説明

成長ホルモン分泌促進物質(GHS)受容体アゴニストとしてのピペラジン誘導体

本発明は式(I)の化合物、その製造方法、該化合物を含有する医薬組成物および胃腸障害および他の障害の治療におけるそれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のピペラジン誘導体、それらの調製方法、それを含む医薬組成物、および胃腸および他の障害の治療おける該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
グレリンは優勢的に胃によって産生され、またそれほどでないにせよ腸、膵臓、腎臓、胎盤、下垂体および視床下部の弓状核によって産生される28個のアミノ酸のペプチドである。グレリンは最近になってラットおよびヒトの胃より精製かつ単離されたに過ぎず(Kojimaら、Nature1999;402:656),胃腺の酸分泌性壁細胞と関連するX/A内分泌細胞にて見出された。研究によると、グレリンは、成長分泌促進物質受容体(CHS−R)に作用し、成長ホルモンの放出を刺激し、ラット肥満症を誘発し(Tschopら、Nature 2000、407(6806)、908)、胃酸分泌を調節し(Masudaら、BiochemicalおよびBiophysical Research Communications 2000;276:905)、齧歯類弓状核内で放出されたとき(Kojimaら、Nature 1999;402:656;Luら、Neuroscience Letters。2002;321(3):157)または脳室内に投与(Nakazatoら、Nature 2001;409:194;Shintaniら、Diabetes 2001;50:227)されたとき、摂食量が増大するよう刺激することがわかった。全身投与されたグレリンも、迷走神経インプットを脳幹迷走神経核に変え、続いて弓状核に変えることによって、同じことを達成することができる(Dateら、Gastroenterology 2002;123:1120)。これらの研究は、GHS−Rアゴニストには悪液質と摂食障害の異なる形態の処置において治療的有用性があることを示している。
【0003】
グレリン受容体のアゴニストは、成長ホルモン欠乏状態を治療し、食料消費の増加を刺激し、それにより体重増または体重の維持もしくは食欲増進を促進することに有用であると記載されている。これは特に、体重減少を伴う、病気や障害を患っている患者、または治療中の患者に有用である。体重減少を伴う病気または障害の例は、摂食障害(食欲不振、過食を含む)、癌悪液質、エイズ、体力消耗、悪液質および虚弱高齢者の体力消耗を含む。体重減少を伴う処置の例は、化学療法、放射線療法、一時的または永久的固定、および透析療法を含む。
【0004】
さらなる成長ホルモン分泌促進物質[例えば、WO97/24369]に関する研究は、加齢に伴う弱さ、骨折骨の修復の促進、大手術後または慢性疾患におけるタンパク質異化の減少、鬱血性心不全の筋力回復および運動調節ならびに他の代謝障害にかかる処置または予防におけるグレリン受容体アゴニストの役割を提示している。当該化合物に関する研究は、睡眠の質の改善にかかる役割[WO97/24369]、およびグレリンの投与後の鬱血性心不全の改善における役割(Nagayaら、J.Clin.Endocrinol.Metab。2001、86、5854−5859;Circulation 2001、104、1430−1435)を示唆している。
【0005】
麻酔をかけて意識のある齧歯類および意識のあるイヌの両者において、グレリンにより胃の運動性と胃内容排出が増大する(麻酔をかけたラットの運動性 Masudaら、BiochemicalおよびBiophysical Research Communications 2000;276:905;ラットの胃内容排出 Trudelら、American Journal of Physiology 2002;282:G948;マウスの胃内容排出 Asakawaら、胃enterology 2001;120:337)。この作用は、ラットグレリンが齧歯類胃底切片において電気励起した、興奮細胞介在の収縮を促進する能力を有し、部分的5−HT4受容体アゴニストにより模倣されるように応答し、「運動促進様」応答を示すことを明らかにすることでインビトロにて証明され得る(Murrayら、British Journal of Pharmacology 2002;136:18P)。さらに、意識のあるラットの脳室内にグレリンを投与することにより、胃酸分泌が減少する(Sibiliaら、Neuroendocrinology 2002;75:92);皮下注射による投与は効果がなかった。Trudelと同僚ら(American Journal of Physiology 2002;282:G948)は、腸処置で麻痺性イレウスを起こすことによって生じる胃内容うっ滞を、グレリンが回復させることができることを示した。これらのデータをすべて同じく、グレリンが腸ホルモンとして作用し、栄養分の摂取および消化の両方を促進しうることを示す。このことは、血中糖の適当なレベルを維持することが重要である場合に、グレリンが膵インスリン分泌を少し減少させる能力を有することが絶食状態の間にグレリンを放出することと矛盾するものではないとの提案と同一歩調を取るものである(Muccioliら、Eur J Pharmacology 2002、440:235参照)。
【0006】
したがって、悪液質(例えば癌の結果として)、筋肉量の欠損により悪化する筋肉減少症および/またはそれらの慢性疾患(例えば骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性関節症、加齢)、成長ホルモン欠損症(例えば、年齢に関する状況に関わるとき)、他の代謝障害、睡眠障害あるいは鬱血性心不全の障害に付随する症状に加えて、GHS−Rアゴニストは、食欲性/代謝性関連の悪液質に伴う、または伴わない症状、胃−食道逆流および/または胃腸障害に伴う症状、を緩和する有用な治療剤となり得る。このような症状の例は、抗癌治療や他の治療による摂食減少および胃内容うっ滞および嘔吐あるいは類似の症状を引き起こす状態、糖尿病や胃不全麻痺を伴う胃不全麻痺並びに機能的胃腸障害および胃−食道逆流疾患に関する症状を含む。さらに、腸の運動性を刺激する能力があることから、グレリン受容体活性化合物は、麻痺性イレウスまたは偽閉塞、並びに便秘優性過敏性腸症候群のような便秘を伴う状態の治療に有効であることを提案する。炎症を緩和する能力は、胃炎および炎症性腸疾患のような状態の治療における、グレリン受容体活性化合物の使用を提供することができる。
【0007】
欧州特許出願EP1159964号は患者の胃腸系運動を刺激する手段として成長ホルモンの放出を刺激する化合物の使用を特許請求の範囲とする。
【0008】
WO95/06637号は5−HTID受容体アンタゴニスト活性を有していると言われる一連のピペラジン誘導体を開示している。WO0236562号、WO0132660号、WO0005225号、WO9942465号およびWO9827081号はすべて5−HT6受容体アンタゴニストであるとして請求されているアリールピペラジンスルホンアミドを開示している。WO0274764号、WO0274768号およびWO0123374号はすべて選択性5HT1B受容体アンタゴニストとして請求されているジメチルピペラジン誘導体を開示している。
【0009】
WO06/010629号は、成長ホルモン分泌促進物質(GHS)受容体でアゴニスト活性を有すると言われている式(A):
【化1】


の一連のアリールピペラジン誘導体を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明者らは、新しい種類の成長ホルモン分泌促進物質(GHS)受容体で選択的アゴニスト活性を示すアリールピペラジンスルホンアミド誘導体を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は式(I):
【化2】


[式中、
Raは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
RbおよびRcは、独立して水素またはC1−6アルキルであり;
Qは、WおよびXが独立してCHまたはNであり、並びにYおよびZが独立してCRdまたはNである環であり;および、
Rdが存在する場合、Rdは水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1−6ハロアルコキシ、オキソおよびシアノから成る群から独立して選択され;
ここで、RbおよびRcの少なくとも一つは、C1−6アルキルであり、並びにW、X、YおよびZのうち少なくとも一つは、Nである]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供するものである。
【0012】
単独でまたは他の基の一部であろうと、アルキル基は、直鎖または側鎖であり得る。明細書中「ハロゲン」という用語は、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択される基を表す。
【0013】
一の基または一の基の一部としての「アリール」という用語は、フェニルおよびナフチルを含む。明細書中に使われているナフチルという用語は、特に明記しない限り、ナフト−1−イルおよびナフト−2−イル基を意味する。
【0014】
「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子を含む5−6員単環式芳香族環または8−11員縮合二環式芳香族環を意味する。
【0015】
ヘテロアリールが5または6員の基を表すとき、O、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含み、所望によりさらに1から3個の窒素原子を含んでもよい。ヘテロアリールが6員の基を表すとき、1から3個の窒素原子を含む。
【0016】
ヘテロアリールが8−11員縮合二環式芳香族環を表すとき、O、NまたはSから選択される1から3個のヘテロ原子を含む。
【0017】
このような単環式芳香族環の適当な例は、チエニル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニルおよびピリジルを含む。8−11員縮合二環式芳香族基という用語は、環の一つが部分的に飽和している基を含む。
【0018】
このような縮合芳香族環の適当な例は、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、インドリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、チエノピリジル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾジオキサニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンズアゼピニルまたはクロマニルのようなベンゾ縮合複素環を含む。
【0019】
上記定義によるアリールおよびヘテロアリール基は、同一または異なっていてもよく、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、オキソ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ペンタフルオロエチル、C1−6アルコキシ、アリールC1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルコキシ、C1−6アルカノイル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニルオキシ、C1−6アルキルスルホニルC1−6アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、アリールスルホニルC1−6アルキル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アロイル、アロイルC1−6アルキル、アリールC1−6アルカノイル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはNR、CONR、SONR、NRCORまたはNRSOの基(ここで、RおよびRは、独立して、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールを表すか、あるいは窒素原子と一緒になって、O、SまたはNから選択される付加的な環因子を含むことができる5−から7−員非芳香族複素環を形成する)からなる群より選択される、1から3個の置換基によって所望により置換されていてもよい基を包含する。
【0020】
適当なC3−6シクロアルキル基はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。
【0021】
Raがアリールまたはヘテロアリール基によって置換されるとき、さらなる置換基がアリールまたはヘテロアリールでないことを条件に、これらの置換基は、、さらに置換されてもよい。このようなアリールおよびヘテロアリール基のさらなる置換基は、たとえば、ハロゲン、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびオキソから選択することができる。特に、クロロ、シアノ、メチル、およびオキソが好ましい。他の態様において、アリールおよびヘテロアリール基の置換基は、例えば、フルオロ、メトキシおよびメトキシメチルから選択される。
【0022】
「ヘテロシクリル」という用語は、酸素、硫黄または窒素から選択される1から3個のヘテロ原子を含む4−7員単環式飽和または部分的に不飽和脂肪族環を意味する。このような単環の適当な例は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ジアゼパニル、アゼパニル、およびテトラヒドロフラニルを含む。
【0023】
本発明の適当な一群の化合物は、式(IA):
【化3】


