説明

情報記憶装置を有する燃料電池用サプライおよび制御システム

【課題】電子装置、バッテリ充電器、または燃料充填装置の動作を最適化する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム10は、カートリッジ12、ポンプ14および/または再充填装置に関連して情報記憶装置23を含む。情報記憶装置は任意の電子記憶装置で良く、これに限定されないが、EEPROMまたはPLAを含む。情報記憶装置は、電子装置および/または再充填装置の動作の前にカートリッジの識別性を確認するためのソフトウェアコードを含んで良い。情報記憶装置は、電子装置が動作している際に、燃料サプライがイジェクトされるときに適切にシャットダウンを行うホットスワップ手順用の命令を含んで良い。ノズル22は、遮断バルブ24を収容し、カートリッジ12の燃料と液体連通される。そして、遮断バルブ24は、ポンプ14に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に、燃料を種々の燃料電池システムに関し、また、具体的には、燃料電池を使用する燃料電池システムに関し、さらに具体的には、この発明は、このようなシステムに情報記憶装置を一体化させることに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、直接すなわち、反応物質、すなわち燃料および酸素の化学エネルギを直流(DC)電気に直接変換する装置である。多くの漸増している用途において、燃料電池は、化石燃焼などの従来の発電よりも効率的であり、リチウムイオンバッテリーなどの携帯型蓄電池より効率的である。
【0003】
一般に、燃料電池技術はアルカリ燃料電池、高分子電解質燃料電池、りん酸燃料電池、溶融炭酸塩燃料電池および固体酸化物燃料電池等の、様々な異なった燃料電池を含む。今日の、より重要な燃料電池は3つの一般的なカテゴリに分割することができる。すなわち、圧縮水素(H)を燃料として利用したもの;燃料としての水素に改質されるメタノール(CHOH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、炭化水素(例えばブタン)又は他の燃料を使用する陽子交換膜(PEM)の燃料電池;および直接メタノール(CHOH)燃料を使用するPEM燃料電池(「ダイレクトメタノール燃料電池」すなわちDMFC)である。圧縮された水素は一般に、高い圧力の下で保たれ、そのため、扱いが難しい。その上、大きい貯蔵タンクが通常必要で、消費者向け電子製品用に十分小さくすることができない。通常の改質燃料電池は、燃料を水素に変換して燃料電池中で酸化剤と反応させるために、改質材が必要であり、また他の気化および補助システムを必要とする。近年の技術進歩により、改室材または改室燃料電池は消費者向け電子製品に有望である。DMFCでは、メタノールが直接に燃料電池中で酸素と反応し、このDMFCは、最も簡単で可能性としては最も小さくなる燃料電池であり、消費者向け電子製品用の電力供給に最も有望である。
【0004】
比較的供給が大きなアプリケーションでは、DMFCは、酸化剤、典型的には空気か酸素を陰極電極に供給するためのファンかコンプレッサーと、水/メタノール混合物を陽極電極へ供給するポンプと、膜電極アセンブリ(MEA)とを典型的に具備する。MEAは、典型的には、陰極、PEMおよび陽極を含む。動作中、水/メタノール燃料の混合液体が直接に陽極に供給され、酸化剤が陰極に供給される。各電極での化学電気反応と燃料電池に関する総合的な反応は以下の通り記述される:
【0005】
陽極での反応:
CHOH + HO → CO + 6H + 6e
陰極での反応:
+ 4H + 4e → 2H
全体の燃料電池反応:
CHOH + 1。5O → CO + 2H
【0006】
PEMを通る水素イオン(H)が陽極から陰極を通り抜けてマイグレーションするために、また、自由電子(e)がPEMを通り抜けられないため、電子は外部回路を通って流れなければならず、外部回路を通して電流を生じさせる。この外部回路は、モバイルすなわちセル電話、計算機、パーソナルデジタツアシスタンツ、ラップトップコンピュータ、電力ツールなどの有益な消費者向けの電子製品であってよい。DMFCは、特許文献1および特許文献2に開示されており、詳細はこれらに記載のとおりである。一般に、PEMはNafion(商標)などの高分子から作られており、DuPontから入手可能であり、厚さが約0.05mm〜約0.50mmの範囲のペルフルオ化合物材料、その他である。陽極は、典型的には、白金ルテニウムなどの触媒の薄層によってサポートされたテフロン(Teflonized。商標)のカーボン紙から製造される。陰極は、典型的には、白金粒子が膜の一面に接着されるガス拡散電極である。
【0007】
水素化ホウ素ナトリウム改質燃料電池の燃料反応は以下のようなものである:
NaBH(液体)+2HO→(加熱または触媒)→4(H)+(NaBO)(液体)
→2H+2e(陽極で)
2(2H+2e)+O→2HO(陰極で)
適切な触媒は白金およびルテニウム、その他である。水素化ホウ素ナトリウムを改質して生成された水素燃料は燃料電池中で、酸化剤例えばOと反応させられ、電気(すなわち電子の流れ)および水の副産物を生成する。ホウ酸ナトリウム(NaBO)の副産物も改質プロセスで生成される。水素化ホウ素ナトリウム燃料電池は特許文献3に検討されており、参照してここに組み入れる。
【0008】
特許の文献は、電子メモリ部品を含む消費物質のコンテナを多く開示している。特許文献4は、リードオンリーメモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ、電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ、非揮発性ランダムアクセスメモリ、揮発性ランダムアクセスメモリ、または、その他のタイプの電子メモリを含む種々のコンテナを開示している。これら電子メモリ装置は、コンテナ用の符号化されたリサイクル、改装、および/または再充填命令を、コンテナの利用記録に加えて、保持するのに用いることができる。コンテナはプリンタ用の液体インクまたは粉末トナーを含んでも良い。代替的には、コンテナは燃料電池を含んでも良い。
【0009】
特許文献5および特許文献6はホスト装置と情報記憶装置付きの燃料電池装置とを含むシステムを開示している。ホスト装置は、例えば、燃料電池スタックと交換可能燃料カートリッジにより電力供給されるPDAである。燃料カートリッジは情報記憶装置を有し、これは非揮発性のシリアルEEPROMメモリチップである。チップに記憶されるデータは燃料管理データ、安全情報およびマーケットおよび製造情報に関連するもので良い。初期燃料レベルは書き込み保護でき、現在の燃料レベルは減少可能データフィールドに規定される。
【0010】
特許文献7は、メモリ装置、コントローラおよび通信インタフェースを具備する水素カットリッジを開示している。特許文献8は、バーコードが印刷された他の水素カートリッジを開示している。バーコードはカートリッジの識別情報を含んでいる。特許文献9は、各セルにバーコードを印刷したユニット燃料セルを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5992008号
【特許文献2】米国特許第5945231号
【特許文献3】米国公開特許出願2003/0082427
【特許文献4】米国公開特許出願2002/0154815
【特許文献5】米国公開特許出願2003/0082416
【特許文献6】米国公開特許出願2003/0082426
【特許文献7】日本特許公開公報2003−049996
【特許文献8】日本特許公開公報2002−161997
【特許文献9】国際公開WO03/012902
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明は、燃料電池用の燃料サプライであって、当該サプライに含まれている燃料に関する情報またはメモリを記憶する能力を有するものに向けられている。
【0013】
この発明は、また、燃料電池用の燃料サプライであって、これが供給を行う燃料電池、および/または、上記燃料電池が電力供給する電子装置に関連情報を通信する能力を有するものに向けられている。
【0014】
この発明は、さらに、燃料電池用の燃料サプライであって、燃料電池、および/または、上記燃料電池が電力供給する電子装置から、関連情報を受け取って記憶する能力を有するものに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一実施例においては、この発明は、燃料を含む外側ケーシングと、このケーシングにより支持されている情報記憶装置とを有する、燃料電池用の燃料サプライに向けられている。情報記憶装置に記憶されているデータは、暗号化され、暗号化データを復号可能なコントローラにより読み出し可能になっている。データは対称キー手法により暗号化され、暗号化データは同様の手法により復号できる。代替的には、データは公開鍵手法により暗号化され、同様の手法により復号される。
【0016】
他の実施例においては、この発明は、燃料を含む外側ケーシングと、このケーシングにより支持されている情報記憶装置とを有する、燃料電池用の燃料サプライに向けられている。情報記憶装置は、現行イオンレベル、カートリッジの振動耐性、反模倣情報、知的所有権情報、セキュリティパスワード、有効期限、シャットダウン手続、ホットスワット手続、燃料ゲージタイプ、および流体センサ情報からなる一群の情報から選択されたデータを記憶する。記憶された情報はコントローラにより読み出し可能である。
【0017】
他の実施例においては、この発明は、燃料電池に関連付けられた情報記憶装置に向けられており、情報記憶装置は、ホットスワップ手続用の情報を含む。この情報記憶装置は燃料サプライ、燃料電池または燃料電池が給電する電子装置に配置できる。ホットスワップ手続は、トリガーのイベントが発生したときに予め定められたシーケンスに従って、コントローラが電子装置用の代替電力現に切り替え、ポンプに指令して燃料電池へポンピングを行ないシャットダウンを実行するためのインストラクションを含む。
【0018】
トリガーのイベントは、電子装置が動作しているときに、燃料電池用の燃料を含む燃料サプライを取り外すことである。代替的な電力源は、バッテリまたは燃料電池の燃料を含む予備の燃料室である。コントローラは代替的な電力源を利用して情報記憶装置に情報を書き込むことができる。予め定められたシーケンスは、代替的な電力源を用いてポンプを駆動して、燃料電池と当該燃料電池用の燃料を含む燃料サプライとの間のインタフェースにある燃料をポンピングにより排出するステップを有する。
【0019】
他の実施例において、この発明は、この発明は、また、第1の情報記憶装置に結合して動作するコントローラ、燃料調整器、および膜交換部材を具備する燃料電池を有する燃料電池システムに向けられている。第1の情報記憶装置は燃料サプライに設けられ燃料サプライに関連する情報を含み、コントローラは情報記憶装置に対して読み出し、書き込みを行える。燃料サプライは燃料調整器と液体連通しており、これは少なくとも調整バルブを有し、この燃料調整器は燃料電池と液体連通しており、燃料サプライに保持されている燃料を燃料電池に転送可能であり、これにより、電気へと変換が行われる。
【0020】
燃料サプライの内部圧力は環境圧力より大きいものでもよい。燃料調整器は、調整バルブと液体連通するポンプを具備してもよい。
【0021】
燃料電池が給電する電子装置がオンしたときに、コントローラは第1の情報記憶装置から読み出しを行ない、燃料サプライが燃料電池と互換性があるかどうか確認する。こののち、コントローラはポンプに指示を与えて燃料サプライから燃料をポンピングして取り出す。コントローラは、調整バルブの開口のサイズを設定して調整器を通る流れの速度を調整することにより、調整器を通る流れの速度を調整することができる。流れの速度を多孔質材料、例えばフィラー、発泡体、および膜(例えばDuPont社のNomex(商標))により制御しても良い。
【0022】
燃料電池システムは燃料調整器に関連して第2の情報記憶装置を含んでも良い。第2の情報記憶装置は、燃料調整器に関する情報を含み、コントローラはこの第2の情報記憶装置に対して読み出し、書き込みを行える。
【0023】
コントローラは、燃料サプライ中の残留燃料を測定する燃料ゲージを読み取ることにより、残留燃料を決定でき、残留燃料体積を少なくとも1つの情報記憶装置に書き込む。コントローラは、燃料調整器を介して転送される燃料の体積を求めることにより残留燃料を決定しても良い。この計算では、燃料調整器を介して燃料が流れる流れの速度と時間とを用いる。
【0024】
コントローラは、燃料電池に結合して動作する濃度センサから燃料の濃度を読み出し、燃料調整器を介する流れの速度を変更して燃料密度を予め定めた範囲内に維持することにより、燃料電池の燃料濃度を制御できる。燃料電池システムは、さらに、燃料調整器を介して転送された燃料と、燃料電池の反応により生成された反応副産物とを貯蔵する混合室部を有してもよい。コントローラは、燃料調整器を介して転送された燃料の体積を制御することにより、所定の燃料密度範囲を維持する。混合室部は、個別に燃料コンパートメントおよび副産物コンパートメントを有しても良く、コントローラは、各コンパートメントから燃料電池への流れの速度を個々に調整して予め定められた燃料密度範囲を維持する。燃料コンパートメントおよび副産物コンパートメントは同一の混合室部に含まれても良いし、相互に離ればなれに配置しても良い。
