説明

投写位置ずれ量検出装置、投写位置ずれ量検出方法及びプロジェクションシステム

【課題】スクリーン上に重畳された画像の投写位置ずれ検出を画像の投写中に可能とする

【解決手段】第1偏光成分を有する第1画像と第2偏光成分を有する第2画像とがスクリ
ーンSCRに重畳された状態で投写されているときの第1画像及び第2画像の投写位置ず
れを検出する投写位置ずれ検出装置であって、スクリーンSCRに重畳された状態で投写
されている第1画像及び第2画像を、偏光成分の違いに基づいて第1偏光成分を有する第
1画像と第2偏光成分を有する第2画像とに分離する重畳画像分離部100と、重畳画像
分離部100で分離された第1画像及び第2画像を撮像し、第1画像に対応する撮像画像
データ及び第2画像に対応する撮像画像データを出力する撮像装置121と、第1画像に
対応する撮像画像データ及び第2画像に対応する撮像画像データに基づいて第1画像及び
第2画像の投写位置のずれ量を算出する投写位置ずれ量算出部130とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写位置ずれ量検出装置、投写位置ずれ検出方法及びプロジェクションシス
テムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2つの光変調素子ユニット(第1光変調素子ユニット及び第2光変調素子ユニッ
トという)が組み込まれたプロジェクターが知られている。これら第1光変調素子ユニッ
ト及び第2光変調素子ユニットは、それぞれ赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B
)に対応して設けられた3つの光変調素子(例えば液晶パネル)と、これら各光変調素子
から射出されるRGBの各色光を合成するクロスダイクロイックプリズムとを有している
。なお、RGB用の各光変調素子とクロスダイクロイックプリズムとは一体化された構造
となっている場合もある。
【0003】
そして、第1光変調素子ユニットからは、クロスダイクロイックプリズムで合成された
第1画像が射出され、第2光変調素子ユニットからはクロスダイクロイックプリズムで合
成された第2画像が射出される。なお、第1光変調素子ユニットから射出される第1画像
及び第2光変調素子ユニットから射出される第2画像は、互いに異なる偏光成分を有して
いるのが一般的である。すなわち、第1画像が第1偏光成分(例えばp偏光成分)を有し
ているとすれば、第2画像は第2偏光成分(例えばs偏光成分)を有している。これら第
1画像及び第2画像は偏光合成光学系で合成されたのち、投写光学系によって投写面とし
てのスクリーン上に投写される。
【0004】
このようなプロジェクターにおいては、第1光変調素子ユニットから射出される第1画
像及び第2光変調素子ユニットから射出される第2画像のそれぞれ対応する画素を高精度
に一致させることにより、高輝度な画像をスクリーン上で表示させることができることは
勿論、それぞれ対応する画素を斜め方向に1/2画素ずらす「斜め画素ずらし」による投
写を行うことにより、高解像度の画像をスクリーン上で表示させることができる。
【0005】
いずれの場合においても、スクリーン上において高品質な画像を表示させるには、第1
光変調素子ユニットの各光変調素子及び第2光変調素子ユニットの各光変調素子のそれぞ
れ対応する画素の位置関係が適切に調整された状態となるように、第1光変調素子ユニッ
ト及び第2光変調素子ユニットを高精度に調整する必要がある。
【0006】
また、2台のプロジェクターによってスタッキング投写を行うプロジェクションシステ
ムも知られている。この場合、2台の各プロジェクター(第1プロジェクター及び第2プ
ロジェクターという)には、それぞれ1つの光変調素子ユニットが組み込まれているもの
とする。すなわち、第1プロジェクターには第1光変調素子ユニットが組み込まれ、第2
プロジェクターには第2光変調素子ユニットが組み込まれているものとする。
【0007】
そして、第1プロジェクターの第1光変調素子ユニットから射出される画像(第1画像
とする)は、当該プロジェクターの投写光学系によってスクリーン上に投写され、第2プ
ロジェクターの第2光変調素子ユニットから射出される画像(第2画像とする)は、当該
プロジェクターの投写光学系によってスクリーン上に投写される。なお、スタッキング投
写の場合、第1画像及び第2画像はスクリーン上に重畳された状態で投写されるものとす
る。
【0008】
このようなプロジェクションシステムにおいても、第1プロジェクターの第1光変調素
子ユニットから射出される第1画像及び第2プロジェクターの第2光変調素子ユニットか
ら射出される第2画像の投写位置を高精度に調整することが重要となる。
【0009】
このように、2つの光変調素子ユニットが組み込まれたプロジェクターによってスクリ
ーンに高輝度又は高解像度の画像を表示させる場合、又は、2台のプロジェクターによっ
てスタッキング投写を行う場合においては、スクリーン上における第1画像及び第2画像
の投写位置の調整が必須となる。
【0010】
投写位置の調整を行うには、重畳された状態で表示されている第1画像と第2画像との
投写位置ずれ量を高精度に取得することが重要である。第1画像と第2画像との投写位置
ずれ量を高精度に取得するには、まず、重畳された状態で表示されている第1画像と第2
画像とを識別した上で、第1画像と第2画像との投写位置ずれ量を高精度に取得する必要
があるが、このような技術は、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)

【0011】
特許文献1に開示された技術(以下、従来技術という)は、2台のプロジェクター(第
1プロジェクター及び第2プロジェクター)から投写される画像(第1画像及び第2画像
とする)は偏光合成光学系で合成されたのち、投写光学系によってスクリーン上に投写さ
れる。また、偏光合成光学系からの漏れ光を入射するように撮像装置(ビデオカメラ)が
設置されている。
【0012】
また、従来技術は、重畳された状態で表示されている画像から第1画像と第2画像とを
識別するために、第1プロジェクター及び第2プロジェクターからそれぞれ異なったパタ
ーンを有するテストパターンを投写するようにしている。すなわち、第1プロジェクター
からは第1テストパターンがスクリーン上に投写され、第2プロジェクターからは第2テ
ストパターンがスクリーン上に投写され、スクリーン上に投写された第1テストパターン
及び第2テストパターンを撮像装置で撮像する。そして、位置検出処理部ではビデオカメ
ラから出力される撮像画像データに基づいて第1テストパターン及び第2テストパターン
の特徴点座標を検出して、その検出結果に基づいて位置ずれ補正量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−277931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記した従来技術は、スクリーンに重畳された状態で投写された第1画像及び第2画像
から第1プロジェクターによって投写された第1画像と第2プロジェクターによって投写
された第2画像とを識別可能とするために、異なるテストパターン(第1テストパターン
及び第2テストパターン)をそれぞれ対応するプロジェクターから投写させる必要がある

【0015】
このため、例えば、映画などの通常の画像を投写している最中に位置調整を行う必要が
生じた場合は、通常の画像の投写を中断して、第1プロジェクターからは第1テストパタ
ーンを投写し、第2プロジェクターからは第2テストパターンを投写して、これら第1テ
ストパターンと第2テストパターンとに基づいて位置ずれ量を算出して、その算出結果に
基づいて投写位置の補正を行った後に、再び、通常の画像の投写を再開させるといった操
作を行う必要がある。このように、位置調整を行うたびに、このような位置調整操作を行
うのは非効率的であり、また、通常の画像の投写を中断することは好ましいことではない

【0016】
そこで本発明は、スクリーン上に重畳された状態で投写された画像の投写位置ずれ量を
、テストパターンを表示することなく通常の画像の投写中に検出することができる投写位
置ずれ量検出装置、投写位置ずれ量検出方法及びプロジェクションシステムを提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の投写位置ずれ量検出装置は、第1偏光成分を有する第1画像と第2偏光成分を
有する第2画像とが投写面上に重畳された状態で投写されているときの前記第1画像と前
記第2画像との投写位置ずれ量を検出する投写位置ずれ量検出装置であって、前記投写面
上に重畳された状態で投写されている前記第1画像及び前記第2画像を、偏光成分の違い
に基づいて分離する重畳画像分離部と、前記重畳画像分離部で分離された前記第1画像と
前記第2画像とを撮像し、前記第1画像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対
応する撮像画像データを出力する撮像装置と、前記第1画像に対応する撮像画像データ及
び前記第2画像に対応する撮像画像データに基づいて前記第1画像と前記第2画像との投
写位置ずれ量を算出する投写位置ずれ量算出部とを有することを特徴とする。
【0018】
このように本発明は、投写面上に重畳された状態で投写されている偏光成分の異なる画
像(例えばp偏光成分を有する第1画像及びs偏光成分を有する第2画像)を偏光成分の
違いにより分離して撮像し、その撮像画像データに基づいて投写位置ずれ量を算出するよ
うにしている。これにより、投写面上に重畳された状態で投写された画像の投写位置ずれ
量を、テストパターンを表示することなく通常の画像の投写中に検出することができる。
【0019】
本発明の投写位置ずれ量検出装置においては、前記重畳画像分離部は、前記第1偏光成
分を透過させる第1偏光成分透過領域と前記第2偏光成分を透過させる第2偏光成分透過
領域とが1枚の偏光板に形成されている複合偏光板であることが好ましい。
【0020】
