説明

感光性染毛料

【課題】溶媒への溶解度が低い銀塩を用い、染毛効果が優れた感光性染毛料を提供すること。
【解決手段】(a)硫酸銀、乳酸銀、及びクエン酸銀からなる群より選ばれる1種または2種以上の銀塩、及び(b)キレート剤を含有し、(a)の含有量が染毛料全量中0.01〜2質量%で、pHが1〜5であることを特徴とする感光性染毛料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染毛料、より詳細には、銀塩を含む染毛料であって、光照射によって発色する感光性染毛料に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ヘアカラー市場は、操作が容易、色調が豊富、染毛効果に優れる等の点で酸化染料と過酸化水素を用いた酸化染毛剤、いわゆるヘアダイが主流である。しかし、酸化染毛剤は毛髪を傷める、皮膚刺激又はアレルギーを起こす等の問題があるため、誰でも安心して使用できる染毛料が望まれている。このような酸化染毛剤の欠点を解消すべく、酸性染料を用いた染毛料、及び植物あるいは植物由来の染料と金属とを用いた染毛料が上市されているが、前者は皮膚に染まると落ちない、操作が難しいなどの欠点が、後者は染毛効果が不十分等の欠点があり、消費者を満足するものではない。
【0003】
染毛料には、酸化染毛剤の他に銀塩を用いたものが、昔から知られている。銀塩を用いる染毛料として、例えば、硫化物水溶液と、硝酸銀水溶液との二剤を毛髪の表面で反応させることによって、毛髪表面のケラチン質に硫化銀を付着させるものである。しかし、この染毛料には、毛髪に硫化水素の臭いが付着するという問題があった。
【0004】
このほかにも銀塩を用いた染毛料に関しては、多くの報告がある(例えば、特許文献1〜8)。特許文献1には、水分を有する基質材料に硫酸銀及びクエン酸が混合されたものであって、紫外線や可視光線の照射などにより還元されて金属銀を析出する一剤型の染毛料が記載されている。特許文献2には、染毛料クリームベースに、銀塩に対してアミノ酸を添加することにより、染毛力が向上し、かつ、アミノ酸の種類と配合割合との組合せにより、ある程度色調と色相に幅を持たせることが可能になった光エネルギーを利用した一剤型の染毛料が記載されている。特許文献3には、設定粒径以下に微粒子化した銀を液体に混入して生成する銀コロイド溶液にL−ヒスチジン等のL−アミノ酸を混合させて生成される銀コロイド−L−アミノ酸錯体溶液を用いることを特徴とする染毛料が記載されている。特許文献4には、銀塩とヒドラジン化合物を用い、染毛性、染毛再現性が高く、自然な色あいに発色し、かつ毛髪に与える損傷が少なく、色落ちしにくい染毛剤が記載されている。特許文献5には、酸性染料と銀塩を必須成分とし、pH調整剤としての酸、浸透剤としての芳香族アルコール、溶剤としての低級アルコール、増粘剤としての高分子化合物、イオウを配合してなる感光性酸性染毛料組成物が記載されている。特許文献6には、カルボン酸銀塩及び/又はスルホン酸銀塩、並びにレダクトン類を同時に又は別々に含み、染毛性及び染毛再現性に優れており、シャンプー、リンス、又は光などに対して染毛状態の堅牢性が高く、しかも毛に与える損傷が少ない染毛剤が記載されている。特許文献7には、銀塩、有機酸塩、及び染色性植物の粉末及び/又はそれらの抽出物を含み、日毎使用しているうちに徐々に染色することにより白髪をぼかし、または脱色後の毛髪を自然に周囲の毛髪になじませる染毛性化粧料が記載されている。特許文献8には、銀化合物、硫黄、水溶性高分子物質を含む染毛剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3881688号公報
【特許文献2】特許第4184385号公報
【特許文献3】特開2008−280321号公報
【特許文献4】特開2008−247842号公報
【特許文献5】特開2008−069131号公報
【特許文献6】特開2008−050340号公報
【特許文献7】特開2006−176486号公報
【特許文献8】特開2005−060354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
銀塩を用い、太陽光等の光照射により発色させる染毛料における銀塩として、水への溶解度の高い硝酸銀が主に用いられてきた。しかし、近年、硝酸銀は医薬品原料であることから化粧品及び医薬部外品への配合が禁止された。
【0007】
そこで硝酸銀の代替として硫酸銀、乳酸銀、クエン酸銀などを用いた染毛料が上市されているが、いずれの銀化合物も硝酸銀に比べ水などの溶媒への溶解度が低いため、太陽光のような強い光を長時間照射させても十分な染毛効果が得られないのが現状である。
【0008】
そこで本発明は、溶媒への溶解度が低い銀塩を用い、染毛効果が優れた感光性染毛料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記のような実情を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、溶媒への溶解度が低い銀塩と、キレート剤を組み合わせることにより、銀塩を低濃度で用いた場合でも十分な染毛効果が得られることを見出し、さらにこれに検討を重ねることにより、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は以下の感光性染毛料を提供する。
1.(a)硫酸銀、乳酸銀、及びクエン酸銀からなる群より選ばれる1種または2種以上の銀塩、及び(b)キレート剤を含有し、(a)の含有量が染毛料全量中0.01〜2質量%で、pHが1〜5であることを特徴とする感光性染毛料。
2.前記キレート剤が、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、エデト酸、(2S,2’S)−2,2’−(エチレンビスイミノ)ビスコハク酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール−N,N,N’,N’−四酢酸、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン、及びニトリロトリス(メチレンホスホン酸)より選ばれる1種または2種以上であって、その含有量が染毛料全量中0.01〜5質量%である上記項1記載の感光性染毛料。
3.さらに(c)成分として、竹酢液及び/又は木酢液を、染毛料全量中0.1〜20質量%含有する上記項1又は2記載の感光性染毛料。
【発明の効果】
【0011】
本発明の感光性染毛料は、成分(a)の硫酸銀、乳酸銀、及びクエン酸銀からなる群より選ばれる1種または2種以上の銀塩と、成分(b)のキレート剤とを必須成分として含むことにより、太陽光のような強い光を照射せずして、日常生活で使用する蛍光灯のような弱い光エネルギーの光源によっても、十分な染毛効果を発揮することができる。さらには成分(c)の竹酢液及び/又は木酢液を含むことで、より優れた染毛効果を発揮することができる。
