情報表示端末装置
【課題】 表示部を湾曲形状に形成する必要がなく、かつ表示部の表面に外力が加わった場合でも、表面の形状変化を防止することが可能な情報表示端末装置の提供。
【解決手段】 固定側筐体2と、固定側筐体2に収納および離反が可能でかつ巻き取り部8を有する格納側筐体3と、その一端が固定側筐体2に、その他端が巻き取り部8を介して格納側筐体3にそれぞれ接続され、かつ可撓性を有する表示部4と、表示部4の背面側に設けられる天板9,11とを含む。
【解決手段】 固定側筐体2と、固定側筐体2に収納および離反が可能でかつ巻き取り部8を有する格納側筐体3と、その一端が固定側筐体2に、その他端が巻き取り部8を介して格納側筐体3にそれぞれ接続され、かつ可撓性を有する表示部4と、表示部4の背面側に設けられる天板9,11とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示端末装置に関し、特に電子ペーパー等の可撓性を有する表示部を内蔵し、表示部を筐体内に格納することで表示部の大型化と筐体の小型化とを両立する情報表示端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する情報表示端末装置の一例として、筐体本体を固定側筐体と、固定側筐体に一端が接続された表示部の他端側を巻き取った巻き取り側筐体とから構成し、固定側筐体から離反させる方向へ巻き取り側筐体をスライドさせることにより、巻き取り側筐体に巻き取られた表示部が引き出され、表示部に映し出された情報をユーザーが視認できるようにし、また、逆に固定側筐体に近接させる方向へ巻き取り側筐体をスライドさせることにより、巻き取り側筐体から引き出されていた表示部が再び巻き取り側筐体に巻き取られる情報処理装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
この情報処理装置では、巻き取り側筐体から引き出された表示部に対し、引き出された方向と直交する断面に湾曲形状が付与され、これにより表示部を引き出した際の剛性を高めている。
【0004】
また、関連技術の他の一例として、可撓性と復元性を有する材料で表示シートが構成され、かつその表示シートの一端が硬質ケースで保持される電子ペーパー表示器が開示されている(特許文献2参照)。これは、硬質ケースの一側部に切り欠き部を設け、ここに表示シートを露出させ、硬質ケースを持つ手で、切り欠き部に露出する表示シートを表面側に折り曲げ、表示シート全体を表面側に湾曲させ、平坦に支持するものである。これにより、表示シートを片手で支持することが可能となるというものである。
【0005】
さらに、関連技術の他の一例として、筐体の上部にキーボードとスライド軸が回動できる開閉部を、内部の奥に可撓性の表示面の巻き取り軸を設け、表示面を拡大するときは表示面の上端を支える表示面支持部をスライド軸に沿って任意の位置まで上げてストッパーで留める情報処理装置が開示されている(特許文献3参照)。これにより、表示面を任意の大きさにでき、また、表示面が上下に回動可能に分かれる構造であるため、連続して表示させる面積を2倍にできる、というものである。
【0006】
上記特許文献1〜3に記載の関連発明では、表示部に可撓性部材を用いている点で共通している。また、特許文献1,2に記載の関連発明では、表示部を湾曲させる構成を有しており、これにより剛性を高めている。一方、特許文献3に記載の関連発明にはこのような剛性を高める構成は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−279841号公報
【特許文献2】特開2009−109806号公報
【特許文献3】特開平9−134132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2に記載の関連発明では、表示部を湾曲形状に形成しなければならないという欠点がある。一方、特許文献1,2に記載の関連発明では、表示部を湾曲形状とすることにより剛性を高めることが可能であるが、その湾曲形状を維持するための構成は有していない。したがって、表示部の表面に外力が加わった場合は、表面の形状が変化するという欠点がある。また、特許文献3記載の発明に上記課題を解決する手段は開示されていない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、表示部を湾曲形状に形成する必要がなく、かつ表示部の表面に外力が加わった場合でも、表面の形状変化を防止することが可能な情報表示端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明による情報表示端末装置は、固定側筐体と、前記固定側筐体に収納および離反が可能でかつ巻き取り部を有する格納側筐体と、その一端が前記固定側筐体に、その他端が前記巻き取り部を介して前記格納側筐体にそれぞれ接続され、かつ可撓性を有する表示部と、前記表示部の背面側に設けられる天板とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示部を湾曲形状に形成する必要がなく、かつ表示部の表面に外力が加わった場合でも、表面の形状変化を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の平面図である。
【図2】本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の断面図である。
【図3】本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の模式図である。
【図4】第1実施形態における天板11とシャフト13の動作の一例を示す模式図である。
【図5】本発明に係る情報表示端末装置の第2実施形態の断面図である。
【図6】第2実施形態における天板11とシャフト13の動作の一例を示す模式図である。
【図7】本発明に係る情報表示端末装置の第3実施形態の断面図である。
【図8】本発明に係る情報表示端末装置の第4実施形態の断面図である。
【図9】本発明に係る情報表示端末装置の第4実施形態の模式図である。
【図10】本発明に係る情報表示端末装置の第5実施形態の断面図である。
【図11】本発明に係る情報表示端末装置の第5実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、実施の形態の説明に入る前に、本発明の動作原理について図2(a)、(b)を用いて説明する。同図(a)を参照すると、本発明に係る情報表示端末装置1は、固定側筐体2と、固定側筐体2に収納および離反が可能でかつ巻き取り部8を有する格納側筐体3と、その一端が固定側筐体2に、その他端が巻き取り部8を介して格納側筐体3にそれぞれ接続され、かつ可撓性を有する表示部4と、表示部4の背面側に設けられる天板9,11とを含んで構成される。
【0014】
上記構成を備えることにより、同図(b)を参照すると、格納側筐体3が固定側筐体2から離反されると、表示部4が伸張し表示部4の他端が格納側筐体3の巻き取り部8に係止する。一方、格納側筐体3が離反される場合も表示部4の背面側に天板11が位置する。
