説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】登録済みユーザが記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を効果的に減少させること。
【解決手段】出力部20は、ユーザが出力要求操作を行った場合に、登録済みユーザが所有する1又は複数の情報を保存するための記憶手段から当該ユーザにより選択された情報を読み出し、出力する。判定部22は、出力要求操作を行ったユーザと、出力要求操作を行ったユーザにより選択された情報、を所有する登録済みユーザと、が同じであるか否かを判定する。登録部24は、登録要求操作が行われた場合に、ユーザを登録する。割当部26は、ユーザが登録された場合に、当該ユーザが前記記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を割り当てる。減少部28は、減少要求操作が行われた場合に、判定部22の判定結果に基づいて、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
記憶領域に保存されている情報量が増えたときに他の記憶領域に情報を保存する技術が知られている(例えば、下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−191670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、他のユーザの要求によって出力された頻度が少ない情報を登録済みユーザが記憶手段に保存している量に応じて、当該登録済みユーザが記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、ユーザが出力要求操作を行った場合に、登録済みユーザが所有する1又は複数の情報を保存するための記憶手段から当該ユーザにより選択された前記情報を読み出し、出力する出力手段と、出力要求操作を行ったユーザと、当該出力要求操作を行ったユーザにより選択された前記情報、を所有する登録済みユーザと、が同じであるか否かを判定する判定手段と、登録要求操作が行われた場合に、ユーザを登録する登録手段と、ユーザが登録された場合に、当該ユーザが前記記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を割り当てる割当手段と、減少要求操作が行われた場合に、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる減少手段と、を含み、前記減少手段は、減少要求操作が行われた場合に、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の前記情報の各々について、当該登録済みユーザとは異なるユーザの出力要求操作によって単位期間内において出力された出力頻度を特定する特定手段と、前記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の前記情報のうちの、その前記出力頻度が基準頻度以下である前記情報の情報量の合計量を算出する算出手段と、を含み、前記合計量に基づいて、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させること、を特徴とする情報処理装置である。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、減少要求操作が行われた場合に、登録済みユーザの種別を特定する種別特定手段と、登録済みユーザの種別に関する条件と、登録済みユーザに割り当てられている最大量の減少量を制御するための制御情報と、を対応付けて記憶してなる制御情報記憶手段から、種別特定手段により特定された種別が満足する前記条件に対応付けられた前記制御情報を取得する制御情報取得手段と、をさらに含み、前記合計量と、前記制御情報取得手段により取得された制御情報と、に基づいて、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させることを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するための請求項3の発明は、ユーザが出力要求操作を行った場合に、登録済みユーザが所有する1又は複数の情報を保存するための記憶手段から当該ユーザにより選択された前記情報を読み出し、出力する出力手段、出力要求操作を行ったユーザと、当該出力要求操作を行ったユーザにより選択された前記情報、を所有する登録済みユーザと、が同じであるか否かを判定する判定手段、登録要求操作が行われた場合に、ユーザを登録する登録手段、ユーザが登録された場合に、当該ユーザが前記記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を割り当てる割当手段、減少要求操作が行われた場合に、