説明

情報記録装置、情報再生装置および記録媒体

【課題】ホログラフィを利用して情報が多重化して記録される記録媒体に対する、情報の記録・再生を効率化する。
【解決手段】ホログラフィを用いて光情報記録媒体に情報を記録する装置であって、信号光照射手段と、参照光照射手段と、参照光が光情報記録媒体に照射される角度を変動する参照光角度調整手段と、信号光および参照光の光情報記録媒体上への照射位置を位置決めするための位置決め手段を有し、光情報記録媒体はN個(N≧2)の記録領域に分割され、各記憶領域には多重化数M(M≧2)に対応するM個の角度(θ1,θ2〜θM)に参照光角度調整手段によって参照光の角度を変動することでM個に多重化した情報を記録可能であり、M個の情報の管理情報を同記録領域内のM個の情報のうちのa番目(1≦a≦M)の情報として参照光角度をθaとして多重化して記録し、全N個の領域に対して各領域の管理情報を共通の参照光角度で記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホログラフィを用いて記録媒体に情報を記録する、または記録媒体から情報を再生する装置、およびホログラフィを用いた記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のストレージ技術に関する研究が行われる中、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録するホログラム記録技術が注目を集めている。
【0003】
ホログラム記録技術とは、空間光変調器により2次元的に変調されたページデータの情報を有する信号光と、参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、その時に生じる干渉縞パターンによって記録媒体内に屈折率変調を生じさせることで情報を記録する技術である。
【0004】
また情報の再生時には、記録時に用いた参照光を同じ配置で記録媒体に照射すると、記録媒体中に記録されているホログラムが回折格子のように作用して回折光を生じる。この回折光が記録した信号光と位相情報を含めて同一の光として再生される。
【0005】
ホログラム記録技術として、例えば特許文献1がある。本文献には、信号光束をレンズで光情報記録媒体に集光すると同時に、平行光束の参照光を照射して干渉させてホログラムの記録を行い、さらに参照光の光記録媒体への入射角度を変えながら異なるページデータを空間光変調器に表示して多重記録を行う、いわゆる角度多重記録方式が記載されている。さらに本公報には、信号光をレンズで集光してそのビームウエストに開口(空間フィルタ)を配することにより、隣接するホログラムの間隔を短くすることができ、従来の角度多重記録方式に比べて記録密度/容量を増大させる技術が記載されている。
【0006】
また、ホログラム記録技術として、例えばWO2004−102542号公報(特許文献2)がある。本公報には、1つの空間光変調器において内側の画素からの光を信号光、外側の輪帯状の画素からの光を参照光として、両光束を同じレンズで光記録媒体に集光し、レンズの焦点面付近で信号光と参照光を干渉させてホログラムを記録するシフト多重方式を用いた例が記述されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−272268号公報
【特許文献2】WO2004−102542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ホログラフィを用いた光情報記録媒体に情報を記録する際には、管理情報も記録されうる。ここで、管理情報とは、たとえば記録された情報の多重化数、多重化記録された情報を読み出すための参照光角度、または、各種調整の調整結果等を示す。なお、ここでは、単位領域とは、ひとつのピックアップ11の位置で多重化された情報が記録される領域のことを示す。
【0009】
しかし、例えば、ディスク全体に対する管理情報が記録媒体中の1箇所に集中して、記録される場合がある。しかし、この場合は、例えば、個々の単位領域に対するアクセスと管理情報が集中して記録される領域へのアクセスを交互に繰り返す場合には、アクセス処理の時間が増大する可能性がある。
【0010】
また、例えば、個々の単位領域毎に、対応する管理情報を記録する場合が考えられる。しかし、例えば、各単位領域で、管理情報が記録される参照光の角度がランダムである場合、連続した領域の管理情報にアクセスする際に、参照光の角度を変更する必要が生じ、やはりアクセス処理の時間が増大する可能性がある。
【0011】
このように、管理情報を記録する領域の配置によって、アクセスの効率が落ちる可能性があるが、特許文献1及び2には、この課題に関する記載はない。
【0012】
