説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】効果的に画像の一覧を表示する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】画像を解析する解析手段と、解析手段での解析結果に基づいて画像に付加する、画像に関するオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、解析手段での解析結果に基づいて、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する画像決定手段と、画像決定手段で決定された画像に対して、オブジェクト決定手段で決定されたオブジェクトを付加する付加手段と、を有することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの普及や保存メディアの大容量化に伴い、撮影した画像を一覧表示する機会が増えている。例えば撮影された写真を取り込み、一覧表示した中から印刷する写真をユーザに選択させるインターフェースを持つプリントサービスシステムがある。
このようなプリントサービスシステムでは、顧客は端末が設置されている店舗に出向いたり、自分のPCを使用したりして、大量にある写真のうち印刷したい写真を選択する作業が必要となる。この作業において、プリントサービスシステムは、画面に縮小した写真を一覧表示し、ユーザがその中から画像を選択する方法が広く用いられている。また、写真館では、操作者が顧客を撮影した写真画像を画面上に一覧表示させ、任意の写真画像を組み合わせてアルバム等の商材を作成し、販売促進を行う場合がある。このような場合、操作者が顧客と接して一覧表示された写真画像から必要な写真画像を選択する。
現状では、一覧表示した画像の視認性を向上させるため、メタデータを用いたキーワードによる絞込検索をした後に表示する技術(特許文献1参照)がある。また、同一種類の画像をまとめて表示する技術もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−99268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大量の画像情報を一覧表示した場合、視認性が低く、自分の目的の画像を選出することが難しい。また、上述した写真館の例では、時間に制約があるため、顧客に効率よく購入する画像を選択してもらう必要がある。しかし、撮影した写真の画像をそのまま一覧表示しただけでは顧客が画像を選択しにくい問題がある。特に写真館の場合、同じ構図の写真が多いため、画像を縮小化し、並列に表示する一覧表示では、目的の画像が一覧のうちのどこに存在しているか判別し難い。上述で述べたメタデータによる絞込み検索では、操作者が絞り込む条件を考える必要があり、そのための操作も必要となる。また、同一種類の画像をまとめる方法は、適度に種類が分布している場合は有効であるが、同一種類の写真が大量にある場合等、偏りがある場合に問題がある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、効果的に画像の一覧を表示する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の情報処理装置は、画像を解析する解析手段と、前記解析手段での解析結果に基づいて前記画像に付加する、前記画像に関するオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、前記解析手段での解析結果と、画像を一覧表示する画面の画面構成情報と、に基づいて、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する画像決定手段と、前記画像決定手段で決定された画像に対して、前記オブジェクト決定手段で決定されたオブジェクトを付加する付加手段と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、効果的に画像の一覧を表示する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態における情報処理装置の一例である一覧表示機器のハードウェア構成を示す図である。
【図2】表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】画像に付加する効果を説明するための図である。
【図4】効果を付加した画像を一覧表示中に表示した一例を示す図(その1)である。
【図5】効果を付加した画像を一覧表示中に表示した一例を示す図(その2)である。
【図6】効果を付加した画像を一覧表示中に表示した一例を示す図(その3)である。
【図7】第2の実施形態における情報処理装置の一例である一覧表示機器のハードウェア構成を示す図である。
【図8】効果を付加した画像を一覧表示中に表示した一例を示す図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0009】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図6を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態における情報処理装置の一例である一覧表示機器等のハードウェア構成を示す図である。
