説明

情報処理装置及びストレージシステム性能確認方法

【課題】ホストコンピュータがすべてのメディアに対して実効的なデータ記録スピード(処理速度)を確認し、ホストアプリケーションの実現可能な性能を判断できるようにする。
【解決手段】当該情報処理装置で動作させるアプリケーションで使用するシーケンスを生成し、前記シーケンスを前記情報処理装置とデータ通信可能に接続しているメディアへ送信する。そして、前記メディアによる前記シーケンスの実行時間の測定開始時及び測定終了時を受信して、前記シーケンスの実行時間を測定しスピード確認結果データを生成する。前記生成されたスピード確認結果データから、前記アプリケーションで実行可能な性能を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続しているメモリの実際のデータ処理能力(処理速度)を確認できる情報処理装置及びストレージシステム性能確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリをカード型にしたメディアが各社から販売されており、メモリ容量の大容量化に伴って、DSC(デジタルスチルカメラ)又はカムコーダ等の記録媒体として利用されている。撮影した写真を記録データとして保存するDSC又はカムコーダにおいては、ある処理速度(スピード)以上のデータ転送速度が求められる場合がある。例えば、DSCであれば1秒間にある決まった枚数を記録する静止画連写を行うときである。1秒間の静止画連写枚数とイメージャ(撮像素子)の画素数に対してデータ記録スピードは比例する。時代と共に画像処理回路が進化し、1秒間の静止画連写枚数が多くなることやイメージャの画素数が増えるに従い、データの速い記録処理が必要となる。こうして、メディアに要求されるスピードは時代と共に変化していく。
【0003】
例えば、静止画連写の場合は、連写中に処理された静止画データはDSC内部のバッファメモリに一旦蓄えられるが、そのデータを順次メディアに転送する必要がある。メディアへのデータ転送のスピードがバッファメモリに蓄えられるデータスピードより遅い場合、いずれバッファメモリがフルになり、静止画連写を中止するか、または断続的に静止画連写を継続することになる。これは、ユーザにとって使用中の予期せぬ性能低下であり、問題となる。
【0004】
また、DSCとメディアの組合せによって、この間の実効のデータ転送速度は変化する。データ転送速度がDSCのアプリケーションの性能に影響を及ぼす場合、DSCとメディアの組合せにより、アプリケーションの性能は変化してしまい、さらにユーザを混乱させることになる。その例として、あるDSCに「メディアA」と「メディアB」を使用した場合では、メディアによって、期待する一秒当たりの撮影枚数での撮影継続時間や一秒当たりの撮影枚数が変わってしまうという問題などが起こる。同様に、あるメディアに対して、AタイプのDSCとBタイプのDSCを使った場合でも、同様の問題が起こる。
【0005】
このような問題を解決するためメディアの速度を計測する技術が存在するが、それはメディア内部で擬似的な書き込み動作を生成し、速度を計測している。例えば、特許文献1には、書き込みコマンドによってパフォーマンスを測定、すなわち指定されたメモリセルのビジー時間を測定しテーブルとして管理する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2005−222201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のものは、ビジー時間の測定はメディア内で行われ、ホスト側の動作する時間を含まず、測定するホストによって測定結果は変化しない。ホストアプリケーションのシーケンスがメディア内部での擬似的な書き込み動作のシーケンスと異なる場合には、メディア内部で計測された速度は実際のホストアプリケーションを動作させたときの速度と異なってしまう。それ故、上述した技術をホストアプリケーションの性能を正確に判断することに利用するのは難しい。
【0007】
また、ホストコンピュータ側から速度を計測しても結果の表示を行うにとどまっていて、ユーザからのフィードバックを受けて、再計測を行い、ユーザが希望するアプリケーションの使い方に近づけていくことが難しい。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ホストコンピュータがすべてのメディアに対して実効的なデータ記録スピード(処理速度)を確認し、ホストアプリケーションの実現可能な性能を判断できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決して目的を達成するため、本発明は、当該情報処理装置で動作させるアプリケーションで使用するシーケンスを生成し、前記シーケンスを前記情報処理装置とデータ通信可能に接続しているメディアへ送信する。そして、前記メディアによる前記シーケンスの実行時間の測定開始時及び測定終了時を受信して、前記シーケンスの実行時間を測定しスピード確認結果データを生成する。前記生成されたスピード確認結果データから、前記アプリケーションで実行可能な性能を判定する。
【0010】
上記構成によれば、実際のアプリケーションのシーケンスを用いてメディアの性能を測定するので、実際のメディアと情報処理装置(ホストコンピュータ)の組合せでの実効的な速度に基づいてアプリケーションの性能を判定することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホストコンピュータがすべてのメディアに対して実効的なデータ記録スピード(処理速度)を確認し、ホストアプリケーションの実現可能な性能を判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記項目の順に行う。
1.第1の実施の形態(スピード確認結果記録領域:情報処理装置に具備)
2.第2の実施の形態(スピード確認結果記録領域:メディアに具備)
3.第3の実施の形態(スピード確認結果記録領域:情報処理装置及びメディアに具備)
4.第4の実施の形態(情報処理装置:記録領域を含有)
5.第5の実施の形態(情報処理装置:複数スロットを搭載)
6.第6の実施の形態(情報処理装置:複数のアプリケーション制御部を具備)
【0013】
<第1の実施の形態>
[情報処理装置(ホストコンピュータ)の構成例]