【0025】
燃料電池システムは、燃料電池に関連して第3の情報記憶装置を具備しても良い。第3の情報記憶装置は、燃料電池に関連する情報を含み、コントローラは第3の情報記憶装置に対して読み出し、書き込みを行える。
【0026】
燃料電池システムはさらにイオン燃料フィルタおよびイオンセンサを具備しても良く、フィルタは燃料サプライに配して良く、イオンセンサはコントローラにより読み出し可能である。コントローラは、燃料サプライの第1の情報記憶装置にイオンレベルを書き込むことができ、燃料サプライのイオンレベルが許容できないものになるとコントローラは燃料を使用しなくなる。
【0027】
一実施例においては、調整バルブは、不浸透面から離れて配置された柔らかな細孔性膜を有し、燃料はこの膜の穴および不浸透面の開口を介して転送される。燃料の流れの速度が予め定められた速度を上回るときには、柔らかな細孔性膜が引っ張られて膜の少なくとも一部が不浸透面と接触する。
【0028】
他の実施例では、燃料電池により生成された電気がバッテリを再充電する。充電されたバッテリはスタンドアローンのバッテリでもよいし、電子装置またはカートリッジの内部に配置されても良い。
【0029】
他の実施例では、燃料サプライはそれ自体の情報記憶装置を具備する再充填装置により再充填されても良い。
【0030】
さらに、情報記憶装置に記憶されているデータは、書き込み保護データおよび更新書き込み可能なデータを含んでもよく、これは燃料、燃料サプライ、燃料サプライを駆動するソフトウェア、燃料電池、および燃料電池が給電する電子装置に関するものである。記憶されたデータは燃料サプライ、燃料電池および電子装置に関連するハードウェアおよびファームウェア例えばゲージに関するものでも良い。
【0031】
情報記憶装置は電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ、その他の電子記憶装置でよい。コントローラは燃料電池または燃料電池が給電する電子装置の内部に配置することができる。コントローラは、電気的接続またはワイヤ接続により情報記憶装置に接続される。コントローラは、情報記憶装置に記憶されているデータにアクセスするのに必要とされるセキュリティ識別パスワードを具備してもよい。
【0032】
添付図面は明細書の一部を形成し、明細書との関連において理解されるべきであり、種々の図において類似の参照番号は類似の部分を示すために用いられる。添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】燃料カートリッジを、情報記憶装置、ポンプ、およびMEAとともに具備し電子装置を給電する燃料電池システムの模式図である。
【図2】燃料カートリッジを、各々情報記憶装置を具備する多数の室部、ポンプ、および情報記憶装置付きの再充填装置とともに具備する燃料電池システムの模式図である。
【図3】燃料カートリッジを、情報記憶装置、ポンプ、およびMEAとともに具備し電子装置を給電する燃料電池システムの模式図である。
【図4】この発明の他の燃料電池システムの模式図である。
【図5】この発明の他の燃料電池システムの模式図である。
【図6】この発明に従う調整バルブの2つの実施例の一部断面図である。
【図7A】この発明に従う調整バルブの他の実施例の一部断面図である。
【図7B】この発明に従う調整バルブの他の実施例の一部断面図である。
【図7C】この発明に従う調整バルブの他の実施例の一部断面図である。
【図7D】この発明に従う調整バルブの他の実施例の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付図面に例示され、以下で詳細に説明されるように、この発明は、メタノールと水、メタノール/水混合液、濃度が変化するメタノール/水混合液または純粋なメタノールなどの燃料電池用の燃料を格納する燃料サプライ(燃料供給装置)に向けられている。メタノールは多くのタイプの燃料電池、例えば、DMFC、酵素(enzyme)燃料電池、改質燃料電池、その他に使用できる。燃料サプライは他のタイプの燃料電池の燃料、例えば、エタノールまたはアルコール、水素に改質できる化学物質、または、燃料電池の性能や効率を改善することができる他の化学物質を含んでも良い。燃料は、またh、水酸化カリウム(KOH)電解質を含んでも良く、これは金属燃料電池またはアルカリ燃料電池とともに用いることができ、燃料サプライに貯蔵することができる。金属燃料電池に対しては、燃料はKOH電解質反応溶液に浸漬された液体担持亜鉛の形態をしており、電池空洞中の陽極は亜鉛粒子からなる粒状陽極である。KOH電解質溶液は、「1または複数の負荷に電力供給するように構成された燃料電池システムの使用方法」という題名で2003年4月24日に公開された米国公開特許出願2003/0077493に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、メタノール、過酸化水素、および硫酸の混合物を含み、これはシリコンチップ状に形成された触媒を通過して流れ燃料電池反応を生成する。燃料は、また、液体水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)および水を含み、これは上述のとおりである。燃料はさらに炭化水素燃料を含み、炭化水素燃料は、これに限定されないが、ブタン、灯油、アルコール、および天然ガスを含み、これは、「液体ヘテロインタフェース燃料電池デバイス」という題名で、2003年5月22日に公開された米国公開特許出願2003/0096150に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、燃料と反応する液体酸化物を含む。したがって、この発明は、サプライ中に含有される、任意のタイプの燃料、電解質溶液、酸化物溶液または液体に制約されない。ここで使用される用語「燃料」は、燃料電池または燃料サプライ中で反応することができるすべての燃料を含み、また、上述の適切な燃料、電解質溶液、酸化物溶液、液体、および/または化学物質ならびにこれらの混合物のすべてを含むが、これに限定されない。
【0035】
ここで使用される用語「燃料サプライ」は、これに限定されないが、使い捨てカートリッジ、再充填可能/再使用可能カートリッジ、電子製品内に配置されるカートリッジ、電子製品の外部に配置されるカートリッジ、燃料タンク、燃料再充填タンク、燃料を貯蔵する他のコンテナ、および、燃料タンク、コンテナ、燃料電離又は燃料電池が電力供給する電子製品に結合された管材を含む。カートリッジはこの発明の例示的な実施例との関連で以下に説明されるが、これら実施例は他の燃料サプライにも適用可能であり、この発明は燃料サプライのいかなる特定のタイプにも限定されないことに留意されたい。
【0036】
この発明の燃料サプライは、燃料電池で使用されない燃料を貯蔵するのに使用しても良い。これらの用途は、これに限定されないが、シリコンチップ上に構築されたマイクロガスタービン用の炭化水素および水素燃料を貯蔵することであり、”Here Come the Microengines”、The Industrial Physicist(2001年12月/2002年1月)、pp.20−25に検討されている。他の用途は、内燃機関エンジン用の伝統的な燃料や、ポケットおよび実用ライター用の炭化水素例えばブタンおよび液体プロパンを貯蔵することである。
【0037】
この発明に一側面によれば、燃料サプライは、使用中の燃料内容物を含む燃料内容物、燃料の量、燃料タイプ、反模倣情報、時間経過に基づく失効日、製造情報のような情報を蓄え、また、サービス長、再充填回数および使用に基づく期限日のような情報を受け取ることができる。関連情報のより完璧なリストは以下に列挙される。
【0038】
適切な情報記憶装置は、これに限定されないが、ランダムアクセスモモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、電子的に読み出し可能な要素(例えば抵抗、容量、インダクタ、ダイオード、およびトランジスタ)、オプションとして読み出し可能な要素(バーコード)、磁気的に読み出し可能な要素(例えば(時期ストライプ)、集積回路(ICチップ)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)、その他である。好ましい情報記憶装置はPLAおよびEEPROMであり、この発明はここではEEPROMに関連して説明される。しかしながら、この発明はいずれの具体的な情報記憶装置にタイプに限定されないことに留意されたい。
【0039】
典型的には、情報は二進システムのゼロ(0)および1として蓄えられる。これら二進デジットのグループが8進デジット(3つの二進デジットから成るグループ)または16進デジット(4つの二進デジットからなるグループ)を形成する。16進数は情報記憶装置の読み出しに便利であるので広く用いられる。
【0040】
EEPROMは、ユーザが変更可能なリードオンリーメモリであり、これは、他のプログラミング手段で同一のピンに通常の電子的書き込み電圧より大きな電圧を印可して、その有効寿命の間、繰り返し、消去および更新書き込みまたは再プログラム可能である。EEPROMは更新のために燃料サプライから取り外す必要がない。EEPROMの所定部分は書き込み保護可能であり、すなわち、当初書き込まれた情報が保存され、書き込み電圧から防護され、他方、EEPROMの他の部分は繰り返し再書き込み可能であるという、利点がある。さらに、EEPROMは、他のROMと同様に、メモリすなわちそこに蓄えられているデータを維持するために電力を必要としない。したがって、電気装置を電源オンしたときに、電気装置はEEPROMに蓄えられている情報に依拠してそのプログラムを開始し実行させることができる。EEPROMを消去し再書き込みするには、コントローラがEEPROMの特定の位置に予め定めた電圧を印可し新たな情報を記憶させる。
【0041】
EEPROMは、他のROMと同様に広く商業的に入手可能である。適切なEEPROMはカリフォルニア州、サンノゼのSypress Semiconductor社、および、カリフォルニア州、サンノゼのAltera社、および、アリゾナ州、チャンドラーのMicrochip Technology社から入手できる。
【0042】
情報記憶装置に蓄えるべき関連情報は、防護可能な情報および再書き込み可能な情報である。防護可能な情報は、消去不可能なものであり、これに限定されないが、以下のものである。
(1)カートリッジのタイプ
(2)カートリッジが製造された日
(3)カートリッジのロット番号
(4)製造時にカートリッジに付与された連続識別番号
(5)情報記憶装置が製造された日
(6)情報記憶装置のロット番号
(7)情報記憶装置に付与された連続識別番号
(8)カートリッジおよび/または記憶装置用の機械識別番号
(9)カートリッジおよび/または記憶装置が製造されたシフト(すなわち一日のうちの時間)
(10)カートリッジおよび/または記憶装置が製造された国
(11)カートリッジおよび/または記憶装置が製造された工場を識別するためのファシリティコード
(12)これに限定されないが温度、圧力、振動耐性、その他の動作限界
(13)製造に用いた材料
(14)反模倣情報
(15)燃料情報、例えば、化学組成、濃度、容量、その他
(16)知的所有権情報、例えば特許番号および登録商標
(17)安全情報
(18)セキュリティパスワードまたは識別子
(19)製造日に基づく有効期限日
(20)シャットダウンシーケンス
(21)ホットスワップ手順
(22)リサイクル情報
(23)反応物質情報
(24)燃料ゲージタイプ、および
(25)流体センサ情報
【0043】
再書き込み可能な情報は、これに限定されないが、以下を含む。
(1)現在の燃料レベルおよび/または現在の燃料中のイオンレベル
(2)カートリッジを電気装置および/またはMEAから取り出し/分離した回数、すなわちカートリッジを再充填した回数
(3)カートリッジを電気装置および/またはMEAから取り出し/分離したときの燃料レベル
(4)カートリッジを電気装置および/またはMEAに装着/結合した回数、
(5)カートリッジを電気装置および/またはMEAに装着/結合したときの燃料レベル
(6)電力消費のレート、具体的な電子装置の許容・棄却を含む現在の動作状態
(7)保守状態、および、将来のカートリッジ設計のためのマーケティング情報
(8)トリガーとなったイベント
(9)実際の使用に基づく有効期限日
(10)システムの効率
(11)燃料電池システムの動作履歴、例えば、選択された時間間隔(例えば開始期間、シャットダウン期間または周期的な期間)における温度および圧力、および
(12)電子装置の動作履歴、例えば、カートリッジあたりのデジタルピクチャーの数、動力工具の最大トルク、セルラー電話の通話時間および待機時間、PDA用のカートリッジごとのアドレス参照数等
【0044】
