説明

情報提示装置及び情報提示方法

【課題】施設などの対象の位置を特定できる情報を提供する。
【解決手段】所定の方向を示す情報を表示する車載のロボット100と、ロボット100の情報表示を制御するロボット制御装置200とを備え、ロボット制御装置200は、車両の現在位置と基準方向を取得する機能と、車両の現在位置と基準方向と対象の位置とに基づいてその車両の乗員に提示する情報の対象を特定する機能と、特定された対象の位置を取得する機能と、対象の位置と車両の現在位置及び基準方向とに基づいて車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する機能と、特定された対象に関連する情報を提示する際に、算出された目標角度に基づいて、対象の存在する方向を示す情報をロボット100に表示させる表示命令を生成する機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設等の対象が存在する方向を、ロボット等の表示体を用いて車両の乗員に示す情報提示装置及び情報提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置のルートガイドと連動して交差点手前の所定位置から進路の誘導方向を向き続けることによって誘導方向を乗員に通知し、誘導方向への移動(右折/左折)が完了した時点で前方を向くナビゲーション装置用補助表示装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−304899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、乗員に対象物の位置情報を提供しようとすると、従来の補助表示装置では車両の進路誘導方向を向き続けるため、対象物の相対位置が変わる走行中において、車両の乗員は対象物の大まかな方向は分かってもその位置を特定することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、乗員に示される対象の位置と、車両の現在位置と、車両の基準方向とから算出された、車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度に応じて、対象の存在する方向を示す情報を表示体に表示させることにより上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車両の基準方向に対する対象の相対的な存在方向が表示されるため、走行中に車両の基準方向が変化しても乗員は対象の位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態の情報提示装置の構成の概要を示す図である。
【図2】第1実施形態の情報提示装置の設置例を示す図である。
【図3】第1実施形態の情報提示装置の他の設置例を示す図である。
【図4】第1実施形態の情報提示装置のブロック構成図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、車両に搭載するロボット100の一例を示す図である。
【図6】対象の絶対角度の算出手法の一例を説明するための図である。
【図7】対象の絶対角度の算出手法の他の例を説明するための図である。
【図8】自車両の基準方向に対する対象の目標角度の算出手法を説明するための図である。
【図9】所定時間経過後における目標角度の算出手法を説明するための図である。
【図10】所定時間経過後における対象の目標角度の算出手法を説明するための図である。
【図11】第1実施形態の情報提示装置の処理を説明するためのフローチャート図である。
【図12】提示対象の検索処理の第2の処理例を説明するためのフローチャート図である。
【図13】提示対象の検索処理の第3の処理例を説明するためのフローチャート図である。
【図14】提示対象の検索処理の第4の処理例を説明するためのフローチャート図である。
【図15】図11に示す目標角度の算出処理のサブルーチンを説明するためのフローチャート図である。
【図16】図11に示す目標角度の算出処理のサブルーチンの他の例を説明するためのフローチャート図である。
【図17】図17(A)(B)(C)は対象の位置を継時的に追跡しながらその方向を指し示すロボット100の動作を説明するための図である。
【図18】第2実施形態の情報提示装置の処理を説明するためのフローチャート図である。
【図19】図18に示す目標角度の算出処理のサブルーチンを説明するためのフローチャート図である。
【図20】第2実施形態における所定時間経過後の目標角度の算出処理を説明するための図である。
【図21】図21(A)(B)(C)は、第2実施形態におけるロボット100の動作を説明するための図である。
【図22】車両の進行方向を基準方向とする場合における、目標角度の再計算の必要性を説明するための図である。
【図23】方位を基準方向とする場合における、目標角度の再計算の必要性を説明するための図である。
【図24】車両の進行方向を基準方向とする場合における、目標角度の再計算処理の要否を判断する処理を説明するための図である。
【図25】方位を基準方向とする場合における、目標角度の再計算処理の要否を判断する処理を説明するための図である。
【図26】車両の進行方向を基準方向とする場合における、角速度の再計算処理を説明するための図である。
【図27】方位を基準方向とする場合における、角速度の再計算処理を説明するための図である。
【図28】図28(A)は立体ディスプレイ3100の構成の概要図であり、図28(B)は立体ディスプレイ3100の平面図である。
【図29】ホログラフィック表示装置の構成概要を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
《第1実施形態》
本実施形態に係る情報提示装置1000を、図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係る情報提示装置1000の構成の概要を示す図である。図1に示すように、本実施形態の情報提示装置1000は、所定の方向を示す情報を表示する表示装置Qと、この表示装置Qの情報表示を制御する制御装置Rとを備える。また、情報提示装置1000は、自車両の車載装置Mと互いに情報の授受が可能なように有線又は無線の通信手段で接続される。
【0010】
本実施形態の表示装置Qは、「所定の方向を示す情報」をそのものの向きにより所定の方向を示すロボット100である。ロボット100は、動物を模した立体物、人間または擬人体を模した立体物、手や指などの体の部分を模した立体物、又は矢印形状の立体物などであり、その回転動作により任意の方向を指し示し、乗員に「所定の方向を示す情報」を表示する。
【0011】
例えば、ロボット100は、回転によりその正面側を任意の方向に向けることにより対象の存在方向を示すことができる。また、ロボット100は、回転によりその手足、指、尾などを任意の方向に向けることにより対象の存在方向を示すことができる。
【0012】
図2及び図3は、本実施形態に係る情報提示装置1000の車両への搭載例を示す図である。図2及び図3に示すように表示装置Qとしてのロボット100は、車両のダッシュボードの上面に設置され、ロボット制御装置200はダッシュボード内部に収納される。
【0013】
図2及び図3に示すロボット100は回転軸G廻りに回転し、その正面側fを所定の方向に向けることにより所定の方向を示す情報を表示する。なお、ロボット100の設置位置は乗員の視界領域内であれば良く、例えばフロントピラーなどでも良い。
【0014】
図4は、情報提示装置1000のブロック構成を示す図である。図4に基づいて、情報提示装置1000が備える各構成を具体的に説明する。
【0015】
まず、ロボット100について説明する。図4に示すように、本実施形態のロボット100は、動作制御装置110と、ロボット回転駆動機構120と、スピーカ130とを有する。
【0016】
動作制御装置110は、ロボット制御装置200の制御命令に従い、ロボット回転駆動機構120及びスピーカ130を制御する。このロボット回転駆動機構120は、ロボット制御装置200から取得した表示命令に従い、動作制御装置110の制御の下、ロボット100の正面、ロボット100の手足、指、尾の向きなどが所定の方向に向くようにロボット100を回転させる。
【0017】
図5は、ロボット100の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態のロボット100は、動物や人間のように顔を持つ立体物であり、目e1,e2を設けた顔の面が正面側fである。
【0018】
ロボット回転駆動機構120は、ロボット100を固定又は係合するベース部121と、ロボット100の回転軸Gと、回転G廻りにロボット本体101を任意の方向又は任意の回転速度で回転させるモータ機構122とを有する。モータ機構122を駆動させることにより、図5(B)に示すように、ロボット100は、回転軸G廻りに回転動作を行う。ロボット回転駆動機構120は、回転軸G廻りにロボット100を所定角度だけ回転させることにより、ロボット100の正面側fを任意の方向に向けることができる。また、ロボット回転駆動機構120は、回転軸G廻りにロボット100を所定の角速度で回転させることができる。ロボット回転駆動機構120の具体的構成は特に限定されず、公知の手段を用いることができる。
【0019】
また、図5に示すように、ロボット100に、人の手に似せたハンド部材H1,H2と、これらハンド部材H1,H2の先端を、ロボット制御装置200からの表示命令に基づいて、上下、左右に動かすハンド駆動機構HK1を設けても良い。なお、ハンド部H1,H2材とともに又はこれに代えてロボット100の頭部に角部を設ける、又はロボット100の背面に尾部を設けることができる。
【0020】
また、ロボット100が備えるスピーカ130は、ロボット制御装置200の表示命令に基づく動作制御装置100の制御の下、特定の対象(施設など)に関する案内情報を提示(出力)する。本実施形態のスピーカ130は、テキスト読み上げ機能(TTS(Text To Speech)機能)131を備え、対象に関連する情報を読み上げる。対象に関連する情報は、対象(施設、観光地等)についての案内情報、対象(右左折ポイント、歩行者、他車両等)についての注意喚起情報を含む。なお、スピーカ130は、それが備える再生機能により、予め記憶された対象に関する案内情報の音声情報を再生させてもよい。
【0021】
次に、ロボット制御装置200について説明する。ロボット制御装置200は、ロボット100が行う情報の提示動作を制御する。
【0022】
図4に示すように、このロボット制御装置200は、ロボット100の制御処理を実行するためのプログラムを格納したROM201と、このROM(Read Only Memory )201に格納されたプログラムを実行することで、ロボット制御装置として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)202と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)203と備える。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの動作回路を用いることができる。
【0023】