本発明は、ホストとメディアからなるストレージシステムにおいて、ホストはアプリケーションで使用するRead/Writeコマンドの送信パターン(シーケンス)をメディアに実施し、メディアのスピード(処理速度)を確認する機能を持つ。また、ホストはスピード確認結果から、使用するアプリケーションでのホストの処理能力の最大値を算出し、これに従い、実現可能な性能を判断する機能を持つ。以下に説明する第1の実施の形態では、スピード確認結果記録領域を情報処理装置(ホストコンピュータ)内部に持つ場合としている。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理装置が適用されたホストコンピュータ(以下、単に「ホスト」と称す。)100とメディア200からなるストレージシステムのブロック図である。
【0015】
ホスト100は、入力部101、スピード確認起動部102、データ生成部103、ダミーデータ生成部104、マルチプレクサ(以下、「MUX」と称す。)105、シーケンス生成部106、スピード測定部107、スピード確認結果処理部108、性能判定部109、表示部110、メディア制御部111、外部インターフェイス112、アプリケーション制御部113、及びスピード確認結果記録領域114から構成される。
メディア200は、外部インターフェイス201、メモリコントローラ202、ストレージ領域204を持つ不揮発性メモリ203から構成される。
【0016】
ホスト100の各ブロックの詳細を説明する。
入力部101は、ユーザからメディア200についての性能確認要求(スピード確認要求)とアプリケーションの動作設定の入力を受付け、これらの情報をスピード確認起動部102に出力する。
【0017】
図2は、スピード確認起動部102の内部構成を示すブロック図である。
スピード確認起動部102は、論理和回路102−1と動作設定変更部102−2から構成され、処理を開始する要因を判別し、要因に合わせて、起動手順を変える。
【0018】
入力は入力部101からの“ユーザからの性能確認要求”と、アプリケーションの動作設定と、スピード確認結果処理部108からのスピード確認要求である。論理和回路102−1への入力が“ユーザからの性能確認要求”である場合には、スピード確認要求と現在のアプリケーションの動作設定をダミーデータ生成部104、MUX105、シーケンス生成部106に出力する。また入力が“アプリケーションの動作設定(の変更)”の場合には、スピード確認結果の問合せをスピード確認結果処理部108に出力する。これに対して、論理和回路102−1へスピード確認要求が返ってきたら、スピード確認要求とアプリケーションの動作設定をダミーデータ生成部104、MUX105、シーケンス生成部106に出力する(図2参照)。
【0019】
ホスト100は、一又は複数のアプリケーションの動作設定情報を図示しないメモリに備え、アプリケーションの動作設定情報が複数ある場合には、入力部101を介したユーザからの指示により動作設定を切り替える機能を持つ。
【0020】
データ生成部103は、アプリケーションで使われるデータを生成し、MUX105に入力する。例えばデータ生成部103に撮像素子からの撮影データが入力された場合、アプリケーションの使用に適したデータフォーマットに変換するなどの処理を行い、MUX105へ出力する。
【0021】
図3は、ダミーデータ生成部104の内部構成を示すブロック図である。
ダミーデータ生成部104の入力は、スピード確認起動部102からのアプリケーション動作設定である。ダミーデータ生成部104は、データ生成部104−1とデータ出力タイミング調整部104−2から構成される。スピード確認のときに使われるデータ(ダミーデータ)をデータ生成部104−1で生成する。そして、アプリケーション動作設定に基づき、データ出力タイミング調整部104−2でダミーデータの出力タイミングが実際のデータと同じになるように制御しながら、ダミーデータをMUX105に出力する。ダミーデータは、実際のアプリケーションで使用するものと同じシーケンス(Read/Writeコマンドの送信パターン)である。
【0022】
MUX105はスピード確認要求によって、シーケンス生成部106の入力データを切り替える切替部である。MUX105の入力は、データ生成部103からのデータと、ダミーデータ生成部104からのダミーデータと、スピード確認起動部102からのスピード確認要求である。MUX105はスピード確認要求があった場合には、ダミーデータ生成部104からの入力データを出力し、それ以外の場合には、データ生成部103からのデータを出力する。
【0023】
図4は、シーケンス生成部106の内部構成を示すブロック図である。
シーケンス生成部106は入力されるアプリケーションの動作設定により、生成するシーケンスを切り替え、メディア制御部111に出力し、スピード測定の開始・終了要求を出力する。シーケンス生成部106の入力はMUX105からのデータと、スピード確認起動部102からのスピード確認要求とアプリケーションの動作設定である。
【0024】
シーケンス生成部106は、シーケンスを生成するシーケンスA生成部106−1〜シーケンスN生成部106−4と、実行シーケンスを選択するMUX(マルチプレクサ)106−5と、スピード測定開始・終了制御部106−6から構成される。スピード確認要求によって、スピード測定開始・終了制御部106−6は測定開始要求をスピード測定部107に出力する。またアプリケーションの動作設定に基づいてMUX106−5を切り替えて実行するシーケンスを選択し、シーケンスをメディア制御部111に出力する。シーケンスの実行が終了したら、スピード測定開始・終了制御部106−6はスピード測定部107に測定終了要求を出力する。アプリケーションの動作設定の情報もスピード測定部107に出力する。
【0025】
図5に、シーケンスの一例として画像ファイルを書き込むシーケンスを示す。
本例は、FAT(File Allocation Tables)ファイルシステムにおいて画像ファイルを書き込む場合の例である。一連のシーケンスの処理番号1,2は書き込み対象のディレクトリ(DIR)の読み出し処理、処理番号3はFATの読み出し処理である。処理番号4〜8は画像データの書き込み又は読み出し処理である。処理番号9,10は書き込んだ画像データの記録領域を反映するためのFATへの書き込み処理である。処理番号11はディレクトリ構造を反映するための書き込み処理である。
【0026】
