説明

情報提示システム、及びプログラム

【課題】過去の医療上の経験則を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる技術を提供する。
【解決手段】支援情報DB110内に、患者に関する医療情報を構成する複数要素の項目に含まれる各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が、相互に関連付けられた関連情報を格納して準備しておく。そして、表示部203に表示される医療支援情報提示画面において、ユーザー操作に応答して、1以上の要素を選択する選択条件と、出力対象項目とが指定され入力される。すると、関連情報のうちの選択条件を満たす情報について、出力対象項目についての統計情報が表示部203において可視的に出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を提示するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院等の医療機関では、電子カルテ等を初めとして、各種医療情報を電子データとして管理するシステム(情報管理システム)を導入している。
【0003】
このシステムでは、各部門毎にサブシステムを有し、当該サブシステム毎に、電子カルテ、及び血液検査結果等といった各種医療情報をそれぞれ管理している。
【0004】
また、医療機関における会計的なデータを統計的に処理して提示する技術も開示されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−4260号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記情報管理システムでは、各部門ごとのサブシステムにおいて各種データが分散管理されており、患者ID等の統一符号で、各種データが関連付けられているだけで、各種データを構成する要素間の関連性が分かり難く、過去のデータ(医療上の経験則)を利用し難かった。
【0007】
また、医者は、自ら勉強して知識の蓄積を行い、種々の患者に対処しているが、人間は全知全能ではなく、知識には限界があるため、知識を超える過去の経験則を必ずしも有効利用できているとは言えなかった。
【0008】
また、特許文献1に開示された技術は、会計的な知識を提示するものであり、医療的な知識を提示するものではなかった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、過去の医療上の経験則を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、情報提示システムであって、患者に関する医療情報を構成する複数要素の項目に含まれる各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が相互に関連付けられた関連情報を記憶する関連情報データベースと、ユーザーの操作に応答して、前記複数要素の項目に含まれる1つの項目に属する要素、又は前記複数要素の項目に含まれる一部の複数の項目にそれぞれ属する要素の組合せ、を示す選択条件を受け付ける条件受付手段と、ユーザーの操作に応答して、前記複数要素の項目から出力対象項目を指定する指定手段と、前記関連情報のうちの前記選択条件を満たす情報について、前記出力対象項目に係る統計情報を可視的に出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載された情報提示システムであって、前記患者に関する医療情報が、任意の症例に対して、発症した患者に関する属性情報、発症した患者の検査情報、未発症の患者の検査情報、治療方法を示す情報、及び治癒度合いを示す情報のうちの1以上の情報を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載された情報提示システムであって、前記患者に関する医療情報が、患者本人及び当該患者本人の家族に含まれる1人以上の病歴を示す情報を含むことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載された情報提示システムであって、前記選択条件が、検査情報及び治療方法に係る複数要素の項目に属する要素の組合せを示し、前記統計情報が、経過予測に係る統計情報を含み、前記選択条件と前記出力対象項目と前記経過予測に係る統計情報とを示す情報を、所定の通信機器に対して配信する配信手段を更に備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載された情報提示システムであって、前記複数要素の項目が、患者の症状の経過及び状態の変化のうちの少なくとも一方についての項目を含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載された情報提示システムであって、前記各項目間における当該各項目に属する要素どうしの関連に対応する入力情報を受け付ける情報受付手段と、前記入力情報に基づき、前記関連情報に対して、前記各項目に属する要素どうしの関連を示す情報を追加することで、前記関連情報データベースを更新する情報更新手段とを更に備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載された情報提示システムであって、前記選択条件が、手術方法及び治療方法に係る1以上の要素の項目に属する要素を示し、前記出力対象項目が、患者の症状の経過、期間、及び費用に係る1以上の項目を含み、前記出力手段が、前記選択条件を可視的に出力することを特徴とする。
【0017】
また、請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載された情報提示システムであって、前記出力手段が、前記関連情報に基づき、前記各項目間で当該各項目に属する複数の要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報の一覧表示を可視的に出力することを特徴とする。
【0018】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載された情報提示システムであって、ユーザーによる抽出条件の指定に応答して、前記関連情報から、当該抽出条件に対応する一部関連情報を抽出する情報抽出手段を更に備え、前記出力手段が、前記一部関連情報に基づき、前記各項目間で当該各項目に属する複数の要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報の一覧表示を可視的に出力することを特徴とする。
【0019】
また、請求項10の発明は、請求項1から請求項9のいずれかに記載された情報提示システムであって、前記関連情報が、RDFで記述された情報を含むことを特徴とする。
【0020】
また、請求項11の発明は、請求項10に記載された情報提示システムであって、複数の患者に関する医療情報を格納する医療情報データベースと、前記複数の患者に関する医療情報を対象として言語処理を含む所定の情報処理を施すことで、前記関連情報を生成する情報生成手段とを更に備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項12の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載された情報提示システムであって、前記関連情報が、前記複数要素の項目のうちの所定の項目に属する要素として、当該所定の項目に係る統計情報を記憶することを特徴とする。
【0022】
また、請求項13の発明は、請求項1から請求項12のいずれかに記載された情報提示システムであって、前記統計情報が、割合、分布、及び分散のうちの少なくとも1以上の態様の統計情報を含むことを特徴とする。
【0023】
また、請求項14の発明は、情報提示システムに含まれるコンピュータによって実行されることにより、前記情報提示システムを、請求項1から請求項13のいずれかに記載の情報提示システムとして機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、患者に関する医療情報を構成する複数要素の項目に含まれる各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が相互に関連付けられた関連情報を準備しておき、ユーザーが1以上の要素を選択する選択条件と、出力対象項目とを指定すると、関連情報のうちの選択条件を満たす情報について、出力対象項目についての統計情報が可視的に出力されるため、過去の医療上の経験則を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0025】
また、請求項2に記載の発明によれば、患者に関する医療情報に、任意の症例に対して、発症した患者に関する属性情報、発症した患者の検査情報、未発症の患者の検査情報、治療方法を示す情報、及び治癒度合いを示す情報のうちの1以上の情報を含ませることで、様々な過去の医療上の経験則を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0026】
また、請求項3に記載の発明によれば、患者に関する医療情報に、患者本人及び家族のうちの少なくとも一方の病歴を示す情報を含ませることで、カンファレンス等を行う際に、遺伝的発病確率等を考慮して、医療をサポートする情報(発病の可能性等)を提示することができる。
【0027】
また、請求項4に記載の発明によれば、選択された検査情報及び治療方法に係る要素の組合せと、指定された出力対象項目と、選択された要素の組合せに対応する経過予測に係る統計情報とを示す情報を、所定の通信機器に対して配信するような構成を採用することで、例えば、カンファレンスに先立って、医療チームのメンバーにカンファレンスに関する情報を提示することができる。
【0028】
また、請求項5に記載の発明によれば、複数要素の項目に、患者の症状の経過及び状態の変化のうちの少なくとも一方についての項目を含ませることで、患者の症状が急変した際にも、過去の医療上の経験則を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明によれば、入力される情報に基づいて、各項目間における要素どうしの関連付けを示す情報を追加することで、関連付けデータベースを更新するため、時を経る毎に変化する知識を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0030】
また、請求項7に記載の発明によれば、ある手術方法や治療方法を採用した場合の、患者の症状の経過、期間、及び費用に関する1以上の項目の統計的な情報を選択条件とともに提示するため、インフォームドコンセントに有用な情報を容易に提示できる。
【0031】
また、請求項8に記載の発明によれば、複数要素の項目に含まれる各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が相互に関連付けられた一覧表示を行うような構成により、ユーザーが一覧表示を参照することで選択条件を容易に指定することができる。