[式中、
Ra、Q、Rb、Rc、Rd、W、X、YおよびZは、式(I)に定義されるとおり]で示されるものである。
【0024】
式(I)および(IA)の適当な一群の化合物において:
Raは、置換されたフェニルであり;および/または
RbおよびRは、両者ともメチルであり;および/または
Qは、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジニルおよび4−ピリミジニルから成る群より選択され;および/または
それぞれのRdは、水素またはメトキシである。
【0025】
Raは、置換されるフラニルまたは置換されるチエニルによって適当に置換され得る。
【0026】
式(I)の具体例は:
N−{6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリジニル)−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリミジニル)−3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(4−メチル−2−チエニル)ベンゼンスルホンアミド;
2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(3−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル−2−チエニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2’−フルオロ−5’−(メチルオキシ)−4−ビフェニルスルホンアミド;
N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{4−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−オキソ−1、2−ジヒドロ−3−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミドである。
【0027】
式(I)の化合物の医薬上許容される誘導体は、式(I)の化合物の医薬上許容される塩、エステルまたはかかるエステルの塩であって、レシピアントへの投与は直接的または間接的に式(I)の化合物あるいはその活性代謝物または残基を提供することを可能にする。
【0028】
式(I)の化合物はその酸付加塩を形成することができる。式(I)の化合物の塩は、医薬の使用のために医薬上許容されるべきものであると解する。適当な医薬上許容される塩は当業者に知られ、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、またはリン酸;および有機酸、例えばコハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、サリチル酸、乳酸、マンデル酸、またはナフタレンスルホン酸と形成される酸付加塩のようなJ.Pharm.Sci、1977、66、1−19に記載されたものを含む。
【0029】
式(I)の化合物およびそれらの誘導体は、結晶または非結晶形態で調製することができ、結晶形態であれば、水和されるかまたは溶媒和され得る。本発明は、その範囲内で、化学量論的水和物並びに可変量の水を含む化合物を含む。
【0030】
式(I)の化合物は、立体異性体(例えば、ジアステレオマーおよびエナンチオマー)で存在することができ、本発明は立体異性体形態並びにラセミ化合物を含むそれらの混合物にまで及ぶ。異なる立体異性体形態は立体特異的なまたは非対称性の合成により得ることができる。本発明は互変異性型およびその混合物にまでも及ぶ。
【0031】
本発明の化合物は、当該分野で知られる手法と類似する手法を用いて調製することができる。しかしながら、本発明は式(I)の化合物またはそれらの医薬上許容される誘導体の調製のための方法:
方法(a)、
式(II):
【化4】

(II)
[式中、
W、X、Y、Z、RbおよびRcは、式(I)にて定義されたとおりである]で示される化合物またはその保護された誘導体を、
式(III):
【化5】

(III)
[式中、
Raは式(I)に定義されたとおりであり、L1が適当なハロゲン基(例えば、塩素)またはペンタフルオロフェニルオキシ基のような適当な脱離基である]
の化合物とカップリングさせる方法を提供する。
【0032】
方法(a)は、典型的には、ピリジンのような塩基の使用を含む。方法(a)は、室温または80℃などの適当な温度で、ジクロロメタンのような適当な溶媒中、ピリジンなどの塩基の使用を含む。別法として、方法(a)は、ジクロロメタンなどの適当な溶媒中にてピリジンなどの塩基を用いてビス−スルホンアミドを形成させ、ついでそれを適当な温度、例えば40℃で、適当な塩基、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いてモノ−スルホンアミドに開裂することを含んでもよい。
【0033】
式(III)の化合物は商業的に入手可能であり、あるいは公知の方法または公知の方法と類似の方法によって調製することができる。
【0034】
あるいは、方法(b)は、式(I)化合物の式(I)の他の化合物への、相互変換を含む。
方法(b)は、従来の遷移金属媒介カップリング反応を用いてなされる。相互変換の手順として有用である遷移金属媒介カップリング反応の例は、以下の工程を含む:有機求電子剤、例えばハロゲン化アリールと、有機金属試薬、例えばスタンナン(スティルクロスカップリング反応)または他の適当な試薬、例えばボロン酸(スズキクロスカップリング反応)との間でパラジウム触媒カップリング反応に付し;ついでフェノールとボロン酸との間でどう銅媒介カップリング反応に付すことを含む。
【0035】
式(II)は下記のスキームに従って調製される:
【化6】

[式中、
W、X、Y、Z、RbおよびRcは、上記のとおり定義され、Lは、例えばハロゲン(例えば、臭素)などの脱離基である。
【0036】
脱離基Lがハロゲン(例えば、臭素または塩素)である場合、工程(i)は、典型的には、式(IV)の化合物を式(V)のピペラジンと、適当な温度(例えば、還流温度)でジオキサンなどの適当な溶媒中、ナトリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下、パラジウム塩(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))などの遷移金属触媒を適当なリガンド(例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル)と組み合わせて処理することを含む。
【0037】
工程(ii)は、式(VI)の化合物中のニトロ基の式(II)のアニリンへの還元反応を含む。工程(ii)は、典型的に、遷移金属触媒による水素付加条件の下でなされ、例えば、エタノールなどの適した溶媒中木炭上のパラジウム、または適温で(例えば、還流温度)、エタノールなどの適した溶媒中にて塩化スズ(II)を用いるなど、適した触媒を利用する水素雰囲気下でなされる。
【0038】
式(IV)および(V)の化合物は商業的に入手されるか、あるいは公知の方法により、または公知の類似の方法に従って調製され得る。
【0039】
あるいは、方法(c)は、式(VII):
【化7】

[式中、
W、X、Y、ZおよびRaは、上記のとおり定義され、Lは、例えばハロゲン(例えば、ヨウ素、臭素、塩素)などの適当な脱離基である]で示される化合物を、式(V)のピペラジン化合物と反応させ式(I)の化合物を得る。
【0040】
方法(c)は、典型的に、パラジウム塩(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))などの遷移金属触媒を、適したリガンド(例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル)と組み合わせて、ナトリウムtert−ブトキシドなどの塩基存在下で、ジオキサンなどの適した溶媒中、還流のような適温でなされる。該反応は、ジオキサンなどの適した溶媒中、例えば120℃の適温で、マイクロ波反応器を用いてなされ得る。方法(c)は、式(VII)の化合物の反応を含み、式(V)のピペラジンを用いて、例えば1−メチル−2−ピロリジノンまたはピリジンなどの適した溶媒中、100−200℃(例えば、マイクロ波反応器で)など適温でなされる。
【0041】
式(VII)の化合物は、式(VII)の他の化合物に相互変換され得る。
【0042】
式(VII)の化合物は、方法(a)に記載される方法と類似の方法により、式(VIII)のアニリンおよび式(III)の化合物から調製され得る。
【0043】
【化8】

[式中
W、X、YおよびZは、上記のとおり定義され、Lは、例えばハロゲン(例えば、ヨウ素、臭素、塩素)などの適当な脱離基である。]
【0044】
式(VIII)のアニリンは、商業的に入手可能であり、または公知の方法または公知の方法と類似の方法に従って調製され得る。例えば、式(VIII)の化合物は、エタノールなどの適した溶媒中、アンモニア水を用いて式(IX)のクロロ化合物の置換によって調製され得る。
【0045】
【化9】

