説明

感湿性薬物及び第2薬物の組合せを含んで成る安定製剤及びその製造方法

本発明は、活性医薬成分の組合わせを含んで成る安定医薬組成物及びそのような安定医薬組成物の調製方法を提供する。本発明の医薬組成物は、活性成分としての感湿性薬物、特にアンギオテンシン転換酵素(ACE)インヒビター、例えばシラザプリル、第2活性医薬成分、例えばヒドロクロロチアジド、及び少なくとも1つの医薬賦形剤を含んで成り、ここで前記感湿性活性医薬成分は、少なくとも1つの医薬賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、感湿性活性医薬成分(薬物)、特にアンギオテンシン転換酵素(ACE)インヒビター、例えばシラザプリル(Cilazapril)、及び第2薬物、例えばヒドロクロロチアジドの組合せを、活性成分として含んで成る安定医薬組成物、及びそのような医薬組成物の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
シラザプリルは、明らかに、アンギオテンシン転換酵素(“ACE”)を阻害することによりアンギオテンシンIからのアンギオテンシンIIへの形成を阻害するアンギオテンシン転換酵素インヒビターである。化学的に、シラザプリルは、(1S, 9S)−9−[(S)−1−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピルアミノ]−10−オキソペルヒドロピリダジノ[1,2−a][1,2]ジアゼピン−1−カルボン酸であることが報告されており、そしてアメリカ特許第4,512,924号に開示されていることが理解されている。シラザプリルは、高血圧を有する患者の処理に処方されて来た。シラザプリルは、次の一般式を有する:
【0003】
【化1】

【0004】
ヒドロクロロチアジドは明らかに、利尿薬及び抗高血圧薬である。化学的に、ヒドロクロロチアジド、すなわちクロロチアジドの3,4−ジヒドロ誘導体は、6−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−1,2,4−ベンゾチアジン−7−スルホンアミド1,1−ジオキシドであることが報告されており、そして次の一般式を有する:
【0005】
【化2】

【0006】
ヒドロクロロチアジドは、うっ血性心不全、肝硬変、及びコルチコステロイド及びエストロゲン療法に関連する水腫における補助治療剤として示されている。種々の形の腎機能不全、例えばネフローゼ症候群、急性糸球体腎炎及び慢性腎不全のために水腫において有用であることもまた見出されている。さらに、ヒドロクロロチアジドは、単独の治療剤として、又はより重度の形の高血圧において他の抗高血圧薬物の有効性を増強するために、高血圧の管理において示されている。
【0007】
許容できる医薬組成物のための必要条件の1つは、それが安定性であるべきであることである。安定性医薬組成物は、組成物の製造と患者によるその使用との間、活性医薬成分の実質的分解を示さない。シラザプリル及び多くの他の薬物は、その活性医薬成分が水/湿気の存在下で急速に分解するので、不安定性の問題を有する。従って、そのような活性医薬成分(薬物)は、感湿性薬物として特徴づけられ得る。
【0008】
錠剤ブレンドは、錠剤化の前、乾燥混合されるか、乾燥−粒状化されるか、又は湿潤−粒状化され得ることは知られている。加工方法、乾燥混合、乾燥粒状化、湿潤粒状化、又はいくつかの他の粒状化方法の選択は、薬物及び選択された賦形剤の性質に依存する。一般的に、乾燥製造方法が感湿性薬物のために好ましいと思われる。
【0009】
感湿性薬物の安定性を改良するためには、水除去化合物が錠剤マトリックス中に組込まれ得る。1つのそのような水除去化合物は、感湿性薬物のために特に推薦される結合剤コポビドン(PlasdoneS-630(商標))である。しかしながら、非常に低い成功を伴って、乾燥粒状化方法においてこの材料を用いてシラザプリル錠剤の配合が試みられた。そのようなシラザプリル錠剤においては、活性医薬成分の分解が明らかであった。
【0010】
湿潤−粒状化方法は、それらの方法の紛れもない性質が水/湿気の存在を包含するので、感湿性薬物のために適切であるとは思われなかった。しかしながら、2006年6月2日に出願されたアメリカ同時継続出願11/446,336号に記載されるように、最良の安定性結果が、感湿性薬物及び結合剤、例えばコポビドンを含んで成る組成物又は製剤により達成され得、ここで前記製剤/組成物は、高温で組成物を湿潤し、そして次に乾燥することを含んで成る湿潤粒状化方法を用いて調製される。
【0011】
そのような感湿性活性医薬成分(活性薬物物質)の医薬組成物は、組合せ医薬組成物において1又は複数の追加の薬物物質を含むことができる。そのような組合せ医薬組成物は、増強された処理有効性を提供するか、又は1つのそのような感湿性活性医薬成分の所望しない副作用を改善しながらの処理を提供する。しかしながら、1つの組成物における活性医薬成分の組合せは、その活性医薬成分が活性、副作用及び有効性に関して適合できることを必要とする。
【0012】
ヒドロクロロチアジド(HCTZ)は、他の抗高血圧剤と組合して使用され得る。さらに、高血圧の処理への使用のための医薬組成物は、ヒドロクロロチアジド及び抗高血圧剤の組合せを含んで成ることができる。さらに、HCTZは、組合せ医薬組成物への包含のために感湿性活性医薬組成物シラザプリルと適合できる。しかしながら、組合された活性成分の単一の湿潤粒状化工程を用いて調製された、感湿性薬物物質及び第2薬物物質を含んで成る医薬組成物は、安定医薬組成物であるように見えず、しかもシラザプリルの分解も示した。
【0013】
驚くべきことには、最良の安定性結果が、組合せ医薬組成物を調製するため湿潤粒状化方法が少なくとも2段階に分けられる場合、達成され得、ここで前記方法においては、第2薬物物質、好ましくはヒドロクロロチアジド(HCTZ)が、感湿性薬物物質、例えばシラザプリルの湿潤粒状化が完結した後、湿潤粒状物に添加される。
【発明の開示】
【0014】
発明の要約
本発明は、シラザプリル及びヒドロクロロチアジド(HCTZ)の組合せの安定医薬組成物類、及びそれらの調製方法を提供する。
1つの観点においては、本発明は、
a)感湿性活性医薬成分;及び