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる減少手段、としてコンピュータを機能させ、前記減少手段は、減少要求操作が行われた場合に、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の前記情報の各々について、当該登録済みユーザとは異なるユーザの出力要求操作によって単位期間内において出力された出力頻度を特定する特定手段と、前記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の前記情報のうちの、その前記出力頻度が基準頻度以下である前記情報の情報量の合計量を算出する算出手段と、前記合計量に基づいて、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる手段と、を含むプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1及び3の発明によれば、他のユーザの要求によって出力された頻度が少ない情報を登録済みユーザが記憶手段に保存している量に応じて、当該登録済みユーザが記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を減少させることができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、他のユーザの要求によって出力された頻度が少ない情報を登録済みユーザが記憶手段に保存している量と、登録済みユーザの種別と、に応じて、当該登録済みユーザが記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】文書管理システムの構成を例示する図である。
【図2】文書管理サーバの構成を例示する図である。
【図3】管理テーブルの記憶内容を例示する図である。
【図4】管理テーブルの記憶内容を例示する図である。
【図5】制御部が実行する処理を例示するフロー図である。
【図6】管理テーブルの記憶内容を例示する図である。
【図7】管理テーブルの記憶内容を例示する図である。
【図8】制御部が実行する処理を例示するフロー図である。
【図9】制御部が実行する処理を例示するフロー図である。
【図10】文書管理サーバ4にて実現される機能群を示す機能ブロックである。
【図11】テーブルを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
[文書管理システム]
図1は、文書管理システム2の構成を例示する図である。文書管理システム2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置である文書管理サーバ4と、複数のクライアント装置6と、を含む。文書管理サーバ4、及び各クライアント装置6は、ネットワークに接続されている。そのため、文書管理サーバ4と、各クライアント装置6と、は通信可能になっている。本実施形態の場合、文書管理システム2は、オフィス内に設置される。
【0013】
[文書管理サーバ4]
図2に、文書管理サーバ4の構成を例示した。情報処理装置2は、例えば、データベースサーバであり、制御部8と、主記憶10と、ハードディスク12と、操作入力部14と、ネットワークインタフェース16(以下、ネットワークIFと記載する)と、を含む。本実施形態の場合、文書管理サーバ4は、管理者により利用される。
【0014】
制御部8は、例えばマイクロプロセッサである。制御部8は、主記憶10に記憶されるプログラムに従って情報処理を実行する。
【0015】
主記憶10は、RAM及びROMを含む。主記憶10には上記プログラムが格納される。このプログラムは、DVD(登録商標)−ROM等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体から読み出されて主記憶6に格納されてもよいし、ネットワーク等の通信網から供給されて主記憶10に格納されてもよい。
【0016】
また、主記憶10は、情報処理の過程で必要となる各種データも格納される。
【0017】
ハードディスク12は、各種情報を記憶するための記憶媒体である。ハードディスク12に格納される情報については後述する。
【0018】
操作入力部14は、例えば、キーボードやマウス等である。操作入力部14は、管理者の操作内容を示す情報を制御部8に出力する。
【0019】
ネットワークIF16は、ネットワークに情報を送信したり、ネットワークから情報を受信したりするためのインタフェースであり、例えば、ネットワークインタフェースカードである。ネットワークIF16は、ネットワークから情報を受信し、制御部8に出力する。また、ネットワークIF16は、制御部8から入力された情報をネットワークへと送信する。
【0020】
なお、文書管理サーバ4は、これらの他にディスプレイや音声出力装置などを含む。
【0021】
[クライアント装置]
