説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】ウィンドウ等の画像を複数表示可能な場合において、小さい表示領域であっても、ユーザが所望する画像を指定する際のユーザの操作負担を軽減することのできる技術を提供する。
【解決手段】通信端末装置10は、ウィンドウの一覧画面において各ウィンドウの配置を変更する場合に、まず、基の画面から、その画面を俯瞰した俯瞰画面を表示し、次に、その俯瞰画面においてウィンドウの配置を変更し、最後に、その表示内容を拡大した拡大画面(基の画面)に戻す、という手順を踏む。このように、拡大画面を表示することによって、携帯電話機のような小型の表示領域において、各ウィンドウを見やすくすることができる。また、ウィンドウを拡大した拡大画面では表示しきれないウィンドウが発生するが、俯瞰画面を表示することによって、そのような表示しきれないウィンドウが存在していることや、そのウィンドウの位置を、ユーザに意識させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GUI(Graphical User Interface)に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチウィンドウシステム、すなわち複数のウィンドウを表示可能なウィンドウシステムがある。マルチウィンドウシステムを携帯電話機等の電子機器に適用した場合、ウィンドウの選択に要する操作が煩雑になることがある。例えば、任意の位置(座標)を選択できるポインティングデバイス(マウス等)を有しない電子機器においては、表示されるウィンドウの数が多くなるほど、所望のウィンドウを選択するための操作が煩雑になりがちである。
【0003】
また、携帯電話機等の表示画面が小さい電子機器の場合、表示すべき複数のウィンドウの全てを表示画面に表示しようとすると、ひとつひとつのウィンドウのサイズが小さくなってしまい、ユーザが各ウィンドウの内容を認識し難くなる。一方、逆に各ウィンドウをユーザが認識し得る適度な大きさで表示しようとすると、表示すべき複数のウィンドウの全てを表示することができず、一部のウィンドウしか表示できなくなってしまう。このように、表示画面が小さい電子機器においてマルチウィンドウシステムを適用すると、ユーザが複数のウィンドウから所望のウィンドウを選択することが困難な場合があった。
【0004】
マルチウィンドウシステムにおける操作性を向上させる技術として、特許文献1及び2に記載された技術がある。特許文献1及び2に記載された技術は、表示領域中に特別なウィンドウを設け、そのウィンドウの中に、非表示のウィンドウを含む全ウィンドウの配置の俯瞰画面を表示するものである。
【特許文献1】特開2003−280630号公報
【特許文献2】特開2007−122633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、複数のウィンドウの全体の画面イメージを容易に把握できるものの、ユーザが所望のウィンドウを選択する操作は煩雑になりがちである。また、携帯電話機のディスプレイのような小さい表示領域では、その表示領域中に俯瞰画面用のウィンドウを設ける余地がない。
そこで、本発明は、ウィンドウ等の画像を複数表示可能な場合において、小さい表示領域であっても、ユーザが所望する画像を指定する際のユーザの操作負担を軽減することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、複数のオブジェクト画像からなるオブジェクト画像群のうちの少なくとも一部を、第1の縮尺に応じた大きさで、画像を表示する表示手段に表示させるオブジェクト画像表示手段と、操作を受け付ける操作手段が、前記オブジェクト画像が表示されている位置を変更する操作を受け付けると、前記オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群を、前記第1の縮尺よりも小さい第2の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示させてから、当該オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群の少なくとも一部を、前記第1の縮尺で前記表示手段に表示させる表示位置変更手段と、前記第1の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示されているオブジェクト画像を指定する操作を操作手段が受け付けると、指定されたオブジェクト画像に応じた処理を実行する処理実行手段とを具備する構成を特徴とする。
【0007】
本発明に係る情報処理装置において、前記表示位置変更手段は、前記オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群の全部を、前記第1の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示可能か否かを判定し、判定結果が否定的である場合には、前記第2の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示させてから、当該オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群の少なくとも一部を、前記第1の縮尺で前記表示手段に表示させる構成であってもよい。
【0008】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記複数のオブジェクト画像のうちの少なくともいずれかひとつを選択する選択手段を具備し、前記オブジェクト画像表示手段は、前記選択手段によって選択されたオブジェクト画像の全てが前記表示手段に表示されるように、前記オブジェクト画像群のうちの少なくとも一部を表示し、前記表示位置変更手段は、前記選択手段によって選択されたオブジェクト画像の全てが前記表示手段に表示されるように、前記オブジェクト画像群のうちの少なくとも一部を表示する構成であってもよい。
