説明

情報収集装置、情報収集プログラム及び監視システム

【課題】同一の装置から同時に情報収集する際、情報収集装置及び被情報収集装置の処理負荷を軽減できるようにする。
【解決手段】本発明は、1又は複数の被情報収集装置から所定情報を収集する情報収集装置であり、被情報収集装置毎に情報収集を実行する情報収集実行手段と、情報収集実行手段による情報収集状態を記録する収集状態記録手段と、情報収集実行手段の起動前に、収集状態記録手段を参照して、今回の収集先と同一の被情報収集装置からの情報収集が実行されているか否かを確認し、実行されている場合には情報収集実行手段を起動させず、そうでない場合には情報収集実行手段を起動させる収集状態制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集装置、情報収集プログラム及び監視システムに関する。例えば、本発明は、ユーザインタフェースとしてWeb画面を用いた装置監視システムにおいて、複数のユーザから最新情報取得の要求に対して情報を収集する情報収集装置、情報収集プログラム及び監視システムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜特許文献4には、ネットワークを通じて被監視装置の情報を収集する情報収集技術が記載されている。
【0003】
従来、装置監視システムでは、監視サーバが、特許文献1〜特許文献4に記載の情報収集技術等を用いて、1又は複数の被監視装置の運用状態やハードウェア状態の監視を行っている。
【0004】
ユーザ端末が監視サーバに対して情報収集の要求を行うと、監視サーバは、情報収集スレッドを起動し、被監視装置の情報を収集する。そして、その収集した情報を監視サーバがユーザ端末に送信する。
【0005】
ユーザ端末におけるユーザインタフェースは、例えばWebブラウザによるWeb画面を用いている。これにより、ユーザは、Web画面に表示される現在の被監視装置の状態をリアルタイムで知ることができる。また、監視装置に対して定期的に情報取得要求を行うことで、ユーザは、定期的に被監視装置の状態の監視することができる。
【0006】
ところで、監視サーバは、複数のユーザ端末からの情報取得要求を受けることができる。従来、監視サーバは、ユーザ端末からの情報取得要求毎に情報収集スレッドを起動して、情報収集を行うこととしている。
【0007】
図2は、従来の情報収集処理の方法を説明する説明図である。ここでは、監視サーバ1が、ユーザ端末であるHMI(ヒューマンマシンインタフェース)端末2−1及び2−2から、同時期に情報取得要求を受信した場合の処理を説明する。
【0008】
S101では、HMI端末2−1において、ユーザによりWeb画面上の収集ボタンが押下される。ここでは、被監視装置Aの情報を収集する場合を例示する。
【0009】
S102では、被監視装置Aについての最新の情報取得要求信号が、HMI端末2−1から監視サーバ1に対して送信される。
【0010】
S103では、監視サーバ1において、状態収集部11は、受信した情報取得要求信号に基づいて、被監視装置Aから状態情報を収集する情報収集スレッドが起動する。
【0011】
S104では、被監視装置Aについての情報収集スレッドが、被監視装置Aに対して情報収集要求を行い、被監視装置Aから運用状態及び障害状態等の情報(例えばMIB情報)を取得する。
【0012】
S105では、HMI端末2−1での収集ボタンの押下と同時期に、HMI端末2−2でも、ユーザにより被監視装置Aについての収集ボタンが押下される。
【0013】
S106では、被監視装置Aについての最新の情報取得要求信号が、HMI端末2−2から監視サーバ1に対して送信される。
【0014】
S107では、監視サーバ1において、状態収集部11が、受信した情報取得要求信号に基づいて、被監視装置Aについての情報収集スレッドが起動する。
【0015】
S108では、被監視装置Aについての情報収集スレッドが、被監視装置Aに対して情報収集要求を行い、被監視装置Aから運用状態及び障害状態等の情報(例えばMIB情報)を取得する。
【0016】
このとき、監視サーバ1では、HMI端末2−1用の被監視装置Aについての情報収集スレッドと、HMI端末2−2用の被監視装置Aについての情報収集スレッドとが、起動している。
【0017】
S109では、HMI端末2−1用の被監視装置Aについての情報収集スレッドが、被監視装置Aから取得した情報を、HMI端末2−1に対して送信する。
【0018】
S110では、HMI端末2−1においてWebブラウザが更新した画面を表示する。
【0019】
S111では、HMI端末2−2用の被監視装置Aについての情報収集スレッドが、被監視装置Aから取得した情報を、HMI端末2−2に対して送信する。
【0020】
S112では、HMI端末2−2においてWebブラウザが更新した画面を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2000−222429号公報
