情報記録システム
【課題】簡便に設置でき、また、安定した情報の収集・記録を行うことのできる情報記録システムを提供する。
【解決手段】一列に連結された複数の車両ごとに設置され、車両ごとの記録対象の情報を収集する情報収集装置2と、車両ごとに設けられ、アンテナを介して無線通信を行う情報送受信装置3と、車両の少なくとも一つに設けられ、同じ車両内の情報収集装置2が出力する情報を記録する情報記録装置4とを含む。情報記録装置4の設けられていない車両内の情報送受信装置3は、情報の送信先である情報記録装置4が設けられた車両側とは反対の車両側から受信した情報と、同じ車両内の情報収集装置2が収集した情報とを、情報送受信装置4が設けられている車両側に連結された他の車両の情報送受信装置3に対して送出する。
【解決手段】一列に連結された複数の車両ごとに設置され、車両ごとの記録対象の情報を収集する情報収集装置2と、車両ごとに設けられ、アンテナを介して無線通信を行う情報送受信装置3と、車両の少なくとも一つに設けられ、同じ車両内の情報収集装置2が出力する情報を記録する情報記録装置4とを含む。情報記録装置4の設けられていない車両内の情報送受信装置3は、情報の送信先である情報記録装置4が設けられた車両側とは反対の車両側から受信した情報と、同じ車両内の情報収集装置2が収集した情報とを、情報送受信装置4が設けられている車両側に連結された他の車両の情報送受信装置3に対して送出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車等、一列に連結される車両内で利用される情報記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電車等、一列に連結された複数の車両において、各車両内のドアの開閉状態の情報や、温度等の空調に関する情報を収集するシステムがある。このようなシステムでは、各車両間に有線の通信回線を設置し、情報記録装置が、当該有線の通信回線を介して各車両の情報を収集して記録している。
【0003】
また、こうして収集した情報を表示する装置に対して、これら収集を行う装置から無線にて情報を送信するものが、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2008-049832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、車両間を有線で接続する必要があり、予め通信回線が設置されていない車両に、後付けで通信回線を設置することは技術的にも、またコストの面からも困難である。
【0005】
また、無線にて通信を行うことも考えられるが、多くの列車において車両間に設けられている貫通扉において信号が減衰してしまうので、一列に連結された列車内で無線通信を行う場合は、たとえ2両先の車両にも信号が到達しないのが現状である。
【0006】
そこで車外へアンテナを設けることも考えられるが、車外アンテナの場合、例えば駅に停車したり、駅を通過する際、駅内で用いられている他の無線信号の干渉が大きくなり、信号伝達に支障を生じて、情報の記録が安定して行われない。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、簡便に設置でき、また、安定した情報の収集・記録を行うことのできる情報記録システムを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、一列に連結された複数の車両内に設けられる情報記録システムであって、車両ごとに設置され、車両ごとの記録対象の情報を収集する情報収集装置と、車両ごとに設けられ、アンテナを介して無線通信を行う情報送受信装置と、前記車両の少なくとも一つに設けられ、同じ車両内の情報収集装置が出力する情報を記録する情報記録装置と、を含み、前記情報記録装置の設けられていない車両内の前記情報送受信装置は、情報の送信先である情報記録装置が設けられた車両側とは反対の車両側から受信した情報と、同じ車両内の前記情報収集装置が収集した情報とを、情報送受信装置が設けられている車両側に連結された他の車両の情報送受信装置に対して送出し、前記情報記録装置の設けられている車両内の前記情報送受信装置は、他の車両の情報送受信装置から受信した情報を、前記情報記録装置へ出力して記録させることとしたものである。
【0009】
ここで、互いに隣接する車両において、一方の車両の前記情報送受信装置のアンテナと、隣接する他方の車両の前記情報送受信装置のアンテナとが、車両の幅方向左右に振り分けて配されてもよい。また、各車両の前記情報送受信装置のアンテナが、車両の幅方向左右にそれぞれ配されてもよい。
【0010】
さらに、隣接する前記車両間には、窓を備えた扉が少なくとも一つ配されており、前記情報送受信装置のアンテナは指向性アンテナであって、当該指向性アンテナが、車両間の扉の窓方向に指向性を有するよう配されてもよい。
【0011】
また、前記情報送受信装置は、さらに、車両内と車両外とにアンテナを備え、前記情報送受信装置は、車両の走行状態を表す情報と車両内の状況を表す情報との少なくとも一方を取得する手段と、前記取得した情報に基づいて、車両内のアンテナと車両外のアンテナとのいずれかを選択的に利用して隣接車両との通信を行うこととしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、簡便に設置できるシステムが提供され、また、情報の収集・記録を安定して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る情報記録システムは、図1に例示するように、一列に連結された複数の車両1a,1b…に設置される。この情報記録システムは、各車両1内に設けられた情報収集装置2及び情報送受信装置3と、いずれかの車両内(図1では、2両目)に設置された情報記録装置4とを含んで構成されている。
【0014】
ここに情報収集装置2は例えばカメラ等の撮像装置であり、車両内の映像を逐次的に撮影し、当該撮影して得た画像情報と自己を識別する情報(例えばネットワークアドレスなどの情報でよい)とを関連づけた記録対象情報を逐次的に出力する。この情報収集装置2は、図2に例示するように、撮像部21と、通信制御部22と、通信部23とを含んで構成される。
【0015】
情報送受信装置3は、図3に例示するように、アンテナ31と、送信部32と、通信制御部33と、受信部34と、有線通信部35とを含んで構成される。この情報送受信装置3は、情報収集装置2から入力を受けた記録対象情報を、隣接する車両や、同じ車両内の情報記録装置4へ送出する。この情報送受信装置3は、一列に連結された車両の末端車両では1つだけ設けられる。また中間の車両(前後に連結のある車両)では、情報記録装置4が設置された側の車両側と通信を行う情報送受信装置3(以下、上り側送受信装置と呼ぶ)と、情報記録装置4が設置された車両とは反対側の車両側との通信を行う情報送受信装置3(以下、下り側送受信装置と呼ぶ)との2つ設置される。
【0016】
本実施の形態のある例では4両編成の車両において先頭車両(1両目)に情報記録装置4が設置される。この場合、1両目には、情報記録装置4のほか、情報収集装置2と、下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3とが設置される。また、2両目と3両目とには、それぞれ情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3、並びに下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が設置される。そして4両目には、情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が設置される。
【0017】