【0012】
よって、本発明の感光性染毛料を使用することにより、毛髪を傷めることなく、容易に染毛することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に用いる成分(a)の銀塩は、硫酸銀、乳酸銀、クエン酸銀から選ばれる1種または2種以上である。従来から使われていた硝酸銀は、医薬品原料であることから化粧品、医薬部外品への配合が禁止されており、一般染毛料として用いるには使用しづらいことから、本発明では、硝酸塩ではなく、硫酸銀、乳酸銀、又はクエン酸銀を使用する。これらの中で、染毛効果に優れる点で、硫酸銀が好ましい。これらは、工業用原料として用いられるもの、或いは試薬として販売されているものいずれも用いることができる。
【0014】
これらの銀塩は、染毛料全量中に0.01〜2質量%、好ましくは0.1〜1.0質量%の割合で配合される。銀塩の配合割合が0.01質量%未満では、十分な染毛効果が得られず、2質量%を超えると、製剤中で銀塩が析出することがあり好ましくない。
【0015】
本発明に用いられる成分(b)のキレート剤としては、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、エデト酸、(2S,2’S)−2,2’−(エチレンビスイミノ)ビスコハク酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール−N,N,N’,N’−四酢酸、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、フィチン酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、アスパラギン酸二酢酸、グルタミン酸二酢酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸、ジヒドロキシエチルグリシン、グルコン酸、コハク酸、酒石酸などが挙げられる。この中で、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、エデト酸、(2S,2’S)−2,2’−(エチレンビスイミノ)ビスコハク酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール−N,N,N’,N’−四酢酸、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン、及びニトリロトリス(メチレンホスホン酸)より選ばれる1種または2種以上が、製剤安定性、毛髪損傷の起こし難さ、及び染毛効果の点から好ましい。ただし、これらのキレート剤は、塩になると染色効果が著しく低下する傾向があるため、塩の形態を含まない。
【0016】
キレート剤の配合量としては、染毛料全量中に0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。染毛料中にキレート剤を0.01〜5質量%の範囲で含有すると、十分な染毛効果を発揮することができる。
【0017】
本発明の感光性染毛料のpHは1〜5であり、pH2〜3.5が好ましい。pHが1未満では、十分な染毛効果が得られず、pH5を超えても染毛効果が低下し好ましくない。
【0018】
本発明の感光性染毛料には、さらに(c)成分として竹酢液及び/又は木酢液を添加することができる。竹酢液及び木酢液は、製剤中の銀塩を安定に保つと共に、銀塩あるいは銀イオンを毛髪に浸透させる効果があるので、染毛料に竹酢液及び/又は木酢液を添加することにより、製剤安定性に優れ、染毛効果に優れた感光性染毛料を得ることができる。
【0019】
竹酢液としては、イネ科タケ亜科に属する真竹、孟宗竹、黒竹などから通常竹炭製造時に副産物として得られる乾留液を用いることができるが、さらに乾留液を蒸留等することによって不純物を除去したものを用いることが好ましい。
【0020】
竹酢液の配合量としては、染毛料全量中に0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。この配合量が0.1質量%未満では十分な染毛効果が得られず、又配合量が20質量%を超えると、臭いや製剤の安定性が悪化するため好ましくない。
【0021】
木酢液としては、カシ、クヌギ、ナラなどから通常木炭製造時に副産物として得られる乾留液を用いることができるが、さらに乾留液を蒸留等することによって不純物を除去したものを用いることが好ましい。
【0022】
木酢液の配合量としては、染毛料全量中に0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。この配合量が0.1質量%未満では十分な染毛効果が得られず、又配合量が20質量%を超えると、臭いや製剤の安定性が悪化するため好ましくない。
【0023】
なお、染毛料に竹酢液及び木酢液の両方を用いる場合には、その合計量が0.1〜20質量%となるように、適宜配合割合を調整すればよい。
【0024】
本発明の感光性染毛料を発色させる光源としては、太陽光、蛍光灯、太陽光蛍光灯(太陽光に近いスペクトル成分を持った蛍光灯)、ブラックライトなど特に拘りはないが、蛍光灯、太陽光蛍光灯、及びブラックライトが好ましく、蛍光灯が特に好ましい。太陽光を用いる場合、発色は早いがむら染めになる傾向にある。
【0025】
本発明の感光性染毛料には、上記成分以外に、他の成分として化粧品や医薬部外品などで配合成分として一般的に用いられる、界面活性剤、油脂類、pH調整剤、保湿剤、溶剤、防腐剤、植物抽出物、抗炎症剤、色素、香料などを適宜配合することができる。
【0026】
界面活性剤としては、ポリオキンエチレン(以下、「POE−」と略す)オクチルドデシルアルコール、POE−2−デシルテトラデシルアルコール等のPOE分岐アルキルエーテル類;POE−オレイルアルコールエーテル、POE−セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル類;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル類;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、POE−ソルビタンモノラウレート等のPOE−ソルビタンエステル類;グリセリルモノオレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル類;POE−グリセリルモノオレート、POE−グリセリルモノステアレート、POE−グリセリルモノミリステート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル類;POE−ジヒドロコレステロールエステル、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル類;POE−オクチルフェノールエーテル等のPOE−アルキルアリールエーテル;グリセロールモノイソステアレート、グリセロールモノミリステート等のグリセロールエーテル類;POE−グリセロールモノイソステアレート、POE−グリセロールモノミリステート等のPOE−グリセロールエーテル類;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル類;パルミチン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース等のショ糖脂肪酸エステル類等の非イオン界面活性剤、またはミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸のカリウム、ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ酸等の塩;エーテルカルボン酸の上記アルカリ塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルサルコン塩、高級アルキルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤などが例示できる。
【0027】
油脂類としては、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボカド油等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワレン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び高級アルコール類;ミリスチル酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類などが例示できる。
【0028】
pH調整剤としては、クエン酸、DL−リンゴ酸、グルコン酸、乳酸、フマル酸、酢酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンなどが例示できる。
【0029】
保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等のポリオール類及びその重合体、ソルビトール、キシリトール、エリスルロース、マンニトール、マルチトールなどの糖アルコール類、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、トレオース、キシロース、アラビノース、フコース、リボース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、ラクトース、ラフィノースなどの糖類、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル類、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル−10エステル等の水溶性エステル類、グルコン酸、グルクロン酸、β−グルカン、キチン、キトサン、ヘパリン及び誘導体、ペクチン、アラビノガラクタン、デキストリン、デキストラン、グリコーゲン、エチルグルコシド、メタクリル酸グルコシルエチル重合物若しくは共重合物等、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カロニン硫酸、ケラト硫酸、デルマタン硫酸、シロキクラゲ抽出物、フコイダン、チューベロース多糖体、尿素、2−ピロリドン−5−カルボン酸及びそのナトリウム、ベタイン(トリメチルグリシン)、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、パルミトイルオリゴペプチド等のアシル化ペプチド類、シリル化ペプチド類、乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、アルブミン、乳清、塩化コリン、ホスホリルコリン、胎盤抽出液、エラスチン、コラーゲン、天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質、セラミド及び糖セラミド含有エキス等のセラミド類などが例示できる。
【0030】
溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール、N−メチル−2−ピロリドンなどが例示できる。
【0031】
防腐剤としては、安息香酸、安息香酸パントテニルエチルエーテル、安息香酸塩、イソプロピルメチルフェノール、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸MEA、塩酸アルキルシアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム塩、塩化セチルピリジニウム、塩化デリカニウム、塩酸クロルヘキシジン、オクタンジオール、オクトキシグリセリン、感光素101.201.301.401、d−カンフル、dl−カンフル、グルクロン酸クロルヘキシジン、クロルクレゾール、クロロブタノール、クロルキシレノール、クロルヘキシジン、クレゾール、シコニン、スコルジニン、チアントール、チオキソロン、チモール、トリクロサン、トリクロロカルバニド、ヒノキチオール、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルフェノール、パラフェノールスルホン酸Na(2水和物)、ピリチオン亜鉛、フェノキシエタノール、フェノール、ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、l.dl−メントール、ヨウ化パラジメチルアミノスチリルペプチルメチルチアゾリニウムなどが例示できる。
【0032】