b)第2活性医薬成分を含んで成り、ここで前記感湿性活性医薬成分が最初に、少なくとも1つの加工溶媒中、少なくとも1つの医薬賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化され、次に前記第2活性医薬成分と共に粒状化されることを特徴とする安定医薬組成物を提供する。好ましくは、少なくとも1つの賦形剤は結合剤である。
【0015】
もう1つの観点においては、本発明は、湿潤粒状化された感湿性活性医薬成分及び第2活性医薬成分を含んで成る組合された粒状組成物の調製方法であって、
a)感湿性活性医薬成分を供給し;
b)前記感湿性活性医薬成分と、少なくとも1つの医薬的に許容できる、結合剤以外の賦形剤とを混合し、混合物を形成し;
c)前記混合物を、1又は複数の加工溶媒に溶解された結合剤賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化し、湿潤粒状物を形成し;
d)第2活性医薬成分及び任意には1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る材料を供給し;そして
e)段階c)からの湿潤粒状物に、段階d)からの材料を添加し、組合された粒状物を形成する段階を含んで成り、
ここで段階d)の前記材料が、第2医薬成分及び1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る場合、前記材料は任意には、前記第2医薬成分と1又は複数の医薬賦形剤とを混合することにより得られる混合物であることを特徴とする方法を提供する。
【0016】
本発明のもう1つの態様においては、前記方法はさらに、本発明の錠剤医薬組成物を調製する段階を含んで成り、ここで前記方法はさらに、
f)前記組合された粒状物と、1又は複数の賦形剤とを混合し、最終ブレンドを形成し;
g)前記最終ブレンドを錠剤に圧縮し;そして
h)任意には、前記錠剤を化粧被膜により被覆する段階を含んで成る。
【0017】
本発明はまた、感湿性活性医薬成分、好ましくはシラザプリル、第2活性医薬成分、好ましくはヒドロクロロチアジド及び少なくとも1つの医薬賦形剤を含んで成る安定医薬組成物の治療的有効量を、疾病、好ましく波高血圧を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法であって、前記活性医薬成分が少なくとも1つの医薬賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化されることを特徴とする方法を提供する。
【0018】
発明の特定の記載
本明細書において使用される場合、用語、感湿性活性医薬成分とは、水/湿気の存在下で急速に分解する活性医薬成分を言及する。用語“感湿性活性医薬成分”の理解においては、例示されるシラザプリルが貯蔵に基づいていかに挙動するかを考慮することが助けになる。市販のシラザプリル錠剤(Vascace(商標))が市販のパッケージ、すなわち防湿性ブリスターパックに関して、プリスターパッケージングにおいて“ゴールド標準”と見なされる“アルミニウム−アルミニウムコールドファームブリスター”において、55℃及び75%相対湿度で貯蔵される場合、シラザプリラット(Cilazaprilat)の形成により明らかなように、分解は、7日間の貯蔵機にわたって、初期シラザプリル含有率に比較して、初期シラザプリット含有率の1%又はそれ以上の程度のものであり、ところが錠剤がこのパッケージから除かれ、そして同じ条件下で貯蔵され、そして従って湿気に対して48時間、暴露される場合、5倍以上のシラザプリラット形成が観察される(下記表1を参照のこと)。それは、感湿性活性医薬成分としてシラザプリルを同定するこのタイプの特徴である。
【0019】
【表1】

【0020】
湿潤−粒状化方法は、それらの方法の性質が水/湿気の存在を包含するので、感湿性薬物のために適切であると思われていない。しかしながら、2006年6月2日に出願されたアメリカ同時継続出願11/446,336号に記載されるように、最良の安定性結果が、感湿性薬物及び結合剤、例えばコポビドンを含んで成る組成物又は製剤により達成され得、ここで前記組成物製剤は、高温で組成物を湿潤し、そして次に乾燥することを含んで成る湿潤粒状化方法を用いて調製される。
【0021】
そのような感湿性活性医薬成分(活性薬物物質)の医薬組成物は、組合せ医薬組成物において1又は複数の追加の薬物物質を含むことができる。そのような組合せ医薬組成物は、増強された処理有効の性を提供するか、又は1つのそのような感湿性活性医薬成分の所望しない副作用を改善する処理を提供する。しかしながら、1つの組成物における活性医薬成分の組合せは、薬物物質が例えば活性、副作用及び有効性に関して、適合できることを必要とする。感湿性薬物物質シラザプリルを含んで成る組合せを医薬組成物への包含のための適合できる第2薬物物質は、例えばヒドロクロロチアジド(HCTZ)である。
【0022】
しかしながら、組合された薬物物質の湿潤粒状化を用いての、感湿性薬物物質及び第2薬物物質を含んで成る医薬組成物は、安定医薬組成物ではないように見えた。特に、その活性医薬成分としてシラザプリルのみを含むそのような医薬組成物は、安定していることが示されているが、しかしシラザプリルは、薬物物質の組合された混合物が湿潤粒状化されている組成物において第2薬物物質、例えばHCTZと共に組合わされている場合、シラザプリラットへの許容できない分解を示した。
【0023】
驚くべきことには、最良の安定性結果が、組合せ医薬組成物を調製するため湿潤粒状化方法が少なくとも2段階に分けられる場合、達成され得、ここで前記方法においては、第2薬物物質、好ましくはヒドロクロロチアジド(HCTZ)が、感湿性薬物物質、例えばシラザプリルの湿潤粒状化が完結した後、湿潤粒状物に添加される。HCTZは、湿潤粒状物に、単独で又は他の成分と一緒に、及び/又は粒状化溶液において添加され得る。
【0024】
1つの観点においては、本発明は、
a)感湿性活性医薬成分、好ましくはシラザプリル;及び
b)第2活性医薬成分、好ましくはヒドロクロロチアジドを含んで成り、ここで前記感湿性活性医薬成分が最初に、少なくとも1つの加工溶媒中、少なくとも1つの医薬賦形剤と共に湿潤粒状化され、次に前記第2活性医薬成分と共に粒状化されることを特徴とする安定医薬組成物を提供する。この発明の観点の組合物は安定している。
【0025】