また、図4に示すように、ロボット制御装置200は、自車両に搭載されたナビゲーション装置300、車両コントローラ400、路車間通信装置500、車載カメラ600その他の車載装置MとCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行う。
【0024】
次に、ロボット制御装置200が備える機能について説明する。ロボット制御装置200は、車両側の情報を取得する処理を行う車両情報取得機能と、乗員に示す対象を特定する処理を行う対象特定機能と、特定された対象の位置を含む情報を取得する処理を行う対象情報取得機能と、基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する処理を行う目標角度算出機能と、ロボット100に対象の存在方向を示す情報を表示させる表示命令を生成する処理を行う表示命令生成機能を少なくとも備える。
【0025】
以下、上述したロボット制御装置200の各機能をそれぞれ説明する。
【0026】
まず、ロボット制御装置200の車両情報取得機能について説明する。ロボット制御装置200は、車両の現在位置と基準方向を、ナビゲーション装置300から取得する。車両の現在位置と基準方向(進行方向、北方向などの予め定義された所定の方位を含む)は、ナビゲーション装置300のGPS(Global Positioning System)301により検出される。ちなみに、GPS301は、測位衛星から発信される電波をGPSアンテナで受信し、自車両の現在位置を測位する。また、GPS301は、さらに、車両コントローラ400のジャイロセンサ401、地磁気センサ402及び走行距離センサから入力される測位データに基づく測位結果、及び、マップマッチング処理の結果を用いて車両の位置を測位する。ロボット制御装置200は、GPS301等の測位結果及びジャイロセンサ401、地磁気センサ402及び走行距離センサから入力される測位データに基づいて、車両の現在位置、及び車両の現在位置の移動方向である進行方向、車両にて観測された方位(例えば北方向)を含む基準方向を取得する。
【0027】
また、ロボット制御装置200は、車両の速度を車両コントローラ400の車速センサ403から取得する。
【0028】
次に、ロボット制御装置200の対象特定機能について説明する。ロボット制御装置200は、車両の乗員に示す対象を特定する。本対象特定機能は、以下の4つの手法により対象を特定する。まず、第1に、対象特定機能は、車両の現在位置と基準方向と対象の位置に基づいて、車両の乗員に示す対象を特定する。第2に、対象特定機能は、経路案内などを利用する際に、乗員が設定した目的地を対象として特定する。第3に、対象特定機能は、情報提供システムなどを利用する際に、乗員が設定した検索条件を満たす施設や場所を対象として特定する。具体的な検索条件とは、コンビニエンスストア、駐車場、ガソリンスタンド、レストランなどの施設のカテゴリ(属性)を区別する条件、観る、遊ぶ、食べるなどの乗員の行動目的を区別する条件などである。そして、第4に、対象特定機能は、ドライバの嗜好の傾向に応じた施設(場所)を対象として特定する。
【0029】
以下、対象特定機能の各特定処理について説明する。
【0030】
第1の手法において、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の地図情報303を参照し、車両の現在位置及び進行方向に沿う経路上の走行予定位置と対象の位置とを比較する。そして、ロボット制御装置200は、自車両の現在位置から所定距離内又は自車両の進行方向の領域内に存在する地点、歩行者、路上障害物、他車両を乗員に示される「対象」として特定する。ナビゲーション装置300の地図情報303は、各地点の位置とその地点(位置)に対応づけられた施設に関する情報を含む。また、後に詳述するが、歩行者、車両などの移動する対象については、路側に設けられた検知装置から取得する。
【0031】
なお、ロボット制御装置200は、ユーザが予め指定する地点、ユーザの利用履歴に基づいて推測された地点という観点から「対象」を、さらに絞り込むことができる。これにより、単に車両の近傍に存在する地点のすべてについて情報を提示するのではなく、乗員が興味を持つ地点を選択し、情報を提示することができる。
【0032】
また、第2の手法において、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の経路探索システム301において乗員に入力された目的地(例えばランドマークタワーなど)を対象として特定する。具体的に、経路探索システム301の目的地設定機能3021を介して入力された目的地情報を取得し、その目的地情報を対象の特定情報として設定する。ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300から、地図情報303に含まれる乗員が入力した目的地の位置を取得する。このとき、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300から、その目的地(位置)に対応づけられた施設に関する情報を取得してもよい。
【0033】
さらに、第3の手法において、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の経路探索システム301において乗員に入力された検索条件(例えば、選択カテゴリなど)を満たす施設や場所を対象として特定する。ここで、検索条件は、コンビニエンスストア、駐車場、ガソリンスタンド、レストランなどの施設カテゴリや、食べる、遊ぶなどの目的カテゴリなどである。具体的に、情報提供機能を併せ持つ経路探索システム301の検索機能3022を介して入力された検索条件を取得し、その検索条件を満たす施設や場所の情報を対象の特定情報として設定する。ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300から、地図情報303に含まれる検索条件を満たす地点の位置を取得する。このとき、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300から、その検索条件を満たす地点(位置)に対応づけられた施設に関する情報を取得してもよい。
【0034】
なお、ロボット制御装置200は、車両の現在位置と基準方向との関係から「対象」を、さらに絞り込むことができる。これにより、乗員の検索条件を満たす地点のすべてについて情報を提示するのではなく、車両の近傍に存在する地点を選択し、情報を提示することができる。
【0035】
加えて、第4の手法において、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の経路探索システム301の情報要求入力・情報選択結果に基づいて、乗員の嗜好の傾向に応じた施設(場所)を対象として特定する。ここで、ドライバの嗜好の傾向は、ナビゲーション装置300の経路案内を利用する際又はナビゲーション装置300の情報提供システムを利用する際における、ユーザの入力履歴及び/又は出力履歴に基づいて判定する。ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300から、地図情報303に含まれる乗員の嗜好の傾向に応じた地点の位置を取得する。具体的に、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300から、地図情報303に含まれる、過去の訪問回数又は訪問頻度(回/時間)が所定値以上の地点、過去の目的地設定回数が所定値以上の位置を取得する。
【0036】
なお、ロボット制御装置200は、車両の現在位置と基準方向との関係から「対象」を、さらに絞り込むことができる。これにより、乗員の嗜好の傾向に応じた地点のすべてについて情報を提示するのではなく、車両の近傍に存在する地点を選択し、情報を提示することができる。
【0037】
続いて、ロボット制御装置200の対象情報取得機能について説明する。ロボット制御装置200は、その存在位置が示される対象の位置を取得する。
【0038】
ここで、乗員に提示される情報の「対象」は、ランドマーク、POI(Point Of Interesting)、施設などの「案内の対象となる地点」又は路上障害物(電柱、電話ボックス、バス停)、右左折ポイント(交差点中心から所定距離の位置に定義された右左折路上のポイント)、歩行者、他車両などの「注意喚起の対象となる物体」を含む。
【0039】
ここでは、移動しない対象の位置を取得する手法と、移動する対象の位置を取得する手法の2つ手法について説明する。
【0040】
まず、移動しない対象の位置の取得手法について説明する。関連情報が提示される地点又は施設、路上障害物などの移動しない対象の位置は、定義された対象の位置が記録された地図情報303から取得する。
【0041】
他方、歩行者、車両などの移動する対象の位置は、路上に設置された検出装置から路車間通信装置500を介して取得する。路上に設置された検出装置は、歩行者又は車両などの対象を検出した場合、歩行者又は車両などを検出した旨、検出したタイミング、その検出装置の位置を路車間通信装置500へ通知する。路上に設置された検出装置は、その検出装置の至近に存在する歩行者又は車両を検出するため、その歩行者又は車両の位置は検出装置の設置位置と擬制することができる。このため、ロボット制御装置200は、路車間通信装置500を介して取得した歩行者又は車両の検出情報、検出時刻、及び検出位置(検出装置の位置)に基づいて、移動する対象の位置を取得することができる。
【0042】
また、ロボット制御装置200は、対象の関連情報を取得する。対象の関連情報とは、対象について案内又は注意喚起をするためのテキスト情報、音声情報、画像情報などである。移動しない対象の関連情報は、位置情報と対応づけられて地点情報304又は施設情報305に記憶されているので、ナビゲーション装置300にアクセスして取得する。もちろん、情報の対象の位置と案内情報は、外部サーバから通信網を介して取得してもよい。また、歩行者又は車両についての案内情報(注意喚起情報)は、対象のカテゴリ(歩行者、車両など)ごとに予めロボット制御装置200内に記憶されているので、記憶装置にアクセスして取得する。
【0043】
続いて、ロボット制御装置200の目標角度算出機能について説明する。ロボット制御装置200は、対象の位置、車両の現在位置及び車両の基準方向(進行方向、方位)に基づいて、車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する。
【0044】
まず、図6に基づいて、目標角度を算出するために用いられる、自車両の進行方向に対する対象の絶対角度θ(所定方位(例えば北)を基準とする角度)の算出手法を説明する。本例では自車両の進行方向が北であり、自車両の現在位置が1(経度A,緯度B)であり、対象(POI)の位置が2(経度C、緯度D)である場合を例に説明する。自車の現在位置と対象(POI)との距離(ベクトル)は、下式3によりで算出できる。
【0045】
(X方向):XX=(A-C)×LO ,(Y方向):YY=(B-D)×LA…3
上記式3の「LA」および「LO」は経度/緯度から距離を演算するための定数である。LAは各所定緯度上における緯度1秒の長さであり、LOは各所定経度上における経度1秒の長さである。式3で算出した自車の現在位置と対象(POI)との距離に基づいて、下式4を用い、自車両の現在位置を基準とした対象(POI)の絶対角度θを算出する。
【0046】