【0015】
このように本発明によれば、格納側筐体3が収納時あるいは離反時のいずれの場合にも、表示部4の背面側に天板9あるいは11が位置するため、天板9あるいは11で表示部4を支持することが可能となる。したがって、本発明によれば、表示部を湾曲形状に形成する必要がなく、かつ表示部の表面に外力が加わった場合でも、表面の形状変化を防止することが可能となる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の平面図である。図1(a)は格納側筐体収納時、図1(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。
【0017】
図1(a)、(b)を参照すると、情報表示端末装置1は、固定側筐体2と、格納側筐体3と、可撓性を有する表示部(ディスプレイ)4と、固定側筐体2の側面部5と、操作ボタン6と、格納側筐体3の側面部7とを含んで構成される。
【0018】
情報表示端末装置1は、固定側筐体2から離反させる方向へ、格納側筐体3をスライドさせることにより、格納側筐体3に収納されている表示部4が引き出され、表示部4に映す表示範囲が拡大される(同図(b)参照)。
【0019】
また、逆に固定側筐体2に収納する方向へ格納側筐体3をスライドさせることにより、格納側筐体3から引き出されていた表示部4は再び格納側筐体3に収納される(同図(a)参照)。
【0020】
また、固定側筐体2の側面部5は固定側筐体2に固定されており、スライド時に移動することはない。操作ボタン6は情報表示端末装置1を操作するためのものである。ただし、情報表示端末装置1にタッチパネル機能等、他の操作機能が内蔵されている場合はこの操作ボタン6は必須ではない。また、格納側筐体3の側面部7は格納側筐体3に固定されており、表示部4の収納時には固定側筐体2の側面部5内に格納される。
【0021】
図2は本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の断面図である。図2(a)は格納側筐体収納時、図2(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図1と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0022】
図2(a)、(b)を参照すると、情報表示端末装置1は図1に表示した構成物の他に、表示部4の巻取り部8と、表示部4の収納時および展開時に表示部4を支える天板となる固定側筐体2の天板9と、格納側筐体3の天板10と、表示部4の展開時に表示部4を支える天板となる格納側筐体3の天板11と、天板11の回転軸となるシャフト12と、表示部4の展開時に格納側筐体3の側面部7のレール(不図示)上を移動して天板11を表示部4側に押し出すシャフト13と、操作ボタン6からの操作を処理して表示部4に情報を表示する電子回路部14とを含んで構成される。また、電子回路部14は、表示部4または天板11、シャフト13の移動を検知して表示部4の表示サイズを変更する。
【0023】
図3は本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の模式図である。図3(a)は格納側筐体収納時、図3(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図1および図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0024】
図3(a)、(b)は便宜上、図1から表示部4を省略したものを表示している。図3(a)、(b)を参照すると、天板9は固定側筐体2側に固定されており、天板9の格納側筐体3側は凹凸状に形成されている。天板9は、表示部4の収納時は、表示部4のほぼ全面を支える天板となり、格納側筐体3側の凹凸部分が天板10と噛合う構成となっている(図3(a)参照)。
【0025】
また、表示部4の展開時は、天板9は表示部4の固定側筐体2側を支える天板となり、格納側筐体3側の凹凸部分が天板11と噛合う構成となっている(図3(b)参照)。
【0026】
天板10は格納側筐体3側に固定されており、表示部4の収納時および展開時に表示部4の格納側筐体3側の面を支える。天板11は天板10とシャフト12により接続され、表示部4の収納時には天板9の背面に位置する。
【0027】
表示部4の展開時には、シャフト13の移動により、天板11はシャフト12を基点として表示部4の方向に回転し、表示部4の格納側筐体3側を支える天板となる。シャフト13は表示部4の展開の動作に合わせて、格納側筐体3の側面部7のレール(図3(a)、(b)に記載の破線部参照)上を移動して天板11を表示部4側に押し出す。
【0028】
なお、上記天板の形状が凹凸状態で噛合うような構成は本発明では必須ではないが、この構成を採用することにより、天板同士の接点において表示部4の表面方向からかかる外力を分散することが可能となる。また、図2の電子回路部14は、本発明と直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。
【0029】
また、天板11はシャフト13を用いて移動させる例を示したが、これに代えて、バネ等を使用して移動させることも可能である。さらに、天板を複数に分け、段階的な表示部4の展開に合わせて天板を移動するようにしてもよい。さらに、表示部4の展開時の天板を強く固定するために、表示部4の表面方向からの力に強く、スライド方向からの力を受けたときのみ可動するストッパーを組み込むこと、あるいは天板が滑らかに展開および収納されるように、天板11の回転軸となるシャフト12に、回転方向に力を与えるバネを内蔵することも可能である。
【0030】
次に、天板11とシャフト13の動作の一例について説明する。図4は第1実施形態における天板11とシャフト13の動作の一例を示す模式図である。図4には4つの図が表示されているが、便宜上、左端の図から順に(a)、(b)、(c)、(d)の番号を付す。また、各構成部分に付されている番号は図2に表示されているものと同様なので、その説明を省略する。
【0031】
図4(d)を参照すると、固定側筐体2の側面部5と、格納側筐体3の側面部7とが表示されている。側面部7を参照すると、破線で第1レールが表示されている。第1レールは天板9,11の面と直角方向に傾斜して設けられている。また、側面部5を参照すると、破線で第2レールが表示されている。第2レールは天板9,11の面と直角方向に設けられている。
【0032】
シャフト13は固定側筐体2の側面に設けられ、格納側筐体3の第1レール上を移動するとともに、固定側筐体2の第2レール上を移動する。そして、シャフト13が天板9,11の面と直角方向に移動することにより、表示部4の背面側の天板11の背面からシャフト13がその天板11を押圧する。
【0033】