【0032】
また、請求項9に記載の発明によれば、ユーザーによって指定された抽出条件に対応する一部関連情報を抽出して一覧表示するような構成により、ある程度絞り込まれて見易くなった関連情報の一覧表示から更に容易に選択条件を決定することができる。
【0033】
また、請求項10に記載の発明によれば、関連情報がRDFで記述されているため、容易に関連情報やネットワーク情報等を記述することができる。
【0034】
また、請求項11に記載の発明によれば、医療情報データベースに格納される複数の医療情報を対象として、言語処理を含む所定の情報処理を施すことで、各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が相互に関連付けられた関連情報が生成されるため、過去に蓄積された医療情報を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0035】
また、請求項12に記載の発明によれば、複数要素の項目のうちの所定の項目に属する要素として、当該所定の項目に係る統計情報を予め記憶しておくことで、所定の項目についての統計情報をより速く提示することができる。
【0036】
また、請求項13に記載の発明によれば、割合、分布、及び分散のうちの何れか1つの態様で統計的な情報を提示するような構成を採用することで、ユーザーに対して分かり易く統計的な情報を提示することができる。
【0037】
また、請求項14に記載の発明によれば、請求項1から請求項13に記載された発明と同様な効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
<医療情報提示システムの構成概要>
図1は、本発明の実施形態に係る医療情報提示システム1の概略構成を示す図であり、図2は、医療情報提示システム1における各種情報の流れを示す模式図である。
【0040】
医療情報提示システム1は、例えば、病院内で医療情報を管理・処理するためのシステムであり、LAN等のネットワーク回線NTWに対して、医療支援サーバ100、医療情報提示端末200、端末201〜203、放射線情報システム(RIS)300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600が相互にデータ送受信可能に接続されている。また、電子カルテ情報サーバ600には、手術記録情報サーバ610及び問診票情報サーバ620が通信回線を介して接続されている。
【0041】
RIS300は、例えば、病院内の放射線課に設置され、多数の患者の放射線検査の結果に係る各種画像や読影レポートの情報(読影レポート情報)等を、患者の属性情報を含めた形式で格納している。
【0042】
血液検査情報サーバ400は、例えば、病院内の血液検査を行う部門に設置され、多数の患者の血液を検査することで得られた検査結果を示す情報(血液検査結果情報)を、患者の属性情報を含めた形式で格納している。
【0043】
退院サマリ情報サーバ500は、例えば、病院内の退院サマリを作成する管理部門に設置され、多数の患者について、退院する際に作成される退院サマリを示す情報(退院サマリ情報)を、患者の属性情報を含めた形式で格納している。
【0044】
手術記録情報サーバ610は、例えば、病院内の手術記録を管理する部門に設置され、多数の患者についての手術記録を示す情報(手術記録情報)を、患者の属性情報を含めた形式で格納している。
【0045】
問診票情報サーバ620は、例えば、問診票を管理する部門に設置され、多数の患者についての問診票を示す情報(問診票情報)を、患者の属性情報を含めた形式で格納している。
【0046】
電子カルテ情報サーバ600は、例えば、病院内の電子カルテを管理する部門に設置され、手術記録情報サーバ610及び問診票情報サーバ620から手術記録情報及び問診票情報を取得して、それらの情報を含めた診療記録、すなわち多数の患者の電子カルテを示す情報(電子カルテ情報)を、患者の属性情報を含めた形式で格納している。
【0047】
なお、以下では、血液検査結果情報、退院サマリ情報、手術記録情報、問診票情報、及び電子カルテ情報等といった患者に関する医療関係の情報を「医療情報」と総称する。
【0048】
医療支援サーバ100は、例えば、病院内の情報を統括的に管理する部門に設置され、過去の患者に関する多数の医療情報を集約して、患者の治療や手術等の医療をサポートするための情報(医療支援情報)を記憶するデータベース(支援情報DB)110を構築する。
【0049】
図2に示すように、医療支援サーバ100は、ネットワーク回線NTWを介して、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600から各種医療情報を取得する。そして、言語解析等の解析機能によって各種医療情報を解析することで、患者の治療や手術等の医療をサポートするための医療支援情報が作成され、支援情報DB110に格納される。
【0050】
医療情報提示端末200は、支援情報DB110に格納される各種医療支援情報を利用して、統計的な情報を提示する。医療情報提示端末200では、種々の条件を選択することで、根治率等といった統計的数字を参照することができる。そして、医師や医療チームや患者は、医療情報提示端末200で提示される情報を参考にして、症状に対する適切な対策を採用することができる。
【0051】
また、医療情報提示端末200において提示される情報を、医療チームを構成するメンバーの端末201〜203等にネットワーク回線NTWを介して配信することで、ミーティング等を開く前に参考データを送ることができる。
【0052】
なお、医療支援サーバ100において、患者の症状に対する適切な対策を講ずるための参考情報を提示して、医療を支援する機能を以下「医療支援機能」(後述)とも称する。
【0053】
また、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600に格納される各種医療情報には、新しい患者、新しい症例が出現する度に新情報が入力される。そして、これらの新入力情報を支援情報DB110の記憶内容に逐次反映させることで、医師や医療チームや患者は、常に最新の医療情報に基づいて症状に対する適切な対策を採用することができるようになる。
【0054】
<医療支援機能>
医療支援機能は、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600に格納された多数の医療情報を過去の知識として、当該医療情報から、医療を支援する情報の提示に必要な要素を抽出してRDF(Resource Description Framework)等を利用して構造化することで、医療支援情報を作成し、適宜提示等を行う機能を有する。
【0055】
以下、医療情報提示システム1の医療支援機能について説明する。
【0056】
図3は、医療情報提示システム1のうち医療支援機能に係る機能構成を示すブロック図である。なお、図3で示す機能構成は、医療支援サーバ100、及び医療情報提示端末200において、それぞれハードディスク等の記憶部に記憶されるプログラムをCPU等で実行することで実現される。また、当該機能構成で実行される各種情報処理において一時的に生成される各種データは、医療支援サーバ100、及び医療情報提示端末200にそれぞれ内蔵されるRAM等に適宜一時記憶される。
【0057】
医療支援機能によって実現される動作は、主に、医療支援情報を作成する動作(支援情報作成動作)、医療支援情報に基づいて医療を支援するための各種情報を提示する動作(支援情報提示動作)の2つの動作を備えて構成される。
【0058】
以下、図3を参照しつつ、支援情報作成動作、及び支援情報提示動作について順次説明する。
【0059】
<支援情報作成動作>
データ読込部101は、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600から、読影レポート情報、血液検査結果情報、退院サマリ情報、及び電子カルテ情報(手術記録情報と問診票情報とを含む)等といった各種医療情報を患者の属性情報とともに読み込む。そして、データ読込部101は、医療情報をデータ構築部102に送出する。
【0060】
なお、データ読込部101は、各医療情報が医療支援情報に既に反映されたか否かを管理しており、未だに医療支援情報に反映されていない医療情報を読み込む。
【0061】
データ構築部102は、例えば、各種医療情報に含まれる自然文や属性情報から必要な要素を抽出して、RDFを利用して構造化を行う。この医療情報を構成する要素の構造化には、機械学習などの言語処理技術を利用することも可能である。
【0062】
ここで、データ構築部102における機械学習及び医療情報の構造化について、医療情報に含まれる読影レポート情報を例にとって説明する。なお、読影レポートには、主に、自然文で記述される所見文と患者の属性情報とが含まれる。
【0063】
例えば、教師データとして学習用コーパス等が与えられることで、構造化の基準となる情報を学習する。
【0064】
学習用コーパスは、読影レポートの所見文の形式(文章モデル)に準じた大量のテキストデータを含む。この文章モデルは、例えば、撮影条件→部位→基本所見(特徴−結語)→診断1(診断−結語)→診断2(診断−結語)といった具合に、読影レポートの所見文の構成を示すものである。そして、学習用コーパスでは、例えば、読影レポートのモデル(「レポートモデル」とも称する)に含まれる所見文の文章モデルを構成する各要素の分類項目名が各語句にタグ付けされている。
【0065】
例えば、要素の分類項目としては「診断内容のカテゴリ(以下「カテゴリ」と略す)」「撮影条件」「部位」「基本所見」「概略診断内容(以下「診断1」と略す)」、及び「詳細診断内容(以下「診断2」と略す)」等が挙げられる。
【0066】
そして、学習用コーパスでは、例えば、「脳梗塞」「虚血性変化」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「カテゴリ」がタグ付けされている。「T1画像」「T2画像」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「撮影条件」がタグ付けされている。「前頭葉」「側頭葉」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「部位」がタグ付けされている。「点状、斑状の高信号域」「点状の高信号域」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「基本所見」がタグ付けされている。「陳旧性脳梗塞」「広範な陳旧性脳梗塞」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「診断1」がタグ付けされている。「血栓性梗塞」「塞栓性梗塞」・・・等の語句に対して要素の分類項目名「診断2」がタグ付けされている。
【0067】
