説明

情報処理装置

【課題】案内手段の部品点数を抑制しても、記録媒体を確実に機器本体に出し入れ可能とする情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置としてのCDプレーヤ1は機器本体3内に大径CD2aと小径CD2bとを出し入れしてCD2a,2bに記録された情報を読み出す。CDプレーヤ1はCD2a,2bの移動方向を案内するディスクセンタリング機構4を備えている。ディスクセンタリング機構4は一対のセンタリングアーム11,12とリンクレバー13とコイルばね14とを備えている。センタリングアーム11,12は機器本体3の回転自在に支持されている。リンクレバー13がセンタリングアーム11,12を連動させて回転させる。コイルばね14はセンタリングアーム11,12の突出ピン17同士が近づく方向にリンクレバー13を付勢している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、Compact Discなどの記録媒体から情報を読み出す記媒体再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、情報処理装置としてのCDプレーヤ100(図1に示し、特許文献1参照)が取り付けられる。CDプレーヤ100は、Compact Disc(以下CDと呼ぶ)などの記録媒体が記録した情報を読み出す。
【0003】
前記CDプレーヤ100は、図1に示すように、前記インパネに取り付けられる機器本体101と、前記機器本体101に開口した記録媒体挿入口と、搬送ユニットと、案内手段としてのディスクセンタリング機構102と、前記CDに記録された情報を読み出すための再生ユニット等を備えている。機器本体101は、複数の板金などが互いに組み付けられて箱状のシャーシ103を備えている。記録媒体挿入口は、内側に前記CDが通される。
【0004】
搬送ユニットは、記録媒体挿入口内を通されたCDを所定の再生位置まで搬送したり、前記再生位置からCDを記録媒体挿入口まで搬送して該CDを機器本体101内から排出する。搬送ユニットは、互いに接離自在に設けられた一対の挟持部材を備えている。
【0005】
これら一対の挟持部材のうち一方は、モータなどの駆動源によって回転駆動される搬送ローラを備えている。搬送ローラは、前記モータなどの駆動源によって回転駆動されることによって、CDを搬送する。他方の挟持部材は、摩擦係数の小さい滑り部材を備えている。滑り部材は、前記搬送ローラとの間に前記CDを挟んで、該CDの搬送方向を案内する。搬送ユニットは、一対の挟持部材間にCDを挟んで、前記CDを搬送する。
【0006】
ディスクセンタリング機構102は、図1に示すように、係合孔104と、一対のセンタリングアーム105と、一対のリンクアーム106と、連結ピン107と、付勢手段としてのコイルばね108を備えている。ディスクセンタリング機構102は、前記記録媒体挿入口の近傍に配されている。係合孔104は、機器本体101のシャーシ103の底板103aの中央に設けられ、記録媒体挿入口を通して機器本体101に出し入れされるCDの搬送方向に沿って直線状に延在している。係合孔104の中央部には、該係合孔104の両内縁から凹に形成されてあたかも係合孔104の幅を他の部分よりも広げた凹み104aが設けられている。
【0007】
一対のセンタリングアーム105は、機器本体101の幅方向に沿って互いに間隔をあけて配されている。一対のセンタリングアーム105は、記録媒体挿入口寄りの一端部が互いに近づいたり互いに離れたりするように、前記機器本体101のシャーシ103に回転自在に支持されたアーム本体109と、このアーム本体109の記録媒体挿入口寄りの一端部から突出した突出ピン110と、を備えている。
【0008】
一対のリンクアーム106は、一端部がセンタリングアーム105のアーム本体109の他端部と回転自在に連結している。連結ピン107は、リンクアーム106の他端部同士を回転自在に連結しているとともに、前述した係合孔104内に侵入している。コイルばね108は、センタリングアーム105のアーム本体109の前記一端部即ち突出ピン110が互いに近づく方向に付勢している。
【0009】
ディスクセンタリング機構102は、センタリングアーム105がリンクアーム106などによって、アーム本体109が互いに連動して機器本体101のシャーシ103に対し回転する。
【0010】
再生ユニットは、前記CDを回転するために回転テーブルと、前記CDに記録された情報を読み出すための光ピックアップ等を備えている。再生ユニットは、前記CDを前記再生位置に位置決め(クランプ)して、回転テーブルがCDを回転して、光ピックアップが前記CDに記録された情報を読み出す。
【0011】
前記CDが記録媒体挿入口を通して機器本体101内に挿入されると、まず、CDが突出ピン110に接触する。そして、CDは、前記一対の挟持部材間に挟まれる。搬送ローラの回転によってCDが機器本体内に搬送されるのにしたがって、突出ピン110が互いに離れる方向にアーム本体109が徐々に回転する。一対のセンタリングアーム105の突出ピン110は、前記再生位置にCDを案内する。こうして、情報処理装置は、CDを機器本体外から再生位置に搬送してきた。
【0012】
そして、前記CDは再生ユニットにクランプされて、該再生ユニットによって情報を取り出される。情報処理装置は、取り出された情報を音声として出力する。CDを機器本体101外に搬出する際には、まず、回転テーブルの回転を止める。搬送ユニットの搬送ローラを先ほどとは逆方向に回転させて、CDを記録媒体挿入口内に通して機器本体101内から機器本体101外に徐々に搬送する。
【0013】
このとき、突出ピン110がCDに接触する。一対のセンタリングアーム105の突出ピン110は、CDの排出にしたがって、互いに離れたり近づいたり(接離)する。そして、一対のセンタリングアーム105の突出ピン110は、前記CDの排出方向を案内する。
【0014】
前述したCDプレーヤ100は、互いに外径の異なる複数種のCDに記録された情報を再生する。前述したセンタリングアーム105などを備えたCDプレーヤ100では、比較的小径なCDが記録媒体挿入口の端寄りに挿入されると、一対のセンタリングアーム105のうち一方の突出ピン110にしか接触しないことがある。この場合、前述した連結ピン107が凹み104a内に侵入してセンタリングアーム105の回転が規制される。そして、センタリングアーム105の回転の規制によって突出ピン110が固定され、その突出ピン110に接触しながら挿入されることでCDは機器本体101の幅方向にセンタリングされる。