[式中、
W、X、YおよびZは、Lは、例えばハロゲン(例えば、ヨウ素、臭素、塩素)などの適当な脱離基である。]
【0046】
当業者であれば、特定の基を保護する必要があることは理解されるであろう。適した保護基およびそれらの結合および除去の方法は有機化学の分野で一般的なものであり、例えば、T.W.Greene 「有機合成における保護基」(J.WileyおよびSon、 1991)に記載されたものなどがある。例えば、ピペラジン基の適当な保護基は、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジル、トリフルオロアセチル、ベンジルオキシカルボニル、2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニルおよびメチルを包含し、そのうちの後者は標準的操作にしたがって1−クロロエチル クロロギ酸エステルを用いて除去されうる。
【0047】
式(I)の化合物は、明細書中に記載のGTPγSおよびFLIPR(Flourometric Light Imaging Plate Reader)アッセイでGHS−Rアゴニストであることがわかった。
【0048】
したがって、式(I)の化合物およびそれらの医薬上許容される誘導体(下文「本発明の化合物」)は、成長ホルモン促進物質(GHS)受容体で作用する化合物によって媒介される疾患または障害の治療に用いられる。特に本発明の化合物は、悪液質、サルコペニア、骨粗しょう症、リウマチ性関節炎,変形性関節症、加齢に伴う虚弱、成長ホルモン欠損症、代謝性障害、睡眠障害、アルツハイマー病、うっ血性心不全、胃−食道逆流に関連するおよび/または消化不良に伴う症状の緩和、食欲性、代謝性関連の悪液質に伴うまたは伴わない症状、嘔吐、胃炎、炎症性腸疾患、経腸栄養法などの方法の間の低下した胃運動性、麻痺性イレウスまたは偽閉塞の治療、および便秘優性過敏性腸症候群などの便秘の症状の治療に用いるものである。
【0049】
明細書中、使用される「治療」とは予防並びに従来の症状の緩和を含むと解される。
【0050】
したがって、本発明は、特にGHS受容体を介する疾患/障害の治療における、治療剤としての使用のために、本発明の化合物またはそれらの医薬上許容されるそれらの誘導体を提供するものである。特に、本発明は、悪液質、サルコペニア、骨粗しょう症、リウマチ性関節炎,変形性関節症、加齢に伴う、成長ホルモン欠損症、代謝性障害、睡眠障害、アルツハイマー病、うっ血性心不全、胃−食道逆流に関連するおよび/または消化不良に関連する症状の緩和、食欲性、代謝性関連の悪液質に伴うまたは伴わない症状、嘔吐、胃炎、炎症性腸疾患、経腸栄養法などの方法の間の低下した胃運動性、麻痺性イレウスまたは偽閉塞の治療、および便秘優性過敏性腸症候群などの便秘の症状の治療における治療剤としての使用のために、本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。本発明の化合物は他の治療剤とともにしようされ得ると解される。
【0051】
さらに、本発明はGHS受容体を経由して媒介されるヒトを含む哺乳類の疾患または障害の治療の方法を提供するものであって、治療的安全かつ有効量の本発明の化合物を患者に投与することを含む。
【0052】
他の態様において、本発明は、GHS受容体を通して媒介される疾患または障害の治療に用いる薬剤の製造に、発明の化合物を使用するために提供する。
【0053】
治療に本発明の化合物を使用するために、それらは、標準的な薬務に従って医薬組成物に処方される。本発明は、本発明の化合物、および医薬上許容されるキャリアまたは賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0054】
さらなる態様において、本発明は医薬組成物を調製するための方法を提供するもので、その方法は本発明の化合物および医薬上許容されるキャリアまたは賦形剤の混合を含む。
【0055】
本発明の医薬組成物(外界温度および大気圧に適して混合して調製され得る)は、経口、非経口または直腸投与に適応され、そして、例えば錠剤、カプセル、経口用液体調製液、粉、顆粒、トローチ剤、再構成され得る粉、注入物質または注入可能な溶液または懸濁液または座薬の形態であってもよい。経口投与可能な組成物は一般的に好まれる。
【0056】
経口投与のための錠剤およびカプセルは、単位用量の形であってもよく、結合剤(例えば、予めゼラチン化されたトウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピル・メチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);錠剤潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、滑石またはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモ澱粉またはデンプングリコール酸ナトリウム);および許容される湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの従来の賦形剤を含んでもよい。錠剤は通常の薬務でよく知られる方法に従ってコーティングされていてもよい。
【0057】
経口用液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシル剤の形であってもよく、あるいは使用前に水または他の賦形剤で再構成された乾燥製品の形であってもよい。そのような液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性賦形剤(アーモンド脂、油性エステル類、エチルアルコールまたは分別された植物油などの食用脂を含んでもよい)、防腐剤(例えば、メチルまたはプロピル−p−オキシ安息香酸エステルまたはソルビン酸)、および、所望により、必要により、通常の香味剤または着色剤、緩衝塩および甘味剤などの通常の添加剤を含んでいてもよい。経口投与のための製剤は活性化合物の制御放出を生じるように適切に形成され得る。
【0058】
非経口投与のために、流体単位剤形は、本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体および無菌賦形剤を利用して調製される。注射のための剤形は、本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体および無菌賦形剤を用いて、添加防腐剤とともに、例えば、アンプルで、または、複数回投与など単位剤形で提示され得る。組成物は、油性または水性賦形剤中、懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態をとってもよく、懸濁化剤、分解防止剤および/または分散剤などの薬剤を含んでもよい。あるいは、活性成分は、使用前に、無菌のピロゲン非包含溶液などの適当な賦形剤に合わせて粉状形態であってもよい。化合物は、使用される賦形剤および濃度に依存して、賦形剤に懸濁されるかまたは溶解することができる。溶液の調製において、該化合物は、適当な瓶またはアンプルに充填および封かんする前に、注射のために溶解され、濾過滅菌され得る。局所麻酔薬、防腐剤および緩衝剤などのアジュバントは、有利に賦形剤に溶解される。安定性を強化するために、該組成物を瓶に充填し、真空下で水を除去した後、凍結することができる。非経口懸濁液は、実質的に同じ方法で調製されるが、ただし、化合物は溶解される代わりにビークルに懸濁され、殺菌は濾過によってなされない。該化合物は、無菌賦形剤に懸濁される前に、酸化エチレンに曝されることによって殺菌され得る。有利には、界面活性剤または湿潤剤を組成物に配合し、化合物の均一な分散を容易にする。
【0059】
ローション剤は、水性または油性成分で形成されてもよく、一般的に一つまたはそれ以上の乳化剤、分解防止剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤を含む。点滴剤は、一つまたはそれ以上の分散剤、分解防止剤、可溶化剤または懸濁化剤を含む水性または油性成分で形成されてもよい。それらは防腐剤を含んでもよい。
【0060】
本発明の化合物は、例えば座薬または停留浣腸剤(例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の座薬基剤を含む)などの直腸の組成物として形成されてもよい。
【0061】
本発明の化合物は、持続性製剤として形成されてもよい。そのような長時間作用する製剤は、移植(例えば、皮下に、または筋肉に)によって、あるいは筋肉注射によって投与されてもよい。このように、例えば、本発明の化合物は、高分子または疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂として、あるいは難溶性塩など難溶性誘導体として処方されてもよい。
【0062】
鼻腔内投与のために、本発明の化合物は、適宜計量されるかまたは単位用量にする装置を介して投与液剤として、あるいは適当な分配装置を用いて投与に適したキャリアと混合させた散薬として形成され得る。したがって、本発明の化合物は、経口投与、口腔投与、非経口投与、局所性投与(経眼および経鼻を含む)、持続性薬剤または直腸投与のために形成され、あるいは吸入または送入による投与(口または鼻のいずれかを介して)に適した形態に処方され得る。
【0063】
本発明の化合物は、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、ペッサリー、エアロゾルまたは点滴薬(例えば、眼、耳、鼻への点滴)の剤形において局所的投与用に処方され得る。例えば、軟膏およびクリームは適した増粘剤および/またはゲル化剤を添加して水溶性剤あるいは油性基剤とともに処方され得る。眼への投与のための軟膏は、殺菌成分を用いて殺菌状態で製造され得る。
【0064】
当該組成物は、投与方法に応じて、活性剤に対して0.1重量%から99重量%、好ましくは10から60重量%を含むことができる。前記障害の治療に用いた化合物の服用は障害の重症度、患者の体重および他の類似要因による通例方法に変化する。しかしながら、一般的ガイドとして適当な単位服用量は0.05から1000mg、より好ましくは1.0から200mgであり、このような単位服用量は、例えば、1日、2日、または3日に一度以上服用され得る。このような治療は週または月で延長することができる。
【0065】
(本発明の)化合物が前記服用量の範囲で投与されたとき、毒物学的影響は示されず、考えもされない。
【0066】
本出願の明細書に引用された、特許公報および特許出願公開公報を含む(これに限定されないが)すべての出版物は、その出典を明治することで本明細書の一部とする。
【0067】
下記および実施例により本発明の化合物の調整を説明する。それぞれの実施例により遊離塩基または塩酸塩あるいは時にマスダイレクテッドオートプレプHPLCより直接的にギ酸塩として特徴づけられ、評価された。該塩酸塩は、純物質をジクロロメタンまたはメタノールに溶解し、エーテルHClで酸性化することによって調製された。
【0068】
試験セクションで示されているマイクロ波加熱はBiotage Initiator 60またはPersonal Chemistry Optimiser装置で実施された。これらの装置は250℃まで温度調節可能であり、2.45GHzで300Wまでのマイクロ波放射とともに20barまで加圧可能であった。
【0069】
マスダイレクテッドオート−プリフィケーションシステムの使用のための条件、ハードウェアおよびソフトウェア
ハードウェア
Waters 2525 Binary Gradient Module
Waters 515 Makeup Pump
Waters Pump Control Module
Waters 2767 Inject Collect
Waters Column Fluidics Manager
Waters 2996 Photodiode Array Dectector
Waters ZQ Mass Spectrometer
Gilson 202 fraction collector
Gilson Aspec waste collector
ソフトウェア
Waters Masslynx version 4 SP2
カラム
使用されるカラムはWaters Atlantisであり、そのディメンションは19mm×100mm(スモールスケール)および30mm×100mm(ラージスケール)である。その固定相粒径は5μmである。
溶剤
A:水性溶媒=水+0.1% ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.1% ギ酸
構成溶媒=メタノール:水 80:20
針リンス用溶媒=メタノール
方法
目的とする化合物の分析的保持時間に応じて使用される4つの方法がある。これらはすべて13.5分の実行時間を有し、10分の勾配に続いて13.5分間のカラム流出および再平衡の工程を含む。
Large/Small Scale 1.0−1.5=5−30%B
Large/Small Scale 1.5−2.2=15−55%B
Large/Small Scale 2.2−2.9=30−85%B
Large/Small Scale 2.9−3.6=50−99%B
Large/Small Scale 3.6−5.0=80−99%B(6分で)
流動速度
上記方法のすべては20mls/分(スモールスケール)または40mls/分(ラージスケール)の流動速度を有する。
【0070】
分析的LCMSシステムの条件、ハードウェアおよびソフトウェア
ハードウェア
Agilent 1100 Gradient Pump
Agilent 1100 Autosampler
Agilent 1100 DAD Dectector
Agilent 1100 Degasser
Agilent 1100 Oven
Agilent 1100 Controller
Waters ZQ Mass Spectrometer
Sedere Sedex 55、 Sedere Sedex 85 or Polymer Labs PL−ELS−2100
ソフトウェア
Waters MassLynx version 4.0 SP2
カラム
使用されるカラムはWaters Atlantisであり、そのディメンションは4.6mm×50mmである。その固定相粒径は3μmである。
溶剤
A:水性溶媒=水+ 0.05% ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+ 0.05% ギ酸
方法
使用される一般的な方法は5分の実行時間を有する。
時間/分 %B
0 3
0.1 3
4 97
4.8 97
4.9 3
5.0 3
流動速度
上記方法は流動速度3ml/分である。
NMRを使用する条件
ハードウェア
Bruker 400MHz Ultrashield
Bruker B−ACS60 Autosampler
Bruker Advance 400 Console
Bruker DPX250
Bruker AVANCE 500
Bruker DRX600
ソフトウェア
ユーザーインターフェース−NMR Kiosk
ソフトウェア制御−XWin NMR version 3.0
【0071】
実施例
記載例1:4−ブロモ−N−(6−ブロモ−2−ピリジニル)−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D1)
【化10】


ジクロロメタン(2ml)中、4−ブロモ−3−フルオロベンゼンスルホニルクロライド(684mg、370ul、2.5mmol)の溶液をピリジン(2ml)中、2−アミノ−6−ブロモピリジン(346mg、2.0mmol)の溶液に、室温でゆっくり加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。該溶媒を蒸発させて残留物を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)の間に分配した。有機層を水(×2)で洗浄し、分離して乾燥させ、蒸発させた。ヘキサン中20−60%酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(D1)を得た;MS(ES)m/e409,411,413[M+H]
【0072】
記載例2:4−ブロモ−N−(6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル)−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D2)
【化11】


1−メチル−2−ピロリジノン(5ml)と水(0.5ml)中、4−ブロモ−N−(6−ブロモ−2−ピリジニル)−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D1)(300mg、0.73mmol)およびシス−2、6−ジメチルピペラジン(600mg、5.4mmol)の溶液を200℃で、2000秒間マイクロ波で処理した。該反応混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、水(3×10ml)で洗浄した。ジクロロメタン中5%メタノールで溶出するカラムクロマトグラフィに付して精製し、表題化合物(D2)を得た;MS(ES)m/e443,445,[M+H]
【0073】
記載例3:4−ブロモ−N−(2−クロロ−4−ピリジニル)ベンゼンスルホンアミド(D3)
【化12】


4−ブロモベンゼンスルホニルクロライド(3.19g、12.5mmol)をピリジン5ml)およびジクロロメタン(5ml)中、4−アミノ−2−クロロピリジン(642mg、5mmol)の溶液に加えた。該反応物を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させて残留物をNaOH(25ml)中に懸濁して60℃で1時間加熱した。該反応物を酢酸エチル(2×25ml)で抽出した。該抽出物を洗浄し、乾燥して蒸発させた。残留物をメタノールに懸濁して濾過した。濾液の蒸発およびジエチルエーテルでのトリチュレーションにより表題化合物(D3)を得た;H NMR(DMSO)δ:6.54(1H、d)、6.62(1H、s)、7.60−7.63(4H、m)、7.66(1H、d)。
【0074】
記載例 4:N−(2−クロロ−4−ピリジニル)−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド(D4)
【化13】


1、2−ジメトキシエタン(3ml)と水(1ml)中、4−クロロ−N−(2−クロロ−4−ピリジニル)ベンゼンスルホンアミド(D3)(350mg、1mmol)、5−メチルフラン−2−ボロン酸(150mg、1.2mmol)、炭酸ナトリウム(230mg、2.2mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(20mg、15mol%)の混合液を120℃で、20分間マイクロ波で処理した。該反応混合物を酢酸エチル(5ml)と水(5ml)の間に分配して、有機層を乾燥させて、蒸発させた。ヘキサン中5−50%酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(D4)を得た;MS(ES)m/e349,351[M+H]
【0075】
記載例 5:6−ブロモ−3−(メチルオキシ)−2−ニトロピリジン(D5)
【化14】


方法A
アセトン(100ml)中、6−ブロモ−3−ヒドロキシ−2−ニトロピリジン(9.4g、42.8mmol)および炭酸カリウム(6.9g、50mmol)の化合物をヨードメタン(7.1g、3.11ml、50mmol)で処理し、40℃で攪拌した。2、4、6および8時間後、さらにヨードメタン(7.1g、3.11ml、50mmol)を添加した。36時間後、溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルと水とに分けた。有機層を水で洗浄し、乾燥して蒸発させた。ヘキサン中5−50%酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(D5)を得た;MS(ES)m/e233,235[M+H]
【0076】
方法B
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(700mL)をアルゴン下、外界温度にて、6−ブロモ−3−ヒドロキシ−2−ニトロピリジン(70.9g、324mmol)および炭酸セシウム(211g、648mmol)の攪拌混合物に加え、30℃までの昇温がもたらされた。攪拌混合物を10℃に冷却し、ヨードメタン(41ml、659mmol)を一度に添加した。冷却槽を取り外し、該混合物を、アルゴン下、室温で一晩攪拌した。DMFを真空下で蒸発させ、残留物に水(1L)を添加した。該混合物を酢酸エチル(3×500ml)で抽出し、混合した抽出物を2M 水酸化ナトリウム(400mL)、飽和塩水(25mL)を含む水(800mL)および飽和塩水(800mL)で連続して洗浄した。有機溶液を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて黄褐色の固体(52.8g)を得た。
D5の2つのさらなるバッチ(収量54.2gおよび52.1g)を、6−ブロモ−3−ヒドロキシ−2−ニトロピリジンより上記と同様の方法にて調製した。
【0077】
合したバッチから得られた物質129gをジクロロメタンに溶解させて不溶性物質から濾過することによって精製した。濾液をFlash 150 Biotageシリカゲルクロマトグラフィカラムに充填し、ジクロロメタン/ヘキサンの30%−60%増加勾配で溶出した。生成物のフラクションをプールし、蒸発させて、淡黄色の固体(98.1g)の表題化合物(D5)を得た。δH(CDCl、400MHz)3.99(3H、s)、7.43(1H、d、J=8.4Hz)、7.69(1H、d、J=8.4Hz)。
【0078】
方法C
6−ブロモ−2−ニトロ−3−ピリジノール(23.11g、106mmol)および炭酸カリウム(43.95g、318mmol)をアセトン(500mL)に懸濁した。ヨウ化メチル(7.92ml、127mmol)を加えて、この混合物を50℃で4時間加熱した。さらにヨウ化メチル(2ml、31.8mmol)を加えて2時間加熱した。さらにヨウ化メチル(3.3ml、53mmol)を加えて、混合物を50℃で一晩加熱した。該混合反応物を冷まし、濾過して、固体をアセトンで洗浄した。濾液を真空で濃縮した。残留物をクロロホルムでトリチュレートし、濾過した固体と濾液を真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage Horizon、65、0−100%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、表題化合物(D5)を得た:7.89g。MS(ES)m/e233/235[M+H]
【0079】
方法D
アセトン(750ml)中、6−ブロモ−3−ヒドロキシ−2−ニトロピリジン(44.81g、0.214mol)、および炭酸カリウム(74.17g、0.537mol)の混合物をヨードメタン(15.99ml、0.256mmol)で処理し、50℃で攪拌した。1.2等量のヨードメタンをさらに2回、約4時間にわたって添加した。溶媒を濾過し、蒸発させて、残留物を酢酸エチル(500mL)に溶解して、水(300mL)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(300mL)、水(300mL)および塩水(300mL)で洗浄した。有機層を乾燥して(MgSO4)、蒸発させた。ヘキサン中0−100%酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィで精製することによってクリーム色の固体として表題化合物(D5)(10.47g)MS(ES)m/e233,235[M+H]を得た。
【0080】
記載例6:シス−3,5−ジメチル1−[5−(メチルオキシ)−6−ニトロ−2−ピリジニル]ピペラジン(D6)
【化15】

