説明

感放射線性レジスト組成物

【課題】 i線、g線等の紫外線のみならず、可視光線、KrF等のエキシマレーザー光、電子線、極端紫外線,X線、イオンビーム等の放射線にも利用できる感放射線性レジスト組成物を提供する。簡単な製造工程で、高感度、高解像度、高耐熱性かつ溶剤可溶性の非高分子系感放射線性レジスト組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化学構造式で表されることを特徴とするレジスト化合物を一種以上と、可視光線、紫外線、極端紫外線,エキシマレーザー、電子線、X線およびイオンビームから選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤を一種以上含むことを特徴とするレジスト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸増幅型非高分子系レジスト材料として有用な、特定の化学構造式で示されるレジスト化合物と酸とを含む感放射線性レジスト組成物に関する。本発明のレジスト組成物は、紫外線、遠紫外線、極端紫外線,電子線、X線等の放射線に感応する感放射線性材料として、エレクトロニクス分野におけるLSI,VLSI製造時のマスクなどに利用される。
【背景技術】
【0002】
これまでの一般的なレジスト材料は、アモルファス薄膜を形成可能な高分子系材料である。例えば、ポリメチルメタクリレートと、それを溶解する溶媒に溶解させたものを基板上に塗布することにより作製したレジスト薄膜に紫外線、遠紫外線、電子線、X線などを照射することにより、0.1μm程度のラインパターンを形成している。
【0003】
しかしながら、高分子系レジストは分子量が1万〜10万程度と大きく、分子量分布も広いため、高分子系レジストを用いるリソグラフィでは、微細加工では、パターン表面にラフネスが生じ、パターン寸法を制御することが困難となり、歩留まりが低下する。従って、従来の高分子系レジスト材料を用いるリソグラフィでは微細化に限界がある。より微細なパターンを作製するために、レジスト材料の分子量を小さくする種々の方法が開示されている。
【0004】
非高分子系のレジスト材料の例として(1)フラーレンから誘導されるポジ及びネガ型レジスト、(2)カリックスアレーンから誘導されるポジ及びネガ型レジスト、(3)スターバースト型化合物から誘導されるポジ型レジスト、(4)デンドリマーから誘導されるポジ型レジスト、(5)デンドリマー/カリックスアレーンから誘導されるポジ型レジスト、(6)高分岐度のスターバースト型化合物から誘導されるポジ型レジスト、及び(7)トリメシン酸を中心骨格とし、エステル結合を有するスターバースト型化合物から誘導されるポジ型レジストが挙げられる。
【0005】
(1)については、エッチング耐性は、良いが、塗布性及び感度が実用レベルに至っていない(特許文献1〜5参照。)。(2)については、エッチング耐性に優れるが、現像液に対する溶解性が悪いために満足なパターンが得られない(特許文献6〜8参照。)。(3)については、耐熱性が低いために露光後の熱処理中にイメージがひずむことがある(特許文献9〜11参照。)。(4)については、製造工程が複雑であり、また耐熱性が低いために露光後の熱処理中にイメージがひずむことがあり、実用性のあるものとはいえない(非特許文献1参照。)。(5)についても、製造工程が複雑であり、原料が高価であることから実用性のあるものとはいえない。(特許文献12、13参照。)。(6)については、製造工程が複雑であり、原料が高価であることから実用性のあるものとはいえない。(7)については耐熱性が低いために露光後の熱処理中にイメージがひずむことがあり、また基板密着性が不十分であり、実用性のあるものとはいえない(特許文献14参照。)。また、炭化水素基および複素環基から選択された疎水性基、連結基、および光照射により脱離可能な保護基で保護された親水性基を有する光活性化合物が知られているが(特許文献15参照)、後述する特定の化学構造的条件を満たすレジスト化合物を含有する組成物は開示されていない。
【特許文献1】特開平7−134413号公報
【特許文献2】特開平9−211862号公報
【特許文献3】特開平10−282649号公報
【特許文献4】特開平11−143074号公報
【特許文献5】特開平11−258796号公報
【特許文献6】特開平11−72916号公報
【特許文献7】特開平11−322656号公報
【特許文献8】特開平9−236919号公報
【特許文献9】特開2000−305270号公報
【特許文献10】特開2002−99088号公報
【特許文献11】特開2002−99089号公報
【特許文献12】特開2002−49152号公報
【特許文献13】特開2003−183227号公報
【特許文献14】特開2002−328466号公報
【特許文献15】特開2002−363123号公報
【非特許文献1】Proceedings of SPIE vol.3999(2000)P1202〜1206
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、i線、g線等の紫外線のみならず、可視光線、KrF等のエキシマレーザー光、電子線、極端紫外線,X線、イオンビーム等の放射線にも利用できる感放射線性レジスト組成物を提供することにある。本発明の更に他の目的は、簡単な製造工程で、高感度、高解像度、高耐熱性かつ溶剤可溶性の非高分子系感放射線性レジスト組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の化学構造的条件を満たす化合物と放射線の照射により直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤を含む組成物が上記課題の解決に有用であることを見出した。
すなわち本発明は、下記式(1)で表されることを特徴とするレジスト化合物を一種以上と、可視光線、紫外線、極端紫外線,エキシマレーザー、電子線、X線およびイオンビームから選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤を一種以上含むことを特徴とするレジスト組成物を提供する。
【0008】
【化7】


