説明

情報処理装置

【課題】メインシステム及びサブシステムを備える情報処理装置において、メインシステム及びサブシステム間の接続に係るコストや工数を低減可能であり、省電力を実現可能な情報処理技術を提供する。
【解決手段】サブシステム11は、省電力モードから通常動作モードへの復帰要因を検出して、USBケーブル13のVBUS電源線14を介して復帰信号を出力する復帰要因検出部51を有する。メインシステム10は、復帰信号を検出する割り込み検出部21と、通常動作モード又は省電力モードに応じて、VBUS電源線14の接続先を、電源ユニット12に接続される電源供給線27又は割り込み検出部21に接続される復帰信号検出線26に切り替える信号切替部25とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、装置全体を制御するメインシステムと、メインシステムに接続されメインシステムと通信して各種機能を実現させる少なくとも1つ以上のサブシステムとを備える情報処理装置がある。メインシステムとサブシステムとの通信は、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394などのインターフェイスを介して行われる。これらのインターフェイスでは、データを送受信するためのデータ線の他に、電力を供給するための電源線を有しているので、メインシステムを介してサブシステムへ電力を供給することが可能である。このようなインターフェイスで用いられる標準的な接続端子を使いながらも高い電圧で高速充電することを可能にすることは既に知られている。例えば、特許文献1には、外部装置に有線で接続するためのUSBソケットとバッテリとを備えた情報処理装置において、サブシステム及びメインシステム間をUSBなどの単一のケーブルでもバッテリの充電のタイミングを制御することを目的として、USBソケットが外部装置から給電を受ける給電端子に印加されている電圧の大きさが所定値よりも大きいとき、給電端子によって受け取った電力をバッテリに送って充電を行い、給電端子に印加されている電圧の大きさが所定値以下であるとき、給電端子によって受け取った電力を情報処理装置の内部回路に給電する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、メインシステム及びサブシステムを備える情報処理装置において、所定の電力を供給する通常動作モードと、省電力を実現するために通常動作モードよりも低位の電圧の電力を供給する省電力モードとが設定されるものがある。このような情報処理装置では、メインシステムからサブシステムに省電力モード時においても供給する電力と、省電力モード時にはメインシステムからサブシステムへの供給が遮断される電力と、メインシステム及びサブシステム間で通常動作モードから省電力モードへの移行、又は省電力モードから通常動作モードへの復帰を行うために通信する信号とがある。この信号を通信するために信号線が必要であると考えられる。ところが、メインシステム及びサブシステム間の接続が、USBなどの一般的な規格に準拠したUSBケーブルによる場合、電源線が1本しか設けられていない。
【0004】
例えば、特許文献1の情報処理装置において、通常動作モードに対して省電力モードを設定可能にした場合、電源系統を2つ以上にし、上述の信号を併用するために、電源線と、信号を通信するための信号線とをUSBケーブル以外にバラ線として追加する必要があると考えられる。このためUSBケーブルの系統数の増加によるコストの上昇やバラ線を情報処理装置に組み込む際の工数が掛かるなどの問題が生じる恐れがあった。また、特許文献1の情報処理装置では、給電端子に印加されている電圧の大きさが所定値より高い場合にバッテリに充電を行うが、サブシステムにおける省電力モードを制御するために電圧を通常時よりも上昇させることになる。これでは、省電力モードにおいて省電力を実現できない恐れがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、メインシステム及びサブシステムを備える情報処理装置において、メインシステム及びサブシステム間の接続に係るコストや工数を低減可能であり、省電力を実現可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報処理装置全体を制御するメインシステムと、電源線を介して前記メインシステムと接続され前記メインシステムと通信して各種機能を実現させるサブシステムとを備える情報処理装置であって、前記メインシステムと前記サブシステムとに対して電源手段から所定の電位の電力を供給する通常動作モードと、前記電源手段から前記サブシステムへの電力の供給を停止する省電力モードとの2つの電力モードがあり、前記サブシステムは、前記省電力モードから前記通常動作モードへ復帰する復帰要因を検出して、前記省電力モードから前記通常動作モードへの復帰を示す復帰信号を、前記電源線を介して出力する復帰要因検出手段を有し、前記メインシステムは、前記電源線を介して前記復帰信号を検出する検出手段と、所定の条件に応じて、前記省電力モードに当該情報処理装置を移行させる又は前記復帰要因が検出された場合、前記通常動作モードに当該情報処理装置を復帰させるモード移行手段と、前記モード移行手段が移行又は復帰させる前記電力モードに応じて、前記電源線の接続先を前記電源手段又は前記検出手段に切り替える信号切替手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、メインシステム及びサブシステムを備える情報処理装置において、メインシステム及びサブシステム間の接続に係るコストや工数を低減可能であり、省電力を実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、一実施の形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。
【図2】図2は、情報処理装置において通常動作モードが設定されている場合の信号のパスを太線で示した図である。
【図3】図3は、情報処理装置において省電力モードに移行した場合の信号のパスを太線で示した図である。
【図4】図4は、省電力移行処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、省電力移行処理における電源制御線28、電源供給線27、VBUS電源線14及び復帰信号検出線26の各電圧の電位を例示する図である。
【図6】図6は、通常復帰処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、通常復帰処理における電源制御線28、電源供給線27、VBUS電源線14及び復帰信号検出線26の各電圧の電位を例示する図である。
【図8】図8は、一変形例に係る情報処理装置の構成を例示する図である。
【図9】図9は、一変形例に係る情報処理装置の構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置の一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。本実施の形態の情報処理装置は、複数のユニットの組み合わせにより構成されており、各ユニットとして、メインシステム10と、サブシステム11と、電源ユニット12とから構成される。メインシステム10とサブシステム11とはUSBケーブル13を介して接続される。USBケーブル13は、VBUS電源線14と、信号線15とを有する。メインシステム10は、電源制御線28と電源供給線27との各々を介して電源ユニット12に接続される。サブシステム11は、メインシステム10を介して電源ユニット12に悦属される。メインシステム10は、情報処理装置全体を制御する。サブシステム11は、ユーザが操作入力を行なうための操作入力機能と、情報を提供する表示機能とを実現させる。電源ユニット12は、電源制御線28を介してメインシステム10に制御され、電源供給線27を介してメインシステム10及びサブシステム11に対して各々DC電力を供給する。サブシステム11に対してはメインシステム10及びVBUS電源線14を介して電力が供給される。尚、本実施の形態に係る情報処理装置では、所定の電位の電力がメインシステム10及びサブシステム11に供給される通常動作モードと、所定の電位より低い電位の電力がメインシステム10及びサブシステム11に供給される省電力モードとのいずれかの電力モードが設定可能である。ここでは、通常動作モードが設定されている場合には、電源ユニット12は、メインシステム10及びサブシステム11に対して各々例えば5Vの電力を供給し、省電力モードが設定されている場合には、メインシステム10に対する電力の供給を停止するものとする。
【0011】
次に、メインシステム10の構成について説明する。メインシステム10は、CPU(Central Processing Unit)20と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの主記憶部22と、HDD(Hard Disc Drive)23と、USBホスト(Host)24と、信号切替部25とを有する。主記憶部22は、各種データやCPU20が実行するための各種プログラムを記憶する。HDD23は、各種データや各種プログラムを記憶する。USBホスト(HOST)24は、USBの規格に従って、CPU20と、サブシステム11のUSBデバイス(DEVICE)部50との間のUSBケーブル13を介した通信を制御する。