本発明においては、第1の湿潤粒状化段階は好ましくは、有意な割合の第2活性医薬成分を含むべきではなく、そして最も好ましくは、いずれの第2活性医薬成分も含まない。好ましくは、少なくとも1つの賦形剤は結合剤であり、そして医薬組成物は少なくとも2種の医薬賦形剤を含んで成る。
【0026】
好ましくは、組成物における感湿性活性医薬成分の量は、組成物の合計重量の約0.1%〜約25%、より好ましくは約0.5%〜約15%である。最も好ましくは、組成物における感湿性活性医薬成分の量は、組成物の合計重量の約0.6%〜約2.7%である。好ましくは、感湿性活性医薬成分は、シラザプリルである。
【0027】
好ましくは、組成物における第2活性医薬成分の量は、組成物の合計重量の約1%〜約25%、より好ましくは約3%〜約15%である。最も好ましくは、組成物における第2活性医薬成分の量は、組成物の合計重量の約5%〜約10%である。好ましくは、感湿性活性医薬成分が“ACEインヒビター”である場合、第2活性医薬成分は好ましくは、利尿薬物、より好ましくはチアジン誘導体、最も好ましくはヒドロクロロチアジド(HCTZ)である。
【0028】
本発明はさらに、感湿性活性医薬成分、第2活性医薬成分及び少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤を含んで成る安定医薬組成物を供給し、ここで前記組成物は、アルミニウム−アルミニウムコールドフォームブリスターと少なくとも同じ効果的である防湿性質を有するパッケージにおける貯蔵の後、3%以下(感湿性活性医薬成分の初期量のw/w)の主要分解生成物を含む。好ましくは、上記のような貯蔵の後、本発明の安定医薬組成物における主要分解生成物の濃度は、2%以下である。より好ましくは、上記のような貯蔵の後、本発明の安定医薬組成物における主要分解生成物の濃度は、1%以下である。貯蔵は、55℃の温度での14日間の貯蔵、及び40℃の温度及び75%の相対湿度での3ヶ月の貯蔵を含んで成る。分解生成物は、HPLC分析により検出され得る。好ましくは、感湿性活性医薬成分は、シラザプリルであり、そして分解生成物はその主要分解生成物シラザプリラットである。好ましくは、第2医薬生成物はHCTZである。
【0029】
従って、本発明の安定医薬組成物は、貯蔵に基づいて、感湿性医薬成分シラザプリルの合計量の重量当たり、3重量%以下、好ましくは2重量%以下、最も好ましくは1重量%以下のその主要分解シラザプリラット生成物を含んで成ることにより特徴づけられる、感湿性活性医薬成分及び第2医薬成分の医薬生成物を供給する。
【0030】
シラザプリラットが次の構造を有することは理解されている:
【化3】

【0031】
好ましくは、本発明の安定性医薬組成物は、その組成物の合計重量の少なくとも約4%の結合剤を含んで成る。好ましくは、前記医薬組成物は、その組成物の合計重量の約4%〜約20%、より好ましくは約5%〜約10%の結合剤を含んで成る。例えば、結合剤は、1又は複数のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)及びその誘導体、ポリビニルアセテート(PVA)又はポリビニルアルコールを含んで成る。本発明における結合剤としての適切なセルロース誘導体の例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。
【0032】
より好ましくは、結合剤は、N−ビニル−2−ピロリドン及び酢酸ビニルの合成の60:40のランダム線状コポリマーであり、そしてポリビニルピロリドン(PVP)ホモポリマーに比較して、低められた親水性及び低められたポリマーガラス転移温度(Tg)を有する、コポビドン、例えばPlasdone(商標) S-630 (コポビドン)である。本発明の安定医薬組成物においては、この結合剤は、加工溶媒中、感湿性活性医薬成分及び1又は複数の賦形剤と共に湿潤粒状化され、湿潤粒状物が形成され、その後、湿潤粒状物が第2薬物物質と共に粒状化される。
【0033】
本発明の感湿性活性医薬成分を含んで成る安定性医薬組成物はさらに、賦形剤、例えば錠剤及びカプセル充填剤及び希釈剤(例えば、微晶性セルロース、ラクトース、澱粉及び三塩基性リン酸カルシウム)、砕解剤(例えば、澱粉、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びナトリウム澱粉グリコレート)、潤滑剤(例えば、コロイド状二酸化珪素及びタルク)、及び滑剤(例えば、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸及びステアリルフマル酸ナトリウム)を含むことができる。
【0034】
より特定には、本発明の医薬組成物への使用のための適切な希釈剤及び充填剤は、微晶性セルロース(例えば、Avicel(商標))、ラクトース、澱粉、予備ゲル化された澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、二塩基性リン酸カルシウム二水和物、三塩基性リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、粉末化されたセルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール及びタルクを包含する。
【0035】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、より好ましくは、生成物の合計重量の約50%〜約65%、最も好ましくは約55%〜約60%の量で、ラクトース一水和物を含む。
他の好ましい態様においては、本発明の医薬組成物は、より好ましくは、組成物の合計重量の約1%〜約2%の量でタルクを含む。
医薬組成物はまた、上記に特定される量でラクトース一水和物及びタルクを含むことができる。
【0036】
投与形、例えば錠剤に圧縮される本発明の固体医薬組成物は、その組成物への砕解剤の添加を包含する。砕解剤は、クロスカルメロースナトリウム(例えば、Ac Di Sol(商標), Primellose(商標))、クロスポビドン(例えば、Kollidon(商標)、Polyplasdone(商標))、微晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化されたセルロース、予備ゲル化された澱粉、ナトリウム澱粉グリコレート(例えば、Explotab(商標), Primoljel(商標))及び澱粉を包含する。