図6は、スピード測定部107の内部構成を示すブロック図である。
スピード測定部107はシーケンスの実行時間を計測するものである。スピード測定部107の入力は、シーケンス生成部106からの測定開始要求、終了要求、アプリケーションの動作設定の情報である。
【0027】
スピード測定部107は、タイマ107−1とスピード確認結果データ生成部107−2から構成される。タイマ107−1はカウンタを備え、図示しないMPU(Micro Processing Unit)の内部クロック等のリファレンスクロックをカウントすることにより、時間や日時の計測を行う。スピード測定部107は、シーケンス生成部106からの測定開始要求を受けて、カウンタをクリアして、カウントを開始し、測定終了要求でカウントを停止する。スピード確認結果データ生成部107−2は、タイマのカウント値を基に、スピード確認結果のデータを生成し、スピード確認結果処理部108に出力する。
【0028】
スピード確認結果のデータには、例えばカウンタのカウント数、リファレンスクロックの情報、アプリケーションの動作設定情報を含んだスピード確認結果、などが含まれる(図7参照)。すなわち、スピード確認を行ったアプリケーションとシーケンスを特定するための情報(アプリケーション設定情報)、スピード情報、日付を特定できる情報、さらにアプリケーションがスピード確認結果と一緒に保存する任意の情報などが含まれる。スピード情報は例えばリファレンスクロックのカウント値で表わすことができる。また、リファレンスクロックの周波数情報とクロック数で時間が計測できる。その他、スピード確認を行ったメディアを特定する情報(図示略)なども含まれる。なお、スピード確認結果のデータはこの例に限られない。
【0029】
図8は、スピード確認結果処理部108の内部構成を示すブロック図である。
スピード確認結果処理部108は主に、スピード確認結果のバッファリングと、ホスト100のスピード確認結果記録領域114へのスピード確認結果の読み出し要求を行う。そして読み出したスピード確認結果が、現在のホスト100でのアプリケーションの動作設定で計測したスピード確認結果と同一かどうかを判定する。スピード確認結果処理部108の入力はスピード確認起動部102からのスピード確認結果の問合せと、スピード測定部107からのスピード確認結果及びアプリケーションの動作設定と、ホスト100のスピード確認結果記録領域114から出力されるスピード確認結果である。
【0030】
スピード確認結果処理部108は、図8に示すとおり、バッファ108-1と、スピード確認結果フィルタ108−2と、スピード確認結果読み出し制御部108−3で構成される。スピード測定部107からのスピード確認結果が入力されると、無条件でバッファ108−1内に取り込まれ、スピード確認結果をペイロード(転送したい情報)として、スピード確認結果記録領域114へスピード確認結果の書き込み要求を出力する。バッファ108−1はスピード確認結果を性能判定部109に出力する。スピード確認結果をスピード確認結果記録領域114に書き込む場合、スピード確認結果は、図7を参照して述べた情報とスピード確認を行ったメディアを特定する情報を持つ。
【0031】
なお、スピード確認結果記録領域114は、揮発性もしくは不揮発性のメモリである。スピード確認結果を保持する必要がある場合、例えばスピード確認結果を後で利用する用途がある場合には、不揮発性メモリを使用する。スピード確認結果記録領域114には、例えばメディア毎に1つ又は複数のスピード確認結果を記録保存することができる。後述するメディア側に設けられたスピード確認結果記録領域についても同様とする。
【0032】
ここで、図9のシーケンス図を参照して、スピード確認結果処理部108による、スピード確認結果の読み出し要求とスピード確認結果の受信のやり取りを説明する。
まずスピード確認起動部102からスピード確認結果問合せが入力されると、スピード確認結果読み出し制御部108−3は、スピード確認結果記録領域114へスピード確認結果(スピード記録データ)の読み出し要求を出力する(ステップS1)。
【0033】
スピード確認結果フィルタ108−2は、スピード確認結果記録領域114から出力されてくるメディア200についてのスピード確認結果を受信する(ステップS2)。そして、受信したスピード確認結果がホスト100自身による測定結果であって、期待するアプリケーション動作設定の結果であるかをチェックし、期待するスピード確認結果が受信された場合は、その結果をバッファ108−1に一時保存する。
【0034】
スピード確認結果フィルタ108−2は、期待するスピード結果が受信できなかった場合、スピード確認結果の要求コマンドの再送を繰り返す(ステップS3,S5)。スピード確認結果記録領域114は、スピード確認結果処理部108からのスピード確認結果の送信要求に応じて、スピード確認結果記録領域514に保存されているデータを一つずつ送信していく(ステップS4)。なお、図9の例では、ステップS4で送信したコマンド確認結果は、最後のコマンド確認結果である。
【0035】
スピード確認結果記録領域114に送信すべきスピード確認結果がなくなっている場合、スピード確認結果処理部108は、スピード確認結果読み出し要求を送信した後でスピード確認結果読み出しエラーを検出する(ステップS6)。スピード確認結果処理部108は、このスピード確認結果読み出しエラーを受信した場合には、スピード確認要求をスピード確認起動部102に出力する。
【0036】
図1のホスト100の各ブロックの説明に戻る。
性能判定部109は、受信したスピード確認結果に基づいてアプリケーションで実行可能な性能を判定する。性能判定部109の入力はスピード確認結果処理部108から出力されるスピード確認結果である。スピード確認結果に含まれるリファレンスクロックの情報と、カウンタのカウント値と、アプリケーション設定情報から算出した性能判定結果を、表示部110に出力する。
【0037】
表示部110の入力は、性能判定部109から出力されるアプリケーションの性能判定結果であり、表示部110はユーザが認識できる形、例えばGUI(Graphical User Interface)によりアプリケーションの性能情報を表示する。
【0038】
メディア制御部111の入力は、シーケンス生成部106からのシーケンスと、スピード確認結果処理部108からのスピード確認結果読み出し要求で、これらの入力に基づき、外部インターフェイス112を制御する。