【特許文献2】特開2001−184355号公報
【特許文献3】特開2003−271494号公報
【特許文献4】特開平10−247169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記のように、同時期に、同じ被監視装置に対して、複数の情報取得要求信号が監視サーバにあった場合、監視サーバは、同時に、同じ被監視装置から最新の情報を取得する処理を複数回行うことになる。
【0023】
これは、監視サーバでは、複数の情報収集スレッドが同時に起動し、複数の情報収集スレッドが、同時に被監視装置に対して最新情報の取得を要求することになる。
【0024】
また、これと同時に、被監視装置では、監視サーバからの複数の要求に応じて、自身の運用状態及び障害状態等のデータを送信することが必要とある。
【0025】
つまり、同時に、同じ被監視装置に対して、複数の情報取得要求信号が有った場合、監視サーバ及び被監視対象の処理に係る負荷が大きくなるという問題が生じ得る。
【0026】
また、監視サーバや被監視装置の処理負荷を小さくするために、例えば、同時に要求するがあった場合には、先着順に順次処理を行う方法も考えられる。
【0027】
しかし、このような方法では、後着の要求に対する処理は、先着の要求の処理の終了後になされることになり、先着の要求の処理の終了まで待つことになる。
【0028】
その結果、ユーザにとってみれば、情報取得要求をしてからWeb画面が更新されるまでの時間がかかってしまい迅速な応答を提供することができないという問題も生じ得る。
【0029】
そこで、同時期に、同じ被情報収集装置に対して情報取得要求が発生した場合に、監視サーバ、被監視装置の処理負荷を軽減することができ、情報取得要求に対する応答に時間をかけずに行うことができる情報収集装置、情報収集プログラム及び監視システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0030】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の情報収集装置は、1又は複数の被情報収集装置から所定情報を収集する情報収集装置において、(1)被情報収集装置毎に情報収集を実行する情報収集実行手段と、(2)情報収集実行手段による情報収集状態を記録する収集状態記録手段と、(3)情報収集実行手段の起動前に、収集状態記録手段を参照して、今回の収集先と同一の被情報収集装置からの情報収集が実行されているか否かを確認し、実行されている場合には情報収集実行手段を起動させず、そうでない場合には情報収集実行手段を起動させる収集状態制御手段とを備えることを特徴とする。
【0031】
第2の本発明の情報収集プログラムは、1又は複数の被情報収集装置から所定情報を収集する情報収集プログラムにおいて、コンピュータを、(1)被情報収集装置毎に情報収集を実行する情報収集実行手段、(2)情報収集実行手段による情報収集状態を収集状態記録手段に記録する手段、(3)情報収集実行手段の起動前に、収集状態記録手段を参照して、今回の収集先と同一の被情報収集装置からの情報収集が実行されているか否かを確認し、実行されている場合には情報収集実行手段を起動させず、そうでない場合には情報収集実行手段を起動させる収集状態制御手段として機能させることを特徴とする。
【0032】
第3の本発明の監視システムは、複数のユーザ端末と、1又は複数の被監視装置と、各被監視装置を監視する監視装置とを備える監視システムにおいて、監視装置が、第1の本発明の情報収集装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、同時期に、同じ被情報収集装置に対して情報取得要求が発生した場合に、監視サーバ、被監視装置の処理負荷を軽減することができ、情報取得要求に対する応答に時間をかけずに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施形態の監視システムの全体構成及び各構成要素の内部構成を示す構成図である。
【図2】従来の情報収集処理の方法を説明する説明図である。
【図3】第1の実施形態の情報収集方法の流れを示す説明図である。
【図4】第1の実施形態の監視サーバにおける情報収集処理を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態の監視システムの全体構成及び各構成要素の内部構成を示す構成図である。
【図6】第2の実施形態の情報収集方法の流れを示す説明図である。
【図7】第2の実施形態の監視サーバにおける情報収集処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の情報収集装置、情報収集プログラム及び監視システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0036】
