説明

成形装置

【課題】 装置全体を小型にすることができる成形装置を提供する。
【解決手段】 型開き状態において下型12を上型11に対して前方へ移動させる。この移動を利用して、中子19を支持する支持部材18の配列間隔を拡大し、中子19の周囲においてキャビティの一部を構成する分割型部材26の分割移動のためのスペースを確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば排水管路の接続部等に装着されるほぼ円筒状のエラストマーよりなるシールリングを成形するのに適した成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、水洗用トイレの便器と排水管との間の接続部等には、例えば図7及び図8に示すような構造のエラストマーよりなるシールリングが装着されている。このシールリング41は、外筒部42と、内筒部43と、両筒部42,43の一端部間を接続する接続部44とを備えている。外筒部42の他端部には、内周フランジ部45が内側に向かって突出形成されている。外筒部42の周面には、アンダーカット部46が形成されている。内筒部43の他端部には、内側筒状部47が折り返し状に形成されている。
【0003】
このような構造のシールリング41を成形するために、例えば図9及び図10に示すような成形装置が従来から使用されている。この成形装置においては、上型51に対して下型52が上下方向へ開閉可能に対向配置されている。そして、これらの上型51及び下型52間には、型閉め状態においてシールリング41を成形するための複数のキャビティ53が所定間隔おきに形成される。すなわち、上型51の下面には、各キャビティ53の上面側を形成するための複数の上側型部材54が所定間隔おきに配設されている。各上側型部材54と対応するように、下型52の上面には各キャビティ53の下面側の一部(下部側)を形成するための下側型部材55が所定間隔おきに配設されている。各下側型部材55には、複数の中子56がキャビティ53の内周面側を形成する成形位置と、その成形位置から上方へ向かう型開き方向に突出する突出位置との間で移動可能に挿通支持されている。各中子56の周側には、各一対の分割型部材57が中子56を包囲してキャビティ53の外周面側を形成する成形位置と、中子56の外周から離間する方向に2分割されて中子56の周囲を開放する開放位置との間で移動可能に配設されている。
【0004】
そして、この成形装置において、シールリング41を成形する場合には、図9に示すように、上型51及び下型52が型閉めされて、両型51,52間に複数のキャビティ53が形成される。この状態で、各キャビティ53内に図示しないゲートを介してエラストマー等の成形材料が注入されることにより、複数のシールリング41が同時に成形される。その後、図10に示すように、下型52が上型51から型開きされて、各シールリング41が上側型部材54から下方に分離される。この状態で、各分割型部材57が成形位置から開放位置に移動されて、各シールリング41の周囲が開放される。さらに、各中子56が成形位置から突出位置に移動されて、各シールリング41が下側型部材55から上方に分離される。よって、この状態で各シールリング41を中子56上から手作業で取り外すことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この従来の成形装置においては、上型51と下型52との間の複数のキャビティ53を相互に近接して配列形成することができず、結果として成形装置全体が大型になるという問題があった。すなわち、この従来装置では、各中子56の周側に、各一対の分割型部材57を図9に示す中心側の成形位置から図10に示す外周側の開放位置へ移動させることを可能にするための許容スペースを確保する必要がある。このため、下型52上に複数の中子56を近接状態で配列することができず、中子56の配列間隔が広くなって、前述のように成形装置全体が大型になる。
【0006】
また、この従来装置では、1つの中子56に対応した対をなす2つの分割型部材57を中心側の成形位置と外周側の開放位置との間で、互いに反対方向へ移動させる必要がある。このため、作動方向が反対方向の複数の駆動源を設けたり、複数の駆動源を設けない場合は、1つの駆動源と各一対の分割型部材57との間に作動方向を変換する機構を設けたりする必要があって、駆動構成が複雑になるという問題もあった。