このような複合偏光板を用いることによって、第1偏光成分を有する第1画像及び第2
偏光成分を有する第2画像を1枚の偏光板(複合偏光板)と1台の撮像装置とによって同
時に撮像することができる。
【0021】
本発明の投写位置ずれ量検出装置においては、前記第1偏光成分透過領域及び第2偏光
成分透過領域は、前記偏光板において帯状に交互に形成されていることが好ましい。
【0022】
複合偏光板がこのような構成を有することにより、第1偏光成分透過領域及び第2偏光
成分透過領域を横切るような線の画像(画像のエッジ部など)に基づいて第1画像と第2
画像との投写位置ずれ量を適切かつ容易に検出することができる。
【0023】
本発明の投写位置ずれ量検出装置においては、前記第1偏光成分透過領域及び第2偏光
成分透過領域は、前記偏光板を2つの領域に2分したときの一方の領域と他方の領域とに
形成されていることもまた好ましい。
【0024】
複合偏光板がこのような構成を有することによっても、第1偏光成分透過領域及び第2
偏光成分透過領域を横切るような線画像(画像のエッジ部など)に基づいて第1画像と第
2画像との投写位置ずれ量を適切かつ容易に検出することができる。
【0025】
本発明の投写位置ずれ量検出装置においては、前記重畳画像分離部は、前記第1偏光成
分を透過させる第1偏光成分透過偏光板又は前記第2偏光成分を透過させる第2偏光成分
透過偏光板のいずれか一方の偏光板であって、前記第1偏光成分透過偏光板又は第2偏光
成分透過偏光板を90度回転可能に設置してなることも好ましい。
【0026】
これは、第1偏光成分透過偏光板(例えばp偏光成分透過偏光板)又は第2偏光成分透
過偏光板(例えばs偏光成分透過偏光板)のいずれかの偏光板を用いるものであり、第1
偏光成分透過偏光板又は第2偏光成分透過偏光板を90度回転可能に設置することにより
、1枚の偏光板で第1偏光成分(例えばp偏光成分)を有する第1画像及び第2偏光成分
(例えばs偏光成分)を有する第2画像を1台の撮像装置で撮像することができる。なお
、この場合、第1偏光成分透過偏光板又は第2偏光成分透過偏光板のいずれの偏光板を用
いた場合であっても、撮像装置から出力される撮像画像データからは、縦方向及び横方向
に延びる線画像(画像のエッジ部など)を検出することができる。このため、縦方向の投
写位置ずれ量及び横方向の投写位置のずれ量を算出することができる。
【0027】
本発明の投写位置ずれ量検出装置においては、前記重畳画像分離部は、前記第1偏光成
分を透過させる第1偏光成分透過偏光板及び前記第2偏光成分を透過させる第2偏光成分
透過偏光板の2つの偏光板でなることもまた好ましい。
【0028】
これは、第1偏光成分透過偏光板(例えばp偏光成分透過偏光板)及び第2偏光成分透
過偏光板(例えばs偏光成分透過偏光板)の両方の偏光板を用いるものである。このよう
に、第1偏光成分透過偏光板及び第2偏光成分透過偏光板の両方を用いることにより、例
えば、それぞれの偏光板に対応させて撮像装置を用意することにより、p偏光成分を有す
る第1画像とs偏光成分を有する第2画像とを同時に撮像することができる。なお、この
ような第1偏光成分透過偏光板及び第2偏光成分透過偏光板の両方を用いる場合も、撮像
装置から出力される撮像画像データからは、縦方向及び横方向に延びる線画像(画像のエ
ッジ部など)を検出することができる。このため、縦方向の投写位置ずれ量及び横方向の
投写位置のずれ量を算出することができる。
【0029】
本発明の投写位置ずれ量検出装置においては、前記重畳画像分離部は、前記第1偏光成
分を透過させる第1偏光成分透過偏光板又は前記第2偏光成分を透過させる第2偏光成分
透過偏光板のいずれか一方の偏光板と、TN(Twisted Nematic)型液晶とを組み合わせ
て用い、前記TN型液晶に対する駆動電圧の印加を制御することによって、前記第1画像
と前記第2画像とを分離して透過可能することもまた好ましい。
【0030】
このような構成とすることによっても、投写面上に重畳された状態で投写されている画
像(第1画像及び第2画像)を偏光成分の違いにより分離して撮像することができる。な
お、この場合、撮像装置が1台で済み、また、TN型液晶に対する電圧の印加制御だけで
透過可能な偏光成分の切り替えを行うことができるので、偏光板を回転させたりスライド
させたりするための機構が不要となる。
【0031】
本発明の投写位置ずれ量検出装置においては、投写位置ずれ量算出部は、前記第1画像
に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データから前記第1画像
と前記第2画像とに共通するエッジ部を検出して、当該検出したエッジ部における前記第
1画像と前記第2画像との相対的な投写位置ずれ量を算出することが好ましい。
【0032】
このように画像のエッジ部を検出して、検出したエッジ部における第1画像及び第2画
像の位置の相対的なずれ量を算出するようにしているので、テストパターンを用いること
なく通常の画像を用いて投写位置のずれ量を算出することができる。
【0033】
本発明の投写位置ずれ量検出装置においては、前記第1画像前記第2画像との相対的な
投写位置ずれ量は、前記第1画像を射出する第1光変調素子ユニットの光変調素子及び前
記第2画像を射出する第2光変調素子ユニットの光変調素子のそれぞれ対応する画素の画
素ずれ量として算出されることが好ましい。
【0034】
このように投写位置ずれ量が、第1光変調素子ユニットの光変調素子及び第2光変調素
子ユニットの光変調素子のそれぞれ対応する画素の画素ずれ量として算出されることによ
り、投写位置補正を行う場合、算出された画素のずれ量に基づいて投写位置の補正を行う
ことができるので、適切な投写位置の補正を行うことができる。
【0035】
本発明の投写位置ずれ量検出方法は、第1偏光成分を有する第1画像と第2偏光成分を
有する第2画像とが投写面上に重畳された状態で投写されているときの前記第1画像と前
記第2画像との投写位置ずれ量を検出する投写位置ずれ量検出方法であって、前記投写面
上に重畳された状態で投写されている前記第1画像及び前記第2画像を、偏光成分の違い
に基づいて分離するステップと、前記重畳画像分離部で分離された前記第1画像と前記第
2画像とを撮像し、前記第1画像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する
撮像画像データを出力するステップと、前記第1画像に対応する撮像画像データ及び前記
第2画像に対応する撮像画像データに基づいて前記第1画像と前記第2画像との投写位置
ずれ量を算出するステップとを有することを特徴とする。
【0036】
本発明の投写位置ずれ量検出方法によれば、前記本発明の投写位置ずれ量検出装置と同
様の効果を得ることができる。なお、本発明の投写位置ずれ量検出方法においても、前記
本発明の投写位置ずれ量検出装置が有する各特徴を有することが好ましい。
【0037】
本発明のプロジェクションシステムは、第1偏光成分を有する第1画像を投写面上に投
写する第1光変調素子ユニットと、第2偏光成分を有する第2画像を、前記第1画像と重
畳した状態で前記投写面上に投写する第2光変調素子ユニットと、前記第1画像及び前記
第2画像を、偏光成分の違いに基づいて分離する重畳画像分離部と、前記重畳画像分離部
で分離された前記第1画像と前記第2画像とを撮像し、前記第1画像に対応する撮像画像
データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データを出力する撮像装置と、前記第1画像
に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データに基づいて前記第
1画像と前記第2画像との投写位置ずれ量を算出する投写位置ずれ量算出部とを有するこ
とを特徴とする。
【0038】
本発明のプロジェクションシステムによれば、投写面上に第1画像と第2画像とが重畳
された状態で投写されるようなるような場合、投写面上に重畳された状態で投写されてい
る画像を偏光成分の違いにより分離して撮像することができる。そして、撮像することに
よって得られた撮像画像データに基づいて投写位置ずれ量を算出することができる。これ
により、投写面において重畳された状態で投写された画像の投写位置ずれ量を、テストパ
ターンを表示することなく通常の画像の投写中に検出することができる。なお、本発明の
プロジェクションシステムにおいても、前記本発明の投写位置ずれ量検出装置が有する各
特徴を有することが好ましい。
【0039】
本発明のプロジェクションシステムにおいては、前記第1画像及び前記第2画像を合成
する偏光合成光学系と、前記偏光合成光学系で合成された前記第1画像及び前記第2画像
を前記投写面上に投写する投写光学系とを有し、前記第1光変調素子ユニット、前記第2
光変調素子ユニット、前記偏光合成光学系及び前記投写光学系は、1台のプロジェクター
に備えられていることが好ましい。
【0040】
これは、1台のプロジェクターに2つの光変調素子ユニットを組み込んだものであり、
第1光変調素子ユニットから射出される第1偏光成分を有する第1画像と第2光変調素子
ユニットから射出される第2偏光成分を有する第2画像を投写面に重畳させた状態で表示
させるものである。このようなプロジェクションシステムにおいても、投写面上に重畳さ
れた状態で投写された画像の投写位置ずれ量を、テストパターンを表示することなく通常
の画像の投写中に検出することができる。
【0041】
本発明のプロジェクションシステムにおいては、前記第1光変調素子ユニット及び前記
第1光変調素子ユニットから射出される第1画像を前記投写面上に投写する第1投写光学
系を備える第1プロジェクターと、前記第2光変調素子ユニット及び前記第2光変調素子
ユニットから射出される第2画像を前記投写面上に投写する第2投写光学系を備える第2
プロジェクターとを有することが好ましい。
【0042】
これは、2台のプロジェクターを用いて、第1プロジェクターの第1光変調素子ユニッ
トから射出される第1画像及び第2プロジェクターの第2光変調素子ユニットから射出さ
れる第2画像を投写面上に重畳させた状態で表示させるものである。このようなプロジェ