【0037】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、より好ましくは、組成物の合計重量の約20%〜約30%、最も好ましくは約25%の量で、澱粉を含む。
潤滑剤は、圧縮の前、固体組成物の流動性を改良し、そして特に圧縮及びカプセル充填の間、計量の精度を改良するために添加され得る。潤滑剤として機能することができる賦形剤は、コロイド状二酸化珪素、三珪酸マグネシウム、粉末化されたセルロース及びタルクを包含する。
【0038】
滑剤は、付着を低め、そして/又は例えば色素からの生成物の開放を容易にするために組成物に添加され得る。滑剤は、ステアリン酸マグネシウムは、ステアリン酸カルシウム、グリセリルモノステアレート、グリセリルパルミドステアレート、水素化されたヒマシ油、水素化された植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク及びステアリン酸亜鉛を包含する。
【0039】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、より好ましくは、組成物の合計重量の約0.5%〜約1.5%、最も好ましくは約1%の量で、ステアリルフマル酸ナトリウムを含む。
製剤中に組込まれ得る他は賦形剤は、保存剤、界面活性剤、酸化防止剤、又は医薬産業において通常使用されるいずれかの他の賦形剤を包含する。
【0040】
本発明の好ましい態様においては、安定製剤は、シラザプリル、HCTZ、コポビドン、ラクトース一水和物、ナトリウム澱粉グリコレート、タルクエキストラファイン、及びステアリルフマル酸ナトリウムを含んで成る。好ましくは、医薬組成物は、組成物の合計重量に基づいて、約0.5%〜約15%、より好ましくは約0.6%〜約2.7%の量でのシラザプリル、約3%〜約15%、より好ましくは約5%〜約10%の量でのHCTZ、約50%〜約65%、より好ましくは約55%〜約60%の量でのラクトース・一水和物、約1%〜約2%の量でのタルク、約20%〜約30%、より好ましくは約25%の量での澱粉、約4%〜約20%、より好ましくは5%〜10%の量での結合剤、好ましくはコポビドン、及び約0.5%〜約1.5%、より好ましくは約1%の量でのステアリルフマル酸ナトリウムを含んで成る。
【0041】
本発明の固形組成物は、粉末、顆粒、凝集体及び圧縮された組成物を包含する。投与形は、経口、頬及び直腸投与のために適切な投与形を包含する。いずれかの場合、最も適切な投与は処理される病状の性質及び重症度に依存するが、本発明の最も好ましい経路は経口である。投与形は便利には、単位投与形で提供され、そして医薬業界において良く知られているいずれかの方法により調製され得る。
【0042】
本発明の医薬組成物は、いずれかの投与形、例えば錠剤の形での圧縮された顆粒で調製され得る。また、前−圧縮段階において本発明の方法により得られる、圧縮されていない顆粒及び粉末混合物は、単純には、カプセル又は香剤の投与形で供給され得る。従って、本発明の医薬組成物の投与形は、錠剤、粉末、カプセル、香剤、等のような固体投与形を包含する。本発明の投与形はまた、組成物、好ましくは本発明の粉末化された又は粒状化された固形組成物を、ハード又はソフトシェル内に含むカプセルでもあり得る。前記シェルは、ゼラチンからの製造され、そして任意には、可塑剤、例えばグリセリン及びソルビトール、並びに不透明剤又は着色剤を含むことができる。
【0043】
感湿性活性医薬成分、好ましくはシラザプリル、及び第2薬物物質、好ましくはHCTZを含んで成る固形組成物が本発明に従って調製されると、それは好ましくは、医薬製剤、例えば従来の投与形、例えば錠剤及びカプセル中に配合される。錠剤は好ましい投与形である。さらに、錠剤は任意の化粧錠剤被膜により被覆され得る。より好ましくは、この化粧被膜は、“防湿”性質を有する。この防湿性湿は、敏感なコアーのための環境湿気に対する保護を提供し、生成物安定性を増強し、そして保存寿命を改良する。好ましくは、化粧被膜は、ポリビニルアルコールに基づいての錠剤被膜である。より好ましくは、化粧被膜は、ポリビニルアルコール、タルク及びポリエチレングリコール(PEG)を含んで成る。最も好ましくは、化粧被膜はさらに、不透明剤及び/又は着色剤、例えば二酸化チタン及び/又は酸化鉄を含んで成る。
【0044】
被覆懸濁液のための粉末混合物の市販シリーズ、例えばポリビニルアルコールに基づかれる、Colorconから入手できるOpadry(商標) II85Fシリーズ(防湿性質を有する被膜)がそのような化粧被膜の例である。ポリビニルアルコールの他に、このOpadryシリーズの製品は、タルク、PEG3350、二酸化チタン及び顔料を含んで成る。好ましくは、本発明の錠剤は、錠剤重量の約2%〜6%、より好ましくは約2.5%〜約4.5%、最も好ましくは約3%〜約3.5%の化粧被膜を含んで成る。
【0045】
もう1つの態様においては、本発明は、感湿性活性医薬成分及び第2活性医薬成分を含んで成る医薬組成物の調製方法であって、
a)感湿性活性医薬成分を供給し;
b)前記感湿性活性医薬成分と、少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤とを混合し、混合物を形成し;
c)前記混合物を、1又は複数の加工溶媒に溶解された結合剤賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化し、湿潤粒状物を形成し;
d)第2活性医薬成分及び任意には1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る材料を供給し;そして
e)段階c)からの湿潤粒状物に、段階d)からの材料を添加し、組合された粒状物を形成する段階を含んで成り、
ここで段階d)の前記材料が、第2医薬成分及び1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る場合、前記材料は任意には、前記第2医薬成分と1又は複数の医薬賦形剤とを混合することにより得られる混合物であることを特徴とする方法を提供する。
【0046】
好ましくは、感湿性活性医薬成分は、シラザプリルであり、そして第2活性医薬成分はヒドロクロロチアジド(HCTZ)である。好ましい態様においては、段階b)に使用される医薬成分は結合剤を含まない。
