説明

情報処理装置

【課題】タッチパネル上でのスタイラスペンによる操作により、仮想3次元空間内の位置をこの仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定することができ、しかもスタイラスペンによるタッチパネルに対する押圧力を小さく抑えることができるゲーム装置を実現する。
【解決手段】ゲーム装置10において、タッチパネル103を、タッチ面13におけるスタイラスペン2によるタッチ位置を液晶表示器102の表示平面12内の位置座標として検出するよう構成し、スタイラスペン2を、その可動ペン先部201を没入させる操作により3次元画像空間における奥行き情報を発生するよう構成し、タッチパネル3で検出した2次元座標と、スタイラスペン2で発生した奥行き情報とに基づいて、仮想3次元空間内の位置を示す3次元座標を生成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、立体視表示装置、タッチパネル及びスタイラスペンを備えた携帯ゲーム機等の情報処理装置において、スタイラスペンによる立体視画像の奥行き方向の位置情報を入力可能とする構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示装置において、立体視画像、いわゆる3D画像を表示する技術が実用化されている。
【0003】
人間が空間の奥行を認識し物を立体視できるのは、左右の目の位置の違い(視点の違い)から生じる視野の微妙な差異(視差)によるものである。
【0004】
そこで、動画像を含む二次元映像を立体視するための方法として、視点を微妙にずらし視差を生じさせた左目用と右目用の2枚の二次元画像を、液晶シャッターや偏光フィルタなどの器具を利用してそれぞれの目に焦点が合うよう導入して1つの立体映像として知覚させる方法が提供されている。
【0005】
器具を利用せず裸眼で1つの映像を立体的に認識させる裸眼式三次元画像表示方法として、二眼式などが知られている。これは、表示面にレンチキュラーシート(水平方向のみレンズ特性を有するかまぼこ状レンズのアレイ)やパララックスバリアなどを配置し、1つの画像を、左右の眼に視差を持つ一対の二次元画像として分離して見せることで、観察者に「立体画像(一方向からのみ立体を知覚できる画像)」を知覚させるものである。
【0006】
最近では、この立体視映像を表示するディスプレイを備えた携帯ゲーム機、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)などが普及しつつあり、これらのユーザインタフェースでは奥行方向の位置情報の入力が求められる。
【0007】
ところが、従来はこれらのインタフェースに対して、操作者は、2次元表示画面上の所望の点をマウスポインタ,タブレット,タッチパネル等の入力装置や指で指定して表示画像における指定位置をシステムに指示していた。
【0008】
しかしながら、一般に、従来の情報入力システムは、2次元表示画面の面内方向における点の位置しか指定することができない構成となっているために、例えば2次元表示画面上に表示されている仮想3次元空間内の任意の点を、仮想3次元空間を定義する3次元座標において指定することができない。
【0009】
また、2次元入力デバイスとして広く使われているスタイラスペンが3次元の入力デバイスとして使われた例は多くない。
【0010】
例えば、力覚的フィードバック手段を備えたスタイラスペンを使用し、画面に表示されるオブジェクトの形態に応じて力覚的な反力を操作者にフィードバックし、オブジェクトを選択・移動する技術が開示されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0011】
しかしながら、上述した従来技術は、画面上で前面に表示されたオブジェクトのみに対して力覚的フィードバックするものであり、かつ、オブジェクトの選択・移動は2次元方向に限られているため、3次元空間内の任意の位置を取り扱うことができない。
【0012】
さらに、ペンの傾きや3次元的な位置を取得可能なペン型デバイスを宙で手に持ち、ペンの先にある表示装置内に仮想的にペン先(ポインタ)を表示させ、仮想的に表示されたペン先をポインタとして使って3次元空間内のポインティングを実現する技術が開示されている(例えば、特許文献3および4参照)。
【0013】
しかしながら、上述した従来技術は、ユーザはペン型の入力デバイスを宙で手に持たなければならないため、疲労の観点から長時間のポインティング作業には適さない。また、手が宙に浮いているがゆえに手の位置が一点に定まりづらく、目的の位置にペン先を保持しづらいという問題があった。
【0014】
その他にも、表示画面に表示される仮想3次元空間における物体に対する操作を、この表示画面上の2次元座標を入力するタッチパネルを用いて行う技術が開示されている(例えば、特許文献5、6および7参照)。このような技術では、ポインティング操作はタッチパネルに対するタッチ操作により行うことができ、入力デバイスを宙に浮かせた状態で保持することは回避でき、表示画面上でのペン先の位置を安定かつ容易に一定の位置に定めることができる。
【0015】
例えば、図14は、特許文献5に開示の計算機システムを説明する図である。
【0016】
この計算機システム20は、入力装置21と、画像を表示する平面ディスプレイ(表示装置)24と、必要な情報を記憶するメモリ23と、処理の実行に必要なCPU22とを有し、メモリ23中に記憶された表示アイテムの位置情報、形状情報などに基づいてアイテムを平面ディスプレイ24に表示するよう構成されている。ここで、入力装置21は、ユーザが与える平面座標と筆圧を検知する感圧式ポインティングデバイスの一つであるタブレットである。
【0017】
この計算機システム20では、タブレット(入力装置)21上でのタッチペンの位置、及びタッチペンの筆圧を測定し、測定された位置及び筆圧を示す情報がCPU22に入力される。
【0018】
CPU22は、あらかじめ与えられた計算式により、筆圧をタブレット21の平面に対し垂直方向の位置情報に変換し、この垂直方向の位置情報と、ペンの位置を示す2次元平面内での位置情報とから三次元座標情報を求める。さらに、CPU22は、この三次元座標情報と、メモリ23中に格納されている表示アイテムの位置及び形状情報とから、選択可能な表示アイテムを検索し、三次元座標情報が示す位置に表示アイテムが存在すれば、表示アイテムが選択されたことを平面ディスプレイ24上に表示する。
【0019】
図15は、図14に示す計算機システムにて3次元空間上に表示されているアイテムを選択する様子を示す図であり、図15(a)はディスプレイの表示面を示し、図15(b)はタブレットのタッチ面を示している。