クライアント装置6は、一般的なパーソナルコンピュータである。本実施形態の場合、各クライアント装置6は、オフィスで働く社員に利用される。クライアント装置6は、ユーザが所有する1又は複数の文書情報を保持している。
【0022】
[ユーザの登録]
この文書管理システム2では、管理者が登録要求操作を行うことにより、ユーザを登録する。本実施形態の場合、登録要求操作では、登録対象のユーザ(以下、新規ユーザと記載する)のユーザIDと、新規ユーザの種別と、新規ユーザに割り当てるクォータ量と、が入力される。ここで、クォータ量とは、新規ユーザがハードディスク12に自己の文書情報を保存することが可能な情報量の最大量のことである。また、本実施形態の場合、新規ユーザの種別とは、新規ユーザの役職のことである。
【0023】
登録要求操作の結果、新規ユーザが登録され、ハードディスク12に保持される管理テーブルに新規ユーザのエントリが追加される。
【0024】
図3に、社長であるユーザAが登録された直後の時点における管理テーブルの記憶内容を例示した。ここでは、ユーザAのみが登録されているものとしている。管理テーブルは、登録ユーザフィールドと、種別フィールドと、クォータフィールドと、登録文書フィールドと、参照頻度フィールドと、を含む。
【0025】
登録ユーザフィールドには、登録要求操作で入力されたユーザIDが格納される。登録ユーザフィールドに格納されるユーザIDは、登録済みのユーザ(以下、登録済みユーザと記載する)のユーザIDを表す。ここでは、ユーザAが登録されたので、登録ユーザフィールドにユーザAのユーザIDが格納されている。また、種別フィールドには、登録要求操作で入力された種別が格納される。種別フィールドに格納される種別は、登録済みユーザの種別を表す。本実施形態の場合、ここでは、登録済みユーザであるユーザAの役職は社長であるので、種別フィールドには、「社長」が格納されている。また、クォータフィールドには、原則、登録要求操作で入力されたクォータ量が格納される。クォータフィールドに格納されるクォータ量は、登録済みユーザに割り当てられたクォータ量を表す。
【0026】
なお、本実施形態の場合、クォータフィールドに格納される全クォータ量の合計量が、ハードディスク12の記憶容量である「100」(単位:ギガバイト)になるようになっている。ここでは、ユーザA一人しか登録されていないので、クォータフィールドには「100」が格納されている。
【0027】
なお、この時点では、登録文書フィールド及び参照頻度フィールドには、null値が格納される。
【0028】
登録文書フィールド及び参照頻度フィールドの意義については後述する。
【0029】
[文書情報のアップロード]
この文書管理システム2では、登録済みユーザだけに自己の所有する文書情報を文書管理サーバ4にアップロードする権限が与えられるようになっている。本実施形態の場合、登録済みユーザは、自己の所有する文書情報を文書管理サーバ4にアップロードする場合、自己のクライアント装置6で文書管理サーバ4にアクセスし、アップロード要求操作を行う。
【0030】
アップロード要求操作が行われると、アップロード対象の文書情報と、アップロード要求操作を行った登録済みユーザのユーザIDと、が文書管理サーバ4へと送信される。その結果、アップロード対象の文書情報がハードディスク12に保存される。また、アップロード要求操作を行った登録済みユーザのユーザIDに関連づけてアップロード対象の文書情報の識別IDが管理テーブルに保持される。すなわち、アップロード対象の文書情報の識別IDが登録文書フィールドに格納される。このため、登録文書フィールドに格納される1又は複数の識別IDのそれぞれは、ハードディスク12に保存されている登録済みユーザの文書情報の一つ一つを表す。
【0031】
例えば、ユーザA、ユーザB、ユーザC、及びユーザDが登録されている状態において、未だ文書情報をアップロードしていない登録済みユーザDが文書情報Gと文書情報Hとをアップロードした場合を想定する。この場合、null値であった登録文書フィールドに、文書情報G及び文書情報Hのそれぞれの識別IDが格納される。さらにnull値であった参照頻度フィールドに「0」が格納される。図4に、登録済みユーザDが文書情報Gと文書情報Hとをアップロードした直後の管理テーブルの記憶内容を示した。
【0032】
[文書情報の参照]
また、この文書管理システム2では、各ユーザが、参照要求操作を行うことにより、文書管理サーバ4に保存されている文書情報を、クライアント装置6から参照することができるようになっている。
【0033】
本実施形態の場合、ユーザは、自己のクライアント装置6で文書管理サーバ4にアクセスし、所望の文書情報を選択して参照要求操作を行う。
【0034】
参照要求操作が行われると、参照要求操作を行ったユーザ(以下、要求元ユーザ)により選択された文書情報(以下、参照対象文書情報と記載する)の識別IDと、要求元ユーザのユーザIDと、が文書管理サーバ4へと送信される。そして、参照対象文書情報の識別IDと、要求元ユーザのユーザIDと、を受信した文書管理サーバ4の制御部8は、上記プログラムに従って、図5のフロー図に例示する処理を実行する。