θ=arc tan(XX/YY) :YY>0
θ=arc tan(XX/YY)+π : YY<0
θ= π/2 :YY=0、XX>0
θ= -π/2 :YY=0、XX<0 …以上式4
【0047】
また、図7は、目標角度を算出するために用いられる、所定方位(例えば、北方向)に対する対象の絶対角度θの算出手法を説明するための図である。
【0048】
自車両の現在位置が11(経度A,緯度B)であり、対象(POI)の位置が12(経度C、緯度D)である場合を例に説明する。自車の現在位置と対象(POI)との距離(ベクトル)は、上述の手法と同様に、下式13によりで算出できる。
【0049】
(E方向:東方向):XX=(A-C)×LO,
(N方向:北方向):YY=(B-D)×LA…13
式13の「LA」および「LO」は経度/緯度から距離を演算するための定数である。LAは各所定緯度上における緯度1秒の長さであり、LOは各所定経度上における経度1秒の長さである。式13で算出した自車の現在位置と対象(POI)との距離に基づいて、下式14を用い、自車両の現在位置を基準とした対象(POI)の絶対角度θを算出する。
【0050】
θ=arc tan(XX/YY) :YY>0
θ=arc tan(XX/YY)+π : YY<0
θ= π/2 :YY=0、XX>0
θ= -π/2 :YY=0、XX<0 …以上式14
このように、現在位置が上記の11、対象の位置が上記の12であるとき、現在位置と対象との相対距離(ベクトル)は、式13により求めることができる。
そして、図6の例と同様に、式14を用いて絶対角度θを算出することができる。なお、図6に示すように、進行方向と所定方位が同一の場合は、進行方向又は所定方位の何れかを用いて絶対角度θを算出することができる。
【0051】
次に、図8に基づいて、自車両の進行方向に対する対象の目標角度の算出手法を説明する。自車両の進行方向θ’を車両コントローラ400のジャイロセンサ401、地磁気センサ402から取得し、自車両の現在位置を基準とした対象(POI)の絶対角θと自車両の進行方向θ’とから下式5を用いてロボット100の向き角となる目標角度αを求める。
【0052】
α=θ―θ´…式5
なお、図6に示す例のように、車両の進行方向が絶対角度θの基準となる所定方位である場合は、θ´がゼロとなるので、絶対角度θと目標角度αが等しくなる。
ロボット制御装置200は、この目標角度αを所定の周期で算出する。この所定の周期は任意に設定することができ、ロボット100の動作制御に要する処理時間に応じて設定することが好ましい。処理時間以下の周期で目標角度を算出することにより、ロボット100が示す方向と対象(POI)が存在する方向とのずれを微小にすることができる。
【0053】
また、本実施形態のロボット制御装置200は、車両情報に含まれる車両の現在位置と速度とから所定時間経過後における車両の位置と基準方向(進行方向、方位を含む)を推測し、推測された車両の位置と基準方向と対象情報に含まれる対象の位置に基づいて車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する。
【0054】
具体的には、図9に示すように、ロボット制御装置200は、t1における車両の現在位置と進行方向と速度f1に基づいて、所定時間Δtの経過後のt2における車両の位置と進行方向を推測する。所定時間Δtは、目標角度の算出処理に要する時間とロボット100の動作処理に要する時間を加算したロボット100の表示機能の制御に要する時間であることが好ましい。これにより、現在位置に基づいて対象の存在方向をロボット100の動きで示す際に、タイムラグによる追従遅れの発生を防止することができる。なお、所定時間Δt後の車両の進行方向は、所定時間Δtが所定時間未満の微小時間である場合は、初期(t1)の進行方向と同方向と推測することができる。また、初期t1における進行方向とジャイロセンサ401及び/又は地磁気センサ402の情報とに基づいて、所定時間Δt後の車両の進行方向を推測することができる。
【0055】
また、本実施形態のロボット制御装置200は、車両情報に含まれる車両の現在位置と速度とから所定時間経過後における車両の位置と対象の存在方向を推測し、これらに基づいて基準方向(方位)に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する。
【0056】
具体的には、図10に示すように、ロボット制御装置200は、t1における車両の現在位置と基準方向(方位)と速度f1に基づいて、所定時間Δtの経過後のt2における車両の位置を推測する。所定時間Δtは、上述の手法により定義する。図10は、基準方向=方位(北)とした場合における、Δt秒後の対象の存在方向を示す目標角度の算出例を示す。ジャイロセンサ401、地磁気センサ402により検出された車両の進行方向をθ’、車両の速度をVとすると、速度成分は式21で示される。式21で求められる速度成分を用いて、Δt秒後の車両位置と対象との相対距離(ベクトル)を式22で求める。以下、図7において説明した手法(式14)により絶対角度を求め、この絶対角度を用いて基準方向(方位)に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する。
【0057】
このように算出された目標角度に基づいて、ロボット100の動作角が算出される。
【0058】
続いて、ロボット制御装置200の表示命令生成機能について説明する。ロボット制御装置200は、特定された対象に関連する情報を提示する際に、算出された目標角度に基づいて、対象の存在する方向を示す情報をロボット100に表示させる表示命令を生成する。この表示命令は、対象に関連する情報を提示する際に、算出された目標角度に基づいて、ロボット100がその対象の存在する方向を示すようにロボット100を回動させる命令である。具体的に、表示命令は、対象に関連する情報を提示する際に、算出された目標角度に基づいて、ロボット100が対象の存在する方向を示すように、ロボット回転駆動機構120のモータ機構122にロボット100の本体を回動させる命令である。
【0059】
この命令により、ロボット回転駆動機構120は、ロボット100を所定の回転軸廻りにロボット100を回転させる。そして、ロボット100はその正面(顔)を対象の存在する方向に向け、対象の位置を乗員に知らせる。乗員は動作後のロボット100が指し示す方向に基づいて対象の位置を正確に特定することができる。
【0060】
また、ロボット制御装置200は、目標角度が所定周期ごとに算出される場合は、所定周期で算出された各目標角度に基づいて、対象の存在する方向を示す情報をロボット100に表示させる表示命令を所定周期ごとに生成し、生成した表示命令をロボット100連続的に実行させる表示命令を生成する。
【0061】
このように、刻々変化する走行中の自車両の現在位置に応じて算出された所定周期ごとの目標角度に基づいて生成した表示命令をロボット100に連続的に実行させることにより、ロボット100は車両の走行に応じて相対的位置が変化する対象の存在する方向を継続的に示し、変化する対象の位置を追従しながらその方向を指し示すことができる。
【0062】
さらに、ロボット制御装置200は、ロボット100に対象の存在方向を指し示す表示命令に加えて、ロボット100のスピーカ130を介して、乗員に提示するために特定された対象に関する案内情報を出力させる表示命令を生成する。この表示命令は、案内情報のテキストの読み上げ命令、又は案内情報の音声の再生命令である。これら読み上げ用のテキスト情報、再生可能な音声情報は、ロボット制御装置200が備える記憶装置に記憶してもよいし、ナビゲーション装置300の記憶装置に施設情報304、POI情報305として格納してもよい。
【0063】
さらにまた、ロボット制御装置200は、表示命令の実行の開始タイミングを制御する動作開始命令を生成する。以下、二つの態様の動作開始命令を説明する。
【0064】
第1の態様として、ロボット制御装置200は、車両に搭載されたカメラ600の撮像画像に特定された対象の特徴を備える画像が含まれる場合は、ロボット100に表示命令を実行させる動作開始命令を生成し、これをロボット100へ出力する。
【0065】
車載カメラ600は車両の進行方向を所定周期で撮像し、その撮像画像をロボット制御装置200へ送出する。
【0066】
対象について予め定義された外観上の特徴とは、対象となる施設、建造物などの外形の特徴であり、その形状(タワー形状、ドーム形状等)、平均高さ、最高高さ、縦横比、色などである。これらは、施設形状情報306として、ナビゲーション装置300に格納されている。また、対象の外観上の特徴は所定の地点から見える施設等の施設マスタ画像307として定義してもよい。この外観上の特徴は対象ごとに対応づけて記憶されるため、ロボット制御装置200は、乗員に情報を提示する対象(特定された対象)についてその特徴を取得することができる。
【0067】
ロボット制御装置200は、走行中に車載カメラ600が撮像した画像に特定された対象の特徴が含まれるか否かを判断する。たとえば、ロボット制御装置200は、撮像画像に含まれるもののうち地上から所定高さ以上の領域をビル対応領域として切り出し、その領域の縦横比と特定された対象の縦横比とを比較する。その差が所定値以下であれば、撮像画像は特定された対象を含むと判断する。また、ロボット制御装置200は、撮像画像に含まれるもののうち地上から所定高さ以上の領域をビル対応領域として切り出し、その領域の画像の特徴と現在位置近傍の観測地点から見た施設等の施設マスタ画像307の特徴とを対比する。施設マスタ画像307の特徴とは、建造物の外延を形成するエッジ情報などである。両者の特徴の一致度が所定値以上であれば、撮像画像は特定された対象を含むと判断する。
【0068】
ロボット制御装置200は、走行中に車載カメラ600が撮像した画像に特定された対象の特徴が含まれると判断された場合、車両がその特徴点に対応する施設等が実際に見える地点乃至その近傍を通過すると判断し、ロボット100に対象の存在する方向を示すとともにその対象の案内情報又は注意情報(関連情報)を出力する表示命令を実行する動作開始命令を作成する。
【0069】
第2の態様として、ロボット制御装置200は、車両に搭載されたナビゲーション装置300が経路案内のために提供する画像情報に、特定された対象について予め定義された外観上の特徴を備える画像が含まれる場合は、ロボット100に表示命令を実行させる動作開始命令を生成し、これをロボット100へ出力する。
【0070】
本実施形態のナビゲーション装置300は、現在位置と目的地に基づいて経路を導出する経路探索システム302を備える。本実施形態の経路探索システム302は、乗員に経路案内するため、経路と経路周囲の建造物などを含む俯瞰画像を提供する。
【0071】
ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300が提供する経路案内画像に特定された対象の外観上の特徴が含まれるか否かを判断する。対象の特徴の定義手法、及びその特徴を俯瞰画像が含むか否かの判断手法は先述の車載カメラ600の撮像画像を利用する手法と共通する。
【0072】
ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300が提供する経路案内のための経路周囲の画像が特定された対象の特徴を含む場合、車両がその特徴点に対応する施設等が実際に見える地点を通過すると判断し、ロボット100に対象の存在する方向を示すとともにその対象の案内情報を出力する表示命令を実行する動作開始命令を作成する。