添付の図に示し、以下に詳述するように、この発明は、負荷11に電力供給する燃料電池すなわち燃料電池システム10に向けられている。負荷11は典型的には、燃料電池10が給電する電子装置である。図1を参照すると、燃料電池10の第1の実施例は、燃料カートリッジ12、ポンプ14およびMEA16を有している。MEAは典型的には電解質層すなわち陽子交換膜(PEM)を有し、このMEAは典型的には2つのバイポーラ板の間に配される。代替的な実施例では、MEA16をハウジング17から取り外し可能にして修理、改装、または交換を行えるようにしてもよい。負荷すなわち電子装置11は任意の消費者向け電子装置の外部回路および関連機構である。図において、便宜上、電子装置11は燃料電池10の内部に示されている。ただし、典型的には、燃料電池10は電子装置11内に含まれる。電子装置は、例えば、携帯型すなわちセルラー電話、計算機、電力工具、園芸工具、パーソナルデジタルアシスタント、デジタルカメラ、ラップトップコンピュータ、コンピュータゲームシステム、携帯型音楽システム(MP3またはCDプレーヤ)、グローバルポジショニングシステム、およびキャンプ器具、その他であってよい。MEA16により生成された自由電子(e)は電子装置11を介して流れる。この実施例では、ハウジング17が、電子装置11、その電子回路、ポンプ14およびMEAを保持し、包囲し、防護する。好ましくは消費者/末端ユーザが燃料カートリッジ12を容易にハウジング17内の室部から取り外せるように、ハウジング17が構成される。
【0045】
コントローラ18は好ましくはハウジング17の内部に設けられ電子装置11、カートリッジ12、ポンプ14およびMEA16、その他の部品の機能を制御する。好ましくは、ハウジングは少なくとも1つのオプションのバッテリ19を保持し、これが、MEAが動作しないとき、またはシステム初期化の間、燃料電池10の種々の部品および電子装置11に電力供給を行う。代替的には、オプションのバッテリ19は、カートリッジ12が空のとき、または燃料電池/MEAがオフのときに、コントローラ18に電力供給する。オプションのバッテリ19はソーラパネルに置換してもよいし一緒に用いても良い。
【0046】
さらに図1を参照すると、燃料カートリッジ12は外側シェルすなわち外側ケーシング21およびノズル22を有する。外側ケーシング21は情報記憶装置23を保持する。ノズル22は遮断バルブ24(破線で示す)を収容し、これがカートリッジに蓄えられている燃料と液体連通される。そして、遮断バルブ24はポンプ14に結合される。
【0047】
カートリッジ12は内側ライナーまたはブラダーを伴って、または伴うことなく、生成されても良い。ライナーおよび関連部品を伴わないカートリッジは、本出願人の出願に係る2003年1月31日出願の米国特許出願第10/356793の「燃料電池用の燃料カートリッジ」に開示されている。’793出願の内容は参照してここに組み入れる。内側ライナーまたはブラダーを伴うカートリッジは、本出願人の出願に係る2003年7月29日出願の米国特許出願第10/629004の「柔らかいライナーを有する燃料カートリッジ」に開示されている。’004出願の内容も参照してここに組み入れる。
【0048】
適切な遮断バルブ24は、本出願人の出願に係る2003年7月29日出願の米国特許出願第10/629006の「結合バルブを有する燃料カートリッジ」に十分に開示されている。この特許出願の内容も参照してここに組み入れる。適切なポンプ14は’793出願、’004出願および’006出願に十分に開示されている。好ましいポンプはピエゾ電気ポンプである。適切なピエゾ電気ポンプは、バージニア州のニューポートニューズのPAR Technologies、LLCから入手できるようなものである。ピエゾ電気ポンプは、可動備品を伴わず、軽量、小型、頑丈、静粛および高効率である。これらポンプの励起電圧は約50Vより大きなものであり、例えば、約15ミリアンペアから約130ミリアンペアの大さの電流を約2.2V(直流)から約12V(直流)の入力電圧で引き込む。ピエゾ電気ポンプの流速は、約0から約5psiの範囲の圧力かで、約10ml/時から約900ml/時である。ポンプの大きさは約0.5平方インチから約1.5平方インチであり、約0.5インチ未満の厚さである。ピエゾ電気ポンプは、燃料電池および燃料カートリッジに用いられる燃料と相性がよい材料から構築されても良い。これらポンプは広範囲に動作して寿命も長い。
【0049】
この実施例では、ポンプ14はカートリッジ12の外部に有りハウジング17内に防護されている。この結果、カートリッジ12をハウジング17から取り外すときに、ポンプ14はハウジング17内に残る。この結果、カートリッジが廉価となり、使い捨てにできる。代替的には、ポンプ14をカートリッジ12と結合しても良い。ポンプ14を省略してもよいし、カートリッジ12を圧縮して燃料がカートリッジ12から燃料電池へといくように駆動しても良い。
【0050】
情報記憶装置23はカートリッジ上のどこに配置しても良く、例えば、外側ケーシング21の外部表面の上面、底面、または側面に配置しても良い。代替的には、装置23をカートリッジの内部に配置しても良い。例えば、カートリッジが’004特許出願に開示されるような「開放構造」を採用する場合には、装置は外側ケーシングの内側表面に配置されても良い。
【0051】
情報記憶装置23は、好ましくは、電気記憶装置、例えば、先に上述したEEPROMメモリッチップである。好ましくは、情報記憶装置23は一般に「陶器材料」からなる基板(図示しない)と、集積回路メモリチップ(図示しない)と、エッチングまたはプリントされた電気回路またはコンタクト(図示しない)の層およびストリップとからなる。集積回路チップ(図示しない)を幅数のピン例えば外部電気コネクタを用いて基板(図示しない)に接続することができる。
【0052】
情報記憶装置23はコントローラ18に外部コネクタ25を介して接続される。外部コネクタ25はコントローラ18とリンク26を介して電気的に接続される。カートリッジをハウジング17に装着すると、情報記憶装置23の電気コンタクトがリンク27aで示すように外部コネクタ25と接続される。代替的には、接続は、情報記憶装置23とコントローラ18との間の電気信号の伝送を行えるワイヤレスシステムである。適切なワイヤレスシステムはBlue Tooth技術、無線周波数、赤外線等である。
【0053】
情報記憶装置23のメモリサイズは任意でよい。メモリサイズは記憶が必要なデータの量により決まる。適切なメモリサイズは典型的には約128バイトから約512Kバイトの範囲である。1Mバイト以上のメモリサイズも商業的に入手可能であり、この発明でも利用できる。情報記憶装置23の寸法については、それが燃料カートリッジにフィットするかぎり、何等制約がない。
【0054】
情報記憶装置23は好ましくは部分23aおよび23bを有する。部分23aは製造業者により事前にプログラムまたは設定され読み出し専用(書き込み防護または防護可能)のデータを含み、これについては上述のとおりである。コントローラ18は情報記憶装置23の部分23a中のデータを読み出すことができる。しかし、コントローラ18は部分23a中の読み出し専用データを修正したり、消去したりすることはできない。部分23bは製造業者によりプログラムまたは設定され再書き込み可能データを含み、これについては上述のとおりである。コントローラ18は部分23b中のデータを読み出し、かつ書き込み/消去できる。部分23aおよび23bは、当業者に知られている通常の電気ワイヤまたはプリント回路基板等、または上述したワイヤレス接続により、リンク27aに接続される。
【0055】
図2は燃料電池110の代替的な実施例を示す。燃料電池110において、再充填可能カートリッジ112、ポンプ14およびコントローラ18は先に説明した部品と類似である。ただし、カートリッジ112の出口22がさらに再充填バルブ130を有するという点で異なる。再充填バルブ130は上述の’793特許出願、および、本出願人の出願に係る同日出願の米国特許出願の「燃料コンテナを充填するための方法および装置」(10/725264)に開示されている。この出願の内容を参照してここに組み入れる。
【0056】
燃料電池110はさらに再充填装置132を有し、これは補充的な燃料を保持する燃料サプライであり、カートリッジ112はこれから再充填を受ける。再充填装置132は遮断バルブ142(破線で示す)付きの出口140を有する。遮断バルブ142は遮断バルブ24に結合できる構造になっている。遮断バルブ24および142は’006特許出願で検討された二要素バルブを構成しても良い。再充填装置132は情報記憶装置144を含んでも良い。情報記憶装置144は読み出し専用および再書き込み可能部分144aおよび144bを有して良く、これらは情報記憶装置23と類似である。この実施例では、ハウジング117は再充填装置132およびポンプ14を保持する。好ましくは消費者/末端ユーザが燃料カートリッジ112をハウジング117の室部から容易に取り外し、切断できるように、当該ハウジング117を構成する。
【0057】
コントローラ118は好ましくは電子装置または燃料電池の内部、例えばパーソナルコンピュータ146の内部に実装される。コントローラ118はカートリッジ112、ポンプ14および再充填装置132の機能部を制御する。代替的には、ハウジング117がコントローラ118を含んでも良い。情報記憶装置23はライン27aを介してコントローラ118と動作的に関連する。コントローラ118はライン27bを介してポンプ14と関連して動作し、ライン127cを介して情報記憶装置144と関連して動作する。ライン27a、27bおよび127cは好ましくは関連装置の間で一方向または双方向通信を実現し、電気コンタクトまたはコネクタおよび外部コンタクトを含み、これら当業者に知られている。ライン27a、27bおよび127cは上述のとおりワイヤレス伝送システムに置き換えても良い。
【0058】
ポンプ14はカートリッジ112または再充填装置132と結合可能であり、またこれら部品の双方と分離可能である。ポンプ14は、その位置および構造と関係なく、別の情報記憶装置を有し、これは以下に検討する。ポンプをカートリッジまたは再充填装置と一体化したときに、代替的に、ポンプの情報を情報記憶装置23または144に記憶しても良い。
【0059】
コントローラ18または118は、カートリッジの再充填の間、または負荷/電子装置11の動作の間、防護可能な情報にアクセスできるようにし、電子装置11の効率のよい動作を保証できるようにしてもよい。例えば、カートリッジの装着時にカートリッジ情報にアクセスできるようにし、コントローラ18が、カートリッジ12が電子装置11とコンパチブルかどうかを検査できる。カートリッジがコンパチブルであれば、電子装置は通常に動作を継続できる。カートリッジがコンパチブルでなければ、コントローラ18または118は視覚的または聴覚的な合図を発生させ、また自動的に動作を禁止しても良い。
【0060】
コントローラによりアクセス可能な、他の有益な防護可能な情報は、振動耐性、すなわち情報記憶装置23が耐えうる振動の範囲である。振動体制は約20Khzから約40Hzの範囲であってよい。動作時、電子装置は、部品の振動により引き起こされる背景作用を受けるかもしれない。この村道は情報記憶装置が耐え得る範囲のものでなければならない。コントローラは、電子装置に引き起こされた実際の振動やそのピークを情報記憶装置に記憶させても良く、この情報は、設計者がカートリッジ、燃料電池または電子装置のデバッグや問題解決を行う際に利用できる。
【0061】
情報記憶装置23に記憶される製造情報は、燃料カートリッジの性能を解析したり、回対象、または失効したカートリッジを特定したり、また適切な燃料カートリッジが電子装置に11に結合されているかを確かめるために、コントローラにより用いられる。かーとりッ時の容積も記憶されアクセスされる。
【0062】
アクセス可能な安全情報は、例えば、カートリッジがj航空機内での使用に適しているかどうかというようなものである。電子装置は、当該電子装置の特定のキーストロークが駆動され、あるいは所定の時点、例えば電源オンのときに、任意の安全情報を中継するメッセージを表示してもよい。さらに、残留燃料が予め定められた低燃料閾値を下回ったときに、電子装置が「低燃料」というメッセージを表示し、また、燃料を無駄にしないようにターンオフしてもよい。さらに、そのようなメッセージが表示されたときにコントローラはユーザが燃料を注文するのを支援し(カートリッジ供給者へのインターネット接続を活性化する)、また再注文情報をユーザに提供する。
【0063】
この発明の実施例の他の側面によれば、情報記憶装置は読取専用すなわち防護可能なポンプ情報、例えば(1)ポンプ14のタイプ、(2)ポンプ14の製造日、(3)ポンプ14のロット番号、(4)製造時にポンプ14に割り当てられた連続識別番号、(5)ポンプ14の製造国、(6)ポンプ14を製造した工場を特定する施設コード、および、(7)ポンプ速度を記憶できる。このような情報は情報記憶装置23またはポンプ自体の情報記憶装置に記憶できる。
【0064】
