説明

扉装置

【課題】防犯性に優れた扉装置11を提供する。
【解決手段】扉体13を主扉23および副扉24で構成する。主扉23の一側に嵌合部26を設け、扉枠12の一側に主扉23の嵌合部26が扉枠12の開口部20の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部27を設ける。主扉23の他側を扉支持体31で回動可能に支持し、扉支持体31に副扉24を設け、扉支持体31および副扉24の他側を扉枠12の他側に回動可能に支持する。扉体13の開放時には、主扉23の他側を扉枠12の開口部20の外側に移動させながら、主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方へ移動させ、嵌合部26を被嵌合部27から外す。扉体13の閉鎖時には、主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方から移動させ、嵌合部26を被嵌合部27に嵌合させながら、主扉23の他側を扉枠12の開口部20の内側に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防犯性に優れた扉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば一戸建てやマンションなどの住宅用玄関ドアなどに用いられる扉装置では、建物側に扉枠が設置され、この扉枠に扉体が開閉可能に設置されている。扉体は、この扉体の一側の戸先に対して反対側の他側がヒンジによって扉枠に回動可能に支持され、ヒンジを支点として扉体の戸先側が開閉される。扉体の戸先側には扉体の閉鎖状態で戸先から扉枠側へ向けてロック金具が突出して施錠する施錠機構が設けられ、扉枠側にはロック金具が嵌合する受金具が設けられている。
【0003】
しかし、このような扉装置では、扉体の回動による開閉を可能とするために、扉体の戸先と扉枠との間に隙間があり、その隙間を通じて扉体の施錠機構と扉枠の受金具との間の箇所にバールなどを差し込んで扉体の施錠機構と扉枠の受金具を変形させ、扉体の戸先を扉枠から外側に引き起こして施錠を強制的に解除し、扉体を開放する事件が発生している。
【0004】
そこで、扉体の戸先に扉枠の外面に重なるガード部を設けるとともにこのガード部の先端側を断面L字形に設け、このガード部の先端を扉枠の外面に設けた溝部に侵入させることにより、カード部で扉体の戸先と扉枠との間の隙間を隠蔽し、バールなどによるカード部の引き起こしを簡単にはできないようにして扉体が開放されるのを防ぐようにした扉装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−138849号公報(第2−3頁、図1−4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の扉装置では、扉体の戸先を工夫して扉体が開放されるのを防ぐようにしたものもあるが、基本的に扉体の回動により扉枠に対して開閉する構造であるため、扉体の戸先を扉枠から外側に引き起こして施錠を強制的に解除し、扉体を開放することは可能であり、防犯性が十分でない問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、防犯性に優れた扉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の扉装置は、開口部が形成された扉枠と、この扉枠の開口部の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体と、前記扉体の一側に設けられた嵌合部と、前記扉枠の一側に設けられ、前記扉体の一側の嵌合部が前記開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部と、前記扉体の開放時には前記扉体の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方へ移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部から外すとともに前記扉体の他側を支点として前記扉体を開放可能とし、前記扉体の閉鎖時には前記扉体の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方から移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させる扉支持手段とを具備しているものである。
【0008】
請求項2記載の扉装置は、開口部が形成された扉枠と、この扉枠の開口部の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体と、前記扉体の一側に設けられた嵌合部と、前記扉枠の一側に設けられ、前記扉体の一側の嵌合部が前記開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部と、前記扉体の一面側に位置し、一側の第1の支軸にて前記扉体の他側近傍に回動可能に連結され、他側の第2の支軸にて前記扉枠の他側に回動可能に支持され、前記扉体の開放時には前記扉体の他側を前記扉枠の開口部の外側に移動させながら前記扉体の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方へ移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部から外し、前記扉体の閉鎖時には前記扉体の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方から移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させながら前記扉体の他側を前記扉枠の開口部の内側に移動させる扉支持体とを具備しているものである。
【0009】
請求項3記載の扉装置は、開口部が形成された扉枠と、一側の主扉および他側の副扉を有し、これら主扉および副扉が前記扉枠の開口部の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体と、前記主扉の一側に設けられた嵌合部と、前記扉枠の一側に設けられ、前記主扉の一側の嵌合部が前記開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部と、前記扉体の一面側に位置し、一側の第1の支軸にて前記主扉の他側に回動可能に連結され、他側の第2の支軸にて前記扉枠の他側に回動可能に支持され、かつ前記副扉が設けられ、前記扉体の開放時には前記主扉の他側を前記扉枠の開口部の外側に移動させながら前記主扉の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方へ移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部から外し、前記扉体の閉鎖時には前記主扉の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方から移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させながら前記主扉の他側を前記扉枠の開口部の内側に移動させる扉支持体とを具備しているものである。
【0010】
請求項4記載の扉装置は、開口部が形成された扉枠と、一側の主扉および他側の副扉を有し、これら主扉および副扉が前記扉枠の開口部の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体と、前記主扉の一側に設けられた嵌合部と、前記扉枠の一側に設けられ、前記主扉の一側の嵌合部が前記開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部と、前記主扉の他側と副扉の一側とを回動可能に連結する第1の支持軸と、前記副扉の他側を前記扉枠の他側に回動可能に支持する第2の支持軸とを備え、前記扉体の開放時には前記副扉を介して前記主扉の他側を前記扉枠の開口部の外側に移動させながら前記主扉の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方へ移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部から外し、前記扉体の閉鎖時には前記主扉の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方から移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させながら前記副扉を介して前記主扉の他側を前記扉枠の開口部の内側に移動させるものである。