クションシステムにおいても、投写面上に重畳された状態で投写された画像の投写位置ず
れ量を、テストパターンを表示することなく通常の画像の投写中に検出することができる

【0043】
本発明のプロジェクションシステムにおいては、前記投写位置ずれ量算出部で算出され
た投写位置ずれ量に基づいて,前記第1光変調素子ユニットから射出される第1画像及び
第2光変調素子ユニットから射出される第2画像の投写位置を補正する投写位置補正装置
をさらに有することが好ましい。
【0044】
このような投写位置補正装置を有することにより、第1光変調素子ユニットの第1画像
及び第2光変調素子ユニットの第2画像の投写位置のずれを補正することができ、投写さ
れる画像を高品質なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態1に係るプロジェクションシステム10の構成を示す図。
【図2】複合偏光板111の構成例を模式的に示す図。
【図3】実施形態1に係るプロジェクターPJ1の光学装置の構成を模式的に示す平面図。
【図4】投写位置ずれ量検出装置の全体的な処理手順を説明するフローチャート。
【図5】撮像装置121による撮像結果と複合偏光板111との対応関係を模式的に示す図。
【図6】複合偏光板111を透過した第1画像G1及び第2画像G2の実際の撮像結果を模式的に示す図。
【図7】実施形態2に係るプロジェクションシステム20の構成を示す図。
【図8】実施形態3に係るプロジェクションシステム30の構成を示す図。
【図9】実施形態4に係るプロジェクションシステム40の構成を示す図。
【図10】実施形態5に係るプロジェクションシステム50の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0047】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るプロジェクションシステム10の構成を示す図である。実施
形態1に係るプロジェクションシステム10は、プロジェクターPJと、投写位置ずれ量
検出装置100と、投写位置補正装置200とを有している。
【0048】
プロジェクターPJは、第1偏光成分(p偏光成分とする)を有する第1画像G1を射
出する第1光変調素子ユニット400A(図3参照)と、第2偏光成分(s偏光成分とす
る)を有する第2画像G2を射出する第2光変調素子ユニット400B(図3参照)とを
有する。投写位置ずれ量検出装置100は、第1画像G1と第2画像G2のスクリーンS
CR上における投写位置のずれ量(投写位置ずれ量という)を検出する。また、投写位置
補正装置200は、投写位置ずれ量検出装置100で検出された投写位置ずれ量に基づい
て投写位置を補正する。
【0049】
なお、p偏光成分を有する第1画像G1及びs偏光成分を有する第2画像G2は、スク
リーンSCR上に重畳された状態で投写されているものとし、このようにスクリーンSC
R上に重畳された状態で投写されている第1画像G1及び第2画像G2をここでは重畳画
像と呼ぶことにする。
【0050】
投写位置ずれ量検出装置100は、重畳画像を偏光成分の違いに基づいて第1画像G1
と第2画像G2とに分離する重畳画像分離部110と、重畳画像分離部110で分離され
た第1画像G1及び第2画像G2を撮像して撮像画像データを出力する撮像装置121と
、撮像画像データに基づいて第1画像G1と第2画像G2との投写位置ずれ量を算出する
投写位置ずれ量算出部130とを有する。
【0051】
重畳画像分離部110は、撮像装置121における撮像レンズの前方側(スクリーンS
CR側)に設けられており、重畳画像をp偏光成分を有する第1画像G1とs偏光成分を
有する第2画像G2とに分離する機能を有している。
【0052】
実施形態1に係るプロジェクションシステム10における重畳画像分離部110として
は、p偏光成分を透過させる第1偏光成分透過領域(p偏光成分透過領域という)とs偏
光成分を透過させる第2偏光成分透過領域(s偏光成分透過領域という)とが1枚の偏光
板に形成されている偏光板が用いられる。このような偏光板を複合偏光板111と呼ぶこ
とにする。また、複合偏光板111は、p偏光成分及びs偏光成分を所定の領域ごとに交
互に透過させることができるような構造を有するものであるとする。複合偏光板111の
構成については後述する。
【0053】
また、撮像装置121は、プロジェクターPJの光変調素子の解像度よりも十分に高い
解像度を有するものとし、プロジェクターPJの少なくとも1画素が認識できるような倍
率で撮像を行うように設定されているものとする。また、撮像装置121は、図1におい
ては、プロジェクターPJとは別に用意された撮像装置を用いた場合が例示されているが
、プロジェクターPJに搭載された撮像装置を用いることもできる。
【0054】
図2は、複合偏光板111の構成例を模式的に示す図である。実施形態1に係るプロジ
ェクションシステム10において用いられる複合偏光板111は、図2に示すように、複
数のp偏光成分透過領域と複数のs偏光成分透過領域とを含む。ここで、p偏光成分透過
領域及びs偏光成分透過領域の形状は、いずれも一方向(X方向)を長手方向とする帯状
である。また、p偏光成分透過領域及びs偏光成分透過領域は、長手方向に直交する方向
(Y方向)に沿って交互に形成されている。
【0055】
p偏光成分透過領域は、p偏光成分を有する光を透過させるものであり、s偏光成分透
過領域は、s偏光成分を有する光を透過させるものである。これにより、第1光変調素子
ユニット400Aから射出されるp偏光成分を有する第1画像G1は、p偏光成分透過領
域を透過し、第2光変調素子ユニット400Bから射出されるs偏光成分を有する第2画
像G2は、s偏光成分透過領域を透過する。
【0056】
撮像装置121は、重畳画像の撮像が可能となるように設置されている。この撮像装置
121における撮像レンズの前方には図2に示すような複合偏光板111が設置されてい
るので、撮像装置121によって撮像された撮像画像データには、複合偏光板111のp
偏光成分透過領域を透過してくる第1画像G1に対応する撮像画像データとs偏光成分透
過領域を透過してくる第2画像G2に対応する撮像画像データとが含まれる。
【0057】
図3は、実施形態1に係るプロジェクターPJの構成を模式的に示す平面図である。実
施形態1に係るプロジェクターPJは、図3に示すように、RGBを含む光を射出する光
源300と、インテグレータ光学系310と、第1光変調素子ユニット400A及び第2
光変調素子ユニット400Bと、偏光分離ミラー320と、偏光分離ミラー320によっ
て分離されたp偏光成分を有する光をRGBの各色光に分離して第1光変調素子ユニット
400Aに導く第1色分離導光光学系500Aと、偏光分離ミラー320によって分離さ
れたs偏光成分を有する光をRGBの各色光に分離して第2光変調素子ユニット400B
に導く第2色分離導光光学系500Bと、偏光合成光学系としての偏光合成プリズム80
0と、偏光合成プリズム800で合成された画像をスクリーンSCRに拡大して投写する
投写光学系600とを備える。
【0058】
第1光変調素子ユニット400Aは、RGBの各色に対応した光変調素子410R,4
10G,410Bと、クロスダイクロイックプリズム420とを有し、これら光変調素子
410R,410G,410Bと、クロスダイクロイックプリズム420とは一体化され
た構造となっている。なお、光変調素子410R,410G,410Bの入射側には入射
側偏光板が設けられており、射出側には射出側偏光板が設けられているがこれらの符号は
省略されている。このように構成された第1光変調素子ユニット400Aからは、p偏光
成分を有する第1画像G1が射出される。
【0059】
一方、第2光変調素子ユニット400Bは、RGBの各色に対応した光変調素子411
R,411G,411Bと、クロスダイクロイックプリズム421とを有し、これら光変
調素子411R,411G,411Bと、クロスダイクロイックプリズム421とは一体
化された構造となっている。なお、光変調素子411R,411G,411Bの入射側に
は入射側偏光板が設けられており、射出側には射出側偏光板が設けられているがこれらの
符号は省略されている。このように構成された第2光変調素子ユニット400Bからは、
s偏光成分を有する第2画像G2が射出される。
【0060】
また、第1色分離導光光学系500Aは、偏光分離ミラー320を通過したp偏光成分
を有する光のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)及び青色光(B)を通過させ
るダイクロイックミラー510と、ダイクロイックミラー510を通過した緑色光及び青
色光のうち、緑色光を反射させ、青色光を通過させるダイクロイックミラー520と、ダ
イクロイックミラー520を通過した青色光を光変調素子410Bに導く2つのリレーレ
ンズ530,540及び2つの反射ミラー550,560と、ダイクロイックミラー51
0で反射された赤色光を光変調素子410Rに導く反射ミラー570とを有している。な
お、反射ミラー570は、この場合、第2色分離導光光学系500Bとの間で共用となっ
ているため、両面反射ミラーが用いられる。
【0061】
一方、第2色分離導光光学系500Bは、偏光分離ミラー320で反射されたs偏光成
分を有する光のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)及び青色光(B)を通過さ
せるダイクロイックミラー511と、ダイクロイックミラー511を通過した緑色光及び
青色光のうち、緑色光を反射させ、青色光を通過させるダイクロイックミラー521と、
ダイクロイックミラー521を通過した青色光を光変調素子411Bに導く2つのリレー
レンズ531,541及び2つの反射ミラー551,561とを有している。なお、ダイ
クロイックミラー511で反射された赤色光は、第1光変調素子ユニット400Bと共用
の両面反射ミラー570で反射されて光変調素子411Rに入射する。
【0062】
