説明

情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラム

【課題】他の装置にデータを送信する場合において、他の装置にデータの内容を素早く把握させる。
【解決手段】作成部305は、プロキシ画像データの送信に要する時間である送信時間が所定の時間以上である場合、素材データのうちの画像データのサムネイル画像データを作成する。送信部306は、素材データ、プロキシ画像データ、および素材データのメタデータを、メタデータ、プロキシ画像データ、素材データの順に送信する。なお、送信部306は、送信時間が所定の時間以上である場合、プロキシ画像データの代わりに、サムネイル画像データを送信する。本発明は、例えばカムコーダに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラムに関し、特に、他の装置にデータを送信する場合において、他の装置にデータの内容を素早く把握させることができるようにした情報処理装置および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影や録音により得られた画像データや音声データ等の素材データを取得して記録するカムコーダ(登録商標)から、ネットワーク等を介して、その素材データを取得し記録する記録装置がある。
【0003】
例えば、画像データを取得してビデオテープに記録するカメラ一体型ビデオテープレコーダから、画像データを取得し、光ディスクにダビングするディスクレコーダがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−171719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したカムコーダにおいては、最初から素材データそのものを記録装置に送信するため、素材データのデータ量が多い場合、その素材データを受信する記録装置において、送信されてくる素材データの内容を把握するまでに多大な時間を必要とする。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、他の装置にデータを送信する場合において、他の装置にデータの内容を素早く把握させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の情報処理装置は、画像データと、前記画像データに比べてデータ量の少ない、その画像データに関連する関連データを送信する送信手段を備え、前記送信手段は、前記関連データを、前記画像データより先に送信する。
【0008】
前記関連データは、前記画像データのメタデータ、前記画像データに比べて解像度の低いプロキシ画像データ、および前記画像データの第1のサムネイル画像データであることができる。
【0009】
前記送信手段は、前記画像データ、前記メタデータ、前記プロキシ画像データ、および前記第1のサムネイル画像データを、前記メタデータ、前記第1のサムネイル画像データ、前記プロキシ画像データ、前記画像データの順に送信することができる。
【0010】
前記情報処理装置は、前記プロキシ画像データの送信に要する時間である送信時間が所定の時間以上である場合、前記画像データの第2のサムネイル画像データを作成する作成手段をさらに設け、前記送信手段は、前記送信時間が所定の時間以上である場合、前記プロキシ画像データの代わりに、前記第2のサムネイル画像データを送信することができる。
【0011】
前記情報処理装置は、前記画像データに対する優先順位を決定する決定手段をさらに設け、前記送信手段は、前記決定手段により決定される優先順位に基づいて、前記画像データと、その画像データの前記関連データを送信することができる。
【0012】
本発明の一側面の情報処理方法は、画像データに比べてデータ量の少ない、前記画像データに関連する関連データを、その画像データより先に送信する。
【0013】
本発明の一側面のプログラムは、画像データに比べてデータ量の少ない、前記画像データに関連する関連データを、その画像データより先に送信するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0014】
本発明の一側面においては、画像データに比べてデータ量の少ない、前記画像データに関連する関連データが、その画像データより先に送信される。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の一側面によれば、他の装置で取得されて記録されるデータを記録することができる。
【0016】
また、本発明の一側面によれば、他の装置にデータを送信する場合において、他の装置にデータの内容を素早く把握させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0018】
本発明の一側面の情報処理装置は、第1に、
画像データと、前記画像データに比べてデータ量の少ない、その画像データに関連する関連データを送信する送信手段(例えば、図13の送信部306)を備え、
前記送信手段は、前記関連データを、前記画像データより先に送信する(例えば、図20のステップS128の処理)。
【0019】
本発明の一側面の情報処理装置は、第2に、
前記プロキシ画像データの送信に要する時間である送信時間が所定の時間以上である場合、前記画像データの第2のサムネイル画像データを作成する作成手段(例えば、図13の作成部305)
をさらに備え、
前記送信手段は、前記送信時間が所定の時間以上である場合、前記プロキシ画像データの代わりに、前記第2のサムネイル画像データを送信する(例えば、図20のステップS130の処理)。
【0020】
本発明の一側面の情報処理装置は、第3に、
前記画像データに対する優先順位を決定する決定手段(例えば、図24のリスト管理部401)
をさらに備え、
前記送信手段は、前記決定手段により決定される優先順位に基づいて、前記画像データと、その画像データの前記関連データを送信する。
【0021】
本発明の一側面の情報処理方法は、
画像データに比べてデータ量の少ない、前記画像データに関連する関連データを、その画像データより先に送信する(例えば、図20のステップS128の処理)
ステップを含む。
【0022】
本発明の一側面のプログラムは、
画像データに比べてデータ量の少ない、前記画像データに関連する関連データを、その画像データより先に送信する(例えば、図20のステップS128の処理)
ステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0023】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明を適用したネットワークシステム1の構成例を表している。
【0025】
図1のネットワークシステム1は、例えば、テレビジョン番組等の制作に用いられる番組制作支援システムである。テレビジョン番組の制作の工程は、基本的に、企画(構成)、収録、編集(制作)に分類される。企画(構成)は、テレビジョン番組の制作全体を統括する工程であり、制作するテレビジョン番組の企画および構想を行って、テレビジョン番組のシナリオ(筋書き)を作成する工程である。
【0026】
収録は、例えば、制作指示やシナリオにしたがって、制作現場で実際に収録を行う工程であり、テレビジョン番組を構成する各場面の画像データや音声データ等の素材データを取得するとともに、撮影(音声の取得も含む)状況を収録する工程である。編集(制作)は、制作指示やシナリオ等に基づいて、収録により得られた素材データを編集したり、収録により得られた素材データ、または編集後の素材データ(編集結果)に、収録で得ていない他の情報(CG/SI(Computer Graphics/SuperImpose)、ナレーション、または資料映像や音楽等)を付加したりして、テレビジョン番組として完成されたデータ(素材データ)であるカンパケを作成する。
【0027】
図1のネットワークシステム1は、このような各工程における作業を支援する番組制作支援システムである。ネットワークシステム1は、カムコーダ21と22、アクセスポイント23と24、サーバ25と26、ファイアウォール27、素材サーバ28、素材利用装置29、カンパケサーバ30、ネットワーク31、およびイントラネット32から構成される。
【0028】
カムコーダ21と22は、テレビジョン番組であるニュース番組の収録や、スポーツ等の試合の模様、映画などの撮影(音声の取得も含む)に使用される装置である。カムコーダ21と22は、被写体を撮影して得られた素材データ等を、例えば磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、着脱式ハードディスクドライブなどのリムーバブルメディア33または素材メモリ108(後述する図3)に記録する。また、カムコーダ21と22は、無線を介してアクセスポイント23または24と接続し、アクセスポイント23と24と接続されるインターネットなどのネットワーク31を介して素材データを他の装置(素材利用装置29等)に送信する。
【0029】
また、カムコーダ21と22は、自分自身に装着されたリムーバブルメディア33から素材データを再生して、他の装置に送信する。さらに、カムコーダ21と22は、ユーザの入力に基づいて、収録に関する情報等のように、例えば後段の編集処理時に有用となる情報等を生成し、カムコーダ21と22において得られた素材データにメタデータとして関連付ける。
【0030】
カムコーダ21と22には、アクセスポイント23または24とネットワーク31を介して、サーバ25と26が接続される。サーバ25と26には、カムコーダ21と22により取得された素材データが、必要に応じて供給されて記録される。
【0031】
イントラネット32は、ファイアウォール27を介してネットワーク31と接続されており、ファイアウォール27は、ネットワーク31からイントラネット32への不正なアクセスを禁止する。
【0032】
イントラネット32にはまた、素材サーバ28、素材利用装置29、およびカンパケサーバ30が接続されている。
【0033】
素材サーバ28は、素材利用装置29からイントラネット32を介して供給される素材データを蓄積する。素材利用装置29は、カムコーダ21と22から、アクセスポイント23または24、ネットワーク31、ファイアウォール27、およびイントラネット32を介して送信されてくる(アップロードされる)素材データを記録する。また、素材利用装置29は、記録している素材データを素材サーバ28に供給する。
【0034】
さらに、素材利用装置29は、自分自身が記憶している素材データまたは素材サーバ28に蓄積されている素材データを読み出し、カンパケを作成する。そして、素材利用装置29は、そのカンパケをイントラネット32を介してカンパケサーバ30に供給する。カンパケサーバ30は、素材利用装置29から供給されるカンパケを蓄積する。
【0035】
なお、以下では、カムコーダ21と22を区別する必要がない場合、それらをまとめてカムコーダ21という。また、アクセスポイント23と24を区別する必要がない場合、それらをまとめてアクセスポイント23という。
【0036】
次に、図2を参照して、図1のネットワークシステム1において、テレビジョン番組を制作する作業者のワークフローを詳細に説明する。なお、図2では、作業者がニュース番組を作成するものとする。
【0037】
図2に示すように、ステップS1において、企画の工程を行う企画作業者は、ニュースとなる出来事(事象)の情報を入手し、ステップS2に進む。ステップS2において、企画作業者は、ステップS1で入手した情報を基に、収録内容を検討(決定)する。
【0038】
なお、収録内容は、出来事(トピックス)ごとに区別される。ここで、ステップS2で決定された収録内容は複数あるものとする。企画作業者は、収録内容に固有のIDである収録IDを、テレビジョン番組を収録内容ごとに管理する図示せぬNRC(ニュースルームコンピュータ)から取得する。
【0039】
ステップS2の処理後は、ステップS3に進み、企画作業者は、収録先(撮影場所)と収録日時(撮影日時)を検討する。ステップS3の処理後は、ステップS4に進み、企画作業者は、NRCが管理(記憶)するニュース番組のスケジュールに、ステップS2で検討された収録内容を放送する枠(時間枠)を入力することにより、ニュース番組内の時間枠を確保する。また、企画作業者は、収録内容を説明する説明内容を検討し、その説明内容の原稿を作成してNRCに記憶させる。さらに、企画作業者は、収録担当者(カメラマン)、収録するカムコーダ21のID(以下、機器IDという)、収録計画(収録内容内の時間割)などの収録体制を決定する。
【0040】
ステップS4の処理後は、ステップS5に進み、企画作業者は、ステップS2で確保した時間枠内における、収録内容の放送順序を表す編集枠組を決定する。ステップS5の処理後、編集の工程を行う編集作業者は、ステップS4で確保された時間枠に基づいて、プロジェクト(編集作業単位)を素材利用装置29に作成するとともに、ステップS4で作成された説明内容の原稿を素材利用装置29に記憶させる。
【0041】
ステップS6の処理後は、ステップS7に進み、編集作業者は、素材利用装置29に収録IDごとのディレクトリ(フォルダ)などを作成する。なお、このディレクトリには、収録IDが対応付けられている。また、ステップS5の処理後、ステップS8に進み、収録の工程を行う収録作業者は、収録の準備を行う。具体的には、収録作業者は、NRCから取得された収録IDを、その収録IDに対応する収録内容を収録するカムコーダ21に記録させる。また、収録作業者は、ステップS5で決定された編集枠組に基づいて、後述する収録IDごとのグループのメタデータ(以下、グルーピングメタデータという)をカムコーダ21に記録させる。
【0042】
ステップS8の処理後は、ステップS9に進み、収録作業者は、例えばステップS3で検討された収録日時に収録先に行き、カムコーダ21を用いてステップS2で検討された収録内容を収録する。そして、収録作業者は、カムコーダ21から、アクセスポイント23、ネットワーク31などを介して、収録の結果得られる素材データと収録IDを素材利用装置29に送信する。これにより、素材利用装置29には、その収録IDに対応するディレクトリに素材データが記録される。
【0043】
ステップS7とS9の処理後は、ステップS10に進み、編集作業者は、素材利用装置29のディレクトリに記憶されている素材データを編集し、ステップS11に進む。ステップS11において、編集作業者は、編集の結果得られる素材データをカンパケとして、素材利用装置29からイントラネット32を介してカンパケサーバ30に保存(記憶)する。
【0044】
図3は、図1のカムコーダ21のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0045】
図3のカムコーダ21は、カメラブロック51、レコーダブロック52、通信ブロック53、電源ブロック54、マイクロフォン55、およびスピーカ56から構成される。
【0046】
カメラブロック51は、レンズ部71、撮影部72、ビデオプロセッサ73、ビデオ符号化部74、ビデオI/F(Interface)75、ビデオプロセッサI/F76、カメラコントローラ77、カメラコントローラI/F78、ビューファインダI/F79、ビューファインダ80、操作部81、操作部I/F82、マイコン83、レコーダI/F84、およびバス85から構成され、被写体を撮影し、その結果得られる画像データ(ビデオデータ)をレコーダブロック52に供給する。
【0047】
撮影部72は、例えばCCD(Charge Coupled Device)などから構成され、被写体からの光をレンズ部71を介して取得することにより、被写体を撮影する。撮影部72は、撮影の結果得られるアナログ信号である画像信号をビデオプロセッサ73に供給する。ビデオプロセッサ73は、撮影部72からの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換、画像を調整するための処理などを行う。ビデオプロセッサ73は、その結果得られるデジタルデータである画像データを、ビデオ符号化部74またはビデオプロセッサI/F76に供給する。
【0048】
ビデオ符号化部74は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)2方式で、ビデオプロセッサ73からの画像データを圧縮符号化し、その結果得られる画像データをビデオI/F75に供給する。
【0049】
ビデオI/F75、ビデオプロセッサI/F76、カメラコントローラI/F78、ビューファインダI/F79、操作部I/F82、マイコン83、およびレコーダI/F84は、バス85を介して相互に接続されている。
【0050】
ビデオI/F75は、ビデオ符号化部74からの画像データを、バス85を介してレコーダI/F84に供給する。ビデオプロセッサI/F76は、ビデオプロセッサ73からの画像データを、バス85を介してビューファインダI/F79に供給する。
【0051】
カメラコントローラ77は、カメラコントローラI/F78から供給される制御信号に基づいて、撮影部72を制御することにより、絞りやズームの制御を行う。カメラコントローラI/F78は、マイコン83からバス85を介して供給される制御信号を、カメラコントローラ77に供給する。
【0052】
ビューファインダI/F79は、ビデオプロセッサI/F76またはレコーダI/F84から供給される画像データ、あるいはレコーダI/F84から供給される各種のメタデータを、ビューファインダ80に供給する。ビューファインダ80は、ビューファインダI/F79からの画像データやメタデータに対応する画像を表示する。
【0053】
操作部81は、ユーザからのカメラブロック51に対する操作(例えば、撮影の指令など)を受け付け、その操作を表すカメラ操作信号を操作部I/F82に供給する。操作部I/F82は、操作部81から供給されるカメラ操作信号を、バス85を介してマイコン83とレコーダI/F84に供給する。
【0054】
マイコン83は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)から構成される。マイコン83のCPUは、ROMに記憶されるプログラムを実行することにより、操作部81からのカメラ操作信号に基づいて、カメラブロック51の各部を制御する。例えば、CPUは、バス85とカメラコントローラI/F78を介して、カメラコントローラ77に制御信号を供給し、絞りやズームの制御を行う。
【0055】
なお、マイコン83のRAMには、CPUが実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。例えば、マイコン83のRAMには、カメラブロック51における撮影に関する設定値(例えば、ホワイトバランス、ゲイン、フィルタ、絞り、シャッタスピード、ズーム、フォーカスなど)(以下、カメラ設定値という)が記憶される。マイコン83のCPUは、このカメラ設定値に基づいて、カメラコントローラ77に制御信号を供給する。マイコン83のCPUは、RAMに記憶されているカメラ設定値をレコーダI/F84に供給する。
【0056】
レコーダI/F84は、レコーダブロック52とデータをやり取りする。例えば、レコーダI/F84は、レコーダブロック52のカメラI/F109から供給される画像データまたはメタデータを、バス85を介してビューファインダI/F79に供給する。また、レコーダI/F84は、ビデオI/F75から供給される画像データ、操作部I/F82から供給されるカメラ操作信号、およびマイコン83からのカメラ設定値をレコーダブロック52に供給する。
【0057】
レコーダブロック52は、オーディオプロセッサ100、オーディオ符号化部101、オーディオI/F102、オーディオプロセッサI/F103、スピーカI/F104、オーディオ復号部105、マイコン106、素材メモリI/F107、素材メモリ108、カメラI/F109、LCD(Liquid Crystal Display)I/F110、ビデオ復号部111、LCD112、メディアI/F113、通信ブロックI/F114、およびバス115から構成され、カメラブロック51で取得される画像データ、マイクロフォン55で取得されるアナログ信号である音声信号に対応する音声データなどの素材データを記録する。
【0058】
オーディオプロセッサ100は、マイクロフォン55から供給される音声信号に対して、A/D変換、音声を調整するための処理などを行う。オーディオプロセッサ100は、その結果得られるデジタルデータである音声データ(オーディオデータ)を、オーディオ符号化部101とオーディオプロセッサI/F103に供給する。オーディオ符号化部101は、オーディオプロセッサ100からの音声データを、例えばリニアPCM(Pulse Code Modulation)方式で符号化し、その結果得られる音声データをオーディオI/F102に供給する。
【0059】
オーディオI/F102、オーディオプロセッサI/F103、スピーカI/F104、マイコン106、素材メモリI/F107、カメラI/F109、LCDI/F110、メディアI/F113、および通信ブロックI/F114は、バス115を介して相互に接続されている。
【0060】
オーディオI/F102は、オーディオ符号化部101からの音声データを、バス115を介して素材メモリ108またはメディアI/F113に供給する。オーディオプロセッサI/F103は、オーディオプロセッサ100からの音声データをそのまま、バス115を介してスピーカI/F104に供給する。
【0061】
スピーカI/F104は、オーディオプロセッサI/F103、素材メモリI/F107、またはメディアI/F113から供給される音声データを、オーディオ復号部105に供給する。オーディオ復号部105は、必要に応じて音声データを復号する。オーディオ復号部105は、その結果得られる音声データをスピーカ56に供給し、その音声データに対応する音声をスピーカ56から出力させる。
【0062】
マイコン106は、例えば、CPU,ROM、およびRAMから構成される。マイコン106のCPUは、ROMに記憶されるプログラムを実行することにより、通信ブロックI/F114から供給される、ユーザによる操作部131の操作を表す通信操作信号に基づいて、レコーダブロック52の各部を制御する。
【0063】
例えば、マイコン106のCPUは、メディアI/F113などから供給される、収録に関する情報や各種の設定値などに基づいて、素材データのメタデータ(後述するノンリアルタイムメタデータやグルーピングメタデータ)を作成する。
【0064】
また、マイコン106のCPUは、リムーバブルメディア33に記録されているデータ全体に対するメタデータであるディスクメタデータなどを作成する。さらに、マイコン106のCPUは、カメラI/F109から供給される画像データに基づいて、その画像データに比べて解像度の低いプロキシ画像データを作成する。
【0065】