次に、上記動作を具体的に説明する。図4(a)は格納側筐体3が固定側筐体2に収納されている状態を示している。このとき、天板9,11は重畳されて表示部4の背面に位置している。また、シャフト13の位置は第2レールの右端となっており、天板11を未だ押圧していない。
【0034】
図4(b)は格納側筐体3が固定側筐体2から約半分離反した状態を示している。シャフト13は格納側筐体3が上方に移動するに従い、第1および第2レール上を移動する。これに伴い、シャフト13は天板11の面と直角方向(左方向)に移動し、天板11を押圧する。これにより、天板11はシャフト12を基点として時計方向に回転する。
【0035】
図4(c)は格納側筐体3が固定側筐体2から全て離反した状態を示している。シャフト13は格納側筐体3がさらに上方に移動するに従い、第1および第2レール上を移動する。これに伴い、シャフト13は天板11の面と直角方向(左方向)にさらに移動し、天板11を押圧する。これにより、天板11はシャフト12を基点として時計方向にさらに回転する。これにより、格納側筐体3側の表示部4はその背面から天板11により支持される。なお、格納側筐体3が固定側筐体2に収納あるいは離反のいずれの状態においても固定側筐体2側の表示部4はその背面から天板9により支持される。
【0036】
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、表示部4を支える天板9,11が表示部4の背面に押し出されて固定されるので、可撓性を有する表示部4を湾曲形状にすることなく安定させることが可能となる。また、天板9,11が表示部4の背面に存在していることで、表示部4の表面方向から力を加えた場合でも表示部4が天板9,11によって支えられるため、表示部4の形状変化を防止することが可能となる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は本発明に係る情報表示端末装置の第2実施形態の断面図である。図5(a)は格納側筐体収納時、図5(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0038】
第2実施形態は回転型天板11を固定側筐体2に配置したものである。格納側筐体3側の固定型天板9は、表示部4の収納時および展開時に表示部4を支える天板となり、固定型天板10は固定側筐体2側に固定されている。また、シャフト12も固定側筐体2側に固定されている。固定側筐体2側の回転型天板11は表示部4の展開時に表示部4を支える天板となり、シャフト12は回転型天板11の回転軸となる。その他の構成要素は図2と同様なので説明を省略する。
【0039】
次に、第2実施形態の動作について説明する。図6は第2実施形態における天板11とシャフト13の動作の一例を示す模式図である。同図を参照すると、シャフト13は格納側筐体3がスライド展開する動作に合わせて、固定側筐体2および格納側筐体3の側面部5,7のレール(破線部参照)を移動する。天板11はシャフト13の移動により、シャフト12を基点として回転する。その他の詳細な動作は図4の説明で述べたものと同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、回転型天板11を固定側筐体2に、固定型天板9を格納側筐体3にそれぞれ配置し、これに合わせて固定型天板10およびシャフト12を固定側筐体2に配置した点のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様の構成であるため、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0041】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は本発明に係る情報表示端末装置の第3実施形態の断面図である。図7(a)は格納側筐体収納時、図7(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図2および図5と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0042】
第3実施形態は、天板の移動をシャフトではなくバネを用いて構成したものである。図7(a)、(b)を参照すると、バネ台21と、バネ22とが新たに構成に追加されている。一方、シャフト12,13は削除されている。
【0043】
固定側筐体2側の固定型天板9は、表示部4の収納時および展開時に表示部4を支える天板となり、格納側筐体3側の移動型天板11は、表示部4の展開時に表示部4を支える天板となる。バネ台21は格納側筐体3側に固定されており、バネ22は移動型天板11とバネ台21とに接続されている。その他の構成要素は図2に記載のものと同様なので、その説明は省略する。
【0044】
次に、第3実施形態の動作について説明する。格納側筐体3が固定側筐体2に収納される場合、バネ22は移動型天板11とバネ台21との間で圧縮される(図7(a)参照)。一方、格納側筐体3が固定側筐体2から離反される場合、移動型天板11が固定側筐体2の外へ放出されるため、バネ22によって移動型天板11が表示部4側に押し出される。
【0045】
以上説明したように、本発明の第3実施形態では、第1および第2実施形態が2個のレールとシャフト12および13を用いて移動型天板11を表示部4側に押し出したのに対し、バネ台21上のバネ22によって移動型天板11を表示部4側に押し出している。すなわち、本発明の第3実施形態によれば、2個のレールとシャフト12および13の代わりに、バネ台21およびバネ22を用いても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0046】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図8は本発明に係る情報表示端末装置の第4実施形態の断面図である。図8(a)は格納側筐体収納時、図8(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図2,5,7と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0047】
第4実施形態では、天板9,11の代わりにキャタピラ状部材31を用いている。キャタピラ状部材31は一方向に屈曲可能な部材である。格納側筐体3が固定側筐体2に収納される場合、表示部4の上半分はキャタピラ状部材31とともに固定側筐体2側に収納されている(図8(a)参照)。
【0048】
一方、格納側筐体3が固定側筐体2から離反される場合、表示部4の上半分は巻取り部8を介してキャタピラ状部材31とともに固定側筐体2外へ放出され展開される。表示部4が展開されることで、表示部4は背面のキャタピラ状部材31により支えられる。
【0049】
