説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】携帯機器を保有している外出先でも、屋内の記録装置と同様の早見再生を行うことができるようにする。
【解決手段】記録装置は、転送対象のタイトルを記録装置内部で早見再生するとともに、早見再生しているタイトルを再記録する(S1)。記録装置は、転送対象のタイトルの通常再生コンテンツ用のチャプタ情報に対して、早見時間軸変換処理を施して、早見再生ファイル用のチャプタ情報を生成する(S2,S3)。記録装置は、早見再生ファイルにチャプタ情報を付加する(S4)。本発明は、例えばコンテンツを送受信して再生を行う再生装置に適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法並びにプログラムに関し、特に、携帯機器を保有している外出先でも、屋内の記録装置と同様の早見再生を行うことができるようになった情報処理装置および方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン放送の録画等を行う記録装置は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などの大容量記録媒体の導入により、長時間の記録ができるようになってきた。
【0003】
一方でユーザの視聴時間は有限である。よって、その有限時間内で長時間録画した番組などをユーザが視聴できるように、再生時間を短縮する機能を有する記録装置も近年登場してきている。即ち、再生時間を短縮する機能とは、通常再生速度よりも速い速度で再生する機能であるいわゆる「音声付き早見再生(以下、早見再生と称する)」や、ハイライトシーンのみを抽出して再生する機能であるいわゆる「ダイジェスト再生」や「ハイライト再生」といった機能をいう。また、ユーザが外出先でも視聴できるように、携帯機器用の動画ファイル(以下、携帯動画ファイルと称する)を作成して、携帯機器に転送する機能を有する記録装置も近年登場してきている(特許文献1乃至5参照)。
【0004】
このような状況の下、携帯機器を保有している外出先でも、屋内の記録装置と同様の早見再生を行いたいという要望が多数のユーザから挙げられるようになってきている。
【特許文献1】特開2005−251374号公報
【特許文献2】特開2004−40629号公報
【特許文献3】特開2006−54619号公報
【特許文献4】特開2003−37817号公報
【特許文献5】特開2006−4543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現状、かかる要望に十分に応えることができているとは言い難い状況である。
【0006】
即ち、そもそも、早見再生機能を有しない携帯機器が多い。よって、このような早見再生機能を有していない携帯機器を利用して、早見再生を可能にするためには、携帯動画ファイル自身を早見再生専用のファイルとしておく必要がある。即ち、例えばフレームの間引き処理が施された映像信号や音声信号を含むように、携帯動画ファイルを予め作成しておく必要がある。
【0007】
従来の技術で、このような早見再生専用の携帯動画ファイルを作成する手法としては、次のような手法が存在した。即ち、早見再生機能とHDDを有する第1の装置と、携帯動画ファイル作成機能を有する第2の装置とを接続して、第1の装置に、HDDに録画された放送番組等の早見再生を行わせ、その早見再生がなされた際の映像信号と音声信号とを第1の装置から第2の装置に転送させ、第2の装置に、入力された映像信号と音声信号とを含む携帯動画ファイルを作成させる、といった手法が従来存在する。
【0008】
しかしながら、かかる手法では、早見再生された放送番組等が持つ付加情報(メタデータ等)のうちの、チャプタ情報など時間に関わる付加情報は、携帯動画ファイルに引き継がれないことになる。また、かかる手法は、アナログ放送の放送番組には適用できるが、デジタル放送の放送番組には適用できない。現在のデジタル放送は1回のみコピーを許可するコピーワンスでほとんど放送されており、HDDに録画されたデジタル放送番組はコピー禁止のコピーネバーになるためである。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、携帯機器を保有している外出先でも、屋内の記録装置と同様の早見再生を行えるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の情報処理装置は、コンテンツの記録を制御する情報処理装置であって、前記コンテンツの再生形態を、第1の時間軸に従って再生される第1の形態から、前記第1の時間軸とは異なる第2の時間軸で再生される第2の形態に変換する再生形態変換手段と、前記第1の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第1の情報を、前記第2の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第2の情報に変換する情報変換手段と、前記再生形態変換手段により再生形態が前記第2の形態に変換された前記コンテンツと、前記情報変換手段により前記第1の情報から変換された前記第2の情報とを対応付けて、第1の記録媒体に記録することを制御する記録制御手段とを備える。
【0011】
前記第1の記録媒体には、前記第1の形態の前記コンテンツと前記第1の情報を含む第1のファイルが予め記録されており、前記記録制御手段は、さらに、前記第2の形態の前記コンテンツと前記第2の情報を含む第2のファイルを生成し、前記第2のファイルを前記第1のファイルと対応付けて前記第1の記録媒体に記録することを制御する。
【0012】
前記情報処理装置は、さらに、前記第2のファイルを前記第1の記録媒体からムーブ先の第2の記録媒体に転送し、前記第1のファイルに含まれる前記コンテンツの再生可否を、再生可能な活性状態から、再生不可能な不活性状態に遷移させることで、ムーブアウトを行う。
【0013】
前記情報処理装置は、さらに、前記ムーブアウト後、前記第2の記録媒体を占有して前記情報処理装置の管理下においたとき、前記第1のファイルに含まれる前記コンテンツの状態を前記不活性状態から前記活性状態に一時的に遷移させる。
【0014】
前記情報処理装置は、さらに、前記第2の記録媒体を占有して前記情報処理装置の管理下においた後、その管理下から前記第2の記録媒体を外したとき、前記第1のファイルに含まれる前記コンテンツの状態を前記一時的な活性状態から前記不活性状態に遷移させる。
【0015】
本発明の一側面の情報処理方法およびプログラムは、上述した本発明の一側面の情報処理装置に対応する方法およびプログラムである。
【0016】
本発明の一側面の情報処理装置および方法並びにプログラムにおいては、コンテンツの再生形態が、第1の時間軸に従って再生される第1の形態から、前記第1の時間軸とは異なる第2の時間軸で再生される第2の形態に変換され、前記第1の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第1の情報が、前記第2の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第2の情報に変換され、再生形態が前記第2の形態に変換された前記コンテンツと、前記第1の情報から変換された前記第2の情報とが対応付けられて、記録媒体に記録される。
【発明の効果】
【0017】
以上のごとく、本発明の一側面によれば、早見再生が実現できる。特に、携帯機器を保有している外出先でも、屋内の記録装置と同様の早見再生を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0019】
本発明の一側面の情報処理装置(例えば図1の記録装置11)は、
コンテンツの記録を制御する情報処理装置であって、