【0011】
請求項5記載の扉装置は、請求項2または3記載の扉装置において、扉体の一面側で、扉体と扉支持体との間、扉体と扉枠との間のうちの少なくとも1箇所を施錠する施錠手段を設けたものである。
【0012】
請求項6記載の扉装置は、請求項3または4記載の扉装置において、扉体の一面側で、主扉と副扉との間、主扉と扉枠との間、副扉と扉枠との間のうちの少なくとも1箇所を施錠する施錠手段を設けたものである。
【0013】
請求項7記載の扉装置は、請求項2または3記載の扉装置において、扉体の開放状態のときに主扉と扉支持体とのなす角度を所定角度で保持する保持手段を備えたものである。
【0014】
請求項8記載の扉装置は、請求項4記載の扉装置において、主扉の一側が扉枠より外側に開放された開放状態で第1の支持軸および第2の支持軸のいずれか一方を支点として扉体を回動させる保持手段を備えたものである。
【0015】
請求項9記載の扉装置は、請求項2記載の扉装置において、扉体の他側が扉枠の開口部の外側へ移動するのを扉体の嵌合部が扉枠の被嵌合部に嵌合している位置で規制し、扉体の他側と扉枠の他側との間に間隙部を形成させる規制手段を備えたものである。
【0016】
請求項10記載の扉装置は、請求項3または4記載の扉装置において、主扉の他側が扉枠の開口部の外側へ移動するのを主扉の嵌合部が扉枠の被嵌合部に嵌合している位置で規制する規制手段を備え、副扉の一部に、扉枠の他側のみに回動可能に支持され、扉体が規制手段で規制された位置にあるときに開放されて主扉の他側と扉枠の他側との間に間隙部を形成する副扉部を設けたものである。
【0017】
請求項11記載の扉装置は、請求項1ないし10いずれか記載の扉装置において、扉体の一側に、この扉体の一側が扉枠に沿って移動する際に扉枠側に当接して転動するガイドローラを備えたものである。
【0018】
請求項12記載の扉装置は、請求項1ないし11いずれか記載の扉装置において、扉体の開閉を指示する開閉指示手段と、この開閉指示手段による指示に基づいて扉体を開閉駆動する開閉駆動手段とを備えたものである。
【0019】
請求項13記載の扉装置は、請求項1ないし11いずれか記載の扉装置において、扉体に取り付けられたクローザ本体、扉枠に沿ってスライド可能に取り付けられたスライダ、これらクローザ本体とスライダとを連結する一対のリンク、扉体の一側が扉枠の開口部の内側に位置する状態でスライダのスライドを許容するとともに扉体の一側が扉枠の開口部の外側に移動している状態でスライダのスライドを規制するスライダ係止手段を有し、クローザ本体により一対のリンクおよびスライダを介して扉枠の開口部の外側に移動している扉体を閉鎖方向に付勢するクローザを備えたものである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の扉装置によれば、扉体の一側に嵌合部を設けるとともに、扉枠の一側に扉体の嵌合部が扉枠の開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部を設け、扉体を支持する扉支持手段により、扉体の開放時には、扉体の一側を扉枠に沿って開口部の内方へ移動させて嵌合部を被嵌合部から外すことにより、扉体の他側を支点として扉体を開放し、また、扉体の閉鎖時には、扉体の一側を扉枠に沿って開口部の内方から移動させて嵌合部を被嵌合部に嵌合させる構造であるため、扉体の閉鎖状態では、例えばバールなどを用いても扉体の一側である戸先を嵌合状態にある扉枠から外すのは困難であり、防犯性に優れた扉装置を提供できる。
【0021】
請求項2記載の扉装置によれば、扉体の一側に嵌合部を設けるとともに、扉枠の一側に扉体の嵌合部が扉枠の開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部を設け、扉体を支持する扉支持体により、扉体の開放時には、扉体の他側を扉枠の開口部の外側に移動させながら扉体の一側を扉枠に沿って開口部の内方へ移動させて嵌合部を被嵌合部から外し、また、扉体の閉鎖時には、扉体の一側を扉枠に沿って開口部の内方から移動させて嵌合部を被嵌合部に嵌合させながら扉体の他側を扉枠の開口部の内側に移動させる構造であるため、扉体の閉鎖状態では、例えばバールなどを用いても扉体の一側である戸先を嵌合状態にある扉枠から外すのは困難であり、防犯性に優れた扉装置を提供できる。
【0022】
請求項3記載の扉装置によれば、扉体を主扉および副扉で構成し、主扉の一側に嵌合部を設けるとともに、扉枠の一側に主扉の嵌合部が扉枠の開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部を設け、主扉を支持するとともに副扉を設けた扉支持体により、扉体の開放時には、主扉の他側を扉枠の開口部の外側に移動させながら主扉の一側を扉枠に沿って開口部の内方へ移動させて嵌合部を被嵌合部から外し、また、扉体の閉鎖時には、主扉の一側を扉枠に沿って開口部の内方から移動させて嵌合部を被嵌合部に嵌合させながら主扉の他側を扉枠の開口部の内側に移動させる構造であるため、扉体の閉鎖状態では、例えばバールなどを用いても扉体の一側である戸先を嵌合状態にある扉枠から外すのは困難であり、防犯性に優れた扉装置を提供できる。
【0023】
請求項4記載の扉装置によれば、扉体を主扉および副扉で構成し、主扉の一側に嵌合部を設けるとともに、扉枠の一側に主扉の嵌合部が扉枠の開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部を設け、扉体の開放時には、副扉を介して主扉の他側を扉枠の開口部の外側に移動させながら主扉の一側を扉枠に沿って開口部の内方へ移動させて嵌合部を被嵌合部から外し、また、扉体の閉鎖時には、主扉の一側を扉枠に沿って開口部の内方から移動させて嵌合部を被嵌合部に嵌合させながら副扉を介して主扉の他側を扉枠の開口部の内側に移動させる構造であるため、扉体の閉鎖状態では、例えばバールなどを用いても扉体の一側である戸先を嵌合状態にある扉枠から外すのは困難であり、防犯性に優れた扉装置を提供できる。
【0024】
請求項5記載の扉装置によれば、請求項2または3記載の扉装置の効果に加えて、扉体の一面側で、扉体と扉支持体との間、扉体と扉枠との間のうちの少なくとも1箇所を施錠手段で施錠するため、扉体の一面側に対して反対側の他面側には施錠手段が露出することがなく、扉体の他面側から施錠手段が破壊されるのを防止できる。
【0025】
請求項6記載の扉装置によれば、請求項3または4記載の扉装置の効果に加えて、扉体の一面側で、主扉と副扉との間、主扉と扉枠との間、副扉と扉枠との間のうちの少なくとも1箇所を施錠手段により施錠するため、扉体の一面側に対して反対側の他面側には施錠手段が露出することがなく、扉体の他面側から施錠手段が破壊されるのを防止できる。
【0026】
請求項7記載の扉装置によれば、請求項2または3記載の扉装置の効果に加えて、扉体の開放状態のときに保持手段により主扉と扉支持体とのなす角度を所定角度で保持するため、主扉と扉支持体とを一体的にスムーズに開閉動作でき、扉体の閉鎖時にも扉体の一側を扉枠に沿って開口部の内方から確実に移動させることができるとともに嵌合部を被嵌合部に確実に嵌合させることができる。
【0027】
請求項8記載の扉装置によれば、請求項4記載の扉装置の効果に加えて、主扉の一側が扉枠より外側に開放された開放状態で、保持手段により第1の支持軸および第2の支持軸のいずれか一方を支点として扉体を回動させるため、扉体をスムーズに開閉動作でき、扉体の閉鎖時にも主扉の一側を扉枠に沿って開口部の内方から確実に移動させることができるとともに嵌合部を被嵌合部に確実に嵌合させることができる。