(式(1)中、kは1〜5の整数である。Xはそれぞれ独立に水素原子、または下記式(I)の置換基であり、Xのうち少なくとも3つは式(I)である。:
【0009】
【化8】


(式(I)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の環状炭化水素基、アルコキシ基、および1−分岐アルキル基からなる群から選ばれる置換基であり;
Aは、それぞれ独立に下記式(II)〜(VI)である。
【0010】
【化9】


(式(II)〜(VI)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の環状炭化水素基、アルコキシ基、および1−分岐アルキル基からなる群から選ばれる置換基であり、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、または置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、1−置換アルコキシメチル基、および環状置換基からなる群から選ばれる置換基であり、R〜Rのうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基である。)
Arはそれぞれ独立に炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し;
Yはそれぞれ独立に炭素数1〜12の二価の非環状炭化水素基、二価の環状炭化水素基、置換アルキレン基、または単結合を表し;
Zはそれぞれ独立に単結合、または、−O−、−S−および−NH−からなる群から選ばれる置換基を表す。
式(I)中,aは1〜9の整数であり;rは0〜8の整数であり;a+r≦9の条件を満たし;nは1〜5の整数である。))
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る非高分子系感放射線性レジスト組成物は高感度であるので、高解像度のレジストパターンを作製することができ、集積度の高い半導体素子を高い生産性で作製することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のレジスト組成物は、少なくとも一種のレジスト化合物及び少なくとも一種の酸発生剤を含む。
【0013】
前記レジスト化合物は、下記式(1)で表される。
【0014】
【化10】


式(1)中、kは1〜5の整数であり、Xはそれぞれ独立に水素原子、又は下記式(I)で表され、Xのうち少なくとも3つは式(I)であることが好ましい。
【0015】
下記式(I):
【化11】


において、Rは、それぞれ独立に水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基;フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、シクロドデシル基、アダマンチル基、置換アダマンチル基等の炭素数3〜12の環状炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基;または、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等の1−分岐アルキル基を表し、水素原子であることが好ましい。
【0016】
Arはそれぞれ独立にフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であり、フェニル基であることが特に好ましい。
Yはそれぞれ独立に、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、sec−ブチレン等の炭素数1〜12の二価の非環状炭化水素基;フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘキシレンジメチレン基、イソホロニレン基等の二価の環状炭化水素基、メトキシエチレン基、エトキシメチレン基、エトキシエチレン基、メトキシプロピレン基、エトキシプロピレン基等の置換アルキレン基;または単結合であり、メチレン基、トリレン基、シクロヘキシレンジメチレン基、イソホロニレン基および単結合が好ましい。ここで云う単結合とは他の構成単位同士を直接連結することを意味する。
Zはそれぞれ独立に−O−、−NH−または単結合である。Zが、−O−、−S−、−NH−、または単結合であると、化学構造の制御が容易である。
aは1〜9の整数であり、rは0〜8の整数であり、a+r≦9である。aは1であることが好ましい。nは、1〜5の整数、好ましくは1または2、更に好ましくは1である。
【0017】
Aは、それぞれ独立に水素または下記式(II)〜(VI)の置換基を表し、Aは(II)であることが好ましい。
【0018】
下記式(II)〜(VI):
【化12】