前記コンテンツの再生形態を、第1の時間軸に従って再生される第1の形態(例えば図3の通常再生コンテンツであって、図7のストリームファイルに含まれるMPEG2 PS or TS)から、前記第1の時間軸とは異なる第2の時間軸で再生される第2の形態(例えば図3の早見再生コンテンツであって、例えば図7の早見再生ファイルであるMP4ファイルに含まれるmdat)に変換する再生形態変換手段(例えば図1や図7のAVエンコーダ24とAVデコーダ25)と、
前記第1の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第1の情報(例えば図3の通常再生コンテンツの時間軸に対して△(三角印)で付された各チャプタポイント位置からなるチャプタ情報であって、図7のストリームファイル内のチャプタ情報)を、前記第2の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第2の情報((例えば図3の早見再生コンテンツの時間軸に対して△(三角印)で付された各チャプタポイント位置からなるチャプタ情報であって、図7の早見再生ファイルであるMP4ファイル内のmoovに含めるチャプタ情報)に変換する情報変換手段(例えば図1や図7のCPU21)と、
前記再生形態変換手段により再生形態が前記第2の形態に変換された前記コンテンツと、前記情報変換手段により前記第1の情報から変換された前記第2の情報とを対応付けて(図7の例では、同一の早見再生ファイルに含めて)、第1の記録媒体(例えば図1や図7のHDD34)に記録することを制御する記録制御手段(例えば図1や図7のディスクコントローラ27)と
を備える。
【0020】
前記第1の記録媒体には、前記第1の形態の前記コンテンツと前記第1の情報を含む第1のファイル(例えば図7のストリームファイル)が予め記録されており、
前記記録制御手段は、さらに、前記第2の形態の前記コンテンツと前記第2の情報を含む第2のファイルを生成し、前記第2のファイル(例えば図7の早見再生ファイル)を前記第1のファイルと対応付けて前記第1の記録媒体に記録することを制御する。
【0021】
前記情報処理装置は、さらに、
前記第2のファイルを前記第1の記録媒体からムーブ先の第2の記録媒体(例えば図1の外部記録媒体12)に転送し、前記第1のファイルに含まれる前記コンテンツの再生可否を、再生可能な活性状態から、再生不可能な不活性状態に遷移させることで、ムーブアウトを行う。
【0022】
本発明の一側面の情報処理方法およびプログラムは、例えば上述した本発明の一側面の情報処理装置に対応する方法およびプログラムである。かかるプログラムは、例えば図1のCPU21を含むコンピュータにより実行される。
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明が適用される情報処理装置の実施の形態としての記録装置の構成例を示している。
【0025】
図1の記録装置11において、CPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22に記録されているプログラム、または記憶部34からRAM(Random Access Memory)23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM23にはまた、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0026】
CPU21、ROM22、およびRAM23は、バス29(以下、ストリームバス29と称する)を介して相互に接続されている。このストリームバス29にはまた、AVエンコーダ24、AVデコーダ25、チューナ26、ディスクコントローラ27、および入出力インタフェース28が接続されている。
【0027】
AVエンコーダ24、AVデコーダ25、およびチューナ26はまた、バス30(以下、AVバス30と称する)を介して相互に接続されている。
【0028】
AVエンコーダ24は、映像信号と音声信号とをそれぞれ、所定の符号化方式に従って圧縮符号化し、その後、必要に応じて多重化したり暗号化する。なお、AVエンコーダ24が採用する符号化方式は、特に限定されない。具体例については後述するが、本実施の形態では、複数種類の符号化方式が採用されている。よって、AVエンコーダ24は、符号化方式の種類を自在に切り換えることができるように構成されている。
【0029】
AVデコーダ25は、所定の符号化方式により圧縮符号化された映像信号と音声信号を、伸張復号化する。ただし、伸張復号化の対象データが暗号化データであった場合には、AVデコーダ25は、その暗号化データを解読(復号)した上で、伸張復号化する。また、伸張復号化の対象データが多重化データであった場合には、AVデコーダ25は、その多重化データを逆多重化した上で、伸張復号化する。即ち、AVデコーダ25は、映像信号と音声信号とに分離した上で、分離後の各信号をそれぞれ伸張復号化する。本実施の形態では、上述の如く複数種類の符号化方式が採用されている。よって、AVデコーダ25もまた、処理対象の符号化方式の種類に応じた伸張復号化の処理ができるように構成されている。
【0030】
チューナ26は、ユーザにより選択されたチャンネル(入力部31の入力に対応するチャンネル)または予め設定されたチャンネルの放送電波、即ち、そのチャンネルに対応する放送局から放送された放送電波を図示せぬアンテナを介して受信して復調する。本実施の形態では、このチューナ26は、いわゆるアナログ放送のチューナとデジタル放送のチューナとの両者を含むように構成されている。
【0031】
このようなAVエンコーダ24、AVデコーダ25、およびチューナ26が接続されるAVバス30にはまた、外部入出力処理部38も接続されている。外部出力処理部38は、ディスプレイ装置等の外部装置との間での映像信号や音声信号の入出力処理を適宜実行する。
【0032】
ディスクコントローラ27は、各種情報を、HDD(Hard Disk Drive)などより構成される記憶部34に読み書きする制御を行う。
【0033】
また、ディスクコントローラ27は、各種情報を、外部インタフェース35を介して、外部記録媒体12に読み書きする制御を行う。即ち、各種情報が、記録装置11から外部記録媒体12に転送可能とされている。なお、かかる転送の一例として、ムーブアウトについて後述する。また、各種情報が、外部記録媒体12から記録装置11にも転送可能とされている。なお、かかる転送の一例として、ムーブバックについて後述する。
【0034】
さらにまた、ディスクコントローラ27は、各種情報を、ドライブ36を介して、リムーバブルメディア37に読み書きする制御を行う。リムーバブルメディア37は、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアとして構成される。
【0035】
入出力インタフェース28には、各種キーなどよりなる入力部31、ディスプレイやスピーカなどよりなる出力部32、および、モデムやターミナルアダプタなどより構成される通信部33が接続されている。通信部33は、インターネットを含むネットワークを介して他の情報処理装置との通信処理を行う。
【0036】
このような図1の構成の記録装置11は様々な動作を行うことができる。そこで、以下、記録装置11の動作の幾つかの例について順次説明していく。
【0037】
記録装置11は、基本的な動作として、コンテンツを記録することができる。
【0038】
ここに、コンテンツとは、広く、人間の創造的活動により生み出されるものである。例えば、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲームその他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像若しくはこれらを組み合わせたものまたはこれらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラムが、コンテンツの一例である。