【0035】
すなわち、制御部8(出力手段)は、参照対象文書情報をハードディスク12から読み出し、出力する(S101)。具体的には、制御部8は、参照対象文書情報を、要求元ユーザのクライアント装置6へと送信する。
【0036】
また、制御部8(判定手段)は、要求元ユーザと、参照対象文書情報を所有するユーザと、が同じであるか否かを判定する(S102)。具体的には、制御部8は、管理テーブルを参照して、参照対象文書情報の識別IDに関連づけられたユーザIDを読み出し、読み出したユーザIDと、要求元ユーザのユーザIDと、が同じであるか否かを判定する。
【0037】
そして、要求元ユーザと、参照対象文書情報を所有するユーザと、が異なる場合(S102のN)、制御部8は、参照対象文書情報の識別IDに関連づけて参照頻度フィールドに保持されている値を更新する(S103)。すなわち、制御部8は、参照対象文書情報の識別IDに関連づけて参照頻度フィールドに保持されている値を「1」だけインクリメントする。
【0038】
なお、参照頻度フィールドに保持される値が更新されるタイミングは、参照要求操作が行われた場合だけに限らない。本実施形態の場合、周期的に訪れる更新タイミングで参照頻度フィールドに格納されるすべての値が「0」に初期化される。そのため、参照頻度フィールドのある時点での値は、最近の更新タイミングからその時点までの期間において文書情報が他のユーザによって参照された回数を表すことになり、上記期間において文書情報が他のユーザによって参照された頻度を表すことにもなる。
【0039】
[クォータ量の減少]
上述のように、本実施形態の場合、クォータフィールドに格納される全クォータ量の合計量が、ハードディスク12の記憶容量である100ギガバイトになるようになっている。そのため、この文書管理システム2では、管理者が登録要求操作(減少要求操作)が行われた場合に、登録済みユーザのクォータ量と、新規ユーザに割り当てられるクォータ量と、の合計量が100ギガバイトになるように、制御部8(減少手段)が、登録済みユーザに割り当てられているクォータ量を減少させるようになっている。
【0040】
図6は、ユーザA、ユーザB、ユーザC、及びユーザDが登録されている場合における管理テーブルの記憶内容を例示する図である。また、図7は、管理テーブルの記憶内容が図6に示す状態にあるときに新規ユーザであるユーザEが登録された直後の管理テーブルの記憶内容を例示する図である。図6及び図7を見ても分かるように、登録済みユーザであるユーザA、ユーザB、ユーザC、及びユーザDの各々に割り当てられているクォータ量が減少している。
【0041】
すなわち、図6及び図7によれば、ユーザAに割り当てられているクォータ量が、40ギガバイトから35ギガバイトに減少し、ユーザBに割り当てられているクォータ量が、30ギガバイトから25ギガバイトに減少し、ユーザCに割り当てられているクォータ量が、20ギガバイトから15ギガバイトに減少し、ユーザDに割り当てられているクォータ量が、10ギガバイトから5ギガバイトに減少している。
【0042】
特にこの文書管理システム2では、他のユーザによって参照された頻度が少ない文書情報を登録済みユーザが文書管理サーバ4に保存している量に応じて、当該登録済みユーザに割り当てられているクォータ量が減少するようになっている。本実施形態では、他のユーザによって参照された頻度が少ない文書情報を登録済みユーザが文書管理サーバ4に保存している量が多いほど、当該登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量が大きくなるようになっている。その結果として、他のユーザにとって有益でない文書情報を登録済みユーザが文書管理サーバ4に保存している量が多いほど、当該登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量が大きくなるようになり、登録済みユーザに割り当てられるクォータ量の減少が効果的になされるようになっている。
【0043】
以下、この点につき、図8及び図9を用いて説明する。
【0044】
図8及び図9は、登録要求操作が行われた場合に、制御部8が、上記プログラムに従って実行する処理を例示するフロー図である。まず、図8について説明する。
【0045】
制御部8(登録手段)は、新規ユーザを登録する(S201)。具体的には、制御部8は、新規ユーザのエントリ(以下、新規エントリと記載する)を管理テーブル内に生成する。そして、制御部8は、新規エントリの登録ユーザフィールドに、登録要求操作で入力された新規ユーザのユーザIDを格納する。また、制御部8は、新規エントリの種別フィールドに、登録要求操作で入力された新規ユーザの役職を格納する。
【0046】