【0039】
外部インターフェイス112は、特許請求の範囲に記載の接続端子部の一例であり、メディア200が装着され、メディア制御部111からの制御に基づきメディア200とのデータの送受信を行う。
【0040】
[メディアの構成例]
次に、メディア200の各ブロックの詳細を説明する。
図1に示す例では、メディア200は、外部インターフェイス201、メモリコントローラ202、不揮発性メモリ203から構成される。
【0041】
外部インターフェイス201は、メモリコントローラ202からの制御に基づき、ホスト100とのデータのやり取りを行う。
【0042】
メモリコントローラ202は、不揮発性メモリ203(ストレージ領域204)への読み出し、書き込みを行う。ホスト100からデータの読み出し要求を受けたときには、ストレージ領域204へ読み出し処理を行い、読み出したデータをホスト100に送る。また、書き込み要求を受けたときには、ストレージ領域204に対して書き込みを行う。
【0043】
[性能確認処理]
図10は、ホスト100によるメディア200についての性能確認処理を示すフローチャートである。
処理の開始要因は、ユーザからの性能確認要求、メディアの検出、アプリケーションの設定変更等が考えられる。
【0044】
ステップS11において、開始要因を判別し、要因に合わせて、処理手順を分岐させる。ユーザからの性能確認要求であった場合には、シーケンスを実行して実行時間を計測するため、ステップS14のシーケンス実行に移る。開始要因がメディア検出、プリケーションの設定変更であった場合には、スピード確認結果記録領域114内に保存記録されているスピード確認結果を読み出すために、ステップS12に移る。このステップS11の処理はスピード確認起動部102で行われる。
【0045】
なお、メディアのスピード確認結果を記録する領域に、これから実施しようとするアプリケーションのシーケンスで確認したスピード確認結果のデータを発見した場合でも、入力部101を介したユーザの性能測定要求を受け付けるようにしてもよい。このようにした場合、ユーザからの性能測定要求に従って再度スピード確認を実施し、再度実施した新たなスピード確認結果によってスピード確認結果記録領域を上書きすることにより、最新のスピード確認結果が保存される。
【0046】
ステップS12では、スピード確認結果記録領域114内に記録されているスピード確認結果の読み出しを実行する。この処理はスピード確認結果処理部108で行われる。
【0047】
ステップS13では、ステップS12のスピード確認結果の読み出し結果からシーケンスの実施が必要であるかを判別し、処理手順を分岐させる。ステップS12のスピード確認の読み出し結果に、現在のホスト100のアプリケーション動作設定でのスピード確認結果が存在する場合には、既にあるスピード確認結果からアプリケーションの実行可能な性能を判別するために、ステップS16に移る。一方、現在のホスト100のアプリケーション動作設定でのスピード確認結果が存在しない場合には、スピード確認結果を得るために、ステップS14のシーケンス実行に移る。この処理において、スピード確認結果の読み出しと読み出し結果の判別はスピード確認結果処理部108で、ステップS14への移行はスピード確認起動部102で行われる。
【0048】
ステップS14では、アプリケーションの動作設定でシーケンスを生成・実行し、実際にメディア200にアクセスして、シーケンス終了までに要する時間を測定する。この処理において、シーケンスの生成・実行はデータ生成部103、ダミーデータ生成部104、MUX105、シーケンス生成部106で行われ、シーケンスの実行時間の計測はスピード測定部107で行われる。
【0049】
ステップS15では、計測されたシーケンスの実行時間の情報とそのときのアプリケーションの設定動作の情報をスピード確認結果として、ホスト100内のスピード確認結果記録領域114へ書き込む。この処理はスピード確認結果処理部108で行われる。
【0050】
ステップS16では、ステップS15で得られたスピード確認結果からアプリケーションの実行可能な性能を判定する。この処理は性能判定部109で行われる。これから実施しようとするアプリケーションのシーケンスで確認したスピード確認結果のデータを発見した場合にも、そのスピード確認結果のデータを用いて実現可能な性能を判断する。後述するメディア側にスピード確認結果記録領域がある場合も同様である。
【0051】
ステップS17では、ステップS16で得られたアプリケーションの実行可能な性能を表示部110に表示する。この処理は表示部110で行われる。
【0052】
上述した実施の形態によれば、ホストはすべてのメディアに対して実効的なスピード(処理速度)を確認し、ホストアプリケーションの実現可能な性能を判断できる。
【0053】
また、ユーザは使用したいメディアについてホストアプリケーションの実力値(上限)をアプリケーション使用前に確認することができるようになり、ホストアプリケーションの利用の仕方を事前に考えることができる。例えば、ユーザがあるDSCとあるメディアの組合せで、動きのある動作を撮影する場合を想定する。この場合、連続撮影の継続時間の実力(上限)値を撮影開始前に知ることで、動きの継続時間と連続撮影の継続時間から、連続撮影の開始するポイントを検討し、撮影したい瞬間が捉えやすくなる。
【0054】
また、メディアの最低保証速度ではなく、実際のアプリケーションのシーケンスを用いてメディアの性能を測定し、実際のメディアとホストの組合せでの実効的な速度でアプリケーションの性能を規定することができるようになる。
【0055】
また、実行可能なホストのアプリケーションの性能を把握しながら、ホスト機器の設定を切り替える事ができ、ユーザの利便性を向上できる。
【0056】
また、スピード確認結果に含まれるアプリケーションが設定するデータとして、ホストアプリケーションのバージョン情報を持つことで、ホストアプリケーションにバージョンアップがあった場合に、記録されているスピード確認結果が新しいバージョンで実施したものかを判断することができる。
【0057】
また、ユーザが新規にメディアを購入する際に、使用したいホストアプリケーションがそのメディアで使えるのかを試してから購入する事も可能となる。
【0058】
<2.第2の実施の形態>
[情報処理装置(ホストコンピュータ)の構成例]
