説明

投写型映像表示装置

【課題】 3Dモードと2Dモードとを切り替え可能な場合において、2Dモードにおいて画像の輝度低下を抑制することを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 投写型映像表示装置100は、立体画像を表示する3Dモードと平面画像を表示する2Dモードとを切り替え可能に構成される。投写型映像表示装置100は、光源10から出射される光の偏光を揃える偏光板70と、偏光板70から出射される光の偏光を第1偏光と第2偏光との間で切り替える液晶素子80とを備える。偏光板70は、光源10から出射される光の光路に偏光板70が重ならない位置まで、光源10から出射される光の光路の外に移動可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像を表示する3Dモードと平面画像を表示する2Dモードとを切り替え可能な投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の視点画像(例えば、左目視点画像及び右目視点画像)によって構成される立体画像が知られている各視点画像は、異なる視点位置(例えば、左目視点位置及び右目用視点位置)から撮像された画像である(例えば、特許文献1)。
【0003】
ここで、立体画像を表示する手法として、偏光を利用する手法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
例えば、左目視点画像(或いは、右目視点画像)は、第1偏光の光として出力され、右目視点画像(或いは、左目視点画像)は、第2偏光の光として出力される。ユーザは、偏光眼鏡をかけることによって、立体画像を視認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−228743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、立体画像を表示する3Dモードと平面画像を表示する2Dモードとを切り替えるニーズが存在する。上述した技術では、各視点画像を構成する光の偏光を揃えるための偏光板が用いられることが考えられる。
【0007】
一般的には、偏光が揃っていない光を偏光板が透過する場合に、偏光板の光透過率は40%程度である。従って、偏光板が必要ない2Dモードにおいて、画像の輝度が低下してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、3Dモードと2Dモードとを切り替え可能な場合において、2Dモードにおいて画像の輝度低下を抑制することを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源(光源10)と、前記光源から出射される光を変調する光変調素子(DMD50)と、前記光変調素子によって変調される光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット60)とを有する。投写型映像表示装置は、立体画像を表示する3Dモードと平面画像を表示する2Dモードとを切り替え可能に構成される。投写型映像表示装置は、前記光源から出射される光の偏光を揃える偏光板(偏光板70)と、前記偏光板から出射される光の偏光を第1偏光と第2偏光との間で切り替える液晶素子(液晶素子80)とを備える。前記偏光板は、前記光源から出射される光の光路に前記偏光板が重ならない位置まで、前記光源から出射される光の光路の外に移動可能に構成されている。
【0010】
第1の特徴において、前記光変調素子は、複数の微小ミラーによって構成される表示素子である。
【0011】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、複数の視点画像のうち、第1視点画像のクロストークを抑制するように第2視点画像を制御する画像制御部をさらに備える。前記画像制御部は、前記投写面における位置に応じて、クロストークの抑制量を制御する。
【0012】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記偏光板として機能する偏光領域と、前記光源から出射される光の光路長を調整する透明領域とを有する板状光学素子を備える。前記板状光学素子は、前記光源から出射される光の光路に前記偏光領域が重ならない位置まで移動可能に構成される。前記光源から出射される光の光路に前記偏光領域が重ならない位置まで前記板状光学素子が移動された場合に、前記光源から出射される光の光路に前記透明領域が重なる。
【0013】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、光源(光源10)と、前記光源から出射される光を変調する光変調素子(DMD50)と、前記光変調素子によって変調される光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット60)とを有する。投写型映像表示装置は、前記複数の視点画像のうち、第1視点画像のクロストークを抑制するように第2視点画像を制御する画像制御部(画像制御部220)を備える。