【0039】
以下、これらのうちの、映像と音声から構成されるコンテンツが、記録装置11の主な記録対象であるとして説明していく。より具体的には、アナログ放送またはデジタル放送の番組を構成するコンテンツが、記録装置11の主な記録対象であるとして説明していく。
【0040】
また、コンテンツの記録場所は、特に限定されず、例えばリムーバブルメディア37等も可能であるが、以下説明の便宜上、記憶部34(以下、HDD34とも称する)であるとする。
【0041】
また、コンテンツのHDD34への記録形態も、特に限定されない。ただし、本実施の形態では、コンテンツは、タイトル毎に管理されているとする。そして、1つのタイトルがHDD34に記録される場合、記録装置11内での再生に適した符号化方式で符号化された形態のコンテンツ(以下、記録装置用コンテンツと称する)と、転送先の外部記録媒体12による再生に適した符号化方式で符号化された形態のコンテンツ(以下、外部記録媒体転送用コンテンツと称する)とが生成され、それらの両形態が対応付けられてHDD34に記録されるとする。
【0042】
より正確には、例えば本実施の形態では、記録装置用コンテンツと外部記録媒体転送用コンテンツとはそれぞれ、別々のファイルに含められてHDD34に記録されているとする。よって、以下、これらのファイルの区別を明確なものとすべく、記録装置用コンテンツが含められるファイルを、ストリームファイルと称する一方、外部記録媒体転送用コンテンツが含められるファイルを、携帯動画ファイルと称する。
【0043】
具体的には例えば本実施の形態では、図2に示されるように、「9時のニュース」、「ワールドカップ」、「今日の料理」といった1つの放送番組が1つのタイトルとして管理されている。そして、この1つの放送番組について、ストリームファイルと携帯動画ファイルとがそれぞれ構成されて、相互に対応付けられてHDD34に記録される。なお、図2の例では、「9時のニュース」について、ニュースという名称のストリームファイルと携帯動画ファイルのみが図示されている。
【0044】
換言すると、ユーザにとっては、ストリームファイルと携帯動画ファイルとの区別を特に認識する必要はなく、あくまでも、記録単位はタイトルであると認識して操作することができる。
【0045】
例えば、ユーザは、所定タイトルの視聴(再生)を所望する場合、図2に示されるようなタイトルリストに掲載されている複数のタイトルの中から、所望の1つを選択する操作をするだけでよい。さらに、この場合、ユーザが選択できる再生の種類としては、通常速度(1倍速)の再生(以下、通常再生と称する)に加え、各種各様の特殊再生、例えば、通常速度よりも高速度での再生、即ち、早見再生も存在する。さらに、ユーザは、早見再生における再生速度(以下、早見速度と称する)も選択できるとする。
【0046】
そこで、以下、記録装置11の動作の一例として、早見再生の動作について説明する。
【0047】
ディスクコントローラ27は、ユーザにより選択されたタイトルのストリームファイル(記録装置用コンテンツ)を、HDD34から早見速度に応じて読み出して、AVデコーダ25に提供する。
【0048】
ここで、記録装置用コンテンツは、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)-2システムストリームであるとする。
【0049】
この場合、記録装置用コンテンツは暗号化されているので、AVデコーダ25は、それを適切に解読(復号)し、さらに、映像ストリームと音声ストリームとに分離し、それぞれ伸張復号化する。AVデコーダ25は、この伸張復号化の前後で、例えば早見速度に応じたフレーム間引き処理を行う。なお、以下、かかるフレーム間引き処理を伴うAVデコーダ25の一連の処理を、間引きデコードと称する。間引きデコードの結果、早見速度に応じてフレームが適宜間引きかれた映像ベースバンド信号や音声PCM信号が得られ、外部入出力処理部38に提供される。
【0050】
外部入出力処理部38は、映像ベースバンド信号や音声PCM信号を、モニタ装置等の外部装置に出力する。その際、外部入出力処理部38は、例えば、グラフィック重畳処理、ダウンミックス処理、フィルタリング処理、D/A変換処理等を必要に応じて適宜実行する。
【0051】
これにより、ユーザは、モニタ装置等の外部装置から早見再生されるタイトルを視聴することができるようになる。
【0052】
次に、記録装置11の動作の別の例として、所定の放送番組を1つのタイトルとしてHDD34に記録するまでの一連の動作について説明する。
【0053】
ただし、アナログ放送の放送番組と、デジタル放送の放送番組とは、受信時の信号形態が異なるので、次のように動作が若干異なることになる。
【0054】
即ち、 アナログ放送の放送番組の場合、 チューナ26や外部入出力処理部38から入力されたアナログの映像信号と音声信号は、チューナ26や外部入出力処理部38において、A/D変換処理が施され、その結果、デジタル化された映像ベースバンド信号や音声PCM信号となり、AVエンコーダ24に入力される。
【0055】
AVエンコーダ24は、デジタル化された映像ベースバンド信号や音声PCM信号を、例えばMPEG-2などの圧縮符号化された映像ストリームと音声ストリームとして、それらを多重化して、MPEG-2システムストリームとし、さらに暗号化を施し、その結果得られるストリームを記録装置用コンテンツとして、ディスクコントローラ27に提供する。
【0056】
ディスクコントローラ27は、この記録装置用コンテンツをストリームファイルに含めてHDD34に記録する。
【0057】
このような記録装置用コンテンツの記録と並行して、外部記録媒体転送用コンテンツも次のようにしてHDD34に記録される。
【0058】
即ち、AVエンコーダ24は、デジタル化された映像ベースバンド信号や音声PCM信号を、例えばMPEG-4などの圧縮符号化された映像ストリームと音声ストリームとして、それらを必要に応じて暗号化して多重化することで、MP4ファイル化して、ディスクコントローラ27に提供する。
【0059】
ディスクコントローラ27は、かかるMP4ファイルを携帯動画ファイルとしてHDD34に記録する。
【0060】
その際、これらのストリームファイルと携帯動画ファイルとは、所定タイトルの対となるファイルとして相互に対応付けられてHDD34に記録されることになる。
【0061】
以上説明したアナログ放送の放送番組の場合の記録動作に対して、デジタル放送の放送番組の場合の記録動作は次のようにしてなされる。
【0062】
即ち、デジタル放送の放送番組はチューナ26で受信され、例えば、暗号化されたMPEG-2システムストリームとして、AVデコーダ25に入力される。
【0063】
AVデコーダ25は、この暗号化されたMPEG-2システムストリームを復号(解読)する。そして、AVデコーダ25は、解読後のMPEG-2システムストリームを、映像ストリームと音声ストリームとに分離し、それぞれ伸張復号化する。これにより、デジタル化された映像ベースバンド信号や音声PCM信号が得られ、AVエンコーダ24に入力される。
【0064】
AVエンコーダ24は、デジタル化された映像ベースバンド信号や音声PCM信号を、例えばMPEG-2などの圧縮符号化された映像ストリームと音声ストリームとして、それらを多重化して、MPEG-2システムストリームとし、さらに暗号化を施し、その結果得られるストリームを記録装置用コンテンツとして、ディスクコントローラ27に提供する。
【0065】
ディスクコントローラ27は、この記録装置用コンテンツをストリームファイルに含めてHDD34に記録する。
【0066】
このような記録装置用コンテンツの記録と並行して、外部記録媒体転送用コンテンツも次のようにしてHDD34に記録される。
【0067】