偏光合成プリズム800は、第1光変調素子ユニット400Aから射出されるp偏光成
分を有する第1画像G1と、第2光変調素子ユニット400Bから射出されるs偏光成分
を有する第2画像G2とを合成する。そして、偏光合成プリズム800で合成された画像
は、投写光学系600によって拡大されて、スクリーンSCRに投写される。
【0063】
ところで、プロジェクターPJは、第1光変調素子ユニット400Aから射出される第
1画像及び第2光変調素子ユニット400Bから射出される第2画像のそれぞれ対応する
画素を高精度に一致させることにより、高輝度な画像をスクリーンSCR上で表示させる
ことができることは勿論、それぞれ対応する画素を斜め方向に1/2画素ずらす「斜め画
素ずらし」による投写を行うことにより、高解像度の画像をスクリーンSCR上で表示さ
せることができる。
【0064】
いずれの場合も、第1光変調素子ユニット400Aの各光変調素子410R,410G
,410B及び第2光変調素子ユニット400Bの各光変調素子411R,411G,4
11Bのそれぞれ対応する画素の位置関係が適切に調整された状態となるように、第1光
変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット400Bを高精度に位置調整する
必要がある。
【0065】
なお、第1光変調素子ユニット400Aの各光変調素子410A,410G,410B
及びクロスダイクロイックプリズム420などは一体化された構造となっており、これら
の位置関係は固定的であり、同様に、第2光変調素子ユニット400Bの各光変調素子4
11A,411G,411B及びクロスダイクロイックプリズム421などは一体化され
た構造となっており、これらの位置関係は固定的であるとする。
【0066】
図4は、投写位置ずれ量検出装置の全体的な処理手順を説明するフローチャートである
。図4に示すように、まずは、重畳画像を複合偏光板111によって第1偏光成分を有す
る第1画像G2と第2偏光成分を有する第2画像G2とに分離し(ステップS1)、分離
された第1画像G1及び第2画像G2を撮像装置121が撮像し、第1画像G1に対応す
る撮像画像データ及び第2画像G2に対応する撮像画像データを出力する(ステップS2
)。そして、第1画像G1に対応する撮像画像データ及び第2画像G2に対応する撮像画
像データに基づいて第1画像G1と第2画像G2との投写位置ずれ量を投写位置ずれ量算
出部130が算出する(ステップS3)。
【0067】
なお、ステップS3における第1画像G1と第2画像G2との投写位置ずれ量を算出す
る処理は、具体的には、第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット4
00Bの一方の光変調素子ユニット(ここでは、第1光変調素子ユニット400Aとする
)を基準として、基準となる第1光変調素子ユニット400Aに対する第2光変調素子ユ
ニット400Bの相対的な位置ずれ量を算出する処理であるとする。これは、後述する他
の実施形態においても同様である。
【0068】
投写位置ずれ量算出部130は、まずは、第1画像G1に対応する撮像画像データ及び
第2画像G2に対応する撮像画像データから、第1画像G1と第2画像G2とに共通する
エッジ部を検出する。このとき、投写位置ずれ量の算出を行う際に最適なエッジ部を検出
する。この場合、複合偏光板111のp偏光成分透過領域及びs偏光成分透過領域は、縦
方向(X方向)の帯状に形成されているので、これらp偏光成分透過領域及びs偏光成分
透過領域を横切るような横方向(Y方向)に延びたエッジ部を検出することが好ましい。
【0069】
そして、最適なエッジ部が検出されたら、検出されたエッジ部を注目エッジとして、当
該注目エッジにおける第1画像G1と第2画像G2との相対的な投写位置ずれ量を算出す
る。具体的には、第1画像G1と第2画像G2との相対的な投写位置ずれ量は、第1光変
調素子ユニット400Aのある1つの光変調素子及び第2光変調素子ユニット400Bの
ある1つの光変調素子のそれぞれ対応する画素のずれ量(画素ずれ量という)として算出
される。
【0070】
なお、光変調素子ユニット400Aのある1つの光変調素子及び第2光変調素子ユニッ
ト400Bのある1つの光変調素子というのは、第1光変調素子ユニット400Aにおけ
る緑色用の光変調素子410G及び第2光変調素子ユニット400Bにおける緑色用の光
変調素子411Gであるとする。これは、後述する他の実施形態においても同様である。
【0071】
なお、第1光変調素子ユニット400Aには、RGBそれぞれに対応した光変調素子4
10R,410G,410Bが存在し、第2光変調素子ユニット400Bには、RGBそ
れぞれに対応した光変調素子411R,411G,411Bが存在するが、前述したよう
に、光変調素子410R,410G,410Bの相互の位置関係及び光変調素子410R
,410G,410Bの相互の位置関係は適切に設定されており、その位置関係は固定的
なものであるとしている。
【0072】
このため、第1光変調素子ユニット400Aの緑色用の光変調素子410Gに対する第
2光変調素子ユニット400Bの緑色用の光変調素子411Gの相対的な画素ずれ量は、
第1光変調素子ユニット400Aの各光変調素子410R,410G,410Bに対する
第2光変調素子ユニット400Bの各光変調素子411R,411G,411Bの相対的
な画素ずれ量を表すものとなる。
【0073】
図4に示す投写位置ずれ量算出処理手順によって第1画像G1及び第2画像G2の相対
的な投写位置ずれ量が算出されると、投写位置補正装置200は、算出された相対的な投
写位置ずれ量に基づいて、第1画像G1と第2画像G2とが適正な位置関係となるように
、画像データを補正する。なお、ここでは、第1光変調素子ユニット400Aを基準とし
ているので、第2光変調素子ユニット400B側において投写位置を補正する。
【0074】
図5は、撮像装置121による撮像結果と複合偏光板111との対応関係を模式的に示
す図である。なお、図5に示されるp偏光成分透過領域及びs偏光成分透過領域は、図2
に示す複合偏光板111の一部分を取り出して示すものである。
【0075】
図5において、曲線を描くラインEは、第1光変調素子ユニット400A及び第2光変
調素子ユニット400Bが適正な位置関係となっている場合の注目エッジであり、これを
基準注目エッジEと呼ぶことにする。
【0076】
ここで、第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット400Bが適正
な位置関係となるように調整されていれば、基準注目エッジEは、連続的な一本のライン
となる。ここでは、第1光変調素子ユニット400Aを基準としているので、第1光変調
素子ユニット400Aから射出される第1画像G1の注目エッジが基準注目エッジEとな
る。したがって、第1画像G1の注目エッジ(基準注目エッジE)に対する第2画像G2
の注目エッジE’の投写位置ずれ量(画素ずれ量)を算出することによって、第1画像G
1と第2画像G2との投写位置ずれ量(画素ずれ量)を得ることがきる。
【0077】
また、図5において、黒丸は第1光変調素子ユニット400Aの基準注目エッジEに対
応する画素(緑色用の光変調素子410Gにおける画素)のうちの代表的な画素p01,
p02,p21、p22、・・・を示し、白丸は第2光変調素子ユニット400Bの注目
エッジE’に対応する画素(緑色用の光変調素子411Gにおける画素)のうちの代表的
な画素s11,s12,s31,s32,・・・を示している。
【0078】
ここで、第1光変調素子ユニット400Aと第2光変調素子ユニット400Bとが適正
な位置となっていれば、画素p01,p02,p21,p22,・・・及び画素s11,
s12,s31,s32,・・・は、ともに基準注目エッジE上に沿って存在するはずで
あるが、図5に示す例の場合、第1光変調素子ユニット400Aの各画素p01,p02
,p21,p22,・・・に対して第2光変調素子ユニット400Bの各画素s11,s
12,s31,s32,・・・は、下方向にずれた状態で存在している。
【0079】
これは、基準となる第1光変調素子ユニット400Aに対して第2光変調素子ユニット
400Bに画素ずれが生じていることを示すものである。したがって、この場合、図5に
おける区間x1,x3,x5,・・・において、第1光変調素子ユニット400Aに対す
る第2光変調素子ユニット400Bの画素ずれ量を算出して、算出された画素ずれ量の分
だけ第2光変調素子ユニット400Bの画素s1,s2,s31,s32,・・・をシフ
トする補正処理を行うことにより、第1光変調素子ユニット400Aと第2光変調素子ユ
ニット400Bとを適正な位置関係とすることができる。なお、ここでは、説明を簡単化
するため、縦方向(上下方向)の投写位置ずれのみについて説明する。
【0080】
投写位置ずれ量算出部130は、図5における区間x1,x3,x5,・・・において
、第1光変調素子ユニット400Aに対する第2光変調素子ユニット400Bの画素ずれ
量を算出する。ここで、第2光変調素子ユニット400Bの画素ずれ量(区間x1,x3
,x5,・・・における画素ずれ量)を求める際は、まず、区間x1,x3,x5,・・
・における基準注目エッジEの画素位置を撮像画像データから近似値として求める。
【0081】
これは、区間x1,x3,x5,・・・に隣接する区間の基準注目エッジEの画素位置
を用いて補間することによって求めることが可能である。そして、近似値として求められ
た区間x1,x3,x5,・・・における基準注目エッジEの画素位置と、同じ区間の注
目エッジE’の画素位置との差分を画素ずれ量として算出する。なお、画素ずれ量は、例
えば、「2画素」、「2.5画素」というように画素数として表わされるものとする。
【0082】
そして、算出された画素ずれ量に基づいて投写位置の補正を投写位置補正装置200に
よって行う。この投写位置の補正は、ここでは、画像処理によって行う。すなわち、プロ
ジェクターPJにおいて投写すべき画像データに対して、算出された画素ずれ量の分だけ
画素をシフトする処理を行う。