第1の実施形態では、例えば、監視サーバが1又は複数の被監視装置の運用状態や障害状態等の情報(例えばMIB情報等)を監視する監視システムにおいて、監視サーバが備える情報収集機能に、本発明を適用した場合を例示する。
【0037】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る監視システムの全体構成及び各構成要素の内部構成を示す構成図である。
【0038】
図1において、第1の実施形態の監視システム10は、監視サーバ1A、複数のユーザ端末2(2−1及び2−2)、被監視装置3(3−1及び3−2)を少なくとも有する。
【0039】
なお、監視サーバ1A、ユーザ端末2、被監視装置3は、ネットワークを介して接続されている。ネットワークは、専用網、公衆網のいずれであってもよく、又は有線回線、無線回線のいずれであってもよい。
【0040】
また通信プロトコルは、特に限定されるものではなく、広く適用することができる。例えば、通信プロトコルとして、TCP/IPを適用することができる。また、図1においてユーザ端末2及び被監視装置3の数は、特に限定されるものではなく、3台以上であってもよい。
【0041】
監視サーバ1Aは、被監視装置3−1及び3−2の運用状態及び又は障害状態等を監視するものである。監視サーバ1Aは、ユーザ端末2から情報取得要求を受けると、対象とする被監視装置3に対して情報取得要求を行い、所望の情報を被監視装置3から収集する。そして、監視サーバ1Aは、その被監視装置3から収集した情報を要求元のユーザ端末2に送信する。
【0042】
また、監視サーバ1Aは、その主な機能構成として、状態収集部11A、通信部12を少なくとも有する。なお、監視サーバ1Aは、既存のサーバと同じ構成を備えており、例えば、CPUと、例えばROM、RAM、EEPROM等からなる記憶部と、通信部等とを有して構成される。
【0043】
状態収集部11Aは、ユーザ端末2からの情報取得要求信号を受信すると、その情報取得要求に係る被監視装置3の状態を示す情報を取得して、要求元のユーザ端末2に応答するものである。
【0044】
ここで、情報取得要求信号には、送信元のユーザ端末2の識別情報(例えば、ユーザ端末2のアドレス情報等)、情報を取得する被監視装置3の識別情報を少なくとも有する。この他に、取得する情報の種別等を含むようにしてもよい。
【0045】
状態収集部11Aは、その機能として、状態収集実行部111、収集状態保持部112、収集状態制御部113を有する。
【0046】
状態収集実行部111は、情報取得要求に係る被監視装置3から情報収集を実行するものであり、例えば、状態収集実行部111は情報収集スレッドに相当するものである。状態収集実行部111は、収集状態制御部113の制御を受けて起動するものである。
【0047】
収集状態保持部112は、起動している状態収集実行部111の収集状態を保持するものである。つまり、収集状態保持部112は、現在起動している情報収集スレッドの状態を保持する。また、収集状態保持部112は、状態収集実行部111による収集及び要求元への応答が終了すると、その保持していた対応する状態を削除する。
【0048】
ここで、収集状態保持部112は、情報取得要求の要求元のユーザ端末2の識別情報と、要求先の被監視装置3の識別情報とを対応付けた情報を保持する。なお、収集する情報の種別を選択することができる場合、収集状態保持部112は、情報種別も含む情報を保持するようにしてもよい。
【0049】
収集状態制御部113は、情報取集部11の機能を制御するものである。収集状態制御部113は、情報取得要求信号を受信すると、収集状態保持部112を参照して、現在起動している収集状態を確認するものである。
【0050】
そして、今回の情報取得要求で要求内容を同じにする状態収集実行部111が起動しているか否かを判断し、要求内容が同じである状態収集実行部111が起動している場合、収集状態制御部113は、今回の情報取得要求に対応する状態収集実行部111を起動させないようにする。一方、要求内容が同じである状態収集実行部111が起動していない場合、収集状態制御部113は、今回の情報取得要求に対応する状態収集実行部111を起動させる。
【0051】
通信部12は、ユーザ端末2や被監視装置3との間で情報の送受信を行う処理部又は装置である。
【0052】
ユーザ端末2(2−1及び2−2)は、例えば、Webブラウザ機能等により被監視装置3の状態情報を示すWeb画面を表示する表示手段、制御部、記憶部、通信部等を有する端末である。図1に示すように、ユーザ端末2は、その機能として、情報取得要求部21、通信部22を少なくとも有する。
【0053】
情報取得要求部21は、少なくとも、ユーザにより情報取得対象とする被監視装置3の識別情報を含む情報取得要求信号を監視サーバ1に送信するものである。
【0054】
通信部22は、監視サーバ1Aとの間で情報の送受信を行う処理部又は装置である。