【0073】
このように、車載カメラ600の撮像画像又はナビゲーション装置300が提供する誘導経路の俯瞰画像に特定された対象の特徴が含まれる場合は、車両が対象に接近し、その乗員が対象を肉眼でみることができる状況にあると判断することができる。ロボット制御装置200は、このタイミングで対象の存在方向を指し示すようにロボット100の動作を制御する。このため乗員はロボット100の示す方向に、案内の対象を実際に目視することができる。乗員が実際に目視できないタイミングで対象の存在する方向が指し示されても、乗員はロボット100が何を指し示しているのか認識することができないが、本実施形態によれば、ロボット100が指し示す対象を肉眼で確認でき、指し示された対象の存在位置を特定することができる。
【0074】
続いて、図11〜図16のフローチャート図に基づいて、ロボット制御装置200の制御手順を説明する。図11は、本実施形態の情報提示装置100の制御処理の全体を示すフローチャート図である。
【0075】
情報提示装置1000が起動すると、ステップS100において、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300から自車両の現在位置を取得する(S100)。
【0076】
続くステップS101において、ロボット制御装置200は、乗員に示す対象(施設、POI、路上障害物、歩行者、他車両)を検索する(S101)。この検索処理において、本実施形態のロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の地図情報303から予め定義された静止対象(地点、施設等)の位置を取得するとともに、路車間通信装置500から路側の検出装置により検出された移動対象(歩行者、他車両)の位置を取得する。
【0077】
なお、対象の検索手法は特に限定されないが、本例では自車両の位置及び進行方向や方位などの基準方向と対象の位置とに基づいて、対象を検索する。具体的には、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の経路探索システム302が車両の現在位置と目的地から導出した経路上であって、車両の進行方向に沿う所定領域内に位置する対象を検索する。この手法により対象を特定すると、自車両が走行する経路近傍に存在する対象についての情報を乗員に提供することができる。
【0078】
なお、他の検索手法については、後述する。
【0079】
続くステップS102において、ロボット制御装置200は、各検索手法において定義された条件を満たす対象(POI)があるか否かを判断する。乗員に示す対象がある場合は、その対象を特定し、ステップS103に進む。一方、乗員に示す対象が無い場合は、対象は特定できなかったと判断し、ステップS120に進む。その後、イグニッションオフの信号が入力されたら終了する(S121)。
【0080】
ステップS103において、ロボット制御装置200は、情報を示す処理(対象の存在方向を示す処理、対象に関する案内情報を提示する処理)を実行するタイミングを判断する。具体的に、ロボット制御装置200は、車載カメラ600により撮像された画像に、ステップS102で特定された対象の特徴を有する画像が含まれている場合は、乗員が対象を肉眼で視認できる位置にいると判断し、ロボット100に情報の提示処理(存在方向を示す処理、案内情報を発話・提示出力する処理)を実行させるタイミングである(又は動作開始命令を生成するタイミングである)と判断する。また、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の経路案内システム302が経路案内のために提示する走行地点前方の画像の特徴と、ステップS102で特定された対象の画像の特徴との一致性が所定の閾値よりも高い場合は、乗員が対象を肉眼で視認できる位置にいると判断し、ロボット100に情報の提示処理(存在方向を示す処理、案内情報を発話・提示出力する処理)を実行させるタイミングである(又は動作開始命令を生成するタイミングである)と判断することもできる。
【0081】
特定された対象の存在方向、対象の情報を提示するタイミングであると判断された場合は、ステップS104に進む。ステップS104において、ロボット制御装置200は、特定された対象に関する情報(案内情報)を取得する。出力する案内情報の取得はステップS101の後、又はステップS102の後に実行してもよい。
【0082】
続くステップS105において、ロボット制御装置200は、ロボット200が備えるスピーカ130を介して特定された対象の案内情報(案内文のテキスト)読み上げを開始させる。ロボット制御装置200は、案内情報が音声で記録されている場合は、これを再生させてもよい。
【0083】
ステップS106において、ロボット制御装置200は、車両の現在位置、車両の基準方向及び特定された対象の位置に基づいて、車両の基準方向に対する対象の存在する目標角度を算出する。この目標角度の算出処理については、後に詳述する。
【0084】
続いて、ステップS107において、ロボット制御装置200は、算出された目標角度に基づいて、対象の存在する方向にその正面側fを向かせるようにロボット100を回転させる表示命令を生成し、ロボット100へ送出する。
【0085】
そして、ステップS108において、ロボット100の動作制御装置100は、表示命令に従いロボット100を回転軸G廻りに回転させ、その正面側fを向かせる。
【0086】
さらに、ステップS109において、S105で開始させた対象に関連する情報(案内情報又は注意喚起情報)の発話出力が完了したか否かを判断し、発話出力が完了したらステップS110へ進む。なお、対象に関連する情報の発話を開始するのは、S108においてロボット100を回転させた後であってもよい。
【0087】
最後に、ステップS110において、ロボット制御装置200はロボットの正面側が基準方向へ向くように、ロボット100を回転させるリセット命令をロボット100側へ送出し、ステップS100へ戻る。
【0088】
続いて、同図のステップS101に係る、乗員に示す対象の検索手法を、図12〜図14に基づいて説明する。車両の現在位置と進行方向と対象の位置に基づいて、車両の乗員に情報を提示する対象を特定する手法については上述したので、以下、第2〜第4の手法、すなわち、乗員が設定した目的地に基づいて対象を特定する手法、乗員が設定した検索条件を満たす施設や場所を対象として特定する手法、及びドライバの嗜好の傾向に応じた施設(場所)を対象として特定する手法について説明する。
【0089】
図12は、経路案内などを利用する際に、乗員が設定した目的地を対象として特定する場合の処理を示すフローチャート図である。図12に示すように、まず、ステップS1011において、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の目的地設定機能312を介して目的地が入力されたか否かを判断する。目的地が入力された場合は、ステップS1012へ進み、ロボット制御装置200は、乗員に示す対象を入力された目的地と決定し、ステップS102以降の処理を実行する。
【0090】
なお、入力された目的地のうち、車両の現在位置と基準方向に基づいて定義された領域内に含まれる施設や場所(POI)を乗員に示す対象としてもよい。
【0091】
図13は、情報提供システムなどを利用する際に、乗員が設定した検索条件を満たす施設や場所を対象として特定する場合の処理を示すフローチャート図である。図13に示すように、まず、ステップS1015において、ロボット制御装置200は、ナビゲーション装置300の検索機能313を介して検索カテゴリなどの検索条件が入力されたか否かを判断する。検索条件が入力された場合は、ステップS1016へ進み、ロボット制御装置200は、乗員に示す対象を、入力された検索カテゴリに属する施設や場所(POI)と決定し、ステップS102以降の処理を実行する。具体的な検索条件とは、コンビニエンスストア、駐車場、ガソリンスタンド、レストランなどの施設のカテゴリ(属性)を区別する条件、観る、遊ぶ、食べるなどの乗員の行動目的を区別する条件などである。
【0092】
なお、入力された検索カテゴリに属する施設や場所(POI)のうち、車両の現在位置と基準方向に基づいて定義された領域内に含まれる施設や場所(POI)を乗員に示す対象としてもよい。
【0093】
図14は、ドライバの嗜好の傾向に応じた施設(場所)を対象として特定する場合の処理を示すフローチャート図である。
【0094】
まず、ナビゲーション装置300は、乗員が入力する情報(目的地設定情報、情報検索条件)を、継続的に蓄積する(ステップSQ)。この入力履歴はデータベースとして構築され、ロボット制御装置200のアクセスを受け付け、その入力履歴結果の取得を許可する。
【0095】
ステップS1101において、ロボット制御装置200は、乗員により入力された検索条件や設定目的地の入力履歴を参照する。
【0096】
続く、ステップS1102において、ロボット制御装置200は、入力履歴を参照して、所定回数以上設定された検索条件(カテゴリ)又は目的地があるか否かを判断する。検索条件や目的地の設定入力回数は乗員の嗜好と正の相関関係があるので、所定回数以上設定された検索条件や目的地は乗員が嗜好する傾向があると判断する。
【0097】
所定回数以上の設定がされた検索条件や目的地が無い場合は、乗員に特徴的な嗜好は無いと判断し、ステップS102へ進む。他方、定回数以上の設定がされた検索条件や目的地が有る場合は、乗員に特徴的な嗜好があると判断し、ステップS1103へ進む。
【0098】
ステップS1103において、ロボット制御装置200は、所定回数以上検索条件が設定された施設等のPOIを乗員に示す対象の候補とする。なお、乗員の嗜好の傾向を判断する閾値となる検索条件の設定回数(所定回数)は、任意に定義することができる。この閾値は、過去の全期間について設定してもよいし、最近の1カ月、3カ月、6カ月のように期間を限定して設けてもよい。
【0099】
続くステップS1104において、ロボット制御装置200は、自車両の現在位置及び基準方向を取得する。そして、ステップS1105において、提示対象候補(POI)のうち、車両の現在位置と車両の基準方向と所定の位置関係にある領域に属する対象(POI)を絞りこむ。この領域の設定手法は特に限定されないが、車両の現在位置から基準方向に中心線を配した扇型のエリアと定義してもよいし、現在走行中の道路から所定範囲内と定義してもよい。また、目的地が設定され、ルートが設定されていれば設定されたルートから所定範囲のエリアと定義してもよい。
【0100】
そして、ステップS1106において、ロボット制御装置200は、車両と所定の位置関係にある領域内に、所定回数以上設定されたPOIが含まれるか否かを判断する。含まれていない場合は、ステップS102へ進み、含まれる場合は、ステップS1107へ進む。
【0101】
最後に、テップS1107において、ロボット制御装置200は、乗員に示す対象を、ステップS1105の処理で絞りこまれたPOIとする。その後、ステップS102以降の処理を実行する。
【0102】
続いて、図15及び図16に基づいて、図11のステップS106の目標角度の算出処理について説明する。
【0103】