好ましくは、組成物における感湿性活性医薬成分の量は、組成物の合計重量の約0.1%〜約25%、より好ましくは約0.5〜約15%である。組成物における感湿性活性医薬成分の最も好ましい量は、組成物の合計重量の約0.6%〜約2.7%である。好ましくは、感湿性活性医薬成分はシラザプリルである。
【0047】
好ましくは、組成物における第2活性医薬成分の量は、組成物の合計重量の約1%〜約25%、より好ましくは約3%〜約15%である。組成物における第2活性医薬成分の最も好ましい量は、組成物の合計重量の約5%〜約10%である。好ましくは、感湿性活性医薬成分がACEインヒビターである場合、第2活性医薬成分は、ヒドロクロロチアジ(HCTZ)である。
【0048】
本発明の医薬組成物の調製においては、典型的な粒状化工程は、感湿性活性成分及びたぶん賦形剤をミキサーにおいて混合することを包含する。結合剤が粒状化のために使用される加工溶媒に溶解されるが、但し結合剤の追加の部分又はもう1つの結合剤は、感湿性薬剤物質と共に、乾燥混合状態において添加される賦形剤の1つであり得る。粒状化/加工溶媒、溶液又は懸濁液がミキサーにおいて乾燥粉末に添加され、そして混合され、湿潤粒状物が形成される。第2薬物物質が、湿潤粒状物に、単独で又は任意には、加工溶媒中、1又は複数の賦形剤と共に添加され、そして所望する特徴が達成されるまで、混合される。
【0049】
これは通常、適切な硬度、溶解、内容物均一性、及び他の物理的特性を有する錠剤の生成のための適切な特性のものである顆粒を生成する。湿潤粒状化段階の後、生成物はほとんど乾燥され、そして次に、乾燥の後、微粉砕され、所望するサイズ範囲内の主要%の生成物が得られる。好ましくは、湿潤粒状化の後、生成物は、乾燥減量(LOD)が約2.5%以下、より好ましくは約1.5%以下になるまで、乾燥される。好ましくは、生成物は、微粉砕されるか、又は1mmの開口スクリーン、より好ましくは0.8mmの開口スクリーンを通して分類される。
【0050】
好ましくは、本発明の安定性医薬組成物は、適切な溶媒/加工溶媒と共に湿潤粒状化することにより調製される。適切な溶媒/加工溶媒は、選択された結合剤を溶解することができる。好ましくは、溶媒/加工溶媒は、少なくとも10%(w/w)の濃度に達するまで、結合剤を溶解することができる。より好ましくは、溶媒/加工溶媒は、エタノール、イソプロピルアルコール、水及びそれらの組合せから成る群から選択される。好ましくは、湿潤粒状化により調製される安定製剤は、その製剤の重量の少なくとも4%、好ましくは約4%〜約20%、より好ましくは約5%〜約10%の結合剤を含んで成る。
【0051】
本発明の方法に使用するための適切な結合剤は、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン(PCP)及びその誘導体、ポリビニルアセテート(PVA)、又はポリビニルアルコールを包含する。好ましくは、結合剤は少なくともコポビドンを含んで成り、そしてより好ましくは、結合剤はエタノール又は水の溶液として適用される。エタノール又は水中、結合剤の好ましい溶液は、約25%〜約55%(w/w)の結合剤、好ましくはコポビドン、より好ましくは約30%〜約50%(w/w)の結合剤、好ましくはコポビドンを含んで成る。
【0052】
さらに、引用により本明細書に組込まれる、2006年6月2日に出願されたアメリカ同時継続出願11/446,336号はさらに、湿潤粒状化を用いての、感湿性活性医薬成分を含んで成る安定医薬組成物の調製を記載する。感湿性活性医薬成分及び結合剤を含んで成る湿潤粒状物の調製方法が本明細書に記載される。
【0053】
本発明の方法はさらに、本発明の医薬組成物の錠剤又はカプセルの調製段階も包含する。そのような錠剤の調製においては、前記方法はさらに、
f)段階e)からの前記組合された粒状物と、1又は複数の賦形剤とを混合し、最終ブレンドを形成し;
g)前記最終ブレンドを錠剤に圧縮し;そして
h)任意には、前記錠剤を化粧被膜により被覆する段階を含んで成る。好ましくは、化粧被膜は、防湿性質を有する。そのような化粧被膜の例は、ポリビニルアルコールに基づく錠剤被膜である。
【0054】
錠剤の任意の化粧被膜は好ましくは、約10%〜約25%、好ましくは約12%〜約15%、より好ましくは約12%〜約13%の化粧被膜のための粉末混合物を含んで成る懸濁液を調製し、そしてその懸濁液を錠剤上に適用することを含んで成る。化粧被膜懸濁液は好ましくは、錠剤が約2%〜約6%、好ましくは2.5%〜約4.5%の錠剤化粧被膜を含んで成るよう調製される。本発明における錠剤化粧被膜は、“防湿”性質を有する。ポリビニルアルコールに基づかれる、Colorconから入手できるOpadry(商標) II85Fシリーズとして市販されている、被膜懸濁液のための市販のシリーズの粉末混合物が、防湿性質を有するそのような化粧被膜の例である。
【0055】
ハード又はソフトシェルのいずれかを含んで成り、そして本発明の組成物を含むカプセルが調製され得る。シェルはゼラチンから製造され、そして任意には、可塑剤、例えばグリセリン及びソルビトール、及び不透明剤又は着色剤を含む。本発明のカプセル充填物は、錠剤化に関して記載される顆粒、すなわち1又は複数の賦形剤と共に混合される本発明の顆粒組成物の最終ブレンドを含んで成るが、しかしながら、それらは最終錠剤化段階にゆだねられない。さらに、そのようなカプセルは、医薬業界において良く知られているいずれかの方法により調製され得る。
【0056】
さらに、好ましくは態様においては、本発明は、
a)シラサプリル、ラクトース、タルク及び澱粉を混合し;
b)段階a)から得られる混合物に、結合剤、好ましくはコポビドンの溶液を添加し、湿潤粒状物を形成し;
c)任意には、前記湿潤粒状物と追加の澱粉とを組合し、そして混合し;
d)前記湿潤粒状物にHCTZを添加し、そして混合し;
e)乾燥し、そして次に、前記粒状物を微粉砕し;そして
f)段階e)において得られた粒状物にステアリルフマル酸ナトリウムを添加し、そして混合し、最終ブレンドを得ることを含んで成る、安定医薬組成物の調製方法を提供する。
【0057】
本発明の組成物は、治療において有用である。特に、本発明の組成物は、高血圧の処理において有用である。