において、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基;フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、シクロドデシル基、アダマンチル基、置換アダマンチル基等の炭素数3〜12の環状炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基;または、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等の1−分岐アルキル基を表し、シクロヘキシル基、tert−ブチル基であることが好ましい。
【0019】
、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、1−置換アルコキシメチル基、または、環状置換基を表す。R〜Rのうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基である。
【0020】
前記置換メチル基の例として、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、ブロモフェナシル基、メトキシフェナシル基、メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ブロモベンジル基、ニトロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルチオベンジル基、エトキシベンジル基、エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
【0021】
前記1−置換エチル基の例として、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−イソプロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−tert−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0022】
前記1−置換プロピル基の例として、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基等を挙げることができる。
【0023】
前記1−分岐アルキル基の例として、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
【0024】
前記シリル基の例として、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−tert−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
【0025】
前記ゲルミル基の例として、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、イソプロピルジメチルゲルミル基、メチルジイソプロピルゲルミル基、トリイソプロピルゲルミル基、tert−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−tert−ブチルゲルミル基、トリ−tert−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
【0026】
前記アシル基の例として、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
【0027】
前記アルコキシカルボニル基の例として、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0028】
前記1−置換アルコキシメチル基の例として、1−シクロペンチルメトキシメチル基、1−シクロペンチルエトキシメチル基、1−シクロヘキシルメトキシメチル基、1−シクロヘキシルエトキシメチル基、1−シクロオクチルメトキシメチル基、1−アダマンチルメトキシメチル基等を挙げることができる。
【0029】
前記環状置換基の例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、p−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基、アダマンチル基、アルキルアダマンチル基等を挙げることができる。
【0030】
上記酸解離性官能基のうち、R、RおよびRとしては、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、tert−ブチル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロピラニル基および1−シクロヘキシルメトキシメチル基が好ましい。
【0031】
また、式(1)のXは、下記式(VII)〜(IX)の置換基であるのが好ましい。
【化13】


【化14】


(式(VII)〜(IX)中、Aは前記と同様であり、mは1〜2の整数である。)
【0032】
さらに、式(I)および式(VII)〜(IX)中のAの少なくとも一は、下記式(X)〜(XIII)の置換基であるのが好ましい。
【化15】