【0081】
方法A1
ジオキサン(20ml)中、6−ブロモ−3−(メチルオキシ)−2−ニトロピリジン(D5、方法A)(1.5g、6.4mmol)、シス−2、6−ジメチルピペラジン(880mg、7.7mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド(1.24g、12.9mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(294mg、5mol%)、および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(300mg、10mol%)の混合液を110℃で一晩加熱した。該混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトを通して濾過した。濾液を蒸発させ、残留物をジクロロメタン中5%メタノールで溶出するカラムクロマトグラフィで精製し、続いて、水中5−100%アセトニトリルで溶出する逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィによって精製し、表題化合物(D6)、MS(ES)m/e267[M+H]を得た。
【0082】
方法A2
【化16】


ジオキサン(20ml)中、6−ブロモ3−(メチルオキシ)−2−ニトロピリジン(D5、方法A)(1.0g、4.3mmol)、シス−2、6−ジメチルピペラジン(980mg、8.6mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド(825mg、8.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(196mg、5mol%)および20ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(168mg、10mol%)の混合液を110℃で一晩加熱した。冷ました反応混合液を酢酸エチル(20ml)で希釈し、1M塩酸で抽出した。該抽出物を50%水性水酸化ナトリウムで塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を乾燥させ、蒸発させた。ジクロロメタン中5%メタノールで溶出するカラムクロマトグラフィで精製し、表題化合物(D6)を得た。MS(ES)m/e267[M+H]
【0083】
方法B
6−ブロモ−3−(メチルオキシ)−2−ニトロピリジン(D5、方法B)(45.0g、193mmol)をジオキサン(1.5L)に溶解し、アルゴン下、14℃まで冷ました。シス−2、6−ジメチルピペラジン(44.1g、386mmol)を一度に加え、15分後全物質が溶解したとき、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(11.3g、15mol%)を加え、2分後、続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(17.6g、10mol%)を加えた
。14℃で10分攪拌後、アルゴン下で、反応温度を約14℃に維持しながらナトリウムtert−ブトキシド(22.3g、231mmol)を35分間にわたって加えた。反応物を14℃で3.5時間(LCMSによってモニタされる)攪拌し、ついで水(1L)と氷酢酸(16.5mL)を攪拌しながら加えた。炭酸水素ナトリウム(500ml)と酢酸エチル(1.1L)の飽和溶液を混合液に加え、この混合液を分離漏斗で勢いよく振った。層が分離され、有機層を5%塩水(2×1L)で洗浄した。混合水性抽出物を酢酸エチル(2×500mL)で再抽出した。合した有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、Kieselghurを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、赤色油として粗製表題化合物を得た。
【0084】
この粗製物質の他のバッチは6−ブロモ−3−(メチルオキシ)−2−ニトロピリジン(D5)(49.0g、210mmol)から上記と同様の方法により精製される。
【0085】
両バッチから得られた合した粗生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、まず始めに50%−100%酢酸エチル/ヘキサン増加勾配で、ついで3%−15%メタノール中、2Mアンモニア/酢酸エチルの増加勾配で溶出する)によって精製した。生成物のフラクションをプールし蒸発させ、赤色油状固体(D6)(62.2g、234mmol、58%)として表題化合物を得た;MS(ES)m/e267[M+H]。表題化合物(3.2g)のさらなる精製バッチを上記と同様の方法で精製した。
【0086】
表題化合物(3.2g)のさららる精製バッチを上記と同様の方法で精製した。
【0087】
方法C
6−ブロモ−3−(メチルオキシ)−2−ニトロピリジン(D5、方法C)(6.99g、30mmol)をジオキサン(150mL)に溶かした。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.38g、1.5mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(1.18g、3mmol)を加えた。ナトリウム tert−ブトキシド(5.77g、60mmol)ついで、シス−2、6−ジメチルピペラジン(5.14g、45mmol)を加えて、混合液を室温で5時間攪拌した。混合液をセリットを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄して濾液を真空で濃縮した。残留物を酢酸エリルと水の間に分配した。有機層を50%塩水(×3)、塩水、乾燥された無水硫酸ナトリウムで洗浄し真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(ジクロロメタン中、Biotage SP4、40+M、0−20%2Mアンモニア/メタノール)で精製し、表題生成物(D6):3.13g、MS(ES)m/e267[M+H]を得た。
【0088】
方法D
6−ブロモ−3−(メチルオキシ)−2−ニトロピリジン(D5、方法D)(8.0g、34.1mmol)をジオキサン(300mL)に溶かし、13℃まで冷ました。シス−2、6−ジメチルピペラジン(7.79g、68.3mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(2.013g、15mol%)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.121g、10mol%)を加えた。その後、ナトリウム tert−ブトキシド(6.55g、68.3mmol)を1分間にわたって温度を15℃より下に維持しながら加えた。該反応物を18℃で5.5時間攪拌し(LCMSでモニターする)、水(25mL)を加え、そして反応物をcealiteに通して濾過し、濾液を蒸発させて、酢酸エチル(600mL)に溶解させて、飽和炭酸水素ナトリウム(3×300mL)および塩水(30mL)で洗浄して、暗赤色の半固体を得た。有機層を乾燥させ(MgSO4)蒸発させてクロマトグラフィ(シリカゲル、0から20%(2M アンモニア/メタノール)/酢酸エチルで溶出する)により精製して赤色固体を得た。生成物の蒸発させて赤色固体(D6)、MS(ES)m/e267[M+H]として表題化合物を得た。
【0089】
記載例7:6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジンアミン(D7)
【化17】

【0090】
方法A
塩化スズ(II)二水和物(550mg、2.4mmol)をエタノール(20ml)中、シス−3,5−ジメチル−1−[5−(メチルオキシ)−6−ニトロ−2−ピリジニル]ピペラジン(D6、方法A2)(320mg、1.2mmol)の溶液に加え、80℃で2時間加熱した。該反応混合物を室温まで冷まし、溶媒を蒸発させて残留物を水(20ml)で希釈した。混合物を固体炭酸カリウムを少しずつ添加して塩基性化した。混合物を酢酸エチル(×2)で抽出した。合した有機層を乾燥させ、蒸発させて表題化合物(D7)を得た;MS(ES)m/e237[M+H]
【0091】
方法B
メタノール(1.8L)中、(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−[5−(メチルオキシ)−6−ニトロ−2−ピリジニル]ピペラジン(D6、方法B)(62.3g、234mmol)の溶液を水中(30mL)炭素(9.3g)上10%パラジウムのスラリーに注いだ。化合物D6の全体移動をさらなる量のメタノール(100mL)を用いて確実にした。懸濁液を周囲の温度および30℃の間の温度で、水素(15−18psi)の雰囲気下で6時間攪拌した。反応混合物をKieselghurに通して、濾過し、その後メタノール(2×200mL)で洗浄して、濾液と洗浄物を蒸発させて暗褐色油(55.7g)を得た。この物質をクロマトグラフィ(シリカゲル、メタノール/ジクロロメタンの0%−25%増加勾配で溶出する)で精製した。生成物のフラクションをプールし蒸発させ、暗褐色油として表題化合物(D7)(40g、169mmol、72%)を得た;MS(ES)m/e237[M+H]
【0092】
方法C
シス−3,5−ジメチル−1−[5−(メチルオキシ)−6−ニトロ−2−ピリジニル]ピペラジン(D6、方法C)(3.13g、12mmol)をメタノール(100mL)中10%パラジウム/チャコールペースト(300mg)水素の1気圧、室温で、5時間、水素化した。触媒を濾過し、濾液を真空中で濃縮して表題化合物(D7)、3.40gを得た;MS(ES)m/e237[M+H]。これを、さらに精製することなく、次の工程に用いた。
【0093】
方法D
(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−[5−(メチルオキシ)−6−ニトロ−2−ピリジニル]ピペラジン(D6、方法B)(0.5g、2.25mmol)をメタノール(50mL)に溶解し、大気圧で炭素上10%パラジウム(0.25g、ペースト)にて水素化した。2時間後、反応混合物を濾過し、蒸発させて淡黄色油(D7)(推定される収量)MS(ES)m/e237[M+H]として表題化合物を得た。
【0094】
方法E
(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−[5−(メチルオキシ)−6−ニトロ−2−ピリジニル]ピペラジン(D6、方法D)(4.30g、16.6mmol)をメタノール(150mL)に溶かし、大気圧で炭素上10%パラジウム(1g、ペースト)で水素化した。3時間後、反応混合物を濾過し、蒸発させて濃褐色油(D7)(4.31g)、MS(ES)m/e237[M+H]として表題化合物を得た。
【0095】
記載例8:4−ブロモ−N−[6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D8)
【化18】

【0096】
方法A
2−アミノ−6−ブロモピリジンを(D7、方法A)と換えて(D1)と同様の方法で表題化合物を調製した。(D8)MS(ES)m/e473、475[M+H]
【0097】
方法B
ピリジン(300mL)中、6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジンアミン(D7、方法B)(39.5g、167mmol)およびジクロロメタン(150mL)の攪拌された溶液に、ジクロロメタン(150mL)中4−ブロモ−3−フルオロベンゼンスルホニルクロライド(54.9g、201mmol)の溶液を、アルゴン下、周辺温度で40分間にわたって加えた。混合液を18℃で3時間攪拌した後、真空中で濃縮し、暗黒色残留物を得た。この残留物をジクロロメタン(700ml)に溶解し、該溶液を0.3M水酸化ナトリウムで洗浄した。水相をジクロロメタン(2×500mL)でさらに抽出した。その後、混合有機抽出物を0.2M水酸化ナトリウム(500mL)で洗浄し、ジクロロメタン(200mL)で逆抽出した。混合水相洗浄物(生成物を含む)を、pH14で、5M塩酸(およそ70ml)を用いてpH6まで調整し、灰色の沈殿物を得た。この固体を濾過し、水(3×150mL)で洗浄し、週末にかけて真空下、30℃で乾燥した(54.4g)。この物質を沸騰したメタノール(6L)で攪拌し、少量の不溶解固体から濾過し、濾液を真空中で濃縮して1.5Lの量を得た。氷冷した後、この溶液を濾過し、メタノール/ジエチルエーテル(1:1)で洗浄して、その後ジエチルエーテルで洗浄して、1時間、40℃、真空下で乾燥させて、結晶性固体(30.7g、64.9mmol、39%)を得た;MS(ES)m/e474/476[M+H]
【0098】
記載例9:4−クロロ−2−ピリミジンアミン
【化19】