本発明はまた、感湿性活性医薬成分、好ましくはシラザプリル、第2活性医薬成分、好ましくはヒドロクロロチアジド及び少なくとも1つの医薬賦形剤を含んで成る安定医薬組成物の治療的有効量を、疾病、好ましく波高血圧を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法であって、前記活性医薬成分が少なくとも1つの医薬賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化されることを特徴とする方法を提供する。
【0058】
次の例は、本発明をさらに例示するために提供される。それらの例は、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0059】
例1:湿潤粒状化、結合剤としてのヒプロメロース(HPMC)、1段階粒状化
高剪断ミキサーにおいて、次のものを1分間、混合した:7.8gのシラザプリル・一水和物、178.8gのラクトース・一水和物、4.5gのタルクエキストラファイン、18.8gのヒドロクロロチアジド及び75.0gの澱粉。ヒプロメロースの20%(w/w)水溶液60gを添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて4分間、混合した。6gの水を添加し、そしてそのブレンドを高剪断ミキサーにおいて1分間、混合した。得られる粒状物を、流動層ドライヤーを用いて乾燥し、そして乾燥粒状物を、0.8mmのスクリーンを通して振動グラニュレーターにおいて微粉砕した。微粉砕された粒状物を、2.7gのスクリーンされたステアリルフマル酸ナトリウムと共に組合し、そしてY−コーンブレンダーにおいて5分間、混合した。
【0060】
錠剤を、回転錠剤プレスにおいて最終ブレンドから圧縮した。錠剤を、アルミニウム箔により被覆された、低温形成されたアルミニウムブリスターに包装した。包装された錠剤を55℃で貯蔵した。主要分解生成物シラザプリラットを、HPLC方法を用いて試験した。
【0061】
例2:湿潤粒状化、結合剤としてのコポビドン、1段階粒状化
高剪断ミキサーにおいて、次のものを1分間、混合した:5.2gのシラザプリル・一水和物、115.3gのラクトース・一水和物、3.0gのタルクエキストラファイン、12.5gのヒドロクロロチアジド及び50.0gの澱粉。コポビドンの36.4%(w/w)水溶液33gを添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて3分間、混合した。得られる粒状物を、流動層ドライヤーを用いて乾燥し、そして乾燥粒状物を、0.8mmのスクリーンを通して振動グラニュレーターにおいて微粉砕した。微粉砕された粒状物を、1.6gのスクリーンされたステアリルフマル酸ナトリウムと共に組合し、そしてY−コーンブレンダーにおいて5分間、混合した。
【0062】
錠剤を、回転錠剤プレスにおいて最終ブレンドから圧縮した。錠剤を、アルミニウム箔により被覆された、低温形成されたアルミニウムブリスターに包装した。包装された錠剤を55℃で貯蔵した。主要分解生成物シラザプリラットを、HPLC方法を用いて試験した。
【0063】
例3:湿潤粒状化、結合剤としてのヒプロメロース(HPMC)、2段階粒状化
高剪断ミキサーにおいて、次のものを1分間、混合した:10.4gのシラザプリル・一水和物、238.4gのラクトース・一水和物、6.0gのタルクエキストラファイン及び100.0gの澱粉。ヒプロメロースの20%(w/w)水溶液80gを添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて3分間、混合した。8.2gの水を添加し、そしてそのブレンドを高剪断ミキサーにおいて1分間、混合した。25.0gのヒドロクロロチアジドを、前記湿潤ブレンドに添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて2分間、混合した。得られる粒状物を、流動層ドライヤーを用いて乾燥し、そして乾燥粒状物を、0.8mmのスクリーンを通して振動グラニュレーターにおいて微粉砕した。微粉砕された粒状物を、3.8gのスクリーンされたステアリルフマル酸ナトリウムと共に組合し、そしてY−コーンブレンダーにおいて5分間、混合した。
【0064】
錠剤を、回転錠剤プレスにおいて最終ブレンドから圧縮した。錠剤を、アルミニウム箔により被覆された、低温形成されたアルミニウムブリスターに包装した。包装された錠剤を55℃で貯蔵した。主要分解生成物シラザプリラットを、HPLC方法を用いて試験した。
【0065】
例4:湿潤粒状化、結合剤としてのコポビドン、2段階粒状化
高剪断ミキサーにおいて、次のものを1分間、混合した:10.4gのシラザプリル・一水和物、234.4gのラクトース・一水和物、6.0gのタルクエキストラファイン及び100.0gの澱粉。コポビドンの36.4%(w/w)水溶液66gを添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて10分間、混合した。25.0gのヒドロクロロチアジドを、前記湿潤ブレンドに添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて2分間、混合した。得られる粒状物を、流動層ドライヤーを用いて乾燥し、そして乾燥粒状物を、0.8mmのスクリーンを通して振動グラニュレーターにおいて微粉砕した。微粉砕された粒状物を、3.9gのスクリーンされたステアリルフマル酸ナトリウムと共に組合し、そしてY−コーンブレンダーにおいて5分間、混合した。
【0066】
錠剤を、回転錠剤プレスにおいて最終ブレンドから圧縮した。錠剤を、アルミニウム箔により被覆された、低温形成されたアルミニウムブリスターに包装した。
包装された錠剤を55℃で貯蔵した。主要分解生成物シラザプリラットを、HPLC方法を用いて試験した。
【0067】
例5:湿潤粒状化、結合剤としてのコポビドン、2段階粒状化、第2粒状化段階において添加される澱粉及び粒状化溶液の一部
高剪断ミキサーにおいて、次のものを1分間、混合した:5.2gのシラザプリル・一水和物、115.3gのラクトース・一水和物、及び3.0gのタルクエキストラファイン。コポビドンの36.4%(w/w)水溶液27.5gを添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて1.7分間、混合した。50.0gの澱粉を前記湿潤ブレンドに添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて2分間、混合した。