【0020】
ディスプレイの表示面306にアイテム310、311および312が疑似三次元表示されている状態で、ペン302でタブレットのタッチ面301上の特定位置を所定の筆圧でタッチすると、タブレットでは、タッチ位置の平面座標情報303,304、タブレットのタッチ面301に与える筆圧の大きさ305を示す情報が発生する。
【0021】
ここで、平面座標情報303,304は、ディスプレイの表示面の上の平面座標307、308に対応し、タブレットでの筆圧の大きさ305は、ディスプレイの表示面306上に表示されている疑似三次元空間の奥行き方向の座標309に対応している。
【0022】
従って、このとき、疑似三次元表示されているアイテム310、311および312のうちで、平面座標307、308及び奥行き座標309を有するアイテム310が選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開平7−311650号公報
【特許文献2】特開2008−242894公報
【特許文献3】特開平6−75693号公報
【特許文献4】特開2011−087848公報
【特許文献5】特開平11−7372号公報
【特許文献6】特開2004−70920号公報
【特許文献7】特開2010−55627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、上述した特許文献5〜7では、ユーザが仮想3次元空間内の奥行方向に対して大きな入力をするとき、タッチパネルを強く押下しなければならないので、タッチパネルに多大な負荷がかかることになる。そのため、タッチパネルが故障しやすくなったり、寿命が短くなったりするといった問題があった。
【0025】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、タッチパネル上でのスタイラスペンなどのタッチ器具による操作により、仮想3次元空間内の位置をこの仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定することができ、しかもタッチ器具によるタッチパネルに対する押圧力を小さく抑えることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る情報処理装置は、表示画面を有する表示部と、該表示画面上に重なるよう配置されたタッチ面を有するタッチパネルと、該タッチパネルに対するタッチ器具とを備え、該タッチパネルに対する該タッチ器具による操作により、該表示画面に表示された仮想3次元空間における位置を、該仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定する情報処理装置であって、該タッチパネルを、該タッチ面における該タッチ器具によるタッチ位置を該表示画面内の位置座標として検出するよう構成し、該タッチ器具を、該タッチ位置での該タッチ器具の操作により該3次元画像空間における奥行き情報を発生するよう構成し、該タッチパネルで検出した2次元座標と、該タッチ器具で発生した奥行き情報とに基づいて、該仮想3次元空間の位置を示す3次元座標を生成するようにしたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0027】
本発明は、上記情報処理装置において、前記タッチ器具は、スタイラスペンであり、該スタイラスペンは、該スタイラスペンに対する操作量を検出する操作量検出部を有し、前記奥行き情報として、該操作量に応じた奥行値を示す情報を発生することが好ましい。
【0028】
本発明は、上記情報処理装置において、前記表示部を制御する制御部を備え、該制御部は、前記奥行き情報が示す奥行値の大きさに応じて前記タッチ面のタッチ位置から前記仮想3次元空間の無限遠点に向かって移動するカーソルが表示されるよう前記表示部を制御することが好ましい。
【0029】
本発明は、上記情報処理装置において、前記制御部は、前記カーソルの移動に応じて該カーソルの大きさ及び色のいずれか一つが変化するよう前記表示部を制御することが好ましい。
【0030】
本発明は、上記情報処理装置において、前記制御部は、前記カーソルが前記3次元空間内に位置するオブジェクトと接触したとき、既定の処理の動機となるオブジェクト接触信号を出力するよう構成されていることが好ましい。
【0031】
本発明は、上記情報処理装置において、前記オブジェクト接触信号に基づいて振動を発生させる振動発生器、及び該オブジェクト接触信号に基づいて音声を発生させる音声発生器の少なくとも一方を備えたことが好ましい。
【0032】
本発明は、上記情報処理装置において、前記スタイラスペンは、前記オブジェクト接触信号に基づいて振動を発生させる振動発生器、及び該オブジェクト接触信号に基づいて音声を発生させる音声発生器の少なくとも一方を備えていることが好ましい。
【0033】
本発明は、上記情報処理装置において、前記タッチ器具は、既定の動作を指示する指示信号を発生する動作スイッチを有することが好ましい。
【0034】
本発明は、上記情報処理装置において、前記タッチ器具は、スタイラスペンであり、該スタイラスペンは、筒状のペン筐体と、該ペン筐体内を摺動可能に保持された可動ペン先部と、該可動ペン先部を初期位置に保持されるよう突出方向に付勢する付勢部材と、該可動ペン先部がその先端と前記タッチパネルのタッチ面との当接により没入したとき、該可動ペン先部の初期位置からの没入距離に応じた変位量を示す変位情報を前記奥行き情報として出力する位置センサとを備え、前記動作スイッチは該ペン筐体に取り付けられていることが好ましい。
【0035】
本発明は、上記情報処理装置において、前記表示部および前記タッチパネルは、該情報処理装置の本体である装置本体を構成しており、前記タッチ器具は、該装置本体とは別体として設けられており、該装置本体は、基体部と該基体部に回動可能に取り付けられた蓋部とを含み、該表示部は、画像情報に基づいて3次元立体視画像を表示する第1の表示部と、該画像情報に基づいて2次元画像を表示する第2の表示部とを有し、該第2の表示部は、該基体部に取り付けられており、該第1の表示部は、該蓋部に該蓋部の開いた状態で該第2の表示部とともに観察されるよう取り付けられており、該タッチパネルは、そのタッチ面が該第2の表示部の表示画面上に重なるよう配置されていることが好ましい。
【0036】
本発明は、上記情報処理装置において、前記表示部および前記タッチパネルは、該情報処理装置の本体である装置本体を構成しており、前記タッチ器具は、該装置本体とは別体として設けられており、該装置本体は、基体部と該基体部に回動可能に取り付けられた蓋部とを含み、該表示部は、画像情報に基づいて2次元画像あるいは3次元立体視画像を表示する第1の表示部と、該画像情報に基づいて3次元立体視画像を表示する第2の表示部とを有し、該第2の表示部は、該基体部に取り付けられており、該第1の表示部は、該蓋部に該蓋部の開いた状態で該第2の表示部とともに観察されるよう取り付けられており、該タッチパネルは、そのタッチ面が該第2の表示部の表示画面上に重なるよう配置されていることが好ましい。
