情報記憶媒体、情報再生装置、情報再生方法
【課題】予め設定した言語コード以外の言語をディスクの再生中に選択することができる。
【解決手段】コンテンツ内でメニュー記述言語コードが設定できる画面を提供するために、ディスク挿入直後に最初に表示可能なファーストプレイPGCでメニュー記述言語コードの設定を可能とする。新たにSetM_LCDコマンドを定義し、このコマンドによりSPRM(0)の値を変更可能とする。SPRM(0)は“再生中のカレントメニュー言語”の格納場所である。ユーザが設定したメニュー記述言語コードを保持できるように、ユーザのみが変更設定を可能としコマンドによる変更が不可能なメニュー記述言語コードをSPRM(21)に記憶する。
【解決手段】コンテンツ内でメニュー記述言語コードが設定できる画面を提供するために、ディスク挿入直後に最初に表示可能なファーストプレイPGCでメニュー記述言語コードの設定を可能とする。新たにSetM_LCDコマンドを定義し、このコマンドによりSPRM(0)の値を変更可能とする。SPRM(0)は“再生中のカレントメニュー言語”の格納場所である。ユーザが設定したメニュー記述言語コードを保持できるように、ユーザのみが変更設定を可能としコマンドによる変更が不可能なメニュー記述言語コードをSPRM(21)に記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報記憶媒体(若しくは情報記録媒体)と情報再生装置と情報再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような情報記憶媒体としては集束光を用いてディジタル情報を再生可能なDVD(digital versatile disk)と呼ばれる光ディスクがある。現行のDVDの規格としては、読み出し専用のDVD−ROM規格、追記型のDVD−R規格、書換え(1000回程度)型のDVD−RW、書換え(10000回以上)型のDVD−RAM規格がある。いずれの規格にも、映像情報(ビデオデータ、副映像データ、音声データを総称したビデオオブジェクト)自体の光ディスク(情報記憶媒体)上に記録されたデータ構造とその映像情報を管理する管理データのデータ構造を規定するフォーマット規格がある。
【0003】
再生専用の現行DVDビデオ規格は多数種類の言語に同時に対応し、マルチアングル・マルチストーリーなどのマルチシーン表現が可能なばかりでなく、メニュー画面が充実しておりユーザが見たいシーンへの直接アクセスが容易である等、ユーザに使い易い映像コンテンツを提供できるフォーマットになっている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
上記のように再生専用の現行DVDビデオ規格はユーザに使い易い映像コンテンツを提供できるフォーマットになってはいるが、ユーザがより一層使い易くし、かつユーザに対するコンテンツ表現力をより一層豊かにするためには規格に対する改良が要求されている。
【0005】
また、ユーザが使い易いコンテンツを提供するためには、オーサリング(DVDビデオディスクに記録するプログラムの作成と編集)が複雑になると言う問題がある。
【0006】
現行DVDビデオ規格でのユーザに対するコンテンツ表現力が不足している部分、およびユーザが使い難い箇所またはユーザが使い易いコンテンツを提供するためにオーサリングが複雑になる箇所を具体的に列記する。
【0007】
〔1〕ユーザが使い難い。またはユーザが使い易いコンテンツを作成するにはオーサリングが複雑であった。
【0008】
(A)タイトルの再生途中で再生中断を行い、何か別の処理をして、再度タイトルの再生に戻った時の再生開始位置に対する不具合点。
【0009】
(A1)映像を再生中断し、メニュや映像を切り替え表示した後に戻ると、元の中断位置からの再生が出来ない。
【0010】
特定映像タイトルの再生途中で再生中断を行いメニュー画面に切り替えた後、ボーナスコンテンツを途中あるいは最後まで再生した後に、前回途中で中断を行った映像タイトルを再生しようとすると従来のDVDビデオ規格で作ったコンテンツでは映像タイトルの先頭位置からしか再生できない場合が多い。ボーナスコンテンツの再生を開始した段階で、その前の特定映像タイトルのリジューム情報(再生中断位置情報)がこのボーナスコンテンツの位置情報に書き替えられるためで、ボーナスコンテンツを途中あるいは最後まで再生した後に先の映像タイトルの中断位置から再生を開始できるようなコンテンツにするためには複雑なオーサリング処理が必要となる。
【0011】
(A2)ゲームなどで再生中断後にゲームを再開しようとした時に切りの良い位置からの再生開始が出来ない。
【0012】
特定タイトルとして上記の映像の代わりに“ゲーム”(例えばロールプレーイングゲーム)を行っていた場合、メニュー画面に戻った後、ゲームを再開する場合に中断位置では無く、ゲームの章の区切り目から開始させたいと言うコンテンツプロバイダ側からの要求があるが、現行のDVDビデオ規格ではその対応が出来ない。
【0013】
(B)表示用言語設定に関する使い難い部分がある。
【0014】
(B1)コンテンツ内で指定できるコマンドでメニュー記述言語コードが変更できず、オーサリングが複雑である。
【0015】
現行のDVDビデオではメニュー記述言語コード(M_LCD)をナビゲーションデータのSPRM(0)(0番目のシステムパラメータ:16ビット)内に設定し、その値を図39の情報再生装置のメモリ部122内に格納しておく。現行のDVDビデオ規格ではコンテンツ内で設定出来るコマンドリスト内にSPRM(0)の値を変更するコマンドは存在せず、特殊な条件下のユーザ指定のみによってのみSPRM(0)の値の変更が可能となる。具体的には情報再生装置内に装備されるユーザ機能の内、Menu_Language_Select()と呼ばれるユーザ操作機能を用いてSPRM(0)の値を変更できるが、このMenu_Language_Select()と呼ばれるユーザ操作は情報再生装置が動作停止している間しか設定できないと言う制約がある。このユーザ操作は、専用の画面を表示してリモコンを用いて設定する。
【0016】
このようにSPRM(0)の値をコンテンツ内で設定出来るコマンドで変更できないため、SPRM(0)の値がどのように設定されても対応可能なようにコンテンツ(特にメニュー情報に関するVOBデータ)内に複数のメニュー記述言語コードに対してそれぞれメニュー記述言語コードを選択する画面を作る必要が有り、コンテンツ作成時のオーサリング作業が非常に大変だった。
【0017】
(B2)ユーザが設定したメニュー記述言語コード情報が消される危険性が発生する。
【0018】
例えば仮に(B1)の問題点を解消するためにコンテンツ内でSPRM(0)の値を変更できるコマンドを新規に追加すると、折角ユーザが特定のメニュー記述言語コード(例えば、SPRM(0)に日本語)を設定してもコンテンツを再生することで自動的にSPRM(0)の値が変更されてしまう危険性がある。コマンドにより自動的にメニュー記述言語コードが変更されるとユーザが不満を覚えるばかりでなく、ユーザがメニュー記述言語コードを再設定する必要が発生してユーザの負担が増すと言う問題点が発生する。
【0019】
〔2〕ユーザに対するコンテンツ表現力が不足している箇所がある。
【0020】
(C)静止画に対するシームレス再生に関する不具合点。
【0021】
(C1)現状のDVDビデオコンテンツでは動画と静止画との間のシームレス接続が出来ない。
【0022】
現行のDVDビデオでは動画(Movie Content)のシームレス再生を保証しており、異なるVOB間(または異なるタイトル)を跨いで(途中で動画の画面が途切れること無く)シームレスに接続再生が可能となっている。それに反して、例えばスライドショー(表示される静止画像が自動的に切り替わる静止画像に対する一つの表示方法)で表示した静止画から動画に切り替わる時にシームレス再生が保証されず、情報再生装置によっては途中で映像や音声が静止する場合がある。現行のDVDビデオコンテンツでは静止画から動画に切り替わる時点でシームレス接続が保証されない理由は
i)シームレス再生を保証するE−STD(Extended System Target Decoder)モデルにおいて、動画オブジェクト内ではアクセスユニットが定義され、このアクセスユニットの境界位置で図39に示す分離部103、ビデオデコーダ部111、副映像デコーダ部112、オーディオデコーダ部114に設定されるSTC(System Time Clock:基準となるクロック値)の値が切り替わる。これに対して現行DVDでは静止画に対してはアクセスユニットが定義できない。
【0023】
つまり、動画はフィールド単位で常に連続して画像(ピクチャ)を出力し続けているのに対し、例えばスライドショーで表示される静止画は断続的にのみ画像を出力する。静止画オブジェクト内のデータ構造としてはMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)の規格に従い、1枚の静止画を構成するIピクチャ(Intra picture)の直後にシーケンスエンドコード(sequence_end_code)が配置され、ビデオデコーダ部111ではこのシーケンスエンドコードを検知すると次のIピクチャが来るまでデコードを停止してしまう。従って、従来のDVDビデオにおいては、静止画の断続的に出力するタイミングの間の期間では動画のようなアクセスユニットを設定出来なかった。
【0024】
ii)従来のDVDビデオでは静止画間の切り替えタイミングとして共通パリティー間の切り替えを許容していた。すなわち前の静止画がトップフィールド(またはボトムフィールド)で終了した後、次の静止画がトップフィールド(またはボトムフィールド)から開始されることが許容される。従ってフレームの途中で静止像から動画に切り替わるとシームレス接続が行えず、切り替わり目で画面が乱れる危険性があった。
【0025】
(C2)静止画を組み合わせたマルチアングル再生や動画と静止画との間のマルチアングル再生が出来ない。
【0026】
現行のDVDビデオでは静止画(Still Picture Content)のスライドショーを組み合わせたマルチアングル再生や静止画のスライドショーと動画を組み合わせたマルチアングル再生が難しい。無理にマルチアングル再生対応コンテンツを作った場合には、静止画に対するシームレス再生が保証されてないため、マルチアングルになっている静止画が連続的に再生できなかったり(静止画像が連続的に切り替わらずに途中で静止画が止まったり)、マルチシーンの画面とワンシーケンシャルシーンの画面との間の切り替わり目でスムーズに切り替わらずに途中で画面が止まったりする。動画ではインターリーブドブロック(Interleaved Block)内で各アングル毎に分散配置を行うインターリーブドユニット(ILVU:Interleaved Unit)が定義されているに対して、現行DVDビデオにおいて静止画に対するILVUの定義が明確になって無いためである。また、静止画では画面切り替わりまでの期間が長く(同一の静止画を長時間再生し続けるので)、アングル切り替え直後に対応した静止画をすぐに表示できる仕組みが現状では無い。更に(C1)でも説明したように静止画に対応したIピクチャの直後に配置されるシーケンスエンドコードを検出すると、次のIピクチャが来るまでビデオデコーダ部111のデコード処理が一時停止されるので現行のDVDビデオ規格上ではインターリーブドブロックを構成するセル内のビデオデータにはシーケンスエンドコードの配置を禁止している。
【0027】
(D)セル単位のコマンドが含まれたVOBの所ではシームレス再生が保証されない。
【0028】
現行SD(Standard Definition)のDVDビデオではPGC(Program Chain)内のセル単位でのコマンド指定が可能になっている。このコマンド情報は図35と同様にPGCの管理情報が記録された領域であるPGCI(Program Chain Information)内のセルコマンド513領域内に記録される。このセルコマンド513が設定されているセルの再生が終了した時点でセルコマンドが実行されるため、次のセルの再生が一時中断され得る。そのため、現行のSDのDVDビデオではセルコマンド513を含んだVOBの再生時にセル間のシームレス再生が保証されていない。
【0029】
(E)ハイライト情報に関する不具合点
(E1)ハイライト情報と副映像間で表示期間(設定期間)のずれが生じる。
【0030】
ビデオタイトル映像の再生時にハイライト情報のメニューを表示させ、ユーザがインタラクティブな操作を出来るようにコンテンツを作れる。この場合、再生中のビデオタイトル映像内容に合わせてハイライト情報を切り替えたり、内容を変化させる必要があるのでハイライト情報の表示期間や有効的な実行可能期間の精度が重要となる。従来のSDのDVDビデオコンテンツでは画面に表示されるボタンはボタンの画像を提供する副映像ストリームとボタンで指定したコマンドを実行するのに必要なハイライト情報が含まれるビデオストリームの2種類の異なるストリームの組み合わせで構成されている。
【0031】
ハイライト情報の有効的な実行可能期間は開始と終了の時刻情報(PTM:Presentation Time)で与えられ、主に字幕などに利用される副映像の表示期間と完全に一致しており、副映像が終了すると、メニュー選択も終了してしまうという問題を抱えている。そのため、コンテンツ製作者が、字幕とメニューを同時に組合せたコンテンツの製作を行おうとすると、副映像の有効(表示)期間内に、ユーザにメニュー選択を実行させなければならないなど、コンテンツ作成上の制約があり、コンテンツ製作者は、イメージ通りのコンテンツが作成できず、自由度が制限され、ユーザへ提供されるコンテンツの制限を余儀なくされた。
【0032】
(E2)メニューの選択項目画像が色彩的に多彩で無い。
【0033】
現状のSDのDVDビデオコンテンツでは16色の配色しか表現できないのでユーザへのアピール度が低く、多彩なカラー表現が出来ない。
【0034】
(E3)ハイライト情報の指定領域を矩形以外の形に設定できない。
【0035】
現状のSDのDVDビデオコンテンツではハイライト情報の指定領域として矩形以外の形状は設定できず、例えば三角形や星形などのバラエティーを持ったコンテンツが作れなかった。
【0036】
(E4)画面上の互いに離れた複数領域に対して同じボタンを設定できない。
【0037】
現状のSDのDVDビデオコンテンツではまとまった一箇所の領域内にしか同じボタンを設定できなかった。
【0038】
それに比べてPCの画面やインターネットのホームページ画面では画面内の複数領域に対して同じURLをリンクさせることが容易であり、現状のSDのDVDビデオコンテンツはPC画面やインターネットのホームページ画面に対して見劣りしていた。
【0039】
(F)メニュー画面切り替え時に背景音声が飛ぶと言う問題がある。
【0040】
現状のSDのDVDビデオコンテンツでは各メニュー毎にメニュー画面表示時の音声情報(バックグランドミュージック)が付随している。従ってメニュー画面を変える毎にそれに付随して音声情報が変化する。
【0041】
メニューを切り替えても途切れること無く連続して背景音声が再生したいと言うコンテンツプロバイダの要求を現状のSDのDVDビデオコンテンツでは満足できない。
【特許文献1】米国特許第5,636,200号明細書
【特許文献2】特許第2,677,775号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0042】
このように従来の現行DVDビデオ規格は、ユーザがより一層使い易くし、かつユーザに対するコンテンツ表現力をより一層豊かにするために、改良が要求されている。
【0043】
また、ユーザが使い易いコンテンツを提供するためには、オーサリング(DVDビデオディスクに記録するプログラムの作成と編集)が複雑になると言う問題がある。
【0044】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、再生専用のDVDビデオコンテンツのユーザに対する表現力を一層向上させると共に、比較的簡易なオーサリングによりユーザが使い易いコンテンツの作成を可能とし、その結果、ユーザに対してDVDビデオの魅力を更に高めることが可能なフォーマット規格に基付くデータ構造と、そのデータ構造が記録された情報記憶媒体を提供すると共に、この情報記憶媒体を再生可能な情報再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0045】
上記した課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
【0046】
本発明の情報再生装置は、ユーザが設定可能な第1のメニュー言語コードを記憶する手段と、情報記憶媒体に記録されたデータにより設定可能な第2のメニュー言語コードを記憶する手段とを具備する。
【0047】
情報再生装置は、第1、第2のメニュー言語コードを比較して、比較結果に応じて言語選択メニュー表示させるか否かを決定する手段をさらに具備してもよい。
【0048】
本発明の情報記憶媒体は、情報再生装置が記憶するメニュー言語コードを変更可能なデータ構造を記録可能である。
【0049】
本発明の情報再生方法は、ユーザが設定可能な第1のメニュー言語コードと、情報記憶媒体に記録されたデータにより設定可能な第2のメニュー言語コードとを記憶し、起動時に前記第1、第2のメニュー言語コードを比較し、比較結果に応じて言語選択メニュー表示させるか否かを決定する。
【発明の効果】
【0050】
以上説明したように本発明によれば、再生専用のDVDビデオコンテンツのユーザに対する表現力を一層向上させると共に、比較的簡易なオーサリングによりユーザが使い易いコンテンツの作成を可能とし、その結果、ユーザに対してDVDビデオの魅力を更に高めることが可能なフォーマット規格に基付くデータ構造と、そのデータ構造が記録された情報記憶媒体を提供すると共に、この情報記憶媒体を再生可能な情報再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0052】
まず初めに本発明における特徴の全体を概観し、各特徴間の関係を説明する。次に、本明細書で注目する中心的技術内容である“リジューム情報制御”に関するポイントを説明した後、具体的な実施形態の説明を行う。
【0053】
本明細書ではビデオデータ、副映像データ、音声データ、グラフィックデータを総称してビデオオブジェクトと呼び、ビデオオブジェクトとビデオオブジェクトの管理データを総称してコンテンツと言う言葉で表現する。また、違いを明確にするために従来のDVDビデオコンテンツをSD(Standard Definition)コンテンツ、下記の(A)〜(F)の特徴を持った本発明実施形態対象のコンテンツをHD(High Definition)コンテンツと言う言葉を使って使い分ける。
【0054】
《全体の特徴説明》
〔1〕ユーザが使い難い。またはユーザが使い易いコンテンツを作成するにはオーサリングが複雑である問題点を解決する。
【0055】
(A)タイトル中断時の中断位置情報制御方法
〔ポイント1〕
リジューム情報への保存・廃棄ルールを現行DVDビデオ規格に対して変更し、図39に示す情報再生装置のメモリー部122内に記録するリジューム情報の書き換え・変更禁止・情報内容の破棄処理に対して細かく制御可能とする。
【0056】
〔ポイント2〕
情報再生装置のメモリー部122内に記録するリジューム情報が書き替えられた場合には、次のリジューム情報に対する制御指示が来るまで保持する。例えば、従来のDVDビデオ規格では後述するJumpTTやJumpVTS_TTあるいはJumpVTS_PTTコマンドが実行された場合には、上記のリジューム情報内容を消す決まりがあったが、本発明ではそれを変更し、上記のコマンドが実行された後でもリジューム情報の内容を保持し、(A1)に示した問題点の一部を解消する。
【0057】
〔ポイント3〕
(A1)に示した問題点の対策として、図24に示すように各PGCに対してRSM(リジューム:Resume:再生再開)命令(画面上の選択による命令)や例えばユーザ指定に対応して実行されるResume()ファンクション(再生装置が行うコマンド)による再生再開が許可されるか否かを示すリジューム許可フラグ(Resume permission Flag=RSM許可フラグ)を新たに設定する。具体的な内容として、後述するCallSSコマンドを実行する時に、このRSM許可フラグが“0b”に設定されていればリジューム情報の内容を更新し、“1b”に設定されていれば更新を禁止する。
【0058】
例えば(A1)で説明した例では、ボーナスコンテンツが含まれるPGCに対してリジューム情報の更新を禁止することにより、情報再生装置のメモリー部122内に記録されたリジューム情報はその前に中断された特定映像タイトルに対するリジューム情報が保持されることになる(詳細は後述する)。
【0059】
〔ポイント4〕
(A2)に示した問題点の対策として、図35に示すようにプログラムチェーン情報PGCIの中に新たにプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51を設定し、リジュームシーケンス情報を記録する。このプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に記載されたリジュームシーケンス情報はメニュー画面から該当するタイトルのPGCに戻った直後に実行されるコマンド列(コマンドの連続的な繋がり順序)を意味している。メニュー画像から中断されたタイトルに対応したPGCに戻り、リジューム情報に基づいて再生を開始する前には必ずこのリジュームシーケンス情報の有無を確認する。
【0060】
リジュームシーケンス情報が無い場合には、リジューム情報に基づき中断位置からの再生を開始する。
【0061】
もし、リジュームシーケンス情報がある場合には、リジュームシーケンス情報で指定された場所から再生を開始する。
【0062】
例えば(A2)に示した問題点の対策として、プログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に記録されたリジュームシーケンス情報内に、“ゲームの区切り目の位置情報”をリジューム情報に書き替えるコマンドを設定しておくことで、メニュー画面から戻った直後にはゲームの区切り目から再生を開始させることが出来る(詳細内容は後述する)。
【0063】
再生を中断した位置を示す情報としてセル番号、セルの先頭位置に配置されたナビパックのアドレス情報、PGC再生制御状況、VTS(ビデオタイトルセット:Video Title Set)番号、タイトルドメイン内でのタイトル番号TTN(図44に示すように、このタイトル番号の値はSPRM(4)の値として格納される)、タイトルドメイン内でのVTS内のタイトル番号VTS_TTN(この値はSPRM(5)の値として格納される)、タイトルドメイン内でのタイトルのPGC番号TT_PGCN(SPRM(6))、1個のシーケンシャルPGCのタイトルに対するパートオブタイトル番号PTTN(SPRM(7))、選択状態でのハイライトのボタン番号HL_BTNN(SPRM(8))がリジューム情報として記録される。上記のようにメニュー画像から中断されたタイトルに対応したPGCに戻って来た場合に限らず、リジューム情報の少なくとも一部が変化する場合など、例えばSPRM(8)の情報に関連してハイライト位置情報が変わるなどの状況が変化した場合でも、必ずリジュームシーケンス情報の最後まで処理を実行するように設定している。
【0064】
〔管理情報記録場所〕
リジューム情報を管理する情報の配置場所について第1の実施形態では図23に示すようにHDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412内のHDVTS_PGCIサーチポインタ412b内のHDVTS_PGCカテゴリ(HDVTS_PGC_CAT)内にRSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)を持たせている。
【0065】
また、他の実施形態(第2の実施形態)では図33、図34に示すようにプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50内のRSM&AOBカテゴリ(RSM&AOB_CAT)内にRSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)を持たせている。
【0066】
また、(A2)の問題を解決する特徴(A)に関する〔ポイント4〕に示したタイトルのPGCに戻った直後に実行されるコマンド列(コマンドの連続的な繋がり順序)を示すリジュームシーケンス情報は、図35に示すようにリジューム(RSM)コマンドシーケンスとしてプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内にRSMコマンド(RSM_CMD)514が並んで配置される。また、プログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に配置されたRSMコマンド(RSM_CMD)514の数情報であるRSM_CMD_Nsは図36に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル情報(PGC_CMDTI)510内に記録されている。
【0067】
〔管理情報内容〕
RSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)とは該当するHDVTS_PGCの再生を開始した段階でレジューム情報の内容を更新するか(該当するPGCの再生状況に合わせてレジューム情報を逐次更新して行くか)否かを示す。すなわち、上記のフラグが“0b”の場合はレジューム情報の更新を行い、“1b”の場合はレジューム情報の更新を行わず、その前に再生したHDVTS_PGC(本発明のビデオタイトルセット内の対応したプログラムチェーン)の再生中断した情報を保持しておく処理を行う。
【0068】
RSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造は図36に示すように、1個のコマンド毎に“8バイト分”の領域を割り当てられており、この“8バイト分”の領域内にコマンド内容が記録される。
【0069】
(B)表示用言語設定
〔ポイント1〕
(B1)に示した問題点を解決するため、コンテンツ内でメニュー記述言語コードが設定できる画面を提供できるようにする。具体的には情報記憶媒体の挿入直後に最初に表示可能なファーストプレイPGC(FP_PGC)でメニュー記述言語コードの設定を可能とする。ユーザの画面上の選択で上記メニュー記述言語コートが設定できるコンテンツに対応するため、FP_PGCは1個のVOB(ビデオオブジェクト:Video Object)を持てるようにし、このVOBは言語選択メニューにのみ使用可能とする。コンテンツが1言語しかサポートしない場合や、現状のメニュー記述言語コードの値を自動的に継承するコンテンツの場合には、FP_PGCはメニュー画面用のVOBを持たないこともある。メニュー記述言語コードの値を自動的に継承するコンテンツの例としては、自動的に情報再生装置の持っているSPRM(0)の値とHDのDVDビデオコンテンツがサポートする言語とを自動的に比較し、一致したらメニュー記述言語コードをそれに合わせるなどの実施形態がある。この場合には、自動的に比較するコマンド処理シーケンスであるリジュームシーケンス情報の情報がFP_PGCに関する管理情報であるFP_PGCI(ファーストプレイプログラムチェーン情報:First Play Program Chain Information:図4)内に記録されている。
【0070】
更に、このFP_PGCに対する制限条件として1個以下のセルを持てる(VOBがある時には1個のセルを規定し、メニュー記述言語コード選択用画面を持たないコンテンツの場合にはVOBを持たないので、対応してFP_PGCの中にセルを含まない)構造にする。また、このFP_PGCではプログラムのシーケンシャル再生のみを許し、パレンタルブロック構造やマルチシーン構造を禁止する。更に、このFP_PGC内で使用可能なストリームとして1個のみ(1個または0個)のオーディオストリームの使用を許可すると共に、サブピクチャ(副映像)ストリームの使用を禁止し、その代わり後述するグラフィックユニットGUの使用を導入する。
【0071】
このため、本発明実施形態では複数のメニュー記述言語コードに対応してそれぞれメニュー記述言語コードを選択する画面を作る必要が無くなり、コンテンツ作成時のオーサリング作業が簡素化される。その結果、オーサリング作業時間が短縮される分コンテンツの販売価格を低下できる。
【0072】
〔ポイント2〕
(B1)に示した問題点を解決するため、後述するように新たにSetM_LCDコマンドを定義する。このSetM_LCDコマンドによりSPRM(0)の値が変更可能となる。このSetM_LCDコマンドは後述するようにSetSystemのコマンド領域内に含まれ、FP_PGCの中でしか使用できない。具体的なコマンド内容としてはゼネラルパラメータもしくはSetM_LCD内で指定できる特定な値により言語コードとしてSPRM(0)の値を設定する。
【0073】
〔ポイント3〕
(B2)に示した問題点を解決するため、ユーザが設定したメニュー記述言語コードを保持できるように、ユーザのみが変更設定を可能としコマンドによる変更が不可能なメニュー記述言語コードを格納する場所として図44に示すようにSPRM(21)を新たに設定すると共に、従来から存在したSPRM(0)の位置付けを若干変更する。すなわち、情報再生装置に設定されたパラメーターとして初期設定メニュー言語(Initial Menu Language)の格納場所としてSPRM(21)を新たに定義する。このSPRM(21)はユーザのみが変更設定可能なプレーヤ設定言語であり、コンテンツのプログラム内のコマンドでは変更不可能とする。
【0074】
そして、SPRM(0)の位置付けを“再生中のカレントメニュー言語”の格納場所に変更する。このSPRM(0)はユーザによる変更設定と共にコンテンツ内のコマンドによる変更設定の両方に対応可能にする。その結果、(B2)の所で説明したコマンドによりSPRM(0)が変更されても、ユーザが設定したメニュー記述言語コードが保持でき、ユーザへの不快感や余計な負担を掛けずに済む。
【0075】
〔具体的なSPRM(0)とSPRM(21)の関係説明〕
SPRM(0)とSPRM(21)との関係を説明するため、情報再生装置(プレーヤ)内に情報記憶媒体を挿入した直後の動作の一例を示す。ファーストプレイPGC(FP_PGC)の処理を実行する前に、最初にユーザが情報再生装置に対して設定したメニュー記述言語コードである初期設定メニュー言語SPRM(21)の値をSPRM(0)にコピーする。
【0076】
FP_PGCの中にSetM_LCDのコマンドが存在していれば、そのコマンドに従ってSPRM(0)の値を変更できるが、(B2)の問題点回避のためにSPRM(0)の値はSPRM(21)からコピーされた値が保持されていることが望ましい。仮にこの情報記憶媒体に記録されたコンテンツ内のSetM_LCDコマンドによりSPRM(0)がSPRM(21)とは異なる値に書き換えられたとしても、SPRM(21)の値が保持されているので、次に別の情報記憶媒体が装着されるとSPRM(0)の値がSPRM(21)の値に自動的に書き換えられるので、次の情報記憶媒体装着後には(B2)の問題点が回避できる。例えば、FP_PGC内にメニュー用VOBが存在せず、言語選択用メニューが図6に示したHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312内に存在する場合には、上記SPRM(0)の値に対応したHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312が選択される。SPRM(21)の値はあくまでも情報再生装置の動作が停止している段階でユーザによってのみ変更が可能であるが、ユーザによってSPRM(21)の値が書き換えられている時でもSPRM(0)の値は同時には書き換えられず従来の値のまま保持される。
【0077】
〔情報再生装置内のパラメータ情報記録場所〕
図39に示す情報再生装置内のシステムブロック図においてメモリ部122内に図44に示す“0”から“21”までのシステムパラメータSPRMを格納する領域が割り当てられている。このSPRM(0)に再生中のカレントメニュー言語コード情報が、SPRM(21)に初期設定メニュー言語コード情報が記録される。
【0078】
〔オブジェクト情報記録場所〕
図1の(e)に示すようにメニュー記述言語コードが設定できる画面をファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域に記録する。また、このオブジェクト情報(ビデオデータ)は図2に示すようにHD_FPPGC.HDVという名前の単独ファイルとして独立させる。
【0079】
〔管理情報記録場所〕
図4に示すようにHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内のファーストプレイPGCI(FP_PGCI)にメニュー記述言語コードが設定できる言語選択用メニューに対する管理情報が記録されている。
【0080】
〔2〕ユーザに対するコンテンツ表現力が不足している箇所
(C)静止画のシームレス再生
〔ポイント1〕
従来のDVDコンテンツでも動画間のシームレス接続は保証されている。従って上記(C1)と(C2)に示した問題点を解決するため、静止画が記録されたVOBS(ビデオオブジェクトセット:Video Object Set)に対してもVOBの中身を動画が記録されたVOBSと同じイメージで定義することで、従来の動画間のシームレス接続と同様に静止画から動画へのシームレス接続(C1)と静止画のマルチアングル再生(C2)を保証できる所に特徴がある。
【0081】
〔ポイント2〕
〔ポイント1〕の考え方を実現する具体的な方法を以下に説明する。シームレス再生を保証するE−STD(Extended System Target Decoder)モデルを適用するため、静止画が記録されたIピクチャの間の期間に“仮想アクセスユニット”を設定する所に特徴がある。アクセスユニットの設定方法として、本発明実施形態ではビデオフレームの期間またはビデオフレームの整数倍の期間を単位として静止画を開始するIピクチャと次のIピクチャとの間の間隔をアクセスユニットの期間毎に仮想的に細かく時間分割する。そして、情報再生装置は、仮想アクセスユニット毎に静止画が繰り返し再生表示されているものと仮想的に見なす。静止画のデコーダに入力されるタイミングを示すDTS(Decoding Time Stamp)と静止画が表示されるタイミングを示すPTS(Presentation Time Stamp)は静止画1枚毎にあらかじめ設定されており、1ビデオフレーム期間はNTSC(National Television System Committee)方式とPAL(Phase Alternation by Line)方式で決まっているので、“仮想アクセスユニット”の境界位置のタイミングを容易に算出できる。このように静止画像に対してもアクセスユニットを設定することで(C1)の問題点が解決される。すなわち、このアクセスユニットの境界位置で図39に示す分離部103、ビデオデコーダ部111、副映像デコーダ部112、オーディオデコーダ部114に設定されるSTCの値を切り替えて静止画から動画へのシームレス接続再生を可能にする。
【0082】
静止画から動画へのシームレスな再生接続が保証されれば、ユーザは快適にコンテンツの観賞が出来るばかりでなく、コンテンツプロバイダとしてもユーザへの表現力が向上する。また、従来のDVDビデオのオブジェクト構造を実質的に変更すること無く、仮想的な定義の変更のみで静止画から動画へのシームレス接続表示が可能になるため、従来DVDビデオのオーサリングツールを大部分利用可能となり本発明を製品化する際の媒体価格上昇を最大限に抑えられる。
【0083】
〔ポイント3〕
(C1)の問題点を解決するポイントの一つとして静止画を含むVOBUに対する規定(制約)を〔ポイント2〕の内容に合わせて下記のように修正する。すなわち、図41に示すように“仮想アクセスユニット”の整数個で1個のVOBUを構成するように仮想的に設定する。その結果、各静止画のVOBUの表示期間はビデオフレームの整数倍となる。前記のように規定(制約)することで静止画から動画への切り替えタイミングは必ずビデオフレームの境界タイミングと一致するので切り替わり時の画面の乱れが防止できるとともに(インターレースされたフィールド表示では無く、隙間が埋められたフレームで表示できるので)切り替え直前・直後の画面を鮮明に表示できる。
【0084】
図41においてVAU(ビデオアクセスユニット:Video Access Unit)内には静止画を示すIピクチャが1個存在し、IVAU(仮想VAU:Imaginary Video Access Unit)内ではIピクチャを含まないので、IVAU内にはビデオデータが存在しないことになる。図41のVAU1からIVAU15までで構成されるVOBUとVAU16からIVAU30までで構成されるVOBUには1個のみのIピクチャが存在している。本発明実施形態では同一VOBU内に複数のIピクチャを持つことを禁止し、必ず1個のVOBU内には1個以下のIピクチャを持つように規定(制約)している。また、MPEG2の規格に準拠してIピクチャの後ろにシーケンスエンドコードを配置しているので、このようにIピクチャを含むVOBU内には必ず1個のシーケンスエンドコードを持つ(すなわちIピクチャとシーケンスエンドコードを別のVOBU内に分けること無く、両者を必ず同一のVOBU内に含ませる)ように規定(制約)する。
【0085】
また、同一VOBU内ではIVAUに先行して必ず先にVAUが(仮想的に)配置した構造を取る。このようにVOBU内で先頭位置にVAUが配置された(仮想的な)構造にすることにより動画から静止画への切り替えを行った場合に、高速でVAU内のIピクチャのデコードが可能となり、動画から静止画へのシームレス再生が可能となる。
【0086】
図41においてIVAU30からIVAU45により構成されるVOBU内にはビデオデータ(Iピクチャ)を含まない。内部にビデオデータを持たないVOBUの定義も可能とする。
【0087】
〔ポイント4〕
(C2)の問題点を解決する手段として静止画オブジェクトに対してIVAUを仮想的に定義するとともに、下記に示す方法によりILVU(Interleaved Unit)内への静止画データ(静止画オブジェクト)の配置を可能にする。すなわち、(C2)で説明したように現行DVDビデオにおける『ILVB(Interleaved Block)を構成するセル内のビデオデータへのシーケンスエンドコードの配置を禁止』と言う制約を緩める。そして、VOBがILVU内に使われる場合には、1個以上のシーケンスエンドコードを持つVOBに対して1個のVOBU内の再生期間をビデオフレームの整数倍とし、各VOBU内にはビデオデータとして唯一のIピクチャを持つか又はビデオデータを持たない構造とするという制約を掛ける。更にIピクチャが含まれるVOBU内には1個のシーケンスエンドコードを持たせると共に、ILVU内の最初のVOBUには必ずビデオデータ(静止画を記録したIピクチャ)を持たせる。ユーザ指示などによりアングルを切り替えた直後には、必ず対応したアングルのILVUの先頭位置へアクセスされるので、ILVUの最初のVOBUに必ずビデオデータを持たせることでアングル切り替え時の静止画表示までの時間短縮が可能となる。
【0088】
〔オブジェクト情報記録場所〕
図1の(f)のタイトル用ビデオオブジェクト領域(HDVTSTT_VOBS)43の中に上記仮想アクセスユニットが定義される静止画データが記録される。また、この領域は図2のVTS00102.HDVファイルを構成する。
【0089】
〔管理情報記録場所〕
上記仮想アクセスユニットが定義される静止画データを管理する管理情報は図1の(f)のHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内に存在し、この領域は図2のVTGS00100.IFOファイル内にまとまっている。上述したようにビデオフレームの期間またはビデオフレームの整数倍の期間を単位として仮想的に細かく時間分割して仮想的にアクセスユニットの期間を設定するので、実際の仮想アクセスユニットの境界位置は計算上で算出することになる。
【0090】
(D)セルコマンドを含むセルのシームレス再生
〔ポイント1〕
従来のSDのDVDビデオではセルコマンドを持つセル間のシームレス再生を保証しなかったのに対して『セルコマンドを実行するセルに対してもマルチアングルなどの分岐点を持たない場合にはセル間のシームレス再生を保証』する所に特徴がある。すなわち、ビデオ再生においてマルチアングル等の分岐点を持たない限りにおいて(セルコマンドを実行する場合においても)可能な限り次のセルのビデオ再生を連続して開始することとし、それを可能にするための手段として前のセルの再生が完了した後、0.5秒以内に次のセルの再生を開始できるようにコンテンツの物理的配置などを工夫している。
【0091】
〔ポイント2〕
また、セルコマンドを実行するセルに対してもセル間のシームレス再生が保証されている箇所に関してはオブジェクト(ビデオデータ)の管理情報の中に下記のように明記する。図38に示したセル再生情報(C_PBI)530内のセルカテゴリ情報(C_CAT)には図示してないがシームレス再生フラグ、インターリーブ配置フラグ、STC不連続フラグ、セル再生モード情報が存在する。
【0092】
セルコマンドを実行するセルに対してもセル間のシームレス再生が保証されている箇所に関してシームレス再生フラグに対して『セルはシームレスに再生すべき』と設定し、インターリーブ配置フラグに対しては『連続ブロック内に存在している』と設定し、STC不連続フラグに対しては『STCのリセットは不要』と設定し、セル再生モードに対しては『連続再生』と設定する。
【0093】
〔ポイント3〕
従来のSDのDVDビデオでは各セルの再生終了時にセルコマンドのセットの中から1コマンドを選択して実行することになっているが、前記制約を撤廃してセルコマンドの実行は必ずしもセルの再生終了時の実行に限らないこととする。また、1個のセルに対するセルコマンドの実行は1コマンドのみに限らず、複数のコマンドを順次(シーケンシャルに)実行できるようにしている。すなわち、図38に示すようにHDのDVDビデオでは1個のセルに対する管理情報のセル再生情報(C_PBI)内にセルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)とセルコマンド連続数情報(C_CMD_C_Ns)を持たせている。
【0094】
図35に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内にセルコマンド(C_CMD)513がシーケンシャルに配置されている。セルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)により複数配置されているセルコマンド(C_CMD)513列の内、上から何番目のセルコマンドからコマンドを実行するかを示し、そこから順次(シーケンシャルに)何個のコマンドを連続して実行するかをセルコマンド連続数情報(C_CMD_C_Ns)が示している。
【0095】
(E)ハイライト情報と副映像間のアンマッチ対策
〔ポイント1〕
(E1)の問題点を解決するため“グラフィックユニット”と言う独立したストリームを新たに定義し、そのグラフィックユニット内に同時にハイライト情報と(従来“副映像”が持っていた)グラフィックデータの両方を持たせ、副映像情報と分離することで、上記(E1)で説明したように、副映像情報の表示期間に左右されることなく、コンテンツ製作者は、イメージ通りのコンテンツが作成でき、自由度が向上し、結果ユーザへ多彩なコンテンツを提供することができる。
【0096】
また、グラフィックユニットとして16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像及びパンスキャンのSD画像のそれぞれに対応した5種類が設定可能でそれぞれの種類に応じて5種類のサブストリームIDが設定可能となっている。
【0097】
従来のSDのDVDビデオコンテンツではナビパック内のPCI記録領域内にハイライト情報を記録していたのに対し、本発明のHDのDVDビデオコンテンツでは上記ハイライト情報の記録位置をグラフィックユニット内に移し、1画面内に同時に24個までのボタン設定を可能とする。また、各ボタンに対して256色まで指定でき、選択時のハイライトなどで色の変更が可能である。さらに、256階調までのグラデーションによるコントラストのミキシングも表現できる。
【0098】
〔ポイント2〕
(E2)に示した問題点を解決するため、従来の副映像ストリームに対する配色数を増やす代わりに上記の“グラフィックユニット”内のグラフィックデータに対する使用可能な配色数を256色(8ビットによる色表現)とする。その結果、鮮やかな色彩を持ったグラフィックユニット画像をユーザに表示可能となり、ユーザへの表示インパクトが向上すると共にユーザがメニュー選択し易くなる。
【0099】
〔ポイント3〕
(E3)に示した問題点を解決するため、上記の“グラフィックユニット”内にグラフィックデータとマスクデータを持たせ、両者共に表示パターンをビットマップ状に設定可能とすることで任意の形状を設定できるようにした。その結果、星形や楕円形のハイライト情報指定領域(任意のボタン形状)が作成可能となり、従来のSDのDVDコンテンツよりも遙かに見栄えの良い画面が提供できる。
【0100】
〔ポイント4〕
(E4)に示した問題点を解決するため、上記の“グラフィックユニット”内にマスクデータを持たせ、このマスクデータとして画面内の互いに離れた複数領域(ホットスポット)を同時に設定可能とした。つまり、ハイライト情報の各ボタンに対してマスキングデータを重ねて設定できる構造にした。その結果、画面内の互いに離れた複数領域に対して同一のURLを設定できるPC画面やインターネットのホームページ画面と比べて見劣りがせず、ユーザに取って使い易いメニュー画面を提供できる。
【0101】
〔オブジェクト情報記録場所〕
下記の4箇所内にグラフィックユニットを記録できる。
【0102】
(1)図1の(e)のファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域で図2のHD_FPPGC.HDVファイル内にまとまっている。
【0103】
(2)図1の(e)のメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32の領域で図2のHD_VMG01.HDVファイル内にまとまっている。
【0104】
(3)図1の(f)のメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42の領域で図2のVTS00100.HDVファイル内にまとまっている。
【0105】
(4)図1の(f)のタイトル用ビデオオブジェクト領域(HDVTSTT_VOBS)43の領域で図2のVTS00101.HDVやVTS00102.HDVファイル内にまとまっている。
【0106】
〔オブジェクト情報内のデータ構造〕
図45の(d)に示すように16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像のそれぞれに対応した4種類のストリームに別々に記録される。
【0107】
また、図46に示すようにグラフィックユニットGU内部はハイライト情報(HIL)b2とマスクデータb3、グラフィックデータb4から構成される。
【0108】
〔管理情報記録場所〕
PGC内に配置するグラフィックユニットのストリームに関する制御情報を図33、図34のPGC・グラフィックユニットストリーム・制御テーブル(PGC_GUST_CTLT)内に持たせる。
【0109】
〔管理情報内容〕
HDビデオマネージャのメニュー内に含まれるグラフィックユニットに関する管理情報として図4に示すようにHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内にHDVMGMのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVMGM_GUST_Ns)とHDVMGMのグラフィックユニットストリーム属性情報(HDVMGM_GUST_ATR)を持つ。
【0110】
また、HDVTS(HDのビデオタイトルセット)内に含まれるグラフィックユニットに関する管理情報は図21に示すように、グラフィックユニットストリーム数情報と属性情報がHDVTS内のメニュー画面とタイトル(表示映像)に分かれてそれぞれHDVTSM_GUST_Ns、HDVTSM_GUST_ATR、HDVTS_GUST_Ns、HDVTS_GUST_ATRTの情報として記録されている。
【0111】
PGC内に配置するグラフィックユニットのストリームに関する制御情報が記録されるPGC・グラフィックユニットストリーム・制御テーブル(PGC_GUST_CTLT)内の情報は図33、図34に示すように4種類の各画像(16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像)に対応してそれぞれ別領域に記録する。
【0112】
(F)メニュー画面切り替え表示時のオーディオデータ再生
〔ポイント1〕