植物抽出物としては、アイリスエキス、アシタバエキス、アスナロエキス、アスパラガスエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アーモンドエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、インチコウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、ウワウルシエキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、エンメイソウエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オノニスエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海藻エキス、カキ葉エキス、カキョクエキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カッコンエキス、カモミラエキス、油溶性カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カラスムギエキス、カルカデエキス、カンゾウエキス、油溶性カンゾウエキス、キウイエキス、キオウエキス、キクラゲエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、キリ葉エキス、グアノシン、グアバエキス、クジンエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、クリエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、黒米エキス、黒砂糖抽出物、黒酢、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、コウボクエキス、コーヒーエキス、ゴボウエキス、コメエキス、コメ発酵エキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サフランエキス、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンシャエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ジャトバエキス、シャクヤクエキス、ショウキュウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、白キクラゲエキス、スギナエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、西河柳エキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、地衣類エキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、ティートリー油、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ヒノキエキス、ビフィズス菌エキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マイカイカエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキスなどが例示できる。
【0033】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、グアイアズレン、アラントイン、インドメタシン、酸化亜鉛、酢酸ヒドロコーチゾン、酸性キシロオリゴ糖、プレドニゾン、塩酸ジフェドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなどが例示できる。
【0034】
本発明の感光性染毛料の形態としては、液状、ゲル状、クリーム状、スティク状、エアゾール等の剤型で製剤化することが可能であるが、用法を考慮するとゲル状又はクリーム状が本発明の効果を発揮されやすく好ましい。
【実施例】
【0035】
以下に本発明の実施例を示すことにより、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0036】
表1〜5に本発明品である実施例1〜13、および比較例1〜7のクリーム状染毛料を示す。本発明のクリーム状染毛料の製造方法としては、まず1〜4の油相成分を混合し、80〜85℃に加温溶解する。別に5以下の水相成分を順次量り込み、同様に80〜85℃にて加温溶解する。先の1〜4の油相成分に、5以下の水相成分を徐々に添加してプレミックスを行った後、高速ホモミキサーにて乳化し、混合均一化する。その後、室温付近まで冷却し、取り出す。なお、表中の数字は、質量%を示している。
【0037】
製造した実施例1〜13、および比較例1〜7のクリーム状染毛料について、以下のような染色性試験を行った。その結果を表1〜5に示す。
[染色性試験]
長さ10cm、0.3gの人毛白髪(市販品)に試料0.5gを塗布し、30W蛍光灯の直下1mに4時間静置し、ラウリル硫酸ナトリウム(2%)で洗浄し風乾後、再び30W蛍光灯の直下1mに4時間静置後、目視にて染色性を評価した。
(評価基準)
◎:染色性が非常に良好(濃いこげ茶色〜黒色に染色)
○:染色性が良好(こげ茶色に染色)
△:染色性があまり良くない(うすい赤茶色に染色)
×:染色性が悪い(殆ど染色されない)
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

【0041】
【表4】

【0042】
【表5】

【0043】
表1〜5に示した通り、実施例1〜13の感光性染毛料は、蛍光灯のような弱い光源下でも十分な染毛効果を発揮する優れた染毛料であることがわかった。それに対し、比較例1〜7の感光性染毛料は、明らかに染色性に劣ることが確認された。さらに、実施例1〜13の感光性染毛料について、染色性の実験後の毛髪を観察したところ、毛髪の損傷等の変化は見られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)硫酸銀、乳酸銀、及びクエン酸銀からなる群より選ばれる1種または2種以上の銀塩、及び
(b)キレート剤
を含有し、(a)の含有量が染毛料全量中0.01〜2質量%で、pHが1〜5であることを特徴とする感光性染毛料。
【請求項2】
前記キレート剤が、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、エデト酸、(2S,2’S)−2,2’−(エチレンビスイミノ)ビスコハク酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール−N,N,N’,N’−四酢酸、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン、及びニトリロトリス(メチレンホスホン酸)より選ばれる1種または2種以上であって、その含有量が染毛料全量中0.01〜5質量%である請求項1記載の感光性染毛料。
【請求項3】
さらに(c)成分として、竹酢液及び/又は木酢液を、染毛料全量中0.1〜20質量%含有する請求項1又は2記載の感光性染毛料。

【公開番号】特開2011−116708(P2011−116708A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276131(P2009−276131)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(399091120)株式会社ピカソ美化学研究所 (29)
【Fターム(参考)】