【0033】
前記レジスト化合物は、ポリメリックメチレンジフェニルジイソシアネートから製造されることが好ましい。
【0034】
本発明で使用するレジスト化合物の製造法は特に限定されないが、特に、ポリメリックメチレンジフェニルジイソシアネートと、アミノフェノール類またはヒドロキシアルキルフェノール類とを反応した後、酸解離性官能基導入試剤を塩基触媒下で反応させる製造法が同一反応容器で全行程の製造が可能であり、より簡便で実用的であることから好ましい。
ここで云う酸解離性官能基導入試剤とは、酸解離性官能基を有する酸クロライド、酸無水物、ジカーボネートなどの活性カルボン酸誘導体化合物やアルキルハライド等を云う。これらの中で、酸無水物やジカーボネートが特に好ましい。当該酸解離性官能基とは、R、RおよびRとして例示した、置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、1−置換アルコキシメチル基、および環状置換基である。また、塩基触媒とはアルカリ性化合物であれば良く、例えば、モノ−、ジ−あるいはトリアルキルアミン類、モノ−、ジ−あるいはトリアルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等のアルカリ性化合物、アルキルアンモニウム塩、アルコラート等の金属化合物の1種以上使用することが望ましく、特にトリエチルアミンが好ましい。
ここで、アミノフェノール類またはヒドロキシアルキルフェノール類として、イソシアネートとの反応性がフェノール性OHより高い官能基を有してればよく、特に限定されない。
【0035】
前記アミノフェノール類として、例えばp−アミノフェノール、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、4−アミノカテコール、3−アミノカテコール、2−アミノレゾルシノール、4−アミノレゾルシノール、5−アミノレゾルシノール、2−アミノハイドロキノン、4−アミノピロガロール、5−アミノピロガロール、2−アミノメチルフェノール、3−アミノメチルフェノール、4−アミノメチルフェノール、4−アミノメチルカテコール、3−アミノメチルカテコール、2−アミノメチルレゾルシノール、4−アミノメチルレゾルシノール、5−アミノメチルレゾルシノール、2−アミノメチルハイドロキノン、4−アミノメチルピロガロール、5−アミノメチルピロガロール、2−アミノフロログリシノール、2−アミノメチルフロログリシノール等が挙げられる。特にp−アミノフェノール、m−アミノフェノールが好ましい。
【0036】
前記ヒドロキシアルキルフェノール類としては、4−ヒドロキシメチルフェノール、3−ヒドロキシメチルフェノール、2−ヒドロキシメチルフェノール、4−ヒドロキシメチルカテコール、3−ヒドロキシメチルカテコール、2−ヒドロキシメチルレゾルシノール、4−ヒドロキシメチルレゾルシノール、5−ヒドロキシメチルレゾルシノール、2−ヒドロキシメチルハイドロキノン、4−ヒドロキシメチルピロガロール、5−ヒドロキシメチルピロガロール等が挙げられる。特に4−ヒドロキシメチルフェノール、5−ヒドロキシメチルレゾルシノールが好ましい。
【0037】
前記レジスト化合物は、例えば、以下のように合成出来る。ポリメリックメチレンジフェニルジイソシアネートと、アミノフェノールなどのフェノール性水酸基とフェノール性水酸基より反応性が高いアミノ基を有する化合物を、当量、常温、常圧下、ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」と称す)等の非プロトン性極性溶媒中で反応させる。これにより、アミノ基がイソシアネート基と選択的に反応する。なおこの際、無触媒でも反応は進行するが、前記塩基触媒の1種以上使用すると反応速度が高まることがある。
次に同じ反応容器中で、tert−ブトキシカルボニル基などの酸解離性官能基を導入するために、ジ−tert−ブチルジカーボネートをトリエチルアミン等の前記塩基触媒存在下で常圧、60〜70℃で6〜7時間反応させる。生成物を蒸留水中で再沈殿した後、蒸留水で洗浄し、乾燥することによりレジスト化合物が得られる。
【0038】
本発明のレジスト組成物は、上記記載のレジスト化合物を1種以上含む。レジスト化合物を1種用いると高感度、高解像度が得られることがあり、2種以上用いると成膜性基板密着性が向上することがある。
【0039】
本発明のレジスト組成物は、前記式(I)〜(VI)のR〜Rがすべて水素原子であるレジスト化合物を含んでもよい。このようなレジスト化合物を含むことにより、高感度、高解像度またエッチラフネスが低減することがある。
【0040】
本発明の組成物は、前記レジスト化合物一種以上と、可視光線、紫外線、エキシマレーザー、電子線、極端紫外線,X線、イオンビームなどの放射線を照射することにより直接的又は間接的に酸又は塩基を発生する酸又は塩基発生剤(酸発生剤または塩基発生剤)を一種以上含む。レジスト化合物が、式(I)および(VII)〜(IX)のAとして式(II)の構造を少なくとも一つ有している場合、酸発生剤に代えて塩基発生剤を用いることができる。塩基が存在すると、酸解離性官能基が脱離してフェノール性水酸基に変換される。本発明の組成物は、レジスト化合物および酸又は塩基発生剤を溶解する1種以上の溶剤をさらに含んでいてもよい。
【0041】
前記レジスト化合物は、酸増幅型化合物であり、酸が共存すると、酸解離性官能基が脱離し、フェノール性水酸基に変換される。フェノール性水酸基により自己触媒効果と相まって効果的に脱離が進行し、アルカリ可溶物となるため、アルカリ現像可能なポジ型レジストとして利用できる。酸の発生方法は特に限定はしないが、例えば、酸発生剤を共存させることにより紫外線、高エネルギー等の放射線露光部に酸が発生する。
【0042】
すなわち、本発明では、系内に酸が発生すれば、酸の発生方法は限定されない。g線、i線などの紫外線の代わりにエキシマレーザーを使用すれば、より微細加工が可能であるし、また高エネルギー線として電子線、X線、極端紫外線,イオンビームを使用すれば更に微細加工が可能である。
【0043】
前記酸発生剤としては、下記式(8)〜(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0044】
【化16】

【0045】
式(8)中、R23は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分枝状もしくは環状アルキル基、直鎖状、分枝状もしくは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子であり;X-は、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基もしくはハロゲン置換アリール基を有するスルホン酸イオンまたはハロゲン化物イオンである。
【0046】
前記式(8)で示される化合物は、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジ−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−t−ブトキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニル−p−トルエンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルナフチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートおよびジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0047】
【化17】