【0015】
前述したCDプレーヤ100では、比較的大径なCDが記録媒体挿入口内に挿入されると、一対のセンタリングアーム105の双方の突出ピン110に接触する。この場合、前述した連結ピン107が凹み104a内に侵入することなく、センタリングアーム105の回転が規制されない。そして、双方の突出ピン110に接触しながら挿入されることでCDは機器本体101の幅方向に対して安定した状態で挿入される。
【0016】
このように、前述したディスクセンタリング機構102を備えた従来のCDプレーヤ100は、比較的小径なCDを機器本体101に出し入れする際には連結ピン107が凹み104a内に侵入した状態を超えてセンタリングアーム105の突出ピン110同士が離れることを規制して、該比較的小径なCDを機器本体101に確実に出し入れ可能としている。また、従来のCDプレーヤ100は、比較的大径なCDを機器本体101に出し入れする際には、連結ピン107が凹み104a内に侵入した状態を超えてセンタリングアーム105の突出ピン110同士が離れることを許容して、該比較的大径なCDを機器本体101に確実に出し入れ可能としている。
【特許文献1】特開2002−313007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
前述したCDプレーヤ100のディスクセンタリング機構102は、一対のセンタリングアーム105と、一対のリンクアーム106と、一つの連結ピン107と、一つの付勢手段としてのコイルばね108などの部品が必要であって、部品点数が増加する傾向であった。このため、前述した従来のディスクセンタリング機構102では、その組み立てにかかる手間が増加して、所要工数が増加する傾向であった。また、突出ピン110が固定される位置、すなわち、センタリングアーム105の回転が規制される位置は、連結ピン107が凹み104a内に侵入する位置からリンクアーム106を介して決定されるため、夫々の部品の寸法誤差が累積することで突出ピン110が固定される位置にばらつきが生じる傾向であった。
【0018】
したがって、本発明の目的は、例えば、案内手段の部品点数を抑制しても、記録媒体を確実に機器本体に出し入れ可能とする情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の情報処理装置は、互いに大きさの異なる大型記録媒体と小型記録媒体とを機器本体内に出し入れして、これらの記録媒体に記録された情報を読み出す情報処理装置において、前記大型記録媒体と小型記録媒体の移動方向を案内する案内手段を備え、前記案内手段が、機器本体に設けられた前記記録媒体を通す挿入口寄りの一端部が互いに接離自在となるように前記機器本体に回転自在に支持されたアーム本体と、前記アーム本体の一端部に設けられ前記大型記録媒体と小型記録媒体との双方と接触可能な突出ピンと、を有した一対のセンタリングアームと、前記記録媒体の出し入れ方向に対して交差する方向に沿ってスライド自在に前記機器本体に支持され、かつ一方のセンタリングアームの前記アーム本体の回転中心よりも他端部寄りの箇所と、他方のセンタリングアームの前記アーム本体の回転中心よりも前記一端部寄りの箇所とを連結したリンクレバーと、前記リンクレバーを、前記一対のセンタリングアームの突出ピン同士が近づく一の方向に付勢した付勢手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、一方のセンタリングアームの回転中心よりも他端部寄りの箇所と、他方のセンタリングアームの回転中心よりも一端部寄りの箇所とをリンクレバーで連結することで、一本のリンクレバーによって、一対のセンタリングアームを連動させて回転させることを可能として、案内手段の部品点数の削減を可能としている。
【0021】
規制許容手段を更に設けて、該規制許容手段が、センタリングアームとリンクレバーとのうち一方から凸の凸部と他方に設けられたカム溝部とを備えていても良い。この場合、凸部と、該凸部が内側を移動するカム溝部とで、一対のセンタリングアームを連動させて回転できるので、センタリングアームとリンクレバーとの連結部分の部品点数の増加を防止できる。
【0022】
規制許容手段に、一対のセンタリングアームのうちの一方の突出ピンが押された際に、凸部が侵入してセンタリングアームの回転を規制する凹みが、カム溝部の中央部の内縁に設けられても良い。この場合、カム溝部の内縁に凹みを設けるだけで、センタリングアームの回転を規制できるので、部品点数を増加させることなく、小型記録媒体を確実に案内できる。
【0023】
一対のセンタリングアームの凸部がカム溝部の凹み内に侵入するまでの該センタリングアームの回転角度を互いに異ならせても良い。この場合、双方のセンタリングアームが同時に回転が規制されることを防止できるので、大型記録媒体を確実に出し入れすることができる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図2ないし図11に基づいて説明する。図2及び図3などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに取り付けられて、外径が例えば12cmなどの比較的大径な大型記録媒体としての大径CD2aと、外径が例えば8cmなどの比較的小径な小型記録媒体としての小径CD2bとを使用者が選択して、後述する機器本体3内に収容する。大径CD2aと小径CD2bとは、勿論、互いに大きさが異なる。
【0025】
CDプレーヤ1は、これらの互いに大きさ(外径)の異なるCD2a,2bを機器本体3内の後述する再生位置に位置させて、これらのCD2a,2bに記録された情報を取り出して(再生して)、音声として出力する。なお、CD2a,2bは、勿論、ディスク形に形成されており、特許請求の範囲に記載された記録媒体をなしているとともに、円板状のコンピュータなどの電子機器で情報を読み取り可能な記録媒体である。
【0026】
CDプレーヤ1は、図3などに示すように、機器本体3(図2などに示す)と、図示しない搬送手段としての搬送ユニットと、図示しないクランプ再生手段としてのクランプ再生ユニットと、図示しない連動機構と、案内手段としてのディスクセンタリング機構4と、図示しない制御手段としてのCPUなどを備えている。なお、以下、CD2a,2bの表面と搬送ユニットのCD2a,2bの搬送方向Kとの双方と平行な図1中の矢印YをCDプレーヤ1の奥行き方向と記し、CD2a,2bの表面と平行でかつ前記奥行き方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2a,2bの表面と奥行き方向Yと幅方向Xの全てと直交する矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向と記す。