データ構築部102は、学習用コーパスから語句を抜き出し、対応する要素の分類項目毎にそれぞれ記憶する。つまり、データ構築部102の機械学習機能では、学習用コーパスを含む教師データを学習教材とし、教師データを参照して要素の分類項目毎に各要素の分類項目に属する語句を学習して記憶する。このとき、語句や表現の振れをある程度正規化する。
【0068】
更に、データ構築部102では、学習用コーパスにおける要素の出現パターンも学習して記憶する。例えば、部位「前頭葉」の後には「基本所見」に属する語句が出現する等といった、如何なる分類項目に属する如何なる語句が、どのような順で出現するのかといった出現パターンを学習して記憶する。
【0069】
データ構築部102において学習されて記憶されるデータは、既存読影レポートを構成する各要素をどのような要素の分類項目に分解するのかを示すモデルのデータ(モデルデータ)として使用される。
【0070】
更に、データ構築部102の識別機能は、上述の如く学習されたモデルデータを基準としつつ、公知のSVM(Support Vector Machine)を用いて、データ構築部102に入力される読影レポートを対象として、要素の分類項目と実際に使用されている語句とを識別する。
【0071】
なお、上述した機械学習の方法を用いると、予め教師データにおいて与えられた要素(ここでは、語句)についてしか、要素の分類項目を識別することができないが、以下の機械学習の方法を利用することで、予め教師データで与えられていなかった要素についても、要素の分類項目を識別することができる。
【0072】
例えば、データ構築部102の機械学習機能が、学習用コーパスを形態素解析によって形態素に分解し、形態素毎に、形態素そのもの、形態素の品詞、形態素の活用形、前後(例えば前後2つ)の形態素の情報等を用いて、ある分類項目に属する形態素が出現するパターンを学習する。そして、データ構築部102の識別機能が、当該パターンに従って、予め与えられていなかった要素(ここでは語句)についても、要素の分類項目を認識することができる。
【0073】
より具体的には、例えば、データ構築部102の機械学習機能は、学習用コーパスに「**に沿って」(「**」部には種々の語が入る)といった形の文が頻出する場合に、「**」の部分に部位を示す語句が頻出するときには、「**」の部分には部位を示す語句が入るというパターンを学習することができる。そして、データ構築部102の識別機能は、このようなパターンを利用すれば、既存読影レポートを対象として、語の前後関係からフレーズ「下垂体/に/沿って」から「下垂体」を部位を示す語句として抽出することができる。なお、上記機械学習は、いわゆるSVM(Support Vector Machine)を利用することで実現することができる。このような機械学習によって自然言語処理の精度が向上する。
【0074】
そして、データ構築部102に含まれるデータ構造化機能では、識別機能によって識別された情報に基づき、読影レポート情報に含まれる各種情報を、要素の分類項目毎に属する語句(要素)に分解してRDFで記述することで、読影レポートに係る情報を構造化する。このとき、既存読影レポートにおける要素の出現パターンも認識することができるため、この出現パターンに関する情報を、識別機能で使用するモデルデータに反映させることで、モデルデータを進化させることができる。つまり、既存読影レポートを解析すればする程、モデルデータを進化させることができる。また、データ構築部102では、データ読込部101から送出されたオーダーリング、患者属性、及び検査属性に係る属性情報も含めて、RDFで記述された構造化データが作成される。
【0075】
図4は、1つの読影レポートの要素(既存読影レポートの属性情報を構成する要素も含む)が構造化されたデータ(以下「単レポート構造化データ」とも称する)を例示する図である。
【0076】
図4に示すように、患者ID「A−0001」に対して、RDFによって、要素の分類項目「カテゴリ」「撮影条件」「部位」「基本所見」「診断1」「診断2」をそれぞれ属性の項目とし、各属性に対して属性値「脳梗塞」「T2、FLAIR画像」「前頭葉」「高信号域」「急性期脳梗塞」「前大脳動脈の閉塞」がぞれぞれ関連付けられて記述されている。また、属性情報に係る属性の項目「部位分類」「患者」「読影医師」「モダリティ」に対して「頭部(SKULL)」「特許太郎」「特許花子」「MRI」がそれぞれ関連付けられ、更に、患者の属性に対して、属性の項目「性別」及び「年齢」について「M」と「53」とがそれぞれ関連付けられて記述されている。なお、単レポート構造化データにおいて関連付けの対象となる属性の項目(属性項目)は、図4で示したものに限られず、例えば、検査属性の情報に含まれる他の属性項目を含めても良い。また、図4では、頭部に関する情報を示したが、これに限られず、例えば、循環器系や消化器系に関する情報としても良い。
【0077】
また、データ構築部102では、図4で示したような単レポート構造化データを、機械学習機能、識別機能、及びデータ構造化機能によって、RIS300に格納される全ての読影レポート情報についてそれぞれ作成する。
【0078】
以上では、医療情報に含まれる読影レポート情報を例にとって説明したが、データ構築部102は、医療情報に含まれる他の情報(血液検査結果情報、退院サマリ情報、及び電子カルテ情報)についても、同様な機械学習を利用した言語処理及び医療情報の構造化を行う。
【0079】
その結果、データ構築部102では、1つの症例についての読影レポート、血液検査結果、退院サマリ、及び電子カルテ情報が構造化されたデータ(単レポート構造化データ、単血液検査結果構造化データ、単退院サマリ構造化データ、及び単電子カルテ構造化データ)がそれぞれ作成される。このようなデータ作成を全ての症例について行う。なお、以下では、適宜、単レポート構造化データ、単血液検査結果構造化データ、単退院サマリ構造化データ、及び単電子カルテ構造化データを総称して「構造化データ」とも称する。
【0080】
例えば、単電子カルテ構造化データは、図5に示すようなものとなる。なお、図5では手術記録情報に着目して示しており、具体的には、一例として消化器系の手術記録情報を示している。
【0081】
図5に示すように、単電子カルテ構造化データでは、患者ID「A−0001」に対して、RDFによって、要素の分類項目「部位分類」「性別」「基本所見」「部位」「大きさ」「リンパ節への転移」「手術方法」「抗がん剤」をそれぞれ属性の項目とし、各属性に対して属性値「胃」「M」「胃がん」「胃角」「<1cm」「0/10」「全切除」「康楽液」がぞれぞれ関連付けられて記述されている。なお、単電子カルテ構造化データにおいて関連付けの対象となる属性の項目(属性項目)は、図5で示したものに限られず、例えば、他の属性項目を含めても良い。
【0082】
そして、データ構築部102では、1つの症例の、すなわち患者IDが共通する、単レポート構造化データ、単血液検査結果構造化データ、単退院サマリ構造化データ、及び単電子カルテ構造化データについて、多数の属性値を、属性項目毎に並べて相互に関連付け直してRDFで記述する処理を、全症例について行う。
【0083】
そして、この処理の結果として、複数の属性項目に含まれる属性項目毎に複数の属性値(ここでは、語句)が列挙されるとともに、各属性項目間で、各属性値どうしがネットワーク状に関連付けられた情報(以下「ネットワーク情報」とも称する)が作成される。このネットワーク情報は、所定の記憶部に記憶されることで、医療支援情報とされ、支援情報DB110が構築される。
【0084】
図6及び図7は、多数の既存医療情報に係る要素が構造化された例を示す図である。図6及び図7では、図示の関係上、全ての項目、要素を列挙することができないため、図6では、読影レポートに係る項目及び要素の部分に着目したネットワーク情報の一部を示しており、図7では、手術記録に係る項目及び要素の部分に着目したネットワーク情報の一部を示している。そして、図6では、部位分類「頭部(SKULL)」についてのネットワーク情報を例示しており、図7では、部位分類「胃」についてのネットワーク情報を例示している。
【0085】
図6及び図7では、関連付けられた語句どうしを線で結んで示している。なお、図6及び図7では、図の複雑化を避けるために、語句を適宜「○○○」等と記載するとともに、関連付けを示す線も図中の比較的上部に位置するものを例示して、その他の線は省略している。
【0086】
また、データ構築部102で、ネットワーク情報を作成する際には、各症例について、関連付けられた各項目間における語句の組合せの回数をカウントし、当該カウント情報を、支援情報DB110に格納しておく。例えば、「頭部−MRI−M−脳梗塞−T2,FLAIR像−前頭葉−高信号域−急性期脳梗塞−前大動脈の閉塞・・・」等と言った語句の組合せの回数がカウント情報に記憶される。
【0087】
支援情報DB110に格納されるネットワーク情報では、既存の医療情報において、どのような語句がそれぞれ記述されたのかを、各属性項目間で、複数の語句どうしが関連付けられた態様で示される。
【0088】
このため、例えば、医療情報を構成する要素の項目に、患者の状況と対処法を示す項目と、所定期間(例えば5年)後に根治したのか否かを示す項目とを含め、ネットワーク情報を可視的に出力して、実際に直面する症状や対処法と合致する要素の組合せを選択すると、根治するのか否か等といった結果の予測が統計的な値として提示されれば有効である。特に、各属性項目を選択肢の項目(選択要素項目)とし、各属性項目に列挙される複数の語句を選択する候補(選択肢)として、テンプレート表示の形態で提供できれば有効である。
【0089】
図8は、支援情報作成動作の動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、医療支援サーバ100において、医療支援機能を実現するためのプログラムが実行されることで実現される。
【0090】
ステップST1では、データ読込部101によって、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600のうちの何れかから、1つの症例についての1つの医療情報を読み込む。ここでは、例えば、読影レポート情報、血液検査結果情報、退院サマリ情報、及び電子カルテ情報(手術記録情報と問診票情報とを含む)の順に優先的に医療情報を読み込むようにしても良い。
【0091】
ステップST2では、データ構築部102の機能によって、ステップST1で読み込まれた1つの医療情報が構造化される。
【0092】
ステップST3では、データ読込部101によって、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600に格納されている全ての医療情報について構造化データが作成されたか否か判定する。ここで、全ての医療情報について構造化データが作成されていない場合には、ステップST1に戻り、次の医療情報を示すデータ等が読み込まれて構造化データが作成される。また、全ての医療情報について構造化データが作成された場合には、ステップST4に進む。
【0093】
ステップST4では、全ての医療情報についての構造化データに基づいて、ネットワーク情報が作成され、本動作フローが終了する。このとき、ネットワーク情報及びカウント情報を含む情報(関連情報)が作成され、支援情報DB110に格納される。