【0048】
式(9)中、R24は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状、分枝状もしくは環状アルキル基、直鎖状、分枝状もしくは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子を表す。
【0049】
前記式(9)で示される化合物は、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム−2,4−ジフルオロベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムへキサフルオロベンゼンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウムベンゼンスルホネートおよびジ(4−トリフルオロメチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネートからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0050】
【化18】

【0051】
式(10)中、Qはアルキレン基、アリーレン基またはアルコキシレン基であり、R25はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基またはハロゲン置換アリール基である。
【0052】
前記式(10)で示される化合物は、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(p−トルエンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルポキシイミド、N−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロベンゼンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ナフタレンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エンー2,3−ジカルボキシイミドおよびN−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ナフチルイミドからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0053】
【化19】

【0054】
式(11)中、R26は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分枝もしくは環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基または任意に置換されたアラルキル基である。
【0055】
前記式(11)で示される化合物は、ジフェニルジスルフォン、ジ(4−メチルフェニル)ジスルフォン、ジナフチルジスルフォン、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ジスルフォン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフォン、ジ(3−ヒドロキシナフチル)ジスルフォン、ジ(4−フルオロフェニル)ジスルフォン、ジ(2−フルオロフェニル)ジスルフォンおよびジ(4−トルフルオロメチルフェニル)ジスルフォンからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0056】
【化20】

【0057】
式(12)中、R27は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、任意に置換された直鎖、分枝もしくは環状アルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基または任意に置換されたアラルキル基である。
【0058】
前記式(12)で示される化合物は、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリルおよびα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリルからなる群から選択される少なくとも一種類であることが好ましい。
【0059】
【化21】

【0060】
式(13)中、R28は、同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に、1以上の塩素原子および1以上の臭素原子を有するハロゲン化アルキル基である。ハロゲン化アルキル基の炭素原子数は1〜5が好ましい。
【0061】
【化22】

【0062】
【化23】

【0063】
式(14)および(15)中、R29およびR30はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数1〜3のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子数1〜3のアルコキシル基、またはフェニル基、トルイル基、ナフチル基等アリール基、好ましくは、炭素原子数6〜10のアリール基である。L29およびL30はそれぞれ独立に1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基である。1,2−ナフトキノンジアジド基を有する有機基としては、具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基等の1,2−キノンジアジドスルホニル基を好ましいものとして挙げることができる。特に、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基および1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基が好ましい。pは1〜3の整数、qは0〜4の整数、かつ1≦p+q≦5である。J29は単結合、炭素原子数1〜4のポリメチレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、下記式(16)で表わされる基、カルボニル基、エステル基、アミド基またはエーテル基であり、Y29は水素原子、アルキル基またはアリール基であり、X29およびX30は、それぞれ独立に下記式(17)で示される基である。
【0064】
【化24】

