説明

成形型および発泡成形品

【課題】成形不良の一つであるバリが発生した場合でも、成形品表面からのバリの突出を防止することができる成形型および発泡成形品を提供すること。
【解決手段】成形型10は、少なくとも凹型4と、該凹型4に一部が嵌め合いされる凸型2とを具備しており、凸型2の端面21と、凹型4の内壁面41,42によって画成されるキャビティC内で発泡成形品を成形するための成形型である。この凸型2の端面21には、該端面21の輪郭に沿う突条22が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡成形品を製造する際に使用される成形型と発泡成形品に係り、特に、成形不良の一つであるバリが発生した場合でも、成形品表面からのバリの突出を防止することができる成形型と、該成形型によって製造される発泡成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発泡成形品を成形する一つの技術として、ポリスチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を予備発泡して予備発泡粒子を製造し、この予備発泡粒子を成形型内に充填し、蒸気等によって加熱し、発泡融着させることによって所望形状の成形品を製造する方法がある。
【0003】
上記方法において、予備発泡粒子が充填されるキャビティ(成形空間)は、成形型を構成する凹型と該凹型にその一部が嵌め合いされる凸型とによって画成されるのが一般的である。この凹型および凸型によってキャビティを画成し、該キャビティ内で発泡成形品を製造する方法では、成形型の繰り返し使用等によって凹型と凸型とが滑らかに嵌め合いし難くなり、結果として双方の型の嵌め合い面が磨耗されて削り取られたり、その一部が引っ掛かって損傷するといった不具合が生じてしまう。この嵌め合い部の損傷により、特に成形品の輪郭部には成形不良の一つであるバリが形成され易くなる。バリの発生を防止ないしは低減するために、嵌め合い部のメンテナンスを定期的におこなったとしても、バリの発生を完全に防止することは極めて困難である。
【0004】
ところで、バリの発生を防止することを目的に、凹型と凸型双方の嵌め合い部(型割部)を90度未満の任意のテーパー面とした発泡成形用金型にかかる発明が特許文献1に開示されている。この金型によれば、上記嵌め合い部を形成する両金型の当接面間に形成される隙間(クラッキング)を大きく設定することが可能となり、予備発泡粒子をキャビティに充填するための充填用エアーをキャビティ外へ効率的に排出することが可能となる。さらには、熱膨張差による凸型の磨耗を効果的に防止することができ、結果としてバリの発生を低減することが可能となる。
【0005】
また、成形型のキャビティ内にて発泡成形品を製造する他の技術として特許文献2に開示の型内成形装置、型内成形用金型にかかる発明を挙げることができる。この成形用金型は、キャビティを画成する凸金型と凹金型をインナープレートを介して成形装置本体に取り付けてなり、少なくとも凹金型が、その外側周縁の一部をインナープレートに突き当たるように取り付けられることにより、凹金型の面方向への樹脂の膨張をインナープレートにて抑制し、バリの発生を防止ないしは低減できるというものである。
【0006】
【特許文献1】特開2004−338252号公報
【特許文献2】特開2003−33938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2に開示の成形用金型によれば、成形型の構造や形状を改良することにより、発泡成形品に形成されるバリの発生を低減することが可能となる。しかし、成形型の構造や形状に工夫を凝らしたとしても、バリの発生を完全に防止することは困難であり、成形品にバリが生じた際には、その外観や機能低下を防止するために、バリの除去作業が余儀なくされることに変わりはない。この除去作業は作業員の手作業によるため、結果として成形品の完成までに時間を要すとともに、製造コストも必然的に高くなってしまう。
【0008】