前記画像制御部は、前記投写面における位置に応じて、クロストークの抑制量を制御する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、3Dモードと2Dモードとを切り替え可能な場合において、2Dモードにおいて画像の輝度低下を抑制することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、変更例1−1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図3】図3は、変更例1−1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図4】図4は、変更例1−1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図5】図5は、変更例1−1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図6】図6は、変更例1−1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図7】図7は、変更例1−1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図8】図8は、変更例1−1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図9】図9は、第2実施形態に係る制御ユニット200を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態に係るクロストークの発生を示す図である。
【図11】図11は、第2実施形態に係る減算処理モードを示す図である。
【図12】図12は、第2実施形態に係る減算処理モードを示す図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る減算処理モードを示す図である。
【図14】図14は、第2実施形態に係る減算処理モードを示す図である。
【図15】図15は、第2実施形態に係る減算処理モードを示す図である。
【図16】図16は、第2実施形態に係る加算処理モードを示す図である。
【図17】図17は、第2実施形態に係る加算処理モードを示す図である。
【図18】図18は、第2実施形態に係る加算処理モードを示す図である。
【図19】図19は、第2実施形態に係る加算処理モードを示す図である。
【図20】図20は、第2実施形態に係る加算処理モードを示す図である。
【図21】図21は、第2実施形態に係るクロストークの抑制量を説明するための図である。
【図22】図22は、第2実施形態に係るクロストークの抑制量を説明するための図である。
【図23】図23は、第2実施形態に係るクロストークの抑制量を説明するための図である。
【図24】図24は、変更例2−1に係る画像例を示す図である。
【図25】図25は、変更例2−1に係る画像例を示す図である。
【図26】図26は、変更例2−1に係る画像例を示す図である。
【図27】図27は、第3実施形態に係る板状光学素子270を示す図である。
【図28】図28は、変更例3−1に係る板状光学素子270を示す図である。
【図29】図29は、変更例3−2に係る板状光学素子270を示す図である。
【図30】図30は、変更例3−3に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図31】図31は、変更例3−3に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0017】
[第1実施形態の概要]
第1実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源と、前記光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する。投写型映像表示装置は、立体画像を表示する3Dモードと平面画像を表示する2Dモードとを切り替え可能に構成される。投写型映像表示装置は、前記光源から出射される光の偏光を揃える偏光板と、前記偏光板から出射される光の偏光を第1偏光と第2偏光との間で切り替える液晶素子とを備える。前記偏光板は、前記光源から出射される光の光路に前記偏光板が重ならない位置まで、前記光源から出射される光の光路の外に移動可能に構成されている。
【0018】
第1実施形態では、偏光板は、光源から出射される光の光路に偏光板が重ならない位置まで、光源から出射される光の光路の外に移動可能に構成されている。従って、2Dモードにおいて、光源から出射される光の光路から偏光板を移動することによって、2Dモードにおいて画像の輝度低下を抑制することができる。
【0019】
なお、第1実施形態では、投写型映像表示装置は、例えば、複数の視点画像として、左目視点画像及び右目視点画像を時分割で表示する。詳細には、投写型映像表示装置は、第1偏光の光を用いて左目視点画像(或いは、右目視点画像)を表示し、第2偏光の光を用いて右目視点画像(或いは、左目視点画像)を表示する。
【0020】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。なお、第1実施形態では、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを用いるケースについて例示する。
【0021】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10と、カラーホイール20と、ロッドインテグレータ30と、反射ミラー40と、DMD50と、投写ユニット60と、偏光板70と、液晶素子80とを有する。なお、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群(レンズ111、レンズ112)を有する。
