説明

投写型映像表示装置

【課題】光の利用効率を損なうことなく、且つ、スクリーンやレンズカバーを具備しない場合にも、円滑にレーザ光の異常を検出できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】レーザアレイ11を構成する各レーザ光源の近傍に光センサ(光源側センサ31)を配置し各レーザ光源からの散乱光を受光する。また、液晶パネル18、21、27の周囲に光センサ(パネル側センサ32、33、34)を配置し、フライアイインテグレータ13にて生成されたサイドローブ光を受光する。光源側センサ31とパネル側センサ32、33、34からの検出信号の異常に基づきレーザ光の異常を検出する。両検出信号のどちらに異常が生じたかにより異常個所を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写型映像表示装置に関するものであり、特に、レーザ光源を発光源として用いる場合に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
最近、発光源としてレーザ光源を用いる投写型映像表示装置(以下、「プロジェクタ」という)が提案されている。この種のプロジェクタでは、レーザ光源のエネルギー密度が高いため、レーザ光照射による人体への影響について十分注意を払う必要がある。
【0003】
たとえば、使用されるうちに照明系を構成するレンズ群等に不具合が生じると、レーザ光束の広がりが不十分となり、投写光のエネルギー密度が不所望に上昇する惧れがある。この状態で、レーザ光が誤って人体に照射されると、火傷や損傷が生じ、最悪の場合、視力低下や失明へと繋がる惧れがある。プロジェクタの設計に当たっては、このような事態を未然に防ぐための対策を十分に講じる必要がある。
【0004】
以下に示す特許文献1には、照明光学系における異常検出(たとえば、レンズのずれ等)に応じて、レーザ出力を停止させ、あるいは、レーザパワーを減衰させ、これにより、視聴者に対する危害を未然に防ぐ技術が記載されている。ここには、スクリーン上の有効映像領域外に検知手段を配置して異常を検知する構成、投写レンズカバーに検知手段を配置して異常を検知する構成、および、ビームスプリッタにより有効光の一部を分離しその強度変化から異常を検知する構成が示されている。
【特許文献1】特開2000−267621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の構成のうち、スクリーンに検知手段を配置する構成では、構成要素としてスクリーンが必須となるため、リアプロジェクションテレビ等、スクリーンを一体的に有するプロジェクタに適用対象が制限される。
【0006】
また、レンズカバーに検知手段を配置する構成においても、構成要素としてレンズカバーが必須となり、レンズカバーを有するプロジェクタに適用対象が制限される。また、この構成例では、レンズカバーを外した状態では、レーザ光の異常を検出することができず、たとえば、通常の動作中に不意に異常が生じた場合には、この異常を検出することができない。
【0007】
さらに、有効光の一部を分離して異常を検知する構成では、有効光を分離する必要上、投写光の強度が低下し、光の利用効率が低下するとの不都合が生じる。
【0008】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、光の利用効率を損なうことなく、且つ、スクリーンやレンズカバーを具備しない場合にも、円滑にレーザ光の異常を検出できるプロジェクタを提供することを課題とする。なお、本発明は、レーザ光の異常に寄与した箇所を円滑に特定できるようにすることを更なる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る投写型映像表示装置は、レーザ光源と、入射レーザ光を映像信号に基づいて変調する光変調素子と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記光変調素子に導く照明光学系と、前記光変調素子によって変調された光を被投写面に投写する投写ユニットと、前記レーザ光源と前記投写ユニットの間に配され前記レーザ光源から前記投写ユニットへと進む前記レーザ光の光路から外れた光を受光する光検出部と、前記光検出部からの信号に基づいて前記レーザ光の異常を判別する異常判別部と、前記異常判別部における判別結果に基づいて前記レーザ光源の出力を制御するレーザ制御部とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、光路から外れた光を用いてレーザ光の異常が判別されるため、上記特許文献1の技術のようにレーザ光の利用効率が低下することはない。また、本発明は、レーザ光源と投写ユニットの間に光検出部を配する構成であるため、スクリーンやレンズカバーを具備しない場合にも、レーザ光の異常を検出可能である。
【0011】
本発明において、照明光学系がフライアイレンズを有する場合、光検出部は、フライアイレンズにより生成されるサイドローブ光を検出する位置に配置された第1の光検出器を備えるよう構成され得る。なお、サイドローブ光とは、一対のフライアイレンズのうち入射側のフライアイレンズの一つのセルを透過した光の一部が出射側のフライアイレンズの対応するセルの周りのセルに漏れ込むことにより生じる光のことである。周りのセルに漏れ込んだ光は、光変調素子の有効領域に照射されず、有効領域から外れた位置に導かれる。サイドローブ光は、フライアイレンズを用いる場合に通常生じる不要光である。
【0012】