また、本実施の形態の別の例では、図1に例示したように、4両編成の車両において中間の車両(2両目など)に情報記録装置4が設置される。図1では2両目に設置した場合が例示されている。この図1に示した例の場合、1両目には、情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3とが設置される。また、2両目には、情報記録装置4のほか、情報収集装置2と、下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が2つ設置される。すなわち、この2両目に設置される各情報送受信装置3は、それぞれ1両目の上り側送受信装置との間で通信を行うものと、3両目の上り側送受信装置との間で通信を行うものとの2つが設置されることとなる。3両目には、情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3、並びに下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が設置される。そして4両目には、情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が設置される。
【0018】
情報記録装置4は、例えば一般的なサーバコンピュータでよく、同じ車両内の情報送受信装置3から入力される記録対象情報をハードディスク等のストレージデバイスに蓄積して記録する。また、この情報記録装置4は、同じ車両内の情報収集装置2から直接、記録対象情報の入力を受けてもよく、当該情報収集装置2から受け入れた記録対象情報もまた、ストレージデバイスに蓄積して記録する。本実施の形態では、この記録対象情報は撮像した情報収集装置2を特定する情報と、撮像された画像情報とを関連づけたものである。情報記録装置4は、各情報収集装置2を特定する情報に関連づけて、各情報収集装置2にて撮像された一連の画像情報を蓄積する(図4)。
【0019】
以下、各部の動作例について説明する。情報収集装置2の撮像部21は、車内の映像を繰り返し撮像し、繰り返して撮像して得られた画像情報を、通信制御部22に出力している。通信制御部22は、撮像部21から逐次的に入力される画像情報をバッファする。また、この通信制御部22は、通信部23を介してバッファした画像情報を無線にて、同じ車両内の情報送受信装置3(2つある場合は、上り側送受信装置とすればよい)に送信する。
【0020】
なお、情報記録装置4と同じ車両内に設置される情報収集装置2の通信部23は、情報送受信装置3へ無線にて送信する代わりに、バッファした画像情報を情報記録装置4へ有線にて送出してもよい。
【0021】
情報送受信装置3のアンテナ31は、送信部32から入力された信号を放射する。また、このアンテナ31は、到来した無線信号を受信して受信部34に出力する。本実施の形態では、情報送受信装置3は、1つのアンテナ31を用いて、送信と受信とを時分割して行ってもよいし、送信と受信とのそれぞれを行う2つのアンテナと、干渉キャンセラとを用いて、送受信を一斉に行うことができるようにしていても構わない。図3では、スイッチを時分割で切り替えて送受信を時分割で行う例を表す。送信部32は、通信制御部33から送信の対象となる情報の入力を受けて、予め定められた方式で無線信号への変調を行い、当該変調された無線信号をアンテナ31に出力する。
【0022】
この通信制御部33は、受信部34を介して受信した情報をバッファし、送信部32を介して送信する情報として送信部32へ出力し、または有線通信部35を介して外部へ送信する。本実施の形態では、この通信制御部33は、上り側送受信装置と、下り側送受信装置とで、また、情報記録装置4の設置された車両においては、異なる動作を行うので、以下、それぞれに区別して説明する。
【0023】
まず、上り側送受信装置における通信制御部33は、下り側送受信装置が同じ車両にあれば、有線通信部35を介して当該下り側送受信装置からの情報を受け入れる。また、この上り側送受信装置の通信制御部33は、情報収集装置2が無線にて送信する情報を受け入れる。そして、上り側送受信装置の通信制御部33は、下り側送受信装置や情報収集装置2から受け入れた情報を、情報記録装置4の設置された隣接車両の情報送受信装置3(下り側送受信装置)へ無線にて送出する。
【0024】
また、下り側送受信装置における通信制御部33は、情報記録装置4が設置された側とは反対側の隣接車両の情報送受信装置3(上り側送受信装置)からの情報を無線にて受信する。ここで、情報記録装置4が設置されていない車両の下り側送受信装置の通信制御部33は、当該受信した情報を、有線通信部35を介して、同じ車両内の上り側送受信装置へ送出する。また、情報記録装置4が設置されている車両の下り側送受信装置の通信制御部33は、隣接する車両から受信した情報を情報記録装置4へ有線通信部35を介して出力する。
さらに図3に示した例では、この通信制御部33がスイッチSWを時分割的に切り替える制御を行い、送信と受信との時分割制御を行っている。
【0025】
受信部34は、アンテナ31に到来した無線信号を受信して復調し、復調により得られた情報を通信制御部33に出力している。有線通信部35は、通信制御部33から入力される指示に従い、指示された情報を指示された宛先に有線にて送出する。
【0026】
本実施の形態では、この情報送受信装置3は、例えば802.11a(5GHz帯)または802.11g(2.4GHz帯)の規格に準じた通信を行うものでよい。この場合、隣接車両間の無線信号と、各車両内の無線信号とが干渉しないよう、それぞれの周波数帯域を異ならせる。また、車両ごとの無線信号の周波数も互いに異ならせておく。さらに、隣接車両間の無線信号も、1−2両目間の通信と、2−3両目間の通信と…、のそれぞれで互いに異なる周波数を用いることとする。
【0027】
一例として各車内の無線通信では802.11g(5GHz帯)を用い、隣接車両間の無線通信では802.11a(2.4GHz帯)を用いる。また、1両目は1チャネル(2.402-2.422GHz)、2両目は13チャネル(2.462-2.482GHz)、3両目は6チャネル(2.427-2.447GHz)、4両目は10チャネル(2.447-2.467GHz)というように、隣接車両同士で使用する周波数帯域の間に、不使用の周波数帯域を挟む。
【0028】
さらに、隣接車両間の無線通信では、1−2両目間が36チャネル(5.170-5.190GHz)、2−3両目間が48チャネル(5.230-5.250GHz)、3−4両目間が40チャネル(5.190-5.210GHz)等と設定する。この場合も共通する車両の両端側での通信で使用する周波数帯域の間に、不使用の周波数帯域を挟んでいる。
【0029】
本実施の形態のシステムは、以上のように構成されているので、次の図5に例示するように動作する。すなわち、1両目に情報記録装置4を配する構成例では、4両目の情報収集装置2dが撮像した画像情報は、情報収集装置2dを特定する情報ともに、記録対象情報Dとして4両目の情報送受信装置3dに出力される(S1)。4両目の情報送受信装置3dは、上り側送受信装置として機能し、3両目において下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3c2に対して、この記録対象情報Dを送信する(S2)。3両目の情報送受信装置3c2は、同じ車両内で上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3c1に対して、この記録対象情報Dを送出する(S3)。
【0030】