【0009】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記表示位置変更手段は、前記オブジェクト画像群をズームアウトさせることによって該オブジェクト画像群の大きさを前記第1の縮尺から前記第2の縮尺に変更するとともに、前記オブジェクト画像群をズームインさせることによって該オブジェクト画像群の大きさを前記第2の縮尺から前記第1の縮尺に変更する構成であってもよい。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータをこれらの情報処理装置として機能させることを特徴とするものである。また、本発明に係るプログラムは、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供され得る。なお、本発明は、かかるプログラムを記憶させた光ディスク等の記録媒体としても特定され得る。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ウィンドウ等の画像を複数表示可能な場合において、小さい表示領域であっても、ユーザが所望する画像を指定する際のユーザの操作負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態である通信端末装置の物理的構成を示すブロック図である。なお、本実施形態の通信端末装置10は、図示せぬマイクやスピーカ等の音声を入出力する手段を備えた、携帯電話機であるとする。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)11dを備え、CPU11aがRAM11cをワークエリアとして用いてROM11bやEEPROM11dに記憶されたプログラムを実行し、これにより通信端末装置10の各部の動作を制御する。無線通信部12は、アンテナ12aを備え、所定の移動通信網とのデータ通信を無線で行う。表示部13は、液晶ディスプレイや液晶駆動回路を備え、制御部11から供給される表示データに応じた画像を所定の表示領域に表示する。操作部14は、複数のキー(操作子)を備え、ユーザの押下操作に応じた操作情報を制御部11に供給する。操作部14は、ウィンドウを選択するためのキー(以下「方向キー」という。)と、ウィンドウの配置を変更するためのキー(以下「変更キー」という。)と、ウィンドウを指定するためのキー(以下「決定キー」という。)を備える。ユーザは、これらのキーを操作することにより、ウィンドウを選択したり、ウィンドウの配置を変更したりすることができる。なお、方向キーは、本実施形態においては上下左右の4方向を操作方向として択一的に選択できるキーであるとするが、斜め方向(右上や左下)など、上下左右以外の方向を選択できるものであってもよい。また、ここでは、方向キーが操作方向を選択する操作を受け付ける例を挙げて説明するが、通信端末装置10がタッチパネルを備えている場合には、タッチパネルがこの操作を受け付けてもよい。
【0013】
ROM11bは、あらかじめいくつかのプログラムを記憶している。以下ではこれを「プリインストールプログラム」という。プリインストールプログラムは、マルチタスクオペレーティングシステム(以下「マルチタスクOS」という。)、Java(登録商標)プラットフォーム及びネイティブアプリケーションを含む。マルチタスクOSは、複数のタスクの擬似的な並列実行を実現するために必要な仮想メモリ空間の割り当てなどの各種機能をサポートしたオペレーティングシステムである。Javaプラットフォームは、マルチタスクOSを搭載した通信端末装置10において後述するJava実行環境140を実現するためのコンフィギュレーションであるCDC(Connected Device Configuration)に従って記述されたプログラム群である。ネイティブアプリケーションは、通話等の通信端末装置10における基本的な機能を実現するプログラムである。
【0014】
EEPROM11dは、Javaアプリケーションが記憶されるJavaアプリケーション格納領域を有する。Javaアプリケーションは、Java実行環境下における処理の手順自体を記述した実体プログラムとその実体プログラムの実行に伴って利用される画像ファイルや音声ファイルとを結合したJAR(Java Archive)ファイルと、そのJARファイルのインストールや起動などに関する各種の属性を記述したADF(Application Descriptor File)とを有している。このJavaアプリケーションは、コンテンツプロバイダ又は通信事業者により作成されて外部のサーバ装置などに格納され、通信端末装置10からの要求に応じてそれらのサーバ装置から適宜ダウンロードされるようになっている。
【0015】
図2は、ROM11b及びEEPROM11dに記憶された各種プログラムの実行により通信端末装置10の制御部11に実現される各部の論理的構成を示す図である。同図に示すように、各種プログラムを実行する通信端末装置10には、ネイティブアプリケーション120及びJava実行環境130がOS110上に実現され、また、EEPROM11dには第1ストレージ140と第2ストレージ150とが確保される。
【0016】
Java実行環境130は、ROM11bのJavaプラットフォームにより実現される。Java実行環境130は、クラスライブラリ160、JVM(Java Virtual Machine)170及びJAM(Java Application Manager)180からなる。クラスライブラリ160は、特定の機能を有するプログラムモジュール(クラス)群を1つのファイルに結合したものである。JVM170は、上述のCDCのために最適化されたJava実行環境であり、Javaアプリケーションとして提供されるバイトコードを解釈して実行する機能を有する。JAM180は、Javaアプリケーションのダウンロード、インストール、起動、終了などを管理する機能を有する。
【0017】
第1ストレージ140は、JAM180の管理の下にダウンロードされるJavaアプリケーション(JarファイルとADF)を格納する領域である。第2ストレージ150は、Javaアプリケーションの実行の際に生成されたデータをその終了後に格納しておくための領域であり、インストールされたJavaアプリケーション毎に個別の格納領域が割り当てられるようになっている。そして、あるJavaアプリケーションに割り当てられた格納領域のデータは、そのJavaアプリケーションが実行されている間のみ書き換え可能となっており、別のJavaアプリケーションが書き換えを行い得ないようになっている。
【0018】
本実施形態のJavaアプリケーションには、複数のウィンドウを表示するためのアプリケーションが含まれる。複数のウィンドウを表示するためのJavaアプリケーションには、「一覧表示アプリケーション」と「ウィジェット」とがある。ここにおいて、一覧表示アプリケーションとは、表示部13の表示領域に1又は複数のウィンドウを表示し、その表示態様を制御するためのアプリケーションをいう。また、「ウィジェット」とは、一覧表示アプリケーションによってウィンドウが表示されることによって、所定の機能を実現するアプリケーションをいう。
【0019】
本実施形態において「ウィンドウ」とは、あるウィジェットに対して割り当てられる表示部13の一部の表示領域をいうものであり、他の部分と区別可能な画像として表示される。ウィンドウは、ある有意な情報を表示するものであり、本発明における「オブジェクト画像」の一例である。なお、ウィンドウの形状やサイズ(面積)は、ウィジェット毎に決められているが、可変であることを妨げない。また、ウィンドウは、ユーザの操作に応じて移動可能である。
【0020】