【0027】
機器本体3は、外側ケース5(図2に示す)と、シャーシ6(図3に示す)とを備えている。外側ケース5は、合成樹脂で構成され、かつ扁平な箱状に形成されている。外側ケース5は、CDプレーヤ1の外殻をなしている。外側ケース5の前述したインパネに取り付けると乗員に相対する前面5a(図2に示す)には、CD2a,2bを出し入れ可能な挿入口7が一つのみ設けられている。なお、前面5aは、外側ケース5即ちCDプレーヤ1がインパネに取り付けられると、該インパネの外側に露出する機器本体3の一つの面である。
【0028】
挿入口7は、外側ケース5の外壁を貫通している。挿入口7は、内側にCD2a,2bを通すことができる。挿入口7を通して、前記CD2a,2bは、外側ケース5則ち機器本体3内に収容されたり、該外側ケース5則ち機器本体3内から排出される。即ち、挿入口7は、機器本体3の内外を連通して、機器本体3にCD2a,2bを出し入れ自在とする。
【0029】
さらに、前述した前面5aには、表示パネルとしての蛍光表示管8と、各種のスイッチ9とが設けられている。
【0030】
蛍光表示管8は、前面5aに露出して、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。蛍光表示管8は、表示面に再生中のプログラム名等の情報を表示する。
【0031】
各種のスイッチ9は、使用者が操作するための操作部を構成している。スイッチ9が使用者などに操作されることによって、例えば、クランプ再生ユニットが再生するCD2a,2bのプログラムの選択や、これらのCD2a,2bの出し入れなどが行われる。
【0032】
シャーシ6は、外側ケース5内に収容されているとともに、該外側ケース5に固定されている。シャーシ6は、図3などに示すように、底板10と、一対の側板と、天井板とを備えている。底板10と、一対の側板と、天井板とは、それぞれ、板金などで構成されている。
【0033】
底板10は、外側ケース5の底壁の内面に重ねられている。一対の側板は、底板10の幅方向の両縁から立設している。一対の側板は、互いに間隔をあけて平行に配置されている。天井板は、底板10と間隔をあけて平行に配置されているとともに、一対の側板の双方に連なっている。
【0034】
搬送ユニットは、ローラアームと、ディスクガイドと、を備えている。ローラアームには、モータなどの駆動源によって回転駆動される搬送ローラが取り付けられている。ローラアームとディスクガイドとは、互いに接離自在に設けられている。搬送ユニットは、ローラアームとディスクガイドとが互いに近づいて、これらの間にCD2a,2bを挟み込んで、搬送ローラがモータに回転駆動されることで、CD2a,2bを機器本体3に出し入れする。搬送ユニットは、CD2a,2bの両表面と平行で、かつ挿入口7と後述する再生位置とを踏結んだ方向K(図3中に矢印で示し、特許請求の範囲に記載された出し入れ方向に相当し、以下、搬送方向と呼ぶ)に沿って、該CD2a,2bを搬送する。また、搬送ユニットは、クランプ再生ユニットがCD2a,2bをクランプして該CD2a,2bの情報を読み取る際に、ローラアームとディスクガイドとが互いに離れて、クランプ再生ユニットの動作を妨げることがない。
【0035】
クランプ再生ユニットは、互いに接離自在に設けられたキャリッジシャーシと、クランプアームとを備えている。キャリッジシャーシには、回転自在に支持された回転テーブルと光ピックアップ部とが取り付けられている。
【0036】
クランプアームには、回転テーブルとの間にCD2a,2bを挟んで、当該CD2a,2bをクランプするクランパが取り付けられている。なお、本明細書では、回転テーブルとクランパとの間に挟まれた際のCD2a,2bの位置及び回転テーブルとクランパとの間に挟まれることが可能なCD2a,2bの位置を再生位置とする。また、挿入口7と前記再生位置との間は、CD2a,2bの搬送経路をなしている。
【0037】
前述したクランプ再生ユニットは、搬送ユニットによって機器本体3内に挿入されたCD2a,2bをキャリッジシャーシとクランプアームとの間に挟んで、CD2a,2bを回転テーブルが回転させて、当該CD2a,2bの情報を光ピックアップ部が読み出して再生する。
【0038】
連動機構は、CD2a,2bを搬送する際には、搬送ユニットのディスクガイドとローラアームの搬送ローラとを互いに近づけ、キャリッジシャーシとクランプアームとを互いに遠ざけておく。連動機構は、搬送ユニットによって再生位置にCD2a,2bが位置付けられると、キャリッジシャーシとクランプアームとを互い近づけて回転テーブルとクランパとの間にCD2a,2bを挟むとともに、搬送ユニットのディスクガイドとローラアームの搬送ローラとを互いに遠ざけて、これらのディスクガイドとローラアームの搬送ローラがCD2a,2bに干渉することを規制する。このように、連動機構は、搬送ユニットとクランプ再生ユニットの動作を連動させる。
【0039】
ディスクセンタリング機構4は、図3に示すように、一対のセンタリングアーム11,12と、一つのリンクレバー13と、付勢手段としてのコイルばね14と、規制許容手段としての規制許容部15とを備えている。
【0040】
一対のセンタリングアーム11,12は、それぞれ、挿入口7の近傍に配されている。一対のセンタリングアーム11,12は、幅方向X即ち挿入口7の長手方向に沿って、互いに間隔をあけて配置されている。
【0041】
一対のセンタリングアーム11,12は、それぞれ、帯状のアーム本体16と、突出ピン17と、を備えている。一対のセンタリングアーム11,12それぞれのアーム本体16は、挿入口7寄りの一端部11a,12aが互いに近づいたり離れたり(接離)するように、回転自在にシャーシ6の底板10に支持されている。
【0042】
一対のセンタリングアーム11,12のうちの図3中に右側に位置する一方のセンタリングアーム11のアーム本体16は、その長手方向の中央部を中心として回転自在に設けられている。一対のセンタリングアーム11,12のうちの図3中に左側に位置する他方のセンタリングアーム12のアーム本体16は、機器本体3の奥側に位置する他端部12bを中心として回転自在に設けられている。
【0043】
前述した一対のセンタリングアーム11,12のアーム本体16は、図2及び図3に示す長手方向が前記搬送方向Kに沿う初期位置と、この初期位置から一端部11a,12aが互いに最も離れた図示しない解除位置とに亘って、変位可能に底板10に回転自在に支持されている。