【0083】
なお、この場合、撮像装置121の解像度がプロジェクターPJの各光変調素子の解像
度よりも十分に高いとしているので、撮像装置121の解像度と各光変調素子の解像度と
の比に基づいてプロジェクターPJの第1光変調素子ユニット400Aに対する第2光変
調素子ユニット400Bの画素ずれ量を算出し、算出された画素ずれ量だけ画素を画像処
理によってシフトする。
【0084】
ところで、一般的に偏光板は、p偏光成分及びs偏光成分の一方の偏光成分を有する光
を100%遮断できるとは限らない。例えば、p偏光成分の透過が可能な偏光板であって
も、s偏光成分を100%遮断できるとは限らない。その逆も同じである。このため、図
2に示すような複合偏光板111においても、実際にはp偏光成分透過領域はs偏光成分
の光をある程度透過させ、s偏光成分透過領域はp偏光成分の光をある程度透過させるこ
ととなる。したがって、撮像装置121においては、s偏光成分透過領域においても光量
の低下したp偏光成分を有する画像を撮像することとなり、p偏光成分透過領域において
も光量の低下したs偏光成分を有する画像を撮像することとなる。
【0085】
図6は、複合偏光板111を透過した第1画像G1及び第2画像G2の実際の撮像結果
を模式的に示す図である。図6に示すように、各々のp偏光成分透過領域(区間x0,x
2,x4,・・・)においては、光量の低下したs偏光成分の注目エッジE’が撮像され
る。同様に、各々のs偏光成分透過領域(区間x1,x3,x5,・・・)においては、
光量の低下したp偏光成分の基準注目エッジEが撮像される。図6において、光量の低下
した注目エッジE’とその画素(例えばs01,s02,s21,s22など)及び光量
の低下した基準注目エッジEとその画素(例えばp11,p12,p31,p32など)
を薄い灰色で示す。
【0086】
このように、実際の撮像結果においては、s偏光成分透過領域及びp偏光成分透過領域
それぞれにおいて、s偏光成分を有する注目エッジE’とp偏光成分を有する基準注目エ
ッジEとが存在することとなるが、撮像画像データとしての出力レベル(画素値)の大き
さが異なるので、その出力レベルの差によって、各々のp偏光成分透過領域においてp偏
光成分を有する基準注目エッジEを識別することができ、また、各々のs偏光成分透過領
域においてs偏光成分を有する注目エッジE’を識別することができる。
【0087】
なお、上記した例では、複合偏光板111のp偏光成分透過領域及びs偏光成分透過領
域は、図2に示すように、縦方向の帯状の配列となっているため、注目エッジとしては、
横方向に延びたエッジ部、すなわち、p偏光成分透過領域及びs偏光成分透過領域を横切
るようなエッジ部を用いて、縦方向の画素ずれ量を検出する場合を例示したが、例えば、
図2に示すような複合偏光板111の光軸を中心に90度回転させて、縦方向に延びるエ
ッジ部を注目エッジとして用いることによって横方向(左右方向)の位置ずれ量を算出す
ることもできる。
【0088】
すなわち、まずは、複合偏光板111を図2のように設置した状態で、横方向に延びた
エッジ部を注目エッジとして用い、上記した投写位置ずれ量算出処理を行い、その後、複
合偏光板111を光軸を中心に90度回転させた状態として、撮像装置121によって撮
像を行い、その撮像画像データから縦方向に延びたエッジ部を検出し、検出したエッジ部
を注目エッジとして、上記した投写位置ずれ算出処理を行う。
【0089】
これによって、縦方向の画素ずれ量のみならず横方向の画素ずれ量をも算出することが
できる。このように算出された縦方向の画素ずれ量と横方向の画素ずれ量とに基づいて第
2光変調素子ユニット400Bの位置を補正することにより、第1光変調素子ユニット4
00Aと第2光変調素子ユニット400Bとを縦方向及び横方向において適正な位置関係
に設定することができる。
【0090】
また、縦方向の画素ずれ量及び横方向の画素ずれ量の両方を算出する方法の他の例とし
ては、図2に示すような複合偏光板111を2つ用意して、一方の複合偏光板111は図
2に示すようにp偏光成分透過領域及びs偏光成分透過領域が縦方向の帯状となるように
配置し、もう一方の複合偏光板111はp偏光成分透過領域及びs偏光成分透過領域が横
方向の帯状となるように配置する。そして、これら2つの複合偏光板111を左右方向に
スライド可能として、1台の撮像装置121により時分割で撮像する。このような構成と
することによっても、縦方向の画素ずれ量及び横方向の画素ずれ量の両方を算出すること
ができる。
【0091】
また、このように複合偏光板111を2つ用意する場合、複合偏光板111をスライド
させるのではなく、各複合偏光板111に対応するように撮像装置を2台設けるようにし
てもよい。
【0092】
なお、以上説明した投写位置ずれ量算出処理において、注目エッジとすべき最適なエッ
ジが現時点の撮像画像データに存在しない場合には、注目エッジとして最適なエッジが現
れるのを待って、注目エッジとして最適なエッジが現れたらそのエッジを注目エッジとし
て用いる。
【0093】
以上説明したように実施形態1に係るプロジェクションシステム10においては、複合
偏光板111と撮像装置121とを用いて、p偏光成分を有する第1画像G1に対応する
撮像画像データと、s偏光成分を有する第2画像G2に対応する撮像画像データとを取得
する。そして、取得した撮像画像データから注目エッジを検出し、検出した注目エッジに
基づいて、第1光変調素子ユニット400Aの緑色用の光変調素子410G及び第2光変
調素子ユニット400Bの緑色用の光変調素子411Gのそれぞれ対応する画素の画素ず
れ量を算出する。このようにして算出された画素ずれ量に基づいて第1画像G1と第2画
像G2とが適正な位置関係となるように補正を行う。
【0094】
このため、実施形態1に係るプロジェクションシステムによれば、テストパターンを表
示することなく、プロジェクターPJによって通常の画像の投写を行っている最中におい
ても、第1光変調素子ユニット400Aから射出される第1画像G1と第2光変調素子ユ
ニット400Bから射出される第2画像G2との投写位置ずれ量(画素ずれ量)を算出す
ることができ、算出された投写位置ずれ量(画素ずれ量)に基づいて、第1画像G1と第
2画像G2との位置関係を適正な位置関係とするような補正を行うことが可能となる。
【0095】
[実施形態2]
上記した実施形態1に係るプロジェクションシステム10においては、重畳画像分離部
110として複合偏光板111(図2参照)を用いたが、複合偏光板111ではなく、p
偏光成分を透過する偏光板(p偏光成分透過偏光板112pという)とs偏光成分を透過
する偏光板(s偏光成分透過偏光板112sという)とを用いることも可能である。
【0096】
図7は、実施形態2に係るプロジェクションシステム20の構成を示す図である。実施
形態2に係るプロジェクションシステム20は実施形態1に係るプロジェクションシステ
ム10(図1参照)と同様に、プロジェクターPJと、投写位置ずれ量検出装置100と
、投写位置補正装置200とを有している。なお、プロジェクターPJは、実施形態1に
係るプロジェクションシステム10におけるプロジェクターPJと同様の構成を有するも
のであるとする。
【0097】
投写位置ずれ量検出装置100は、重畳画像分離部110としてのp偏光成分透過偏光
板112p及びs偏光成分透過偏光板112sと、p偏光成分透過偏光板112pに対応
して設けられた撮像装置121(実施形態2においては第1撮像装置121という)と、
s偏光成分透過偏光板112sに対応して設けられた撮像装置122(実施形態2におい
ては第2撮像装置122という)と、第1撮像装置121からの撮像画像データ(p偏光
成分を有する第1画像G1に対応する撮像画像データ)及び第2撮像装置122からの撮
像画像データ(s偏光成分を有する第2画像G2に対応する撮像画像データ)に基づいて
第1画像G1と第2画像G2との投写位置ずれ量を算出する投写位置ずれ量算出部130
とを有する。
【0098】
図7に示すようなプロジェクションシステム20においても実施形態1に係るプロジェ
クションシステム10と同様に、第1画像G1と第2画像G2との投写位置ずれ量を算出
することができる。なお、第1画像G1と第2画像G2との投写位置ずれ量は、実施形態
1に係るプロジェクションシステム10と同様、第1光変調素子ユニット400Aの緑色
用の光変調素子410Gに対する第2光変調素子ユニット400Bの緑色用の光変調素子
411Gの相対的な画素ずれ量として算出される。このようにして画素ずれ量が算出され
ると、投写位置補正装置200では、算出された画素ずれ量に基づいた投写位置補正を画
像処理によって行う。
【0099】
なお、実施形態2に係るプロジェクションシステム20においては、2台の撮像装置(
第1撮像装置121及び第2撮像装置122)から出力されるそれぞれの撮像画像データ
を用いて投写位置ずれ量を算出するため、第1撮像装置121の撮像画像データと第2撮
像装置122の撮像画像データとに空間的なずれが発生する可能性がある。このため、そ
の空間的なずれに対する補間処理が必要となる場合もあるが、第1撮像装置121及び第
2撮像装置122がそれぞれ一度の撮影を行うことによって、縦方向及び横方向の両方の
投写位置ずれ量を算出することができるといった利点もある。
【0100】
すなわち、実施形態2に係るプロジェクションシステムにおいては、スクリーンSCR
に投写されている第1画像G1全体及び第2画像G2全体をそれぞれ撮像することができ
るため、第1撮像装置121から出力される第1画像G1に対応する撮像画像データから
は、第1画像G1の横方向に延びるエッジ部と縦方向に延びるエッジ部とを検出すること
ができ、また、第2撮像装置122から出力される第2画像G2に対応する撮像画像デー
タからは、第2画像G2の横方向に延びるエッジ部と縦方向に延びるエッジ部とを検出す
ることができる。これにより、第1撮像装置121及び第2撮像装置122がそれぞれ一
度の撮影を行うことによって、縦方向及び横方向の両方の投写位置ずれ量を算出すること
ができる。
【0101】