(F)に示した問題点を解決するため、メニューに対応した独自のオーディオデータ格納場所を設定する。メニューを表示するPGCの再生開始時間に同時にこの独自のオーディオデータの再生表示を開始する。また、一連のメニュー表示が完了するなどオーディオデータの再生が不要となる(例えばVTSの)PGCの再生が開始すると同時に、オーディオデータの再生表示を停止する。メニュー表示する前に事前にオーディオデータを図39のメモリ部122内にコピーしておき、ユーザがメニューを遷移しながら表示している期間の間、メモリ部122にコピーしたオーディオデータを連続的に繰り返し再生し続ける。メモリ部122にコピー可能なオーディオデータの最大容量を8MBと設定している。圧縮オーディオデータの転送レートが例えば384Kbpsの場合には8MBの最大容量が有れば2.5分に相当するオーディオデータの格納が可能となる。
【0113】
〔ポイント2〕
従来のSD用DVDビデオで存在したビデオ用VOBS内に記録されているオーディオデータと上記に示した独自のオーディオデータ間の選択再生指示が可能なようにオーディオデータの選択指定情報をPGCの管理情報であるPGCI内に持たせた所にも特徴がある。その結果、コンテンツプロバイダはメニューを切り替えても連続表示されるオーディオデータと、各メニュー毎に最適に設定されたオーディオデータの選択が指定でき、コンテンツプロバイダのユーザへの表現力が向上する。
【0114】
〔オブジェクト情報記録場所〕
図1の(e)に示すようにHDビデオマネージャ記録領域30内に新たにメニュー表示時に平行して出力する音声情報が記録されるメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33を設ける。このメニュー用オーディオオブジェクト領域33のファイル構造内での記録場所として図2に示すようにVIDEO_HDの共通なディレクトリ(フォルダ)内にHD_MENU0.HDAファイルとして独自のファイル内に記録する。本発明実施形態では情報記憶媒体内にメニュー用のオーディオオブジェクト(オーディオデータ)を複数種類記録が可能になっている。それぞれのメニュー用のオーディオオブジェクト(AOB)は図19に示すようにメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内に順番に配置記録されている。
【0115】
〔管理情報記録場所〕
このメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33のオブジェクトに対する管理データを図3に示すようにHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内のHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318内に記録する。
【0116】
また、メニュー用AOB(HDMENU_AOB)を参照(指定)する情報の設定場所として本発明実施形態では全体のメニューに関しては図7に示すようにHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット312c内のHDVMGM_PGCIサーチポインタ#n(HDVMGM_PGCI_SRP #n)312c2内のHDVMGM_PGCカテゴリ情報(HDVMGM_PGC_CAT)内に配置し、HDVTS単位でのメニューに関しては図26に示すようにHDVTS_PGCIサーチポインタ#n(HDVTSM_PGCI_SRP #n)413c2内のHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内に配置する。
【0117】
本発明の他の実施形態では図33、図34に示すようにプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50内のRSM&AOBカテゴリ(RSM&AOB_CAT)内に配置する。
【0118】
〔管理情報内容〕
全体のメニューに関しては図7に示すようにHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット312c内のHDVMGM_PGCIサーチポインタ#n(HDVMGM_PGCI_SRP #n)312c内のHDVMGM_PGCカテゴリ情報(HDVMGM_PGC_CAT)内に、HDVTS単位でのメニューに関しては図26、図27に示すようにHDVTS_PGCIサーチポインタ#n(HDVTSM_PGCI_SRP #n)413c2内のHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内に
(1)HDMEMU_AOBSの中の再生するAOB番号#n(図19で並んでいるメニュー用AOB(HDMENU_AOB)の内、何番目のAOBが対応するか)を指定する音声情報番号と、
(2)本発明におけるHDコンテンツのメニューを画面表示した時に同時に再生する音声情報の選択情報と、音声情報再生の開始・継続・終了トリガー情報を示す音声情報選択フラグが記録される。
【0119】
図7と図24または図33、図34ではメニュー画面表示時に同時に表示するメニュー用オーディオオブジェクトを指定する管理情報を示している。それに対応してメニュー用のオーディオオブジェクト自体に対する管理情報内容は図17に示すようにHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル情報(HDMENU_AOBSITI)318aと情報記憶媒体内に記録されているメニュー用AOBのそれぞれに対する個々の管理情報であるHDメニュー・オーディオオブジェクト情報(HDMENU_AOBI)318から構成される。
【0120】
このHDMENU_AOBIにはHDMENU_AOBの再生情報(曲の再生時間)を表すHDMENU_AOB_PBI、オブジェクトの属性(LPCMやAC−3など)を表すHDMENU_AOB_ATR、HDMENU_AOB#nの先頭アドレス、終了アドレスを示すHDMENU_AOB_SA、HDMENU_AOB_EAが含まれる。また先頭、終了アドレスについてはHDMENU_AOB#nの絶対もしくは相対のサイズが書かれる場合もある。
【0121】
また、上記(1)、(2)の情報は図33においてRSM&AOB_CATで表現することもできる。
【0122】
〔アクセス情報〕
図4に示すように情報記憶媒体(光ディスクまたはHDのDVDディスク)内でのメニュー表示時に同時に出力する音声情報が記録されるメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33が記録されている場所を示すHDMENU_AOBSの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBS_SA)とそのメニュー用オーディオオブジェクトに対する管理情報が記録されているHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318が記録されている場所を示すHDVMGM_AOBS情報テーブルの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBSIT_SA)がHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内に記録される。
【0123】
(G)上記の特徴を持ち、ユーザに対する表現力を一層向上させると共に、ユーザが使い易いコンテンツを図2に示すように従来のDVDビデオコンテンツが記録されている場所とディレクトリ(フォルダ)を分けて管理している。すなわち、従来のDVDビデオコンテンツは映像情報(ビデオデータ、副映像データ、音声データを総称したビデオオブジェクト)とその映像情報を管理する管理データをまとめてVIDEO_TSと言う名のディレクトリ(フォルダ)の下にまとめて配置して管理している。
【0124】
それに対して(A)〜(F)の特徴を持つコンテンツを映像とその映像情報を管理する管理データを一緒に図2に示すようにVIDEO_HDと言う名の別ディレクトリ(フォルダ)内で管理し、情報再生装置の再生制御の利便性を向上させている。
【0125】
本発明に対応したHDコンテンツではメニュー表示時に同時に出力する音声情報が記録されているHD_MENU0.HDAファイルが存在するが、そのファイルは従来のDVDビデオコンテンツには存在しない。
【0126】
また、本発明に対応した情報再生装置では図39に示すようにグラフィックデコーダ部113を持つが、従来のDVDビデオコンテンツを再生する情報再生装置では持っていない。従って、従来のDVDビデオコンテンツと本発明のHDコンテンツを混在再生する場合に、情報再生装置側でコンテンツ毎に使用する回路と制御プログラムを切り替える必要がある。図2に示すように、コンテンツ毎にディレクトリ(フォルダ)を分けることで情報再生装置側でのコンテンツ識別が非常に容易となり、ファイルへのアクセス時に回路と制御プログラムを切り替える処理によりHDとSDコンテンツの混在再生時に高速かつスムーズに切り替え処理が行える。
【0127】
《各特徴間の関係(効果説明)》
本発明では(A)、(B)の特徴を組み合わせることで簡単なオーサリングによりユーザが使い易いコンテンツを提供し、(C)〜(F)の特徴を組み合わせてユーザに対するコンテンツ表現力を一層豊かにし、ユーザに対してDVDビデオの魅力を更に高められる。
【0128】
具体的に(A)〜(F)の特徴を組み合わせた効果について2例を上げて説明する。
【0129】
〔I〕ユーザがメニューから最適な言語を選択後、別メニューを使って見たい場所を探す場合の例
本発明の情報再生装置にHDのDVDビデオディスク(情報記憶媒体)を装着後、最初に表示される画面(FP_PGC)でユーザの言語選択用画面が表示される(B)。この時にユーザが選択する言語を示すハイライト情報に対して従来の矩形とは異なる独自の形状を画面に表示する(E)ことでユーザが言語選択し易くすることが出来る。例えば、各国の言語を画面に表示する時にハイライト情報の表示範囲を対応する国の地図上の形を表示し、選択すべき言語を読まずにハイライト情報の表示範囲の形状を識別するだけでユーザが希望の言語を指定可能となる。また、地球儀や世界地図で日本が赤く塗りつぶされている場合が多い。従ってグラフィックユニットの表示色を256色持たせ(E)、(日本語を赤く表示するなど)言語毎に対応した色で表示し、ユーザが色を識別しただけで対応言語の識別を可能に出来る。
【0130】
また、ユーザが言語選択後にタイトルのサムネール(頭出し位置を指定する先頭画面を示した縮小画像)一覧表に移り、見たい映像場所を探す場合が多い。従来のDVDビデオのメニューでもサムネールの下に頭出し位置を示すテキストが表示されている場合が多い。この時にグラフィックユニットを用いてユーザが見たい場所の検索をより一層容易にすること(E)も可能となる。すなわち、映像タイトル内で大きく場面が変わる等の大きな切れ目を表す場所にはハイライト情報の表示範囲を“星形”に表示すると共に、その中を赤などの目立つ色で表現し、それよりも下の階層に属し、スキップ先を示す程度の場所を“丸印”で表示すると共に、淡い黄色や薄い青で表現して大きな切れ目は無いようにグラフィカルに表示することが可能となる。
【0131】
更に(F)に掲げた特徴を活用すると、『ユーザが言語選択後にタイトルのサムネール一覧表に移り見たい映像場所を探す』と言う一連の操作の期間中に(言語選択用メニュー画面からタイトルサムネール一覧画面への切り替わり時でも)途切れること無く連続して音声情報を出力することが可能となり、ユーザが気持ちよくメニュー間の切り替えが行える。
【0132】
図39に示す情報再生装置において上記を可能にする具体的な処理方法について説明する。情報再生装置にHDのDVDビデオディスク(情報記憶媒体1)を装着すると、ディスクドライブ部101が管理情報である図1の(e)に示すHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31とHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41を読み込み、メモリー部122に読み込む。次にMPU部121がメモリー部122に一時記憶された内容を解析してプリロード再生対象のオーディオデータAOBの有無を確認する。MPU部121がプリロード再生対象のオーディオデータAOBが存在すると判定すると、ディスクドライブ部101を制御して図1の(e)に示すメニュー用オーディオオブジェクト情報(HDMENU_AOBS)33を読み取り、メモリー部122に一時保存する。次に、図4に示したファーストプレイPGCI(FP_PGCI)の情報に従ってユーザに対する言語選択用メニュー画面を表示すると同時に、メモリー部122に一時保存されたオーディオデータAOBの再生を開始する。次に、タイトルのサムネール一覧を示す画面にユーザが切り替えた時点で図27に示すHDVTSM_PGC_CAT内の音声情報番号が言語選択用メニュー表示時に再生したAOB番号と一致し、音声情報選択フラグが“10b”(HDMENU_AOBSが続けて再生される)を設定された場合には、メニュー画面の切り替えに影響を受けずに引き続き連続してオーディオデータが出力される。
【0133】
〔II〕映像タイトル再生途中でメニュー画面とボーナスコンテンツを表示した後映像タイトルに戻る場合の例
仮想VAU(IVAU)を定義することで静止画像を連続的に再生する複数種類のスライドショーから構成されるマルチアングル、または静止画像のスライドショーと動画から構成されるマルチアングルの再生をシームレスに行える(C)。また、セルコマンドを実行するセル間の再生をシームレスに再生できる(D)。このシームレスな再生を管理する管理情報である例えば図24に示すHDVTS_PGC_CAT内のRSM許可フラグの設定方法(“0b:許可”の設定)により、上記に示したマルチアングルのシームレス再生途中、またはセルコマンドを実行するセル間でのシームレス再生途中でユーザがメニュー画面を呼び出した後に例えば映画の予告編を表示したり、撮影現場を写すなどのボーナスコンテンツを表示後(但しボーナスコンテンツに対応したHDVTS_PGC_CAT内のRSM許可フラグを“1b:禁止”に設定した場合)に元に戻した時に、引き続きマルチアングルのシームレス再生またはセルコマンドを実行するセル間でのシームレス再生を継続させることが可能となる(A)。特に、従来のSDのDVDビデオ規格上では静止画像のスライドショーと動画から構成されるマルチアングルに対するシームレスな再生が保証されていないが、特徴(A)と(C)の組み合わせあるいは(A)と(D)の組み合わせにより、マルチアングル映像再生途中で“メニュー画面”→“ボーナスコンテンツ再生”と画面が飛んだ後に元の静止画像のスライドショーと動画から構成されるマルチアングル映像に戻り、引き続いてシームレス再生を継続させる等の多彩な表現形態が実現できる。
【0134】
更にこれらの特徴を組み合わせて多彩な表現形態が示せる例として、
(1)画家の名前が(副映像で)表示され、音声により解説付きで連続的に切り替わる絵画の表示途中で
(2)解説用の音声言語をメニュー画面で切り替え、更に
(3)副映像で同時に表示された画家の名前表示を消すようにメニュー画面で切り替え、
(4)特定の絵画について詳細に説明したボーナス映像を再生した後
(5)メニュー画面に移行する直前の絵画から再生を継続させる
などの処理を行った場合についてこれらの特徴の組み合わせ効果を説明する。従来のSDのDVDビデオ規格では(5)の操作に戻った時には『メニュー画面に移行する直前の絵画から再生を継続させる』ことは容易で無く、(5)の操作に戻った時にユーザは最初から絵画をめくる必要があった。無理に直前の絵画からの再生継続を可能にプログラミングした場合には複雑なオーサリング処理が必要となる。また、(2)と(3)を行った時に音声データが途切れること無く連続に再生することは従来のDVDビデオでは不可能であり、特徴(F)を達成して始めてそれが可能となる。特徴(A)と(C)と(D)と(F)を同時に達成可能なデータ構造を規格上で規定することで、図39に示す情報再生装置のメモリー部122のメモリー容量の設定とメモリー領域内の管理方法の設定を行い、特徴(A)と(C)と(D)と(F)の同時達成を可能とする。すなわち、特徴の(A)に対応してメニュー画面への切り替わり時に、図44に示したシステムパラメーターの4(タイトル番号)から8(ハイライトボタン番号)の値の設定をすると共に、対応するセル番号情報と該当セルの最初に配置されたナビゲーションパックのアドレス情報、VTSの番号の情報を記録するメモリー部122内の領域を確保し、また図24のRSM許可フラグ情報に基づき前記情報の管理を行う。また、(C)を並列実行するために仮想ビデオアクセスユニットIVAUに対応したインターリーブユニット(ILVU)分のデータが記録できる場所をメモリー部122内に確保する。また、(F)を達成可能なように事前に一時記憶する(プリロード)音声データの格納領域をメモリ部122内に割り当て、図8および図27に示した音声情報選択と音声情報番号に基づき前記割り当て領域内の管理を行う。本発明実施形態における情報再生装置ではこのようにメモリー部122内の管理を行って特徴(A)と(C)と(D)と(F)の同時達成を可能にしている。
【0135】
また、特徴(2)と(3)の操作の段階で特徴(E)を用いてユーザにとって選択メニューを見易く、かつ選択し易いように(従来のDVDビデオ規格上では不可能だった)256色の色表現とハイライト情報の表示輪郭を(矩形以外の)独自形状にし、特徴(F)と組み合わせてユーザに一層の快適感を提供できる。
【0136】
また、本発明実施形態ではFP_PGCでは副映像ストリームを持つことを禁止し、その代わりグラフィックユニットを使用するように規定しているため、ユーザへの言語選択メニュー画面がグラフィックユニットで規定された256色表現とハイライト情報を示す画面領域の輪郭形状を(矩形に限らず)多彩に設定できるため、ユーザへの言語選択メニュ画面がより一層選択し易くなる。例えば
○日本語を選ぶ場所では“日本語”と記述されると共に画面領域を“日本地図の形状”にし、その中を地球儀や世界地図でよく使われる“赤”で塗りつぶし、
○英語(米語)を選ぶ場所では“English”と記述すると共に画面領域を星条旗を意識して“星形”に設定し、
○さらに星条旗の星が入っている部分の色を利用して星の中を“青”で塗りつぶす
ように表現すると、ユーザは文字を読むまでも無く形や色で言語コードを選択できる。
【0137】
特に、図4に示すように(B)の特徴を発揮するユーザに対する言語選択用メニューに対する管理情報が記録されているファーストプレイPGCI(FP_PGCI)の情報が、そして(F)の特徴を発揮するHDMENU_AOBSの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBS_SA)とHDVMGM_AOBS情報テーブルの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBSIT_SA)、(E)の特徴を発揮するHDVMGMのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVMGM_GUST_Ns)とHDVMGMのグラフィックユニットストリーム属性情報(HDVMGM_GUST_ATR)を共通のHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内に配置することで管理が容易となり、本発明実施形態の情報再生装置において(A)〜(F)の特徴を同時にあるいは連続してユーザに表現する場合の処理プログラムの簡素化が図れ、情報再生装置の信頼性と安定性が向上させられるばかりで無く、プログラムの簡素化に起因した情報再生装置の低価格化を達成できる。
【0138】
同様に図33、図34に示すように本発明実施形態における(A)の特徴を発揮するRSM許可フラグフラグ情報、(E)の特徴を発揮するPGC・グラフィックユニットストリーム・制御テーブル情報(PGC_GUST_CTLT)と(F)の特徴を発揮する音声情報選択と音声情報番号を共通のプログラムチェーン一般(PGC_GI)50内に配置することで管理が容易となり、本発明実施形態の情報再生装置において(A)〜(F)の特徴を同時に、あるいは連続してユーザに表現する場合の処理プログラムの簡素化が図れ、情報再生装置の信頼性と安定性が向上させられるばかりで無く、プログラムの簡素化に起因した情報再生装置の低価格化を達成できる。
【0139】
図1に本発明実施形態におけるディスク形状の情報記憶媒体1(図1の(a))に記録される情報内容について説明する。図1の(b)に示すように情報記憶媒体1は内周側からリードイン領域10、データ領域12,リードアウト領域13から構成されている。
【0140】
情報記憶媒体1ではファイルシステムにISO9660とUDFのブリッジ構造を採用し、データ領域12の一部にISO9660とUDFのボリューム/ファイル構造情報領域11を持っている。データ領域12内には図1の(c)に示すようにビデオデータ記録領域20と一般のコンピュータ情報記録領域22の混在配置が許されている。ビデオデータ記録領域20内は図1の(d)に示すようにビデオデータ記録領域20内に記録されたHDのDVDビデオコンテンツ全体に関する管理情報が記録されたHDビデオマネージャ記録領域(HDVMG:HD対応のビデオマネージャ)30と、各タイトル毎にまとめられ、各タイトル毎の管理情報と映像情報(ビデオオブジェクト)がまとめて記録されたHDビデオタイトルセット記録領域(HDVTS:HD対応のビデオタイトルセット)40から構成されている。
【0141】
HDビデオマネージャ記録領域(HDVMG:HD対応のビデオマネージャ)30の中は図1の(e)に示すようにビデオデータ記録領域20全体に関わる管理情報を示すHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI:HD対応のビデオマネージャ情報)31と、そのバックアップ用としてHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI:HD対応のビデオマネージャ情報)31と全く同じ情報が記録されたHDビデオマネージャ情報バックアップ領域(HDVMGI_BUP)34、ビデオデータ記録領域20全体を示すトップメニュー画面が記録されたメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32から構成されている。更に、本発明実施形態ではHDビデオマネージャ記録領域30内に新たにメニュー表示時に平行して出力する音声情報が記録されるメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33を新たに設けている。本発明実施形態ではメニュー記述言語コードが設定できる画面をファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域に記録する。
【0142】
各タイトル毎の管理情報と映像情報(ビデオオブジェクト)がまとめて記録された1個のHDビデオタイトルセット記録領域(HDVTS:HD対応のビデオタイトルセット)40の内部はHDビデオタイトルセット記録領域(HDVTS:HD対応のビデオタイトルセット)40内の全コンテンツに対する管理情報が記録されているHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41と、そのバックアップデータでHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41と全く同じ情報が記録されたHDビデオタイトルセット情報バックアップ領域(HDVTSI_BUP)44、ビデオタイトルセット単位でのメニュー画面の情報が記録されたメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42と、このビデオタイトルセット内でのビデオオブジェクト(タイトルの映像情報)データが記録されているタイトル用ビデオオブジェクト領域(HDVTSTT_VOBS)43から構成される。
【0143】
各領域はISO9660とUDFのブリッジ構造を持ったファイルシステムではそれぞれ別々のファイルを構成することになる。従来のSDのDVDビデオコンテンツは図2に示すように“VIDEO_TS”と言う名のディレクトリ下にまとめて配置されているのに対して、本発明実施形態で示すHDのDVDビデオコンテンツはそれとディレクトリを分け、“VIDEO_HD”と言うディレクトリの下にまとめて配置することになる。
【0144】
すなわち、このメニュー用オーディオオブジェクト領域33のファイル構造内での記録場所として、図2に示すようにVIDEO_HDの共通なディレクトリ(フォルダ)内にHD_MENU0.HDAファイルとして独自のファイル内に記録する。また、ファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域内の最初にメニュー記述言語コードを設定する画面データ(ビデオデータ)を単独ファイルとして独立させ、ファイル名をHD_FPPGC.HDVとする。また、HDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI:HD対応のビデオマネージャ情報)31はHD_VMG00.HDIファイル内、HDビデオマネージャ情報バックアップ領域(HDVMGI_BUP)34はHD_VMG00.BUPファイル内、メニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32はHD_VMG01.HDVファイル内、HDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41はVTS00100.IFOファイル内、HDビデオタイトルセット情報バックアップ領域(HDVTSI_BUP)44はVTS00100.BUPファイル内、メニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42はVTS00100.HDVファイル内、タイトル用ビデオオブジェクト領域(HDVTSTT_VOBS)43はVTS00101.HDVファイルやVTS00102.HDVファイル内とそれぞれ個別のファイル内に格納される。
【0145】
図1の(e)に示すHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内の詳細なデータ構造を図3に示す。
【0146】
メニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33のオブジェクトに対する管理データを図3に示すようにHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内のHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318内に記録する。HDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310からHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ(HDVMGM_VOBU_ADMA)317までのデータ構造は従来のSDのDVDビデオの管理情報と一致している。本発明実施形態では新規に追加するHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318を従来のDVDビデオの管理情報と一致している部分と分けてその後ろに配置することで、従来のSDのDVDビデオの管理情報を使った従来の制御プログラムの兼用使用を可能として本発明実施形態に対応した情報再生装置の制御プログラムの簡素化を図ることができる。
【0147】
また、HDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内には他にビデオデータ記録領域20内に記録されたHDのDVDビデオコンテンツ全体に共通する管理情報を纏めて記録したHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)情報310、HDのDVDビデオコンテンツ内に存在する各タイトルの検索(頭出し位置検出)に役立つ情報が記録されたタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)情報311、メニューを表示するメニュー記述言語コード毎に分けられて配置されたメニュー画面の管理情報が記録されているHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)情報312、子供に見せられる映像と見せられない映像をパレンタル情報として管理する情報が記録されたパレンタル管理情報テーブル(PTL_MAIT)情報313、タイトルセットの属性に関してまとめて記録されているHDビデオタイトルセット属性情報テーブル(HDVTS_ATRT)情報314、ユーザに表示するテキスト情報がまとまって記録されたテキストデータマネージャ(TXTDT_MG)情報315、メニュー画面を構成するセルの開始アドレスの検索に役立つ情報が記録されたHDビデオマネージャメニューセルアドレステーブル(HDVMGM_C_ADT)情報316、メニュー画面を構成するビデオオブジェクトの最小単位を示すVOBUのアドレス情報が記録されたHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ(HDVMGM_VOBU_ADMAP)情報317が存在する。
【0148】
図3のHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内の詳細なデータ構造を図4に示す。
【0149】
図4に示すように(B)の特徴を発揮するユーザに対する言語選択用メニューに対する管理情報が記録されているファーストプレイPGCI(FP_PGCI)の情報が、そして(F)の特徴を発揮するHDMENU_AOBSの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBS_SA)とHDVMGM_AOBS情報テーブルの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBSIT_SA)、(E)の特徴を発揮するHDVMGMのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVMGM_GUST_Ns)とHDVMGMのグラフィックユニットストリーム属性情報(HDVMGM_GUST_ATR)を共通のHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内に配置する。
【0150】
また、HDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内にはその他にHDビデオマネージャ識別子(HDVMG_ID)、HDビデオマネージャの終了アドレス(HDVMG_EA)、HDビデオマネージャ情報の終了アドレス(HDVMGI_EA)、HD−DVDビデオ規格のバージョン番号(VERN)、HDビデオマネージャカテゴリ(HDVMG_CAT)、ボリュームセット識別子(VLMS_ID)、アダプテーション識別子(ADP_ID)、HDビデオタイトルセットの数(HDVTS_Ns)、プロバイダ独自の識別子(PVR_ID)、POSコード(POS_CD)、HDビデオマネージャ情報・管理テーブルの終了アドレス(HDVMGI_MAT_EA)、ファーストプレイプログラムチェーン情報の先頭アドレス(FP_PGCI_SA)、HDVMGM_VOBSの先頭アドレス(HDVMGM_VOBS_SA)、TT_SRPTの先頭アドレス(TT_SRPT_SA)、HDVMGM_PGCI_UTの先頭アドレス(HDVMGM_PGCI_UT_SA)、PTL_MAITの先頭アドレス(PTL_MAIT_SA)、HDVTS_ATRTの先頭アドレス(HDVTS_ATRT_SA)、TXTDT_MGの先頭アドレス(TXTDT_MG_SA)、HDVMGM_C_ADTの先頭アドレス(HDVMGM_C_ADT_SA)、HDVMGM_VOBU_ADMAPの先頭アドレス(HDVMGM_VOBU_ADMAP_SA)、HDVMGMのビデオ属性(HDVMGM_V_ATR)、HDVMGMのオーディオストリーム数(HDVMGM_AST_Ns)、HDVMGMのオーディオストリーム属性(HDVMGM_AST_ATR)、HDVMGMのサブピクチャストリーム数(HDVMGM_SPST_Ns)、HDVMGMのサブピクチャストリーム属性(HDVMGM_SPST_ATR)の各種情報が記録されている。
【0151】
図3に示したタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311内のデータ構造を図5に示す。タイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311はタイトルサーチポインタテーブル情報(TT_SRPTI)311aとタイトルサーチポインタ(TT_SRP)情報311bから構成されている。タイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311内のタイトルサーチポインタ(TT_SRP)情報311bはHDのDVDビデオコンテンツ内に含まれるタイトル数に応じて複数個を任意数だけ設定できる。タイトルサーチポインタテーブル情報(TT_SRPTI)311aはタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311の共通管理情報が記録され、このタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311内に含まれるタイトルサーチポインタの数(TT_SRP_Ns)情報と、HDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)のファイル(図2のHD_VMG00.HDI)内でのこのタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311の終了アドレス(TT_SRPT_EA)情報が記録される。
【0152】
また1個のタイトルサーチポインタ(TT_SRP)情報311b内にはこのサーチポインタが示すタイトルに関するタイトルプレイバックタイプ(TT_PB_TY)、アングル数(AGL_Ns)、Part_of_Title(PTT)の数(PTT_Ns)、タイトル用Parental_ID_Field(TT_PTL_ID_FLD)情報、HDVTS番号(HDVTSN)、HDVTSタイトル番号(HDVTS_TTN)、本HDVTSの先頭アドレス(HDVTS_SA)の各種情報が記録される。
【0153】
次に、図3に示したHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内のデータ構造を図6に示す。HDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内はHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内の共通管理情報が記録されているHDビデオマネージャメニュー・プログラムチェーン情報ユニットテーブル情報(HDVMGM_PGCI_UTI)312aとメニューを表示するメニュー記述言語コード毎にまとめられ、メニュー情報に関する管理情報が記録されたHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cが記録されている。HDのDVDビデオコンテンツでサポートするメニュー記述言語コードの数だけHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cの情報を持つ。また、HDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内では各メニュー記述言語コード毎のHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cへのアクセスを容易にするため、各HDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cの先頭アドレス情報を持つHDビデオマネージャメニュー・言語ユニットサーチポインタ(HDVMGM_LU_SRP)の情報312bを各HDビデオマネージャ言語ユニット(HDVMGM_LU)312cの数だけ持っている。
【0154】
HDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内にはHDビデオマネージャメニュー・言語ユニットの数(HDVMGM_LU_Ns)情報とHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)のファイル(図2のHD_VMG00.HDI)内でのこのHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312の終了アドレス(HDVMGM_PGCI_UT_EA)情報を持つ。
【0155】
また、HDビデオマネージャメニュー・言語ユニットサーチポインタ(HDVMGM_LU_SRP)の情報312b内には、上述したようにHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)のファイル(図2のHD_VMG00.HDI)内でのHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312の開始位置から対応するHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cの先頭位置までの差分アドレス情報(HDVMGM_UT_SA)を持つだけでなく、対応するHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cのメニュー記述言語コードを示すHDビデオマネージャメニュー言語コード(HDVMGM_LCD)の情報と、対応するHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cがユーザに表示するメニュー画面をVOBとして持つか否かを示すHDビデオマネージャメニューの有無(HDVMGM_EXST)情報も有している。
【0156】
図3に示したHDビデオマネージャメニューPGCI(HDVMGM_PGCI_UT)312内に記録されるHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット#n(HDVMGM_LU #n)312c(図6)内の詳細なデータ構造を図7に示す。
【0157】
HDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312c内は、HDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312c内のメニューに関する共通の管理情報が記録されたHDビデオマネージャメー言語ユニット情報(HDVMGM_LUI)312c1と、図7に示した構造を有するHDビデオマネージャメニュー・プログラムチェーン情報(HDVMGM_PGCI)312c3と、HDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)のファイル(図2のHD_VMG00.HDI)内でのHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312c先頭位置から各HDビデオマネージャメニュー・プログラムチェーン情報(HDVMGM_PGCI)312c3の先頭位置までの差分アドレスを示すHDVMGM_PGCIサーチポインタ(HDVMGM_PGCI_SRP #1)の情報312c2の各情報を持つ。
【0158】
HDビデオマネージャメニュー・言語ユニット#n(HDVMGM_LU #n)312c内の最初の領域(グループ)に配置されるHDビデオマネージャメー言語ユニット情報(HDVMGM_LUI)312c1内はHDVMGM_PGCI_SRPの数(HDVMGM_PGCI_SRP_Ns)に関する情報とHDVMGM_LUの終了アドレス(HDVMGM_LU_EA)情報を有し、HDVMGM_PGCIサーチポインタ(HDVMGM_PGCI_SRP #1)の情報312c2はHDVMGM_PGCIの先頭アドレス(HDVMGM_PGCI_SA)情報とHDVMGM_PGCカテゴリ(HDVMGM_PGC_CAT)情報を持つ。
【0159】
HDVMGM_PGCIサーチポインタ#n(HDVMGM_PGCI_SRP #n)312c2内のHDVMGM_PGCカテゴリ情報(HDVMGM_PGC_CAT)内に本発明におけるHDコンテンツのメニューを画面表示した時に同時に再生する音声情報の選択情報と、音声情報再生の開始・終了トリガー情報を示す音声情報選択フラグ(音声情報選択)が記録される。本発明におけるHDコンテンツのメニューを画面表示した時に同時に再生する音声データとして、
(1)図1の(e)に示したメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32内に記録されたオーディオデータ(図示してないがオーディオパック内に分散記録されている)、
(2)図1の(e)に示したメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMEMU_AOBS)33内に存在し、図19に示すように1個以上のメニュー用AOB(HDMENU_AOB)が順番に並んで配置されたオーディオデータ、
のいずれかを選択できる。
【0160】
ここで音声情報選択フラグ(音声情報選択)の“00b”を選択した時には、(1)のオーディオデータが再生され、メニューの切り替わり時に音声再生が途切れる。また、音声情報選択フラグ(音声情報選択)の“10b”または“11b”を選択した時には、(2)に示したメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMEMU_AOBS)33内に存在するメニュー用AOB(HDMENU_AOB)のオーディオデータが再生される。(2)に示したオーディオデータを再生する場合には“11b”を指定した場合にはメニュー画面の変更毎にオーディオデータが最初から再生を開始し、“10b”を指定した場合にはメニュー画面の切り替えに関わらず連続してオーディオデータの再生が続けられる。本発明実施形態では図19に示すようにメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内に複数種類のメニュー用AOB(HDMENU_AOB)を格納しておける。図8に示した音声情報番号は該当するメニュー表示用PGCを表示する時に同時に再生するメニュー用AOB(HDMENU_AOB)の選択情報を示している。メニュー用AOBの選択情報として図19に配置されているメニュー用AOBの中で“上から何番目のAOBを選択するか”の番号情報で選択する。
【0161】
図8に示すように、HDVMGM_PGCカテゴリ(HDVMGM_PGC_CAT)情報内には、エントリーPGCか否かを判別するエントリータイプ情報、メニューの識別を表す(例えばタイトルのメニューか等)メニューID情報、ブロックモード情報、ブロックタイプ情報、PTL_ID_FLD情報が記録されている。
【0162】
図3に示したパレンタルマネジメント(管理)情報テーブル(PTL_MAIT)313内のデータ構造を図9に示す。パレンタル管理情報テーブル情報(PTL_MAITI)313a内には国の数(CTY_Ns)、HDVTSの数(HDVTS_Ns)、PTL_MAITの終了アドレス(PTL_MAIT_EA)のそれぞれの情報が記録され、パレンタル管理情報サーチポインタ(PTL_MAI_SRP)313bは国コード(CTY_CD)とPTL_MAIの先頭アドレス(PTL_MAI_SA)の情報を持つ。
【0163】
また、図9に示したパレンタル管理情報(PTL_MAI)313c内のデータ構造は図10に示すようにパレンタルレベル情報(PTL_LVLI)313c1を有し、パレンタルレベル情報(PTL_LVLI)313c1内にはHDVMG用Parental_ID_Field(PTL_ID_FLD_HDVMG)313c11とHDVTS用Parental_ID_Field(PTL_ID_FLD_HDVTS)313c12の情報を有し、更にHDVTS用Parental_ID_Field(PTL_ID_FLD_HDVTS)313c12の情報内にはPGC選択用Parental_ID_Field(PTL_ID_FLD)が存在する。
【0164】
図3に示したHDビデオタイトルセット属性情報テーブル(HDVTS_ATRT)314の中は図11に示すように、
・HDVTSの数(HDVTS_Ns)とHDVTS_ATRTの終了アドレス(HDVTS_ATRT_EA)の情報を持つHDビデオタイトルセット属性テーブル情報(HDVTS_ATRTI)314a、
・HDVTS_ATRの先頭アドレス(HDVTS_ATR_SA)の情報が記録されたHDVTS用ビデオタイトルセット属性サーチポインタ(HDVTS_ATR_SRP)314b、
・HDVTS_ATRの終了アドレス(HDVTS_ATRT_EA)とHDビデオタイトルセットのカテゴリ(HDVTS_CAT)とHDビデオタイトルセットの属性情報(HDVTS_ATRI)の各情報を有するHDVTS用ビデオタイトルセット属性(HDVTS_ATR)314cと、
から構成される。
【0165】
図3に示したテキストデータマネージャ(TXTDT_MG)315の中は図12に示すように、
・テキストデータ識別子(TXTDT_ID)とTXTDT_LUの数(TXTDT_LU_Ns)とテキストデータマネージャの終了アドレス(TXTDT_MG_EA)の各情報を有するテキストデータマネージャ情報(TXTDT_MGI)315a、
・テキストデータ言語コード(TXTDT_LCD)とキャラクタセット(CHRS)とTXTDT_LUの先頭アドレス(TXTDT_LU_SA)の各種情報が記録されたテキストデータ言語ユニットサーチポインタ(TXTDT_LU_SRP)315b、
・テキストデータ言語ユニット(TXTDT_LU)315cと、
から構成される。
【0166】
更に、テキストデータ言語ユニット(TXTDT_LU)315cの内部は図13に示すように、
・TXTDT_LUの終了アドレス(TXTDT_LU_EA)情報が記録されたテキストデータ言語ユニット情報(TXTDT_LUI)315c1、
・ボリューム用IT_TXT_SRPの先頭アドレス(IT_TXT_SRP_SA_VLM)情報が記録されたボリューム用アイテムテキストサーチポインタサーチポインタ(IT_TXT_SRP_SRP_VLM)315c2、
・タイトル用IT_TXT_SRPの先頭アドレス(IT_TXT_SRP_SA_TT)の情報を保有したタイトル用アイテムテキストサーチポインタサーチポインタ(IT_TXT_SRP_SRP_TT)315c3、
・テキストデータ(TXTDT)315c4、
の各種情報を持つ。また、テキストデータ(TXTDT)315c4の内部は図14に示すように、
・IT_TXT_SRPの数(IT_TXT_SRP_Ns)の情報を有するテキストデータ情報(TXTDTI)315c41、
・アイテムテキスト識別子コード(IT_TXT_IDCD)とIT_TXTの先頭アドレス(IT_TXT_SA)の情報が記録されたアイテムテキストサーチポインタ(IT_TXT_SRP)315c42、
・アイテムテキスト(IT_TXT)315c43
の各種情報が記録されている。
【0167】
図3に示したHDビデオマネージャメニューセルアドレステーブル(HDVMGM_C_ADT)316の中は図15に示すように、
・HDVMGM_VOBS内のVOBの数(HDVMGM_VOB_Ns)とHDVMGM_C_ADTの終了アドレス(HDVMGM_C_ADT_EA)の各情報を持つHDビデオマネージャメニューセルアドレステーブル情報(HDVMGM_C_ADTI)316a、
・HDVMGM_CPのVOB_ID番号(HDVMGM_VOB_IDN)、HDVMGM_CPのCell_ID番号(HDVMGM_C_IDN)、HDVMGM_CPの先頭アドレス(HDVMGM_CP_SA)、HDVMGM_CPの終了アドレス(HDVMGM_CP_EA)の各情報が記録されたHDビデオマネージャメニューセルピース情報(HDVMGM_CPI)316b、
の各種情報が記録されている。
【0168】
図3に示したHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ(HDVMGM_VOBU_ADMAP)317の中は図16に示すように、
・HDVMGM_VOBU_ADMAPの終了アドレス(HDVMGM_VOBU_ADMAP_EA)の情報を有するHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ情報(HDVMGM_VOBU_ADMAPI)317a、
・HDVMGM_VOBUの先頭アドレス(HDVMGM_VOBU_SA)
の各種情報が記録されている。
【0169】
図17はメニュー用AOB(HDMENU_AOB)自体に対する管理情報内容を示し、図1の(e)に示したHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内に存在する図3に示したHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318の内部データ構造を示している。HDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318の最初に配置されているHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル情報(HDMENU_AOBSITI)318a内にはHDMENU_AOBS内のAOB数情報であるHDMENU_AOB_Nsと、HDMENU_AOBSITの終了アドレス情報(HDMENU_AOBSIT_EA)が存在する。本発明実施形態では情報記憶媒体内にメニュー用のオーディオオブジェクト(オーディオデータ)を複数種類記録が可能になっている。