3両目の情報送受信装置3c1は、情報送受信装置3c2から4両目の車内を撮像した画像情報を含む、記録対象情報Dを受け入れる。また、この3両目の情報送受信装置3c1は同じ車両内の情報収集装置2cが撮像した画像情報と、情報収集装置2cを特定する情報とを含む記録対象情報Cを受け入れる(S4)。そして、情報送受信装置3c1は、記録対象情報C,Dの双方を、2両目において下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3b2に対して、これら記録対象情報C,Dを送信する(S5)。
【0031】
以下、2両目においても同様に、2両目の情報送受信装置3b2が上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3b1に対して、記録対象情報C,Dを送出し(S6)、一方で、情報送受信装置3b1は、これら記録対象情報C,Dとともに、同じ車両内に設けられた情報収集装置2bが撮像した画像情報と、情報収集装置2bを特定する情報とを含む記録対象情報Bを受け入れて(S7)、記録対象情報B,C,Dを1両目の情報送受信装置3aへ送信する(S8)。
【0032】
1両目の情報送受信装置3aは、記録対象情報B,C,Dを受け入れて、情報記録装置4に送出する(S9)。また1両目の情報収集装置2aは、撮像した画像情報と、当該情報収集装置2aを特定する情報とを含む記録対象情報Aを、情報記録装置4に出力する(S10)。そして情報記録装置4が、各記録対象情報A,B,C,Dを蓄積して記録する。
【0033】
なお、図1に例示したように、2両目に情報記録装置4が設置される例の場合、1両目の情報収集装置2aは、撮像した画像情報と、当該情報収集装置2aを特定する情報とを含む記録対象情報Aを、同じ車両内の情報送受信装置3aに出力する。そして情報送受信装置3aは、隣接車両である2両目の情報送受信装置3b1,3b2のうち、1両目の情報送受信装置3aと通信を行うよう設定されている情報送受信装置3b1に対して、記録対象情報Aを送信する。この例では、2両目の情報送受信装置3b2は、3両目において上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3b1から記録対象情報C,Dの情報を受け入れ、同じ車両内の情報記録装置4へ送出する。
【0034】
また情報送受信装置3b1は、1両目の情報送受信装置3aから記録対象情報Aの情報を受け入れ、同じ車両内の情報記録装置4へ送出する。さらに、この2両目の情報収集装置2bは、記録対象情報Bを情報記録装置4に出力しており、情報記録装置4は、これら記録対象情報AからDを蓄積して記録する。
【0035】
このように本実施の形態では、隣接車両間で記録対象情報を順次受け渡して、情報記録装置4が設置されている車両まで伝達する。これにより、無線による車内の通信を可能として、比較的安価で、簡便に設置できる設備により安定した情報の収集・記録を行うことができる。
【0036】
[情報送受信装置の配置]
ここまでに説明した例では、情報送受信装置3の車両内の配置については特に配慮していないが、鉄道のように、一列に連結された車両間の通信では次に述べるような事情がある。
【0037】
すなわち各車両は通常、電磁波を遮蔽する金属で形成されており、その端部には一般に、図6に例示するような開口が形成される。そして、この開口を通じて乗客等が次の車両へ移動できるようになっている。また一般に、この開口は貫通扉によって閉鎖されており、乗客等の移動時には貫通扉を開けて移動する。貫通扉もまた、主として金属で形成されるが、図6に例示したように、その略中央部に窓Wが設けられているのが一般的である。従って車内を通じて、隣接車両へ無線信号を送出する場合、主としてこの窓Wを介して無線信号が伝播する。また車両がカーブにさしかかると、図7に例示するように、隣接する各車両の各進行方向に角度(θ)が生じることとなる。
【0038】
一方、車両内では幅方向中央部には空調機器等が配されており、情報送受信装置3を設置する余地がない場合が多いが、各車両の側面(車幅方向の面)に設けられている網棚等の上に、情報送受信装置3を配するとすると、次のような問題が生じる。
【0039】
すなわち、各車両で進行方向の一方側(例えば進行方向左側の網棚上など)に情報送受信装置3を配するとすれば、隣接車両間に設けられた情報送受信装置3のアンテナ31同士(図8のアンテナ31aLと31bLの間)では、無線信号の直接波が到達しにくい(図8(a))。
【0040】
そこで、本実施の形態のシステムにおいては、互いに隣接する車両において、一方の車両の情報送受信装置3のアンテナ31と、隣接する他方の車両の情報送受信装置3のアンテナ31とが、車両の幅方向左右に振り分けて配されていてもよい。このとき、車両の進行方向には、略中央部に情報送受信装置3のアンテナ31を設置することとする。具体的には、車両の偶数両目と奇数両目とで、進行方向に向かって左右互いに異なる側に、各情報送受信装置3のアンテナ31を配する。
【0041】
このようにすると、車両が直進しているときには図8(a)に示すように、車両間に設けられた貫通扉の略中央部(すなわち窓Wのある部分)を通じて、隣接する車両の情報送受信装置3のアンテナ31へ直接波を伝達できる。また、カーブにあるときも、図8(b),(c)に示すように、隣接する車両の情報送受信装置3のアンテナ31へ直接波を伝達できる機会を増大させることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態のシステムでは、各情報送受信装置3が複数のアンテナ31を備え、図9に例示するように各アンテナ31が各車両の幅方向左右に振り分けて設置されることとしてもよい。この場合、各情報送受信装置3の送信部32は、複数のアンテナ31に対して信号を供給して、無線信号を放射させる。
【0043】
そして受信部34は、複数のアンテナ31のそれぞれに到来した無線信号の強度を測定し、もっとも強度の大きいアンテナ31に到来した無線信号を選択的に受信して、通信制御部33に出力する。また受信部34は、複数のアンテナ31のそれぞれに到来した無線信号を合成し、合成した無線信号を復号して得た情報を、通信制御部33に出力することとしてもよい。このようにして、空間ダイバーシティを行うことで、図9に例示するように、隣接車両間で直接波を用いた通信が行われる機会を増大させることができる。
【0044】
すなわち、図8(b)に示した例よりも曲率の大きいカーブでは、一方の車両に配された情報送受信装置3のアンテナ31aLから隣接する車両にあるアンテナ31bRへの直接波が到来しなくなることがあり得るが、カーブの方向が逆の場合(図8(c))は、これより曲率の大きいカーブであっても、一方の車両に配された情報送受信装置3のアンテナ31aLから隣接する車両にあるアンテナ31bRへの直接波は到来する。
【0045】
つまりアンテナ31の配置によっては、カーブの方向と曲率とにより、直接波による通信が可能であったり、途切れたりする場合があるが、車幅方向両側にアンテナ31を配しておき、空間ダイバーシティを行うことで、直接波による通信の機会を増大させるとともに、安定的な通信を確保する機会を増大できる。
【0046】
さらに、アンテナ31は、指向性を有するアンテナとしてもよい。この場合、指向性の向き(メインビームの向き)は、車両間に設けられた貫通扉の窓Wの略中心部を指向するよう、アンテナ31を設置する。
【0047】
[他の情報を用いる例]
また本実施の形態では、図10に例示するように、各車両に、車両内の空調の情報(気温や湿度の情報)や、ホーム側ドア開閉の有無、車両の走行速度の情報などを検出する機器モニタ装置6をさらに設置してもよい。機器モニタ装置6は、車両内の空調の情報(気温や湿度の情報)や、ホーム側ドア開閉の有無の情報、車両の走行速度などを検出するセンサを備え、情報収集装置2と同様に、当該センサから逐次的に入力される検出情報を、無線にて同じ車両内の情報送受信装置3(2つある場合は、上り側送受信装置とすればよい)に送信する。各車両の情報送受信装置3は記録対象情報と同様に、この検出情報を情報記録装置4まで伝達する。なお、情報記録装置4と同じ車両内に設置される機器モニタ装置6は、情報送受信装置3へ無線にて送信する代わりに、検出情報を情報記録装置4へ有線にて送出してもよい。