また、マイコン106のCPUは、必要に応じて、カメラI/F109から供給される画像データをサンプリング(一定間隔で抽出)し、そのサンプリングされた画像データに基づいて、サムネイル画像データ(静止画像の画像データ)をサンプリングサムネイル画像データとして作成する。
【0066】
さらに、マイコン106のCPUは、素材メモリ108とリムーバブルメディア33に対する記録または再生を制御する。
【0067】
なお、マイコン106は、必要に応じて、素材メモリ108またはリムーバブルメディア33に対する記録と再生を同時に行う。このとき、マイコン106では、いま素材メモリ108またはリムーバブルメディア33に記録されているファイルのうちの記録済みのデータを再生することが可能である。
【0068】
また、マイコン106のCPUは、各種の画面を表示させるための画像データを作成し、LCDI/F110に供給する。さらに、マイコン106のCPUは、カメラI/F109から供給されるカメラ操作信号と通信ブロックI/F114から供給される通信操作信号に基づいて、カムコーダ21の動作状態(例えば、記録、再生、低速再生、高速再生、停止など)を判定し、その動作状態を表すデータを作成する。そして、マイコン106のCPUは、カムコーダ21の動作状態を表すデータ(以下、動作状態データという)と、レコーダI/F84から供給されるカメラ設定値を、バス115を介して通信ブロックI/F136に供給する。また、マイコン106のRAMには、CPUが実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。
【0069】
素材メモリI/F107は、例えば素材メモリ108に対して高速にアクセスを行い、素材メモリ108に対するデータの記録または再生を行う。
【0070】
例えば、素材メモリI/F107は、マイコン106の制御により、素材データを素材メモリ108に供給し、ファイルとして記憶させる。また、素材メモリI/F107は、マイコン106の制御により、プロキシ画像データを素材メモリ108に供給し、ファイルとして記憶させる。さらに、素材メモリI/F107は、マイコン106の制御により、メタデータ(素材データのメタデータ、サンプリングサムネイル画像データ、ディスクメタデータなど)を素材メモリ108に供給し、ファイルとして記憶させる。
【0071】
また、素材メモリI/F107は、素材メモリ108から素材データを再生し、その素材データのうちの音声データをスピーカI/F104に、画像データをLCDI/F110に、それぞれ供給する。さらに、素材メモリI/F107は、素材メモリ108から素材データ、プロキシ画像データ、メタデータなどを再生し、通信ブロックI/F114に供給する。
【0072】
カメラI/F109は、カメラブロック51のレコーダI/F84と接続され、例えばレコーダI/F84から画像データ、カメラ操作信号、およびカメラ設定値を受信する。カメラI/F109は、その画像データ、カメラ操作信号、およびカメラ設定値を、バス115を介してマイコン106に供給するととともに、画像データを素材メモリI/F107またはメディアI/F113に供給する。LCDI/F110は、素材メモリI/F107またはメディアI/F113から供給される画像データを、ビデオ復号部111に供給する。
【0073】
ビデオ復号部111は、必要に応じて、LCDI/F110からの画像データを復号し、その結果得られる画像データをLCD112に供給する。LCD112は、ビデオ復号部111からの画像データに対応する画像を表示する。
【0074】
メディアI/F113は、マイコン106の制御により、素材データをリムーバブルメディア33に供給して、ファイルとして記憶させる。また、メディアI/F113は、マイコン106の制御により、プロキシ画像データをリムーバブルメディア33に供給し、ファイルとして記憶させる。さらに、メディアI/F113は、マイコン106の制御により、メタデータ(素材データのメタデータ、サンプリングサムネイル画像データ、ディスクメタデータなど)をリムーバブルメディア33に供給し、ファイルとして記憶させる。
【0075】
さらに、メディアI/F113は、カムコーダ21に装着されたリムーバブルメディア33に記録されている収録に関する情報や各種の設定値を読み出し、マイコン106に供給する。
【0076】
なお、ここでは、収録に関する情報や各種の設定値などが、リムーバブルメディア33からメディアI/F113を介してマイコン106に入力されるものとしたが、ユーザが操作部131を操作することにより、収録に関する情報や各種の設定値などを、マイコン106に入力するようにしてもよい。
【0077】
また、メディアI/F113は、リムーバブルメディア33から素材データを再生し、その素材データのうちの音声データをスピーカI/F104に、画像データをLCDI/F110にそれぞれ供給する。さらに、メディアI/F113は、リムーバブルメディア33から素材データ、プロキシ画像データ、メタデータなどを再生し、通信ブロックI/F114に供給する。
【0078】
通信ブロックI/F114は、通信ブロック53のレコーダI/F135(後述する)と接続されており、通信ブロック53とデータをやり取りする。例えば、通信ブロックI/F114は、通信ブロック53のレコーダI/F135から供給される、フリーズミックスの対象となる画像(以下、フリーズミックス画像という)の画像データなどを、素材メモリI/F107またはメディアI/F113に供給し、その画像データを素材メモリ108またはリムーバブルメディア33に記憶させる。
【0079】
なお、フリーズミックスとは、過去に撮影された画像を、撮影時に見本とする見本画像として、半透明でビューファインダ80に表示させる処理をいう。即ち、フリーズミックスの対象とする画像とは、フリーズミックスにおける見本画像である。
【0080】
また、通信ブロックI/F114は、レコーダI/F135から供給される通信操作信号を、バス115を介してマイコン106に供給する。
【0081】
さらに、通信ブロックI/F114は、素材メモリI/F107またはメディアI/F113から供給される素材データ、プロキシ画像データ、メタデータなどをレコーダI/F135に供給したり、マイコン104から供給される動作状態データとカメラ設定値をレコーダI/F135に供給する。
【0082】
通信ブロック53は、操作部131、操作部I/F132、電源部I/F133、マイコン134、レコーダI/F135、ネットワークI/F136、およびバス137により構成され、図1のアクセスポイント23、ネットワーク31などを介して、他の装置とデータの通信を行うとともに、レコーダブロック52の電源を制御する。
【0083】
操作部131は、レコーダブロック52と通信ブロック53に対する操作(例えば、再生の指令など)を受け付け、その操作を表す通信操作信号を操作部I/F132に供給する。操作部I/F132、電源部I/F133、マイコン134、レコーダI/F135、およびネットワークI/F136は、バス137を介して相互に接続されている。
【0084】
操作部I/F132は、操作部131からの通信操作信号をバス137を介してマイコン134またはレコーダI/F135に供給する。電源部I/F133は、マイコン134からバス137を介して供給される、レコーダブロック52への電源の供給を制御するための電源制御信号を、電源ブロック54の通信ブロックI/F152に供給する。
【0085】
マイコン134は、例えば、CPU,ROM、およびRAMにより構成される。マイコン134のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、操作部13から供給される通信操作信号に基づいて、通信ブロック53の各部を制御する。また、マイコン134のCPUは、ネットワークI/F136から供給される、アクセスポイント23の検出結果を表す検出信号に基づいて、電源制御信号を生成し、電源部I/F133に供給する。
【0086】
マイコン134のRAMには、CPUにより実行されるプログラムやデータが記憶される。例えば、RAMには、レコーダI/F135を介して供給され、ネットワークI/F136を介して送信される素材データ、プロキシ画像データ、またはメタデータが、一時的に記憶される。これにより、これらのデータのリムーバブルメディア33からの再生速度が、送信速度を上回る場合においても、データを確実に送信することができる。
【0087】
レコーダI/F135は、レコーダブロック52の通信ブロックI/F114に接続されており、例えば、ネットワークI/F136から供給されるフリーズミックス画像の画像データ、操作部132からの通信操作信号などを、通信ブロックI/F114に供給する。
【0088】
また、レコーダI/F135は、通信ブロックI/F114から供給される素材データ、プロキシ画像データ、メタデータ、動作状態データ、カメラ設定値などを、バス137を介してマイコン134に供給する。
【0089】
ネットワークI/F136は、FTP(File Transfer Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)などに準拠して、図1のアクセスポイント23、ネットワーク31などを介して他の装置(例えば、素材利用装置29など)と通信を行う。例えば、ネットワークI/F136は、レコーダI/F135から供給される素材データ、プロキシ画像データ、メタデータなどを、メタデータ、プロキシ画像データ、素材データの順に、アクセスポイント23、ネットワーク31、ファイアウォール27、およびイントラネット32を介して、素材利用装置29に送信する。即ち、ネットワークI/F136は、素材データより先に、メタデータやプロキシ画像データなどの、素材データに比べてデータ量の少ない、素材データに関連するデータを送信する。
【0090】
また、ネットワークI/F136は、マイコン134から供給される動作状態データ、カメラ設定値などを、素材利用装置29に送信する。
【0091】
さらに、例えば、ネットワークI/F136は、素材利用装置29から、イントラネット32、ファイアウォール27、ネットワーク31、アクセスポイント23を介して送信されてくるフリーズミックス画像の画像データを受信し、バス137を介してレコーダI/F135に供給する。さらに、ネットワークI/F136は、アクセスポイント23を検出し、その検出結果を表す検出信号をマイコン134に供給する。
【0092】
電源ブロック54は、電源部151と通信ブロックI/F152から構成され、カメラブロック51、レコーダブロック52、通信ブロック53、マイクロフォン55、およびスピーカ56に電源(電力)を供給する。
【0093】
電源部151は、通信ブロックI/F152から供給される電源制御信号に基づいて、レコーダブロック52への電源の供給を制御する。通信ブロックI/F152は、通信ブロック53の電源部I/F133から供給される電源制御信号を電源部151に供給する。
【0094】
なお、以下では、説明の便宜上、素材データ、プロキシ画像データ、メタデータなどのデータは、リムーバブルメディア33に記録されるものとする。
【0095】
図4は、図1の素材利用装置29のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0096】
CPU201は、ROM202、または記録部208に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203には、CPU201が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204により相互に接続されている。
【0097】
CPU201にはまた、バス204を介して入出力インターフェース205が接続されている。入出力インターフェース205には、キーボード、マウス、マイクロフォン、図示せぬリモートコントローラから送信されてくる指令を受信する受信部などよりなる入力部206、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部207が接続されている。CPU201は、入力部206から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU201は、処理の結果を出力部207に出力する。例えば、CPU201は、各種の画面を表示させるための画像データを作成し、出力部207に表示させる。
【0098】
入出力インターフェース205に接続されている記録部208は、例えばハードディスクからなり、CPU201が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部209は、イントラネット32を介して外部の装置と通信する。また、通信部209は、イントラネット32を介してプログラムを取得し、記録部208に記録してもよい。
【0099】
入出力インターフェース205に接続されているドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア211が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部208に転送され、記録される。
【0100】
図5は、図3のLCD112に表示される、図1のリムーバブルメディア33に記録されるファイルのディレクトリ構造を表す画面の例を示す図である。
【0101】
図5において、シンボル215は、1つのディレクトリを表している。なお、符号は付していないが、シンボル(ディレクトリ)215と同一のその他のシンボルも、1つのディレクトリを表している。また、シンボル216は、1つのファイルを示している。なお、符号は付していないが、シンボル(ファイル)216と同一のその他のシンボルも、1つのファイルを示している。
【0102】
なお、以下、特に断りの無い限り、ディレクトリとディレクトリのシンボルとは同一であるとみなして説明する。同様に、ファイルとファイルのシンボルとは同一であるとみなして説明する。また、各ディレクトリのそれぞれ、および、各ファイルのそれぞれの識別を容易なものとするために、以下、ファイルまたはディレクトリの後方に括弧( )書きでその名称を記載する。
【0103】
図5の例では、リムーバブルメディア33には、GROUPディレクトリ215とクリップルートディレクトリ(CLPR)とが設けられている。
【0104】
GROUPディレクトリ215には、リムーバブルメディア33に記録されている全てのクリップ(クリップの詳細については後述する)の収録IDごとのグループのグルーピングメタデータ(後述する図6や図7)のファイルであるグルーピングメタデータファイル216(G0001M01.txt乃至G0003M01.txt)が設けられる。
【0105】
具体的には、例えば、図5は、リムーバブルメディア33に3つの収録IDに対応するクリップのデータが記録されている場合の例を示しており、3つの収録IDごとのグループのグルーピングメタデータのそれぞれは、第1のグルーピングメタデータファイル(G0001M01.txt)、第2のグルーピングメタデータファイル(G0002M01.txt)、および第3のグルーピングメタデータファイル(G0003M01.txt)といった3つのファイルに分けられて記録されている。
【0106】
また、クリップルートディレクトリ(CLPR)には、リムーバブルメディア33に記録されているクリップのデータが、クリップ毎に異なるディレクトリに分けて管理されている。
【0107】
なお、クリップとは、カムコーダ21の撮影処理の回数の単位である。またそれ以外にも、クリップは、その撮影処理の撮影開始から撮影終了までの時間を示す単位を示したり、その撮影処理により得られた各種のデータの長さを示す単位を示したり、その撮影処理により得られた各種のデータのデータ量を示す単位を示す。さらに、クリップは、その各種のデータの集合体そのものも示す場合もある。
【0108】
ここでは、クリップとは、例えば、1回の撮影処理(撮影開始から撮影終了までの撮影処理)により得られた画像データおよびその画像データに対応する音声データ、並びにメタデータ等の集合体を指す。
【0109】
具体的には、例えば、図5は、リムーバブルメディア33に3つのクリップのデータが記録されている場合の例を示しており、3つのクリップのデータのそれぞれは、第1のクリップディレクトリ(C0001)、第2のクリップディレクトリ(C0002)、および第3のクリップディレクトリ(C0003)といった3つのディレクトリのそれぞれに分けられて管理されている。
【0110】
即ち、例えば、リムーバブルメディア33に記録された最初のクリップの各データは、第1のクリップディレクトリ(C0001)以下のファイルとして管理されている。
【0111】
具体的には、例えば、図5に示すように、この第1のクリップディレクトリ(C0001)には、このクリップを管理するファイルであるマスタファイル(C0001C01.SMI)、このクリップの画像データを含むファイルである画像ファイル(C0001V01.MXF)、このクリップの各チャンネルの音声データのそれぞれを含む8つのファイルである音声ファイル(C0001A01.MXF乃至C0001A08.MXF)、このクリップのプロキシ画像データを含むファイルであるプロキシ画像データファイル(C0001S01.MXF)、このクリップを取得した機器の種類(例えば、カムコーダ)や機器ID、クリップの撮影(取得)時におけるカメラ設定値、撮影日時などのリアルタイム性を要求されないメタデータ(以下、ノンリアルタイムメタデータという)を含むファイルであるノンリアルタイムメタデータファイル(C0001M01.XML)、このクリップのリアルタイム性を要求されるメタデータ(以下、リアルタイムメタデータという)を含むファイルであるリアルタイムメタデータファイル(C0001R01.BIM)、サンプリングサムネイル画像データを含むファイルであるサンプリングサムネイル画像ファイル(C0001T01.JPG)が設けられている。
【0112】
このように、図5の例では、再生時にリアルタイム性を要求されるデータである、画像データ、プロキシ画像データ、およびリアルタイムメタデータは、それぞれ1つのファイルとして管理され、それらを別々に必要な場合に、読み出し時間が増加しないようになされている。
【0113】
また、上述したように、音声データも、再生時にリアルタイム性を要求されるが、7.1チャンネル等のような音声の多チャンネル化に対応するために、8チャンネル用意され、それぞれ異なるファイルとして管理されている。即ち、ここでは、音声データは8つのファイルとして管理されるように説明したが、これに限らず、音声データに対応するファイルは、7つ以下であってもよいし、9つ以上であってもよい。
【0114】
同様に、画像データ、プロキシ画像データ、およびリアルタイムメタデータも、場合によって、それぞれ、2つ以上のファイルとして管理されるようにしてもよい。
【0115】
また、図5の例では、ノンリアルタイムメタデータファイル(C0001M01.XML)は、汎用性を持たせるためにXML形式で記述されているが、リアルタイムメタデータファイル(C0001R01.BIM)は、再生処理の処理時間や処理に必要な負荷を軽減させるために、XML形式のファイルをコンパイルしたBIM(BInary format for MPEG-7 data)形式のファイルとされている。
【0116】
上述したような第1のクリップディレクトリ(C0001)のファイルの構成例は、全てのクリップディレクトリ、即ち、図5の例では、第2のクリップディレクトリ(C0002)および第3のクリップディレクトリ(C0003)においても、同様のファイルの構成例を適用することができる。従って、それらの説明については省略する。なお、サンプリングサムネイル画像データを含むファイルであるサンプリングサムネイル画像ファイル(C0001T01.JPG)は、記録されていなくてもよい。
【0117】
次に、図6と図7を参照して、グルーピングメタデータについて説明する。
【0118】
図6は、グルーピングメタデータの内容の項目の例を示している。
【0119】
図6の例では、グルーピングメタデータの内容の項目は、「グループタイトル」、「収録ID」、「分類」、「オリジナル」、「グループ作成日時」、「送信先」、「撮影日時」、「撮影場所」、「撮影者」、「撮影内容」、および「撮影素材(ファイル)」である。
【0120】
項目「グループタイトル」の内容は、グループの収録内容などを表すタイトルであり、項目「収録ID」の内容は、図2のステップS2でNRCより取得された収録IDである。項目「分類」の内容は、グループに分類されたクリップの種類(例えば、フリーズミックス、収録など)である。項目「オリジナル」の内容は、グループに分類されたクリップが、グループに分類されたクリップのデータが収録されたままのオリジナルのデータであるか、収録後に加工されたデータであるかを表す情報である。項目「グループ作成日時」の内容は、グルーピングメタデータが作成された日時の情報である。
【0121】
項目「送信先」は、項目「名前」、項目「Eメールアドレス」、および項目「ウェブサイトURL(Uniform Resource Locator)」から構成される。項目「名前」の内容は、グループに分類されたクリップの送信先の名前である。項目「Eメールアドレス」の内容は、その送信先のEメールアドレスである。項目「ウェブサイトURL」の内容は、その送信先のウェブサイトのURLである。
【0122】
なお、項目「Eメールアドレス」の内容として、複数のEメールアドレスが記述されてもよい。また、項目「ウェブサイトURL」の内容として、複数のウェブサイトのURLが記述されてもよい。
【0123】
項目「撮影日時」は、項目「予定」と項目「実行」から構成される。その項目「予定」の内容は、図2のステップS3で検討された収録日時の情報であり、項目「実行」の内容は、実際の収録日時の情報である。項目「撮影場所」は、項目「予定」と項目「実行」から構成される。その項目「予定」の内容は、ステップS3で検討された収録先の情報であり、項目「実行」の内容は、実際の収録先の情報である。この実際の収録先は、例えばカムコーダ21に設けられた図示せぬGPS(Global Positioning System)により収録時に取得される、カムコーダ21の現在の位置を表す位置情報である。
【0124】
項目「撮影者」は、項目「予定」と項目「実行」から構成される。その項目「予定」の内容は、ステップS4で決定された収録担当者の名前である。項目「実行」の内容は、実際の収録担当者の名前である。項目「撮影内容」の内容は、項目「指示」と項目「実際(メモ)」から構成される。項目「指示」の内容は、収録計画などの収録内容に関する情報である。項目「実際(メモ)」の内容は、実際の収録内容に関する情報である。
【0125】
項目「撮影素材」は、項目「タイトル」、項目「UMID(Unique Material IDentifier)」、項目「メモ」、および項目「送信履歴」から構成される。その項目「タイトル」の内容は、グループに分類されたクリップのクリップディレクトリ(C0001乃至C0003)の名前(タイトル)であり、項目「UMID」の内容は、クリップのUMID(詳細は後述する)である。項目「メモ」の内容は、ユーザにより入力された任意の情報であり、項目「送信履歴」の内容は、グループに分類された各クリップの送信の有無を表す情報である。