【0170】
図17のHDメニュー・オーディオオブジェクト情報(HDMENU_AOBI)318bは上記個々のメニュー用のオーディオオブジェクト(オーディオデータ)に対する管理情報を示し、それぞれHDMENU_AOBの再生情報(HDMENU_AOB_PBI)、HDMENU_AOBの属性情報(HDMENU_AOB_ATR)、HDMENU_AOB #n(該当するHDMENU_AOB)の先頭アドレス情報(HDMENU_AOB_SA)、HDMENU_AOB #n(該当するHDMENU_AOB)の終了アドレス情報(HDMENU_AOB_EA)から構成される。
【0171】
図2のHD_VMG01.HDVファイル内にまとめて格納された図1の(e)に示すメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32内のデータ構造は図18に示すように同一のメニュー画面がそれぞれ異なるメニュー記述言語コードで記録されたメニュー画面(ビデオオブジェクト)が並んで配置されている。
【0172】
本発明実施形態では情報記憶媒体内にメニュー用のオーディオオブジェクト(オーディオデータ)を複数種類記録が可能になっている。メニュー用のオーディオオブジェクト(AOB)の記録場所は上述したように図1に示すようにHDビデオマネージャ記録領域(HDVMGI)30内のメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内であり、このメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33は図2に示すようにHD_MENU0.HDAと言うファイル名の1ファイルを構成している。それぞれのメニュー用のオーディオオブジェクト(AOB)はHD_MENU0.HDAと言うファイル名の1ファイルを構成しているメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内に図19に示すように順番に配置記録されている。
【0173】
図2に示したVTS00100.IFOファイル内にまとめて記録され、図1の(f)に示したHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41の内部は図20に示すようにHDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410、HDビデオタイトルセットPTTサーチポインタテーブル(HDVTS_PTT_SRPT)411、HDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412、HDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413、HDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル(HDVTS_TMAPT)414、HDビデオタイトルセットメニュー・セル・アドレステーブル(HDVTSM_C_ADT)415、HDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTSM_VOBU_ADMAP)416、HDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417、HDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTS_VOBU_ADMAP)418の各領域(管理情報グループ)に分かれている。
【0174】
HDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410には該当するビデオタイトルセットに共通する管理情報が記録されている。この共通する管理情報をHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41の中で最初の領域(管理情報グループ)に配置することで即座にビデオタイトルセット内の共通管理情報を読み込めるので、情報再生装置の再生制御処理の簡素化と制御処理時間の短縮化が図れる。
【0175】
HDVTS(本発明のHDビデオタイトルセット)内に含まれるグラフィックユニットに関する管理情報は図1の(f)に示したHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内の最初の領域(グループ)内に配置されたHDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410(図20参照)内に記録されている。HDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410の具体的な管理情報内容は図21に示すようにグラフィックユニットストリーム数情報と属性情報がHDVTS内のメニュー画面とタイトル(表示映像)に分かれてそれぞれHDVTSMのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVTSM_GUST_Ns)、HDVTSMのグラフィックユニットストリーム属性情報(HDVTSM_GUST_ATR)、HDVTSのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVTS_GUST_Ns)、HDVTSのグラフィックユニットストリーム属性テーブル情報(HDVTS_GUST_ATRT)として記録されている。
【0176】
また、HDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410内には図21に示すようにビデオタイトルセット内の共通管理情報の他にHDビデオタイトルセット識別子(HDVTS_ID)、HDVTSの終了アドレス(HDVTS_EA)、HDVTSIの終了アドレス(HDVTSI_EA)、HD−DVDビデオ規格のバージョン番号(VERN)、HDVTSカテゴリ(HDVTS_CAT)、HDVTSI_MATの終了アドレス(HDVTSI_MAT_EA)、HDVTSM_VOBSの先頭アドレス(HDVTSM_VOBS_SA)、HDVTSTT_VOBSの先頭アドレス(HDVTSTT_VOBS_SA)、HDVTS_PTT_SRPTの先頭アドレス(HDVTS_PTT_SRPT_SA)、HDVTS_PGCITの先頭アドレス(HDVTS_PGCIT_SA)、HDVTSM_PGCI_UTの先頭アドレス(HDVTSM_PGCI_UT_SA)、HDVTS_TMAPの先頭アドレス(HDVTS_TMAP_SA)、HDVTSM_C_ADTの先頭アドレス(HDVTSM_C_ADT_SA)、HDVTSM_VOBU_ADMAPの先頭アドレス(HDVTSM_VOBU_ADMAP_SA)、HDVTS_C_ADTの先頭アドレス(HDVTS_C_ADT_SA)、HDVTS_VOBU_ADMAPの先頭アドレス(HDVTS_VOBU_ADMAP_SA)、HDVTSMのビデオ属性(HDVTSM_V_ATR)、HDVTSMのオーディオストリーム数(HDVTSM_AST_Ns)、HDVTSMのオーディオストリーム属性(HDVTSM_AST_ATR)、HDVTSMのサブピクチャストリーム数の先頭アドレス(HDVTSM_SPST_Ns)、HDVTSMのサブピクチャストリーム属性(HDVTSM_SPST_ATR)、HDVTSのビデオ属性(HDVTS_V_ATR)、HDVTSのオーディオストリーム数(HDVTS_AST_Ns)、HDVTSのオーディオストリーム属性テーブル(HDVTS_AST_ATRT)、HDVTSのサブピクチャストリーム数(HDVTS_SPST_Ns)、HDVTSのサブピクチャストリーム属性テーブル(HDVTS_SPST_ATRT)、HDVTSのマルチチャネルオーディオストリーム属性テーブル(HDVTS_MU_AST_ATRT)の各種情報が記録されている。
【0177】
図20に示したHDビデオタイトルセットPTTサーチポインタテーブル(HDVTS_PPT_SRPT)411の中のデータ構造を図22に示す。HDビデオタイトルセットPTTサーチポインタテーブル(HDVTS_PPT_SRPT)411は
・HDVTSのTTUの数(HDVTS_TTU_Ns)とHDVTS_PTT_SRPTの終了アドレス(HDVTS_PTT_SRPT_EA)の情報を有するPTTサーチポインタテーブル情報(PTT_SRPTI)411a、
・TTUの先頭アドレス(TTU_SA)の情報が記録されたタイトルユニット・サーチポインタ(TTU_SRP)411b、
・プログラムチェーン番号(PGCN)とプログラム番号(PGN)の情報を持ったPTTサーチポインタ(PTT_SRP)411c、
の各種情報から構成されている。
【0178】
リジューム情報を管理する情報の配置場所について本発明の第1の実施形態では図23、図24に示すようにHDVTS_PGCIサーチポインタ412内のHDVTS_PGCカテゴリ内にRSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)を持たせている。HDVTS_PGCIサーチポインタ412の情報は図1の(f)に示したHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41の中に存在する図20に示したHDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412の中に配置されている。HDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412の中は図23に示すように他にHDVTS_PGCI_SRPの数(HDVTS_PGCI_SRP_Ns)とHDVTS_PGCITの終了アドレス(HDVTS_PGCIT_EA)の情報が含まれるHDビデオタイトルセットPGCI情報テーブル(HDVTS_PGCITI)412aの情報が記録されている。また、上述したHDVTS_PGCカテゴリ(HDVTS_PGC_CAT)と共にHDVTS_PGCIサーチポインタ(HDVTS_PGCI_SRP)412b内にはHDVTS_PGCIの先頭アドレス(HDVTS_PGCI_SA)の情報も記録されている。
【0179】
図24に示すRSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)とは該当するHDVTS_PGCの再生を開始した段階でレジューム情報の内容を更新するか(該当するPGCの再生状況に合わせてレジューム情報を逐次更新して行くか)否かの指定をする。すなわちフラグが
“0b”の場合はレジューム情報の更新を行い、
“1b”の場合はレジューム情報の更新を行わず、その前に再生したHDVTS_PGC(本発明のHDビデオタイトルセット内の対応したプログラムチェーン)の再生中断した情報を保持しておく
と言う処理を行う。また、HDVTS_PGCカテゴリ(HDVTS_PGC_CAT)の中には他にもエントリーPGCか否かを判別するエントリータイプ情報、対応するPGCが示すVTS(ビデオタイトルセット)内のタイトル番号情報、ブロックモード情報、ブロックタイプ情報、PTL_ID_FLD情報が記録されている。
【0180】
図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413の中のデータ構造を図25に示す。HDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413の内部は
・HDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニットの数(HDVTSM_LU_Ns)とHDVTSM_PGCI_UTの終了アドレス(HDVTSM_PGCI_UT_EA)の各情報を有したHDビデオタイトルセットメニュー・プログラムチェーン情報ユニットテーブル情報(HDVTSM_PGCI_UTI)413a、
・HDビデオタイトルセットメニュー言語コード(HDVTSM_LCD)とHDビデオタイトルセットメニューの有無(HDVTSM_EXST)とHDVTSM_LUの先頭アドレス(HDVTSM_UT_SA)の各情報が記録されたHDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニットサーチポインタ(HDVTSM_LU_SRP)413b、
・HDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット(HDVTSM_LU)413c
の各種情報から構成されている。
【0181】
また、HDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット(HDVTSM_LU)413c内のデータ構造は図26に示すように、
・HDVTSM_PGCI_SRPの数(HDVTSM_PGCI_SRP_Ns)とHDVTSM_LUの終了アドレス(HDVTSM_LU_EA)の情報を有するHDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット情報(HDVTSM_LUI)413c1、
・図33、図34と全く同じデータ構造を持ったHDビデオタイトルセットメニュー・プログラムチェーン情報(HDVTSM_PGCI)413c3、
・HDVTSM_PGCカテゴリ(HDVTSM_PGC_CAT)とHDVTSM_PGCIの先頭アドレス(HDVTSM_PGCI_SA)の情報が記録されたHDVTSM_PGCIサーチポインタ(HDVTSM_PGCI_SRP)413c2、
から構成される。
【0182】
メニュー用AOB(HDMENU_AOB)を参照(指定)する情報の設定場所として本発明の第1の実施形態ではHDVTS単位でのメニューに関しては、図26に示すようにHDVTS_PGCIサーチポインタ#n(HDVTSM_PGCI_SRP #n)413c2内のHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内に配置する。図27に示すHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内の音声情報番号はHDMEMU_AOBSの中の再生するAOB番号#n(図19で並んでいるメニュー用AOB(HDMENU_AOB)の内、何番目のAOBが対応するか)を指定する音声情報番号(AOB番号)を意味し、音声情報選択は本発明におけるHDコンテンツのメニューを画面表示した時に同時に再生する音声情報の選択情報と、音声情報再生の開始・終了トリガー情報を示す音声情報選択フラグ(音声情報選択)を意味している。
【0183】
ここで、音声情報選択フラグ(音声情報選択)の“00b”を選択した時には、各メニュー用ビデオオブジェクト内に記録されているオーディオデータが再生され、メニューの切り替わり時に音声再生が途切れる。また、音声情報選択フラグ(音声情報選択)の“10b”または“11b”を選択した時には、メニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMEMU_AOBS)33内に存在するメニュー用AOB(HDMENU_AOB)のオーディオデータが再生される。メニュー用オーディオデータ(AOB)を再生する場合、“11b”を指定した時にはメニュー画面の変更毎にオーディオデータが最初から再生を開始し、“10b”を指定した時にはメニュー画面の切り替えに関わらず連続してオーディオデータの再生が続けられる。本発明実施形態では、図19に示すように、メニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内に複数種類のメニュー用AOB(HDMENU_AOB)を格納しておける。図27に示した音声情報番号は該当するメニュー表示用PGCを表示する時に同時に再生するメニュー用AOB(HDMENU_AOB)の選択情報を示している。メニュー用AOBの選択情報として図19に配置されているメニュー用AOBの中で“上から何番目のAOBを選択するか”の番号情報で選択する。また、HDVTSM_PGCカテゴリ(HDVTSM_PGC_CAT)内には他にもエントリーPGCか否かを判別するエントリータイプ情報、メニューの識別を表す(例えばタイトルのメニューか等)メニューID情報、ブロックモード情報、ブロックタイプ情報、PTL_ID_FLD情報が記録されている。
【0184】
図20に示したHDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル(HDVTS_TMAPT)414中のデータ構造を図28に示す。HDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル(HDVTS_TMAPT)414の内部は
・HDVTS_TMAPの数(HDVTS_TMAP_Ns)とHDVTS_TMAPTの終了アドレス(HDVTS_TMAPT_EA)の各種の情報が記載されたHDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル情報(HDVTS_TMAPTI)414a、
・HDVTS_TMAPの先頭アドレス(HDVTS_TMAP_SA)の情報を有するHDビデオタイトルセット・タイムマップ・サーチポインタ(HDVTS_TMAP_SRP)414b、
・マップエントリで基準とするタイムユニット(秒)の長さ(TMU)とマップエントリ数(MAP_EN_Ns)とマップエントリ(MAP_EN)の各種情報が記録されたHDビデオタイトルセット・タイムマップ(HDVTS_TMAP)414c、
の各種情報から構成されている。
【0185】
上記HDマップエントリ(HDMAP_EN)内は該当するHDMAP_ENAと次のHDMAP_ENAが同一セル内に存在するか否かの判定フラグを示す“不連続フラグ”と、該当するHDマップエントリ(HDMAP_EN)に対応する再生時間が含まれるVOBUの先頭アドレス情報(HDMAP_ENA)から構成されている。
【0186】
また、図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・セル・アドレステーブル(HDVTSM_C_ADT)415の中のデータ構造は図29に示すように、
・HDVTSM_VOBS内のVOBの数(HDVTSM_VOB_Ns)とHDVTSM_C_ADTの終了アドレス(HDVTSM_C_ADT_EA)の情報を有するHDビデオタイトルセットメニュー・セル・アドレステーブル情報(HDVTSM_C_ADTI)415a、
・HDVTSM_CPのVOB_ID番号(HDVTSM_VOB_IDN)とHDVTSM_CPのCell_ID番号(HDVTSM_C_IDN)とHDVTSM_CPの先頭アドレス(HDVTSM_CP_SA)とHDVTSM_CPの終了アドレス(HDVTSM_CP_EA)の各種情報が記録されたHDビデオタイトルセットメニュー・セルピース情報(HDVTSM_CPI)415b、
の各種情報から構成されている。
【0187】
図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTSM_VOBU_ADMAP)416は図30のように
・HDVTSM_VOBU_ADMAPの終了アドレス(HDVTSM_VOBU_ADMAP_EA)の情報が記載されたHDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ情報(HDVTSM_VOBU_ADMAPI)416a、
・HDVTSM_VOBUの先頭アドレス(HDVTSM_VOBU_SA)の情報を有するHDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレス(HDVTSM_VOBU_AD)416b、
の情報から構成されている。
【0188】
また、図20に示したHDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417の中のデータ構造を図31に示す。HDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417内は、
・HDVTS_VOBS内のVOBの数(HDVTS_VOB_Ns)とHDVTS_C_ADTの終了アドレス(HDVTS_C_ADT_EA)の情報を有したHDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル情報(HDVTS_C_ADTI)417a、
・HDVTS_CPのVOB_ID番号(HDVTS_VOB_IDN)とHDVTS_CPのCell_ID番号(HDVTS_C_IDN)とHDVTS_CPの先頭アドレス(HDVTS_CP_SA)とHDVTS_CPの終了アドレス(HDVTS_CP_EA)の各種情報から成るHDビデオタイトルセット・セルピース情報(HDVTS_CPI)417b、
の各種情報から構成されている。
【0189】
更に、図20に示したHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTS_VOBU_ADMAP)418の中のデータ構造を図32に示す。HDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTS_VOBU_ADMAP)418は、
・HDVTS_VOBU_ADMAPの終了アドレス(HDVTS_VOBU_ADMAP_EA)の情報を有するHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ情報(HDVTS_VOBU_ADMAPI)418a、
・HDVTS_VOBU単位の先頭アドレス(HDVTS_VOBU_SA)の情報が記録されているHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレス(HDVTS_VOBU_AD)418b、
の各種情報から構成されている。
【0190】
特徴(A)を実現するRSM許可フラグフラグ情報と特徴(F)を実現する音声情報選択フラグ/音声情報番号は本発明の第1の実施形態として図22と図7、図24に示すようにプログラムチェーン情報PGCIのサーチポインタ情報内に持たせている。本発明はこの実施形態に限らずPGCI自体の中に持たせることも可能である。本発明の他の実施形態(第2の実施形態)を図33、図34に示す。図33、図34に示したPGCI情報とは
〔イ〕図1の(e)のHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内のHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312(図3)に存在する図6のHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312に関し、図7に示されたHDビデオマネージャメニュー・プログラムチェーン情報(HDVMGM_PGCI)312c3、
〔ロ〕図1の(f)のHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内のデータ構造を示した図20におけるHDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413内の図25におけるHDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット(HDVTSM_LU)413cの中に配置されている図26に示したHDビデオタイトルセットメニュー・プログラムチェーン情報(HDVTSM_PGCI)413c3、
〔ハ〕図1の(f)のHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内のデータ構造を示した図20におけるHDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412内のHDVTS_PGCI 412c(図23)
がそれぞれ対応する(図33、図34に示したPGCI情報は〔イ〕〜〔ハ〕の3箇所に配置され得る)。
【0191】
図33、図34に示すようにプログラムチェーン情報(PGCI)はプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50、プログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51、プログラムチェーン・プログラムマップ(PGC_PGMAP)52、セル・再生情報テーブル(C_PBIT)53、セル・位置情報テーブル(C_POSIT)54と言う5領域(5個の管理情報グループ)から構成されている。
【0192】
図33、図34に示すようにPGCI内の最初の領域(管理情報グループ)に配置されたプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50内の最後にRSM&AOB・カテゴリ情報(RSM&AOB_CAT)が記録されている。RSM&AOB・カテゴリ情報(RSM&AOB_CAT)内にRSM許可フラグ情報、音声情報選択フラグ、音声情報番号が存在する。このRSM許可フラグ情報は図24で説明した内容とまったく同じ内容を意味している。また、音声情報選択フラグと音声情報番号の内容は図8または図27で説明した内容と一致している。更にRSM&AOB・カテゴリ情報(RSM&AOB_CAT)内にはエントリーPGCか否かを判別するエントリータイプ情報、ブロックモード情報、ブロックタイプ情報、PTL_ID_FLD情報が記録されている。
【0193】
PGC内に配置するグラフィックユニットのストリームに関する制御情報が記録されるPGC・グラフィックユニットストリーム・制御テーブル(PGC_GUST_CTLT)内の情報は図33、図34に示すように4種類の各画像(16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像)に対応してそれぞれ別領域であるHD用グラフィックユニットストリーム#0のPGC_GUST_CTL(PGC_GUST #0)領域、SDワイド用グラフィックユニットストリーム#1のPGC_GUST_CTL(PGC_GUST #1)領域、4:3(SD)用グラフィックユニットストリーム#2の PGC_GUST_CTL(PGC_GUST #2)領域、レターボックス(SD)用グラフィックユニットストリーム#3の PGC_GUST_CTL(PGC_GUST #3)領域に別々に記録する。
【0194】
上記の情報以外にもプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50内にはPGC内容(PGC_CNT)、PGC再生時間(PGC_PB_TM)、PGCユーザ操作制御(PGC_UOP_CTL)、PGCオーディオストリーム制御テーブル(PGC_AST_CTLT)、PGCサブピクチャストリーム制御テーブル(PGC_SPST_CTLT)、PGCナビゲーションコントロール(PGC_NV_CTL)、PGCサブピクチャパレット(PGC_SP_PLT)、PGC_CMDTの先頭アドレス(PGC_CMDT_SA)、PGC_PGMAPの先頭アドレス(PGC_PGMAP_SA)、C_PBITの先頭アドレス(C_PBIT_SA)、C_POSITの先頭アドレス(C_POSIT_SA)の各種情報が記録されている。
【0195】
各PGCに適応されるコマンド情報は図35に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51にまとめて配置される。PGCI情報が配置される場所は図33、図34の説明場所で記載したように〔イ〕〜〔ハ〕の3箇所に配置され得る。特徴(A)の中で説明した〔ポイント4〕に示したリジュームシーケンス情報は図35に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に記録される。本発明実施形態におけるリジュームシーケンス情報(図35内で明記したリジューム(RSM)コマンドシーケンス)の情報内容は、この領域内に配置されたRSMコマンド(RSM_CMD)514が順次並んで配置された形で記述される。図35における一個の欄の中に記載される1個のRSMコマンド(RSM_CMD)514は本発明におけるHDのDVDビデオコンテンツ内で指定できる1個のコマンドを意味し、リジューム(RSM)コマンドシーケンス領域内で配置されたRSMコマンド(RSM_CMD)514が上から順に連続して(シーケンシャルに)実行される。
【0196】
本発明実施形態においては、図35に記載されたセルコマンド(C_CMD)513の配列もシーケンシャルなコマンド系列を意味している。すなわち、図35に示したセルコマンド(C_CMD)513の配列順に従って上から順次コマンド処理を実行することを意味している。図36で説明するようにセルコマンド#1(C_CMD #1)513からセルコマンド#k(C_CMD #k)513まで指定された一連のセルコマンド処理手順の中で各セル毎にセルコマンド処理手順の一部(各セル毎にセルコマンドのシーケンシャル処理を開始する最初のセルコマンド番号とセルコマンドのシーケンシャル処理の実行範囲)を指定できる構造になっている。
【0197】
RSMコマンド(RSM_CMD)514は(例えばメニュー画面から)該当するPGCへ戻り、以前に再生中断した“PGC内の途中から再生する直前”に実行されるコマンド手順の一部を示すのに対して、プリコマンド(PRE_CMD)511は該当する“PGCを最初から再生する直前”に実行されるコマンドを意味する。また、該当するPGCの再生後に実行するコマンドがポストコマンド(POST_CMD)512である。図35において1個のプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に配置できるプリコマンド(PRE_CMD)511の数とポストコマンド(POST_CMD)512の数、セルコマンド(C_CMD)513の数、RSMコマンド(RSM_CMD)514の数はそれぞれ自由に設定できる(記載するどれかのコマンド数が“0”であっても良い)。ただし、本発明実施形態では1個のプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に配置できるプリコマンド(PRE_CMD)511の数とポストコマンド(POST_CMD)512の数、セルコマンド(C_CMD)513の数、RSMコマンド(RSM_CMD)514の数をそれぞれ足した総合計値の上限は1023個と規定されている。従って、例えばプリコマンド(PRE_CMD)511の数とポストコマンド(POST_CMD)512の数、RSMコマンド(RSM_CMD)514の数が全て0個の場合にはセルコマンド(C_CMD)513の数を最大1023個まで設定することが可能である。
【0198】
1個のプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に配置できるプリコマンド(PRE_CMD)511の数情報であるPRE_CMD_Nsとポストコマンド(POST_CMD)512の数情報であるPOST_CMD_Nsとセルコマンド(C_CMD)513の数情報のC_CMD_Ns、RSMコマンド(RSM_CMD)514の数情報のRSM_CMD_Nsは図36に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル情報(PGC_CMDTI)510内に記録されている。
【0199】
プログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に記録されているRSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造について以下に説明する。ここでは、RSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造について説明するが、プリコマンド(PRE_CMD)511、ポストコマンド(POST_CMD)512、セルコマンド(C_CMD)513内のデータ構造もRSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造と全く同じになっている。RSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造は図36に示すように1個のコマンド毎に8バイト分の領域を割り当てているだけになっている。この8バイト分の領域内にコマンド内容が記録される。このコマンドはいずれも8バイト中最上位から3ビットまでが“コマンドID−1”のデータが入る。それ以降のビットのデータ内容は“コマンドタイプ”の値により異なるが、“比較用I−フラグ”や“Compare Field”などの情報はコマンドタイプによらず共通に持っている。
【0200】
プログラムチェーン情報(PGCI:Program Chain Information)内に配置されたプログラムチェーン・プログラムマップ(PGC_PGMAP)52とセル・位置情報テーブル(C_POSIT)54内の詳細構造を図37に示す。
【0201】
プログラムチェーン・プログラムマップ(PGC_PGMAP)52内は各エントリに対応したセルの番号を示すエントリセル番号(EN_CN)が記録されたプログラム用エントリセル番号520情報がエントリ数だけ配置されている。またセル・位置情報テーブル(C_POSIT)54はセルのVOB ID番号(C_VOB_IDN)とセルのセル ID番号(C_IDN)の情報が組になって構成されたセル位置情報(C_POSI)540が順に配置された構造をしている。
【0202】
図35の説明の所でセルコマンド#1(C_CMD #1)513からセルコマンド#k(C_CMD #k)513まで指定された一連のセルコマンド処理手順の中で各セル毎にセルコマンド処理手順の一部(各セル毎にセルコマンドのシーケンシャル処理を開始する最初のセルコマンド番号とセルコマンドのシーケンシャル処理の実行範囲)を指定できる構造になっていると説明した。この各セル毎に設定できるセルコマンドのシーケンシャル処理の実行範囲情報を図38に示す。PGCI情報が配置される場所は図33、図34の説明場所で記載したように〔イ〕〜〔ハ〕の3箇所に配置され得る。PGCを構成する個々のセルに関する管理情報が該当するPGCの管理情報であるPGCI内のセル・再生情報テーブル(C_PBIT)53内に図38に示すようにセル再生情報(C_PBI)530に記録される。
【0203】
図35に示されたセルコマンド#1(C_CMD #1)513からセルコマンド#k(C_CMD #k)513まで指定された一連のセルコマンド処理手順の中で各セル毎に特定されるセルコマンドのシーケンシャル処理を開始する最初のセルコマンド番号に関する情報が、図38に示すようにセル再生情報(C_PBI)530内のセルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)内に記録される。また、同時に、セルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)で指定されたセルコマンド(C_CMD)513を含めて連続にコマンド処理を実行するコマンド数を表すセルコマンド連続数情報(C_CMD_C_Ns)がセル再生情報(C_PBI)530内に記録されており、両方の情報から該当するセルが実行するセルコマンドのシーケンシャル処理の実行範囲が特定される。本発明実施形態において該当するセルの再生が終了した後で図38のセルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)とセルコマンド連続数情報(C_CMD_C_Ns)で指定された範囲の一連のコマンド手順(コマンドシーケンス)が実行される。
【0204】
また、セル再生情報(C_PBI)530内には該当するセルがマルチアングルに対応したインターリーブドブロックを構成しているかそれとも一般的な連続ブロックの一部か、あるいはマルチアングルに対応したインターリーブドブロックの一部を構成していた場合にそのインターリーブドブロックの先頭セルあるいは最終セルに該当するかを示すセルカテゴリ(C_CAT)、該当するセル全体を再生する時に必要な再生時間を表すセル再生時間(C_PBTM)、セルの先頭VOBUの先頭アドレス位置情報(C_FVOBU_SA)、セルの先頭ILVUの終了アドレス位置情報(C_FILVU_EA)、セルの最終VOBUの先頭アドレス位置情報(C_LVOBU_SA)、セルの最終VOBUの終了アドレス位置情報(C_LVOBU_EA)などの情報が記録されている。
【0205】
本発明実施形態における情報再生装置内のシステムブロック図を図39に示す。図39において情報記憶媒体1内には本発明のHDのDVDビデオコンテンツが記録されている。ディスクドライブ部101でこの情報記憶媒体1からHDのDVDビデオコンテンツを再生し、データプロセッサ部102へ転送する。HDのDVDビデオコンテンツの中で映像データであるVOBの中は図45に示すように基本単位であるVOBUの集まりで構成され、各VOBU内の先頭にはナビパックa3が配置されている。また、ビデオデータはビデオパックa4、オーディオデータはオーディオパックa6、副映像データはサブピクチャ(SP)パックa7内にそれぞれ分散配置され、多重化構造になっている。また、本発明実施形態では新たにグラフィックユニットデータを持ち、グラフィックユニット(GU)パックa5内に分散記録される。これらの各種データが多重配置されたVOBに対して分離部(デマルチプレクサ)103でパケット分割し、ビデオパックa4内に記録されたビデオデータをビデオデコード部111へ送り、サブピクチャパックa7内に記録された副映像データを副映像デコーダ部112、グラフィックユニットパックa5内に記録されたグラフィックデータをグラフィックデコーダ部113、オーディオパックa6内に記録されたオーディオデータをオーディオデコーダ部114にそれぞれ転送する。送られて来た各種データは各デコーダ部111〜114でデコードされ、ビデオプロセッサ部104内で合成された後、D/A変換器132、133でアナログ信号に変換されて出力される。これらの一連の処理をMPU部121が統合的に管理し、処理中に一時保存が必要になったデータに対してはメモリ部122に一時格納される。また、MPU部121で処理する処理プログラムや事前に設定された固定情報がROM部123内に記録されている。図39ではユーザから情報再生装置に対して入力される情報はキー入力部131でのキー入力で行うように図示してあるが、それに限らずキー入力部131が一般のリモコン(リモートコントローラ)であっても良い。
【0206】
図40は図39に示したグラフィックデコーダ部113の内部構造を詳しく説明した図である。分離部103で分離抽出されたグラフィックユニットデータはグラフィックユニット用入力バッファ113a内に一時保管される。グラフィックユニットデータは図46に示すようにハイライト情報b2とグラフィックデータb4・マスクデータb3から構成されている。このハイライト情報b2はハイライトデコーダ113bに転送されハイライト情報の解読がなされる。また、グラフィックデータb4とマスクデータb3はグラフィックデコーダ113e内で256色の画面情報にデコードされる。更に、ミキサー113dの制御によりパレット選択113gやハイライト処理113hが施された後、ミキサー115部でビデオデータやサブピクチャ(副映像)データと合成される。図40のミキサー部115は図39のビデオプロセッサ部104の一部を意味している。
【0207】
次に、図41を用いて本発明実施形態における仮想ビデオアクセスユニットIVAUの説明を行う。
【0208】
従来のSDのDVDビデオコンテンツにおける動画(Movie)のVOBは図41の(a)に示すようにそれぞれVAU(ビデオアクセスユニット:Video Access Unit)に分割され、VOBの境界位置とVAUの境界位置を一致させることで異なるVOB間のシームレス再生を可能にしている。
【0209】
本発明のHDのDVDビデオにおいて図41の(b)に示すように静止画が記録されたIピクチャを含むVAU1と次に表示される静止画が記録されたIピクチャを含むVAU1の間の期間に仮想アクセスユニットIVAU2〜IVAUn(仮想VAU)を仮想的に設定する所に特徴がある。アクセスユニットの設定方法としてビデオフレームの期間またはビデオフレームの整数倍の期間を単位として静止画を開始するIピクチャ(を含むVAU1)と次のIピクチャ(を含むVAU1)との間の間隔をアクセスユニットの期間毎に仮想的に細かく時間分割する。静止画のデコーダに入力されるタイミングを示すDTS(Decoding Time Stamp)と静止画が表示されるタイミングを示すPTS(Presentation Time Stamp)は静止画1枚毎にあらかじめ設定されており、1ビデオフレーム期間はNTSC方式とPAL方式で決まっているので、仮想アクセスユニットの境界位置のタイミングを計算により求め、図41の(c)に示すようにImaginary PTS:仮想PTSとする。そして、仮想アクセスユニット毎に静止画が繰り返し再生表示されているものと(仮想的に)見なす。
【0210】
また、本発明実施形態では図41の(d)に示すように、仮想アクセスユニットの整数個で1個のVOBUを構成するように仮想的に設定する。その結果、本発明実施形態において各静止画のVOBUの表示期間はビデオフレームの整数倍となる。図41の(c)においてVAU内には静止画を示すIピクチャが1個存在し、IVAU内ではIピクチャを含まないのでIVAU内にはビデオデータが存在しないことになる。すなわちVAU1からIVAU15までで構成されるVOBUとVAU16からIVAU30までで構成されるVOBUには1個のみのIピクチャが存在している。それに対して、IVAU30からIVAU45により構成されるVOBU内にはビデオデータ(Iピクチャ)を含まない。本発明実施形態では内部にビデオデータを持たないVOBUの定義も可能とする。また、本発明実施形態では同一VOBU内に複数のIピクチャを持つことを禁止し、必ず1個のVOBU内には1個以下のIピクチャを持つように規定(制約)する。また、本発明実施形態では図41の(c)と(d)の位置比較で分かるように、同一VOBU内ではIVAUに先行して必ず先にVAUが(仮想的に)配置した構造を取る。
【0211】
また、図41の(e)に示すようにILVU(Interleaved Unit)内の最初のVOBUには必ずビデオデータ(静止画を記録したIピクチャ)を持たせている。
【0212】
図41に示した本発明実施形態における仮想ビデオアクセスユニットIVAUと図28に示したHDマップエントリ(HDMAP_EN)との関係、および仮想ビデオアクセスユニットと図32に示したHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレス(HDVTS_VOBU_SA)との関係を以下に説明する。
【0213】
本発明実施形態における仮想ビデオアクセスユニットIVAUが設定された静止画が記録されたVOBのデータを管理するHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレス(図32:HDVTS_VOBU_SA)の中に記載される管理データ内容を図42に示す。図42の(d)に示すように、例えばMPEGで規定されたIピクチャのフォーマット(または他の例としては“JPEGデータ”のフォーマット)で1枚の静止画のデータが記録されたビデオアクセスユニットVAUを含むVOBUを本発明実施形態では“実(Real)VOBU”と呼び、仮想ビデオアクセスユニットIVAUのみから構成される(静止画データを内部に含まない)仮想的なVOBUを“仮想(Imaginary)VOBU”と呼ぶ。また、情報記憶媒体上で実VOBU #1と#2と#5が記録されている場所の先頭アドレスをそれぞれ“α”、“β”、“γ”とする。実VOBU #1の先頭アドレス情報を記載する図42の(f)のHDVTS_VOBU_SA #1の値は上記の値に対応して図42の(e)に示すように“α”となる。また、同様に実VOBU #2の先頭アドレス情報を記載するHDVTS_VOBU_SA #2の値は“β”、実VOBU #5の先頭アドレス情報を記載するHDVTS_VOBU_SA #5の値は“γ”となる。
【0214】
本発明実施形態では図42の(d)に示すように仮想VOBU #3と仮想VOBU #4はあくまでも仮想的に設定されたVOBUであり、この中には静止画データは存在しない。従って、上記仮想VOBU #3、または仮想VOBU #4の先頭位置にアクセスし、それ以降の情報を再生しても静止画データは得られない。仮想VOBU #3と仮想VOBU #4に対応した静止画データは実VOBU #2内に配置されている。
【0215】
従って、本発明実施形態において仮想VOBUに対応したHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・スタートアドレス(HDVTS_VOBU_SA)の値は、それより先行した位置に存在する実VOBU(Iピクチャ、またはJPEGのフォーマットで記録された静止画データが存在するVOBU)の先頭アドレスを設定する。図42の(d)の例では仮想VOBU #3と仮想VOBU #4の先頭アドレス情報を記載するHDVTS_VOBU_SA #3とHDVTS_VOBU_SA #4に記録する値は、それより先行する実VOBU(ここでは、実VOBU #2)の先頭アドレスは“β”なので、その値を設定することになる。仮想VOBUに対応したHDVTS_VOBU_SAをこのように設定することで、HDVTS_VOBU_SAに記録されたアドレス位置にアクセスすると、(仮想VOBUに対しても)必ずVOBUに対応した静止画データを獲得でき、VOB内の特定静止画に対する高速検索と検索処理の簡易性を確保できる。
【0216】
次に、図41に示した本発明実施形態における仮想ビデオアクセスユニットIVAUと図28に示したHDマップエントリ(HDMAP_EN)との関係を図43を用いて説明する。図43の(c)は情報記憶媒体(光ディスク)のトラックに沿って記録された静止画のVOBのデータ配置を示す。また、VOBのデータ配置に対して仮想的に設定されたIVAU(Imaginary Video Access Unit)も含めたアクセスユニットの設定対応を(c)に隣接させて図43の(b)に示す。静止画のVOBデータはトラックに沿って再生順に配置しているので、トラックに沿ってデータ配置をトレースすると、おおよその再生時間が対応する。図28に示したタイムユニット(HDTMU)毎(例えば5秒毎とか10秒毎)の再生時間のおおよその目安を図43の(a)に示す。A〜Dは上記タイムユニット(HDTMU)間隔の再生時間を示している。再生時間Aが含まれるVOBUの開始アドレス情報が図43の(e)に示すHDMAP_ENA #1(図28のHDMAP_ENAに対応)に記録され、同様にBからDまでの再生時間が含まれるVOBUの開始アドレス情報がHDMAP_ENA #2から#4に記録される。図43の(d)は各HDMAP_ENAに記録される値を示す。実際の静止画データを含む実VOBU #1と#4の先頭アドレスをそれぞれ“α”、“β”とし、図示して無いがその後ろに来る実VOBUの先頭アドレスを“γ”とする。
【0217】
再生時間Aが含まれるVOBUは明らかに実VOBU #1を示しているので、HDMAP_ENA #1の値は“α”となる。ところが、再生時間B、C、Dが含まれるVOBUは全て仮想VOBUなので、仮に前記仮想VOBUの先頭アドレスが定義できたとしても、そこにアクセスしても静止画データが含まれて無いため、静止画データを獲得できない。
【0218】
従って本発明実施形態では、図42と同様、HDマップエントリに対応する再生時間が含まれるVOBU内にIピクチャ、またはJPEGのフォーマットで記録された静止画データを含まない(仮想VOBUの)場合には、それより先行する位置に有る静止画データを含むVOBU(実VOBU)の先頭アドレス情報をHDマップエントリ情報内(詳しくはマップエントリ(HDMAP_EN)内のHDMAP_ENA内)に記録する。図43の実施形態では再生時間B、C、Dが含まれるVOBUである仮想VOBU #3、#5、#7より先行する実VOBUはそれぞれ実VOBU #1、実VOBU #4、実VOBU #4なので、HDMAP_ENA #2、HDMAP_ENA #3、HDMAP_ENA #4の値は図43の(d)に示すように“α”、“β”、“β”となる。上記のようにHDマップエントリ内の値を先行する位置に配置し、内部にIピクチャ、またはJPEGのフォーマットで記録された静止画データを含むVOBUの先頭アドレスを記録することで、HDMAP_ENAで指定されたアドレスへアクセスすると、HDTMU間隔で指定された再生時間中に再生する静止画データを読み込むことが保証される。それによりタイムサーチによる所望の静止画データへの高速検索と検索処理の簡易性を確保できる。
【0219】
図39に示す情報再生装置内のシステムブロック図においてメモリ部122内に、図44に示すようにシステムパラメータSPRMを格納する領域が割り当てられている。このSPRM(0)に再生中のカレントメニュー言語コード(CM_LCD)情報が、SPRM(21)に初期メニュー言語コード(IM_LCD)情報が記録される。再生中のカレントメニュー言語コード(CM_LCD)はユーザとコマンドの両方で変更設定可能であるが、初期メニュー言語コード(IM_LCD)はユーザのみが変更設定可能である。
【0220】