即ち、AVエンコーダ24は、デジタル化された映像ベースバンド信号や音声PCM信号を、例えばMPEG-4などの圧縮符号化された映像ストリームと音声ストリームとして、それらを必要に応じて暗号化して多重化することで、MP4ファイル化して、ディスクコントローラ27に提供する。
【0068】
ディスクコントローラ27は、かかるMP4ファイルを携帯動画ファイルとしてHDD34に記録する。
【0069】
その際、これらのストリームファイルと携帯動画ファイルとは、所定タイトルの対となるファイルとして相互に対応付けられてHDD34に記録されることになる。
【0070】
なお、上述した記録の動作はあくまでも例示にしか過ぎない。即ち、最終的に、1つのタイトルについて、ストリームファイルと携帯動画ファイルとが対となって相互に対応付けられて記録されれば足りるのであって、それまでの動作の流れや方法は特に限定されない。具体的には例えば、記録装置11は、デジタル放送の放送番組については、チューナ26に受信されたストリームを解読(復号)した後、再度暗号化し、映像や音声の圧縮符号化処理を伴わずにHDD34に記録するようにしてもよい。
【0071】
ここで、本実施の形態で携帯動画ファイルとして採用されているMP4ファイルについて、その概略を説明する。
【0072】
MP4ファイルとは、ISO/IEC14496-12に基づくMP4形式のファイルをいい、具体的には次のような構成をとるファイルをいう。
【0073】
即ち、 MP4ファイルは、動画と音声の符号化データの集合であるmdatと、それらのデータ位置と提示時間のテーブルを中心としたmoovと称されるデータから主に構成される。
【0074】
mdatが、本実施の形態でいう外部記録媒体転送用コンテンツに該当する。
【0075】
moovは、動画や音声のトラックから構成されている。 各トラックは、アクセスユニット(動画なら1ピクチャ)のファイル先頭からのデータ位置と提示時間のテーブルなどを格納している。 moovには、タイトル名や作成日時といったメタデータを格納することもできる。即ち、moovには、記録媒体転送用コンテンツに関する各種メタデータを格納することができる。
【0076】
そこで、例えばチャプタポイントの時間的配置位置(以下、チャプタポイント位置と称する)をメタデータのひとつとしてmoovに含めることもできる。
【0077】
ここで、チャプタポイントの伏し方の手法自体は、特に限定されない。例えば、コンテンツ中の所定の特徴を示す点(以下、特徴点と称する)を検出し、その特徴点をチャプタポイントとするという手法を採用することができる。本実施の形態でもかかる手法が採用されているとする。
【0078】
即ち、かかる手法を実現すべく、本実施の形態の記録装置11は、特徴点を検出できる機能を有しているとする。即ち、上述したように、コンテンツがHDD34に記録されるまでの期間には、コンテンツの形態が、映像ベースバンド信号や音声PCM信号となるタイミングがある。そこで、例えば、CPU21は、かかるタイミングにおいて、映像ベースバンド信号または音声PCM信号を所定単位毎(例えばフレーム毎、GOP毎、チャンク毎等)に解析することで、所定の特徴量をその都度検出し、それらの特徴量の時系列推移を認識する。そして、CPU21は、その認識結果に基づいて、特徴点を検出する。CPU21は、かかる特徴点をチャプタポイントとして、各チャプタポイント位置を示す情報(以下、チャプタ情報と称する)を生成する。
【0079】
この場合、CPU21は、チャプタ情報をコンテンツのメタデータとしてHDD34に記録させるように制御することができる。即ち、CPU21は、チャプタ情報を、対応する携帯動画ファイルのmoovに付加することができる。
【0080】
チャプタ情報のmoovへの付加手法自体は、特に限定されないが、例えば次のような手法を採用することができる。
【0081】
第1の手法とは、moovのユーザ領域に、チャプタの時間情報を順に並べる手法である。
【0082】
第2の手法とは、moovにチャプタトラックを用意して、チャプタ画像とチャプタ時間情報のテーブルを格納する手法である。
【0083】
なお、かかるチャプタ情報は、記録装置11上での再生時にも利用可能であるので、対となるストリームファイル、即ち、同一タイトルの記録装置用コンテンツを含むストリームファイルに含めることもできる。
【0084】
さらに言えば、チャプタ情報は、外部記録媒体転送用コンテンツとしてのmdatと対応付けられていれば足り、moovに格納することは必須ではない。
【0085】
例えば、mdatを含むMP4ファイルとは別に、そのMP4ファイルと対になるチャプタ専用ファイルを用意して、その専用ファイルに、チャプタの時間情報を並べるか、チャプタ画像とチャプタ時間情報のテーブルを格納する、という手法を採用することもできる。
【0086】
或いはまた、外部記録媒体12に記録されているMP4ファイルのデータベースを記録装置11のHDD34等に用意して、そのデータベースにチャプタ情報を登録する、即ち、そのデータベースに、チャプタの時間情報を並べるか、チャプタ画像とチャプタ時間情報のテーブルを格納する、という手法を採用することもできる。
【0087】
以上、記録装置11の動作の一例として、タイトルの早見再生の動作(以下、早見再生動作と称する)と、タイトルのHDD34への記録(ストリームフィルや携帯動画ファイルの作成)の動作(以下、コンテンツ記録動作と称する)について説明した。
【0088】
ここで、早見再生動作とコンテンツ記録動作とはそれぞれ独立した動作であるため、並列実行、即ち、同時実行が可能である。
【0089】
してみると、記録装置11は、HDD34に記録された所定タイトルを早見再生しつつ、即ち、フレーム間引き等が施された早見再生用のストリームを生成しつつ、その早見再生用のストリームを、外部記録媒体転送用コンテンツとして、携帯動画ファイルに含めてHDD34に再記録することもできる。以下、かかる早見再生用の携帯動画ファイルを、通常再生用の携帯動画ファイルと区別すべく、早見再生ファイルと称する。また、早見再生ファイルに含められる外部記録媒体転送用コンテンツを、早見再生コンテンツと称する。
【0090】
かかる早見再生ファイルにもチャプタ情報を含めることができれば、ユーザは、早見再生機能を有しない外部の再生装置を用いても、所望のチャプタポイント位置から早見再生を行うことができるようになり、便宜である。
【0091】
しかしながら、早見再生コンテンツとは、通常再生用の記録装置用コンテンツ(以下、早見再生コンテンツとの対比をする場合、通常再生コンテンツと称する)から何枚かのフレームが適宜間引かれたコンテンツである。換言すると、早見再生コンテンツに含まれるフレームは、通常再生コンテンツにも含まれているが、当該同一フレームの再生時刻(時間的配置位置)は全く異なっている。即ち、通常再生コンテンツの時間軸と、早見再生コンテンツの時間軸は異なっている。よって、通常再生コンテンツにおけるチャプタポイント位置を、早見再生コンテンツにそのまま承継することはできない。
【0092】
そこで、記録装置11のCPU21は、図3に示されるように、各チャプタポイント位置を、通常再生コンテンツの時間軸上の位置(図3中上側の△(三角印)の配置位置)から、早見再生コンテンツの時間軸上の位置(図3中下側の△(三角印)の配置位置)に変換する処理(以下、早見時間軸変換処理と称する)を施し、その変換後の各チャプタポイント位置を示す情報をチャプタ情報として、早見再生ファイルと対応付ければよい。ここで、対応付けると記述したのは、変換後のチャプタ情報を、早見再生ファイルのmoovに含ませることも可能であるが、上述したように、早見再生ファイルと対応付けた別の専用ファイルや、データベース等に含ませることも可能であるからである。
【0093】
さらに、図4と図5の具体例を用いて、早見時間軸変換処理について説明していく。
【0094】
図4は、通常再生コンテンツの具体例を示す図である。
【0095】