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、複数のキャビティを近接して配列形成することができて、装置全体を小型にすることができるとともに、分割型部材の駆動構成を簡素化することができる成形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するために、請求項1に記載の発明においては、開閉可能な第1の型と第2の型と間に複数のキャビティが配列形成され、第1,第2いずれか一方の型の各キャビティが、成形位置から型開き方向に突出移動可能な中子と、その中子の周囲の成形位置から中子の周囲を開放して中子の突出移動を可能にする分割位置に移動可能な分割型部材とを備えた成形装置であって、前記各中子を、駆動手段によりキャビティの配列方向に移動される複数の支持部材にそれぞれ支持し、その駆動手段による前記支持部材の移動により中子の配列間隔が拡大されて前記分割型部材の分割方向への移動が許容されるように構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、支持部材群の移動方向両端部と、隣接する支持部材間に前記分割型部材を配置するとともに、前記駆動手段を移動方向前端の分割型部材に連結し、移動方向後端の分割型部材の前方移動位置を規制する規制機構と、各分割型部材と支持部材との間に設けられ、分割型部材及び支持部材の配列間隔が所定のほぼ等間隔に拡大されたときにそれらを連結状態にするとともに、それ以上の拡大移動を阻止する連結機構とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の発明において、前記規制機構は、分割型部材の移動を案内する案内部と分割型部材とのいずれか一方に形成された長孔と、その長孔に嵌合するように他方に形成されたピンとよりなることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明においては、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記連結機構は、支持部材と分割型部材とのいずれか一方に形成された長孔と、その長孔に嵌合するように他方に形成されたピンとよりなることを特徴とする。
【0012】
(作用)
この発明においては、第1及び第2の型の型閉め状態で、複数の支持部材が接近位置に移動配置されて、複数の中子が近接状態に配列される。このため、複数のキャビティが近接して配列形成されて、限られたスペース内で複数の成形品を成形することができる。また、第1及び第2の型の型開き時には、中子を支持する各支持部材が接近位置から離間位置に移動されて、中子の配列間隔が拡大され、各中子の周囲が開放される。このため、成形時における中子の配列間隔が狭くても、分割型部材のキャビティ開放方向への分割移動が許容される。そして、この状態で、各中子が突出位置に移動されて、各成形品が一方の型から分離される。よって、この状態で各成形品を中子上から取り外すことができる。
【0013】
しかも、この型開き時には、各支持部材の接近位置から離間位置への移動に連係して、各分割型部材が支持部材と同一方向に移動されて成形位置から開放位置に位置変更される。このため、従来構成とは異なり、分割型部材を異なった方向に作動させるための複数の駆動源を設けたり、駆動源と分割型部材との間に作動方向を変換する機構を設けたりする必要がなく、分割型部材の駆動構成を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明によれば、複数のキャビティを近接して配列形成することができて、装置全体を小型にすることができるとともに、分割型部材の駆動構成を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、この成形装置においては、第1の型としての上型11と、第2の型としての下型12とが装備されている。下型12は図示しないシリンダ等の駆動手段により上型11に対して上下方向へ開閉可能である。また、下型12は、駆動手段としてのシリンダ10により、図4に示すように、型開き状態において上型11から前方に向かって離間するように移動可能である。なお、図1〜図6において、図面の右側を前方、左側を後方とする。そして、これらの上型11及び下型12間には型閉め状態において、例えば図7及び図8に示すような構造のシールリング41等の成形品を成形するための複数のキャビティ13が前後方向及びそれと直交する左右方向に沿ってそれぞれ所定間隔おきに配列形成される。
【0016】
前記上型11の下面には、各キャビティ13の上面側を形成するための複数の上側型部材14が配設されている。左右方向において隣接する各一対のキャビティ13における上側型部材14間に位置するように、上型11にはそれらの各一対のキャビティ13内にエラストマー等の成形材料を注入するための複数のゲート15が形成されている。上型11の内部には、各上側型部材14を加温するためのヒータ16が埋設されている。そのヒータ16の上部に位置するように、上型11の内部には断熱材17が配設されている。
【0017】