また、光変調素子が、DMD(digital micro-mirror device)素子等、各画素位置の光の反射方向を切り替えることにより各画素の階調を表現する反射型の光変調素子である場合、光検出部は、この光変調素子によって投写ユニットから逸れる方向に反射された光を受光する位置に配置された第1の光検出器を備えるよう構成され得る。
【0013】
さらに、光検出部は、レーザ光源からの散乱光またはレーザ光源から出射された後照明光学系内に入る前に光路外に散乱された散乱光を検出する位置に配置された第2の光検出器を備えるよう構成され得る。このように、サイドローブ光の受光位置またはDMD素子による不要光の反射位置の他に、光源近傍位置に第2の検出器を配置すれば、光源と照明光学系の何れがレーザ光の異常に寄与したかを円滑に特定することができる。
【0014】
また、複数のレーザ光源が配される場合には、上記第2の光検出器を、一つのレーザ光源または複数のレーザ光源を組とした光源群に1対1に対応する位置に配置することができる。このとき、異常判別部は、第2の光検出器からの検出信号に基づいて異常が生じたレーザ光源を特定し、また、レーザ制御部は、異常が生じたレーザ光源のみ出力調整するよう構成され得る。こうすると、異常のないレーザ光源の出力を継続させることができ、異常検出後も画像の投写を円滑に継続させることができる。
【0015】
この他、光検出部は、照明光学系を構成する光学素子の表面によって光路外に散乱された光を検出する位置に配置された第3の光検出器を備えるよう構成され得る。こうすると、照明光学系内のどの光路区間に異常が生じたかを特定することができる。
【0016】
なお、本発明においては、レーザ光に異常が検出されたとき、レーザ出力を完全に停止させるか、レーザ駆動電流をレーザ発振閾値以下に下げる等の調整が行われる。しかし、画像投写時に、全てのレーザ光源に対し調整が行われると投写画像は突然遮断され、また、一部のレーザ光源に対し調整が行われると画像の明るさが突然低下することとなる。これに直面したユーザは、投写画像の急変に困惑する可能性がある。この不都合は、異常判別時にその旨を外部に報知することにより回避され得る。
【0017】
したがって、本発明では、異常判別時にその旨を外部に報知する手段を配するのが好ましい。このとき、異常箇所を併せて報知すれば、異常発生後の修復作業を容易化することができる。なお、これら報知に関する構成は、請求項7および8に記載されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光の利用効率を損なうことなく、且つ、スクリーンやレンズカバーを具備しない場合にも、円滑にレーザ光の異常を検出できるプロジェクタを提供することができる。また、レーザ光の異常検出に応じてレーザ光源の出力が適正に調整され、これにより、ユーザに対する危害を未然に防ぐことができる。さらに、本発明によれば、レーザ光の異常に寄与した箇所を特定することができ、これをユーザに報知することにより、異常発生後の修復作業を容易化することができる。
【0019】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1に、実施の形態に係るプロジェクタの光学系を示す。
【0021】
図において、11は、複数のレーザ光源がY−Z平面上にアレイ状に配されたレーザアレイである。Y−Z平面上には、赤色波長帯、緑色波長帯および青色波長帯の光を発光するレーザ光源の発光部が所定の規則に従って配列されている。各発光部から出射されたレーザ光は、偏光方向が一方向に揃っている。
【0022】
レーザアレイ11から出射された各波長のレーザ光は、それぞれ、凹レンズと凸レンズからなる分散角制御レンズ12により所定ビーム径の平行光に変換された後、フライアイインテグレータ13に入射される。
【0023】
フライアイインテグレータ13は、蝿の目状のレンズ群からなる第1および第2のフライアイレンズを備え、液晶パネル18、21、27に入射する際の光量分布が均一となるよう、分散角制御レンズ12から入射される光に対しレンズ作用を付与する。すなわち、第1のフライアイレンズ上の一つのレンズセルを透過した光は、第2のフライアイレンズ上の対応するレンズセルを透過することにより、液晶パネル18、21および27に対し、これら液晶パネルのアスペクト比(たとえば16:9)の広がりをもって入射する。
【0024】
なお、第1のフライアイレンズ上の一つのレンズセルを透過した光は、第2のフライアイレンズ上の対応するレンズセルに全てが入射せず、周縁部分の光は、このレンズセルの周りにあるレンズセルに漏れ込む。このように周りのレンズセルに漏れ込んだ光は、図2(a)に示す如く、サイドローブ光として、液晶パネル18、21および27の有効領域から外れた位置に導かれる。
【0025】
ここで、サイドローブ光は、図2(b)に示す如く、液晶パネル18、21および27の周囲全ての領域に導かれる。これは、第1のフライアイレンズ上の一つのレンズセルを透過した光が、第2のフライアイレンズ上の対応するレンズセルの周りにある各レンズセルにそれぞれ漏れ込むことによる。
【0026】
コンデンサレンズ14は、フライアイインテグレータ13から入射された光に集光作用を付与する。
【0027】
ダイクロイックミラー15は、コンデンサレンズ14から入射された光のうち、たとえば、赤色波長帯の光(以下、「R光」という)のみを反射し、青色波長帯(以下、「B光」という)と緑色波長帯(以下、「G光」という)を透過する。ミラー16は、ダイクロイックミラー15によって反射されたR光を反射してレンズ17に入射させる。
【0028】
レンズ17は、R光を平行化して液晶パネル18に入射させる。液晶パネル18は、赤色用の駆動信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてR光を変調する。なお、レンズ17を透過したR光は、入射側偏光板(図示せず)を介して液晶パネル18に入射される。