【0028】
請求項9記載の扉装置によれば、請求項2記載の扉装置の効果に加えて、規制手段により扉体の他側が扉枠の開口部の外側へ移動するのを扉体の嵌合部が扉枠の被嵌合部に嵌合している位置で規制することにより、扉体を開放せずに、扉体の他側と扉枠の他側との間に間隙部を形成でき、この間隙部を通じて例えば荷物などの出し入れを可能としたり通風性を確保できる。
【0029】
請求項10記載の扉装置によれば、請求項3または4記載の扉装置の効果に加えて、規制手段により主扉の他側が扉枠の開口部の外側へ移動するのを主扉の嵌合部が扉枠の被嵌合部に嵌合している位置で規制することにより、副扉の副扉部を開放して主扉の他側と扉枠の他側との間に間隙部を形成でき、この間隙部を通じて例えば荷物などの出し入れを可能としたり通風性を確保できる。
【0030】
請求項11記載の扉装置によれば、請求項1ないし10いずれか記載の扉装置の効果に加えて、扉体の一側に設けたガイドローラが、この扉体の一側が扉枠に沿って移動する際に扉枠側に当接して転動するため、扉体の一側の移動をスムーズにでき、扉体と扉枠とが擦れることによる音の発生や摩耗を低減できる。
【0031】
請求項12記載の扉装置によれば、請求項1ないし11いずれか記載の扉装置の効果に加えて、開閉指示手段によって扉体の開閉を指示することにより、開閉駆動手段の駆動によって扉体を自動的に開閉できる。
【0032】
請求項13記載の扉装置によれば、請求項1ないし11いずれか記載の扉装置の効果に加えて、扉体に取り付けられたクローザ本体と扉枠に沿ってスライド可能に取り付けられたスライダとを一対のリンクで連結することにより、扉体の開閉時に扉体の一側が扉枠に沿って移動するのに連動してスライダが移動し、扉体の一側が扉枠の開口部の外側に移動している開放状態のときにスライダのスライドを規制してクローザ本体による扉体の閉鎖方向への付勢作用を機能させることができるため、例えばリンクの扉枠側に取り付ける支点位置をスライドさせない場合のようにその支点位置を扉体から大きく離反させた位置に設置しなければならなかったり扉体の開き角度を大きくとれないなどの問題を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0034】
図1ないし図13に第1の実施の形態を示す。
【0035】
図1ないし図4において、例えば一戸建てやマンションなどの住宅用玄関ドアなどに用いられる扉装置11を示す。この扉装置11は、建物側に設置される扉枠12、およびこの扉枠12に対して開閉可能でかつ扉枠12の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体13を備えている。なお、扉体13の一面を室内Aに臨む内面13a、扉体13の他面を室外Bに臨む外面13bとして説明する。
【0036】
扉枠12は、一側の枠部16、他側の枠部17、天井側の枠部18、床側の枠部19を有する縦長の四角形枠状に形成され、これら枠部16〜19の内側に人が出入りする開口部20が形成されている。
【0037】
また、扉体13は、一側の主扉23、およびこの主扉23より幅の狭い他側の副扉24を備え、これら主扉23および副扉24が平行となる状態で扉枠12の開口部20の内側に嵌まり込んで閉鎖可能としている。
【0038】
扉体13の幅方向の一側つまり主扉23の幅方向の一側である戸先13cの高さ方向の全域に嵌合部26が設けられ、扉枠12の一側の枠部16に扉体13の嵌合部26が開口部20の内側方向からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部27が形成されている。これら嵌合部26と被嵌合部27とは、主扉23の高さ方向の全域が互いに凹凸嵌合する形状であって、嵌合部26は主扉23の一側自体で構成される凸部にて形成され、被嵌合部27は主扉23の一側の嵌合部26を受け入れる断面略コ字形の凹部にて形成されている。
【0039】
扉体13の幅方向の他側は、扉支持手段30としての扉支持体31により扉枠12の他側の枠部17に対して支持されている。この扉支持体31は、副扉24より幅広に形成されていて、扉体13の内面13a側で主扉23と副扉24との間にわたって上下方向に沿って配置されている。扉支持体31の幅方向の他側には副扉24が一体的に取り付けられている。
【0040】
扉支持体31の幅方向の一側における上下方向の複数箇所には複数の第1のヒンジ32の一端部が取り付けられ、これら第1のヒンジ32の他端部が主扉23の他端近傍に取り付けられた台部33に取り付けられ、これら第1のヒンジ32が有する第1の支軸34を支点として扉支持体31と主扉23とが相対的に回動可能に連結されている。
【0041】
扉支持体31の幅方向の他側つまり副扉24の他側における上下方向の複数箇所には複数の第2のヒンジ35の一端部が取り付けられ、これら第2のヒンジ35の他端部が扉枠12の他側の枠部17の内縁に取り付けられ、これら第2のヒンジ35が有する第2の支軸36を支点として扉支持体31が扉枠12に対して回動可能に支持されている。第2のヒンジ35の第2の支軸36は、扉枠12および扉体13の外面13bより室外B側に突出する位置に配置されている。
【0042】
そして、扉体13の開放時には、第2の支軸36を支点として扉支持体31が室外B側に回動することにより、主扉23の他側を扉枠12の開口部20の外側である室外B側に移動させながら主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方へ移動させて嵌合部26を被嵌合部27から外し、また、扉体13の閉鎖時には、第2の支軸36を支点として扉支持体31が室内A側に回動することにより、主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方から移動させて嵌合部26を被嵌合部27に嵌合させながら主扉23の他側を扉枠12の開口部20の内側に移動させるように機能する。
【0043】
また、扉支持体31の上部には、扉体13を自動開閉する開閉駆動手段としての自動開閉ユニット39が取り付けられている。この自動開閉ユニット39は、扉支持体31に取り付けられた図示しない扉開閉用モータを有する自動開閉ユニット本体40、この自動開閉ユニット本体40の開閉用モータの駆動によって回動する第1のリンク41およびこの第1のリンク41と扉枠12とを連結する第2のリンク42を備えている。そして、自動開閉ユニット本体40の開閉用モータの駆動により、一対のリンク41,42を介して扉支持体31が室外B側または室内A側へ向けて回動し、扉体13が開閉する。
【0044】
また、扉支持体31の上下方向中間高さ位置には、扉体13を閉鎖位置で施錠する施錠手段としての施錠ユニット45が取り付けられている。図6に示すように、この施錠ユニット45は、ストッパ46を有し、このストッパ46の一端が主扉23の内面13aの他側近傍から突設されたアーム47の先端に回動可能に連結され、ストッパ46の他端は扉支持体31に形成された窓孔48から扉支持体31内に挿入され、扉支持体31の幅方向に沿って形成されたガイド部49にスライド可能に係合されている。ガイド部49には、扉体13の閉鎖位置(P1)、主扉23の他側が扉枠12の開口部20の外側へ移動するが主扉23の嵌合部26が扉枠12の被嵌合部27に嵌合している荷受位置(P2)(図10ないし図12に示す荷受位置に対応する)、閉鎖位置から主扉23と扉支持体31とが相対的に90°回動した90°位置(P3)の各位置に対応して、ストッパ46の他端を係止可能とする図示しない係止機構が設けられている。
【0045】