図15は、図11のステップS106の目標角度の算出処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【0104】
図15に示すように、ステップS1061において、ロボット制御装置200は、特定された対象の位置を地図情報303から取得する。この位置情報の取得は、図11のS104における対象の案内情報を取得する際に、ともに取得してもよい。
【0105】
続いて、ステップS1062において、ロボット制御装置200は、自車両の現在位置と基準方向を車両コントローラ400から取得する。自車両の現在位置は、図11のステップS100において取得したものであってもよいが、正確な目標角度を算出するため、目標角度の算出タイミングの直前の車両の基準方向と現在位置を取得することが好ましい。なお、車両情報の取得は、ステップS103以降の処理と並行して行ってもよい。
【0106】
次に、ステップS1063において、ロボット制御装置200は、図6又は図7に基づいて説明した手法により、自車両の現在位置に対する対象の存在する絶対座標上の方向を算出する。
【0107】
さらに、ステップS1064において、ロボット制御装置200は、図8〜図10に基づいて説明した手法により、自車両の基準方向に対する対象の存在する方向、つまり目標角度を算出する。
【0108】
図16は、図15に示す目標角度算出処理の他の例を示す。この目標角度の算出処理は、所定時間経過後、つまり車両の基準方向の前方の地点における、目標角度を算出する手法である。基本的な処理は、図15に示す処理と共通する。
【0109】
図16に示すように、ステップS1061において、ロボット制御装置200は特定された対象の位置を取得し、ステップS1062において自車両の現在位置、基準方向を取得する。
【0110】
続いて、ステップS1065において、ロボット制御装置200は、自車両の車速を車両コントローラ400から取得する。車速はステップS1062において基準方向とともに取得してもよい。
【0111】
また、ステップS1066において、ロボット制御装置200は、自車両の現在位置と基準方向と車速とから、所定時間経過後の自車両の位置を予測する。この所定時間は、目標角度の算出処理及び/又はロボット100の回転駆動制御に要する時間に基づいて予め設定する。
【0112】
そして、ステップS1067において、ロボット制御装置200は、予測された所定時間経過後の自車両の現在位置を基準とした、対象の絶対座標上の方向を算出する。
【0113】
これに続くステップS1068において、ロボット制御装置200は、ステップS1067で算出された対象の絶対座標上の存在方向に基づいて、車両の基準方向に対する対象の目標角度を算出する。
【0114】
このような目標角度の算出手法によれば、目標角度の算出処理が終了し、ロボット100が所定方向を指し示す動作を実行するタイミングにおける対象の目標角度を算出することができる。こうすることにより、処理時間に起因する、指し示す方向と対象の位置のずれ(遅れ)を解消することができる。なお、ロボット100の動作制御に時間を要する場合には、ロボット100の回転駆動制御に要する時間を所定時間に含めることが好ましい。
【0115】
さらに、図11に示すステップS106並びに図15及び図16に示す目標角度の算出処理も所定周期で行い、所定周期で算出された各目標角度に基づく表示命令を生成し、これを連続的に実行させる。つまり、図11のステップS107、ステップS108、ステップS110は、目標角度が算出される所定周期に応じて実行される。このように、所定周期ごとに対象の存在する方向を表示することにより、走行する車両の移動に応じて変化する対象の位置を追跡し、その対象の存在する方向を継続的に表示することができる。
【0116】
図17は、ロボット100が対象の位置を継時的に追跡しながらその方向を指し示す様子を示す概念図である。図17の(A)、(B)、(C)は、異なるタイミングT1,TM(T1<TM<TN),TN(T1<TM<TN)において、走行中の車両に搭載された同一のロボット100が同一の対象(POI)の存在方向を指し示す様子を示す。車両及びロボット100は移動するため、ロボット100に対する対象(POI)の存在する方向は時間の経過に伴い変化する。ロボット100は、この変化する対象の目標角度を所定周期で繰り返し算出し、対象の存在方向を継続的に示す。
【0117】
これにより、ロボット100は、対象を追跡するように回転しながら対象の存在方向を継続的に指し示す。なお、所定周期が短いほどロボット100の動きは滑らかになり、対象の位置の変化を乗員に提示することができる。
【0118】
以上のように構成され、動作する本実施形態の情報提示装置1000は以下の効果を奏する。
【0119】
本発明によれば、車両の基準方向に対する対象の存在方向をロボット100などの表示装置Qによって示すことができるため、基準方向が変化する走行中であっても車両の乗員は対象の位置を特定することができる。この効果は、車両の基準方向が、車両の進行方向である場合も、方位である場合にも、同様に奏する。
【0120】
また、ロボット100を所定の回転軸廻りに回転させ、その正面(顔)を対象の存在する方向に向けて対象の位置を乗員に知らせることにより、乗員はロボット100の向く方向により対象(施設等)の位置を正確に特定することができる。
【0121】
さらに、所定周期ごとに算出された各目標角度に基づいて、表示命令を所定周期ごとに生成し、生成した表示命令をロボット100連続的に実行させるため、走行する車両の移動に応じて変化する対象の位置を追跡し、その対象の存在方向を継続的に表示することができる。
【0122】
また、所定時間経過後の自車両の位置を推測し、推測された位置における目標角度を算出することにより、ロボット100が指し示す対象方向と実際の対象位置のずれ(遅れ)を解消することができる。さらに、目標角度の算出やロボット100の駆動などのロボット100の表示処理の制御に要する時間に基づいて所定時間を設定することにより、処理時間に起因するロボット100が指し示す対象方向と実際の対象位置のずれ(遅れ)を解消することができる。
【0123】
また、車載カメラ600の撮像画像又はナビゲーション装置300が提供する誘導経路の俯瞰画像に特定された対象の特徴が含まれる場合は、対象の存在方向を指し示す表示命令を実行させるため、乗員が対象を肉眼でみることができる状況において対象の存在する方向を示すことができる。つまり、乗員は、ロボット100が指し示す対象を肉眼で確認でき、案内に係る対象の存在位置を視認することができる。
【0124】
また、ロボット100が備えるスピーカを介して対象に関連する情報(例えば案内情報)を出力することにより、ロボット100は対象を指し示しながら、その案内情報を読み上げ又は音声再生することができる。
【0125】
また、赤外線センサなどのセンサによって乗員の存在を検出して、ロボット100が、関連する情報を出力する際に、所定動作周期毎に、乗員の方向を振り向くようにしてもよい。さらに、車両と案内対象との距離を、ナビゲーション装置を用いて算出し、この距離に応じて、所定動作周期を変更してもよい。車両と案内対象との距離が近いほど、所定動作周期を短くすることによって、案内対象が近づいてきたことが直感的に振り向きの頻度で分かることができる。
【0126】
《第2実施形態》
続いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、所定の角速度で対象の移動する方向を表示させる点を特徴とする。第2実施形態の構成及び処理は第1実施形態のそれと基本的に共通する。ここでは重複した説明を避け、異なる点を中心に説明する。
【0127】
第2実施形態の情報提示装置1000の構成は、図4に示す第1実施形態の構成と共通する。
【0128】
そして、本実施形態のロボット制御装置200の目標角度算出機能は、車両の現在位置と基準方向(進行方向、方位を含む)と速度とから所定時間経過後における車両の位置と基準方向を推測し、推測された地点における車両の位置と基準方向と対象の位置とに基づいて、車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する。
【0129】
本実施形態における「所定時間」は対象に関連する情報(例えば案内情報や注意喚起情報)の提示が完了するまでの時間である。つまり、この「所定時間」はある対象に関連する案内情報又は注意喚起情報を読み上げるために要する時間、又はある対象に関連する情報(例えば案内情報や注意喚起情報)の音声データを再生するために要する時間である。
【0130】
また、情報の読み上げ又は再生が開始されている場合は、未出力の情報の読み上げ又は未出力の情報の再生に要する時間である。未出力の情報の読み上げ(又は再生)に要する時間は、情報全部の読み上げ時間(又は情報の記録時間)から、すでに読み上げた情報の時間(再生時間)を差し引いて算出することができる。なお、読み上げに要する時間は、読み上げるテキストの文字数に基づいて算出することができ、再生に要する時間は、情報の記録時間から求めることができる。
【0131】
第2実施形態のロボット制御装置200の表示命令生成機能は、さらに、算出された目標角度と所定時間とに基づいて角速度を算出し、その角速度で移動する対象の存在する方向を示す情報をロボット100に表示させる表示命令を生成する。
【0132】
ロボット制御装置200は、本処理の開始時にロボット100が示す方向から算出された目標角度の方向までの角度を算出し、その角度を所定時間で除することにより角速度を算出する。本処理の開始時は任意に定義することができ、対象が特定されたタイミング、対象に関する案内情報の読み上げを開始するタイミング、現在位置における目標角度が算出されたタイミングでもよい。ロボット制御装置200は、そのタイミングにおいてロボット100が指し示す方向と、そのタイミングから所定時間経過後における対象の存在する方向との差(角度)を算出する。そして、その差(角度)を所定時間で除して角速度を算出する。
【0133】
ロボット制御装置200は、このように算出された角速度で、対象の存在する方向を移動させる。つまり、ロボット制御装置200は、案内情報の読み上げが終わるまで算出した角速度でロボット100を回転させる。
【0134】
これにより、ロボット100が指し示す方向、すなわち対象の存在を示す方向は一定の角速度で移動する。本実施形態のロボット制御装置200は、算出された角速度で所定時間にわたりロボット100を回転させる。そして、所定時間経過のタイミングにおいては、案内情報の読み上げが完了するとともに、ロボット100が対象の存在する方向を指示する。
【0135】
図18は、本実施形態の情報提示装置1000の制御手順を示すフローチャート図である。本実施形態のステップS100〜S108までの処理は、第1実施形態のステップS100〜SS108までの処理と基本的に共通する。異なる処理は、ステップS108の後に行われるステップS201〜ステップS203である。
【0136】
ステップS108において、動作制御装置110は、その正面がステップS106で算出した目標角度の方向を向くようにロボット100を回転させる。
【0137】
続くステップS201において、ロボット制御装置200は、特定された対象に関する案内情報の提示か完了するタイミングにおける自車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する。
【0138】