【0012】
CPU20は、メインシステム10全体を制御するものであり、主記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、割り込み検出部21、モード移行部及び信号出力部を含む各種機能を実現させる。ここで、割り込み検出部21、モード移行部及び信号出力部の各機能について説明する。モード移行部は、所定の条件に応じて、通常動作モードから省電力モードへ移行させたり、後述の割り込み検出部21により復帰要因が検出された場合、省電力モードから通常動作モードへ復帰させたりする。この結果、情報処理装置において通常動作モード又は省電力モードが設定される。具体的には、モード移行部は、復帰要因が検出された場合、省電力モードから通常動作モードへ復帰することを決定し、信号切替部25を制御して、VBUS電源線14の接続先を、信号線である復帰信号検出線26から電源供給線27に切り替させる。また、モード移行部は、所定の条件に応じて、通常動作モードから省電力モードへ移行することを決定し、信号切替部25を制御して、VBUS電源線14の接続先を電源供給線27から復帰信号検出線26に切り替えさせる。尚、省電力モードへの移行要因となる所定の条件とは、例えば、サブシステム11のキー入力部46から操作入力が一定時間以上なかったことなどである。
【0013】
割り込み検出部21は、後述するサブシステム11の復帰要因検出部51から出力される復帰信号に応じて、復帰信号検出線26の電圧の電位が5Vから0Vに変化したことを復帰要因として検出する。
【0014】
信号出力部は、省電力モードから通常動作モードへ復帰する場合、サブシステム11に対して所定の電位(例えば5V)の電力を供給させるための0Vの電源制御信号を電源ユニット12に対して電源制御線28を介して出力する。この結果、電源ユニット12からサブシステム11に対して5Vの電力が供給される。また、信号出力部は、通常動作モードから省電力モードへ移行する場合、サブシステム11に対する電力の供給を停止させるための5Vの電源制御信号を電源ユニット12電源制御線28を介して出力する。この結果、電源ユニット12からサブシステム11に対する電力の供給が停止される。
【0015】
信号切替部25は、例えば、信号リレーにより構成され、CPU20の制御の下、電力モードに応じて、サブシステム11に接続されるVBUS電源線14の接続先を、電源ユニット12又は割り込み検出部21に切り替える。具体的には、信号切替部25は、情報処理装置において通常動作モードが設定されると、VBUS電源線14を、電源ユニット12に接続させる電源供給線27に接続させる。この結果、サブシステム11は、電源ユニット12に接続されることになる。図2は、情報処理装置において通常動作モードが設定されている場合の信号のパスを太線で示した図である。同図に示されるように、情報処理装置において通常動作モードが設定されている間は、VBUS電源線14は、電源供給線27に接続されているので、電源ユニット12から電源供給線27及びVBUS電源線14を介してサブシステム11に対して5Vの電力が供給される。一方、通常動作モードから省電力モードに移行する場合には、信号切替部25は、VBUS電源線14を、割り込み検出部21に接続される復帰信号検出線26に接続させる。図3は、情報処理装置において省電力モードに移行した場合の信号のパスを太線で示した図である。同図に示されるように、情報処理装置において省電力モードが設定されている間は、VBUS電源線14は、復帰信号検出線26に接続されているので、電源線として振舞うのではなく、サブシステム11の復帰要因検出部51から出力された復帰信号をメインシステム10に伝達するための割り込み線として用いることができる。
【0016】
次に、サブシステム11の構成について説明する。サブシステム11は、操作部制御部40と、表示パネル44と、LED(Light Emitting Diode)出力部45と、キー入力部46と、タッチパネル部47と、復帰要因検出部51とを有する。操作部制御部40は、CPU41と、ROMやRAMなどの主記憶部42とを有する。CPU41は、サブシステム11全体を制御するものであり、主記憶部42に記憶された各種プログラムを実行することにより各種機能を実現させる。具体的には、CPU41は、表示制御部48と、入出力制御部49と、USBデバイス(Device)部50との各機能を実現させる。表示制御部48は、表示パネル44への情報の表示を制御する。入出力制御部49は、LED出力部45の発光を制御したり、キー入力部46からの操作入力の受け付けを制御したり、タッチパネル部47における情報の表示や操作入力の受け付けを制御したりする。