CPU(Central Processing Unit)101は、一覧表示機器全体を制御する。
RAM(Random Access Memory)102は、プログラムや表示する画像データ等を一時的に記録する記憶装置である。
ハードディスク103は、一覧表示機器を制御するプログラムやデータを永続的に記録する装置である。
ディスプレイ104は、一覧表示機器で生成した情報を表示する装置(表示機器)である。
CPU101がプログラムに基づき処理を実行することによって、後述するフローチャートに係る各処理が実現される。
【0010】
図2は、表示処理の一例を示すフローチャートである。
CPU101は、ハードディスク103に保存されている情報から一覧表示する全画像情報(全画像)を取得する(S201)。どの画像情報(画像)を表示するかは一覧表示機器を扱う操作者が選択するものとする。
CPU101は、現在自身に繋がっているディスプレイ(表示機器)の情報(機器構成情報)を取得する(機器構成情報取得)(S202)。ここでCPU101が取得する情報は、ディスプレイの数と、それぞれのディスプレイの解像度と、それぞれのディスプレイが表示可能な色数と、である。例えば、CPU101は、これら情報に基づいて、どれだけの大きさの画像をどれだけの数、どのくらいの表現力で表示できるかを判断する。本実施形態の例では一覧表示機器に接続されているディスプレイはディスプレイ104のみのため、表示機器の数は1となる。
次にCPU101は、一覧表示画面にどのように画像を配置するかが示されている一覧表示画面の構成情報(画面構成情報)を取得する(画面構成情報取得)。一覧表示構成はディスプレイの解像度や色数に応じて予めパターンが一覧表示機器のハードディスク103に格納されている。CPU101は、S202で取得した情報を基に一番適切な構成情報を選択する(S203)。
【0011】
CPU101は、一覧表示画面の構成情報を取得後、表示する画像の解析処理を行う。まず、CPU101は、表示する全画像のうち1つの画像をハードディスク103等より取り出す(S204)。
CPU101は、取り出した画像を解析し、前記画像に顔情報が含まれるかどうかを判別する(S205)。
顔情報が含まれる場合、CPU101は、顔情報より表情を解析する(S206)。例えば、CPU101は、怒っている顔かどうか、泣いている顔かどうか、喜んでいる顔かどうかを判別する。
顔情報が含まれていない場合、CPU101は、表情の解析は行わずに次のステップに移る。
【0012】
次に、CPU101は、取り出した画像を解析し、画像に操作者等が認識することができる特徴的な風景が含まれるかどうかを判別する(S207)。どのような風景を判別することができるか否かは、予め一覧表示機器のハードディスク103等に格納されている。
判別可能な風景が存在する場合、CPU101は、画像より風景を解析する(S208)。例えば、CPU101は、国が保有する特徴的な塔が存在しているか、山が存在しているか、海が存在しているか否かを判別する。
特徴的な風景情報が含まれていない場合、CPU101は、風景の解析は行わずに次のステップに移る。
次に、CPU101は、画像に付与されているメタデータを取得する(S209)。例えば、CPU101は、撮影日時、撮影機種、レート等をメタデータとして取得する。
CPU101は、S206の解析結果と、S208の解析結果と、S209で取得したメタデータと、に基づいて画像に付加する効果(オブジェクト)を決定する(オブジェクト決定)(S210)。なお、後述する図3の(A)や図3の(B)に示されるように、CPU101は、同じ情報を含み、同じレートの画像に対して、複数種類の効果(例えば図3(A)の306、310、311)を、画像に付加する効果として決定してもよい。
CPU101は、上述したS205からS210までの処理を表示する全ての画像に対して実行する(S211)。全ての画像の解析が終わった場合、CPU101は、次のステップに移る。
【0013】
S204からS211までの処理を、図3の(A)を用いて説明する。301は、表示対象とする画像である。この画像には人物303が存在する。そのため、CPU101は、人物の表情の解析を行う。この人物は怒っている表情のため、CPU101は、前記画像を、怒っている人物が存在する画像と判別する。また、この画像には特徴的な塔304と太陽302とが存在する。そのため、CPU101は、前記画像は塔と太陽とが存在する画像と判別する。また、この画像はレート情報(以下、レートという)305をメタデータとして持つため、CPU101は、レートを取得する。
CPU101は、これらの情報(つまり、画像に人物が含まれているか否かや、含まれている場合はその人物の表情、特徴的な建物や風景が含まれるか否か、レート等の情報)を組み合わせて付加する効果を決定する。