本発明の成形型および発泡成形品は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、発泡成形品の製造時にバリが発生した場合でも、成形品の外観や機能の低下を防止することのできる成形型と、該成形型によって製造される発泡成形品を提供することを目的としている。また、成形品にバリが生じた場合でも、バリの除去を必ずしもおこなう必要がなく、したがって、成形品の製造時間の長期化やその製造コストの高騰を招来させることのない成形型および発泡成形品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成すべく、本発明による成形型は、少なくとも凹型と、該凹型に一部が嵌め合いされる凸型と、を具備しており、凸型の端面と、凹型の内壁面によって画成されるキャビティ内で発泡成形品を成形するための成形型において、凸型の前記端面に、該端面の輪郭に沿う突条が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明の成形型は、例えば固定型および可動型から構成される成形型において、その一方に凹型が取り付けられ、他方に凸型が取り付けられてなり、凸型の一部が凹型に嵌め合いされてできるキャビティ内に適宜の発泡性樹脂粒子が充填され、蒸気加熱等によって粒子を発泡/溶着させることによって所望形状の成形品を製造するものである。
【0011】
凸型と凹型はともに任意素材の金型からなり、例えばアルミニウム合金鋳物から成形することができる。
【0012】
この凸型がキャビティに臨む端面には、その輪郭に沿う突条が設けられている。ここで、端面の輪郭とは、その外郭線のほか、端面の内部に凹溝や突起がある場合には、それらの外郭線をも含む意味である。また、この突条の断面形状は、半円状、1/4円状、半楕円状、1/4楕円状、外側が突出する三角形状など、少なくとも製造される成形品の輪郭部に凹条が形成されるような突条形態であればよい。
【0013】
本発明の成形型によれば、凸型と凹型との繰り返し使用等により、凸型が凹型と摺接する部位が磨耗され、成形される成形品の輪郭部にバリが生じた場合でも、該バリは、凸型端面の突条によって成形品の輪郭部に形成される凹条内に収容される。したがって、成形品の表面からバリが突出することがなくなり、仮にバリを残置させたとしても成形品の外観や機能を損なうといった問題は生じ得ない。
【0014】
なお、上記する突条の突出長は、発泡成形品の樹脂素材や、その形状および寸法等によって異なるバリの突出長よりも長い突出長となるように設定されていればよく、例えば、発明者等の経験則から1〜10mm程度の突出長の突条に設定することができる。
【0015】
また、凹型の内壁面を構成する側面、底面のうち、側面の形状は、複数の鉛直面から構成する形態のほか、鉛直面(垂直部)と該鉛直面から底面内側へ傾斜するテーパー面(テーパー部)とからなる複数の側面形態など、製造される成形品の形状に応じた適宜の形態を適用することができる。ここで、テーパー面を有する側面を備えた凹型の側壁においては、鉛直面とテーパー面との取り合い部(テーパー面の開始レベル)を可及的に底面に近いレベルに設定するのが好ましい。側面がテーパー部を備える成形品において、該成形品の厚み(上面から底面までの厚み)を可及的に薄くすることができ、また、その厚みの調整範囲を広げることができるからである。
【0016】
本発明の成形型によれば、成形品の輪郭部のバリの発生を許容できるため、製造された成形品から必ずしもバリを除去する必要はない。したがって、バリの除去に要する作業手間を省くことができ、かかる除去作業に起因する成形品の製造コストの高騰を防止することができる。成形品の輪郭部に生じるバリを許容するといっても、発生するバリは輪郭部に形成された凹条内に収容され、成形品の端面から突出することがないため、成形品の外観を損なうことはなく、さらにはその機能低下を招来することもない。
【0017】
また、本発明による発泡成形品は、表面の一部または全部が他の部材で被覆される箇所に載置される発泡成形品において、発泡成形品の前記表面に、該表面の輪郭に沿う凹条が設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明は、既述する成形型によって製造される発泡成形品に関するものであり、成形型の凸型の端面がその輪郭に沿う突条を具備していることにより、成形される成形品の表面(凸型端面側の面)に、該表面の輪郭に沿う凹条が具備されてなる発泡成形品である。この発泡成形品としては、各種の緩衝材や車両用の内装材などを挙げることができる。
【0019】