【0044】
突出ピン17は、アーム本体16の一端部11a,12aから天井板即ち挿入口7の内側に向かって突出している。突出ピン17は、円柱状に形成されている。
【0045】
リンクレバー13は、直線状に伸びた帯板状に形成されている。リンクレバー13は、その長手方向が幅方向Xと平行な状態で底板10上に重ねられて、幅方向X即ち搬送方向Kに対して交差(図示例では直交)する方向に沿って、スライド自在に底板10に支持されている。リンクレバー13は、規制許容部15によって、その一端部13aが前述した一方のセンタリングアーム11のアーム本体16の機器本体3の奥側の他端部11bに連結し、他端部13bが前述した他方のセンタリングアーム12のアーム本体16の長手方向の中央部に連結している。このように、リンクレバー13は、規制許容部15によって、一方のセンタリングアーム11のアーム本体16の回転中心よりも他端部11b寄りの箇所と、他方のセンタリングアーム12のアーム本体16の回転中心よりも一端部12a寄りの箇所とを連結している。
【0046】
前述した構成によって、リンクレバー13は、幅方向Xに沿って底板10に対してスライドすることで、一端部11a,12aが互いに離れるように、及び、一端部11a,12aが互いに近づくように、一対のセンタリングアーム11,12のアーム本体16を同期させて回転させる。こうして、リンクレバー13は、一対のセンタリングアーム11,12のアーム本体16を同期させて回転させて、一対のセンタリングアーム11,12を前記初期位置と解除位置とに亘って変位させる。
【0047】
コイルばね14は、底板10とリンクレバー13とに掛け渡されて、一対のセンタリングアーム11,12のアーム本体16の一端部11a,12a即ち突出ピン17同士が近づく方向I(図3中に矢印で示し、特許請求の範囲の一の方向に相当する)に、リンクレバー13を付勢している。このため、センタリングアーム11,12は、CD2a,2bを搬送していない状態では、前述した初期位置に位置付けられる。
【0048】
規制許容部15は、リンクレバー13の両端部13a,13bからセンタリングアーム11,12のアーム本体16に向かって突出した凸部18と、一対のセンタリングアーム11,12それぞれのアーム本体16のリンクレバー13の連結箇所に設けられたカム溝部としてのカム孔19と、カム孔19それぞれの内縁に設けられた凹み20と、を備えている。
【0049】
凸部18は、柱状に形成されて、図示例では、センタリングアーム11,12それぞれのアーム本体16と一体に形成されている。
【0050】
カム孔19は、センタリングアーム11,12それぞれのアーム本体16を貫通しているとともに、く字状に形成されている。カム孔19は、一対のセンタリングアーム11,12の双方に設けられている。カム孔19は、センタリングアーム11,12が前述した初期位置に位置付けられると、前述した搬送方向Kと略平行になる平行部21と、該平行部21に連なりかつ搬送方向Kに対して傾斜した傾斜部22とを備えている。
【0051】
一方のセンタリングアーム11のカム孔19では、平行部21が傾斜部22よりも機器本体3の奥側即ち挿入口7から離れた側に配置されている。一方のセンタリングアーム11のカム孔19では、傾斜部22が平行部21から離れるのにしたがって即ち挿入口7に近づくのにしたがって他方のセンタリングアーム12に徐々に近づく方向に傾斜している。
【0052】
他方のセンタリングアーム12のカム孔19では、平行部21が傾斜部22よりも挿入口7寄りに配置されている。他方のセンタリングアーム12のカム孔19では、傾斜部22が平行部21から離れるのにしたがって即ち機器本体3の奥側に向かうにしたがって一方のセンタリングアーム11から徐々に離れる方向に傾斜している。
【0053】
前述したカム孔19内には、凸部18が該カム孔19の長手方向に沿って移動自在となっている。カム孔19内を凸部18が移動することで、規制許容部15は、リンクレバー13と協働して、一対のセンタリングアーム11,12を互いに連動させて回転させる。
【0054】
なお、センタリングアーム11,12が初期位置に位置付けられると、凸部18がカム孔19の平行部21の傾斜部22から離れた側の端部に位置する。センタリングアーム11,12が、初期位置から回転するのに連動して、凸部18がカム孔19の傾斜部22に向かって移動して、前述した解除位置で凸部18がカム孔19の傾斜部22の平行部21から離れた側の端部に位置付けられる。
【0055】
凹み20は、一対のセンタリングアーム11,12の双方に設けられている。凹み20は、カム孔19の平行部21と傾斜部22とが交差した交差点及び該交差点の近傍即ちカム孔19の略中央部に配置されている。凹み20は、カム孔19の矢印Iの前方側に位置する一方の内縁に設けられ、該内縁から凹形状に設けられて、恰もカム孔19の幅を他の部分よりも広くしている。凹み20内には、凸部18が侵入可能となっている。凹み20内に凸部18が侵入すると、センタリングアーム11,12のアーム本体16の回転が規制される(回転できなくなる)。
【0056】
一対のセンタリングアーム11,12のうちの一方に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入したときの一対のセンタリングアーム11,12の突出ピン17間の距離は、前述した小径CD2bの外径よりも大きく大径CD2aの外径よりも小さい。このため、規制許容部15は、小径CD2bを機器本体3に出し入れする際には、一対のセンタリングアーム11,12のうちの一方に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入したときを超えて、一対のセンタリングアーム11,12の突出ピン17同士が離れること即ち一対のセンタリングアーム11,12のアーム本体16が回転することを規制する。
【0057】
なお、一対のセンタリングアーム11,12のうちの一方に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入したときの一対のセンタリングアーム11,12の突出ピン17よりも小径CD2bが機器本体3の外側に位置付けられると、該小径CD2bを機器本体3の外部と再生位置とに亘って搬送することが困難となる。なお、一対のセンタリングアーム11,12のうちの一方に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入したときの一対のセンタリングアーム11,12の突出ピン17の位置は、小径CD2bを機器本体3に出し入れ可能な範囲の境界となっている。