【0037】
本発明は、上記情報処理装置において、前記タッチ器具は、該タッチ器具で発生した奥行き情報を前記装置本体に送信し、該装置本体からの送信情報を受信する無線機能部を有することが好ましい。
【0038】
本発明は、上記情報処理装置において、前記タッチ器具は、電源として電池を用いるものであることが好ましい。
【0039】
本発明は、上記情報処理装置において、前記タッチ器具は、該タッチ器具で発生した奥行き情報を通信ケーブルを介して前記装置本体に送信し、該装置本体からの送信情報を該通信ケーブルを介して受信する通信部を有することが好ましい。
【0040】
次に作用について説明する。
【0041】
本発明においては、表示部と、タッチパネルと、該タッチパネルに対するタッチ器具とを備えた情報処理装置において、タッチパネルを、タッチ面におけるタッチ器具によるタッチ位置を表示部の表示画面内の位置座標として検出するよう構成し、タッチ器具を、該タッチ位置での該タッチ器具の操作により該3次元画像空間における奥行き情報を発生するよう構成し、該タッチパネルで検出した2次元座標と、該タッチ器具で発生した奥行き情報とに基づいて、該仮想3次元空間の位置を示す3次元座標を生成するようにしたので、タッチパネル上でのスタイラスペンなどのタッチ器具による操作により、仮想3次元空間内の位置をこの仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定することができ、しかもタッチ器具の操作により奥行き情報を発生させるので、タッチ器具によるタッチパネルに対する押圧力を小さく抑えることができる。
【0042】
本発明においては、奥行き情報が示す奥行値の大きさに応じてタッチ面のタッチ位置から仮想3次元空間の無限遠点に向かって移動するカーソルを表示するので、操作者は、2次元の表示画面上の点を指定することにより、3次元空間内の任意の点の位置を簡単に指定することができるようになり、現実世界における動作に近い自然な操作感で、表示画面に表示された仮想3次元空間内の任意の点を容易に指定することが可能となる。
【0043】
本発明においては、カーソルの移動に応じて該カーソルの大きさ及び色のいずれか一つが変化するよう表示部を制御するので、カーソルが仮想3次元空間(描画領域)の奥行き方向に移動する様子を操作者が簡単に把握することが可能となる。
【0044】
本発明においては、制御部は、カーソルが3次元空間内に位置するオブジェクトと接触したとき、既定の処理の動機となるオブジェクト接触信号を出力するので、オブジェクト接触信号に基づいて、カーソルが3次元空間内のオブジェクトと接触したときに種々の処理を開始することが可能となる。
【0045】
例えば、オブジェクト接触信号に基づいて振動を発生させる振動発生器、及びオブジェクト接触信号に基づいて音声を発生させる音声発生器の少なくとも一方を備えることにより、カーソルが仮想3次元空間におけるオブジェクトを通り抜けて奥行き方向に移動する状況を、操作者は現実世界における物体に対する操作に近い自然な感触として捉えることができる。
【0046】
本発明においては、タッチ器具は、既定の動作を指示する指示信号を発生する動作スイッチを有するので、オブジェクトを選択した状態でこの動作スイッチを操作することで、オブジェクトを決定する処理、オブジェクトの種類に応じたサブメニューを表示する処理、あるいはオブジェクトを掴む処理などが可能となる。
【発明の効果】
【0047】
以上のように、本発明によれば、タッチパネル上でのスタイラスペンなどのタッチ器具による操作により、仮想3次元空間内の位置をこの仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定することができ、しかもタッチ器具によるタッチパネルに対する押圧力を小さく抑えることができる情報処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の実施形態1によるゲーム装置(情報処理装置)を示す外観図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1によるゲーム装置を説明するブロック図であり、このゲーム装置の構成を示している。
【図3】図3は、本発明の実施形態1によるゲーム装置を説明する図であり、このゲーム装置に備わっているスタイラスペンの構造を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1によるゲーム装置を説明するブロック図であり、図3に示すスタイラスペンの構成を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態1によるゲーム装置の動作をフローチャートにより説明する図であり、3次元座標の指定方法を示している。
【図6】図6は、本発明の実施形態1によるゲーム装置を説明する図であり、3次元座標の位置を決定する様子を表示画面例により示している。
【図7】図7は、本発明の実施形態1によるゲーム装置を説明する図であり、任意の3次元座標の位置にあるオブジェクトを選択する様子を表示画面例により示している。
【図8】図8は、本発明の実施形態1によるゲーム装置を説明する図であり、表示画面上に表示されるカーソルの例を示している。
【図9】図9は、本発明の実施形態1によるゲーム装置を説明する図であり、任意の3次元座標の位置にオブジェクトを移動する様子を表示画面例により示している。
【図10】図10は、本発明の実施形態2によるゲーム装置を示す外観図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態3によるゲーム装置を示す外観図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態4によるゲーム装置を示す外観図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態5によるゲーム装置を示す外観図である。
【図14】図14は、従来の情報処理装置として計算機システムを説明する図である。
【図15】図15は、図14に示す計算機システムにて3次元空間上に表示されているアイテムを選択する様子を示す図であり、図15(a)はディスプレイの表示面、図15(b)はタブレットのタッチ面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0050】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1によるゲーム装置を示す外観図である。