【0048】
このように検出情報が伝送される場合、各情報送受信装置3は、伝送する検出情報の内容を調べて無線通信のパラメータ(伝送速度や使用チャネル等)を変更してもよい。また図10では、各情報送受信装置3に、車両内のアンテナ31のほかに、車両外のアンテナ36を備え、通信制御部33が車両内アンテナ31と車両外アンテナ36とのいずれかを検出情報の少なくとも一部に基づいて選択し、当該選択した車両内または車両外のアンテナ31,36のいずれか一方を介して、互いに隣接する車両にそれぞれ設けられた情報送受信装置3間で無線信号の送受信を行う例を表している。この例の場合、情報送受信装置3の通信制御部33は、送受信を時分割的に切り替えるスイッチSW1と、車内のアンテナ31と、車外のアンテナ36とのいずれを介して通信を行うかを切り替えるスイッチSW2とを制御することとすればよい(図11)。
【0049】
一例として、検出情報の一つである車両の走行速度が、予め定めた速度しきい値より低いか否かを通信制御部33が判断し、車両の走行速度が、予め定めた速度しきい値より低い場合にスイッチSW2を車両内アンテナ31に切り替えて、車両内アンテナ31を選択する。共通の速度しきい値を各車両の情報送受信装置3に設定しておくことで、隣接車両においても同様の選択が行われるので、互いに隣接する車両にそれぞれ配された情報送受信装置3が車両内のアンテナ31を介して情報の送受信を行うようにする。また、車両の走行速度が予め定めた速度しきい値より高い場合には、通信制御部33は、車両外アンテナ36を選択して、互いに隣接する車両にそれぞれ配された情報送受信装置3が車両外のアンテナ36を介して情報の送受信を行うようにする。
【0050】
あるいは、複数の検出情報の組み合わせにより、車内外のアンテナのいずれを選択するかを定めてもよい。例えば車両の走行速度が予め定めた速度しきい値より低く、かつドアが開いている場合に、通信制御部33が車両内アンテナ31を選択して、互いに隣接する車両にそれぞれ配された情報送受信装置3が車両内のアンテナ31を介して情報の送受信を行うようにしてもよい。このようにすると、駅停車中に、駅構内で用いられる各種無線信号の干渉を受けにくくすることができる。
【0051】
また、車両内の湿度によっては、車両内アンテナ31を介した情報送受信装置3同士の通信効率が低下することに鑑み、例えば、車両の走行速度が予め定めた速度しきい値より低くても、車両内の湿度が予め定めた湿度のしきい値より高い場合は、通信制御部33が車両外アンテナ36を選択して、互いに隣接する車両にそれぞれ配された情報送受信装置3が車両外のアンテナ36を介して情報の送受信を行うようにしてもよい。さらに、実験的に他の条件を定めても構わない。このように、車両に関係する条件により車外、車内のアンテナを切り替えることで、より効率が高く安定した情報の収集・記録が可能となる。
【0052】
なお、本実施の形態では、4両編成程度の車両を例としたが、より長い編成の車両であっても構わない。この場合に、記録対象情報の情報量が多く、通信のスループットとの関係で記録に支障がある場合は、例えば長い車両を4両ごとのグループに区切って、グループごとに本実施の形態のシステムを1つずつ配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報記録システムの構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報収集装置の構成例を表すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報送受信装置の構成例を表すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る情報記録装置に記録される情報の内容例を表す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る情報記録システムにおける通信の流れの例を表す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る情報記録システムが設置される車両間にある貫通扉の例を表す概要図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る情報記録システムが設置される車両の姿勢の例を表す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る情報記録システムが設置される車両の姿勢と直接波の到達範囲との関係の例を表す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る情報記録システムが設置される車両の姿勢と直接波の到達範囲との関係の別の例を表す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る情報記録システムのもう一つの構成例を表すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る情報送受信装置のもう一つの構成例を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
1 車両、2 情報収集装置、3 情報送受信装置、4 情報記録装置、6 機器モニタ装置、21 撮像部、22 通信制御部、23 通信部、31,36 アンテナ、32 送信部、33 通信制御部、34 受信部、35 有線通信部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車等、一列に連結される車両内で利用される情報記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電車等、一列に連結された複数の車両において、各車両内のドアの開閉状態の情報や、温度等の空調に関する情報を収集するシステムがある。このようなシステムでは、各車両間に有線の通信回線を設置し、情報記録装置が、当該有線の通信回線を介して各車両の情報を収集して記録している。
【0003】
また、こうして収集した情報を表示する装置に対して、これら収集を行う装置から無線にて情報を送信するものが、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2008-049832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、車両間を有線で接続する必要があり、予め通信回線が設置されていない車両に、後付けで通信回線を設置することは技術的にも、またコストの面からも困難である。
【0005】
また、無線にて通信を行うことも考えられるが、多くの列車において車両間に設けられている貫通扉において信号が減衰してしまうので、一列に連結された列車内で無線通信を行う場合は、たとえ2両先の車両にも信号が到達しないのが現状である。
【0006】
そこで車外へアンテナを設けることも考えられるが、車外アンテナの場合、例えば駅に停車したり、駅を通過する際、駅内で用いられている他の無線信号の干渉が大きくなり、信号伝達に支障を生じて、情報の記録が安定して行われない。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、簡便に設置でき、また、安定した情報の収集・記録を行うことのできる情報記録システムを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、一列に連結された複数の車両内に設けられる情報記録システムであって、車両ごとに設置され、車両ごとの記録対象の情報を収集する情報収集装置と、車両ごとに設けられ、アンテナを介して無線通信を行う情報送受信装置と、前記車両の少なくとも一つに設けられ、同じ車両内の情報収集装置が出力する情報を記録する情報記録装置と、を含み、前記情報記録装置の設けられていない車両内の前記情報送受信装置は、情報の送信先である情報記録装置が設けられた車両側とは反対の車両側から受信した情報と、同じ車両内の前記情報収集装置が収集した情報とを、情報送受信装置が設けられている車両側に連結された他の車両の情報送受信装置に対して送出し、前記情報記録装置の設けられている車両内の前記情報送受信装置は、他の車両の情報送受信装置から受信した情報を、前記情報記録装置へ出力して記録させることとしたものである。