【0058】
このように、規制許容部15は、小径CD2bを機器本体3に出し入れする際には、一対のセンタリングアーム11,12のうちの一方の突出ピン17のみに該小径CD2bが接触して、該一方の突出ピン17のみが小径CD2bから他方の突出ピン17から離れる方向に押される。そして、規制許容部15は、一対のセンタリングアーム11,12のうちの一方に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、小径CD2bを機器本体3に出し入れ可能となる範囲を超えて、一対のセンタリングアーム11,12の突出ピン17が互いに離れることを規制する。
【0059】
また、一方のセンタリングアーム11では、凹み20は、カム孔19の平行部21と傾斜部22との交差点に配置されている。他方のセンタリングアーム12では、凹み20は、カム孔19の傾斜部22の平行部21寄りの端部即ち平行部21と傾斜部22との交差点の近傍でかつ傾斜部22に配置されている。このため、一対のセンタリングアーム11,12を初期位置から解除位置に向かって回転させていくと、一方のセンタリングアーム11に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入した後、他方のセンタリングアーム12に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入する。このように、一対のセンタリングアーム11,12の初期位置から凸部18が凹み20内に侵入するまでの回転角度が、互いに異なる。
【0060】
前述した構成のディスクセンタリング機構4は、センタリングアーム11,12が前述した初期位置に付勢され、かつ突出ピン17にCD2a,2bの外縁が当接することで、突出ピン17に当接したCD2a,2bをCDプレーヤ1の幅方向Xの中央に導き、挿入口7を通されて機器本体3に挿入されたCD2a,2bを前述した再生位置に案内する。即ち、ディスクセンタリング機構4は、CD2a,2bの移動方向を案内する。
【0061】
さらに、ディスクセンタリング機構4のセンタリングアーム11,12は、挿入口7を通して機器本体3に出し入れされるCD2a,2bの外縁が突出ピン17に当接することで、CD2a,2bを機器本体3に出し入れする際に、CD2a,2bの移動と連動して、シャーシ6の底板10に対して回転する。則ち、センタリングアーム11,12は、CD2a,2bを機器本体3に出し入れする際に、CD2a,2bの移動と連動して、機器本体3に対して移動する。
【0062】
CPUは、前述した搬送ユニットと、クランプ再生ユニットと、連動機構と、ディスクセンタリング機構4の一方のセンタリングアーム11の回転角度を検出するスイッチやエンコーダなどのセンサとに接続して、これらの動作を制御して、CDプレーヤ1全体の制御をつかさどる。CPUは、図4及び図5中に実線Aで示す位置に一方のセンタリングアーム11が位置付けられていると、CD2a,2bを機器本体3内に収容しているか、CD2a,2bが取り外された状態と判定する。CPUは、前述した実線Aで示す位置から図4及び図5中に実線Bで示す位置に一方のセンタリングアーム11が位置付けられると、CD2a,2bが機器本体3内に挿入されたと判定する。
【0063】
CPUは、機器本体3内から小径CD2bを排出する際に、図4及び図5中に実線Cで示す位置に一方のセンタリングアーム11が位置付けられると、搬送ユニットのモータを停止する。CPUは、機器本体3内から大径CD2aを排出する際に、図4及び図5中に実線Fで示す位置に一方のセンタリングアーム11が位置付けられると、搬送ユニットのモータを停止する。なお、CPUは、CD2a,2bが機器本体3内に挿入される際に、この実線Fで示す位置に一方のセンタリングアーム11が位置付けられると、大径CD2aが機器本体3内に挿入されたと判定し、この実線Fで示す位置に一方のセンタリングアーム11が位置付けられないと、小径CD2bが機器本体3内に挿入されたと判定する。
【0064】
なお、図4及び図5中に実線Dで示す位置は、一方のセンタリングアーム11の突出ピン17に当接した状態で小径CD2bが挿入される際に、該一方のセンタリングアーム11の回転が規制される位置を示している。図4及び図5中に実線Eで示す位置は、他方のセンタリングアーム12の突出ピン17に当接した状態で小径CD2bが挿入される際に、一方のセンタリングアーム11の回転が規制される位置を示している。
【0065】
次に、前述した構成のCDプレーヤ1の作用(動作)について説明する。まず、CD2a,2bが機器本体3内に挿入されていない状態では、搬送ユニットのローラアームの搬送ローラとディスクガイドとが互いに近づき、クランプ再生ユニットのキャリッジシャーシとクランプアームとが互いに離れている。また、ディスクセンタリング機構4は、図3に示す初期位置に位置付けられている。
【0066】
まず、CDプレーヤ1の使用者が挿入口7内にCD2a,2bを挿入する。すると、搬送ローラが回転して、前述した図示しないモータの駆動力によって回転された搬送ローラとディスクガイドとの間にCD2a,2bが挟まれる。搬送ローラが回転しているため、CD2a,2bは、キャリッジシャーシとクランプアームとの間即ち再生位置に向かって搬送される。
【0067】
図6に示すように、小径CD2bを一方のセンタリングアーム11の突出ピン17に当接させて挿入すると、該一方のセンタリングアーム11の突出ピン17が他方のセンタリングアーム12の突出ピン17から離れる方向に、該一対のセンタリングアーム11,12が回転する。すると、図7(a)に示すように、一方のセンタリングアーム11に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、該一方のセンタリングアーム11の回転が規制される。
【0068】
このとき、図7(b)に示すように、他方のセンタリングアーム12のカム孔19の凹み20には凸部18が侵入していない。突出ピン17間の距離が小径CD2bの外径よりも大きいので、該他方のセンタリングアーム12の突出ピン17は、小径CD2bが当接せずに、勿論小径CD2bから押されない。このため、一方のセンタリングアーム11のカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、更に、突出ピン17同士が離れる方向にセンタリングアーム11,12が回転することが規制される。こうして、小径CD2bは、回転が規制されている一方のセンタリングアーム11の突出ピン17に当接することによってCDプレーヤ1の幅方向Xの中央に導かれて再生位置まで搬送される即ち機器本体3内に収容される。