また他のシステムパラメータ内に格納される情報はそれぞれSPRM(1)内にタイトルドメイン内でのオーディオストリーム番号(ASTN)、SPRM(2)内にタイトルドメイン内でのサブピクチャストリーム番号(SPSTN)とOn/Offフラグ、SPRM(3)内にタイトルドメイン内でのアングル番号(AGLN)、SPRM(4)内にタイトルドメイン内でのタイトル番号(TTN)、SPRM(5)内にタイトルドメイン内でのVTSタイトル番号(VTS_TTN)、SPRM(6)内にタイトルドメイン内でのタイトルPGC番号(TT_PGCN)、SPRM(7)内にOne_Sequential_PGC_Title用Part_of_Title番号(PTTN)、SPRM(8)内に選択状態用ハイライトボタン番号(HL_BTNN)、SPRM(9)内にナビゲーションタイマ(NV_TMR)、SPRM(10)内にNV_TMR用TT_PGCN、SPRM(11)内にカラオケ用プレーヤ・オーディオ・ミキシング・モード(P_AMXMD)、SPRM(12)内にパレンタル管理用国コード(CTY_CD)、SPRM(13)内にパレンタルレベル(PTL_LVL)、SPRM(14)内にビデオ用プレーヤ構成(P_CFG)、SPRM(15)内にオーディオ用プレーヤ構成(P_CFG)、SPRM(16)内にAST用初期言語コード(INI_LCD)、SPRM(17)内にAST用初期言語コード拡張子(INI_LCD_EXT)、SPRM(18)内にSPST用初期言語コード(INI_LCD)、SPRM(19)内にSPST用初期言語コード拡張子(INI_LCD_EXT)、SPRM(20)内にプレーヤ地域コードが記録され、SPRM(22)以降がリザーブとされている。
【0221】
本発明におけるHDのDVDビデオコンテンツ内で使用されるコマンドの一例としては以下のものがある。
【0222】
Go TOコマンドグループ:コマンドの実行順を変えるコマンド
Linkコマンドグループ:同一ドメイン内での特定場所から再生を開始するコマンド
Jumpコマンドグループ:異なるドメインに有る特定場所から再生を開始するコマンド
Compare Go Toコマンドグループ:比較結果が正しければコマンドの実行順を変えるコマンド
Compare Linkコマンドグループ:比較結果が正しければ同一ドメイン内での特定場所から再生開始する
Compare Jumpコマンドグループ:比較結果が正しければ異なるドメインに有る特定場所から再生を開始
SetSystemコマンドグループ:管理パラメーター値の変更コマンド
Setコマンドグループ:ゼネラルパラメータの値を計算するコマンド
Compare SetSystemコマンドグループ:比較結果が正しければ管理パラメーター値を変更するコマンド
Compare Setコマンドグループ:比較結果が正しければゼネラルパラメータの値を計算するコマンド
SetSystem Linkコマンドグループ:管理パラメーター値を変更後、同一ドメイン内での特定場所から再生を開始するコマンド
Set Linkコマンドグループ:ゼネラルパラメータの値を計算した後、同一ドメイン内での特定場所から再生を開始するコマンド
Set Go Toコマンドグループ:ゼネラルパラメータの値を計算した後にコマンドの実行順を変える
Set Jumpコマンドグループ:ゼネラルパラメータの値を計算した後に異なるドメインに有る特定場所から再生を開始するコマンド
具体的なコマンド例としてゼネラルパラメータの値やモードを変更するSetGPRMMDコマンドやメニュー記述言語コードをSPRM(0)に設定するSetM_LCDコマンドはSetSystemコマンドグループに含まれ、ゼネラルパラメータの値を特定の値に設定したり、ゼネラルパラメータの値に特定の値を加算するSetMoveコマンドやSet AddコマンドはSetコマンドグループに含まれる。
【0223】
また、何も実行を行わないNopコマンドはGo Toコマンドグループに含まれ、ドメインIDで指定されたPGCの再生を開始し、レジューム情報を記録するCallSSコマンドはJumpコマンドグループに含まれ、レジューム情報を記録するResumコマンドはLinkコマンドグループに含まれる。
【0224】
JumpTTやJumpVTS_TTあるいはJumpVTS_PTTコマンドはJumpコマンドグループに属する。このコマンドは別のドメイン内の指定された位置で再生を開始するために使用される。プレーヤはこのコマンドが処理される時は全てのGPRM値を保持しなければならない。
【0225】
JumpTTは指定されたタイトルの再生を開始するためのコマンドである。処理の詳細は以下の通りである。
【0226】
(1)現在の再生を停止する。
【0227】
(2)リジューム情報(存在する場合)、ナビゲーションタイマの値及びシステムパラメータ内のナビゲーションタイマ用TT_PGCNを破棄する。ナビゲーションタイマを停止するために、SPRM(9)に“0”を代入する。
【0228】
(3)SPRM(1)とSPRM(2)を設定する
(4)指定されたタイトルの再生をプリコマンドフェーズから開始する。
【0229】
JumpVTS_TTは現VTS空間内で指定されたタイトルの再生を開始するためのコマンドである。処理の詳細は以下の通りである。
【0230】
(1)現在の再生を停止する。
【0231】
(2)リジューム情報(存在する場合)、ナビゲーションタイマの値及びシステムパラメータ内のナビゲーションタイマ用TT_PGCNを破棄する。ナビゲーションタイマを停止するために、SPRM(9)に“0”を代入する。
【0232】
(3)SPRM(1)とSPRM(2)を設定する
(4)現VTS空間内でVTS_TTNで指定されたタイトルの再生を開始する。
【0233】
JumpVTS_PTTは現VTS空間内で指定されたPTTの再生を開始するためのコマンドである。処理の詳細は以下の通りである。
【0234】
(1)現在の再生を停止する。
【0235】
(2)リジューム情報(存在する場合)、ナビゲーションタイマの値及びシステムパラメータ内のナビゲーションタイマ用TT_PGCNを破棄する。ナビゲーションタイマを停止するために、SPRM(9)に“0”を代入する。
【0236】
(3)SPRM(1)とSPRM(2)を設定する
(4)指定されたPTTNがあるPGCのプリコマンド領域のコマンドを実行する。
【0237】
(5)現VTS空間内でVTS_TTNとPTTNで指定されたPTTの再生を開始する。
【0238】
本発明に示したHDのDVDビデオコンテンツにおいてもMPEGのシステムレイヤーの多重化規則に準拠している。すなわち、グラフィックユニットデータに対しても2048バイトのパック毎に分割してそれぞれを分離配置する。再生時には図45の(c)、(d)に示すように情報記憶媒体内に分散配置されたグラフィックユニット(GU)パックを集めて1個のグラフィックユニットストリームに組み直す。グラフィックユニットとして16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像のそれぞれに対応したグラフィックデータのサポートを可能とし、図45の(d)に示すように4種類の各画像(16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像)に対応してそれぞれ別ストリームを構成させる。
【0239】
グラフィックユニット内のデータ構造は図46に示すように、ヘッダ情報b1、ハイライト情報b2、マスクデータb3、グラフィックデータb4から構成される。またハイライト情報b2内は一般情報b21、カラーパレット情報b22、n個のボタン情報b23から構成されている。
【0240】
ヘッダ情報の中身は図47の(a)に示すようにグラフィックユニットサイズ(GU_SZ)情報、ハイライト情報の開始アドレス(HLI_SA)情報、グラフィックデータの開始アドレス(GD_SA)情報から構成されている。上記の内でグラフィックユニットサイズ(GU_SZ)情報は図46の左下に示すグラフィックユニットの全体のサイズを示す。また、ハイライト情報の開始アドレス(HLI_SA)情報は図46の左下に示すグラフィックユニットの先頭位置(ヘッダ情報b1の先頭位置)を基準にしたハイライト情報b2の開始位置までのアドレスを意味し、グラフィックデータの開始アドレス(GD_SA)情報は図46の左下に示すグラフィックユニットの先頭位置(ヘッダ情報b1の先頭位置)を基準にしたグラフィックデータb4の先頭位置までのアドレスを意味している。
【0241】
また、ハイライト情報b2内の一般情報b21は図47の(b)に示すようにグラフィックユニットの再生終了時間(GU_PB_E_PTM)情報、ボタンオフセット番号(BTN_OFN)情報、ボタン数(BTN_Ns)情報、数字選択ボタンの数(NSL_BTN_Ns)情報、強制選択ボタン番号(FOSL_BTNN)情報、強制決定ボタン番号(FOAC_BTNN)情報を持っている。グラフィックユニットデータはグラフィックユニット(GU)パックとして分散配置することを図45で説明したが、このグラフィックユニットパック内(正確に言うとその中に含まれるグラフィックユニットパケット内のパケットヘッダ内)にグラフィックユニットの再生を開始するPTS(Presentation Time Stamp)情報が予め記録されている。このPTS情報とグラフィックユニットの再生終了時間(GU_PB_E_PTM)情報を用いてグラフィックユニットの表示時間と(コマンドの)実行が可能な有効時間(両者の開始/終了時間は完全に一致している)を設定する。また、開始/終了時間情報はPTS/PTMを使っているので、非常に精度良く時間範囲を設定できる。
【0242】
グラフィックデータは図48に示すように1画素あたり8ビットを割り当て256色の色彩表現が出来る1画面の画像情報(ビットマップデータ又はそのビットマップに対する圧縮データ)が記録されている。また、マスクデータはユーザがコマンド実行を指定できる画面上の位置範囲を示すもので、1画素あたり1ビットを割り当て、画面領域のみを設定している。マスクデータは画素単位でのビットマップ形式で領域を指定しているため、図48に示すように互いに離れた位置に配置された複数領域を同時に設定できるだけでなく、任意の形状領域に対しても画素単位で細かく画面領域を指定できる所に特徴がある。またマスクデータは複数設定可能としてユーザへ複数のメニュー選択肢を供給できる。
【0243】
ユーザに表示する画面は図45の(c)のビデオパックa4内に記録された主映像(A)とグラフィックデータとして記録されたグラフィックパターン(B)と複数設定可能なマスクデータ(C)を図49に示すように合成して作成する。
【0244】
図46に示すように同一グラフィックユニットGU内のマスクデータの数nとハイライト情報HLI内に記録されるボタン情報の数nはそれぞれ一致し、各マスクデータ#nとボタン情報#nが1対1に対応している。すなわち、1≦m≦nを満足するmにおいて、上からm番目のマスクデータは上からm番目のボタン情報に対応し、例えばユーザが画面上でm番目のマスクデータが指定した領域をハイライト(指定)すると、それに対応してm番目のボタン情報b23内に記録されたボタンコマンドb234が実行される。このように各ボタン情報#nはそれぞれ個々のマスクデータ#nにリンクしているが、マスクデータへのアクセス制御を一層容易にするためにボタン情報#n内に対応するマスクデータ#nの開始アドレス(図46の左下におけるヘッダ情報b1の先頭位置からのn番目のマスクデータ#nの開始位置までのアドレス)情報b231と対応するマスクデータ#nのデータサイズ情報b232が記録されている。その他にボタン情報b23内には隣接ボタン位置情報b233も記録されている。
【0245】
図46のハイライト情報b2内のカラーパレット情報b22内のデータ構造について説明する。最初にユーザにメニュー画面を表示した時(ユーザ選択する前)のボタンの色の情報を通常用カラーパレットb221内に格納されている。ユーザが特定のボタンを選択(指定)すると画面上でボタンの表示色が変わるが、この変化時のボタンの表示色を選択用カラーパレットb222内に記録しておく。更に、そのボタンが確定し、ボタンに対応したボタンコマンドb234が実行する段階になると“確定”を示すボタンの表示色が変わるように設定できる。この確定時のボタンの表示色を確定用カラーパレットb223に持たせている。
【0246】
図50にグラフィックユニットGUのデータ構造に関する他の実施形態を示す。図50に示した実施形態ではマスクデータを使う代わりにホットスポット情報を使用する所に特徴がある。それに対応して図50の実施形態では通常用カラーパレットe221、選択用カラーパレットe222、確定用カラーパレットe223をそれぞれ複数設定可能にしている。また、各ボタン情報e23の画面上の領域指定方法としてマスクデータを使う代わりにホットスポット位置情報e233により画面上の領域を指定できるようにしている。さらに、図50の実施形態では同一のボタン情報e23に対してこのホットスポット位置情報e233を複数設定可能にすることで画面上の互いに離れた複数の領域を同一のボタン情報e23に対応させられるようにした。
【0247】
本発明実施形態におけるレジュームコマンドシーケンスあるいはセルコマンドシーケンス内で使用するコマンド内容とコマンドデータ内の具体的な内容について説明する。本発明実施形態の情報再生装置(プレーヤ)内でHDのDVDビデオコンテンツの再生時に使用するパラメータは図44に示すようにパラメータ番号毎に記録されるデータ内容が決まっているシステムパラメータ(SPRM:System Parameter)と、記録されるデータ内容を任意に設定できるゼネラルパラメータ(GPRM:General Parameter)の2種類がある。
【0248】
ナビゲーションコマンド1個当たりのコマンドデータサイズは8バイトで設定され、
(1)PCI内のボタンコマンド領域
(2)PGCI内のセルコマンド領域(図35)
(3)PGCI内のプリコマンド領域(図35)
(4)PGCI内のポストコマンド領域(図35)
(5)PGCI内のRSMコマンド領域(図35)
に配置される。
【0249】
ナビゲーションコマンドは1個のインストラクション(命令の最小単位)から構成されるシングルインストラクションコマンドと2個または3個のインストラクションから構成されるコンポジット(複合)インストラクションコマンドの2種類を持つ。
【0250】
図36の説明の所でPGCI内のプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内にプリコマンド(PRE_CMD)511、ポストコマンド(POST_CMD)512、セルコマンド(C_CMD)513、レジュームコマンド(RSM_CMD)514が設定(記録)され、それぞれ1個のコマンドの情報に対してそれぞれ8バイトの領域が設定されることを説明した。8バイト割り当てられたコマンド内部のデータ構造について以下に説明する。8バイト領域の内、タイプ1と2のコマンドは最上位ビットから16ビット、タイプ3では最上位ビットから12ビットまでをオペレーションコードの記録領域に設定されている。このオペレーションコードの情報を読むだけでコマンド識別が可能になっている。
【0251】
このオペレーションコード内には最上位ビットから順にコマンドID−1、コマンドID−2、設定フラグ(I−フラグ for Set)、比較用I−フラグ(I−フラグ for Comp)などの情報が記録されている。類似内容のコマンド毎に同じコマンドID−1の値を共通にすると共に、最上位ビットから3ビットまでの領域にコマンドID−1の値を設定している。本発明実施形態においてコマンド情報の最上位ビットから最低でも16ビットを再生するだけでオペレーションコードの内容が解読でき、コマンドの識別が可能となる。更に、コマンド情報の最上位ビットから数ビットを読むだけでコマンドID−1とコマンドID−2が解読でき、およそのコマンド内容が把握できる。本発明実施形態においてコマンド情報内容を上記の構造にすることでコマンドの解読とコマンドに対応した処理の高速化を図れる。また、各コマンド毎のCompare Field内の値、Branch Field内の値、Set Field内の値などの設定値や変数値が変数オペランドとしてコマンド内の設定場所が指定されている。
【0252】
本発明のHDのDVDビデオコンテンツ内で使われる各コマンド毎のコマンド情報内のデータ構造は以下に示すように、
(1)コマンド情報内にGo Toインストラクション、Linkインストラクションオペランド、Linkサブ・インストラクションのいずれかを含む場合には、それらのインストラクション(またはサブ・インストラクション)を2バイトで構成されるインストラクションオペランド(またはサブ・インストラクションオペランド)の形に設定し、そのインストラクションオペランド(またはサブ・インストラクションオペランド)をコマンド情報内の最下位2バイト位置に配置する。
【0253】
(2)コマンド内にJumpインストラクションまたはSetSystemインストラクションを含む場合には、そのインストラクションに対して4バイトで構成されるインストラクションオペランドの形に設定し、そのインストラクションオペランドをコマンド情報内の最上位バイトと最下位バイトのいずれにも属さない中央バイト内(47ビットから16ビットまで)に配置する。
【0254】
(3)コマンド内にCompareインストラクションまたはSetインストラクションが含まれる場合には、そのインストラクションに対して独自のインストラクションオペランドを形成しない。
【0255】
さらに、
(4)複合インストラクションコマンドの内容がコマンド情報内の上位ビットにオペレーションコードの形で入り、
(5)コマンドを実行する時に必要な変数値や変数が保存されている場所を示し、変数オペランドがオペレーションコードよりも下位ビット位置に配置されると言う構造を取る所に特徴がある。
【0256】
本発明実施形態において全てのコマンド情報内のデータ構造を上記の(1)から(5)に示すような配置方法に規則性を持たせることで、情報再生装置がコマンド情報を解読する時の簡素化が図れ、コマンド解読・対応のコマンド実行処理の高速化が図れると言う効果がある。すなわち、上記のように上位ビット位置でオペレーションコードを指定することで、即座にコマンド内容を理解でき、更にその後ろ(下位ビット領域)に複合インストラクションコマンドを構成する一個のインストラクションに関する情報が“インストラクションオペランド”の形でまとまって配置されることで対応したインストラクション内容の識別が容易になる。
【0257】
更に、例えば“Compare”した後に“SetSystem”を行う“Compare SetSystem”コマンドのように、複合インストラクションコマンド(複数の命令処理が組み合わさって1個のコマンドを形成するコマンド)では、上記の(1)から(5)に示す配置方法に加え、
(6)コマンド情報内にどちらか一方のインストラクションに対応したインストラクションオペランド(またはサブ・インストラクション)が配置される場合には、コマンド情報内の残りの部分に他方のインストラクションに関係した変数オペランドまたはインストラクションオペランドが配置される。
【0258】
(7)特にJumpインストラクションオペランドまたはSetSystemインストラクションオペランドが含まれる時には、下位の2バイト内に他方のインストラクションに関係した変数オペランドまたはインストラクションオペランドが配置される。
【0259】
と言う構造を持つことでコマンド内容の高速識別を容易としコマンド内容の認識処理とコマンド対応実行処理の高速化と簡素化が図れる。
【0260】
コマンド情報内のデータ構造内に記載されたインストラクションオペランド内の具体的なデータ構造に関する一例として、SetSystemインストラクショングループに属するSetGPRMMDのインストラクションオペランドのデータ構造の例を図51に示す。このSetGPRMMDインストラクションはゼネラルパラメータの値やゼネラルパラメータのモードを変更するインストラクション(命令)である。また、具体的な内容として『図38に示すn番目のセル内の最初に配置されたVOBUの先頭アドレス(C_FVOBU_SA)の値を1番目のゼネラルパラメータ(GPRM(1))値に設定する〔SetGPRMMD:C#n_FVOBU_SA to GPRM(1)〕』を例としている。この場合には、Mode=0b(Register Mode)、設定するゼネラルパラメータ番号は“1”なので“B2”(最下位バイトから3番目の“バイト”)の値はヘキサゴナル表示で“01h”となる。
【0261】
上記の内容を基に、特定な使用条件下での各オペランド数値を設定したコマンド情報の具体例を図52に示す。図51と図52は“B7〜B0”のバイト単位で表現している。
【0262】
図52の(a)では『0番目のゼネラルパラメータGPRM(0)の値がn番目のゼネラルパラメータGPRM(n)の値に一致すれば1番目のゼネラルパラメータGPRM(1)の値をC #n_FVOBU_SAの値に設定する〔If GPRM(0)=GPRM(n) then SetSystem GPRM(1) to C#n_FVOBU_SA〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0263】
図52の(b)では『4番目のゼネラルパラメータGPRM(4)の値が300以上の場合にはGPRM(4)の値に更に100を加算する〔If GPRM(4)≧300 then SetAdd 100 to GPRM(4)〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0264】
図52の(c)では『4番目のゼネラルパラメータGPRM(4)に100の値を設定する〔Assign 100 to GPRM(4)〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0265】
図52の(d)では『4番目のゼネラルパラメータGPRM(4)の現在の値に対して更に50を加算する〔Add 50 to GPRM(4)〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0266】
図52の(e)では『何も処理をしない〔Not Operation〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0267】
図52の(f)では『メニュー画面に戻り、今まで再生していたタイトル(映像)の中断場所を示したリジューム情報(リジューム情報)の値を保存する〔CallSS〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0268】
図52の(g)では『今まで再生していたタイトル(映像)の中断場所を示したリジューム情報(リジューム情報)の値を保存する〔Resume〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0269】
図52の(h)では『特定のメニュー記述用言語コードを0番目のシステムパラメータSPRM(0)に設定する〔Assign Menu Description Language Code to SPRM(0)〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0270】
現行のSDのDVDビデオ規格においては、ユーザの設定した言語コードを示すメニュー記述言語コード(M_LCD)の値がシステムパラメータの0番(SPRM(0))内に設定され、この値は情報再生装置のメモリ部122に格納されていた。情報再生装置は、起動とともにこの値を読み込み、自動的にこの値に対応したディスク上のコンテンツ(メニュー用VOBデータやタイトル用VOBデータ)を再生している。つまり、ユーザはあらかじめ設定した以外の言語をディスクの再生中に選択することができない。これにより以下のような不都合が生じる。
【0271】
例えば、あるDVDディスクには、英語圏用のコンテンツ(メニュー用VOBデータやタイトル用VOBデータ)とフランス語圏用のコンテンツと日本語圏用のコンテンツが収録されているとする。このディスクをドイツ語圏の人がドイツ語圏のプレーヤ(情報再生装置)で再生する。もちろん、ドイツ語圏の人はプレーヤのメニュー記述言語コードSPRM(0)をドイツ語に設定しているはずである。しかし、このディスクにはドイツ語圏用のコンテンツが収録されていないため、コンテンツプロバイダが指定したデフォルトのコンテンツ、つまりディスク上に初めに記録されているコンテンツを自動的に再生する。ドイツ語圏の人は、ドイツ語以外には英語は理解できる人もいれば、フランス語ならば理解できる人もいる。ただし、ドイツ語圏の人は、ドイツ語以外に日本語を理解できる人はほとんどいない。このため、コンテンツプロバイダはデフォルトのコンテンツを英語圏用のコンテンツとするかフランス語圏用のコンテンツとするかを決めることが難しく、言語選択のためのドイツ語のメニューが別途必要となる。
【0272】
そこで、本実施形態においては、図44に示したように、新たに、システムパラメータに、SPRM(21)として初期メニュー言語コード(IM_LCD)、SPRM(0)として再生中のカレントメニュー言語コード(CM_LCD)を導入し、また、ディスク再生中のコマンドに再生中のカレントメニュー言語コードの設定コマンド(SetM_LCD)を導入し、ディスク上のHDビデオマネージャ記録領域(HDVMG)30のメニュー用ビデオオブジェクト領域にファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35を導入する。
【0273】
以下に、図53のフローチャートを参照して、前述の言語選択メニューを表示する例を説明する。
【0274】
情報再生装置(プレーヤ)が起動すると、ステップ#1で情報再生装置のメモリ部122に記憶してあるプレーヤ初期設定メニュー言語コードを、情報再生装置のMPU部121(図39)にシステムパラメータSPRM(21)として読み込む。プレーヤ初期設定メニュー言語コードとは、情報再生装置の機器メニュー等を用いてユーザがあらかじめ情報再生装置に対して設定している値である。上述したように、プレーヤ初期設定メニュー言語コードが格納されるSPRM(21)は、ディスク再生中にそのディスクのコンテンツにより変更をすることができないシステムパラメータである。つまり、ユーザが変更をしない限り、設定されたプレーヤ初期設定メニュー言語コードの値がSPRM(21)に保持される。
【0275】
ステップ#2で、情報再生装置は読み込んだシステムパラメータSPRM(21)の値を別のシステムパラメータSPRM(0)にコピーする。上述したように、SPRM(0)は再生中のカレントメニュー言語コードを示すシステムパラメータである。SPRM(0)の値は初期状態では、SPRM(21)、つまりプレーヤ初期設定メニュー言語コードと同じであるが、ディスク再生中にそのディスクのコンテンツから変更をすることが可能である。つまり、ディスク再生中にユーザの選択等に従って、SPRM(0)を変更するコマンド(SetM_LCD)を用いて変更することができる。
【0276】
これらの初期化作業が終わった後、情報再生装置はディスクを読み込む。最初に情報再生装置は、ステップ#3でディスク中のファーストプレイPGC(FP_PGC)の内容を実行し、ディスクの再生を開始する。ファーストプレイPGC(FP_PGC)はHDビデオマネージャ情報管理テーブル(HDVMGI_MAT)310(図4)のFP_PGCIにその内容が記述されている。
【0277】
例えば、FP_PGCIが再生するビデオオブジェクトとして、前述の言語選択メニューを構成するファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35を指定する(ステップ#4)ことにより、ディスクが情報再生装置に挿入されるとともに、言語選択メニューが起動するようなコンテンツからなるディスクを構成することが可能である。
【0278】
言語選択メニューとは、例えば図55に示すように構成され、ユーザが選択した言語(ステップ#5)に対応するようにSPRM(0)の値をSetM_LCDコマンドにより変更(再設定)する(ステップ#6)ことにより、ユーザの選択した言語に対応するメニュー(タイトル再生メニュー、音声選択メニュー、字幕選択メニュー、アングル選択メニュー、ルートメニュー、チャプターといったメニュー)の再生を行うことが可能となる。つまり、SetM_LCDコマンドを用いてSPRM(0)の値を変更した後、各種メニューを表示するためにJumpSSコマンド(ドメインIDによって指定されるPGCの再生を開始するためのインストラクション)によりメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32、またはメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42を再生する際に、SPRM(0)が示す言語コードと、メニュー用ビデオオブジェクトが構成される言語コードを表すHDビデオマネージャメニュー言語コードHDVMGM_LCD(HDビデオマネージャメニュー言語ユニットサーチポインタ312b(図6)参照)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コードHDVTSM_LCD(HDビデオタイトルセットメニュー言語ユニットサーチポインタ413b(図25)参照)の値を比較することにより、ユーザの選択した言語コードで構成されるメニュー用VOB(s)(図18参照)を再生する(ステップ#7)ことが可能となる。
【0279】
ステップ#8で、SPRM(0)の値とメニュー用ビデオオブジェクトが構成される言語コードを表すHDビデオマネージャメニュー言語コードHDVMGM_LCD(HDビデオマネージャメニュー言語ユニットサーチポインタ312b(図6)参照)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コードHDVTSM_LCD(HDビデオタイトルセットメニュー言語ユニットサーチポインタ413b(図25)参照)の値を比較し、ステップ#9でユーザの選択した言語コードで構成されるメニュー用VOB(s)(図17参照)を再生する。
【0280】
以下に、図54のフローチャートを参照して情報再生装置の言語コードを調べて言語選択メニューを表示する例を説明する。
【0281】
情報再生装置(プレーヤ)が起動すると、ステップ#11で情報再生装置のメモリ部122に記憶してあるプレーヤ初期設定メニュー言語コードを、情報再生装置のMPU部121にシステムパラメータSPRM(21)として読み込む。プレーヤ初期設定メニュー言語コードとは、情報再生装置の機器メニュー等を用いてユーザがあらかじめ情報再生装置に対して設定している値である。上述したように、プレーヤ初期設定メニュー言語コードが格納されるSPRM(21)は、ディスク再生中にそのディスクのコンテンツにより変更をすることができないシステムパラメータである。つまり、ユーザが変更をしない限り、設定されたプレーヤ初期設定メニュー言語コードの値がSPRM(21)に保持される。
【0282】
ステップ#12で、情報再生装置は読み込んだシステムパラメータSPRM(21)の値を別のシステムパラメータSPRM(0)にコピーする。上述したように、SPRM(0)は再生中のカレントメニュー言語コードを示すシステムパラメータである。SPRM(0)の値は初期状態では、SPRM(21)、つまりプレーヤ初期設定メニュー言語コードと同じであるが、ディスク再生中にそのディスクのコンテンツから変更をすることが可能である。つまり、ディスク再生中にユーザの選択等に従って、SPRM(0)を変更するコマンド(SetM_LCD)を用いて変更することができる。
【0283】
これらの初期化作業が終わった後、情報再生装置はディスクを読み込む。最初に情報再生装置は、ステップ#13でディスク中のファーストプレイPGC(FP_PGC)の内容を実行し、ディスクの再生を開始する。ファーストプレイPGC(FP_PGC)はHDビデオマネージャ情報管理テーブル(HDVMGI_MAT)310(図4)のFP_PGCIにその内容が記述されている。例えば、FP_PGCIが再生するビデオオブジェクトとして、前述の言語選択メニューを構成するファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35を指定する。
【0284】
更に、プリコマンドとして、SPRM(0)の値とディスクに記録されているメニューを構成する言語コードをそれぞれ比較し(ステップ#14)、一致した場合にのみメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32、またはメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42を再生するためのコマンドを設定する。例えば、これはCompare Jumpコマンドにより実現が可能である。
【0285】
もし、一致しなかった場合は、前述のファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS35が再生される(ステップ#16)。これにより、ディスクが情報再生装置に挿入されるとともに、情報再生装置のプレーヤ初期設定メニュー言語コードを調べ、ディスク内にこの言語コードと同じ言語コードで記述されたメニューがディスクに存在する場合は、そのメニューを再生し(ステップ#19以降)、そうでない場合のみ、言語選択メニューが起動する(ステップ#16)ようなコンテンツからなるディスクを構成することが可能である。
【0286】
言語選択メニューとは、図53と同じように、ユーザが選択した言語に対応するようにSPRM(0)の値をSetM_LCDコマンドにより変更(再設定)することにより、ユーザの選択した言語に対応するメニュー(タイトル再生メニュー、音声選択メニュー、字幕選択メニュー、アングル選択メニュー、ルートメニュー、チャプターといったメニュー)の再生を行うことである。つまり、SetM_LCDコマンドを用いてSPRM(0)の値を変更した後、各種メニューを表示するためにJumpSSコマンドによりメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32、またはメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42を再生する際に、メニュー用ビデオオブジェクトが構成される言語コードを表すHDビデオマネージャメニュー言語コードHDVMGM_LCD(HDビデオマネージャメニュー言語ユニットサーチポインタ312b(図6)参照)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コードHDVTSM_LCD(HDビデオタイトルセットメニュー言語ユニットサーチポインタ413b(図25)参照)の値を比較する(ステップ#20)ことにより、ユーザの選択した言語コードで構成されるメニュー用VOB(s)(図17参照)を再生する(ステップ#21)ことが可能となる。
【0287】
図55に、前述の言語選択メニューによりSPRM(0)の値を再設定するときの例を示す。
【0288】
例えば、情報再生装置(プレーヤ)の初期設定メニュー言語コードがドイツ語を示す“de”に設定されていたとする。また、再生するディスクは、図18に示すように、日本語、英語、フランス語、スペイン語、中國語に対応したメニュー用ビデオオブジェクト(HDVMGM_VOBS)32(またはメニュー用ビデオオブジェクト(HDVTSM_VOBS)42)が記録されている。情報再生装置の初期設定メニュー言語コードが、前述の言語(日本語、英語、フランス語、スペイン語、中國語)に設定されている場合、情報再生装置は対応する(初期設定メニュー言語コードと同じ言語コードをもつ)メニュー用ビデオオブジェクトを再生する。しかし、あいにく、再生するディスクにはドイツ語に対応したメニュー用ビデオオブジェクトが記録されていない。そこで、情報再生装置は、ファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の再生(表示)を行う。
【0289】
ファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBSは図55に示すように、ディスクに記録されているメニュー用ビデオオブジェクトの言語(日本語、英語、フランス語、スペイン語、中國語)が選択できるように構成されている。メニュー用ビデオオブジェクトは、各言語を選択するためのボタン(日本語選択ボタン、英語選択ボタン、フランス語選択ボタン、スペイン語選択ボタン、中國語選択ボタン、動画タイトルと言語選択は英語で表記されているが、これらのボタンは各言語で表記されている)を含んで構成されている。また、各言語選択ボタンは、再生中のカレント選択メニュー言語コードを表すシステムパラメータSPRM(0)の値を指定の値に変更するためのコマンドと、メニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32、またはメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42を再生するためのコマンドを実行するように意味づけられている。例えば、日本語選択ボタンを選択し決定すると、前述のSPRM(0)の値を日本語を示す“ja”に変更するためのコマンドSetM_LCD“ja”を実行し、SPRM(0)の値が“ja”に変更される。これとともに、JumpSSコマンドにより、指定されたメニュー用ビデオオブジェクトの再生を実行する。このとき、SPRM(0)の値が日本語を意味しているため、HDビデオマネージャメニュー言語コード(HDVMGM_LCD)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コード(HDVTSM_LCD)が日本語であるメニュー用ビデオオブジェクトの再生を行う。
【0290】
同様に、英語選択ボタンを選択し決定すると、SPRM(0)の値を英語を示す“en”に変更するためののコマンドSetM_LCD“en”とメニューを再生するためのコマンドJumpSSを実行し、HDビデオマネージャメニュー言語コード(HDVMGM_LCD)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コード(HDVTSM_LCD)が英語を示すメニュー用ビデオオブジェクトの再生を行う。
【0291】
ここで、初期メニュー言語コードSPRM(21)は、ユーザのみが変更設定可能な言語コードである。つまり、ユーザが変更しない限りはその値が保持され、いかなるディスクを再生した場合においても、ディスクに記録されているコンテンツはこの値を変更することができず、コンテンツはユーザが本来設定した言語コードをいつでも参照することが可能である。
【0292】
一方で、再生中のカレントメニュー言語コードSPRM(0)は、情報再生装置の起動時に、初期メニュー言語コードSPRM(21)の値がコピーされるため、初期状態では常にユーザが設定した言語コードが反映されるが、ディスクに記録されているコンテンツはこの値を変更することが可能であり、コンテンツプロバイダの意思により言語コードの変更を行い(もちろんユーザに選択を行わせても良い)、ユーザに適切な言語コードに変更することが可能である。
【0293】
これにより、ユーザが設定したメニュー記述言語コード情報が消されることがなく、ユーザがメニュー記述言語コードを再設定する必要が発生してユーザの負担が増すと言う問題点が解決されるとともに、コンテンツプロバイダにとっては、複数のメニュー記述言語コードに対応してそれぞれメニュー記述言語コードを選択する画面を作る必要が無くなり、コンテンツ作成時のオーサリング作業が簡素化される。その結果、オーサリング作業時間が短縮される分コンテンツの販売価格を低下できる効果がある。
【0294】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0295】
【図1】本発明実施形態におけるディスク形状の情報記憶媒体1に記録される情報内容を示す図。
【図2】従来のSDのDVDビデオコンテンツのファイルシステムを示す図。
【図3】図1の(e)に示すHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内のデータ構造を示す図。
【図4】図3のHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内のデータ構造を示す図。
【図5】図3に示したタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311内のデータ構造を示す図。
【図6】3に示したHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内のデータ構造を示す図。
【図7】図3に示したHDビデオマネージャメニューPGCI(HDVMGM_PGCI_UT)312内に記録されるHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット#n(HDVMGM_LU #n)312c(図6)内のデータ構造を示す図。
【図8】図7に示したHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット#n(HDVMGM_LU #n)312c(図6)内に記録されるHDビデオマネージャメニュープログラムチェーンカテゴリ(HDVMGM_PGC_CAT)内のデータ構造を示す図。
【図9】図3に示したパレンタルマネジメント(管理)情報テーブル(PTL_MAIT)313内のデータ構造を示す図。
【図10】図9に示したパレンタル管理情報(PTL_MAI)313c内のデータ構造を示す図。
【図11】図3に示したHDビデオタイトルセット属性情報テーブル(HDVTS_ATRT)314内のデータ構造を示す図。
【図12】図3に示したテキストデータマネージャ(TXTDT_MG)315内のデータ構造を示す図。
【図13】図12に示したテキストデータマネージャ(TXTDT_MG)315内のテキストデータ言語ユニット(TXTDT_LU)315c内のデータ構造を示す図。
【図14】図13に示したテキストデータ言語ユニット(TXTDT_LU)315c内のテキストデータ(TXTDT)315c4内のデータ構造を示す図。
【図15】図3に示したHDビデオマネージャメニューセルアドレステーブル(HDVMGM_C_ADT)316内のデータ構造を示す図。
【図16】図3に示したHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ(HDVMGM_VOBU_ADMAP)317内のデータ構造を示す図。
【図17】HDビデオコンテンツのメニュー用AOB(HDMENU_AOB)自体に対する管理情報内容を示す図。
【図18】図2のHD_VMG01.HDVファイル内にまとめて格納された図1の(e)に示すメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32内のデータ構造を示す図。
【図19】メニュー用のオーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)内のデータ構造を示す図。
【図20】図1の(f)に示したHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内のデータ構造を示す図。
【図21】HDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410内のデータ構造を示す図。
【図22】図20に示したHDビデオタイトルセットPTTサーチポインタテーブル(HDVTS_PPT_SRPT)411の内のデータ構造を示す図。
【図23】図20に示したHDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412内のデータ構造を示す図。
【図24】図23に示したHDVTS_PGCIサーチポインタ(HDVTS_PGCI_SPR)内に記録されるHDビデオタイトルセットプログラムチェーンカテゴリ(HDVTS_PGC_CAT)内のデータ構造を示す図。
【図25】図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413内のデータ構造を示す図。
【図26】図25に示したHDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット(HDVTSM_LU)413c内のデータ構造を示す図。
【図27】図26に示したHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内のデータ構造を示す図。
【図28】図20に示したのHDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル(HDVTS_TMAPT)414内のデータ構造を示す図。
【図29】図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・セル・アドレステーブル(HDVTSM_C_ADT)415内のデータ構造を示す図。
【図30】図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTSM_VOBU_ADMAP)416内のデータ構造を示す図。
【図31】図20に示したHDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417内のデータ構造を示す図。
【図32】図20に示したHDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417内のデータ構造を示す図。
【図33】プログラムチェーン情報PGCI内のデータ構造を示す図。
【図34】プログラムチェーン情報PGCI内のプログラムチェーン・一般情報PGCI_GI内のデータ構造を示す図。
【図35】図34に示したプログラムチェーン情報PGCI内のプログラムチェーン・コマンドテーブルPGCI_CMDT内のデータ構造を示す図。
【図36】図35に示したプログラムチェーン・コマンドテーブルPGCI_CMDT内のプログラムチェーン・コマンドテーブル情報PGC_CMDTIとリジュームコマンドRSM_CMD内のデータ構造を示す図。
【図37】プログラムチェーン情報PGCI内に配置されたプログラムチェーン・プログラムマップ(PGC_PGMAP)とセル・位置情報テーブル(C_POSIT)54内のデータ構造を示す図。
【図38】プログラムチェーン情報PGCI内に配置されたセル・再生情報テーブルC_PBIT内のデータ構造を示す図。
【図39】本発明の一実施形態の情報再生装置(プレーヤ)の構成を示すブロック図。
【図40】図39に示した情報再生装置のグラフィックデコーダ部113の詳細な構成を示すブロック図。
【図41】仮想ビデオアクセスユニットIVAUの概念を説明する図。
【図42】仮想ビデオアクセスユニットIVAUが設定された静止画が記録されたVOBのデータを管理するHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスHDVTS_VOBU_SAの中に記載される管理データ内容をに示す。
【図43】仮想ビデオアクセスユニットIVAUとHDマップエントリHDMAP_ENとの関係を示す。
【図44】システムパラメータSPRMの内容を説明する図。
【図45】ビデオオブジェクト内のグラフィックユニットGUの配置図。
【図46】グラフィックユニット内のデータ構造を示す図。
【図47】グラフィックユニット内のヘッダ情報内容と一般情報内容を示す図。
【図48】グラフィックユニット内のマスクデータとグラフィックデータのイメージを説明する図。
【図49】マスクパターンを含むビデオ合成例を示す図。
【図50】グラフィックユニットにおけるボタン位置情報を説明する図。
【図51】コマンド情報内のデータ構造内に記載されたインストラクションオペランド内の具体的なデータ構造に関する一例として、SetSystemインストラクショングループに属するSetGPRMMDのインストラクションオペランドのデータ構造の例を示す図。
【図52】特定な使用条件下での各オペランド数値を設定したコマンド情報の具体例を示す図。
【図53】言語選択メニューを表示する例を説明するフローチャート。
【図54】情報再生装置の言語コードを調べて言語選択メニューを表示するフローチャート。
【図55】言語選択メニューによりSPRM(0)の値を再設定するときのフローチャート。
【符号の説明】
【0296】
1…ディスク形状の情報記憶媒体、10…リードイン領域、11…ボリューム/ファイル構造情報領域、12…データ領域、13…リードアウト領域、20…ビデオデータ記録領域、21…他のビデオデータ記録領域、22…一般コンピュータ情報記録領域、30…HDビデオマネージャ記録領域、31…HDビデオマネージャ情報領域、35…ファーストプレイPGC用言語選択メニュー、32…メニュー用ビデオオブジェクト領域、33…メニュー用オーディオオブジェクト領域、34…HDビデオマネージャ情報バックアップ領域、40…HDビデオタイトルセット記録領域、41…HDビデオタイトルセット情報領域、42…メニュー用ビデオオブジェクト領域、43…タイトル用ビデオオブジェクト領域、44…HDビデオタイトルセット情報バックアップ領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は情報記憶媒体(若しくは情報記録媒体)と情報再生装置と情報再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような情報記憶媒体としては集束光を用いてディジタル情報を再生可能なDVD(digital versatile disk)と呼ばれる光ディスクがある。現行のDVDの規格としては、読み出し専用のDVD−ROM規格、追記型のDVD−R規格、書換え(1000回程度)型のDVD−RW、書換え(10000回以上)型のDVD−RAM規格がある。いずれの規格にも、映像情報(ビデオデータ、副映像データ、音声データを総称したビデオオブジェクト)自体の光ディスク(情報記憶媒体)上に記録されたデータ構造とその映像情報を管理する管理データのデータ構造を規定するフォーマット規格がある。