【0055】
被監視装置3(3−1及び3−2)は、監視サーバ1Aにより自身の運用状態や障害状態等が監視されるものである。被監視装置3は、監視サーバ1Aからの取得要求を受けて、その時点での最新の運用状態や障害状態の情報を監視サーバ1Aに送信する。被監視装置3は、運用状態データを保持する運用状態データ保持部311、障害データを有する障害データ保持部312、監視サーバ1Aと情報を送受信する通信部32を少なくとも有する。
【0056】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の監視システム10における情報収集方法の動作を、図面を参照しながら説明する。
【0057】
図3は、第1の実施形態の情報収集方法の流れを示す説明図である。図4は、第1の実施形態の監視サーバ1Aにおける情報収集処理を示すフローチャートである。
【0058】
以下では、ユーザ端末2−1とユーザ端末2−2とが、同時期に、被監視装置3−1の最新情報を収集する情報取得要求をした場合の動作を示す。また、説明便宜上、被監視装置3−1を装置A、被監視装置3−2を装置Bともいう。
【0059】
まず、図3に示すように、ユーザ端末2−1において、ユーザは、Web画面上で、装置Aの状態情報の収集を要求する収集ボタンを押下する(S201)。これにより、ユーザ端末2−1は、情報取得要求信号を監視サーバ1Aに送信する(S202)。
【0060】
監視サーバ1Aにおいて、ユーザ端末2−1からの情報取得要求信号が受信されると(S301)、収集状態制御部113は、収集状態保持部112を参照して、現在の収集状態データを確認する(S203、S302)。
【0061】
このとき、収集状態保持部112には収集状態データが保持されていない。従って、収集状態制御部113は、ユーザ端末2−1からの装置Aに対する状態収集実行部111を起動させ(S303)、当該状態収集実行部111の状態収集データを収集状態保持部112に記録する(S204、S304)。
【0062】
収集状態制御部113の制御により、状態収集実行部111が起動すると(S209)、状態収集実行部111は、装置Aから最新情報の取得を開始する(S210、S306)。
【0063】
一方、ユーザ端末2−2においても、ユーザ端末2−1における情報取得要求と同時に、ユーザが収集ボタンを押下し(S205)、情報取得要求信号が監視サーバ1Aに与えられる(S206)。
【0064】
監視サーバ1Aでは、収集状態制御部113が、収集状態保持部112の現在の収集状態データを確認する(S207、図4のS302)。
【0065】
このとき、装置Aに対する情報収集データが記録されている。これは、ユーザ端末2−1からの要求に応じて、装置Aに対する状態収集実行部111が実行中であることを意味する。
【0066】
従って、収集状態制御部113は、当該ユーザ端末2−2からの情報取得要求に対する状態収集実行部111を起動させず、ユーザ端末2−2から受信した装置Aに対する状取得要求の情報を状態収集データとして記憶する(S208、S305)
そして、起動している状態収集実行部111が、装置Aからの運用状態及び障害状態の最新情報の取得を完了する。
【0067】
収集状態制御部113は、収集状態保持部112に記録されている装置Aについての収集状態データを確認する。この例では、装置Aについての収集状態データとして、その要求元に、ユーザ端末2−1及びユーザ端末2−2が記録されていることを確認する。
【0068】
そこで、収集状態制御部113は、装置Aから取得した収集情報をユーザ端末2−1及び2−2に送信する(S211、S307)。
【0069】
そして、ユーザ端末2−1及び2−2では、Web画面を更新して装置Aの最新情報を表示する(S212)。
【0070】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、同時に受け付けた同一の被監視装置に対する最新情報取得について、被監視装置に対しての最新状態取得の処理は1度しか行わない。
【0071】
このため、監視サーバおよび被監視装置の処理に係る負荷は大きくならない。また、各要求に対する応答も遅延しない。
【0072】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の情報収集装置、情報収集プログラム及び監視システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0073】
第2の実施形態では、第1の実施形態の構成に加えて、監視サーバが定期的に被監視装置の最新情報を収集するものである場合の実施形態を例示する。
【0074】
(B−1)第2の実施形態の構成
図5は、第2の実施形態に係る監視システムの全体構成及び各構成要素の内部構成を示す構成図である。
【0075】