施錠ユニット45には、図7に示すように、施錠位置、荷受位置、開錠位置、90°ロック解除位置の各位置に回動して切り換えるサムターン50が配設されている。このサムターン50は、手動操作で回動させて切り換えることができるほか、図示しないモータの駆動によっても自動的に回動させて切り換えることができる。そして、施錠ユニット45は、サムターン50を施錠位置に回動させることにより、扉体13の閉鎖位置でストッパ46の他端を係止し、扉体13を施錠する。また、サムターン50を荷受位置に回動させることにより、扉体13の閉鎖位置でのストッパ46の他端の係止を解除するとともに、主扉23の他側が扉枠12の開口部20の外側の室外Bへ移動するのを主扉23の嵌合部26が扉枠12の被嵌合部27に嵌合している位置で規制する荷受位置でストッパ46の他端を係止する。また、サムターン50を開錠位置に回動させることにより、扉体13の閉鎖位置でのストッパ46の他端の係止を解除して扉体13の開放を許容し、閉鎖位置から主扉23と扉支持体31とが相対的に90°回動した90°位置でストッパ46の他端を係止する。また、サムターン50を90°ロック解除位置に回動させることにより、閉鎖位置から主扉23と扉支持体31とが相対的に90°回動した90°位置での係止を解除し、主扉23が扉支持体31に対して90°以上に大きく回動するのを許容する。
【0046】
そして、施錠ユニット45は、扉体13の開放状態のときに主扉23と扉支持体31とのなす角度を所定角度である90°で保持する保持手段51、主扉23の他側が扉枠12の開口部20の外側へ移動するのを主扉23の嵌合部26が扉枠12の被嵌合部27に嵌合している荷受位置で規制する規制手段52として構成されている。
【0047】
また、副扉24および扉支持体31の下部側には、これら副扉24および扉支持体31から分離された副扉部55および扉支持体部56が形成され、これら副扉部55および扉支持体部56によって荷受用扉57が構成されている。荷受用扉57の一側は主扉23に連結されず、荷受用扉57の他側のみが扉支持体31と同様の第2のヒンジ35で扉枠12の他側の枠部17に回動可能に支持されている。そして、扉体13が荷受位置にあるときにおいて、荷受用扉57を室内A側に押し開くことにより、主扉23と扉枠12との間に物品の出し入れが可能な間隙部58が形成される。
【0048】
主扉23の内面13aには、折り畳み可能な荷受用のボックス59が取り付けられている。このボックス59は、使用していないときには室内A側に突出しないように主扉23の内面13aに折り畳んだ状態にあり、扉体13の荷受位置において、荷受用扉57を室内A側に押し開くことにより、荷受用扉57がボックス59に係合して折り畳み状態のボックス59が展開し、このボックス59の口部が間隙部58に対向するように構成されている。
【0049】
また、図1および図5に示すように、主扉23の一側の上下部には溝部62が形成され、この溝部62に主扉23の一側が扉枠12に沿って移動する際に扉枠12側に当接して転動するガイドローラ63が回転自在に軸支されている。ガイドローラ63は、主扉23の内面13a側の位置で、主扉23の一側つまり戸先13cから一部が突出する状態に配置されている。
【0050】
また、扉枠12の各枠部16〜19には、閉鎖状態にある扉体13の内面13aの周辺部が密着するパッキング66が装着されている。扉支持体31には、閉鎖状態にある主扉23の他側の内面13aが密着するパッキング67が装着されている。そして、主扉23の一側が扉枠12に沿って移動する際には、主扉23の上下のガイドローラ63が天井側および床側のパッキング66に沿って当接しながら転動する。
【0051】
扉枠12の一側の枠部16である被嵌合部27には、主扉23の厚みより広い幅で主扉23の一側が嵌合可能とする嵌合溝70が形成され、この嵌合溝70の上下部の中央に押えローラ71が回転自在に軸支されている。そして、被嵌合部27の嵌合溝70に主扉23の嵌合部26が嵌合する際、ガイドローラ63が押えローラ71とパッキング66との間に進入し、押えローラ71でガイドローラ63をパッキング66に向けて押え付けることにより、主扉23の一側をパッキング66に押し付け、扉体13のがたつきを抑えるとともに密着性を高めるように構成されている。
【0052】
また、扉体13の内面13a側であって扉支持体31には、室内A側の操作部74が設置されている。図8に示すように、この操作部74には、扉体13の開閉を指示する開閉ボタン75、扉体13の閉鎖位置での施錠および開錠を指令する施開錠ボタン76、扉体13の荷受位置への移動を指令する荷受ボタン77、扉体13の閉鎖時に自動的に施錠するかしないかを切り換えるオートロック切換スイッチ78などが配置されている。
【0053】
扉体13の外面13b側であって副扉24には、室外B側の操作部79が設置されている。図9に示すように、この操作部79には、室外Bを撮像するカメラ80、扉体13の開閉を遠隔操作するリモコン81(図13(a)に示す)の赤外線受光部82、扉体13の開閉を指示する開閉ボタン83、停電時用の電源供給ボタン84などが配置されている。このほか、操作部79には、呼出ボタン、マイクおよびスピーカなどのインターホンや、指紋認識や顔認識などの生体認識手段を組み込んでもよい。また、リモコン81には、開閉ボタンや施開錠ボタンなどが設けられている。
【0054】
そして、各開閉ボタン75,83やリモコン81などが扉体13の開閉を指示する開閉指示手段85として構成されている。
【0055】
また、扉装置11の各電気機器には商用電源に接続された電源部88から直流電流が供給され、無線LANユニット89によりカメラ80で撮像した画像を表示するモニタや操作部などを有する室内コントローラなどに通信可能に構成されている。電源部88には、停電時のバックアップ電源としてバッテリを備えている。
【0056】
次に、第1の実施の形態の扉装置11の動作を説明する。
【0057】
この扉装置11では、扉体13を閉じると施錠ユニット45によって常に施錠がかかり、扉体13を開ける場合にはリモコン81の開閉ボタンや操作部74,79の開閉ボタン75,83などを操作することにより施錠ユニット45を開錠した後に扉体13を開放するものとする。したがって、リモコン81の開閉ボタンや操作部74,79の開閉ボタン75,83の操作を有効とする場合を開錠モード、リモコン81の開閉ボタンや操作部74,79の開閉ボタン75,83の操作を無効とする場合を施錠モードと定義する。
【0058】
そして、図13において、人が室外Bから室内Aに入る場合の扉体13の開閉動作を説明する。
【0059】
図13(a)に示すように、開錠モードのときには、リモコン81の開閉ボタンか、室外Bの操作部79の開閉ボタン83を操作する。また、施錠モードにあれば、リモコン81の施開錠ボタンを操作して施錠モードを予め解除するか、例えば操作部79に設けられる指紋認識や顔認識などの生体認識手段による承認をとって施錠モードを予め解除する。
【0060】
図13(b)に示すように、リモコン81の開閉ボタンや室外Bの操作部79の開閉ボタン83の操作を受け付けることにより、施錠ユニット45を開錠した後、自動開閉ユニット39が動作して扉支持体31を第2の支軸36を支点として室外B側に回動させる。この扉支持体31の室外B側への回動により、主扉23の他側を扉枠12の開口部20の外側である室外B側に移動させながら、主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方へ移動させ、主扉23の嵌合部26を扉枠12の被嵌合部27から外す。
【0061】
図13(c)に示すように、閉鎖位置から主扉23と扉支持体31とが相対的に90°回動した90°位置において施錠ユニット45で回動規制してその角度を保持し、それ以降は扉支持体31と主扉23とが一体に室外B側に回動する。主扉23が所定角度まで開けば、自動開閉ユニット39が停止し、扉体13の自動開放を停止する。
【0062】
図13(d)に示すように、必要ならば、扉体13をさらに開放方向に手で押すことにより、扉体13を大きく開くことができる。
【0063】
図13(e)に示すように、人が室内Aに入り、室内A側の操作部74の開閉ボタン75を操作するか、予め設定された所定時間が経過することにより、自動開閉ユニット39による扉体13の自動閉鎖動作を開始し、扉体13を自動閉鎖する。
【0064】