0.880アンモニア(50ml)をエタノール(50ml)中、2、4−ジクロロピリミジン(5.0g、33.6mmol)の懸濁液にゆっくりと加え、その混合液を室温で5時間攪拌した。減圧下で濃縮して25mlとし、残りの固体を濾過して、水で洗浄し、4時間かけて真空中で乾燥させた。得られた表題化合物(D9)、MS(ES)m/e130,132および2−クロロ−4−ピリミジンアミン MS(ES)m/e130,132の混合物をさらに精製することなく次の反応に用いた。
【0099】
記載例10:4−ブロモ−N−(2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリミジニル)−3−フルオロベンゼンスルホンアミド
【化20】


ピリジン2ml中、記載例9から得られた粗成生物(500mg、3.9mmol)およびシス−2、6−ジメチルピペラジン(885mg、7.8mmol)の混合物を100℃で10分間マイクロ波加熱した。この混合物をトルエンで共沸混合し、乾燥して4−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリミジンアミンおよび2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリミジンアミンの混合物を得た。
【0100】
残留物(250mg、1.2mmol)をピリジン(3ml)中に再溶解し、4−ブロモ−3−フルオロベンゼンスルホニルクロライド(160ul、295mg、1.44mmol)を加えた。該混合物を室温で一晩攪拌した。さらに、4−ブロモ−3−フルオロベンゼンスルホニルクロライド(100ul、0.75mmolまたは等量?)を加え、この混合物を80℃3時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、SCXカートリッジに充填して、メタノールおよびメタノール中2N NHで溶出した。塩基性の少量を合わせて、蒸発させ、0−20%メタノール中2N NHで溶出するカラムクロマトグラフィにより精製して、表題化合物(D10)を得た;MS(ES)m/e444,446[M+H]
【0101】
記載例11:4−ブロモ−2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]ベンゼンスルホンアミド(D11)
【化21】


6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジンアミン(D7、方法C)(473mg、2mmol)をピリジン(5ml)およびジクロロメタン(5ml)に溶解した。4−ブロモ−2−クロロベンゼンスルホニルクロライド(870mg、3mmol)を加え、この溶液を室温で5時間攪拌した。混合液を真空下で濃縮し、メタノールで共沸混合した。残留物をメタノール中、SCXカートリッジ(バリアン、10g)に充填し、メタノールで洗浄して、塩基性生成物を2Mアンモニア/メタノールで溶出した。フラクションを含む生成物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP4、40+S、ジクロロメタン中0−20% 2M アンモニア/メタノール)によって精製し、表題化合物(D11)を得た;478mg、MS(ES)m/e489/491/493[M+H]
【0102】
記載例12:1、1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−アミノ−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2、6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D12)
【化22】


6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジンアミン(D7、方法C)(1.37g、5.8mmol)をDCM(60mL)中に懸濁し、0℃まで冷却した。トリエチルアミン(0.892mL、6.41mmol)、続いて、ジ−tert−ブチルジカーボネイト(1.39g、6.41mmol)を加え、反応物を0℃で2時間攪拌して、その後室温まで加温して72時間攪拌した。反応混合物をDCMで希釈して150mLとし、飽和炭酸水とナトリウム(2×100mL)および塩水(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)させ、蒸発させ、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、0−60%酢酸エチル/ペンタンで溶出する)で精製して暗褐色油を得た。生成物のフラクションを蒸発させて黄色油として表題化合物(D12)を得た;(1.0g)、MS(ES)m/e337[M+H]
【0103】
記載例13:1、1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−{[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)スルホニル]アミノ}−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2、6−ジメチル1−ピペラジンカルボキシレート(D13)
【化23】


1、1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−アミノ−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2、6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D12)(1.0g、2.97mmol)をDCM(10mL)およびピリジン(10mL)中に溶解させ、その後0℃まで冷ました。その後、DCM(5mL)中に溶解した4−ブロモ−2−クロロベンゼンスルホニルクロライド(0.946g、3.27mmol)を滴下し、反応物を一晩温めた。その後、反応物を最低量まで蒸発させてDCM(100mL)に再度溶解させて、水(50mL)で洗浄した。水相をDCM(2×50mL)で抽出し、合した有機層を塩水(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)して、蒸発させて、クロマトグラフィ(シリカゲル、0−50%酢酸エチル/ペンタンで溶出する)により精製して暗黒色油を得た。生成物のフラクションを蒸発させて黄色のクランチ状の泡沫体(D13)(1.29g)を得た;MS(ES)m/e589/591[M+H]
【0104】
記載例14:1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−({[2−クロロ−4−(4−メチル2−チエニル)フェニル]スルホニル}アミノ)−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2,6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D14)
【化24】

1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−{[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)スルホニル]アミノ}−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2,6−ジメチル1−ピペラジンカルボキシレート(D13)(0.15g、0.254mmol)、4−メチルチオフェン−2−ボロン酸(0.054g、0.382mmol)、(1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)クロライド、DCM複合体(9.2mg、0.0127mmol)、炭酸ナトリウム(0.053g、0.508mmol)をDME(2mL)および水(1mL)中、120℃で20分間マイクロ波で加熱した。その後、酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×30mL)および塩水(30mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて、クロマトグラフィ(シリカゲル、0−50%酢酸エチル/ペンタンで溶出する)により精製して暗褐色油を得た。生成物を蒸発させて淡黄色の泡沫体(D14)(0.127g)を得た;MS(ES)m/e607/609[M+H]
【0105】
記載例15:1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−({[2−クロロ−4−(3−フラニル)フェニル]スルホニル}アミノ)−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2,6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D15)
【化25】


1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−{[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)スルホニル]アミノ}−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2、6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D13)(0.15g、0.254mmol)、2−(3−フラニル)−4,4,5,5−テトラメチル1,3,2−ジオキサボロラン(0.0739g、0.381mmol)、パラジウムジクロライド ジ−トリフェニルホスフィン(9.0mg、0.0127mmol)、炭酸ナトリウム(0.053g、0.508mmol)をDME(2mL)および水(1mL)中で、120℃、20分間マイクロ波で加熱した。その後、反応液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×30mL)および塩水(30mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて、クロマトグラフィ(シリカゲル、0−60%酢酸エチル/ペンタンで溶出する)により精製して、黄色油を得た。生成物を蒸発させて淡黄色泡沫体(D15)(0.170g)を得た;MS(ES)m/e577/579[M+H]
【0106】
記載例16:1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−({[2−クロロ−4−(5−メチル−2−チエニル)フェニル]スルホニル}アミノ)−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2,6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D16)
【化26】


1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−{[(4−ブロモ−2−クロロフェニル)スルホニル]アミノ}−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2,6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D13)(0.10g、0.169mmol)、5−メチルチオフェン−2−ボロン酸(0.0739g、0.254mmol)、パラジウムジクロライド ジ−トリフェニルホスフィン(5.9mg、0.0127mmol)、炭酸ナトリウム(0.0359g、0.339mmol)をDME(1mL)および水(0.5mL)中で、120℃、20分間マイクロ波で加熱した。その後、反応液を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×30mL)および塩水(30mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて、クロマトグラフィ(シリカゲル、0−70%酢酸エチル/ペンタンで溶出する)により精製して、黄色泡沫体を得た。生成物を蒸発させて淡黄色油(D16)(0.088g)を得た;MS(ES)m/e607/609[M+H]
【0107】
記載例17:4−ブロモ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]ベンゼンスルホンアミド(D17)
【化27】


6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジンアミン(D7、方法E)(1.5g、6.35mmol)をDCM(15mL)およびピリジン(15mL)に溶解し、その後0℃まで冷ます。DCM(8mL)中に溶解された4−ブロモベンゼンスルホニルクロライド(3.04g、11.9mmol)を滴下し、反応液を室温まで一晩温めた。その後、最小限まで蒸発させて、DCM(100mL)中に再度溶解し、水(50mL)で洗浄した。水相をDCM(100mL)で抽出し、合した有機抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム(2×100mL)および塩水(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)し、蒸発させて酢酸エチル(3×10mL)でトリチュレートし、淡黄色粉体として表題化合物(D17)(1.382g)を得た。MS(ES)m/e455/457[M+H]
【0108】
記載例18:(3R,5S)−1−[6−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)スルホニル]−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−3,5−ジメチルピペラジン(D18)
【化28】


6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジンアミン(D7、方法D)(2.25mmol)をDCM(5mL)およびピリジン(5mL)中に溶解させて、0℃まで冷ました。DCM(5mL)中に溶解させた4−ブロモ−2−フルオロベンゼンスルホニルクロライド(0.738g、2.706mmol)を滴下し、その後反応液を一晩温めた。反応液を最小限まで蒸発させ、DCM(100mL)中に再び溶解させて水(2×75mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(3×75mL)および塩水(75mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させて褐色の油を得て、メタノールでトリチュレートし、高真空下50℃で乾燥させて淡褐色粉体として表題化合物(D18)(0.400g)を得た。MS(ES)m/e473/475[M+H]
【0109】
記載例19:シス−1−(2−クロロ−4−ピリジニル)−3,5−ジメチルピペラジン
【化29】


ジオキサン(20ml)中、4−ブロモ−2−クロロピリジン(2.0g、10.4mmol)、シス−2、6−ジメチルピペラジン(1.3g、11.4mmol)、ナトリウム t−ブトキシド(2.0g、20.8mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(230mg、2.55mol%)、および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(230mg、5mol%)の混合液を100℃で1時間攪拌した。混合物を室温まで冷まし、「セライト」を通してし、溶媒を蒸発させた。ジクロロメタン中0−5%メタノールで溶出するフラッシュクロマトグラフィの精製により表題化合物(D19)を得た。H NMR CDCl ppm δ1.15(6H,d)、2.42−2.45(2H、m)、2.90−2.97(2H、d)、3.61−3.67(2H、m)、6.56(1H、d)、6.64(1H、s)、8.00(1H、s)。
【0110】
記載例20:4−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−N−(ジフェニルメチリデン)−2−ピリジンアミン
【化30】


出発物質としてシス−1−(2−クロロ−4−ピリジニル)−3,5−ジメチルピペラジン(D19)およびベンゾフェノンイミンを用いて、シス−1−(2−クロロ−4−ピリジニル)−3,5−ジメチルピペラジン(D19)と同様の方法で表題化合物を調製した。MS(ES)m/e371[M+H]
【0111】
記載例21:4−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジンアミン
【化31】


テトラヒドロフラン(5ml)中、4−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−N−(ジフェニルメチリデン)−2−ピリジンアミン(D20)(650mg、1.76mmol)の溶液を1.0M塩酸で処理し、混合液を室温で1時間攪拌した。混合液を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄した。水相を50%水性水酸化ナトリウムで塩基性化し、その後塩化ナトリウムで飽和させた。混合液を酢酸エチル(×2)で抽出した。合した抽出物を乾燥させ、蒸発させて表題化合物(D21)を得た。H NMR CDCl ppmδ1.13(6H、d)、2.33−.238(2H、m)、2.91−2.96(2H、m)、3.58−3.62(2H、m)、5.85(1H、s)、6.18−6.20(1H、m)、7.78−8.00(1H、d)。
【0112】
記載例22:4−ブロモ−N−{4−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル}−3−フルオロベンゼンスルホンアミド
【化32】