図9は本発明に係る情報表示端末装置の第4実施形態の模式図である。図9(a)は格納側筐体収納時、図9(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図8と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。図9(a)、(b)は便宜上、表示部4を省略したものを表示している。
【0050】
以上説明したように、本発明の第4実施形態によれば、天板9,11の代わりにキャタピラ状部材31を用いることにより表示部4を支えることができ、よって第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0051】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図10は本発明に係る情報表示端末装置の第5実施形態の断面図である。図10(a)は格納側筐体収納時、図10(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図8と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0052】
第5実施形態では、天板9,11の代わりに三日月型部材41と、三日月型部材41を連結させた可撓性シート42を用いている。三日月型部材41は一方向に屈曲可能な部材である。格納側筐体3が固定側筐体2に収納される場合、表示部4の上半分は三日月型部材41および可撓性シート42とともに固定側筐体2側に収納されている(図10(a)参照)。
【0053】
一方、格納側筐体3が固定側筐体2から離反される場合、表示部4の上半分は巻取り部8を介して三日月型部材41および可撓性シート42とともに固定側筐体2外へ放出され展開される。表示部4が展開されることで、表示部4は背面の三日月型部材41により支えられる。
【0054】
図11は本発明に係る情報表示端末装置の第5実施形態の模式図である。図11(a)は格納側筐体収納時、図11(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図9と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。図11(a)、(b)は便宜上、表示部4を省略したものを表示している。
【0055】
以上説明したように、本発明の第5実施形態によれば、天板9,11の代わりに三日月型部材41および可撓性シート42を用いることにより表示部4を支えることができ、よって第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0056】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0057】
(付記1)第1シャフトに押圧される天板の一端は、固定側筐体あるいは格納側筐体に設けられた第2シャフトを基点として回動自在に支持されることを特徴とする情報表示端末装置。
【0058】
(付記2)格納側筐体を固定側筐体から離反すると、格納側筐体を固定側筐体に収納する場合に比べて表示部の表示範囲が拡大されることを特徴とする付記1に記載の情報表示端末装置。
【0059】
(付記3)格納側筐体を固定側筐体から離反すると、表示部の他端が巻き取り部に係止することを特徴とする付記1または2に記載の情報表示端末装置。
【0060】
(付記4)固定側筐体および格納側筐体の各々に別個に設けられる天板の一端は凹凸状に形成され、固定側筐体から格納側筐体を離反したとき、両天板は凹凸状部分で噛合し一体化されることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の情報表示端末装置。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明を携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の情報表示部を有する携帯製品に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 情報表示端末装置
2 固定側筐体
3 格納側筐体
4 表示部
5,7 側面部
6 操作ボタン
8 巻取り部
9,10 天板
11 天板
12,13 シャフト
14 電子回路部
21 バネ台
22 バネ
31 キャタピラ状部材
41 三日月型部材
42 可撓性シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示端末装置に関し、特に電子ペーパー等の可撓性を有する表示部を内蔵し、表示部を筐体内に格納することで表示部の大型化と筐体の小型化とを両立する情報表示端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する情報表示端末装置の一例として、筐体本体を固定側筐体と、固定側筐体に一端が接続された表示部の他端側を巻き取った巻き取り側筐体とから構成し、固定側筐体から離反させる方向へ巻き取り側筐体をスライドさせることにより、巻き取り側筐体に巻き取られた表示部が引き出され、表示部に映し出された情報をユーザーが視認できるようにし、また、逆に固定側筐体に近接させる方向へ巻き取り側筐体をスライドさせることにより、巻き取り側筐体から引き出されていた表示部が再び巻き取り側筐体に巻き取られる情報処理装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
この情報処理装置では、巻き取り側筐体から引き出された表示部に対し、引き出された方向と直交する断面に湾曲形状が付与され、これにより表示部を引き出した際の剛性を高めている。
【0004】
また、関連技術の他の一例として、可撓性と復元性を有する材料で表示シートが構成され、かつその表示シートの一端が硬質ケースで保持される電子ペーパー表示器が開示されている(特許文献2参照)。これは、硬質ケースの一側部に切り欠き部を設け、ここに表示シートを露出させ、硬質ケースを持つ手で、切り欠き部に露出する表示シートを表面側に折り曲げ、表示シート全体を表面側に湾曲させ、平坦に支持するものである。これにより、表示シートを片手で支持することが可能となるというものである。
【0005】
さらに、関連技術の他の一例として、筐体の上部にキーボードとスライド軸が回動できる開閉部を、内部の奥に可撓性の表示面の巻き取り軸を設け、表示面を拡大するときは表示面の上端を支える表示面支持部をスライド軸に沿って任意の位置まで上げてストッパーで留める情報処理装置が開示されている(特許文献3参照)。これにより、表示面を任意の大きさにでき、また、表示面が上下に回動可能に分かれる構造であるため、連続して表示させる面積を2倍にできる、というものである。
【0006】
上記特許文献1〜3に記載の関連発明では、表示部に可撓性部材を用いている点で共通している。また、特許文献1,2に記載の関連発明では、表示部を湾曲させる構成を有しており、これにより剛性を高めている。一方、特許文献3に記載の関連発明にはこのような剛性を高める構成は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−279841号公報