この発泡成形品は、その表面の輪郭部において、任意断面の凹条が形成されており、仮に型内成形の際に該輪郭部にバリが生じた場合でも、このバリは凹条内に収容され、その表面から突出する可能性は極めて低い。したがって、バリによる成形品の外観や機能低下を招来する危険性も極めて低い。なお、ここでいう機能の低下とは、バリが製品表面から突出することにより、例えば成形品の表面の一部または全部が別途の部材(シートや他の発泡成形品など)によって被覆される場合に被覆作業を困難ならしめることなどを意味している。
【0020】
さらに、本発明による発泡成形品の他の実施の形態は、前記発泡成形品が、発泡性樹脂粒子から成形される車両用フロアスペーサであることを特徴とする。
【0021】
発泡性樹脂粒子は特に限定するものではないが、発泡性樹脂粒子として熱可塑性樹脂粒子を使用する場合は、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを使用することができ、発泡性樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合は、ポリウレタン系樹脂などを使用することができる。中でも、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させて得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂の樹脂粒子発泡成形体は、ポリエチレン系樹脂粒子の発泡成形体やポリプロピレン系樹脂粒子の発泡成形体に比べて、寸法安定性と形状保持性に優れていること、ポリスチレン系樹脂粒子の発泡成形体に比べて擦れによる粉が出難いことの理由から特に好ましい。また、スチレン改質ポリエチレン系樹脂におけるスチレン成分の割合は40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、より好ましくは55〜75重量%である。
【0022】
また、車両用フロアスペーサは、車両への設置時に室内側となる上面が水平に形成されている水平パッドや、車両への設置時に車体側となる底面に複数の凹溝が形成されている下肢部衝撃吸収パッド、さらには、それらが一体に成形された製品ないしは接着剤等で接着された製品などである。ここで、上記する凹溝の形態は特に限定するものではないが、例えば、車両の前後方向や左右方向に延設する縦長状の形態や、平面視が矩形や円形、楕円形の形態などを適用できる。また、その溝深さも適宜に調整することができ、車両衝突時において、該凹溝が座屈することによって衝撃エネルギーを効果的に吸収できる形状(深さを含む)であれば適宜に設定することができる。
【0023】
フロアスペーサの成形に際しては、例えば上記するスチレン改質ポリエチレン系樹脂をはじめとする熱可塑性樹脂に、発泡剤を含浸させて発泡性の熱可塑性樹脂とし、該発泡性の熱可塑性樹脂を加熱水蒸気等で予備発泡させることで予備発泡粒子を製造する。次いで、かかる予備発泡粒子を上記する成形型のキャビティ内に充填し、蒸気加熱等によって発泡成形すればよい。ここで、フロアスペーサの発泡倍率は、例えば3〜70倍の範囲内で調整した予備発泡粒子により成形するのがよい。発泡倍率が3倍未満のものは非常に硬くなるため、発泡体による十分な塑性変形性能を期待することができない。一方、発泡倍率が70倍を越えてしまうと、発泡体が軟らかすぎてしまい、発泡体としての反力を得ることが難しくなる。
【0024】
本発明による車両用フロアスペーサによれば、その表面輪郭部に凹条が形成されることにより、該輪郭部にバリが生じている場合でも、このバリは凹条内に収容されて表面から突出することがないため、その表面に敷設されるフロアカーペットの敷設作業の作業効率を低下させることがない。
【発明の効果】
【0025】
以上の説明から理解できるように、本発明の成形型と該成形型によって成形される発泡成形品によれば、成形型を構成する凸型端面の輪郭部に突条が設けられていることにより、成形品の表面輪郭部にバリが生じた場合でも、該輪郭部に形成された凹条内にバリを収容することによってバリが表面から突出することを効果的に防止することができる。そのため、必ずしもバリを除去する必要はなく、バリを残置した場合であっても、成形品の外観やその機能を低下させることを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の成形型の一実施の形態の断面図を、図2a〜図2cはそれぞれ、凸型端面の輪郭に沿って設けられた突条の実施の形態を示した断面図を示している。図3は、本発明の発泡成形品である車両用フロアスペーサの一実施の形態の斜視図を、図4は、凹型の他の実施の形態を示した断面図であって、図4aは改良前の実施の形態の断面図であり、図4bは改良後の実施の形態の断面図をそれぞれ示している。図5は、図3の車両用フロアスペーサがフロアフレームに載置され、その上にフロアカーペットが被覆されている断面図を、図6は、図5のVI部の拡大図をそれぞれ示している。なお、図示する発泡成形品は水平パッドと下肢部衝撃吸収パッドとが一体に成形されてなる車両用フロアスペーサであるが、本発明の発泡成形品は、任意の緩衝材やその他の車両用内装品であってもよいことは勿論のことである。