【0126】
なお、UMIDとは、各クリップをグローバルユニークに識別するためのクリップ固有の識別子であって、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)により定められる識別子を指す。このUMIDは、例えば画像ファイルやノンリアルタイムメタデータに含まれる。
【0127】
図7は、テキスト形式で記述されたグルーピングメタデータの例を示している。
【0128】
図7のグルーピングメタデータでは、項目に続けて、その項目の内容が記述されており、項目と項目の内容は、「,(カンマ)」で区切られている。
【0129】
具体的には、図7の例では、項目「グループタイトル」を表す「title」に続けて、その項目「グループタイトル」の内容である「山中湖から見た富士山」が記述されている。そして、その後に項目「分類」を表す「category」、項目「分類」の内容である「収録」、項目「オリジナル」を表す「original」、項目「オリジナル」の内容である、オリジナルデータであることを表す「Yes」が順に記述される。
【0130】
その後も同様に、項目「グループ作成日時」を表す「date created」、項目「グループ作成日時」の内容である「2005/5/16」、項目「撮影日時」の項目「予定」を表す「date directed」、その項目「予定」の内容である「2005/5/31」、項目「撮影日時」の項目「実行」を表す「date carried out」、その項目「実行」の内容である「2005/5/31」、項目「撮影場所」の項目「予定」を表す「place directed」、その項目「予定」の内容である「山中湖平野」、項目「撮影場所」の項目「実行」を表す「place carried out」、その項目「実行」の内容である「山中湖平野」が順に記述される。
【0131】
また、その後に、項目「撮影者」の項目「予定」を表す「person directed」、その項目「予定」の内容である「亀井、竹村」、項目「撮影者」の項目「実行」を表す「person carried out」、その項目「実行」の内容である「亀井、竹村」、項目「撮影内容」の項目「指示」を表す「description directed」、その項目「指示」の内容である「XXXX」、項目「撮影内容」の項目「実際(メモ)」を表す「description occurred」、その項目「実際(メモ)」の内容である「XXXX」が順に記述される。
【0132】
さらに、その後に、項目「撮影素材(ファイル)」の項目「タイトル」を表す「file title」、その項目「タイトル」の内容のうちの、グループに分類されたクリップの第1のファイルのタイトルである「XXXX」、項目「撮影素材」の項目「UMID」を表す「file ID」、その項目「UMID」の内容のうちの第1のファイルのUMIDである「XXXX」、項目「撮影素材」の項目「メモ」を表す「memo」、その項目「メモ」の内容である「XXXX」が順に記述される。
【0133】
そして、その後に、第1のファイルと同様に、第2と第3のファイルの項目「タイトル」、項目「UMID」、および項目「メモ」と、それらの内容が記述される。
【0134】
図8は、図4の素材利用装置29の出力部207に表示される、記録部208に記録されるファイルのディレクトリ構造を表す画面の例を示している。
【0135】
なお、図8に示すディレクトリは、図2のステップS7において編集作業者が作成の作業を行うことにより作成される。
【0136】
図8に示すように、記録部208には、番組ディレクトリ231が設けられる。この番組ディレクトリ231には、テレビジョン番組を構成するクリップのファイルが下位のディレクトリに設けられる。図8の例では、番組ディレクトリ231に、20XX年8月15日12時のニュース番組を構成するクリップのファイルが下位のディレクトリに設けられる。
【0137】
番組ディレクトリ231には、ニュース番組内の枠に対応するニュースAディレクトリ232が設けられ、ニュースAディレクトリ232の下位のディレクトリには、ニュースAを構成する収録内容を収録するカムコーダ21のディレクトリが設けられる。
【0138】
図8の例では、1つのカムコーダディレクトリ233(NWC-001)が設けられている。カムコーダディレクトリ233の下位には、実体ディレクトリ234、一時保存ディレクトリ235、および蓄積ディレクトリ236が設けられる。
【0139】
実体ディレクトリ234には、カムコーダ21の現在(リアルタイム)の状態を表すファイルが下位に設けられる。
【0140】
具体的には、実体ディレクトリ234には、カムコーダ21の現在の動作状態を表すデータ、カムコーダ21の現在のカメラブロック設定値、カムコーダ21において現在取得または再生中のクリップの素材データ、カムコーダ21に装着されるリムーバブルメディア33に現在記録されているファイルの内容などの表示、およびカムコーダ21の制御(例えば、記録、再生、低速再生、高速再生、停止など)に対応するファイル(仮想ファイル)が下位に設けられる。
【0141】
このように、実体ディレクトリ234には、カムコーダ21のリアルタイムの状態を表すファイルが記録されるので、素材利用装置29のユーザは、実体ディレクトリ234により、カムコーダ21における現在の収録状況を把握することができる。
【0142】
なお、実体ディレクトリ234は、素材利用装置29がカムコーダ21と通信可能な状態にあるとき、表示される。これにより、素材利用装置29のユーザは、素材利用装置29がカムコーダ21と通信可能な状態にあるかどうかを認識することができる。
【0143】
ここで、実体ディレクトリ234のシンボルは、素材利用装置29がカムコーダ21と通信可能な状態にあるかどうかを視認可能に表示されればよく、表示方法は上述した方法に限定されない。例えば、通信不可能な状態にある場合と通信可能な状態にある場合で、実体ディレクトリ234のシンボルの色が変更して表示されるようにしてもよい。
【0144】
一時保存ディレクトリ235には、動作状態データのファイル、カムコーダ21のカメラ設定値のファイル、およびリムーバブルメディア33に記録されているクリップのファイルが、下位に一時的に設けられる。なお、一時保存ディレクトリ235に記録されるクリップのファイルは、蓄積ディレクトリ236に記録されるクリップのファイルと同一のものである。
【0145】
このように、カムコーダ21と素材利用装置29との接続が中断され、カムコーダ21から素材利用装置29にクリップが送信されてこない場合に、ユーザは、一時保存ディレクトリ235を読み出し、接続が中断された時点においてカムコーダ21に記録されているクリップを把握することができる。
【0146】
蓄積ディレクトリ236には、リムーバブルメディア33に記録されているクリップが、収録内容ごとのグループのディレクトリに分けて管理されている。
【0147】
図8の例では、蓄積ディレクトリ236に、2つのグループのクリップが記録されており、蓄積ディレクトリ236には、第1のグループのディレクトリであるクリップグループディレクトリ237と、第2のグループのディレクトリであるクリップグループディレクトリ238が設けられている。なお、クリップグループディレクトリ237と238の名前には、例えば、対応する第1と第2のグループのグルーピングメタデータの項目「グループタイトル」(図6)の内容(図8の例ではグループタイトルAとB)が用いられる。
【0148】
クリップグループディレクトリ237と238の下位には、対応する第1と第2のグループのグルーピングメタデータファイル、および第1と第2のグループに分類されたクリップのディレクトリが設けられる。図8の例では、クリップグループディレクトリ238の下位に、第2のグループのグルーピングメタデータファイル239、並びにクリップディレクトリ240と241が設けられている。
【0149】
グルーピングメタデータファイル239は、リムーバブルメディア33に記録される図5のグルーピングメタデータファイル(G0002M01.txt)が素材利用装置29に送信されて記録されたものである。また、クリップディレクトリ237と238は、リムーバブルメディア33に記録される図5のクリップディレクトリ(C0001とC0002)のクリップが素材利用装置29に送信されて記録されたものである。
【0150】
なお、以下では、クリップグループディレクトリ237と238を区別する必要がない場合、それらをまとめてクリップグループディレクトリ238という。また、クリップディレクトリ240と241を区別する必要がない場合、それらをまとめてクリップディレクトリ240という。
【0151】
また、図8の例では、クリップディレクトリ240が、収録IDごとのクリップグループディレクトリ237に分類して記録されたが、カメラマンや収録指示のキーワード(例えば、インタビュー、現場撮影など)ごとのディレクトリに分類して記録されるようにしてもよい。この場合、クリップディレクトリ240のクリップが分類されるグループのグルーピングメタデータ(図6)の項目「撮影者」の項目「実行」の内容や、項目「撮影内容」の項目「指示」の内容に基づいて、クリップディレクトリ240が分類される。
【0152】
次に、図9を参照して、図8の実体ディレクトリ234の詳細について説明する。
【0153】
図9では、実体ディレクトリ234の下位に、現在画像ファイル251と記録画像ディレクトリ252が設けられている。
【0154】
現在画像ファイル251は、カメラブロック51で現在取得(撮影)されている素材データに対応するファイル(仮想ファイル)である。そして、現在画像ファイル251のシンボル内の表示領域251Aには、カメラブロック51で現在取得されている画像データのうちの、一定時間ごとの画像データに対応する静止画像であるサムネイル画像が表示される。
【0155】
記録画像ディレクトリ252は、リムーバブルメディア33に記録されているファイルのディレクトリに対応するディレクトリである。即ち、記録画像ディレクトリ252の下位には、リムーバブルメディア33に設けられているグループディレクトリ215に対応するグループディレクトリ253と、図5のクリップルートディレクトリ(CLPR)に対応するクリップルートディレクトリ254が設けられる。
【0156】
クリップルートディレクトリ254の下位には、図5のクリップディレクトリ(C0001乃至C0003)に対応するクリップディレクトリ255乃至257が設けられる。なお、クリップディレクトリ255乃至257のシンボル内の表示領域255A乃至257Aには、クリップディレクトリ255乃至257のクリップの画像データの所定のフレームのサムネイル画像が表示される。
【0157】
ここで、ユーザが、図4の入力部206を操作し、現在画像ファイル251をダブルクリックすると、出力部207には図10に示す画面が表示(提示)される。
【0158】
即ち、出力部207には、図10に示すように、表示部271、記録ボタン272、および停止ボタン273が表示される。表示部271には、カメラブロック51で現在取得されている画像データに対応する画像が表示される。記録ボタン272は、表示部271に表示されている画像に対応する素材データのリムーバブルメディア33への記録を指令するときに操作される。停止ボタン273は、その記録の停止を指令するときに操作される。
【0159】
また、ユーザが入力部206を操作し、図9のクリップディレクトリ255乃至257をダブルクリックすると、出力部207には、図11に示す画面が表示される。
【0160】
即ち、出力部207には、図10に示すように、表示部281、時間位置制御バー282、再生速度制御バー283、高速逆転ボタン284、停止ボタン285、再生ボタン286、および高速前進ボタン287が表示される。
【0161】
表示部281には、リムーバブルメディア33に記録されている、クリップディレクトリ255乃至257に対応するクリップディレクトリ(C0001またはC0002)の画像ファイル(C0001V01.MXFまたはC0002V02.MXF)に基づく画像が表示される。時間位置制御バー282には、表示部281に表示される画像に対応する画像データのタイムスタンプを指定するときに操作される。具体的には、ユーザは、時間位置制御バー282に設けられたつまみ282Aを移動させることにより、表示部281に表示される画像に対応する画像データのタイムスタンプを指定(変更)する。
【0162】
また、再生速度制御バー283は、リムーバブルメディア33から画像データを再生する再生速度を指定するときに操作される。具体的には、ユーザは、再生速度制御バー283に設けられたつまみ283Aを移動させることにより、再生速度を指定(変更)する。例えば、ユーザは、つまみ283Aを、再生速度制御バー283の中央に移動させることにより、再生速度のゼロ、即ち停止を指定する。また、ユーザは、つまみ283Aを右方向に移動させることにより、順方向の再生の再生速度を指定し、つまみ283Aを左方向に移動させることにより、逆方向の再生の再生速度を指定する。
【0163】
高速逆転ボタン284は、リムーバブルメディア33から画像データを高速で逆再生し、その逆再生された画像データに対応する画像を表示部281に表示させるとき操作される。停止ボタン285は、リムーバブルメディア33からの画像データの再生を停止するときに操作される。再生ボタン296は、リムーバブルメディア33から画像データを通常の速度で再生し、その再生された画像データに対応する画像を表示部281に表示させるとき操作される。
【0164】
高速前進ボタン285は、リムーバブルメディア33から画像データを高速で再生し、その再生された画像データに対応する画像を表示部281に表示させるときに操作される。
【0165】
図12は、図3のカムコーダ21の機能的構成例を示すブロック図である。
【0166】
図12のカムコーダ21は、カムコーダ情報送信部291、フリーズミックス処理部292、およびテープライク再生部293から構成される。
【0167】
カムコーダ情報送信部291は、リムーバブルメディア33に記録されているファイルと、カムコーダ21のリアルタイムの状態を表す情報である状態情報を送信する。
【0168】
フリーズミックス処理部292は、素材利用装置29から送信されてくるフリーズミックス画像に基づいて、フリーズミックスを行う。
【0169】
テープライク再生部293は、リムーバブルメディア33に記録されているクリップのテープライク再生を行う。なお、テープライク再生とは、リムーバブルメディア33に記録される順に再生することをいう。
【0170】
図13は、図12のカムコーダ情報送信部291の詳細構成例を示すブロック図である。
【0171】
図13のカムコーダ情報送信部291は、素材データ取得部300、プロキシ画像データ取得部301、メタデータ取得部303、状態取得部304、作成部305、送信部306、受信部307、制御部308、リスト管理部309、およびリスト記憶部310から構成される。
【0172】
なお、素材データ取得部300、プロキシ画像データ取得部301、メタデータ取得部303、状態取得部304、作成部305、制御部308、リスト管理部309、およびリスト記憶部310は、例えば、図3のマイコン106に対応し、送信部306と受信部307は、例えば、通信ブロック53に対応する。
【0173】
素材データ取得部300は、リムーバブルメディア33からクリップの素材データのファイル(C0001V01.MXF乃至C0001A08.MXF)を再生し、クリップの素材データを取得する。そして、素材データ取得部300は、そのクリップの素材データを送信部306に供給するとともに、クリップの代表的な画像データを作成部305に供給する。なお、代表的な画像データとは、例えば、先頭の画像データ、画像データに付加されたエッセンスマーク(電子マーク)のフレームの画像データ、一定時間ごとの画像データなどである。
【0174】
プロキシ画像データ取得部301は、リムーバブルメディア33からプロキシ画像データファイル(C0001S01.MXF)を再生し、プロキシ画像データを取得する。そして、プロキシ画像データ取得部301は、そのプロキシ画像データを送信部306に供給する。
【0175】
サンプリングサムネイル画像データ取得部302は、リムーバブルメディア33からサンプリングサムネイル画像ファイル(C0001T01.JPG)を再生し、サンプリングサムネイル画像データを取得する。そして、サンプリングサムネイル画像データ取得部302は、そのサンプリングサムネイル画像データを送信部306に供給する。
【0176】
メタデータ取得部303は、リムーバブルメディア33から、グルーピングメタデータファイル(G0001M01.txt乃至G0003M01.txt)、ノンリアルタイムメタデータファイル(C0001M01.XML)、およびリアルタイムメタデータファイル(C0001R01.BIM)を再生し、グルーピングメタデータ、ノンリアルタイムメタデータ、およびリアルタイムメタデータを取得する。メタデータ取得部303は、グルーピングメタデータを送信部306に供給するとともに、ノンリアルタイムメタデータとリアルタイムメタデータを、クリップメタデータとして送信部306に供給する。また、メタデータ取得部303は、リムーバブルメディア33から、リムーバブルメディア33に記録されているファイルのディレクトリ構造(図5)を表すディレクトリ情報を再生して取得し、送信部306に供給する。
【0177】
状態取得部304は、カメラブロック51のマイコン83のRAMからカメラ設定値を読み出し取得する。また、状態取得部304は、操作部81からのカメラ操作信号と操作部131からの通信操作信号に基づいて、動作状態データを作成する。また、状態取得部304は、現在取得または再生中のクリップの素材データを取得する。そして、状態取得部304は、カメラ設定値、動作状態データ、および現在取得または再生中のクリップの素材データを送信部306に供給する。さらに、状態取得部304は、現在取得または再生中のクリップの素材データのうちの代表的な画像データを作成部305に供給する。
【0178】
作成部305は、送信部306から供給される、プロキシ画像データの送信に必要な送信時間が所定時間以上であるかどうかの判定結果、送信部306からの要求、および素材データ取得部300からの画像データに基づいて、その画像データのサムネイル画像データを作成し、送信部306に供給する。また、作成部305は、送信部306からの要求に応じて、状態取得部304から供給される、現在取得または再生中のクリップの画像データのサムネイル画像データを作成し、送信部306に供給する。
【0179】
送信部306は、プロキシ画像データ取得部301からのプロキシ画像データに基づいて、そのプロキシ画像データの素材利用装置29への送信に要する送信時間を計算し、その送信時間が所定の時間以上であるかどうかを判定する。そして、送信部306は、その判定の結果を作成部305に供給する。
【0180】
また、送信部306は、メタデータ取得部303から供給されるクリップメタデータのノンリアルタイムメタデータから、機器の種類と機器IDを、機器情報として抽出するとともに、グルーピングメタデータから収録IDを抽出する。
【0181】
さらに、送信部306は、リスト管理部309から供給される送信対象とするクリップのリストである送信リストに基づいて、送信対象であるクリップの、機器情報、ディレクトリ情報、メタデータ、プロキシ画像データ、および素材データを、順にFTPに準拠して素材利用装置29に送信する。なお、送信部306は、送信時間の判定の結果に応じて、プロキシ画像データの代わりに、作成部305から供給されるサムネイル画像データを送信する。そして、送信部306は、送信済みのクリップのグルーピングメタデータの項目「送信履歴」の、そのクリップに対応する内容を「送信有」に更新する。さらに、送信部306は、送信対象とするクリップの送信の完了をリスト管理部309に通知する。
【0182】
また、送信部306は、受信部307から供給される取得要求に応じて、カメラ設定値、動作状態データ、現在取得または再生中のクリップの素材データ、またはリムーバブルメディア33に記録されているクリップの各データを状態情報として、素材利用装置29に送信する。
【0183】
さらに、送信部306は、受信部307からの取得要求に応じて、リムーバブルメディア33に記録されているクリップの、サムネイル画像データと現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データの作成を作成部305に要求する。そして、送信部306は、その要求に応じて作成部305から供給されるサムネイル画像データとディレクトリ情報を、素材利用装置29に送信する。
【0184】
なお、送信部306は、送信対象であるクリップの各データ(機器情報、収録ID、およびディレクトリ情報を含む)、状態情報、およびサムネイル画像データそれぞれの送信を排他的に行い、送信速度を向上させるようにしてもよい。
【0185】
受信部307は、素材利用装置29から送信されてくるカムコーダ21を制御するための制御信号を制御部308に供給する。また、受信部307は、素材利用装置29から送信されてくる、状態情報の取得要求を受信し送信部306に供給する。さらに、受信部307は、ディレクトリ情報とサムネイル画像データの取得要求を受信し、送信部306に供給する。
【0186】
制御部308は、受信部307からの制御信号に基づいて、撮影、記録、削除、または再生などを制御する。例えば、制御部308は、制御信号に基づいて、マイコン83のRAMに保持されているカメラ設定値を変更して撮影を制御する。また、制御部308は、制御信号に応じて、リムーバブルメディア33に記録されているクリップを削除する。制御部308は、必要に応じて、制御信号に対応する処理(例えば、撮影、記録、削除、または再生などを制御する処理)の完了を、送信部306を介して素材利用装置29に送信する。
【0187】
リスト管理部309は、クリップのグルーピングメタデータの項目「撮影素材」の項目「送信履歴」(図6)の内容に基づいて、未送信のクリップを抽出し、そのクリップを送信対象として送信リストを作成し、リスト記憶部310に供給する。
【0188】
また、リスト管理部309は、リスト記憶部310から送信リストを読み出し、送信部306に供給する。さらに、リスト管理部309は、送信部306から供給される送信対象のクリップの送信の完了の通知に応じて、リスト記憶部310に記憶されている送信リストを削除する。リスト記憶部310は、リスト管理部309からの送信リストを記憶する。
【0189】
図14は、図4の素材利用装置29の機能的構成例を示すブロック図である。
【0190】
図14の素材利用装置29は、カムコーダ情報管理部311とフリーズミックス送信部312から構成される。
【0191】
カムコーダ情報管理部311は、図12のカムコーダ情報送信部291(の送信部306)から送信されてくる、リムーバブルメディア33に記録されているファイルと状態情報を管理する。
【0192】