本発明の第2の実施の形態は、スピード確認結果記録領域をメディア内に持つ場合である。図11は、第2の実施の形態に係る情報処理装置が適用されたホストコンピュータ(ホスト)100Aとメディア200Aからなるストレージシステムのブロック図である。図11において、図1に対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0059】
図11に示すホスト100Aにおいて、スピード確認結果処理部108Aと、メディア制御部111Aのブロックの機能が第1の実施の形態の対応する部分と異なる。スピード確認結果記録領域は、メディア200Aの不揮発性メモリ203Aにスピード確認結果記録領域205として搭載されている。それ以外の部分は第1の実施の形態と同じである。
【0060】
スピード確認結果処理部108Aは、スピード確認結果を読み出すのに、メディア200A内のスピード確認結果記録領域205に読み出す点が第1の実施の形態と異なる。第1の実施の形態では、ホスト内のスピード確認結果記録領域114を読み出している。
【0061】
メディア制御部111Aの入力はシーケンス生成部106からのシーケンスと、スピード確認結果処理部108からのスピード確認結果読み出し要求であり、これらの入力に基づいて、外部インターフェイス312を制御する。
【0062】
[メディアの構成例]
メモリコントローラ202Aは、不揮発性メモリ203A(ストレージ領域204とスピード確認結果記録領域205)への読み出し、書き込みを行う。ホスト100Aからスピード確認結果の読み出し要求を受けたときには、スピード確認結果記録領域205に対して、読み出しを行い、読み出しデータをホスト100Aに送る。またスピード確認結果の書き込み要求を受けたときには、スピード確認結果記録領域205に対して、書き込みを行う。スピード確認結果の読み出し、書き込み以外の要求を受けた場合には、ストレージ領域204に対して、読み出し及び書き込みを行う。
【0063】
スピード確認結果記録領域205は、不揮発性メモリ203の通常のデータ記録領域(ストレージ領域204)とは独立に、スピード確認結果を記録保存する専用領域である。このスピード確認結果記録領域205はデータ記録領域とは別に管理され、データ記録領域が消去されても、消去されない。また、スピード確認結果記録領域205はスピード確認結果を書き込む専用コマンドによってのみ、書き換えが可能である。故に、ユーザの通常の操作ではスピード確認結果記録領域205のデータは消去されない。
【0064】
この実施の形態のホスト100Aによるメディア200Aの性能確認処理は、全体の流れは図10と同じだが、ステップS12とステップS15の処理がそれぞれ第1の実施の形態のときと異なる。それ以外の処理ステップは第1の実施の形態と同じである。ステップS12とステップS15の処理について相違点を説明する。
【0065】
本実施の形態では、ステップS12において、メディア200A内部のスピード確認結果記録領域205からスピード確認結果の読み出しを実行する。この処理はスピード確認結果処理部108Aで行われる。
【0066】
またステップS15において、計測されたシーケンスの実行時間の情報とそのときのアプリケーションの設定動作の情報をスピード確認結果として、メディア200A内部のスピード確認結果記録領域205へ書き込む。この処理はスピード確認結果処理部108Aで行われる。スピード確認結果をスピード確認結果記録領域205に書き込む場合、スピード確認結果は、図7を参照して述べた情報とスピード確認を行ったホストを特定する情報を持つ。
【0067】
上述した本実施の形態は、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏するが、その他、下記の作用効果を奏する。
【0068】
本実施の形態によれば、ホストはメディアへの接続後、メディアに保存されているスピード確認結果を読み出し、自分のスピード確認結果があれば、即座に実現可能な性能を判断することができる。これにより、メディアを外部インターフェイスに装着する度に、毎回、シーケンスを実施して、それにかかる時間を計測する必要がない。したがって、ホストのアプリケーションの性能表示を高速に実施することもできる。
【0069】
また、メディア内のスピード確認結果の記録領域は専用コマンドによってのみ、書き換えが可能としているので、メディアがこの発明を実装していないホストに接続されても、メディア内のスピード確認結果が意図せずに書き換わることがない。
【0070】
<3.第3の実施の形態>
[情報処理装置(ホストコンピュータ)の構成例]
本発明の第3の実施の形態は、スピード確認結果記録領域をホスト内部とメディアの両方に持つ場合である。図12は、第3の実施の形態に係る情報処理装置が適用されたホストコンピュータ(ホスト)100とメディア200Aからなるストレージシステムのブロック図である。図12において、図1及び図11に対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0071】
ホスト100は図1に示す第1の実施の形態と同じである。またメディア200Aは第2の実施の形態と同じである。この実施の形態のホスト100によるメディア200Aの性能確認処理は、全体の流れは図10と同じだが、ステップS12とステップS15の処理がそれぞれ第1の実施の形態のときと異なる。それ以外の処理ステップは第1の実施の形態と同じである。ステップS12とステップS15の処理について相違点を説明する。
【0072】
本実施の形態では、ステップS12において、ホスト内部とメディア内部のスピード確認結果記録領域からスピード確認結果の読み出しを実行する。この処理はスピード確認結果処理部108で行われる。
【0073】
またステップS15において、計測されたシーケンスの実行時間の情報とそのときのアプリケーションの動作設定情報をスピード確認結果として、ホスト内部とメディア内部のスピード確認結果記録領域へそれぞれ書き込む。この処理はスピード確認結果処理部108で行われる。
第1及び第2の実施の形態と異なる点は、スピード確認結果処理部108が、スピード確認結果を読み出すのに、ホスト内のスピード確認結果記録領域114とメディア内のスピード確認結果記録領域205の双方に読み出し要求を出す点である(図13参照)。スピード確認結果を読み出す際には、ホスト側とメディア側のどちらを先に読み出してもよい。
【0074】