本発明は、ホログラフィを利用して情報が多重化して記録される記録媒体に対する、情報の記録・再生の効率化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題は、特許請求の範囲に記載の発明により解決される。その代表的なものを示せば以下の通りである。すなわち、本出願の光情報記録再生装置は、ホログラフィを用いて光情報記録媒体に情報を記録する装置であって、光情報記録媒体に信号光を照射する信号光照射手段と、光情報記録媒体に参照光を照射する参照光照射手段と、参照光が光情報記録媒体に照射される角度を調整する参照光角度調整手段と、信号光および参照光の光情報記録媒体上への照射位置を位置決めするための位置決め手段を有し、光情報記録媒体はN個(N≧2)の記録領域に分割され、各記録領域には多重化数M(M≧2)に対応するM個の角度(θ1,θ2〜θM)に参照光角度調整手段によって参照光の角度を変動することでM個に多重化した情報を記録可能であり、多重化されたM個の情報の管理情報を同記録領域内のM個の情報のうちのa番目(1≦a≦M)の情報として参照光角度をθaとして多重化して記録し、全N個の領域に対して各領域の管理情報を共通の参照光角度で記録する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ホログラフィを利用して情報が多重化して記録される記録媒体に対する、情報の記録・再生の効率化の効率化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0016】
以下、光情報記録装置の実施の一形態として、光情報記録再生装置について説明する。
【0017】
図1はホログラフィを利用してデジタル情報を記録および/または再生する光情報記録再生装置の全体的な構成を示したものである。
【0018】
光情報記録再生装置10は、ピックアップ11、位相共役光学部12、ディスクCure光学部13、ディスク回転角度検出用光学部14ならびに回転モータ50を備えており、光情報記録媒体1は回転モータ50によって回転可能な構成となっている。光情報記録媒体1は、例えば、ホログラフィを利用して情報を記録可能な光ディスクにより構成する。
【0019】
ピックアップ11は、参照光と信号光を光情報記録媒体1に出射してホログラフィを利用してデジタル情報を記録する役割を果たす。
【0020】
この際、記録する情報信号はコントローラ89によって信号生成回路86を介してピックアップ11内の後述する空間光変調器に送り込まれ、信号光は該空間光変調器によって変調される。
【0021】
光情報記録媒体1に記録した情報を再生する場合は、ピックアップ11から出射された参照光の位相共役光を位相共役光学部12によって生成する。ここで位相共役光とは、入力光と同一の波面を保ちながら逆方向に進む光波のことである。該位相共役光によって再生される再生光をピックアップ11内の後述する光検出器によって検出し、信号処理回路85によって信号を再生する。
【0022】
光情報記録媒体1に照射する参照光と信号光の照射時間は、ピックアップ11内の後述するシャッタの開閉時間をコントローラ89によってシャッタ制御回路87を介して制御することで調整できる。
【0023】
ディスクCure光学部13は、光情報記録媒体1のプリキュアおよびポストキュアに用いる光ビームを生成する役割を果たす。ここでプリキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録する際、該所望位置に参照光と信号光を照射する前に予め所定の光ビームを照射する前工程の事である。またポストキュアとは、光情報記録媒体1内の所望の位置に情報を記録した後、該所望の位置に追記不可能とするために所定の光ビームを照射する後工程の事である。
【0024】
ディスク回転角度検出用光学部14は、光情報記録媒体1の回転角度を検出するために用いられる。光情報記録媒体1を所定の回転角度に調整する場合は、ディスク回転角度検出用光学部14によって回転角度に応じた信号を検出し、検出された信号を用いてコントローラ89によってディスク回転モータ制御回路88を介して光情報記録媒体1の回転角度を制御する事が出来る。
【0025】
光源駆動回路82からは所定の光源駆動電流がピックアップ11、ディスクCure光学部13、ディスク回転角度検出用光学部14内の光源に供給され、各々の光源からは所定の光量で光ビームを発光することができる。
【0026】
また、ピックアップ11、位相共役光学部12、ディスクCure光学部13は、光情報記録媒体1の半径方向に位置をスライドできる機構が設けられており、アクセス制御回路81を介して位置制御がおこなわれる。
【0027】
ところでホログラフィを利用した記録技術は、超高密度な情報を記録可能な技術であるがゆえに、例えば光情報記録媒体1の傾きや位置ずれに対する許容誤差が極めて小さくなる傾向がある。それゆえピックアップ11内に、例えば光情報記録媒体1の傾きや位置ずれ等、許容誤差が小さいずれ要因のずれ量を検出する機構を設けて、サーボ信号生成回路83にてサーボ制御用の信号を生成し、サーボ制御回路84を介して該ずれ量を補正するためのサーボ機構を光情報記録再生装置10内に備えても良い。
【0028】
またピックアップ11、位相共役光学部12、ディスクCure光学部13、ディスク回転角度検出用光学部14は、いくつかの光学部構成または全ての光学部構成をひとつに纏めて簡素化しても構わない。
【0029】
図2は、光情報記録再生装置10におけるピックアップ11の光学部構成の一例を示したものである。
【0030】
光源301を出射した光ビームはコリメートレンズ302を透過し、シャッタ303に入射する。シャッタ303が開いている時は、光ビームはシャッタ303を通過した後、例えば2分の1波長板などで構成される光学素子304によってP偏光とS偏光の光量比が所望の比になるように偏光方向を制御された後、PBS(Polarization Beam Splitter)プリズム305に入射する。
【0031】
PBSプリズム305を透過した光ビームは、ビームエキスパンダ309によって光ビーム経を拡大された後、位相マスク311、リレーレンズ310、PBSプリズム307を経由して空間光変調器308に入射する。
【0032】