【0009】
ここで、互いに隣接する車両において、一方の車両の前記情報送受信装置のアンテナと、隣接する他方の車両の前記情報送受信装置のアンテナとが、車両の幅方向左右に振り分けて配されてもよい。また、各車両の前記情報送受信装置のアンテナが、車両の幅方向左右にそれぞれ配されてもよい。
【0010】
さらに、隣接する前記車両間には、窓を備えた扉が少なくとも一つ配されており、前記情報送受信装置のアンテナは指向性アンテナであって、当該指向性アンテナが、車両間の扉の窓方向に指向性を有するよう配されてもよい。
【0011】
また、前記情報送受信装置は、さらに、車両内と車両外とにアンテナを備え、前記情報送受信装置は、車両の走行状態を表す情報と車両内の状況を表す情報との少なくとも一方を取得する手段と、前記取得した情報に基づいて、車両内のアンテナと車両外のアンテナとのいずれかを選択的に利用して隣接車両との通信を行うこととしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、簡便に設置できるシステムが提供され、また、情報の収集・記録を安定して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る情報記録システムは、図1に例示するように、一列に連結された複数の車両1a,1b…に設置される。この情報記録システムは、各車両1内に設けられた情報収集装置2及び情報送受信装置3と、いずれかの車両内(図1では、2両目)に設置された情報記録装置4とを含んで構成されている。
【0014】
ここに情報収集装置2は例えばカメラ等の撮像装置であり、車両内の映像を逐次的に撮影し、当該撮影して得た画像情報と自己を識別する情報(例えばネットワークアドレスなどの情報でよい)とを関連づけた記録対象情報を逐次的に出力する。この情報収集装置2は、図2に例示するように、撮像部21と、通信制御部22と、通信部23とを含んで構成される。
【0015】
情報送受信装置3は、図3に例示するように、アンテナ31と、送信部32と、通信制御部33と、受信部34と、有線通信部35とを含んで構成される。この情報送受信装置3は、情報収集装置2から入力を受けた記録対象情報を、隣接する車両や、同じ車両内の情報記録装置4へ送出する。この情報送受信装置3は、一列に連結された車両の末端車両では1つだけ設けられる。また中間の車両(前後に連結のある車両)では、情報記録装置4が設置された側の車両側と通信を行う情報送受信装置3(以下、上り側送受信装置と呼ぶ)と、情報記録装置4が設置された車両とは反対側の車両側との通信を行う情報送受信装置3(以下、下り側送受信装置と呼ぶ)との2つ設置される。
【0016】
本実施の形態のある例では4両編成の車両において先頭車両(1両目)に情報記録装置4が設置される。この場合、1両目には、情報記録装置4のほか、情報収集装置2と、下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3とが設置される。また、2両目と3両目とには、それぞれ情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3、並びに下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が設置される。そして4両目には、情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が設置される。
【0017】
また、本実施の形態の別の例では、図1に例示したように、4両編成の車両において中間の車両(2両目など)に情報記録装置4が設置される。図1では2両目に設置した場合が例示されている。この図1に示した例の場合、1両目には、情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3とが設置される。また、2両目には、情報記録装置4のほか、情報収集装置2と、下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が2つ設置される。すなわち、この2両目に設置される各情報送受信装置3は、それぞれ1両目の上り側送受信装置との間で通信を行うものと、3両目の上り側送受信装置との間で通信を行うものとの2つが設置されることとなる。3両目には、情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3、並びに下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が設置される。そして4両目には、情報収集装置2と、上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3が設置される。
【0018】
情報記録装置4は、例えば一般的なサーバコンピュータでよく、同じ車両内の情報送受信装置3から入力される記録対象情報をハードディスク等のストレージデバイスに蓄積して記録する。また、この情報記録装置4は、同じ車両内の情報収集装置2から直接、記録対象情報の入力を受けてもよく、当該情報収集装置2から受け入れた記録対象情報もまた、ストレージデバイスに蓄積して記録する。本実施の形態では、この記録対象情報は撮像した情報収集装置2を特定する情報と、撮像された画像情報とを関連づけたものである。情報記録装置4は、各情報収集装置2を特定する情報に関連づけて、各情報収集装置2にて撮像された一連の画像情報を蓄積する(図4)。
【0019】
以下、各部の動作例について説明する。情報収集装置2の撮像部21は、車内の映像を繰り返し撮像し、繰り返して撮像して得られた画像情報を、通信制御部22に出力している。通信制御部22は、撮像部21から逐次的に入力される画像情報をバッファする。また、この通信制御部22は、通信部23を介してバッファした画像情報を無線にて、同じ車両内の情報送受信装置3(2つある場合は、上り側送受信装置とすればよい)に送信する。
【0020】
なお、情報記録装置4と同じ車両内に設置される情報収集装置2の通信部23は、情報送受信装置3へ無線にて送信する代わりに、バッファした画像情報を情報記録装置4へ有線にて送出してもよい。
【0021】
情報送受信装置3のアンテナ31は、送信部32から入力された信号を放射する。また、このアンテナ31は、到来した無線信号を受信して受信部34に出力する。本実施の形態では、情報送受信装置3は、1つのアンテナ31を用いて、送信と受信とを時分割して行ってもよいし、送信と受信とのそれぞれを行う2つのアンテナと、干渉キャンセラとを用いて、送受信を一斉に行うことができるようにしていても構わない。図3では、スイッチを時分割で切り替えて送受信を時分割で行う例を表す。送信部32は、通信制御部33から送信の対象となる情報の入力を受けて、予め定められた方式で無線信号への変調を行い、当該変調された無線信号をアンテナ31に出力する。
【0022】
この通信制御部33は、受信部34を介して受信した情報をバッファし、送信部32を介して送信する情報として送信部32へ出力し、または有線通信部35を介して外部へ送信する。本実施の形態では、この通信制御部33は、上り側送受信装置と、下り側送受信装置とで、また、情報記録装置4の設置された車両においては、異なる動作を行うので、以下、それぞれに区別して説明する。