主記憶部42は、各種データやCPU41が実行するための各種プログラムを記憶する。表示パネル44は、例えば、液晶ディスプレイであり、操作部制御部40の制御の下、情報を表示する。LED出力部45は、LEDにより構成され、操作部制御部40の制御の下、発光する。キー入力部46は、操作ボタンや操作キーにより構成され、ユーザからの操作入力を受け付ける。タッチパネル部47は、液晶ディスプレイなどの表示パネルとタッチパッドなどの位置入力装置とが組み合わされたものであり、操作部制御部40の制御の下、表示パネルに情報を表示させたり、位置入力装置におけるユーザからの操作入力を受け付けたりする。USBデバイス部50は、USBの規格に従って、メインシステム10のUSBホスト24との間のUSBケーブル13を介した通信を制御する。
【0017】
復帰要因検出部51は、通常動作モードから省電力モードへの復帰の要因(復帰要因という)を検出するものであり、ここでは、例えば、ユーザによる操作入力を復帰要因とする。具体的には、復帰要因検出部51は、ユーザにより操作入力として、例えば、ユーザによる押下を検出すべく、宅とキーやタッチパネルなどにより構成される。また、復帰要因検出部51は、ユーザによる切替操作を検出すべく、操作スイッチにより構成されるようにしても良い。このような構成の復帰要因検出部51は、ユーザによる操作入力により復帰要因を検出すると、0Vの復帰信号をVBUS電源線14を介して出力する。この復帰信号は、信号切替部25によりVBUS電源線14に接続されている復帰信号検出線26を介してメインシステム10のCPU20に入力される。
【0018】
次に、本実施の形態に係る情報処理装置の行う処理の手順について説明する。まず、省電力移行処理の手順について図4を用いて説明する。ここでは、情報処理装置において通常動作モードが設定されているものとする。この場合、VBUS電源線14は、図2に例示されるように、信号切替部25により電源供給線27に接続されて、電源ユニット12から5Vの電力が供給されている。このような状態で、メインシステム10のCPU20は、省電力モードへの移行要因を検出すると、通常動作モードから省電力モードへ移行することを決定し、電源ユニット12に対して電源制御線28を介して電源制御信号を出力する(ステップS1)。このとき、電源制御線28の電圧の電位は、0Vから5Vに変化する。電源ユニット12は、この電源制御線28の電圧の電位の変化を検出すると、電源供給線27への5Vの電力の供給を停止する(ステップS2)。この結果、VBUS電源線14の電圧の電位が0Vになり、サブシステム11への電力の供給が停止され、サブシステム11は省電力モードに移行する(ステップS3)。また、CPU20は、信号切替部25を制御して、VBUS電源線14の接続先を電源供給線27から復帰信号検出線26に切り替えさせる。信号切替部25は、VBUS電源線14を復帰信号検出線26に接続させる(ステップS4)。このときの信号のパスは、図3に例示した通りである。メインシステム10のCPU20は、その他、省電力モードへ移行するための各種処理を適宜行うことにより、情報処理装置において省電力モードが設定される。
【0019】
図5は、上述した省電力移行処理における電源制御線28、電源供給線27、VBUS電源線14及び復帰信号検出線26の各電圧の電位を例示する図である。同図に示されるように、図4のステップS1では、電源制御線28の電圧が0Vから5Vに変化し、ステップS2では、電源供給線27の電圧が5Vから0Vに変化し、ステップS3では、VBUS電源線14の電圧が5Vから0Vに変化する。復帰信号検出線26の電圧は、サブシステム11からの復帰信号を検出するためプルアップされて5Vに保持されていることが示されている。
【0020】
次に、省電力モードから通常動作モードへ復帰する通常復帰処理の手順について図6を用いて説明する。省電力モードが設定されている状態では、サブシステム11の復帰要因検出部51は、5Vの復帰信号をVBUS電源線14を介して出力している。このような状態で、復帰要因検出部51は、ユーザの操作入力により復帰要因を検出すると(ステップS10:YES)、0Vの復帰信号をVBUS電源線14を介して出力する。この復帰信号は、信号切替部25によりVBUS電源線14に接続されている復帰信号検出線26を介してメインシステム10のCPU20に入力される。CPU20は、信号切替部25を制御して、復帰信号検出線26から電源供給線27に切り替えさせる。信号切替部25は、VBUS電源線14を電源供給線27に接続させる(ステップS11)。このときの信号のパスは、図2に例示した通りである。
【0021】