空間光変調器308によって情報を付加された信号光ビームはPBSプリズム307を透過し、リレーレンズ312ならびに空間フィルタ313を伝播する。その後、信号光ビームは対物レンズ325によって光情報記録媒体1に集光する。
【0033】
一方、PBSプリズム305を反射した光ビームは参照光ビームとして働き、偏光方向変換素子324によって記録時または再生時に応じて所定の偏光方向に設定された後、ミラー314ならびにミラー315を経由してガルバノミラー316に入射する。ガルバノミラー316はアクチュエータ317によって角度を調整可能のため、レンズ319とレンズ320を通過した後に情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を、所望の角度に設定することができる。
【0034】
このように信号光ビームと参照光ビームを光情報記録媒体1において、互いに重ね合うように入射させることで、記録媒体内には干渉縞パターンが形成され、このパターンを記録媒体に書き込むことで情報を記録する。またガルバノミラー316によって光情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を変化させることができるため、角度多重による記録が可能である。
【0035】
記録した情報を再生する場合は、前述したように参照光ビームを光情報記録媒体1に入射し、光情報記録媒体1を透過した光ビームをガルバノミラー321にて反射させることで、その位相共役光を生成する。
【0036】
この位相共役光によって再生された再生光ビームは、対物レンズ325、リレーレンズ312ならびに空間フィルタ313を伝播する。その後、再生光ビームはPBSプリズム307を反射して光検出器318に入射し、記録した信号を再生することができる。
【0037】
なお、ピックアップ11の光学部構成は図2に限定されるものではなく、例えば図3に示すような構成であっても構わない。
【0038】
以下、図3を用いてピックアップ11の別の光学部構成について説明する。なお、図3で示す光学部は、信号光ビームと参照光ビームを同一の対物レンズに入射させる構成とすることで、図2で示した光学部構成に比して、大幅に小型化できる利点を有する。
【0039】
光源201を出射した光ビームはコリメートレンズ202を透過し、シャッタ203に入射する。シャッタ203が開いている時は、光ビームはシャッタ203を通過した後、例えば2分の1波長板などで構成される光学素子204によってP偏光とS偏光の光量比が所望の比になるように偏光方向を制御された後、PBSプリズム205に入射する。
【0040】
PBSプリズム205を透過した光ビームは、PBSプリズム207を経由して空間光変調器208に入射する。
【0041】
空間光変調器208によって情報を付加された信号光ビーム206はPBSプリズム207を反射し、所定の入射角度の光ビームのみを通過させるアングルフィルタ209を伝播する。その後、信号光ビームは対物レンズ210によって光情報記録媒体1に集光する。
【0042】
一方、PBSプリズム205を反射した光ビームは参照光ビーム212として働き、偏光方向変換素子219によって記録時または再生時に応じて所定の偏光方向に設定された後、ミラー213ならびにミラー214を経由してレンズ215に入射する。
【0043】
レンズ215は参照光ビーム212を対物レンズ210のバックフォーカス面に集光させる役割を果たしており、対物レンズ210のバックフォーカス面にて一度集光した参照光ビームは、対物レンズ210によって再度、平行光となって光情報記録媒体1に入射する。
【0044】
ここで対物レンズ210または光学ブロック221は、例えば符号220に示す方向に駆動可能であり、対物レンズ210または光学ブロック221の位置を駆動方向220に沿ってずらすことにより、対物レンズ210と対物レンズ210のバックフォーカス面における集光点の相対位置関係が変化するため、光情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を所望の角度に設定することができる。
このように信号光ビームと参照光ビームを光情報記録媒体1において、互いに重ね合うように入射させることで、記録媒体内には干渉縞パターンが形成され、このパターンを記録媒体に書き込むことで情報を記録する。また対物レンズ210または光学ブロック221の位置を駆動方向220に沿ってずらす事によって、光情報記録媒体1に入射する参照光ビームの入射角度を変化させることができるため、角度多重による記録が可能である。
【0045】
記録した情報を再生する場合は、前述したように参照光ビームを光情報記録媒体1に入射し、光情報記録媒体1を透過した光ビームをガルバノミラー216にて反射させることで、その位相共役光を生成する。
【0046】
この位相共役光によって再生された再生光ビームは、対物レンズ210、アングルフィルタ209を伝播する。その後、再生光ビームはPBSプリズム207を透過して光検出器218に入射し、記録した信号を再生することができる。
【0047】
図4は、光情報記録再生装置10の本実施例における記録、再生の動作フローを示したものである。ここでは、特にホログラフィを利用した記録再生に関するフローを説明する。
【0048】
図4(a)は、光情報記録再生装置10に光情報記録媒体1を挿入した後、記録または再生の準備が完了するまでの動作フローを示し、図4(b)は準備完了状態から光情報記録媒体1に情報を記録するまでの動作フロー、図4(c)は準備完了状態から光情報記録媒体1に記録した情報を再生するまでの動作フローを示したものである。