本実施形態においては、ウィジェットが複数あり、それぞれのウィジェットが異なる機能を実現する。ウィジェットには、例えば、時計を模した画像をウィンドウに表示することによって日時を表示するもの(以下「時計ウィジェット」という。)や、ユーザが入力した文字等を備忘録のようにウィンドウに表示するもの(以下「メモウィジェット」という。)や、映像又は音楽を再生するもの(以下「再生ウィジェット」という。)などがある。また、ウィジェットは、適当なタイミングで無線通信部12を介してニュースや天気予報などの情報を取得し、取得した情報に応じた表示を行うものであってもよい。
【0021】
本実施形態の通信端末装置10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、通信端末装置10は、ユーザの要求に応じて複数のアプリケーションを実行する。本実施形態の通信端末装置10は、ウィジェットのウィンドウを複数表示することによってマルチウィンドウシステムを実現している。つまり、通信端末装置10は、複数のウィンドウを表示する場合には、一覧表示アプリケーションを実行している状態にある。ユーザは、操作部14の方向キーを操作することにより、複数のウィンドウのいずれかを選択し、また、選択されているウィンドウを変更することができる。制御部11は、操作部14から出力される信号に応じて、表示部13に表示された複数のウィンドウのうちの少なくともいずれかひとつを選択したり、また、選択するウィンドウを変更したりする。なお、制御部11が選択するウィンドウは1に限らず、複数であってもよい。以下においては、説明の便宜上、選択されているウィンドウを「選択ウィンドウ」といい、選択されていないウィンドウを「非選択ウィンドウ」という。なお、本実施形態において、ウィンドウについて「選択」とは、当該ウィンドウに入力フォーカスを与えることをいう。
【0022】
通信端末装置10は、ユーザにより選択されたウィンドウに対応するウィジェットを、そのウィンドウが選択されていないときと異なる処理を実行する状態にする。換言すれば、各ウィジェットは、対応するウィンドウが選択中であるか否かによって異なる処理を実行可能である。例えば、時計ウィジェットは、選択されていない場合には日時を表示する処理を実行するが、選択された場合には日時や外観(色など)を変更する処理を実行することができる。また、メモウィジェットは、選択されていない場合には文字等を表示する処理を実行するが、選択された場合には文字等を変更する処理を実行することができる。同様に、再生ウィジェットは、選択されていない場合には映像又は音楽を再生する処理を実行するが、選択された場合には音量の調整、一時停止、早送りなどを行う処理を実行することができる。なお、かかる処理は、ユーザが時刻を合わせる操作をすれば時刻を変更する、といった具合に、ユーザの操作に応じて行われる。
【0023】
また、一覧表示アプリケーションが実行されている状態において、ユーザは、操作部14の決定キーを操作することにより、表示部13に表示されているウィンドウを指定することができる。表示部13に表示されているウィンドウを指定する操作を操作部14が受け付けると、制御部11は、指定されたウィンドウに応じた処理を実行する。例えば、時計ウィジェットに対応するウィンドウが指定された場合には、制御部11は、そのウィンドウの表示サイズを大きくするとともに日時や外観(色など)を変更する処理を実行する。
【0024】
なお、一覧表示アプリケーションは、複数のウィンドウの一覧表示を中断する場合がある。例えば、通信端末装置10は、一覧表示アプリケーションによる一覧表示を実行中にユーザが通話を開始した場合には、表示部13が表示する画像を通話用の画像に変更する割込処理を実行する。このような場合のために、通信端末装置10の制御部11は、複数のウィンドウがどのように表示されていたかを示す表示情報を生成し、EEPROM11dに記憶させている。制御部11は、ウィンドウの表示に変更がある毎に、この表示情報を更新する。表示情報には、その時点で表示されていたウィンドウとその配置を示す情報と、その時点の選択ウィンドウを示す情報とが含まれる。なお、表示情報には、各ウィンドウを識別する識別情報が含まれる。その後、通信端末装置10は、通話が終了し、ユーザが所定の操作をすると、一覧表示アプリケーションによる一覧表示を再開する。通信端末装置10は、表示情報を参照し、中断前と同様の表示態様になるように一覧表示を再開する。
【0025】
図3は、通信端末装置10の制御部11が複数のウィンドウを表示するとき(すなわち制御部11が一覧表示アプリケーションを実行するとき)に実現する機能を示す機能ブロック図である。同図に示すように、通信端末装置10の制御部11は、記憶されたプログラムを実行することにより、操作情報取得部210、選択部220及び表示制御部230に相当する各機能を実現する。
【0026】
操作情報取得部210は、操作部14からの操作情報を取得する機能を有する。操作情報取得部210は、ユーザが操作したキーと制御部11が実行中の処理の内容とに基づき、ユーザの操作の内容を特定する。操作情報取得部210は、さらに、遷移受付部211と指示受付部212とを含む。遷移受付部211は、選択ウィンドウを変更する操作を受け付ける。遷移受付部211は、あるウィンドウが選択ウィンドウである場合において、方向キーによっていずれかの操作方向が指示されたときに機能する。指示受付部212は、ウィンドウの配置を変更する指示を受け付ける。指示受付部212は、複数のウィンドウが表示されている場合において、変更キーが押下されたときに機能する。
【0027】
選択部220は、ウィンドウが複数表示される場合に、その複数のウィンドウから選択ウィンドウを選択する機能を有する。選択部220が選択ウィンドウを選択する場合には、あらかじめ記憶された表示情報に基づいて選択ウィンドウを決定する場合と、ユーザの操作に応じて選択ウィンドウを決定する場合とがある。例えば、選択部220は、遷移受付部211が選択ウィンドウを変更する操作を受け付けた場合に、その操作に応じて選択ウィンドウを変更する。すなわち、このとき選択部220が実現する機能は、選択ウィンドウをあるウィンドウから別のウィンドウに遷移させる機能である。このとき、選択部220は、指示された操作方向を特定し、選択ウィンドウからみて当該操作方向にある最も近い非選択ウィンドウを選択ウィンドウとして指定する。
【0028】
表示制御部230は、外部からの情報に応じてウィンドウの表示を制御する機能を有する。すなわち、表示制御部230は、外部からの情報に応じて、ウィンドウの表示の開始や終了、ウィンドウの表示位置の変更などを行う。また、表示制御部230が行う表示制御には、選択ウィンドウの遷移に応じた表示変更や、変更キーの押下に応じたウィンドウの配置変更が含まれる。表示制御部230は、選択ウィンドウと非選択ウィンドウが区別可能であるようにこれらを表示する。すなわち、表示制御部230は、選択ウィンドウと非選択ウィンドウとを異なる表示態様で表示する。
【0029】