【0051】
このゲーム装置(情報処理装置)10は、第1および第2の表示部101および102と、タッチパネル103と、このタッチパネル103に対するタッチ器具であるスタイラスペン2とを備え、タッチパネル103に対するスタイラスペン2による操作により、第1の表示部101および第2の表示部102の表示画面11および12の少なくとも一方に表示された仮想3次元空間内の位置が、仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定されるよう構成したものである。
【0052】
ここで、第1、第2の表示部101、102およびタッチパネル103は、ゲーム装置10の本体である装置本体1を構成しており、スタイラスペン2は、装置本体1とは別体として設けられている。装置本体1は、基体部11aとこの基体部11aに回動可能に取り付けられた蓋部11bとを含んでいる。
【0053】
第2の表示部102は基体部11aに取り付けられた液晶表示器(以下、液晶表示器102という。)であり、その表示画面12には、画像情報に基づいて3次元立体視画像を上に表示するものである。また、第1の表示部101は、蓋部11bに取り付けられた液晶表示器(以下、液晶表示器101という。)であり、その表示画面11には、画像情報に基づいて2次元画像を表示するものであり、この蓋部11bの開いた状態で液晶表示部102とともに観察されるようになっている。タッチパネル103は、そのタッチ面13が第2の液晶表示器102の表示画面12上に重なるよう基体部11aに設けられている。液晶表示器101と液晶表示器102とには全く異なる画像を表示してよいが、ここでは、液晶表示器101は、液晶表示器102に表示された3次元立体視画像を2次元画像として表示するものとする。
【0054】
基体部11aには、液晶表示器102の一方側(紙面右側)に、動作スイッチ(Aボタン)104aと、動作スイッチ(Bボタン)104bと、スピーカ105とが設けられており、液晶表示器102の他方側(紙面左側)に方向指示スイッチ(十字キー)104cと、スピーカ105とが設けられている。ここで、動作スイッチ104aおよび104b、方向指示スイッチ104cは、ゲームの操作情報を入力するものであり、以下にこれらのスイッチに関する共通の説明をする場合、各スイッチを操作部104と総称する。
【0055】
動作スイッチ104aおよび104bは、例えばサッカーゲーム等のスポーツゲームにおいてはパスやシュートを行う等の指示、アクションゲームにおいてはジャンプ、パンチ、武器を動かす等の指示、ロールプレイングゲーム(RPG)やシミュレーションRPGにおいてはアイテムの取得、武器またはコマンドの選択決定等の指示入力に使用される。方向指示スイッチ104cは、プレイヤによって操作部104を用いて操作可能なプレイヤオブジェクト(またはプレイヤキャラクタ)の移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりする等のゲームの表示画面12および14における方向指示に用いられる。なお、ゲーム装置10は、必要に応じて、その他の動作スイッチをさらに設けてもよい。また、スピーカ105からは、操作者(ユーザ)がプレイしているゲームの音声が出力される。
【0056】
タッチパネル103は、例えば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)、静電容量結合式の何れの種類でもよく、その上面をスタイラスペン2で押圧操作、移動操作、または撫でる操作をしたとき、スタイラスペン2のタッチ面13との接触位置を検出して座標(2次元空間における位置を示す座標)情報を出力する2次元ポインティングデバイスとして機能するものである。
【0057】
また、ゲーム装置1の基体部11aの側面には、ゲームプログラムが記憶されたメモリ(例えば、ROM)を内蔵したメモリカード3を着脱自在に装着するためのカードスロット106を備えている。カードスロット106の奥には、ゲーム装置1とメモリカード3とを電気的に接続させるためのインタフェースであるコネクタ107(図2参照)が設けられている。操作者は、メモリカード3をカードスロット106に挿入してメモリカード3とコネクタ107とを接続することで、様々なゲームを楽しむことができる。
【0058】
メモリカード3は、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体であり、例えば、ROMまたはフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリが用いられる。なお、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体としては、上記不揮発性半導体メモリに限らず、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体でもよい。
【0059】
図2は、ゲーム装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【0060】
ゲーム装置1は、液晶表示器101および102、タッチパネル103、操作部104、スピーカ105、スタイラスペン2、カードスロット106、コネクタ107の他に、制御部100および無線送受信部108を備えている。なお、制御部100および無線送受信部108は、装置本体1の基体部11aおよび蓋部11bのいずれに搭載してもよいが、ここでは、基体部11aに搭載されているものとする。
【0061】
制御部100は、CPU及びRAMなどを備え、ゲーム装置1の全体制御を行う。制御部100は、コネクタ18に接続されたメモリカード3にアクセスし、メモリカード3に記録されたゲームプログラムを実行するものである。無線送受信部108は、スタイラスペン2より送信される仮想3次元空間における奥行き方向の奥行値を示す奥行き情報を受信するものである。
【0062】
図3は、スタイラスペン2の外観図である。
【0063】
図3に示すように、スタイラスペン2は、筒状のペン筐体(以下、本体ケースという。)205と、本体ケース205内を摺動可能に保持され、先端201aがタッチパネル103のタッチ面13と当接するよう構成した可動ペン先部201と、該可動ペン先部201を初期位置に保持されるよう突出方向に付勢する付勢部材202と、可動ペン先部201の初期位置に対する相対位置を検出し、該可動ペン先部201の初期位置からの没入距離に応じた変位量を示す変位情報を出力する変位センサ203と、該ペン筐体205に取り付けられた動作スイッチ204と、変位センサ203および動作スイッチ204からの出力信号をゲーム装置本体1へ無線送信する無線機能部206を有している。ここで、付勢部材202はスプリングであり、可動ペン先部201、スプリング202、及び変位センサ203は本体ケース205内に同軸上に配置されている。なお、図3中、Axは円筒状ケース本体205の中心軸である。