また、実施形態2に係るプロジェクションシステム20においては、2台の撮像装置(
第1撮像装置121及び第2撮像装置122)によって第1画像G1と第2画像G2とを
同時に撮像することができるため、第1撮像装置121からの撮像画像データと第2撮像
装置122からの撮像画像データとに時間的なずれは発生しない。
【0102】
以上説明したように実施形態2に係るプロジェクションシステム20によれば、実施形
態1に係るプロジェクションシステム10と同様、テストパターンを表示することなく、
プロジェクターPJによって通常の画像の投写を行っている最中においても、第1光変調
素子ユニット400Aから射出される第1画像G1と第2光変調素子ユニット400Bか
ら射出される第2画像G2との投写位置ずれ量(画素ずれ量)を算出することができ、算
出された投写位置ずれ量(画素ずれ量)に基づいて、第1画像G1と第2画像G2との位
置関係を適正な位置関係とするような補正を行うことが可能となる。
【0103】
[実施形態3]
実施形態3に係るプロジェクションシステム30は、重畳画像分離部110として、p
偏光成分透過偏光板112p又はs偏光成分透過偏光板112sのいずれかの偏光板(p
偏光成分透過偏光板112pとする)を用いるものである。
【0104】
図8は、実施形態3に係るプロジェクションシステム30の構成を示す図である。実施
形態3に係るプロジェクションシステム30の全体的な構成は実施形態1に係るプロジェ
クションシステム10(図1参照)と同様に、プロジェクターPJと、投写位置ずれ量検
出装置100と、投写位置補正装置200とを有している。なお、プロジェクターPJは
、実施形態1に係るプロジェクションシステム10におけるプロジェクターPJと同様の
構成を有するものであるとする。
【0105】
投写位置ずれ量検出装置100は、重畳画像分離部110としてのp偏光成分透過偏光
板112pと、p偏光成分透過偏光板112pに対応して設けられた撮像装置121と、
撮像装置121からの撮像画像データに基づいて第1画像及び第2画像の投写位置のずれ
量を算出する投写位置ずれ量算出部130とを有する。
【0106】
また、p偏光成分透過偏光板112pは、光軸を中心として90度回転可能に設置され
ている。したがって、当該p偏光成分透過偏光板112pは、p偏光成分を透過可能とす
る位置を初期状態とした場合、当該初期状態から90度回転させた状態においては、s偏
光成分が透過可能となる。なお、p偏光成分透過偏光板112pの光軸を中心とする回転
方向は、一方向(例えば時計方向)に90度ごとに回転可能としてもよく、時計方向及び
反時計方向にそれぞれ90度回転可能としてもよい。
【0107】
実施形態3に係るプロジェクションシステム30においては、まずは、p偏光成分透過
偏光板112pを初期状態(p偏光成分が透過可能となる状態)として、撮像装置121
で撮像を行い、それによって得られた撮像画像データ(p偏光成分を有する第1画像G1
に対応する撮像画像データ)を投写位置ずれ量算出部130に出力する。続いて、p偏光
成分透過偏光板112pを初期状態から90度回転させた状態として、撮像装置121で
撮像を行い、それによって得られた撮像画像データ(s偏光成分を有する第2画像G2に
対応する撮像画像データ)を投写位置ずれ量算出部130に出力する。
【0108】
投写位置ずれ量算出部130では、撮像装置121から出力される第1画像G1に対応
する撮像画像データと第2画像G2に対応する撮像画像データとに基づいて、第1光変調
素子ユニット400Aの緑色用の光変調素子410Gに対する第2光変調素子ユニット4
00Bの緑色用の光変調素子411Gのそれぞれ対応する画素の画素ずれ量を算出する。
このようにして画素ずれ量が算出されると、投写位置補正装置200では、算出された画
素ずれ量に基づいた投写位置補正を画像処理によって行う。
【0109】
実施形態3に係るプロジェクションシステム30においては、p偏光成分を有する第1
画像とs偏光成分を有する第2画像とを時分割で撮像するので、動きの激しい画像におい
ては、画像の時間的なずれに対応した補正が必要となる場合もあるが、1枚の偏光板(p
偏光成分透過偏光板112p又はs偏光成分透過偏光板112sのいずれかの偏光板)と
1台の撮像装置121で済む。これにより、構成を簡単なものとすることができ、低コス
トで実現可能となるといった利点を有する。
【0110】
また、実施形態3に係るプロジェクションシステム30においては、第1画像G1及び
第2画像G2をそれぞれ一度ずつ撮像するだけで、縦方向及び横方向の両方の投写位置ず
れ量を算出することができる。すなわち、実施形態3に係るプロジェクションシステムに
おいては、撮像装置121から出力される第1画像G1に対応する撮像画像データからは
、第1画像G1における横方向に延びるエッジ部と縦方向に延びるエッジ部とを検出する
ことができ、また、撮像装置121から出力される第2画像G2に対応する撮像画像デー
タからは、第2画像G2における横方向に延びるエッジ部と縦方向に延びるエッジ部とを
検出することができる。これにより、第1画像G1及び第2画像G2をそれぞれ一度ずつ
撮像するだけで、縦方向及び横方向の両方の投写位置ずれ量を算出することができる。
【0111】
以上説明したように実施形態3に係るプロジェクションシステム30によれば、上記各
実施形態に係るプロジェクションシステムと同様、テストパターンを表示することなく、
プロジェクターPJによって通常の画像の投写を行っている最中においても、第1光変調
素子ユニット400Aから射出される第1画像G1と第2光変調素子ユニット400Bか
ら射出される第2画像G2との投写位置ずれ量(画素ずれ量)を算出することができ、算
出された投写位置ずれ量(画素ずれ量)に基づいて、第1画像G1と第2画像G2との位
置関係を適正な位置関係とするような補正を行うことが可能となる。
【0112】
[実施形態4]
上記した各実施形態は、重畳画像分離部110として、複合偏光板111、p偏光成分
透過偏光板112p、s偏光成分透過偏光板112sなどの各種偏光板を選択的に用いて
、p偏光成分を有する第1画像G1とs偏光成分を有する第2画像G2とを分離するよう
にしたが、p偏光成分透過偏光板112p又はs偏光成分透過偏光板112sのいずれか
の偏光板(p偏光成分透過偏光板112pとする)と、TN型液晶とを組み合わせること
も可能である。
【0113】
図9は、実施形態4に係るプロジェクションシステム40の構成を示す図である。実施
形態4に係るプロジェクションシステム40の全体的な構成は実施形態1に係るプロジェ
クションシステム10(図1参照)と同様に、プロジェクターPJと、投写位置ずれ量検
出装置100と、投写位置補正装置200とを有している。なお、プロジェクターPJは
、実施形態1に係るプロジェクションシステム10におけるプロジェクターPJと同様の
構成を有するものであるとする。
【0114】
投写位置ずれ量検出装置100は、p偏光成分透過偏光板112pとTN型液晶とによ
って重畳画像分離部110を構成している。すなわち、実施形態4に係るプロジェクショ
ンシステム40における投写位置ずれ量検出装置100は、p偏光成分透過偏光板112
pと、このp偏光成分透過偏光板112pの前方側(スクリーンSCR側)に配置された
TN型液晶113と、撮像装置121と、撮像装置121からの撮像画像データに基づい
て第1画像G1及び第2画像G2の投写位置ずれ量を算出する投写位置ずれ量算出部13
0とを有する。
【0115】
TN型液晶113は、TN型液晶113に駆動電圧が印加された状態では、p偏光成分
とs偏光成分の両方を透過させ、TN型液晶113に駆動電圧が印加されない状態では、
p偏光成分をs偏光成分として透過し、s偏光成分をp偏光成分として透過するような特
性を有している。
【0116】
このような特性を有するTN型液晶113をp偏光成分透過偏光板112pの前方側(
スクリーンSCR側)に配置することによって、TN型液晶113に駆動電圧が印加され
た状態では、p偏光成分を有する第1画像G1及びs偏光成分を有する第2画像G2はと
もにTN型液晶を透過する。そして、TN型液晶113を透過した第1画像G1は、p偏
光成分透過偏光板112pを透過して撮像装置121に入射され、撮像装置121によっ
て撮像される。一方、TN型液晶113を透過したs偏光成分を有する第2画像G2は、
p偏光成分透過偏光板112pを透過できないので、当該第2画像G2は撮像装置121
では撮像されない。
【0117】
また、TN型液晶113に駆動電圧が印加されない状態では、p偏光成分を有する第1
画像G1はs偏光成分を有する第1画像G1として透過し、s偏光成分を有する第2画像
G2はp偏光成分を有する第2画像G2として透過する。このため、TN型液晶113を
透過したs偏光成分を有する第1画像G1(もともとはp偏光成分を有する第1画像G1
)は、p偏光成分透過偏光板112pを透過できず、撮像装置121では撮像されない。
一方、TN型液晶113を透過したp偏光成分を有する第2画像G2(もともとはs偏光
成分を有する第2画像G2)は、p偏光成分透過偏光板112pを透過して、撮像装置1
21に入射され、撮像装置121によって撮像される。
【0118】
重畳画像分離部110をこのような構成とすることによっても、撮像装置121では、
もともとp偏光成分を有する第1画像G1と、もともとs偏光成分を有する第2画像G2
とをそれぞれ分離して撮像することができる。この場合も、第1画像G1と第2画像G2
とを時分割で撮像するので、動きの激しい画像においては、画像の時間的なずれに対応し
た補正が必要となる場合もあるが、撮像装置が1台で済むといった利点があるとともに、
TN型液晶113に対する電圧の印加制御だけで、第1画像G1と第2画像G2とを分離
できるので、偏光板を回転させたりスライドさせたりする機構が不要となる利点がある。
【0119】
また、実施形態4に係るプロジェクションシステム40においては、実施形態3に係る
プロジェクションシステムと同様、第1画像G1及び第2画像G2をそれぞれ一度ずつ撮
像するだけで、縦方向及び横方向の両方の投写位置ずれ量を算出することができる。