【特許文献2】特開2009−109806号公報
【特許文献3】特開平9−134132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2に記載の関連発明では、表示部を湾曲形状に形成しなければならないという欠点がある。一方、特許文献1,2に記載の関連発明では、表示部を湾曲形状とすることにより剛性を高めることが可能であるが、その湾曲形状を維持するための構成は有していない。したがって、表示部の表面に外力が加わった場合は、表面の形状が変化するという欠点がある。また、特許文献3記載の発明に上記課題を解決する手段は開示されていない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、表示部を湾曲形状に形成する必要がなく、かつ表示部の表面に外力が加わった場合でも、表面の形状変化を防止することが可能な情報表示端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明による情報表示端末装置は、固定側筐体と、前記固定側筐体に収納および離反が可能でかつ巻き取り部を有する格納側筐体と、その一端が前記固定側筐体に、その他端が前記巻き取り部を介して前記格納側筐体にそれぞれ接続され、かつ可撓性を有する表示部と、前記表示部の背面側に設けられる天板とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示部を湾曲形状に形成する必要がなく、かつ表示部の表面に外力が加わった場合でも、表面の形状変化を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の平面図である。
【図2】本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の断面図である。
【図3】本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の模式図である。
【図4】第1実施形態における天板11とシャフト13の動作の一例を示す模式図である。
【図5】本発明に係る情報表示端末装置の第2実施形態の断面図である。
【図6】第2実施形態における天板11とシャフト13の動作の一例を示す模式図である。
【図7】本発明に係る情報表示端末装置の第3実施形態の断面図である。
【図8】本発明に係る情報表示端末装置の第4実施形態の断面図である。
【図9】本発明に係る情報表示端末装置の第4実施形態の模式図である。
【図10】本発明に係る情報表示端末装置の第5実施形態の断面図である。
【図11】本発明に係る情報表示端末装置の第5実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、実施の形態の説明に入る前に、本発明の動作原理について図2(a)、(b)を用いて説明する。同図(a)を参照すると、本発明に係る情報表示端末装置1は、固定側筐体2と、固定側筐体2に収納および離反が可能でかつ巻き取り部8を有する格納側筐体3と、その一端が固定側筐体2に、その他端が巻き取り部8を介して格納側筐体3にそれぞれ接続され、かつ可撓性を有する表示部4と、表示部4の背面側に設けられる天板9,11とを含んで構成される。
【0014】
上記構成を備えることにより、同図(b)を参照すると、格納側筐体3が固定側筐体2から離反されると、表示部4が伸張し表示部4の他端が格納側筐体3の巻き取り部8に係止する。一方、格納側筐体3が離反される場合も表示部4の背面側に天板11が位置する。
【0015】
このように本発明によれば、格納側筐体3が収納時あるいは離反時のいずれの場合にも、表示部4の背面側に天板9あるいは11が位置するため、天板9あるいは11で表示部4を支持することが可能となる。したがって、本発明によれば、表示部を湾曲形状に形成する必要がなく、かつ表示部の表面に外力が加わった場合でも、表面の形状変化を防止することが可能となる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の平面図である。図1(a)は格納側筐体収納時、図1(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。
【0017】
図1(a)、(b)を参照すると、情報表示端末装置1は、固定側筐体2と、格納側筐体3と、可撓性を有する表示部(ディスプレイ)4と、固定側筐体2の側面部5と、操作ボタン6と、格納側筐体3の側面部7とを含んで構成される。
【0018】
情報表示端末装置1は、固定側筐体2から離反させる方向へ、格納側筐体3をスライドさせることにより、格納側筐体3に収納されている表示部4が引き出され、表示部4に映す表示範囲が拡大される(同図(b)参照)。
【0019】
また、逆に固定側筐体2に収納する方向へ格納側筐体3をスライドさせることにより、格納側筐体3から引き出されていた表示部4は再び格納側筐体3に収納される(同図(a)参照)。
【0020】
また、固定側筐体2の側面部5は固定側筐体2に固定されており、スライド時に移動することはない。操作ボタン6は情報表示端末装置1を操作するためのものである。ただし、情報表示端末装置1にタッチパネル機能等、他の操作機能が内蔵されている場合はこの操作ボタン6は必須ではない。また、格納側筐体3の側面部7は格納側筐体3に固定されており、表示部4の収納時には固定側筐体2の側面部5内に格納される。
【0021】
図2は本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の断面図である。図2(a)は格納側筐体収納時、図2(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図1と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0022】
図2(a)、(b)を参照すると、情報表示端末装置1は図1に表示した構成物の他に、表示部4の巻取り部8と、表示部4の収納時および展開時に表示部4を支える天板となる固定側筐体2の天板9と、格納側筐体3の天板10と、表示部4の展開時に表示部4を支える天板となる格納側筐体3の天板11と、天板11の回転軸となるシャフト12と、表示部4の展開時に格納側筐体3の側面部7のレール(不図示)上を移動して天板11を表示部4側に押し出すシャフト13と、操作ボタン6からの操作を処理して表示部4に情報を表示する電子回路部14とを含んで構成される。また、電子回路部14は、表示部4または天板11、シャフト13の移動を検知して表示部4の表示サイズを変更する。
【0023】
図3は本発明に係る情報表示端末装置の第1実施形態の模式図である。図3(a)は格納側筐体収納時、図3(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図1および図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0024】
図3(a)、(b)は便宜上、図1から表示部4を省略したものを表示している。図3(a)、(b)を参照すると、天板9は固定側筐体2側に固定されており、天板9の格納側筐体3側は凹凸状に形成されている。天板9は、表示部4の収納時は、表示部4のほぼ全面を支える天板となり、格納側筐体3側の凹凸部分が天板10と噛合う構成となっている(図3(a)参照)。
【0025】
また、表示部4の展開時は、天板9は表示部4の固定側筐体2側を支える天板となり、格納側筐体3側の凹凸部分が天板11と噛合う構成となっている(図3(b)参照)。
【0026】
天板10は格納側筐体3側に固定されており、表示部4の収納時および展開時に表示部4の格納側筐体3側の面を支える。天板11は天板10とシャフト12により接続され、表示部4の収納時には天板9の背面に位置する。
【0027】
表示部4の展開時には、シャフト13の移動により、天板11はシャフト12を基点として表示部4の方向に回転し、表示部4の格納側筐体3側を支える天板となる。シャフト13は表示部4の展開の動作に合わせて、格納側筐体3の側面部7のレール(図3(a)、(b)に記載の破線部参照)上を移動して天板11を表示部4側に押し出す。
【0028】
なお、上記天板の形状が凹凸状態で噛合うような構成は本発明では必須ではないが、この構成を採用することにより、天板同士の接点において表示部4の表面方向からかかる外力を分散することが可能となる。また、図2の電子回路部14は、本発明と直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。
【0029】
また、天板11はシャフト13を用いて移動させる例を示したが、これに代えて、バネ等を使用して移動させることも可能である。さらに、天板を複数に分け、段階的な表示部4の展開に合わせて天板を移動するようにしてもよい。さらに、表示部4の展開時の天板を強く固定するために、表示部4の表面方向からの力に強く、スライド方向からの力を受けたときのみ可動するストッパーを組み込むこと、あるいは天板が滑らかに展開および収納されるように、天板11の回転軸となるシャフト12に、回転方向に力を与えるバネを内蔵することも可能である。
【0030】
次に、天板11とシャフト13の動作の一例について説明する。図4は第1実施形態における天板11とシャフト13の動作の一例を示す模式図である。図4には4つの図が表示されているが、便宜上、左端の図から順に(a)、(b)、(c)、(d)の番号を付す。また、各構成部分に付されている番号は図2に表示されているものと同様なので、その説明を省略する。
【0031】
図4(d)を参照すると、固定側筐体2の側面部5と、格納側筐体3の側面部7とが表示されている。側面部7を参照すると、破線で第1レールが表示されている。第1レールは天板9,11の面と直角方向に傾斜して設けられている。また、側面部5を参照すると、破線で第2レールが表示されている。第2レールは天板9,11の面と直角方向に設けられている。
【0032】
シャフト13は固定側筐体2の側面に設けられ、格納側筐体3の第1レール上を移動するとともに、固定側筐体2の第2レール上を移動する。そして、シャフト13が天板9,11の面と直角方向に移動することにより、表示部4の背面側の天板11の背面からシャフト13がその天板11を押圧する。
【0033】
次に、上記動作を具体的に説明する。図4(a)は格納側筐体3が固定側筐体2に収納されている状態を示している。このとき、天板9,11は重畳されて表示部4の背面に位置している。また、シャフト13の位置は第2レールの右端となっており、天板11を未だ押圧していない。
【0034】
図4(b)は格納側筐体3が固定側筐体2から約半分離反した状態を示している。シャフト13は格納側筐体3が上方に移動するに従い、第1および第2レール上を移動する。これに伴い、シャフト13は天板11の面と直角方向(左方向)に移動し、天板11を押圧する。これにより、天板11はシャフト12を基点として時計方向に回転する。
【0035】
図4(c)は格納側筐体3が固定側筐体2から全て離反した状態を示している。シャフト13は格納側筐体3がさらに上方に移動するに従い、第1および第2レール上を移動する。これに伴い、シャフト13は天板11の面と直角方向(左方向)にさらに移動し、天板11を押圧する。これにより、天板11はシャフト12を基点として時計方向にさらに回転する。これにより、格納側筐体3側の表示部4はその背面から天板11により支持される。なお、格納側筐体3が固定側筐体2に収納あるいは離反のいずれの状態においても固定側筐体2側の表示部4はその背面から天板9により支持される。
【0036】
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、表示部4を支える天板9,11が表示部4の背面に押し出されて固定されるので、可撓性を有する表示部4を湾曲形状にすることなく安定させることが可能となる。また、天板9,11が表示部4の背面に存在していることで、表示部4の表面方向から力を加えた場合でも表示部4が天板9,11によって支えられるため、表示部4の形状変化を防止することが可能となる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は本発明に係る情報表示端末装置の第2実施形態の断面図である。図5(a)は格納側筐体収納時、図5(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図2と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0038】
第2実施形態は回転型天板11を固定側筐体2に配置したものである。格納側筐体3側の固定型天板9は、表示部4の収納時および展開時に表示部4を支える天板となり、固定型天板10は固定側筐体2側に固定されている。また、シャフト12も固定側筐体2側に固定されている。固定側筐体2側の回転型天板11は表示部4の展開時に表示部4を支える天板となり、シャフト12は回転型天板11の回転軸となる。その他の構成要素は図2と同様なので説明を省略する。
【0039】
次に、第2実施形態の動作について説明する。図6は第2実施形態における天板11とシャフト13の動作の一例を示す模式図である。同図を参照すると、シャフト13は格納側筐体3がスライド展開する動作に合わせて、固定側筐体2および格納側筐体3の側面部5,7のレール(破線部参照)を移動する。天板11はシャフト13の移動により、シャフト12を基点として回転する。その他の詳細な動作は図4の説明で述べたものと同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、回転型天板11を固定側筐体2に、固定型天板9を格納側筐体3にそれぞれ配置し、これに合わせて固定型天板10およびシャフト12を固定側筐体2に配置した点のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様の構成であるため、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0041】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は本発明に係る情報表示端末装置の第3実施形態の断面図である。図7(a)は格納側筐体収納時、図7(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図2および図5と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0042】