【0049】
図4(a)中、S4001にて媒体を挿入すると、光情報記録再生装置10は、S4002にて例えば挿入された媒体がホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する媒体であるかどうかディスク判別を行う。
【0050】
ディスク判別の結果、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録または再生する光情報記録媒体であると判断されると、光情報記録再生装置10はS4003にて光情報記録媒体1に設けられたコントロールデータを読み出し、例えば光情報記録媒体1に関する情報や、例えば記録や再生時における各種設定条件に関する情報を取得する。
【0051】
コントロールデータの読み出し後は、S4004にて、コントロールデータに応じた各種調整やピックアップ11に関わる学習処理を行う。その後、S4005にて光情報記録再生装置10は、記録または再生の準備を完了する。
【0052】
準備完了状態から情報を記録するまでの動作フローは図4(b)中のS4011に示すように、まず記録するデータを受信する。その後、光情報記録再生装置10は、S4012にて受信したデータに応じた情報をピックアップ11内の空間光変調器に送り込む。
【0053】
その後、光情報記録再生装置10は、S4012にて、光情報記録媒体1に高品質の情報を記録できるように、必要に応じて各種学習処理を事前に行う。その後、光情報記録再生装置10は、S4013のシーク動作ならびにS4014のアドレス再生を繰り返しながらピックアップ11ならびにディスクCure光学部13の位置を光情報記録媒体1の所定の位置に配置する。
【0054】
その後、光情報記録再生装置10は、S4015にて、ディスクCure光学部13から出射する光ビームを用いて所定の領域をプリキュアし、S4016にて、ピックアップ11から出射する参照光と信号光を用いてデータを記録する。また、光情報記録再生装置10は、データの記録は参照光の角度を変えながら行い、参照光の入射角度によって異なる情報を記録できる。管理情報を記録する際の参照光の入射角度については後述する。なお、ピックアップ11の位置を変えずに参照光の入射角度のみを変えて異なる情報を記録することを、多重化記録すると言う。また、本出願では、ひとつのピックアップ11の位置で多重化された情報が記録される領域を単位領域と定義する。また、本出願では、ひとつの単位領域内でひとつの参照光角度で記録できる情報を単位情報と定義する。
【0055】
ここで、図5を用いて、多重化して記録された光情報記録媒体1について、参照光の光情報記録媒体に対する照射角度と回折効率との関係について説明する。
【0056】
ホログラフィを利用した光情報記録媒体は干渉縞パターンによって情報が記録されており、参照光の照射角度を変化して回折効率が得られる角度のとき、対応する単位情報を読み出すことができる。
【0057】
そして、光情報記録再生装置10は、光情報記録媒体1が複数の単位領域を有し、その全ての領域にて多重化数M(M≧2)を有する記録媒体である場合、情報の多重化記録を行う際に記録中の単位領域における管理情報を所定の参照光角度(図5中の角度θaとして例示)の単位情報として記録する。ここで管理情報とは、例えば、各単位領域に記録されるユーザデータに対するメタデータ、あるいは記録済みのデータに対するメタデータ、各単位領域に記録されるユーザデータ等を管理するための情報等を示す。より具体的な例を示すと以下の通りである。つまり、管理情報とは、たとえば当該単位領域の単位領域に記録される情報の多重化数、当該単位領域に多重化記録された情報を読み出すための参照光角度、各種調整の調整結果などである。また、例えば、管理情報には、個々の単位領域を示すアドレスを含んでいてもよい。
【0058】
次に、このようにして記録された光情報記録媒体1の概略図を図6(a)に示す。図6(a)においては、光情報記録媒体1は、N個(N≧2)の単位領域に分割されるが、その一部として、記録領域1及び記録領域2を有する。そして、記録領域1及び記録領域2を含む全ての記録領域において、多重化数はM(M≧2)である。そして、光情報記録媒体1には、光情報記録再生装置1によって、全ての記録領域中で、管理情報は参照光角度θaにて記録されている。つまり、異なる単位領域において、同一の参照光角度θaで管理領域が記録されている。
【0059】
なお、本実施例において「同一参照光角度θa」とは、実質的同一、または略同一の範囲の角度も含む。また、同一の参照光角度θaの範囲としては、θaを含み、情報の記録または再生の品質が保たれる範囲を含む。例えば参照光角度をθaとして記録した情報を、一定値以下の誤り率で再生できる範囲の参照光角度をθaと略同一とみなしてよい。また、例えば参照光角度をθaとして情報を記録した領域に対して、所定値以上の回折効率を得られる範囲の参照光角度をθaと略同一とみなしてよい。
【0060】
また、例えば、同一の参照光角度の範囲には、θaの前後数度を含む範囲でもよい。前後数度とは、例えば前後0.05度でもよいし、他の値でもよい。前後数度の範囲は、参照光の角度を制御するためのミラーなどの光学部品の角度制御精度に対して、十分に大きな値であることが望ましい。
【0061】
各図中の「=(イコール)」の文言も同様の意味とする。
【0062】
また、例えば傾きやそりなどによる情報記録媒体1の角度の変化による影響を低減する目的で参照光角度を変化させる場合、参照光角度を変化させるミラー等の光学部品の角度、あるいは参照光の絶対的な角度にはこれらの補正分が含まれる。この場合、参照光が情報記録媒体1に照射される焦点における、参照光の光線の情報記録媒体1との相対角度がθaと略同一であればよい。
【0063】
また、上記の構成を言い換えると以下の通りである。光情報記録媒体1は、その個々の領域にて、参照光の角度が小さい方から1番目からM番目までの情報を多重化して記録できる。また、光情報記録再生装置10は、個々の領域に対して、参照光の入射角が小さい方からa番目(1≦a≦M)の領域に、管理情報を記録できるように、参照光の入射角を設定する。
【0064】
そして、光情報記録再生装置10によると、複数の単位領域に記録されている管理情報に連続してアクセスする場合に、参照光の入射角度を変更する頻度を低減させうる光情報記録媒体1を提供することが可能となる。
【0065】
また、上述した例においては、N個の単位領域全てに、管理情報が共通の参照光角度θaにて記録される例について説明した。しかし、本情報記録再生装置1は、全N個の単位領域の中の一部の単位領域において、管理情報を共通の参照光角度θaにて記録する構成としてもよい。ここで、一部の単位領域とは、例えば、ユーザデータやプログラムデータが記録される領域のことを示す。また、光情報記録媒体1上には、N個の単位領域の他に、ディスクの製造事業者や、信号光または参照光の推奨レーザーパワー、欠陥領域の分布等を示す情報等、光情報記録媒体1全体の性質を示す情報を記録する特殊な領域を備えていてもよい。なお、ここで、推奨レーザーパワーとは、例えば、レーザーパワーを調整する前に試し書き等を行うための初期値のことを示す。
【0066】
さらに、管理領域を記録する単位情報は単位領域ごとにひとつでなくてもよく、たとえばアドレス情報と多重化数は同単位領域内の別の単位情報として記録しても良い。
【0067】
また、管理情報を記録する際の参照光の照射角度を、同一領域内のそのほかのいずれの参照光照射角度よりも大きな角度または小さな角度とする構成を採用してもよい。言い換えると、管理情報を記録する際の照射角度は、1つ単位領域内における最大角度とするか、最小角度とするかのいずれかにしてもよい。これにより、単位領域内の全情報を連続して記録・再生する際に、記録・再生動作のはじめに管理情報の参照角度を最大ないし最小にした上で、単位領域にアクセスし、その後参照光角度を減少方向または増加方向に順に可変しながら角度の変位方向を変えずにその他の単位情報を記録・再生することが出来る。なお、特殊領域とは、例えば共通の参照光参照光角度θaにて記録が行われない領域を示す。また、例えば、特殊領域には、光情報記録媒体1上の表面上にバーコードが刻まれた領域等、ホログラフィとは異なる物理原理にて情報が記録されている領域を含んでいてもよい。
【0068】
また、単位領域ごとに多重化されうる単位情報の数が異なる場合も考えられる。その場合でも、光情報記録再生装置10は、多重化数の異なる単位領域で共通の参照光角度を設定し、その参照光角度の単位情報に管理領域を記録する。管理情報以外の単位情報を記録するための参照光角度は異なっていてもよい。
【0069】
このようにして記録された光情報記録媒体の概略図を図6(b)に示す。図6(b)でも、光情報記録媒体1は、光情報記録媒体1は、N個の単位領域に分割されるが、該N個の記憶領域はそれぞれ共通ではない多重化数を有し、N個のうちのk番目(1≦k≦N)の単位領域について多重化数M(k)(M(k)≧2)を有する。そして、その一部として、光情報記録媒体1は、記録領域1及び記録領域2を有する。ここで、例えば、記録領域1における多重化数はM1、記録領域2における多重化数はM1と異なる数であるM2となる。そして、光情報記録媒体1には、光情報記録再生装置1によって、全ての記録領域中で、管理情報は参照光角度θaにて記録されている。
【0070】
また、上記の構成を言い換えると以下の通りである。光情報記録媒体1は、その個々の領域にて、参照光の角度が小さい方から1番目からM(k)番目までの情報を多重化して記録できる。そして、第1の領域においては、a1番目(1≦a1≦M(k))の情報が、参照光角度θaで記録可能であり、また他の領域である第2の領域においては、a2番目(1≦a2≦M(k))の情報が参照光角度θaで記録可能である。この場合、光情報記録再生装置10は、個々の領域に対して、参照光の入射角が小さい方からa1番目の領域あるいはa2番目の領域に、管理情報を記録できるように、参照光の入射角を設定する。
【0071】
この図6(b)に示される光情報記録媒体1のさらに詳細な具体例を以下、説明する。
【0072】
例えば、ある単位領域の半径位置がディスク半径の半分以下であれば、とり得る参照光角度の数が10であり、別の領域の半径位置がディスク半径の半分より大きければ、とり得る参照光角度の数は15とする。そして、多重化数は異なる場合においても、それぞれの単位領域は、同一の角度の参照光にて記録または再生を可能にさせる。そして、本実施例の光情報記録再生装置10が管理情報を記録する際には、各領域において共通する参照光の入射角度にて記録を行う。
【0073】
このように、本情報記録再生装置10によると、たとえ位置によって多重化数が異なる光ディスクに記録を行う場合であっても、共通する参照光の角度を維持したまま、各単位領域にアクセスを行える光情報記録媒体1を提供することが可能となる。
【0074】