前記下型12の上面には、各キャビティ13の下面側の一部を形成する複数の支持部材18が前後方向に移動可能に配設されている。そして、これらの支持部材18は、前後方向に移動することにより、図1〜図3に示すように、互いに接近して接触状態に配置される接近位置と、図4〜図6に示すように、所定間隔おきに前後方向に離間して配置される離間位置とに配置されるようになっている。各支持部材18には、それぞれ複数の支持孔18aが形成され、各支持孔18aは、各支持部材18が接近位置に配置された状態で、かつ上型11及び下型12の型閉め状態において、各上側型部材14と対応する。従って、各支持孔18aは、キャビティ13と同様に前後方向及び左右方向に配列されている。
【0018】
前記各支持部材18の各支持孔18aには、複数の中子19が下型12の開閉方向(上下方向)へ移動可能に挿通支持されている。各中子19の頭部外周には、凹環状の型部19aが形成されている。そして、図1〜図3に示すように、各支持部材18が、図1〜図3に示すように、前記接近位置に移動されたときには、これらの中子19の前後方向における配列間隔が狭められて、各中子19が上型11側の各上側型部材14に対向配置される。これに対して、図4〜図6に示すように、各支持部材18が離間位置に移動されたときには、これらの中子19の前後方向における配列間隔が拡大される。
【0019】
前記各中子19の下方に位置するように、下型12内には昇降板20が昇降可能に配設されている。昇降板20には前後方向に平行に延びる複数の長孔20aが形成されており、各長孔20aは、中子19の前後方向の各列とそれぞれ対応している。昇降板20の下方において各中子19の下端には、ボール21及び皿バネ22が長孔20aを通る支持パイプ23を介してボルト24により取り付けられている。
【0020】
そして、図1に示すように、昇降板20が下方位置に配置されているときには、各中子19がボール21や皿バネ22を介して引き下げられて、型部19aにてキャビティ13の内周面側を形成する成形位置に配置される。この場合、昇降板20の上面と各中子19の下端との間には隙間が形成されるとともに、各ボール21が皿バネ22の付勢力により昇降板20の下面に接触された状態にある。このため、図2及び図4に示すように、各支持部材18の接近位置から離間位置への移動に伴い、各中子19の前後方向における配列間隔が拡大されるとき、ボール21の転動によって中子19の移動が案内されるようになっている。これに対して、図5に示すように、各中子19の前後方向への配列間隔が拡大された状態で、昇降板20が上方位置に移動されたときには、昇降板20の上面が各中子19の下端に接合して、それらの中子19が成形位置から型開き方向に突出する突出位置に配置される。この場合、各ボール21と昇降板20の下面との間には隙間が形成される。なお、昇降板20は図示しないシリンダ等の駆動源により昇降ロッド25を介して昇降される。従って、昇降板20の昇降により、中子19がキャビティ13内の成形位置とそこから型開き方向に突出する位置との間を出没移動される。
【0021】
前記支持部材18の上面において、各中子19間及び前後両端の中子19の前後両側方には、それぞれ分割型部材26が配置されている。すなわち、支持部材18の上面において、支持部材18群の前後方向両端部及び各支持部材18間には、各中子19間及び前後両端の中子19の前後両側方に位置する複数の分割型部材26が前後方向へ移動可能に配設されている。各分割型部材26の中子19と対向する端縁にはそれぞれ平面半円凹状をなす型部26aが形成されている。そして、これらの分割型部材26は、図1〜図3に示すように、互いに接近して接触することにより、型部26aで中子19を両側から包囲して、キャビティ13の一部を形成する成形位置と、図4〜図6に示すように中子19の前後の配列間隔が拡大された状態で、分割するように移動されて、中子19の周囲を開放する開放位置とに配置されるようになっている。なお、前記分割型部材26の型部26aと中子19の型部19aとによりアンダーカット部が構成され、シールリング41のアンダーカット部46を成形するようになっている。
【0022】
図1〜図3に示すように、前記複数の分割型部材26のうちで、前端側に位置する分割型部材26の端縁には一対のジョイント部材27が突設されている。それらのジョイント部材27と係合するように、下型12の本体上には一対の作動ピン28が突設されている。上下に対応する各分割型部材26と各支持部材18との間には、設定手段としての連結機構29が設けられている。そして、図4及び図6に示すように、前記シリンダ10により下型12が型開き状態で前方へ移動されるとき、作動ピン28及びジョイント部材27を介して、前端側の分割型部材26が同方向に移動される。これにより、連結機構29を介して、各支持部材18が接近位置から離間位置に移動されるとともに、各分割型部材26が成形位置から開放位置に移動されて、中子19の配列間隔が拡大されるようになっている。従って、前記シリンダ10は、下型12の前後移動の駆動と、中子19の前後移動の駆動とを兼ねている。
【0023】