【0068】
12.5gのヒドロクロロチアジドを、前記湿潤ブレンドに添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて20秒間、混合した。コポビドンの36.4%(w/w)水溶液5.5gを添加し、そしてその塊状物を高剪断ミキサーにおいて2分間、混合した。得られる粒状物を、流動層ドライヤーを用いて乾燥し、そして乾燥粒状物を、0.8mmのスクリーンを通して振動グラニュレーターにおいて微粉砕した。微粉砕された粒状物を、1.7gのスクリーンされたステアリルフマル酸ナトリウムと共に組合し、そしてY−コーンブレンダーにおいて5分間、混合した。
【0069】
錠剤を、回転錠剤プレスにおいて最終ブレンドから圧縮した。錠剤を、アルミニウム箔により被覆された、低温形成されたアルミニウムブリスターに包装した。包装された錠剤を55℃で貯蔵した。主要分解生成物シラザプリラットを、HPLC方法を用いて試験した。
【0070】
【表2】

【0071】
例6:シラザプリル及びHCTZの医薬組成物の安定性試験
シラザプリル及びHCTZの混合物を湿潤粒状化する方法(“1段階湿潤粒状化方法”)において調製された、シラザプリル及びHCTZの医薬組成物の安定性と、最初にシラザプリルを湿潤粒状化し、湿潤粒状物を形成し、これにHCTZが添加される方法(“2段階湿潤粒状化方法”)において調製されたそのような医薬組成物の安定性とを比較する比較安定性試験を実施した。表3は、55℃の応力条件下でのそのような生成物(例1〜5)の4週間の貯蔵を示す。表における結果は、本発明のシラザプリル及びHCTZの医薬組成物の2段階湿潤粒状化方法が、1手段湿潤粒状化方法に比較して、安定医薬組成物を提供することを示す。
【0072】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)感湿性活性医薬成分;及び
b)第2活性医薬成分を含んで成り、ここで前記感湿性活性医薬成分が最初に、少なくとも1つの加工溶媒中、少なくとも1つの医薬賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化され、次に前記第2活性医薬成分と共に粒状化されることを特徴とする安定医薬組成物。
【請求項2】
前記感湿性活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約0.1%〜約25%である請求項1記載の安定医薬組成物。
【請求項3】
前記感湿性活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約0.5%〜約15%である請求項2記載の安定医薬組成物。
【請求項4】
前記感湿性活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約0.6%〜約2.7%である請求項3記載の安定医薬組成物。
【請求項5】
前記感湿性活性医薬成分が、シラザプリル(Cilazapril)である請求項1記載の安定医薬組成物。
【請求項6】
前記第2活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約1%〜約25%である請求項1記載の安定医薬組成物。
【請求項7】
前記第2活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約5%〜約10%である請求項6記載の安定医薬組成物。
【請求項8】
前記第2活性医薬成分が、ヒドロクロロチアジドである請求項1記載の安定医薬組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つの医薬賦形剤が結合剤である請求項1記載の安定医薬組成物。
【請求項10】
前記結合剤が、セルロース誘導体類、ポリビニルピロリドン類及びそれらの誘導体類、ポリビニルアセテート類、及びポリビニルアルコール類から成る群から選択される請求項9記載の安定医薬組成物。
【請求項11】
前記結合剤が、コポビドン及びヒプロメロースから成る群から選択される請求項10記載の安定医薬組成物。
【請求項12】
前記結合剤の量が、前記組成物の合計重量の少なくとも約4%である請求項9記載の安定医薬組成物。
【請求項13】
前記結合剤の量が、前記組成物の合計重量の約4%〜約20%である請求項12記載の安定医薬組成物。
【請求項14】
前記結合剤の量が、前記組成物の合計重量の約5%〜約10%である請求項13記載の安定医薬組成物。
【請求項15】
前記感湿性活性医薬成分が、主要分解生成物を有し、そして前記組成物が、貯蔵の後、医薬組成物における感湿性活性医薬成分の合計初期重量の約3重量%以下の量で、この主要分解生成物を含んで成る請求項1記載の安定医薬組成物。
【請求項16】
前記医薬組成物における感湿性活性医薬成分の主要分解生成物の量が、前記感湿性活性医薬成分の合計初期重量の2重量%以下である請求項15記載の安定医薬組成物。
【請求項17】
前記医薬組成物における感湿性活性医薬成分の主要分解生成物の量が、前記感湿性活性医薬成分の合計初期重量の1重量%以下である請求項16記載の安定医薬組成物。
【請求項18】
貯蔵が、アルミニウム−アルミニウムコールドフォームブリスターと少なくとも同じほど効果的である防湿性質を有するパッケージにおいて行われる請求項15記載の安定医薬組成物。
【請求項19】
貯蔵が、55℃で4週間行われる請求項18記載の安定医薬組成物。
【請求項20】
前記組成物が、固体投与形で存在する請求項1記載の安定医薬組成物。
【請求項21】
前記投与形が、錠剤及びカプセルから成る群から選択される請求項20記載の安定医薬組成物。
【請求項22】
前記投与形が錠剤である請求項21記載の安定医薬組成物。
【請求項23】
前記錠剤が化粧錠剤被膜を含んで成る請求項22記載の安定医薬組成物。
【請求項24】
前記化粧錠剤被膜が、防湿性質を有する請求項23記載の安定医薬組成物。
【請求項25】
防湿性質を有する前記化粧錠剤被膜が、Opadry(商標) 85Fシリーズの錠剤被膜から成る群から選択される請求項24記載の安定医薬組成物。
【請求項26】
前記化粧錠剤被膜が、錠剤重量の約2%〜約6%の量で存在する請求項23記載の安定医薬組成物。
【請求項27】
前記化粧錠剤被膜の量が、錠剤重量の約3%〜約3.5%である請求項26記載の安定医薬組成物。