【0023】
まず、上り側送受信装置における通信制御部33は、下り側送受信装置が同じ車両にあれば、有線通信部35を介して当該下り側送受信装置からの情報を受け入れる。また、この上り側送受信装置の通信制御部33は、情報収集装置2が無線にて送信する情報を受け入れる。そして、上り側送受信装置の通信制御部33は、下り側送受信装置や情報収集装置2から受け入れた情報を、情報記録装置4の設置された隣接車両の情報送受信装置3(下り側送受信装置)へ無線にて送出する。
【0024】
また、下り側送受信装置における通信制御部33は、情報記録装置4が設置された側とは反対側の隣接車両の情報送受信装置3(上り側送受信装置)からの情報を無線にて受信する。ここで、情報記録装置4が設置されていない車両の下り側送受信装置の通信制御部33は、当該受信した情報を、有線通信部35を介して、同じ車両内の上り側送受信装置へ送出する。また、情報記録装置4が設置されている車両の下り側送受信装置の通信制御部33は、隣接する車両から受信した情報を情報記録装置4へ有線通信部35を介して出力する。
さらに図3に示した例では、この通信制御部33がスイッチSWを時分割的に切り替える制御を行い、送信と受信との時分割制御を行っている。
【0025】
受信部34は、アンテナ31に到来した無線信号を受信して復調し、復調により得られた情報を通信制御部33に出力している。有線通信部35は、通信制御部33から入力される指示に従い、指示された情報を指示された宛先に有線にて送出する。
【0026】
本実施の形態では、この情報送受信装置3は、例えば802.11a(5GHz帯)または802.11g(2.4GHz帯)の規格に準じた通信を行うものでよい。この場合、隣接車両間の無線信号と、各車両内の無線信号とが干渉しないよう、それぞれの周波数帯域を異ならせる。また、車両ごとの無線信号の周波数も互いに異ならせておく。さらに、隣接車両間の無線信号も、1−2両目間の通信と、2−3両目間の通信と…、のそれぞれで互いに異なる周波数を用いることとする。
【0027】
一例として各車内の無線通信では802.11g(5GHz帯)を用い、隣接車両間の無線通信では802.11a(2.4GHz帯)を用いる。また、1両目は1チャネル(2.402-2.422GHz)、2両目は13チャネル(2.462-2.482GHz)、3両目は6チャネル(2.427-2.447GHz)、4両目は10チャネル(2.447-2.467GHz)というように、隣接車両同士で使用する周波数帯域の間に、不使用の周波数帯域を挟む。
【0028】
さらに、隣接車両間の無線通信では、1−2両目間が36チャネル(5.170-5.190GHz)、2−3両目間が48チャネル(5.230-5.250GHz)、3−4両目間が40チャネル(5.190-5.210GHz)等と設定する。この場合も共通する車両の両端側での通信で使用する周波数帯域の間に、不使用の周波数帯域を挟んでいる。
【0029】
本実施の形態のシステムは、以上のように構成されているので、次の図5に例示するように動作する。すなわち、1両目に情報記録装置4を配する構成例では、4両目の情報収集装置2dが撮像した画像情報は、情報収集装置2dを特定する情報ともに、記録対象情報Dとして4両目の情報送受信装置3dに出力される(S1)。4両目の情報送受信装置3dは、上り側送受信装置として機能し、3両目において下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3c2に対して、この記録対象情報Dを送信する(S2)。3両目の情報送受信装置3c2は、同じ車両内で上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3c1に対して、この記録対象情報Dを送出する(S3)。
【0030】
3両目の情報送受信装置3c1は、情報送受信装置3c2から4両目の車内を撮像した画像情報を含む、記録対象情報Dを受け入れる。また、この3両目の情報送受信装置3c1は同じ車両内の情報収集装置2cが撮像した画像情報と、情報収集装置2cを特定する情報とを含む記録対象情報Cを受け入れる(S4)。そして、情報送受信装置3c1は、記録対象情報C,Dの双方を、2両目において下り側送受信装置として機能する情報送受信装置3b2に対して、これら記録対象情報C,Dを送信する(S5)。
【0031】
以下、2両目においても同様に、2両目の情報送受信装置3b2が上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3b1に対して、記録対象情報C,Dを送出し(S6)、一方で、情報送受信装置3b1は、これら記録対象情報C,Dとともに、同じ車両内に設けられた情報収集装置2bが撮像した画像情報と、情報収集装置2bを特定する情報とを含む記録対象情報Bを受け入れて(S7)、記録対象情報B,C,Dを1両目の情報送受信装置3aへ送信する(S8)。
【0032】
1両目の情報送受信装置3aは、記録対象情報B,C,Dを受け入れて、情報記録装置4に送出する(S9)。また1両目の情報収集装置2aは、撮像した画像情報と、当該情報収集装置2aを特定する情報とを含む記録対象情報Aを、情報記録装置4に出力する(S10)。そして情報記録装置4が、各記録対象情報A,B,C,Dを蓄積して記録する。
【0033】
なお、図1に例示したように、2両目に情報記録装置4が設置される例の場合、1両目の情報収集装置2aは、撮像した画像情報と、当該情報収集装置2aを特定する情報とを含む記録対象情報Aを、同じ車両内の情報送受信装置3aに出力する。そして情報送受信装置3aは、隣接車両である2両目の情報送受信装置3b1,3b2のうち、1両目の情報送受信装置3aと通信を行うよう設定されている情報送受信装置3b1に対して、記録対象情報Aを送信する。この例では、2両目の情報送受信装置3b2は、3両目において上り側送受信装置として機能する情報送受信装置3b1から記録対象情報C,Dの情報を受け入れ、同じ車両内の情報記録装置4へ送出する。
【0034】
また情報送受信装置3b1は、1両目の情報送受信装置3aから記録対象情報Aの情報を受け入れ、同じ車両内の情報記録装置4へ送出する。さらに、この2両目の情報収集装置2bは、記録対象情報Bを情報記録装置4に出力しており、情報記録装置4は、これら記録対象情報AからDを蓄積して記録する。
【0035】
このように本実施の形態では、隣接車両間で記録対象情報を順次受け渡して、情報記録装置4が設置されている車両まで伝達する。これにより、無線による車内の通信を可能として、比較的安価で、簡便に設置できる設備により安定した情報の収集・記録を行うことができる。
【0036】
[情報送受信装置の配置]
ここまでに説明した例では、情報送受信装置3の車両内の配置については特に配慮していないが、鉄道のように、一列に連結された車両間の通信では次に述べるような事情がある。
【0037】
すなわち各車両は通常、電磁波を遮蔽する金属で形成されており、その端部には一般に、図6に例示するような開口が形成される。そして、この開口を通じて乗客等が次の車両へ移動できるようになっている。また一般に、この開口は貫通扉によって閉鎖されており、乗客等の移動時には貫通扉を開けて移動する。貫通扉もまた、主として金属で形成されるが、図6に例示したように、その略中央部に窓Wが設けられているのが一般的である。従って車内を通じて、隣接車両へ無線信号を送出する場合、主としてこの窓Wを介して無線信号が伝播する。また車両がカーブにさしかかると、図7に例示するように、隣接する各車両の各進行方向に角度(θ)が生じることとなる。
【0038】