また、図6(a)の場合と同様に、本光情報記録再生装置10は、全N個の単位領域に限らず、N個の単位領域の中の一部の領域において、管理情報を共通の参照光角度θaにて記録する構成としてもよい。さらに、光情報記録媒体1は、N個の単位領域に加えて、特殊領域を備えていてもよい。
【0075】
次に、本実施例の光情報記録再生装置10が、ある単位領域に情報を記録する際の、管理情報を記録する順序についての例を説明する。
【0076】
例えば、光情報記録再生装置10は、ある単位領域に記録を行う際、当該単位領域の中で最後に管理情報を記録する構成する。この構成を採用することにより、多重化数、記録成否、単位領域あるいは単位領域の一部に欠陥があった場合の交替領域指定など、すでに記録した他の単位情報の記録状態に関する情報を管理情報として記録できる。
また、光情報記録再生装置10は、ある単位領域に記録を行う際、当該単位領域の中で最初に管理情報を記録する構成としてもよい。この構成を採用することにより、その後管理情報以外の単位情報の記録に問題が発生しても、アドレス情報などの最低限の情報を残すことができる。
【0077】
また、あるいは、1つの単位領域あたりに、管理情報を記録する領域を2つ設け、2つの領域に、管理情報を記録する構成としてもよい。さらに、それぞれの管理情報を記録する順序を一つの単位領域の記録における最初と最後とすることもできる。この場合、アドレス情報などを最初の管理情報記録で行い、当該単位領域の記録状況などを最後の管理情報記録とすることでより効率的に管理情報を記録できる。
【0078】
データを記録した後は、図4中のS4017で示すように、必要に応じてデータをベリファイする。この時点でベリファイの結果に関連する記録の成否などの情報を管理情報として記録しても良い。その後、ディスクCure光学部13から出射する光ビームを用いてポストキュアを行う。
【実施例2】
【0079】
次に、光情報再生装置の実施の一形態を示す。
【0080】
実施例2は図1のような構成の装置であって、前述のホログラムの原理を用いた記録媒体から情報の再生が可能な装置である。基本的な記録再生の動作は実施例1と同一である。ただし本実施の装置では光情報記録媒体からの情報の再生が可能であればよく、情報の記録のみに用いる要素は必要ではない。
【0081】
準備完了状態から記録された情報を再生するまでの動作フローは図4(c)に示すように、光情報記録媒体から高品質の情報を再生できるように、必要に応じて各種学習処理を事前に行う。その後、シーク動作ならびにアドレス・管理情報再生を繰り返しながらピックアップ11ならびに位相共役光学部12の位置を光情報記録媒体の所定の位置に配置する。
【0082】
その後、光情報記録媒体1に記録された管理情報以外のデータ情報を読み出す。
【0083】
実施例1で説明した管理情報が所定の参照光角度で再生可能な情報として記録された光情報記録媒体の情報を再生する場合、シーク中は管理情報が再生可能な角度に固定してシークを行い、シーク直後にはその角度を変えずに管理情報を再生できる。
【0084】
具体的には、光情報再生装置は、図6(a)の光情報記録媒体1に対しては、参照光の角度が小さい方からa番目(1≦a≦M)の領域に対して管理情報が再生可能なように、参照光の角度を調整する。この際の参照光の角度は、θaと略同一となる。
【0085】
また、光情報再生装置は、図6(b)の光情報記録媒体1に対しては、参照光の角度が小さい方からa1番目(1≦a1≦M(k))またはa2番目(1≦a2≦M(k))の領域に対して管理情報が再生可能なように、参照光の角度を調整する。この際の参照光の角度は、θaと略同一となる。
【0086】
ここで、管理情報には前述の通り、単位領域のアドレス情報、情報の多重化数、記録の成否、交替情報などが記録されているため、データ再生の前に管理情報を再生することで再生中の単位領域に所望の情報が記録されているかを確認することが出来る。
【0087】
また、所望の情報が記録された単位領域が見つかれば、参照光角度を変位させて管理情報以外のデータの再生を行う。
【0088】
ここで、多重化された情報を再生するためには光情報媒体に対する参照光の照射角度を変化させなくてはならない。参照光の照射角度の変更は前述の通りピックアップ11内のミラーの角度変更などによって実施でき、光学素子の機械的な駆動を伴う。シーク動作中の参照光を管理情報が再生可能な角度に固定して、単位領域の管理情報をシーク直後に再生することで、参照光の角度を変動させることなく所望の情報が記録されているかを確認することができ、アクセス時間を短縮することができる。
【実施例3】
【0089】
次に、上記各実施例で利用される光情報記録媒体1の他の実施の形態について、図7を用いて説明する。
【0090】
実施例1及び2において光情報記録媒体1は、全ての単位領域において、管理情報が記録される参照光の角度は略同一であった。一方、本実施例における光情報記録媒体1は、全ての単位領域ではなく、連続する一部の単位領域において、管理情報が記録される参照光の角度を略同一とする。ここで、連続する一部の単位領域とは、例えば、光情報記録再生装置1によって、連続してアクセス可能な複数の単位領域といえる。以下、図を用いて詳述する。
【0091】
図7(a)は、半径方向に連続する単位領域が共通する参照光角度を有する光情報記録媒体1を示す図である。なお、この場合、光情報記録再生装置10は、回転モータ50の角度を固定したまま、ピックアップ11を半径方向に移動させて、連続してアクセスが可能である。また、同図には、周方向において連続する単位領域では、管理情報を記録する参照光の角度は異なっている例が示されているが、必ずしも異なっている必要はない。この構成を備えることにより、例えば、半径方向に並ぶ単位領域に記録されている管理情報に連続してアクセスする場合の、アクセス処理にかかる時間を抑制することが可能となる。