【0027】
図1は、成形型の一実施の形態の断面図である。この成形型10は、可動型1と、該可動型1の内部にボルト固定され、下方に突出する凸型2と、この凸型2の一部が摺動しながら嵌め合いされる凹型4と、該凹型4がボルト固定される固定型3とから大略構成されている。可動型1の内部に配設され、凸型2の端面21に連通する充填パイプ53,53を介して、凸型2の端面21と、凹型4の内壁面を形成する壁面41、底面42とによって画成されるキャビティC内に発泡樹脂粒子が充填される(図中のZ2方向)。
【0028】
可動型1と固定型3は、それぞれの側面の取り合い部が案内プレート51によって包囲され、可動型1の可動時(図中のZ1方向)に双方が位置ずれしないように組付けられている。可動型1に穿孔されたボルト孔11には、可動型1の側面と案内プレート51を繋ぐ可動ボルト52が昇降自在に遊嵌されている。
【0029】
凸型2の端面21の輪郭部には、その輪郭に沿う突条22が形成されている。この突条22の断面視形状(図で示す断面形状)は、1/4円の形状となっている。また、図示する突条22の突出長tは、発泡成形時に生じるバリの突出長(鉛直上方への長さ)を勘案して、該バリの突出長以上の長さとなるように設定される。発明者等の経験則によれば、この突条22の突出長は1〜10mm程度に設定することができる。
【0030】
図2は、突条22の断面形状の他の実施の形態を示した図である。図2aは、1/4楕円状の断面視形状を有する突条22aを、図2bは、矩形断面の突条22bを、図2cは、外側が下方に突出する三角形状を有する突条22cをそれぞれ示している。この突条22の断面視形状は、図示する実施の形態以外にも任意の形状を適用できるが、少なくとも、想定されるバリが成形品の表面から突出しないような断面形状および寸法を備えた突条態様であればよい。
【0031】
図3は、図1に示す成形型10によって製造された発泡成形品の一実施の形態である車両用フロアスペーサを示したものである。この車両用フロアスペーサ100は、水平パッド101と下肢部衝撃吸収パッド102とが一体に成形されてなるフロアスペーサである。なお、下肢部衝撃吸収パッド102の下面には、車両への設置時に車体側となる底面に複数の凹溝が形成されている実施の形態であってもよい。
【0032】
この車両用フロアスペーサ100の表面には、その輪郭に沿う凹条103が形成されており、この凹条103により、輪郭部に生じ得るバリを収容して該バリがフロアスペーサ100の表面から突出しないようになっている。また、従来のフロアスペーサでは、輪郭部が鋭角なために該輪郭部が欠損し易いという問題があったが、輪郭部に図示する凹条103を形成することによってかかる問題も解消することができる。
【0033】
車両用フロアスペーサ100の成形方法は、例えばスチレン改質ポリエチレン系樹脂を使用し、下肢部衝撃吸収パッド用の予備発泡粒子を水平パッドの予備発泡粒子に比して低倍率にて予備発泡させた粒子を、固有の不図示の充填口からキャビティ内に充填する。ここで、キャビティ内における下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドとの境界付近には、双方の粒子が混ざり合わないように予め隔壁を設けておき、それぞれの形状をキャビティの内壁面と隔壁にて画成しておく。区画された各キャビティ内にそれぞれの予備発泡粒子を同時充填し、充填後にキャビティ内から隔壁を速やかに除去することにより、水平パッド101と下肢部衝撃吸収パッド102とで発泡倍率の異なる車両用フロアスペーサ100を成形することができる。
【0034】
なお、図示する車両用フロアスペーサ以外にも、水平パッドのみ、または下肢部衝撃吸収パッドのみを成形型10にて成形することができることは勿論のことである。
【0035】
図4は、成形型10を構成する凹型の他の実施の形態を凸型とともに示した図である。