【0064】
ここで、可動ペン先部201は、これがその初期位置にあるとき、スプリング202によるバネ力により可動ペン先部201の先端201aが、本体ケース205の外側に最も突出した状態にあり、操作者が可動ペン先部201を本体ケース205の内側に押し込むと、変位センサ203が押し込み量を検知するようになっている。また、スタイラスペン2の側面には動作スイッチ204が設けられている。この動作スイッチ204は、例えばオブジェクトの選択や決定、選択したオブジェクトに関わるサブメニューの表示、オブジェクトを掴む等の指示入力に使用される。また、必要に応じて、動作スイッチをさらに追加してもかまわない。
【0065】
図4は、スタイラスペン2の機能的構成を示すブロック図である。
【0066】
スタイラスペン2は、変位センサ203および無線機能部の他に、マイクロコントローラ200および電池(図示せず)を備えている。
【0067】
ここで、マイクロコントローラ200は、変位センサ203が検知した可動ペン先部201の押し込み量を認識し、無線機能部206に出力するものであり、無線機能部206は、マイクロコントローラ200から出力された可動ペン先部201の押し込み量を、ゲーム装置1の無線送受信部108に、液晶表示器102に表示された仮想3次元空間における奥行方向の奥行値を示す奥行き情報として供給するものであり、無線送受信部108は、この奥行き情報を装置本体1の制御部10に送信する。
【0068】
なお、図4に示す例では、スタイラスペン2とゲーム装置1は無線通信により接続されているが、有線で接続されていても構わない。
【0069】
次に動作について説明する。
【0070】
このようなゲーム装置10では、操作者がゲームプログラムを格納したメモリカード3をカードスロット106にこのメモリカード3がコネクタ107に接続されるよう装着した後、該ゲーム装置10を起動すると、制御部100は、メモリカード3のコネクタ107からゲームプログラムを読み込んで実行する。制御部100は、ゲームプログラムの実行により画像信号を液晶表示器101および102に供給する。このとき、液晶表示器101では画像信号に基づいて2次元画像が表示され、液晶表示器102では画像信号に基づいて仮想3次元画像空間における3次元立体視画像が表示される。
【0071】
例えば、液晶表示器101では、表示画面14上に種々のゲームを構成する物体(オブジェクト)が2次元表示され、また、液晶表示器102では、表示画面12上でこれらの物体OB1およびOB2(図6参照)が3次元立体視表示される。
【0072】
この状態で、操作者が、スタイラスペン2を用いて、液晶表示器102上に配置されたタッチパネル103に対してタッチ操作を行うと、タッチパネル3上のスタイラスペン2が接触した位置に対応する液晶表示器102の表示画面12上の位置Tp(図6参照)から、スタイラスペン2で生成された奥行き情報に応じた距離だけ無限遠点Pn(図6参照)に向けて進んだ位置を、仮想3次元空間を規定する3次元座標上の位置として指定することができる。
【0073】
以下、スタイラスペンを用いたゲーム装置の操作について具体的に説明する。
【0074】
図5は、本発明の実施形態1によるゲーム装置におけるスタイラスペン2を用いた入力と、それに対応する画像処理手順の一例を説明するフロー図である。また、図6は、液晶表示器102の表示画面12に表示された仮想3次元空間における位置を3次元座標により決定する様子を表示画面例により示している。
【0075】
操作者が、スタイラスペン2を、液晶表示部102の表示画面12の所望位置(ここに,操作者が操作したいオブジェクトが表示されていると想定される位置)に対応するタッチパネル103のタッチ面13上の位置に当てると、タッチパネル103は、スタイラスペン2によって指示されているタッチ面上の座標を読み取り、このタッチ面上の座標を示す位置情報を表示画面上の操作位置の座標を示す位置情報として制御部100に出力する。
【0076】
制御部100は、タッチパネル103から出力された位置情報に基づき、スタイラスペン2が液晶表示器102の表示画面12に接触したことを判定し(ステップS1)、スタイラスペン2の指示している座標、つまりスタイラスペン2がタッチパネル103のタッチ面13に当接している位置に対応する液晶表示器102の表示画面12上の位置(操作位置)を検出し(ステップS2)、表示画面12上の検出された操作位置にカーソルが表示されるよう液晶表示器102を制御する(ステップS3)。
【0077】
また、このとき、操作者が、スタイラスペン2の可動ペン先部201がスタイラスペン2の本体205内に押し込まれるようスタイラスペン2を操作すると、制御部100は、スタイラスペン2の無線機能部206およびゲーム装置本体1の無縁送受信部108を介して受信した、スタイラスペン2の変位センサ203の出力に基づいて、スタイラスペン2の可動ペン先部201が押し込まれたことを検出し(ステップS4)、さらに、変位センサ203からの出力信号が示す、可動ペン先部201の変位の大きさを押し込み量として検出する(ステップS5)。
【0078】
さらに、制御部100は、表示画面(P)12上の操作位置Tpに表示したカーソルPdが、検出した可動ペン先部201の変位の大きさに対応する距離だけ仮想3次元空間(描画領域)Sの奥行(z)方向に移動するよう液晶表示器102を制御する(ステップS6)。
【0079】
このとき、例えば図6に示すように、液晶表示器102の表示画面12では、カーソルPdは、操作位置Tpを示す座標(x,y)と描画領域(仮想3次元空間)P内の無限遠点Pnとを結ぶ直線Afに沿って奥行方向(Z方向)に伸びていく。
【0080】
なお、ステップS1で、スタイラスペン2が液晶表示器102の表示画面12に接触したと判定されないとき、また、ステップS4で、スタイラスペン2の可動ペン先部201が押し込まれたと判定されないとき、制御部100の処理はステップS1の処理に戻る。
【0081】
このようにして、制御部100は、表示画面12上の操作位置を示す2次元座標と、仮想3次元空間(描画領域)の奥行(z)方向の座標とにより表される仮想3次元空間における位置を、操作者が指定した仮想3次元空間における位置として特定する。
【0082】