図4は、選択ウィンドウと非選択ウィンドウの表示態様を例示する図である。同図に示すように、表示制御部230は、例えば、選択ウィンドウがウィンドウW1であれば、ウィンドウW1に枠F1を付すことによって非選択ウィンドウたる他のウィンドウW2〜W6と区別する。なお、表示態様の区別は、この例に限らず、例えば、選択ウィンドウを点滅させたり、非選択ウィンドウを半透明にさせたりするものであってもよい。
【0030】
また、選択ウィンドウの遷移は、方向キーが示す操作方向について行われる。例えば、選択ウィンドウがウィンドウW1である場合、表示制御部230は、ウィンドウW1の上下左右にあるウィンドウW2〜W5を、次に選択され得るウィンドウであるとする。なお、このときユーザは、ウィンドウW6を選択する場合には、選択ウィンドウをウィンドウW1からウィンドウW2(又はW5)に遷移させ、さらにウィンドウW6に遷移させる、といった具合に、遷移操作を2回行う必要がある。
【0031】
さらに、表示制御部230は、選択ウィンドウと次に選択され得るウィンドウとの間に、目印となる所定の文字や画像を表示させてもよい。このような表示を行えば、ユーザが次に選択され得るウィンドウを容易に認識することが可能となる。なお、例えば図4のウィンドウW3が選択ウィンドウである場合のように、次に選択され得るウィンドウが同一の操作方向(この場合、上方向)について複数存在する場合には、所定の規則に従って一のウィンドウが次に選択され得るウィンドウとされ、目印の表示が行われる。
【0032】
図5は、以上の構成及び機能を有する制御部11が実行する表示制御を示すフローチャートである。このフローチャートが示す処理は、「一覧表示アプリケーション」が起動されたことを契機に実行されるものである。まず、制御部11は、複数のウィンドウの配置態様を予め定められたアルゴリズムに従って決定する(ステップS1)。配置の決定の態様としては、例えば、制御部11が、EEPROM11d等に格納された設定情報に従って決定するようにしてもよく、また、例えば、各ウィジェットがダウンロードされた日時の古い順に配置するようにしてもよく、また、例えば、各ウィジェットの起動回数に応じて配置するようにしてもよい。また、例えば、所定のランダム関数を用いて配置態様を決定するようにしてもよく、要は、制御部11が、予め定められたアルゴリズムに従って決定すればよい。
【0033】
複数のウィンドウの配置態様を決定すると、制御部11は、複数のウィンドウからなるウィンドウ群のうちの少なくとも一部を、予め定められた縮尺(以下「第1の縮尺」という。)に応じた大きさで表示部13に表示させる(ステップS2)。ここでは、制御部11は、表示すべき複数のウィンドウがステップS1で決定された配置態様で配置されて形成される画像(以下「全体画像G1」という。)の少なくとも一部を、表示部13の表示領域に第1の縮尺に応じた大きさで表示する。
【0034】
図6は、全体画像G1の一例を示す図であり、図7は、ステップS2において表示部13に表示される画面の一例を示す図である。図6及び図7においては、ウィンドウW1〜W8の8つのウィンドウを表示する場合を例示している。図6及び図7に例示するように、制御部11は、ウィンドウW1〜W8がステップS1で決定された配置態様で配置された全体画像G1を、表示部13の表示領域R1に第1の縮尺に応じた大きさで表示する。図7においては、ウィンドウW1が選択ウィンドウである場合について例示している。図7に例示するように、制御部11は、選択されたウィンドウの全て(図7に示す例では選択ウィンドウW1)が表示部13に表示されるように、全体画像G1を第1の縮尺に応じた大きさで表示する。
【0035】
図7に示すように、表示部13の表示領域R1には複数のウィンドウが表示される。図7に示す画面が表示されている状態において、ユーザは、方向キーを用いて選択ウィンドウを変更することができる。制御部11は、操作部14から出力される操作情報に応じて、選択ウィンドウを変更する。
【0036】
また、ユーザは、操作部14の変更キーを用いてウィンドウが表示されている位置を変更することができる。制御部11は、ウィンドウの位置を変更するための操作が行われるまで待機し(ステップS3;NO)、ウィンドウが表示されている位置を変更する操作を操作部14が受け付けると(ステップS3;YES)、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群を、第1の縮尺よりも小さい縮尺(以下「第2の縮尺」という。)に応じた大きさで表示部13に表示させてから、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群の少なくとも一部を、第1の縮尺で表示部13に表示させる処理を行う(ステップS4〜S7)。これらの処理について以下で図面を参照しつつ詳述する。
【0037】
図7に例示する画面、すなわち全体画像G1の一部が表示されている状態において、配置の変更を指示する旨の操作情報が操作部14から出力されると、制御部11は、まず、表示されている画面を俯瞰した俯瞰画面を表示する(ステップS4)。より具体的には、制御部11は、表示すべきウィンドウがステップS1で決定された配置態様で配置されて形成される全体画像G1の全部が表示領域R1に表示されるように、表示領域R1の表示内容を変更する。図8は、ステップS4において表示部13の表示領域R1に表示される俯瞰画面の一例を示す図である。図8に示す例では、図6で示した全体画像G1が縮小されてその全体が表示可能なサイズで表示が行われる。ステップS4においては、制御部11は、全体画像G1をズームアウトさせながら表示内容を変更するようにしてもよい。
【0038】
次いで、制御部11は、予め定められたアルゴリズムに従って複数のウィンドウの配置態様を変更する(ステップS5)。配置の変更態様としては、例えば、制御部11が、所定のランダム関数を用いて配置態様を変更するようにしてもよく、要は、制御部11が予め定められたアルゴリズムに従って複数のウィンドウの配置態様を変更するものであればどのようなものであってもよい。
【0039】
次いで、制御部11は、図8に例示する俯瞰画面においてウィンドウの配置を変更する(ステップS6)。すなわち、制御部11は、ウィンドウの配置が変更されたウィンドウ群を、第1の縮尺よりも小さい第2の縮尺に応じた大きさで表示部13に表示させる。ここでは、制御部11は、ステップS5で決定した配置態様で複数のウィンドウが配置されて形成される画像(以下、「全体画像G2」という。)の全部が表示部13の表示領域R1に表示されるように、表示領域R1の表示内容を変更する。図9は、ステップS6において表示部13の表示領域R1に表示される俯瞰画面の一例を示す図である。図9に示す例では、配置が変更された全体画像G2が縮小されてその全体が表示可能なサイズで表示が行われる。
【0040】