【0029】
ダイクロイックミラー19は、ダイクロイックミラー15を透過したB光およびG光のうち、たとえば、G光のみを反射する。レンズ20は、G光が平行化して液晶パネル18に入射させる。液晶パネル21は、緑色用の駆動信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてG光を変調する。なお、レンズ20を透過したG光は、入射側偏光板(図示せず)を介して液晶パネル21に入射される。
【0030】
レンズ22、24は、液晶パネル27に対するB光の入射状態が液晶パネル17および20に対するR光およびG光の入射状態と等しくなるようB光にレンズ作用を付与する。ミラー23、25は、ダイクロイックミラー19を透過したB光を液晶パネル27に導くよう、B光の光路を変更する。
【0031】
レンズ26は、B光を平行化して液晶パネル27させる。液晶パネル27は、青色用の駆動信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてB光を変調する。なお、レンズ26を透過したB光は、入射側偏光板(図示せず)を介して液晶パネル27に入射される。
【0032】
ダイクロイックプリズム28は、液晶パネル18、21、27によって変調され、出射側偏光板(図示せず)を介したR光、G光およびB光を合成し、投写レンズ40へと入射させる。
【0033】
投写レンズ40は、投写光を被投写面上に結像させるためのレンズ群と、これらレンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写画像のズーム状態およびフォーカス状態を調整するためのアクチュエータを備えている。
【0034】
図1に示す光学系には、さらに、各レーザ光源からの散乱光を受光する光センサ(以下、「光源側センサ」という)31と、フライアイインテグレータ13によって生成されるサイドローブ光を受光する光センサ(以下、「パネル側センサ」という)32、33、34が配されている。光源側センサ31は、レーザアレイ11と分散角制御レンズ12の間に配されている。また、パネル側センサ32、33、34は、液晶パネル18、21、27の周囲に配されている。
【0035】
図3は、光源側センサ31とパネル側センサ32の配置状態を示す図である。
【0036】
同図(a)に示す如く、光源側センサ31は、レーザアレイ11を構成する各レーザ光源に一対一に対応するよう配置されている。同図中、11aは、各レーザ光源の発光点である。各発光点11aからは、光軸方向に直進する中央部分の光(有効光)と、外部に散乱する散乱光が出射される。このうち有効光が、分散角制御レンズ12に入射し、液晶パネル18、21、27に導かれる。光源側センサ31は、有効光と散乱光のうち散乱光のみを受光する位置に配置されている。
【0037】
ここで、光源側センサ31は、たとえば、有効光がそれぞれ通過する複数の開口部を有する保持部材に保持された状態で、レーザアレイ11と分散角制御レンズ12の間に配置される。
【0038】
同図(b)に示す如く、パネル側センサ32は、液晶パネル18の周囲に一つだけ配されている。同図(b)と同様、パネル側センサ33、34も、液晶パネル21、27の周囲に一つだけ配されている。上記の如く、サイドローブ光は、液晶パネル18、21、27の周囲全ての領域に導かれる。したがって、サイドローブ光の検出には、このように、各液晶パネル18、21、27の周囲に一つだけパネル側センサ32、33、34を配しておけば良い。
【0039】
図4は、実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【0040】
図において、レーザドライバ101は、制御部109からの指令に応じて、レーザアレイ11を構成する各レーザ光源を駆動する。パネルドライバ102は、画像信号生成部103から供給される駆動信号をもとに液晶パネル18、21、27を駆動する。画像信号生成部103は、入力映像信号をもとに液晶パネル18、21、27を駆動するための赤色用駆動信号、緑色用駆動信号および青色用駆動信号を生成し、パネルドライバ102に供給する。
【0041】
表示出力部104は、ディスプレイ手段を備え、制御部109からの指令に応じて所定の表示を行う。音声出力部105は、スピーカを備え、制御部109からの指令に応じて所定の音声出力を行う。
【0042】
光源側センサ部106は、上述の光源側センサ31を備え、各光源側センサ31における検出信号を異常判別部108に供給する。パネル側センサ部107は、上述のパネル側センサ32、33、34を備え、これらパネル側センサ32、33、34における検出信号を異常判別部108に供給する。
【0043】
異常判別部108は、光源側センサ部106およびパネル側センサ部107から供給される検出信号をもとにレーザ光の異常を判別し、判別結果を制御部109に供給する。制御部109は、所定の制御ルーチンに従って各部を制御する。
【0044】
図5は、異常判別部108における判別処理および異常が検出された際の制御部109における制御処理を示すフローチャートである。
【0045】
レーザアレイ11が駆動され画像投写が開始されると、異常判別部108は、光源側センサ31と、パネル側センサ32、33、34からそれぞれ出力される検出信号を監視し、これら検出信号のうち何れかが急変したかを判別する(S101、102)。ここで、検出信号の急変は、一定期間が経過する際に、検出信号が予め設定されるレーザ強度の揺らぎを超えて大きく変化したかによって判別される。すなわち、検出信号がこの揺らぎを超えて大きく変化したときに、検出信号が急変したと判別される。