図3及び図6に示すように、前記連結機構29は、各支持部材18の長手方向の両端に形成された前後方向に延びる各一対の長孔30と、それらの長孔30に嵌合するように各分割型部材26の両端下面に突設された各一対のピン31とから構成されている。従って、長孔30の端部とピン31とが係合することにより、各支持部材18と各分割型部材26とが連結状態になるとともに、それらの間隔がそれ以上拡大しないように間隔拡大方向への移動が阻止される。
【0024】
下型12の左右方向の両側部には、支持部材18及び分割型部材26の移動を案内するための案内部としての一対のガイドレール32が配設されている。両ガイドレール32には、移動範囲規制用の長孔33が形成されている。それらの長孔33に嵌合するように、後端側に位置する分割型部材26の両端上面には一対の規制ピン34が突設されている。この長孔33及び規制ピン34により規制機構が構成されている。
【0025】
そして、図2及び図3に示すように、下型12が上型11から型開きされた後に前方へ所定距離移動されたとき、図4及び図5に示すように、規制ピン34がガイドレール32上の長孔33の端部に係合して、後端側に位置する分割型部材26の移動が停止規制される。その後、前記作動ピン28及びジョイント部材27を介して、前端側の分割型部材26が下型12とともにさらに前方へ移動されると、各支持部材18及び分割型部材26間の間隔が拡大される。そして、前記連結機構29の各ピン31と各長孔30の端部との係合により、各支持部材18及び各分割型部材26の前後方向の配列が拡大された状態でほぼ等間隔となるように設定されるようになっている。
【0026】
次に、前記のように構成された成形装置の動作を説明する。
さて、この成形装置において、シールリング41等の成形品を成形する場合には、図1に示すように、上型11に対して下型12が型閉めされて、両型11,12間に中子19の周囲において複数のキャビティ13が形成される。この状態で、各キャビティ13内にゲート15を介してエラストマー等の成形材料が注入されて、複数のシールリング41が同時に成形される。この場合、複数の支持部材18が接近位置に移動配置されて、複数の中子19が近接状態に配列されている。このため、複数のキャビティ13が近接して配列形成されて、限られた狭いスペース内で複数のシールリング41を成形することができる。
【0027】
そして、各シールリング41が硬化した後、図2に示すように、下型12が上型11に対して下方に型開きされて、各シールリング41の上部が露出する。その後、図4に示すように、シリンダ10により下型12が前方へ移動されて上型11から離間され、下型12の上面が大きく開放される。このとき、図6に示すように、下型12の前方移動に伴って、規制ピン34とガイドレール32上の長孔33の端部との係合により、下型12が所定距離前方移動したところで後端側に位置する1つの分割型部材26の移動が停止規制され、その規制位置に残留する。この状態で、作動ピン28及びジョイント部材27を介して、各支持部材18及び残りの分割型部材26が下型12とともに前方への移動を継続する。従って、各中子19も前方へ移動する。
【0028】
このとき、成形されたシールリング41を介して各支持部材18及び各分割型部材26間には結合力が作用している。このため、連結機構29のピン31と長孔30の端部との係合による連結及び間隔拡大阻止機能を介して、各支持部材18及び各分割型部材26が、それらの間隔が拡大されるのに続いて、後端側に位置するものから順に所定位置に残って停止する。従って、図6に示すように、中子19の前後方向における配列間隔が拡大されて、各分割型部材26の成形位置から開放位置への分割移動が許容される。
【0029】
このため、中子19の上方への突出移動が可能な状態になり、この状態において、図5に示すように、昇降ロッド25を介して昇降板20が上方位置に移動されて、各中子19が成形位置から突出位置へ一斉に上方へ向かって移動される。よって、成形後の各シールリング41が浮上状態になる。従って、この状態で各シールリング41を中子19上から手作業等で容易に取り外すことができる。
【0030】
そして、各中子19上からシールリング41を取り外した後、各中子19,支持部材18及び下型12等が前記の場合と逆順に、図5に示す状態から図1に示す状態に移動されて、上型11及び下型12が型閉め状態になり、次のシールリング41を成形できる。
【0031】
以上のように、この実施形態では、以下の効果がある。
・ 中子19を上方へ突出移動させるために、分割型部材26を成形位置から分割位置へ移動させてキャビティ13を開放させる必要があるが、この場合、中子19の配列間隔を拡大して、分割型部材26の分割移動を許容するためのスペースを確保できるようにした。従って、成形時におけるキャビティ13の配列間隔を狭くすることができ、成形装置全体を小型化することが可能になる。
【0032】
・ 中子19の配列間隔を拡大するためのシリンダ10が下型12を前後動させるためのシリンダと共通であるため、構成が簡単である。