この自動閉鎖動作では、自動開閉ユニット39が動作して扉支持体31を第2の支軸36を支点として室内A側に向けて回動させることにより、扉支持体31と主扉23とが一体に閉鎖方向へ向けて回動し、主扉23の一側が扉枠12の一側近傍に当接する(図13(b)の状態)。それ以降は、扉支持体31の室内A側への回動に伴って、主扉23の一側が扉枠12に沿って開口部20の内方から移動し、主扉23の嵌合部26を扉枠12の被嵌合部27に嵌合させながら、主扉23の他側を扉枠12の開口部20の内側に引き寄せるように移動させる。
【0065】
扉体13を閉じることにより、施錠ユニット45で扉体13を閉鎖位置に施錠する。このとき、室内A側の操作部74のオートロック切換スイッチ78によってオートロックが設定されていれば、施錠モードとなり、また、オートロックが設定されていなければ、開錠モードを維持し、施開錠ボタン76の操作によって施錠モードに切り換え可能とする。
【0066】
扉体13を閉じるとき、自動開閉ユニット39によって扉支持体31および主扉23を扉枠12に引き寄せて施錠するため、扉体13がパッキング66,67に密着し、扉体13のがたつきを抑えることができるとともに、気密性および液密性を向上できる。
【0067】
また、人が室内Aから室外Bに出る場合にも、同様の扉体13の開閉動作をする。すなわち、施錠モードにあれば室内A側の操作部74の施開錠ボタン76を操作して開錠モードとした後、室内A側の操作部74の開閉ボタン75を操作することにより、施錠ユニット45を開錠し、自動開閉ユニット39によって扉体13を自動開放する。人が室外Bに出て、リモコン81の開閉ボタンを操作するか、予め設定された所定時間が経過することにより、自動開閉ユニット39によって扉体13を自動閉鎖する。リモコン81の施開錠ボタンを操作して施錠モードとする。
【0068】
なお、扉体13の開閉動作中に人や荷物などに接触すれば、それを検知して扉体13の開放動作を自動停止する。この停止中に扉体13を開放方向または閉鎖方向に軽く押すことで、それを検知して扉体13の開閉動作を再開する。これらの検知は、例えば自動開閉ユニット39のモータの負荷検知や、自動開閉ユニット39の機構中に配置したセンサなどの検知手段が用いられる。
【0069】
次に、停電時の扉体13の開閉動作について説明する。
【0070】
停電時に、室内Aから室外Bに出る場合には、サムターン50を開錠位置に回して施錠ユニット45を開錠し、扉体13を室外Bに向けて手で押して開放する。さらに、室外Bに出てから扉体13を閉じる場合には、扉体13を室内Aに向けて手で押して閉鎖し、室外Bの操作部79の電源供給ボタン84を操作することにより、電源部88のバッテリを電源として施錠ユニット45が扉体13を施錠し、リモコン81の施開錠ボタンを操作して施錠モードに設定する。
【0071】
室外Bから室内Aに入る場合には、施錠モードにあれば、室外Bの操作部79の電源供給ボタン84を操作し、リモコン81の施開錠ボタンを操作して施錠モードを開錠モードに切り換えるか、例えば操作部79に設けられる指紋認識や顔認識などの生体認識手段による承認をとって施錠モードを開錠モードに切り換える。開錠モードにあれば、リモコン81の開閉ボタンか室外Bの操作部79の開閉ボタン83を押すことにより、電源部88のバッテリを電源として施錠ユニット45が扉体13を開錠し、扉体13を手で開放する。さらに、室内Aに入ってから扉体13を閉じ、サムターン50を施錠位置に回すことにより、施錠ユニット45で扉体13を施錠する。
【0072】
次に、扉体13の戸先13cを開放せずに例えば宅配物などの荷物を受け取る荷受動作について図10ないし図12を参照して説明する。
【0073】
例えば宅配業者の来訪時に、室外Bの操作部79のカメラ80で撮像される宅配業者を室内のコントローラで確認、対応し、室内A側の操作部74の荷受ボタン77、開閉ボタン75を順に操作する。このとき、施錠モード、開錠モードのいずれにあってもよい。
【0074】
施錠ユニット45を開錠した後、自動開閉ユニット39が動作して扉支持体31を第2の支軸36を支点として室外B側に回動させる。この扉支持体31の室外B側への回動により、主扉23の他側を扉枠12の開口部20の外側である室外B側に移動させながら、主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方へ移動させるが、主扉23の嵌合部26が扉枠12の被嵌合部27から外れる前の荷受位置で、施錠ユニット45のストッパ46で扉体13の開放が規制される。
【0075】
扉体13の荷受位置では、副扉24および扉支持体31の下部に位置する荷受用扉57の開放が可能となり、宅配業者によって荷受用扉57を室内A側に押し開くことにより、荷受用扉57がボックス59に係合して折り畳み状態にあったボックス59が展開し、このボックス59の口部が間隙部58に対向する。宅配業者は荷物を荷受用扉57の開いた間隙部58を通じてボックス59内に入れる。
【0076】
室内A側の操作部74の開閉ボタン75を操作することにより、自動開閉ユニット39が動作して扉体13を閉じ、施錠ユニット45で施錠する。室内A側の操作部74の荷受ボタン77を操作し、荷受モードを解除する。なお、扉体13を閉じた状態では、荷受用扉57を室外B側から押しても扉枠12に当接するため、荷受用扉57は開かない。
【0077】
なお、玄関まで行かなくても、室内のコントローラの操作で同様に対応することもできる。
【0078】
そして、ボックス59から荷物を取り出し、このボックス59が室内A側に突出しないようにボックス59を主扉23の内面13aに折り畳む。
【0079】
また、例えば、宅配御者の人を特定する指紋認識および顔認識などや、荷物に付される特定の識別表示などを予め登録しておくことにより、不在時でも、それらの認識と登録内容とが一致した場合に、扉体13を開錠して荷受位置に自動的に移動させ、荷物をボックス59に受け入れた後、扉体13を自動的に閉じて施錠するように構成することもできる。
【0080】
そして、このような扉装置11によれば、主扉23の一側に嵌合部26を設けるとともに、扉枠12の一側に主扉23の嵌合部26が扉枠12の開口部20の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部27を設け、主扉23を支持するとともに副扉24を設けた扉支持体31により、扉体13の開放時には、主扉23の他側を扉枠12の開口部20の外側である室外B側に移動させながら主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方へ移動させて嵌合部26を被嵌合部27から外し、また、扉体13の閉鎖時には、主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方から移動させて嵌合部26を被嵌合部27に嵌合させながら主扉23の他側を扉枠12の開口部20の内側に移動させる構造であるため、扉体13の閉鎖状態では、例えばバールなどを用いても主扉23の一側である戸先13cを嵌合状態にある扉枠12から外すのは困難となり、防犯性に優れた扉装置11を提供できる。さらに、自動開閉および自動施開錠する構造であるため、利便性がよいうえに、鍵穴や取手などもなく、この点でも防犯性が向上する。
【0081】
また、扉体13を主扉23および副扉24で構成することにより、室内A用の操作部74を有する扉支持体31に副扉24を設けることができて、この副扉24に室外B用の操作部79などを設置でき、電気的な配線の取り回しを容易にできるとともに、主扉23内での配線の必要がない。
【0082】
また、扉体13の内面13a側で、主扉23と扉支持体31との間を施錠ユニット45で施錠するため、扉体13の外面13b側には施錠ユニット45が露出することがなく、扉体13の外面13b側から施錠ユニット45が破壊されるのを防止できる。
【0083】
また、扉体13の開放状態のときに施錠ユニット45により主扉23と扉支持体31とのなす角度を所定角度である90°で保持するため、開閉する主扉23がふらつくことなく、主扉23と扉支持体31とを一体的にスムーズに開閉動作でき、しかも、扉体13の閉鎖時にも主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方から確実に移動させることができるとともに嵌合部26を被嵌合部27に確実に嵌合させることができる。