【0046】
なお、各センサの配置上、光源側センサ31からの検出信号のみが急変することは想定され難い。すなわち、何れかのレーザ光源に異常が生じた場合には、それに対応する光源側センサ31からの検出信号が急変するが、この場合、パネル側センサ32、33、34の何れかに照射されるサイドローブ光の強度も、当該レーザ光の異常に起因して変化するため、対応するパネル側センサからの検出信号も同様に急変することとなる。
【0047】
他方、光源側センサ31からの検出信号が急変せずにパネル側センサ32、33、34からの検出信号のみが急変することは起こり得る。すなわち、分散角制御レンズ12から液晶パネル18、21、27までの光学系(照明光学系)に異常が生じた場合には、光源側センサ31からの検出信号が急変せずにパネル側センサ32、33、34からの検出信号のみが急変する。
【0048】
したがって、同図の処理フローでは、まずは、S101において、パネル側センサ32、33、34からの検出信号に急変が生じたかが判別される。ここで、パネル側センサ32、33、34からの検出信号に急変が生じた場合には、レーザ光源(レーザアレイ11)と照明光学系の何れか一方または双方に異常が生じたとして、S103以降の処理が行われる。
【0049】
S101において、パネル側センサ32、33、34からの検出信号に急変が検出されない場合、制御部109は、レーザ光源(レーザアレイ11)と照明光学系は正常であるとして、通常の画像投写を実行させる(S102)。他方、パネル側センサ32、33、34からの検出信号に急変が検出された場合、制御部109は、光源側センサ32からの信号が急変したことを示す信号が異常判別部108から供給されたかを判別する。
【0050】
ここで、光源側センサ32からの信号に急変がない場合(S103:NO)、制御部109は、照明光学系に異常が生じたとして(S104)、レーザアレイ11を構成する全てのレーザ光源を停止し、または、各レーザ光源に印加する駆動電流をレーザ発振閾値未満に低減させる(S105)。これにより、画像の投写が中止される。このとき同時に、制御部109は、画像信号生成部103における処理動作を中止させる。
【0051】
さらに、制御部109は、表示出力部104と音声出力部105に対し、レーザ光に異常が生じた旨を報知する処理を行わせる(S106)。この際、併せて、レーザ光の異常が照明光学系に起因するものであることがユーザに報知される。これにより、ユーザは異常発生後の修復作業を容易に行うことができる。
【0052】
S103において、光源側センサ32からの検出信号にも急変が生じていると判定された場合(S103:YES)、制御部109は、検出信号が急変した光源側センサ32に対応するレーザ光源を停止させる(S107)。さらに、制御部109は、当該レーザ光源の停止後におけるパネル側センサ32、33、34の出力の適否を、異常判別部108に評価させる(S108)。
【0053】
異常判別部108は、S101にて検出信号の急変が判別される直前にパネル側センサ32、33、34からそれぞれ出力された検出信号の値を保持している。異常判別部108は、これら値のうち、急変が生じた検出信号の値(Va)を参照し、S101にて急変が判別される前にS107にて停止対象とされるレーザ光源を停止させると、この値(Va)がどのように変化するかを予測して、当該レーザ光源停止後の検出信号の値(Vb)を算出する。そして、算出した値(Vb)と、S107にて対象レーザ光源を停止させたときに、対応するパネル側センサから実際に取得される検出信号の値(Vc)とを比較し、値Vcと値Vbの差が所定の閾値未満であれば、パネル側センサの出力は適正であると判別し(S108:YES)、値Vcと値Vbの差が所定の閾値以上であれば、パネル側センサの出力は適正でないと判別する(S108:NO)。
【0054】
なお、値(Vb)は、たとえば、全点灯状態から各レーザ光源を消灯したときのサイドローブ光の光量変化率(または、パネル側センサからの信号の変化率)を各レーザ光源の消灯状態に対応させて保持しておき、この減少率を値(Va)に乗じることにより算出することができる。あるいは、各レーザ光源を消灯したときのパネル側センサ32、33、34における検出信号の予測値を、装置内温度等の環境パラメータに対応付けてテーブルとして保持しておき、各レーザ光源の消灯状態とそのときの装置内環境に対応する予測値をこのテーブルから取得するにより、値(Vb)を保持するようにしても良い。
【0055】
S108における判別がNOの場合、制御部109は、照明光学系に異常が生じたとして(S104)、レーザアレイ11を構成する全てのレーザ光源を停止し、または、各レーザ光源に印加する駆動電流をレーザ発振閾値未満に低減させ(S105)、さらに、表示出力部104と音声出力部105に上述の出力を行わせる。
【0056】
S108における判別がYESの場合、制御部109は、レーザ光源に異常が生じたとして(S109)、S107にて停止対象となったレーザ光源のみを停止させた状態のまま、その他のレーザ光源は駆動を継続させる(S110)。これにより、投写画像の明るさがレーザ光源を停止させた分だけ低下する。
【0057】
さらに、制御部109は、表示出力部104と音声出力部105に対し、レーザ光に異常が生じた旨を報知する処理を行わせる(S111)。この際、併せて、レーザ光の異常がレーザ光源に起因するものであることが報知される。さらに、レーザアレイ11を構成するレーザ光源のうち何れのレーザ光源がレーザ光の異常に寄与したかを報知させると良い。これにより、ユーザは異常発生後の修復作業を容易に行うことができる。
【0058】