【0120】
以上説明したように実施形態4に係るプロジェクションシステム40によれば、上記各
実施形態に係るプロジェクションシステムと同様、テストパターンを表示することなく、
プロジェクターPJによって通常の画像の投写を行っている最中においても、第1光変調
素子ユニット400Aから射出される第1画像G1と第2光変調素子ユニット400Bか
ら射出される第2画像G2との投写位置ずれ量(画素ずれ量)を算出することができ、算
出された投写位置ずれ量(画素ずれ量)に基づいて、第1画像と第2画像との位置関係を
適正な位置関係とするような補正を行うことが可能となる。
【0121】
[実施形態5]
上記した各実施形態に係るプロジェクションシステムは、2つの光変調素子ユニット(
第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット400B)を有するプロジ
ェクターPJを用いたプロジェクションシステムであったが、1つの光変調素子ユニット
を有する複数台のプロジェクターを用いてスタッキング投写を行うプロジェクションシス
テムにおいても同様に実施することができる。
【0122】
図10は、実施形態5に係るプロジェクションシステム50の構成を示す図である。実
施形態5に係るプロジェクションシステム50は、図10に示すように、2台のプロジェ
クターPJ1,PJ2によりスタッキング投写を行うように構成されたプロジェクション
システムであり、プロジェクターPJ1から投写される画像(第1画像G1とする)と、
プロジェクターPJ2から投写される画像(第2画像G1とする)とがスクリーンSCR
上に重畳された状態で表示される。
【0123】
また、実施形態5に係るプロジェクションシステム50は、プロジェクターPJ1から
投写される第1画像G1とプロジェクターPJ2から投写される第2画像G2との投写位
置ずれ量を検出する投写位置ずれ量検出装置100と、投写位置ずれ量検出装置100で
検出された投写位置ずれ量に基づいて第1画像G1及び第2画像G2の投写位置を補正す
る投写位置補正装置200とを有している。
【0124】
投写位置ずれ量検出装置100は、実施形態1に係るプロジェクションシステム10と
同様、重畳画像分離部110としての複合偏光板111、撮像装置121及び投写位置ず
れ量算出部130を有する構成となっている。
【0125】
プロジェクターPJ1,PJ2の光学装置は、図示は省略するが、一般的なプロジェク
ターと同様の構成を有している。すなわち、プロジェクターPJ1,PJ2は、RGBを
含む光を射出する光源と、インテグレータ光学系と、光変調素子ユニットと、光源からの
光をRGBの各色光に分離して光変調素子ユニットに導く色分離導光光学系と、光変調素
子ユニットから射出される画像をスクリーンSCRに拡大して投写する投写光学系とを備
える。
【0126】
なお、プロジェクターPJ1の光変調素子ユニットを第1光変調素子ユニット400A
とし、プロジェクターPJ2の光変調素子ユニットを第2光変調素子ユニット400Bと
する。これら第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット400Bは、
図3に示した第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット400Bと同
様の構成を有している。すなわち、第1光変調素子ユニット400Aは、図3に示すよう
に、光変調素子410R,410G,410Bと、クロスダイクロイックプリズム420
とを有し、これら光変調素子410R,410G,410Bと、クロスダイクロイックプ
リズム420とは一体化された構造となっている。また、第2光変調素子ユニット400
Bも、図3に示すように、光変調素子411R,411G,411Bと、クロスダイクロ
イックプリズム421とを有し、これら光変調素子411R,411G,411Bと、ク
ロスダイクロイックプリズム421とは一体化された構造となっている。
【0127】
また、プロジェクターPJ1から投写される第1画像G1は、p偏光成分を有し、プロ
ジェクターPJ2から投写される第2画像G2は、s偏光成分を有するものとする。
【0128】
このようなプロジェクターPJ1,PJ2を用いて図10に示すようなスタッキング投
写を行う場合、プロジェクターPJ1における第1光変調素子ユニット400Aの各光変
調素子410R,410G,410B及びプロジェクターPJ2における第2光変調素子
ユニット400Bの各光変調素子411R,411G,411Bのそれぞれ対応する画素
の位置関係が適切に調整された状態となるように、プロジェクターPJ1及びプロジェク
ターPJ2を高精度に位置調整する必要がある。
【0129】
実施形態5に係るプロジェクションシステム50においては、実施形態1に係るプロジ
ェクションシステム10と同様に、重畳画像分離部110として複合偏光板111(図2
参照)を用い、この複合偏光板111を撮像装置121の前方側(スクリーンSCR側)
に配置している。このような構成であるため、実施形態1に係るプロジェクションシステ
ム10と同様、撮像装置121では、スクリーンSCR上の重畳画像(第1画像G1及び
第2画像G2)を分離して撮像することができる。そして、撮像装置121から出力され
る撮像画像データに基づいて、プロジェクターPJ1から投写される第1画像G1とプロ
ジェクターPJ2から投写される第2画像G2との投写位置ずれ量を位置ずれ量算出部1
30によって算出することができる。
【0130】
なお、第1画像G1と第2画像G2との投写位置ずれ量は、実施形態1に係るプロジェ
クションシステム10と同様、第1光変調素子ユニット400Aの緑色用の光変調素子4
10Gに対する第2光変調素子ユニット400Bの緑色用の光変調素子411Gの相対的
な画素ずれ量として算出される。このようにして画素ずれ量が算出されると、投写位置補
正装置200では、算出された画素ずれ量に基づいた投写位置補正を画像処理によって行
う。
【0131】
以上説明したように実施形態5に係るプロジェクションシステム50によれば、テスト
パターンを表示することなく、プロジェクターPJ,PJ2によって通常の画像の投写を
行っている最中においても、プロジェクターPJ1から投写される第1画像G1とプロジ
ェクターPJ2から投写される第2画像G2との投写位置ずれ量(画素ずれ量)を算出す
ることができ、算出された投写位置ずれ量(画素ずれ量)に基づいて、プロジェクターP
J1とプロジェクターPJ2との位置関係を適正な位置関係とするような補正を行うこと
が可能となる。
【0132】
なお、実施形態5に係るプロジェクションシステム50においても、重畳画像分離部1
10は、実施形態2係るプロジェクションシステム20、実施形態3に係るプロジェクシ
ョンシステム30及び実施形態4に係るプロジェクションシステム40において用いたそ
れぞれの重畳画像分離部110と同様の構成とすることが可能である。
【0133】
なお、本発明は前述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記(1)〜(4)に示すような
変形実施も可能である。
【0134】
(1)実施形態1及び実施形態5において用いた複合偏光板111は、p偏光成分透過
領域及びs偏光成分透過領域がそれぞれ帯状に交互に配列された構成を例示したが(図2
参照)、このような構成に限られるものではなく、例えば、升目状のp偏光成分透過領域
及びs偏光成分透過領域が縦方向及び横方向において交互に存在するような構成であって
もよい。また、複合偏光板111の全体の1/2の領域(例えば左半分の領域)は、帯状
のp偏光成分透過領域と帯状のs偏光成分透過領域とが縦方向に交互に存在し、他の1/
2の領域(例えば右半分の領域)は、帯状のp偏光成分透過領域及び帯状のs偏光成分透
過領域が横方向に交互に存在するといった構成であってもよく、また、複合偏光板111
の全体の1/2の領域(例えば左半分の領域)全体がp偏光成分透過領域であって、他の
1/2の領域(例えば右半分の領域)全体がs偏光成分透過領域であるといった構成でも
よい。
【0135】
複合偏光板111をこのような構成とすることによって、複合偏光板111を回転させ
たり2枚の複合偏光板をスライドさせたりする機構を設けることなく、1台の撮像装置か
ら得られる撮像画像データから横方向に延びたエッジ部だけでなく縦方向に延びたエッジ
部を検出することができるので、縦方向及び横方向の投写位置ずれ量を算出することがで
きる。
【0136】
また、縦方向の投写位置ずれ量及び横方向の投写位置ずれ量の両方を算出する方法の他
の例としては、撮像画像データから斜め方向に存在するエッジ(例えば45度又はその前
後の傾きを有するエッジが好ましい)を検出して、検出したエッジを注目エッジとするこ
とによっても縦方向の画素ずれ量及び横方向の画素ずれ量の両方を算出することができる
。これは、複合偏光板111を用いたプロジェクションシステムだけでなく、他の偏光板
を用いたプロジェクションシステム(実施形態2に係るプロジェクションシステム20、
実施形態3に係るプロジェクションシステム30及び実施形態4に係るプロジェクション
システム40)においても同様である。
【0137】
(2)実施形態2に係るプロジェクションシステム20においては、2台の撮像装置(
第1撮像装置121及び第2撮像装置122)を用いたが、1台の撮像装置によって、p
偏光成分透過偏光板112pを透過する第1画像G1と、s偏光成分透過偏光板112s
を透過する第2画像G2とを交互に撮像するようにしてもよい。
【0138】
(3)実施形態5に係るプロジェクションシステム50おいては、2つのプロジェクタ
ーPJ1,PJ2のうち一方のプロジェクター(プロジェクターPJ1)は、p偏光成分
を有する第1画像G1を投写し、他方のプロジェクター(プロジェクターPJ2)は、s
偏光成分を有する第2画像G2を投写するようにしたが、通常の画像投写時においては、
プロジェクターPJ1,PJ2は同じ偏光成分を有する画像を投写し、投写位置ずれ量の
検出を行う際に、一方のプロジェクターが他方のプロジェクターと異なる偏光成分となる