まず、CPU101は、画像のレートが1の場合(例えば305)は、強調して表示する必要がないと判断し、効果を付加しないとする。CPU101は、画像のレートが3の場合(例えば307)は、ある程度強調して表示する必要があると判断する。この画像は、怒っている人物が存在する画像と判別されているので、306のように怒った状態を表す吹き出し306を付加する効果と決定する。このことでこの効果が表示された場合、ユーザは、その人物がどのような表情なのかをひと目で判別することができる。また、CPU101は、レートが5の場合(例えば309)は、特に強調して表示したい画像と判別し、より目立つ吹き出し308を付加する効果と決定する。また、CPU101は、画像自体も傾けることにより、怒った雰囲気をより強調して表示するよう決定してもよい。次に、CPU101は、画像に付加する風景の効果を決定する。図3の(A)に示される画像では特徴的な塔が存在するため、CPU101は、例えば310のように風景を抽出したものを画像に付加する効果と決定する。また、CPU101は、太陽が画像に存在していることを示す場合、311のように太陽を示すものを画像に付加する効果と決定する。このように風景を切り出して別枠で効果を表示することでこの画像にどのような風景が含まれているかをよりわかりやすく表示することができる。
なお、第1の実施形態では、CPU101は、表情の効果(表情のオブジェクト)と、風景の効果(風景のオブジェクト)と、を別々に順番に表示するものとする。CPU101は、後述するS213において、効果を付加する順番やタイミングを決定する。
【0014】
また、もう1つのパターンとして、S204からS211までの処理を、図3の(B)を用いて説明する。401は、表示対象とする画像である。この画像には人物403が存在する。そのため、CPU101は、人物の表情の解析を行う。この人物は笑っている表情のため、CPU101は、前記画像を、笑っている人物が存在する画像と判別する。また、この画像には特徴的な塔404と雲に隠れた太陽402とが存在する。そのため、CPU101は、前記画像は塔と雲に隠れた太陽とが存在する画像と判別する。また、この画像はレート405をメタデータとして持つため、CPU101は、レートを取得する。
CPU101は、これらの情報を組み合わせて付加する効果を決定する。まず、CPU101は、画像のレートが1の場合(例えば405)は、強調して表示する必要がないと判断し、効果を付与しないとする。CPU101は、画像のレートが3の場合(例えば407)は、ある程度強調して表示する必要があると判断し、笑っている人物が存在する画像と判別されているので、406のように楽しんでいる状態を表す音符の画像406を付加する効果と決定する。このことでこの効果が表示された場合、ユーザは、その人物がどのような表情なのかをひと目で判別することができる。また、CPU101は、レートが5の場合(例えば410)は、特に強調して表示したい画像と判別し、より目立つように効果を付加する。図3の(A)では吹き出しの大きさを大きくすることで効果を表す例を示したが、図3の(B)は効果の数を増やすことで効果を表す例を示す。より具体的に説明すると、図3の(B)では、CPU101は、複数の音符の画像(408、409)を、付加する効果と決定する。次に、CPU101は、画像に付加する風景の効果を決定する。図3の(B)に示される画像では特徴的な塔が存在する。そのためCPU101は、例えば411のように風景を抽出したものを画像に付加する効果と決定する。また、図3の(B)に示される画像には雲に隠れた太陽が存在している。そのためCPU101は、曇りであることを示す画像412を画像に付加する効果と決定する。
【0015】
次に、CPU101は、効果を付加する画像を一覧表示にする際、それらの画像が一覧表示中のどの位置に構成するかの情報を含む、S203で選択された構成情報を取得する(S212)。
ここで効果を付加する画像が一箇所に固まっている場合、まとめて効果を表示すると逆に視認性が低くなってしまう。そこで、CPU101は、表示機器の構成及び一覧表示の画面構成(S203で選択された構成情報)の何れか又は双方から効果を付加して表示する画像を決定する(画像決定)。また、CPU101は、前記画像に付加する効果が複数存在する場合は表示機器の構成及び一覧表示の画面構成(S203で選択された構成情報)の何れか又は双方から付加する効果、付加する効果の順番やタイミング等を決定する(S213)。CPU101は、S213で決定された画像に、S213で決定された効果を、S213で決定された順番やタイミング付加する(S214)。
S212からS214までの処理を図4の(A)から図6の(B)までを使用してより具体的に説明する。
図4〜図6の例は501のように画像を2行3列で6枚表示する構成とする。表示する画像は以下の502、503、504、505、506、507の6種類とする。なお、これらの情報がS203で選択された構成情報に含まれているものとする。
それぞれの写真の特徴は以下のとおりである。
502は、怒った表情をしている人物、特徴的な塔、太陽を含む画像でレートが1である。
503は、笑っている表情をしている人物、特徴的な塔、雲に隠れた太陽を含む画像でレートが3である。
504は、笑っている表情をしている人物を含む画像でレートが1である。