本実施の形態によれば、レーザ光源からの散乱光とフライアイインテグレータ13にて生成されるサイドローブ光を用いてレーザ光の異常が判別されるため、レーザ光の利用効率の低下を回避しながら円滑にレーザ光の異常を検出することができる。また、本実施の形態では、レーザ光源(レーザアレイ11)近傍と液晶パネル18、21、27の周囲に光源側センサ31とパネル側センサ32、33、34が配されるため、プロジェクタがスクリーンやレンズカバーを具備しない場合にも、円滑に、レーザ光の異常を検出することができる。
【0059】
さらに、本実施の形態によれば、レーザ光の異常にレーザ光源と照明光学系の何れが寄与したかを特定できるため、異常発生後の修復作業を容易化することができる。
【0060】
このように、本実施の形態によれば、光の利用効率を損なうことなく、且つ、スクリーンやレンズカバーを具備しない場合にも、円滑にレーザ光の異常を検出できるプロジェクタを提供することができる。また、レーザ光の異常に寄与した箇所を円滑に特定することができ、これをユーザに報知することにより、異常発生後の修復作業を容易化することができる。
【0061】
なお、本発明の実施形態は、上記以外に種々の変更が可能である。
【0062】
たとえば、上記実施の形態では、光源側センサ31とレーザ光源とを1対1に対応させたが、たとえば図6に示す如く、複数のレーザ光源を組とした光源群に1対1に対応するよう光源側センサ31を配置しても良い。
【0063】
同図(a)は、上下2つのレーザ光源を組とした光源群に1対1に対応させた場合の配置例、同図(b)は、上下左右4つのレーザ光源を組とした光源群に1対1に対応させた場合の配置例である。同図(a)では、上下2つのレーザ光源から出射される散乱光の重複部分に一つの光源側センサ31が配置されている。また、同図(b)では、上下左右4つのレーザ光源から出射される散乱光の重複部分に一つの光源側センサ31が配置されている。
【0064】
同図のように光源側センサ31を配置した場合、レーザ光源の異常は、光源群単位で判別される。したがって、図5のフロー処理中、S102、S107、S109およびS110の処理は、光源群単位で行われる。
【0065】
また、図7に示す如く、レーザアレイと照明系を色毎に配置することもできる。図において、51、61および71は、それぞれ、R光、G光およびB光を出射するレーザアレイである。レーザアレイ51、61および71から出射されたR光、G光およびB光は、それぞれ、分散角制御レンズ52、62および72によってビーム径が拡張された後、フライアイインテグレータ53、63および73に入射され、コンデンサレンズ54、64、74にて集光される。その後、R光、G光およびB光は、レンズ17、20、26を介して、液晶パネル18、21、27に入射される。
【0066】
同図の構成例では、レーザアレイ51、61および71を構成する各レーザ光源の近傍に、光源側センサ55、65および75が配される。これら光源側センサ55、65および75は、上記実施の形態と同様、レーザ光源から出射される散乱光を受光する位置に配置される。ここで、光源側センサ55、65および75の配置パターンは、たとえば、図3(a)または図6の配置パターンとされる。パネル側センサ32、33、34は、上記実施の形態と同様、フライアイインテグレータ53、63および73にて生成されるサイドローブ光を受光する位置に配置される。
【0067】
<他の実施形態>
上記実施の形態では、光変調素子として透過型の液晶パネルを用いたが、本実施の形態では、反射型の光変調素子が用いられる。
【0068】
図8は、本実施の形態に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
【0069】
図において、81は、R光、G光、B光を出射する複数のレーザ光源が同一平面上にアレイ状に配されたレーザアレイである。レーザアレイ11から出射されたレーザ光は、それぞれ、レンズ82により平行光に変換された後、集光レンズ83によって集光され、ライトパイプ84に入射される。
【0070】
ライトパイプ84は内面が鏡面となっており、レーザ光は、ライトパイプ84の内面で反射を繰り返しながら、ライトパイプ84内を進行する。かかる多重反射により、ライトパイプ84から出射される各色のレーザ光の強度分布が均一化される。ライトパイプ84から出射されたレーザ光は、リレー光学系85を介してDMD素子86に入射される。
【0071】
DMD素子86は、各画素位置の光の反射方向を、投写レンズ40に向かう第1の方向と投写レンズ40から反れる第2の方向に切り替えることにより各画素の階調を表現するものである。各画素位置に入射されるレーザ光のうち第1の方向に反射された光(ON光)は、投写レンズ40に入射され、被投写面に投写される。また、DMD素子86によって第2の方向に反射された光(OFF光)は、投写レンズに入射されず、光吸収体87によって吸収される。
【0072】
同図の光学系では、レーザアレイ81を構成する各レーザ光源は、色毎に時分割で駆動される。R光が発光されているタイミングにおいて、DMD素子86は、赤色用の駆動信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてR光を変調する。同様に、G光またはB光が発光されているタイミングにおいて、DMD素子86は、赤色用または緑色用の駆動信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてG光またはB光を変調する。
【0073】