ようにしてもよい。これは、通常の画像投写時においては、例えば、プロジェクターPJ
1,PJ2はともにp偏光成分を有する画像を投写していて、投写位置ずれ量の検出を行
う際には、プロジェクターPJ2から投写される画像がs偏光成分となるように偏光を変
換するというものである。
【0139】
(4)上記各実施形態においては、投写位置ずれ量算出部130及び投写位置補正装置
200は、プロジェクターPJ(実施形態5に係るプロジェクションシステム50におい
てはプロジェクターPJ1,PJ2)の外部の構成要素とした場合が示されているが、こ
れら投写位置ずれ量算出部130及び投写位置補正装置200は、プロジェクターPJ(
実施形態5に係るプロジェクションシステム50においてはプロジェクターPJ1,PJ
2)内に設けるようにしてもよい。
【0140】
(5)上記各実施形態においては、撮像画像データから検出されたエッジを用いて画素
ずれ量の算出を行なっているが、高倍率で撮像を行う場合は、画素の重心を算出すること
で画素ずれ量を算出することも可能である。
【0141】
(6)上記各実施形態では、投写位置の補正は画像処理によって行うようにしたが、画
像処理ではなく、例えば、第1光変調素子ユニット400A及び第2光変調素子ユニット
400Bの相対的な位置を調整するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0142】
10,20,30,40,50・・・プロジェクションシステム、100・・・投写位
置ずれ量検出装置、110・・・重畳画像分離部、111・・・複合偏光板、112p・
・・p偏光成分透過偏光板、112s・・・s偏光成分透過偏光板、113・・・TN型
液晶、121・・・撮像装置(第1撮像装置)、122・・・第2撮像装置、130・・
・投写位置ずれ量算出部、200・・・投写位置補正装置、400A・・・第1光変調素
子ユニット、400B・・・第2光変調素子ユニット、G1・・・第1画像、G2・・・
第2画像、PJ・・・プロジェクター、PJ1・・・第1プロジェクター、PJ2・・・
第2プロジェクター、SCR…スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1偏光成分を有する第1画像と第2偏光成分を有する第2画像とが投写面上に重畳さ
れた状態で投写されているときの前記第1画像と前記第2画像との投写位置ずれ量を検出
する投写位置ずれ量検出装置であって、
前記投写面上に重畳された状態で投写されている前記第1画像及び前記第2画像を、偏
光成分の違いに基づいて分離する重畳画像分離部と、
前記重畳画像分離部で分離された前記第1画像と前記第2画像とを撮像し、前記第1画
像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データを出力する撮像
装置と、
前記第1画像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データに
基づいて前記第1画像と前記第2画像との投写位置ずれ量を算出する投写位置ずれ量算出
部と、
を有することを特徴とする投写位置ずれ量検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の投写位置ずれ量検出装置において、
前記重畳画像分離部は、前記第1偏光成分を透過させる第1偏光成分透過領域と前記第
2偏光成分を透過させる第2偏光成分透過領域とが1枚の偏光板に形成されている複合偏
光板であることを特徴とする投写位置ずれ量検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の投写位置ずれ量検出装置において、
前記第1偏光成分透過領域及び第2偏光成分透過領域は、前記偏光板において帯状に交
互に形成されていることを特徴とする投写位置ずれ量検出装置。
【請求項4】
請求項2に記載の投写位置ずれ量検出装置において、
前記第1偏光成分透過領域及び第2偏光成分透過領域は、前記偏光板を2つの領域に2
分したときの一方の領域と他方の領域とに形成されていることを特徴とする投写位置ずれ
量検出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の投写位置ずれ量検出装置において、
前記重畳画像分離部は、前記第1偏光成分を透過させる第1偏光成分透過偏光板又は前
記第2偏光成分を透過させる第2偏光成分透過偏光板のいずれか一方の偏光板であって、
前記第1偏光成分透過偏光板又は第2偏光成分透過偏光板を90度回転可能に設置してな
ることを特徴とする投写位置ずれ量検出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の投写位置ずれ量検出装置において、
前記重畳画像分離部は、前記第1偏光成分を透過させる第1偏光成分透過偏光板及び前
記第2偏光成分を透過させる第2偏光成分透過偏光板の2つの偏光板でなることを特徴と
する投写位置ずれ量検出装置。
【請求項7】
請求項1に記載の投写位置ずれ量検出装置において、
前記重畳画像分離部は、前記第1偏光成分を透過させる第1偏光成分透過偏光板又は前
記第2偏光成分を透過させる第2偏光成分透過偏光板のいずれか一方の偏光板と、TN(
Twisted Nematic)型液晶とを組み合わせて用い、前記TN型液晶に対する駆動電圧の印
加を制御することによって、前記第1画像と前記第2画像とを分離して透過可能すること
を特徴とする投写位置ずれ量検出装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の投写位置ずれ量検出装置において、
投写位置ずれ量算出部は、前記第1画像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に
対応する撮像画像データから前記第1画像と前記第2画像とに共通するエッジ部を検出し
て、当該検出したエッジ部における前記第1画像と前記第2画像との相対的な投写位置ず
れ量を算出することを特徴とする投写位置ずれ量検出装置。
【請求項9】
請求項8に記載の投写位置ずれ量検出装置において、
前記第1画像と前記第2画像との相対的な投写位置ずれ量は、前記第1画像を射出する
第1光変調素子ユニットの光変調素子及び前記第2画像を射出する第2光変調素子ユニッ
トの光変調素子のそれぞれ対応する画素の画素ずれ量として算出されることを特徴とする
投写位置ずれ量検出装置。
【請求項10】
第1偏光成分を有する第1画像と第2偏光成分を有する第2画像とが投写面上に重畳さ
れた状態で投写されているときの前記第1画像と前記第2画像との投写位置ずれ量を検出
する投写位置ずれ量検出方法であって、
前記投写面上に重畳された状態で投写されている前記第1画像及び前記第2画像を、偏
光成分の違いに基づいて分離するステップと、
前記重畳画像分離部で分離された前記第1画像と前記第2画像とを撮像し、前記第1画
像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データを出力するステ
ップと、
前記第1画像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データに
基づいて前記第1画像と前記第2画像との投写位置ずれ量を算出するステップと、
を有することを特徴とする投写位置ずれ量検出方法。
【請求項11】
第1偏光成分を有する第1画像を投写面上に投写する第1光変調素子ユニットと、
第2偏光成分を有する第2画像を、前記第1画像と重畳した状態で前記投写面上に投写
する第2光変調素子ユニットと、
前記第1画像及び前記第2画像を、偏光成分の違いに基づいて分離する重畳画像分離部
と、
前記重畳画像分離部で分離された前記第1画像と前記第2画像とを撮像し、前記第1画
像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データを出力する撮像
装置と、
前記第1画像に対応する撮像画像データ及び前記第2画像に対応する撮像画像データに
基づいて前記第1画像と前記第2画像との投写位置ずれ量を算出する投写位置ずれ量算出
部と、
を有することを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記第1画像及び前記第2画像を合成する偏光合成光学系と、
前記偏光合成光学系で合成された前記第1画像及び前記第2画像を前記投写面上に投写
する投写光学系と、を有し、
前記第1光変調素子ユニット、前記第2光変調素子ユニット、前記偏光合成光学系及び
前記投写光学系は、1台のプロジェクターに備えられていることを特徴とするプロジェク
ションシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記第1光変調素子ユニット及び前記第1光変調素子ユニットから射出される第1画像
を前記投写面上に投写する第1投写光学系を備える第1プロジェクターと、
前記第2光変調素子ユニット及び前記第2光変調素子ユニットから射出される第2画像
を前記投写面上に投写する第2投写光学系を備える第2プロジェクターと、
を有することを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項14】
請求項11〜13に記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記投写位置ずれ量算出部で算出された投写位置ずれ量に基づいて,前記第1光変調素
子ユニットから射出される第1画像及び第2光変調素子ユニットから射出される第2画像
の投写位置を補正する投写位置補正装置をさらに有することを特徴とするプロジェクショ
ンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−164246(P2011−164246A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25171(P2010−25171)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】