【0084】
また、施錠ユニット45により主扉23の他側が扉枠12の開口部20の外側へ移動するのを主扉23の嵌合部26が扉枠12の被嵌合部27に嵌合している荷受位置で規制することにより、荷受用扉57を開いて荷物などの出し入れを可能としたり、通風性を確保できる。
【0085】
また、扉体13の一側に設けたガイドローラ63が、この扉体13の一側が扉枠12に沿って移動する際に扉枠12側に当接して転動するため、扉体13の一側の移動をスムーズにでき、扉体13と扉枠12とが擦れることによる音の発生や摩耗を低減できる。
【0086】
なお、例えば別途設けた地震検知手段で地震を検知した場合に、扉体13を半開位置まで自動開放するように設定できるようにしてもよい。
【0087】
また、施錠手段としては、主扉23と扉支持体31との間に設けた施錠ユニット45に限らず、扉体13の内面13a側で、扉枠12と扉支持体31との間、扉枠12と主扉23との間、扉枠12と副扉24との間で施錠してもよく、これらを組み合わせて複数設置してもよい。
【0088】
次に、図14に第2の実施の形態を示す。
【0089】
第1の実施の形態では扉体13を主扉23と副扉24とで構成していたが、この第2の実施の形態では1枚の扉体13で構成している。そのため、扉支持体31の他側に第2のヒンジ35の他側が取り付けられる。荷受用扉57は扉支持体31の下部の扉支持体部56によって形成される。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0090】
したがって、この第2の実施の形態の構成においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0091】
次に、図15に第3の実施の形態を示す。
【0092】
扉装置11の基本的な構成は第2の実施の形態と同様であるが、扉体13の他側に室外Bからこじ開けるような外力が加わったときにそれを検知する検知機能を付加している。
【0093】
施錠手段として、扉体13にはピン101を有する係合部材102を所定範囲で進退可能に設けるとともにこの係合部材102が扉体13内に移動するように付勢するスプリング103を設け、扉支持体31には係合部材102のピン101に係合して施錠するフック104を設ける。これにより、係合部材102のピン101にフック104が係合している施錠状態でも、スプリング103の付勢に抗して扉体13の他側が室外Bに移動するのを許容する。扉体13の他側と扉支持体31との間に扉体13が開くのを検知する開き検知センサ105を設置する。
【0094】
そして、扉体13の他側に室外Bからこじ開けるような外力が加わったとき、スプリング103の付勢に抗して扉体13の他側が室外Bに移動し、これを開き検知センサ105が検知する。この開き検知センサ105の検知に基づいて、警報を発生したり、警備会社などに通報することができる。
【0095】
次に、図16ないし図23に第4の実施の形態を示す。
【0096】
図16に示すように、扉体13は主扉23と副扉24とで構成され、これら主扉23の他側と副扉24の一側とが第1の支持軸111(ヒンジ)を介して互いに回動可能に連結されるとともに所定角度まで互いに折れ曲がり可能に形成され、副扉24の他側が第2の支持軸112(ヒンジ)を介して扉枠12の他側の枠部17に回動可能に支持されている。これら第1の支持軸111および第2の支持軸112で扉支持手段30が構成されている。
【0097】
この扉体13の構造においても、扉体13の開放時には、副扉24を介して主扉23の他側を扉枠12の開口部20の外側である室外B側に移動させながら主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方へ移動させて嵌合部26を被嵌合部27から外し、また、扉体13の閉鎖時には、主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方から移動させて嵌合部26を被嵌合部27に嵌合させながら副扉24を介して主扉23の他側を扉枠12の開口部20の内側に移動させることができる。
【0098】
また、扉体13の内面13a側で、主扉23と副扉24との間に施錠手段としての施錠ユニット113が設置される。
【0099】
また、主扉23の一側が扉枠12より外側に開放された開放状態で第1の支持軸111および第2の支持軸112のいずれか一方を支点として扉体13を回動させる保持手段51を備える。この保持手段51としては、図17に示すように、主扉23と副扉24との間にスプリングなどの付勢部材116を張設し、扉体13の開放時に、付勢部材116で主扉23と副扉24とを折れ曲がる方向に付勢し、主扉23と副扉24とが所定角度に折れ曲がった状態に保持する。あるいは、主扉23および副扉24の一方に図示しない永久磁石を、他方に永久磁石で吸着される図示しない金属片などを設置し、扉体13の開放時に、主扉23と副扉24とが所定角度に折れ曲がって永久磁石と金属片が吸着することにより、主扉23と副扉24とを所定角度に折れ曲がった状態に保持する。
【0100】
あるいは、図18に示すように、主扉23および副扉24の一方に電磁石117を設置し、扉体13の開放時に、主扉23と副扉24とが所定角度に折れ曲がった後、主扉23の一側が扉枠12から離れるのを戸先離反検知手段118で検知したときに電磁石117を励磁し、主扉23と副扉24とを所定角度に折れ曲がった状態に保持する。
【0101】
このように、保持手段51で主扉23と副扉24とを所定角度に折れ曲がった状態に保持することにより、開閉する主扉23がふらつくことなく、主扉23と副扉24とを一体的にスムーズに開閉動作でき、しかも、扉体13の閉鎖時にも主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方から確実に移動させることができるとともに嵌合部26を被嵌合部27に確実に嵌合させることができる。
【0102】
また、図19に示すように、扉枠12に規制リンク119を支点120で回動可能に軸支するとともにこの規制リンク119と副扉24との間を規制リンク121で連結する。扉体13の開放時に、主扉23の一側の戸先13cが扉枠12から離れるのを戸先離反検知手段118で検知したとき、ソレノイドなどの駆動部122を駆動して規制リンク119,121を介して副扉24の回動を規制し、それ以降は、主扉23が第1の支持軸111を支点として回動するようにする。このように構成することでも、開閉する主扉23がふらつくことなく、主扉23をスムーズに開閉動作でき、しかも、扉体13の閉鎖時にも主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方から確実に移動させることができるとともに嵌合部26を被嵌合部27に確実に嵌合させることができる。
【0103】
また、図示していないが自動開閉ユニット39を用いることにより、前記第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に扉体13を自動開閉できる。
【0104】
また、図20ないし図23に示すように、開放した扉体13を自動的に閉じるためのクローザ131を用いてもよい。このクローザ131は、扉体13の内面13a側で主扉23の上部他側近傍に取り付けられたクローザ本体132、扉枠12の天井側の枠部18に沿って取り付けられたスライドユニット133、これらクローザ本体132とスライドユニット133とを連結する一対のリンク134,135を備えている。
【0105】
スライドユニット133には、スライドレール136が幅方向に沿って設けられ、このスライドレール136に沿ってスライダ137がスライド可能に取り付けられている。スライダ137は引張ばね138によって他側へ向けて付勢されている。
【0106】
一方のリンク134の一端がクローザ本体132に連結され、このリンク134の他端とスライダ137とが他方のリンク135で連結されている。
【0107】