【0092】
図7(b)は、周方向に連続する単位領域が共通する参照光角度を有する光情報記録媒体1を示す図である。なお、この場合、光情報記録再生装置10が、ピックアップ11の半径位置を固定したまま、周方向に連続してアクセスする。また、同図には、半径方向において連続する単位領域では、管理情報を記録する参照光の角度は異なっている例が示されているが、必ずしも異なっている必要はない。この構成を備えることにより、この構成を備えることにより、例えば、周方向に並ぶ単位領域に記録されている管理情報に連続してアクセスする場合の、アクセス処理にかかる時間を抑制することが可能となる。
【0093】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0094】
また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】光情報記録再生装置の実施例を表す概略図
【図2】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す概略図
【図3】光情報記録再生装置内のピックアップの実施例を表す概略図
【図4】光情報記録再生装置の動作フローの実施例を表す概略図
【図5】光情報記録媒体に照射する参照光角度と回折効率を表す概略図
【図6】光情報記録媒体の実施例を示す概略図
【図7】光情報記録媒体の実施例を示す概略図
【符号の説明】
【0096】
1・・・光情報記録媒体、10・・・光情報記録再生装置、11・・・ピックアップ、
12・・・位相共役光学部、13・・・ディスクCure光学部、
14・・・ディスク回転角度検出用光学部、50・・・回転モータ、
81・・・アクセス制御回路、82・・・光源駆動回路、83・・・サーボ信号生成回路、
84・・・サーボ制御回路、85・・・信号処理回路、86・・・信号生成回路、
87・・・シャッタ制御回路、88・・・ディスク回転モータ制御回路、
89・・・コントローラ、
201・・・光源、202・・・コリメートレンズ、203・・・シャッタ、
204・・・光学素子、205・・・偏光ビームスプリッタ、206・・・信号光、
207・・・偏光ビームスプリッタ、208・・・空間光変調器、
209・・・アングルフィルタ、210・・・対物レンズ、
211・・・対物レンズアクチュエータ、212・・・参照光、213・・・ミラー、
214・・・ミラー、215・・・レンズ、216・・・ミラー、217・・・アクチュエータ、
218・・・光検出器、219・・・偏光方向変換素子、220・・・駆動方向、
221・・・光学ブロック、
301・・・光源、302・・・コリメートレンズ、303・・・シャッタ、
304・・・光学素子、305・・・偏光ビームスプリッタ、
306・・・信号光、307・・・偏光ビームスプリッタ、308・・・空間光変調器、
309・・・ビームエキスパンダ、310・・・リレーレンズ、
311・・・フェーズ(位相)マスク、312・・・リレーレンズ、
313・・・空間フィルタ、314・・・ミラー、315・・・ミラー、
316・・・ミラー、317・・・アクチュエータ、318・・・光検出器、
319・・・レンズ、320・・・レンズ、321・・・ミラー、322・・・アクチュエータ、
323・・・参照光、324・・・偏光方向変換素子、325・・・対物レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に、ホログラフィを用いて情報を記録する情報記録装置であって、
記録媒体に信号光を照射する信号光照射手段と、
記録媒体に参照光を照射する参照光照射手段と、
記録媒体に対して前記参照光が照射される角度を調整する角度調整手段と、を備え、
前記角度調整手段は、N個(N≧2)の記録領域に分割され該N個の記録領域にはそれぞれM個の角度(M≧2,θ1,θ2〜θM)に参照光の角度を調整することでM個に多重化した情報を記録可能である記録媒体に対して、各記録領域に多重化されるM個の情報を管理する管理情報を、N個の記録領域で共通する参照光角度θa(1≦a≦M)にて記録することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記録装置であって、
前記記録媒体はディスク状であり、
前記信号光および前記参照光の記録媒体上への照射位置を位置決めするための位置決め手段を有し、
前記位置決め手段は前記記録媒体を回転させる回転手段と、前記信号光照射手段と前記参照光照射手段を含む光ピックアップを前記記録媒体の半径方向に移動可能な光ピックアップ移動手段からなることを特徴とする情報記録装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報記録装置であって、管理情報を記録する参照光角度θaは、M個の参照光角度(θ1〜θM)の内、最大または最小の角度であることを特徴とする情報記録装置。
【請求項4】
ホログラフィを用いて記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、
記録媒体に信号光を照射する信号光照射手段と、
記録媒体に参照光を照射する参照光照射手段と、
記録媒体に対して前記参照光が照射される角度を調整する角度調整手段と、を備え、