図5において、第2の実施形態の監視システム10は、第1の実施形態と同様に、監視サーバ1B、複数のユーザ端末2(2−1及び2−2)、被監視装置3(3−1及び3−2)を少なくとも有する。
【0076】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、監視サーバ1Bが有する状態収集機能である。そこで、以下では、監視サーバ1Bが有する状態取集機能を中心に詳細に説明する。
【0077】
図5に示すように、監視サーバ1Bは、状態収集部11B、通信部12を少なくとも有して構成される。
【0078】
状態収集部11Bは、状態収集実行部111、収集状態保持部112、収集状態制御部113、定期収集実行部114を少なくとも有する。
【0079】
定期収集実行部114は、収集状態制御部113の制御により、定期的に情報収集するものである。定期収集実行部114は、例えば、情報収集スレッドに相当する。
【0080】
ここで、定期収集実行部114は、定期的に情報収集する対象とする被監視装置3が複数ある場合には、各被監視装置3毎に決定された周期で起動する。その起動周期は、特に限定されるものではなく、各被監視装置3毎に異なるものであってもよい。
【0081】
収集状態保持部112は、第1の実施形態で説明した処理に加えて、定期収集実行部114が起動すると、当該定期収集実行部114の状態収集データも保持するものである。
【0082】
収集状態制御部113は、第1の実施形態で説明した制御に加えて、定期的に、定期収集実行部114を起動させるものである。
【0083】
また、収集状態制御部113は、ユーザ端末2から情報取得要求を受信した場合又は定期収集実行部114を起動させる前に、収集状態保持部112の収集状態データを確認する。
【0084】
そして、同一の被監視装置3に対する情報収集が実行中である場合、収集状態制御部113は、新たな状態収集実行部111の起動又は定期収集実行部114の起動を行わず、当該要求情報を収集状態保持部112に記録する。
【0085】
一方、同一の被監視装置3に対する情報収集が実行中でない場合、収集状態制御部113は、新たな状態収集実行部111の起動又は定期収集実行部114の起動をさせる。また、収集状態制御部113は、新たな状態収集実行部111又は定期収集実行部114の情報収集データを収集状態保持部112に記録する。
【0086】
これにより、定期的に被監視装置3から最新情報を収集する場合と、ユーザ端末2からの要求に応じて最新情報を収集する場合とが同時に行われたときでも、新たに情報収集は実行せず、実行中の情報収集の結果を最新情報として返却することができる。
【0087】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態の監視システム10における情報収集方法の動作を、図面を参照しながら説明する。
【0088】
図6は、第2の実施形態の情報収集方法の流れを示す説明図である。図7は、第2の実施形態の監視サーバ1Bにおける情報収集処理を示すフローチャートである。
【0089】
以下では、被監視装置3−1に対する定期収集と、ユーザ端末2−2からの情報取得要求とが、同時期にあった場合の動作を例示する。また、説明便宜上、被監視装置3−1を装置A、被監視装置3−2を装置Bともいう。
【0090】
まず、監視サーバ1Bにおいて、装置Aに対する定期取集タイミングになると(S501)、収集状態制御部113は、収集状態保持部112の収集状態データを確認する(S302、S401)。
【0091】
このとき、ユーザ端末2からの情報取得要求がなく、収集状態保持部112には該当する収集状態データが記録されていない。従って、収集状態制御部113は、定期取集実行部114を起動させ(S303)、定期収集実行部114の収集状態データを収集状態保持部112に記録する(S304、S402)。
【0092】
収集状態制御部113の制御により、定期収集実行部114が起動すると(S403)、定期収集実行部114は、装置Aから最新情報の収集を実行する(S404)。
【0093】
装置Aに対する定期取集と同時期に、ユーザ端末2−2においても、ユーザが収集ボタンを押下し(S405)、情報取得要求信号が監視サーバ1Bに与えられる(S406、S501)。
【0094】
監視サーバ1Bでは、収集状態制御部113が、収集状態保持部112の現在の収集状態データを確認する(S407、S302)。
【0095】
このとき、定期取集実行部114が装置Aに対する情報収集を実行中である。従って、収集状態制御部113は、当該ユーザ端末2−2からの情報取得要求に対する状態収集実行部111を起動させない。
【0096】
収集状態制御部113は、ユーザ端末2−2からの装置Aに対する状態収集データを記憶する(S408、S305)。
【0097】
そして、起動している定期収集実行部114が、装置Aから運用状態及び障害状態の最新情報の取得を完了する。
【0098】