上に列挙された第1から第6のデータは、種々の製造施設の品質や製造上の課題の問題解決を決定するのに使用できる。ポンプ速度は可変ポンプ速度かもしれないが、コントローラ18または118はポンプ速度を、ポンプの動作時間および現在の得燃料レベルとともに利用して、使用済みの燃料の量、カートリッジに残っている燃料の量、カートリッジを再充填するまでの残り時間を決めることができる。代替的には、ポンプが使用する電圧、電流、電力/エネルギを用いてポンプがポンピングする燃料の量を確かめることができる。燃料の体積は流速により決定されるので、燃料の体積をカートリッジの方位と無関係に決定でき、また、燃料に接触させその中に沈められたセンサを伴うことなく、決定できる。現在の燃料の量が新たな位置に記憶され前の燃料の量が書き換えられないように、情報記憶装置23をプログラムして、燃料の消費を永久的なレコードとして残しても良い。代替的には、コントローラは燃料ゲージから残留燃料を決定してこの情報を情報記憶装置23に書き込んでも良い。コントローラが電子的に読み出すことができる燃料ゲージは、本出願人の出願に係る同日出願の米国特許出願(10/725236)の「燃料カートリッジ用の燃料ゲージ」に開示されている。この出願の内容を参照してここに組み入れる。
【0065】
他の防護可能なカートリッジ情報は(1)カートリッジ12の使用期限満了日、(2)セキュリティ識別パスワード、(3)遮断シーケンス、および(4)安全なホットスワップ動作用のコンピュータコード言語である。
【0066】
カートリッジ12の使用期限満了日はカートリッジの製造日に基づいて良い。代替的には、カートリッジの使用期限満了日をカートリッジの実際の使用または再充填の回数から求めても良い。カートリッジ12の使用期限満了日をどのように設定するかと関係なく、コントローラ18または118は使用期限満了日をアクセスしまたは更新する。使用期限満了日が経過したならば、コントローラはカートリッジの使用を禁止しても良い。これに加えて、またはオプションとして、電子装置および/または再充填装置がユーザに対して、カートリッジが消尽したことを示す視覚的なまたは聴覚的な合図で警告しても良い。視覚的な合図の例は電子装置またはPC146のスクリーン上のメッセージである。
【0067】
セキュリティ識別パスワードはアルファベット文字または16進デジットのシーケンスであってよい。コントローラ18または118は、セキュリティ識別パスワードを少なくとも1つの予め定められた確認パスワードと照合してカートリッジ12が模倣品かどうかを決定できる。セキュリティ識別パスワードが確認パスワードと一致すれば、電子装置11および/または再充填装置132は通常に動作する。セキュリティ識別パスワードが確認パスワードと一致しなければ、適切なコントローラがカートリッジ12の使用を禁止できる。確認パスワードは電子装置、またはコントローラに記憶することができる。これに加えて、またはオプションとして、コントローラ18または118は、ユーザに対して、カートリッジが受容できないこと、および受容できない理由を示す視覚的なまたは聴覚的な合図で警告しても良い。視覚的な合図の例は、電子装置がコンピュータまたはPDAの場合に、電子装置のスクリーン上のメッセージである。
【0068】
電子装置、燃料電池装置および/または再充填装置がオフされたときに、燃料を出口22からポンピングして排除し、カートリッジが取り出される場合に対処するように、情報記憶装置をプログラムしてもよい。この結果、カートリッジ12が取り出されたときに燃料が出口近辺に存在しない。さらに、情報記憶装置23はホットスワップ手順を含んでも良い。ホットスワップ手順は、電子装置11がオンでありながらカートリッジ12がハウジング17または117から取り外されたときに実行される。カートリッジ12を取り外すためにユーザは典型的には電子装置、燃料電池装置および/または再充填装置の取り外しボタン(図示しない)を操作する。電子装置、燃料電池装置および/または再充填装置が動作しているときにこの取り外しボタンが操作されると、この発明の他の側面に従って、コントローラが情報記憶装置23、144に記憶されてよいホットスワップ手順を実行する。
【0069】
例えば、情報記憶装置23はバーブ・セマフォー「lock」およびセマフォー「unlock」または他の適切なフラグを伴うコンピュータコード言語を含んでも良い。セマフォー「lock」は、共有リソースがたのルーチンによりすでに使用されているときにはルーチンが進めないことを示すために用いるフラグである。ホットスワップによりトリガーされたセマフォー「lock」のバーブまたは他のフラグは、電源が依然としてオンのときに取り外しボタンが操作されたときに開始される。コントローラ18または118がこのフラグに遭遇すると、コントローラは燃料電池またはMEAまたは再充填装置132、ポンプ14およびカートリッジ12と通信する。カートリッジ12が取り外されようとしており、他の電力源例えばバッテリ、混合室部または他の内部燃料室部に保持される予備燃料、その他に切り替えることを、燃料電池またはMEA16または再充填装置132に通知する。ポンプ14は、遮断サイクルに移行するように通知を受け、このサイクルが、ポンプ14を取り外しボタン駆動後数秒の間だけ動作させてバルブ24のインタフェースに残っている燃料の量を減少させる。取り外し時、電力は所定の回路に供給され続け、燃料レベル、セキュリティ関連、取り外し回数に関する情報を情報記憶装置23に書き込みでき、または記憶されている遮断シーケンスに関する情報がアクセスできるようになっている。これによって、ホットスワップ動作において、カートリッジを電子装置および/または再充填装置から取り外す処理を改善できる。遮断サイクルが終了すると、セマフォー「unlock」のバーブまたは他のフラグがセットされコントローラ18または118がカートリッジ23(12)の電子装置、燃料電池装置および/または再充填装置からの取り外しを許容する。セマフォー状態および他のフラグを用いてシステムが不用意にロックしたり電力オフしたりした場合に、自動的にデータバックアップを行うようにしても良い。
【0070】
製造業者が財産的と考える読み出し専用データの任意の部分は暗号化して他の製造業者がデータを読み出して、代用品を競合させる等の目的で当該データを使用できないようにしてもよい。適切な暗号化方法は、これに限定されないが、対称鍵暗号および公開鍵暗号である。
【0071】
対称鍵暗号では、電子装置は秘密鍵またはコードを保持し、これを用いて暗号化情報を復号する。秘密鍵またはコードは、受容され、予め選択された燃料電池に対して設計された電子装置に予めインストールしておく。そして、燃料サプライの情報記憶装置は暗号化され、電子装置がその秘密鍵を用いてその情報を復号できる。
【0072】
公開鍵暗号では、秘密鍵は電子装置にプリインストールされ、この鍵を互換性のある燃料サプライに公開する。燃料サプライの情報記憶装置に記憶された情報は対称鍵で暗号化され、対称鍵がこの公開鍵で暗号化される。情報記憶装置に記憶されている情報を復号するには、電子同値が秘密鍵を用いて対称鍵を復号し、この対称鍵を用いて情報を復号する。適切な公開鍵/秘密鍵暗号はPretty Good Privacy(PGP)ソフトウェアから入手可能である。
【0073】
この発明は上述の防護可能または読み出し専用の製造、燃料、ポンプおよび動作の情報に限定されず、これらの範疇の情報の任意の1つまたは組み合わせをこの発明に利用できる。さらに、これら範疇の情報において、上述の例示のデータの1つまたは組み合わせを用いても良い。先に検討した読取専用データのうちのいくつかまたはすべてを再充填装置132(図2に示す)とともに用いる情報記憶装置144において用いても良い。
【0074】
この発明の他の側面によれば、再書き込み可能な情報を情報記憶装置の部分23bに記憶しても良く、これは、例えば、現在の動作、マーケティング、保守、および他のトリガー情報である。現在動作の情報は、具体的な電子装置に関する電力消費および/または受容・棄却データである。
【0075】
マーケティングおよび保守の情報は、将来のカートリッジ、燃料電池または電子装置の設計に役立てることができる。このデータは、コントローラ18により追加的に情報記憶装置に書き込みんでもよく、また、この情報は、予め定められたイベント例えば低レベル閾値になってことに応じて電子装置用の情報記憶装置に書き込んでもよい。例えば、燃料電池またはカートリッジに関する情報は、電子装置がターンオンされた回数やどのくらい長くオンされていたかを示すようなものである。この情報を用いて燃料電池の能力および/または低燃料閾値を評価できる。マーケティング情報の他の例は特別な種類の電子装置が使用された回数である。
【0076】
保守情報は、故障モードすなわちライン故障に先立ってインストールされたカートリッジの個数である。他の有益な情報は燃料電池の効率および性能である。カートリッジがリサイクルのために戻されたときに、このデータを用いて設計者は部品を改善でき消費者の使用パターンを把握できる。
【0077】
トリガー情報は、コントローラが読み出してコントローラ18が種々の機能を実行するように促す、情報記憶装置23上のデータであってよい。電子装置がオンされ、初期化されたのちでは、トリガー情報は通常の電子装置の動作の着手前にアクセスされるデータであってよい。例えば貯蔵されている燃料のレベルに従って、電子装置11または燃料電池の電力消費を減少・増大させ、または、メッセージを表示できるようにしてもよい。トリガー情報は、通常の電子装置の動作の着手後にアクセスされるデータを含んでも良く、これは、例えば、新たな/関連製品やサービスのお知らせ、ソフトウェア/ハードウェアのアップグレードまたは他の関連する製品/マーケット情報、将来のトリガーに関する指示、燃料カートリッジ注文情報、または電子装置や燃料電池に関係のない広告またはマーケティング情報を表示するデータである。
【0078】
他の再書き込み可能な情報は、策に検討した、燃料ゲージから取得して電子的に読取可能な燃料ゲージ情報や、以下に検討する、イオンゲージから主臆される読取可能なイオンレベルや、その他である。この発明は上述の再書き込み可能な燃料および動作情報に限定されず、上述のカテゴリの情報の任意の1つまたは組み合わせをこの発明で使用できる。さらに、これらカテゴリの情報の範囲で、先に列挙した例示のデータの任意の1つまたは組み合わせを用いても良い。先に検討した読取専用データのうちのいくつかまたはすべてを再充填装置132(図2に示す)とともに用いる情報記憶装置144において用いても良い。
【0079】
図3は燃料電池210の代替的な実施例を示している。燃料電池210においては、ポンプ14およびコントローラ18は先に説明した部品と類似である。ただし、外部コネクタ25がライン227bを有する。カートリッジ212は外側ケーシング221を有し、これが第1の室部222および第2の室部223を規定する。第1および第2の室部はそれぞれ第1および第2の燃料を含む。これらは同一であっても良く、異なって特性例えば濃度を有しても良い。第1および第2の室部は、それぞれ異なる第1および第2の燃料を含んでも良い。第1及び第2の室部は燃料および水をそれぞれ含んでも良い。第1及び第2の室部は燃料およびMEA16からの副産物をそれぞれ含んでも良い。カートリッジ212は好ましくは単一の情報記憶装置を有するが、情報記憶装置23に類似した2つの情報記憶装置123および123’を有しても良い。第2の情報記憶装置123’はコントローラ18にライン227bを介して接続される。この結果、コントローラ18は室部222および223の液体を選択して電子装置11の動作を最適化できる。室部222および223はカートリッジの壁部によって形成しても良いし、’793特許出願および’004特許出願でそれぞれ検討したような内部ライナーまたはブラダーにより形成しても良い。電池210は、さらに、室部223および222の出口22および22’にそれぞれ液体連通した混合室部250を有して燃料を混合する。適切な混合室部は’793特許出願で検討されている。
【0080】
図4はこの発明の他の実施例を示しており、この図で、情報記憶装置を、ダイレクトメタノール燃料電池、燃料カートリッジおよび燃料電池が給電する電子装置の制御および操作に用いる。図4は2組の接続線を含む。第1の組の接続線は燃料すなわち敵対および気体を含み、その矢印は流れの方向を示す。第2の組の接続線は電気の線を含み、交差位置の黒丸は電気接続点を示す。この実施例はダイレクトエタノール燃料電池に関連して説明されるが、この実施例は任意の燃料電池に適切であることに留意されたい。
【0081】
カートリッジ12、112、212は燃料電池10に結合され、この燃料電池が電子装置11に電力を供給する。電子装置11は典型的には燃料電池よりも大きく、通常燃料電池を収容する。図4において、電子装置11は模式的に燃料電池10を包囲するように示す。これはまた破線で描かれるブロックによっても表されており、MEA16によって生成される電流により電力供給を受ける。
【0082】
流体回路に関連して、上述のように、燃料カートリッジはバルブ24に接続され、これは好ましくは二要素バルブである。バルブ要素24aはカートリッジに接触しバルブ要素24bはポンプ14に結合される。各バルブ要素は燃料カートリッジが燃料電池から分離するときにシールを形成できる。二要素バルブは’006特許出願に十分に開示されている。燃料電池10の内部において、バルブ要素24bは直接にポンプ14と結合し、燃料カートリッジが取り外されたときにポンプ14のためにシールを実現する。さらに、バルブ要素24bは他の部品に結合されても良い。ポンプ14はバルブ252に接続され、これが流れ調整器として動作し、ポンプ14およびバルブ252を介した流速が流速計254例えばベンチュリ計または他の電子流速計、または混合室部内の濃度計で測定できる。燃料はつぎに混合室部250にポンピングされる。混合室部250から燃料/水混合物が直接MEA16へとポンピングされて電気を生成し電子装置11に対して電力を供給する。液体および気体の副産物例えば水および二酸化炭素は、ポンピングされ、または二酸化炭素からの圧力により流されて、副産物室部256へと送られる。水の副産物はさらに混合室部250に戻される。混合室部250は、逃がしバルブ258を有して気体の副産物を燃料電池の外部に排出する。逃がしバルブは’004特許出願に開示されたポペット型のバルブとしてよい。液体の副産物は混合室部250で燃料と混合されて最適な燃料濃度を実現する。燃料濃度は燃料濃度センサ260で測定され、このセンサは米国特許出願公開2003/0131663および同2003/0134162および米国特許第6254748号および同第6306285号に開示されている。これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0083】