そして、制御部100は、例えばカーソルPdが可動ペン先部201の変位の大きさに対応する距離だけ移動して停止した位置にオブジェクトがあれば、例えば、オブジェクトの表示がその選択状態の表示になるよう液晶表示器102を制御する。
【0083】
なお、液晶表示器102の表示画面12に表示された仮想3次元空間PでのカーソルPdの移動は、この仮想3次元空間Pに表示されたオブジェクトにより妨げられるものではない。
【0084】
図7は、本発明の実施形態1によるゲーム装置1を説明する図であり、任意の3次元座標の位置にあるオブジェクトを選択する様子を表示画面例により示している。
【0085】
例えば、図7のように、オブジェクトOB3a〜OB3cが奥行き方向(z方向)に重なり合っている場合、オブジェクトOB3aの奥にあるオブジェクトOB3bを選択しようとすると、カーソルPdは液晶表示器102の表示画面12(2次元平面P)上の操作位置Tpから仮想3次元空間Sの無限遠点に向かって移動する途中で、座標(x,y,z1)でオブジェクトOB3aと衝突することになる。ところが、カーソルPdはこのオブジェクトOB3aに遮られることなく、その奥のオブジェクトOB3b内の座標(x,y,z2)に到達する。
【0086】
このとき、カーソルPdの位置(先端の矢印の部分)よりも手前にあるオブジェクトOB3aを半透明化して表示させることとしてもよい。また、半透明化する以外にも、手前にあるオブジェクトOB3aを非表示としたり、このオブジェクトOB3aの表示を、その輪郭のみを示す一部だけの表示としたり、このオブジェクトOB3aを縮小あるいは湾曲により変形させたり、このオブジェクトOB3aをアイコン化するといったオブジェクトの置き換えを行ったりしても構わない。
【0087】
これにより、操作者から見て、あるオブジェクトが別のオブジェクトの後ろに一部もしくは全部が隠れるよう配置されていても、操作者は、液晶表示器102の表示画面12に表示された仮想3次元空間における任意の位置にあるオブジェクトを自由に選択できる。
【0088】
なお、前記カーソルの形状は、図7に示す矢印に限定されるものではなく、例えば、図8に示すように、手の形(図8(a))であったり、スタイラスペンの可動ペン先部201の先端201aの形(図8(b))であったりしても構わない。
【0089】
さらに、制御部100は、カーソルに対する描画処理により、カーソルが仮想3次元空間(描画領域)Sの奥行き方向に移動する様子をユーザが簡単に把握することができるように液晶表示器102を制御することが望ましい。
【0090】
例えば、描画処理としては、カーソルの大きさ,色等を、3次元画像空間SにおけるカーソルPdの奥行(z)方向の位置に応じて変化させる処理、描画領域内の3次元空間内のオブジェクトとカーソルが接触する様子を表示する処理(例えば、接触したオブジェクトとカーソルの色のトーンを変える処理など)、グリッド線を表示する処理(例えば、接触したオブジェクトとカーソルとをともに輪郭のみを点線で表す処理など)が考えられる。
【0091】
なお、カーソルが仮想3次元空間(描画領域)の奥行き方向に移動する様子を操作者が簡単に把握できるようにする処理は、上記のような視覚的な処理以外にも、例えば、カーソルが描画領域内のオブジェクトと干渉したときに表示画面を物理的に振動させたり、音を発生させたりする等の処理を実行してもよい。
【0092】
この場合は、例えば、制御部100を、カーソルが描画領域内のオブジェクトと接触したことを検出して、既定の処理の動機となるオブジェクト接触信号を出力する構成とし、さらに、装置本体1あるいはスタイラスペン2を、前記オブジェクト接触信号に基づいて振動を発生させる振動発生器、及び該オブジェクト接触信号に基づいて音声を発生させる音声発生器の少なくとも一方を備えた構成とする。
【0093】
また、制御部100は、オブジェクトが選択状態になっているとき、動作スイッチが押されると、オブジェクトを決定する処理、オブジェクトの種類に応じたサブメニューを表示する処理、あるいはオブジェクトを掴む処理が行われるよう、液晶表示器102を制御してもよい。
【0094】
例えば、図9はオブジェクトをスタイラスペン2により掴んで移動させる操作を説明する図であり、スタイラスペン2のカーソルPdの位置が座標(x3,y3,z3)にあるときに選択したオブジェクトOB4を、カーソルPdとともにカーソルPdの位置が座標(x4,y4,z4)に一致するよう移動する場合を示している。
【0095】
ここで、座標(x3,y3,z3)と座標(x4,y4,z4)はいずれも、仮想3次元空間Sを規定する3次元座標のx成分、y成分、z成分であり、オブジェクトOB4の移動は、これらの成分のいずれか一つだけ異なるよう、あるいは全ての成分が異なるよう行っても構わない。これにより、操作者は、液晶表示器102に3次元立体視表示された仮想3次元空間SにおけるオブジェクトOB4を、この仮想3次元空間Sにおける任意の3次元位置に移動させることができる。
【0096】
このように本実施形態1によるゲーム装置10によれば、タッチパネル103を、タッチ面13におけるスタイラスペン2によるタッチ位置を液晶表示器102の表示平面12内の位置座標として検出するよう構成し、スタイラスペン2を、その可動ペン先部201を没入させる操作により3次元立体視画像空間における奥行き情報を発生するよう構成し、タッチパネル3で検出した2次元座標と、スタイラスペン2で発生した奥行き情報とに基づいて、仮想3次元空間内の位置を示す3次元立体視座標を生成するようにしたので、タッチパネル上でのスタイラスペンによる操作により、仮想3次元空間内の位置をこの仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定することができ、しかもスタイラスペンによるタッチパネルに対する押圧力を小さく抑えることができるゲーム装置を実現する。
【0097】
つまり、操作者はスタイラスペンを用いて2次元座標の座標値と奥行値を入力し、3次元座標の任意の点を指定できるので、現実世界における動作に近い自然な操作で、仮想3次元空間内の任意の点を容易に指定することができる。
【0098】
また、操作者が仮想3次元空間内の奥行方向に対して深い位置を指定するときも、タッチパネルを強く押下する必要がないため、タッチパネルに多大な負荷がかけることなく、奥行値を入力できる。
【0099】
また、本実施形態1では、カーソルの移動に応じて該カーソルの大きさ及び色のいずれか一つが変化するよう表示部を制御することで、カーソルが仮想3次元空間(描画領域)の奥行き方向に移動する様子を操作者が簡単に把握することが可能となる。
【0100】
また、本実施形態1では、制御部は、カーソルが3次元空間内に位置するオブジェクトと接触したとき、既定の処理の動機となるオブジェクト接触信号を出力することで、オブジェクト接触信号に基づいて、カーソルが仮想3次元空間内のオブジェクトと接触したときに種々の処理を開始することが可能となる。