【0003】
再生専用の現行DVDビデオ規格は多数種類の言語に同時に対応し、マルチアングル・マルチストーリーなどのマルチシーン表現が可能なばかりでなく、メニュー画面が充実しておりユーザが見たいシーンへの直接アクセスが容易である等、ユーザに使い易い映像コンテンツを提供できるフォーマットになっている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
上記のように再生専用の現行DVDビデオ規格はユーザに使い易い映像コンテンツを提供できるフォーマットになってはいるが、ユーザがより一層使い易くし、かつユーザに対するコンテンツ表現力をより一層豊かにするためには規格に対する改良が要求されている。
【0005】
また、ユーザが使い易いコンテンツを提供するためには、オーサリング(DVDビデオディスクに記録するプログラムの作成と編集)が複雑になると言う問題がある。
【0006】
現行DVDビデオ規格でのユーザに対するコンテンツ表現力が不足している部分、およびユーザが使い難い箇所またはユーザが使い易いコンテンツを提供するためにオーサリングが複雑になる箇所を具体的に列記する。
【0007】
〔1〕ユーザが使い難い。またはユーザが使い易いコンテンツを作成するにはオーサリングが複雑であった。
【0008】
(A)タイトルの再生途中で再生中断を行い、何か別の処理をして、再度タイトルの再生に戻った時の再生開始位置に対する不具合点。
【0009】
(A1)映像を再生中断し、メニュや映像を切り替え表示した後に戻ると、元の中断位置からの再生が出来ない。
【0010】
特定映像タイトルの再生途中で再生中断を行いメニュー画面に切り替えた後、ボーナスコンテンツを途中あるいは最後まで再生した後に、前回途中で中断を行った映像タイトルを再生しようとすると従来のDVDビデオ規格で作ったコンテンツでは映像タイトルの先頭位置からしか再生できない場合が多い。ボーナスコンテンツの再生を開始した段階で、その前の特定映像タイトルのリジューム情報(再生中断位置情報)がこのボーナスコンテンツの位置情報に書き替えられるためで、ボーナスコンテンツを途中あるいは最後まで再生した後に先の映像タイトルの中断位置から再生を開始できるようなコンテンツにするためには複雑なオーサリング処理が必要となる。
【0011】
(A2)ゲームなどで再生中断後にゲームを再開しようとした時に切りの良い位置からの再生開始が出来ない。
【0012】
特定タイトルとして上記の映像の代わりに“ゲーム”(例えばロールプレーイングゲーム)を行っていた場合、メニュー画面に戻った後、ゲームを再開する場合に中断位置では無く、ゲームの章の区切り目から開始させたいと言うコンテンツプロバイダ側からの要求があるが、現行のDVDビデオ規格ではその対応が出来ない。
【0013】
(B)表示用言語設定に関する使い難い部分がある。
【0014】
(B1)コンテンツ内で指定できるコマンドでメニュー記述言語コードが変更できず、オーサリングが複雑である。
【0015】
現行のDVDビデオではメニュー記述言語コード(M_LCD)をナビゲーションデータのSPRM(0)(0番目のシステムパラメータ:16ビット)内に設定し、その値を図39の情報再生装置のメモリ部122内に格納しておく。現行のDVDビデオ規格ではコンテンツ内で設定出来るコマンドリスト内にSPRM(0)の値を変更するコマンドは存在せず、特殊な条件下のユーザ指定のみによってのみSPRM(0)の値の変更が可能となる。具体的には情報再生装置内に装備されるユーザ機能の内、Menu_Language_Select()と呼ばれるユーザ操作機能を用いてSPRM(0)の値を変更できるが、このMenu_Language_Select()と呼ばれるユーザ操作は情報再生装置が動作停止している間しか設定できないと言う制約がある。このユーザ操作は、専用の画面を表示してリモコンを用いて設定する。
【0016】
このようにSPRM(0)の値をコンテンツ内で設定出来るコマンドで変更できないため、SPRM(0)の値がどのように設定されても対応可能なようにコンテンツ(特にメニュー情報に関するVOBデータ)内に複数のメニュー記述言語コードに対してそれぞれメニュー記述言語コードを選択する画面を作る必要が有り、コンテンツ作成時のオーサリング作業が非常に大変だった。
【0017】
(B2)ユーザが設定したメニュー記述言語コード情報が消される危険性が発生する。
【0018】
例えば仮に(B1)の問題点を解消するためにコンテンツ内でSPRM(0)の値を変更できるコマンドを新規に追加すると、折角ユーザが特定のメニュー記述言語コード(例えば、SPRM(0)に日本語)を設定してもコンテンツを再生することで自動的にSPRM(0)の値が変更されてしまう危険性がある。コマンドにより自動的にメニュー記述言語コードが変更されるとユーザが不満を覚えるばかりでなく、ユーザがメニュー記述言語コードを再設定する必要が発生してユーザの負担が増すと言う問題点が発生する。
【0019】
〔2〕ユーザに対するコンテンツ表現力が不足している箇所がある。
【0020】
(C)静止画に対するシームレス再生に関する不具合点。
【0021】
(C1)現状のDVDビデオコンテンツでは動画と静止画との間のシームレス接続が出来ない。
【0022】
現行のDVDビデオでは動画(Movie Content)のシームレス再生を保証しており、異なるVOB間(または異なるタイトル)を跨いで(途中で動画の画面が途切れること無く)シームレスに接続再生が可能となっている。それに反して、例えばスライドショー(表示される静止画像が自動的に切り替わる静止画像に対する一つの表示方法)で表示した静止画から動画に切り替わる時にシームレス再生が保証されず、情報再生装置によっては途中で映像や音声が静止する場合がある。現行のDVDビデオコンテンツでは静止画から動画に切り替わる時点でシームレス接続が保証されない理由は
i)シームレス再生を保証するE−STD(Extended System Target Decoder)モデルにおいて、動画オブジェクト内ではアクセスユニットが定義され、このアクセスユニットの境界位置で図39に示す分離部103、ビデオデコーダ部111、副映像デコーダ部112、オーディオデコーダ部114に設定されるSTC(System Time Clock:基準となるクロック値)の値が切り替わる。これに対して現行DVDでは静止画に対してはアクセスユニットが定義できない。
【0023】
つまり、動画はフィールド単位で常に連続して画像(ピクチャ)を出力し続けているのに対し、例えばスライドショーで表示される静止画は断続的にのみ画像を出力する。静止画オブジェクト内のデータ構造としてはMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)の規格に従い、1枚の静止画を構成するIピクチャ(Intra picture)の直後にシーケンスエンドコード(sequence_end_code)が配置され、ビデオデコーダ部111ではこのシーケンスエンドコードを検知すると次のIピクチャが来るまでデコードを停止してしまう。従って、従来のDVDビデオにおいては、静止画の断続的に出力するタイミングの間の期間では動画のようなアクセスユニットを設定出来なかった。
【0024】
ii)従来のDVDビデオでは静止画間の切り替えタイミングとして共通パリティー間の切り替えを許容していた。すなわち前の静止画がトップフィールド(またはボトムフィールド)で終了した後、次の静止画がトップフィールド(またはボトムフィールド)から開始されることが許容される。従ってフレームの途中で静止像から動画に切り替わるとシームレス接続が行えず、切り替わり目で画面が乱れる危険性があった。
【0025】
(C2)静止画を組み合わせたマルチアングル再生や動画と静止画との間のマルチアングル再生が出来ない。
【0026】
現行のDVDビデオでは静止画(Still Picture Content)のスライドショーを組み合わせたマルチアングル再生や静止画のスライドショーと動画を組み合わせたマルチアングル再生が難しい。無理にマルチアングル再生対応コンテンツを作った場合には、静止画に対するシームレス再生が保証されてないため、マルチアングルになっている静止画が連続的に再生できなかったり(静止画像が連続的に切り替わらずに途中で静止画が止まったり)、マルチシーンの画面とワンシーケンシャルシーンの画面との間の切り替わり目でスムーズに切り替わらずに途中で画面が止まったりする。動画ではインターリーブドブロック(Interleaved Block)内で各アングル毎に分散配置を行うインターリーブドユニット(ILVU:Interleaved Unit)が定義されているに対して、現行DVDビデオにおいて静止画に対するILVUの定義が明確になって無いためである。また、静止画では画面切り替わりまでの期間が長く(同一の静止画を長時間再生し続けるので)、アングル切り替え直後に対応した静止画をすぐに表示できる仕組みが現状では無い。更に(C1)でも説明したように静止画に対応したIピクチャの直後に配置されるシーケンスエンドコードを検出すると、次のIピクチャが来るまでビデオデコーダ部111のデコード処理が一時停止されるので現行のDVDビデオ規格上ではインターリーブドブロックを構成するセル内のビデオデータにはシーケンスエンドコードの配置を禁止している。
【0027】
(D)セル単位のコマンドが含まれたVOBの所ではシームレス再生が保証されない。
【0028】
現行SD(Standard Definition)のDVDビデオではPGC(Program Chain)内のセル単位でのコマンド指定が可能になっている。このコマンド情報は図35と同様にPGCの管理情報が記録された領域であるPGCI(Program Chain Information)内のセルコマンド513領域内に記録される。このセルコマンド513が設定されているセルの再生が終了した時点でセルコマンドが実行されるため、次のセルの再生が一時中断され得る。そのため、現行のSDのDVDビデオではセルコマンド513を含んだVOBの再生時にセル間のシームレス再生が保証されていない。
【0029】
(E)ハイライト情報に関する不具合点
(E1)ハイライト情報と副映像間で表示期間(設定期間)のずれが生じる。
【0030】
ビデオタイトル映像の再生時にハイライト情報のメニューを表示させ、ユーザがインタラクティブな操作を出来るようにコンテンツを作れる。この場合、再生中のビデオタイトル映像内容に合わせてハイライト情報を切り替えたり、内容を変化させる必要があるのでハイライト情報の表示期間や有効的な実行可能期間の精度が重要となる。従来のSDのDVDビデオコンテンツでは画面に表示されるボタンはボタンの画像を提供する副映像ストリームとボタンで指定したコマンドを実行するのに必要なハイライト情報が含まれるビデオストリームの2種類の異なるストリームの組み合わせで構成されている。
【0031】
ハイライト情報の有効的な実行可能期間は開始と終了の時刻情報(PTM:Presentation Time)で与えられ、主に字幕などに利用される副映像の表示期間と完全に一致しており、副映像が終了すると、メニュー選択も終了してしまうという問題を抱えている。そのため、コンテンツ製作者が、字幕とメニューを同時に組合せたコンテンツの製作を行おうとすると、副映像の有効(表示)期間内に、ユーザにメニュー選択を実行させなければならないなど、コンテンツ作成上の制約があり、コンテンツ製作者は、イメージ通りのコンテンツが作成できず、自由度が制限され、ユーザへ提供されるコンテンツの制限を余儀なくされた。
【0032】
(E2)メニューの選択項目画像が色彩的に多彩で無い。
【0033】
現状のSDのDVDビデオコンテンツでは16色の配色しか表現できないのでユーザへのアピール度が低く、多彩なカラー表現が出来ない。
【0034】
(E3)ハイライト情報の指定領域を矩形以外の形に設定できない。
【0035】
現状のSDのDVDビデオコンテンツではハイライト情報の指定領域として矩形以外の形状は設定できず、例えば三角形や星形などのバラエティーを持ったコンテンツが作れなかった。
【0036】
(E4)画面上の互いに離れた複数領域に対して同じボタンを設定できない。
【0037】
現状のSDのDVDビデオコンテンツではまとまった一箇所の領域内にしか同じボタンを設定できなかった。
【0038】
それに比べてPCの画面やインターネットのホームページ画面では画面内の複数領域に対して同じURLをリンクさせることが容易であり、現状のSDのDVDビデオコンテンツはPC画面やインターネットのホームページ画面に対して見劣りしていた。
【0039】
(F)メニュー画面切り替え時に背景音声が飛ぶと言う問題がある。
【0040】
現状のSDのDVDビデオコンテンツでは各メニュー毎にメニュー画面表示時の音声情報(バックグランドミュージック)が付随している。従ってメニュー画面を変える毎にそれに付随して音声情報が変化する。
【0041】
メニューを切り替えても途切れること無く連続して背景音声が再生したいと言うコンテンツプロバイダの要求を現状のSDのDVDビデオコンテンツでは満足できない。
【特許文献1】米国特許第5,636,200号明細書
【特許文献2】特許第2,677,775号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0042】
このように従来の現行DVDビデオ規格は、ユーザがより一層使い易くし、かつユーザに対するコンテンツ表現力をより一層豊かにするために、改良が要求されている。
【0043】
また、ユーザが使い易いコンテンツを提供するためには、オーサリング(DVDビデオディスクに記録するプログラムの作成と編集)が複雑になると言う問題がある。
【0044】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、再生専用のDVDビデオコンテンツのユーザに対する表現力を一層向上させると共に、比較的簡易なオーサリングによりユーザが使い易いコンテンツの作成を可能とし、その結果、ユーザに対してDVDビデオの魅力を更に高めることが可能なフォーマット規格に基付くデータ構造と、そのデータ構造が記録された情報記憶媒体を提供すると共に、この情報記憶媒体を再生可能な情報再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0045】
上記した課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
【0046】
本発明の情報再生装置は、ユーザが設定可能な第1のメニュー言語コードを記憶する手段と、情報記憶媒体に記録されたデータにより設定可能な第2のメニュー言語コードを記憶する手段とを具備する。
【0047】
情報再生装置は、第1、第2のメニュー言語コードを比較して、比較結果に応じて言語選択メニュー表示させるか否かを決定する手段をさらに具備してもよい。
【0048】
本発明の情報記憶媒体は、情報再生装置が記憶するメニュー言語コードを変更可能なデータ構造を記録可能である。
【0049】
本発明の情報再生方法は、ユーザが設定可能な第1のメニュー言語コードと、情報記憶媒体に記録されたデータにより設定可能な第2のメニュー言語コードとを記憶し、起動時に前記第1、第2のメニュー言語コードを比較し、比較結果に応じて言語選択メニュー表示させるか否かを決定する。
【発明の効果】
【0050】
以上説明したように本発明によれば、再生専用のDVDビデオコンテンツのユーザに対する表現力を一層向上させると共に、比較的簡易なオーサリングによりユーザが使い易いコンテンツの作成を可能とし、その結果、ユーザに対してDVDビデオの魅力を更に高めることが可能なフォーマット規格に基付くデータ構造と、そのデータ構造が記録された情報記憶媒体を提供すると共に、この情報記憶媒体を再生可能な情報再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0052】
まず初めに本発明における特徴の全体を概観し、各特徴間の関係を説明する。次に、本明細書で注目する中心的技術内容である“リジューム情報制御”に関するポイントを説明した後、具体的な実施形態の説明を行う。
【0053】
本明細書ではビデオデータ、副映像データ、音声データ、グラフィックデータを総称してビデオオブジェクトと呼び、ビデオオブジェクトとビデオオブジェクトの管理データを総称してコンテンツと言う言葉で表現する。また、違いを明確にするために従来のDVDビデオコンテンツをSD(Standard Definition)コンテンツ、下記の(A)〜(F)の特徴を持った本発明実施形態対象のコンテンツをHD(High Definition)コンテンツと言う言葉を使って使い分ける。
【0054】
《全体の特徴説明》
〔1〕ユーザが使い難い。またはユーザが使い易いコンテンツを作成するにはオーサリングが複雑である問題点を解決する。
【0055】
(A)タイトル中断時の中断位置情報制御方法
〔ポイント1〕
リジューム情報への保存・廃棄ルールを現行DVDビデオ規格に対して変更し、図39に示す情報再生装置のメモリー部122内に記録するリジューム情報の書き換え・変更禁止・情報内容の破棄処理に対して細かく制御可能とする。
【0056】
〔ポイント2〕
情報再生装置のメモリー部122内に記録するリジューム情報が書き替えられた場合には、次のリジューム情報に対する制御指示が来るまで保持する。例えば、従来のDVDビデオ規格では後述するJumpTTやJumpVTS_TTあるいはJumpVTS_PTTコマンドが実行された場合には、上記のリジューム情報内容を消す決まりがあったが、本発明ではそれを変更し、上記のコマンドが実行された後でもリジューム情報の内容を保持し、(A1)に示した問題点の一部を解消する。
【0057】
〔ポイント3〕
(A1)に示した問題点の対策として、図24に示すように各PGCに対してRSM(リジューム:Resume:再生再開)命令(画面上の選択による命令)や例えばユーザ指定に対応して実行されるResume()ファンクション(再生装置が行うコマンド)による再生再開が許可されるか否かを示すリジューム許可フラグ(Resume permission Flag=RSM許可フラグ)を新たに設定する。具体的な内容として、後述するCallSSコマンドを実行する時に、このRSM許可フラグが“0b”に設定されていればリジューム情報の内容を更新し、“1b”に設定されていれば更新を禁止する。
【0058】
例えば(A1)で説明した例では、ボーナスコンテンツが含まれるPGCに対してリジューム情報の更新を禁止することにより、情報再生装置のメモリー部122内に記録されたリジューム情報はその前に中断された特定映像タイトルに対するリジューム情報が保持されることになる(詳細は後述する)。
【0059】
〔ポイント4〕
(A2)に示した問題点の対策として、図35に示すようにプログラムチェーン情報PGCIの中に新たにプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51を設定し、リジュームシーケンス情報を記録する。このプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に記載されたリジュームシーケンス情報はメニュー画面から該当するタイトルのPGCに戻った直後に実行されるコマンド列(コマンドの連続的な繋がり順序)を意味している。メニュー画像から中断されたタイトルに対応したPGCに戻り、リジューム情報に基づいて再生を開始する前には必ずこのリジュームシーケンス情報の有無を確認する。
【0060】
リジュームシーケンス情報が無い場合には、リジューム情報に基づき中断位置からの再生を開始する。
【0061】
もし、リジュームシーケンス情報がある場合には、リジュームシーケンス情報で指定された場所から再生を開始する。
【0062】
例えば(A2)に示した問題点の対策として、プログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に記録されたリジュームシーケンス情報内に、“ゲームの区切り目の位置情報”をリジューム情報に書き替えるコマンドを設定しておくことで、メニュー画面から戻った直後にはゲームの区切り目から再生を開始させることが出来る(詳細内容は後述する)。
【0063】
再生を中断した位置を示す情報としてセル番号、セルの先頭位置に配置されたナビパックのアドレス情報、PGC再生制御状況、VTS(ビデオタイトルセット:Video Title Set)番号、タイトルドメイン内でのタイトル番号TTN(図44に示すように、このタイトル番号の値はSPRM(4)の値として格納される)、タイトルドメイン内でのVTS内のタイトル番号VTS_TTN(この値はSPRM(5)の値として格納される)、タイトルドメイン内でのタイトルのPGC番号TT_PGCN(SPRM(6))、1個のシーケンシャルPGCのタイトルに対するパートオブタイトル番号PTTN(SPRM(7))、選択状態でのハイライトのボタン番号HL_BTNN(SPRM(8))がリジューム情報として記録される。上記のようにメニュー画像から中断されたタイトルに対応したPGCに戻って来た場合に限らず、リジューム情報の少なくとも一部が変化する場合など、例えばSPRM(8)の情報に関連してハイライト位置情報が変わるなどの状況が変化した場合でも、必ずリジュームシーケンス情報の最後まで処理を実行するように設定している。
【0064】
〔管理情報記録場所〕
リジューム情報を管理する情報の配置場所について第1の実施形態では図23に示すようにHDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412内のHDVTS_PGCIサーチポインタ412b内のHDVTS_PGCカテゴリ(HDVTS_PGC_CAT)内にRSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)を持たせている。
【0065】
また、他の実施形態(第2の実施形態)では図33、図34に示すようにプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50内のRSM&AOBカテゴリ(RSM&AOB_CAT)内にRSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)を持たせている。
【0066】
また、(A2)の問題を解決する特徴(A)に関する〔ポイント4〕に示したタイトルのPGCに戻った直後に実行されるコマンド列(コマンドの連続的な繋がり順序)を示すリジュームシーケンス情報は、図35に示すようにリジューム(RSM)コマンドシーケンスとしてプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内にRSMコマンド(RSM_CMD)514が並んで配置される。また、プログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に配置されたRSMコマンド(RSM_CMD)514の数情報であるRSM_CMD_Nsは図36に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル情報(PGC_CMDTI)510内に記録されている。
【0067】
〔管理情報内容〕
RSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)とは該当するHDVTS_PGCの再生を開始した段階でレジューム情報の内容を更新するか(該当するPGCの再生状況に合わせてレジューム情報を逐次更新して行くか)否かを示す。すなわち、上記のフラグが“0b”の場合はレジューム情報の更新を行い、“1b”の場合はレジューム情報の更新を行わず、その前に再生したHDVTS_PGC(本発明のビデオタイトルセット内の対応したプログラムチェーン)の再生中断した情報を保持しておく処理を行う。
【0068】
RSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造は図36に示すように、1個のコマンド毎に“8バイト分”の領域を割り当てられており、この“8バイト分”の領域内にコマンド内容が記録される。
【0069】
(B)表示用言語設定
〔ポイント1〕
(B1)に示した問題点を解決するため、コンテンツ内でメニュー記述言語コードが設定できる画面を提供できるようにする。具体的には情報記憶媒体の挿入直後に最初に表示可能なファーストプレイPGC(FP_PGC)でメニュー記述言語コードの設定を可能とする。ユーザの画面上の選択で上記メニュー記述言語コートが設定できるコンテンツに対応するため、FP_PGCは1個のVOB(ビデオオブジェクト:Video Object)を持てるようにし、このVOBは言語選択メニューにのみ使用可能とする。コンテンツが1言語しかサポートしない場合や、現状のメニュー記述言語コードの値を自動的に継承するコンテンツの場合には、FP_PGCはメニュー画面用のVOBを持たないこともある。メニュー記述言語コードの値を自動的に継承するコンテンツの例としては、自動的に情報再生装置の持っているSPRM(0)の値とHDのDVDビデオコンテンツがサポートする言語とを自動的に比較し、一致したらメニュー記述言語コードをそれに合わせるなどの実施形態がある。この場合には、自動的に比較するコマンド処理シーケンスであるリジュームシーケンス情報の情報がFP_PGCに関する管理情報であるFP_PGCI(ファーストプレイプログラムチェーン情報:First Play Program Chain Information:図4)内に記録されている。
【0070】
更に、このFP_PGCに対する制限条件として1個以下のセルを持てる(VOBがある時には1個のセルを規定し、メニュー記述言語コード選択用画面を持たないコンテンツの場合にはVOBを持たないので、対応してFP_PGCの中にセルを含まない)構造にする。また、このFP_PGCではプログラムのシーケンシャル再生のみを許し、パレンタルブロック構造やマルチシーン構造を禁止する。更に、このFP_PGC内で使用可能なストリームとして1個のみ(1個または0個)のオーディオストリームの使用を許可すると共に、サブピクチャ(副映像)ストリームの使用を禁止し、その代わり後述するグラフィックユニットGUの使用を導入する。
【0071】
このため、本発明実施形態では複数のメニュー記述言語コードに対応してそれぞれメニュー記述言語コードを選択する画面を作る必要が無くなり、コンテンツ作成時のオーサリング作業が簡素化される。その結果、オーサリング作業時間が短縮される分コンテンツの販売価格を低下できる。
【0072】
〔ポイント2〕
(B1)に示した問題点を解決するため、後述するように新たにSetM_LCDコマンドを定義する。このSetM_LCDコマンドによりSPRM(0)の値が変更可能となる。このSetM_LCDコマンドは後述するようにSetSystemのコマンド領域内に含まれ、FP_PGCの中でしか使用できない。具体的なコマンド内容としてはゼネラルパラメータもしくはSetM_LCD内で指定できる特定な値により言語コードとしてSPRM(0)の値を設定する。
【0073】
〔ポイント3〕
(B2)に示した問題点を解決するため、ユーザが設定したメニュー記述言語コードを保持できるように、ユーザのみが変更設定を可能としコマンドによる変更が不可能なメニュー記述言語コードを格納する場所として図44に示すようにSPRM(21)を新たに設定すると共に、従来から存在したSPRM(0)の位置付けを若干変更する。すなわち、情報再生装置に設定されたパラメーターとして初期設定メニュー言語(Initial Menu Language)の格納場所としてSPRM(21)を新たに定義する。このSPRM(21)はユーザのみが変更設定可能なプレーヤ設定言語であり、コンテンツのプログラム内のコマンドでは変更不可能とする。
【0074】
そして、SPRM(0)の位置付けを“再生中のカレントメニュー言語”の格納場所に変更する。このSPRM(0)はユーザによる変更設定と共にコンテンツ内のコマンドによる変更設定の両方に対応可能にする。その結果、(B2)の所で説明したコマンドによりSPRM(0)が変更されても、ユーザが設定したメニュー記述言語コードが保持でき、ユーザへの不快感や余計な負担を掛けずに済む。
【0075】
〔具体的なSPRM(0)とSPRM(21)の関係説明〕
SPRM(0)とSPRM(21)との関係を説明するため、情報再生装置(プレーヤ)内に情報記憶媒体を挿入した直後の動作の一例を示す。ファーストプレイPGC(FP_PGC)の処理を実行する前に、最初にユーザが情報再生装置に対して設定したメニュー記述言語コードである初期設定メニュー言語SPRM(21)の値をSPRM(0)にコピーする。
【0076】
FP_PGCの中にSetM_LCDのコマンドが存在していれば、そのコマンドに従ってSPRM(0)の値を変更できるが、(B2)の問題点回避のためにSPRM(0)の値はSPRM(21)からコピーされた値が保持されていることが望ましい。仮にこの情報記憶媒体に記録されたコンテンツ内のSetM_LCDコマンドによりSPRM(0)がSPRM(21)とは異なる値に書き換えられたとしても、SPRM(21)の値が保持されているので、次に別の情報記憶媒体が装着されるとSPRM(0)の値がSPRM(21)の値に自動的に書き換えられるので、次の情報記憶媒体装着後には(B2)の問題点が回避できる。例えば、FP_PGC内にメニュー用VOBが存在せず、言語選択用メニューが図6に示したHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312内に存在する場合には、上記SPRM(0)の値に対応したHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312が選択される。SPRM(21)の値はあくまでも情報再生装置の動作が停止している段階でユーザによってのみ変更が可能であるが、ユーザによってSPRM(21)の値が書き換えられている時でもSPRM(0)の値は同時には書き換えられず従来の値のまま保持される。
【0077】
〔情報再生装置内のパラメータ情報記録場所〕
図39に示す情報再生装置内のシステムブロック図においてメモリ部122内に図44に示す“0”から“21”までのシステムパラメータSPRMを格納する領域が割り当てられている。このSPRM(0)に再生中のカレントメニュー言語コード情報が、SPRM(21)に初期設定メニュー言語コード情報が記録される。
【0078】
〔オブジェクト情報記録場所〕
図1の(e)に示すようにメニュー記述言語コードが設定できる画面をファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域に記録する。また、このオブジェクト情報(ビデオデータ)は図2に示すようにHD_FPPGC.HDVという名前の単独ファイルとして独立させる。
【0079】
〔管理情報記録場所〕
図4に示すようにHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内のファーストプレイPGCI(FP_PGCI)にメニュー記述言語コードが設定できる言語選択用メニューに対する管理情報が記録されている。
【0080】
〔2〕ユーザに対するコンテンツ表現力が不足している箇所
(C)静止画のシームレス再生
〔ポイント1〕
従来のDVDコンテンツでも動画間のシームレス接続は保証されている。従って上記(C1)と(C2)に示した問題点を解決するため、静止画が記録されたVOBS(ビデオオブジェクトセット:Video Object Set)に対してもVOBの中身を動画が記録されたVOBSと同じイメージで定義することで、従来の動画間のシームレス接続と同様に静止画から動画へのシームレス接続(C1)と静止画のマルチアングル再生(C2)を保証できる所に特徴がある。
【0081】
〔ポイント2〕
〔ポイント1〕の考え方を実現する具体的な方法を以下に説明する。シームレス再生を保証するE−STD(Extended System Target Decoder)モデルを適用するため、静止画が記録されたIピクチャの間の期間に“仮想アクセスユニット”を設定する所に特徴がある。アクセスユニットの設定方法として、本発明実施形態ではビデオフレームの期間またはビデオフレームの整数倍の期間を単位として静止画を開始するIピクチャと次のIピクチャとの間の間隔をアクセスユニットの期間毎に仮想的に細かく時間分割する。そして、情報再生装置は、仮想アクセスユニット毎に静止画が繰り返し再生表示されているものと仮想的に見なす。静止画のデコーダに入力されるタイミングを示すDTS(Decoding Time Stamp)と静止画が表示されるタイミングを示すPTS(Presentation Time Stamp)は静止画1枚毎にあらかじめ設定されており、1ビデオフレーム期間はNTSC(National Television System Committee)方式とPAL(Phase Alternation by Line)方式で決まっているので、“仮想アクセスユニット”の境界位置のタイミングを容易に算出できる。このように静止画像に対してもアクセスユニットを設定することで(C1)の問題点が解決される。すなわち、このアクセスユニットの境界位置で図39に示す分離部103、ビデオデコーダ部111、副映像デコーダ部112、オーディオデコーダ部114に設定されるSTCの値を切り替えて静止画から動画へのシームレス接続再生を可能にする。
【0082】
静止画から動画へのシームレスな再生接続が保証されれば、ユーザは快適にコンテンツの観賞が出来るばかりでなく、コンテンツプロバイダとしてもユーザへの表現力が向上する。また、従来のDVDビデオのオブジェクト構造を実質的に変更すること無く、仮想的な定義の変更のみで静止画から動画へのシームレス接続表示が可能になるため、従来DVDビデオのオーサリングツールを大部分利用可能となり本発明を製品化する際の媒体価格上昇を最大限に抑えられる。
【0083】
〔ポイント3〕
(C1)の問題点を解決するポイントの一つとして静止画を含むVOBUに対する規定(制約)を〔ポイント2〕の内容に合わせて下記のように修正する。すなわち、図41に示すように“仮想アクセスユニット”の整数個で1個のVOBUを構成するように仮想的に設定する。その結果、各静止画のVOBUの表示期間はビデオフレームの整数倍となる。前記のように規定(制約)することで静止画から動画への切り替えタイミングは必ずビデオフレームの境界タイミングと一致するので切り替わり時の画面の乱れが防止できるとともに(インターレースされたフィールド表示では無く、隙間が埋められたフレームで表示できるので)切り替え直前・直後の画面を鮮明に表示できる。
【0084】
図41においてVAU(ビデオアクセスユニット:Video Access Unit)内には静止画を示すIピクチャが1個存在し、IVAU(仮想VAU:Imaginary Video Access Unit)内ではIピクチャを含まないので、IVAU内にはビデオデータが存在しないことになる。図41のVAU1からIVAU15までで構成されるVOBUとVAU16からIVAU30までで構成されるVOBUには1個のみのIピクチャが存在している。本発明実施形態では同一VOBU内に複数のIピクチャを持つことを禁止し、必ず1個のVOBU内には1個以下のIピクチャを持つように規定(制約)している。また、MPEG2の規格に準拠してIピクチャの後ろにシーケンスエンドコードを配置しているので、このようにIピクチャを含むVOBU内には必ず1個のシーケンスエンドコードを持つ(すなわちIピクチャとシーケンスエンドコードを別のVOBU内に分けること無く、両者を必ず同一のVOBU内に含ませる)ように規定(制約)する。
【0085】
また、同一VOBU内ではIVAUに先行して必ず先にVAUが(仮想的に)配置した構造を取る。このようにVOBU内で先頭位置にVAUが配置された(仮想的な)構造にすることにより動画から静止画への切り替えを行った場合に、高速でVAU内のIピクチャのデコードが可能となり、動画から静止画へのシームレス再生が可能となる。
【0086】
図41においてIVAU30からIVAU45により構成されるVOBU内にはビデオデータ(Iピクチャ)を含まない。内部にビデオデータを持たないVOBUの定義も可能とする。
【0087】
〔ポイント4〕
(C2)の問題点を解決する手段として静止画オブジェクトに対してIVAUを仮想的に定義するとともに、下記に示す方法によりILVU(Interleaved Unit)内への静止画データ(静止画オブジェクト)の配置を可能にする。すなわち、(C2)で説明したように現行DVDビデオにおける『ILVB(Interleaved Block)を構成するセル内のビデオデータへのシーケンスエンドコードの配置を禁止』と言う制約を緩める。そして、VOBがILVU内に使われる場合には、1個以上のシーケンスエンドコードを持つVOBに対して1個のVOBU内の再生期間をビデオフレームの整数倍とし、各VOBU内にはビデオデータとして唯一のIピクチャを持つか又はビデオデータを持たない構造とするという制約を掛ける。更にIピクチャが含まれるVOBU内には1個のシーケンスエンドコードを持たせると共に、ILVU内の最初のVOBUには必ずビデオデータ(静止画を記録したIピクチャ)を持たせる。ユーザ指示などによりアングルを切り替えた直後には、必ず対応したアングルのILVUの先頭位置へアクセスされるので、ILVUの最初のVOBUに必ずビデオデータを持たせることでアングル切り替え時の静止画表示までの時間短縮が可能となる。
【0088】
〔オブジェクト情報記録場所〕
図1の(f)のタイトル用ビデオオブジェクト領域(HDVTSTT_VOBS)43の中に上記仮想アクセスユニットが定義される静止画データが記録される。また、この領域は図2のVTS00102.HDVファイルを構成する。
【0089】
〔管理情報記録場所〕
上記仮想アクセスユニットが定義される静止画データを管理する管理情報は図1の(f)のHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内に存在し、この領域は図2のVTGS00100.IFOファイル内にまとまっている。上述したようにビデオフレームの期間またはビデオフレームの整数倍の期間を単位として仮想的に細かく時間分割して仮想的にアクセスユニットの期間を設定するので、実際の仮想アクセスユニットの境界位置は計算上で算出することになる。
【0090】
(D)セルコマンドを含むセルのシームレス再生
〔ポイント1〕
従来のSDのDVDビデオではセルコマンドを持つセル間のシームレス再生を保証しなかったのに対して『セルコマンドを実行するセルに対してもマルチアングルなどの分岐点を持たない場合にはセル間のシームレス再生を保証』する所に特徴がある。すなわち、ビデオ再生においてマルチアングル等の分岐点を持たない限りにおいて(セルコマンドを実行する場合においても)可能な限り次のセルのビデオ再生を連続して開始することとし、それを可能にするための手段として前のセルの再生が完了した後、0.5秒以内に次のセルの再生を開始できるようにコンテンツの物理的配置などを工夫している。
【0091】
〔ポイント2〕
また、セルコマンドを実行するセルに対してもセル間のシームレス再生が保証されている箇所に関してはオブジェクト(ビデオデータ)の管理情報の中に下記のように明記する。図38に示したセル再生情報(C_PBI)530内のセルカテゴリ情報(C_CAT)には図示してないがシームレス再生フラグ、インターリーブ配置フラグ、STC不連続フラグ、セル再生モード情報が存在する。
【0092】
セルコマンドを実行するセルに対してもセル間のシームレス再生が保証されている箇所に関してシームレス再生フラグに対して『セルはシームレスに再生すべき』と設定し、インターリーブ配置フラグに対しては『連続ブロック内に存在している』と設定し、STC不連続フラグに対しては『STCのリセットは不要』と設定し、セル再生モードに対しては『連続再生』と設定する。
【0093】
〔ポイント3〕
従来のSDのDVDビデオでは各セルの再生終了時にセルコマンドのセットの中から1コマンドを選択して実行することになっているが、前記制約を撤廃してセルコマンドの実行は必ずしもセルの再生終了時の実行に限らないこととする。また、1個のセルに対するセルコマンドの実行は1コマンドのみに限らず、複数のコマンドを順次(シーケンシャルに)実行できるようにしている。すなわち、図38に示すようにHDのDVDビデオでは1個のセルに対する管理情報のセル再生情報(C_PBI)内にセルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)とセルコマンド連続数情報(C_CMD_C_Ns)を持たせている。
【0094】
図35に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内にセルコマンド(C_CMD)513がシーケンシャルに配置されている。セルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)により複数配置されているセルコマンド(C_CMD)513列の内、上から何番目のセルコマンドからコマンドを実行するかを示し、そこから順次(シーケンシャルに)何個のコマンドを連続して実行するかをセルコマンド連続数情報(C_CMD_C_Ns)が示している。
【0095】
(E)ハイライト情報と副映像間のアンマッチ対策
〔ポイント1〕
(E1)の問題点を解決するため“グラフィックユニット”と言う独立したストリームを新たに定義し、そのグラフィックユニット内に同時にハイライト情報と(従来“副映像”が持っていた)グラフィックデータの両方を持たせ、副映像情報と分離することで、上記(E1)で説明したように、副映像情報の表示期間に左右されることなく、コンテンツ製作者は、イメージ通りのコンテンツが作成でき、自由度が向上し、結果ユーザへ多彩なコンテンツを提供することができる。
【0096】
また、グラフィックユニットとして16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像及びパンスキャンのSD画像のそれぞれに対応した5種類が設定可能でそれぞれの種類に応じて5種類のサブストリームIDが設定可能となっている。
【0097】
従来のSDのDVDビデオコンテンツではナビパック内のPCI記録領域内にハイライト情報を記録していたのに対し、本発明のHDのDVDビデオコンテンツでは上記ハイライト情報の記録位置をグラフィックユニット内に移し、1画面内に同時に24個までのボタン設定を可能とする。また、各ボタンに対して256色まで指定でき、選択時のハイライトなどで色の変更が可能である。さらに、256階調までのグラデーションによるコントラストのミキシングも表現できる。
【0098】
〔ポイント2〕
(E2)に示した問題点を解決するため、従来の副映像ストリームに対する配色数を増やす代わりに上記の“グラフィックユニット”内のグラフィックデータに対する使用可能な配色数を256色(8ビットによる色表現)とする。その結果、鮮やかな色彩を持ったグラフィックユニット画像をユーザに表示可能となり、ユーザへの表示インパクトが向上すると共にユーザがメニュー選択し易くなる。
【0099】
〔ポイント3〕
(E3)に示した問題点を解決するため、上記の“グラフィックユニット”内にグラフィックデータとマスクデータを持たせ、両者共に表示パターンをビットマップ状に設定可能とすることで任意の形状を設定できるようにした。その結果、星形や楕円形のハイライト情報指定領域(任意のボタン形状)が作成可能となり、従来のSDのDVDコンテンツよりも遙かに見栄えの良い画面が提供できる。
【0100】
〔ポイント4〕
(E4)に示した問題点を解決するため、上記の“グラフィックユニット”内にマスクデータを持たせ、このマスクデータとして画面内の互いに離れた複数領域(ホットスポット)を同時に設定可能とした。つまり、ハイライト情報の各ボタンに対してマスキングデータを重ねて設定できる構造にした。その結果、画面内の互いに離れた複数領域に対して同一のURLを設定できるPC画面やインターネットのホームページ画面と比べて見劣りがせず、ユーザに取って使い易いメニュー画面を提供できる。
【0101】
〔オブジェクト情報記録場所〕
下記の4箇所内にグラフィックユニットを記録できる。
【0102】
(1)図1の(e)のファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域で図2のHD_FPPGC.HDVファイル内にまとまっている。
【0103】
(2)図1の(e)のメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32の領域で図2のHD_VMG01.HDVファイル内にまとまっている。
【0104】
(3)図1の(f)のメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42の領域で図2のVTS00100.HDVファイル内にまとまっている。
【0105】
(4)図1の(f)のタイトル用ビデオオブジェクト領域(HDVTSTT_VOBS)43の領域で図2のVTS00101.HDVやVTS00102.HDVファイル内にまとまっている。
【0106】
〔オブジェクト情報内のデータ構造〕
図45の(d)に示すように16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像のそれぞれに対応した4種類のストリームに別々に記録される。
【0107】
また、図46に示すようにグラフィックユニットGU内部はハイライト情報(HIL)b2とマスクデータb3、グラフィックデータb4から構成される。
【0108】
〔管理情報記録場所〕
PGC内に配置するグラフィックユニットのストリームに関する制御情報を図33、図34のPGC・グラフィックユニットストリーム・制御テーブル(PGC_GUST_CTLT)内に持たせる。
【0109】
〔管理情報内容〕
HDビデオマネージャのメニュー内に含まれるグラフィックユニットに関する管理情報として図4に示すようにHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内にHDVMGMのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVMGM_GUST_Ns)とHDVMGMのグラフィックユニットストリーム属性情報(HDVMGM_GUST_ATR)を持つ。
【0110】
また、HDVTS(HDのビデオタイトルセット)内に含まれるグラフィックユニットに関する管理情報は図21に示すように、グラフィックユニットストリーム数情報と属性情報がHDVTS内のメニュー画面とタイトル(表示映像)に分かれてそれぞれHDVTSM_GUST_Ns、HDVTSM_GUST_ATR、HDVTS_GUST_Ns、HDVTS_GUST_ATRTの情報として記録されている。
【0111】
PGC内に配置するグラフィックユニットのストリームに関する制御情報が記録されるPGC・グラフィックユニットストリーム・制御テーブル(PGC_GUST_CTLT)内の情報は図33、図34に示すように4種類の各画像(16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像)に対応してそれぞれ別領域に記録する。
【0112】
(F)メニュー画面切り替え表示時のオーディオデータ再生
〔ポイント1〕
(F)に示した問題点を解決するため、メニューに対応した独自のオーディオデータ格納場所を設定する。メニューを表示するPGCの再生開始時間に同時にこの独自のオーディオデータの再生表示を開始する。また、一連のメニュー表示が完了するなどオーディオデータの再生が不要となる(例えばVTSの)PGCの再生が開始すると同時に、オーディオデータの再生表示を停止する。メニュー表示する前に事前にオーディオデータを図39のメモリ部122内にコピーしておき、ユーザがメニューを遷移しながら表示している期間の間、メモリ部122にコピーしたオーディオデータを連続的に繰り返し再生し続ける。メモリ部122にコピー可能なオーディオデータの最大容量を8MBと設定している。圧縮オーディオデータの転送レートが例えば384Kbpsの場合には8MBの最大容量が有れば2.5分に相当するオーディオデータの格納が可能となる。
【0113】
〔ポイント2〕
従来のSD用DVDビデオで存在したビデオ用VOBS内に記録されているオーディオデータと上記に示した独自のオーディオデータ間の選択再生指示が可能なようにオーディオデータの選択指定情報をPGCの管理情報であるPGCI内に持たせた所にも特徴がある。その結果、コンテンツプロバイダはメニューを切り替えても連続表示されるオーディオデータと、各メニュー毎に最適に設定されたオーディオデータの選択が指定でき、コンテンツプロバイダのユーザへの表現力が向上する。
【0114】
〔オブジェクト情報記録場所〕
図1の(e)に示すようにHDビデオマネージャ記録領域30内に新たにメニュー表示時に平行して出力する音声情報が記録されるメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33を設ける。このメニュー用オーディオオブジェクト領域33のファイル構造内での記録場所として図2に示すようにVIDEO_HDの共通なディレクトリ(フォルダ)内にHD_MENU0.HDAファイルとして独自のファイル内に記録する。本発明実施形態では情報記憶媒体内にメニュー用のオーディオオブジェクト(オーディオデータ)を複数種類記録が可能になっている。それぞれのメニュー用のオーディオオブジェクト(AOB)は図19に示すようにメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内に順番に配置記録されている。
【0115】
〔管理情報記録場所〕
このメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33のオブジェクトに対する管理データを図3に示すようにHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内のHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318内に記録する。
【0116】
また、メニュー用AOB(HDMENU_AOB)を参照(指定)する情報の設定場所として本発明実施形態では全体のメニューに関しては図7に示すようにHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット312c内のHDVMGM_PGCIサーチポインタ#n(HDVMGM_PGCI_SRP #n)312c2内のHDVMGM_PGCカテゴリ情報(HDVMGM_PGC_CAT)内に配置し、HDVTS単位でのメニューに関しては図26に示すようにHDVTS_PGCIサーチポインタ#n(HDVTSM_PGCI_SRP #n)413c2内のHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内に配置する。
【0117】
本発明の他の実施形態では図33、図34に示すようにプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50内のRSM&AOBカテゴリ(RSM&AOB_CAT)内に配置する。
【0118】
〔管理情報内容〕
全体のメニューに関しては図7に示すようにHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット312c内のHDVMGM_PGCIサーチポインタ#n(HDVMGM_PGCI_SRP #n)312c内のHDVMGM_PGCカテゴリ情報(HDVMGM_PGC_CAT)内に、HDVTS単位でのメニューに関しては図26、図27に示すようにHDVTS_PGCIサーチポインタ#n(HDVTSM_PGCI_SRP #n)413c2内のHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内に
(1)HDMEMU_AOBSの中の再生するAOB番号#n(図19で並んでいるメニュー用AOB(HDMENU_AOB)の内、何番目のAOBが対応するか)を指定する音声情報番号と、
(2)本発明におけるHDコンテンツのメニューを画面表示した時に同時に再生する音声情報の選択情報と、音声情報再生の開始・継続・終了トリガー情報を示す音声情報選択フラグが記録される。
【0119】
図7と図24または図33、図34ではメニュー画面表示時に同時に表示するメニュー用オーディオオブジェクトを指定する管理情報を示している。それに対応してメニュー用のオーディオオブジェクト自体に対する管理情報内容は図17に示すようにHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル情報(HDMENU_AOBSITI)318aと情報記憶媒体内に記録されているメニュー用AOBのそれぞれに対する個々の管理情報であるHDメニュー・オーディオオブジェクト情報(HDMENU_AOBI)318から構成される。
【0120】
このHDMENU_AOBIにはHDMENU_AOBの再生情報(曲の再生時間)を表すHDMENU_AOB_PBI、オブジェクトの属性(LPCMやAC−3など)を表すHDMENU_AOB_ATR、HDMENU_AOB#nの先頭アドレス、終了アドレスを示すHDMENU_AOB_SA、HDMENU_AOB_EAが含まれる。また先頭、終了アドレスについてはHDMENU_AOB#nの絶対もしくは相対のサイズが書かれる場合もある。
【0121】
また、上記(1)、(2)の情報は図33においてRSM&AOB_CATで表現することもできる。
【0122】
〔アクセス情報〕
図4に示すように情報記憶媒体(光ディスクまたはHDのDVDディスク)内でのメニュー表示時に同時に出力する音声情報が記録されるメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33が記録されている場所を示すHDMENU_AOBSの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBS_SA)とそのメニュー用オーディオオブジェクトに対する管理情報が記録されているHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318が記録されている場所を示すHDVMGM_AOBS情報テーブルの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBSIT_SA)がHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内に記録される。
【0123】
(G)上記の特徴を持ち、ユーザに対する表現力を一層向上させると共に、ユーザが使い易いコンテンツを図2に示すように従来のDVDビデオコンテンツが記録されている場所とディレクトリ(フォルダ)を分けて管理している。すなわち、従来のDVDビデオコンテンツは映像情報(ビデオデータ、副映像データ、音声データを総称したビデオオブジェクト)とその映像情報を管理する管理データをまとめてVIDEO_TSと言う名のディレクトリ(フォルダ)の下にまとめて配置して管理している。
【0124】
それに対して(A)〜(F)の特徴を持つコンテンツを映像とその映像情報を管理する管理データを一緒に図2に示すようにVIDEO_HDと言う名の別ディレクトリ(フォルダ)内で管理し、情報再生装置の再生制御の利便性を向上させている。
【0125】
本発明に対応したHDコンテンツではメニュー表示時に同時に出力する音声情報が記録されているHD_MENU0.HDAファイルが存在するが、そのファイルは従来のDVDビデオコンテンツには存在しない。
【0126】
また、本発明に対応した情報再生装置では図39に示すようにグラフィックデコーダ部113を持つが、従来のDVDビデオコンテンツを再生する情報再生装置では持っていない。従って、従来のDVDビデオコンテンツと本発明のHDコンテンツを混在再生する場合に、情報再生装置側でコンテンツ毎に使用する回路と制御プログラムを切り替える必要がある。図2に示すように、コンテンツ毎にディレクトリ(フォルダ)を分けることで情報再生装置側でのコンテンツ識別が非常に容易となり、ファイルへのアクセス時に回路と制御プログラムを切り替える処理によりHDとSDコンテンツの混在再生時に高速かつスムーズに切り替え処理が行える。
【0127】
《各特徴間の関係(効果説明)》
本発明では(A)、(B)の特徴を組み合わせることで簡単なオーサリングによりユーザが使い易いコンテンツを提供し、(C)〜(F)の特徴を組み合わせてユーザに対するコンテンツ表現力を一層豊かにし、ユーザに対してDVDビデオの魅力を更に高められる。
【0128】
具体的に(A)〜(F)の特徴を組み合わせた効果について2例を上げて説明する。
【0129】
〔I〕ユーザがメニューから最適な言語を選択後、別メニューを使って見たい場所を探す場合の例
本発明の情報再生装置にHDのDVDビデオディスク(情報記憶媒体)を装着後、最初に表示される画面(FP_PGC)でユーザの言語選択用画面が表示される(B)。この時にユーザが選択する言語を示すハイライト情報に対して従来の矩形とは異なる独自の形状を画面に表示する(E)ことでユーザが言語選択し易くすることが出来る。例えば、各国の言語を画面に表示する時にハイライト情報の表示範囲を対応する国の地図上の形を表示し、選択すべき言語を読まずにハイライト情報の表示範囲の形状を識別するだけでユーザが希望の言語を指定可能となる。また、地球儀や世界地図で日本が赤く塗りつぶされている場合が多い。従ってグラフィックユニットの表示色を256色持たせ(E)、(日本語を赤く表示するなど)言語毎に対応した色で表示し、ユーザが色を識別しただけで対応言語の識別を可能に出来る。
【0130】
また、ユーザが言語選択後にタイトルのサムネール(頭出し位置を指定する先頭画面を示した縮小画像)一覧表に移り、見たい映像場所を探す場合が多い。従来のDVDビデオのメニューでもサムネールの下に頭出し位置を示すテキストが表示されている場合が多い。この時にグラフィックユニットを用いてユーザが見たい場所の検索をより一層容易にすること(E)も可能となる。すなわち、映像タイトル内で大きく場面が変わる等の大きな切れ目を表す場所にはハイライト情報の表示範囲を“星形”に表示すると共に、その中を赤などの目立つ色で表現し、それよりも下の階層に属し、スキップ先を示す程度の場所を“丸印”で表示すると共に、淡い黄色や薄い青で表現して大きな切れ目は無いようにグラフィカルに表示することが可能となる。
【0131】
更に(F)に掲げた特徴を活用すると、『ユーザが言語選択後にタイトルのサムネール一覧表に移り見たい映像場所を探す』と言う一連の操作の期間中に(言語選択用メニュー画面からタイトルサムネール一覧画面への切り替わり時でも)途切れること無く連続して音声情報を出力することが可能となり、ユーザが気持ちよくメニュー間の切り替えが行える。
【0132】
図39に示す情報再生装置において上記を可能にする具体的な処理方法について説明する。情報再生装置にHDのDVDビデオディスク(情報記憶媒体1)を装着すると、ディスクドライブ部101が管理情報である図1の(e)に示すHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31とHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41を読み込み、メモリー部122に読み込む。次にMPU部121がメモリー部122に一時記憶された内容を解析してプリロード再生対象のオーディオデータAOBの有無を確認する。MPU部121がプリロード再生対象のオーディオデータAOBが存在すると判定すると、ディスクドライブ部101を制御して図1の(e)に示すメニュー用オーディオオブジェクト情報(HDMENU_AOBS)33を読み取り、メモリー部122に一時保存する。次に、図4に示したファーストプレイPGCI(FP_PGCI)の情報に従ってユーザに対する言語選択用メニュー画面を表示すると同時に、メモリー部122に一時保存されたオーディオデータAOBの再生を開始する。次に、タイトルのサムネール一覧を示す画面にユーザが切り替えた時点で図27に示すHDVTSM_PGC_CAT内の音声情報番号が言語選択用メニュー表示時に再生したAOB番号と一致し、音声情報選択フラグが“10b”(HDMENU_AOBSが続けて再生される)を設定された場合には、メニュー画面の切り替えに影響を受けずに引き続き連続してオーディオデータが出力される。
【0133】
〔II〕映像タイトル再生途中でメニュー画面とボーナスコンテンツを表示した後映像タイトルに戻る場合の例
仮想VAU(IVAU)を定義することで静止画像を連続的に再生する複数種類のスライドショーから構成されるマルチアングル、または静止画像のスライドショーと動画から構成されるマルチアングルの再生をシームレスに行える(C)。また、セルコマンドを実行するセル間の再生をシームレスに再生できる(D)。このシームレスな再生を管理する管理情報である例えば図24に示すHDVTS_PGC_CAT内のRSM許可フラグの設定方法(“0b:許可”の設定)により、上記に示したマルチアングルのシームレス再生途中、またはセルコマンドを実行するセル間でのシームレス再生途中でユーザがメニュー画面を呼び出した後に例えば映画の予告編を表示したり、撮影現場を写すなどのボーナスコンテンツを表示後(但しボーナスコンテンツに対応したHDVTS_PGC_CAT内のRSM許可フラグを“1b:禁止”に設定した場合)に元に戻した時に、引き続きマルチアングルのシームレス再生またはセルコマンドを実行するセル間でのシームレス再生を継続させることが可能となる(A)。特に、従来のSDのDVDビデオ規格上では静止画像のスライドショーと動画から構成されるマルチアングルに対するシームレスな再生が保証されていないが、特徴(A)と(C)の組み合わせあるいは(A)と(D)の組み合わせにより、マルチアングル映像再生途中で“メニュー画面”→“ボーナスコンテンツ再生”と画面が飛んだ後に元の静止画像のスライドショーと動画から構成されるマルチアングル映像に戻り、引き続いてシームレス再生を継続させる等の多彩な表現形態が実現できる。
【0134】
更にこれらの特徴を組み合わせて多彩な表現形態が示せる例として、
(1)画家の名前が(副映像で)表示され、音声により解説付きで連続的に切り替わる絵画の表示途中で
(2)解説用の音声言語をメニュー画面で切り替え、更に
(3)副映像で同時に表示された画家の名前表示を消すようにメニュー画面で切り替え、
(4)特定の絵画について詳細に説明したボーナス映像を再生した後
(5)メニュー画面に移行する直前の絵画から再生を継続させる
などの処理を行った場合についてこれらの特徴の組み合わせ効果を説明する。従来のSDのDVDビデオ規格では(5)の操作に戻った時には『メニュー画面に移行する直前の絵画から再生を継続させる』ことは容易で無く、(5)の操作に戻った時にユーザは最初から絵画をめくる必要があった。無理に直前の絵画からの再生継続を可能にプログラミングした場合には複雑なオーサリング処理が必要となる。また、(2)と(3)を行った時に音声データが途切れること無く連続に再生することは従来のDVDビデオでは不可能であり、特徴(F)を達成して始めてそれが可能となる。特徴(A)と(C)と(D)と(F)を同時に達成可能なデータ構造を規格上で規定することで、図39に示す情報再生装置のメモリー部122のメモリー容量の設定とメモリー領域内の管理方法の設定を行い、特徴(A)と(C)と(D)と(F)の同時達成を可能とする。すなわち、特徴の(A)に対応してメニュー画面への切り替わり時に、図44に示したシステムパラメーターの4(タイトル番号)から8(ハイライトボタン番号)の値の設定をすると共に、対応するセル番号情報と該当セルの最初に配置されたナビゲーションパックのアドレス情報、VTSの番号の情報を記録するメモリー部122内の領域を確保し、また図24のRSM許可フラグ情報に基づき前記情報の管理を行う。また、(C)を並列実行するために仮想ビデオアクセスユニットIVAUに対応したインターリーブユニット(ILVU)分のデータが記録できる場所をメモリー部122内に確保する。また、(F)を達成可能なように事前に一時記憶する(プリロード)音声データの格納領域をメモリ部122内に割り当て、図8および図27に示した音声情報選択と音声情報番号に基づき前記割り当て領域内の管理を行う。本発明実施形態における情報再生装置ではこのようにメモリー部122内の管理を行って特徴(A)と(C)と(D)と(F)の同時達成を可能にしている。
【0135】
また、特徴(2)と(3)の操作の段階で特徴(E)を用いてユーザにとって選択メニューを見易く、かつ選択し易いように(従来のDVDビデオ規格上では不可能だった)256色の色表現とハイライト情報の表示輪郭を(矩形以外の)独自形状にし、特徴(F)と組み合わせてユーザに一層の快適感を提供できる。
【0136】
また、本発明実施形態ではFP_PGCでは副映像ストリームを持つことを禁止し、その代わりグラフィックユニットを使用するように規定しているため、ユーザへの言語選択メニュー画面がグラフィックユニットで規定された256色表現とハイライト情報を示す画面領域の輪郭形状を(矩形に限らず)多彩に設定できるため、ユーザへの言語選択メニュ画面がより一層選択し易くなる。例えば
○日本語を選ぶ場所では“日本語”と記述されると共に画面領域を“日本地図の形状”にし、その中を地球儀や世界地図でよく使われる“赤”で塗りつぶし、
○英語(米語)を選ぶ場所では“English”と記述すると共に画面領域を星条旗を意識して“星形”に設定し、
○さらに星条旗の星が入っている部分の色を利用して星の中を“青”で塗りつぶす
ように表現すると、ユーザは文字を読むまでも無く形や色で言語コードを選択できる。
【0137】
特に、図4に示すように(B)の特徴を発揮するユーザに対する言語選択用メニューに対する管理情報が記録されているファーストプレイPGCI(FP_PGCI)の情報が、そして(F)の特徴を発揮するHDMENU_AOBSの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBS_SA)とHDVMGM_AOBS情報テーブルの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBSIT_SA)、(E)の特徴を発揮するHDVMGMのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVMGM_GUST_Ns)とHDVMGMのグラフィックユニットストリーム属性情報(HDVMGM_GUST_ATR)を共通のHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内に配置することで管理が容易となり、本発明実施形態の情報再生装置において(A)〜(F)の特徴を同時にあるいは連続してユーザに表現する場合の処理プログラムの簡素化が図れ、情報再生装置の信頼性と安定性が向上させられるばかりで無く、プログラムの簡素化に起因した情報再生装置の低価格化を達成できる。
【0138】
同様に図33、図34に示すように本発明実施形態における(A)の特徴を発揮するRSM許可フラグフラグ情報、(E)の特徴を発揮するPGC・グラフィックユニットストリーム・制御テーブル情報(PGC_GUST_CTLT)と(F)の特徴を発揮する音声情報選択と音声情報番号を共通のプログラムチェーン一般(PGC_GI)50内に配置することで管理が容易となり、本発明実施形態の情報再生装置において(A)〜(F)の特徴を同時に、あるいは連続してユーザに表現する場合の処理プログラムの簡素化が図れ、情報再生装置の信頼性と安定性が向上させられるばかりで無く、プログラムの簡素化に起因した情報再生装置の低価格化を達成できる。
【0139】
図1に本発明実施形態におけるディスク形状の情報記憶媒体1(図1の(a))に記録される情報内容について説明する。図1の(b)に示すように情報記憶媒体1は内周側からリードイン領域10、データ領域12,リードアウト領域13から構成されている。
【0140】
情報記憶媒体1ではファイルシステムにISO9660とUDFのブリッジ構造を採用し、データ領域12の一部にISO9660とUDFのボリューム/ファイル構造情報領域11を持っている。データ領域12内には図1の(c)に示すようにビデオデータ記録領域20と一般のコンピュータ情報記録領域22の混在配置が許されている。ビデオデータ記録領域20内は図1の(d)に示すようにビデオデータ記録領域20内に記録されたHDのDVDビデオコンテンツ全体に関する管理情報が記録されたHDビデオマネージャ記録領域(HDVMG:HD対応のビデオマネージャ)30と、各タイトル毎にまとめられ、各タイトル毎の管理情報と映像情報(ビデオオブジェクト)がまとめて記録されたHDビデオタイトルセット記録領域(HDVTS:HD対応のビデオタイトルセット)40から構成されている。
【0141】
HDビデオマネージャ記録領域(HDVMG:HD対応のビデオマネージャ)30の中は図1の(e)に示すようにビデオデータ記録領域20全体に関わる管理情報を示すHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI:HD対応のビデオマネージャ情報)31と、そのバックアップ用としてHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI:HD対応のビデオマネージャ情報)31と全く同じ情報が記録されたHDビデオマネージャ情報バックアップ領域(HDVMGI_BUP)34、ビデオデータ記録領域20全体を示すトップメニュー画面が記録されたメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32から構成されている。更に、本発明実施形態ではHDビデオマネージャ記録領域30内に新たにメニュー表示時に平行して出力する音声情報が記録されるメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33を新たに設けている。本発明実施形態ではメニュー記述言語コードが設定できる画面をファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域に記録する。
【0142】
各タイトル毎の管理情報と映像情報(ビデオオブジェクト)がまとめて記録された1個のHDビデオタイトルセット記録領域(HDVTS:HD対応のビデオタイトルセット)40の内部はHDビデオタイトルセット記録領域(HDVTS:HD対応のビデオタイトルセット)40内の全コンテンツに対する管理情報が記録されているHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41と、そのバックアップデータでHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41と全く同じ情報が記録されたHDビデオタイトルセット情報バックアップ領域(HDVTSI_BUP)44、ビデオタイトルセット単位でのメニュー画面の情報が記録されたメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42と、このビデオタイトルセット内でのビデオオブジェクト(タイトルの映像情報)データが記録されているタイトル用ビデオオブジェクト領域(HDVTSTT_VOBS)43から構成される。
【0143】
各領域はISO9660とUDFのブリッジ構造を持ったファイルシステムではそれぞれ別々のファイルを構成することになる。従来のSDのDVDビデオコンテンツは図2に示すように“VIDEO_TS”と言う名のディレクトリ下にまとめて配置されているのに対して、本発明実施形態で示すHDのDVDビデオコンテンツはそれとディレクトリを分け、“VIDEO_HD”と言うディレクトリの下にまとめて配置することになる。
【0144】
すなわち、このメニュー用オーディオオブジェクト領域33のファイル構造内での記録場所として、図2に示すようにVIDEO_HDの共通なディレクトリ(フォルダ)内にHD_MENU0.HDAファイルとして独自のファイル内に記録する。また、ファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の領域内の最初にメニュー記述言語コードを設定する画面データ(ビデオデータ)を単独ファイルとして独立させ、ファイル名をHD_FPPGC.HDVとする。また、HDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI:HD対応のビデオマネージャ情報)31はHD_VMG00.HDIファイル内、HDビデオマネージャ情報バックアップ領域(HDVMGI_BUP)34はHD_VMG00.BUPファイル内、メニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32はHD_VMG01.HDVファイル内、HDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41はVTS00100.IFOファイル内、HDビデオタイトルセット情報バックアップ領域(HDVTSI_BUP)44はVTS00100.BUPファイル内、メニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42はVTS00100.HDVファイル内、タイトル用ビデオオブジェクト領域(HDVTSTT_VOBS)43はVTS00101.HDVファイルやVTS00102.HDVファイル内とそれぞれ個別のファイル内に格納される。
【0145】
図1の(e)に示すHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内の詳細なデータ構造を図3に示す。
【0146】
メニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33のオブジェクトに対する管理データを図3に示すようにHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内のHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318内に記録する。HDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310からHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ(HDVMGM_VOBU_ADMA)317までのデータ構造は従来のSDのDVDビデオの管理情報と一致している。本発明実施形態では新規に追加するHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318を従来のDVDビデオの管理情報と一致している部分と分けてその後ろに配置することで、従来のSDのDVDビデオの管理情報を使った従来の制御プログラムの兼用使用を可能として本発明実施形態に対応した情報再生装置の制御プログラムの簡素化を図ることができる。
【0147】
また、HDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内には他にビデオデータ記録領域20内に記録されたHDのDVDビデオコンテンツ全体に共通する管理情報を纏めて記録したHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)情報310、HDのDVDビデオコンテンツ内に存在する各タイトルの検索(頭出し位置検出)に役立つ情報が記録されたタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)情報311、メニューを表示するメニュー記述言語コード毎に分けられて配置されたメニュー画面の管理情報が記録されているHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)情報312、子供に見せられる映像と見せられない映像をパレンタル情報として管理する情報が記録されたパレンタル管理情報テーブル(PTL_MAIT)情報313、タイトルセットの属性に関してまとめて記録されているHDビデオタイトルセット属性情報テーブル(HDVTS_ATRT)情報314、ユーザに表示するテキスト情報がまとまって記録されたテキストデータマネージャ(TXTDT_MG)情報315、メニュー画面を構成するセルの開始アドレスの検索に役立つ情報が記録されたHDビデオマネージャメニューセルアドレステーブル(HDVMGM_C_ADT)情報316、メニュー画面を構成するビデオオブジェクトの最小単位を示すVOBUのアドレス情報が記録されたHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ(HDVMGM_VOBU_ADMAP)情報317が存在する。
【0148】
図3のHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内の詳細なデータ構造を図4に示す。
【0149】
図4に示すように(B)の特徴を発揮するユーザに対する言語選択用メニューに対する管理情報が記録されているファーストプレイPGCI(FP_PGCI)の情報が、そして(F)の特徴を発揮するHDMENU_AOBSの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBS_SA)とHDVMGM_AOBS情報テーブルの先頭アドレス情報(HDMENU_AOBSIT_SA)、(E)の特徴を発揮するHDVMGMのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVMGM_GUST_Ns)とHDVMGMのグラフィックユニットストリーム属性情報(HDVMGM_GUST_ATR)を共通のHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内に配置する。
【0150】
また、HDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内にはその他にHDビデオマネージャ識別子(HDVMG_ID)、HDビデオマネージャの終了アドレス(HDVMG_EA)、HDビデオマネージャ情報の終了アドレス(HDVMGI_EA)、HD−DVDビデオ規格のバージョン番号(VERN)、HDビデオマネージャカテゴリ(HDVMG_CAT)、ボリュームセット識別子(VLMS_ID)、アダプテーション識別子(ADP_ID)、HDビデオタイトルセットの数(HDVTS_Ns)、プロバイダ独自の識別子(PVR_ID)、POSコード(POS_CD)、HDビデオマネージャ情報・管理テーブルの終了アドレス(HDVMGI_MAT_EA)、ファーストプレイプログラムチェーン情報の先頭アドレス(FP_PGCI_SA)、HDVMGM_VOBSの先頭アドレス(HDVMGM_VOBS_SA)、TT_SRPTの先頭アドレス(TT_SRPT_SA)、HDVMGM_PGCI_UTの先頭アドレス(HDVMGM_PGCI_UT_SA)、PTL_MAITの先頭アドレス(PTL_MAIT_SA)、HDVTS_ATRTの先頭アドレス(HDVTS_ATRT_SA)、TXTDT_MGの先頭アドレス(TXTDT_MG_SA)、HDVMGM_C_ADTの先頭アドレス(HDVMGM_C_ADT_SA)、HDVMGM_VOBU_ADMAPの先頭アドレス(HDVMGM_VOBU_ADMAP_SA)、HDVMGMのビデオ属性(HDVMGM_V_ATR)、HDVMGMのオーディオストリーム数(HDVMGM_AST_Ns)、HDVMGMのオーディオストリーム属性(HDVMGM_AST_ATR)、HDVMGMのサブピクチャストリーム数(HDVMGM_SPST_Ns)、HDVMGMのサブピクチャストリーム属性(HDVMGM_SPST_ATR)の各種情報が記録されている。
【0151】
図3に示したタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311内のデータ構造を図5に示す。タイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311はタイトルサーチポインタテーブル情報(TT_SRPTI)311aとタイトルサーチポインタ(TT_SRP)情報311bから構成されている。タイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311内のタイトルサーチポインタ(TT_SRP)情報311bはHDのDVDビデオコンテンツ内に含まれるタイトル数に応じて複数個を任意数だけ設定できる。タイトルサーチポインタテーブル情報(TT_SRPTI)311aはタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311の共通管理情報が記録され、このタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311内に含まれるタイトルサーチポインタの数(TT_SRP_Ns)情報と、HDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)のファイル(図2のHD_VMG00.HDI)内でのこのタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311の終了アドレス(TT_SRPT_EA)情報が記録される。
【0152】
また1個のタイトルサーチポインタ(TT_SRP)情報311b内にはこのサーチポインタが示すタイトルに関するタイトルプレイバックタイプ(TT_PB_TY)、アングル数(AGL_Ns)、Part_of_Title(PTT)の数(PTT_Ns)、タイトル用Parental_ID_Field(TT_PTL_ID_FLD)情報、HDVTS番号(HDVTSN)、HDVTSタイトル番号(HDVTS_TTN)、本HDVTSの先頭アドレス(HDVTS_SA)の各種情報が記録される。
【0153】
次に、図3に示したHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内のデータ構造を図6に示す。HDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内はHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内の共通管理情報が記録されているHDビデオマネージャメニュー・プログラムチェーン情報ユニットテーブル情報(HDVMGM_PGCI_UTI)312aとメニューを表示するメニュー記述言語コード毎にまとめられ、メニュー情報に関する管理情報が記録されたHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cが記録されている。HDのDVDビデオコンテンツでサポートするメニュー記述言語コードの数だけHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cの情報を持つ。また、HDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内では各メニュー記述言語コード毎のHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cへのアクセスを容易にするため、各HDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cの先頭アドレス情報を持つHDビデオマネージャメニュー・言語ユニットサーチポインタ(HDVMGM_LU_SRP)の情報312bを各HDビデオマネージャ言語ユニット(HDVMGM_LU)312cの数だけ持っている。
【0154】
HDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内にはHDビデオマネージャメニュー・言語ユニットの数(HDVMGM_LU_Ns)情報とHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)のファイル(図2のHD_VMG00.HDI)内でのこのHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312の終了アドレス(HDVMGM_PGCI_UT_EA)情報を持つ。
【0155】
また、HDビデオマネージャメニュー・言語ユニットサーチポインタ(HDVMGM_LU_SRP)の情報312b内には、上述したようにHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)のファイル(図2のHD_VMG00.HDI)内でのHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312の開始位置から対応するHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cの先頭位置までの差分アドレス情報(HDVMGM_UT_SA)を持つだけでなく、対応するHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cのメニュー記述言語コードを示すHDビデオマネージャメニュー言語コード(HDVMGM_LCD)の情報と、対応するHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312cがユーザに表示するメニュー画面をVOBとして持つか否かを示すHDビデオマネージャメニューの有無(HDVMGM_EXST)情報も有している。
【0156】
図3に示したHDビデオマネージャメニューPGCI(HDVMGM_PGCI_UT)312内に記録されるHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット#n(HDVMGM_LU #n)312c(図6)内の詳細なデータ構造を図7に示す。
【0157】
HDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312c内は、HDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312c内のメニューに関する共通の管理情報が記録されたHDビデオマネージャメー言語ユニット情報(HDVMGM_LUI)312c1と、図7に示した構造を有するHDビデオマネージャメニュー・プログラムチェーン情報(HDVMGM_PGCI)312c3と、HDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)のファイル(図2のHD_VMG00.HDI)内でのHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312c先頭位置から各HDビデオマネージャメニュー・プログラムチェーン情報(HDVMGM_PGCI)312c3の先頭位置までの差分アドレスを示すHDVMGM_PGCIサーチポインタ(HDVMGM_PGCI_SRP #1)の情報312c2の各情報を持つ。
【0158】
HDビデオマネージャメニュー・言語ユニット#n(HDVMGM_LU #n)312c内の最初の領域(グループ)に配置されるHDビデオマネージャメー言語ユニット情報(HDVMGM_LUI)312c1内はHDVMGM_PGCI_SRPの数(HDVMGM_PGCI_SRP_Ns)に関する情報とHDVMGM_LUの終了アドレス(HDVMGM_LU_EA)情報を有し、HDVMGM_PGCIサーチポインタ(HDVMGM_PGCI_SRP #1)の情報312c2はHDVMGM_PGCIの先頭アドレス(HDVMGM_PGCI_SA)情報とHDVMGM_PGCカテゴリ(HDVMGM_PGC_CAT)情報を持つ。
【0159】
HDVMGM_PGCIサーチポインタ#n(HDVMGM_PGCI_SRP #n)312c2内のHDVMGM_PGCカテゴリ情報(HDVMGM_PGC_CAT)内に本発明におけるHDコンテンツのメニューを画面表示した時に同時に再生する音声情報の選択情報と、音声情報再生の開始・終了トリガー情報を示す音声情報選択フラグ(音声情報選択)が記録される。本発明におけるHDコンテンツのメニューを画面表示した時に同時に再生する音声データとして、
(1)図1の(e)に示したメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32内に記録されたオーディオデータ(図示してないがオーディオパック内に分散記録されている)、
(2)図1の(e)に示したメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMEMU_AOBS)33内に存在し、図19に示すように1個以上のメニュー用AOB(HDMENU_AOB)が順番に並んで配置されたオーディオデータ、
のいずれかを選択できる。
【0160】
ここで音声情報選択フラグ(音声情報選択)の“00b”を選択した時には、(1)のオーディオデータが再生され、メニューの切り替わり時に音声再生が途切れる。また、音声情報選択フラグ(音声情報選択)の“10b”または“11b”を選択した時には、(2)に示したメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMEMU_AOBS)33内に存在するメニュー用AOB(HDMENU_AOB)のオーディオデータが再生される。(2)に示したオーディオデータを再生する場合には“11b”を指定した場合にはメニュー画面の変更毎にオーディオデータが最初から再生を開始し、“10b”を指定した場合にはメニュー画面の切り替えに関わらず連続してオーディオデータの再生が続けられる。本発明実施形態では図19に示すようにメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内に複数種類のメニュー用AOB(HDMENU_AOB)を格納しておける。図8に示した音声情報番号は該当するメニュー表示用PGCを表示する時に同時に再生するメニュー用AOB(HDMENU_AOB)の選択情報を示している。メニュー用AOBの選択情報として図19に配置されているメニュー用AOBの中で“上から何番目のAOBを選択するか”の番号情報で選択する。
【0161】
図8に示すように、HDVMGM_PGCカテゴリ(HDVMGM_PGC_CAT)情報内には、エントリーPGCか否かを判別するエントリータイプ情報、メニューの識別を表す(例えばタイトルのメニューか等)メニューID情報、ブロックモード情報、ブロックタイプ情報、PTL_ID_FLD情報が記録されている。
【0162】
図3に示したパレンタルマネジメント(管理)情報テーブル(PTL_MAIT)313内のデータ構造を図9に示す。パレンタル管理情報テーブル情報(PTL_MAITI)313a内には国の数(CTY_Ns)、HDVTSの数(HDVTS_Ns)、PTL_MAITの終了アドレス(PTL_MAIT_EA)のそれぞれの情報が記録され、パレンタル管理情報サーチポインタ(PTL_MAI_SRP)313bは国コード(CTY_CD)とPTL_MAIの先頭アドレス(PTL_MAI_SA)の情報を持つ。
【0163】
また、図9に示したパレンタル管理情報(PTL_MAI)313c内のデータ構造は図10に示すようにパレンタルレベル情報(PTL_LVLI)313c1を有し、パレンタルレベル情報(PTL_LVLI)313c1内にはHDVMG用Parental_ID_Field(PTL_ID_FLD_HDVMG)313c11とHDVTS用Parental_ID_Field(PTL_ID_FLD_HDVTS)313c12の情報を有し、更にHDVTS用Parental_ID_Field(PTL_ID_FLD_HDVTS)313c12の情報内にはPGC選択用Parental_ID_Field(PTL_ID_FLD)が存在する。
【0164】
図3に示したHDビデオタイトルセット属性情報テーブル(HDVTS_ATRT)314の中は図11に示すように、
・HDVTSの数(HDVTS_Ns)とHDVTS_ATRTの終了アドレス(HDVTS_ATRT_EA)の情報を持つHDビデオタイトルセット属性テーブル情報(HDVTS_ATRTI)314a、
・HDVTS_ATRの先頭アドレス(HDVTS_ATR_SA)の情報が記録されたHDVTS用ビデオタイトルセット属性サーチポインタ(HDVTS_ATR_SRP)314b、
・HDVTS_ATRの終了アドレス(HDVTS_ATRT_EA)とHDビデオタイトルセットのカテゴリ(HDVTS_CAT)とHDビデオタイトルセットの属性情報(HDVTS_ATRI)の各情報を有するHDVTS用ビデオタイトルセット属性(HDVTS_ATR)314cと、
から構成される。
【0165】
図3に示したテキストデータマネージャ(TXTDT_MG)315の中は図12に示すように、
・テキストデータ識別子(TXTDT_ID)とTXTDT_LUの数(TXTDT_LU_Ns)とテキストデータマネージャの終了アドレス(TXTDT_MG_EA)の各情報を有するテキストデータマネージャ情報(TXTDT_MGI)315a、
・テキストデータ言語コード(TXTDT_LCD)とキャラクタセット(CHRS)とTXTDT_LUの先頭アドレス(TXTDT_LU_SA)の各種情報が記録されたテキストデータ言語ユニットサーチポインタ(TXTDT_LU_SRP)315b、
・テキストデータ言語ユニット(TXTDT_LU)315cと、
から構成される。
【0166】
更に、テキストデータ言語ユニット(TXTDT_LU)315cの内部は図13に示すように、
・TXTDT_LUの終了アドレス(TXTDT_LU_EA)情報が記録されたテキストデータ言語ユニット情報(TXTDT_LUI)315c1、
・ボリューム用IT_TXT_SRPの先頭アドレス(IT_TXT_SRP_SA_VLM)情報が記録されたボリューム用アイテムテキストサーチポインタサーチポインタ(IT_TXT_SRP_SRP_VLM)315c2、
・タイトル用IT_TXT_SRPの先頭アドレス(IT_TXT_SRP_SA_TT)の情報を保有したタイトル用アイテムテキストサーチポインタサーチポインタ(IT_TXT_SRP_SRP_TT)315c3、
・テキストデータ(TXTDT)315c4、
の各種情報を持つ。また、テキストデータ(TXTDT)315c4の内部は図14に示すように、
・IT_TXT_SRPの数(IT_TXT_SRP_Ns)の情報を有するテキストデータ情報(TXTDTI)315c41、
・アイテムテキスト識別子コード(IT_TXT_IDCD)とIT_TXTの先頭アドレス(IT_TXT_SA)の情報が記録されたアイテムテキストサーチポインタ(IT_TXT_SRP)315c42、
・アイテムテキスト(IT_TXT)315c43
の各種情報が記録されている。
【0167】
図3に示したHDビデオマネージャメニューセルアドレステーブル(HDVMGM_C_ADT)316の中は図15に示すように、
・HDVMGM_VOBS内のVOBの数(HDVMGM_VOB_Ns)とHDVMGM_C_ADTの終了アドレス(HDVMGM_C_ADT_EA)の各情報を持つHDビデオマネージャメニューセルアドレステーブル情報(HDVMGM_C_ADTI)316a、
・HDVMGM_CPのVOB_ID番号(HDVMGM_VOB_IDN)、HDVMGM_CPのCell_ID番号(HDVMGM_C_IDN)、HDVMGM_CPの先頭アドレス(HDVMGM_CP_SA)、HDVMGM_CPの終了アドレス(HDVMGM_CP_EA)の各情報が記録されたHDビデオマネージャメニューセルピース情報(HDVMGM_CPI)316b、
の各種情報が記録されている。
【0168】
図3に示したHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ(HDVMGM_VOBU_ADMAP)317の中は図16に示すように、
・HDVMGM_VOBU_ADMAPの終了アドレス(HDVMGM_VOBU_ADMAP_EA)の情報を有するHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ情報(HDVMGM_VOBU_ADMAPI)317a、
・HDVMGM_VOBUの先頭アドレス(HDVMGM_VOBU_SA)
の各種情報が記録されている。
【0169】
図17はメニュー用AOB(HDMENU_AOB)自体に対する管理情報内容を示し、図1の(e)に示したHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内に存在する図3に示したHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318の内部データ構造を示している。HDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル(HDMENU_AOBSIT)318の最初に配置されているHDメニュー・オーディオオブジェクトセット情報テーブル情報(HDMENU_AOBSITI)318a内にはHDMENU_AOBS内のAOB数情報であるHDMENU_AOB_Nsと、HDMENU_AOBSITの終了アドレス情報(HDMENU_AOBSIT_EA)が存在する。本発明実施形態では情報記憶媒体内にメニュー用のオーディオオブジェクト(オーディオデータ)を複数種類記録が可能になっている。
【0170】
図17のHDメニュー・オーディオオブジェクト情報(HDMENU_AOBI)318bは上記個々のメニュー用のオーディオオブジェクト(オーディオデータ)に対する管理情報を示し、それぞれHDMENU_AOBの再生情報(HDMENU_AOB_PBI)、HDMENU_AOBの属性情報(HDMENU_AOB_ATR)、HDMENU_AOB #n(該当するHDMENU_AOB)の先頭アドレス情報(HDMENU_AOB_SA)、HDMENU_AOB #n(該当するHDMENU_AOB)の終了アドレス情報(HDMENU_AOB_EA)から構成される。
【0171】
図2のHD_VMG01.HDVファイル内にまとめて格納された図1の(e)に示すメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32内のデータ構造は図18に示すように同一のメニュー画面がそれぞれ異なるメニュー記述言語コードで記録されたメニュー画面(ビデオオブジェクト)が並んで配置されている。
【0172】
本発明実施形態では情報記憶媒体内にメニュー用のオーディオオブジェクト(オーディオデータ)を複数種類記録が可能になっている。メニュー用のオーディオオブジェクト(AOB)の記録場所は上述したように図1に示すようにHDビデオマネージャ記録領域(HDVMGI)30内のメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内であり、このメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33は図2に示すようにHD_MENU0.HDAと言うファイル名の1ファイルを構成している。それぞれのメニュー用のオーディオオブジェクト(AOB)はHD_MENU0.HDAと言うファイル名の1ファイルを構成しているメニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内に図19に示すように順番に配置記録されている。