加圧燃料サプライを用いるときには、ポンプ14は省略しても良い。この実施例では、調整バルブ252が燃料のMEA16への流れを調整する。調整バルブ252は予め定められた径で開くことができる可変オリフィスを有して流れを調整しても良い。代替的には、図6(a)〜(d)に示すように、調整バルブ252は、柔らかな細孔性膜280と不浸透表面282を実質的に相互に離間して配置した制御装置を有しても良い。図6(a)〜(d)に示す膜280と不浸透表面282との間の間隔はよく分かるように誇張している。調整バルブ252において、このギャップは非常に小さいものである。燃料は柔らかい膜280の細孔および不浸透表面282中の少なくとも1つの開口284を介して流れることができる。燃料の流れが予め定められたレベルを下回っていると、燃料は通常柔らかな細孔膜を介して流れ、柔らかな膜は変形するが、不浸透表面からは依然として実質的に離間されたままであり、これを図6(a)および(c)に示す。燃料の流れが予め定められたレベルを越えると、柔らかな膜の圧力により膜が十分に変形して不浸透表面に接触し、不浸透表面異接触している範囲では細孔を介して燃料がもはや流れなくなり、これを図6(b)および(d)に示す。以下に検討するように、柔らかな細孔性膜の変形は、これに限定されないが、伸長および曲げである。柔らかな膜に対する圧力が大きくなると、より多くの細孔が不浸透表面と接触して燃料の流れに利用できる膜の面積が減少して、流れが制約される。同様の調整バルブは米国特許第4496309号および同第4560345号に開示されている。これら2つの特許の内容は参照してここに組み入れる。
【0084】
図6(a)および(b)に示されるように、細孔性膜280はブル部本体の側壁に固定的に取り付けられている。ストップ288および290は膜280を固定の位置に保持する。燃料の流れが大きくなると、膜は変形して実質的に平坦な不浸透表面282に接触するまで移動する。膜の不浸透表面への接触が少なければ少ないほど、流れが大きくなる。複数の流れチャンネル284を設けても良いし、その計を異ならせても良い。さらに不浸透表面282に予め定めた粗さを付与して、粗くなればなるほどよりシールを少なくして大きな流れとなるようにしてもよい。さらにフィラーまたは保持材料286を流れチャンネル284の下流に配置して燃料の流れをさらに調節しても良い。細孔性膜をフィラーとして用いて、燃料が不用意に開放されたときに、かなりの量の放出が行われないようにしても良い。代替的には、不浸透表面282は図6(c)および(d)に示すように円錐状のプロフィールを持つようにしてもよいし、球形のプロフィールまたは他のプロフィールを持つようにしても良い。
【0085】
調整バルブ252の代替的な実施例を図7A〜7D((a)〜(m))に示す。図7A(a)および(b)に示すように、調整バルブ252も、不浸透表面から離間して配置された細孔性膜280を有している。ストップ288および290膜をこの固定位置に維持する。少なくとも1つの流れチャンネル284が不浸透表面282の下流に配され燃料がバルブを通るようにする。他足部状の溝すなわちスター285が不浸透表面がエッチングまたは他の手法で形成され、これがチャンネル284と流体連通され、これを図7A(c)に示す。細孔性膜280を通過して流れる燃料は溝285で集めされて、その後、流れチャンネル284に到達する。図7A(b)に示すように、流速すなわち圧力が閾値レベルを上回ると、膜280が変形して不浸透表面282と接触するようになり、膜280のうち流れ溝285と対向する部分、すなわち、不浸透表面282に接触していない部分のみが開放状態となり燃料を流す。
【0086】
流れ溝285の径Dまたは表面面積を変更して流速を制御しても良く、これは図7A(d)〜図7D(m)に破線で示される。図7A(d)に示すように、径を小さくして流れを制約する。図6(a)〜(d)に示される実施例と同様に、不浸透表面は凹んでいてもよく、また図7B(e)〜(f)に示すように凸部でも良く、または凹部と凸部の双方でもよく、これを図7B(g)に示す。不浸透表面282は平坦でない表面でもよく、これを図7B(h)に示す。調整バルブの構造に依存して、膜280および不浸透表面282の間の開放ゾーンを設け、流れ溝285と液体連通にして燃料が流れるようにしても良い。これを図7B(f)に示す。
【0087】
図7C(i)を参照すると、調整バルブ252はシール292を有しても良く、これはエラストマーからなるブロックであって良く、流れチャンネル284の出口をシールする。燃料が調整バルブ252を転送できるようにするためには、シール292を流れチャンネル284から取り外す必要がある。フィラーまたは保持材料286は調整バルブ252の上流および下流のいずれにも配置でき、これは図7C(j)および(k)にそれぞれ示すとおりである。代替的には、図7D(l)に示すように、シール292を、フィラー、吸収材料または保持材料286の内部に配置してもよい。さらに、図7D(m)に示すように、可動体296の周囲に配されたOリング294によってシールを実現してもよい。Oリング294および調整バルブ252の側壁298の間にjシールが実現される。フィラー、吸収材料または保持材料286をバルブ252および可動体296の間に配置してもよい。ここで検討し説明したフィラー、吸収材料または保持材料286を、’006特許出願で検討したような遮断バルブとともに使用してもよく、当該特許出願の内容は参照してここに組み入れる。
【0088】
流れ溝285は6つの足部を有するものとして説明したが、足部の数は何本でもよい。さらに、流れ溝285は非線形の足部または連結された複数の円、または内側方向の螺旋ラインでもよい。この発明は流れ溝のいずれの特定の構造に限定されるものではない。
【0089】
再度、図4を参照すると、代替的に、副産物を廃棄のためにカートリッジ12、112、212へ送り戻す。逃がしバルブ258を燃料カートリッジに設けて気体の副産物を雰囲気中に排出してもよい。さらに、副産物室部256を省略してもよく、副産物は直接にMEA16から混合室部250へ運ばれる。代替的な実施例では、室部250内の破線により示されるように、室部250を2つの部分に分割してもよい。室部250aは燃料カートリッジからの燃料を受け取るようになっており、室部250bは副産物を受け取るようになっている。各室部250aおよび250bは個別にMEA16に直接に、または、MEAの上流の他の混合室部に結合される。室部250aおよび250bの各々は個別にポンプ、例えばポンプ262に結合され、各室部からMEAへの流れが調整されて燃料の濃度を最適化する。
【0090】
制御回路に関していえば、コントローラ18、118は燃料電池を介する流れを制御するようにプログラムされている。コントローラ18、118は燃料電池10内、または、電子装置11内に配置され、これは図示のとおりである。コントローラ18、118は燃料電池10上に配置されてもよく、また、当該コントローラの機能が電子装置11の中央処理装置(CPU)またはそのコントローラにより実行されてもよい。上述のとおり、コントローラ18、118は燃料カートリッジ上の情報記憶装置23、123に記憶されている情報を読み出し、この記憶装置に情報を書き込みことができる。電子的に読み出し可能な燃料ゲージ264が燃料カートリッジの表面または内部に配置され残留燃料の量を測定する。このようなゲージは、本出願人の出願に係る上述の特許出願「燃料カートリッジ用の燃料ゲージ」に開示されている。コントローラ18、118はまた二要素バルブ24に結合され、これによりコントローラはバルブ24の開閉を制御できる。
【0091】
燃料電池110内で、コントローラはポンプ14の情報記憶装置266に接続されており、これはポンプについて関連の永久的な情報および書き換え可能な情報を記憶し、これについてはすでに述べた。コントローラは流速計254にも接続され、コントローラは流速およびポンプ14の動作の総時間を読み出し、使用された燃料の容積を決定する。流速が変わる場合には、容積は可変の流速を時間で積分したものである。この容積を、元の容積、または、情報記憶装置23、123に記憶されている残留容積情報から差し引いて残留容積を決定する。コントローラ18、118は、ポンプ14のポンピング速度、または、調整バルブ252をどのくらい大きく開口させるかをセットして、流速を調整してもよい。コントローラをオプションのポンプ262に接続しても良く、これは混合室部250からMEAへ燃料または燃料混合物をポンピングして流速を制御する。オプションとして、バルブ252に類似の他の調整バルブをポンプ262に接続して流速を調整する。
【0092】
コントローラ18、118はMEA16の情報記憶装置268にも接続され、これはMEAバイポーラ板および他の部品に関す永久の、および書き換え可能な関連情報を記憶する。コントローラは濃度センサ260にも接続されMEA中の燃料の濃度を読み出す。コントローラはMEAに供給される燃料を調整して燃料電池の最適な燃料濃度を維持できる。情報記憶装置266および268は実質的には上述した情報記憶装置23および123と類似である。ここで検討したすべての情報記憶装置を結合して1つの情報記憶装置にしてもよく、また2つまたはそれ以上の情報記憶装置を結合しても良い。
【0093】
一実施例によれば、カートリッジ12、112、212が流体的にかつ電気的に燃料電池10に接続されているとき、または電子装置11がオンされたとき、コントローラ18、118はまず情報記憶装置23、123に記憶されている情報を読み出して適切なカートリッジが結合され、および/または、適切な燃料が貯蔵されているかどうかを判別する。間違った燃料またはカートリッジがある場合には、コントローラはカートリッジをイジェクトし、エラーメッセージを表示し、または、損傷を回避するために電源を落とす。正しい燃料またはカートリッジがある場合にはコントローラは、上述のとおり、残留燃料容積および他の情報を読み出し、さらに、ポンプに関する情報記憶装置266の情報を読み出す。コントローラはつぎにポンプにカートリッジから燃料をポンピングするように命令し、バルブ252のオリフィスのサイズを設定する。コントローラは、また、流速計254から流速を読み出し、燃料が調整バルブ252を介して流れる時間をフォローし、使用された燃料の容積および残留燃料の容積を決定する。代替的には、コントローラは燃料ゲージ264から全隆燃料を読み出しても良い。コントローラは、また、双方の情報源から残留燃料データを取得して比較しても良い。2つの容積が予め定めた量だけ相互に異なる場合には、コントローラはセンサを再較正しても良いし、またはエラーメッセージを表示しても良い。
【0094】
コントローラは、また、MEA中で反応する燃料の濃度を監視する。ダイレクトメタノール燃料電池では、メタノールの水に対する濃度は重要な要素である。メタノール濃度が低すぎると、コントローラは混合室部250からより多くのメタノール燃料を運ぶ。混合室部250が室部250aのような個別のメタノール室部を有する場合には、コントローラは、より多くの燃料をMEAに運ぶようにポンプに命令する。メタノール濃度が高すぎる場合には、コントローラはより多くの水を室部250bからMEAにポンピングするようにポンプ262に命令する。この監視プロセスは電子装置11が動作している間継続される。
【0095】
コントローラは、また、混合室部250が実質的に一杯の場合には、ポンプ14を停止できる。コンロローラは、また、動作情報、例えば、電子装置または燃料電池の温度および圧力ならびに燃料電池により生成された電気量を読み出し、情報記憶装置23、123、266または268にこの情報を書き込みまたは記録する。好ましくは、動作情報は情報記憶装置23、123に記録され、電子装置、燃料電池またはカートリッジの製造業者が、単にカートリッジを抜き取り、取り外すことにより、情報にアクセスできるようにする。消費者の使用傾向、エラー情報、システム故障等を記録して良い。
【0096】
電子装置がオフしたときに、コントローラは停止手順を実行し、これは流体システム中の燃料をカートリッジに戻すステップまたは燃料を混合室部250にポンピングするステップを含んでよい。そして、コントローラは残留燃料の容積を情報記憶装置23、123に書き込んでも良い。好ましくは、開始時、コントローラはポンプに命令して混合室部250中の燃料を用いてMEAに燃料供給し電気を生成させる。この際、他のシステムはウォーミングアップ中である。代替的には、電子装置11が当初はバッテリ(図示しない)から電流を引き出し、この際に、燃料電池10が開始処理される。コントローラは、また、情報記憶装置23、123、266または268または電子装置11のどこかに記憶されているホットスワップ手順を、必要に応じて、実行しても良い。