この表示の書き換えに際し、制御部11は、表示する画像に適当な視覚効果を付与するようにしてもよい。例えば、制御部11は、変更前の配置から変更後の配置になるまでの期間に、配置されるウィンドウとは別の画像(例えば、「お待ちください」と表示した画像や、砂時計の画像)を表示させてもよいし、変更前の配置から徐々に変更後の配置に変化していくように、複数のウィンドウの画像をアニメーション表示させてもよい。また、このときに制御部11は、書き換えを行っていることをユーザに報知する適当な効果音を発生させるようにしてもよい。なお、かかる視覚効果は、変更キーが押下された後であって、表示されているすべてのウィンドウの配置が決定されるまでの適当な時期に開始されてもよい。このようにすれば、配置の決定に時間を要する場合であっても、画像が動かないでそのままであることをなくすことができる。
【0041】
図9に例示する俯瞰画面、すなわちウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群を第2の縮尺に応じた大きさで表示部13に表示させてから、制御部11は、その表示内容を拡大した拡大画面(基の画面)に戻す処理を行う(ステップS7)。すなわち、制御部11は、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群の少なくとも一部を、第1の縮尺で表示部13に表示させる。ここでは、制御部11は、全体画像G2が第1の縮尺に応じた大きさで表示領域R1に表示されるように、表示領域R1の表示内容を変更する(ステップS7)。このとき、制御部11が、全体画像G2をズームインさせることによって表示内容を変更するようにしてもよい。また、このとき、ステップS7の処理において、全体画像G2の全てを表示領域R1に表示しきれない場合には、全体画像G2の一部が表示領域R1に表示される。図10は、ステップS7において表示領域R1に表示される画面の一例を示す図であり、図11は、全体画像G2の一例を示す図である。図10及び図11に例示するように、表示領域R1には、全体画像G2のうちの一部が表示される。また、図10に示すように、制御部11は、選択されたウィンドウの全て(図10に示す例では選択ウィンドウW1)が表示領域R1に表示されるように、全体画像G2の少なくとも一部を表示する。
【0042】
制御部11は、一覧表示アプリケーションを終了するか否かを判定し(ステップS8)、アプリケーションを終了すると判定した場合には(ステップS8;YES)、アプリケーションの実行処理を終了する一方、それ以外の場合には(ステップS8;NO)、ステップS3の処理に戻り、ウィンドウの配置変更を指示されるまで待機し、ウィンドウの配置変更を指示されると(ステップS3;YES)、ステップS4以降の処理を行って、ウィンドウの配置を変更する処理を行う。
【0043】
また、制御部11は、一覧表示アプリケーションの実行中において、第1の縮尺に応じた大きさで表示部13に表示されているウィンドウを指定する操作を操作部14が受け付けると(すなわち図5のステップS2又はS3において表示部13に表示されているウィンドウを指定する操作を操作部14が受け付けると)、指定されたウィンドウに応じた処理を実行する。なお、図5においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、この処理についての図示を省略している。
【0044】
一覧表示アプリケーションにおいてウィンドウの配置を変更することによって、ユーザが所望のウィンドウを選択するためにキーを押下する回数を減らすことが可能であり、ウィンドウの選択のための操作性を向上させることができる。具体的には、例えば、ウィンドウの配置が図7に例示する態様である場合において、選択ウィンドウをウィンドウW2からウィンドウW8に変更するためには、ユーザは、十字キーを下方向に2回、左方向に1回押下する必要がある。一方、ユーザが変更キーを押下することによってウィンドウの配置が図10に示す態様に変更された場合には、選択ウィンドウをウィンドウW2からウィンドウW8に変更するためには、ユーザは、十字キーを左方向に1回だけ押下すればよいことになる。このように、本実施形態においては、ユーザは、変更キーを押下するだけで、操作がしやすくなるようにウィンドウの配置を変更することができる。なお、この表示制御による効果は、表示されているウィンドウの数が多い場合ほど顕著となりやすく、また、選択ウィンドウから所望のウィンドウを選択するまでに方向キーを押下する回数が多いほど顕著となりやすい。
【0045】
なお、配置を1回変更しただけでは操作回数が減少しない場合には、ユーザは、変更キーを複数回押下し、配置を複数回変更すればよい。このとき、ユーザにあっては、同一のキーのいわゆる連打が可能であり、異なるキーを繰り返し押下する場合(例えば、「上」、「右」、「上」と押下する場合)に比べ、操作が簡単である。
【0046】
本実施形態の表示制御は、以上のとおりである。本実施形態では、上述したように、ウィンドウの一覧画面において各ウィンドウの配置を変更する場合には、まず、基の画面から、その画面を俯瞰した俯瞰画面を表示し、次に、その俯瞰画面においてウィンドウの配置を変更し、最後に、その表示内容を拡大した拡大画面(基の画面)に戻す、という手順を踏む。このように、拡大画面を表示することによって、携帯電話機のような小型の表示領域において、各ウィンドウを見やすくすることができる。また、ウィンドウを拡大した拡大画面では表示しきれないウィンドウが発生するが、俯瞰画面を表示することによって、そのような表示しきれないウィンドウが存在していることや、そのウィンドウの位置を、ユーザに意識させることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、所望のウィンドウを選択するためにキーを押下する回数を減らしてウィンドウの選択のための操作性を向上させることができるとともに、ウィンドウを選択する際にユーザがウィンドウの全体の配置を把握し易くすることができる。
【0048】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
【0049】
(1)変形例1
上述の実施形態において、制御部11が、俯瞰画面を表示するか否かを、ウィンドウの数等に応じて制御するようにしてもよい。例えば、ウィンドウが1つの場合には俯瞰する必要はないので、最初から拡大画面を表示する一方、拡大画面に収まりきれないような数のウィンドウが存在している場合には、それらのウィンドウをちょうど俯瞰し得るだけの領域を表示してから拡大画面に移行するようにしてもよい。この場合の処理の流れを示すフローチャートの一例を図12に示す。図12は、上述した実施形態に係る図5のフローチャートに対応するものであり、図5に示すフローチャートと図12に示すフローチャートとが異なる点は、図12に示すフローチャートがステップS21,S22,S23を有する点である。そのため、以下の説明においては、図5と同様の処理については同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0050】