同図の光学系には、各レーザ光源からの散乱光を受光する位置に、光源側センサ88が配置されている。ここで、光源側センサ88の配置パターンは、たとえば、図3(a)または図6の配置パターンとされる。さらに、この光学系には、光吸収体87にDMD側センサ89が配置されている。DMD側センサ89は、DMD素子86によって反射されたOFF光の一部を受光する。より詳細には、DMD側センサ89は、DMD素子86上の光変調領域のうち、予め決められた画素領域からのOFF光を受光するよう配置されている。
【0074】
図9は、本実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【0075】
同図では、図4のパネルドライバ102とパネル側センサ部107がそれぞれDMDドライバ110とDMD側センサ部111に置き換えられている。また、映像適応照度予測部112が追加されており、さらに、異常判別部108における判別処理と画像信号生成部103の処理が、図4の場合に比べ相違している。
【0076】
レーザドライバ101は、制御部109からの指令に応じて、レーザアレイ11を構成する各レーザ光源を駆動する。ここで、各レーザ光源は、R光用、G光用およびB光用のレーザ光源が時分割で駆動される。
【0077】
DMDドライバ110は、画像信号生成部103から供給される駆動信号をもとにDMD素子86を駆動する。画像信号生成部103は、入力映像信号をもとにDMD素子86を駆動するための赤色用駆動信号、緑色用駆動信号および青色用駆動信号を生成し、DMDドライバ110に供給する。
【0078】
光源側センサ部106は、光源側センサ88を備え、各光源側センサ88における検出信号を異常判別部108に供給する。DMD側センサ部111は、DMD側センサ89を備え、DMD側センサ89における検出信号を異常判別部108に供給する。
【0079】
映像適応照度予測部112は、各タイミングにおけるDMD素子86の駆動状態(DMDドライバ110に入力される駆動信号)からそのタイミングにおけるDMD側センサ89からの検出信号値を予測し、予測した検出信号値を異常判別部108に供給する。
【0080】
図10は、異常判別部108における判別処理および異常が検出された際の制御部109における制御処理を示すフローチャートである。
【0081】
レーザアレイ81が駆動され画像投写が開始されると、異常判別部108は、光源側センサ88と、DMD側センサ89からそれぞれ出力される検出信号を監視し、これら検出信号のうち何れかに異常が生じたかを判別する(S201、202)。
【0082】
ここで、DMD側センサ89からの検出信号の異常は、DMD側センサ89からの検出信号の値と、映像適応照度予測部112から供給される検出信号の予測値の差が、所定の閾値を超えるか否かによって判別される。これら値の差が閾値を超えた場合に、DMD側センサ89からの信号に異常が生じたとされる。なお、光源側センサ88における検出信号の異常は、図5のS103と同様、検出信号が急変したかによって判別される。
【0083】
S201において、DMD側センサ89からの検出信号に異常が検出されない場合、制御部109は、レーザ光源(レーザアレイ81)と光学系(レンズ82からDMD素子86までの光学系)は正常であるとして、通常の画像投写を実行させる(S102)。他方、DMD側センサ89からの検出信号に急変が検出された場合、制御部109は、光源側センサ88からの信号が急変したことを示す信号が異常判別部108から供給されたかを判別する。
【0084】
ここで、光源側センサ88からの信号に急変がない場合(S203:NO)、制御部109は、光学系に異常が生じたとして(S204)、レーザアレイ11を構成する全てのレーザ光源を停止し、または、各レーザ光源に印加する駆動電流をレーザ発振閾値未満に低減させる(S205)。これにより、画像の投写が中止される。このとき同時に、制御部109は、画像信号生成部103における処理動作を中止させる。
【0085】
さらに、制御部109は、表示出力部104と音声出力部105に対し、レーザ光に異常が生じた旨を報知する処理を行わせる(S206)。この際、併せて、レーザ光の異常が光学系に起因するものであることがユーザに報知される。これにより、ユーザは異常発生後の修復作業を容易に行うことができる。
【0086】
S203において、光源側センサ88からの検出信号にも急変が生じていると判定された場合(S203:YES)、制御部109は、検出信号が急変した光源側センサ88に対応するレーザ光源を停止させる(S207)。さらに、制御部109は、当該レーザ光源の停止後におけるDMD側センサ89の出力の適否を、異常判別部108に評価させる(S208)。
【0087】
異常判別部108は、映像適応型照度予測部112に対し、停止対象とされるレーザ光源を停止させたときにDMD側センサ89から出力される検出信号の値を予測させる。そして、この予測値と、そのタイミングにおいて実際にDMD側センサ89から取得した検出信号の値とを比較し、これら値の差が所定の閾値を超える場合に、DMD側センサ89の出力が適正でないと判別する(S208:NO)。
【0088】
S208における判別がNOの場合、制御部109は、光学系に異常が生じたとして(S204)、レーザアレイ81を構成する全てのレーザ光源を停止し、または、各レーザ光源に印加する駆動電流をレーザ発振閾値未満に低減させ(S205)、さらに、表示出力部104と音声出力部105に上述の出力を行わせる。
【0089】
S208における判別がYESの場合、制御部109は、レーザ光源に異常が生じたとして(S209)、S207にて停止対象となったレーザ光源のみを停止させ、その他のレーザ光源は駆動を継続させる(S210)。これにより、投写画像の明るさがレーザ光源を停止させた分だけ低下する。
【0090】
