基づいて、k番目以降の前記データを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記データを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し、
計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記データが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記データの記録を制御する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムが記録されているプログラム格納媒体。
【請求項9】
1つの物理的な記録単位に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体に、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する情報処理装置において、
前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算するデータ量計算手段と、
k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し、前記パラメータ取得手段により取得された前記パラメータ、前記データ量計算手段により計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算する記録単位数計算手段と、
前記記録単位数計算手段により計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御する記録制御手段と
を備える情報処理装置。
【請求項10】
1つの物理的な記録単位に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体に、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する情報処理装置の情報処理方法において、
前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得し、
k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し、
前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算し、
取得された前記パラメータ、計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し、
計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項11】
1つの物理的な記録単位に所定のデータ単位の下書きデータが1つを超えて記録されないように下書きデータが記録されている記録媒体に、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記記録媒体に記録されている前記下書きデータ、および、前記記録媒体に記録される前記上書きデータに関するパラメータを取得し、
k(kは正の整数)番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータのデータ量を取得し、
前記記録媒体に記録される前記上書きデータの総データ量を計算し、
取得された前記パラメータ、計算された前記上書きデータの総データ量、および、取得されたk番目に記録される前記上書きデータのデータ量に基づいて、k番目以降の前記上書きデータを前記記録媒体に記録するために必要な前記物理的な記録単位を割り当てることができるように、k番目に記録される前記所定のデータ単位の前記上書きデータを記録するために必要な、前記物理的な記録単位の数を計算し、
計算された前記物理的な記録単位の数に基づいて、1つの前記物理的な記録単位に前記所定のデータ単位の前記上書きデータが1つを超えて記録されないように、前記所定のデータ単位の前記上書きデータの記録を制御する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムが記録されているプログラム格納媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−262609(P2008−262609A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102400(P2007−102400)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】