出発物質として4−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジンアミン(D21)および4−ブロモ−3−フルオロベンゼンスルホニルクロライドを用いて、4−ブロモ−N−(2−クロロ−4−ピリジニル)ベンゼンスルホンアミド(D3)と同様の方法で表題化合物を調製した。MS(ES)m/e443、445[M+H]
【0113】
記載例23:1,1−ジメチルエチル5−ブロモ−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレート
【化33】


トルエン(100ml)中、5−ブロモ−2−メトキシ−3−ピリジンカルボン酸(9.3g、40mmol)の懸濁液をN,N−ジメチルホルムアミド ジ−t−ブチルアセタール(16.3g、80mmol)で処理し、混合液を80℃で2時間加熱した。混合液を冷まして、溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解して、水(×2)で洗浄した。有機層を乾燥させ、蒸発させて表題化合物(D23)を得た。H NMR CDCl ppm δ1.58(9h、s)、4.01(3H、s)、8.14(1H、s)、8.3(1H、s)。
【0114】
記載例24:1,1−ジメチルエチル5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレート
【化34】


出発物質として1,1−ジメチルエチル5−ブロモ−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレート(D23)およびシス−2、2−ジメチルピペラジンを用いたシス−1−(2−クロロ−4−ピリジニル)−3,5−ジメチルピペラジン(D19)と同様の方法で表題化合物を調製した。
【0115】
記載例25:1,1−ジメチルエチル5−[シス−3,5−ジメチル4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレート
【化35】


N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中、1,1−ジメチルエチル5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレート(D24)(500mg、1.56mmol)、炭酸カリウム(430mg、3.12mmol)および臭化ベンジル(266mg、1.56mmol)の混合液を80℃で4時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルと水の間に分配した。有機層を水で洗浄し、乾燥させて、蒸発させた。ヘキサン中5−20%酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィで精製して表題化合物(D25)を得た。MS(ES)m/e412[M+H]
【0116】
記載例26:5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボン酸
【化36】


ジクロロメタン(5ml)中、1,1−ジメチルエチル5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレート(D25)をトリフルオロ酢酸(5ml)で処理し、該混合液を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残留物をメタノール中2Mアンモニアで溶出するSCXで精製して、表題化合物(D26)を得た。MS(ES)m/e356[M+H]
【0117】
記載例27:1,1−ジメチルエチル[5−[(3−シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバミン酸塩
【化37】


t−ブタノール(3ml)およびトルエン(3ml)中、5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボン酸(D26)(100mg、0.28mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(115mg、0.42mmol)、およびトリエチルアミン(85mg、0.84mmol)の混合液を65℃で1時間加熱し、その後110℃で24時間加熱した。反応混合物を室温まで冷まし、溶媒を蒸発させた。ヘキサン中5−25%酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィで精製して表題化合物(D27)を得た。MS(ES)m/e427[M+H]
【0118】
記載例28:N−[5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化38】


ジクロロメタン(2ml)中1,1−ジメチルエチル[5−[シス−3,5−ジメチル4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバミン酸塩(D27)(119mg、0.28mmol)の溶液をトリフルオロ酢酸(2ml)で処理し、室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残留物とトルエン(×2)と共沸混合させて表題化合物(D28)を得た。MS(ES)m/e423[M+H]
【0119】
記載例29:5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンアミン
【化39】


メタノール(5ml)中、N−[5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(D28)(97mg、0.28mmol)の溶液を炭酸カリウム(500mg、過剰)で処理した。混合液を室温で24時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機層を乾燥し、蒸発させて、表題化合物(D29)を得、それをさらに精製することなく使用した。
【0120】
記載例30:4−ブロモ−N−[(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)スルホニル]−N−[5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミド
【化40】


出発物質として5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンアミン(D29)および4−ブロモ−3−フルオロベンゼンスルホニルクロライドを用いて4−ブロモ−N−(2−クロロ−4−ピリジニル)ベンゼンスルホンアミド(D3)と同様の方法で表題化合物を得た。MS(ES)m/e799、801、803[M+H]
【0121】
記載例31:N−[5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
【化41】


出発物質として4−ブロモ−N−[(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)スルホニル]−N−[5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D30)を用いて、実施例1(E1)と同様の方法で表題化合物を調製した。MS(ES)m/e565[M+H]
【0122】
記載例32:エチル5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジンカルボキシレート
【化42】


出発物質(D19)としてエチル5−ブロモ−3−ピリジンカルボキシレートおよびシス−2,2−ジメチルピペラジンを用いて、シス−1−(2−クロロ−4−ピリジニル)−3,5−ジメチルピペラジンと同様の方法で表題化合物を調製した。MS(ES)m/e264[M+H]
【0123】
記載例33:5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジンカルボン酸
【化43】


テトラヒドロフラン(5ml)中、エチル5−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジンカルボキシレート(D32)(800mg、3mmol)溶液を0.5M水酸化リチウムで処理した。混合物を室温で2時間攪拌した。反応物を酢酸(1ml)で急冷した。溶媒を蒸発させ、残留物をメタノール中2Mアンモニアで溶出したSCXで精製して、表題化合物(D33)を得た。MS(ES)m/e236[M+H]
【0124】
記載例34:1,1−ジメチルエチル{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}カルバミン酸塩
【化44】


出発物質として5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジンカルボン酸(D33)を用いた1,1−ジメチルエチル[5−[(3−シス−3,5−ジメチル4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]カルバミン酸塩(D26)と同様の方法で表題化合物を調製した。MS(ES)m/e307[M+H]
【0125】
記載例35:N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化45】


出発物質として1,1−ジメチルエチル{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}カルバミン酸塩(D34)を用いて、N−[5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(D28)と同様の方法で表題化合物を調製した。MS(ES)m/e303[M+H]
【0126】
記載例36:5−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジンアミン
【化46】


出発物質としてN−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(D35)を用いて、5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンアミン(D29)と同様の方法で表題化合物を調製した。
【0127】
記載例37:4−ブロモ−N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}−3−フルオロベンゼンスルホンアミド
【化47】


出発物質として5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジンアミン(D36)および4−ブロモ−3−フルオロベンゼンスルホニルクロライドを用いて、4−ブロモ−N−(2−クロロ−4−ピリジニル)ベンゼンスルホンアミド(D3)と同様の方法で表題化合物を調製した。
【0128】
記載例38:エチル5−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレート
【化48】


出発物質としてエチル5−ブロモ−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレートおよび1−ベンジル−(シス−2,2−ジメチル)ピペラジンを用いて、シス−1−(2−クロロ−4−ピリジニル)−3,5−ジメチルピペラジン(D19)と同様の方法で表題化合物を調製した。MS(ES)m/e384[M+H]
【0129】
記載例39:5−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボン酸
【化49】


エタノール(10ml)中、エチル5−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジンカルボキシレート(D38)(3.4g、8.9mmol)の溶液および2M水酸化ナトリウム(10ml)を60℃で2時間加熱した。エタノールを蒸発させ、残留物を水で希釈して、この混合物を氷酢酸で酸性化し、酢酸エチル(×2)で抽出した。合した抽出物を乾燥し、蒸発させた。メタノール中2Mアンモニアで溶出するSCXで精製して表題化合物(D39)を得た。MS(ES)m/e356[M+H]
【0130】
実施例1:N−(6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル)−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E1)
【化50】


1,2−ジメトキシエタン(3ml)および水(1ml)中4−ブロモ−N−(6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル)−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D2)(40mg、0.09mmol)、5−メチルフラン−2−ボロン酸(15mg、0.12mmol)、炭酸ナトリウム(35mg、0.33mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg、5mol%)の混合物を120℃で20分間、マイクロ波加熱した。反応混合物をジエチルエーテル(5ml)および水(2ml)との間で分配した。有機層を乾燥させ、蒸発させた。残留物をジエチルエーテルおよび酢酸エチルでトリチュレートした後、メタノールに溶解してジエチルエーテル中塩酸で処理して塩酸塩にした。ジエチルエーテルを用いてトリチュレートし、表題化合物(E1)を得た;MS(ES)m/e445[M+H]
【0131】
実施例2:N−(2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリジニル)−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E2)
【化51】


ジオキサン(4ml)中、N−(2−クロロ−4−ピリジニル)−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド(D4)(250mg、0.74mmol)、シス−2,6−ジメチルピペラジン(170mg、1.48mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(140mg、1.48mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(15mg、5mol%)、および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(30mg、10mol%)の混合液を120℃で1時間マイクロ波加熱した。反応混合物を酢酸エチルおよび水の間に分配した。水相を蒸発させ残留物をジクロロメタン中5−10%メタノールで溶出するカラムクロマトグラフィによって精製した。生成物をメタノールに溶解して、ジエチルエーテル中、塩酸で処理して塩酸塩にし、表題化合物(E2)を得た;MS(ES)m/e427[M+H]
【0132】
実施例3:N−[6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E3)
【化52】

【0133】
方法A
(D2)を(D8、方法A)で置換して(E1)と同様の方法で表題化合物を調製した。(E3)MS(ES)m/e475[M+H]
【0134】
方法B
1,2−ジメトキシエタン(290ml)中、4−ブロモ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D8、方法B)(29.1g、61.5mmol)の攪拌された溶液に大気温度、アルゴン下で、水(145ml)中、炭酸ナトリウム(34.3g、324mmol)の溶液を加えた。その後、混合液に二塩化パラジウムジ−トリフェニルホスフィン(0.844g、1.2mmol)を加えた。この混合物を勢いよく攪拌し、35℃まで加熱し、その温度で、1,2−ジメトキシエタン(25ml)中、4,4,5,5−テトラメチル−2−(5−メチル−2−フラニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(12.8g、61.4mmol)の溶液を30秒かけて加えた。還流が1時間にわたって達成されるように加熱を続けた。その後さらに1時間還流を維持した。1、2−ジメトキシエタン(25ml)中、4,4,5,5−テトラメチル−2−(5−メチル2−フラニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(12.8g、61.4mmol)を加え、還流を0.75時間維持した。その後反応混合物を大気温度まで冷却し、濃縮して残留物を得た。残留物に水(1L)を加え、この攪拌された混合物に、上澄みがpH7に達するまで、5M塩酸(およそ55mL)を加えた。沈殿した反応生成物を直径の大きなガラス漏斗を通して吸引濾過し、水(3×100mL)で洗浄した。その後固体を40℃真空下で24時間乾燥して淡褐色粉体(29g)を得た。母液から別の収量の固体(2.0g)を回収した。
【0135】
上記と同様の方法で、他のバッチの固体(0.5g)を4−ブロモ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D8、方法B)(1.0g、2.1mmol)から調製した。
【0136】
すべての固体をあわせて回収(31.5g)し、沸騰したメタノール(3.2L)で攪拌し、Kieselghurを通して濾過し、温めながら暗紫色固体の少量を取り除いた。濾液を真空中で濃縮し、およそ1.5Lの量とし、室温で0.5時間放置して、真空中でさらに蒸発させて最終容量250mlとした。混合液を氷浴にて1時間冷却し、結晶性固体を濾過して、メタノール/ジエチルエーテル(1:1)(2×75mL)で洗浄し、その後ジエチルエーテル(2×75ml)で洗浄して、真空下で、40℃、18時間乾燥した(17.4g)。
【0137】
大気温度で、メタノール(400mL)中、前記物質の懸濁液に濃塩酸(3.7ml)を加えた。得られた溶液をさらなるメタノール(100ml)で希釈し、55℃まで加熱し、パラジウム残留物を取り除くために、この温度で、Isolute Si−Thiol粉末(仕入れ先:Biotage)(1.3mmol/g、20g)で処理した。この温度で1.5時間後、混合物をKieselghurに通して吸引濾過した。濾液を濃縮し、およそ200mlの容量とし、攪拌しながらジエチルエーテル(200ml)で希釈した。0.5時間後、得られた懸濁液を濾過しメタノール/ジエチルエーテル(1:1)(80mL)で洗浄し、その後、ジエチルエーテル(2×100mL)で洗浄し、真空下、40℃で1時間乾燥した(17.3g)。この物質を沸騰したメタノール(350mL)で攪拌し、0.5時間氷浴で冷却する前に、この溶液を濃縮して100mLとした。淡黄色の結晶性固体が濾過され、メタノール/ジエチルエーテル(1:1)(2×30mL)で洗浄し、その後ジエチルエーテル(2×50mL)で洗浄して、真空下、40℃で18時間乾燥した。
【0138】
ついで、この物質を真空下、60℃で21時間加熱し、すべてのメタノール溶液を除去した(12.01g)、(E3)。
δH (d6−DMSO、400MHz)1.20(6H、d、J=6.4Hz)、2.39(3H、s)、2.40−2.45(2H、m)、3.12−3.15(2H、br、m)、3.76(3H、s)、3.82−3.86(2H、m)、6.35−6.36(1H、m)、6.55(1H、d、J=9.2Hz)、6.92−6.93(1H、m)、7.35(1H、d、J=8.8Hz)、7.78−7.80(2H、m)、7.94(1H、t、J=8Hz)、8.8(1H、br、s)、9.4(1H、br、s)、10.5(1H、br、s)。
【0139】
実施例4:N−(2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリミジニル)−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド(E4)
【化53】