この目標角度の算出処理の制御手順を図19のフローチャート図に基づいて説明する。図19に示すように、まず、ステップS2111において、ロボット制御装置200は、特定された対象に関する案内情報の発話(読み上げ)完了までの時間を取得する。発話が途中の場合は、案内情報全体の文字数から算出された全発話時間から、すでに発話が完了した文字数から算出された発話済時間を差し引いて、発話完了までの時間を求めることができる。
【0139】
続くステップS2112において、ロボット制御装置200は、自車両の速度と基準方向を車両コントローラ400から取得する。ステップS106において利用した車両情報を用いることもできる。
【0140】
ステップS2113において、ロボット制御装置は、発話が完了するまでの時間と、車両の速度及び基準方向に基づいて、発話終了時における車両の位置を推測する。このときナビゲーション装置300の経路探索システム302、地図情報303を用いてもよい。
【0141】
また、ステップS2114において、ロボット制御装置200は、第1実施形態で図6、図7に基づいて説明した手法により、推測された自車両の所定時間経過後の位置に対する対象(POI)の存在する絶対座標上の方向を算出する。
【0142】
さらに、ステップS2115において、ロボット制御装置200は、図8に基づいて説明した手法により、その推測された地点における自車両の基準方向に対する対象の存在する方向を算出する。
【0143】
続くステップS2116において、ロボット制御装置200は、所定時間経過後の自車両の基準方向に対する対象の存在する方向の目標角度と所定時間とに基づいて、角速度を算出する。具体的に、ロボット制御装置200は、本処理の開始時にロボット100が示す方向から算出された目標角度の方向までの角度を算出し、その角度を所定時間で除することにより角速度を算出する。
【0144】
ここで、図18のステップS201へ移行する。ロボット制御装置200は、ステップS201で算出した角速度で移動する方向を示す情報を表示させる表示命令を生成する。具体的には、ロボット100を一定の角速度で回転させる命令を生成する。生成した表示命令はロボット100の動作制御装置110へ送出する。
【0145】
図20及び図21に基づいて、一定の角速度で回転するロボット100の動作を説明する。図20は、処理開始時T1と、その後のタイミングTMと、案内情報の提示が完了する(T1から所定時間経過後)タイミングTNにおける車両と対象との位置関係を示す図である。初期T1において、自車両の基準方向を基準とした対象の存在する方向(目標角度)はαT1である。所定時間経過後のタイミングTNにおいて、自車両の基準方向を基準とした対象の存在する方向(目標角度)はαTNである。
【0146】
本実施形態のロボット制御装置200は、算出された目標角度に基づいて、ロボット100の動作を制御する。具体的に、本実施形態のロボット制御装置200は、図21(A)〜(C)のようにロボット100の動作を制御する。具体的に、ロボット制御装置200は、ロボット100を角度αT1の方向(図21(A))から角度αTNの方向まで、一定の角速度で回転させる。これによりロボット100が示す方向は、変化する対象の位置を追従するように、一定の角速度で移動する。なお、本実施形態では、この一定の角速度による移動は、所定時間の経過後に停止させる。
【0147】
図18に戻り、ステップS203の処理を説明する。ステップS203は、所定時間経過後における対象の存在方向を再計算する処理である。
【0148】
本実施形態のロボット制御装置200は、車両の基準方向の変化及び/又は速度の変化が予め定義した各閾値以上となった場合は、対象の位置と車両の現在位置と基準方向と速度に基づいて、所定時間経過後における車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を再度算出する。
【0149】
ところで、ステップ201においては、発話に要する時間と自車両の速度に基づいて発話終了後の車両の現在位置を予測する。しかし、図22、図23に示すように、自車両の速度や基準方向(進行方向、方位を含む)が大きく変化すると、所定時間経過後における実際の車両の位置は予測した位置と異なる位置になる。つまり、所定時間経過後における実際の車両の位置に対する対象の存在方向と、予測された車両の位置に対する対象の存在方向は異なる方向になる。なお、図22は、車両の走行方向を基準とする場合における、所定時間経過前後の対象の存在方向の変化を示し、図23は、車両にて観測された方位を基準とする場合における、所定時間経過前後の対象の存在方向の変化を示す。
【0150】
このため、本実施形態のロボット制御装置200は、図24、図25に示すように車両の基準方向(進行方向、方位を含む)の変化Δαが予め定義した所定値よりも大きくなった場合、又は車両の速度の変化Δfが予め定義した所定値よりも大きくなった場合は、再度、ステップS201及びステップS202の処理を実行し、対象の目標角度の算出を行う。なお、図24は、車両の進行方向を基準とする場合における、所定時間経過前後の対象の存在方向の変化量を示し、図25は、車両にて観測された方位を基準とする場合における、所定時間経過前後の対象の存在方向の変化量を示す。
【0151】
また、ロボット制御手段200は、再度算出された目標角度に基づいて、新たな表示命令を生成する。表示命令の生成処理は図19に示す処理(フロー)と同様である。
【0152】
ただし、再度表示命令を生成するタイミングでは、案内情報の読み上げがすでに開始されているため、角速度の算出に用いられる再度表所定時間も再度算出する必要がある。再度表示命令を生成するタイミングから案内情報の提示が完了するまでの時間の算出手法は特に限定されず、準備された案内情報の文字数と読み上げが完了した文字数とに基づいて算出してもよいし、車両コントローラ400のタイマー403から取得した現在時刻を用いて、準備された案内情報の再生時間と再生完了時間の差から算出してもよい。
【0153】
図26,図27は、基準方向(進行方向、方位を含む)の変化が所定値以上となったタイミングTMと、案内情報の提示が完了するタイミングTN(タイミングT1から所定時間経過後)における車両と対象との位置関係を示す図である。
【0154】
図26に示すように、タイミングTMにおいて目標角度が再計算され、タイミングTMにおける自車両の進行方向を基準とした対象の存在する方向(目標角度)はαTM´である。また、案内情報の提示が完了するタイミングTNにおける自車両の基準方向を基準とした対象の存在する方向(目標角度)はαTN´である。
【0155】
本実施形態のロボット制御装置200は、目標角度の再計算後、ロボット100を角度αTM´の方向から角度αTN´の方向まで、一定の角速度で回転させる。これによりロボット100が示す方向は、変化する対象の位置を追従するように、一定の角速度で移動する。また、算出された角速度で回転するロボット100は、案内情報の提示完了のタイミングで、対象の存在する方向を指し示す。なお、ロボット100の回転を所定時間経過時に停止させ又は基準方向(初期設定方向)に向けることにより、案内情報の提示完了のタイミングで、対象の存在する方向を指し示すことができる。
【0156】
図27は、自車両で観測された方位を基準として目標角度を算出する場合の例を示す図である。図27の示す内容は図26において示す内容と共通する。つまり、タイミングTMにおいて目標角度が再計算され、タイミングTMにおける自車両で観測された方位を基準とした対象の存在する方向(目標角度)はβTM´である。また、案内情報の提示が完了するタイミングTNにおける自車両の基準方向を基準とした対象の存在する方向(目標角度)はβTN´である。ロボット制御装置200は、目標角度の再計算後、ロボット100を角度βTM´の方向から角度βTN´の方向まで、一定の角速度で回転させる。
【0157】
以上のように構成され、動作するので、第1実施形態の情報提供装置1000は、第1実施形態の情報提示装置1000と同様の効果を奏する。
【0158】
具体的に、本実施形態の情報提示装置1000は以下の効果を奏する。
【0159】
本発明によれば、第1実施形態の情報提示装置1000と同様に、車両の基準方向に対する対象の存在方向の変化をロボット100などの表示装置Qによって示すことができるため、基準方向が変化する走行中であっても車両の乗員は対象の位置を特定することができる。
【0160】
また、ロボット100を所定の回転軸廻りに一定角速度で回転させ、その正面(顔)を対象の存在する方向に継続的に向けて対象の位置の変化を乗員に知らせることにより、乗員はロボット100が連続的に向く方向により対象(施設等)の位置を正確に特定することができる。
【0161】
また、本実施形態によれば、所定時間後における目標角度に基づいて角速度を算出し、算出された角速度で移動する方向を示す情報をロボット100等に表示させるため、所定周期での繰り返しの処理を行わなくても、相対的に移動する対象の位置を追跡するように指し示すことができる。これにより、処理コストを低減しつつ相対的に移動する対象の位置を追跡するように指し示すことができる。
【0162】
また、所定時間を対象に関連する情報の提示が完了するまでの時間とすることにより、情報の提示が完了するタイミングで対象の存在する方向を指し示すことができる。
【0163】
また、車両の基準方向(走行方向、方位を含む)及び/又は車両の速度の変化が所定値以上となる場合は、目標角度を再度算出し、再度算出された目標角度に基づいて、対象の存在する方向を示す情報をロボット100に表示させるため、車両の基準方向が変化しても、対象の存在方向を追跡しながら示すことができる。
【0164】
加えて、車両の基準方向(走行方向、方位を含む)及び/又は車両の速度の変化が所定値以上となる場合は、目標角度を再度算出し、再度算出された目標角度に基づく角速度で移動する方向を示す表示命令を生成することにより、車両が走行中であっても対象の存在する方向を正確に追跡することができる。
【0165】
続いて、第1実施形態及び第2実施形態の情報提示装置1000について、3つの変形例を説明する。これらの変形例は、表示装置Qをロボット100に代えて、立体ディスプレイ、ホログラフィック表示装置、二次元ディスプレイとするものである。
【0166】
<第1変形例>
第1変形例に係る情報提示装置1300は、対象の存在する方向を示す情報を提示する表示装置Qとしての立体ディスプレイ3100と、制御装置Rとしての立体ディスプレイ制御装置3200を備える。
【0167】
立体ディスプレイ3100は、立体形状の表示画面に表示される動作体の向きにより所定の方向を示す情報を表示する。
【0168】
図28は、立体ディスプレイ3100の一例を示す図である。図28(A)は立体ディスプレイ3100の構成の概要図であり、図28(B)は立体ディスプレイ3100の平面図である。
【0169】
図28(A)に示すように、立体ディスプレイ3100は、中空の半球形状の投射面3102と、動作体の映像を再生する再生装置3103と、投射用の光源3104と、再生装置3103を回転させる回転駆動部3105とを有する。また、ベース部3106はこれらを支持するとともに、スピーカ、立体ディスプレイ制御装置3200として機能するCPU及びメモリを収納する。
【0170】
投射面3102は光透過性を有し、再生装置3103により投射された動作体の映像は投射面3102の外側から視認できる。
【0171】