【0094】
ところで、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600に蓄積される医療情報は、新たな患者の症例が追加される度に増加する。この時間とともに更に蓄積されていく医療情報も過去の知識として利用できれば有効である。特に、これまでにない症例が新たに蓄積された場合には、過去の知識が更に進化するため、より有効である。そこで、医療情報提示システム1では、新たな症例(新入力情報)が追加される度に、図8で示した動作と同様な処理が、新たな症例に係る新入力情報について行われ、支援情報DB110の記憶内容に追加される。
【0095】
上記ように支援情報DB110に、症例ごとに一貫した情報が格納される。この情報を有効に表示及び統計的な数値として利用すれば、医療をサポートする強力な手段と成り得る。
【0096】
ここで、胃がんの切除手術の場合を例に挙げて考える。
【0097】
通常、胃がんの発見は自覚症状、バリウムや内視鏡検査等による。このような事案では、問診票や読影レポート等のデータが存在する。次のステップとして、胃がんの疑いがあれば内視鏡による精密検査が実施され、読影レポートが作成される。
【0098】
医師は、上記検査結果に基づき手術方法を決定し、胃の切除手術を行う。しかし、内視鏡による精密検査だけでは転移している範囲を特定することは困難であるため、手術中にサンプリングされる組織を顕微鏡等で検査しながら転移の見られる範囲を完全に切除するように努める。この手術及び組織検査の結果については、手術記録や組織検査データとして記録される。
【0099】
そして、がん細胞を完全に切除できた場合には、一定期間の経過観察後退院となり、退院サマリが作成される。一方、がん細胞が完全に切除できたという確信が持てない場合や完全切除ができなかった場合には抗がん剤を投与しつつ経過観察を行う。この場合も一旦退院となり退院サマリが作成される。但し、不幸にして一定期間後再発した場合は、再入院となり再手術が可能な場合は再手術が行われる。これらの経過を上述したデータ構築部102で患者毎に関連付けて、支援情報DB110に記録すると同時に、類似のデータや症例についても関連付けると、様々な解析が可能となる。
【0100】
例えば、胃の下部にがんが発見され、リンパ節に転移があった場合、胃の全切除を行った場合と下部のみ切除して抗がん剤を投与した場合の5年後の再発確率が統計的に参照できれば、有効である。更に、その年齢による層別や、性別や遺伝情報などによる層別、血液検査結果などのバイタルデータによる層別もできれば、有効な解析がより可能になる。
【0101】
以下、医療支援情報に基づいて医療を支援するための各種情報を提示する支援情報提示動作について、具体例を挙げつつ説明する。
【0102】
<支援情報提示動作>
図9は、支援情報提示動作の動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、医療支援サーバ100及び医療情報提示端末200のそれぞれにおいて、内臓されているROM等に格納されたプログラムをCPU等で実行することで実現される。例えば、医療情報提示端末200では、記憶部202に記憶されたプログラム(支援情報提示プログラム)を制御部201で実行する。
【0103】
ここでは、まず、医療情報提示端末200において、医師等のユーザーがキーボードやマウス等を含む操作部204を適宜操作することで、支援情報提示プログラムの実行が指示されると、図9で示す支援情報提示動作が開始され、図9のステップST11に進む。
【0104】
ステップST11では、患者の症状等の状況や対応策等の各種条件に係る項目が属する情報のカテゴリ(情報カテゴリ)を選択する画面(情報カテゴリ選択画面)が表示部203に表示される。
【0105】
図10は、情報カテゴリ選択画面G1の表示例を示している。情報カテゴリ選択画面G1では、「手術記録」「診療記録」・・・等といった医療情報のカテゴリ名が付された複数のボックスB1〜B5が上から順に空間順次に表示されている。そして、医師等のユーザーが操作部204を適宜操作することで、複数のボックスB1〜B5のうちの所望のカテゴリ名が付されたボックス(例えばボックスB1)に太枠カーソルCSを合わせて、決定ボタンDBにマウスポインタMPを合わせて左クリックすることで、所望の情報カテゴリを選択することができる。このとき、選択された情報カテゴリの情報は、医療情報提示端末200から医療支援サーバ100の支援情報検索部120に与えられる。
【0106】
ステップST12では、情報カテゴリ選択画面G1上で情報カテゴリが選択されたか否かが判定される。ここでは、情報カテゴリが選択されるまでステップST12の判定が繰り返され、情報カテゴリが選択されるとステップST13に進む。
【0107】
ステップST13では、患者の症状等の状況や対応策等の各種条件を指定するための画面(条件指定画面)が表示部203に表示される。ここでは、ステップST11からST12にかけて選択されて支援情報検索部120に入力された情報カテゴリの情報に応答して、支援情報検索部120からネットワーク情報に係る項目(すなわち医療情報を構成する項目)の情報が医療情報提示端末200に送られ、医療情報提示端末200において表示される条件指定画面で挙げられる項目に反映される。
【0108】
図11は、条件指定画面G2の表示例を示している。条件指定画面G2では、支援情報DB110に格納されるネットワーク情報に係る項目(すなわち医療情報を構成する項目)を指定する5つのプルダウン形式のメニューボックスK1〜K5が画面左方に上から順に空間順次に表示されている。また、指定された項目について、指定したい要素を入力する入力ボックスS1〜S5がメニューボックスK1〜K5の右方に対応された形態で表示されている。
【0109】
この条件指定画面G2では、医師等のユーザーが適宜操作部204を操作することで、メニューボックスK1〜K5に所望の項目を表示させ、その右方の入力ボックスS1〜S5に所望の要素を表示させた状態で、決定ボタンDBにマウスポインタMPを合わせて左クリックすることで、所望の項目について要素を指定した条件を指定することができる。
【0110】
ここで指定される条件は、支援情報DB110に格納されるネットワーク情報から条件に合致する一部のネットワーク情報を抽出するための条件(抽出条件)である。ここでは、抽出条件が指定されると、抽出条件を示す情報が、医療情報提示端末200から支援情報検索部120に与えられる。
【0111】
例えば、図11では、項目「部位」に「胃」を含む、項目「基本所見」に「がん、悪性腫瘍」を含む、といった項目と要素の組合せが抽出条件として指定される様子が示されている。
【0112】
ステップST14では、条件指定画面G2上で抽出条件が指定されたか否かが判定される。ここでは、抽出条件が指定されるまでステップST14の判定が繰り返され、抽出条件が指定されるとステップST15に進む。
【0113】
ステップST15では、患者の状態に応じた要素の組合せ条件の選択と、所望の項目を統計的な情報を可視的に出力する対象の項目(出力対象項目)とする項目の指定とを行うと、出力対象項目について統計的な情報を提示する画面(医療支援情報提示画面)を表示する。
【0114】
ここでは、支援情報検索部120が、医療情報提示端末200からの抽出条件の指定に応答して、支援情報DB110を検索し、全体ネットワーク情報から、抽出条件に対応する一部ネットワーク情報を抽出する。この際、支援情報検索部120は、支援情報DB110に格納されるカウント情報を参照することで、全体ネットワーク情報から、抽出条件を満たす一部ネットワーク情報を抽出する。カウント情報については、抽出される一部ネットワーク情報に対応する一部のカウント情報も抽出する。ここで、抽出される一部ネットワーク情報及び一部のカウント情報は、支援情報DB110に一時的に記憶される。
【0115】
なお、一部ネットワーク情報と一部のカウント情報とを適宜「一部関連情報」と総称し、一部ネットワーク情報及び一部のカウント情報については、それぞれ適宜「ネットワーク情報」及び「カウント情報」と略称する。そして、上記のようにして抽出された一部ネットワーク情報が、可視的に一覧表示されたテンプレート表示(医療支援情報提示画面)が提供される。
【0116】
図12は、医療支援情報提示画面G3を例示する図である。
【0117】
医療支援情報提示画面G3は、主に、画面左上部の領域(抽出条件表示領域)A1、画面中央部の領域(項目要素表示領域)A2、及び画面右方の領域(統計情報提示項目指定領域)A3によって構成される。
【0118】
抽出条件表示領域A1には、ステップST11からST12にかけて選択された情報カテゴリと、ステップST13からST14にかけて指定された抽出条件とが表示される。図12では、情報カテゴリ「手術記録」、抽出条件「胃がん」が表示されている。
【0119】
項目要素表示領域A2には、一部ネットワーク情報に係る項目すなわち絞り込まれた1以上の医療情報の項目が左から順に表示されている。図12では、左から順に、項目「部位」「大きさ」「リンパ節への転移」「手術方法」「抗がん剤」についての複数の要素F1〜F5がそれぞれ表示されている。
【0120】
具体的には、属性項目「部位」については、複数の要素(ここでは、語句「胃角」・・・「噴門」)F1が列挙される。属性項目「大きさ」については、複数の要素(ここでは数値「<1cm」・・・「4cm<」)F2が列挙される。属性項目「リンパ節への転移」については、複数の要素(ここでは、語句「0/10」・・・「5/10<」)F3が列挙される。属性項目「手術方法」については、複数の要素(ここでは、語句「全切除」・・・「・・・」)F4が列挙される。属性項目「抗がん剤」については、複数の要素(ここでは、語句「康楽液」・・・「BF−839」)F5が列挙される。
【0121】
項目要素表示領域A2に表示された5項目は、抽出条件に沿って全体ネットワーク情報から抽出された一部ネットワークに含まれる一部の項目である。項目要素表示領域A2で表示される複数の項目は、医療支援サーバ100で実行されるプログラムにより情報カテゴリ及び抽出条件に応じて決定される。例えば、ステップST11からST12にかけて選択された情報カテゴリ「手術記録」のうち、所定のルールに沿って、抽出条件に含まれる項目に属さない1以上の項目が項目要素表示領域A2に表示される。
【0122】
そして、項目要素表示領域A2では、5項目「部位」「大きさ」「リンパ節への転移」「手術方法」「抗がん剤」について、抽出条件に沿って抽出された一部ネットワーク情報に基づき、各項目間で、相互に関連付けられた語句どうしが線(ここでは、破線)によって結ばれた状態で表示される。このように、全体ネットワーク情報のうちの一部のネットワーク情報を一覧表示するテンプレート表示では、列挙される選択肢の数はある程度限定されているため、選択肢が見易くなる。
【0123】