【0173】
図2に示したVTS00100.IFOファイル内にまとめて記録され、図1の(f)に示したHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41の内部は図20に示すようにHDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410、HDビデオタイトルセットPTTサーチポインタテーブル(HDVTS_PTT_SRPT)411、HDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412、HDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413、HDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル(HDVTS_TMAPT)414、HDビデオタイトルセットメニュー・セル・アドレステーブル(HDVTSM_C_ADT)415、HDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTSM_VOBU_ADMAP)416、HDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417、HDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTS_VOBU_ADMAP)418の各領域(管理情報グループ)に分かれている。
【0174】
HDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410には該当するビデオタイトルセットに共通する管理情報が記録されている。この共通する管理情報をHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41の中で最初の領域(管理情報グループ)に配置することで即座にビデオタイトルセット内の共通管理情報を読み込めるので、情報再生装置の再生制御処理の簡素化と制御処理時間の短縮化が図れる。
【0175】
HDVTS(本発明のHDビデオタイトルセット)内に含まれるグラフィックユニットに関する管理情報は図1の(f)に示したHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内の最初の領域(グループ)内に配置されたHDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410(図20参照)内に記録されている。HDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410の具体的な管理情報内容は図21に示すようにグラフィックユニットストリーム数情報と属性情報がHDVTS内のメニュー画面とタイトル(表示映像)に分かれてそれぞれHDVTSMのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVTSM_GUST_Ns)、HDVTSMのグラフィックユニットストリーム属性情報(HDVTSM_GUST_ATR)、HDVTSのグラフィックユニットストリーム数情報(HDVTS_GUST_Ns)、HDVTSのグラフィックユニットストリーム属性テーブル情報(HDVTS_GUST_ATRT)として記録されている。
【0176】
また、HDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410内には図21に示すようにビデオタイトルセット内の共通管理情報の他にHDビデオタイトルセット識別子(HDVTS_ID)、HDVTSの終了アドレス(HDVTS_EA)、HDVTSIの終了アドレス(HDVTSI_EA)、HD−DVDビデオ規格のバージョン番号(VERN)、HDVTSカテゴリ(HDVTS_CAT)、HDVTSI_MATの終了アドレス(HDVTSI_MAT_EA)、HDVTSM_VOBSの先頭アドレス(HDVTSM_VOBS_SA)、HDVTSTT_VOBSの先頭アドレス(HDVTSTT_VOBS_SA)、HDVTS_PTT_SRPTの先頭アドレス(HDVTS_PTT_SRPT_SA)、HDVTS_PGCITの先頭アドレス(HDVTS_PGCIT_SA)、HDVTSM_PGCI_UTの先頭アドレス(HDVTSM_PGCI_UT_SA)、HDVTS_TMAPの先頭アドレス(HDVTS_TMAP_SA)、HDVTSM_C_ADTの先頭アドレス(HDVTSM_C_ADT_SA)、HDVTSM_VOBU_ADMAPの先頭アドレス(HDVTSM_VOBU_ADMAP_SA)、HDVTS_C_ADTの先頭アドレス(HDVTS_C_ADT_SA)、HDVTS_VOBU_ADMAPの先頭アドレス(HDVTS_VOBU_ADMAP_SA)、HDVTSMのビデオ属性(HDVTSM_V_ATR)、HDVTSMのオーディオストリーム数(HDVTSM_AST_Ns)、HDVTSMのオーディオストリーム属性(HDVTSM_AST_ATR)、HDVTSMのサブピクチャストリーム数の先頭アドレス(HDVTSM_SPST_Ns)、HDVTSMのサブピクチャストリーム属性(HDVTSM_SPST_ATR)、HDVTSのビデオ属性(HDVTS_V_ATR)、HDVTSのオーディオストリーム数(HDVTS_AST_Ns)、HDVTSのオーディオストリーム属性テーブル(HDVTS_AST_ATRT)、HDVTSのサブピクチャストリーム数(HDVTS_SPST_Ns)、HDVTSのサブピクチャストリーム属性テーブル(HDVTS_SPST_ATRT)、HDVTSのマルチチャネルオーディオストリーム属性テーブル(HDVTS_MU_AST_ATRT)の各種情報が記録されている。
【0177】
図20に示したHDビデオタイトルセットPTTサーチポインタテーブル(HDVTS_PPT_SRPT)411の中のデータ構造を図22に示す。HDビデオタイトルセットPTTサーチポインタテーブル(HDVTS_PPT_SRPT)411は
・HDVTSのTTUの数(HDVTS_TTU_Ns)とHDVTS_PTT_SRPTの終了アドレス(HDVTS_PTT_SRPT_EA)の情報を有するPTTサーチポインタテーブル情報(PTT_SRPTI)411a、
・TTUの先頭アドレス(TTU_SA)の情報が記録されたタイトルユニット・サーチポインタ(TTU_SRP)411b、
・プログラムチェーン番号(PGCN)とプログラム番号(PGN)の情報を持ったPTTサーチポインタ(PTT_SRP)411c、
の各種情報から構成されている。
【0178】
リジューム情報を管理する情報の配置場所について本発明の第1の実施形態では図23、図24に示すようにHDVTS_PGCIサーチポインタ412内のHDVTS_PGCカテゴリ内にRSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)を持たせている。HDVTS_PGCIサーチポインタ412の情報は図1の(f)に示したHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41の中に存在する図20に示したHDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412の中に配置されている。HDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412の中は図23に示すように他にHDVTS_PGCI_SRPの数(HDVTS_PGCI_SRP_Ns)とHDVTS_PGCITの終了アドレス(HDVTS_PGCIT_EA)の情報が含まれるHDビデオタイトルセットPGCI情報テーブル(HDVTS_PGCITI)412aの情報が記録されている。また、上述したHDVTS_PGCカテゴリ(HDVTS_PGC_CAT)と共にHDVTS_PGCIサーチポインタ(HDVTS_PGCI_SRP)412b内にはHDVTS_PGCIの先頭アドレス(HDVTS_PGCI_SA)の情報も記録されている。
【0179】
図24に示すRSM許可フラグ(リジューム情報の更新許可フラグ)とは該当するHDVTS_PGCの再生を開始した段階でレジューム情報の内容を更新するか(該当するPGCの再生状況に合わせてレジューム情報を逐次更新して行くか)否かの指定をする。すなわちフラグが
“0b”の場合はレジューム情報の更新を行い、
“1b”の場合はレジューム情報の更新を行わず、その前に再生したHDVTS_PGC(本発明のHDビデオタイトルセット内の対応したプログラムチェーン)の再生中断した情報を保持しておく
と言う処理を行う。また、HDVTS_PGCカテゴリ(HDVTS_PGC_CAT)の中には他にもエントリーPGCか否かを判別するエントリータイプ情報、対応するPGCが示すVTS(ビデオタイトルセット)内のタイトル番号情報、ブロックモード情報、ブロックタイプ情報、PTL_ID_FLD情報が記録されている。
【0180】
図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413の中のデータ構造を図25に示す。HDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413の内部は
・HDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニットの数(HDVTSM_LU_Ns)とHDVTSM_PGCI_UTの終了アドレス(HDVTSM_PGCI_UT_EA)の各情報を有したHDビデオタイトルセットメニュー・プログラムチェーン情報ユニットテーブル情報(HDVTSM_PGCI_UTI)413a、
・HDビデオタイトルセットメニュー言語コード(HDVTSM_LCD)とHDビデオタイトルセットメニューの有無(HDVTSM_EXST)とHDVTSM_LUの先頭アドレス(HDVTSM_UT_SA)の各情報が記録されたHDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニットサーチポインタ(HDVTSM_LU_SRP)413b、
・HDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット(HDVTSM_LU)413c
の各種情報から構成されている。
【0181】
また、HDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット(HDVTSM_LU)413c内のデータ構造は図26に示すように、
・HDVTSM_PGCI_SRPの数(HDVTSM_PGCI_SRP_Ns)とHDVTSM_LUの終了アドレス(HDVTSM_LU_EA)の情報を有するHDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット情報(HDVTSM_LUI)413c1、
・図33、図34と全く同じデータ構造を持ったHDビデオタイトルセットメニュー・プログラムチェーン情報(HDVTSM_PGCI)413c3、
・HDVTSM_PGCカテゴリ(HDVTSM_PGC_CAT)とHDVTSM_PGCIの先頭アドレス(HDVTSM_PGCI_SA)の情報が記録されたHDVTSM_PGCIサーチポインタ(HDVTSM_PGCI_SRP)413c2、
から構成される。
【0182】
メニュー用AOB(HDMENU_AOB)を参照(指定)する情報の設定場所として本発明の第1の実施形態ではHDVTS単位でのメニューに関しては、図26に示すようにHDVTS_PGCIサーチポインタ#n(HDVTSM_PGCI_SRP #n)413c2内のHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内に配置する。図27に示すHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内の音声情報番号はHDMEMU_AOBSの中の再生するAOB番号#n(図19で並んでいるメニュー用AOB(HDMENU_AOB)の内、何番目のAOBが対応するか)を指定する音声情報番号(AOB番号)を意味し、音声情報選択は本発明におけるHDコンテンツのメニューを画面表示した時に同時に再生する音声情報の選択情報と、音声情報再生の開始・終了トリガー情報を示す音声情報選択フラグ(音声情報選択)を意味している。
【0183】
ここで、音声情報選択フラグ(音声情報選択)の“00b”を選択した時には、各メニュー用ビデオオブジェクト内に記録されているオーディオデータが再生され、メニューの切り替わり時に音声再生が途切れる。また、音声情報選択フラグ(音声情報選択)の“10b”または“11b”を選択した時には、メニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMEMU_AOBS)33内に存在するメニュー用AOB(HDMENU_AOB)のオーディオデータが再生される。メニュー用オーディオデータ(AOB)を再生する場合、“11b”を指定した時にはメニュー画面の変更毎にオーディオデータが最初から再生を開始し、“10b”を指定した時にはメニュー画面の切り替えに関わらず連続してオーディオデータの再生が続けられる。本発明実施形態では、図19に示すように、メニュー用オーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)33内に複数種類のメニュー用AOB(HDMENU_AOB)を格納しておける。図27に示した音声情報番号は該当するメニュー表示用PGCを表示する時に同時に再生するメニュー用AOB(HDMENU_AOB)の選択情報を示している。メニュー用AOBの選択情報として図19に配置されているメニュー用AOBの中で“上から何番目のAOBを選択するか”の番号情報で選択する。また、HDVTSM_PGCカテゴリ(HDVTSM_PGC_CAT)内には他にもエントリーPGCか否かを判別するエントリータイプ情報、メニューの識別を表す(例えばタイトルのメニューか等)メニューID情報、ブロックモード情報、ブロックタイプ情報、PTL_ID_FLD情報が記録されている。
【0184】
図20に示したHDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル(HDVTS_TMAPT)414中のデータ構造を図28に示す。HDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル(HDVTS_TMAPT)414の内部は
・HDVTS_TMAPの数(HDVTS_TMAP_Ns)とHDVTS_TMAPTの終了アドレス(HDVTS_TMAPT_EA)の各種の情報が記載されたHDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル情報(HDVTS_TMAPTI)414a、
・HDVTS_TMAPの先頭アドレス(HDVTS_TMAP_SA)の情報を有するHDビデオタイトルセット・タイムマップ・サーチポインタ(HDVTS_TMAP_SRP)414b、
・マップエントリで基準とするタイムユニット(秒)の長さ(TMU)とマップエントリ数(MAP_EN_Ns)とマップエントリ(MAP_EN)の各種情報が記録されたHDビデオタイトルセット・タイムマップ(HDVTS_TMAP)414c、
の各種情報から構成されている。
【0185】
上記HDマップエントリ(HDMAP_EN)内は該当するHDMAP_ENAと次のHDMAP_ENAが同一セル内に存在するか否かの判定フラグを示す“不連続フラグ”と、該当するHDマップエントリ(HDMAP_EN)に対応する再生時間が含まれるVOBUの先頭アドレス情報(HDMAP_ENA)から構成されている。
【0186】
また、図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・セル・アドレステーブル(HDVTSM_C_ADT)415の中のデータ構造は図29に示すように、
・HDVTSM_VOBS内のVOBの数(HDVTSM_VOB_Ns)とHDVTSM_C_ADTの終了アドレス(HDVTSM_C_ADT_EA)の情報を有するHDビデオタイトルセットメニュー・セル・アドレステーブル情報(HDVTSM_C_ADTI)415a、
・HDVTSM_CPのVOB_ID番号(HDVTSM_VOB_IDN)とHDVTSM_CPのCell_ID番号(HDVTSM_C_IDN)とHDVTSM_CPの先頭アドレス(HDVTSM_CP_SA)とHDVTSM_CPの終了アドレス(HDVTSM_CP_EA)の各種情報が記録されたHDビデオタイトルセットメニュー・セルピース情報(HDVTSM_CPI)415b、
の各種情報から構成されている。
【0187】
図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTSM_VOBU_ADMAP)416は図30のように
・HDVTSM_VOBU_ADMAPの終了アドレス(HDVTSM_VOBU_ADMAP_EA)の情報が記載されたHDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ情報(HDVTSM_VOBU_ADMAPI)416a、
・HDVTSM_VOBUの先頭アドレス(HDVTSM_VOBU_SA)の情報を有するHDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレス(HDVTSM_VOBU_AD)416b、
の情報から構成されている。
【0188】
また、図20に示したHDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417の中のデータ構造を図31に示す。HDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417内は、
・HDVTS_VOBS内のVOBの数(HDVTS_VOB_Ns)とHDVTS_C_ADTの終了アドレス(HDVTS_C_ADT_EA)の情報を有したHDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル情報(HDVTS_C_ADTI)417a、
・HDVTS_CPのVOB_ID番号(HDVTS_VOB_IDN)とHDVTS_CPのCell_ID番号(HDVTS_C_IDN)とHDVTS_CPの先頭アドレス(HDVTS_CP_SA)とHDVTS_CPの終了アドレス(HDVTS_CP_EA)の各種情報から成るHDビデオタイトルセット・セルピース情報(HDVTS_CPI)417b、
の各種情報から構成されている。
【0189】
更に、図20に示したHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTS_VOBU_ADMAP)418の中のデータ構造を図32に示す。HDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTS_VOBU_ADMAP)418は、
・HDVTS_VOBU_ADMAPの終了アドレス(HDVTS_VOBU_ADMAP_EA)の情報を有するHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ情報(HDVTS_VOBU_ADMAPI)418a、
・HDVTS_VOBU単位の先頭アドレス(HDVTS_VOBU_SA)の情報が記録されているHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレス(HDVTS_VOBU_AD)418b、
の各種情報から構成されている。
【0190】
特徴(A)を実現するRSM許可フラグフラグ情報と特徴(F)を実現する音声情報選択フラグ/音声情報番号は本発明の第1の実施形態として図22と図7、図24に示すようにプログラムチェーン情報PGCIのサーチポインタ情報内に持たせている。本発明はこの実施形態に限らずPGCI自体の中に持たせることも可能である。本発明の他の実施形態(第2の実施形態)を図33、図34に示す。図33、図34に示したPGCI情報とは
〔イ〕図1の(e)のHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内のHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312(図3)に存在する図6のHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット(HDVMGM_LU)312に関し、図7に示されたHDビデオマネージャメニュー・プログラムチェーン情報(HDVMGM_PGCI)312c3、
〔ロ〕図1の(f)のHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内のデータ構造を示した図20におけるHDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413内の図25におけるHDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット(HDVTSM_LU)413cの中に配置されている図26に示したHDビデオタイトルセットメニュー・プログラムチェーン情報(HDVTSM_PGCI)413c3、
〔ハ〕図1の(f)のHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内のデータ構造を示した図20におけるHDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412内のHDVTS_PGCI 412c(図23)
がそれぞれ対応する(図33、図34に示したPGCI情報は〔イ〕〜〔ハ〕の3箇所に配置され得る)。
【0191】
図33、図34に示すようにプログラムチェーン情報(PGCI)はプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50、プログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51、プログラムチェーン・プログラムマップ(PGC_PGMAP)52、セル・再生情報テーブル(C_PBIT)53、セル・位置情報テーブル(C_POSIT)54と言う5領域(5個の管理情報グループ)から構成されている。
【0192】
図33、図34に示すようにPGCI内の最初の領域(管理情報グループ)に配置されたプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50内の最後にRSM&AOB・カテゴリ情報(RSM&AOB_CAT)が記録されている。RSM&AOB・カテゴリ情報(RSM&AOB_CAT)内にRSM許可フラグ情報、音声情報選択フラグ、音声情報番号が存在する。このRSM許可フラグ情報は図24で説明した内容とまったく同じ内容を意味している。また、音声情報選択フラグと音声情報番号の内容は図8または図27で説明した内容と一致している。更にRSM&AOB・カテゴリ情報(RSM&AOB_CAT)内にはエントリーPGCか否かを判別するエントリータイプ情報、ブロックモード情報、ブロックタイプ情報、PTL_ID_FLD情報が記録されている。
【0193】
PGC内に配置するグラフィックユニットのストリームに関する制御情報が記録されるPGC・グラフィックユニットストリーム・制御テーブル(PGC_GUST_CTLT)内の情報は図33、図34に示すように4種類の各画像(16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像)に対応してそれぞれ別領域であるHD用グラフィックユニットストリーム#0のPGC_GUST_CTL(PGC_GUST #0)領域、SDワイド用グラフィックユニットストリーム#1のPGC_GUST_CTL(PGC_GUST #1)領域、4:3(SD)用グラフィックユニットストリーム#2の PGC_GUST_CTL(PGC_GUST #2)領域、レターボックス(SD)用グラフィックユニットストリーム#3の PGC_GUST_CTL(PGC_GUST #3)領域に別々に記録する。
【0194】
上記の情報以外にもプログラムチェーン・一般情報(PGC_GI)50内にはPGC内容(PGC_CNT)、PGC再生時間(PGC_PB_TM)、PGCユーザ操作制御(PGC_UOP_CTL)、PGCオーディオストリーム制御テーブル(PGC_AST_CTLT)、PGCサブピクチャストリーム制御テーブル(PGC_SPST_CTLT)、PGCナビゲーションコントロール(PGC_NV_CTL)、PGCサブピクチャパレット(PGC_SP_PLT)、PGC_CMDTの先頭アドレス(PGC_CMDT_SA)、PGC_PGMAPの先頭アドレス(PGC_PGMAP_SA)、C_PBITの先頭アドレス(C_PBIT_SA)、C_POSITの先頭アドレス(C_POSIT_SA)の各種情報が記録されている。
【0195】
各PGCに適応されるコマンド情報は図35に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51にまとめて配置される。PGCI情報が配置される場所は図33、図34の説明場所で記載したように〔イ〕〜〔ハ〕の3箇所に配置され得る。特徴(A)の中で説明した〔ポイント4〕に示したリジュームシーケンス情報は図35に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に記録される。本発明実施形態におけるリジュームシーケンス情報(図35内で明記したリジューム(RSM)コマンドシーケンス)の情報内容は、この領域内に配置されたRSMコマンド(RSM_CMD)514が順次並んで配置された形で記述される。図35における一個の欄の中に記載される1個のRSMコマンド(RSM_CMD)514は本発明におけるHDのDVDビデオコンテンツ内で指定できる1個のコマンドを意味し、リジューム(RSM)コマンドシーケンス領域内で配置されたRSMコマンド(RSM_CMD)514が上から順に連続して(シーケンシャルに)実行される。
【0196】
本発明実施形態においては、図35に記載されたセルコマンド(C_CMD)513の配列もシーケンシャルなコマンド系列を意味している。すなわち、図35に示したセルコマンド(C_CMD)513の配列順に従って上から順次コマンド処理を実行することを意味している。図36で説明するようにセルコマンド#1(C_CMD #1)513からセルコマンド#k(C_CMD #k)513まで指定された一連のセルコマンド処理手順の中で各セル毎にセルコマンド処理手順の一部(各セル毎にセルコマンドのシーケンシャル処理を開始する最初のセルコマンド番号とセルコマンドのシーケンシャル処理の実行範囲)を指定できる構造になっている。
【0197】
RSMコマンド(RSM_CMD)514は(例えばメニュー画面から)該当するPGCへ戻り、以前に再生中断した“PGC内の途中から再生する直前”に実行されるコマンド手順の一部を示すのに対して、プリコマンド(PRE_CMD)511は該当する“PGCを最初から再生する直前”に実行されるコマンドを意味する。また、該当するPGCの再生後に実行するコマンドがポストコマンド(POST_CMD)512である。図35において1個のプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に配置できるプリコマンド(PRE_CMD)511の数とポストコマンド(POST_CMD)512の数、セルコマンド(C_CMD)513の数、RSMコマンド(RSM_CMD)514の数はそれぞれ自由に設定できる(記載するどれかのコマンド数が“0”であっても良い)。ただし、本発明実施形態では1個のプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に配置できるプリコマンド(PRE_CMD)511の数とポストコマンド(POST_CMD)512の数、セルコマンド(C_CMD)513の数、RSMコマンド(RSM_CMD)514の数をそれぞれ足した総合計値の上限は1023個と規定されている。従って、例えばプリコマンド(PRE_CMD)511の数とポストコマンド(POST_CMD)512の数、RSMコマンド(RSM_CMD)514の数が全て0個の場合にはセルコマンド(C_CMD)513の数を最大1023個まで設定することが可能である。
【0198】
1個のプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に配置できるプリコマンド(PRE_CMD)511の数情報であるPRE_CMD_Nsとポストコマンド(POST_CMD)512の数情報であるPOST_CMD_Nsとセルコマンド(C_CMD)513の数情報のC_CMD_Ns、RSMコマンド(RSM_CMD)514の数情報のRSM_CMD_Nsは図36に示すようにプログラムチェーン・コマンドテーブル情報(PGC_CMDTI)510内に記録されている。
【0199】
プログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内に記録されているRSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造について以下に説明する。ここでは、RSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造について説明するが、プリコマンド(PRE_CMD)511、ポストコマンド(POST_CMD)512、セルコマンド(C_CMD)513内のデータ構造もRSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造と全く同じになっている。RSMコマンド(RSM_CMD)514内の具体的なデータ構造は図36に示すように1個のコマンド毎に8バイト分の領域を割り当てているだけになっている。この8バイト分の領域内にコマンド内容が記録される。このコマンドはいずれも8バイト中最上位から3ビットまでが“コマンドID−1”のデータが入る。それ以降のビットのデータ内容は“コマンドタイプ”の値により異なるが、“比較用I−フラグ”や“Compare Field”などの情報はコマンドタイプによらず共通に持っている。
【0200】
プログラムチェーン情報(PGCI:Program Chain Information)内に配置されたプログラムチェーン・プログラムマップ(PGC_PGMAP)52とセル・位置情報テーブル(C_POSIT)54内の詳細構造を図37に示す。
【0201】
プログラムチェーン・プログラムマップ(PGC_PGMAP)52内は各エントリに対応したセルの番号を示すエントリセル番号(EN_CN)が記録されたプログラム用エントリセル番号520情報がエントリ数だけ配置されている。またセル・位置情報テーブル(C_POSIT)54はセルのVOB ID番号(C_VOB_IDN)とセルのセル ID番号(C_IDN)の情報が組になって構成されたセル位置情報(C_POSI)540が順に配置された構造をしている。
【0202】
図35の説明の所でセルコマンド#1(C_CMD #1)513からセルコマンド#k(C_CMD #k)513まで指定された一連のセルコマンド処理手順の中で各セル毎にセルコマンド処理手順の一部(各セル毎にセルコマンドのシーケンシャル処理を開始する最初のセルコマンド番号とセルコマンドのシーケンシャル処理の実行範囲)を指定できる構造になっていると説明した。この各セル毎に設定できるセルコマンドのシーケンシャル処理の実行範囲情報を図38に示す。PGCI情報が配置される場所は図33、図34の説明場所で記載したように〔イ〕〜〔ハ〕の3箇所に配置され得る。PGCを構成する個々のセルに関する管理情報が該当するPGCの管理情報であるPGCI内のセル・再生情報テーブル(C_PBIT)53内に図38に示すようにセル再生情報(C_PBI)530に記録される。
【0203】
図35に示されたセルコマンド#1(C_CMD #1)513からセルコマンド#k(C_CMD #k)513まで指定された一連のセルコマンド処理手順の中で各セル毎に特定されるセルコマンドのシーケンシャル処理を開始する最初のセルコマンド番号に関する情報が、図38に示すようにセル再生情報(C_PBI)530内のセルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)内に記録される。また、同時に、セルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)で指定されたセルコマンド(C_CMD)513を含めて連続にコマンド処理を実行するコマンド数を表すセルコマンド連続数情報(C_CMD_C_Ns)がセル再生情報(C_PBI)530内に記録されており、両方の情報から該当するセルが実行するセルコマンドのシーケンシャル処理の実行範囲が特定される。本発明実施形態において該当するセルの再生が終了した後で図38のセルコマンド開始番号情報(C_CMD_SN)とセルコマンド連続数情報(C_CMD_C_Ns)で指定された範囲の一連のコマンド手順(コマンドシーケンス)が実行される。
【0204】
また、セル再生情報(C_PBI)530内には該当するセルがマルチアングルに対応したインターリーブドブロックを構成しているかそれとも一般的な連続ブロックの一部か、あるいはマルチアングルに対応したインターリーブドブロックの一部を構成していた場合にそのインターリーブドブロックの先頭セルあるいは最終セルに該当するかを示すセルカテゴリ(C_CAT)、該当するセル全体を再生する時に必要な再生時間を表すセル再生時間(C_PBTM)、セルの先頭VOBUの先頭アドレス位置情報(C_FVOBU_SA)、セルの先頭ILVUの終了アドレス位置情報(C_FILVU_EA)、セルの最終VOBUの先頭アドレス位置情報(C_LVOBU_SA)、セルの最終VOBUの終了アドレス位置情報(C_LVOBU_EA)などの情報が記録されている。
【0205】
本発明実施形態における情報再生装置内のシステムブロック図を図39に示す。図39において情報記憶媒体1内には本発明のHDのDVDビデオコンテンツが記録されている。ディスクドライブ部101でこの情報記憶媒体1からHDのDVDビデオコンテンツを再生し、データプロセッサ部102へ転送する。HDのDVDビデオコンテンツの中で映像データであるVOBの中は図45に示すように基本単位であるVOBUの集まりで構成され、各VOBU内の先頭にはナビパックa3が配置されている。また、ビデオデータはビデオパックa4、オーディオデータはオーディオパックa6、副映像データはサブピクチャ(SP)パックa7内にそれぞれ分散配置され、多重化構造になっている。また、本発明実施形態では新たにグラフィックユニットデータを持ち、グラフィックユニット(GU)パックa5内に分散記録される。これらの各種データが多重配置されたVOBに対して分離部(デマルチプレクサ)103でパケット分割し、ビデオパックa4内に記録されたビデオデータをビデオデコード部111へ送り、サブピクチャパックa7内に記録された副映像データを副映像デコーダ部112、グラフィックユニットパックa5内に記録されたグラフィックデータをグラフィックデコーダ部113、オーディオパックa6内に記録されたオーディオデータをオーディオデコーダ部114にそれぞれ転送する。送られて来た各種データは各デコーダ部111〜114でデコードされ、ビデオプロセッサ部104内で合成された後、D/A変換器132、133でアナログ信号に変換されて出力される。これらの一連の処理をMPU部121が統合的に管理し、処理中に一時保存が必要になったデータに対してはメモリ部122に一時格納される。また、MPU部121で処理する処理プログラムや事前に設定された固定情報がROM部123内に記録されている。図39ではユーザから情報再生装置に対して入力される情報はキー入力部131でのキー入力で行うように図示してあるが、それに限らずキー入力部131が一般のリモコン(リモートコントローラ)であっても良い。
【0206】
図40は図39に示したグラフィックデコーダ部113の内部構造を詳しく説明した図である。分離部103で分離抽出されたグラフィックユニットデータはグラフィックユニット用入力バッファ113a内に一時保管される。グラフィックユニットデータは図46に示すようにハイライト情報b2とグラフィックデータb4・マスクデータb3から構成されている。このハイライト情報b2はハイライトデコーダ113bに転送されハイライト情報の解読がなされる。また、グラフィックデータb4とマスクデータb3はグラフィックデコーダ113e内で256色の画面情報にデコードされる。更に、ミキサー113dの制御によりパレット選択113gやハイライト処理113hが施された後、ミキサー115部でビデオデータやサブピクチャ(副映像)データと合成される。図40のミキサー部115は図39のビデオプロセッサ部104の一部を意味している。
【0207】
次に、図41を用いて本発明実施形態における仮想ビデオアクセスユニットIVAUの説明を行う。
【0208】
従来のSDのDVDビデオコンテンツにおける動画(Movie)のVOBは図41の(a)に示すようにそれぞれVAU(ビデオアクセスユニット:Video Access Unit)に分割され、VOBの境界位置とVAUの境界位置を一致させることで異なるVOB間のシームレス再生を可能にしている。
【0209】
本発明のHDのDVDビデオにおいて図41の(b)に示すように静止画が記録されたIピクチャを含むVAU1と次に表示される静止画が記録されたIピクチャを含むVAU1の間の期間に仮想アクセスユニットIVAU2〜IVAUn(仮想VAU)を仮想的に設定する所に特徴がある。アクセスユニットの設定方法としてビデオフレームの期間またはビデオフレームの整数倍の期間を単位として静止画を開始するIピクチャ(を含むVAU1)と次のIピクチャ(を含むVAU1)との間の間隔をアクセスユニットの期間毎に仮想的に細かく時間分割する。静止画のデコーダに入力されるタイミングを示すDTS(Decoding Time Stamp)と静止画が表示されるタイミングを示すPTS(Presentation Time Stamp)は静止画1枚毎にあらかじめ設定されており、1ビデオフレーム期間はNTSC方式とPAL方式で決まっているので、仮想アクセスユニットの境界位置のタイミングを計算により求め、図41の(c)に示すようにImaginary PTS:仮想PTSとする。そして、仮想アクセスユニット毎に静止画が繰り返し再生表示されているものと(仮想的に)見なす。
【0210】
また、本発明実施形態では図41の(d)に示すように、仮想アクセスユニットの整数個で1個のVOBUを構成するように仮想的に設定する。その結果、本発明実施形態において各静止画のVOBUの表示期間はビデオフレームの整数倍となる。図41の(c)においてVAU内には静止画を示すIピクチャが1個存在し、IVAU内ではIピクチャを含まないのでIVAU内にはビデオデータが存在しないことになる。すなわちVAU1からIVAU15までで構成されるVOBUとVAU16からIVAU30までで構成されるVOBUには1個のみのIピクチャが存在している。それに対して、IVAU30からIVAU45により構成されるVOBU内にはビデオデータ(Iピクチャ)を含まない。本発明実施形態では内部にビデオデータを持たないVOBUの定義も可能とする。また、本発明実施形態では同一VOBU内に複数のIピクチャを持つことを禁止し、必ず1個のVOBU内には1個以下のIピクチャを持つように規定(制約)する。また、本発明実施形態では図41の(c)と(d)の位置比較で分かるように、同一VOBU内ではIVAUに先行して必ず先にVAUが(仮想的に)配置した構造を取る。
【0211】
また、図41の(e)に示すようにILVU(Interleaved Unit)内の最初のVOBUには必ずビデオデータ(静止画を記録したIピクチャ)を持たせている。
【0212】
図41に示した本発明実施形態における仮想ビデオアクセスユニットIVAUと図28に示したHDマップエントリ(HDMAP_EN)との関係、および仮想ビデオアクセスユニットと図32に示したHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレス(HDVTS_VOBU_SA)との関係を以下に説明する。
【0213】
本発明実施形態における仮想ビデオアクセスユニットIVAUが設定された静止画が記録されたVOBのデータを管理するHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレス(図32:HDVTS_VOBU_SA)の中に記載される管理データ内容を図42に示す。図42の(d)に示すように、例えばMPEGで規定されたIピクチャのフォーマット(または他の例としては“JPEGデータ”のフォーマット)で1枚の静止画のデータが記録されたビデオアクセスユニットVAUを含むVOBUを本発明実施形態では“実(Real)VOBU”と呼び、仮想ビデオアクセスユニットIVAUのみから構成される(静止画データを内部に含まない)仮想的なVOBUを“仮想(Imaginary)VOBU”と呼ぶ。また、情報記憶媒体上で実VOBU #1と#2と#5が記録されている場所の先頭アドレスをそれぞれ“α”、“β”、“γ”とする。実VOBU #1の先頭アドレス情報を記載する図42の(f)のHDVTS_VOBU_SA #1の値は上記の値に対応して図42の(e)に示すように“α”となる。また、同様に実VOBU #2の先頭アドレス情報を記載するHDVTS_VOBU_SA #2の値は“β”、実VOBU #5の先頭アドレス情報を記載するHDVTS_VOBU_SA #5の値は“γ”となる。
【0214】
本発明実施形態では図42の(d)に示すように仮想VOBU #3と仮想VOBU #4はあくまでも仮想的に設定されたVOBUであり、この中には静止画データは存在しない。従って、上記仮想VOBU #3、または仮想VOBU #4の先頭位置にアクセスし、それ以降の情報を再生しても静止画データは得られない。仮想VOBU #3と仮想VOBU #4に対応した静止画データは実VOBU #2内に配置されている。
【0215】
従って、本発明実施形態において仮想VOBUに対応したHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・スタートアドレス(HDVTS_VOBU_SA)の値は、それより先行した位置に存在する実VOBU(Iピクチャ、またはJPEGのフォーマットで記録された静止画データが存在するVOBU)の先頭アドレスを設定する。図42の(d)の例では仮想VOBU #3と仮想VOBU #4の先頭アドレス情報を記載するHDVTS_VOBU_SA #3とHDVTS_VOBU_SA #4に記録する値は、それより先行する実VOBU(ここでは、実VOBU #2)の先頭アドレスは“β”なので、その値を設定することになる。仮想VOBUに対応したHDVTS_VOBU_SAをこのように設定することで、HDVTS_VOBU_SAに記録されたアドレス位置にアクセスすると、(仮想VOBUに対しても)必ずVOBUに対応した静止画データを獲得でき、VOB内の特定静止画に対する高速検索と検索処理の簡易性を確保できる。
【0216】
次に、図41に示した本発明実施形態における仮想ビデオアクセスユニットIVAUと図28に示したHDマップエントリ(HDMAP_EN)との関係を図43を用いて説明する。図43の(c)は情報記憶媒体(光ディスク)のトラックに沿って記録された静止画のVOBのデータ配置を示す。また、VOBのデータ配置に対して仮想的に設定されたIVAU(Imaginary Video Access Unit)も含めたアクセスユニットの設定対応を(c)に隣接させて図43の(b)に示す。静止画のVOBデータはトラックに沿って再生順に配置しているので、トラックに沿ってデータ配置をトレースすると、おおよその再生時間が対応する。図28に示したタイムユニット(HDTMU)毎(例えば5秒毎とか10秒毎)の再生時間のおおよその目安を図43の(a)に示す。A〜Dは上記タイムユニット(HDTMU)間隔の再生時間を示している。再生時間Aが含まれるVOBUの開始アドレス情報が図43の(e)に示すHDMAP_ENA #1(図28のHDMAP_ENAに対応)に記録され、同様にBからDまでの再生時間が含まれるVOBUの開始アドレス情報がHDMAP_ENA #2から#4に記録される。図43の(d)は各HDMAP_ENAに記録される値を示す。実際の静止画データを含む実VOBU #1と#4の先頭アドレスをそれぞれ“α”、“β”とし、図示して無いがその後ろに来る実VOBUの先頭アドレスを“γ”とする。
【0217】
再生時間Aが含まれるVOBUは明らかに実VOBU #1を示しているので、HDMAP_ENA #1の値は“α”となる。ところが、再生時間B、C、Dが含まれるVOBUは全て仮想VOBUなので、仮に前記仮想VOBUの先頭アドレスが定義できたとしても、そこにアクセスしても静止画データが含まれて無いため、静止画データを獲得できない。
【0218】
従って本発明実施形態では、図42と同様、HDマップエントリに対応する再生時間が含まれるVOBU内にIピクチャ、またはJPEGのフォーマットで記録された静止画データを含まない(仮想VOBUの)場合には、それより先行する位置に有る静止画データを含むVOBU(実VOBU)の先頭アドレス情報をHDマップエントリ情報内(詳しくはマップエントリ(HDMAP_EN)内のHDMAP_ENA内)に記録する。図43の実施形態では再生時間B、C、Dが含まれるVOBUである仮想VOBU #3、#5、#7より先行する実VOBUはそれぞれ実VOBU #1、実VOBU #4、実VOBU #4なので、HDMAP_ENA #2、HDMAP_ENA #3、HDMAP_ENA #4の値は図43の(d)に示すように“α”、“β”、“β”となる。上記のようにHDマップエントリ内の値を先行する位置に配置し、内部にIピクチャ、またはJPEGのフォーマットで記録された静止画データを含むVOBUの先頭アドレスを記録することで、HDMAP_ENAで指定されたアドレスへアクセスすると、HDTMU間隔で指定された再生時間中に再生する静止画データを読み込むことが保証される。それによりタイムサーチによる所望の静止画データへの高速検索と検索処理の簡易性を確保できる。
【0219】
図39に示す情報再生装置内のシステムブロック図においてメモリ部122内に、図44に示すようにシステムパラメータSPRMを格納する領域が割り当てられている。このSPRM(0)に再生中のカレントメニュー言語コード(CM_LCD)情報が、SPRM(21)に初期メニュー言語コード(IM_LCD)情報が記録される。再生中のカレントメニュー言語コード(CM_LCD)はユーザとコマンドの両方で変更設定可能であるが、初期メニュー言語コード(IM_LCD)はユーザのみが変更設定可能である。
【0220】
また他のシステムパラメータ内に格納される情報はそれぞれSPRM(1)内にタイトルドメイン内でのオーディオストリーム番号(ASTN)、SPRM(2)内にタイトルドメイン内でのサブピクチャストリーム番号(SPSTN)とOn/Offフラグ、SPRM(3)内にタイトルドメイン内でのアングル番号(AGLN)、SPRM(4)内にタイトルドメイン内でのタイトル番号(TTN)、SPRM(5)内にタイトルドメイン内でのVTSタイトル番号(VTS_TTN)、SPRM(6)内にタイトルドメイン内でのタイトルPGC番号(TT_PGCN)、SPRM(7)内にOne_Sequential_PGC_Title用Part_of_Title番号(PTTN)、SPRM(8)内に選択状態用ハイライトボタン番号(HL_BTNN)、SPRM(9)内にナビゲーションタイマ(NV_TMR)、SPRM(10)内にNV_TMR用TT_PGCN、SPRM(11)内にカラオケ用プレーヤ・オーディオ・ミキシング・モード(P_AMXMD)、SPRM(12)内にパレンタル管理用国コード(CTY_CD)、SPRM(13)内にパレンタルレベル(PTL_LVL)、SPRM(14)内にビデオ用プレーヤ構成(P_CFG)、SPRM(15)内にオーディオ用プレーヤ構成(P_CFG)、SPRM(16)内にAST用初期言語コード(INI_LCD)、SPRM(17)内にAST用初期言語コード拡張子(INI_LCD_EXT)、SPRM(18)内にSPST用初期言語コード(INI_LCD)、SPRM(19)内にSPST用初期言語コード拡張子(INI_LCD_EXT)、SPRM(20)内にプレーヤ地域コードが記録され、SPRM(22)以降がリザーブとされている。
【0221】
本発明におけるHDのDVDビデオコンテンツ内で使用されるコマンドの一例としては以下のものがある。
【0222】
Go TOコマンドグループ:コマンドの実行順を変えるコマンド
Linkコマンドグループ:同一ドメイン内での特定場所から再生を開始するコマンド
Jumpコマンドグループ:異なるドメインに有る特定場所から再生を開始するコマンド
Compare Go Toコマンドグループ:比較結果が正しければコマンドの実行順を変えるコマンド
Compare Linkコマンドグループ:比較結果が正しければ同一ドメイン内での特定場所から再生開始する
Compare Jumpコマンドグループ:比較結果が正しければ異なるドメインに有る特定場所から再生を開始
SetSystemコマンドグループ:管理パラメーター値の変更コマンド
Setコマンドグループ:ゼネラルパラメータの値を計算するコマンド
Compare SetSystemコマンドグループ:比較結果が正しければ管理パラメーター値を変更するコマンド
Compare Setコマンドグループ:比較結果が正しければゼネラルパラメータの値を計算するコマンド