図12に示す例において、制御部11は、配置を変更する際に(ステップS3;YES)、俯瞰画面を表示するか否かを判定する(ステップS21)。ここでは、制御部11は、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群の全部を、第1の縮尺に応じた大きさで表示部13に表示可能か否かを判定することによって、俯瞰画面を表示するか否かを判定する。制御部11は、ウィンドウ群の全部を第1の縮尺に応じた大きさで表示可能である場合には俯瞰画面を表示しないと判定する一方、ウィンドウ群の全部を第1の縮尺に応じた大きさで表示できない場合には俯瞰画面を表示すると判定する。俯瞰画面を表示すると判定した場合には(ステップS21;YES)、制御部11は、ウィンドウ群を第2の縮尺に応じた大きさで表示部13に表示させてから(ステップS6)、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群の少なくとも一部を、第1の縮尺で表示部13に表示させる(ステップS7)。すなわち、制御部11は、一旦俯瞰画面を表示した後に拡大画面を表示する。一方、俯瞰画面を表示しないと判定した場合には(ステップS21;NO)、制御部11は、ウィンドウ群の配置を変更し(ステップS22)、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群を、第1の縮尺に応じた大きさで表示部13に表示する(ステップS23)。すなわち、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群の全部を、第1の縮尺に応じた大きさで表示部13に表示可能である場合には、制御部11は、俯瞰画面を表示せずに、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群を第1の縮尺に応じた大きさで表示させる。このように、図12に示す例では、制御部11は、ウィンドウ群の全部を表示部13に表示可能か否かを判定し、表示可能と判定した場合には俯瞰画面を表示せずにウィンドウの配置を変更する一方、表示不可能と判定した場合には、ウィンドウの配置を変更する際に一旦俯瞰画面を表示するように制御する。
【0051】
図12のステップS21において、俯瞰画面を表示するか否かの判定の態様としては、例えば、制御部11が表示されるウィンドウの数に応じて判定するようにしてもよい。より具体的には、例えば、制御部11が、表示すべきウィンドウの数が予め定められた閾値以上であれば俯瞰画面を表示する一方、閾値未満である場合には俯瞰画面を表示しないように制御してもよい。
【0052】
また、俯瞰画面を表示するか否かの判定の他の態様として、制御部11が、配置変更後のウィンドウを全て表示可能か否かを判定するようにしてもよい。具体的には、例えば、制御部11が、実際にウィンドウを配置した画像を計算し、全表示不可なら俯瞰画面を表示する一方、全表示可なら俯瞰画面を表示しないように制御してもよい。
【0053】
また、例えば、制御部11が、ウィンドウのサイズに応じて判断してもよい。例えば、制御部11が、ウィンドウの周囲長の合計を算出し、算出結果が閾値以上である場合は俯瞰画面を表示する一方、閾値未満の場合は俯瞰画面を表示しないように制御してもよい。また、例えば、制御部11が、ウィンドウの面積の合計を算出し、算出結果が閾値以上であれば俯瞰画面を表示する一方、閾値未満の場合は俯瞰画面を表示しないようにしてもよい。
【0054】
また、俯瞰画面を表示するか否かの判定の他の態様として、制御部11がユーザ操作に応じて判定するようにしてもよい。例えば、制御部11が、変更キーの1度押しや長押しでは俯瞰画面を表示する一方、2度押した短期間押しの場合には俯瞰画面を表示しないようにしてもよい。この場合は、例えば、ユーザの操作の態様を示す操作態様情報と、俯瞰画面を表示するか否かを示すフラグとを対応付けてEEPROM11d等の所定のメモリに予め記憶させておき、ユーザによって操作が行われると、制御部11が、操作部14から出力される信号に応じて、ユーザの操作態様を特定し、特定した操作態様に応じて、俯瞰画面を表示するか否かをメモリを参照して判定するようにしてもよい。
【0055】
(2)変形例2
上述の実施形態において、俯瞰画面において制御部11がウィンドウ群を表示する際の第2の縮尺は、一定値であってもよく、また、可変であってもよい。具体的には、例えば、制御部11が、俯瞰画面において表示すべきウィンドウの全てを表示可能な縮尺を、ウィンドウの数や配置態様に応じてその都度変更するようにしてもよい。また、これに限らず、俯瞰画面においては制御部11が常に一定の縮尺に応じた大きさでウィンドウ群を表示するようにしてもよい。
【0056】
また、上述の実施形態の図9に示す例では、制御部11は、表示すべきウィンドウの全体が全て表示部13の表示領域R1に表示されるような縮尺で、複数のウィンドウを表示するようにしたが、これに限らず、例えば、図13に示すように、表示すべきウィンドウ群に含まれるウィンドウの全てを、各ウィンドウの少なくとも一部が表示されるような縮尺で俯瞰画面を表示するようにしてもよい。
要は、俯瞰画面を表示する際に、制御部11が、第1の縮尺よりも小さい縮尺に応じた大きさでウィンドウ群を表示するようにすればよい。
【0057】
(3)変形例3
上述の実施形態において、制御部11が、俯瞰画面を表示している期間を、表示内容に応じて適宜変更するようにしてもよい。例えば、表示ウィンドウの数が多いほど、俯瞰画面の表示期間を長くするようにしてもよい。また、例えば、制御部11が、第1の縮尺と第2の縮尺との差分が大きいほど、俯瞰画面の表示時間を長くするように制御してもよい。要するに、制御部11が、全体配置を把握しづらい場合ほど、俯瞰画面の表示期間を長くすればよい。
【0058】
また、ユーザ操作に応じて俯瞰画面を表示する期間を変更するようにしてもよい。例えば、制御部11が、ユーザによって変更キーが長押しされている期間においては俯瞰画面を表示するようにしてもよい。この場合は、制御部11が、ユーザによって変更キーが長押しされている間は俯瞰画面を表示し、変更キーの長押しが解除されたときに、俯瞰画面から拡大画面に表示を変更するようにしてもよい。
【0059】
また、ウィンドウの配置の変更量に応じて、俯瞰画面の表示期間を適宜変更するようにしてもよい。具体的には、制御部11が、ウィンドウの配置が変更された際のウィンドウの移動量が大きいほど、俯瞰画面の表示時間を長くするようにしてもよい。この場合は、制御部11が、配置が変更されたウィンドウ群に含まれる各ウィンドウのそれぞれの移動量を算出し、算出した移動量の合計値が大きいほど、俯瞰画面の表示時間を長くするように制御してもよい。
【0060】
(4)変形例4