フリーズミックス送信部312は、図4の記録部208に記録されている画像(データ)のうち、ユーザにより指定された画像をフリーズミックス画像として、カムコーダ21のフリーズミックス処理部292に送信する。
【0193】
図15は、図14のカムコーダ情報管理部311の詳細構成例を示すブロック図である。
【0194】
図15のカムコーダ情報管理部311は、状態取得部321、状態記録部322、削除部323、データ取得部324、データ記録部325、表示制御部326、入力部327、および制御部328から構成される。なお、状態取得部321、削除部323、データ取得部324、表示制御部326、および制御部328は、例えば図4のCPU201に対応し、状態記録部322は、例えばRAM203に対応する。また、データ記録部322は、例えば記録部208に対応し、入力部327は、例えば入力部206に対応する。
【0195】
状態取得部321は、入力部327からの指令に応じて、状態情報の取得要求をカムコーダ21の受信部307に送信する。また、状態取得部321は、ディレクトリ情報とサムネイル画像データの取得要求を、カムコーダ21の受信部307に送信する。
【0196】
さらに、状態取得部321は、図13の送信部306から送信されてくる、状態情報、ディレクトリ情報、リムーバブルメディア33に記録されているクリップのサムネイル画像データ、および現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データを取得(受信)し、状態記録部322に供給する。また、状態取得部321は、状態情報のうちのカメラ設定値と動作状態データを、データ記録部325に供給する。
【0197】
状態記録部322は、状態取得部321からの状態情報、ディレクトリ情報、リムーバブルメディア33に記録されているクリップの、サムネイル画像データ、および現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データを記録する。
【0198】
削除部323は、送信部306から送信されてくる削除の完了の通知に応じて、データ記録部325の一時保存ディレクトリ235に記録されている、リムーバブルメディア33から削除されたクリップの各データを削除する。データ取得部324は、送信部306から供給されるクリップの各データを取得し、データ記録部325に供給する。
【0199】
データ記録部325は、データ取得部324からのクリップの各データを、図8の一時保存ディレクトリ235と蓄積ディレクトリ236に記録する。また、データ記録部325は、状態取得部321からのカメラ設定値と動作状態データを、一時保存ディレクトリ235に記録する。
【0200】
なお、蓄積ディレクトリ236に記録可能なデータの容量が決まっている場合、データ取得部324は、蓄積ディレクトリ236に記録されるクリップディレクトリ240のうち、カムコーダ21により取得(撮影)されてから所定の日数以上経過しているものを読み出し、図1の素材サーバ28などに送信して記録させるようにしてもよい。例えば、所定の日数が1日である場合、蓄積ディレクトリ236には、本日(現在の日付)取得されたクリップのクリップディレクトリ240だけが記録される。その結果、本日取得されたクリップのクリップディレクトリ240だけを、図8の画面にまとめて表示させることができる。
【0201】
また、データ取得部324は、クリップの各データの取得状況(受信状況)に応じて、表示制御部326を制御し、クリップの受信状況をユーザに通知する。
【0202】
表示制御部326は、入力部327からの指令に応じて、状態記録部322に記録されている状態情報あるいは現在取得または再生中のクリップの素材データを読み出し、それらに基づいて出力部207(図4)に画像を表示させる。また、表示制御部326は、入力部327からの指令に応じて、データ記録部325に記録されているクリップの各データを読み出し、それに基づいて出力部207に画像を表示させる。
【0203】
入力部327は、ユーザからの操作を受け付け、その操作に対応する指令を、状態取得部321、表示制御部326、または制御部328に供給する。制御部328は、入力部327からの指令に応じて、カムコーダ21を制御するための制御信号を生成し、カムコーダ21(の受信部307)に送信する。
【0204】
次に、図16Aと図16Bを参照して、状態情報の現在取得中のクリップの素材データの通信について説明する。
【0205】
図16Aは、カムコーダ21の送信部306における、現在取得中のクリップの素材データの送信について説明する図である。なお、図16Aでは、素材データのフレーム#1乃至フレーム#4が順に取得されるものとする。ここで、フレーム#iとは、i番目に取得されるフレームを表している。
【0206】
図16Aに示すように、送信部306は、現在取得中のクリップの画像データのフレームごとに誤り訂正コードを付加し、素材データをフレーム単位で送信する。なお、画像データが、MEPG方式で符号化されている場合、誤り訂正コードは、GOPごとに付加されてもよい。
【0207】
図16Aに示すように、素材データのフレーム#1が取得されると、送信部306は、そのフレーム#1のUDPに準拠した送信を開始する。フレーム#1の送信が終了するまでに、素材データのフレーム#2とフレーム#3が取得され、フレーム#4の取得が開始されると、送信部306は、フレーム#1の送信終了後に、その直前に取得されたフレーム(図16Aの例の場合、フレーム#3)のUDPに準拠した送信を開始する。即ち、送信部306は、フレーム#2を送信しない。
【0208】
以上のように、送信部306は、現在取得中のクリップの素材データとして、素材データのフレームを取得順にすべて送信するのではなく、新たなフレームの送信開始時(前回のフレームの送信終了時)の直前に取得されたフレームだけを送信するので、ネットワーク31における通信速度が遅く、素材データの1フレームの送信が終了するまでに、複数のフレームが取得される場合であっても、最近取得されたフレームを送信することができる。即ち、取得された素材データをリアルタイムに送信することができる。
【0209】
また、送信部306は、フレームをUDPに準拠して送信するので、送信処理における負荷を軽減し、そのフレームを迅速に送信することができる。
【0210】
図16Bは、素材利用装置29の状態取得部321における、現在取得中のクリップの素材データの受信(取得)について説明する図である。なお、図16Bでは、素材データのフレーム#11乃至フレーム#14が順に受信されるものとする。ここで、フレーム#jとは、j番目にカムコーダ21から受信されるフレームを表している。
【0211】
図16Bに示すように、状態取得部321は、カムコーダ21から受信した素材データを、状態記録部322を介して、表示制御部326に供給する。表示制御部326は、状態取得部321から供給される素材データの画像データに基づいて、その画像データに対応する画像を、所定の時間(例えば、1フレームまたは1GOPに対応する時間)、図10の表示部271に表示させる。
【0212】
具体的には、図16Bに示すように、状態取得部321から現在取得中のクリップの素材データとして、素材データのフレーム#11が受信されると、表示制御部326は、そのフレーム#11に対応する画像の表示を開始する。フレーム#11の表示が終了するまでに、状態取得部321において素材データのフレーム#12とフレーム#13が受信され、フレーム#14の受信が開始されると、表示制御部326は、フレーム#11に対応する画像の表示終了後に、その直前に受信されたフレーム(図16Bの例の場合、フレーム#13)に対応する画像の表示を開始させる。即ち、表示制御部326は、フレーム#12に対応する画像を表示させない。
【0213】
以上のように、表示制御部326は、現在取得中のクリップの素材データとして受信されたすべてのフレームに対応する画像を、そのフレームの受信順に表示させるのではなく、新たなフレームに対応する画像の表示開始時(前回のフレームに対応する画像の表示終了時)の直前に受信されたフレームに対応する画像だけを表示させるので、ネットワーク31における通信速度が速く、素材データの1フレームに対応する画像の表示が終了するまでに、複数のフレームが受信される場合であっても、最近受信されたフレームに対応する画像を表示させることができる。即ち、受信された素材データに対応する画像をリアルタイムに表示させることができる。
【0214】
なお、図16Aと図16Bにおいては、現在取得中の素材データの通信について説明したが、現在再生中の素材データの通信についても同様である。
【0215】
次に、図17を参照して、素材利用装置29が図9の現在画像ファイル251を表示させる表示処理について説明する。この表示処理は、例えば、ユーザにより図8の実体ディレクトリ234が指定(クリック)されたとき開始される。
【0216】
ステップS21において、素材利用装置29の状態取得部321は、ディレクトリ情報、並びにリムーバブルメディア33に記録されているクリップのサムネイル画像データと現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データの取得を、カムコーダ21に要求し、ステップS22に進む。
【0217】
ステップS41において、カムコーダ21の受信部307は、状態取得部321からの取得要求を受信し、その取得要求を送信部306を介して作成部305に供給する。作成部305は、その取得要求、素材データ取得部300からの画像データ、および状態取得部304からの画像データに基づいて、リムーバブルメディア33に記録されているクリップの、サムネイル画像データと現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データを作成し、送信部306に供給する。
【0218】
ステップS41の処理後は、ステップS42に進み、送信部306は、作成部305から供給される、リムーバブルメディア33に記録されているクリップのサムネイル画像データと現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データ、並びにディレクトリ情報を素材利用装置29に送信し、ステップS43に進む。
【0219】
ステップS22において、素材利用装置29の状態取得部321は、ディレクトリ情報、並びにリムーバブルメディア33に記録されているクリップのサムネイル画像データと現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データを受信し、状態記録部322に供給して記憶させる。ステップS22の処理後は、ステップS23に進み、表示制御部326は、ステップS22で記憶されたディレクトリ情報、並びにリムーバブルメディア33に記録されているクリップのサムネイル画像データと現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データを読み出し、それらに基づいて図9に示す画面を出力部207に表示させる。
【0220】
このとき、ユーザは、入力部327(206)を操作して、図9の現在画像ファイル251のシンボル、およびクリップディレクトリ255乃至257のシンボルうち、所望のシンボルをダブルクリックする。なお、ここでは、ユーザは、現在画像ファイル251をダブルクリックしたものとする。
【0221】
ステップ23の処理後は、ステップS24に進み、状態取得部321は、ユーザの入力部327の操作に対応する指令に応じて、現在取得中のクリップの素材データの取得をカムコーダ21に要求し、ステップS25に進む。
【0222】
ステップS43において、受信部307は、状態取得部321から、現在取得中のクリップの素材データの取得要求を受信し、送信部306に供給してステップS44に進む。ステップS44において、送信部306は、状態取得部304から供給される、状態情報のうちの現在取得中のクリップの素材データを、素材利用装置29に送信してステップS45に進む。
【0223】
ステップS25において、状態取得部321は、送信部306から送信されてくる、現在取得中のクリップの素材データを受信し、状態記録部322に供給して記憶させ、ステップS26に進む。ステップS26において、表示制御部326は、ステップS25で記憶された素材データに基づいて、図10に示した画面を表示させる。これにより、図10の表示部271には、ステップS25で記憶された素材データに対応する画像が表示される。
【0224】
ここで、ユーザは、入力部327を操作して、記録ボタン272と停止ボタン273のうち、所望のボタンを選択する。なお、ここでは、ユーザは記録ボタン272を選択したものとする。
【0225】
ステップS26の処理後は、ステップS27に進み、制御部328は、入力部327からの指令に応じて、カムコーダ21に現在取得中のクリップの各データを記録させるための制御信号をカムコーダ21に送信し、処理を終了する。
【0226】
ステップS45において、受信部307は、制御部328から送信されてくる制御信号を制御部308に供給し、ステップS46に進む。ステップS46において、制御部308は、その制御信号に応じて、現在取得中のクリップの各データをリムーバブルメディア33に記録させ、処理を終了する。
【0227】
なお、上述した図17では、現在画像ファイル251がダブルクリックされるものとしたが、クリップディレクトリ255乃至257がダブルクリックされる場合、状態取得部321は、リムーバブルメディア33に記録されているクリップディレクトリ255乃至257に対応するクリップディレクトリ(C0001乃至C0003)の素材データの取得を要求し、表示制御部326は、その要求に応じて送信されてくる素材データの画像データに基づいて、図11に示した画面を表示させる。この画面において、ユーザが入力部327を操作することにより、つまみ282Aもしくは283B、高速逆転ボタン284、停止ボタン285、再生ボタン286、または高速前進ボタン287を操作すると、制御部328は、入力部327からの指令に対応する制御信号をカムコーダ21に送信する。この制御信号に応じて、制御部308は、クリップディレクトリの再生を制御する。
【0228】
また、図17では、記録ボタン272が選択されるものとしたが、停止ボタン273が選択される場合も同様の処理が行われる。即ち、制御部308は、現在取得中のクリップの各データの記録を停止するための制御信号をカムコーダ21に送信し、その制御信号に応じて、カムコーダ21の制御部328は、現在取得中のクリップの各データのリムーバブルメディア33への記録を停止する。
【0229】
次に、図18を参照して、カムコーダ21がリムーバブルメディア33に記録されているファイルを送信するファイル送信処理について説明する。
【0230】
ステップS61において、カムコーダ21の送信部306は、メタデータ取得部303から供給される、送信対象のクリップのノンリアルタイムメタデータから機器情報を抽出するとともに、クリップメタデータから収録IDを抽出し、その機器情報と収録IDをファイルの受信要求とともに素材利用装置29に送信する。
【0231】
ステップS62において、素材利用装置29のデータ取得部324は、送信部306から送信されてくる機器情報、収録ID、およびファイルの送信要求を受信し、ステップS82に進む。ステップS82において、データ取得部324は、受信された機器情報と収録IDに基づいて、送信対象のクリップの記録先を決定する。例えば、データ取得部324は、機器情報の機器IDに対応するカムコーダディレクトリ233(図8)の、収録IDに対応するクリップグループディレクトリ238を、送信対象のクリップの記録先として決定する。
【0232】
ステップS82の処理後は、ステップS83に進み、素材利用装置29のデータ取得部324は、カムコーダ21にファイルの送信を要求し、ステップS84に進む。
【0233】
ステップS61の処理後は、ステップS62に進み、カムコーダ21の受信部307は、データ取得部324から送信されてくるファイルの送信要求を受信し、ステップS63に進む。ステップS63において、送信部306は、素材データ、プロキシ画像データまたはサムネイル画像データ、グルーピングメタデータ、クリップメタデータ(サンプリングサムネイル画像データを含む)を、グルーピングメタデータ、クリップメタデータ、プロキシ画像データまたはサムネイル画像データ、素材データの順に送信する。
【0234】
ステップS84において、素材利用装置29のデータ取得部324は、送信部306から送信されてくるグルーピングメタデータ、クリップメタデータ(サンプリングサムネイル画像データを含む)、プロキシ画像データまたはサムネイル画像データ、および素材データを取得し、それらのデータをクリップディレクトリ240として、ステップS82で決定された記録先に記録させる。
【0235】
ステップS84の処理後は、ステップS85に進み、データ取得部324は、受信が終了したかどうか、即ち送信部306から送信されてくるすべての送信対象のクリップを受信したかどうかを判定し、受信が終了していないと判定した場合、ステップS84に戻り、受信を繰り返す。ステップS85において、受信が終了したと判定された場合、処理は終了する。
【0236】
なお、図18では、カムコーダ21から送信されてくる、リムーバブルメディア33に記録されているファイルが、蓄積ディレクトリ236に記録される場合について説明したが、一時保存ディレクトリ235に記録される場合も同様の処理が行われる。
【0237】
次に、図19を参照して、図18のカムコーダ21側の処理であるファイル送信処理について詳細に説明する。
【0238】
ステップS100において、送信部306は、機器情報と収録IDを、ファイルの受信要求とともに素材利用装置29に送信し、ステップS101に進む。ステップS101において、送信部306は、ディレクトリ情報を素材利用装置29に送信し、ステップS102に進む。
【0239】
ステップS102において、受信部307は、素材利用装置29のデータ取得部324から、ファイルの受信要求に応じて送信が要求されたかどうかを判定し、送信が要求されていないと判定した場合、送信が要求されたと判定するまで待機する。
【0240】
一方、ステップS102において、送信が要求されたと判定された場合、ステップS103に進み、送信部306は、メタデータ取得部303から供給される、送信対象のクリップすべてのグルーピングメタデータを、素材利用装置29に送信して、ステップS104に進む。
【0241】
ステップS104において、送信部306は、図示せぬカウンタのカウント値Mを1に設定し、ステップS105に進む。ステップS105において、送信部306は、リスト管理部309から供給されるM番目の送信リストに登録されている、すべてのクリップの各データを送信するクリップ送信処理を行う。なお、このクリップ送信処理は、後述する図20のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0242】
ステップS105の処理後は、ステップS106に進み、送信部306は、リスト記憶部310に記憶されている、すべての送信リストのクリップを送信したかどうかを判定し、すべての送信リストのクリップを送信していないと判定した場合、ステップS107に進む。
【0243】
ステップS107において、カウント値Mを1だけインクリメントし、ステップS105に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS106において、すべての送信リストのクリップを送信したと判定された場合、処理は終了する。
【0244】
次に、図20を参照して、図19のステップS105のクリップ送信処理について説明する。
【0245】
ステップS121において、送信部306は、図示せぬカウンタのカウント値Nを1に設定し、ステップS122に進む。ステップS122において、送信部306は、メタデータ取得部303から供給されるクリップメタデータのうち、リスト記憶部310に記憶される先頭からM番目の送信リストの、先頭からN番目のクリップのクリップメタデータを、素材利用装置29に送信する。
【0246】
なお、サンプリングサムネイル画像データ取得部302から供給されるサンプリングサムネイル画像データに、先頭からM番目の送信リストの、先頭からN番目のクリップのサンプリングサムネイル画像データがある場合、送信部306は、そのサンプリングサムネイル画像データも、素材利用装置29に送信する。このとき、送信部306は、クリップメタデータより先にサンプリングサムネイル画像データを送信してもよいし、サンプリングサムネイル画像データより先にクリップメタデータを送信してもよい。
【0247】
ステップS122の処理後は、ステップS123に進み、送信部306は、M番目の送信リストのすべてのクリップのクリップメタデータ(サンプリングサムネイル画像データを含む)が送信されたかどうか、即ちN番目のクリップが、M番目の送信リストの最後のクリップであるかどうかを判定し、M番目の送信リストのすべてのクリップのクリップメタデータが送信されていないと判定した場合、ステップS124に進む。
【0248】
ステップS124において、送信部306は、カウント値Nを1だけインクリメントし、ステップS122に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS123において、M番目の送信リストのすべてのクリップのクリップメタデータが送信されたと判定された場合、ステップS125に進む。
【0249】
ステップS125において、送信部306は、カウント値Nを再び1に設定し、ステップS126に進む。ステップS126において、送信部306は、M番目の送信リストの先頭からN番目のクリップのプロキシ画像データの送信に要する送信時間を、そのプロキシ画像データのプロキシ画像データファイル(C0001S01.MXF)のサイズと、ネットワーク31およびイントラネット32における通信速度とに基づいて計算する。
【0250】
ステップS126の処理後は、ステップS127に進み、送信部306は、ステップS126で計算された送信時間が、予め設定された設定時間以内であるかどうかを判定し、判定結果を作成部305に供給する。
【0251】
ステップS127において、送信時間が予め設定された設定時間以内であると判定された場合、ステップS128に進み、送信部306は、プロキシ画像データ取得部301から供給されるプロキシ画像データのうち、M番目の送信リストの先頭からN番目のクリップのプロキシ画像データを、素材利用装置29に送信し、ステップS131に進む。
【0252】
一方、ステップS127において、送信時間が設定時間以内ではないと判定された場合、ステップS129に進み、作成部305は、素材データ取得部300から供給される素材データの代表的な画像データのうち、M番目の送信リストの先頭からN番目のクリップの代表的な画像データに基づいて、その画像データのサムネイル画像データを作成し、送信部306に供給する。
【0253】