再生装置3103は、回転駆動部3105の駆動により、立体ディスプレイ3100の設置面に対して略垂直方向に沿う回転軸G廻りに回転する。再生装置3103が回転すると、投射面3120に投射された動作体の映像も回転する。
【0172】
再生装置3103の回転により、任意の方向を向く動作体を投射面3120に映し出すことができる。また、再生装置3103は、投射する映像を切り替える映像切換機能を有する。再生装置3103は、立体ディスプレイ制御装置3200の制御命令に従い、異なる態様の動作体の映像を再生する。
【0173】
動作体の映像の態様は特に限定されないが、図28(B)に示すように、人の目に似せた目e1,e2を含ませることができる。目e1,e2を設けることにより、動作体の正面側を定義することができ、対象の存在方向にその正面を向けることにより、対象の存在する方向を示すことができる。
【0174】
立体ディスプレイ制御装置3200は、対象に関連する情報を提示する際に、算出された目標角度に基づいて、対象の存在する方向を示す動作体の映像、たとえば、その正面側を対象の存在する方向に向ける映像を投影面3102に表示する表示命令を生成する。
【0175】
このため、本例の情報提示装置1300は、車両の基準方向に対する対象の存在方向を立体ディスプレイ3100に映し出す動作体(動物を模した立体物、人間または擬人体を模した立体物、手や指などの体の部分を模した立体物、又は矢印形状の立体物などの映像)によって示すことができるため、基準方向が変化する走行中であっても車両の乗員は対象の位置を特定することができる。
【0176】
本例の立体ディスプレイ制御装置3200は、第1実施形態及び第2実施形態におけるロボット制御装置200と同じ機能を備え、同様の処理を行うため、第1及び第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0177】
<第2変形例>
第2変形例に係る情報提示装置1400は、対象の存在する方向を示す情報を三次元立体虚像で提示する表示装置Qとしてのホログラフィック表示装置4100と、制御装置Rとしてのホログラフィック表示制御装置4200を備える。
【0178】
ホログラフィック表示装置4100は、三次元立体虚像により表示される動作体の向きにより所定の方向を示す情報を表示する。
【0179】
図29は、本例の情報提示装置1400のブロック構成図である。図29に示すように、本例の情報提示装置1400は、ホログラフィック表示装置4100と、ホログラフィック表示制御装置4200を有する。
【0180】
さらに、ホログラフィック表示装置4100は、再生光照射装置4110と、ホログラム設定装置4120と、マスタホログラム4130とを有する。
【0181】
各構成を説明すると、再生光照射装置4110は、ホログラフィック表示制御装置4200の制御命令に基づいて、マスタホログラム4130を再生するための再生光を、予め準備したマスタホログラム4130へ照射する。再生光の光源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプといったランプ、発光ダイオード、半導体レーザなどを用いることができる。
【0182】
また、マスタホログラム4130は、情報を伝える伝達媒体としての動作体が動作を行う過程を、所定間隔ごとに記録した一又は複数のホログラムである。動作体を第1及び第2実施形態において説明したロボット100とし、ホログラフィック表示装置4100は動作するロボット100の姿態を三次元虚像により表示してもよい。このマスタホログラムは、ロボット100がその正面側を所定の方向を向ける動作過程を所定間隔ごとに記録した一又は複数のホログラムを含む。
【0183】
なお、ホログラムの作成手法は特に限定されず、公知の手法を用いることができる。たとえば、レーザ光をビームスプリッタで2つに分け、一方のレーザ光を動作中の動作体に照射し、動作中の動作体に反射した物体光を得る。他方のレーザ光は参照光として直接記録材料に導く。これら物体光と参照光との干渉縞を記録材料に記録する。
【0184】
本例のマスタホログラム4130は、動作体の一連の動作の過程を所定時間ごとに区切り、各タイミングにおける動作体の静止姿態をマスタホログラム4130として記録する。マスタホログラム4130を、時間の経過に従い順次再生すると、動作体の動作をアニメーションのように表現することができる。動作過程を記録したマスタホログラム4130の数が多いほど、すなわち、各マスタホログラム同士の時間間隔が短いほど、連続した滑らかな動作を表現することができる。
【0185】
なお、マスタホログラム4130の記録材料は、ポリビニルカルバゾール、アクリル系等のフォトポリマー、重クロム酸ゼラチン、光レジスト材料などの感光材料を用いることができる。
【0186】
ホログラム設定装置4120は、準備した一又は複数のマスタホログラム4130を、記録時の動作の時間軸に従い、再生光が照射される再生位置に順次設定する。ホログラム設定装置4120が順次設定したマスタホログラム4130に、再生光を順次照射することで、動作体の動きが再生され、所定の動作を行う動作体の三次元虚像を表示することができる。三次元虚像は、フロントガラス部分に表示することができる。また、専用のホログラフィク用表示装置をダッシュボード近傍に設けることができる。
【0187】
なお、三次元虚像の表示手法は特に限定されず、公知の技術を用いることができる。例えば、特開平9−113845に示される三次元画像表示装置を用いて、所定の方向を示す動作体の三次元虚像を表示することができる。
【0188】
ホログラフィック表示制御装置4200は、対象に関連する情報を提示する際に、算出された目標角度に基づいて、対象の存在する方向を向く動作体のマスタホログラムを再生させ、対象の存在する方向を向く動作体の三次元虚像をホログラフィック表示装置4100虚像表示装置に表示させる。
【0189】
このため、本例の情報提示装置1400は、車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す動作体をホログラフィック表示装置4100によって映し出すことができるため、基準方向が変化する走行中であっても車両の乗員は対象の位置を特定することができる。
【0190】
<第3変形例>
第3変形例に係る情報提示装置は、対象の存在する方向を示す情報を二次元画像で提示する表示装置Qとしての二次元ディスプレイと、制御装置Rとしての画像表示制御装置を備える。この二次元ディスプレイは、二次元画像により表示される動作体の向きにより所定の方向を示す情報を表示する。本例では、ナビゲーション装置300のディスプレイ308を二次元ディスプレイとして用いる。
【0191】
画像表示制御装置は、所定の方向を示す動作体の映像データを記憶し、表示命令に基づいて対象の存在する方向を示す動作物を表示する。二次元画像の出力制御手法は特に限定されず通常の手法を用いることができる。
【0192】
ディスプレイ308は、対象に関連する情報を提示する際に、算出された目標角度に基づいて、対象の存在する方向を向く動作体の映像を再生させ、対象の存在する方向を向く動作体の映像を画面に表示させる。
【0193】
このため、ディスプレイ308は、車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す動作体の映像を表示するため、基準方向が変化する走行中であっても車両の乗員は対象の位置を特定することができる。
【0194】
なお、ここでは動作体の二次元画像をナビゲーション装置300のディスプレイ308に表示する一例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、フロントガラスに設けられたヘッドアップディスプレイ装置に動作体の二次元画像を投影しても良い。
【0195】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0196】
すなわち、本明細書では、本発明に係る情報提示装置の一態様として表示装置Qと制御装置Rを備える装置を例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0197】
また、本願発明に係る表示体は表示装置Qに対応する。本明細書では、立体物の一態様としてのロボット100、立体型表示装置の一態様としての立体ディスプレイ3100、虚像表示装置の一態様としてのホログラフィック表示装置4100、平面型表示装置の一態様としての二次元ディスプレイ又はナビゲーション装置300のディスプレイ308を例にして説明したが、本発明の表示体はこれらに限定されるものではない。
【0198】
また、本願発明に係る制御手段は制御装置Rに対応する。本明細書では、制御手段に対応する制御装置Rとして、ロボット100の動作を制御するロボット制御装置200、立体ディスプレイ3100の表示を制御する立体ディスプレイ制御装置と、ホログラフィック表示装置4100の表示を制御するホログラフィック表示制御装置4200、二次元ディスプレイの表示を制御する二次元ディスプレイ制御装置を例にして説明したが、本発明の制御装置は制御する立体物に応じて本発明に係る制御処理を行うものであり、これらに限定されるものではない。
【0199】
また、本明細書では、制御手段の一態様として、ROM201とCPU202とRAM203とを有する制御装置Rを例に説明したが、これに限定されるものではない。
【0200】
また、本明細書では、本願発明に係る、車両情報取得手段と、対象情報取得手段と、対象特定手段と、目標角度算出手段と、表示命令生成手段とを有する制御手段の一態様として、車両情報取得機能と、対象情報取得機能と、対象特定機能と、目標角度算出機能と、表示命令生成機能とを有する制御装置R(ロボット制御装置200等)を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0201】
また、本明細書では、表示体が備える出力手段の一態様としてスピーカ130を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0202】
Q…表示装置
100…ロボット、立体物
110…動作制御装置
120…ロボット回転駆動機構
130…スピーカ
3100…立体ディスプレイ
4100…ホログラフィック表示装置
R…制御装置
200…ロボット制御装置
3200…立体ディスプレイ表示制御装置
4200…ホログラフィック表示制御装置
M…車載装置
300…ナビゲーション装置
301…GPS
302…経路探索システム
3021…目的地設定機能
3022…検索機能
303…地図情報
304…施設情報
305…POI情報
306…施設形状情報
307…施設マスタ画像
308…ディスプレイ
400…車両コントローラ
401…ジャイロセンサ
402…地磁気センサ
403…車速センサ
500…路車間通信装置
600…カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、所定の方向を示す情報を表示する表示体と、
前記表示体の情報の表示を制御する制御手段と、を備えた情報提示装置であって、
前記制御手段は、
前記車両の現在位置と基準方向を取得する車両情報取得手段と、
前記車両の乗員に提示する対象を特定する対象特定手段と、
前記特定された対象の位置を取得する対象情報取得手段と、
前記特定された対象の位置と前記車両の現在位置及び前記基準方向とに基づいて、前記基準方向に対する前記対象の存在方向を示す目標角度を算出する目標角度算出手段と、