項目要素表示領域A2にネットワーク情報が表示された状態で、医師等のユーザーが操作部204を適宜操作することで、項目毎に1つの要素に対して、マウスポインタMPを合わせて左クリックを行う動作を順次行うと、項目毎に、1つの要素を指定することができる。図12では、項目「部位」に対して要素「胃底」が、項目「大きさ」に対して要素「1−2cm」が、項目「リンパ節への転移」に対して要素「1−2/10」が、項目「手術方法」に対して要素「部分切除」が、項目「抗がん剤」に対して要素「康楽液」が指定されて、各指定された要素の表示が他の要素とは区別可能な態様(例えば、反転表示)で表示されるとともに、各指定された要素どうしが、実線で結ばれる。なお、各要素間を繋ぐ実線は、他の関連付けを示す表示要素と区別可能な態様であれば、実線以外の他の要素(連結要素)であっても良い。
【0124】
このようにして、医師等のユーザーの操作に応答して、一部ネットワーク情報に係る複数の項目のうちの項目要素表示領域A2に表示された全項目について、各項目にそれぞれ属する要素を選択することで、要素の組合せ条件(選択条件)を指定することができる。なお、ここでは、項目要素表示領域A2に表示された全項目に属する要素を選択したが、これに限られず、例えば、一部の項目又は1つの項目に属する要素を選択して、選択条件として指定しても良い。
【0125】
統計情報提示項目指定領域A3には、一部ネットワーク情報に係る複数の項目のうち、項目要素表示領域A2に表示されなかった1以上の項目(又は当該項目の統計的な表現を用いた項目)が上から順に列挙される。図12では、上から順に、項目「根治率」SF1、血液検査結果情報に係る4つの項目「中性脂肪」「肝機能」「腎機能」「血糖」SF2、及び問診票情報に係る4つの項目「喫煙の有無」「家族の病歴(がん)」「家族の病歴(糖尿病)」「家族の病歴(心臓疾患)」SF3がそれぞれ表示されている。
【0126】
この統計情報提示項目指定領域A3は、統計的な情報を可視的に出力することができる項目が列挙されているメニュー表示領域であり、領域A3に列挙される複数の項目のうちの所望の1つの項目に対して、マウスポインタMPを合わせて左クリックする動作を行うことで、統計的な情報を可視的に出力する対象の項目(出力対象項目)が指定される。図12では、項目「根治率」SF1が出力対象項目として指定されている状態が例示されている。
【0127】
ステップST16では、医療支援情報提示画面G3上で要素の組合せ(選択条件)及び統計情報を可視的に出力する対象となる項目(出力対象項目)が指定されたか否かが判定される。ここでは、選択条件及び出力対象項目が指定されるまでステップST16の判定が繰り返され、選択条件及び出力対象項目が指定されるとステップST17に進む。
【0128】
ここで、ステップST15からST16にかけて指定された選択条件及び出力対象項目は、医療情報提示端末200から出力され、支援情報検索部120が受け付ける。
【0129】
ステップST17では、支援情報検索部120が、支援情報DB110に格納される一部ネットワーク情報のうちの選択条件を満たす情報について、出力対象項目に係る統計情報を算出する。
【0130】
例えば、「根治率」を示す統計情報を算出する場合について説明する。上記の如く、一部ネットワーク情報のうちの選択条件を満たす症例の情報、すなわち要素の組合せ情報について、項目「根治」について要素「根治した」が関連付けられた要素の組合せの数と、要素「根治せず」が関連付けられた要素の組合せの数とを、一部カウント情報から求めることで、「根治率」を示す統計情報を算出することができる。
【0131】
ステップST18では、ステップST17で支援情報検索部120によって算出された統計情報を医療支援情報提示画面G3に可視的に提示(表示)する。図12では、根治率を示す円グラフDDが表示されている例が示されている。
【0132】
医師等のユーザーは、図12に示す医療支援情報提示画面G3を見ると、「胃底に1〜2cmの大きさの胃がんが有る場合であって、リンパ節への転移がサンプリング10箇所中1〜2箇所で検出される状態で、部分切除の手術を行って、その後抗がん剤として康楽液を投与した」といった条件下で、5年後の根治率(すなわち根治割合)が85%であることが分かる。
【0133】
このように、検査結果等を踏まえた患者の症状の条件と手術方法や治療方法等の組合せを指定することで、その経過予測に当たる根治率が分かれば、手術及び治療方針の決定を的確に行うことができる。
【0134】
また、医療チームに属する他のメンバーを説得する科学的な資料としても有効的に使用することができる。例えば、検査情報及び治療方法と、検査情報及び治療方法の組合せに対応する経過予測を示す統計情報を効率良く利用するために、医療支援情報提示画面G3上に、登録メンバーへの送信を指示するボタンを設け、マウスポインタMPを合わせて左クリックすることで、医療情報提示端末200から予め登録されたメンバーの端末201〜203に対して、検査情報及び治療方法と、この組合せに対応する経過予測を示す統計情報とを配信するようにしても良い。
【0135】
具体的には、医療情報提示端末200の電子メールの機能を利用して、所定のメーリングリストにメンバーを登録しておいて、登録メンバーへの送信を指示すると、電子メールに情報を添付して、メンバーが使用する通信機器である端末201〜203に対して配信するようにすれば良い。
【0136】
このような構成を採用すると、例えば、手術及び治療方針を決定するカンファレンスに先立って、医療チームを構成するメンバーにカンファレンスに関する科学的な情報を事前提示することができる。なお、この配信動作は、所定期間、選択条件又は出力対象項目が変更されなかった場合などの所定の条件を満たすことで、自動的に実行されるようにしても良い。
【0137】
また、医療支援情報提示画面G3上で提示される統計情報は、患者への説明資料としても、説得力のあるものとして有効利用することができる。
【0138】
ステップST19では、医療支援情報提示画面G3上で、医師等のユーザーによる操作部204の操作に応答して、選択条件又は出力対象項目の指定が変更されたか否かを判定する。ここで、選択条件又は出力対象項目の指定が変更されるまで、ステップST19の判定を繰り返し、選択条件又は出力対象項目の指定が変更されると、ステップST17に戻り、新たな選択条件下における出力対象項目に係る統計情報を算出して(ステップST17)、当該統計情報を医療支援情報提示画面G3上に表示する(ステップST18)。
【0139】
図13では、図12と同じ選択条件下で、「家族の病歴(がん)」が出力対象項目として指定された際の医療支援情報提示画面G3が示されている。この場合には、一部ネットワーク情報のうちの選択条件を満たす症例の情報、すなわち要素の組合せ情報について、項目「家族の病歴(がん)」について、要素「あり」が関連付けられた要素の組合せの数と、要素「なし」が関連付けられた要素の組合せの数とを、一部カウント情報から求めることで、「家族の病歴(がん)」である確率(すなわち割合)を示す統計情報を算出することができる。そして、図13では、「家族の病歴(がん)」である確率を示す円グラフDD1が表示されている例が示されている。
【0140】
医師等のユーザーは、図13に示す医療支援情報提示画面G3を見ると、「胃底に1〜2cmの大きさの胃がんが有る場合であって、リンパ節への転移がサンプリング10箇所中1〜2箇所で検出される状態で、部分切除の手術を行って、その後抗がん剤として康楽液を投与した」といった条件下で、家族ががんになったことのある人の割合が85%であることが分かる。
【0141】
以上のように、本発明の実施形態に係る医療情報提示システム1では、支援情報DB110内に、患者に関する医療情報を構成する複数要素の項目に含まれる各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が、相互に関連付けられた情報(関連情報)を格納して準備しておく。そして、表示部203に表示される医療支援情報提示画面G3において、医師等のユーザー操作に応答して、1以上の要素を選択する選択条件と、出力対象項目とが指定され入力される。すると、関連情報のうちの選択条件を満たす情報について、出力対象項目についての統計情報が表示部203において可視的に出力される。このため、過去の医療上の経験則を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0142】
また、新たに入力される患者の症例に関する医療情報に基づいて、各項目間における要素どうしの関連付けを示す情報を追加する。このような構成を採用することで、支援情報DB110に格納されるネットワーク情報を更新するため、時を経る毎に変化する知識を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。なお、このようなネットワーク情報の更新は、新たな医療情報が追加される度に随時行われても良いし、所定周期で行われるようにしても良い。なお、このようなネットワーク情報の更新が行われた場合に、カンファレンスに参加する医療チームのメンバーに配信された資料が、最新のネットワーク情報を反映したものに変更されて再配信されても良い。
【0143】
また、医療支援情報提示画面G3では、患者に関する医療情報を構成する複数要素の項目に含まれる各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が、相互に関連付けられた一覧表示が行われる。このような構成により、医師等のユーザーが一覧表示を参照することで選択条件を容易に指定することができる。特に、本実施形態では、医師等のユーザーによって指定された抽出条件に対応する一部ネットワーク情報を抽出して、当該一部ネットワーク情報に係る一覧表示を行うため、ある程度絞り込まれて見易くなったネットワーク情報の一覧表示から更に容易に選択条件を指定することができる。
【0144】
また、ネットワーク情報をRDFで記述することで、容易にネットワーク情報を記述することができる。
【0145】
また、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600に格納される複数の医療情報を対象として、言語処理を含む所定の情報処理を施すことで、各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が、相互に関連付けられたネットワーク情報が生成される。このため、過去に蓄積された医療情報を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0146】
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0147】
◎例えば、上記実施形態では、手術記録情報に係る項目について要素の組合せを選択条件とした例を挙げて説明したが、種々の情報に係る項目について要素の組合せを選択条件として指定する態様が考えられる。
【0148】
以下、情報カテゴリ選択画面G1における情報カテゴリの選択のバリエーション、条件指定画面G2における抽出条件の指定のバリエーション、医療支援情報提示画面G3の表示、選択条件及び出力対象項目の指定のバリエーションについて説明する。
【0149】