ステップS129の処理後は、ステップS130に進み、送信部306は、作成部305からのサムネイル画像データを素材利用装置29に送信し、ステップS131に進む。
【0254】
ステップS131において、送信部306は、M番目の送信リストのすべてのクリップの画像データまたはサムネイル画像データが送信されたかどうかを判定し、すべてのクリップの画像データまたはサムネイル画像データが送信されていないと判定した場合、ステップS132に進む。
【0255】
ステップS132において、送信部306は、カウント値Nを1だけインクリメントして、ステップS126に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS131において、すべてのクリップの画像データまたはサムネイル画像データが送信されたと判定された場合、ステップS133に進み、送信部306は、カウント値Nを再び1に設定する。
【0256】
ステップS133の処理後は、ステップS134に進み、送信部306は、素材データ取得部300から供給される素材データのうち、M番目の送信リストのN番目のクリップの素材データを送信し、ステップS135に進む。ステップS135において、送信部306は、M番目の送信リストのすべてのクリップの素材データが送信されたかどうかを判定し、すべてのクリップの素材データが送信されていないと判定された場合、ステップS136に進む。
【0257】
ステップS136において、送信部306は、カウント値Nを1だけインクリメントして、ステップS134に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS135において、すべてのクリップの素材データが送信されたと判定された場合、図19のステップS106に進む。
【0258】
以上のように、送信部306は、画像データより先に、その画像データに比べてデータ量の少ない、画像データに関連するデータ(メタデータ、プロキシ画像データなど)を素材利用装置29に送信するので、画像データのデータ量が多い場合であっても、素材利用装置29は、先に送信されてくる関連データにより、素材データの内容を素早く把握する
ことができる。
【0259】
なお、図20では、予めステップS127の判定に用いられる設定時間が設定されているものとしたが、設定時間は予め設定されていなくてもよい。この場合、送信部306は、ステップS127の判定を行わずに、ステップS128に進み、プロキシ画像データを送信する。
【0260】
次に、図21を参照して、図18の素材利用装置29側の処理であるファイル受信処理について詳細に説明する。
【0261】
ステップS141において、データ取得部324は、表示制御部326を制御して、図4の出力部207にディレクトリ構造を表す画面(図8)を表示させ、その画面内のすべてのクリップグループディレクトリ238のシンボルを灰色にする。
【0262】
ステップS141の処理後は、ステップS142に進み、データ取得部324は、図19のステップS100でカムコーダ21の送信部306からファイルの受信要求が送信されてきたかどうかを判定し、ファイルの受信要求が送信されてきていないと判定した場合、ファイルの受信要求が送信されるまで待機する。
【0263】
一方、ステップS142において、ファイルの受信要求が送信されてきたと判定された場合、ステップS143に進み、そのファイルの受信要求とともに送信されてきた機器情報と収録IDを受信する。ステップS143の処理後は、ステップS145に進み、データ取得部324は、ステップS143で受信された機器情報と収録IDに基づいて、送信対象のクリップの記録先を決定し、ステップS145に進む。
【0264】
ステップS145において、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるすべての機器情報と収録IDを受信したかどうかを判定し、すべての機器情報と収録IDを受信していないと判定した場合、ステップS143に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0265】
一方、ステップS145において、すべての機器情報と収録IDを受信したと判定された場合、ステップS146に進み、データ取得部324は、表示制御部326を制御し、出力部207に表示されている、送信対象のクリップの記録先であるクリップグループディレクトリ238のシンボルを赤色にする。ステップS146の処理後は、ステップS147に進み、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるディレクトリ情報を受信し、ステップS148に進む。
【0266】
ステップS148において、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるすべてのディレクトリ情報を受信したかどうかを判定し、すべてのディレクトリ情報を受信していないと判定した場合、ステップS147に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0267】
一方、ステップS148において、すべてのディレクトリ情報を受信したと判定された場合、ステップS149に進み、データ取得部324は、カムコーダ21に送信対象のクリップの各データの送信を要求し、ステップS150に進む。ステップS150において、データ取得部324は、表示制御部326を制御し、送信対象のクリップの記録先であるクリップグループディレクトリ238のシンボルを橙色にする。
【0268】
ステップS150の処理後は、ステップS151に進み、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるグルーピングメタデータを受信し、ステップS144で決定された記録先であるクリップグループディレクトリ238に、グルーピングメタデータファイル239として記録する。ステップS151の処理後は、ステップS152に進み、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるすべてのグルーピングメタデータを受信したかどうかを判定し、すべてのグルーピングメタデータを受信していないと判定した場合、ステップS151に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0269】
一方、ステップS152において、すべてのグルーピングメタデータを受信したと判定された場合、ステップS153に進み、データ取得部324は、表示制御部326を制御し、送信対象のクリップの記録先であるクリップグループディレクトリ238のシンボルを黄色にする。ステップS153の処理後は、ステップS154に進み、データ取得部324は、クリップの各データを受信するクリップ受信処理をクリップごとに行う。このクリップ受信処理については、後述する図22を参照して詳細に説明する。
【0270】
ステップS154の処理後は、ステップS155に進み、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるすべてのクリップの各データを受信したかどうかを判定し、すべてのクリップの各データを受信していないと判定した場合、すべてのクリップの各データを受信すると判定するまで待機する。
【0271】
一方、ステップS155において、すべてのクリップの各データを受信したと判定された場合、ステップS156に進み、データ取得部324は、表示制御部326を制御し、送信対象のクリップの記録先であるクリップグループディレクトリ238のシンボルを緑色にし、処理を終了する。
【0272】
次に、図22を参照して、図21のステップS154のクリップ受信処理について説明する。なお、このクリップ受信処理は、クリップごとに行われる。
【0273】
ステップS161において、データ取得部324は、図21のステップS151で受信したグルーピングメタデータに基づいて、表示制御部326を制御し、クリップグループディレクトリ238の下位にクリップディレクトリ240のシンボルを表示させ、そのクリップディレクトリ240のシンボルを灰色にする。
【0274】
ステップS161の処理後は、ステップS162に進み、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるクリップメタデータ(サンプリングサムネイル画像データを含む)を受信したかどうかを判定し、クリップメタデータを受信するまで待機する。一方、ステップS162において、クリップメタデータが受信された場合、ステップS163に進み、データ取得部324は、そのクリップメタデータを記録先であるクリップディレクトリ240に、クリップメタデータファイルとして記録し、クリップディレクトリ240のシンボルを赤色にする。
【0275】
なお、サンプリングサムネイル画像データも受信された場合、データ取得部324は、そのサンプリングサムネイル画像データを記録先であるクリップディレクトリ240に、サンプリングサムネイル画像ファイルとして記録する。
【0276】
ステップS163の処理後は、ステップS164に進み、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるサムネイル画像データを受信したかどうかを判定し、サムネイル画像データを受信したと判定された場合、ステップS165に進み、データ取得部324は、そのサムネイル画像データを記録先であるクリップディレクトリ240に、サムネイル画像データファイルとして記録し、クリップディレクトリ240のシンボルを橙色にする。
【0277】
一方、ステップS164において、サムネイル画像データを受信していないと判定された場合、ステップS166に進み、データ取得部324は、送信部306から送信されてくるプロキシ画像データを受信したかどうかを判定し、プロキシ画像データを受信していないと判定された場合、ステップS164に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0278】
また、ステップS166において、プロキシ画像データを受信したと判定された場合、ステップS167に進み、データ取得部324は、そのプロキシ画像データを記録先であるクリップディレクトリ240に、プロキシ画像データファイルとして記録し、クリップディレクトリ240のシンボルを黄色にする。
【0279】
ステップS165またはステップS167の処理後は、ステップS168に進み、データ取得部324は、送信部306から送信されてくる素材データを受信したかどうかを判定し、素材データを受信するまで待機する。一方、ステップS168において、素材データが受信された場合、ステップS169に進み、データ取得部324は、その素材データを記録先であるクリップディレクトリ240に、画像ファイルまたは音楽ファイルとして記録し、クリップディレクトリ240のシンボルを緑色にして、図21のステップS155に進む。
【0280】
なお、上述した図21と図22では、シンボルの色を変更することにより、そのシンボルに対応するディレクトリのファイルの送信状況を表したが、送信状況を表す方法は、これに限定されない。例えば、ディレクトリのシンボルの周辺に、そのディレクトリのファイルの送信状況を表すメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0281】
次に、図23は、素材利用装置29がリムーバブルメディア33に記録されているクリップの各データを削除する削除処理について説明する。この削除処理は、ユーザが入力部327(図15)を操作することにより、削除対象とするクリップを指定したとき開始される。
【0282】
ステップS181において、素材利用装置29の制御部328は、入力部327から供給される指令に応じて、カムコーダ21にユーザにより削除対象として指定されたクリップを削除させるための制御信号を、カムコーダ21に送信してステップS182に進む。
【0283】
ステップS201において、カムコーダ21の受信部307は、ステップS181で制御部328から供給される制御信号を、制御部308に供給してステップS202に進む。ステップS202において、制御部308は、その制御信号に基づいて、リムーバブルメディア33に記録されている削除対象であるクリップを削除し、削除の完了を送信部306に通知する。ステップS202の処理後は、ステップS203に進み、送信部306は、削除の完了を素材利用装置29に通知し、処理を終了する。
【0284】
ステップS182において、素材利用装置29の削除部323は、削除の完了の通知を受信し、ステップS183に進む。ステップS183において、削除部323は、データ記録部325に記憶されている一時保存ディレクトリ235内の、削除対象であるクリップの各データを削除し、処理を終了する。
【0285】
なお、図23では、カムコーダ21が、素材利用装置29から、削除対象のクリップを削除させるための制御信号を受信する場合、削除対象とするクリップを削除したが、素材利用装置29が、素材利用装置29のユーザからの削除の指令が有った旨をカムコーダ21のユーザに通知し、その通知を受けたカムコーダ21のユーザが、カムコーダ21に削除の指令を行うことにより削除するようにしてもよい。また、カムコーダ21において、ユーザがクリップまたはグループごとに削除の禁止を設定することができるようにしてもよい。この場合、カムコーダ21は、削除の禁止が設定されていない削除対象だけを削除する。
【0286】
また、図23では、ユーザから削除対象とするクリップが指定された場合、制御部308と削除部323が、その削除対象を削除したが、リムーバブルメディア33に記録されているクリップが蓄積ディレクトリ236にコピーされた場合、制御部308と削除部323が、そのクリップを削除するようにしてもよい。
【0287】
以上のように、カムコーダ21に装着されるリムーバブルメディア33に記録されているクリップが削除される場合、素材利用装置29の一時保存ディレクトリ235に記録されるクリップは削除されるが、蓄積ディレクトリ236に記録されるクリップは削除されない。即ち、カムコーダ21により撮影(取得)されたクリップは、蓄積ディレクトリ236に保存されたままとなる。
【0288】
従って、リムーバブルメディア33の記録容量が小さい場合であっても、カムコーダ21は、撮影の結果得られ、リムーバブルメディア33に記録されたクリップを素材利用装置29に送信して、リムーバブルメディア33に記録されているクリップを削除することにより、長時間の撮影を行うことができる。
【0289】
図24は、図13のカムコーダ情報送信部291の他の詳細構成例を示すブロック図である。
【0290】
図24のカムコーダ情報送信部291では、送信部306とリスト管理部309の代わりに、送信部400とリスト管理部401が設けられ、さらに送信モード設定部402が追加して設けられている。なお、図13と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は繰り返しになるので省略する。また、送信部400は、例えば図3の通信ブロック53に対応し、リスト管理部401と送信モード設定部402は、例えばマイコン106に対応する。
【0291】
送信部400は、図13の送信部306と同様に、プロキシ画像データ取得部301からのプロキシ画像データに基づいて、そのプロキシ画像データの素材利用装置29への送信に要する送信時間を計算し、その送信時間が所定の時間以上であるかどうかを判定する。そして、送信部400は、その判定の結果を作成部305に供給する。
【0292】
また、送信部400は、送信部306と同様にメタデータ取得部303から供給されるクリップメタデータのノンリアルタイムメタデータから、機器情報を抽出するとともに、グルーピングメタデータから収録IDを抽出する。
【0293】
さらに、送信部400は、送信部306と同様に、リスト管理部401から供給される送信リストに基づいて、送信対象であるクリップの、機器情報、ディレクトリ情報、メタデータ、プロキシ画像データ、および素材データを、順に素材利用装置29に送信する。そして、送信部400は、送信済みのクリップのグルーピングメタデータの項目「送信履歴」の、そのクリップに対応する内容を「送信有」に更新する。さらに、送信部400は、送信対象とするクリップの送信の完了をリスト管理部401に通知する。
【0294】
また、送信部400は、送信部306と同様に、受信部307から供給される取得要求に応じて、カメラ設定値、動作状態データ、現在取得または再生中のクリップの素材データ、またはリムーバブルメディア33に記録されているクリップの各データを状態情報として、素材利用装置29に送信する。また、送信部400は、受信部307からの取得要求に応じて、リムーバブルメディア33に記録されているクリップのサムネイル画像データと現在取得または再生中のクリップのサムネイル画像データの作成を作成部305に要求する。そして、送信部400は、その要求に応じて作成部305から供給されるサムネイル画像データとディレクトリ情報を素材利用装置29に送信する。
【0295】
さらに、送信部400は、制御部403からの指令に応じて、リムーバブルメディア33に記録されているクリップのデータを送信中であるかどうかを判定する。そして、送信部400は、その判定結果に応じて、送信中のクリップの送信に要する送信時間を計算する。また、送信部400は、制御部403からの指令と、送信中のクリップの送信時間とに基づいて、クリップの記録開始時における送信を制御する。
【0296】
リスト管理部401は、図13のリスト管理部309と同様に、クリップのグルーピングメタデータの項目「撮影素材」の項目「送信履歴」(図6)の内容に基づいて、未送信のクリップを抽出し、そのクリップを送信対象とする。そして、リスト管理部401は、送信部400から送信対象とするクリップのクリップメタデータを取得し、そのクリップメタデータに基づいて送信リストを作成して、リスト記憶部310に供給する。また、リスト管理部401は、送信モード設定部402から供給される、クリップの送信モードに基づいて、送信リストに登録されるクリップの優先順位を決定する。そして、リスト管理部401は、優先順位に基づいて送信リストを変更する。例えば、リスト管理部401は、優先順位の高い順に、送信リストの先頭から並べた送信リストを作成する。
【0297】
また、リスト管理部401は、図13のリスト管理部309と同様に、リスト記憶部310から送信リストを読み出し、送信部400に供給する。さらに、リスト管理部401は、送信部400から供給される送信対象のクリップの送信の完了の通知に応じて、リスト記憶部310に記憶されている送信リストを削除する。
【0298】
送信モード設定部402は、送信モードを設定するための画面(後述する図25)を、図3のLCD112に表示させる。ユーザは、その画面を見ながら、図3の操作部131を操作することにより、送信モードを指定する。送信モード設定部402は、操作部131から供給される、その操作に対応する通信操作信号に基づいて送信モードを設定し、その送信モードをリスト管理部401と制御部403に供給する。
【0299】
制御部403は、図13の制御部308と同様に、受信部307からの制御信号に基づいて、撮影、記録、削除、または再生などを制御する。また、制御部403は、制御信号に応じて、リムーバブルメディア33に記録されているクリップを削除する。制御部403は、必要に応じて、制御信号に対応する処理の完了を、送信部400を介して素材利用装置29に送信する。
【0300】
さらに、制御部403は、受信部307から供給される、クリップを記録させるための制御信号と送信モード設定部402からの送信モードとに応じて、送信を制御するための指令を送信部400に供給する。
【0301】
図25は、図3のLCD112に表示される送信モードを設定するための画面の例を示している。
【0302】
図25の画面では、項目「日付」、「撮影順」「撮影機材」、「優先条件」、および「記録開始時に送信中のファイルの扱い」と、その項目に対応する選択肢が表示される。ユーザは、図3の操作部131を用いて項目選択ボタン420aまたは421b、選択肢変更ボタン421aまたは421b、あるいは決定ボタン422を操作し、各項目の所望の選択肢の右側に●印を移動させて決定の指令を行うことにより、各項目の内容を選択する。
【0303】
項目選択ボタン420aは、移動対象とする●印が配置される項目を上に移動させるとき操作される。項目選択ボタン420bは、移動対象とする●印が配置される項目を下に移動させるとき操作される。選択肢変更ボタン421aは、移動対象である●印を上に移動させるとき操作される。選択肢変更ボタン421bは、移動対象である●印を下に移動させるとき操作される。決定ボタン422は、決定の指令を行うときに操作される。即ち、ユーザは、項目選択ボタン420aまたは421bを操作することにより、移動対象とする●印が配置される項目を上下に移動させ、その移動により移動対象とされた●印を選択肢変更ボタン421aまたは421bを操作することにより上下に移動させ、所望の選択肢の右側に●印が配置されたとき、決定ボタン422を操作する。
【0304】
例えば、ユーザは、項目「日付」の内容を選択する場合、まず最初に、項目選択ボタン420aまたは421bを操作して、移動対象とする●印が配置される項目として、項目「日付」を選択する。次に、選択肢変更ボタン421aまたは421bを操作して、●印を所望の選択肢に移動させ、決定ボタン422を操作する。
【0305】
ここで、図25の例では、項目「日付」に対応して、「当日優先」と「撮影日順」という選択肢が表示される。選択肢「当日優先」は、クリップの取得日(撮影日)が新しい順に優先順位が高くなるように、即ち取得日が本日(送信する日)から過去に遡るにつれて優先順位が低くなるように優先順位を決定させるとき選択される。選択肢「撮影日順」は、クリップの取得日(撮影日)の古い順に優先順位が高くなるように、優先順位を決定させるとき選択される。
【0306】
また、項目「撮影順」に対応して、「正順」と「逆順」という選択肢が表示される。選択肢「正順」は、撮影日が同日である場合、撮影時刻の早い順に優先順位が高くなるように、優先順位を決定させるとき選択される。選択肢「逆順」は、撮影日が同日である場合、撮影時刻の遅い順に優先順位が高くなるように、優先順位を決定させるとき選択される。
【0307】
さらに、項目「撮影機材」に対応して、「このカメラを優先」と「無条件」という選択肢が表示される。選択肢「このカムコーダを優先」は、自分自身(カムコーダ21)で撮影した結果得られるクリップの優先順位が、他のカムコーダ21から取得されたクリップの優先順位に比べて高くなるように優先順位を決定させるとき選択される。選択肢「無条件」は、クリップの取得元によって優先順位を変化させないように、優先順位を決定させるとき選択される。
【0308】
また、項目「優先条件」に対応して、「自動」と「手動」という選択肢が表示される。選択肢「自動」は、項目「日付」、項目「撮影順」、および項目「撮影機材」で選択された選択肢に基づいて、優先順位を決定させるとき選択される。選択肢「手動」は、ユーザが操作部131を操作することにより、各クリップの優先順位を入力するとき選択される。