さらに、制御部109は、表示出力部104と音声出力部105に対し、レーザ光に異常が生じた旨を報知する処理を行わせる(S211)。この際、併せて、レーザ光の異常がレーザ光源に起因するものであることが報知される。さらに、レーザアレイ81を構成するレーザ光源のうち何れのレーザ光源がレーザ光の異常に寄与したかを報知させると良い。これにより、ユーザは異常発生後の修復作業を容易に行うことができる。
【0091】
本実施の形態によれば、レーザ光源からの散乱光とDMD素子86からのOFF光を用いてレーザ光の異常が判別されるため、レーザ光の利用効率の低下を回避しながら円滑にレーザ光の異常を検出することができる。また、本実施の形態では、レーザ光源(レーザアレイ81)近傍とDMD素子86の近傍に光源側センサ88とDMD側センサ89が配されるため、プロジェクタがスクリーンやレンズカバーを具備しない場合にも、円滑に、レーザ光の異常を検出することができる。
【0092】
さらに、本実施の形態によれば、レーザ光の異常にレーザ光源と光学系の何れが寄与したかを特定できるため、異常発生後の修復作業を容易化することができる。
【0093】
このように、本実施の形態によれば、光の利用効率を損なうことなく、且つ、スクリーンやレンズカバーを具備しない場合にも、円滑にレーザ光の異常を検出できるプロジェクタを提供することができる。また、レーザ光の異常に寄与した箇所を円滑に特定することができ、これをユーザに報知することにより、異常発生後の修復作業を容易化することができる。
【0094】
なお、本実施形態は、以下のように変更可能である。
【0095】
たとえば、図11(a)に示すように、レーザアレイ91を構成する各レーザユニットの出射口に光ファイバ92を接続し、この光ファイバ92を介して、各レーザユニットからの光をライトパイプ93に導くようにすることもできる。この場合、たとえば、ライトパイプ93の出射口側にあるレンズ94(リレー光学系)の表面によって散乱された光を光センサ95で受光し、これによりレーザ光の異常を検出するよう構成することができる。この構成例では、光センサ95からの検出信号の異常(急変)に基づいて、レーザアレイ91からレンズ94までの光学系に生じた異常を検出することができる。
【0096】
また、この構成に加え、同図(b)に示す如く、レーザユニット内に配された集光レンズ97の表面で散乱された光を光センサ98で受光するようにすることもできる。この場合、光センサ95からの検出信号に異常があり、光センサ98からの検出信号に異常がなければ、光ファイバ92からレンズ94までの光学系に異常があると判定される。なお、同図(b)では、集光レンズ97の表面からの散乱光を光センサ98で受光するようにしたが、上記実施の形態と同様、レーザ光源96から出射される際の散乱光を光センサ98で受光するようにしても良い。
【0097】
また、本実施の形態では光均一化手段としてライトパイプ93を用いたが、同図(c)に示す如く、レーザアレイ91からのレーザ光を、光ファイバ92を介して、フライアイ照明系99に導き、これにより、光を均一化させるよう構成することもできる。この場合、レーザアレイ91を構成する各レーザユニットには、同図(b)に示す如く光センサ98が配され、これにより、各レーザ光源96の異常が検出される。
【0098】
以上、本発明に係る2つの実施形態とその変更例について説明したが、本発明の実施形態はこれら以外にも種々の変更が可能である。
【0099】
たとえば、上記実施の形態では、画像投写の実動作時にレーザ光の異常を検出するようにしたが、実動作前にレーザ光の異常を検出するようにすることもできる。たとえば、異常判別部108に各センサ出力に対するリミット値を保持させておき、実動作前にレーザ光を一定期間発光させ、そのときに各センサから出力される検出信号が、対応するリミット値を超える場合に、異常があると判別する。
【0100】
この場合、たとえば、図5のフローチャートにおいて、S101は、“パネル側センサの出力がリミット値を超えるか”に変更され、S102は、“光源側センサの出力がリミット値を超えるか”に変更され、S108は、“パネル側センサの出力がリミット値を超えるか”に変更される。ここで、S108のリミット値は、S107にて異常対象光源を停止させる分だけ、S101のリミット値よりも小さく設定される。
【0101】
また、図10のフローチャートでは、S203が、“光源側センサの出力がリミット値を超えるか”に変更される。この場合、DMD素子86には、異常検出用の参照パターンが描画される。
【0102】
なお、このように実動作前にレーザ光の異常を検出する場合には、念のため、レンズカバーや他の部材等によってプロジェクタの投写口を塞いでおくのが望ましい。
【0103】
なお、光センサの配置位置は、上記に限定されず、不要光を検出できる位置であれば、他の位置であっても良い。たとえば、図12に示す如く、ダイクロイックプリズム28の上面に光センサ35、36、37を配し、これらセンサによりダイクロイックプリズム28上面からの漏れ光を検出するようにしても良い。さらに、コンデンサレンズ14やレンズ22の近傍等、光学素子の表面にて散乱される光を受光できる位置に光センサを追加しても良い。こうすると、レーザ光の異常に寄与した部分をさらに細かく特定することができる。
【0104】
なお、映像信号に応じてレーザ光源の出力レベルが調節される場合には、それに応じて、異常判別の閾値を調節する必要がある。たとえば、図5では、S101、S103における異常判別の閾値をレーザ光源の出力レベルに応じて変化させ、また、図10では、S210、203における異常判別の閾値をレーザ光源の出力レベルに応じて変化させる。
【0105】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】実施の形態に係るプロジェクタの光学系を示す図
【図2】実施の形態に係るサイドローブ光の発生状態を模式的に示す図