第3実施形態は、天板の移動をシャフトではなくバネを用いて構成したものである。図7(a)、(b)を参照すると、バネ台21と、バネ22とが新たに構成に追加されている。一方、シャフト12,13は削除されている。
【0043】
固定側筐体2側の固定型天板9は、表示部4の収納時および展開時に表示部4を支える天板となり、格納側筐体3側の移動型天板11は、表示部4の展開時に表示部4を支える天板となる。バネ台21は格納側筐体3側に固定されており、バネ22は移動型天板11とバネ台21とに接続されている。その他の構成要素は図2に記載のものと同様なので、その説明は省略する。
【0044】
次に、第3実施形態の動作について説明する。格納側筐体3が固定側筐体2に収納される場合、バネ22は移動型天板11とバネ台21との間で圧縮される(図7(a)参照)。一方、格納側筐体3が固定側筐体2から離反される場合、移動型天板11が固定側筐体2の外へ放出されるため、バネ22によって移動型天板11が表示部4側に押し出される。
【0045】
以上説明したように、本発明の第3実施形態では、第1および第2実施形態が2個のレールとシャフト12および13を用いて移動型天板11を表示部4側に押し出したのに対し、バネ台21上のバネ22によって移動型天板11を表示部4側に押し出している。すなわち、本発明の第3実施形態によれば、2個のレールとシャフト12および13の代わりに、バネ台21およびバネ22を用いても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0046】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図8は本発明に係る情報表示端末装置の第4実施形態の断面図である。図8(a)は格納側筐体収納時、図8(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図2,5,7と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0047】
第4実施形態では、天板9,11の代わりにキャタピラ状部材31を用いている。キャタピラ状部材31は一方向に屈曲可能な部材である。格納側筐体3が固定側筐体2に収納される場合、表示部4の上半分はキャタピラ状部材31とともに固定側筐体2側に収納されている(図8(a)参照)。
【0048】
一方、格納側筐体3が固定側筐体2から離反される場合、表示部4の上半分は巻取り部8を介してキャタピラ状部材31とともに固定側筐体2外へ放出され展開される。表示部4が展開されることで、表示部4は背面のキャタピラ状部材31により支えられる。
【0049】
図9は本発明に係る情報表示端末装置の第4実施形態の模式図である。図9(a)は格納側筐体収納時、図9(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図8と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。図9(a)、(b)は便宜上、表示部4を省略したものを表示している。
【0050】
以上説明したように、本発明の第4実施形態によれば、天板9,11の代わりにキャタピラ状部材31を用いることにより表示部4を支えることができ、よって第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0051】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図10は本発明に係る情報表示端末装置の第5実施形態の断面図である。図10(a)は格納側筐体収納時、図10(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図8と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。
【0052】
第5実施形態では、天板9,11の代わりに三日月型部材41と、三日月型部材41を連結させた可撓性シート42を用いている。三日月型部材41は一方向に屈曲可能な部材である。格納側筐体3が固定側筐体2に収納される場合、表示部4の上半分は三日月型部材41および可撓性シート42とともに固定側筐体2側に収納されている(図10(a)参照)。
【0053】
一方、格納側筐体3が固定側筐体2から離反される場合、表示部4の上半分は巻取り部8を介して三日月型部材41および可撓性シート42とともに固定側筐体2外へ放出され展開される。表示部4が展開されることで、表示部4は背面の三日月型部材41により支えられる。
【0054】
図11は本発明に係る情報表示端末装置の第5実施形態の模式図である。図11(a)は格納側筐体収納時、図11(b)は格納側筐体離反時の一例を示している。また、図9と同様の構成部分には同一番号を付し、その説明を省略する。図11(a)、(b)は便宜上、表示部4を省略したものを表示している。
【0055】
以上説明したように、本発明の第5実施形態によれば、天板9,11の代わりに三日月型部材41および可撓性シート42を用いることにより表示部4を支えることができ、よって第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0056】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0057】
(付記1)第1シャフトに押圧される天板の一端は、固定側筐体あるいは格納側筐体に設けられた第2シャフトを基点として回動自在に支持されることを特徴とする情報表示端末装置。
【0058】
(付記2)格納側筐体を固定側筐体から離反すると、格納側筐体を固定側筐体に収納する場合に比べて表示部の表示範囲が拡大されることを特徴とする付記1に記載の情報表示端末装置。
【0059】
(付記3)格納側筐体を固定側筐体から離反すると、表示部の他端が巻き取り部に係止することを特徴とする付記1または2に記載の情報表示端末装置。
【0060】