スライドユニット133には、主扉23の一側が扉枠12の開口部20の内側に位置する状態でスライダ137のスライドを許容するとともに主扉23の一側が扉枠12の開口部20の外側に移動している状態でスライダ137のスライドを規制するスライダ係止手段139が配設されている。すなわち、スライダ137にはスライド方向に沿って複数の歯部140が形成され、このスライダ137のスライド領域に対応してラチェット爪141が配設されている。このラチェット爪141は、スライドユニット133側に回動可能に支持され、引張ばね142によってスライダ137の歯部140に噛み合う方向に付勢されている。
【0108】
スライドユニット133の一側にはレバー143が回動可能に取り付けられ、このレバー143の一端にスライドユニット133から扉枠12の開口部20内つまり主扉23の一側の閉鎖領域に出没可能とするローラ144が回転自在に支持されている。レバー143の他端はスライドユニット133に幅方向に沿ってスライド可能に取り付けられたスライド部材145の一側部に連結され、このスライド部材145の他側部にはラチェット爪141に係合する係合部146が設けられ、スライド部材145の一側方向へのスライドによりラチェット爪141をスライダ137の歯部140から離反する退避位置に移動させるように構成されている。スライド部材145は引張ばね147によって他側方向へ向けて付勢され、つまりローラ144がスライドユニット133から突出する方向に付勢されている。
【0109】
そして、図22に示すように、扉体13の閉鎖状態では、主扉23でローラ144がスライドユニット133内に押し込まれ、レバー143およびスライド部材145を介してラチェット爪141をスライダ137の歯部140に噛み合わない退避位置に退避させている。また、スライダ137は、クローザ本体132と一対のリンク134,135との位置関係から、引張ばね138の付勢に抗して一側にスライドしている(x1位置)。
【0110】
扉体13の開放時、副扉24を第2の支持軸112を支点として室外B側に回動させ、主扉23の他側を扉枠12の開口部20の外側である室外B側に移動させながら主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方へ移動させて嵌合部26を被嵌合部27から外す。この主扉23の移動に伴って、クローザ本体132と一対のリンク134,135との位置関係から、スライダ137が他側方向にスライドする(x2位置)。このとき、まだ主扉23の一側でローラ144をスライドユニット133内に押し込んだ状態にある。
【0111】
図23に示すように、主扉23の一側を室外B側に開いていくと、引張ばね147の付勢でローラ144がスライドユニット133から突出し、レバー143およびスライド部材145を介してラチェット爪141の退避を解除し、このラチェット爪141がスライダ137の歯部140に噛み合い、スライダ137を固定する。
【0112】
また、扉体13の閉鎖時、クローザ本体132の作用により扉体13が閉じる。扉体13が閉じていくと、主扉23の一側が扉枠12の開口部20に入り込み、ローラ144をスライドユニット133内に押すことにより、レバー143およびスライド部材145を介してラチェット爪141がスライダ137の歯部140から外れる。
【0113】
主扉23の一側を扉枠12に沿って開口部20の内方から移動させて嵌合部26を被嵌合部27に嵌合させながら副扉24を介して主扉23の他側を扉枠12の開口部20の内側に移動させる。この主扉23の移動伴って、クローザ本体132と一対のリンク134,135との位置関係から、スライダ137が一側方向にスライドする(x1位置)。
【0114】
このように、主扉23に取り付けられたクローザ本体132と扉枠12に沿ってスライド可能に取り付けられたスライダ137とを一対のリンク134,135で連結することにより、扉体13の開閉時に主扉23の一側が扉枠12に沿って移動するのに連動してスライダ137が移動し、主扉23の一側が扉枠12の開口部20の外側に移動している開放状態のときにスライダ137のスライドを規制してクローザ本体132による扉体13の閉鎖方向への付勢作用を機能させることができる。
【0115】
例えばリンク135の扉枠12側に取り付ける支点位置をスライドさせなかった場合には、その支点位置を扉体13から室内A側に大きく離反させた位置に設置しなければならなかったり、扉体13の開き角度を大きくとれないなどの問題があるが、このクローザ131の構成によってそれらの問題を解消できる。
【0116】
なお、この実施の形態においても、施錠手段としては、主扉23と副扉24との間に設けた施錠ユニット113に限らず、扉体13の内面13a側で、扉枠12と主扉23との間、扉枠12と副扉24との間で施錠してもよく、これらを組み合わせて複数設置してもよい。
【0117】
また、前記実施の形態では、扉体13の他側を外側に移動させて一側の嵌合部26を被嵌合部27に挿脱させていたが、扉体13を他側に向けて平行移動させた後、扉体13の他側を支点として扉体13を回動させて開閉するようにしてもよい。
【0118】
また、扉体13の嵌合部26を凸状、扉枠12の被嵌合部27を凹状としたが、逆に、扉体13の嵌合部26を凹状、扉枠12の被嵌合部27を凸状としてもよい。
【0119】
なお、扉装置の構造は、住宅や建物の扉などに限らず、自動販売機や金庫などの扉にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す扉装置の平面図である。
【図2】同上扉装置の一面側である室内側から見た正面図である。
【図3】同上扉装置の他面側である室外側から見た正面図である。
【図4】同上扉装置の側面図である。
【図5】同上扉装置の主扉の嵌合部および扉枠の被嵌合部を示す断面図である。
【図6】同上扉装置の施錠ユニットの平面図である。
【図7】同上扉装置の施錠ユニットのサムターンの正面図である。
【図8】同上扉装置の室内側の操作部の正面図である。
【図9】同上扉装置の室外側の操作部の正面図である。
【図10】同上扉装置の荷受位置に開いた扉体の平面図である。
【図11】同上扉装置の扉体を荷受位置に開いた斜視図である。
【図12】同上扉装置の荷受位置の扉体を通じて荷物を入れる状態の斜視図である。
【図13】同上扉装置の開閉動作を(a)〜(e)の順に説明する説明図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態を示す扉装置の平面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態を示す扉装置の一部の平面図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態を示す扉装置の平面図である。
【図17】同上扉装置の保持手段の一例を示す平面図である。
【図18】同上扉装置の保持手段の他の例を示す平面図である。
【図19】同上扉装置の保持手段のさらに他の例を示す平面図である。
【図20】同上扉装置のクローザの平面図である。
【図21】同上扉装置の室内側から見たクローザの正面図である。
【図22】同上扉装置のクローザの動作を示す説明図である。
【図23】同上扉装置のクローザの動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0121】
11 扉装置
12 扉枠
13 扉体
20 開口部
23 主扉
24 副扉
26 嵌合部
27 被嵌合部
30 扉支持手段
31 扉支持体
34 第1の支軸
36 第2の支軸
39 開閉駆動手段としての自動開閉ユニット
45 施錠手段としての施錠ユニット
51 保持手段
52 規制手段
55 副扉部
58 間隙部
63 ガイドローラ
85 開閉指示手段
111 第1の支持軸
112 第2の支持軸
113 施錠手段としての施錠ユニット
131 クローザ
132 クローザ本体
134,135 リンク
137 スライダ
139 スライダ係止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成された扉枠と、