505は、つまらなそうな表情をしている人物を含む画像でレートが1である。
506は、特徴的な塔、雲を含む画像でレートが4である。
507は、怒った表情をしている人物、特徴的な塔を含む画像でレートが5である。
これらの情報を、CPU101は、ステップS204からステップS211までの処理(画像を解析する処理)により抽出する。CPU101は、これらの情報及び構成情報を基に、効果を付加して表示する画像や前記画像に付加する効果の表示順序やタイミング等を決定する。
【0016】
CPU101は、レートが高い画像に対して優先的に効果を付加して表示するよう決定するが、一例としてレートが3以上の画像に対して効果を付加して表示する画像と決定する。502〜507の画像のなかでは、503、506、507の3枚の画像のレートが高いため(レートが3以上であるため)、CPU101は、これら3枚の画像を、優先的に効果を付加する対象の画像と決定する。ここで503、506、507に同時に大きな効果を付加すると画面が効果だらけになってしまうため、逆に視認性を低下させてしまう恐れがある。そこで、CPU101は、まずは隣り合わない画像を、効果を付加して表示する画像に決定する。図4の例ではCPU101は、503の画像を、効果を付加して表示する画像に決定し、506と507とのように隣り合う画像に対しては隣り合う画像の一方の画像を、効果を付加して表示する画像に決定する。図4の例ではCPU101は、隣り合う画像のうち、人物が含まれている画像を、効果を付加して表示する画像に決定している。このようにすることにより、効果を付加する画像が隣り合わないようにすることができ、視認性を向上させることができる。なお、CPU101は、画像を解析した情報から506には人物が存在しないことが分かり、507には人物が存在することが分かる。
それぞれの画像にレート等に応じて決定された効果を付加して表示した一例が図4の(B)である。503の画像に対してはレートが3で笑っている表情をしているため、601の効果が付加されて表示されている。また、507の画像に対してはレートが5で怒っている表情をしているため、602のように大きな効果が付加されて表示されている。また、506の画像に対しては効果が付加されていない。このように適度な効果を付加することで、図4の(B)は、図4の(A)と比較し一覧表示の視認性を向上させることに成功している。
【0017】
また、CPU101は、隣り合う画像を、効果を付加して表示する画像と決定するようにしてもよい。なお、大量の画像に効果を付加すると視認性が低下する可能性がある。そのため、CPU101は、効果を付加して表示する画像が隣り合う場合は、効果を付加して表示する隣り合う画像の数に制限をかける。CPU101は、この制限(画像の数)を画面構成及び機器構成の何れか又は双方から決定する。図5の例では、画面は1つの表示機器に表示され、画面に含まれる画像が6枚である。そのため、CPU101は、効果を付加して表示する隣り合う画像を、2つの画像までと制限する。
【0018】
まず、横に隣り合う506、507の画像に対して、効果を付加して表示する画像と決定する一例を示す。CPU101は、画像を解析した結果の情報に基づき、506、507の画像にのみ存在し、503画像に存在しない情報はないと判断する。そのため、CPU101は、503の画像にも存在する情報であるが、視認性の確保のため、効果を付加して表示する画像を制限すると判断する。図5の(A)の例ではCPU101は、506、507を、効果を付して表示する画像と決定する。また、CPU101は、506、507に付加する効果を、506、507に含まれる特長的な塔を表す効果に決定する。506、507の画像に、決定した効果を付加した結果が図5の(A)である。506に701の効果を、507に702の効果が付与され、503には効果が付与されていない。このように本来ならば503にも効果を付与するところであるが、一覧画面の構成と効果を付与して表示する画像の並びを考慮し、あえて効果を付与しないようにすることで視認性を向上させることができる。
また、縦に隣り合う503、506の画像に対して、効果を付加して表示する画像と決定する一例を示す。CPU101は、画像を解析した結果の情報に基づき、天気に関する情報が507の画像にはないと判断する。そのため、CPU101は、503、506に付加する効果を、天気に関する効果に決定する。503、506の画像に、決定した効果を付加した結果が図5の(B)である。図5の(B)では、503の画像に801の効果を、506の画像に802の効果が付加されて表示されている。
なおCPU101は図4の(B)や、図5の(A)、図5の(B)の様に同じ画像に対しても異なる効果を付加した画像の画面パターンを複数作成し一定間隔で切り替える(例えば図4の(B)→図5の(A)→図5の(B)の様に切り替える)ようにしてもよい。このようにすることにより、視認性を向上させることができる。
【0019】
ここで、図4の(A)ではそれぞれ異なる画像が分散している例を示したが、全ての画像の情報が同じ場合もある。このような状況の例を、図6の(A)を用いて説明する。901の一覧表示の画面構成は図4の(A)と同じ2行3列の構成である。しかし、902、903、904、905、906、907は全て同じ、怒った表情をしている人物、特徴的な塔、太陽を含む画像でレートが5である。