【0097】
この発明の他の側面によれば、イオンフィルタおよびイオンセンサが燃料電池10および/またはカートリッジ12、112、212に設けられる。メタノール燃料に関していえば、金属イオン粒子が燃料中に存在しても良い。金属イオン粒子は、それを除去しない場合には、MEA16のプロトン交換膜(PEM)にマイグレートし、PEMを詰まらせる。PEMの効率が悪影響を受け、捕捉イオンが閾値レベルを越えると、その効率が、MEAを周期的に取り替え、または、クリーニングしなければならないレベルに到達するかもしれない。好ましくは、イオンフィルタはイオン導電性ポリマーで製造された媒体を含む。適切なイオン導電性ポリマーはDavis,T.A、Gendrs,J.D.およびPletcher,D.の”First Course in IonPermeable Membranes”、pp.35−57、および、米国特許第6630518号に説明されており、参照してその内容を組み入れる。これらポリマーは、イオン化可能な基を含有する官能化されたアルケンで共重合された非置換のアルケンまたはその先駆体、および、重合化されたアルケンおよび事後的に膜に導入されたイオン基を含む。他の適切なイオン導電性ポリマーはGoretex耐天候性材料であり、これは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、ペルフルオロポリマーを細孔に充填し、ポリビニルフルオライド(PVC)フィルムを2.5%のクロロスルホン酸溶液中で照射したものである。’518特許出願は他の適切なイオン導電性ポリマーを開示し、これには、照射された後にスルホン化される低浸透性膜が含まれる。適切な膜は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、それらのコポリマーおよびそれらのブレンドを含む。これらの膜および高浸透性の膜はこの発明に使用できる。
【0098】
他の適切なフィルタ媒体は、また、イオン導電性であり、ポリスチレンスルホン酸−ポリビニルアルコールコポリマー(PSSA−PVA)およびポリスチレンスルホン酸−エチレンビニルアルコールコポリマー(PSSA−EVOH)であり、これは米国特許第5460896号および同第5409785号で検討されている。これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0099】
イオンは引き寄せられてイオンフィルタに捕捉される。こうしてイオンを燃料から除去してPEMの寿命を長くする。さらに、コントローラは燃料中のイオンレベルを読み出して、この情報を情報記憶装置23、123に書き込み、これにより、イオンのレベルが重用できない燃料サプライ12、112、212を使用しないようにしても良い。電子装置がターンオンされたときにはいつでも、または、異なるカートリッジが章着されたときに、コントローラは燃料中のイオンレベルを検査しても良い。図4を参照すると、一実施例では、イオンフィルタ270がカートリッジのノズル22の内部に配置されイオンがカートリッジから出て行くときにイオンを捕捉する。イオンフィルタは燃料電池10の内部に配置しても良い。ただし、フィルタをカートリッジ中に設けた方が、フィルタを容易に交換できるので、便利である。
【0100】
イオンフィルタの媒体は金属捕捉剤(scavenger)で製造しても良い。金属捕捉剤は、金属を引き寄せ結合する傾向を有する比較的大きな分子である。金属捕捉剤は汚水処理用途に用いられる凝集剤を含む。凝集剤は典型的には汚水に添加されて自ら金属を除去する。金属捕捉剤は、燃料に触れたときに、燃料から禁則イオン粒子を除去する。反応した捕捉剤は比較的大きく、ふるいにより除去でき、また滞留できる。適切な凝集剤は、ニュージャージー州のパーシパニのPly Pure社から入手できるClarifloc A−3020;オハイオ州のシンシナチのDuboisから入手可能なFloculite 402;コネチカット州のウェストアベンのJamestown Chemicalから入手可能なJ.Flock 711である。凝集剤は、約0.001重量%〜約0.01重量%の濃度の希釈溶液として準備される。凝集剤は混合室部250および/または副産物室部256で水と混合され金属イオンを捕捉する。好ましくは、フィラーまたは保持材料をこれら室部の入口に付加して捕捉剤が逸失しないようにする。代替的には、捕捉剤を、多孔質支持剤、例えば、多孔質のポリプロピレンまたはポリエチレンまたは開放メッシュ構造に、含浸させてもよい。この含浸多孔質媒体をイオンフィルタ270内のフィルタ媒体として用いても良い。
【0101】
他の金属捕捉剤は、3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲル、2−(4−エチレンジアミノ)ベンゼン)エチル−官能化シリカゲル、3−(メルカプト)プロピル−官能化シリカゲル、3−(1−チオウレイド)プロピル−官能化シリカゲルおよびトリアミンテトラアセテート−官能化シリカゲルである。これらシリカゲルはSigma−Aldrich社から入手可能である。
【0102】
他の適切な金属捕捉剤は、生物学の分野で生体液から金属イオンを除去するのに用いる金属キレート化合物である。好ましい化合物はエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)である。EDTAは金属イオンと強固に結合するものとして知られている。EDTAをカートリッジ12、112、212、混合室部250および/または副産物室部256に添加できる。凝集剤と同様に、EDTAを多孔質支持剤に含浸させてもよく、またフィルタ材料として用いても良い。
【0103】
イオンセンサ272を設けて、フィルタの有効性を確かめ、フィルタの交換時期を決める。イオンセンサ272は好ましくは図示のとおり燃料電池10内に、または燃料カートリッジに配置する。イオンセンサ272は燃料に電界を、例えば、燃料を運ぶチューブを横切るように、またはチューブ内で印可する。この電界は燃料を横切る定電圧または燃料をとおる定電流を形成する。燃料の電気伝導度は燃料中のイオンの濃度に左右される。電界は、代替的には、燃料を通す多孔質要素を横切るように、またはその中で印加されてもよい。イオンの個数は、定電圧を燃料を横切るように印加した場合には、燃料を通して流れる電流に、または、定電流が燃料を流れる場合には、燃料を横切る電圧に比例する。実時間の測定値を、低イオン燃料の基線測定値と比較してイオンレベルが許容範囲かどうかを決定する。代替的には、較正曲線すなわちテーブルが、低イオンのレベル、許容できないイオンレベルをそれぞれ表す点、およびその間の1または複数の点から導出できる。実時間の測定値をこの較正曲線と比較して使用中のイオンレベルを確かめることができる。コントローラ18、118は、図示のとおり、周期的にこの電圧を読み出し、電圧が予め定められたレベルに到達したときに、コントローラがメッセージまたは他の合図、例えば視覚的または聴覚的な合図をユーザに出力し、できれば燃料サプライのつぎの詰め替え時にイオンフィルタが交換されるようにする。
【0104】
図5を参照すると、この発明の他の実施例に従って、充電器310を設けてバッテリを充電するようになっている。充電器310はバッテリ駆動電子装置を充電しても良く、これは例えば上述したようなものである。図5に示すように、充電器310は実質的に図4に示される燃料電池10と同様の部品を有し、カートリッジ12、112、212およびコントローラ18、118は充電器310の内部にある。充電器310の内部のMEA16により生成された電流がコンタクト11に表れる。この発明の他の実施例では、参照番号11は燃料電池により電力供給を受ける負荷すなわち電子装置を指す。同様に、図5においては、参照番号11は燃料電池が再充電するバッテリ駆動装置と接続するコンタクトを指す。
【0105】
通常、コンタクト11は開放電気ループであり、コンタクト11を通して電気は流れない。コンタクト11がバッテリ駆動同値322、324状のコンタクト312、314と接触すると、MEAにより生成された電気が再充電電気装置を介して再充電バッテリ320に流れる。コンタクト312、314はオスまたはメス接続でよい。バッテリ駆動装置は、これに限定されないが、携帯型電話322およびラップトップコンピュータ324、その他の電子装置であり、これは上述したとおりである。バッテリ320は電子装置の内部に保持したままで充電できてもよいし、あるいは電子装置の外部で充電できてもよい。図5に示すように、充電器310は一般的な形状を前提としているが、クレードル型の充電器(例えば携帯型電話および電力工具用のもの)、ドッキングステーション(例えばラップトップコンピュータ)または慣用的なバッテリの充電器(例えば、「AA」、「AAA」、「D」サイズのアルカリ再充電バッテリ)、その他であってよい。
【0106】
ここに開示された発明の例示的な実施例がこの発明の目的を達成することは明らかであるが、当業者が種々の変形や他の実施例を構成できることは容易に理解できる。さらに、任意の実施例の特徴および/または要素を、単独で、または他の実施例の特徴および/または要素と組み合わせて使用できる。添付の特許請求の範囲は、これらすべての変形例や実施例を、その趣旨を逸脱することなくカバーすることを意図するものであることは、容易に理解できる。
なお、以下に、上述実施例の技術的な特徴を列挙する。
[技術的特徴1]
燃料を内包する外側ケーシングと、
上記ケーシングに支持され、暗号化されたデータを復号できるコントローラにより読み出し可能な暗号化データを記憶する情報記憶装置とを有することを特徴とする燃料電池用の燃料サプライ。
[技術的特徴2]
上記データは対称鍵手法により暗号化および復号される技術的特徴1記載の燃料サプライ。
[技術的特徴3]
上記データは公開鍵手法により暗号化および復号される技術的特徴1記載の燃料サプライ。
[技術的特徴4]
当該燃料サプライは燃料カートリッジである技術的特徴1記載の燃料サプライ。
[技術的特徴5]
上記燃料はライナーに含まれ、上記ライナーが上記外側ケーシング内に配置される技術的特徴1記載の燃料サプライ。
[技術的特徴6]
上記情報記憶装置は電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリを含む技術的特徴1記載の燃料サプライ。
[技術的特徴7]
上記暗号化データは、カートリッジのタイプ、カートリッジが製造された日、カートリッジのロット番号、カートリッジに付与された連続識別番号、情報記憶装置が製造された日、情報記憶装置のロット番号、情報記憶装置に付与された連続識別番号、カートリッジおよび/または記憶装置用の機械識別番号、カートリッジおよび/または記憶装置が製造されたシフト(出番時間帯)、カートリッジおよび/または記憶装置が製造された国、カートリッジおよび/または記憶装置が製造された工場を識別するためのファシリティコード、温度、圧力、振動耐性、その他の動作限界、製造に用いた材料、反模倣情報、燃料情報、知的所有権情報、安全情報、セキュリティパスワード、有効期限日、シャットダウンシーケンス、ホットスワップ手順、リサイクル情報、反応物質情報、燃料ゲージタイプ、流体センサ情報、現在の燃料レベル、現在の燃料中のイオンレベル、燃料電池から取り外した回数、カートリッジを再充填した回数、カートリッジを燃料電池から取り外したときの燃料レベル、カートリッジを燃料電池に装着/結合した回数、カートリッジを燃料電池に結合したときの燃料レベル、保守情報、マーケティング情報、トリガーイベント、燃料電池の効率、および、燃料電池システムの動作履歴からなるグループから選択されている技術的特徴1記載の燃料サプライ。
[技術的特徴8]
燃料電池を内包する外側ケーシングと、
上記ケーシングにより支持され、現在の燃料中のイオンレベル、カートリッジの振動耐性、反模倣情報、知的所有権情報、セキュリティパスワード、有効期限日、シャットダウンシーケンス、ホットスワップ手順、燃料ゲージタイプ、および燃料センサ情報からなるグループから選択されたデータを記憶する情報記憶装置とを有し、
上記グループの情報はコントローラにより読み出し可能であることを特徴とする燃料電池用の燃料サプライ。
[技術的特徴9]
上記情報記憶装置は電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリを含む技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴10]
上記グループの情報は上記電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリの非消去可能部分に記憶される技術的特徴9記載の燃料サプライ。
[技術的特徴11]
上記コントローラは上記燃料電池の内部に配置される技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴12]
上記コントローラは、上記燃料電池が電力供給する電子装置の内部に配置される技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴13]