【0069】
また、大径CD2aを一方のセンタリングアーム11の突出ピン17に当接させて挿入すると、該一方のセンタリングアーム11の突出ピン17が他方のセンタリングアーム12の突出ピン17から離れる方向に、該一対のセンタリングアーム11,12が回転する。すると、図7(a)に示すように、一方のセンタリングアーム11に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、該一方のセンタリングアーム11の回転が一旦規制される。
【0070】
このとき、図7(b)に示すように、他方のセンタリングアーム12のカム孔19の凹み20には凸部18が侵入していない。突出ピン17間の距離が大径CD2aの外径よりも小さいので、該他方のセンタリングアーム12の突出ピン17は、大径CD2aが当接して、一方のセンタリングアーム11の突出ピン17から離れる方向に勿論大径CD2aから押される。図8(b)に示すように、凸部18がカム孔19内に位置するので、他方のセンタリングアーム12の突出ピン17が一方のセンタリングアーム11の突出ピン17から離れる方向に、該他方のセンタリングアーム12が回転する。すると、図8(a)に示すように、一方のセンタリングアーム11のカム孔19の凹み20から凸部18が抜け出る方向に、該他方のセンタリングアーム12がリンクレバー13を引っ張る。そして、一方のセンタリングアーム11の規制が解除される。
【0071】
さらに、大径CD2aを機器本体3に挿入していくと、図10(b)に示すように、他方のセンタリングアーム12に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、該他方のセンタリングアーム12の回転が一旦規制される。
【0072】
このとき、図10(a)に示すように、一方のセンタリングアーム11のカム孔19の凹み20には凸部18が侵入していない。突出ピン17間の距離が大径CD2aの外径よりも小さいので、該一方のセンタリングアーム11の突出ピン17は、大径CD2aが当接して、他方のセンタリングアーム12の突出ピン17から離れる方向に勿論大径CD2aから押される。図11(a)に示すように、凸部18がカム孔19内に位置するので、一方のセンタリングアーム11の突出ピン17が他方のセンタリングアーム12の突出ピン17から離れる方向に、該一方のセンタリングアーム11が回転する。すると、図11(b)に示すように、他方のセンタリングアーム12のカム孔19の凹み20から凸部18が抜け出る方向に、該一方のセンタリングアーム11がリンクレバー13を押す。そして、他方のセンタリングアーム12の規制が解除される。こうして、一対のセンタリングアーム11,12が解除位置まで回転して、大径CD2aは、再生位置まで搬送される即ち機器本体3内に収容される。
【0073】
また、図9に示すように、小径CD2bを他方のセンタリングアーム12の突出ピン17に当接させて挿入すると、該他方のセンタリングアーム12の突出ピン17が一方のセンタリングアーム11の突出ピン17から離れる方向に、該一対のセンタリングアーム11,12が回転する。すると、図7(a)に示すように、一方のセンタリングアーム11に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、該一方のセンタリングアーム11の回転が一旦規制される。さらに、小径CD2bを挿入していくと、前述した大径CD2aを挿入したときと同様に、一方のセンタリングアーム11の回転の規制が解除される。
【0074】
そして、図10(b)に示すように、他方のセンタリングアーム12に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、該他方のセンタリングアーム12の回転が規制される。このとき、図10(a)に示すように、一方のセンタリングアーム11のカム孔19の凹み20には凸部18が侵入していない。突出ピン17間の距離が小径CD2bの外径よりも大きいので、該一方のセンタリングアーム11の突出ピン17は、小径CD2bが当接せずに、勿論小径CD2bから押されない。このため、他方のセンタリングアーム12のカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、更に、突出ピン17同士が離れる方向にセンタリングアーム11,12が回転することが規制される。こうして、小径CD2bは、回転が規制されている他方のセンタリングアーム12の突出ピン17に当接することによってCDプレーヤ1の幅方向Xの中央に導かれて再生位置まで搬送される即ち機器本体3内に収容される。
【0075】
また、大径CD2aを他方のセンタリングアーム12の突出ピン17に当接させて挿入すると、該他方のセンタリングアーム12の突出ピン17が一方のセンタリングアーム11の突出ピン17から離れる方向に、該一対のセンタリングアーム11,12が回転する。すると、図7(a)に示すように、一方のセンタリングアーム11に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、該一方のセンタリングアーム11の回転が一旦規制される。さらに、大径CD2aを挿入していくと、前述した一方のセンタリングアーム11の突出ピン17に当接させて大径CD2aを挿入したときと同様に、一方のセンタリングアーム11の回転の規制が解除される。
【0076】
そして、図10(b)に示すように、他方のセンタリングアーム12に設けられたカム孔19の凹み20内に凸部18が侵入して、該他方のセンタリングアーム12の回転が規制される。このとき、図10(a)に示すように、一方のセンタリングアーム11のカム孔19の凹み20には凸部18が侵入していない。突出ピン17間の距離が大径CD2aの外径よりも小さいので、該一方のセンタリングアーム11の突出ピン17は、大径CD2aが当接して、他方のセンタリングアーム12の突出ピン17から離れる方向に勿論大径CD2aから押される。図11(a)に示すように、凸部18がカム孔19内に位置するので、一方のセンタリングアーム11の突出ピン17が他方のセンタリングアーム12の突出ピン17から離れる方向に、該一方のセンタリングアーム11が回転する。すると、図11(b)に示すように、他方のセンタリングアーム12のカム孔19の凹み20から凸部18が抜け出る方向に、該一方のセンタリングアーム11がリンクレバー13を押す。そして、他方のセンタリングアーム12の規制が解除される。こうして、一対のセンタリングアーム11,12が解除位置まで回転して、大径CD2aは、再生位置まで搬送される即ち機器本体3内に収容される。