また、俯瞰画面から拡大画面に戻すときのスピード・期間を適宜変更するようにしてもよい。例えば、制御部11が、表示ウィンドウの数が多いほど、スピードを遅くするようにしてもよく、また、例えば、ウィンドウの面積の合計が大きいほどスピードを遅くするようにしてもよい。また、第1の縮尺と第2の縮尺との差分が大きいほど、スピードを遅くするようにしてもよい。要するに、制御部11が、全体配置を把握しづらい場合ほど、スピードを遅くして期間を長くするようにしてもよい。
【0061】
また、俯瞰画面から拡大画面に戻すときのスピード・期間を、制御部11がユーザ操作に応じて変更するようにしてもよい。具体的には、例えば、制御部11が、変更キーが長押しされた場合にはスピードを遅くするように制御してもよい。
【0062】
また、ウィンドウの配置の変更量に応じて、俯瞰画面から拡大画面に戻すときのスピード・期間を変更するようにしてもよい。この場合は、制御部11が、配置が変更されたウィンドウ群に含まれる各ウィンドウのそれぞれの移動量を算出し、算出した移動量の合計値が大きいほど、スピードを遅くして期間を長くするように制御してもよい。
【0063】
(5)変形例5
上述の実施形態において、各ウィジェットの通信状況や通信種別(セキュア/非セキュア等)等の属性を表す画像を、各ウィジェットに対応するウィンドウの近傍又はウィンドウ上に重畳して表示するようにしてもよい。属性としては、通信状況や通信種別に限らず、アプリケーションの実況状況やアプリケーションの種別、通信接続の有無等であってもよい。この場合は、各ウィジェットの属性を表す属性データをウィジェット毎にROM11b又はEEPROM11dに予め記憶しておく構成とし、制御部11は、各ウィジェットの属性を表す属性データをROM11b又はEEPROM11dから読み出し、読み出した属性データに応じて、属性を表す画像をウィンドウの近傍又はウィンドウ上に重畳して表示する。
【0064】
(6)変形例6
本発明の配置変更処理は、選択ウィンドウと非選択ウィンドウとの相対的な位置関係が変化するものであれば足りる。よって、ウィンドウは、表示中のすべてのものが移動されてもよいが、表示中の一部のものが移動されるだけであってもよい。例えば、本発明の配置変更処理は、選択ウィンドウの位置を変えずに、その周囲にある非選択ウィンドウの位置を変えるものであってもよい。このようにした場合であっても、所望の非選択ウィンドウが選択ウィンドウに近づき、ユーザが選択するための操作を少なくさせることができることがあるからである。また、かかる場合において、一部の非選択ウィンドウの位置を変えないでもよい。
【0065】
(7)変形例7
上述した実施形態は、ウィンドウが重ならないようにした実施形態である。しかし、本発明は、ウィンドウが重なる場合の実施を妨げるものではなく、いわゆるオーバーラップウィンドウ方式においても実施され得る。また、本発明は、いわゆるタイリングウィンドウ方式のように複数のウィンドウを並べて表示する場合にも適用可能である。この場合において、隣り合うウィンドウどうしは、間隔を有さずに配置されてもよい。
【0066】
(8)変形例8
本発明におけるウィンドウは、上述した実施形態における「ウィジェット」に割り当てられた表示領域に限らず、他のアプリケーション(例えば、ネイティブアプリケーション)に割り当てられた表示領域であってもよい。同様に、ウィジェットも、Javaアプリケーションに限らず、他のアプリケーションとして実現されてもよい。さらに、上述した実施形態においては、Javaアプリケーションである一覧表示アプリケーションを実行することにより複数のウィンドウを表示させるようにしたが、複数のウィンドウを表示させることは、例えばOSによるなど、他のアプリケーションによって実現されてもよい。
【0067】
また、ウィジェットは、無線通信部12以外の手段を介して情報を取得することも可能である。例えば、本発明に係る情報処理装置がいわゆるICタグを備える場合には、ICタグに記憶された情報を取得してもよい。また、本発明に係る情報処理装置がGPS(Global Positioning System)等による測位機能を有する場合には、かかる測位機能を用いて位置情報(緯度及び経度や、所定の地点からの距離など)を取得してもよい。
【0068】
(9)変形例9
本発明におけるオブジェクト画像は、ウィンドウに限らず、例えば、特定のアプリケーションへのショートカットを示すアイコンや、通信端末装置10のEEPROM11dに記憶された画像や文書ファイルのサムネイル画像であってもよい。また、本発明におけるオブジェクト画像は、例えば、所定のWebページをアイコン化したWebクリップや、特定の電話番号へのショートカットを示すアイコンであってもよい。本発明におけるオブジェクト画像は、静止画であるか動画であるかを問わず、また、文字や記号を含むものである。要は、本発明におけるオブジェクト画像は、通信端末装置10の表示部13に表示される画像であって、ユーザが操作部14を操作することによって指定可能な画像であり、制御部11が指定された画像に応じた処理を実行するものであればよい。具体的には、例えば、オブジェクト画像がサムネイル画像である場合には、サムネイル画像が指定されると、制御部11は、指定されたサムネイル画像の示す画像を表示部13に表示する処理を実行する。また、例えば、オブジェクト画像がWebクリップである場合には、Webクリップが指定されると、制御部11は、指定されたWebクリップの示すWebページにアクセスして表示する処理を実行する。
【0069】
(10)変形例10
上述の実施形態では、ウィンドウの配置を変更した後に拡大画面(基に)戻すようにした。すなわち、上述の実施形態では、制御部11は、図5に示すステップS6の処理を実行した後にステップS7の処理を実行するようにしたが、これに限らず、配置を変更しながら基の拡大画面に戻すようにしてもよい。すなわち、制御部11が、ウィンドウの配置が変更されながら基の拡大画面に戻るように、表示領域の表示内容をアニメーションで徐々に変更するようにしてもよい。この場合は、制御部11は、第1の縮尺よりも小さい縮尺で、かつ、その縮尺を徐々に小さくしながら、ウィンドウの位置を徐々に変更する。すなわち、この場合も、上述の実施形態と同様に、制御部11は、複数のウィンドウからなるウィンドウ群の少なくとも一部を、第1の縮尺に応じた大きさで表示し、ウィンドウの位置を変更する操作を操作部14が受け付けると、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群を、第1の縮尺よりも小さい縮尺で表示部13に表示させてから、ウィンドウの位置が変更されたウィンドウ群の少なくとも一部を、第1の縮尺で表示部13に表示させる。
【0070】
(11)変形例11
上述した実施形態では、ユーザが操作部14のキーを操作することにより、各種の指示の入力が行われていたが、これに限らない。例えば、操作部14の各キーに対応するソフトボタンを表示部13に表示させて、このソフトボタンの操作により各種の指示の入力が行われてもよい。また、通信端末装置10がタッチパネルを備えている場合には、このソフトボタンの操作をタッチパネルが受け付けてもよい。