(付記4)固定側筐体および格納側筐体の各々に別個に設けられる天板の一端は凹凸状に形成され、固定側筐体から格納側筐体を離反したとき、両天板は凹凸状部分で噛合し一体化されることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の情報表示端末装置。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明を携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等の情報表示部を有する携帯製品に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 情報表示端末装置
2 固定側筐体
3 格納側筐体
4 表示部
5,7 側面部
6 操作ボタン
8 巻取り部
9,10 天板
11 天板
12,13 シャフト
14 電子回路部
21 バネ台
22 バネ
31 キャタピラ状部材
41 三日月型部材
42 可撓性シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側筐体と、
前記固定側筐体に収納および離反が可能でかつ巻き取り部を有する格納側筐体と、
その一端が前記固定側筐体に、その他端が前記巻き取り部を介して前記格納側筐体にそれぞれ接続され、かつ可撓性を有する表示部と、
前記表示部の背面側に設けられる天板とを含むことを特徴とする情報表示端末装置。
【請求項2】
前記天板は前記固定側筐体および前記格納側筐体の各々に別個に設けられ、前記格納側筐体が前記固定側筐体に収納される時は前記表示部の背面側に重畳して設けられ、前記格納側筐体が前記固定側筐体から離反される時は前記格納側筐体および前記固定側筐体の前記表示部の背面側に分離して設けられることを特徴とする請求項1記載の情報表示端末装置。
【請求項3】
前記天板は前記表示部の背面側に一体かつ一方向に屈曲可能に構成されることを特徴とする請求項1記載の情報表示端末装置。
【請求項4】
前記格納側筐体の側面に設けられ、前記天板の面と直角方向に傾斜して設けられる第1レールと、
前記固定側筐体の側面に設けられ、前記天板の面と直角方向に設けられる第2レールと、
前記固定側筐体の側面に設けられ、前記格納側筐体の第1レール上を移動するとともに、前記固定側筐体の第2レール上を移動する第1シャフトとを含み、
前記第1シャフトが前記天板の面と直角方向に移動することにより、前記表示部の背面側の天板の背面から前記第1シャフトがその天板を押圧することを特徴とする請求項1または2記載の情報表示端末装置。
【請求項5】
前記第1シャフトが前記天板の面と直角方向に移動することにより、前記表示部の背面側に重畳して設けられる前記天板のうちの前記表示部から遠隔側の天板の背面から前記第1シャフトがその天板を押圧することを特徴とする請求項2または4記載の情報表示端末装置。
【請求項6】
前記格納側筐体用の天板の背面にはバネ台と、前記バネ台に設けられ前記格納側筐体用の天板を押圧するバネとが設けられることを特徴とする請求項1または2記載の情報表示端末装置。
【請求項7】
前記天板はキャタピラ状部材で構成されることを特徴とする請求項1または3記載の情報表示端末装置。
【請求項8】
前記天板は三日月型部材と、前記三日月型部材を連結させた可撓性シートとで構成されることを特徴とする請求項1または3記載の情報表示端末装置。
【請求項9】
前記格納側筐体が前記固定側筐体に収納される時は、前記固定側筐体側の天板が前記表示部の背面側に設けられ、前記格納側筐体の天板が前記固定側筐体側の天板の背面側に設けられることを特徴とする請求項2記載の情報表示端末装置。
【請求項10】
前記格納側筐体が前記固定側筐体に収納される時は、前記格納側筐体の天板が前記表示部の背面側に設けられ、前記固定側筐体の天板が前記格納側筐体の天板の背面側に設けられることを特徴とする請求項2記載の情報表示端末装置。
【請求項1】
固定側筐体と、
前記固定側筐体に収納および離反が可能でかつ巻き取り部を有する格納側筐体と、
その一端が前記固定側筐体に、その他端が前記巻き取り部を介して前記格納側筐体にそれぞれ接続され、かつ可撓性を有する表示部と、
前記表示部の背面側に設けられる天板とを含むことを特徴とする情報表示端末装置。
【請求項2】
前記天板は前記固定側筐体および前記格納側筐体の各々に別個に設けられ、前記格納側筐体が前記固定側筐体に収納される時は前記表示部の背面側に重畳して設けられ、前記格納側筐体が前記固定側筐体から離反される時は前記格納側筐体および前記固定側筐体の前記表示部の背面側に分離して設けられることを特徴とする請求項1記載の情報表示端末装置。
【請求項3】
前記天板は前記表示部の背面側に一体かつ一方向に屈曲可能に構成されることを特徴とする請求項1記載の情報表示端末装置。
【請求項4】
前記格納側筐体の側面に設けられ、前記天板の面と直角方向に傾斜して設けられる第1レールと、
前記固定側筐体の側面に設けられ、前記天板の面と直角方向に設けられる第2レールと、
前記固定側筐体の側面に設けられ、前記格納側筐体の第1レール上を移動するとともに、前記固定側筐体の第2レール上を移動する第1シャフトとを含み、
前記第1シャフトが前記天板の面と直角方向に移動することにより、前記表示部の背面側の天板の背面から前記第1シャフトがその天板を押圧することを特徴とする請求項1または2記載の情報表示端末装置。
【請求項5】
前記第1シャフトが前記天板の面と直角方向に移動することにより、前記表示部の背面側に重畳して設けられる前記天板のうちの前記表示部から遠隔側の天板の背面から前記第1シャフトがその天板を押圧することを特徴とする請求項2または4記載の情報表示端末装置。
【請求項6】
前記格納側筐体用の天板の背面にはバネ台と、前記バネ台に設けられ前記格納側筐体用の天板を押圧するバネとが設けられることを特徴とする請求項1または2記載の情報表示端末装置。
【請求項7】
前記天板はキャタピラ状部材で構成されることを特徴とする請求項1または3記載の情報表示端末装置。
【請求項8】
前記天板は三日月型部材と、前記三日月型部材を連結させた可撓性シートとで構成されることを特徴とする請求項1または3記載の情報表示端末装置。
【請求項9】
前記格納側筐体が前記固定側筐体に収納される時は、前記固定側筐体側の天板が前記表示部の背面側に設けられ、前記格納側筐体の天板が前記固定側筐体側の天板の背面側に設けられることを特徴とする請求項2記載の情報表示端末装置。
【請求項10】
前記格納側筐体が前記固定側筐体に収納される時は、前記格納側筐体の天板が前記表示部の背面側に設けられ、前記固定側筐体の天板が前記格納側筐体の天板の背面側に設けられることを特徴とする請求項2記載の情報表示端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−176513(P2011−176513A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38056(P2010−38056)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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