【0077】
こうして、規制許容部15は、小径CD2bを出し入れする際に、該小径CD2bを機器本体3に出し入れ可能な範囲を超えて一対のセンタリングアーム11,12の突出ピン17が互いに離れることを規制し、かつ大径CD2aを出し入れする際に、該大径CD2aの機器本体3への出し入れが可能な範囲まで一対のセンタリングアーム11,12の突出ピン17が互いに離れることを許容する。
【0078】
前述したCD2a,2bが再生位置に位置付けられると、連動機構が、クランプ再生ユニットのキャリッジシャーシとクランプアームとを互いに近づけ、搬送ユニットのディスクガイドとローラアームの搬送ローラとを互いに離す。そして、クランプ再生ユニットは、クランパと回転テーブルとの間にCD2a,2bを挟んで則ちクランプして、該CD2a,2bの情報を読み出して音声として出力する。
【0079】
前記CDプレーヤ1は、前述したCD2a,2bの再生などが終了して、該CD2a,2bを機器本体3内から排出する際には、連動機構が搬送ユニットのディスクガイドとローラアームの搬送ローラとを互いに近づけ、クランプ再生ユニットのキャリッジシャーシとクランプアームとを互いに離す。そして、搬送ローラを回転駆動して、CD2a,2bを排出する。CPUは、CD2a,2bの挿入時に、該挿入されたCD2a,2bを識別しているので、一方のセンタリングアーム11が前述した実線C,Fのうちの一方に位置付けられると、搬送ローラを停止する。こうして、CD2a,2bを機器本体3内から排出する。
【0080】
本実施例によれば、一方のセンタリングアーム11の回転中心よりも他端部11b寄りの箇所と、他方のセンタリングアーム12の回転中心よりも一端部12a寄りの箇所とをリンクレバー13で連結することで、一本のリンクレバー13によって、一対のセンタリングアーム11,12を連動させて回転させることを可能としている。したがって、ディスクセンタリング機構4の部品点数の削減を可能とすることができる。よって、組み立てにかかる所要工数を減少させることができる。
【0081】
さらに、ディスクセンタリング機構4が、更に規制許容部15を備えて、該規制許容部15が、センタリングアーム11,12とリンクレバー13とのうちリンクレバー13から凸の凸部18とセンタリングアーム11,12に設けられたカム孔19とを備えている。この場合、凸部18と、該凸部18が内側を移動するカム孔19とで、一対のセンタリングアーム11,12を連動させて回転できるので、センタリングアーム11,12とリンクレバー13との連結部分の部品点数の増加を防止できる。
【0082】
規制許容部15が、一対のセンタリングアーム11,12のうちの一方の突出ピン17が押された際に、凸部18が侵入してセンタリングアーム11,12の回転を規制する凹み20をカム孔19の中央部の内縁に設けている。この場合、カム孔19の内縁に凹み20を設けるだけで、センタリングアーム11,12の回転を規制できるので、部品点数を増加させることなく、小径CD2bを確実に案内できる。さらに、センタリングアーム11,12の回転を規制するための凹み20と、CDを案内する突出ピン17とが同一の部品内に存在することにより、部品の寸法誤差が累積することを最小限に抑えて突出ピン17を精度よく位置付けることができる。
【0083】
凸部18がカム孔19の凹み20内に侵入するまでの該センタリングアーム11,12の回転角度を互いに異ならせている。この場合、双方のセンタリングアーム11,12が同時に回転が規制されることを防止できるので、大径CD2aを確実に出し入れすることができる。
【0084】
前述した実施例では、リンクレバー13に凸部18を設け、センタリングアーム11,12にカム溝部としてのカム孔19を設けている。しかしながら、本発明では、センタリングアーム11,12に凸部18を設け、リンクレバー13にカム溝部を設けても良い。この場合、凹み20を、カム溝部の付勢手段としてのコイルばね14がリンクレバー13を付勢する方向の後方側の縁に設けるのが望ましい。また、前述したカム溝部としてのカム孔19がセンタリングアーム11,12を貫通している。しかしながら、本発明では、カム溝部が、センタリングアーム11,12又はリンクレバー13を貫通していなくても良い。即ち、カム溝部が、単なる凹部であっても良い。また、前述した実施例では、カム溝部としてのカム孔19の平面形状をく字状に形成したが、本発明では、カム溝部の平面形状を如何なる形状にしても良い。
【0085】
前述した実施例では、記録媒体として、ディスク形記録媒体としてのCD2a,2bを示している。しかしながら、本発明では、例えば、記録媒体としてのMD(Mini Disc)、DVD(Digital VersatileDisc)などの他の記録媒体を用いても良い。また、本発明では、ディスク形に限らず種々の形状の記録媒体を用いても良い。
【0086】
また、前述した実施例では、記録媒体から情報を読み出す(情報を再生する)CDプレーヤ1を示している。しかしながら、本発明では、記録媒体から情報を読み出す情報処理装置に限ることなく、例えば、情報を記録媒体に記録する記録装置や、情報の再生及び記録を行う情報記録再生装置としても適用可能しても良い。
【0087】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0088】
前述した実施例によれば、以下のCDプレーヤ1が得られる。
【0089】
(付記) 互いに大きさの異なる大径CD2aと小径CD2bとを機器本体3内に出し入れして、これらのCD2a,2bに記録された情報を読み出すCDプレーヤ1において、
前記大径CD2aと小径CD2bの移動方向を案内するディスクセンタリング機構4を備え、
前記ディスクセンタリング機構4が、
機器本体3に設けられた前記CD2a,2bを通す挿入口7寄りの一端部11a,12aが互いに接離自在となるように前記機器本体3に回転自在に支持されたアーム本体16と、前記アーム本体16の一端部11a,12aに設けられ前記大径CD2aと前記小径CD2bとの双方と接触可能な突出ピン17と、を有した一対のセンタリングアーム15と、
前記CD2a,2bの搬送方向Kに対して交差する方向に沿ってスライド自在に前記機器本体3に支持され、かつ一方のセンタリングアーム11の前記アーム本体16の回転中心よりも他端部11b寄りの箇所と、他方のセンタリングアーム12の前記アーム本体16の回転中心よりも前記一端部12a寄りの箇所とを連結したリンクレバー13と、