ここで、図4aは、底部にテーパー面4a1を有する内部側壁を備えた凹型4aを図示したものであり、側壁におけるテーパー部4a1の開始位置のレベルが比較的高い場合(すなわち、テーパー部の鉛直長さL1が長い場合)の実施の形態である。
【0036】
また、成形される発泡成形品がその側壁下部にテーパー部を有する場合には、凹型の側壁において可及的に下方にテーパー部を備えた図4bに示す凹型4bを適用するのが好ましい。テーパー部4b1の開始位置のレベルを低く設定し、その鉛直長さL2を短く設定することにより、突条22とテーパー部4b1とが干渉し難くなり、突条22の損傷による成形品のバリの発生を抑制できるとともに、薄厚の発泡成形品の製造や厚みの調整範囲を広げることができる(図中の2点鎖線で矢印Z3方向)。
【0037】
図5は、図3に示す車両用フロアスペーサ100を車両のフロアフレーム200に設けられた凹溝201内に収容設置し、その表面にフロアカーペット300を敷設した状態を示した断面図である。
【0038】
この車両用フロアスペーサ100の表面の輪郭部には、図6の拡大図で詳細に示すように成形時にバリB,…が生じている。図示する実線で示したバリBは比較的大きなバリを、二点鎖線で示したバリB’は比較的小さなバリを示している。このバリBはフロアスペーサ100の輪郭部に形成された凹条103内に収容されており、その表面に敷設されたフロアカーペット300まで達していない。したがって、バリBがフロアカーペット300敷設時の障害となることがなく、また、フロアカーペット300を損傷させる危険性もない。
【0039】
本発明の成形型10によって成形される車両用フロアスペーサ100によれば、その表面の輪郭に沿ってバリを収容可能な凹条が形成されているため、仮にフロアスペーサ成形時にバリが生じた場合でも、バリを残置させた状態で、効率的なフロアフレームの設置が可能となる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の成形型の一実施の形態の断面図。
【図2】(a)〜(c)はそれぞれ、凸型端面の輪郭に沿って設けられた突条の実施の形態を示した断面図。
【図3】本発明の発泡成形品である車両用フロアスペーサの一実施の形態の斜視図。
【図4】凹型の他の実施の形態を示した断面図であって、(a)は改良前の実施の形態の断面図であり、(b)は改良後の実施の形態の断面図。
【図5】図3の車両用フロアスペーサがフロアフレームに載置され、その上にフロアカーペットが被覆されている断面図。
【図6】図5のVI部の拡大図。
【符号の説明】
【0042】
1…可動型、11…スリット、2…凸型、21…端面、22,22a,22b,22c…突条、3…固定型、4,4a,4b…凹型、4a1,4b1…テーパー部、41…側面、42…底面、51…案内プレート、52…可動ボルト、10…成形型、100…車両用フロアスペーサ、101…水平パッド、102…下肢部衝撃吸収パッド、103…凹条、200…フロアフレーム、300…フロアカーペット、C…キャビティ、B,B’…バリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも凹型と、該凹型に一部が嵌め合いされる凸型と、を具備しており、凸型の端面と、凹型の内壁面によって画成されるキャビティ内で発泡成形品を成形するための成形型において、
凸型の前記端面に、該端面の輪郭に沿う突条が設けられていることを特徴とする成形型。
【請求項2】
表面の一部または全部が他の部材で被覆される発泡成形品において、
発泡成形品の前記表面に、該表面の輪郭に沿う凹条が設けられていることを特徴とする発泡成形品。
【請求項3】
表面の一部または全部が他の部材で被覆される発泡成形品において、
発泡成形品の側面に垂直部とテーパー部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の発泡成形品。
【請求項4】
前記発泡成形品が、発泡性樹脂粒子から成形される車両用フロアスペーサであることを特徴とする請求項2または3に記載の発泡成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−261190(P2007−261190A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91803(P2006−91803)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】