【0309】
さらに、項目「記録開始時に送信中のファイルの扱い」に対応して、「後で追記する」、「後で別ファイルとして送信する」、「送信中のファイルは破棄する」、および「送信を完了させる」という選択肢が表示される。選択肢「後で追記する」は、記録開始時に素材利用装置29へのファイルの送信を中断し、記録終了後に、送信が中断されたファイルの未送信のデータを送信して、送信済みのファイルに追記(追加)させるとき選択される。
【0310】
選択肢「後で別ファイルとして送信する」は、記録開始時に素材利用装置29へのファイルの送信を中断し、記録終了後に、送信が中断されたファイルのデータを先頭から、別ファイルとして送信させるとき選択される。選択肢「送信中のファイルは破棄する」は、記録開始時に素材利用装置29へ送信中のファイルの送信済みデータを素材利用装置29から破棄(削除)させるとき選択される。選択肢「送信を完了させる」は、素材利用装置29へ送信中のファイルのすべてのデータを送信した後、記録を開始させるとき選択される。
【0311】
図26は、送信リストに登録される送信対象のクリップの例について説明する。
【0312】
図26の表では、左側から順にクリップのUMID、撮影時刻、機器IDを示している。なお、UMIDは実際には数字であるが、図26では説明の便宜上、数字の代わりにUMID#1乃至UMID#4としている。
【0313】
図26の例では、UMIDがUMID#1乃至UMID#4のクリップが送信対象となっている。UMID#1のクリップは、本日(送信する日)の9時50分15秒に機器IDが「CID#2」のカムコーダ21で撮影された結果得られたクリップである。UMID#3のクリップは、本日の10時10分24秒に機器IDが「CID#2」のカムコーダ21で撮影された結果得られたクリップである。
【0314】
また、UMID#4のクリップは、本日の10時25分30秒に機器IDが「CID#1」のカムコーダ21で撮影された結果得られるクリップである。UMID#2のクリップは、本日の11時25分5秒に機器IDが「CID#1」のカムコーダ21で撮影された結果得られるクリップである。
【0315】
このとき、ユーザにより送信モードの項目「日付」において選択肢「当日優先」が、項目「撮影順」において選択し「正順」が、項目「撮影機材」において選択肢「無条件」が、さらに項目「優先条件」において選択肢「自動」が選択されているとき、その送信モードに基づいて、リスト管理部401は、図27の送信リストを作成する。
【0316】
図26の送信対象のクリップはすべて同日である本日に撮影された結果得られているので、リスト管理部401は、図27に示すように撮影時刻が遅くなるにつれて優先順位が低くなるように、即ち撮影時刻の早い順に優先順位が高くなるように、送信リストを作成する。なお、図27の送信リストでは、優先順位の高いものほど、優先順位の値が小さくなるようになっており、優先順位の高い方から順に先頭から並べられている。このことは、後述する図29、図31、および図33においても同様である。
【0317】
即ち、図27の送信リストでは、左側から順に、送信対象であるクリップの優先順位、UMID、撮影時刻、機器IDが登録されており、撮撮影時刻の早い順、即ちUMID#1,UMID#3,UMID#4,UMID#2の順に送信対象であるクリップのUMID、撮影時刻、機器IDの情報(以下、クリップ情報という)が並べられている。
【0318】
次に、図28を参照して、送信モードの項目「日付」の内容が「当日優先」であり、項目「撮影順」の内容が「正順」であり、項目「撮影機材」の内容が「無条件」であり、項目「優先条件」の内容が「自動」である場合に、リスト管理部401が送信リストを作成する送信リスト作成処理について説明する。この送信リスト作成処理は、例えば、未送信のクリップが抽出されたとき開始される。
【0319】
ステップS221において、リスト管理部401は、図示せぬカウンタのカウント値Lを1に設定し、ステップS222に進む。ステップS222において、リスト管理部401は、抽出された未送信のクリップのうち、現在の日付から、カウント値Lから1を引いた値である(L−1)日前に撮影された結果得られたクリップのクリップメタデータを送信部400から取得し、そのクリップメタデータに基づいて、クリップ情報を送信リストに登録する。即ち、リスト管理部401は、抽出された未送信のクリップのうち、現在より(L−1)日前に撮影された結果得られたクリップを、送信対象として送信リストに登録する。
【0320】
ステップS222の処理後は、ステップS223に進み、リスト管理部401は、直前のステップS222で送信リストに登録されたクリップ情報を、撮影時刻の早い順に並べ替える。例えば、図26に示したクリップのクリップ情報が送信リストに登録された場合、リスト管理部401は、このクリップ情報を撮影時刻の早い順に並べ替え、図27に示した送信リストを作成する。
【0321】
ステップS223の処理後は、ステップS224に進み、リスト管理部401は、すべての送信対象とするクリップのクリップ情報を送信リストに登録したかどうかを判定し、すべての送信対象とするクリップのクリップ情報を送信リストに登録していないと判定した場合、ステップS225に進む。ステップS225において、リスト管理部401は、カウント値Lを1だけインクリメントしてステップS222に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0322】
一方、ステップS224において、すべての送信対象とするクリップのクリップ情報を送信リストに登録したと判定された場合、処理は終了する。
【0323】
また、ユーザにより送信モードの項目「日付」において選択肢「当日優先」が、項目「撮影順」において選択肢「逆順」が、項目「撮影機材」において選択肢「無条件」が、さらに項目「優先条件」において選択肢「自動」が選択されているとき、その送信モードに基づいて、リスト管理部401は、図29の送信リストを作成する。
【0324】
図26の送信対象のクリップはすべて同日である本日に撮影された結果得られているので、リスト管理部401は、図29に示すように撮影時刻が現在の時刻から過去に遡るにつれて優先順位が低くなるように、即ち撮影時刻が遅い(新しい)順に優先順位が高くなるように、送信リストを作成する。即ち、図29の送信リストでは、左側から順に、送信対象であるクリップの優先順位、UMID、撮影時刻、機器IDが登録されており、撮影時刻の新しい順、即ちUMID#2,UMID#4,UMID#3,UMID#1の順に送信対象であるクリップのクリップ情報が並べられている。
【0325】
次に、図30を参照して、送信モードの項目「日付」の内容が「当日優先」であり、項目「撮影順」の内容が「逆順」であり、項目「撮影機材」の内容が「無条件」であり、項目「撮影条件」の内容が「自動」である場合に、リスト管理部401が送信リストを作成する送信リスト作成処理について説明する。この送信リスト作成処理は、例えば、未送信のクリップが抽出されたとき開始される。
【0326】
ステップS241乃至S245は、ステップS243を除いて、図28のステップS223を除く処理と同様であるので、ステップS243以外の処理については説明を省略する。
【0327】
ステップS243において、リスト管理部401は、直前のステップS242で送信リストに登録されたクリップ情報を、撮影時刻の遅い(新しい)順に並べ替える。例えば、図26に示したクリップのクリップ情報が送信リストに登録された場合、リスト管理部401は、このクリップ情報を、撮影時刻の遅い順に並べ替え、図29に示した送信リストを作成する。
【0328】
なお、図27乃至図30では、項目「日付」において選択肢「当日優先」が選択された場合について説明したが、選択肢「撮影日順」が選択された場合は、図28のステップS222または図30のステップS224で撮影日時の古い日時から順に、撮影日ごとにクリップのクリップ情報が送信リストに登録される。
【0329】
さらに、ユーザにより送信モードの項目「撮影機材」において選択肢「このカムコーダを優先」が、項目「優先条件」において選択肢「自動」が選択されているとき、その送信モードに基づいて、リスト管理部401は、図31の送信リストを作成する。なお、図31において、送信リストを作成するカムコーダ21の機器IDは「CID#1」であるものとする。
【0330】
図26の送信対象のクリップは、すべて同日である本日に撮影された結果得られているので、リスト管理部401は、図31に示すように、自分自身の機器IDである「CID#1」に対応するクリップの優先順位が高くなるように、送信リストを作成する。即ち、図31の送信リストでは、左側から順に、送信対象であるクリップの優先順位、UMID、撮影時刻、機器IDが登録されており、機器ID「CID#1」に対応するクリップであるUMID#4のクリップ、UMID#2のクリップ、また機器IDが「CID#1」ではない「CID#2」に対応するクリップであるUMID#1のクリップ、UMID#3のクリップの順に、送信対象であるクリップのクリップ情報が並べられている。
【0331】
なお、送信対象のクリップに対応する機器IDが「CID#1」以外に複数ある場合、「CID#1」以外の機器IDに対応するクリップにおいて、予めユーザにより設定された順に、送信リストに並べてもよい。
【0332】
また、図31の送信リストでは、同一の機器IDに対応するクリップにおいて、撮影時刻の早い順に並べられたが、撮影時刻の遅い順に並べられるようにしてもよい。さらに、同一の機器IDに対応するクリップにおける順序は、予め設定されていてもよいし、ユーザが送信モードの項目「日付」の選択肢を選択することにより設定されてもよい。
【0333】
次に、図32を参照して、送信モードの項目「撮影機材」の内容が「このカムコーダを優先」であり、項目「撮影条件」の内容が「自動」である場合に、図24のリスト管理部401が送信リストを作成する送信リスト作成処理について説明する。この送信リスト作成処理は、例えば、未送信のクリップが抽出されたとき開始される。
【0334】
ステップS261において、リスト管理部401は、抽出された未送信のクリップを送信対象として、そのクリップのクリップメタデータを送信部400から取得し、そのクリップメタデータに基づいて、クリップ情報を送信リストに登録する。
【0335】
ステップS261の処理後は、ステップS262に進み、リスト管理部401は、ステップS261で送信リストに登録されたクリップ情報を、自分自身の機器IDに対応するクリップを優先するように(優先順位が高くなるように)、並べ替える。例えば、例えば、図26に示したクリップのクリップ情報が送信リストに登録された場合、リスト管理部401は、このクリップ情報を自分自身の機器IDである「CID#1」に対応するクリップを優先するように並べ替え、図31に示した送信リストを作成する。
【0336】
さらに、ユーザにより送信モードの項目「優先条件」において選択肢「手動」が選択されているとき、その送信モードとユーザからの入力に基づいて、リスト管理部401は、図33の送信リストを作成する。
【0337】
即ち、リスト管理部401は、図26の送信対象のクリップのクリップ情報が登録された送信リストをLCD112(図3)に表示させる。ユーザは、その送信リストを見ながら、操作部131を操作して各クリップの優先順位を入力する。リスト管理部401は、その操作を表す通信操作信号に基づいて、図33の送信リストを作成する。
【0338】
図33の送信リストでは、左側から順に、送信対象であるクリップの優先順位、UMID、撮影時刻、機器ID、ユーザにより入力された優先順位(図33中「手動入力」)が登録されている。図33の例では、UMID#2,UMID#1,UMID#4,UMID#3のクリップそれぞれに対して、ユーザにより優先順位1,2,3,4が入力されており、図33の送信リストでは、UMID#2,UMID#1,UMID#4,UMID#3の順に、クリップのクリップ情報が並べられている。
【0339】
次に、図34を参照して、送信モードの項目「優先条件」の内容が「自動」である場合に、図24のリスト管理部401が送信リストを作成する送信リスト作成処理について説明する。この送信リスト作成処理は、例えば、未送信のクリップが抽出されたとき開始される。
【0340】
ステップS281において、リスト管理部401は、抽出された未送信のクリップを送信対象として、そのクリップのクリップメタデータを送信部400から取得し、そのクリップメタデータに基づいて、クリップ情報を送信リストに登録する。ステップS281の処理後は、ステップS282に進み、リスト管理部401は、ステップS281で送信対象のクリップのクリップ情報が登録された送信リストをリスト記憶部310から読み出し、LCD112に表示させる。
【0341】
このとき、ユーザは、LCD112に表示されている送信リストを見ながら、操作部131を操作し、その送信リストに登録されている各クリップ情報のクリップに対して優先順位を入力する。
【0342】
ステップ282の処理後は、ステップS283において、リスト管理部401は、操作部131からの通信操作信号に基づいて、送信リストに登録されているすべてのクリップ情報のクリップに対して優先順位が入力されたかどうかを判定し、優先順位が入力されていないと判定した場合、優先順位が入力されるまで待機する。
【0343】
一方、ステップS283において、送信リストに登録されているすべてのクリップ情報のクリップに対して優先順位が入力されたと判定された場合、ステップS284に進み、リスト管理部401は、ステップS281で送信リストに登録された送信対象のクリップ情報を、ユーザにより入力された優先順位の高い順に並べ替える。このとき、リスト管理部401は、ユーザにより入力された優先順位を、送信リスト中の対応するクリップ情報に付加する。
【0344】
例えば、図26に示したクリップのクリップ情報が送信リストに登録された場合、リスト管理部401は、このクリップ情報を、ユーザにより入力された優先順位の高い順に並べ替え、図33に示した送信リストを作成する。
【0345】
次に、図35を参照して、送信モードの項目「記録開始時に送信中のファイルの扱い」の内容が「後で追記する」である場合に、図24のカムコーダ情報送信部291が撮影の結果得られるクリップの各データを記録する記録処理について説明する。この記録処理は、例えば、素材利用装置29から供給される、クリップを記録させるための制御信号が制御部403に供給されたとき、開始される。
【0346】
ステップS301において、送信部400は、制御部403からの指令に応じて、リムーバブルメディア33に記録されているクリップのデータを送信中であるかどうかを判定し、クリップのデータを送信中であると判定した場合、ステップS302に進み、送信部400は、送信中のクリップのデータのサイズ、並びにネットワーク31とイントラネット32における通信速度に基づいて、送信中のクリップのデータの送信に要する送信時間を計算する。
【0347】
ステップS302の処理後は、ステップS303に進み、送信部400は、送信の残り時間、即ちステップS302で計算した送信時間から、いま送信中のクリップの送信の開始からいままでの時間を引いた時間が、設定時間(例えば、10秒)以上であるかどうかを判定する。ステップS303において、送信の残り時間が設定時間以上であると判定された場合、ステップS304に進み、送信部400は、送信を中断して中断した位置(例えば、フレーム番号など)(以下、中断位置という)を記憶し、送信が中断されたクリップのファイルに対して、新たなUMIDを付与し、そのUMIDを素材利用装置29に送信する。
【0348】
このとき、素材利用装置29のデータ取得部324(図15)は、送信部400から受信してデータ記録部325に記憶した、送信が中断されたクリップのファイルに、送信部400から送信されてくる新たなUMIDを付与する。
【0349】
一方、ステップS303において、送信の残り時間が設定時間以上ではないと判定された場合、ステップS305に進み、送信部400は、送信中のクリップのファイルの送信が終了したかどうかを判定する。ステップS305において、送信中のクリップのファイルの送信が終了していないと判定された場合、送信が終了したと判定されるまで待機する。
【0350】
ステップS301でクリップのデータを送信中ではないと判定された場合、ステップS304の処理後、またはステップS305で送信中のクリップのファイルの送信が終了したと判定された場合、ステップS306に進み、制御部403は、撮影の結果得られるクリップの記録と、そのクリップのファイル送信処理(図19)を行う。
【0351】
ステップS306の処理後は、ステップS307に進み、送信部400は、ステップS304で付与した新たなUMIDと、ステップS304で記憶された中断位置を、素材利用装置29に送信し、ステップS308に進む。
【0352】
ステップS308において、送信部400は、素材データ取得部300、プロキシ画像データ取得部301、またはメタデータ取得部303から供給される、送信が中断されたクリップのデータの、中断位置より後のデータ(未送信のデータ)を素材利用装置29に送信し、処理を終了する。
【0353】
この後、素材利用装置29のデータ取得部324は、ステップS307で送信部400から送信されてくる新たなUMIDと中断位置に基づいて、そのUMIDが付与されたファイルの中断位置から、ステップS308で送信されてくるデータを記録する。
【0354】
次に、図36を参照して、送信モードの項目「記録開始時に送信中のファイルの扱い」の内容が「後で別ファイルとして送信する」である場合に、カムコーダ情報送信部291が撮影の結果得られるクリップの各データを記録する記録処理について説明する。この記録処理は、例えば、素材利用装置29から供給される、クリップを記録させるための制御信号が制御部403に供給されたとき、開始される。
【0355】
ステップS321乃至S323、およびステップS325の処理は、図35のステップS301乃至S303、およびステップS305の処理と同様であるので、説明は省略する。
【0356】
ステップS324において、送信部400は、送信を中断して中断位置を記憶し、送信が中断されたクリップのファイルのUMIDのインスタンス番号の、中断を表す数字への変更を、素材利用装置29に命令する。これにより、素材利用装置29のデータ取得部324は、送信部400から受信してデータ記録部325に記録した、送信が中断されたクリップのファイルのUMIDのインスタンス番号を、中断を表す数字に変更する。
【0357】
ステップS324の処理後は、ステップS326に進み、制御部403は、撮影の結果得られるクリップのリムーバブルメディア33への記録を行うとともに、送信部400を制御し、そのクリップのファイル送信処理(図19)を行う。
【0358】
ステップS326の処理後は、ステップS327に進み、送信部400は、送信が中断されたファイルのUMIDを変更し、そのファイルのデータを先頭から素材利用装置29に送信して、処理を終了する。
【0359】
この後、素材利用装置29のデータ取得部324は、送信部400から送信されてくるファイルを、送信が中断されたファイルとは別ファイルとして、データ記録部325に記録する。
【0360】
なお、送信モードの項目「記録開始時に送信中のファイルの扱い」において、記録開始時に送信中のファイルの送信をそのまま続行しつつ、記録を開始する「割込」という選択肢を設けるようにしてもよい。選択肢「割込」が選択された場合、送信部400が、記録開始時に送信中のファイルの送信をそのまま続行するとともに、制御部403が、撮影の結果得られるクリップのリムーバブルメディア33への記録を行うが、クリップのファイル送信処理を行わない。即ち、撮影の結果得られるクリップは、記録されるが送信されない。
【0361】
図37は、図12のフリーズミックス処理部292の詳細構成例を示すブロック図である。
【0362】
図37のフリーズミックス処理部292は、取得部501、記録再生部502、入力部503、撮影部504、および表示制御部505から構成される。なお、取得部501は、例えば、図3の通信ブロック53に対応し、記録再生部502は、例えばレコーダブロック52に対応する。入力部503は、例えば操作部81に対応し、撮影部504と表示制御部55は、例えばマイコン83に対応する。
【0363】
取得部501は、素材利用装置29のフリーズミックス送信部312(図14)から送信されてくる、フリーズミックス画像に関するデータ(以下、フリーズミックスデータという)を、見本画像の撮影に関する情報として取得し、記録再生部502に供給する。なお、フリーズミックスデータは、フリーズミックス画像のグルーピングメタデータ、画像データ、ノンリアルタイムメタデータ、およびリアルタイムメタデータから構成される。
【0364】
記録再生部502は、取得部501からのフリーズミックスデータを、リムーバブルメディア33に記録させる。また、記録再生部502は、入力部503から供給される、ユーザによりフリーズミックスの対象として指定されたフリーズミックス画像のフレーム(以下、対象フレームという)を指定する指定信号に基づいて、リムーバブルメディア33から、そのフリーズミックス画像の対象フレームの画像データを再生し、表示制御部505に供給する。
【0365】
入力部503は、例えば、ユーザによる所望のフリーズミックス画像のフレームを、フリーズミックスの対象フレームとして指定するための操作を受け付け、その操作に対応して指定信号を記録再生部502に供給する。また、入力部503は、ユーザから撮影の指令を受け付け、その指令を撮影部504に供給する。
【0366】
撮影部504は、被写体の画像を取得し、表示制御部505に供給する。また、撮影部504は、入力部503から供給される撮影の指令に応じて、取得される画像を、リムーバブルメディア33に記録させる。
【0367】
表示制御部505は、記録再生部502から供給される、フリーズミックス画像の対象フレームの画像データに基づいて表示を制御し、その対象フレームを半透明でビューファインダ80に表示させるとともに、撮影部504からの画像をビューファインダ80に表示させる。
【0368】
図38は、図14のフリーズミックス送信部312の詳細構成例を示すブロック図である。
【0369】
図38のフリーズミックス送信部312は、入力部521、再生部522、フリーズミックスデータ作成部523、および送信部524から構成される。入力部521は、例えば図4の入力部206に対応し、再生部522とフリーズミックスデータ作成部523は、例えばCPU201に対応する。また、送信部524は、例えば通信部209に対応する。
【0370】
入力部521は、例えばユーザからフリーズミックス画像の対象フレームを選択するための操作を受け付け、その選択を表す選択信号を再生部522とフリーズミックスデータ作成部523に供給する。また、入力部521は、ユーザからの操作を受け付け、その操作を表す操作信号をフリーズミックスデータ作成部523に供給する。
【0371】