またCPU20は、電源ユニット12に対して電源制御線28を介して0Vの電源制御信号を出力する(ステップS12)。このとき、電源制御線28の電圧の電位は、5Vから0Vに変化する。電源ユニット12は、この電源制御線28の電圧の電位の変化を検出すると、電源供給線27への5Vの電力を供給する(ステップS13)。この結果、VBUS電源線14の電圧の電位が5Vになり、サブシステム11へ5Vの電力が供給され(ステップS14)、サブシステム11は通常動作モードに復帰する(ステップS15)。また、メインシステム10のCPU20は、その他、通常動作モードへ復帰するための各種処理を適宜行うことにより、情報処理装置において通常動作モードが設定される。
【0022】
図7は、上述した通常復帰処理における電源制御線28、電源供給線27、VBUS電源線14及び復帰信号検出線26の各電圧の電位を例示する図である。同図に示されるように、図6のステップS10で、復帰信号検出線26の電圧が5Vから0Vに変化すると、ステップS12では、電源制御線28の電圧が5Vから0Vに変化し、ステップS13では、電源供給線27の電圧が0Vから5Vに変化し、ステップS14では、VBUS電源線14の電圧が0Vから5Vに変化する。
【0023】
以上のように、省電力モードに移行する際には、メインシステム10が、電源ユニット12からサブシステム11に供給されている電力を遮断した後、信号切替部25により、サブシステム11に接続されるVBUS電源線14の接続先を電源供給線27から復帰信号検出線26に切り替える。そして、サブシステム11の復帰要因検出部51が復帰要因を検出すると、これをメインシステム10では復帰信号検出線26の電圧の変化により検出して、信号切替部25により、VBUS電源線14の接続先を復帰信号検出線26から電源供給線27へ切り替えて、省電力モードから通常動作モードに復帰する。このような構成によれば、通常動作モード又は省電力モードが設定される上処理装置において、メインシステム10及びサブシステム11を、USBケーブルなどの単一のケーブルを用いて接続することが可能になる。この結果、メインシステム10及びサブシステム11の接続に係るコストや工数を低減可能であり、省電力を実現可能である。
【0024】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0025】
上述した実施の形態において、情報処理装置で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成しても良い。
【0026】
上述した実施の形態では、情報処理装置は、例えば、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置であっても良いし、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能のうち少なくとも2つ以上の機能を有する複合機であっても良い。
【0027】
上述した実施の形態において、メインシステム10及びサブシステム11をUSBケーブルを用いて接続するようにしたが、これに限らず、例えば、IEEE1394ケーブルを用いて接続するようにしても良い。図8は、本変形例に係る情報処理装置の構成を例示する図である。同図に示されるように、メインシステム10は、上述の実施の形態において備えたUSBホスト24の代わりに、IEEE1394I/F24Bを備え、サブシステム11は、USBデバイス部50の代わりに、IEEE1394I/F50Bを備える。IEEE1394I/F24B及びIEEE1394I/F50Bは各々、IEEE1394の規格に従って、通信を制御する。このような構成によっても、メインシステム10及びサブシステム11の接続に係るコストや工数を低減可能であり、省電力を実現可能である。
【0028】
また、メインシステム10及びサブシステム11を、SDカードI/Fを用いて接続するようにしても良い。図9は、本変形例に係る情報処理装置の構成を例示する図である。同図に示されるように、メインシステム10は、上述の実施の形態において備えたUSBホスト24の代わりに、SDカードI/Fユニット24Aを備え、サブシステム11は、USBデバイス部50の代わりに、I/Fユニット50Aを備える。SDカードI/Fユニット24A及びI/Fユニット50Aは各々、SDカードI/Fの規格に従って、通信を制御する。このような構成によっても、メインシステム10及びサブシステム11の接続に係るコストや工数を低減可能であり、省電力を実現可能である。
【0029】
上述の実施の形態においては、各信号の電圧の電位は、上述の例に限らない。また、通常動作モードにおいて、メインシステム10及びサブシステム11に供給される電力の電位も上述の例に限らない。
【符号の説明】
【0030】
10 メインシステム