スピード確認結果記録領域205の入力は、スピード確認結果処理部108のスピード確認結果読み出し制御部108−3からのスピード確認結果読み出し要求であり、要求に応じてスピード確認結果をスピード確認結果処理部108へ出力する。ホスト100のスピード確認結果記録領域114については、第1の実施の形態と同一である。また、スピード確認結果をスピード確認結果記録領域に書き込む場合は、図13に示すように、双方のスピード確認結果記録領域に対し、スピード確認結果書き込み要求を送る。すなわち、スピード確認結果処理部108のスピード確認結果読み出し制御部108−3からホスト内部とメディア内部の双方のスピード確認結果記録領域に対し、スピード確認結果書き込み要求を送る。
【0075】
上述した本実施の形態は、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏するが、その他、下記の作用効果を奏する。
【0076】
本実施の形態によれば、スピード確認結果記録領域をホスト内部とメディア内部の双方に記録するようにしたので、いずれかのスピード確認結果が消失しても、ホストに装着されたメディアに対するスピード確認結果を読み出すことができる。
【0077】
<4.第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態は、第2の実施の形態で外部にあった記録領域(不揮発性メモリ)がホスト内部に実装されているエンベデッド(組み込み)の場合である。例としては、デジタルスチルカメラ(DSC)やSSD(Solid State Drive)などがある。
【0078】
図14は、第4の実施の形態に係る情報処理装置が適用されたホストコンピュータ(ホスト)の内部構成を示すブロック図である。第2の実施の形態と比較して、ホストとメディアの間で情報のやり取りを仲介していた外部インターフェイスと、ホスト内のメディア制御部がなく、メモリコントローラ202Bと不揮発性メモリ203Bがホストの中に含まれている。
【0079】
この実施の形態のホスト100Bによる不揮発性メモリ203Bの性能確認処理は、全体の流れは図10と同じだが、ステップS12とステップS15の処理がそれぞれ第2の実施の形態のときと異なる。それ以外の処理ステップは第2の実施の形態と同じである。ステップS12とステップS15の処理について相違点を説明する。
【0080】
本実施の形態では、ステップS12において、メモリコントローラ202Bを介し、ホスト内の不揮発性メモリ203Bのスピード確認結果記録領域205に記録されているスピード確認結果の読み出しを実行する。この処理はスピード確認結果処理部108Bで行われる。
【0081】
またステップS15において、計測されたシーケンスの実行時間の情報とそのときのアプリケーションの動作設定情報をスピード確認結果として、メモリコントローラ202Bを介し、ホスト内の不揮発性メモリ203Bのスピード確認結果記録領域205へ書き込む。この処理はスピード確認結果処理部108Bで行われる。
【0082】
また、メモリコントローラ202Bの動作が、第2の実施の形態(図11参照)のものと異なる。
メモリコントローラ202Bは、アプリケーション制御部113と不揮発性メモリ203Bの間のデータのやり取りをする。メモリコントローラ202Bへの入力はシーケンス生成部106からのシーケンスと、スピード確認結果処理部108Bからのスピード確認結果の読み出し要求と、スピード確認結果の書き込み要求である。
【0083】
入力がシーケンス生成部106からのシーケンスの場合には、入力されたシーケンスを逐次、実行し、不揮発性メモリ203Bとの間で、データのやりとりを行う。
入力がスピード確認結果処理部108Bからのスピード確認結果の読み出し要求の場合には、不揮発性メモリ203B内のスピード確認結果記録領域205のデータを読み出し、読み出し結果をスピード確認結果処理部108Bに返す。
また、入力がスピード確認結果処理部108Bからのスピード確認結果の書き込み要求の場合には、不揮発性メモリ203B内のスピード確認結果記録領域205にスピード確認結果を書き込む。
【0084】
上述した本実施の形態は、第2の実施の形態と同様の作用効果を奏するが、その他、下記の作用効果を奏する。
【0085】
本実施の形態によれば、不揮発性メモリ203Bがホスト100Bに内蔵されているので、外部メディアが不要である。
【0086】
<5.第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態は、ホストコンピュータにメディアをマウントするためのスロット(接続端子部)が複数ある場合、いわゆるマルチスロットのホストコンピュータに適用した例である。本例では、2つであるが3以上でもよい。
【0087】
図15は、第5の実施の形態に係る情報処理装置が適用されたホストコンピュータ(ホスト)と複数のメディアからなるストレージシステムのブロック図である。第3の実施の形態と比較して、メディアが追加されている。すなわち、ホストコンピュータ100Cにスロットが2個(外部インターフェイス112C1,112C2)あり、2つのメディア200C1,200C2がマウントされている。メディア制御部111Cは、アプリケーション制御部113と2つのメディア200C1,200C2の間のやり取りを制御する。
【0088】
この実施の形態のホスト100Cによる性能確認処理の流れとしては、図10のフローチャートのステップS11〜S16の処理をスロット毎に繰り返し、各スロットにマウントされたメディアと対応づけてアプリケーションの性能を表示する。
【0089】
上述した本実施の形態は、第2の実施の形態と同様の作用効果を奏するが、その他、下記の作用効果を奏する。
【0090】
本実施の形態によれば、ユーザは、スロットにマウントされたメディア毎のスピードを確認し、使用したいアプリケーションの性能に合わせて、メディアを選択し、データを記録することができる。例えばスピード確認結果に基づいて、より性能が高いと判定されたメディアを選択して、静止画連続撮影などメディアに高い処理能力が求められるデータを記録することができるようになる。また、低い処理能力でもよいデータは、性能の低いメディアに記録するようにしてもよい。
【0091】
このメディアの選択は、スピード確認結果処理部108のスピード確認結果読み出し制御部108−3が、スピード確認結果に基づいて自動的に実行するようにしてもよい。メディアの選択を適切に行うことにより、擬似的にキャッシュメモリのような使用形態とすることも考えられる。