再生部522は、例えば、入力部521からの選択信号に応じて、その選択信号が表すフリーズミックス画像に対応するクリップの各データを記録部208から再生し、フリーズミックスデータ作成部523に供給する。
【0372】
フリーズミックスデータ作成部523は、再生部522からのクリップの各データと入力部521からの選択信号に基づいて、フリーズミックスデータを作成し、送信部524に供給する。送信部524は、フリーズミックスデータ作成部523からのフリーズミックスデータを、カムコーダ21のフリーズミックス処理部292に送信する。
【0373】
次に、図39を参照して、図3のLCD112に表示される、図1のリムーバブルメディア33に記録されるフリーズミックスデータのファイルを含むファイルのディレクトリ構造を表す画面の例について説明する。なお、図5と同一のものには、同一の符号を付してあり、説明は省略する。
【0374】
図39の例では、図5と同様に、リムーバブルメディア33には、GROUPディレクトリ215とクリップルートディレクトリ(CLPR)とが設けられている。
【0375】
GROUPディレクトリ215には、フリーズミックス画像のグルーピングメタデータ(以下、フリーズミックスメタデータという)のファイルであるフリーズミックスメタデータファイルと、図5と同一のグルーピングメタデータファイル(G0001M01.txt乃至G0003M01.txt)とが設けられる。
【0376】
具体的には、例えば、図39は、リムーバブルメディア33に1つのグループのフリーズミックス画像の画像データが記録されている場合の例を示しており、そのフリーズミックス画像のフリーズミックスメタデータは、フリーズミックスメタデータファイル(F0001M01.txt)として記憶されている。
【0377】
また、クリップルートディレクトリ(CLPR)には、図5と同一の3つのクリップディレクトリ(C0001乃至C0003)のほか、フリーズミックス画像に対応するクリップのデータを管理する1つのクリップディレクトリ(C0004)が設けられている。
【0378】
クリップディレクトリ(C0004)には、このクリップを管理するファイルであるマスタファイル(C0004C01.SMI)、このクリップの画像データを含むファイルである画像ファイル(C0004V01.MXF)、このクリップを取得した機器の機器情報、クリップの撮影(取得)時におけるカメラ設定値、撮影日時のほか、電子マークリストなどの電子マーク(エッセンスマーク)に関する情報などのリアルタイム性を要求されないノンリアルタイムメタデータを含むファイルであるノンリアルタイムメタデータファイル(C0004M01.XML)、このクリップのリアルタイム性を要求されるリアルタイムメタデータを含むファイルであるリアルタイムメタデータファイル(C0004R01.BIM)が設けられている。
【0379】
なお、電子マークは、画像の特徴を示すデータであり、ここでは、フリーズミックス画像の対象フレームを特定するために用いられる。
【0380】
次に、図40を参照して、フリーズミックスメタデータについて説明する。
【0381】
図40に示すように、フリーズミックスメタデータは、グルーピングメタデータと同様に記述される。
【0382】
具体的には、図40の例では、フリーズミックスメタデータには、項目「グループタイトル」を表す「title」に続けて、その項目「グループタイトル」の内容である「富士山」が記述されている。そして、その後に項目「分類」を表す「category」、項目「分類」の内容であるフリーズミックス画像を表す「Freeze Mix」、項目「オリジナル」を表す「original」、項目「オリジナル」の内容であるオリジナルではないことを表す「No」が順に記述される。
【0383】
その後も同様に、項目「グループ作成日時」を表す「date created」、項目「グループ作成日時」の内容である「2004/8/16」、項目「撮影日時」の項目「予定」を表す「date directed」、その項目「予定」の内容である「2004/8/31」、項目「撮影日時」の項目「実行」を表す「date carried out」、その項目「実行」の内容である「2004/8/31」、項目「撮影場所」の項目「予定」を表す「place directed」、その項目「予定」の内容である「山中湖平野」、項目「撮影場所」の項目「実行」を表す「place carried out」、その項目「実行」の内容である「山中湖平野」が順に記述される。
【0384】
また、その後に、項目「撮影者」の項目「予定」を表す「person directed」、その項目「予定」の内容である「小泉、岡田」、項目「撮影者」の項目「実行」を表す「person carried out」、その項目「実行」の内容である「小泉、岡田」、項目「撮影内容」の項目「指示」を表す「description directed」、その項目「指示」の内容である「XXXX」、項目「撮影内容」の項目「実際(メモ)」を表す「description occurred」、その項目「実際(メモ)」の内容である「XXXX」が順に記述される。
【0385】
さらに、その後に、項目「撮影素材(ファイル)」の項目「タイトル」を表す「file title」、その項目「タイトル」の内容のうちの、グループに分類されたフリーズミックス画像の第1のファイルのタイトルである「山中湖から見た富士山」、項目「撮影素材」の項目「UMID」を表す「file ID」、その項目「UMID」の内容のうちの第1のファイルのUMIDである「XXXX」、項目「撮影素材」の項目「メモ」を表す「memo」、その項目「メモ」の内容である「XXXX」が順に記述される。
【0386】
そして、その後に、第1のファイルと同様に、第2のファイル以降のファイルの項目「タイトル」、項目「UMID」、および項目「メモ」と、それらの内容が記述される。
【0387】
次に、図41と図42を参照して、リムーバブルメディア33に記録されているフリーズミックス画像の中から、所望のフリーズミックス画像の対象フレームを指定するための画面について説明する。
【0388】
図41の画面は、所望のフリーズミックス画像をフリーズミックスの対象として指定するための画面である。
【0389】
この画面には、リムーバブルメディア33に記録されているフリーズミックスメタデータファイル(F0001M01.txt)のフリーズミックスメタデータに基づいて、フリーズミックスメタデータの項目「グループタイトル」の内容が、グループ名として第1行目に表示さる。図41の例では、図40に示したフリーズミックスメタデータに基づいて、項目「グループタイトル」の内容である「富士山」が、グループ名として表示されている。
【0390】
また、グループ名の下には、フリーズミックスメタデータの項目「撮影素材」の項目「タイトル」の内容が並べられたリストが、フリーズミックス画像のクリップリストとして表示される。具体的には、図41の例では、項目「撮影素材」の項目「タイトル」の内容である「山中湖から見た富士山」、「川口湖から見た富士山」、「西湖から見た富士山」、「精進湖から見た富士山」、「本栖湖から見た富士山」、および「大瀬崎から見た富士山」が並べられたクリップリストが表示される。
【0391】
さらに、クリップリストの左端には●印が1つ表示され、ユーザは、図37の入力部503を操作して、その●印を所望のタイトルに対応する位置に移動させることにより、そのタイトルに対応するフリーズミックス画像を、フリーズミックスの対象として指定することができる。図41の例では、ユーザにより「山中湖から見た富士山」に対応するフリーズミックス画像が指定されている。
【0392】
また、図41の画面には、右下部にクリップ再生ボタン541が表示される。再生ボタン541は、●印を用いて指定されたフリーズミックス画像を再生するときに、操作される。
【0393】
ユーザがグループタイトル「山中湖から見た富士山」を選択した後、クリップ再生ボタン541を操作すると、図3のビューファインダ80には図42に示す画像が表示される。
【0394】
即ち、図42に示すように、ビューファインダ80には、項目「撮影素材」の項目「タイトル」の内容に「山中湖から見た富士山」が含まれるフリーズミックスメタデータに対応するフリーズミックス画像が表示される。
【0395】
この後、ユーザが入力部503を操作し、電子マークリストの表示を指令すると、図42に示すように、フリーズミックス画像に対応するノンリアルタイムメタデータに含まれる電子マークリストに基づいて、電子マークリスト表示部551が表示される。
【0396】
具体的には、記録再生部502は、項目「グループタイトル」の内容が「山中湖から見た富士山」であるフリーズミックスメタデータの項目「UMID」の内容に基づいて、フリーズミックス画像のクリップの画像ファイルを再生し、表示制御部505に供給する。また、記録再生部502は、その画像ファイルに対応するノンリアルタイムメタデータファイルから電子マークリストを抽出し、表示制御部505に供給する。表示制御部505は、記録再生部502からの画像ファイルと電子マークリストに基づいて、画像と電子マークリスト表示部551を表示させる。
【0397】
図42の例では、電子マークリスト表示部551には、ノンリアルタイムメタデータの電子マークリストに登録されている電子マークにより特定されるフレームのメタデータに基づいて、そのフレームの撮影地点とズームのモードを表す情報(以下、フレーム情報という)のリストが電子マークリストとして表示される。ここで、フレームのメタデータとは、ノンリアルタイムメタデータに含まれるフレーム単位のメタデータである。このフレームのメタデータとして、例えば、撮影地点を表す情報、カメラ設定値、フレームのタイトルなどが記録される。
【0398】
また、電子マークリストの左端には1つの●印が表示され、ユーザは、図37の入力部503を操作して、その●印を所望のフレーム情報に対応する位置に移動させることにより、そのフレーム情報に対応するフレームを対象フレームとして指定することができる。図42の例では、ユーザによりフレーム情報である「撮影地点A/ズームA」に対応するフレームが指定されている。
【0399】
さらに、電子マークリスト表示部551には、右下部にフリーズミックス実行ボタン551Aが表示される。フリーズミックス実行ボタン551Aは、●印を用いて指定された対象フレームに対してフリーズミックスを行うときに、操作される。
【0400】
なお、図42では、撮影地点とズームのモードがフレーム情報として電子マークリストに表示されたが、フレームのタイトルがフレーム情報として表示されるようにしてもよい。
【0401】
次に、図43を参照して、フリーズミックスデータを送信する処理について説明する。
【0402】
まず最初に、素材利用装置29のユーザのワークフローについて説明する。
【0403】
ステップS401において、ユーザは、フリーズミックス画像の画像ファイルを選択する。具体的には、ユーザは、ステップS421において、図38の入力部521を操作し、図4の記録部208に記録されているファイルのディレクトリ構造を表す画面(図8)を表示させ、その画面から所望のクリップディレクトリ240内の画像ファイルを選択し、フリーズミックス画像の画像ファイルとして再生(表示)させる。
【0404】
ステップS401の処理後は、ステップS402に進み、ユーザは、いま表示されているフリーズミックス画像を見ながら、入力部521を操作し、所望のフレームを対象フレームとして選択する。
【0405】
ステップS402の処理後は、ステップS403に進み、ユーザは、ステップS402で選択したフレームに対して、入力部521を操作することにより、そのタイトルや指示を入力する。
【0406】
ステップS403の処理後は、ステップS404に進み、ユーザは、フリーズミックスを行うカムコーダ21を選択し、フリーズミックスデータを送信する。具体的には、ユーザは、ステップS422において、入力部521を操作して、記録部208に記録されているファイルのディレクトリ構造を表す画面(図8)を表示させ、所望のカムコーダ21のカムコーダディレクトリ233を選択し、そのカムコーダディレクトリ233の記録画像ディレクトリ252に、フリーズミックス画像のクリップディレクトリとフリーズミックスメタデータファイルを配置する。
【0407】
次に、素材利用装置29の処理について説明する。
【0408】
ステップS441において、再生部522は、ステップS421におけるユーザの入力部521の操作に対応する選択信号に基づいて、ユーザによりフリーズミックス画像として選択された画像に対応するグルーピングメタデータファイル239とクッリップディレクトリ240を再生し、フリーズミックスメタデータ作成部523に供給する。
【0409】
ステップS441の処理後は、ステップS442に進み、再生部522は、入力部521からの選択信号に基づいて、フリーズミックス画像の画像ファイルを再生し、図4の出力部207に表示させ、ステップS443に進む。
【0410】
ステップS443において、フリーズミックスデータ作成部523は、ステップS402におけるユーザの入力部521の操作に対応する選択信号に基づいて、再生部522から供給されるクリップディレクトリ237のノンリアルタイムメタデータファイルに、ユーザにより選択されたフレームを対象フレームとして特定する電子マークの電子マークリストを記録する。
【0411】
ステップS443の処理後は、ステップS444に進み、フリーズミックスデータ作成部523は、ステップS403におけるユーザの入力部521の操作を表す操作信号に基づいて、対象フレームのタイトルや指示を表すデータを、ノンリアルタイムメタデータファイルに記録する。
【0412】
ステップS444の処理後は、ステップS445に進み、フリーズミックスデータ作成部523は、ステップS422におけるユーザの入力部521の操作を表す操作信号に基づいて、ユーザにより選択されたカムコーダ21のカムコーダディレクトリ233の記録画像ディレクトリ252に、フリーズミックス画像のクリップディレクトリとフリーズミックスメタデータファイルを作成する。具体的には、フリーズミックスデータ作成部523は、記録画像ディレクトリ252のグループディレクトリ253に、フリーズミックスメタデータファイルを作成するとともに、クリップルートディレクトリ254にフリーズミックス画像のクリップディレクトリを作成する。
【0413】
そして、フリーズミックスデータ作成部523は、再生部522から供給されるグルーピングメタデータファイル240に基づいて、フリーズミックスメタデータファイルを作成し、そのフリーズミックスメタデータファイル、並びにフリーズミックス画像の画像ファイル、マスタファイル、ノンリアルタイムメタデータファイル、およびリアルタイムメタデータファイルを、フリーズミックスデータとしてカムコーダ21に送信する。
【0414】
次に、図44を参照して、フリーズミックスを行う処理について説明する。
【0415】
まず最初に、カムコーダ21のユーザのワークフローについて説明する。
【0416】
ステップS461において、ユーザは、図3のビューファインダ80にフリーズミックス画像を表示させる。具体的には、ユーザは、ステップS471において、図37の入力部503を操作し、リムーバブルメディア33に記録されているファイルのディレクトリ構造を表す画面(図39)を表示させ、その画面に表示されるグループディレクトリ215から所望のフリーズミックスメタデータファイル(F0001M01.txt)を選択する。そして、ユーザは、その結果ビューファインダ80に表示された画面(図41)を見ながら、入力部503を操作することにより、クリップリストの中の所望のクリップを選択して、クリップ再生ボタン541を操作する。
【0417】
ステップS461の処理後は、ステップS462に進み、ユーザは、入力部503を操作し、電子マークリスト表示部551を表示させる。その結果、ビューファインダ80には、図42に示す画面が表示される。
【0418】
ステップS462の処理後は、ステップS463に進み、ユーザは、ステップS462で表示された電子マークリストから所望のフレームを対象フレームとして選択し、フリーズミックスを実行させる。具体的には、ユーザは、ステップS472において、入力部503を操作して、図42の電子マークリストの中から所望のフレームに対応するフレーム情報を選択し、フリーズミックス実行ボタン551Aを操作する。
【0419】
ステップS463の処理後は、ステップS464に進み、ユーザは、フリーズミックスが実行されることによりビューファインダ80に表示されるフリーズミックス画像を見ながら、フリーズミックス画像の画角(構図)と、撮影部504により現在取得(撮影)中の画像の画角を合わせる作業を行う。このとき、ユーザは、必要に応じて、対象フレームのメタデータに含まれるカメラ設定値を、現在の撮影におけるカメラ設定値に設定する。これにより、フリーズミックス画像の対象フレームに、さらに雰囲気が近似する画像を撮影することができる。
【0420】
ステップS464の処理後は、ステップS465に進み、ユーザは、入力部503を操作して、撮影の指令を行うことにより、撮影を行う。
【0421】
次に、カムコーダ21の処理について説明する。
【0422】
ステップS481において、取得部501は、図43のステップS445で素材利用装置29から送信されてくるフリーズミックスデータを受信し、記録再生部502に供給する。記録再生部502は、取得部501からのフリーズミックスデータのうち、フリーズミックスメタデータファイル(F0001M01.txt)を、グループディレクトリ215(図39)に記録させ、それ以外のファイルをクリップディレクトリ(C0004)として記録させる。
【0423】
ステップS481の処理後は、ステップS482に進み、記録再生部502は、ステップS471におけるユーザの入力部503の操作に対応する指定信号に基づいて、ユーザにより指定されたフリーズミックス画像のフリーズミックスメタデータファイルを再生し、そのフリーズミックスメタデータファイルに基づいて、表示制御部505を制御し、ビューファインダ80にクリップリストを表示させる。即ち、記録再生部502は、図41の画面を表示させる。
【0424】
そして、記録再生部502は、入力部503からの指定信号に基づいて、ユーザにより指定されたフリーズミックス画像のクリップディレクトリ(C0004)の画像ファイル(C0004V01.MXF)を表示させる。
【0425】
ステップS482の処理後は、ステップS483に進み、記録再生部502は、入力部503からの指定信号に基づいて、ユーザにより指定されたフリーズミックス画像のクリップディレクトリ(C0004)のノンリアルタイムメタデータファイル(C0004M01.XML)を再生し、そのノンリアルタイムメタデータファイルに記述される電子マークリストに基づいて、表示制御部505を制御し、ビューファインダ80に電子マークリスト表示部551Aを出力部207に表示させる。その結果、ビューファインダ80には、図42の画面が表示される。
【0426】
ステップ483の処理後は、ステップS484に進み、記録再生部502は、ステップS472におけるユーザの入力部521の操作に対応する指定信号に基づいて、フリーズミックス画像の画像ファイルから、対象フレームの画像データを再生し、表示制御部5050を制御して、その画像データに対応するフリーズミックス画像の対象フレームを半透明でビューファインダ80に表示させる。
【0427】
ステップS484の処理後は、ステップS485に進み、撮影部504は、入力部503から供給される、ユーザの撮影の指令に応じて、撮影を行う。
【0428】
なお、上述した図37乃至図44の説明では、ユーザが、現在取得中の画像の画角とフリーズミックス画像の画角を合わせたが、現在取得中の画像の色温度と見本画像の色温度を合わせ、見本画像と色合いの近似する画像を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、ビューファインダ80には、見本画像と現在取得中の画像が別画面として表示され、ユーザは、見本画像と現在取得中の画像を比較して、色温度を調整する。
【0429】
このとき、表示制御部505は、カメラ設定値もビューファインダ80に表示させ、ユーザは、ビューファインダ80に表示されるカメラ設定値を参照して、色温度を調整してもよい。
【0430】
以上のように、フリーズミックス画像が半透明でビューファインダ80に表示されるので、ユーザは、フリーズミックス画像を見ながら、現在取得中の画像の画角を、そのフリーズミックス画像の画角に合わせて、撮影を指令することにより、フリーズミックス画像を見本画像として、見本画像に雰囲気の近似する画像を取得(撮影)することができる。
【0431】
図45は、図12のテープライク再生部293の詳細構成例を示すブロック図である。
【0432】
図45のテープライク再生部293は、制御部571、再生リスト記憶部572、再生部573、および判定部574から構成される。なお、制御部571、記録部572、再生リスト記憶部572、再生部573、および判定部574は、例えば図3のマイコン106から構成される。
【0433】
制御部571は、リムーバブルメディア33に新たなクリップが記録されたかどうかを検出(判定)し、新たに記録されたクリップのUMIDをリムーバブルメディア33から読み出す。制御部571は、そのUMIDを再生リスト記憶部572に供給する。再生リスト記憶部572は、再生対象とするクリップのリストである再生リストを記憶する。また、再生リスト記憶部572は、制御部571から供給されるUMIDを再生リストに登録する。
【0434】
再生部573は、再生リスト記憶部572から再生リストを読み出す。そして、再生部573は、その再生リストに基づいて、リムーバブルメディア33からクリップをテープライク再生し、そのクリップに対応する画像や音声を出力する。
【0435】
判定部574は、リムーバブルメディア33に記録されているフリーズミックスメタデータファイル(F0001M01.txt)に基づいて、再生リスト記憶部572の再生リストに登録されているUMIDが、フリーズミックス画像のクリップのUMIDであるかどうかを判定し、フリーズミックス画像のクリップのUMIDを削除する。
【0436】
次に、図46Aと図46Bを参照して、判定部574が行うUMIDの削除について説明する。
【0437】
まず最初に、再生リスト記憶部572に、図46Aに示す再生リストが記憶されているものとする。即ち、再生リスト記憶部572に記憶されている再生リストには、UMID#1乃至UMID#5が登録されている。
【0438】
ここで、判定部574が、リムーバブルメディア33に記録されているフリーズミックスメタデータファイル(F0001M01.txt)に基づいて、フリーズミックス画像のクリップのUMIDがUMID#3であると判定すると、判定部574は、図46Aの再生リストのUMID#3を削除する。その結果、再生リスト記憶部572に記憶される再生リストは、図46Bに示す再生リストになる。
【0439】
次に、図47を参照して、テープライク再生部293がUMIDを再生リストに登録する登録処理について説明する。
【0440】