<(1)腫瘍マーカーに係る統計情報を提示する場合>
支援情報DB110を利用すると、特に血液検査結果を含むバイタルデータ等について、正常値と異常値との閾値を統計的に求めたり、その統計的情報を提示して診断に利用することもできる。
【0150】
図14は、バイタルデータに係る統計的情報を提示する医療支援情報提示画面G13を例示する図である。
【0151】
医療支援情報提示画面G13は、上記実施形態の医療支援情報提示画面G3に対応するものであり、主に、画面左上部の領域(抽出条件表示領域)A11、画面右方の領域(項目要素表示領域)A12、及び画面左方の領域(統計情報提示項目指定領域)A13によって構成される。抽出条件表示領域A11、項目要素表示領域A12、及び統計情報提示項目指定領域A13は、それぞれ抽出条件表示領域A1、項目要素表示領域A2、及び統計情報提示項目指定領域A3に対応するが、ここでは、上記実施形態とは条件が異なるため、表示されている情報の内容も異なっている。
【0152】
以下、医療支援情報提示画面G13における情報の表示内容について説明する。
【0153】
抽出条件表示領域A11には、情報カテゴリ選択画面G1で選択された情報カテゴリと、条件指定画面G2で指定された抽出条件とが表示されている。図14では、情報カテゴリ「血液検査結果」、抽出条件「胃がん」が表示されている。
【0154】
項目要素表示領域A12には、一部ネットワーク情報に係る項目すなわち絞り込まれた1以上の医療情報の項目が左から順に表示されている。図14では、左から順に、項目「部位」「大きさ」「リンパ節への転移」についての複数の要素F1〜F3がそれぞれ表示されている。複数の要素F1〜F3では、図12の要素F1〜F3と同様な要素が列挙されている。
【0155】
なお、項目要素表示領域A12に表示された3項目は、抽出条件に沿って全体ネットワーク情報から抽出された一部ネットワークに含まれる一部の項目である。項目要素表示領域A12で表示される複数の項目は、医療支援サーバ100で実行されるプログラムにより情報カテゴリ及び抽出条件に応じて決定される。
【0156】
項目要素表示領域A12にネットワーク情報が表示された状態で、医師等のユーザーが操作部204を適宜操作することで、項目毎に1つの要素に対してマウスポインタMPを合わせて左クリックを行う動作を順次行うことで、項目毎に1つの要素を指定することができる。
【0157】
図14では、項目「部位」に対して要素「胃底」が、項目「大きさ」に対して要素「1−2cm」が、項目「リンパ節への転移」に対して要素「1−2/10」が指定されて、各指定された要素の表示が他の要素とは区別可能な態様(例えば、反転表示)で表示されているとともに、各指定された要素どうしが、実線で結ばれている。
【0158】
統計情報提示項目指定領域A13には、上から順に、項目「脂質」「糖代謝」「肝機能」「腎機能」「炎症」「貧血」「腫瘍マーカー(CEA)」「腫瘍マーカー(AFP)」「腫瘍マーカー(CA−19−9)」が表示されている。
【0159】
そして、統計情報提示項目指定領域A13に列挙される複数の項目のうちの所望の1つの項目に対して、マウスポインタMPを合わせて左クリックする動作を行うことで、統計的な情報を可視的に出力する対象の項目(出力対象項目)が指定される。図14では、項目「腫瘍マーカー(CEA)」が出力対象項目として指定されている状態が例示されている。
【0160】
例えば、項目「腫瘍マーカー(CEA)」が出力対象項目の場合、一部ネットワーク情報のうちの選択条件を満たす症例の情報、すなわち要素の組合せ情報について、項目「腫瘍マーカー(CEA)」に属する要素である数値を参照することで、項目「腫瘍マーカー(CEA)」について数値と出現頻度との関係を算出する。そして、図14では、算出された「腫瘍マーカー(CEA)」について数値と出現頻度との関係が、横軸を数値、縦軸を頻度として、分布図DD2において可視的に提示(表示)された例が示されている。なお、分布図DD2では、選択条件を満たす症例に該当する統計的情報と、比較のために、特に胃がんが認められなかった場合の「腫瘍マーカー(CEA)」の数値と頻度との関係が併せて示されている。
【0161】
このような、分布図DD2を参照することで、医師等のユーザーは、例えば、「腫瘍マーカー」等の統計的な数値情報から、現在の患者の具体的な症状を予測することもできる。
【0162】
<(2)問診票と遺伝的発病確率を利用する場合>
上述したように、支援情報DB110には、問診票情報を構成する項目とその項目に属する要素の情報が記憶されている。
【0163】
一般に、問診票には、家族の病歴が記載されるが、この情報を支援情報DB110に含ませることで、更に様々な患者の解析や対策の採用を行うことができる。特に、高血圧や糖尿病等といった遺伝的要素の強い病状に対しては、適宜選択条件を指定して、統計的な情報を参照することで、予防的な治療等が可能になる。
【0164】
以下、問診票に係る情報を利用した統計的情報を提示する具体例を挙げて説明する。
【0165】
図15は、条件指定画面G22の表示例を示している。条件指定画面G22は、上記実施形態の条件指定画面G2と比較して表示内容が異なっている。そこで、主に表示内容について以下説明する。
【0166】
条件指定画面G22では、支援情報DB110に格納されるネットワーク情報に係る項目(ここでは診療記録を構成する項目)を指定する5つのプルダウン形式のメニューボックスK21〜KK25が画面左方に上から順に空間順次に表示されている。また、指定された項目について、指定したい要素を入力する入力ボックスS21〜S25がメニューボックスK21〜K25の右方にそれぞれ対応された形態で表示されている。
【0167】
この条件指定画面G22では、医師等のユーザーが適宜操作部204を操作することで、メニューボックスK21〜K25に所望の項目を表示させ、その右方の入力ボックスS21〜S25に所望の要素を表示させた状態で、決定ボタンDB2にマウスポインタMPを合わせて左クリックすることで、所望の項目について要素を指定した条件を指定することができる。
【0168】
ここで指定される条件は、支援情報DB110に格納されるネットワーク情報から条件に合致する一部のネットワーク情報を抽出するための条件(抽出条件)である。ここでは、抽出条件が指定されると、抽出条件を示す情報が、医療情報提示端末200から支援情報検索部120に与えられる。
【0169】
例えば、図15では、項目「問診票」に「家族にがん」を含む、項目「診察記録」に「胃がん」を含む、といった項目と要素の組合せが抽出条件として指定される様子が示されている。
【0170】
図16は、項目「問診票」に「家族にがん」を含む、項目「診察記録」に「胃がん」を含む、といった項目と要素の組合せを抽出条件とした場合に表示される医療支援情報提示画面G23を示している。
【0171】
医療支援情報提示画面G23は、上記実施形態の医療支援情報提示画面G3に対応するものであり、抽出条件表示領域A1、項目要素表示領域A2、及び統計情報提示項目指定領域A3が同様に配置されている。但し、上記実施形態とは条件が異なるため、表示されている情報の内容が異なっている。
【0172】
以下、医療支援情報提示画面G23における情報の表示内容について説明する。
【0173】
抽出条件表示領域A1には、「診療記録に胃がん」、「問診票に家族にがん」といった抽出条件が表示されている。
【0174】
項目要素表示領域A2には、一部ネットワーク情報に係る項目すなわち絞り込まれた1以上の医療情報の項目が左から順に表示されている。図16では、左から順に、項目「問診票」「部位」「大きさ」「リンパ節への転移」についての複数の要素F21〜F25がそれぞれ表示されている。なお、項目「問診票」については、本人との続柄を示す複数の要素F21、及び病歴を示す複数の要素F22が表示されている。具体的には、複数の要素F21では、本人との続柄を示す要素「父」「母」「祖父」「祖母」「兄」が列挙され、病歴を示す複数の要素F22では、「胃がん」「肝臓がん」「大腸がん」「食道がん」「乳がん」が列挙されている。また、複数の要素F23〜F25には、図12の複数の要素F1〜F3と同様な要素が列挙されている。
【0175】
項目要素表示領域A2にネットワーク情報が表示された状態で、医師等のユーザーが操作部204を適宜操作することで、複数の要素F21〜F25の5つの要素群にそれぞれ属する1つの要素に対して、マウスポインタMPを合わせて左クリックを行う動作を順次行うことで、項目毎に1つの要素を指定することができる。
【0176】
図16では、項目「問診票」に対して要素「父」及び「胃がん」が、項目「部位」に対して要素「胃底」が、項目「大きさ」に対して要素「1−2cm」が、項目「リンパ節への転移」に対して要素「1−2/10」が指定されて、各指定された要素の表示が他の要素とは区別可能な態様(例えば、反転表示)で表示されているとともに、各指定された要素どうしが、実線で結ばれている。
【0177】
統計情報提示項目指定領域A3には、上から順に、項目「根治率」SF21、血液検査結果情報に係る9つの項目「脂質」「糖代謝」「肝機能」「腎機能」「炎症」「貧血」「腫瘍マーカー(CEA)」「腫瘍マーカー(AFP)」「腫瘍マーカー(CA−19−9)」SF22がそれぞれ表示されている。
【0178】
そして、統計情報提示項目指定領域A3に列挙される複数の項目のうちの所望の1つの項目に対して、マウスポインタMPを合わせて左クリックする動作を行うことで、統計的な情報を可視的に出力する対象の項目(出力対象項目)が指定される。図16では、項目「根治率」SF21が出力対象項目として指定され、根治率を示す円グラフDD3が表示されている状態が例示されている。
【0179】
ユーザーは、図16に示す医療支援情報提示画面G3を見ると、「父が胃がんであって、胃底に1〜2cmの大きさの胃がんが有る場合であって、リンパ節への転移がサンプリング10箇所中1〜2箇所で検出される」といった条件下で、5年後の根治率が85%であることが分かる。
【0180】
このように、問診票等を踏まえた患者の状況等の条件の組合せを指定することで、その経過予測に当たる根治率が分かれば、手術及び治療方針の決定を的確に行うことができる。例えば、父が胃がんになっていたら根治率に差があった場合には、遺伝的な情報を踏まえた上での対策を採用することができる。
【0181】
また、図17に示すように、医療支援情報提示画面G23において、例えば、項目「腫瘍マーカー(CEA)」が出力対象項目として指定された場合、一部ネットワーク情報のうちの選択条件を満たす症例の情報、すなわち要素の組合せ情報について、項目「腫瘍マーカー(CEA)」に属する要素である数値を参照することで、項目「腫瘍マーカー(CEA)」について数値と出現頻度との関係を算出する。そして、図17では、算出された「腫瘍マーカー(CEA)」について数値と出現頻度との関係が、横軸を数値、縦軸を頻度として、分布図DD4において可視的に提示(表示)された例が示されている。なお、分布図DD4では、図14の分布図DD2と同様に、選択条件を満たす症例に該当する統計的情報と、比較のために、特に胃がんが認められなかった場合の「腫瘍マーカー(CEA)」の数値と頻度との関係が併せて示されている。