・ 中子19の配列間隔を拡大するため、各分割型部材26及び各支持部材18のが同方向に移動される。このため、従来構成とは異なり、分割型部材を異なった方向に作動させるための複数の駆動源を設けたり、あるいは駆動源と分割型部材との間に作動方向を変換する機構を設けたりする必要がなく、分割型部材26の駆動構成を簡素化することができる。
【0033】
・ 型開き状態において下型12が上型11から前方へ離間されて下型12の上方が大きく開放されるため、シールリング41の取り外しを容易に行うことができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0034】
・ 第1,第2の型が前記実施形態とは上下逆になった構成、すなわち中子19及びその関連構成が上型に設けられた構成にこの発明を具体化すること。
・ 第1,第2の型が横方向に開く成型装置にこの発明を具体化すること。
【0035】
・ 支持部材18がキャビティ13を構成せず、キャビティ13は上側型部材14,中子19及び分割型部材26にのみよって構成されるようにすること。
・ 型開き状態において、下型12が上型11に対して後方へ離間移動するようにすること。
【0036】
・ 下型12を移動させるための駆動手段と、中子19の配列間隔を変更するための駆動手段とをそれぞれ別に設けること。
・ この成形装置を、前記実施形態のシールリング41とは異なった形状の成形品を成形するための装置に具体化すること。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】一実施形態の成形装置を型閉め状態で示す要部断面図。
【図2】図1の成形装置の型開き状態を示す要部断面図。
【図3】図2の型開き状態における下型の要部平面図。
【図4】図2の状態から下型が型開き方向と交差する方向へ移動した状態を示す要部断面図。
【図5】図4の状態から中子が型開き方向へ突出した状態を示す要部断面図。
【図6】図5の型開き状態における下型の要部平面図。
【図7】成形装置により成形される成形品を示す斜視図。
【図8】図7の成形品の断面図。
【図9】従来の成形装置を型閉め状態で示す要部断面図。
【図10】図9の成形装置の型開き状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0038】
10…駆動手段としてのシリンダ、11…第1の型としての上型、12…第2の型としての下型、13…キャビティ、14…上側型部材、18…支持部材、18a…支持孔、19…中子、19a…アンダーカット部を構成する型部、20…昇降板、26…分割型部材、26a…アンダーカット部を構成する型部、29…連結手段としての連結機構、30…長孔、31…ピン、41…成形品としてのシールリング、46…アンダーカット部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な第1の型と第2の型と間に複数のキャビティが配列形成され、第1,第2いずれか一方の型の各キャビティが、成形位置から型開き方向に突出移動可能な中子と、その中子の周囲の成形位置から中子の周囲を開放して中子の突出移動を可能にする分割位置に移動可能な分割型部材とを備えた成形装置であって、
前記各中子を、駆動手段によりキャビティの配列方向に移動される複数の支持部材にそれぞれ支持し、その駆動手段による前記支持部材の移動により中子の配列間隔が拡大されて前記分割型部材の分割方向への移動が許容されるように構成したことを特徴とする成形装置。
【請求項2】
支持部材群の移動方向両端部と、隣接する支持部材間に前記分割型部材を配置するとともに、前記駆動手段を移動方向前端の分割型部材に連結し、移動方向後端の分割型部材の前方移動位置を規制する規制機構と、各分割型部材と支持部材との間に設けられ、分割型部材及び支持部材の配列間隔が所定のほぼ等間隔に拡大されたときにそれらを連結状態にするとともに、それ以上の拡大移動を阻止する連結機構とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
前記規制機構は、分割型部材の移動を案内する案内部と分割型部材とのいずれか一方に形成された長孔と、その長孔に嵌合するように他方に形成されたピンとよりなることを特徴とする請求項2に記載の成形装置。
【請求項4】
前記連結機構は、支持部材と分割型部材とのいずれか一方に形成された長孔と、その長孔に嵌合するように他方に形成されたピンとよりなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−88481(P2006−88481A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275935(P2004−275935)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【出願人】(596004761)イノアックエラストマー株式会社 (33)
【Fターム(参考)】