収集状態制御部113は、収集状態保持部112の収集状態データに基づいて、ユーザ端末2−2が装置Aについての情報取得要求を行っていることを確認し、その取得情報をユーザ端末2−2に送信する(S409、S307)。
【0099】
そして、ユーザ端末2−2では、Web画面を更新して装置Aの最新情報を表示する(S410)。
【0100】
また、上記の動作説明とは逆に、ユーザ端末からの最新状態取得の要求を実行中に、定期処理が動作した場合も上記と同様に、被監視装置3への最新状態の取得は1度しか行わない。
【0101】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、監視サーバが定期的に被監視装置から最新情報を収集する場合であっても、被監視装置に対する最新情報の取得処理を1度だけにすることができる。
【0102】
その結果、監視サーバ及び被監視装置の処理に係る負荷は大きくならない。また、端末からの要求への応答も遅延しない。
【0103】
(C)他の実施形態
上述した実施形態では、2台のユーザ端末が、同時に、同一の被監視装置に対する情報取得要求を行う場合、又は、1台のユーザ端末からの同一の被監視装置に対する情報取得要求と定期収集とが同時に実行する場合の実施形態を例示した。しかし、競合する数は2個である場合に限定されるものではなく、3個以上であっても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1A及び1B…監視サーバ、11A及び11B…状態収集部、
111…状態収集実行部、112…収集状態保持部、113…収集状態制御部、
114…定期収集実行部、12…通信部、2−1及び2−2…ユーザ端末、
3−1及び3−2…被監視装置、10…監視システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の被情報収集装置から所定情報を収集する情報収集装置において、
上記被情報収集装置毎に情報収集を実行する情報収集実行手段と、
上記情報収集実行手段による情報収集状態を記録する収集状態記録手段と、
上記情報収集実行手段の起動前に、上記収集状態記録手段を参照して、今回の収集先と同一の上記被情報収集装置からの情報収集が実行されているか否かを確認し、実行されている場合には上記情報収集実行手段を起動させず、そうでない場合には上記情報収集実行手段を起動させる収集状態制御手段と
を備えることを特徴とする情報収集装置。
【請求項2】
上記情報収集実行手段が、外部から情報取得要求を受信したときに起動され、要求先の上記被情報収集装置からの情報収集を実行するものであることを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
上記情報収集実行手段が、定期的に起動され、上記各情報収集実行手段からの情報収集を実行するものを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報収集装置。
【請求項4】
上記収集状態制御手段は、
上記同一の被情報収集装置からの情報収集が実行されている場合に、今回受信した上記情報取得要求に係る要求情報、及び又は、定期収集を示す情報を、収集先に対応付けて、上記収集状態記録手段に記録し、
上記情報収集実行手段による情報収集完了後、上記収集状態記録手段を参照して、上記情報取得要求の要求元に、収集した情報を送信させる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報収集装置。
【請求項5】
1又は複数の被情報収集装置から所定情報を収集する情報収集プログラムにおいて、
コンピュータを、
上記被情報収集装置毎に情報収集を実行する情報収集実行手段、
上記情報収集実行手段による情報収集状態を収集状態記録手段に記録する手段、
上記情報収集実行手段の起動前に、上記収集状態記録手段を参照して、今回の収集先と同一の上記被情報収集装置からの情報収集が実行されているか否かを確認し、実行されている場合には上記情報収集実行手段を起動させず、そうでない場合には上記情報収集実行手段を起動させる収集状態制御手段
として機能させることを特徴とする情報収集プログラム。
【請求項6】
複数のユーザ端末と、1又は複数の被監視装置と、上記各被監視装置を監視する監視装置とを備える監視システムにおいて、
上記監視装置が、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の情報収集装置を有することを特徴とする監視システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−203457(P2012−203457A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64741(P2011−64741)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】