この扉枠の開口部の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体と、
前記扉体の一側に設けられた嵌合部と、
前記扉枠の一側に設けられ、前記扉体の一側の嵌合部が前記開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部と、
前記扉体の開放時には前記扉体の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方へ移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部から外すとともに前記扉体の他側を支点として前記扉体を開放可能とし、前記扉体の閉鎖時には前記扉体の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方から移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させる扉支持手段と
を具備していることを特徴とする扉装置。
【請求項2】
開口部が形成された扉枠と、
この扉枠の開口部の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体と、
前記扉体の一側に設けられた嵌合部と、
前記扉枠の一側に設けられ、前記扉体の一側の嵌合部が前記開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部と、
前記扉体の一面側に位置し、一側の第1の支軸にて前記扉体の他側近傍に回動可能に連結され、他側の第2の支軸にて前記扉枠の他側に回動可能に支持され、前記扉体の開放時には前記扉体の他側を前記扉枠の開口部の外側に移動させながら前記扉体の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方へ移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部から外し、前記扉体の閉鎖時には前記扉体の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方から移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させながら前記扉体の他側を前記扉枠の開口部の内側に移動させる扉支持体と
を具備していることを特徴とする扉装置。
【請求項3】
開口部が形成された扉枠と、
一側の主扉および他側の副扉を有し、これら主扉および副扉が前記扉枠の開口部の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体と、
前記主扉の一側に設けられた嵌合部と、
前記扉枠の一側に設けられ、前記主扉の一側の嵌合部が前記開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部と、
前記扉体の一面側に位置し、一側の第1の支軸にて前記主扉の他側に回動可能に連結され、他側の第2の支軸にて前記扉枠の他側に回動可能に支持され、かつ前記副扉が設けられ、前記扉体の開放時には前記主扉の他側を前記扉枠の開口部の外側に移動させながら前記主扉の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方へ移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部から外し、前記扉体の閉鎖時には前記主扉の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方から移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させながら前記主扉の他側を前記扉枠の開口部の内側に移動させる扉支持体と
を具備していることを特徴とする扉装置。
【請求項4】
開口部が形成された扉枠と、
一側の主扉および他側の副扉を有し、これら主扉および副扉が前記扉枠の開口部の内側に嵌まり込んで閉鎖する扉体と、
前記主扉の一側に設けられた嵌合部と、
前記扉枠の一側に設けられ、前記主扉の一側の嵌合部が前記開口部の内方からのみ挿脱可能に嵌合する被嵌合部と、
前記主扉の他側と副扉の一側とを回動可能に連結する第1の支持軸と、
前記副扉の他側を前記扉枠の他側に回動可能に支持する第2の支持軸とを備え、
前記扉体の開放時には前記副扉を介して前記主扉の他側を前記扉枠の開口部の外側に移動させながら前記主扉の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方へ移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部から外し、前記扉体の閉鎖時には前記主扉の一側を前記扉枠に沿って前記開口部の内方から移動させて前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させながら前記副扉を介して前記主扉の他側を前記扉枠の開口部の内側に移動させる
ことを特徴とする扉装置。
【請求項5】
扉体の一面側で、扉体と扉支持体との間、扉体と扉枠との間のうちの少なくとも1箇所を施錠する施錠手段を設けた
ことを特徴とする請求項2または3記載の扉装置。
【請求項6】
扉体の一面側で、主扉と副扉との間、主扉と扉枠との間、副扉と扉枠との間のうちの少なくとも1箇所を施錠する施錠手段を設けた
ことを特徴とする請求項3または4記載の扉装置。
【請求項7】
扉体の開放状態のときに主扉と扉支持体とのなす角度を所定角度で保持する保持手段を備えた
ことを特徴とする請求項2または3記載の扉装置。
【請求項8】
主扉の一側が扉枠より外側に開放された開放状態で第1の支持軸および第2の支持軸のいずれか一方を支点として扉体を回動させる保持手段を備えた
ことを特徴とする請求項4記載の扉装置。
【請求項9】
扉体の他側が扉枠の開口部の外側へ移動するのを扉体の嵌合部が扉枠の被嵌合部に嵌合している位置で規制し、扉体の他側と扉枠の他側との間に間隙部を形成させる規制手段を備えた
ことを特徴とする請求項2記載の扉装置。
【請求項10】
主扉の他側が扉枠の開口部の外側へ移動するのを主扉の嵌合部が扉枠の被嵌合部に嵌合している位置で規制する規制手段を備え、
副扉の一部に、扉枠の他側のみに回動可能に支持され、扉体が規制手段で規制された位置にあるときに開放されて主扉の他側と扉枠の他側との間に間隙部を形成する副扉部を設けた
ことを特徴とする請求項3または4記載の扉装置。
【請求項11】
扉体の一側に、この扉体の一側が扉枠に沿って移動する際に扉枠側に当接して転動するガイドローラを備えた
ことを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載の扉装置。
【請求項12】
扉体の開閉を指示する開閉指示手段と、
この開閉指示手段による指示に基づいて扉体を開閉駆動する開閉駆動手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1ないし11いずれか記載の扉装置。
【請求項13】
扉体に取り付けられたクローザ本体、扉枠に沿ってスライド可能に取り付けられたスライダ、これらクローザ本体とスライダとを連結する一対のリンク、扉体の一側が扉枠の開口部の内側に位置する状態でスライダのスライドを許容するとともに扉体の一側が扉枠の開口部の外側に移動している状態でスライダのスライドを規制するスライダ係止手段を有し、クローザ本体により一対のリンクおよびスライダを介して扉枠の開口部の外側に移動している扉体を閉鎖方向に付勢するクローザを備えた
ことを特徴とする請求項1ないし11いずれか記載の扉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−299599(P2006−299599A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120894(P2005−120894)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】