【0101】
さらに、本実施形態1では、スタイラスペン2は、既定の動作を指示する指示信号を発生する動作スイッチ204を有するので、オブジェクトを選択した状態でこの動作スイッチを操作することで、オブジェクトを決定する処理、オブジェクトの種類に応じたサブメニューを表示する処理、あるいはオブジェクトを掴む処理などが可能となる。
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2によるゲーム装置を示す外観図である。
【0102】
この実施形態2によるゲーム装置10aは、実施形態1のゲーム装置10における蓋部1bの2次元画像を表示する液晶表示器101を、3次元立体視画像を表示する液晶表示器101aに置き換えたものである。なお、図10中、14aはこの液晶表示器101aの表示画面である。
【0103】
つまり、このゲーム装置10aの装置本体1aでは、液晶表示器102を有する基体部11aは実施形態1におけるものと同一の構成であり、また、蓋部11cは、基体部11aの液晶表示器102と同じように3次元立体視画像を表示画面14aに表示する液晶表示器101aを有している。
【0104】
なお、この実施形態2のゲーム装置10aにおけるその他の構成は実施形態1のゲーム装置10におけるものと同一である。
【0105】
このような構成の実施形態2のゲーム装置10aにおいても、上記実施形態1のゲーム装置10と同様な効果が得られる。
(実施形態3)
図11は、本発明の実施形態3によるゲーム装置を示す外観図である。
【0106】
この実施形態3によるゲーム装置10bは、実施形態2のゲーム装置10aにおける基体部11aの3次元立体視画像を表示する液晶表示器102を、2次元画像を表示する液晶表示器102aに置き換えたものである。なお、図11中、12aはこの液晶表示器102aの表示画面である。
【0107】
つまり、このゲーム装置10bの装置本体1bでは、液晶表示器101aを有する蓋部11cは実施形態2におけるものと同一の構成であり、また、基体部11dは、2次元画像を表示画面12aに表示する液晶表示器102aを有している。
【0108】
なお、この実施形態3のゲーム装置10aにおけるその他の構成は実施形態2のゲーム装置10aにおけるものと同一である。
【0109】
このような構成の実施形態3のゲーム装置10bにおいては、タッチパネル103に対するスタイラスペン2によるタッチ操作は、タッチパネル103のタッチ面13の下側に位置する液晶表示器102aの表示画面12aに表示された2次元画像を見て行われ、このスタイラスペン2を用いたタッチ操作によるカーソルの変化やオブジェクトの変化は、蓋部11cの液晶表示器101aの仮想3次元空間を表示する3次元立体視表示画面14aにて認識されることとなる。
【0110】
このように本実施形態3のゲーム装置10bにおいても上記実施形態1あるいは2のゲーム装置10あるいは10aと同様な効果が得られる。
(実施形態4)
図12は、本発明の実施形態4によるゲーム装置を示す外観図である。
【0111】
この実施形態4によるゲーム装置は、実施形態1のゲーム装置10におけるスタイラスペン2に代えて、ゲーム装置10の装置本体1から給電されるよう構成したスタイラスペン2aを備えたものである。
【0112】
つまり、この実施形態4のスタイラスペン2aは、ゲーム装置10のスタイラスペン2における電池(図示せず)に代えて、ゲーム装置10の装置本体1から放射される電磁波を受け、電源電圧を発生する受電部208を備えたものである。
【0113】
なお、この実施形態4のゲーム装置における電磁波を発生する構成は、ゲーム装置10の装置本体1における無線送信受信部108を、スタイラスペン2aへの給電が行われるよう電磁波を発生する構成とすることにより実現しても、あるいは、給電用の電磁波を発生する電磁波発生部を設けることより実現してもよい。
【0114】
この実施形態4によるゲーム装置のその他の構成は、実施形態1のゲーム装置と同一である。
【0115】
このような構成の実施形態4のゲーム装置においても、実施形態1のゲーム装置と同様の効果が得られる。
(実施形態5)
図13は、本発明の実施形態5によるゲーム装置を示す外観図である。
【0116】
この実施形態5によるゲーム装置10cは、実施形態1のゲーム装置10における、装置本体1との間で無線通信するスタイラスペン2に代えて、ゲーム装置10の装置本体1との間でケーブル4を介して通信するスタイラスペン2cを備えたものである。
【0117】
つまり、この実施形態5のスタイラスペン2cは、ゲーム装置10のスタイラスペン2における無線機能部206に代えて、ケーブル4に接続された通信部を備えたものである。
【0118】
なお、この実施形態5のゲーム装置の装置本体1は、実施形態1における装置本体1における無線送受信部108に代えて上記ケーブル4を介してスタイラスペンの通信部に接続された有線送受信部を備えた構成となっている。なお、この有線送受信部は、装置本体1cの基体部11aあるいは蓋部11bのいずれかに搭載されている。
【0119】
このような構成の実施形態5のゲーム装置10cにおいても、実施形態1のゲーム装置と同様の効果が得られる。
【0120】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、立体視表示装置、タッチパネル及びスタイラスペンを備えた携帯ゲーム機等の情報処理装置の分野において、タッチパネル上でのスタイラスペンによる操作により、仮想3次元空間内の位置をこの仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定することができ、しかもスタイラスペンによるタッチパネルに対する押圧力を小さく抑えることができる情報処理装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0122】
1、1a、1b、1c 装置本体
2、2a、2c スタイラスペン(タッチ器具)
3 メモリカード
4 ケーブル
10、10a、10b、10c ゲーム装置(情報処理装置)
11a、11d 基体部
11b、11c 蓋部
12、12a、14、14a 表示画面
13 タッチ面
100 制御部
101、101a 液晶表示器(第1の表示部)
102、102a 液晶表示器(第2の表示部)
103 タッチパネル
104 操作部
104a 動作スイッチ(Aボタン)
104b 動作スイッチ(Bボタン)
104c 方向指示スイッチ(十字キー)
105 スピーカ
106 カードスロット
107 コネクタ
108 無線送受信部
201 可動ペン先部
201a 先端部
202 スプリング