前記算出された目標角度に基づいて、前記特定された対象の存在する方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成する表示命令生成手段と、を有する情報提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提示装置において、
前記目標角度算出手段は、所定の周期で前記目標角度を算出し、
前記表示命令生成手段は、前記所定の周期で算出された各目標角度に基づいて前記対象の存在する方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成し、前記生成した表示命令を前記表示体に連続的に実行させる情報提示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報提示装置において、
前記対象情報取得手段は、特定された対象に関連する情報を取得し、
前記制御手段の表示命令生成手段は、前記表示体が備える出力手段を介して前記対象特定手段により特定された対象に関連する情報を出力させる情報提示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提示装置において、
前記表示命令生成手段は、前記特定された対象に関連する情報を提示する際に、前記対象の存在する方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記基準方向は、車両の進行方向であることを特徴とする情報提示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報提示装置において、
前記対象特定手段は、前記車両の現在位置と前記車両の進行方向と対象の位置とに基づいて、前記車両の乗員に示す対象を特定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の情報提示装置において、
前記車両情報取得手段は車両の現在位置と基準方向のほかに速度を取得し、
前記目標角度算出手段は、前記車両の現在位置と進行方向と速度とから所定時間経過後における車両の位置と進行方向を推測し、前記推測された車両の位置と進行方向と前記取得された対象の位置とに基づいて、前記所定時間経過後における車両の進行方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する情報提示装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報提示装置において、
前記表示命令生成手段は、前記算出された目標角度と前記所定時間とに基づいて角速度を算出し、前記算出された角速度で移動する、前記対象の存在する方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の情報提示装置において、
前記所定時間は、前記表示体に情報を表示させる制御に要する時間である情報提示装置。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の情報提示装置において、
前記所定時間は、前記表示体の出力手段による対象に関連する情報の提示が完了するまでの時間である情報提示装置。
【請求項11】
請求項7〜10の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記目標角度算出手段は、前記車両情報取得手段により取得された車両の進行方向の変化が所定角度以上となった場合及び/又は車両の速度の変化が所定値以上となった場合は、前記対象の位置と前記車両の現在位置と進行方向と速度に基づいて、前記所定時間経過後における車両の進行方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を再度算出し、
前記表示命令生成手段は、前記再度算出された目標角度に基づいて、前記特定された対象の存在する方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報提示装置において、
前記表示命令生成手段は、前記再度算出された目標角度と前記所定時間とに基づいて角速度を再度算出し、前記算出された角速度で移動する方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項13】
請求項1〜5の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記基準方向は、方位を含むことを特徴とする情報提示装置。
【請求項14】
請求項13に記載の情報提示装置において、
前記車両情報取得手段は車両の現在位置と基準方向のほかに速度を取得し、
前記目標角度算出手段は、前記基準方向に対する車両の進行方向を算出し、前記車両の現在位置と進行方向と速度とから所定時間経過後における車両の位置と進行方向を推測し、前記推測された車両の位置と進行方向と前記取得された対象の位置とに基づいて、前記所定時間経過後における前記基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を算出する情報提示装置。
【請求項15】
請求項14に記載の情報提示装置において、
前記表示命令生成手段は、前記算出された目標角度と前記所定時間とに基づいて角速度を算出し、前記算出された角速度で移動する、前記対象の存在方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の情報提示装置において、
前記所定時間は、前記表示体に情報を表示させる制御に要する時間である情報提示装置。
【請求項17】
請求項14又は15に記載の情報提示装置において、
前記所定時間は、前記表示体の出力手段による対象に関連する情報の提示が完了するまでの時間である情報提示装置。
【請求項18】
請求項14〜17の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記目標角度算出手段は、前記車両情報取得手段により取得された車両の基準方向の変化が所定角度以上となった場合及び/又は車両の速度の変化が所定値以上となった場合は、前記対象の位置と前記車両の現在位置と基準方向と速度に基づいて、前記所定時間経過後における車両の基準方向に対する対象の存在方向を示す目標角度を再度算出し、
前記表示命令生成手段は、前記再度算出された目標角度に基づいて、前記特定された対象の存在する方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項19】
請求項18に記載の情報提示装置において、
前記表示命令生成手段は、前記再度算出された目標角度と前記所定時間とに基づいて角速度を再度算出し、前記算出された角速度で移動する方向を示す情報を前記表示体に表示させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項20】
請求項1〜19の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記表示命令生成手段は、前記車両に搭載されたカメラの撮像画像に、前記特定された対象について予め定義された特徴を備える画像が含まれる場合は、前記表示体に前記表示命令を実行させる動作開始命令を生成する情報提示装置。
【請求項21】
請求項1〜19の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記表示命令生成手段は、前記車両の経路案内のために提供される画像情報に、前記特定された対象について予め定義された特徴を備える画像が含まれる場合は、前記表示体に前記表示命令を実行させる動作開始命令を生成する情報提示装置。
【請求項22】
請求項1〜21の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記表示体は、そのものの向きにより所定の方向を示す情報を表示する回動可能な立体物であり、
前記立体物は、所定の回転軸廻りに当該立体物を回動させる駆動手段を備え、
前記制御手段の表示命令生成手段は、前記対象に関連する情報を提示する際に、前記算出された目標角度に基づいて、前記立体物が前記対象の存在する方向を示すように、前記駆動手段に前記立体物を回動させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項23】
請求項1〜21の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記表示体は、立体形状の表示画面に表示される動作体の向きにより所定の方向を示す情報を表示する立体型表示装置であり、
前記制御手段の表示命令生成手段は、前記対象に関連する情報を提示する際に、前記算出された目標角度に基づいて、前記対象の存在する方向を示す動作体の映像を前記表示面に表示する表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項24】
請求項1〜21の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記表示体は、三次元虚像により表示される動作体の向きにより所定の方向を示す情報を表示する虚像表示装置であり、
前記虚像表示装置は、前記各所定の方向を示す動作体の動作過程を所定間隔ごとに記録した一又は複数のマスタホログラムを有し、
前記制御手段の表示命令生成手段は、前記対象に関連する情報を提示する際に、前記算出された目標角度に基づいて、前記対象の存在する方向を示す動作体のマスタホログラムを再生させ、前記対象の存在する方向を示す動作体の三次元虚像を前記虚像表示装置に表示させる表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項25】
請求項1〜21の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記表示体は、二次元の表示画面に表示される動作体の向きにより所定の方向を示す情報を表示する平面型表示装置であり、
前記制御手段の表示命令生成手段は、前記対象に関連する情報を提示する際に、前記算出された目標角度に基づいて、前記対象の存在する方向を示す動作体の映像を前記表示画面に表示する表示命令を生成する情報提示装置。
【請求項26】
請求項1〜21の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記車両の乗員に示される対象は、乗員が設定した目的地やカテゴリ、推測されたユーザの好み、及び/又は、車両の現在位置と基準方向に基づいて特定された対象である情報提示装置。
【請求項27】
車両の乗員に提示する対象を特定し、
前記特定された対象の位置と前記車両の現在位置及び基準方向とに基づいて、前記対象の存在方向を示す目標角度を算出し、
前記算出された目標角度に基づいて、前記対象の存在する方向を示す情報を表示する情報提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−7768(P2011−7768A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214063(P2009−214063)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】