図4において、フィルムのコマが、通常再生コンテンツの内容を意味している。即ち、図4の例では、通常再生コンテンツは、放送番組の本編と、本篇の合間に放送されるCM(Commercial Message)から構成されている。なお、図4におけるCMとCM2は、別々のCMであることを示している。また、時間軸右方のαMβS(α,βは数字)という表示は、通常再生コンテンツの先頭フレームの表示開始時刻を0とした場合の時刻、即ち、α分β秒であることを意味している。また、フィルム横の棒グラフは、音声PCM信号の所定単位(例えばGOPやチャンク)毎の音声レベルを示しており、図中右方向にいくほどレベルが大きいことを示している。即ち、図4の例では、特徴量として、音声レベルが採用されている。なお、この段落の前提事項は、図5についても同様にあてはまる。
【0096】
ここでは、CMの頭出しや番組本編の頭出しを容易にすることを考える。この場合、CPU21は、本篇とCMとの合間、若しくは、CMと別のCMとの合間を、チャプタポイント(特徴点)として検出すればよい。
【0097】
例えば日本国のCMは15秒単位で放送され、その前後には画面の切り替わりが発生し、無音部分が存在することが多い。よって、CPU21は、例えば音声レベルの変化を解析し、無音部分である時間軸上の位置を、特徴点、即ちチャプタポイントとして検出することができる。即ち、図4の例では、0分30秒、0分45秒、1分00秒がチャプタポイント位置として検出されることになる。
【0098】
なお、CPU21は、フレーム画像の所定の特徴量を採用し、画面が切り替わる時間軸上の位置を、特徴点、即ちチャプタポイントとして検出することもできる。
【0099】
図5は、早見速度を通常速度の1.5倍とした場合の早見再生コンテンツの具体例を示している。
【0100】
図5から明らかなように、図4の通常再生コンテンツの時間軸上で示されるチャプタポイント位置、即ち、0分30秒、0分45秒、1分00秒をチャプタポイント位置としてそのまま承継してしまうと、CMの頭出しや番組本編の頭出しが上手くできないことになる。図4の通常再生コンテンツの時間軸と、図5の早見再生コンテンツの時間軸とは異なっているからである。
【0101】
このため、CPU21は、上述の早見時間軸変換処理、即ち、各チャプタポイント位置を、通常再生コンテンツの時間軸上の位置から、早見再生コンテンツの時間軸上の位置に変換する処理を実行するのである。図5の例では、早見速度が通常速度の1.5倍とされている。即ち、早見再生コンテンツの時間軸(図5)とは、通常再生コンテンツの時間軸(図4)に比較して1.5倍の速さで時間が経過していく時間軸である。即ち、通常再生コンテンツの時間軸上の所定時刻を2/3倍とした時刻が、早見再生コンテンツの時間軸上での対応時刻となる。よって、CPU21は、各チャプタポイントの通常再生コンテンツの時間軸上の位置を、その2/3倍の時刻の位置に変換すればよい。即ち、CPU21は、0分30秒をその2/3倍の0分20秒に変換し、0分45秒をその2/3倍の0分30秒に変換し、1分00秒をその2/3倍の0分40秒に変換すればよい。
【0102】
これにより、早見再生コンテンツの再生でも、CMの頭出しや番組本編の頭出しが容易にできるようになるために、ユーザの利便性が向上する。
【0103】
さらに、以下、図6と図7を参照して、このような早見時間軸変換処理も含む、早見再生ファイルを作成するまでの一連の処理(以下、早見再生ファイル作成処理と称する)について説明する。
【0104】
図6は、早見再生ファイル作成処理の一例を説明するフローチャートである。
【0105】
図7は、早見再生ファイル作成処理が実行される際の各種情報の流れの概略を示している。
【0106】
なお、図7の例では、早見時間軸変換処理後のチャプタ情報がmoovに格納されているが、上述の如く、チャプタ情報の格納場所はmoovに限定されない。また、説明の簡略上、HDD34には、転送対象のタイトルのストリームファイルしか図示されていない。ただし、上述の如く実際には、転送対象のタイトルの携帯動画ファイル(通常再生用)も、ストリームファイルと対応付けられて記録されている場合がある。また、図7のストリームファイル中の「MPEG2 PS or TS」と記述されたデータが、転送対象のタイトルの記録装置用コンテンツを示している。
【0107】
図6のステップS1において、記録装置11は、転送対象のタイトルを記録装置11内部で早見再生(間引きデコード)するとともに、早見再生しているタイトルを再記録する(転送先の外部記録媒体12に適した符号化方式でエンコードする)。
【0108】
即ち、図7に示されるように、ストリームファイル中の「MPEG2 PS or TS」と記述されたデータ、即ち、転送対象のタイトルの記録装置用コンテンツが、ディスクコントローラ27によって読み出されてAVデコーダ25に提供され、AVデコーダ25によって間引きデコードがなされることで、記録装置11内部での早見再生が行われる。
【0109】
このようにして、間引きデコードがなされたコンテンツ、即ち、早見速度に応じて適宜フレームが間引かれた映像ベースバンド信号や音声PCM信号は、AVエンコーダ24に提供される。かかる間引きデコードがなされたコンテンツは、AVエンコーダ24によってMP4ファイル化される。かかるMP4ファイルが、ディスクコントローラ27によって、早見再生ファイルとしてHDD34に記録される。即ち、早見再生しているタイトルが再記録される。図7の例では、mdatが、早見再生コンテンツとなっている。
【0110】
ステップS2において、記録装置11は、転送対象のタイトルの通常再生コンテンツ用のチャプタ情報を取得する。図7の例では、転送対象のタイトルの通常再生コンテンツ用のチャプタ情報は、ストリームファイルに含められてHDD34に記録されている。そこで、かかるチャプタ情報は、ディスクコントローラ27によってストリームファイルから読み出されて、CPU21に提供される。
【0111】
ステップS3において、記録装置11は、取得したチャプタ情報に対して、早見時間軸変換処理を施して、早見再生ファイル用のチャプタ情報を生成する。そして、ステップS4において、記録装置11は、早見再生ファイルにチャプタ情報を付加する。
【0112】
即ち、図7の例では、CPU21が、ストリームファイルから取得されたチャプタ情報により特定される各チャプタポイント位置を、通常再生コンテンツの時間軸上の位置から、早見再生コンテンツの時間軸上の位置に変換する。そして、変換後の各チャプタポイント位置を示すチャプタ情報、即ち、早見再生ファイル用のチャプタ情報が、早見再生ファイルのmoovに格納されることで、早見再生ファイルに付加される。
【0113】
このようにして作成された早見再生ファイルは、通常再生用の携帯動画ファイルと全く同様に、外部記録媒体12への転送が可能になる。即ち、記録装置11は、通常再生用の携帯動画ファイルに加えてさらに、早見再生ファイルも外部記録媒体12に転送することができる。
【0114】
ここで、外部記録媒体12への転送の一形態であるムーブアウトについて説明する。
【0115】
即ち、現状、高品質の映像コンテンツが可搬型の記録媒体に容易に保存できるようになるのに伴い、映像コンテンツの著作権保護の重要性が高まってきている。映像コンテンツに対する著作権保護の手法としては、映像コンテンツにコピーの可否を示すコピー制御情報(CCI:Copy Control Information )を添付する手法が現在一般的に用いられている。例えば、コピー制御情報を用いることで、各映像コンテンツについて、コピーを制限しない状態(コピーフリー,Copy Free )、1回のみのコピーを許可する状態(コピーワンス,Copy Once )、コピーを禁止する状態(コピーネバー,Copy Never )などの状態を取らせることが可能になる。なお、上述したデジタル放送では現在、すべての映像コンテンツについて“コピーワンス”を示すコピー制御情報が添付されており、記録装置は通常、このような映像コンテンツを“コピーネバー”としてから記録媒体に記録する。