そして、制御部8(割当手段)は、新規ユーザにクォータ量を割り当てる(S202)。具体的には、制御部8は、新規エントリのクォータフィールドに、登録要求操作で入力されたクォータ量(以下、新規クォータ量と記載する)を格納する。なお、制御部8は、S202のステップにおいて、新規エントリの登録文書フィールド及び参照頻度フィールドを「null」に設定することも行う。
【0047】
そして、制御部8(減少手段)は、図9に示す処理を行って、各登録済みユーザに割り当てられているクォータ量を減少させる(S203)。
【0048】
すなわち、制御部8(特定手段)は、S301及びS303のステップを、登録済みユーザの各々について行う。なお、ここでいう登録済みユーザには、登録済みの新規ユーザは含まれない。
【0049】
制御部8(特定手段)は、一の登録済みユーザについてS301及びS302のステップを行う場合、まず、当該一の登録済みユーザが文書管理サーバ4に保存している1又は複数の文書情報の各々について、単位期間において他のユーザによって参照された参照頻度を特定する(S301)。すなわち、制御部8は、管理テーブルから、当該一の登録済みユーザが保存している1又は複数の文書情報の各々の識別IDに関連づけて参照頻度フィールドに格納される値を読み出す。この場合、最近の上記更新タイミングから現時点までの期間が、単位期間となる。
【0050】
そして、制御部8(算出手段)は、当該一の登録済みユーザが文書管理サーバ4に保存している1又は複数の文書情報のうちで、他のユーザによって参照された頻度が少ない文書情報を特定する(S302)。すなわち、制御部8は、上記1又は複数の文書情報のうちで、上記参照頻度が基準頻度(例えば、「100回」)以下である文書情報(以下、低参照文書情報と記載する)を特定する。
【0051】
そして、制御部8(算出手段)は、S302のステップで特定された低参照文書情報のデータ量の合計量を算出する(S303)。
【0052】
こうして、各登録済みユーザについて合計量を算出すると、制御部8は、各登録済みユーザについて算出された合計量に基づいて、各登録済みユーザに割り当てられているクォータ量を減少させる(S304)。
【0053】
具体的には、制御部8は、各登録済みユーザについて算出された合計量の総和S1を算出し、上記総和S1に対する新規クォータ量の割合R1を算出する。そして、制御部8は、この割合R1に基づいて、各登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量を算出し、減少量分クォータ量を減少させる。
【0054】
具体的には、制御部8は、一の登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量を算出する場合、当該一の登録済みユーザについて算出された上記合計量と上記割合R1との積を減少量として算出する。その結果、登録済みユーザが文書管理サーバ4に保存している低参照文書情報の量が多いほど、当該登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量が大きくなる。
【0055】
[機能ブロック]
図10は、文書管理サーバ4にて実現される機能群を示す機能ブロックである。これらの機能は、制御部8が上記プログラムに従って動作することによって実現される。
【0056】
出力部20は、ユーザが出力要求操作を行った場合に、登録済みユーザが所有する1又は複数の情報を保存するための記憶手段から当該ユーザにより選択された情報を読み出し、出力する(図5のS101参照)。
【0057】
本実施形態の場合、参照要求操作が「出力要求操作」に相当する。また、ハードディスク12が「記憶手段」に相当する。また、文書情報が「情報」に相当する。なお、「情報」は文書情報だけに限らない。例えば、画像情報が「情報」に相当していてもよい。
【0058】
判定部22は、出力要求操作を行ったユーザと、当該出力要求操作を行ったユーザにより選択された情報、を所有する登録済みユーザと、が同じであるか否かを判定する(図5のS102参照)。
【0059】
登録部24は、登録要求操作が行われた場合に、ユーザを登録する(図8のS201参照)。
【0060】
また、割当部26は、ユーザが登録された場合に、当該ユーザが上記記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を割り当てる(図8のS202参照)。本実施形態の場合、クォータ量が「最大量」に相当する。
【0061】
また、減少部28は、減少要求操作が行われた場合に、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる(図8のS203参照)。本実施形態の場合、登録要求操作が「減少要求操作」に相当している。
【0062】