【0071】
(12)変形例12
上述した実施形態において、本発明に係る情報処理装置に相当するものは、制御部11であるとみなすこともできるし、通信端末装置10であるとみなすこともできる。なお、本発明における操作に相当するものは、キーの押下によらず、例えば、音声による指示を認識した結果であってもよい。
【0072】
また、上述した実施形態は、本発明を携帯電話機に適用したものであるが、本発明は、その他の電子機器に適用することも可能である。本発明は、PDA(Personal Digital Assistance)等の通信端末装置や、カメラ、携帯音楽プレーヤ、携帯ゲーム機など、種々の情報処理装置に適用することができる。
【0073】
さらに、上述した通信端末装置10が実現する図3に示す各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の協働によって実現され得る。例えば、表示制御部230に相当する動作と操作情報取得部210及び選択部220に相当する動作とが別異のプログラムによって実行されてもよいし、これらの動作を実行するハードウェア資源が別異であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】通信端末装置の物理的構成を示すブロック図
【図2】通信端末装置の論理的構成を示す図
【図3】通信端末装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図4】選択ウィンドウと非選択ウィンドウの表示態様を例示する図
【図5】通信端末装置が実行する表示制御を示すフローチャート
【図6】表示部に表示される画面の一例を示す図
【図7】表示部に表示される画面の一例を示す図
【図8】表示部に表示される画面の一例を示す図
【図9】表示部に表示される画面の一例を示す図
【図10】表示部に表示される画面の一例を示す図
【図11】表示部に表示される画面の一例を示す図
【図12】通信端末装置が実行する表示制御を示すフローチャート
【図13】表示部に表示される画面の一例を示す図
【符号の説明】
【0075】
10…通信端末装置、11…制御部、12…無線通信部、13…表示部、14…操作部、210…操作情報取得部、211…遷移受付部、212…指示受付部、220…選択部、230…表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクト画像からなるオブジェクト画像群のうちの少なくとも一部を、第1の縮尺に応じた大きさで、画像を表示する表示手段に表示させるオブジェクト画像表示手段と、
操作を受け付ける操作手段が、前記オブジェクト画像が表示されている位置を変更する操作を受け付けると、前記オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群を、前記第1の縮尺よりも小さい第2の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示させてから、当該オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群の少なくとも一部を、前記第1の縮尺で前記表示手段に表示させる表示位置変更手段と、
前記第1の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示されているオブジェクト画像を指定する操作を操作手段が受け付けると、指定されたオブジェクト画像に応じた処理を実行する処理実行手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示位置変更手段は、前記オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群の全部を、前記第1の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示可能か否かを判定し、判定結果が否定的である場合には、前記第2の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示させてから、当該オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群の少なくとも一部を、前記第1の縮尺で前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のオブジェクト画像のうちの少なくともいずれかひとつを選択する選択手段
を具備し、
前記オブジェクト画像表示手段は、前記選択手段によって選択されたオブジェクト画像の全てが前記表示手段に表示されるように、前記オブジェクト画像群のうちの少なくとも一部を表示し、
前記表示位置変更手段は、前記選択手段によって選択されたオブジェクト画像の全てが前記表示手段に表示されるように、前記オブジェクト画像群のうちの少なくとも一部を表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示位置変更手段は、前記オブジェクト画像群をズームアウトさせることによって該オブジェクト画像群の大きさを前記第1の縮尺から前記第2の縮尺に変更するとともに、前記オブジェクト画像群をズームインさせることによって該オブジェクト画像群の大きさを前記第2の縮尺から前記第1の縮尺に変更する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
複数のオブジェクト画像からなるオブジェクト画像群のうちの少なくとも一部を、第1の縮尺に応じた大きさで表示手段に表示させるオブジェクト画像表示手段と、
前記オブジェクト画像が表示されている位置を変更する操作を操作手段が受け付けると、前記オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群を、前記第1の縮尺よりも小さい第2の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示させてから、当該オブジェクト画像の位置が変更されたオブジェクト画像群の少なくとも一部を、前記第1の縮尺で前記表示手段に表示させる表示位置変更手段と、
前記第1の縮尺に応じた大きさで前記表示手段に表示されているオブジェクト画像を指定する操作を操作手段が受け付けると、指定されたオブジェクト画像に応じた処理を実行する処理実行手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−61570(P2010−61570A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228833(P2008−228833)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】