前記角度調整手段は、N個(N≧2)の記録領域に分割され、該N個の記憶領域は全領域で共通ではない多重化数M(k)(M(k)>2,1≦k≦N)に対応するM(k)個の角度(θ1k,θ2k〜θM(k)k)に参照光の角度を調整することでM(k)個に多重化した情報を記録可能である記録媒体に対して、各記録領域に多重化されるM(k)個の情報を管理する管理情報を、N個の記録領域で共通する参照光角度θa(1≦a≦M)にて記録することを特徴とする情報記録装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の情報記録装置であって、前記管理情報は、各領域のアドレス情報、情報の多重化数、多重化された情報を読み出すための最適参照光角度情報のうち1以上を有することを特徴とした情報記録装置。
【請求項6】
ホログラフィを用いて情報を読み出し可能な記録媒体であって、
N個(N≧2)の記録領域に分割され、各記録領域には多重化数M(M≧2)によってM個に多重された情報が記録されており、該記録媒体に対して情報読み取り用のレーザの照射角度を多重化数Mに対応するM個の角度(θ1,θ2〜θM)に設定することで多重化された情報を選択して再生可能であり、各領域のM個の情報のうち参照光をθaの角度で照射することで再生可能なa番目(1≦a≦M)の情報として当該領域のM個の情報に関連した管理情報が記録されることを特徴とする記録媒体。
【請求項7】
請求項6に記載の記録媒体であって、前記a番目の情報として記録される管理情報は、当該領域のアドレス情報、情報の多重化数、多重化された情報を読み出すための最適参照光角度情報のうち1以上を有することを特徴とした記録媒体。
【請求項8】
ホログラフィを用いて情報を読み出し可能な記録媒体であって、N個(N≧2)の記録領域に分割され、各記憶領域には全領域で共通ではない多重化数M(k)(M(k)>2,1≦k≦N)によってM(k)個に多重された情報が記録されており、該記録媒体に対して情報読み取り用のレーザの照射角度を多重化数M(k)に対応するM(k)個の角度(θ1k,θ2k〜θM(k)k)に設定することで多重化した情報を選択して再生可能であり、すべての記録領域にはM(k)個の情報のうち参照光をθaの角度で照射することで再生可能な情報として当該領域のM(k)報に関連した管理情報が記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項9】
請求項6または7に記載の記録媒体から情報を再生可能な情報再生装置であって、
記録媒体に参照光を照射する参照光照射手段と、
記録媒体に対して前記参照光が照射される角度を調整する角度調整手段と、
参照光の記録媒体上への照射位置を位置決めするための位置決め手段と、を備え、
前記位置決め手段は、記録媒体上の任意の領域を探す際には、前記角度調整手段によって参照光の記録媒体に対する照射角度をθa付近に設定し、M個に多重化された情報のうちa番目の情報が再生可能な角度にし、前記参照光の位置決めを行うことを特徴とする情報再生装置。
【請求項10】
複数の記録領域に分割され、各々の記録領域は参照光の角度を調整することで多重化した情報を記録可能である記録媒体に対してホログラフィを用いて記録媒体に情報を記録する装置であって、
記録媒体に信号光を照射する信号光照射手段と、
記録媒体に参照光を照射する参照光照射手段と、
記録媒体に対して前記参照光が照射される角度を調整する角度調整手段と、を備え、
前記角度調整手段は、連続する記録領域に管理情報を記録する場合には、共通する参照光の角度によって記録を行うことを特徴とする情報記録装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報記録装置において、
前記記録媒体は、ディスク状の記録媒体であり、
前記角度調整手段は、前記記録媒体上で、周方向に連続する記録領域に管理情報を記録する場合には、共通する参照光の角度によって記録を行うことを特徴とする情報記録装置。
【請求項12】
請求項10に記載の情報記録装置において、
前記記録媒体は、ディスク状の記録媒体であり、
前記角度調整手段は、前記記録媒体上で、半径方向に連続する記録領域に管理情報を記録する場合には、共通する参照光の角度によって記録を行うことを特徴とする情報記録装置。
【請求項13】
記録媒体に、ホログラフィを用いて情報を記録する情報記録装置であって、
記録媒体に信号光を照射する信号光照射手段と、
記録媒体に参照光を照射する参照光照射手段と、
記録媒体に対して前記参照光が照射される角度を調整する角度調整手段と、を備え、
前記角度調整手段は、N個(N≧2)の記録領域に分割され該N個の記録領域にはそれぞれM個の角度(M≧2,θ1,θ2〜θM)に参照光の角度を調整することでM個に多重化した情報を記録可能である記録媒体に対して、各記録領域に多重化されるM個の情報を管理する管理情報を記録する場合、前記N個の記録領域において管理情報が参照光角度の小さい方からa番目(1≦a≦M)の領域に記録されるように、前記参照光の角度を調整する情報記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−80018(P2010−80018A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249508(P2008−249508)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】