ステップS501において、制御部571は、リムーバブルメディア33に新たなクリップが記録されたかどうかを判定し、新たなクリップが記録されていないと判定した場合、新たなクリップが記録されたと判定するまで待機する。
【0441】
一方、ステップS501において、新たなクリップが記録されたと判定された場合、制御部571は、そのクリップのUMIDを再生リスト記憶部572に供給し、ステップS502に進む。ステップS502において、再生リスト記憶部572は、制御部571から供給されるクリップのUMIDを再生リストに登録し、処理を終了する。
【0442】
次に、図48を参照して、図45のテープライク再生部293が再生リストからUMIDを削除する削除処理を説明するフローチャートである。この削除処理は、例えば、図47のステップS502において新たなUMIDが再生リストに登録されたとき、開始される。
【0443】
ステップS521において、判定部574は、リムーバブルメディア33のグループディレクトリ215(図39)に新たなファイルが記録されたかどうかを判定し、新たなファイルが記録されていないと判定した場合、処理を終了する。
【0444】
一方、ステップS521において、リムーバブルメディア33のグループディレクトリ215に新たなファイルが記録されたと判定された場合、ステップS522に進み、判定部574は、そのファイルの種類(フリーズミックスメタデータファイル、グルーピングメタデータファイル)を検出し、ステップS523に進む。
【0445】
ステップS523において、判定部574は、ステップS522で検出された種類に基づいて、グループディレクトリ215に新たに記録されたファイルの中にフリーズミックスメタデータファイルがあるかどうかを判定し、フリーズミックスメタデータファイルがないと判定した場合、処理を終了する。
【0446】
一方、ステップS523において、フリーズミックスメタデータファイルがあると判定された場合、ステップS524に進み、判定部574は、そのフリーズミックスメタデータファイルに基づいて、フリーズミックス画像のクリップのUMIDを検出し、そのUMIDを再生リスト記憶部572の再生リストから削除する。
【0447】
次に、図49乃至図51を参照して、カムコーダ21と素材利用装置29間における通信について説明する。
【0448】
図49は、カムコーダ21の素材利用装置29との通信を行う機能の構成例を示すブロック図である。即ち、図49は、図12のカムコーダ情報送信部291の送信部306(400)と受信部307、および図37の取得部501の機能の全部または一部の構成を示している。
【0449】
図49のカムコーダ21は、検出部601、送信判定部602、受信判定部603、および電源制御部604から構成される。なお、検出部601、送信判定部602、受信判定部603、および電源制御部604は、例えば、図3のマイコン134に対応する。
【0450】
検出部601は、アクセスポイント23の検出を行い、その検出結果を送信判定部602に供給する。送信判定部602は、検出部601からの検出結果に応じて、送信すべきデータ(例えば、状態情報、クリップの各データなど)を、素材利用装置29に送信する。送信判定部602は、送信すべきデータがある旨を電源制御部604に通知し、送信の終了または送信すべきデータがない旨を受信判定部603に通知する。
【0451】
受信判定部603は、送信判定部602からの通知に応じて、素材利用装置29から送信されてくるデータ(例えば、フリーズミックスデータなど)を受信する。受信判定部603は、素材利用装置29から送信されてくるデータがある旨、および受信の終了または素材利用装置29から送信されてくるデータがない旨を、電源制御部604に通知する。
【0452】
電源制御部604は、検出部601からの検出結果、あるいは送信判定部602または受信判定部603からの通知に応じて、レコーダブロック52への電源の供給を制御するための電源制御信号を生成し、電源ブロック54に供給する。
【0453】
次に、図50を参照して、カムコーダ21がレコーダブロック52への電源の供給を制御する電源制御処理について説明する。この電源制御処理は、例えば、カムコーダ21の電源がオンにされたとき、即ち電源部151に電源が供給されたとき、開始される。
【0454】
ステップS601において、検出部601は、図1のアクセスポイント23を検出し、その検出結果を送信判定部602に供給して、ステップS602に進む。ステップS602において、検出部601は、アクセスポイント23を検出することができたかどうかを判定し、その判定の結果を送信判定部602に供給する。ステップS601において、アクセスポイント23を検出することができなかったと判定された場合、検出部601は、アクセスポイント23を検出することができるまで待機する。
【0455】
一方、ステップS602において、アクセスポイント23を検出することができたと判定された場合、ステップS603に進み、送信判定部602は、アクセスポイント23を介するネットワーク31への接続を開始し、ステップS604に進む。
【0456】
ステップS604において、送信判定部602は、素材利用装置29に通信の開始を要求し、ステップS605に進む。
【0457】
ステップS605において、送信判定部602は、送信すべきデータがあるかどうかを判定し、送信すべきデータがあると判定した場合、ステップS606に進む。
【0458】
ステップS606において、電源制御部604は、レコーダブロック52の電源をオンにするように電源制御信号を生成して電源ブロック54に供給することにより、レコーダブロック52の電源をオンにし、ステップS607に進む。ステップS607において、送信判定部602は、送信すべきデータが有る旨を素材利用装置29に通知し、ステップS608に進む。
【0459】
ステップS608において、送信判定部602は、送信すべきデータを素材利用装置29に送信し、ステップS609に進む。ステップS609において、送信判定部602は、送信すべきデータすべての送信が終了したかどうかを判定し、送信すべきデータすべての送信が終了していないと判定した場合、ステップS608に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0460】
ステップS609において、送信すべきデータすべての送信が終了したと判定された場合、ステップS610に進み、受信判定部603は、受信するデータ、即ち素材利用装置29から送信されてくるデータがあるかどうかを判定する。ステップS610において、受信するデータがないと判定された場合、ステップS611に進み、電源制御部604は、レコーダブロック52の電源をオフにするように電源制御信号を生成して電源ブロック54に供給することにより、レコーダブロック52の電源をオフにし、処理を終了する。
【0461】
一方、ステップS605において、送信すべきデータがないと判定された場合、ステップS612に進み、送信判定部602は、送信すべきデータが無い旨を素材利用装置29に通知し、ステップS613に進む。
【0462】
ステップS613において、受信判定部603は、受信するデータがあるかどうか、即ち素材利用装置29から送信されてくるデータがあるかどうかを判定し、受信するデータがあると判定された場合、ステップS614に進む。
【0463】
ステップS614において、電源制御部604は、レコーダブロック52の電源をオンにし、ステップS615に進む。ステップS615において、受信判定部603は、素材利用装置29から送信されてくるデータを受信し、ステップS616に進む。
【0464】
ステップS616において、受信判定部603は、素材利用装置29から送信されてくるすべてのデータの受信が終了したかどうかを判定し、すべてのデータの受信が終了していないと判定された場合、ステップS615に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0465】
一方、ステップS616において、素材利用装置29から送信されてくるデータの受信が終了したと判定された場合、ステップS611に進み、上述したように、電源制御部604は、レコーダブロック52の電源をオフにし、処理を終了する。
【0466】
また、ステップS610において、受信するデータがあると判定された場合、ステップS615に進み、上述した処理を行う。
【0467】
さらに、ステップS613において、受信するデータがないと判定された場合、ステップS614乃至S616をスキップして、ステップS611に進み、上述した処理を行う。
【0468】
以上のように、カムコーダ21では、アクセスポイント23が検出された場合、データを送信または受信している間、レコーダブロック52の電源がオンにされる。
【0469】
また、カムコーダ21では、アクセスポイント23が検出されない場合、即ちインターネット31を介して通信を行うことが不可能である場合、送受信対象となるクリップなどのデータを再生または記録するレコーダブロック52の電源をオフするので、カムコーダ21の消費電力を削減することができる。
【0470】
また、アクセスポイントを検出することができた場合、カムコーダ21は、ネットワーク31への接続を自動的に開始するので、ユーザは、ネットワーク31への接続の開始を指令する必要がなく、ユーザの手間を省くことができる。
【0471】
なお、上述した説明では、レコーダブロック52の電源、即ちレコーダブロック52を構成するすべての部へ供給する電源をオンにしたが、レコーダブロック52のうち記録または再生に用いられる部へ供給する電源だけを、オンにするようにしてもよい。この場合、送信すべきデータがあるとき、再生に用いられる部へ供給する電源がオンにされ、受信するデータがあるとき、記録に用いられる部へ供給する電源がオンにされる。
【0472】
次に、図51を参照して、素材利用装置29がカムコーダ21と通信を行う通信処理について説明する。なお、この通信処理は、図14のカムコーダ情報管理部311の状態取得部321、データ取得部324、および制御部328、並びにフリーズミックス送信部312の送信部524で行われるが、図51では、説明の便宜上、状態取得部321で行われるものとして説明する。
【0473】
ステップS651において、状態取得部321が、図50のステップS604で送信判定部602に通信の開始が要求されたかどうかを判定し、通信の開始が要求されていないと判定した場合、通信の開始が要求されるまで待機する。
【0474】
一方、ステップS651において、通信の開始が要求されたと判定された場合、ステップS652に進み、状態取得部321は、カムコーダ21との通信を開始して、ステップS653に進む。
【0475】
ステップS653において、状態取得部321は、受信するデータがあるかどうか、即ち図50のステップS607で送信判定部602により送信すべきデータが有る旨が通知されたかどうかを判定する。ステップS653において、受信するデータがあると判定された場合、ステップS654に進み、状態取得部321は、送信判定部602から送信されてくるデータを受信する。
【0476】
ステップS654の処理後は、ステップS655に進み、状態取得部321は、送信判定部602から送信されてくるすべてのデータの受信が終了したかどうかを判定し、受信が終了していないと判定した場合、ステップS654に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0477】
一方、ステップS655において、受信が終了したと判定された場合、ステップS656に進み、状態取得部321は、カムコーダ21に送信すべきデータがあるかどうかを判定し、送信すべきデータがないと判定した場合、ステップS657に進む。
【0478】
ステップS657において、状態取得部321は、送信すべきデータが無い旨をカムコーダ21に通知し、処理を終了する。
【0479】
また、ステップS653において、受信するデータがないと判定された場合、ステップS658において、ステップS656と同様に、状態取得部321は、カムコーダ21に送信すべきデータがあるかどうかを判定し、送信すべきデータがあると判定した場合、ステップS659に進む。
【0480】
ステップS659において、状態取得部321は、送信すべきデータが有る旨をカムコーダ21に通知する。このように、送信すべきデータが有る旨がカムコーダ21に通知された場合、図50のステップS610またはS613では、受信するデータがあると判定される。ステップS659の処理後は、ステップS660に進み、状態取得部321は、送信すべきデータをカムコーダ21に送信し、ステップS661に進む。ステップS661において、状態取得部321は、送信すべきデータのすべて送信が終了したかどうかを判定し、送信が終了していないと判定した場合、ステップS660に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0481】
一方、ステップS661において送信が終了したと判定された場合、処理は終了する。また、ステップS658において送信すべきデータがないと判定された場合、ステップS662に進み、状態取得部321は、ステップS657と同様に、送信すべきデータが無い旨を通知する。以上のように、ステップS657またはステップS662で送信すべきデータが無い旨が通知された場合、図50のステップS610またはS613では、受信するデータがないと判定される。
【0482】
また、ステップS656において、送信すべきデータがあると判定された場合、ステップS659に進み、上述した処理が行われる。
【0483】
なお、上述した図49乃至図51の説明では、検出部601がアクセスポイント23を検出する場合、送信判定部602が、ネットワーク31への接続を自動で開始するようにしたが、ネットワーク31への接続を手動で開始するようにしてもよい。即ち、カムコーダ31は、アクセスポイント23を検出した場合、図3のLCD112などにより、アクセスポイントの検出が有る旨をユーザに通知し、その通知を受けたユーザがネットワーク31への接続の開始を指令するとき、ネットワーク31への接続を開始するようにしてもよい。
【0484】
また、ユーザが、ネットワーク31への接続の開始を自動または手動のいずれで行うかを選択することができるようにしてもよい。
【0485】
さらに、上述した説明では、図6のグルーピングメタデータに項目「送信履歴」を設けたが、項目「送信履歴」を設けなくてもよい。この場合、送信部306(400)は、例えば、送信済みのクリップのノンリアルタイムメタデータファイル(C0001M01.XML)に送信済みを表すデータを記録したり、送信済みのクリップのUMIDのインスタンス番号を変更する。
【0486】
また、グルーピングメタデータの内容の項目「送信先」(図6)には、項目「ウェブサイトURL」ではなく、FTPサイトのURLが記述される項目「FTPサイトURL」が設けられるようにしてもよい。
【0487】
以上のように、カムコーダ21では、送信部306(400)が、画像データに関連するデータを、素材データより先に送信するようにしたので、他の装置にデータを送信する場合において、他の装置にデータの内容を素早く把握させることができる。
【0488】
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0489】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0490】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0491】
【図1】本発明を適用したネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】テレビジョン番組を制作する作業者のワークフローを詳細に説明する図である。
【図3】図1のカムコーダのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図4】図1の素材利用装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図5】リムーバブルメディアに記録されるファイルのディレクトリ構造を表す画面の例を示す図である。
【図6】グルーピングメタデータの項目の内容の例を示す図である。
【図7】グルーピングメタデータの例を示す図である。
【図8】記録部に記録されるファイルのディレクトリ構造を表す画面の例を示す図である。
【図9】図8の実体ディレクトリの構成を示す図である。
【図10】現在画像ファイルを開いたとき表示される画面の例を示す図である。
【図11】クリップディレクトリを開いたとき表示される画面の例を示す図である。
【図12】カムコーダの機能的構成例を示すブロック図である。
【図13】カムコーダ情報送信部の詳細構成例を示すブロック図である。
【図14】素材利用装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【図15】カムコーダ情報管理部の詳細構成例を示すブロック図である。
【図16】現在取得中のクリップの素材データの通信について説明する図である。
【図17】表示処理を説明するフローチャートである。
【図18】ファイル送信処理を説明するフローチャートである。
【図19】ファイル送信処理を説明するフローチャートである。
【図20】クリップ送信処理を説明するフローチャートである。
【図21】ファイル受信処理を説明するフローチャートである。
【図22】クリップ受信処理を説明するフローチャートである。
【図23】削除処理を説明するフローチャートである。
【図24】カムコーダ情報送信部の他の詳細構成例を示すブロック図である。
【図25】送信モードを設定するための画面の例を示す図である。
【図26】送信対象のクリップの例を示す図である。
【図27】送信リストの例を示す図である。
【図28】送信リスト作成処理を説明するフローチャートである。
【図29】送信リストの他の例を示す図である。
【図30】他の送信リスト作成処理を説明するフローチャートである。
【図31】送信リストのさらに他の例を示す図である。
【図32】さらに他の送信リスト作成処理を説明するフローチャートである。
【図33】送信リストのさらに他の例を示す図である。
【図34】さらに他の送信リスト作成処理を説明するフローチャートである。
【図35】記録処理を説明するフローチャートである。
【図36】他の記録処理を説明するフローチャートである。
【図37】フリーズミックス処理部の詳細構成例を示すブロック図である。
【図38】フリーズミックス送信部の詳細構成例を示すブロック図である。
【図39】リムーバブルメディアに記録されるフリーズミックスデータのファイルを含むファイルのディレクトリ構造を表す画面の例を示す図である。
【図40】フリーズミックスメタデータの例を示す図である。
【図41】フリーズミックス画像を指定するための画面の例を示す図である。
【図42】フリーズミックス画像を指定するための他の画面の例を示す図である。
【図43】フリーズミックスデータを送信する処理を説明する図である。
【図44】フリーズミックスを行う処理を説明する図である。
【図45】テープライク再生部の詳細構成例を示す図である。
【図46】再生リストの例を示す図である。
【図47】登録処理を説明するフローチャートである。
【図48】削除処理を説明するフローチャートである。
【図49】素材利用装置との通信を行う機能の構成例を示すブロック図である。
【図50】電源制御処理を説明するフローチャートである。
【図51】通信処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0492】
1 ネットワークシステム, 21,22 カムコーダ, 23,24 アクセスポイント, 28 素材サーバ, 29 素材利用装置, 31 ネットワーク, 32 イントラネット, 33 リムーバブルメディア, 51 カメラブロック, 52 レコーダブロック, 53 通信ブロック, 54 電源ブロック, 55 マイクロフォン, 56 スピーカ, 74 ビデオ符号化部, 101 オーディオ符号化部, 105 オーディオ復号部, 106 マイコン, 111 ビデオ復号部, 305 作成部, 306 送信部, 321 状態取得部, 322 データ記録部, 323 削除部, 324 データ取得部, 325 データ記録部, 326 表示制御部, 501 取得部, 502 記録再生部, 503 入力部, 504 撮影部, 505 表示制御部, 601 検出部, 602 送信判定部, 603 受信判定部, 604 電源制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データと、前記画像データに比べてデータ量の少ない、その画像データに関連する関連データを送信する送信手段を備え、
前記送信手段は、前記関連データを、前記画像データより先に送信する
情報処理装置。
【請求項2】
前記関連データは、前記画像データのメタデータ、前記画像データに比べて解像度の低いプロキシ画像データ、および前記画像データの第1のサムネイル画像データである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記画像データ、前記メタデータ、前記プロキシ画像データ、および前記第1のサムネイル画像データを、前記メタデータ、前記第1のサムネイル画像データ、前記プロキシ画像データ、前記画像データの順に送信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロキシ画像データの送信に要する時間である送信時間が所定の時間以上である場合、前記画像データの第2のサムネイル画像データを作成する作成手段
をさらに備え、
前記送信手段は、前記送信時間が所定の時間以上である場合、前記プロキシ画像データの代わりに、前記第2のサムネイル画像データを送信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像データに対する優先順位を決定する決定手段
をさらに備え、
前記送信手段は、前記決定手段により決定される優先順位に基づいて、前記画像データと、その画像データの前記関連データを送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
画像データに比べてデータ量の少ない、前記画像データに関連する関連データを、その画像データより先に送信する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項7】
画像データに比べてデータ量の少ない、前記画像データに関連する関連データを、その画像データより先に送信する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【公開番号】特開2007−150781(P2007−150781A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343186(P2005−343186)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】