前記リンクレバー13を、前記一対のセンタリングアーム11,12の突出ピン17同士が近づく一の方向Iに付勢したコイルばね14と、
を備えたことを特徴とするCDプレーヤ1。
【0090】
付記に記載のCDプレーヤ1は、一方のセンタリングアーム11の回転中心よりも他端部11b寄りの箇所と、他方のセンタリングアーム12の回転中心よりも一端部12a寄りの箇所とをリンクレバー13で連結することで、一本のリンクレバー13によって、一対のセンタリングアーム11,12を連動させて回転させることを可能としている。したがって、ディスクセンタリング機構4の部品点数の削減を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】従来のCDプレーヤの案内機構などの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる情報処理装置としてのCDプレーヤの外観を示す斜視図である。
【図3】図1に示されたCDプレーヤのディスクセンタリング機構などの構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示されたディスクセンタリング機構の一方のセンタリングアームなどを拡大して示す斜視図である。
【図5】図4に示された一方のセンタリングアームが回転した状態を拡大して示す斜視図である。
【図6】図3に示されたディスクセンタリング機構の一方のセンタリングアームの突出ピンにCDを当接させて挿入する状態を示す斜視図である。
【図7】(a)は図6中のVIIaを拡大して示す平面図であり、(b)は図6中のVIIbを拡大して示す平面図である。
【図8】(a)は図7(a)に示された一方のセンタリングアームの規制が解除された状態を拡大して示す平面図であり、(b)は図7(b)に示された他方のセンタリングアームが一方のセンタリングアームの規制を解除した状態を拡大して示す平面図である。
【図9】図3に示されたディスクセンタリング機構の他方のセンタリングアームの突出ピンにCDを当接させて挿入する状態を示す斜視図である。
【図10】(a)は図9中のXaを拡大して示す平面図であり、(b)は図9中のXbを拡大して示す平面図である。
【図11】(a)は図10(a)に示された一方のセンタリングアームが他方のセンタリングアームの規制を解除した状態を拡大して示す平面図である。(b)は図10(b)に示された他方のセンタリングアームの規制を解除された状態を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 CDプレーヤ(情報処理装置)
2a 大径CD(大型記録媒体)
2b 小径CD(小型記録媒体)
3 機器本体
4 ディスクセンタリング機構(案内手段)
7 挿入口
11 一方のセンタリングアーム
11a 一端部
11b 他端部
12 他方のセンタリングアーム
12a 一端部
12b 他端部
13 リンクレバー
13a 一端部
13b 他端部
14 コイルばね(付勢手段)
15 規制許容部(規制許容手段)
16 アーム本体
17 突出ピン
18 凸部
19 カム孔(カム溝部)
20 凹み
K 搬送方向(出し入れ方向)
I 一の方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに大きさの異なる大型記録媒体と小型記録媒体とを機器本体内に出し入れして、これらの記録媒体に記録された情報を読み出す情報処理装置において、
前記大型記録媒体と小型記録媒体の移動方向を案内する案内手段を備え、
前記案内手段が、
機器本体に設けられた前記記録媒体を通す挿入口寄りの一端部が互いに接離自在となるように前記機器本体に回転自在に支持されたアーム本体と、前記アーム本体の一端部に設けられ前記大型記録媒体と小型記録媒体との双方と接触可能な突出ピンと、を有した一対のセンタリングアームと、
前記記録媒体の出し入れ方向に対して交差する方向に沿ってスライド自在に前記機器本体に支持され、かつ一方のセンタリングアームの前記アーム本体の回転中心よりも他端部寄りの箇所と、他方のセンタリングアームの前記アーム本体の回転中心よりも前記一端部寄りの箇所とを連結したリンクレバーと、
前記リンクレバーを、前記一対のセンタリングアームの突出ピン同士が近づく一の方向に付勢した付勢手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記小型記録媒体を出し入れする際に、該小型記録媒体を前記機器本体に出し入れ可能な範囲を超えて、前記センタリングアームの突出ピンが互いに離れることを規制し、かつ前記大型記録媒体を出し入れする際に、該大型記録媒体の前記機器本体への出し入れが可能な範囲まで前記センタリングアームの突出ピンが互いに離れることを許容する規制許容手段を更に備え、
前記規制許容手段は、前記リンクレバーの端部と前記一対のセンタリングアームとのうち一方から突出した凸部と、他方に設けられかつ前記凸部が侵入するとともに該凸部が移動することで前記センタリングアームを回転させるカム溝部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記凸部が、前記リンクレバーの端部に設けられ、かつ、前記カム溝部が、前記センタリングアームに設けられているとともに、
前記規制許容部が、前記カム溝部の長手方向の略中央部でかつ前記リンクレバーの付勢方向の前方側の内縁から凹形状に設けられて、前記凸部が侵入可能な凹みを更に備え、
前記一対のセンタリングアームのうちの一方の突出ピンのみが他方の突出ピンから離れる方向に押されると、前記凹み内に前記凸部が侵入して、前記小型記録媒体を前記機器本体に出し入れ可能な範囲を超えて、前記センタリングアームの突出ピンが互いに離れることを規制することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記カム溝部と前記凹みが前記一対のセンタリングアームの双方に設けられているとともに、
前記一対のセンタリングアームの初期位置から前記凸部が前記凹み内に侵入するまでの回転角度が互いに異なることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−47207(P2008−47207A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221428(P2006−221428)
【出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】