203 変位センサ
204 動作スイッチ
205 本体ケース
206 無線機能部
208 受電部
Af 直線
Ax 中心軸
OB1、OB2、OB3a、OB3b、OB3c、OB4 オブジェクト
P 2次元表示画面
Pd、Pd1、Pd2 カーソル
Pn 無限遠点
S 仮想3次元空間
Td タッチ位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示部と、該表示画面上に重なるよう配置されたタッチ面を有するタッチパネルと、該タッチパネルに対するタッチ器具とを備え、該タッチパネルに対する該タッチ器具による操作により、該表示画面に表示された仮想3次元空間における位置を、該仮想3次元空間を定義する3次元座標により指定する情報処理装置であって、
該タッチパネルを、該タッチ面における該タッチ器具によるタッチ位置を該表示画面内の位置座標として検出するよう構成し、
該タッチ器具を、該タッチ位置での該タッチ器具の操作により該3次元画像空間における奥行き情報を発生するよう構成し、
該タッチパネルで検出した2次元座標と、該タッチ器具で発生した奥行き情報とに基づいて、該仮想3次元空間の位置を示す3次元座標を生成するようにした、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記タッチ器具は、スタイラスペンであり、
該スタイラスペンは、該スタイラスペンに対する操作量を検出する操作量検出部を有し、前記奥行き情報として、該操作量に応じた奥行値を示す情報を発生する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記表示部を制御する制御部を備え、
該制御部は、前記奥行き情報が示す奥行値の大きさに応じて前記タッチ面のタッチ位置から前記仮想3次元空間の無限遠点に向かって移動するカーソルが表示されるよう前記表示部を制御する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記カーソルの移動に応じて該カーソルの大きさ及び色のいずれか一つが変化するよう前記表示部を制御する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、
前記カーソルが前記3次元空間内に位置するオブジェクトと接触したとき、既定の処理の動機となるオブジェクト接触信号を出力するよう構成されている、情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記オブジェクト接触信号に基づいて振動を発生させる振動発生器、及び該オブジェクト接触信号に基づいて音声を発生させる音声発生器の少なくとも一方を備えた情報処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記スタイラスペンは、
前記オブジェクト接触信号に基づいて振動を発生させる振動発生器、及び該オブジェクト接触信号に基づいて音声を発生させる音声発生器の少なくとも一方を備えている、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記タッチ器具は、既定の動作を指示する指示信号を発生する動作スイッチを有する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置において、
前記タッチ器具は、スタイラスペンであり、
該スタイラスペンは、
筒状のペン筐体と、
該ペン筐体内を摺動可能に保持された可動ペン先部と、
該可動ペン先部を初期位置に保持されるよう突出方向に付勢する付勢部材と、
該可動ペン先部がその先端と前記タッチパネルのタッチ面との当接により没入したとき、該可動ペン先部の初期位置からの没入距離に応じた変位量を示す変位情報を前記奥行き情報として出力する位置センサとを備え、
前記動作スイッチは、該ペン筐体に取り付けられている、情報処理装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記表示部および前記タッチパネルは、該情報処理装置の本体である装置本体を構成しており、
前記タッチ器具は、該装置本体とは別体として設けられており、
該装置本体は、基体部と該基体部に回動可能に取り付けられた蓋部とを含み、
該表示部は、
画像情報に基づいて3次元立体視画像を表示する第1の表示部と、
該画像情報に基づいて2次元画像を表示する第2の表示部とを有し、
該第2の表示部は、該基体部に取り付けられており、
該第1の表示部は、該蓋部に該蓋部の開いた状態で該第2の表示部とともに観察されるよう取り付けられており、
該タッチパネルは、そのタッチ面が該第2の表示部の表示画面上に重なるよう配置されている、情報処理装置。
【請求項11】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記表示部および前記タッチパネルは、該情報処理装置の本体である装置本体を構成しており、
前記タッチ器具は、該装置本体とは別体として設けられており、
該装置本体は、基体部と該基体部に回動可能に取り付けられた蓋部とを含み、
該表示部は、
画像情報に基づいて2次元画像あるいは3次元立体視画像を表示する第1の表示部と、
該画像情報に基づいて3次元立体視画像を表示する第2の表示部とを有し、
該第2の表示部は、該基体部に取り付けられており、
該第1の表示部は、該蓋部に該蓋部の開いた状態で該第2の表示部とともに観察されるよう取り付けられている、情報処理装置。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載の情報処理装置において、
前記タッチ器具は、
該タッチ器具で発生した奥行き情報を前記装置本体に送信し、該装置本体からの送信情報を受信する無線機能部を有する、情報処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理装置において、
前記タッチ器具は、電源として電池を用いるものである、情報処理装置。
【請求項14】
請求項10または請求項11に記載の情報処理装置において、
前記タッチ器具は、
該タッチ器具で発生した奥行き情報を通信ケーブルを介して前記装置本体に送信し、該装置本体からの送信情報を該通信ケーブルを介して受信する通信部を有する、情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−84096(P2013−84096A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223110(P2011−223110)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】