このような場合、CPU101は、適度に効果を分散させて視認性を確保する。より具体的な例を図6の(B)に示す。図6の(B)の例では、CPU101は、902、905、907に効果を分散させて付加している。CPU101は、画像902には効果1001を、画像907には効果1003を付加し、表情に関する効果を表示している。また、CPU101は、画像905には特徴的な塔の効果1002を付加し、背景に関する情報を表示している。このようにCPU101は、複数の効果を分散させることで、ユーザが画面に一覧表示されている画像がどのような画像なのかを簡単に判別することを可能としている。
【0020】
<第2の実施形態>
第1の実施形態ではディスプレイが1つの場合について説明をしたが、本実施形態では複数のディスプレイの場合について説明する。以下、複数のディスプレイが存在する場合の実施形態について、図7及び図8を用いて説明する。
図7は、第2の実施形態における情報処理装置の一例である一覧表示機器のハードウェア構成を示す図である。CPU101、RAM102、ハードディスク103は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。第2の実施形態の一覧表示機器には、第1のディスプレイであるディスプレイ1104と、第2のディスプレイであるディスプレイ1105と、が接続されている。なお、ディスプレイ1104は左側に、ディスプレイ1105は右側に存在するものとする。
第2の実施形態における一覧表示機器の処理を示すフローチャートは第1の実施形態と同一である。第1の実施形態と異なる部分のみ説明を行うと、第1の実施形態と異なる点は、S202、S203、S212、S213、S214の処理である。
第2の実施形態におけるS202では、CPU101は、現在自身に繋がっている2つのディスプレイそれぞれから情報を取得する点が第1の実施形態と異なる。CPU101は、取得した情報に基づき、2つのディスプレイを合わせて、どれだけの大きさの画像をどれだけの数、どのくらいの表現力で表示できるかを判断する。本実施形態では、2つのディスプレイはそれぞれ同じ性能を持つものとする。
第2の実施形態におけるS202では、CPU101は、ディスプレイの数に合わせた一覧表示構成を取得する。本実施形態の構成は、図8の(A)のように第1の実施形態で用いた2行3列の構成を2つ並べたものとする。CPU101は、1201をディスプレイ1104に、1202をディスプレイ1105にそれぞれ表示する。また、本実施形態では、図6の(B)と同じく、全て同じ情報を持つ画像で構成されているものとする。
第2の実施形態におけるS212では、CPU101は、構成情報に基づき、1201、1202の2つの画面がどのように並べられているかを含めて判断する。本実施形態では、上述したように、ディスプレイ1104は左側に、ディスプレイ1105は右側に存在するものとしている。そのため、CPU101は、2行6列と同じと判断する。なお、ディスプレイが上下に並んでいる場合、CPU101は、4行3列と判断する。
続いてS213、S214では、CPU101は、どのように効果を付加するかを決定する。今回の実施形態では全て同じ情報の画像である。そのため、CPU101は、適度に効果を画面上で分散させて表示する。より具体的な例を図8の(B)で示す。CPU101は、ディスプレイ1104で1301を表示し、ディスプレイ1105にて1302を表示する。1301、1302はそれぞれ同じ画面構成であるが、CPU101は、それぞれのディスプレイの並びを考慮し、効果を付加する画像が隣り合わないように考慮している。また、CPU101は、それぞれの画面ごとに効果を付加する画像数を2つと限定し、必要以上に効果を付加することにより視認性低下を防いでいる。
【0021】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0022】
以上、上述した各実施形態によれば、一覧表示をする表示機器の構成情報と一覧画面の画面構成等を基に、メタデータと画像解析の結果とを合わせて適切な効果を画像に加えることにより、一覧表示の視野性を向上することができる。また、上述した各実施形態によれば、多様な効果を画面にちりばめることにより写真館等における顧客の印象を向上させることができ、一覧表示において視認性の向上以上の付加価値を加えられる。
【0023】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0024】
101 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を解析する解析手段と、
前記解析手段での解析結果に基づいて前記画像に付加する、前記画像に関するオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、
前記解析手段での解析結果に基づいて、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する画像決定手段と、