具体的には、減少部28は、特定部30と、算出部32と、を含んでいる。特定部30は、減少要求操作が行われた場合に、判定部22の判定結果に基づいて、上記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の情報の各々について、当該登録済みユーザとは異なるユーザの出力要求操作によって単位期間内において出力された出力頻度を特定する(図9のS301参照)。本実施形態の場合、最近の上記更新タイミングから減少要求操作が行われたときまでの期間が「単位期間」に相当する。また、上記参照頻度が「出力頻度」に相当する。
【0063】
なお、上記単位期間は、どのような期間であってもよい。例えば、単位期間は、管理者によって登録された可変期間であってもよい。
【0064】
また、算出部22は、上記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の情報のうちの、上記出力頻度が基準頻度以下である情報の情報量の合計量を算出する(図9のS302及びS303参照)。そして、減少部28は、算出された上記合計量に基づいて、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる。
【0065】
なお、本発明の実施形態は上記実施形態だけに限らない。
【0066】
[変形例1]
例えば、登録済みユーザに割り当てられているクォータ量を、登録済みユーザが文書管理サーバ4に保存している低参照文書情報のデータ量の合計量と、登録済みユーザの種別と、に応じて減少させるようにしてよい。以下、この態様(以下、変形例1と記載する)について説明する。
【0067】
変形例1では、複数の種別と、登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量を制御するための制御情報と、を対応付けてなるテーブルがハードディスク12に予め格納される。図11に、このテーブルを例示した。種別フィールドに格納される役職が「条件」に相当する。また、制御情報フィールドに格納される数値が「制御情報」に相当する。本実施形態の場合、このテーブルは、役職の位が低いほど、制御情報の値が大きくなるように設定されている。
【0068】
また、変形例1では、制御部8(種別特定手段、制御情報取得手段)は、S304のステップにおいて、一の登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量を算出する場合、管理テーブルを参照して、当該一の登録済みユーザの種別を特定し、当該一の登録済みユーザの種別が満足する条件に関連づけられた制御情報を上記テーブルから取得する。すなわち、制御部8(制御情報取得手段)は、当該一の登録済みユーザの種別と同じ種別に関連づけられた制御情報を取得する。
【0069】
そして、制御部8(算出手段)は、当該一の登録済みユーザについて算出された上記合計量と、取得された制御情報と、に基づいて、当該一の登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量を算出する。具体的には、制御部8は、当該一の登録済みユーザについて算出された上記合計と、上記割合R1と、取得された制御情報と、の積を、減少量として算出する。
【0070】
[変形例2]
また、例えば、登録済みユーザに割り当てられているクォータ量を、当該登録済みユーザに割り当てられているクォータ量に応じて減少させるようにしてもよい。以下、この態様(以下、変形例2と記載する)について説明する。
【0071】
変形例2では、制御部8は、S203のステップにおいて、図9に示す処理の代わりに例えば以下に説明する処理を行う。
【0072】
すなわち、制御部8は、まず、登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の総和S2を算出する。そして、制御部8は、この総和S2に対する上記新規クォータ量の割合R2を算出する。そして、制御部8は、一の登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量を算出する場合、当該一の登録済みユーザに割り当てられているクォータ量と、割合R2との積を、減少量として算出する。
【0073】
また、例えば、登録済みユーザに割り当てられているクォータ量を、当該登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の空き容量に応じて減少させるようにしてもよい。以下、この態様(以下、変形例3と記載する)について説明する。
【0074】
変形例3では、制御部8は、S203のステップにおいて、図9に示す処理の代わりに例えば以下に説明する処理を行う。
【0075】
すなわち、制御部8は、各登録済みユーザについて、当該登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の空き容量を特定し、各登録済みユーザについて特定された空き容量の総和S3を算出する。そして、制御部8は、総和S3に対する上記新規クォータ量の割合R3を算出する。そして、制御部8は、一の登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の減少量を算出する場合、当該一の登録済みユーザに割り当てられているクォータ量の空き容量と上記割合R3との積を、減少量として算出する。