【図3】実施の形態に係る光センサの配置状態を示す図
【図4】実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図
【図5】実施の形態に係る異常判別時の処理フローチャート
【図6】実施の形態に係る光センサの配置の変更例を示す図
【図7】実施の形態に係るプロジェクタの光学系の変更例を示す図
【図8】他の実施の形態に係るプロジェクタの光学系を示す図
【図9】他の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図
【図10】他の実施の形態に係る光学系の変更例を示す図
【図11】他の実施の形態に係る異常判別時の処理フローチャート
【図12】実施の形態に係る光センサの配置位置の変更例を示す図
【符号の説明】
【0107】
11、51、61、71 … レーザアレイ
12、52、62、72 … 分散角制御レンズ
13、53、63、73 … フライアイインテグレータ
14、54、64、74 … コンデンサレンズ
15、19 … ダイクロイックミラー
17、20、22、24、26 … レンズ
16、23、25 … ミラー
18、21、27 … 液晶パネル
28 … ダイクロイックプリズム
31、55、65、75 … 光源側センサ
32、33、34 … パネル側センサ
35、36、37 … 光センサ
40 … 投写レンズ
81、91 … レーザアレイ
82 … レンズ
83 … 集光レンズ
84、93 … ライトパイプ
85 … リレー光学系
86 … DMD
89 … DMD側センサ
92 … 光ファイバ
94 … レンズ
95 … 光センサ
96 … レーザ光源
97 … 集光レンズ
98 … 光センサ
99 … フライアイ照明系
101 … レーザドライバ
104 … 表示出力部
105 … 音声出力部
106 … 光源側センサ部
107 … パネル側センサ部
108 … 異常判別部
109 … 制御部
111 … DMDセンサ部
112 … 映像適応型照度予測部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源と、
入射レーザ光を映像信号に基づいて変調する光変調素子と、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光を前記光変調素子に導く照明光学系と、
前記光変調素子によって変調された光を被投写面に投写する投写ユニットと、
前記レーザ光源と前記投写ユニットの間に配され前記レーザ光源から前記投写ユニットへと進む前記レーザ光の光路から外れた光を受光する光検出部と、
前記光検出部からの信号に基づいて前記レーザ光の異常を判別する異常判別部と、
前記異常判別部における判別結果に基づいて前記レーザ光源の出力を制御するレーザ制御部とを有する、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記照明光学系はフライアイレンズを有しており、
前記光検出部は、前記フライアイレンズにより生成されるサイドローブ光を検出する位置に配置された第1の光検出器を備える、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記光変調素子は、各画素位置の光の反射方向を切り替えることにより各画素の階調を表現する反射型の光変調素子であり、
前記光検出部は、前記光変調素子によって前記投写ユニットから逸れる方向に反射された光を受光する位置に配置された第1の光検出器を備える、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の投写型映像表示装置において、
前記光検出部は、前記レーザ光源からの散乱光または前記レーザ光源から出射された後前記照明光学系内に入る前に前記光路外に散乱された散乱光を検出する位置に配置された第2の光検出器を備える、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項5】
請求項4において、
複数の前記レーザ光源を備え、
前記第2の光検出器は、一つのレーザ光源または複数のレーザ光源を組とした光源群に1対1に対応する位置に配置されており、
前記異常判別部は、前記散乱光を検出する光検出器からの検出信号に基づいて異常が生じたレーザ光源を特定し、
前記レーザ制御部は、前記異常が生じたレーザ光源のみ出力を調整する、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項6】
請求項2ないし5の何れか一項において、
前記光検出部は、前記照明光学系を構成する光学素子の表面によって前記光路外に散乱された光を検出する位置に配置された第3の光検出器を備える、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項において、
前記異常判別部における異常判別結果を外部に報知する異常報知部を有する、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記異常判別部は、前記光検出部の検出信号に基づいて異常箇所を特定し、
前記異常報知部は、前記異常判別部にて特定された異常箇所を外部に報知する、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−299063(P2008−299063A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144899(P2007−144899)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】