前記画像決定手段で決定された画像に対して、前記オブジェクト決定手段で決定されたオブジェクトを付加する付加手段と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
画像を一覧表示する画面の画面構成情報を取得する画面構成情報取得手段を更に有し、
前記画像決定手段は、前記解析手段での解析結果と、前記画面構成情報取得手段で取得された前記画面構成情報と、に基づいて一覧表示される画像のなかでオブジェクトを付加して表示する画像を決定する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像決定手段は、前記解析手段での解析結果として前記解析手段より取得した画像に付与されているメタデータに基づいて一覧表示される画像のなかでオブジェクトを付加して表示する画像を選択し、前記画面構成情報に基づいて前記選択した画像のなかで隣り合う画像が存在する場合は、前記隣り合う画像の一方の画像にオブジェクトを付加するよう、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像決定手段は、前記画面構成情報に基づいて前記選択した画像のなかで隣り合う画像が存在する場合は、前記解析手段での解析結果として前記解析手段より取得した画像に人物が含まれているか否かの情報に基づいて前記隣り合う画像の一方の画像にオブジェクトを付加するよう、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する、請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像決定手段は、前記解析手段での解析結果として前記解析手段より取得した画像に付与されているメタデータに基づいて一覧表示される画像のなかでオブジェクトを付加して表示する画像を選択し、前記画面構成情報に基づいて前記選択した画像のなかで隣り合う画像が存在すると判断した場合は、前記画面構成情報に応じて定められている数の画像に対しては、隣り合う画像であってもオブジェクトを付加するよう、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画像決定手段は、前記解析手段での解析結果として前記解析手段より取得した画像に付与されているメタデータに基づいて一覧表示される画像のなかでオブジェクトを付加して表示する画像を選択し、前記画面構成情報に基づいて前記選択した画像のなかで隣り合う画像が存在すると判断した場合は、オブジェクトが画面上で分散するよう、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
画像を表示する一又は複数の表示機器の機器構成情報を取得する機器構成情報取得手段を更に有し、
前記画面構成情報取得手段は、前記機器構成情報取得手段で取得された前記機器構成情報に応じて、前記一又は複数の表示機器に画像を一覧表示する画面の画面構成情報を取得する、請求項2記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記オブジェクト決定手段は、前記解析手段での解析結果に基づいて前記画像に付加する、前記画像に関する複数のオブジェクトを決定し、
前記付加手段は、前記機器構成情報、及び前記画面構成情報の何れか又は双方に基づいて、前記オブジェクト決定手段で決定された複数のオブジェクトのうち、前記画像決定手段で決定された画像に対して付加するオブジェクトを決定し、決定したオブジェクトを前記画像に付加する、請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
画像を解析する解析ステップと、
前記解析ステップでの解析結果に基づいて前記画像に付加する、前記画像に関するオブジェクトを決定するオブジェクト決定ステップと、
前記解析ステップでの解析結果に基づいて、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する画像決定ステップと、
前記画像決定ステップで決定された画像に対して、前記オブジェクト決定ステップで決定されたオブジェクトを付加する付加ステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
画像を解析する解析手段と、
前記解析手段での解析結果に基づいて前記画像に付加する、前記画像に関するオブジェクトを決定するオブジェクト決定手段と、
前記解析手段での解析結果に基づいて、オブジェクトを付加して表示する画像を決定する画像決定手段と、
前記画像決定手段で決定された画像に対して、前記オブジェクト決定手段で決定されたオブジェクトを付加する付加手段と、
して機能させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−28311(P2011−28311A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170225(P2009−170225)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】