一方、車両内では幅方向中央部には空調機器等が配されており、情報送受信装置3を設置する余地がない場合が多いが、各車両の側面(車幅方向の面)に設けられている網棚等の上に、情報送受信装置3を配するとすると、次のような問題が生じる。
【0039】
すなわち、各車両で進行方向の一方側(例えば進行方向左側の網棚上など)に情報送受信装置3を配するとすれば、隣接車両間に設けられた情報送受信装置3のアンテナ31同士(図8のアンテナ31aLと31bLの間)では、無線信号の直接波が到達しにくい(図8(a))。
【0040】
そこで、本実施の形態のシステムにおいては、互いに隣接する車両において、一方の車両の情報送受信装置3のアンテナ31と、隣接する他方の車両の情報送受信装置3のアンテナ31とが、車両の幅方向左右に振り分けて配されていてもよい。このとき、車両の進行方向には、略中央部に情報送受信装置3のアンテナ31を設置することとする。具体的には、車両の偶数両目と奇数両目とで、進行方向に向かって左右互いに異なる側に、各情報送受信装置3のアンテナ31を配する。
【0041】
このようにすると、車両が直進しているときには図8(a)に示すように、車両間に設けられた貫通扉の略中央部(すなわち窓Wのある部分)を通じて、隣接する車両の情報送受信装置3のアンテナ31へ直接波を伝達できる。また、カーブにあるときも、図8(b),(c)に示すように、隣接する車両の情報送受信装置3のアンテナ31へ直接波を伝達できる機会を増大させることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態のシステムでは、各情報送受信装置3が複数のアンテナ31を備え、図9に例示するように各アンテナ31が各車両の幅方向左右に振り分けて設置されることとしてもよい。この場合、各情報送受信装置3の送信部32は、複数のアンテナ31に対して信号を供給して、無線信号を放射させる。
【0043】
そして受信部34は、複数のアンテナ31のそれぞれに到来した無線信号の強度を測定し、もっとも強度の大きいアンテナ31に到来した無線信号を選択的に受信して、通信制御部33に出力する。また受信部34は、複数のアンテナ31のそれぞれに到来した無線信号を合成し、合成した無線信号を復号して得た情報を、通信制御部33に出力することとしてもよい。このようにして、空間ダイバーシティを行うことで、図9に例示するように、隣接車両間で直接波を用いた通信が行われる機会を増大させることができる。
【0044】
すなわち、図8(b)に示した例よりも曲率の大きいカーブでは、一方の車両に配された情報送受信装置3のアンテナ31aLから隣接する車両にあるアンテナ31bRへの直接波が到来しなくなることがあり得るが、カーブの方向が逆の場合(図8(c))は、これより曲率の大きいカーブであっても、一方の車両に配された情報送受信装置3のアンテナ31aLから隣接する車両にあるアンテナ31bRへの直接波は到来する。
【0045】
つまりアンテナ31の配置によっては、カーブの方向と曲率とにより、直接波による通信が可能であったり、途切れたりする場合があるが、車幅方向両側にアンテナ31を配しておき、空間ダイバーシティを行うことで、直接波による通信の機会を増大させるとともに、安定的な通信を確保する機会を増大できる。
【0046】
さらに、アンテナ31は、指向性を有するアンテナとしてもよい。この場合、指向性の向き(メインビームの向き)は、車両間に設けられた貫通扉の窓Wの略中心部を指向するよう、アンテナ31を設置する。
【0047】
[他の情報を用いる例]
また本実施の形態では、図10に例示するように、各車両に、車両内の空調の情報(気温や湿度の情報)や、ホーム側ドア開閉の有無、車両の走行速度の情報などを検出する機器モニタ装置6をさらに設置してもよい。機器モニタ装置6は、車両内の空調の情報(気温や湿度の情報)や、ホーム側ドア開閉の有無の情報、車両の走行速度などを検出するセンサを備え、情報収集装置2と同様に、当該センサから逐次的に入力される検出情報を、無線にて同じ車両内の情報送受信装置3(2つある場合は、上り側送受信装置とすればよい)に送信する。各車両の情報送受信装置3は記録対象情報と同様に、この検出情報を情報記録装置4まで伝達する。なお、情報記録装置4と同じ車両内に設置される機器モニタ装置6は、情報送受信装置3へ無線にて送信する代わりに、検出情報を情報記録装置4へ有線にて送出してもよい。
【0048】
このように検出情報が伝送される場合、各情報送受信装置3は、伝送する検出情報の内容を調べて無線通信のパラメータ(伝送速度や使用チャネル等)を変更してもよい。また図10では、各情報送受信装置3に、車両内のアンテナ31のほかに、車両外のアンテナ36を備え、通信制御部33が車両内アンテナ31と車両外アンテナ36とのいずれかを検出情報の少なくとも一部に基づいて選択し、当該選択した車両内または車両外のアンテナ31,36のいずれか一方を介して、互いに隣接する車両にそれぞれ設けられた情報送受信装置3間で無線信号の送受信を行う例を表している。この例の場合、情報送受信装置3の通信制御部33は、送受信を時分割的に切り替えるスイッチSW1と、車内のアンテナ31と、車外のアンテナ36とのいずれを介して通信を行うかを切り替えるスイッチSW2とを制御することとすればよい(図11)。
【0049】
一例として、検出情報の一つである車両の走行速度が、予め定めた速度しきい値より低いか否かを通信制御部33が判断し、車両の走行速度が、予め定めた速度しきい値より低い場合にスイッチSW2を車両内アンテナ31に切り替えて、車両内アンテナ31を選択する。共通の速度しきい値を各車両の情報送受信装置3に設定しておくことで、隣接車両においても同様の選択が行われるので、互いに隣接する車両にそれぞれ配された情報送受信装置3が車両内のアンテナ31を介して情報の送受信を行うようにする。また、車両の走行速度が予め定めた速度しきい値より高い場合には、通信制御部33は、車両外アンテナ36を選択して、互いに隣接する車両にそれぞれ配された情報送受信装置3が車両外のアンテナ36を介して情報の送受信を行うようにする。
【0050】
あるいは、複数の検出情報の組み合わせにより、車内外のアンテナのいずれを選択するかを定めてもよい。例えば車両の走行速度が予め定めた速度しきい値より低く、かつドアが開いている場合に、通信制御部33が車両内アンテナ31を選択して、互いに隣接する車両にそれぞれ配された情報送受信装置3が車両内のアンテナ31を介して情報の送受信を行うようにしてもよい。このようにすると、駅停車中に、駅構内で用いられる各種無線信号の干渉を受けにくくすることができる。
【0051】
また、車両内の湿度によっては、車両内アンテナ31を介した情報送受信装置3同士の通信効率が低下することに鑑み、例えば、車両の走行速度が予め定めた速度しきい値より低くても、車両内の湿度が予め定めた湿度のしきい値より高い場合は、通信制御部33が車両外アンテナ36を選択して、互いに隣接する車両にそれぞれ配された情報送受信装置3が車両外のアンテナ36を介して情報の送受信を行うようにしてもよい。さらに、実験的に他の条件を定めても構わない。このように、車両に関係する条件により車外、車内のアンテナを切り替えることで、より効率が高く安定した情報の収集・記録が可能となる。
【0052】