【0182】
このような、分布図DD4を参照することで、ユーザーは、例えば、現在の患者の「腫瘍マーカー」の数値と、統計的な数値情報とから、現在の患者の状況を予測することもできる。
【0183】
また、将来的には、DNA等を用いた遺伝子情報の検査結果といった直接的な遺伝情報を医療情報に含ませることで、支援情報DB110に格納される情報を充実化させて、選択条件を適宜指定することで、遺伝情報と症例との関係を定量的に参照することができるようにしても良い。このような構成とすると、更に科学的な根拠を得て、適切な治療や対策を採用することができる。
【0184】
<(3)再入院した際に問診票と遺伝的発病確率を利用する場合>
一般に、1つの症例について、1回目に入院した場合よりも、2回目に入院した場合の方が根治率が低い。以下、支援情報DB110に格納される医療情報に含まれる診療記録に再入院を示す情報の要素が属する場合について説明する。
【0185】
図18は、条件指定画面G32の表示例を示している。条件指定画面G32は、上記実施形態の条件指定画面G2と比較して表示内容が異なっている。そこで、主に表示内容について以下説明する。
【0186】
条件指定画面G32では、支援情報DB110に格納されるネットワーク情報に係る項目(ここでは診療記録を構成する項目)を指定する5つのプルダウン形式のメニューボックスK31〜KK35が画面左方に上から順に空間順次に表示されている。また、指定された項目について、指定したい要素を入力する入力ボックスS31〜S35がメニューボックスK31〜K35の右方にそれぞれ対応された形態で表示されている。
【0187】
この条件指定画面G32では、医師等のユーザーが適宜操作部204を操作することで、メニューボックスK31〜K35に所望の項目を表示させ、その右方の入力ボックスS31〜S35に所望の要素を表示させた状態で、決定ボタンDB3にマウスポインタMPを合わせて左クリックすることで、所望の項目について要素を指定した条件を指定することができる。
【0188】
ここで指定される条件は、支援情報DB110に格納されるネットワーク情報から条件に合致する一部のネットワーク情報を抽出するための条件(抽出条件)である。ここでは、抽出条件が指定されると、抽出条件を示す情報が、医療情報提示端末200から支援情報検索部120に与えられる。
【0189】
例えば、図18では、項目「問診票」に「家族にがん」を含む、項目「退院サマリ」に「胃がん」を含む、項目「診察記録」に「再入院、がん」を含む、といった項目と要素の組合せが抽出条件として指定される様子が示されている。
【0190】
図19は、項目「問診票」に「家族にがん」を含む、項目「退院サマリ」に「胃がん」を含む、項目「診察記録」に「再入院、がん」を含む、といった項目と要素の組合せを抽出条件とした場合に表示される医療支援情報提示画面G33を示している。
【0191】
図19に示す医療支援情報提示画面G33では、図16で示した医療支援情報提示画面G23と比較して、項目「診察記録」に属する要素「再入院」が抽出条件に加えられたために、同様な選択条件が指定された場合であっても、根治率が85%から45%へと低下している統計情報が可視的に提示されている。また、図20に示す医療支援情報提示画面G33では、図17で示した医療支援情報提示画面G23と比較して、同様な選択条件が指定された場合であっても、再入院という条件の追加によって、項目「腫瘍マーカー(CEA)」に係る分布図が変化している様子が提示されている。
【0192】
このように、医療情報に再入院か否かといった情報を加えることで、更に、患者の症状を解析する際及び手術や治療方法を決定する際に参考となる情報を提示することができる。
【0193】
◎また、上記実施形態では、患者に関する医療情報に家族の病歴を加えていたが、これに限られず、例えば、患者本人及び家族のうちの少なくとも一方の病歴を示す情報を含むようにしても良い。このような構成を採用すると、カンファレンス等を行う際に、本人の情報も含めた遺伝的発病確率を考慮して、医療をサポートする情報(発病の可能性等)を提示することができる。
【0194】
◎また、上記実施形態では、患者に関する医療情報に含まれる情報として、血液検査結果情報、退院サマリ情報、手術記録情報、問診票情報、及び電子カルテ情報を挙げて説明したが、これに限られず、例えば、任意の症例に対して、発症した患者に関する属性情報、発症した患者の検査情報、未発症の患者の検査情報、治療方法を示す情報、及び治癒度合いを示す情報のうちの1以上の情報を含むようにしても良い。このような構成とすることで、様々な過去の医療上の経験則を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0195】
また、検査情報の内容として、X線撮影して得られた画像等の各種画像、読影レポートに代表される各種レポート、血液検査に代表される生体検査に係る検査結果を適宜含ませるようにしても良い。
【0196】
◎また、上記実施形態では、選択条件を指定して、提示される統計的な情報を参照することで、医師等のユーザーが、手術や治療の方針を決定したり、統計的な情報をカンファレンスに採用したが、これに限られず、例えば、患者を前に、当該患者の症状に対応する選択条件を適宜指定して、統計的な情報を提示することで、患者に対して手術や治療方針に対する同意を求めるインフォームドコンセントの参考資料として利用することもできる。
【0197】
ここで、支援情報DB110をインフォームドコンセントに利用する例について説明する。
【0198】
例えば、胃がんについては、胃の上部を残して切除手術する方が消化機能が温存されるので手術後の回復が早いが、抗がん剤による副作用や再発リスクが予想される。このような事項について、インフォームドコンセントを行う際に、選択条件を適宜指定することで、同様な症例を有する患者について抗がん剤による副作用が発生した確率や再発した確率を統計的かつ定量的に患者に対して提示することができる。このような統計的かつ定量的な情報を患者に対して提示すると、患者は手術や治療方法に対して判断を下しやすくなる。
【0199】
また、出力対象項目とすることができる項目に項目「症状の経過」「治療期間」「費用」の少なくとも1以上の項目を含ませ、項目「手術方法」や項目「抗がん剤」等といった項目について手術方法や治療方法に係る要素を選択条件として指定することで、同様な症例に係る患者の症状の経過、治療期間、及び手術や治療に要した費用を示す統計的な情報を提示することができるようにすれば、インフォームドコンセントに有用な情報を容易に提示することができるようになる。
【0200】
更に、出力対象項目とすることができる項目に項目「副作用」「費用とコースとの関係」を含ませると、副作用のリスクや、手術や治療のコースと費用等といった情報を参照しながら、インフォームドコンセントを進行することができる。
【0201】
同様な例として、乳がんについては、乳房の切除を行った場合と、抗がん剤の投与と放射線治療とを併用した場合の根治率について、患者は、情報カテゴリ及び選択条件を適宜指定することで、病巣の位置、大きさ、年齢、遺伝情報、バイタルデータ等による層別した統計データに基づいて治療方法を選択同意することが出来る。
【0202】
◎また、患者に関する医療情報を構成する複数の要素項目として、例えば、患者の症状の経過及び状態の変化のうちの少なくとも一方の項目を含むようにしても良い。例えば、脳梗塞で倒れて入院したが、突然容態が急変して血管が破裂して、脳出血を発症して亡くなったというような情報を医療情報に加える。このような構成とすることで、患者の症状が急変した際にも、過去の医療上の経験則を有効利用して、医療をサポートする情報を提示することができる。
【0203】
◎また、上記実施形態では、医療支援情報提示画面G3上において、選択条件及び出力対象項目を指定すると、出力対象項目に係る統計的な情報を算出したが、これに限られず、例えば、医療情報を構成する複数の要素の項目のうち、根治率等、統計的な情報の提示が求められる頻度が高いと予測される所定の項目に係る統計情報については、全部又は指定頻度の高い所定数の選択条件毎に統計的な情報を予め算出しておいて、支援情報DB110内の関連情報に含ませるようにしても良い。このような構成を採用すると、所定の項目については、統計情報をより速く提示することができる。
【0204】
◎また、上記実施形態では、統計情報の見せ方として、割合(確率)を示す円グラフ、数値の分布を示したグラフを表示したが、これに限られず、例えば、数値の分散をプロットしたグラフ等を表示するようにしても良い。すなわち、統計的な情報として、割合、分布、及び分散のうちの何れか1つの統計的な情報を可視的に提示するようにすれば、上記実施形態と同様な効果を得ることができ、ユーザーに対して分かり易く統計的な情報を提示することができる。
【0205】
◎また、上記実施形態では、医療支援情報提示画面G3において、選択条件を指定するために、ネットワーク情報を一覧表示したが、これに限られず、例えば、一部ネットワーク情報に含まれる複数の項目について、1つの項目に属する要素を選択すると、次の項目に属する要素を選択することができるといった、各項目について順次要素を選んでいけるようにしても良い。但し、ネットワーク情報を一覧表示した方が、各項目に属する要素を選択し易く、操作性が良い。
【0206】
◎また、上記実施形態では、支援情報DB110において、各項目に属する複数の要素としての複数の語句(フレーズを含む)が各項目間で相互に関連付けられて格納されたが、これに限られず、例えば、レポート等の医療情報に図や画像等の語句以外の要素を含ませた場合に、各項目に属する複数の要素に、複数の図や画像等といった語句以外の要素を含めても良い。
【0207】
例えば、項目「部位」について、複数の要素である語句を表示する代わりに、複数の要素に対応する部位を示す複数の図をそれぞれ採用しても良い。例えば、脳の3つの部位フレーズ「左前頭葉」「右前頭葉」「両側前頭葉」を、図21に示すような図で表現しても良い。このように、複数の語句の代わりに、図21に示すような図を用いると、直感的に部位を選択し易くなる。
【0208】
なお、図21に示す図の代わりに、脳の全体図が表示され、当該脳が「左前頭葉」「右前頭葉」等の詳細な部位に分割されており、この図上で、マウスポインタ等によって詳細な部位を指定することができるようにしても良い。
【0209】
また、部位を示す図や画像等としては、図21等に示したものに限られず、例えば、図22に示すような肺の部位を示す図等、種々の部位を示す図や画像等を採用することができる。
【0210】
また、項目「大きさ」について、例えば、がんや梗塞等のサイズを指定したい場合があるが、この場合、図23に示すようなサイズ(ここでは、図中黒丸部によって特定)を示す図を採用するようにしても良い。例えば、「1−2cm」といった語句の代わりに、図23に示すような図を採用しても良い。
【0211】