【0065】
【化25】

【0066】
式(17)中、Z32はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、R32はアルキル基、シクロアルキル基またはアルコキシル基であり、rは0〜3の整数である。)
【0067】
その他の酸発生剤として、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert-ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n-ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n-プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタンなどのビススルホニルジアゾメタン類、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-(ビストリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-(ビストリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)-1,3,5-トリアジン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン含有トリアジン誘導体等が挙げられる。
【0068】
また、酸発生剤は、単独で、または2種以上を使用することができる。本発明の組成物において、酸発生剤の使用量は、レジスト化合物100重量部当り、0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。0.1重量部未満では、感度、解像度が低下する傾向があり、一方、30重量部を超えるとレジストパターンの断面形状が低下する傾向がある。
【0069】
本発明のレジスト組成物には、酸拡散制御剤、溶解制御剤、溶解促進剤、増感剤、界面活性剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0070】
本発明においては、放射線照射により光酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御して、未露光領域での好ましくない化学反応を制御する作用等を有する酸拡散制御剤を、配合させても良い。この様な酸拡散制御剤を使用することにより、レジスト組成物の貯蔵安定性が向上し、また解像度が向上するとともに、電子線照射前の引き置き時間、電子線照射後の引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。このような酸拡散制御剤としては、窒素原子含有塩基性化合物あるいは塩基性スルホニウム化合物、塩基性ヨードニウム化合物等の電子線放射分解性塩基性化合物が挙げられる。酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。
【0071】
本発明における酸拡散制御剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、0.001〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.005〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜3重量部である。酸拡散制御剤の配合量が0.001重量部未満では、プロセス条件によっては、解像度の低下、パターン形状、寸法忠実度等が劣化する傾向があり、さらに、電子線照射から放射線照射後加熱までの引き置き時間が長くなると、パターン上層部においてパターン形状が劣化する傾向がある。一方、酸拡散制御剤の配合量が10重量部を超えると、レジストとしての感度、未露光部の現像性等が低下する傾向がある。
【0072】
溶解制御剤は、レジスト化合物がアルカリ等の現像液に対する溶解性が高すぎる場合に、その溶解性を制御して現像時の溶解速度を適度に減少させる作用を有する成分である。このような溶解制御剤としては、レジスト被膜の焼成、放射線照射、現像等の工程において化学変化しないものが好ましい。
【0073】
溶解制御剤としては、例えば、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、アセナフテン等の芳香族炭化水素類;アセトフェノン、ベンゾフェノン、フェニルナフチルケトン等のケトン類;メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホン、ジナフチルスルホン等のスルホン類等を挙げることができる。これらの溶解制御剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。溶解制御剤の配合量は、使用するレジスト化合物の種類に応じて適宜調節されるが、レジスト化合物100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下である。
【0074】
溶解促進剤は、レジスト化合物のアルカリ等の現像液に対する溶解性が低すぎる場合に、その溶解性を高めて、現像時のレジスト化合物の溶解速度を適度に増大させる作用を有する成分である。このような溶解促進剤としては、レジスト被膜の焼成、電子線照射、現像等の工程において化学変化しないものが好ましい。前記溶解促進剤としては、例えば、ベンゼン環を2〜6程度有する低分子量のフェノール性化合物を挙げることができ、具体的には、例えば、ビスフェノール類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン等を挙げることができる。これらの溶解促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。溶解促進剤の配合量は、使用するレジスト化合物の種類に応じて適宜調節されるが、上記レジスト化合物100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下である。
【0075】
増感剤は、照射された放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを光酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を有し、レジストの見掛けの感度を向上させる成分である。このような増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン類、ビアセチル類、ピレン類、フェノチアジン類、フルオレン類等を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。増感剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、30重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下である。
【0076】
界面活性剤は、本発明のレジスト組成物の塗布性やストリエーション、レジストとしての現像性等を改良する作用を有する成分である。このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでも使用することができる。これらのうち、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。ノニオン系界面活性剤は、感放射線性組成物に用いる溶剤との親和性がよく、より効果がある。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等の他、以下商品名で、エフトップ(ジェムコ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業社製)、フロラード(住友スリーエム社製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子社製)、ペポール(東邦化学工業社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業社製)等の各シリーズを挙げることができるが、特に限定はされない。