【請求項28】
感湿性活性医薬成分及び第2活性医薬成分を含んで成る医薬組成物の調製方法であって、
a)感湿性活性医薬成分を供給し;
b)前記感湿性活性医薬成分と、少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤とを混合し、混合物を形成し;そして
c)前記混合物を、1又は複数の加工溶媒に溶解された結合剤賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化し、湿潤粒状物を形成し;
d)第2活性医薬成分及び任意には1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る材料を供給し;そして
e)段階c)からの湿潤粒状物に、段階d)からの材料を添加し、組合された粒状物を形成する段階を含んで成り、
ここで段階d)の前記材料が、第2医薬成分及び1又は複数の医薬賦形剤を含んで成る場合、前記材料は任意には、前記第2医薬成分と1又は複数の医薬賦形剤とを混合することにより得られる混合物である、方法。
【請求項29】
前記感湿性活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約0.1%〜約25%であり、そして前記第2活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約1%〜約25%である請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記感湿性活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約0.6%〜約2.7%であり、そして前記第2活性医薬成分の量が、前記組成物の合計重量の約5%〜約10%である請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記感湿性活性医薬成分が、シラザプリルであり、そして前記第2医薬成分が、ヒドロクロロチアジドである請求項28記載の方法。
【請求項32】
前記結合剤が、セルロース誘導体類、ポリビニルピロリドン類及びそれらの誘導体類、ポリビニルアセテート類、及びポリビニルアルコール類から成る群から選択される請求項28記載の方法。
【請求項33】
前記結合剤が、コポビドン及びヒプロメロースから成る群から選択される請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記結合剤の量が、前記組成物の合計重量の少なくとも約4%である請求項28記載の方法。
【請求項35】
前記結合剤の量が、前記組成物の合計重量の約5%〜約10%である請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記加工溶媒が、エタノール、イソプロパノール、水、及びそれらの組合せから成る群から選択される請求項28記載の方法。
【請求項37】
前記結合剤が、水又はエタノール中、溶液として適用される請求項28記載の方法。
【請求項38】
前記水又はエタノール中、結合剤の溶液が、約25%〜約55%(w/w)の結合剤を含んで成る請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記水又はエタノール中、結合剤の溶液が、約30%〜約50%(w/w)の結合剤を含んで成る請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記方法がさらに、
f)前記組合された粒状物と、1又は複数の賦形剤とを混合し、最終ブレンドを形成し;
g)前記最終ブレンドを錠剤に圧縮し;そして
h)任意には、前記錠剤を化粧被膜により被覆する段階を含んで成る請求項28記載の方法。
【請求項41】
前記錠剤を被覆する段階が、約10%〜約15%の化粧被覆のための粉末混合物を含んで成る懸濁液を調製し、そして前記懸濁液を錠剤上に通用することを含んで成る請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記懸濁液が、約12%〜約13%の化粧被膜のための粉末混合物を含んで成る請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記化粧被膜が防湿性質を有し、そして前記化粧被膜のための粉末混合物がOpadry(商標) 85Fシリーズの粉末混合物から選択される請求項41記載の方法。
【請求項44】
医薬組成物の調製において、さらに、前記粒状物と1又は複数の賦形剤とを混合し、最終ブレンドを形成し、そして前記最終ブレンドをカプセルに充填することを含んで成る請求項28記載の方法。
【請求項45】
感湿性活性医薬成分、第2活性医薬成分及び少なくとも1つの医薬賦形剤を含んで成る安定医薬組成物の治療的有効量を、疾病を有する患者に投与することを含んで成る、前記患者の処理方法であって、前記活性医薬成分が少なくとも1つの医薬賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化され、そして前記感湿性活性医薬成分が最初に、第2活性医薬成分を含まない、加工溶媒中、少なくとも1つの医薬賦形剤の溶液と共に湿潤粒状化され、その後前記第2活性医薬成分と共に粒状化されることを特徴とする方法。
【請求項46】
前記疾病が高血圧である請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記感湿性活性医薬成分が、シラザプリルであり、前記第2活性医薬成分が、ヒドロクロロチアジドであり、そして少なくとも1つの医薬賦形剤が、結合剤である請求項45記載の方法。
【請求項48】
前記結合剤が、コポビドン及びヒプロメロースから成る群から選択される請求項47記載の方法。

【公表番号】特表2009−542806(P2009−542806A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519417(P2009−519417)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/026899
【国際公開番号】WO2008/008057
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】