【0116】
また、“コピーネバー”とされて記録媒体に記録された映像コンテンツは、その記録媒体側での元のデータの消去を条件に、別の記録媒体にコピーすることが許可される。このような元のデータを消去して別の記録媒体にコピーする動作は“ムーブ(Move )”と称されている。これにより例えば、映像コンテンツが、デジタル放送などを通じて記録装置に受信されて、その記録装置内のHDDに記録された場合、ユーザがその映像コンテンツを長期保存したい考えたときには、DVDなどのリムーバブルメディアにムーブすることが可能となる。その結果、ユーザの利便性の向上と、不正な大量コピーの防止との両立が図られる。
【0117】
さらに、ムーブ先にコピーされた映像コンテンツは、そのムーブ先での消去を条件に、ムーブ元に再コピーが可能である。即ち、ムーブ元からムーブ先への1回目のムーブと、その後のムーブ先からムーブ元への2回目のムーブとが可能である。以下、1回目のムーブをムーブアウトと称し、2回目のムーブをムーブバックと称する。
【0118】
即ち、本実施の形態では、所定タイトルがムーブ対象となり、記録装置11から外部記録媒体12に対してムーブアウトが行われ、外部記録媒体12から記録装置11に対してムーブバックが行われる。
【0119】
このようなムーブ対象候補の各タイトルは、例えば本実施の形態の記録装置11内では、所定のIDにより他のタイトルと区別されて管理されている。即ち、所定タイトルは、ストリームファイルと携帯動画ファイルとの両形態で、それらが対応付けられてHDD34等に記録されていると上述したが、その所定タイトルを示すIDによって対応付けられているのである。
【0120】
この場合、ムーブ対象のタイトルがムーブアウトされる場合、携帯動画ファイルが外部記録媒体12に転送されることになる。即ち、早見再生ファイルも携帯動画ファイルの一形態であるので、ムーブ対象のタイトルの早見再生ファイルが、外部記録媒体12に転送されることになる。
【0121】
ここで、注意すべき点は、ムーブアウト時には、ムーブ元の記録装置11内のムーブ対象のタイトルは消去する必要がある。しかしながら、本実施の形態でいうタイトルの消去とは、ムーブ元からタイトルの実データ(ストリームファイル等)の存在そのものを削除することを意味しない点である。即ち、ムーブ対象のタイトルの使用権が、ムーブ元の記録装置11からムーブ先の外部記録媒体12に移ったことが、ムーブアウト時にムーブ元のタイトルが消去されることの意味である。なお、タイトルの使用権とは、例えば本実施の形態ではタイトルの視聴権を意味する。
【0122】
即ち、ムーブ対象のストリームファイル等の実データそのものは、ムーブアウトされても、削除されずに記録装置11に保持されたままである。その代わり、ムーブアウト前には、ストリームファイルによるタイトルの記録装置11内での再生が可能であった状態が、ムーブアウトによって、ストリームファイルによるタイトルの記録装置11内での再生が不可能な状態に遷移することになる。なお、以下、コンテンツが再生可能な状態を活性状態と適宜称する。これに対して、再生が不可能な状態を不活性状態と適宜称する。
【0123】
本実施の形態では、上述の如く各タイトルはIDで管理されている。さらに、本実施の形態では、各ID(各タイトル)の再生可否状態は、例えば再生管理情報によって管理されている。即ち、本実施の形態では、所定の1つのタイトルに対して、そのIDと、活性状態または不活性状態を示す情報(以下、再生可否情報と称する)とを少なくとも含む再生管理情報が1つ作成され、ストリームファイルや携帯動画ファイル(早見再生ファイル含む)とは別に保持されている。即ち、各タイトルのそれぞれの再生管理情報が記録装置11に保持されており、各IDにより、各タイトルのストリームファイルや携帯動画ファイル(早見再生ファイル含む)とそれぞれ対応付けられているのである。
【0124】
即ち、本実施の形態では、ムーブ対象のタイトルがIDで特定され、そのIDを有する携帯動画ファイル(早見再生ファイル含む)が外部記録媒体12に転送されるとともに、そのIDで特定される再生管理情報の再生可否情報が、不活性状態を示す情報に更新されることが、ムーブ対象のタイトルのムーブアウト処理となる。
【0125】
このようなムーブアウト処理が行われると、外部記録媒体12内のタイトル(携帯動画ファイル)は、他の携帯機器等で再生することが可能となる。
【0126】
次に、ムーブバックについて説明する。
【0127】
記録装置11と外部記録媒体12とが有線または無線通信によって接続されると、記録装置11は、外部記録媒体12に格納されている携帯動画ファイル(早見再生ファイル含む)のIDを取得する。そして、記録装置11は、取得したIDと、記録装置11中で不活性状態として管理されている各IDとの照合をそれぞれ行う。本実施の形態では上述したように、記録装置11中で不活性状態として管理されているIDは、再生管理情報から得られる。即ち、記録装置11は、再生可否情報が不活性状態を示す情報となっている1以上の再生管理情報を検索対象とし、これらの検索対象から各IDをそれぞれ検索し、検索した各IDと、外部記録媒体12から取得したIDとの照合をそれぞれ行う。
【0128】
そして、検索した各IDの中に、取得したIDと一致するものが存在した場合、記録装置11は、その一致したIDを有するタイトルの状態を、不活性状態から一時的活性状態に遷移させる。一時的活性状態とは、所定の条件が満たされている間のみ再生可能とする状態をいう。なお、所定の条件については、特に限定されないが、例えば本実施の形態では、接続中であることが採用されているとする。具体的には本実施の形態では、そのIDにより特定される再生管理情報の再生可否情報が、一次的活性状態を示す情報に更新される。
【0129】
ただし、このとき、外部記録媒体12は、記録装置11と接続されることによって、記録装置11によって占有されて、記録装置11の管理下になったものとされる。かかる場合、外部記録媒体12は、携帯機器等などに内蔵もしくは同時に接続されていたとしても、携帯機器等側ではタイトル(携帯動画ファイル)の再生が不能となる。
【0130】
即ち、外部記録媒体12の占有とは、記録装置11以外の別の装置が外部記録媒体12にアクセスしない状態を意味している。一方、記録装置11の管理下とは、記録装置11が外部記録媒体12にアクセスすることが可能な状態を意味している。即ち、「記録装置11によって占有されて、記録装置11の管理下になった」とは、記録装置11とは別の装置、例えば、携帯機器等が外部記録媒体12内のタイトル(携帯動画ファイル)の再生、コピー、消去等を実行しない状態において、記録装置11が外部記録媒体12に対してアクセス可能であることを意味している。
【0131】
このようにして、ムーブアウト先のタイトル(携帯動画ファイル)を削除せずに、仮想的なムーブバック処理が実現可能となる。
【0132】
このような仮想的なムーブバック処理が行われると、記録装置11内のタイトル(ストリームファイル)は、記録装置11内などで再度再生することが可能となる。
【0133】
さらに、次のような再ムーブアウトも可能である。
【0134】
即ち、上述の仮想的なムーブバック処理が行われた状態において、記録装置11と外部記録媒体12の接続が切断されると、即ち外部記録媒体12が記録装置11の管理下から外されると、記録装置11はムーブアウト処理を直ちに開始する。即ち、記録装置11は、一時的活性状態にあったタイトルを再び不活性状態に遷移させる。具体的には本実施の形態では、そのIDにより特定される再生管理情報の再生可否状態情報が、不活性状態を示す情報に更新される。
【0135】
これにより、外部記録媒体12内のタイトル(携帯動画ファイル)は、他の携帯機器等で再度再生することが可能となる。
【0136】
以上説明したように、仮想的なムーブバック処理を実行することで、ムーブアウト先のタイトルの実データ(携帯動画ファイル)の削除は伴わないムーブバックが実現可能になる。これにより、再ムーブアウト時には、コンテンツの実データの再転送は一切不要になる。