【0077】
界面活性剤の配合量は、レジスト化合物100重量部当たり、界面活性剤の有効成分として、2重量部以下が好ましい。また、染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できる。さらに、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
【0078】
本発明のレジスト組成物は、その使用に際して、固形分濃度が、好ましくは、1〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%となるように溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、レジスト溶液として調製される。
【0079】
本発明のレジスト組成物に使用される前記溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル(EL)などの乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなどの他のエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類を挙げることができるが、特に限定はされない。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を使用することができる。
【0080】
本発明の組成物は、それ自体はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂、例えば、フェノール樹脂、ポリヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基を有する樹脂の水酸基を酸解離性官能基で置換した樹脂、ポリアルキルメタクリレート等を少なくとも一種類含んでいてもよい。
【0081】
本発明においてレジスト基板とは、基板上に前記組成物からなるレジスト膜が形成されているレジスト基板であり、パターン形成基板とは、前記レジスト基板上のレジスト膜を露光、現像して得られるパターン化したレジスト膜を有する基板である。また、「パターン形成材料」とは、レジスト基板上に形成され、光、電子線または放射線の照射等によりパターン形成可能な組成物をいい、「レジスト膜」と同義である。「パターン配線基板」とはパターン形成基板をエッチングして得られたパターン化された配線を有する基板である。
【0082】
レジストパターンを形成するには、まず、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に本発明のレジスト組成物を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって塗布することによりレジスト膜を形成する。必要に応じて、基板上にヘキサメチレンジシラザン等の表面処理剤を予め塗布してもよい。
【0083】
次いで、紫外線、電子線等の放射線により、レジスト膜を所望のパターンに露光する。露光条件等は、感放射線性組成物の配合組成等に応じて適宜選定される。本発明においては、露光における高精度の微細パターンを安定して形成するために、放射線照射後に加熱するのが好ましい。その加熱条件は、感放射線性組成物の配合組成等により変わるが、20〜250℃が好ましく、より好ましくは20〜150℃である。
【0084】
次いで、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。前記アルカリ現像液としては、例えば、モノ−、ジ−あるいはトリアルキルアミン類、モノ−、ジ−あるいはトリアルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等のアルカリ性化合物の1種以上を、好ましくは、1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。
【0085】
また、前記アルカリ現像液には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類や前記界面活性剤を適量添加することもできる。これらのうちイソプロピルアルコールを10〜30質量%添加することが特に好ましい。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を用いた場合は、一般に、現像後、水で洗浄する。
【0086】
レジストパターンを形成した後、エッチングすることによりパターン配線基板が得られる。エッチングの方法はプラズマガスを使用するドライエッチングおよびアルカリ溶液、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液等によるウェットエッチングなど公知の方法で行うことが出来る。
【0087】
レジストパターンを形成した後、めっきを行うことも出来る。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。
【0088】
また、レジストパターンは有機溶剤や現像に用いたアルカリ水溶液より強アルカリ性の水溶液で剥離することが出来る。上記有機溶剤として、前記PGMEA,PGME,EL等が挙げられ、強アルカリ水溶液としては、例えば1〜20%質量%の水酸化ナトリウム水溶液や1〜20%質量%の水酸化カリウム水溶液が挙げられる。上記剥離方法としては、例えば、浸漬方法、スプレイ方式等が挙げられる。またレジストパターンが形成された配線基板は、多層配線基板でも良く、小径スルーホールを有していても良い。
【0089】
本発明で得られる配線基板は、レジストパターン形成後、金属を真空中で蒸着し、その後レジストパターンを溶液で溶かす方法、すなわちリフトオフ法により形成することも出来る。
【実施例】
【0090】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定はされない。
【0091】
なお、評価方法は以下の通りである。
(1)レジスト膜の成膜性評価
10×10mm角のレジスト膜を100区画に分割し、レジスト膜が膜を形成していない区画および結晶化している区画を数え、下記基準で評価した。
【0092】
<合成例1>tBOC−MDIAPの合成
ポリメリックメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)(住化バイエルウレタン(株)製スミジュール44V20、NCO当量:135、不揮発分:100重量%)2.70gにDMAc5mlを加えた溶液を滴下ロートを用いて、p−アミノフェノール(AP)(2.18g/20mmol(1.0当量))のDMAc5ml溶液にゆっくり滴下し、室温で1時間攪拌した。更にジ−tert−ブチルジカーボネート(5.61g/26mmol)、トリエチルアミン3.02gをゆっくり滴下し、60℃で7時間攪拌した。反応液を多量の水に加え固体を析出させ、さらに、アセトンに溶解し多量の水に加える操作を繰り返したところ、白色粉末が得られた。窒素含有率、重量平均分子量は、表1に示した(以下、「tBOC−MDIAP組成物」)。得られた白色粉末をヘキサン/酢酸エチル=3/4の混合溶媒を用い、カラムクロマトで精製した。最後に減圧乾燥を行い、目的生成物(以下、「tBOC−MDIAP化合物」と略す。)6.10gを得た。構造はFT−IR、400MHz-1H−NMRにより式(18)の構造式であることを確認し、窒素含有率、分子量は、表1に示した。
IR:(cm−1
3305cm−1(N−H伸縮振動)、1752、1645cm−1(C=O,カルボニル)
H−NMR:(400MHz、CDCl、内部標準TMS)
δ(ppm)7.0〜7.5ppm(Ph−)、1.5ppm(−C(C)、3.8ppm(−C−)、8.3〜8.4ppm(−N−)
【0093】
【化26】