1,2−ジメトキシエタン(3ml)および水(1ml)中、4−ブロモ−N−{2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリミジニル}−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D10)(90mg、0.2mmol)、5−メチルフラン−2−ボロン酸エステル(85mg、0.4mmol)、炭酸ナトリウム(86mg、0.8mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(7mg、5mol%)の混合物を110℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合液をhydromatrix カートリッジに充填してメタノールで溶出した。メタノールを減圧下で取り除き、残留物をSCXカートリッジに充填して、メタノールおよびメタノール中2N NHで溶出した。塩基性のフラクションを合わせて、蒸発し、トルエンと共沸混合して残留物をDMAW60(ジクロロメタン:メタノール:酢酸:水=60:18:2:3)で溶出するカラムクロマトグラフィにより精製した。生成物をメタノールに溶解し、ジエチルエーテル中塩酸で処理することによって塩酸塩として表題化合物(E4)を得た;MS(ES)m/e446[M+H]
【0140】
実施例5:2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E5)
【化54】


1,2−ジメトキシエタン(4ml)および水(2ml)中、4−ブロモ−2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]ベンゼンスルホンアミド(D11)(245mg、0.5mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(5−メチルフラン−2−イル)−[1,3,2]−アロキサボララン(113mg、0.55mmol)および炭酸ナトリウム(212mg、2mmol)を130℃で20分間マイクロ波反応器で加熱した。反応混合物を酢酸エチルと水との間に分配した。有機層を水(×3)、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP4、25+S、ジクロロメタン中、0−20% 2M アンモニア/メタノール)によって二度精製して、表題化合物を得た。これを塩酸塩(ジエチルエーテルおよびMeOH中1M塩化水素)にして表題化合物(E5)の塩酸塩を得た:90mg、MS(ES)m/e491/493[M+H]
【0141】
実施例6:2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(4−メチル2−チエニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E6)
【化55】


ジオキサン(5ml)1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−({[2−クロロ−4−(4−メチル2−チエニル)フェニル]スルホニル}アミノ)−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2,6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D14)(0.128g)をジオキサン(5ml)に溶解し、4N HCl/ジオキサン(5mL)を加えて反応物を24時間攪拌した。反応混合物を蒸発させて、淡黄色固体(E6)(0.111g)として表題化合物を得た。MS(ES)m/e507/509[M+H]
【0142】
実施例7:2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(3−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E7)
【化56】


1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−({[2−クロロ−4−(3−フラニル)フェニル]スルホニル}アミノ)−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2、6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D15)(0.170g)を4N HCl/ジオキサン(6mL)に溶解し、反応物を35℃で2時間攪拌した。反応混合物を蒸発させて、酢酸エチル/エーテル(×3)でトリチュレートし、高真空下、50℃で乾燥させて白色固体を得て、該化合物を白色固体(E7)(0.119g)として化合物を得た。MS(ES)m/e477/479[M+H]
【0143】
実施例8:2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル2−チエニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E8)
【化57】


1,1−ジメチルエチル(2R,6S)−4−[6−({[2−クロロ−4−(5−メチル2−チエニル)フェニル]スルホニル}アミノ)−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2,6−ジメチル−1−ピペラジンカルボキシレート(D16)(0.170g)を4N HCl/ジオキサン(5mL)中に溶解し、反応混合物を24時間攪拌した。反応混合物を蒸発させて酢酸エチル/エーテル ×3でトリチュレートし、高真空下、50℃で乾燥した白色固体(E8)(0.066g)として化合物を得た。MS(ES)m/e507/509[M+H]
【0144】
実施例9:N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E9)
【化58】


4−ブロモ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]ベンゼンスルホンアミド(D17)(0.10g、0.219mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(5−メチル2−フラニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(0.068g、0.329mmol)、パラジウムジクロライド ジ−トリフェニルホスフィン(7.7mg、0.0109mmol)、炭酸ナトリウム(0.084g、0.878mmol)をDME(2mL)および水(1.0mL)中において120℃で20分間マイクロ波加熱した。その後、反応物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×15mL)および塩水(15mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)し、蒸発させて、クロマトグラフィ(シリカゲル、0−15%メタノール/DCMで溶出する)で45分かけて精製した。生成物フラクションを蒸発させ、DCMに再び溶かし、遊離塩基を1M HCl/エーテルで塩酸塩に変えた。生成物を蒸発し、エーテル/アセトンでトリチュレートし、高真空下50℃で一晩乾燥した(E9)(0.012g)MS(ES)m/e457[M+H]
【0145】
実施例10:N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2’−フルオロ−5’−(メチルオキシ)−4−ビフェニルスルホンアミド塩酸塩(E10)
【化59】


4−ブロモ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]ベンゼンスルホンアミド(D17)(0.10g、0.219mmol)、2−フルオロ−5−メトキシベンゼンボロン酸(0.056g、0.329mmol)、パラジウムジクロライド ジ−トリフェニルホスフィン(7.7mg、0.0109mmol)、炭酸ナトリウム(0.084g、0.878mmol)をDME(2mL)および水(1.0mL)において120℃で20分間マイクロ波で加熱した。その後、反応物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×15mL)および塩水(15mL)で洗浄した有機層を乾燥(MgSO)し、蒸発させて、クロマトグラフィ(シリカゲル、0−15%メタノール/DCMで溶出する)で精製した。生成物フラクションを蒸発させ、DCMに再び溶かし、遊離塩基を1M HCl/エーテルで塩酸塩に変えた。蒸発させ、エーテル/アセトンで粉末化して高真空下50℃で一晩乾燥した(E10)(0.004g)MS(ES)m/e501[M+H]
【0146】
実施例11:N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(E11)
【化60】


(3R,5S)−1−[6−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)スルホニル]−5−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−3,5−ジメチルピペラジン(D18)(0.15g、0.317mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(5−メチル2−フラニル)−1,3,2−ジオキシボロラン(0.098g、0.475mmol)、パラジウムジクロライド ジ−トリフェニルホスフィン(11.1mg、0.0158mmol)、炭酸ナトリウム(0.121g、1.268mmol)をDME(2mL)および水(1.0mL)中において、120℃で10分間マイクロ波加熱した。その後、反応混合物をSCX−シリカ上に注ぎ、メタノール(80mL)で洗浄し、2Mアンモニア/メタノール溶液(80mL)で溶出した。この溶離液を蒸発させてクロマトグラフィ(シリカゲル、0−10%メタノール/DCMで溶出する)で精製した。カラムから得られた少量の不溶性物質を蒸発させた純粋な精製物と一緒にした。生成物をDCMに再度溶解させ、1M HCl/ジエチルエーテルで処理し、蒸発させ、アセトン/ジエチルエーテルでトリチュレートし、高真空下で一晩乾燥した後に固体として表題化合物を得た。(E11)(0.129g)MS(ES)m/e475[M+H]
【0147】
実施例12:N−{4−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【化61】


出発物質として4−ブロモ−N−{4−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル}−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D22)を用いて実施例(E1)と同様の方法で表題化合物を調製した。MS(ES)m/e445[M+H]
【0148】
実施例13:N−[5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【化62】


エタノール(5ml)中、N−[5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド(D31)(60mg、0.1mmol)および炭素(10mg)上10%パラジウムを含む2M塩酸(0.5ml)の溶液を水素雰囲気下で2時間攪拌した。混合物を「セライト」を通して濾過し、溶液を蒸発させた。ジクロロメタン中5%メタノールで溶出するフラッシュクロマトグラフィにより残留物を精製し、続いて、ジエチルエーテル中、1.0M塩化水素で処理して表題化合物(E13)を得た。MS(ES)m/e475[M+H]
【0149】
実施例14:N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【化63】


出発物質として4−ブロモ−N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}−3−フルオロベンゼンスルホンアミド(D37)を用いて実施例1(E1)と同様の方法で表題化合物を調製した。
【0150】
実施例15:N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−オキソ−1、2−ジヒドロ−3−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
【化64】