上記コントローラは上記情報記憶装置に電気接続により接続される技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴14]
上記コントローラは上記情報記憶装置にワイヤレス接続により接続される技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴15]
上記燃料サプライは燃料カートリッジを含む技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴16]
上記燃料はライナーに内包され、上記ライナーは上記外側ケーシングの内部に配置される技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴17]
上記コントローラは上記燃料電池の内部に配置される技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴18]
上記コントローラは上記燃料電池が電力供給する電子装置の内部に配置される技術的特徴17記載の燃料サプライ。
[技術的特徴19]
上記燃料サプライはポンプに接続可能である技術的特徴8記載の燃料サプライ。
[技術的特徴20]
上記ポンプは上記燃料電池の内部に配置される技術的特徴19記載の燃料サプライ。
[技術的特徴21]
燃料を内包するケーシングと、
上記ケーシングに配置され、セキュリティ識別パスワードを含む第1の情報記憶装置とを有し、
確認パスワードをアクセス可能なコントローラが、上記セキュリティ識別パスワードを読み出し、上記確認パスワードと照合し、上記セキュリティ識別パスワードが上記確認パスワードと合致したときには上記コントローラが上記燃料サプライの動作を許容し、上記セキュリティ識別パスワードが上記確認パスワードと合致ないときには上記コントローラが上記燃料サプライの動作を禁止することを特徴とする燃料電池用の燃料サプライ。
[技術的特徴22]
上記確認パスワードは上記コントローラに記憶されている技術的特徴21記載の燃料サプライ。
[技術的特徴23]
上記確認パスワードは上記燃料電池の内部に設けられた第2の情報記憶装置に記憶される技術的特徴21記載の燃料サプライ。
[技術的特徴24]
上記確認パスワードは、上記燃料電池へ燃料を運ぶように適合化されたポンプに設けられた第2の情報記憶装置に記憶される技術的特徴21記載の燃料サプライ。
[技術的特徴25]
燃料を内包し、出口を具備するケーシングと、
上記ケーシングに支持され、第1のデータを含む第1の情報記憶装置と、
上記出口と液体連通であり、上記第1のデータと異なる第2のデータを含む第2の情報記憶装置を含む再充填装置とを有することを特徴とする燃料サプライ。
[技術的特徴26]
コントローラが第1の情報記憶装置および上記第2の情報記憶装置から読み出しが可能である技術的特徴25記載の燃料サプライ。
[技術的特徴27]
上記情報記憶装置がホットスワップ手順に関する情報を含む燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴28]
上記情報記憶装置は上記燃料電池の内部に配置される技術的特徴27記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴29]
上記情報記憶装置は、上記燃料電池が電力供給する電子装置の内部に配置される技術的特徴27記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴30]
上記情報記憶装置は、上記燃料電池に燃料を供給する燃料サプライの内部に配置される技術的特徴27記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴31]
上記ホットスワップ手順は、トリガーのイベントが発生したときに、予め定められたシーケンスに従って、上記情報記憶装置をアクセスするコントローラが、電子装置用の代替電源へと切り替わり、かつ、燃料を上記燃料電池にポンピングするポンプが停止するように指示するための命令を含む技術的特徴27記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴32]
上記トリガーのイベントは、上記電子装置が動作しているときに上記燃料電池用の上記燃料を含む燃料サプライが取り外されることを含む技術的特徴31記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴33]
上記代替電源がバッテリを含む技術的特徴31記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴34]
上記代替電源が上記燃料電池用の燃料を含む予備燃料室部を含む技術的特徴31記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴35]
上記代替電源を使用している間に上記コントローラが上記情報記憶装置に情報を書き込む技術的特徴31記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴36]
上記予め定められたシーケンスは、上記代替電源を用いて上記ポンプを駆動して上記燃料電池と上記燃料電池用のでん量を含む燃料サプライとの間のインタフェースから燃料をポンピングして除去することを含む技術的特徴31記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴37]
上記代替電源がバッテリを含む技術的特徴30記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴38]
上記代替電源が上記燃料電池用の燃料を含む予備燃料室部を含む技術的特徴30記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴39]
上記ホットスワップ手順はセマフォー「ロック」バーブとセマフォー「アンロック」バーブを含む技術的特徴27記載の燃料電池に関連する情報記憶装置。
[技術的特徴40]
第1の情報記憶装置、燃料調整器、および、膜交換部材を含む燃料電池と動作可能に接続されたコントローラを有し、
上記第1の記憶装置は、燃料サプライ上に設けられ、上記燃料サプライに関連する情報を含み、上記コントローラは上記情報記憶装置に対して読み出しおよび書き込みが可能であり、
上記燃料サプライは上記燃料調整器と液体連通しており、上記燃料調整器は上記燃料電池と液体連通しており、上記燃料サプライに含まれる燃料が上記燃料電池に運ばれて電気に変換され、さらに、
上記燃料調整器は調整バルブを含むことを特徴とする燃料電池システム。
[技術的特徴41]
上記燃料サプライの内部圧力は雰囲気圧力より大きい技術的特徴40記載の燃料電池。
[技術的特徴42]
上記燃料調整器はさらに上記調整バルブと液体連通するポンプを有する技術的特徴40記載の燃料電池。
[技術的特徴43]
上記燃料電池が電力供給を行う電子装置がオンとなるときに、上記コントローラは上記第1の情報記憶装置から読み出しを行ない、上記燃料サプライが上記燃料サプライと互換性があるかどうかを確認する技術的特徴40記載の燃料電池システム。
[技術的特徴44]
上記コントローラが上記ポンプに対して燃料を上記燃料サプライからポンピングするように命令する技術的特徴43記載の燃料電池システム。
[技術的特徴45]
上記コントローラが上記調整器を通じた流速を安定化させる技術的特徴44記載の燃料電池システム。
[技術的特徴46]
上記コントローラは上記調整バルブ中の開口のサイズをセットして上記流速を安定化させる技術的特徴45記載の燃料電池システム。
[技術的特徴47]
上記コントローラは上記ポンプのレートをセットして上記流速を安定化させる技術的特徴45記載の燃料電池システム。
[技術的特徴48]
第2の情報記憶装置が上記燃料調整器と関連付けられ、上記燃料調整器に関連する情報を含み、上記コントローラが上記再2の情報記憶装置から読み出しを行える技術的特徴40記載の燃料電池システム。
[技術的特徴49]
上記コントローラは上記第2の情報記憶装置に対して書き込みを行える技術的特徴48記載の燃料電池システム。
[技術的特徴50]
上記コントローラは上記燃料サプライ中の残留燃料を測定する燃料ゲージから読み出しを行ない、上記残留燃料の容積を上記第1または第2の情報記憶装置に書き込む技術的特徴45記載の燃料電池システム。
[技術的特徴51]
上記コントローラは、上記燃料調整器を通じて運ばれる燃料の容積を、流速と、上記燃料調整器を通じて燃料が流れる時間間隔とから確かめる技術的特徴45記載の燃料電池システム。
[技術的特徴52]
上記コントローラは、上記燃料調整器を通じて運ばれる燃料の容積を用いて上記残留燃料の容積を確かめ、上記第1または第2の情報記憶装置に書き込む技術的特徴49記載の燃料電池システム。
[技術的特徴53]
上記コントローラは流速計から上記流速を読み出す技術的特徴49記載の燃料電池システム。
[技術的特徴54]
上記コントローラは上記燃料電池に動作可能に接続された濃度センサから燃料濃度を読み出す技術的特徴45記載の燃料電池システム。
[技術的特徴55]
上記コントローラは上記燃料調整器を介する流速を変更して上記燃料濃度を予め定められた範囲に維持する技術的特徴54記載の燃料電池システム。
[技術的特徴56]
さらに混合室部を有し、上記混合室部は、上記燃料調整器を通じて運ばれる燃料と上記燃料電池の反応により生成される副産物とを含み、上記コントローラは、上記燃料調整器を通して運ばれる燃料の容積を制御して、上記予め定められた燃料濃度範囲を維持する技術的特徴55記載の燃料電池システム。
[技術的特徴57]
上記燃料調整器を通して運ばれる燃料を受け取るように適合化した燃料コンパートメントと上記燃料電池の反応により生成された副産物を受け取るように適合化した副産物コンパートメントとをさらに有し、上記コントローラは、上記燃料コンパートメントおよび上記副産物コンパートメント空上記燃料電池への燃料および副産物の流速を個別に制御して上記予め定められた燃料濃度範囲を維持する技術的特徴55記載の燃料電池システム。
[技術的特徴58]
上記燃料コンパートメントおよび上記副産物コンパートメントは1の混合室部に含まれる技術的特徴57記載の燃料電池システム。
[技術的特徴59]
第3の情報記憶装置が上記燃料電池に関連付けられ、上記燃料電池に関する情報を含み、上記コントローラが上記第3の情報記憶装置から読み出しを行える技術的特徴40記載の燃料電池システム。
[技術的特徴60]
上記コントローラは上記第3の情報記憶装置に対して書き込みを行える技術的特徴59記載の燃料電池システム。
[技術的特徴61]
イオン燃料フィルタをさらに有する技術的特徴40記載の燃料電池システム。
[技術的特徴62]
上記イオン燃料フィルタは上記燃料サプライ上に設けられる技術的特徴61記載の燃料電池システム。
[技術的特徴63]
上記コントローラが読み出し可能なイオンセンサをさらに有する技術的特徴61記載の燃料電池システム。
[技術的特徴64]
上記調整バルブは、燃料の流速または圧力が予め定められたレベルを下回るときに不浸透表面から離間して配置される柔らかな微孔性膜を有し、上記燃料は、上記膜の穴および上記不浸透表面の少なくとも1つの開口を介して運ばれる技術的特徴40記載の燃料電池システム。
[技術的特徴65]
燃料の上記速度または圧力が上記予め定められたレベルを超えると、上記柔らかな微孔性膜が変形して上記膜の少なくとも一部が上記不浸透表面と接触する技術的特徴64記載の燃料電池システム。
[技術的特徴66]
上記柔らかな微孔性膜が上記調整バルブに固定して取り付けられている技術的特徴65記載の燃料電池システム。
[技術的特徴67]
燃料の上記速度または圧力が上記予め定められたレベルを超えると上記柔らかな微孔性膜が伸びる技術的特徴66記載の燃料電池システム。
[技術的特徴68]
上記不浸透表面は実質的に平坦である技術的特徴65記載の燃料電池システム。
[技術的特徴69]
上記不浸透表面は実質的に平坦でない技術的特徴65記載の燃料電池システム。
[技術的特徴70]
上記不浸透表面はその表面に流れ溝を規定し、上記流れ溝が上記不浸透表面の上記少なくとも1つの開口と液体連通である技術的特徴65記載の燃料電池システム。
[技術的特徴71]
上記流れ溝は複数の放射状の足部を有する技術的特徴70記載の燃料電池システム。
[技術的特徴72]
上記流れ溝は複数の連結された同心円を有する技術的特徴70記載の燃料電池システム。
[技術的特徴73]
上記流れ溝は内側に向かった螺旋を有する技術的特徴70記載の燃料電池システム。
[技術的特徴74]
上記調整バルブは上記不浸透表面に複数の開口を有する技術的特徴65記載の燃料電池システム。
[技術的特徴75]
上記開口の径はそれぞれ異なる技術的特徴74記載の燃料電池システム。
[技術的特徴76]
上記少なくとも1つの開口の下流側にフィラーまたは保持材料が配置される技術的特徴65記載の燃料電池システム。
[技術的特徴77]
上記少なくとも1つの開口の上流側にフィラーまたは保持材料が配置される技術的特徴65記載の燃料電池システム。
[技術的特徴78]
上記調整バルブは、上記調整バルブの出口に配置されたシールをさらに有し、燃料が上記調整バルブを介して運べるようになる前に、上記シールを開けるようにする技術的特徴65記載の燃料電池システム。
[技術的特徴79]
上記燃料電池により制止された電気をバッテリに再充電する技術的特徴40記載の燃料電池システム。