【0137】
従って、再ムーブアウトの処理時間が短縮でき、ユーザの利便性が向上する、という効果を奏することが可能になる。即ち、近年の記録媒体の記録容量の増大に伴い、コンテンツデータの容量も増加傾向にあり、このような大容量コンテンツデータの転送には長時間が必要であり、その分だけ、再ムーブアウトの処理時間も長時間必要であった。これに対して、上述した再ムーブアウトの処理では、大容量コンテンツデータの再転送は一切不要になるので、その転送時間が不要となる分だけ、再ムーブアウトの処理時間が短縮でき、ユーザの利便性が向上する、という効果を奏することが可能になる。
【0138】
また、記録装置11は、外部記録媒体12を管理下においているときのみに、記録装置11内の元コンテンツを再生可能とするため、セキュリティも損なわれない、という効果を奏することも可能である。
【0139】
なお、上述の仮想的なムーブバック処理が行われた状態において、記録装置11と外部記録媒体12とが接続され、その接続が切断される前に、外部記録媒体12から携帯動画ファイル(早見再生ファイル含む)が削除されれば、記録装置11は、対応するIDを有するタイトルの状態を不活性状態から、一時的活性状態ではなく、活性状態に遷移させる。または、記録装置11は、一時的活性状態に遷移した後、活性状態に遷移する。具体的には本実施の形態では、そのIDにより特定される再生管理情報の再生可否状態情報が、活性状態を示す情報に更新される。この場合、その後、記録装置11と外部記録媒体12の接続が切断された場合にも、タイトルの活性状態は維持されることになる。即ち、記録装置11と外部記録媒体12の接続が切断された場合においても、記録装置11側でのストリームファイルによるタイトルの再生が可能になる。
【0140】
ところで、以上の説明では、ムーブ等により外部記録媒体12に転送される携帯動画ファイルに対して付加されるメタデータは、チャプタ情報のみであった。しかしながら、携帯動画ファイルに対して付加可能なメタデータは、チャプタ情報に特に限定されない。
【0141】
具体的には例えば、字幕情報を、携帯動画ファイルのメタデータとして付加することができる。ただし、字幕情報には、字幕データと、その字幕データの時間位置も含む。即ち、字幕情報は、上述したチャプタ情報と同様に、時間位置で特定される情報である。よって、携帯動画ファイルとして早見再生ファイルが採用される場合には、字幕情報も、チャプタ情報と全く同様に、早見時間軸変換処理を施す必要がある。
【0142】
また例えば、携帯動画ファイルの転送(ムーブアウト)前に、その携帯動画ファイルと対になるストリームファイル(即ち同一IDのタイトル)が記録装置11内で再生されていた場合、その再生停止位置を、つづき再生(レジューム再生)開始位置として、それを携帯動画ファイルのメタデータとして付加することができる。
【0143】
この場合、外部記録媒体12に転送されたタイトル(携帯動画ファイル)が携帯機器等により再生される場合、その携帯動画ファイルにメタデータとして含まれているつづき再生(レジューム再生)開始位置からの再生、即ち、記録装置11側での再生停止位置からの再生が可能になる。これにより、ユーザは、そのタイトルを、記録装置11側で視聴し終えた続きの場所から、視聴することができるようになる。
【0144】
ただし、つづき再生開始位置とは、上述したチャプタポイント位置と同様に、時間位置で特定される情報である。よって、携帯動画ファイルとして早見再生ファイルが採用される場合には、つづき再生開始位置も、チャプタ情報と全く同様に、早見時間軸変換処理を施す必要がある。
【0145】
具体的には例えば、装置11がタイトルを先頭から6分間通常再生(1倍速の再生)をしていたとする。この場合、再生停止位置は6分となる。よって、例えば早見速度が1.5倍速である早見再生ファイルが転送対象である場合、記録装置11は、早見時間軸変換処理を施して、再生停止位置を6分から4分(=6分×2/3)に変換し、その4分をつづき再生開始位置として、早見再生ファイルに付加する必要がある。
【0146】
これにより、ユーザは、そのタイトルを、記録装置11側で視聴し終えた続きの場所から、即ち、1.5倍速の早見再生では4分の位置から(1倍速の通常再生では6分に相当する位置から)、転送先の携帯機器等で視聴することができるようになる。
【0147】
なお、その後、ユーザが、転送先の携帯機器等で、1.5倍速の早見再生では8分の位置まで視聴して、そこで視聴停止(再生停止)したとする。この場合、転送先の携帯機器等は、そのタイトルのメタデータのひとつであるつづき再生開始位置を、8分に更新することもできる。そして、そのタイトルが記録装置11にムーブバックされたとき、記録装置11は、早見時間軸変換処理の逆変換処理を施して、つづき再生開始位置を8分から12分(=8分×3/2)に変換することもできる。
【0148】
これにより、ユーザは、そのタイトルを、転送先の携帯機器等で視聴し終えた続きの場所から、即ち、1倍速の通常再生では12分の位置から(1.5倍速の早見再生では8分に相当する位置から)、記録装置11側で再度視聴することができるようになる。
【0149】
なお、つづき再生開始位置は、上述の例では、直前の再生停止位置として説明してきたが、上述の例に限定されず、例えば、再生停止位置の数秒乃至数十秒前等の適当な時間位置を採用することもできる。
【0150】
また例えば 上述した図4に示されるように、チャンクやGOP単位で取得される音声レベルを、携帯動画ファイルのメタデータとして付加することもできる。これにより、転送先の携帯機器等でも、音声レベルが大きいシーン(例えば図4中音声レベルが白色の箇所)だけを再生することも可能になる。
【0151】
ただし、音声レベルも、上述したチャプタポイント位置と同様に、時間位置で特定される情報である。よって、携帯動画ファイルとして早見再生ファイルが採用される場合には、図5に示されるように、音声レベルも、チャプタ情報と全く同様に、早見時間軸変換処理を施す必要がある。
【0152】
また例えば、そのシーンが盛り上がっているか否かを示す指標情報(スコア等)を、携帯動画ファイルのメタデータとして付加することもできる。具体的には例えば、図4の音声レベルを盛り上がりの度合と見立てて、閾値レベル(図4中点線)以上の音声レベルを有するシーンを1(盛り上がっているシーン)、閾値レベル未満の音声レベルを有するシーンを0(盛り下がっているシーン)とした情報を、携帯動画ファイルのメタデータとして付加することができる。これにより、転送先の携帯機器等でも、盛り上がっているシーン(例えば図4中音声レベルが点線以上の箇所)だけを再生することも可能になる。
【0153】
ただし、かかる指標情報も、上述したチャプタポイント位置と同様に、時間位置で特定される情報である。よって、携帯動画ファイルとして早見再生ファイルが採用される場合には、指標情報等も、チャプタ情報と全く同様に、早見時間軸変換処理を施す必要がある。
【0154】
また例えば、そのシーンが特定のシーン(CM等)であるか否かのフラグを、携帯動画ファイルのメタデータとして付加することができる。具体的には例えば、図4の先頭から0分30秒までを「1」、0分30秒乃至1分00秒を「0」、1分00秒以降を「1」にセットした情報を、携帯動画ファイルのメタデータとして付加することができる。この場合、「1」にセットされたシーンだけを再生することで、CMをスキップした状態での再生が実現可能になる。
【0155】
ただし、かかるフラグも、上述したチャプタポイント位置と同様に、時間位置で特定される情報である。よって、携帯動画ファイルとして早見再生ファイルが採用される場合には、フラグも、チャプタ情報と全く同様に、早見時間軸変換処理を施す必要がある。
【0156】