ジオキサン(2ml)中、N−[5−[シス−3,5−ジメチル−4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド(D31)(60mg、0.1mmol)の溶液をジオキサン(1ml)および水(0.5ml)中4.0M塩化水素で処理した。混合物を70℃で4時間加熱した。溶液を蒸発させ、残留物をエタノール(5ml)および2M塩酸(2ml)中に溶解した。炭素上10%パラジウムを加え、混合物を水素雰囲気下で4時間攪拌した。混合物を「セライト」に通して濾過し、溶液を蒸発させた。MDAPで精製し、表題化合物(E15)を得た。MS(ES)m/e461[M+H]
【0151】
検査操作
グレリン受容体GHS−Rのクローニング
ヒトGHS−Rはヒト視床下部cDNAおよびpCR2.1にクローン化されたTOPO Taからクローニングされた。配列を確認し、発現解析のためpCDNに移植した。配列を再度確認して、プラスミドをCHO細胞に電気穿孔した。クローンをFLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー)によりスクリーニングした。
【0152】
GHS−R bacmamウイルスの産生およびウイルス力価測定
ウイルス産生
GHS−RのオープンリーディングフレームをpCDNからpFastBacmamベクターに移入した。このベクターは、昆虫細胞特異性ポリへドリンプロモーターが哺乳類の細胞活性プロモーター、この場合CMV、に変換される組換えバキュロウイルスの産生に使用された。その後これはBac to Bac発現システム(インビトロゲン)とともに使われた。簡単に言えば、このベクターをDH10bac E.coliに転換し、バクミドを形質転換細胞から単離した。その後、組換えバキュロウイルス粒子を生成するために、6−ウェルシャーレ中ExCell 420(JRH)で成長させたSf9昆虫細胞に、このバクミドを形質導入した。
【0153】
これらの細胞の上澄みから組換えGHS−R bacmamウイルスが含まれたものを採取した。さらにウイルスを増幅させ、P1ストックを提供するために、ExCell 420倍地上1×10個/mlのSf9細胞の200mlsの感染に、このP0ウイルスのストックを用いた。
【0154】
ついで、このP1ウイルスストックを用いて、10個の1リットルのエルレンマイアー振盪フラスコのP2ウイルスストックを増幅させ、この細胞の上澄みを再度採取した。その後、これを、検査のため哺乳類の細胞の形質導入に用いた。
【0155】
ラット脳cDNAからpCDNA3ベクターへのPCRによってGαo G−タンパク質のオープンリーディングフレームをクローン化した。その後、これをpFast Bacmamベクターに形質導入し、組換えバキュロウイルス粒子を上記のとおり産生した。
【0156】
ウイルス力価測定
gp64エンベロープタンパク質モノクローナル抗体を用いたプラークELISA法によりウイルス増幅のすべての段階でウイルス力価測定を行った。
【0157】
SF9細胞を96ウェルシャーレに移し、一定範囲のウイルスの希釈体を当該細胞に1時間加えた。このウイルスを取り出し、1%メチルセルロースおよび培地の混合物を細胞に加えて48時間インキュベートした。その後、この細胞をホルムアルデヒドおよびアセトンの混合液に8分間固定した。その後、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、標準ヤギ血清を25分間加えた。その後これを取り出し、gp64標準抗体を25分間加えた。その後ウェルをPBSで洗浄し、ヤギ抗体−マウス/HRP接合抗体を25分間加えた。ウェルをPBSで洗浄し、True Blue ペルオキシダーゼ基質溶液(Kirkegaard & Perry Laboratories)を加え、60分間インキュベートした。青色病巣(blue foci)について個々のウェルを数え、希釈因子を考慮して、ウイルスの1ml当たりのプラーク形成単位を測定した。
【0158】
1.GHS−R GTPγS 機能的アゴニストアッセイ
グレリン受容体GHS−Rを一時的に発現する細胞の生成
HEK293T 細胞(SV40ラージT抗原を安定して発現するHEK293細胞)を10%(v/v)新生仔ウシ血清および2mMグルタミンを含むDMEM中に維持した。細胞を60mm培養皿に播種し、リポフェクタミン試薬を用いた関連DNA種を含むpCDNA3での形質導入に先立って、60−80%密集度(18−24hrs)まで成長させた。形質導入に関して、Opti−MEM(Life Technologies Inc.)0.2mL中、DNA3μgをリポフェクタミン10μlと混合し、Opti−MEM 1.6mLを追加するのに先立って、室温で30分間インキュベートした。共トランスフェクション実験に関して、それぞれのcDNA種1.5μgを用いた。細胞をリポフェクタミン/DNA混合液に5時間曝し、その後、DMEM中10%(v/v)新生仔ウシ血清2mLを加えた。形質導入して48時間後細胞を採取した。
【0159】
グレリン受容体GHS−RおよびラットGαo G−タンパク質を一時的に発現する細胞の生成
フリースタイル培地1リットル中の3×10個のHEKF細胞にGHS−Rウイルス(1×10 pfu/ml)300mlおよびGαo G−タンパク質(4×10個pfu/ml)30mlを加えることによって、フリースタイル培地(Invitrogen)で維持したHEK293F細胞にGHS−RおよびラットGαo G−タンパク質の両者を共形質導入した。形質導入から24時間経過した後、2mM酪酸ナトリウムを加え、発現を強化した。酪酸ナトリウム添加から24時間後、膜標本により細胞を採取した。
【0160】
培養細胞から膜標本
プロトコルのすべての工程は4℃で行われ、予め冷やされた試薬を用いる。10−4M ロイペプチン(アセチル−ロイシル−ロイシル−アルギナール;Sigma L2884)、25μg/mL バアシトラシン(Sigma B0125)、1mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1mM フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)および2×10−6M ペプスタイン A(Sigma)で補充した50mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES) (pH 7.40)を含む10倍量のA2バッファに細胞ペレットを再懸濁した。その後、細胞を1リッターグラスワーリングブレンダーで2×15秒バーストによって均質化し、続いて20分間500gで遠心分離した。その後、30分間48,000gで上清を高速回転させた。ペレットを5秒間ボルテックスして、続いて、Dounceホモジナイザー(10−15ストローク)で均質化した。4倍量のA2バッファに再懸濁し、この時点で該調製物をポリプロピレン管にアリコートし、−70℃で保存した。
【0161】
本発明の化合物は下記のGTPγSアッセイにしたがって、インビトロでの生物活性を試験した:
GHS−R GTPγS機能的アゴニストアッセイプロトコル
各化合物をアッセイするために、Optiクリアボトム96ウェルプレートにて:
(a)100%DMAO中、必要な濃度に希釈され、15μlアッセイバッファ(20mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)+100mM NaCl+10mM MgCl、pHをNaOHで7.4に調整)を加えた5ulの試験化合物を加え;
(b)20μlグアノシン5’[γ35−S]チオトリリン酸、トリエチルアミン塩(Amersham;放射能濃度=37kBq/μlまたは1mCi/ml;比放射能 1160Ci/mmol)をアッセイバッファ中、1.9nMに希釈して最終0.38nMを得;
(c)(上記方法に従って調製された)膜をアッセイバッファにて希釈し、60μl中ウェルにつき5μgタンパク質を含む最終濃度を得た。グアノシン5’二リン酸塩(GDP)(Sigma;アッセイバッファ中で希釈)の最終濃度40μMを加え、アッセイに添加する前に10分間インキュベートした。
このアッセイは、(a)、(b)、(c)からの成分を混合することによって開始され、30分間室温でインキュベートした;
(d)コムギ胚芽凝集素−ポリビニルトルエン(WGA−PVT)シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズを、アッセイバッファ中で20mgs/mlまで希釈した。
その後、ビーズ25μlを反応混合液に加え、アッセイを30分間室温で振動させながらインキュベートした。続いてこれを5分間1500rpmで遠心分離した。遠心分離を終えた3時間と6時間の間で、1分正規化トリチウム計数プロトコルに基づいてWallac Microbetaカウンターにて該プレートを読み取った。データを4−変数ロジスティック式を用いて解析した。基底活性を最小活性として用いた。
【0162】
2.GHSRアゴニストBACMAM FLIPRアッセイ
グレリン受容体GHS−Rを一時的に発現するU2OSの生成
アッセイに24時間先立ってコンフルエンス100%のU2OS細胞を採取し、遠沈させた。上澄みを除去し、細胞を培地(MEM+10%FBS+1%L−グルタミン)に再懸濁させる。細胞の計数をCedex計測機器を用いて行い、細胞濃度を培地を用いて調節して20K細胞/ml(10K細胞/50ul)を得た。
【0163】
ヒトGHSR BACMAMウイルスを、適当な容量%(ウイルス力価量が変化する場合BACMAMウイルスの個々のバッチを計算する)細胞懸濁液に加える。この形質導入された細胞の懸濁液をFLIPR 384−ウェルクリアボトムプレートに50ul/ウェルにて分配する。細胞プレートを37℃で一晩インキュベートする。
【0164】
化合物調製
マスター化合物プレートを100%DMSO中に調製する。3mMが最も高い濃度(最終濃度10μM)であり、それらを連続的に4の1に薄めた。マスタープレートからの1ulを娘プレートに移し、それに、化合物希釈バッファ(Tyrodes+1mg/ml BSA+1。5mM CaCl)の50μlを加える。このプレートをアッセイに用いる。
【0165】
発明の化合物の生物活性を、下記のFLIPRアッセイにしたがってインビトロで試験した:
GHSRアゴニストBACMAM FLIPRアッセイプロトコル
セルウォッシャを用いて培地を吸引する(10ulの培地が残る)。細胞を即座にローディングバッファ(Tyrodes(Elga水+145mM NaCl+5mM KCl+20mM HEPES+10mM グルコース+1mM MgCl)+1.5mM CaCl+0.714mg/ml Probenicid(1M NaOH中に予め溶解する)+0.5mM brilliant black+2.5uM Fluo 4染料)で充填し、37.5℃で1時間インキュベートする。その後、FLIPR3カルシウムイメージング装置を用いて、化合物プレートから10μlを即座に細胞プレートに加える。蛍光測定を行う。
実施例の化合物はGHSRアゴニストBACMAM FLIPRアッセイで1μMより小さなEC50値を有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


[式中、
Raは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
RbおよびRcは、独立して水素またはC1−6アルキルであり;
Qは、WおよびXが独立してCHまたはNであり、並びにYおよびZが独立してCRdまたはNである環であり;および、
Rdが存在する場合、Rdは水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、C1−6ハロアルコキシ、オキソおよびシアノから成る群から独立して選択され;
ここで、RbおよびRcの少なくとも一つは、C1−6アルキルであり、並びにW、X、YおよびZのうち少なくとも一つは、Nである]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項2】
式IA
【化2】


[式中、
Ra、Q、Rb、Rc、Rd、W、X、YおよびZは、請求項1で定義されるとおり]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項3】
Raは、置換されていてもよいフェニルであり;および/または
RbおよびRは、両者ともメチルであり;および/または
Qは、2−ピリジル、4−ピリジニルおよび4−ピリミジニルから成る群より選択され;および/または
それぞれのRdは、水素またはメトキシである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Raがフラニルによって置換されたフェニルであり、その両方がさらに置換されていてもよい請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
N−{6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリジニル)−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−[6−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル−2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−4−ピリミジニル)−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド;
2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3、5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(4−メチル2−チエニル)ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(3−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
2−クロロ−N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル2−チエニル)ベンゼンスルホンアミド
N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2’−フルオロ−5’−(メチルオキシ)−4−ビフェニルスルホンアミド
N−[6−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]−2−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
N−{4−[(3R,5S)−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
N−[5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−3−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
N−{5−[シス−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル]−2−オキソ−1、2−ジヒドロ−3−ピリジニル}−3−フルオロ−4−(5−メチル2−フラニル)ベンゼンスルホンアミド
から選択される請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項6】
成長ホルモン分泌促進物質(GHS)受容体によって媒介される疾病または障害の治療のための請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物の使用。
【請求項7】
疾病または障害が、悪液質、筋肉減少症、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性関節症、加齢による衰え、成長ホルモン欠損症、代謝障害、睡眠障害、アルツハイマー疾患、鬱血性心不全、胃−食道逆流および/または胃腸障害に伴う症状、食欲性/代謝性悪液質に付随するまたは付随しない症状、嘔吐、胃炎、炎症性腸疾患、経腸栄養法などの操作、麻痺性イレウスまたは偽閉塞の処置、および便秘優性過敏性腸症候群のような便秘に伴う症状の処置の間の腸運動の減少である、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
成長ホルモン分泌促進物質(GHS)受容体により媒介される疾患または障害の処置にもちいるための薬剤を製造するための請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物の使用。
【請求項9】
疾病または障害が、悪液質、筋肉減少症、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性関節症、加齢による衰え、成長ホルモン欠損症、代謝障害、睡眠障害、アルツハイマー疾患、鬱血性心不全、胃−食道逆流および/または胃腸障害に伴う症状、食欲性/代謝性悪液質に付随するまたは付随しない症状、嘔吐、胃炎、炎症性腸疾患、経腸栄養法などの操作、麻痺性イレウスまたは偽閉塞の処置、および便秘優性過敏性腸症候群のような便秘に付随する症状の処置の間の腸運動の減少である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
式II
【化3】


[式中、
W、X、Y、Z、RbおよびRcは、式(I)の記載と同じである]で示される化合物またはその保護された誘導体を、
式(III)
【化4】

(III)
[式中、
Raは式(I)に定義されたとおりであり、L1は適当な脱離基である]
で示される化合物とカップリングさせること、
および/または式(I)の化合物を式(I)の異なる化合物に変えること、
および/または式(I)の化合物をその医薬上許容される誘導体に変えること、
を含む請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項11に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項13】
治療的に安全で有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体を対象者に投与することを含む、成長ホルモン分泌促進物質(GHS)受容体を介して媒介され得るヒトを含む哺乳類における疾患または障害の治療方法。

【公表番号】特表2009−531385(P2009−531385A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502088(P2009−502088)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053018
【国際公開番号】WO2007/113202
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】