【0092】
また、例えば選択した一方のメディアAに書き込みを行っていないときに、選択していない他方のメディアBへ、メディアAに記録されたデータを移動することで、メディアAの空き容量を増やすことができる。それによって、次の使用時への準備が可能となり、使用アプリケーションに合わせて選択したメディアAを有効に利用することができる。
【0093】
<6.第6の実施の形態>(情報処理装置:複数のアプリケーション制御部を具備)
本発明の第6の実施の形態において、他の実施の形態と異なる点は、ホストがアプリケーション制御部を複数備えている点である。以下では、アプリケーション制御部が2つの場合について説明するが、この例に限らず3つ以上でもよい。
【0094】
図16に、第6の実施の形態に係る情報処理装置が適用されたホストコンピュータ(ホスト)のブロック図を示す。本例のホスト100Dは、図1に示したアプリケーション制御部113に加え、これと異なるアプリケーションを制御するためのアプリケーション制御部113Dをさらに備えている。なお図16において、図1に対応する部分には同一符号を付し、アプリケーション制御部内のブロック構成等の重複部分の説明は割愛する。
【0095】
本例では、撮像素子からの撮像データがデータ生成部103を介してアプリケーション制御部113、アプリケーション制御部113Dに入力される。アプリケーション制御部113とアプリケーション制御部113Dは、それぞれ異なるアプリケーションの制御を行うものである。例えばアプリケーション制御部113が動画処理を行うものである場合、データ生成部103から動画処理に使用されるデータがアプリケーション制御部113に入力され、動画処理設定動作に基づくシーケンスがメディア制御部111へ出力される。また例えばアプリケーション制御部113Dが静止画処理を行うものである場合、データ生成部103から静止画処理に使用されるデータがアプリケーション制御部113Dに入力され、静止画処理設定動作に基づくシーケンスがメディア制御部111へ出力される。
【0096】
アプリケーション制御部113Dは、アプリケーション制御部113と同様、入力部101からの“ユーザからの性能確認要求”と“アプリケーションの動作設定”を受け付ける。またスピード確認結果記録領域114との間でスピード確認結果データの入出力を行う。さらにまた性能判定部(図1参照)で判定したアプリケーションの性能判定結果を、表示部110へ出力し、GUI等のユーザが認識できる形で表示させる。
【0097】
メディア制御部111は、各アプリケーション制御部のシーケンス生成部から出力されたシーケンスで、この入力に基づき、外部インターフェイス112を制御する。
【0098】
本実施の形態によれば、各アプリケーションに対応した複数のアプリケーション制御部を有しているので、各アプリケーションのシーケンス毎に、該当アプリケーションで実行可能な性能を判定することができる。その他、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0099】
なお、上述した情報処理装置で行われる一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。また、これらの処理を実行する機能はハードウェアとソフトウェアの組合せによっても実現できることは言うまでもない。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0100】
また、本明細書において、図10に示した各ステップの処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的もしくはこれとは異なる順序、あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0101】
以上に述べた実施の形態は、本発明を実施するための好適な形態の具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されている。ただし、本発明は、以上の実施の形態の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限られるものではない。例えば、以上の説明で挙げた処理時間、処理順序及び各パラメータの数値的条件等は好適例に過ぎず、また、説明に用いた各図における寸法、形状及び配置関係等も実施の形態の一例を示す概略的なものである。したがって、本発明は、上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】図1のスピード確認起動部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1のダミーデータ生成部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図1のシーケンス生成部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】画像ファイルを書き込むシーケンスの例を示す図である。
【図6】図1のスピード測定部の内部構成を示すブロック図である。
【図7】スピード確認結果の例を示す図である。
【図8】図1のスピード確認結果処理部の内部構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る、スピード確認結果の読み出し要求とスピード確認結果の受信のやり取りを示したシーケンス図である。
【図10】図1の情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図13】図12のスピード確認結果処理部の内部構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態に係る情報処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0103】