11 サブシステム
12 電源ユニット
13 USBケーブル
14 VBUS電源線
15 信号線
21 割り込み検出部
22 主記憶部
24 USBホスト
24A SDカードI/Fユニット
24B IEEE1394I/F
25 信号切替部
26 復帰信号検出線
27 電源供給線
28 電源制御線
40 操作部制御部
41 CPU
42 主記憶部
44 表示パネル
45 出力部
46 キー入力部
47 タッチパネル部
48 表示制御部
49 入出力制御部
50 デバイス部
50A I/Fユニット
50B IEEE1394I/F
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開2002−163044号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置全体を制御するメインシステムと、電源線を介して前記メインシステムと接続され前記メインシステムと通信して各種機能を実現させるサブシステムとを備える情報処理装置であって、
前記メインシステムと前記サブシステムとに対して電源手段から所定の電位の電力を供給する通常動作モードと、前記電源手段から前記サブシステムへの電力の供給を停止する省電力モードとの2つの電力モードがあり、
前記サブシステムは、前記省電力モードから前記通常動作モードへ復帰する復帰要因を検出して、前記省電力モードから前記通常動作モードへの復帰を示す復帰信号を、前記電源線を介して出力する復帰要因検出手段を有し、
前記メインシステムは、
前記電源線を介して前記復帰信号を検出する検出手段と、
所定の条件に応じて、前記省電力モードに当該情報処理装置を移行させる又は前記復帰要因が検出された場合、前記通常動作モードに当該情報処理装置を復帰させるモード移行手段と、
前記モード移行手段が移行又は復帰させる前記電力モードに応じて、前記電源線の接続先を前記電源手段又は前記検出手段に切り替える信号切替手段とを有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記信号切替手段は、前記モード移行手段が当該情報処理装置を前記通常動作モードから前記省電力モードに移行させる場合、前記電源線を前記電源手段に接続させ、前記モード移行手段が当該情報処理装置を前記省電力モードから前記通常動作モードに復帰させる場合、前記電源線を前記検出手段に接続させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記復帰要因検出手段は、ユーザによる押下を検出するタクトキー及びタッチパネルのうち少なくとも1つにより構成され、ユーザによる押下を検出した場合、前記復帰信号を、前期電源線を介して出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記電源線は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル、IEEE1394ケーブル又はSDカードI/F(Interface)に含まれるものであり、
前記メインシステム及び前記サブシステムは、UEBケーブルIEEE1394ケーブル及びSDカードI/Fのうち少なくとも1つにより接続される
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記信号切替手段は、前記モード移行手段が当該情報処理装置を前記通常動作モードから前記省電力モードに移行させる場合、前記電源線を前記電源手段に接続される電源供給線に接続させ、前記モード移行手段が当該情報処理装置を前記省電力モードから前記通常動作モードに復帰させる場合、前記電源線を前記検出手段に接続される信号線に接続させる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記メインシステムは、前記モード移行手段が当該情報処理装置を前記通常動作モードから前記省電力モードに移行させる場合、前記サブシステムに対する電力の供給を停止させるための電源制御信号を前記電源手段に出力し、前記モード移行手段が当該情報処理装置を前記省電力モードから前記通常動作モードに復帰させる場合、前記サブシステムに対して所定の電力を供給させるための電源制御信号を前記電源手段に出力する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−129061(P2011−129061A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289644(P2009−289644)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】