このように、支援情報DB110において、図等を含めて各項目に属する複数の要素を各項目間で相互に関連付けるとき、例えば、支援情報DB110に格納される全体ネットワーク情報をRDFで記述するものとすると、図の情報そのものは別途記憶させておきつつ当該図をURLを用いて記述することで、語句と図の情報とを関連付けることができる。なお、このような支援情報DB110に格納される情報に図等の情報を盛り込むためには、既存の医療情報を解析して、医療情報を構成する各要素を関連付けて構造化する際に、図等の情報を抽出して関連付ける必要性がある。
【0212】
この手法としては、まず機械学習において、学習用コーパスに各種図の情報を追加した教師データを準備して機械学習を行うようにすれば良い。そして、機械学習した情報を用いて、既存の医療情報を解析する際にも、各項目について、語句の抽出を行うとともに、パターンマッチング等の手法を用いて、図の情報も抽出して、図も含めた各構造化データを作成することができる。
【0213】
◎また、上記実施形態では、病院内のネットワーク回線NTW等によって医療支援サーバ100と、医療情報提示端末200、端末201〜203、RIS300、血液検査情報サーバ400、退院サマリ情報サーバ500、及び電子カルテ情報サーバ600とが相互にデータ送受信可能に接続され、医療支援サーバ100から各端末200〜203において医療情報に係る統計的な情報を得ることができたが、これに限られず、例えば、図24に示すように、医療支援サーバ100を医療を支援する情報を提供する業者や特定の病院が有し、当該医療支援サーバ100にインターネット回線IN等を通じて各病院の医師が医療情報提示端末200と同様な端末200A〜200Eでアクセスして、支援情報提示動作を実現することができる医療情報提示システム1Aとしても良い。
【0214】
なお、図24では、医療支援サーバ100における支援情報DB110の作成に係る構成が省略されているが、上記実施形態と同様な手法で支援情報DB110を作成することができる。また、このとき、医療支援サーバ100を有する業者等が、各病院等の医療情報を保管するサービスを提供するようにしても良い。
【0215】
◎また、上記実施形態では、抽出条件、選択条件、出力対象項目等の指定を操作部204を操作することで実現したが、これに限られず、例えば、ユーザーが発する音声を認識して、抽出条件、選択条件、出力対象項目等の指定を行えるようにしても良い。
【0216】
◎また、上記実施形態では、情報カテゴリ選択画面G1で情報カテゴリを選択したが、これに限られず、例えば、情報カテゴリを選択しなくても、条件指定画面G2が表示されるようにしても良いし、例えば、情報カテゴリを選択せず、更に、抽出条件を指定しなくても、医療支援情報提示画面G3が表示されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】本発明の実施形態に係る医療情報提示システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る医療情報提示システムにおける情報の流れを示す図である。
【図3】関連情報の生成及び医療支援情報の提示に係る機能構成を示すブロック図である。
【図4】読影レポートに係る要素が構造化された例を示す図である。
【図5】手術記録に係る要素が構造化された例を示す図である。
【図6】多数の読影レポートに係る要素が構造化された例を示す図である。
【図7】多数の手術記録に係る要素が構造化された例を示す図である。
【図8】支援情報生成動作の動作フローを示すフローチャートである。
【図9】支援情報提示動作の動作フローを示すフローチャートである。
【図10】情報カテゴリ選択画面を例示する図である。
【図11】条件指定画面を例示する図である。
【図12】医療支援情報提示画面の表示例を示す図である。
【図13】医療支援情報提示画面の表示例を示す図である。
【図14】変形例に係る医療支援情報提示画面の表示例を示す図である。
【図15】変形例に係る条件指定画面を例示する図である。
【図16】変形例に係る医療支援情報提示画面の表示例を示す図である。
【図17】変形例に係る医療支援情報提示画面の表示例を示す図である。
【図18】変形例に係る条件指定画面を例示する図である。
【図19】変形例に係る医療支援情報提示画面の表示例を示す図である。
【図20】変形例に係る医療支援情報提示画面の表示例を示す図である。
【図21】変形例に係る表示要素を例示する図である。
【図22】変形例に係る表示要素を例示する図である。
【図23】変形例に係る表示要素を例示する図である。
【図24】変形例に係る医療情報提示システムの概要を示す図である。
【符号の説明】
【0218】
1,1A 医療情報提示システム
100 医療支援サーバ
101 データ読込部
102 データ構築部
110 支援情報DB
120 支援情報検索部
200 医療情報提示端末
201〜203,200A〜200E 端末
201 制御部
202 記憶部
203 表示部
204 操作部
300 RIS
400 血液検査情報サーバ
500 退院サマリ情報サーバ
600 電子カルテ情報サーバ
610 手術記録情報サーバ
620 問診票情報サーバ
IN インターネット回線
NTW ネットワーク回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提示システムであって、
患者に関する医療情報を構成する複数要素の項目に含まれる各項目間で、当該各項目にそれぞれ属する各要素が相互に関連付けられた関連情報を記憶する関連情報データベースと、
ユーザーの操作に応答して、前記複数要素の項目に含まれる1つの項目に属する要素、又は前記複数要素の項目に含まれる一部の複数の項目にそれぞれ属する要素の組合せ、を示す選択条件を受け付ける条件受付手段と、
ユーザーの操作に応答して、前記複数要素の項目から出力対象項目を指定する指定手段と、
前記関連情報のうちの前記選択条件を満たす情報について、前記出力対象項目に係る統計情報を可視的に出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報提示システム。
【請求項2】
請求項1に記載された情報提示システムであって、
前記患者に関する医療情報が、
任意の症例に対して、発症した患者に関する属性情報、発症した患者の検査情報、未発症の患者の検査情報、治療方法を示す情報、及び治癒度合いを示す情報のうちの1以上の情報を含むことを特徴とする情報提示システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された情報提示システムであって、
前記患者に関する医療情報が、
患者本人及び当該患者本人の家族に含まれる1人以上の病歴を示す情報を含むことを特徴とする情報提示システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された情報提示システムであって、
前記選択条件が、
検査情報及び治療方法に係る複数要素の項目に属する要素の組合せを示し、
前記統計情報が、
経過予測に係る統計情報を含み、
前記選択条件と前記出力対象項目と前記経過予測に係る統計情報とを示す情報を、所定の通信機器に対して配信する配信手段、
を更に備えることを特徴とする情報提示システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載された情報提示システムであって、
前記複数要素の項目が、
患者の症状の経過及び状態の変化のうちの少なくとも一方についての項目を含むことを特徴とする情報提示システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載された情報提示システムであって、
前記各項目間における当該各項目に属する要素どうしの関連に対応する入力情報を受け付ける情報受付手段と、
前記入力情報に基づき、前記関連情報に対して、前記各項目に属する要素どうしの関連を示す情報を追加することで、前記関連情報データベースを更新する情報更新手段と、
を更に備えることを特徴とする情報提示システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載された情報提示システムであって、
前記選択条件が、
手術方法及び治療方法に係る1以上の要素の項目に属する要素を示し、
前記出力対象項目が、
患者の症状の経過、期間、及び費用に係る1以上の項目を含み、
前記出力手段が、
前記選択条件を可視的に出力することを特徴とする情報提示システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載された情報提示システムであって、
前記出力手段が、
前記関連情報に基づき、前記各項目間で当該各項目に属する複数の要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報の一覧表示を可視的に出力することを特徴とする情報提示システム。
【請求項9】
請求項8に記載された情報提示システムであって、
ユーザーによる抽出条件の指定に応答して、前記関連情報から、当該抽出条件に対応する一部関連情報を抽出する情報抽出手段、
を更に備え、
前記出力手段が、
前記一部関連情報に基づき、前記各項目間で当該各項目に属する複数の要素どうしがネットワーク状に関連付けられたネットワーク情報の一覧表示を可視的に出力することを特徴とする情報提示システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載された情報提示システムであって、
前記関連情報が、
RDFで記述された情報を含むことを特徴とする情報提示システム。
【請求項11】
請求項10に記載された情報提示システムであって、
複数の患者に関する医療情報を格納する医療情報データベースと、
前記複数の患者に関する医療情報を対象として言語処理を含む所定の情報処理を施すことで、前記関連情報を生成する情報生成手段と、
を更に備えることを特徴とする情報提示システム。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれかに記載された情報提示システムであって、
前記関連情報が、
前記複数要素の項目のうちの所定の項目に属する要素として、当該所定の項目に係る統計情報を記憶することを特徴とする情報提示システム。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載された情報提示システムであって、
前記統計情報が、
割合、分布、及び分散のうちの少なくとも1以上の態様の統計情報を含むことを特徴とする情報提示システム。
【請求項14】
情報提示システムに含まれるコンピュータによって実行されることにより、前記情報提示システムを、請求項1から請求項13のいずれかに記載の情報提示システムとして機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2007−193399(P2007−193399A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8327(P2006−8327)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】