100,100A,100B,100C…情報処理装置(ホストコンピュータ)、101…入力部、102…スピード確認起動部、102−1…論理和回路、102−2…動作設定変更部、103…データ生成部、104…ダミーデータ生成部、104−1…データ生成部、104−2…データ出力タイミング調整部、105…MUX(マルチプレクサ)、106…シーケンス生成部、106−1〜106−4…シーケンスA生成部〜シーケンスN生成部、106−5…MUX(マルチプレクサ)、106−6…スピード測定開始・終了制御部、107…スピード測定部、107−1…タイマ、107−2…スピード確認結果データ生成部、108,108A…スピード確認結果処理部、108−1…バッファ部、108−2…スピード確認結果フィルタ、108−3…スピード確認結果制御部、109…性能判定部、110…表示部、111,111C…メディア制御部、112,112C1,112C2…外部インターフェイス、113,113D…アプリケーション制御部、114…スピード確認結果記録領域、200,200A,200C1,200C2…メディア、201…外部インターフェイス、202,202B…メモリコントローラ、203,203B…不揮発性メモリ、204…ストレージ領域、205…スピード確認結果記録領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアが装着され当該メディアとデータ通信可能に接続するための接続端子部と、
アプリケーションを制御して前記メディアとデータの入出力を行う少なくとも一つのアプリケーション制御部とを備え、
前記アプリケーション制御部は、
前記アプリケーションで使用するシーケンスを生成し、前記接続端子部に装着されているメディアへ送信するシーケンス生成部と、
前記メディアによる前記シーケンスの実行時間の測定開始時及び測定終了時を前記シーケンス生成部から受信し、前記シーケンスの実行時間を測定して得られるスピード確認結果データを生成するスピード測定部と、
前記スピード測定部で生成されたスピード確認結果データから、前記アプリケーションで実行可能な性能を判定する性能判定部を含む
情報処理装置。
【請求項2】
前記シーケンスは、前記アプリケーションで使用する読み出し/書き込みコマンドの送信パターンである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記性能判定部は、前記スピード確認結果データに含まれるシーケンスの実行時間に関する情報に基づいて算出した性能判定結果を表示部へ出力する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記アプリケーション毎に前記スピード測定部で生成されたスピード確認結果データを記録部に記録するスピード確認結果処理部、を更に備える
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記スピード確認結果データには、前記スピード確認を行ったアプリケーションとシーケンスを特定する情報、前記実行時間を示すスピード情報、日付を特定する情報、並びに前記スピード確認を行った情報処理装置を特定する情報を含む
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記スピード確認結果データには、前記スピード確認を行ったアプリケーションとシーケンスを特定する情報、前記実行時間を示すスピード情報、日付を特定する情報、並びに前記スピード確認を行ったメディアを特定する情報を含む
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記スピード測定は、前記メディアによるシーケンスの実行時間を測定する処理及び前記アプリケーションで実行可能な性能を判定する処理は、
ユーザからの性能測定要求、前記メディアの検出、又は前記アプリケーションの設定が変化した場合に、実行される
請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記録部が、当該情報処理装置又は前記メディアに設けられている
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記接続端子部を複数台備え、前記性能判定部が各接続端子部に装着されたメディアで実現可能なアプリケーションの性能を判定し、判定の結果を前記表示部へ出力する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
複数のアプリケーション制御部を有し、
各アプリケーション制御部で制御されるアプリケーションのシーケンス毎に実行時間が測定される
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記メディアは一般データを保存する領域とスピード確認結果データを保存する領域をからなる不揮発性メモリを備え、
前記スピード確認結果処理部は、スピード確認結果データを前記メディアから読み出すための専用読み出しコマンドと、スピード確認結果データを前記メディアへ書き込むための専用書き込みコマンドを持ち、前記専用読み出しコマンドと前記専用書き込みコマンドによってのみスピード確認結果データの読み出し及び書き込みが行われる
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記接続端子部に装着されたメディアに対し選択したアプリケーションのスピード確認結果データが前記記録部に保存されている場合、
前記記録部に保存されているスピード確認結果データから、前記アプリケーションで実行可能な性能を判定し、性能判定結果を前記表示部へ出力する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項13】
当該情報処理装置で動作させるアプリケーションで使用するシーケンスを生成する第1ステップと、
前記シーケンスを前記情報処理装置とデータ通信可能に接続しているメディアへ送信する第2ステップと、
前記メディアによる前記シーケンスの実行時間の測定開始時及び測定終了時を受信する第3ステップと、
前記シーケンスの実行時間を測定しスピード確認結果データを生成する第4ステップと、
前記生成されたスピード確認結果データから、前記アプリケーションで実行可能な性能を判定する第5ステップと、を含む
ストレージシステム性能確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−146191(P2010−146191A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321272(P2008−321272)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】