(式(18)中、kは,原料に由来し3〜4である。)
成膜性試験
<実施例1〜3>
合成例1で合成したレジスト化合物(0.5g)、表1記載の酸発生剤(表1記載の配合量)、PGMEA(4.5g)を均一溶液としたのち、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製メンブランフィルターで濾過して、レジスト溶液を調製した。得られたレジスト溶液をn−Si基板及びGaAs基板に回転塗布し、レジスト膜を形成した。得られた各レジスト膜の成膜性を表2に示す。
【0094】
【表1】

酸発生剤
DNQ:1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウム
WPI007:ジフェニルヨードニウムトリフルオロスルホネート
WPAG596:ジフェニルキサントン−2−イルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート
【0095】
【表2】

表面処理剤:1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン
【0096】
レジストパターンの形成
<実施例4>
合成例1で合成したレジスト化合物(0.5g)、実施例2記載の酸発生剤、PGMEA(4.5g)を均一溶液としたのち、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製メンブランフィルターで濾過して、レジスト溶液を調製した。得られたレジスト溶液を清浄なシリコンウェハー上に回転塗布した後、オーブン中90℃/10分間で露光前ベーク(PB)して、厚さ0.2μmのレジスト膜を形成した。該レジスト膜を波長365nmのi線を1320mJ/cmで露光した。その後、オーブン中120℃/10分間で露光後ベークし、TMAH2.38%水溶液中で静置法60秒間により、23℃で現像を行った。その後、水で30秒間洗浄し、乾燥して、5μmラインアンドスペースのレジストパターンを形成した。
【0097】
電子線照射試験
<実施例5>
実施例2配合で、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製メンブランフィルターで濾過して、レジスト溶液を調製した。得られたレジスト溶液を清浄なシリコンウェハー上に回転塗布した後、120℃/10分間オーブン中で露光前ベークして、厚さ0.2μmのレジスト膜を形成した。該レジスト膜を電子線露光装置(日本電子株式会社製 JBX−5FE型)を用いて電流量200pA,露光量10μC/cmの条件で電子線露光した。その後、オーブン中で露光後ベークを120〜140℃/10分間の条件で行った後、TMAH2.38%水溶液中で静置法60秒間により23℃で現像を行った。その後、水で30秒間洗浄し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成し、描画したパターンを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表されることを特徴とするレジスト化合物を一種以上と、可視光線、紫外線、極端紫外線,エキシマレーザー、電子線、X線およびイオンビームから選ばれるいずれかの放射線の照射により直接的又は間接的に酸を発生する酸発生剤を一種以上含むことを特徴とするレジスト組成物。
【化1】


(式(1)中、kは1〜5の整数である。Xはそれぞれ独立に水素原子、または下記式(I)の置換基であり、Xのうち少なくとも3つは式(I)である。:
【化2】


(式(I)中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の環状炭化水素基、アルコキシ基、および1−分岐アルキル基からなる群から選ばれる置換基であり;
Aは、それぞれ独立に下記式(II)〜(VI)である。
【化3】


(式(II)〜(VI)中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の環状炭化水素基、アルコキシ基、および1−分岐アルキル基からなる群から選ばれる置換基であり、R、R、Rは、それぞれ独立に水素原子、または置換メチル基、1−置換エチル基、1−置換−n−プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、1−置換アルコキシメチル基、および環状置換基からなる群から選ばれる置換基であり、R〜Rのうち少なくとも一つは水素原子以外の置換基である。)
Arはそれぞれ独立に炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し;
Yはそれぞれ独立に炭素数1〜12の二価の非環状炭化水素基、二価の環状炭化水素基、置換アルキレン基、または単結合を表し;
Zはそれぞれ独立に単結合、または、−O−、−S−および−NH−からなる群から選ばれる置換基を表す。
式(I)中,aは1〜9の整数であり;rは0〜8の整数であり;a+r≦9の条件を満たし;nは1〜5の整数である。))
【請求項2】
前記式(1)中のXが下記式(VII)〜(IX)の置換基であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト組成物。
【化4】


【化5】


(式(VII)〜(IX)中、Aは前記と同様であり、mは1〜2の整数である。)
【請求項3】
前記式(I)および(VII)〜(IX)の置換基のAの少なくとも一つが下記式(X)〜(XIII)の置換基であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のレジスト組成物。
【化6】

【請求項4】
前記レジスト化合物が、イソシアネート基を3以上有するポリイソシアネート化合物1種以上から製造されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物。
【請求項5】
前記レジスト化合物を2種以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト組成物。
【請求項6】
前記式(II)〜(VI)の置換基におけるR〜Rがすべて水素原子であるレジスト化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレジスト組成物。
【請求項7】
それ自体はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用でアルカリ水溶液に可溶となる樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレジスト組成物。

【公開番号】特開2006−30557(P2006−30557A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208819(P2004−208819)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】