【符号の説明】
【0076】
2 文書管理システム、4 文書管理サーバ、6 クライアント装置、8 制御部、10 主記憶、12 ハードディスク、14 操作入力部、16 ネットワークインタフェース、20 出力部、22 判定部、24 登録部、26 割当部、28 減少部、30 特定部、32 算出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが出力要求操作を行った場合に、登録済みユーザが所有する1又は複数の情報を保存するための記憶手段から当該ユーザにより選択された前記情報を読み出し、出力する出力手段と、
出力要求操作を行ったユーザと、当該出力要求操作を行ったユーザにより選択された前記情報、を所有する登録済みユーザと、が同じであるか否かを判定する判定手段と、
登録要求操作が行われた場合に、ユーザを登録する登録手段と、
ユーザが登録された場合に、当該ユーザが前記記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を割り当てる割当手段と、
減少要求操作が行われた場合に、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる減少手段と、
を含み、
前記減少手段は、
減少要求操作が行われた場合に、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の前記情報の各々について、当該登録済みユーザとは異なるユーザの出力要求操作によって単位期間内において出力された出力頻度を特定する特定手段と、
前記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の前記情報のうちの、その前記出力頻度が基準頻度以下である前記情報の情報量の合計量を算出する算出手段と、を含み、前記合計量に基づいて、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させること、
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記減少手段は、
減少要求操作が行われた場合に、登録済みユーザの種別を特定する種別特定手段と、
登録済みユーザの種別に関する条件と、登録済みユーザに割り当てられている最大量の減少量を制御するための制御情報と、を対応付けて記憶してなる制御情報記憶手段から、種別特定手段により特定された種別が満足する前記条件に対応付けられた前記制御情報を取得する制御情報取得手段と、をさらに含み、前記合計量と、前記制御情報取得手段により取得された制御情報と、に基づいて、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザが出力要求操作を行った場合に、登録済みユーザが所有する1又は複数の情報を保存するための記憶手段から当該ユーザにより選択された前記情報を読み出し、出力する出力手段、
出力要求操作を行ったユーザと、当該出力要求操作を行ったユーザにより選択された前記情報、を所有する登録済みユーザと、が同じであるか否かを判定する判定手段、
登録要求操作が行われた場合に、ユーザを登録する登録手段、
ユーザが登録された場合に、当該ユーザが前記記憶手段に保存することが可能な情報量の最大量を割り当てる割当手段、
減少要求操作が行われた場合に、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる減少手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記減少手段は、
減少要求操作が行われた場合に、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の前記情報の各々について、当該登録済みユーザとは異なるユーザの出力要求操作によって単位期間内において出力された出力頻度を特定する特定手段と、
前記記憶手段に保存されている、登録済みユーザが所有する1又は複数の前記情報のうちの、その前記出力頻度が基準頻度以下である前記情報の情報量の合計量を算出する算出手段と、
前記合計量に基づいて、登録済みユーザに割り当てられている最大量を減少させる手段と、
を含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−118793(P2012−118793A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268470(P2010−268470)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】