SetSystem Linkコマンドグループ:管理パラメーター値を変更後、同一ドメイン内での特定場所から再生を開始するコマンド
Set Linkコマンドグループ:ゼネラルパラメータの値を計算した後、同一ドメイン内での特定場所から再生を開始するコマンド
Set Go Toコマンドグループ:ゼネラルパラメータの値を計算した後にコマンドの実行順を変える
Set Jumpコマンドグループ:ゼネラルパラメータの値を計算した後に異なるドメインに有る特定場所から再生を開始するコマンド
具体的なコマンド例としてゼネラルパラメータの値やモードを変更するSetGPRMMDコマンドやメニュー記述言語コードをSPRM(0)に設定するSetM_LCDコマンドはSetSystemコマンドグループに含まれ、ゼネラルパラメータの値を特定の値に設定したり、ゼネラルパラメータの値に特定の値を加算するSetMoveコマンドやSet AddコマンドはSetコマンドグループに含まれる。
【0223】
また、何も実行を行わないNopコマンドはGo Toコマンドグループに含まれ、ドメインIDで指定されたPGCの再生を開始し、レジューム情報を記録するCallSSコマンドはJumpコマンドグループに含まれ、レジューム情報を記録するResumコマンドはLinkコマンドグループに含まれる。
【0224】
JumpTTやJumpVTS_TTあるいはJumpVTS_PTTコマンドはJumpコマンドグループに属する。このコマンドは別のドメイン内の指定された位置で再生を開始するために使用される。プレーヤはこのコマンドが処理される時は全てのGPRM値を保持しなければならない。
【0225】
JumpTTは指定されたタイトルの再生を開始するためのコマンドである。処理の詳細は以下の通りである。
【0226】
(1)現在の再生を停止する。
【0227】
(2)リジューム情報(存在する場合)、ナビゲーションタイマの値及びシステムパラメータ内のナビゲーションタイマ用TT_PGCNを破棄する。ナビゲーションタイマを停止するために、SPRM(9)に“0”を代入する。
【0228】
(3)SPRM(1)とSPRM(2)を設定する
(4)指定されたタイトルの再生をプリコマンドフェーズから開始する。
【0229】
JumpVTS_TTは現VTS空間内で指定されたタイトルの再生を開始するためのコマンドである。処理の詳細は以下の通りである。
【0230】
(1)現在の再生を停止する。
【0231】
(2)リジューム情報(存在する場合)、ナビゲーションタイマの値及びシステムパラメータ内のナビゲーションタイマ用TT_PGCNを破棄する。ナビゲーションタイマを停止するために、SPRM(9)に“0”を代入する。
【0232】
(3)SPRM(1)とSPRM(2)を設定する
(4)現VTS空間内でVTS_TTNで指定されたタイトルの再生を開始する。
【0233】
JumpVTS_PTTは現VTS空間内で指定されたPTTの再生を開始するためのコマンドである。処理の詳細は以下の通りである。
【0234】
(1)現在の再生を停止する。
【0235】
(2)リジューム情報(存在する場合)、ナビゲーションタイマの値及びシステムパラメータ内のナビゲーションタイマ用TT_PGCNを破棄する。ナビゲーションタイマを停止するために、SPRM(9)に“0”を代入する。
【0236】
(3)SPRM(1)とSPRM(2)を設定する
(4)指定されたPTTNがあるPGCのプリコマンド領域のコマンドを実行する。
【0237】
(5)現VTS空間内でVTS_TTNとPTTNで指定されたPTTの再生を開始する。
【0238】
本発明に示したHDのDVDビデオコンテンツにおいてもMPEGのシステムレイヤーの多重化規則に準拠している。すなわち、グラフィックユニットデータに対しても2048バイトのパック毎に分割してそれぞれを分離配置する。再生時には図45の(c)、(d)に示すように情報記憶媒体内に分散配置されたグラフィックユニット(GU)パックを集めて1個のグラフィックユニットストリームに組み直す。グラフィックユニットとして16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像のそれぞれに対応したグラフィックデータのサポートを可能とし、図45の(d)に示すように4種類の各画像(16:9のHD画像、16:9のSD画像、4:3のSD画像、レターボックスのSD画像)に対応してそれぞれ別ストリームを構成させる。
【0239】
グラフィックユニット内のデータ構造は図46に示すように、ヘッダ情報b1、ハイライト情報b2、マスクデータb3、グラフィックデータb4から構成される。またハイライト情報b2内は一般情報b21、カラーパレット情報b22、n個のボタン情報b23から構成されている。
【0240】
ヘッダ情報の中身は図47の(a)に示すようにグラフィックユニットサイズ(GU_SZ)情報、ハイライト情報の開始アドレス(HLI_SA)情報、グラフィックデータの開始アドレス(GD_SA)情報から構成されている。上記の内でグラフィックユニットサイズ(GU_SZ)情報は図46の左下に示すグラフィックユニットの全体のサイズを示す。また、ハイライト情報の開始アドレス(HLI_SA)情報は図46の左下に示すグラフィックユニットの先頭位置(ヘッダ情報b1の先頭位置)を基準にしたハイライト情報b2の開始位置までのアドレスを意味し、グラフィックデータの開始アドレス(GD_SA)情報は図46の左下に示すグラフィックユニットの先頭位置(ヘッダ情報b1の先頭位置)を基準にしたグラフィックデータb4の先頭位置までのアドレスを意味している。
【0241】
また、ハイライト情報b2内の一般情報b21は図47の(b)に示すようにグラフィックユニットの再生終了時間(GU_PB_E_PTM)情報、ボタンオフセット番号(BTN_OFN)情報、ボタン数(BTN_Ns)情報、数字選択ボタンの数(NSL_BTN_Ns)情報、強制選択ボタン番号(FOSL_BTNN)情報、強制決定ボタン番号(FOAC_BTNN)情報を持っている。グラフィックユニットデータはグラフィックユニット(GU)パックとして分散配置することを図45で説明したが、このグラフィックユニットパック内(正確に言うとその中に含まれるグラフィックユニットパケット内のパケットヘッダ内)にグラフィックユニットの再生を開始するPTS(Presentation Time Stamp)情報が予め記録されている。このPTS情報とグラフィックユニットの再生終了時間(GU_PB_E_PTM)情報を用いてグラフィックユニットの表示時間と(コマンドの)実行が可能な有効時間(両者の開始/終了時間は完全に一致している)を設定する。また、開始/終了時間情報はPTS/PTMを使っているので、非常に精度良く時間範囲を設定できる。
【0242】
グラフィックデータは図48に示すように1画素あたり8ビットを割り当て256色の色彩表現が出来る1画面の画像情報(ビットマップデータ又はそのビットマップに対する圧縮データ)が記録されている。また、マスクデータはユーザがコマンド実行を指定できる画面上の位置範囲を示すもので、1画素あたり1ビットを割り当て、画面領域のみを設定している。マスクデータは画素単位でのビットマップ形式で領域を指定しているため、図48に示すように互いに離れた位置に配置された複数領域を同時に設定できるだけでなく、任意の形状領域に対しても画素単位で細かく画面領域を指定できる所に特徴がある。またマスクデータは複数設定可能としてユーザへ複数のメニュー選択肢を供給できる。
【0243】
ユーザに表示する画面は図45の(c)のビデオパックa4内に記録された主映像(A)とグラフィックデータとして記録されたグラフィックパターン(B)と複数設定可能なマスクデータ(C)を図49に示すように合成して作成する。
【0244】
図46に示すように同一グラフィックユニットGU内のマスクデータの数nとハイライト情報HLI内に記録されるボタン情報の数nはそれぞれ一致し、各マスクデータ#nとボタン情報#nが1対1に対応している。すなわち、1≦m≦nを満足するmにおいて、上からm番目のマスクデータは上からm番目のボタン情報に対応し、例えばユーザが画面上でm番目のマスクデータが指定した領域をハイライト(指定)すると、それに対応してm番目のボタン情報b23内に記録されたボタンコマンドb234が実行される。このように各ボタン情報#nはそれぞれ個々のマスクデータ#nにリンクしているが、マスクデータへのアクセス制御を一層容易にするためにボタン情報#n内に対応するマスクデータ#nの開始アドレス(図46の左下におけるヘッダ情報b1の先頭位置からのn番目のマスクデータ#nの開始位置までのアドレス)情報b231と対応するマスクデータ#nのデータサイズ情報b232が記録されている。その他にボタン情報b23内には隣接ボタン位置情報b233も記録されている。
【0245】
図46のハイライト情報b2内のカラーパレット情報b22内のデータ構造について説明する。最初にユーザにメニュー画面を表示した時(ユーザ選択する前)のボタンの色の情報を通常用カラーパレットb221内に格納されている。ユーザが特定のボタンを選択(指定)すると画面上でボタンの表示色が変わるが、この変化時のボタンの表示色を選択用カラーパレットb222内に記録しておく。更に、そのボタンが確定し、ボタンに対応したボタンコマンドb234が実行する段階になると“確定”を示すボタンの表示色が変わるように設定できる。この確定時のボタンの表示色を確定用カラーパレットb223に持たせている。
【0246】
図50にグラフィックユニットGUのデータ構造に関する他の実施形態を示す。図50に示した実施形態ではマスクデータを使う代わりにホットスポット情報を使用する所に特徴がある。それに対応して図50の実施形態では通常用カラーパレットe221、選択用カラーパレットe222、確定用カラーパレットe223をそれぞれ複数設定可能にしている。また、各ボタン情報e23の画面上の領域指定方法としてマスクデータを使う代わりにホットスポット位置情報e233により画面上の領域を指定できるようにしている。さらに、図50の実施形態では同一のボタン情報e23に対してこのホットスポット位置情報e233を複数設定可能にすることで画面上の互いに離れた複数の領域を同一のボタン情報e23に対応させられるようにした。
【0247】
本発明実施形態におけるレジュームコマンドシーケンスあるいはセルコマンドシーケンス内で使用するコマンド内容とコマンドデータ内の具体的な内容について説明する。本発明実施形態の情報再生装置(プレーヤ)内でHDのDVDビデオコンテンツの再生時に使用するパラメータは図44に示すようにパラメータ番号毎に記録されるデータ内容が決まっているシステムパラメータ(SPRM:System Parameter)と、記録されるデータ内容を任意に設定できるゼネラルパラメータ(GPRM:General Parameter)の2種類がある。
【0248】
ナビゲーションコマンド1個当たりのコマンドデータサイズは8バイトで設定され、
(1)PCI内のボタンコマンド領域
(2)PGCI内のセルコマンド領域(図35)
(3)PGCI内のプリコマンド領域(図35)
(4)PGCI内のポストコマンド領域(図35)
(5)PGCI内のRSMコマンド領域(図35)
に配置される。
【0249】
ナビゲーションコマンドは1個のインストラクション(命令の最小単位)から構成されるシングルインストラクションコマンドと2個または3個のインストラクションから構成されるコンポジット(複合)インストラクションコマンドの2種類を持つ。
【0250】
図36の説明の所でPGCI内のプログラムチェーン・コマンドテーブル(PGC_CMDT)51内にプリコマンド(PRE_CMD)511、ポストコマンド(POST_CMD)512、セルコマンド(C_CMD)513、レジュームコマンド(RSM_CMD)514が設定(記録)され、それぞれ1個のコマンドの情報に対してそれぞれ8バイトの領域が設定されることを説明した。8バイト割り当てられたコマンド内部のデータ構造について以下に説明する。8バイト領域の内、タイプ1と2のコマンドは最上位ビットから16ビット、タイプ3では最上位ビットから12ビットまでをオペレーションコードの記録領域に設定されている。このオペレーションコードの情報を読むだけでコマンド識別が可能になっている。
【0251】
このオペレーションコード内には最上位ビットから順にコマンドID−1、コマンドID−2、設定フラグ(I−フラグ for Set)、比較用I−フラグ(I−フラグ for Comp)などの情報が記録されている。類似内容のコマンド毎に同じコマンドID−1の値を共通にすると共に、最上位ビットから3ビットまでの領域にコマンドID−1の値を設定している。本発明実施形態においてコマンド情報の最上位ビットから最低でも16ビットを再生するだけでオペレーションコードの内容が解読でき、コマンドの識別が可能となる。更に、コマンド情報の最上位ビットから数ビットを読むだけでコマンドID−1とコマンドID−2が解読でき、およそのコマンド内容が把握できる。本発明実施形態においてコマンド情報内容を上記の構造にすることでコマンドの解読とコマンドに対応した処理の高速化を図れる。また、各コマンド毎のCompare Field内の値、Branch Field内の値、Set Field内の値などの設定値や変数値が変数オペランドとしてコマンド内の設定場所が指定されている。
【0252】
本発明のHDのDVDビデオコンテンツ内で使われる各コマンド毎のコマンド情報内のデータ構造は以下に示すように、
(1)コマンド情報内にGo Toインストラクション、Linkインストラクションオペランド、Linkサブ・インストラクションのいずれかを含む場合には、それらのインストラクション(またはサブ・インストラクション)を2バイトで構成されるインストラクションオペランド(またはサブ・インストラクションオペランド)の形に設定し、そのインストラクションオペランド(またはサブ・インストラクションオペランド)をコマンド情報内の最下位2バイト位置に配置する。
【0253】
(2)コマンド内にJumpインストラクションまたはSetSystemインストラクションを含む場合には、そのインストラクションに対して4バイトで構成されるインストラクションオペランドの形に設定し、そのインストラクションオペランドをコマンド情報内の最上位バイトと最下位バイトのいずれにも属さない中央バイト内(47ビットから16ビットまで)に配置する。
【0254】
(3)コマンド内にCompareインストラクションまたはSetインストラクションが含まれる場合には、そのインストラクションに対して独自のインストラクションオペランドを形成しない。
【0255】
さらに、
(4)複合インストラクションコマンドの内容がコマンド情報内の上位ビットにオペレーションコードの形で入り、
(5)コマンドを実行する時に必要な変数値や変数が保存されている場所を示し、変数オペランドがオペレーションコードよりも下位ビット位置に配置されると言う構造を取る所に特徴がある。
【0256】
本発明実施形態において全てのコマンド情報内のデータ構造を上記の(1)から(5)に示すような配置方法に規則性を持たせることで、情報再生装置がコマンド情報を解読する時の簡素化が図れ、コマンド解読・対応のコマンド実行処理の高速化が図れると言う効果がある。すなわち、上記のように上位ビット位置でオペレーションコードを指定することで、即座にコマンド内容を理解でき、更にその後ろ(下位ビット領域)に複合インストラクションコマンドを構成する一個のインストラクションに関する情報が“インストラクションオペランド”の形でまとまって配置されることで対応したインストラクション内容の識別が容易になる。
【0257】
更に、例えば“Compare”した後に“SetSystem”を行う“Compare SetSystem”コマンドのように、複合インストラクションコマンド(複数の命令処理が組み合わさって1個のコマンドを形成するコマンド)では、上記の(1)から(5)に示す配置方法に加え、
(6)コマンド情報内にどちらか一方のインストラクションに対応したインストラクションオペランド(またはサブ・インストラクション)が配置される場合には、コマンド情報内の残りの部分に他方のインストラクションに関係した変数オペランドまたはインストラクションオペランドが配置される。
【0258】
(7)特にJumpインストラクションオペランドまたはSetSystemインストラクションオペランドが含まれる時には、下位の2バイト内に他方のインストラクションに関係した変数オペランドまたはインストラクションオペランドが配置される。
【0259】
と言う構造を持つことでコマンド内容の高速識別を容易としコマンド内容の認識処理とコマンド対応実行処理の高速化と簡素化が図れる。
【0260】
コマンド情報内のデータ構造内に記載されたインストラクションオペランド内の具体的なデータ構造に関する一例として、SetSystemインストラクショングループに属するSetGPRMMDのインストラクションオペランドのデータ構造の例を図51に示す。このSetGPRMMDインストラクションはゼネラルパラメータの値やゼネラルパラメータのモードを変更するインストラクション(命令)である。また、具体的な内容として『図38に示すn番目のセル内の最初に配置されたVOBUの先頭アドレス(C_FVOBU_SA)の値を1番目のゼネラルパラメータ(GPRM(1))値に設定する〔SetGPRMMD:C#n_FVOBU_SA to GPRM(1)〕』を例としている。この場合には、Mode=0b(Register Mode)、設定するゼネラルパラメータ番号は“1”なので“B2”(最下位バイトから3番目の“バイト”)の値はヘキサゴナル表示で“01h”となる。
【0261】
上記の内容を基に、特定な使用条件下での各オペランド数値を設定したコマンド情報の具体例を図52に示す。図51と図52は“B7〜B0”のバイト単位で表現している。
【0262】
図52の(a)では『0番目のゼネラルパラメータGPRM(0)の値がn番目のゼネラルパラメータGPRM(n)の値に一致すれば1番目のゼネラルパラメータGPRM(1)の値をC #n_FVOBU_SAの値に設定する〔If GPRM(0)=GPRM(n) then SetSystem GPRM(1) to C#n_FVOBU_SA〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0263】
図52の(b)では『4番目のゼネラルパラメータGPRM(4)の値が300以上の場合にはGPRM(4)の値に更に100を加算する〔If GPRM(4)≧300 then SetAdd 100 to GPRM(4)〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0264】
図52の(c)では『4番目のゼネラルパラメータGPRM(4)に100の値を設定する〔Assign 100 to GPRM(4)〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0265】
図52の(d)では『4番目のゼネラルパラメータGPRM(4)の現在の値に対して更に50を加算する〔Add 50 to GPRM(4)〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0266】
図52の(e)では『何も処理をしない〔Not Operation〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0267】
図52の(f)では『メニュー画面に戻り、今まで再生していたタイトル(映像)の中断場所を示したリジューム情報(リジューム情報)の値を保存する〔CallSS〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0268】
図52の(g)では『今まで再生していたタイトル(映像)の中断場所を示したリジューム情報(リジューム情報)の値を保存する〔Resume〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0269】
図52の(h)では『特定のメニュー記述用言語コードを0番目のシステムパラメータSPRM(0)に設定する〔Assign Menu Description Language Code to SPRM(0)〕』と言うコマンドを設定した場合の例を示している。
【0270】
現行のSDのDVDビデオ規格においては、ユーザの設定した言語コードを示すメニュー記述言語コード(M_LCD)の値がシステムパラメータの0番(SPRM(0))内に設定され、この値は情報再生装置のメモリ部122に格納されていた。情報再生装置は、起動とともにこの値を読み込み、自動的にこの値に対応したディスク上のコンテンツ(メニュー用VOBデータやタイトル用VOBデータ)を再生している。つまり、ユーザはあらかじめ設定した以外の言語をディスクの再生中に選択することができない。これにより以下のような不都合が生じる。
【0271】
例えば、あるDVDディスクには、英語圏用のコンテンツ(メニュー用VOBデータやタイトル用VOBデータ)とフランス語圏用のコンテンツと日本語圏用のコンテンツが収録されているとする。このディスクをドイツ語圏の人がドイツ語圏のプレーヤ(情報再生装置)で再生する。もちろん、ドイツ語圏の人はプレーヤのメニュー記述言語コードSPRM(0)をドイツ語に設定しているはずである。しかし、このディスクにはドイツ語圏用のコンテンツが収録されていないため、コンテンツプロバイダが指定したデフォルトのコンテンツ、つまりディスク上に初めに記録されているコンテンツを自動的に再生する。ドイツ語圏の人は、ドイツ語以外には英語は理解できる人もいれば、フランス語ならば理解できる人もいる。ただし、ドイツ語圏の人は、ドイツ語以外に日本語を理解できる人はほとんどいない。このため、コンテンツプロバイダはデフォルトのコンテンツを英語圏用のコンテンツとするかフランス語圏用のコンテンツとするかを決めることが難しく、言語選択のためのドイツ語のメニューが別途必要となる。
【0272】
そこで、本実施形態においては、図44に示したように、新たに、システムパラメータに、SPRM(21)として初期メニュー言語コード(IM_LCD)、SPRM(0)として再生中のカレントメニュー言語コード(CM_LCD)を導入し、また、ディスク再生中のコマンドに再生中のカレントメニュー言語コードの設定コマンド(SetM_LCD)を導入し、ディスク上のHDビデオマネージャ記録領域(HDVMG)30のメニュー用ビデオオブジェクト領域にファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35を導入する。
【0273】
以下に、図53のフローチャートを参照して、前述の言語選択メニューを表示する例を説明する。
【0274】
情報再生装置(プレーヤ)が起動すると、ステップ#1で情報再生装置のメモリ部122に記憶してあるプレーヤ初期設定メニュー言語コードを、情報再生装置のMPU部121(図39)にシステムパラメータSPRM(21)として読み込む。プレーヤ初期設定メニュー言語コードとは、情報再生装置の機器メニュー等を用いてユーザがあらかじめ情報再生装置に対して設定している値である。上述したように、プレーヤ初期設定メニュー言語コードが格納されるSPRM(21)は、ディスク再生中にそのディスクのコンテンツにより変更をすることができないシステムパラメータである。つまり、ユーザが変更をしない限り、設定されたプレーヤ初期設定メニュー言語コードの値がSPRM(21)に保持される。
【0275】
ステップ#2で、情報再生装置は読み込んだシステムパラメータSPRM(21)の値を別のシステムパラメータSPRM(0)にコピーする。上述したように、SPRM(0)は再生中のカレントメニュー言語コードを示すシステムパラメータである。SPRM(0)の値は初期状態では、SPRM(21)、つまりプレーヤ初期設定メニュー言語コードと同じであるが、ディスク再生中にそのディスクのコンテンツから変更をすることが可能である。つまり、ディスク再生中にユーザの選択等に従って、SPRM(0)を変更するコマンド(SetM_LCD)を用いて変更することができる。
【0276】
これらの初期化作業が終わった後、情報再生装置はディスクを読み込む。最初に情報再生装置は、ステップ#3でディスク中のファーストプレイPGC(FP_PGC)の内容を実行し、ディスクの再生を開始する。ファーストプレイPGC(FP_PGC)はHDビデオマネージャ情報管理テーブル(HDVMGI_MAT)310(図4)のFP_PGCIにその内容が記述されている。
【0277】
例えば、FP_PGCIが再生するビデオオブジェクトとして、前述の言語選択メニューを構成するファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35を指定する(ステップ#4)ことにより、ディスクが情報再生装置に挿入されるとともに、言語選択メニューが起動するようなコンテンツからなるディスクを構成することが可能である。
【0278】
言語選択メニューとは、例えば図55に示すように構成され、ユーザが選択した言語(ステップ#5)に対応するようにSPRM(0)の値をSetM_LCDコマンドにより変更(再設定)する(ステップ#6)ことにより、ユーザの選択した言語に対応するメニュー(タイトル再生メニュー、音声選択メニュー、字幕選択メニュー、アングル選択メニュー、ルートメニュー、チャプターといったメニュー)の再生を行うことが可能となる。つまり、SetM_LCDコマンドを用いてSPRM(0)の値を変更した後、各種メニューを表示するためにJumpSSコマンド(ドメインIDによって指定されるPGCの再生を開始するためのインストラクション)によりメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32、またはメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42を再生する際に、SPRM(0)が示す言語コードと、メニュー用ビデオオブジェクトが構成される言語コードを表すHDビデオマネージャメニュー言語コードHDVMGM_LCD(HDビデオマネージャメニュー言語ユニットサーチポインタ312b(図6)参照)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コードHDVTSM_LCD(HDビデオタイトルセットメニュー言語ユニットサーチポインタ413b(図25)参照)の値を比較することにより、ユーザの選択した言語コードで構成されるメニュー用VOB(s)(図18参照)を再生する(ステップ#7)ことが可能となる。
【0279】
ステップ#8で、SPRM(0)の値とメニュー用ビデオオブジェクトが構成される言語コードを表すHDビデオマネージャメニュー言語コードHDVMGM_LCD(HDビデオマネージャメニュー言語ユニットサーチポインタ312b(図6)参照)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コードHDVTSM_LCD(HDビデオタイトルセットメニュー言語ユニットサーチポインタ413b(図25)参照)の値を比較し、ステップ#9でユーザの選択した言語コードで構成されるメニュー用VOB(s)(図17参照)を再生する。
【0280】
以下に、図54のフローチャートを参照して情報再生装置の言語コードを調べて言語選択メニューを表示する例を説明する。
【0281】
情報再生装置(プレーヤ)が起動すると、ステップ#11で情報再生装置のメモリ部122に記憶してあるプレーヤ初期設定メニュー言語コードを、情報再生装置のMPU部121にシステムパラメータSPRM(21)として読み込む。プレーヤ初期設定メニュー言語コードとは、情報再生装置の機器メニュー等を用いてユーザがあらかじめ情報再生装置に対して設定している値である。上述したように、プレーヤ初期設定メニュー言語コードが格納されるSPRM(21)は、ディスク再生中にそのディスクのコンテンツにより変更をすることができないシステムパラメータである。つまり、ユーザが変更をしない限り、設定されたプレーヤ初期設定メニュー言語コードの値がSPRM(21)に保持される。
【0282】
ステップ#12で、情報再生装置は読み込んだシステムパラメータSPRM(21)の値を別のシステムパラメータSPRM(0)にコピーする。上述したように、SPRM(0)は再生中のカレントメニュー言語コードを示すシステムパラメータである。SPRM(0)の値は初期状態では、SPRM(21)、つまりプレーヤ初期設定メニュー言語コードと同じであるが、ディスク再生中にそのディスクのコンテンツから変更をすることが可能である。つまり、ディスク再生中にユーザの選択等に従って、SPRM(0)を変更するコマンド(SetM_LCD)を用いて変更することができる。
【0283】
これらの初期化作業が終わった後、情報再生装置はディスクを読み込む。最初に情報再生装置は、ステップ#13でディスク中のファーストプレイPGC(FP_PGC)の内容を実行し、ディスクの再生を開始する。ファーストプレイPGC(FP_PGC)はHDビデオマネージャ情報管理テーブル(HDVMGI_MAT)310(図4)のFP_PGCIにその内容が記述されている。例えば、FP_PGCIが再生するビデオオブジェクトとして、前述の言語選択メニューを構成するファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35を指定する。
【0284】
更に、プリコマンドとして、SPRM(0)の値とディスクに記録されているメニューを構成する言語コードをそれぞれ比較し(ステップ#14)、一致した場合にのみメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32、またはメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42を再生するためのコマンドを設定する。例えば、これはCompare Jumpコマンドにより実現が可能である。
【0285】
もし、一致しなかった場合は、前述のファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS35が再生される(ステップ#16)。これにより、ディスクが情報再生装置に挿入されるとともに、情報再生装置のプレーヤ初期設定メニュー言語コードを調べ、ディスク内にこの言語コードと同じ言語コードで記述されたメニューがディスクに存在する場合は、そのメニューを再生し(ステップ#19以降)、そうでない場合のみ、言語選択メニューが起動する(ステップ#16)ようなコンテンツからなるディスクを構成することが可能である。
【0286】
言語選択メニューとは、図53と同じように、ユーザが選択した言語に対応するようにSPRM(0)の値をSetM_LCDコマンドにより変更(再設定)することにより、ユーザの選択した言語に対応するメニュー(タイトル再生メニュー、音声選択メニュー、字幕選択メニュー、アングル選択メニュー、ルートメニュー、チャプターといったメニュー)の再生を行うことである。つまり、SetM_LCDコマンドを用いてSPRM(0)の値を変更した後、各種メニューを表示するためにJumpSSコマンドによりメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32、またはメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42を再生する際に、メニュー用ビデオオブジェクトが構成される言語コードを表すHDビデオマネージャメニュー言語コードHDVMGM_LCD(HDビデオマネージャメニュー言語ユニットサーチポインタ312b(図6)参照)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コードHDVTSM_LCD(HDビデオタイトルセットメニュー言語ユニットサーチポインタ413b(図25)参照)の値を比較する(ステップ#20)ことにより、ユーザの選択した言語コードで構成されるメニュー用VOB(s)(図17参照)を再生する(ステップ#21)ことが可能となる。
【0287】
図55に、前述の言語選択メニューによりSPRM(0)の値を再設定するときの例を示す。
【0288】
例えば、情報再生装置(プレーヤ)の初期設定メニュー言語コードがドイツ語を示す“de”に設定されていたとする。また、再生するディスクは、図18に示すように、日本語、英語、フランス語、スペイン語、中國語に対応したメニュー用ビデオオブジェクト(HDVMGM_VOBS)32(またはメニュー用ビデオオブジェクト(HDVTSM_VOBS)42)が記録されている。情報再生装置の初期設定メニュー言語コードが、前述の言語(日本語、英語、フランス語、スペイン語、中國語)に設定されている場合、情報再生装置は対応する(初期設定メニュー言語コードと同じ言語コードをもつ)メニュー用ビデオオブジェクトを再生する。しかし、あいにく、再生するディスクにはドイツ語に対応したメニュー用ビデオオブジェクトが記録されていない。そこで、情報再生装置は、ファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBS(FP_PGCM_VOBS)35の再生(表示)を行う。
【0289】
ファーストプレイPGC用言語選択メニューVOBSは図55に示すように、ディスクに記録されているメニュー用ビデオオブジェクトの言語(日本語、英語、フランス語、スペイン語、中國語)が選択できるように構成されている。メニュー用ビデオオブジェクトは、各言語を選択するためのボタン(日本語選択ボタン、英語選択ボタン、フランス語選択ボタン、スペイン語選択ボタン、中國語選択ボタン、動画タイトルと言語選択は英語で表記されているが、これらのボタンは各言語で表記されている)を含んで構成されている。また、各言語選択ボタンは、再生中のカレント選択メニュー言語コードを表すシステムパラメータSPRM(0)の値を指定の値に変更するためのコマンドと、メニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32、またはメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVTSM_VOBS)42を再生するためのコマンドを実行するように意味づけられている。例えば、日本語選択ボタンを選択し決定すると、前述のSPRM(0)の値を日本語を示す“ja”に変更するためのコマンドSetM_LCD“ja”を実行し、SPRM(0)の値が“ja”に変更される。これとともに、JumpSSコマンドにより、指定されたメニュー用ビデオオブジェクトの再生を実行する。このとき、SPRM(0)の値が日本語を意味しているため、HDビデオマネージャメニュー言語コード(HDVMGM_LCD)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コード(HDVTSM_LCD)が日本語であるメニュー用ビデオオブジェクトの再生を行う。
【0290】
同様に、英語選択ボタンを選択し決定すると、SPRM(0)の値を英語を示す“en”に変更するためののコマンドSetM_LCD“en”とメニューを再生するためのコマンドJumpSSを実行し、HDビデオマネージャメニュー言語コード(HDVMGM_LCD)、またはHDビデオタイトルセットメニュー言語コード(HDVTSM_LCD)が英語を示すメニュー用ビデオオブジェクトの再生を行う。
【0291】
ここで、初期メニュー言語コードSPRM(21)は、ユーザのみが変更設定可能な言語コードである。つまり、ユーザが変更しない限りはその値が保持され、いかなるディスクを再生した場合においても、ディスクに記録されているコンテンツはこの値を変更することができず、コンテンツはユーザが本来設定した言語コードをいつでも参照することが可能である。
【0292】
一方で、再生中のカレントメニュー言語コードSPRM(0)は、情報再生装置の起動時に、初期メニュー言語コードSPRM(21)の値がコピーされるため、初期状態では常にユーザが設定した言語コードが反映されるが、ディスクに記録されているコンテンツはこの値を変更することが可能であり、コンテンツプロバイダの意思により言語コードの変更を行い(もちろんユーザに選択を行わせても良い)、ユーザに適切な言語コードに変更することが可能である。
【0293】
これにより、ユーザが設定したメニュー記述言語コード情報が消されることがなく、ユーザがメニュー記述言語コードを再設定する必要が発生してユーザの負担が増すと言う問題点が解決されるとともに、コンテンツプロバイダにとっては、複数のメニュー記述言語コードに対応してそれぞれメニュー記述言語コードを選択する画面を作る必要が無くなり、コンテンツ作成時のオーサリング作業が簡素化される。その結果、オーサリング作業時間が短縮される分コンテンツの販売価格を低下できる効果がある。
【0294】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0295】
【図1】本発明実施形態におけるディスク形状の情報記憶媒体1に記録される情報内容を示す図。
【図2】従来のSDのDVDビデオコンテンツのファイルシステムを示す図。
【図3】図1の(e)に示すHDビデオマネージャ情報領域(HDVMGI)31内のデータ構造を示す図。
【図4】図3のHDビデオマネージャ情報・管理テーブル(HDVMGI_MAT)310内のデータ構造を示す図。
【図5】図3に示したタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)311内のデータ構造を示す図。
【図6】3に示したHDビデオマネージャメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVMGM_PGCI_UT)312内のデータ構造を示す図。
【図7】図3に示したHDビデオマネージャメニューPGCI(HDVMGM_PGCI_UT)312内に記録されるHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット#n(HDVMGM_LU #n)312c(図6)内のデータ構造を示す図。
【図8】図7に示したHDビデオマネージャメニュー・言語ユニット#n(HDVMGM_LU #n)312c(図6)内に記録されるHDビデオマネージャメニュープログラムチェーンカテゴリ(HDVMGM_PGC_CAT)内のデータ構造を示す図。
【図9】図3に示したパレンタルマネジメント(管理)情報テーブル(PTL_MAIT)313内のデータ構造を示す図。
【図10】図9に示したパレンタル管理情報(PTL_MAI)313c内のデータ構造を示す図。
【図11】図3に示したHDビデオタイトルセット属性情報テーブル(HDVTS_ATRT)314内のデータ構造を示す図。
【図12】図3に示したテキストデータマネージャ(TXTDT_MG)315内のデータ構造を示す図。
【図13】図12に示したテキストデータマネージャ(TXTDT_MG)315内のテキストデータ言語ユニット(TXTDT_LU)315c内のデータ構造を示す図。
【図14】図13に示したテキストデータ言語ユニット(TXTDT_LU)315c内のテキストデータ(TXTDT)315c4内のデータ構造を示す図。
【図15】図3に示したHDビデオマネージャメニューセルアドレステーブル(HDVMGM_C_ADT)316内のデータ構造を示す図。
【図16】図3に示したHDビデオマネージャメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップ(HDVMGM_VOBU_ADMAP)317内のデータ構造を示す図。
【図17】HDビデオコンテンツのメニュー用AOB(HDMENU_AOB)自体に対する管理情報内容を示す図。
【図18】図2のHD_VMG01.HDVファイル内にまとめて格納された図1の(e)に示すメニュー用ビデオオブジェクト領域(HDVMGM_VOBS)32内のデータ構造を示す図。
【図19】メニュー用のオーディオオブジェクト領域(HDMENU_AOBS)内のデータ構造を示す図。
【図20】図1の(f)に示したHDビデオタイトルセット情報領域(HDVTSI)41内のデータ構造を示す図。
【図21】HDビデオタイトルセット情報管理テーブル(HDVTSI_MAT)410内のデータ構造を示す図。
【図22】図20に示したHDビデオタイトルセットPTTサーチポインタテーブル(HDVTS_PPT_SRPT)411の内のデータ構造を示す図。
【図23】図20に示したHDビデオタイトルセット・プログラムチェーン情報テーブル(HDVTS_PGCIT)412内のデータ構造を示す図。
【図24】図23に示したHDVTS_PGCIサーチポインタ(HDVTS_PGCI_SPR)内に記録されるHDビデオタイトルセットプログラムチェーンカテゴリ(HDVTS_PGC_CAT)内のデータ構造を示す図。
【図25】図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・PGCI・ユニットテーブル(HDVTSM_PGCI_UT)413内のデータ構造を示す図。
【図26】図25に示したHDビデオタイトルセットメニュー・言語ユニット(HDVTSM_LU)413c内のデータ構造を示す図。
【図27】図26に示したHDVTSM_PGCカテゴリ情報(HDVTSM_PGC_CAT)内のデータ構造を示す図。
【図28】図20に示したのHDビデオタイトルセット・タイムマップテーブル(HDVTS_TMAPT)414内のデータ構造を示す図。
【図29】図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・セル・アドレステーブル(HDVTSM_C_ADT)415内のデータ構造を示す図。
【図30】図20に示したHDビデオタイトルセットメニュー・ビデオオブジェクトユニット・アドレスマップ(HDVTSM_VOBU_ADMAP)416内のデータ構造を示す図。
【図31】図20に示したHDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417内のデータ構造を示す図。
【図32】図20に示したHDビデオタイトルセット・セル・アドレステーブル(HDVTS_C_ADT)417内のデータ構造を示す図。
【図33】プログラムチェーン情報PGCI内のデータ構造を示す図。
【図34】プログラムチェーン情報PGCI内のプログラムチェーン・一般情報PGCI_GI内のデータ構造を示す図。
【図35】図34に示したプログラムチェーン情報PGCI内のプログラムチェーン・コマンドテーブルPGCI_CMDT内のデータ構造を示す図。
【図36】図35に示したプログラムチェーン・コマンドテーブルPGCI_CMDT内のプログラムチェーン・コマンドテーブル情報PGC_CMDTIとリジュームコマンドRSM_CMD内のデータ構造を示す図。
【図37】プログラムチェーン情報PGCI内に配置されたプログラムチェーン・プログラムマップ(PGC_PGMAP)とセル・位置情報テーブル(C_POSIT)54内のデータ構造を示す図。
【図38】プログラムチェーン情報PGCI内に配置されたセル・再生情報テーブルC_PBIT内のデータ構造を示す図。
【図39】本発明の一実施形態の情報再生装置(プレーヤ)の構成を示すブロック図。
【図40】図39に示した情報再生装置のグラフィックデコーダ部113の詳細な構成を示すブロック図。
【図41】仮想ビデオアクセスユニットIVAUの概念を説明する図。
【図42】仮想ビデオアクセスユニットIVAUが設定された静止画が記録されたVOBのデータを管理するHDビデオタイトルセット・ビデオオブジェクトユニット・アドレスHDVTS_VOBU_SAの中に記載される管理データ内容をに示す。
【図43】仮想ビデオアクセスユニットIVAUとHDマップエントリHDMAP_ENとの関係を示す。
【図44】システムパラメータSPRMの内容を説明する図。
【図45】ビデオオブジェクト内のグラフィックユニットGUの配置図。
【図46】グラフィックユニット内のデータ構造を示す図。
【図47】グラフィックユニット内のヘッダ情報内容と一般情報内容を示す図。
【図48】グラフィックユニット内のマスクデータとグラフィックデータのイメージを説明する図。
【図49】マスクパターンを含むビデオ合成例を示す図。
【図50】グラフィックユニットにおけるボタン位置情報を説明する図。
【図51】コマンド情報内のデータ構造内に記載されたインストラクションオペランド内の具体的なデータ構造に関する一例として、SetSystemインストラクショングループに属するSetGPRMMDのインストラクションオペランドのデータ構造の例を示す図。
【図52】特定な使用条件下での各オペランド数値を設定したコマンド情報の具体例を示す図。
【図53】言語選択メニューを表示する例を説明するフローチャート。
【図54】情報再生装置の言語コードを調べて言語選択メニューを表示するフローチャート。
【図55】言語選択メニューによりSPRM(0)の値を再設定するときのフローチャート。
【符号の説明】
【0296】
1…ディスク形状の情報記憶媒体、10…リードイン領域、11…ボリューム/ファイル構造情報領域、12…データ領域、13…リードアウト領域、20…ビデオデータ記録領域、21…他のビデオデータ記録領域、22…一般コンピュータ情報記録領域、30…HDビデオマネージャ記録領域、31…HDビデオマネージャ情報領域、35…ファーストプレイPGC用言語選択メニュー、32…メニュー用ビデオオブジェクト領域、33…メニュー用オーディオオブジェクト領域、34…HDビデオマネージャ情報バックアップ領域、40…HDビデオタイトルセット記録領域、41…HDビデオタイトルセット情報領域、42…メニュー用ビデオオブジェクト領域、43…タイトル用ビデオオブジェクト領域、44…HDビデオタイトルセット情報バックアップ領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオアクセスユニットに分割されたビデオオブジェクトを記憶する情報記憶媒体において、静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットと次に表示される静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットの間の期間に複数個の仮想アクセスユニットが仮想的に設定される情報記憶媒体。
【請求項2】
ビデオアクセスユニットに分割されたビデオオブジェクトを記憶する情報記憶媒体から情報を再生する装置において、情報記憶媒体は静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットと次に表示される静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットの間の期間に複数個の仮想アクセスユニットが仮想的に設定されている情報再生装置。
【請求項3】
ビデオアクセスユニットに分割されたビデオオブジェクトを記憶する情報記憶媒体から情報を再生する方法において、情報記憶媒体は静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットと次に表示される静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットの間の期間に複数個の仮想アクセスユニットが仮想的に設定されている情報再生方法。
【請求項1】
ビデオアクセスユニットに分割されたビデオオブジェクトを記憶する情報記憶媒体において、静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットと次に表示される静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットの間の期間に複数個の仮想アクセスユニットが仮想的に設定される情報記憶媒体。
【請求項2】
ビデオアクセスユニットに分割されたビデオオブジェクトを記憶する情報記憶媒体から情報を再生する装置において、情報記憶媒体は静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットと次に表示される静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットの間の期間に複数個の仮想アクセスユニットが仮想的に設定されている情報再生装置。
【請求項3】
ビデオアクセスユニットに分割されたビデオオブジェクトを記憶する情報記憶媒体から情報を再生する方法において、情報記憶媒体は静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットと次に表示される静止画が記録されたIピクチャを含むビデオアクセスユニットの間の期間に複数個の仮想アクセスユニットが仮想的に設定されている情報再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【公開番号】特開2008−159253(P2008−159253A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10900(P2008−10900)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【分割の表示】特願2003−135059(P2003−135059)の分割
【原出願日】平成15年5月13日(2003.5.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【分割の表示】特願2003−135059(P2003−135059)の分割
【原出願日】平成15年5月13日(2003.5.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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