なお、本実施の形態では、4両編成程度の車両を例としたが、より長い編成の車両であっても構わない。この場合に、記録対象情報の情報量が多く、通信のスループットとの関係で記録に支障がある場合は、例えば長い車両を4両ごとのグループに区切って、グループごとに本実施の形態のシステムを1つずつ配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報記録システムの構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報収集装置の構成例を表すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報送受信装置の構成例を表すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る情報記録装置に記録される情報の内容例を表す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る情報記録システムにおける通信の流れの例を表す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る情報記録システムが設置される車両間にある貫通扉の例を表す概要図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る情報記録システムが設置される車両の姿勢の例を表す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る情報記録システムが設置される車両の姿勢と直接波の到達範囲との関係の例を表す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る情報記録システムが設置される車両の姿勢と直接波の到達範囲との関係の別の例を表す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る情報記録システムのもう一つの構成例を表すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る情報送受信装置のもう一つの構成例を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
1 車両、2 情報収集装置、3 情報送受信装置、4 情報記録装置、6 機器モニタ装置、21 撮像部、22 通信制御部、23 通信部、31,36 アンテナ、32 送信部、33 通信制御部、34 受信部、35 有線通信部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に連結された複数の車両内に設けられる情報記録システムであって、
車両ごとに設置され、車両ごとの記録対象の情報を収集する情報収集装置と、
車両ごとに設けられ、アンテナを介して無線通信を行う情報送受信装置と、
前記車両の少なくとも一つに設けられ、同じ車両内の情報収集装置が出力する情報を記録する情報記録装置と、
を含み、
前記情報記録装置の設けられていない車両内の前記情報送受信装置は、情報の送信先である情報記録装置が設けられた車両側とは反対の車両側から受信した情報と、同じ車両内の前記情報収集装置が収集した情報とを、情報送受信装置が設けられている車両側に連結された他の車両の情報送受信装置に対して送出し、
前記情報記録装置の設けられている車両内の前記情報送受信装置は、他の車両の情報送受信装置から受信した情報を、前記情報記録装置へ出力して記録させることを特徴とする情報記録システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報記録システムであって、
互いに隣接する車両において、一方の車両の前記情報送受信装置のアンテナと、隣接する他方の車両の前記情報送受信装置のアンテナとが、車両の幅方向左右に振り分けて配されていることを特徴とする情報記録システム。
【請求項3】
請求項1記載の情報記録システムであって、
各車両の前記情報送受信装置のアンテナが、車両の幅方向左右にそれぞれ配されていることを特徴とする情報記録システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報記録システムであって、
隣接する前記車両間には、窓を備えた扉が少なくとも一つ配されており、
前記情報送受信装置のアンテナは指向性アンテナであり、当該指向性アンテナが、車両間の扉の窓方向に指向性を有するよう配されていることを特徴とする情報記録システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報記録システムであって、
前記情報送受信装置は、さらに、車両内と車両外とにアンテナを備え、
前記情報送受信装置は、車両の走行状態を表す情報と車両内の状況を表す情報との少なくとも一方を取得する手段と、
前記取得した情報に基づいて、車両内のアンテナと車両外のアンテナとのいずれかを選択的に利用して隣接車両との通信を行うことを特徴とする情報記録システム。
【請求項1】
一列に連結された複数の車両内に設けられる情報記録システムであって、
車両ごとに設置され、車両ごとの記録対象の情報を収集する情報収集装置と、
車両ごとに設けられ、アンテナを介して無線通信を行う情報送受信装置と、
前記車両の少なくとも一つに設けられ、同じ車両内の情報収集装置が出力する情報を記録する情報記録装置と、
を含み、
前記情報記録装置の設けられていない車両内の前記情報送受信装置は、情報の送信先である情報記録装置が設けられた車両側とは反対の車両側から受信した情報と、同じ車両内の前記情報収集装置が収集した情報とを、情報送受信装置が設けられている車両側に連結された他の車両の情報送受信装置に対して送出し、
前記情報記録装置の設けられている車両内の前記情報送受信装置は、他の車両の情報送受信装置から受信した情報を、前記情報記録装置へ出力して記録させることを特徴とする情報記録システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報記録システムであって、
互いに隣接する車両において、一方の車両の前記情報送受信装置のアンテナと、隣接する他方の車両の前記情報送受信装置のアンテナとが、車両の幅方向左右に振り分けて配されていることを特徴とする情報記録システム。
【請求項3】
請求項1記載の情報記録システムであって、
各車両の前記情報送受信装置のアンテナが、車両の幅方向左右にそれぞれ配されていることを特徴とする情報記録システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報記録システムであって、
隣接する前記車両間には、窓を備えた扉が少なくとも一つ配されており、
前記情報送受信装置のアンテナは指向性アンテナであり、当該指向性アンテナが、車両間の扉の窓方向に指向性を有するよう配されていることを特徴とする情報記録システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報記録システムであって、
前記情報送受信装置は、さらに、車両内と車両外とにアンテナを備え、
前記情報送受信装置は、車両の走行状態を表す情報と車両内の状況を表す情報との少なくとも一方を取得する手段と、
前記取得した情報に基づいて、車両内のアンテナと車両外のアンテナとのいずれかを選択的に利用して隣接車両との通信を行うことを特徴とする情報記録システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−115944(P2010−115944A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288748(P2008−288748)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(390021577)東海旅客鉄道株式会社 (413)
【出願人】(307022424)ソフトバンクテレコム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(390021577)東海旅客鉄道株式会社 (413)
【出願人】(307022424)ソフトバンクテレコム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
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