以上の内容をまとめると、携帯動画ファイルのメタデータとしては様々な情報が採用可能である。さらに、時間位置で特定される情報をメタデータとして採用し、かつ、携帯動画ファイルとして早見再生ファイルが採用される場合には、その時間位置で特定される情報に対して、早見時間軸変換処理を施すことで、次のような効果を奏することが可能になる。
【0157】
即ち、早見再生機能を持たない携帯機器でも早見再生による視聴が可能になり、チャプタやつづき再生などの利便性の高い機能もそのまま利用可能になる、という効果を奏することが可能になる。
【0158】
換言すると、かかる効果を奏するためには、早見時間軸変換処理をメタデータに施すことができれば足り、早見再生ファイルに含める早見再生コンテンツの生成手法は、上述した間引きデコードに限定されず、結局次の手法であればよい。即ち、コンテンツの再生形態を、第1の時間軸(例えば通常再生用の時間軸)に従って再生される第1の形態から、第1の時間軸とは異なる第2の時間軸(例えば早見再生用の時間軸)で再生される第2の形態に変換し、変換後の第2の形態のコンテンツを、早見再生コンテンツとして採用する、といいった生成手法であれば、早見時間軸変換処理をメタデータに施すことができるので、その結果、上述した効果を奏することが可能になる。
【0159】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な図1の記録装置11等を適宜含むコンピュータや、汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0160】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図1に示されるように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア37、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM22や、記憶部(HDD)134を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じて通信部33を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0161】
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明が適用される記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の記録装置の動作例を説明する図である。
【図3】図1の記録装置の動作例を説明する図である。
【図4】図1の記録装置の動作例を説明する図である。
【図5】図1の記録装置の動作例を説明する図である。
【図6】図1の記録装置の動作例であって、早見再生ファイル作成処理を説明するフローチャートである。
【図7】図6の早見再生ファイル作成処理時の情報の流れを説明する図である。
【符号の説明】
【0163】
11 記録装置, 12 外部記録媒体, 21 CPU, 22 ROM, 23 RAM, 24 AVエンコーダ, 25 AVデコーダ, 26 チューナ, 27 ディスクコントローラ, 28 入出力インタフェース, 29 ストリームバス, 30 AVバス, 31 入力部, 32 出力部, 33 通信部, 34 記憶部(HDD), 35 外部インタフェース, 36 ドライブ, 37 リムーバブルメディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの記録を制御する情報処理装置において、
前記コンテンツの再生形態を、第1の時間軸に従って再生される第1の形態から、前記第1の時間軸とは異なる第2の時間軸で再生される第2の形態に変換する再生形態変換手段と、
前記第1の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第1の情報を、前記第2の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第2の情報に変換する情報変換手段と、
前記再生形態変換手段により再生形態が前記第2の形態に変換された前記コンテンツと、前記情報変換手段により前記第1の情報から変換された前記第2の情報とを対応付けて、第1の記録媒体に記録することを制御する記録制御手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の記録媒体には、前記第1の形態の前記コンテンツと前記第1の情報を含む第1のファイルが予め記録されており、
前記記録制御手段は、さらに、前記第2の形態の前記コンテンツと前記第2の情報を含む第2のファイルを生成し、前記第2のファイルを前記第1のファイルと対応付けて前記第1の記録媒体に記録することを制御する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、さらに、
前記第2のファイルを前記第1の記録媒体からムーブ先の第2の記録媒体に転送し、前記第1のファイルに含まれる前記コンテンツの再生可否を、再生可能な活性状態から、再生不可能な不活性状態に遷移させることで、ムーブアウトを行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、さらに、
前記ムーブアウト後、前記第2の記録媒体を占有して前記情報処理装置の管理下においたとき、前記第1のファイルに含まれる前記コンテンツの状態を前記不活性状態から前記活性状態に一時的に遷移させる
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、さらに、
前記第2の記録媒体を占有して前記情報処理装置の管理下においた後、その管理下から前記第2の記録媒体を外したとき、前記第1のファイルに含まれる前記コンテンツの状態を前記一時的な活性状態から前記不活性状態に遷移させる
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンテンツの記録を制御する情報処理装置の情報処理方法において、
前記情報処理装置が実行するステップとして、
前記コンテンツの再生形態を、第1の時間軸に従って再生される第1の形態から、前記第1の時間軸とは異なる第2の時間軸で再生される第2の形態に変換し、
前記第1の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第1の情報を、前記第2の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第2の情報に変換し、
再生形態が前記第2の形態に変換された前記コンテンツと、前記第1の情報から変換された前記第2の情報とを対応付けて、記録媒体に記録することを制御する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項7】
コンテンツの記録を制御するコンピュータに、
前記コンテンツの再生形態を、第1の時間軸に従って再生される第1の形態から、前記第1の時間軸とは異なる第2の時間軸で再生される第2の形態に変換し、
前記第1の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第1の情報を、前記第2の形態の前記コンテンツに対して時間位置が特定される第2の情報に変換し、
再生形態が前記第2の形態に変換された前記コンテンツと、前記第1の情報から変換された前記第2の情報とを対応付けて、記録媒体に記録することを制御する
ステップを実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−70525(P2009−70525A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240496(P2007−240496)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】