[技術的特徴80]
第1の情報記憶装置、燃料調整器、および、膜交換部材を含む燃料電池と動作可能に接続されたコントローラを有し、
上記第1の記憶装置は、燃料サプライ上に設けられ、上記燃料サプライに関連する情報を含み、上記コントローラは上記情報記憶装置に対して読み出しおよび書き込みが可能であり、
上記燃料サプライは上記燃料調整器と液体連通しており、上記燃料調整器は上記燃料電池と液体連通しており、上記燃料サプライに含まれる燃料が上記燃料電池に運ばれて電気に変換され、さらに、
上記電気はバッテリに再充電されることを特徴とする燃料電池システム。
[技術的特徴81]
上記バッテリは電子装置の内部に配置される技術的特徴80記載の燃料電池システム。
[技術的特徴82]
上記バッテリは電子装置の外部に配置される技術的特徴80記載の燃料電池システム。
[技術的特徴83]
上記バッテリは上記燃料サプライ上に配置される技術的特徴80記載の燃料電池システム。
[技術的特徴84]
イオン導電性のポリマーから製造された媒体を有し、当該フィルタを出る燃料の金属イオンが当該フィルタに入る燃料の金属イオンより少なく、上記媒体は、照射され、スルホン化されたポリマーを有することを特徴とする燃料電池用のフィルタ。
[技術的特徴85]
上記イオン導電性のポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、それらのコポリマーおよびそれらのブレンドからなるグループから選択される技術的特徴84記載のフィルタ。
[技術的特徴86]
イオン導電性のポリマーから製造された媒体を有し、当該フィルタを出る燃料の金属イオンが当該フィルタに入る燃料の金属イオンより少なく、ポリマーは、イオン化可能な基を含有する官能化されたアルケンで共重合された非置換のアルケンまたはその先駆体、および、重合化されたアルケンおよび事後的に膜に導入されたイオン基を含むことを特徴とする燃料電池用のフィルタ。
[技術的特徴87]
上記イオン導電性のポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜有し、上記膜の孔部にペルフルオロポリマーを充填させている技術的特徴86記載のフィルタ。
[技術的特徴88]
上記イオン導電性のポリマーは、2.5%のクロロスルホン酸溶液中で照射したポリビニルフルオライド(PVC)膜を有する技術的特徴86記載のフィルタ。[技術的特徴89]
イオン導電性のポリマーから製造された媒体を有し、当該フィルタを出る燃料の金属イオンが当該フィルタに入る燃料の金属イオンより少なく、上記イオン導電性のポリマーは、ポリスチレンスルホン酸−ポリビニルアルコールコポリマー(PSSA−PVA)およびポリスチレンスルホン酸−エチレンビニルアルコールコポリマー(PSSA−EVOH)からなるグループから選択されることを特徴とする燃料電池用のフィルタ。
[技術的特徴90]
金属捕捉剤から製造された媒体を有し、当該フィルタを出る燃料の金属イオンが当該フィルタに入る燃料の金属イオンより少なく、上記金属捕捉剤が金属イオンと結合することを特徴とする燃料電池用のフィルタ。
[技術的特徴91]
上記金属捕捉剤は凝集剤を有する技術的特徴90記載のフィルタ。
[技術的特徴92]
上記金属捕捉剤はシリカゲルを有する技術的特徴90記載のフィルタ。
[技術的特徴93]
上記シリカゲルは、3−(ジエチレントリアミノ)プロピル−官能化シリカゲル、2−(4−エチレンジアミノ)ベンゼン)エチル−官能化シリカゲル、3−(メルカプト)プロピル−官能化シリカゲル、3−(1−チオウレイド)プロピル−官能化シリカゲルおよびトリアミンテトラアセテート−官能化シリカゲルからなるグループから選択される技術的特徴92記載のフィルタ。
[技術的特徴94]
上記金属捕捉剤は金属キレート化合物である技術的特徴90記載のフィルタ。
[技術的特徴95]
上記金属キレート化合物はエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)である技術的特徴94記載のフィルタ。
[技術的特徴96]
電源および離間する2つのノードを有し、上記電源が上記2つのノードの間に電圧を印可し、測定対象の燃料が上記ノードの間にあり、上記2つのノードの間で測定された電気特性が上記燃料中のイオンの量に関連することを特徴とするイオンゲージ。
[技術的特徴97]
上記測定された電気特性は、一方のノードから他方のノードへ流れる電流である技術的特徴96記載のイオンゲージ。
[技術的特徴98]
上記測定された電気特性は、上記2つのノードの間の電圧である技術的特徴96記載のイオンゲージ。
[技術的特徴99]
電源を提供するステップと、
燃料が2つのノードの間に配されるように当該2つのノードを配置するステップと、
上記2つのノードの間に電圧を印可するステップと、
上記2つのノードの間の電気特性を測定するステップと、
測定された電気特性を既知の値と比較するステップとを有することを特徴とする燃料中のイオンレベルを測定する方法。
[技術的特徴100]
既知の値は較正曲線またはテーブルを含む技術的特徴99記載の方法。
[技術的特徴101]
上記測定された電気特性は、一方のノードから他方のノードへ流れる電流である技術的特徴99記載の方法。
[技術的特徴102]
上記測定された電気特性は、上記2つのノードの間の電圧である技術的特徴99記載の方法。
【符号の説明】
【0107】
10 燃料電池または燃料電池システム
11 負荷または電子装置(コンタクト)
12 燃料カートリッジまたは燃料サプライ
14 ポンプ
16 MEA
17 ハウジング
18 コントローラ
19 バッテリ
21 外側ケーシング
22 ノズル
22 出口またはノズル
23 情報記憶装置
24 遮断バルブ
25 外部コネクタ
110 燃料電池
112 カートリッジ
117 ハウジング
118 コントローラ
123 情報記憶装置
130 再充填バルブ
132 再充填装置
140 出口
142 遮断バルブ
144 情報記憶装置
146 パーソナルコンピュータ
210 燃料電池
212 カートリッジ
221 外側ケーシング
254 流速計
264 燃料ゲージ
270 イオンフィルタ
272 イオンセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料サプライと、
情報記憶装置、燃料調整器、および、膜交換部材を含む燃料電池と動作可能に接続されたコントローラとを有する燃料電池システムであって、
上記記憶装置は、上記燃料調整器および上記燃料電池を含む当該燃料電池システムに関連する情報を含み、上記コントローラは上記情報記憶装置に対して読み出しおよび書き込みを実行し、
上記燃料サプライは上記燃料調整器と液体連通しており、上記燃料調整器は上記燃料電池と液体連通しており、上記燃料サプライに含まれる燃料が上記燃料電池に運ばれて電気に変換され、さらに、
上記燃料調整器は調整バルブを含むことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
上記燃料調整器はさらに上記調整バルブと液体連通するポンプを有する請求項1記載の燃料電池。
【請求項3】
上記燃料電池が電力供給を行う電子装置がオンとなるときに、上記コントローラは上記情報記憶装置から読み出しを行ない、上記燃料サプライが上記燃料サプライと互換性があるかどうかを確認する請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項4】
上記コントローラが、
上記ポンプに対して燃料を上記燃料サプライからポンピングするように命令する処理、
上記調整器を通じた流速を安定化させる処理、
上記調整バルブ中の開口のサイズをセットして上記流速を安定化させる処理、
上記ポンプのレートをセットして上記流速を安定化させる処理、
上記燃料サプライ中の残留燃料を測定する燃料ゲージから読み出しを行ない、上記残留燃料の容積を上情報記憶装置に書き込む処理、
上記燃料調整器を通じて運ばれる燃料の容積を、流速と、上記燃料調整器を通じて燃料が流れる時間間隔とから確かめる処理、
上記燃料調整器を通じて運ばれる燃料の容積を用いて上記残留燃料の容積を確かめ、上記情報記憶装置に書き込む処理、
流速計から上記流速を読み出す処理、
上記燃料電池に動作可能に接続された濃度センサから燃料濃度を読み出す処理、または、
上記燃料調整器を介する流速を変更して上記燃料濃度を予め定められた範囲に維持する処理のうちの少なくとも1つを実行する請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項5】
さらに混合室部を有し、上記混合室部は、上記燃料調整器を通じて運ばれる燃料と上記燃料電池の反応により生成される副産物とを含み、上記コントローラは、上記燃料調整器を通して運ばれる燃料の容積を制御して、上記予め定められた燃料濃度範囲を維持する請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項6】
上記燃料調整器を通して運ばれる燃料を受け取るように適合化した燃料コンパートメントと上記燃料電池の反応により生成された副産物を受け取るように適合化した副産物コンパートメントとをさらに有し、上記コントローラは、上記燃料コンパートメントおよび上記副産物コンパートメント空上記燃料電池への燃料および副産物の流速を個別に制御して上記予め定められた燃料濃度範囲を維持する請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項7】
イオン燃料フィルタをさらに有する請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項8】
上記コントローラが読み出し可能なイオンセンサをさらに有する請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項9】
上記調整バルブは、燃料の流速または圧力が予め定められたレベルを下回るときに不浸透表面から離間して配置される柔らかな微孔性膜を有し、上記燃料は、上記膜の穴および上記不浸透表面の少なくとも1つの開口を介して運ばれる請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項10】
燃料の上記速度または圧力が上記予め定められたレベルを超えると、上記柔らかな微孔性膜が変形して上記膜の少なくとも一部が上記不浸透表面と接触する請求項9記載の燃料電池システム。
【請求項11】
上記不浸透表面はその表面に流れ溝を規定し、上記流れ溝が上記不浸透表面の上記少なくとも1つの開口と液体連通である請求項10記載の燃料電池システム。
【請求項12】
上記流れ溝は、複数の放射状の足部、または複数の連結された同心円、または上記流れ溝は内側に向かった螺旋チャンネルを有する請求項11記載の燃料電池システム。
【請求項13】
上記少なくとも1つの開口の下流側にフィラーまたは保持材料が配置される請求項10記載の燃料電池システム。
【請求項14】
上記調整バルブは、上記調整バルブの出口に配置されたシールをさらに有し、燃料が上記調整バルブを介して運べるようになる前に、上記シールを開けるようにする請求項10記載の燃料電池システム。
【請求項15】
上記燃料電池により制止された電気をバッテリに再充電する請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項16】
イオン導電性のポリマーから製造された媒体を有し、当該フィルタを出る燃料の金属イオンが当該フィルタに入る燃料の金属イオンより少なく、
上記媒体は、照射され、スルホン化されたポリマーを有し、または、
上記媒体は、イオン化可能な基を含有する官能化されたアルケンで共重合された非置換のアルケンまたはその先駆体、および、重合化されたアルケンおよび事後的に膜に導入されたイオン基を含み、または、
上記媒体は金属捕捉剤を有し、当該金属捕捉剤が金属イオンと結合し、または、
上記媒体が、ポリスチレンスルホン酸−ポリビニルアルコールコポリマー(PSSA−PVA)およびポリスチレンスルホン酸−エチレンビニルアルコールコポリマー(PSSA−EVOH)からなるグループから選択されることを特徴とする燃料電池用のフィルタ。
【請求項17】
電源および離間する2つのノードを有し、上記電源が上記2つのノードの間に電圧を印可し、測定対象の燃料が上記ノードの間にあり、上記2つのノードの間で測定された電気特性が上記燃料中のイオンの量に関連することを特徴とするイオンゲージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公開番号】特開2012−99485(P2012−99485A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254715(P2011−254715)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【分割の表示】特願2006−542621(P2006−542621)の分割
【原出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(501436665)ソシエテ ビック (73)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE BIC
【Fターム(参考)】