【0022】
光源10は、白色光を出射するUHPランプなどである。すなわち、光源10が出射する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを少なくとも含む。
【0023】
ここで、光源10は、楕円形状のリフレクタを有する。リフレクタは、第1焦点と、第1焦点よりもカラーホイール20側に設けられる第2焦点とを有する。第1焦点は、白色光の発光点である。第2焦点は、後述するカラーホイール20の近傍に設けられる。すなわち、光源10から出射される白色光は、後述するカラーホイール20の近傍に集光される。
【0024】
カラーホイール20は、光源10の光軸と平行な回転軸Xを中心として回転するように構成される。カラーホイール20は、ガラス板などの透明部材によって構成される円盤形状を有する。
【0025】
カラーホイール20は、赤領域、緑領域、青領域を有する。赤領域は、赤成分光Rのみを透過するように構成されたカラーフィルタである。同様に、緑領域は、緑成分光Gのみを透過するように構成されたカラーフィルタであり、青領域は、青成分光Bのみを透過するように構成されたカラーフィルタである。
【0026】
なお、カラーホイール20は、赤領域、緑領域及び青領域に加えて、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B以外の色成分光(例えば、白成分光、黄成分光、シアン成分光、マゼンタ成分光)などのみを透過する領域を有していてもよい。
【0027】
ここで、光源10から出射される白色光は、カラーホイール20を構成する透明部材の近傍に集光される。言い換えると、カラーホイール20を構成する透明部材は、上述した第2焦点の近傍に配置される。これによって、カラーホイール20を小型化することが可能である。
【0028】
また、回転軸Xは、光源10の光軸ではなく、光源10の光軸に対して傾きを有していてもよい。例えば、カラーホイール20の盤面は、光源10の光軸に対して45°の傾きを有していてもよい。このようなケースでは、カラーホイール20は、透過型のカラーホイールではなくて、反射型のカラーホイールであってもよい。
【0029】
ロッドインテグレータ30は、ガラスなどの透明部材によって構成される中実のロッドである。ロッドインテグレータ30は、ロッドインテグレータ30に入射する光を均一化する。なお、ロッドインテグレータ30は、内壁がミラー面によって構成される中空のロッドであってもよい。
【0030】
反射ミラー40は、ロッドインテグレータ30から出射される光をDMD50側に反射する。
【0031】
DMD50は、複数の微小ミラーによって構成される表示素子である。複数の微小ミラーは可動式である。各微小ミラーは、基本的に1画素に相当する。DMD50は、各微小ミラーの角度を変更することによって、投写ユニット60側に光を反射するか否かを切り替える。
【0032】
投写ユニット60は、DMD50に設けられる微小ミラーで反射された光(映像光)を投写面(不図示)上に投写する。
【0033】
偏光板70は、光源10から出射される光の偏光を揃える光学素子である。具体的には、偏光板70は、所定の偏光成分のみを透過する。なお、所定の偏光成分は、例えば、所定方向の直線偏光を有する成分である。偏光板70は、光源10から出射される光の光路上において、液晶素子80よりも光源10側に配置されていればよい。すなわち、偏光板70は、液晶素子80の前段に配置されていればよい。
【0034】
第1実施形態では、偏光板70は、DMD50から出射される光の光路上に配置されており、DMD50から出射される光の偏光を揃える。
【0035】
ここで、偏光板70は、光源10から出射される光の光路(ここでは、DMD50から出射される光の光路)に偏光板70が重ならない位置まで、光源10から出射される光の光路の外に移動可能に構成されている。
【0036】
なお、偏光板70は、光源10から出射される光の光路に偏光板70が重ならない位置まで手動で移動されてもよい。或いは、偏光板70は、光源10から出射される光の光路に偏光板70が重ならない位置まで電動で移動されてもよい。投写型映像表示装置100は、光源10から出射される光の光路から外れた偏光板70を収容するスペースを有することが好ましい。
【0037】
また、光源10から出射される光の光路上に偏光板70が配置されている場合に、立体画像を表示する3Dモードが適用される。一方で、光源10から出射される光の光路から偏光板70が外れている場合に、平面画像を表示する2Dモードが適用される。
【0038】
なお、3Dモードとは、複数の視点画像(例えば、2視点において、右眼画像及び左眼画像)が右眼及び左眼に導かれるように構成することによって、観察者が立体画像を視認するモードである。なお、複数の視点画像は、平面(2次元)画像である。
【0039】
液晶素子80は、3Dモードのときに、偏光板70から出射される光の偏光を第1偏光と第2偏光との間で切り替える。具体的には、液晶素子80は、液晶素子80に印加される電圧に応じて、偏光板70から出射される光の偏光を切り替える。例えば、液晶素子80は、液晶素子80に電圧が印加されている場合に、偏光板70から出射される光の偏光を第1偏光に揃える。一方で、液晶素子80は、液晶素子80に電圧が印加されていない場合に、偏光板70から出射される光の偏光を第2偏光に揃える。
【0040】
例えば、第1偏光が垂直方向の直線偏光である場合には、第2偏光は、水平方向の直線偏光である。また、偏光板70から出射される光が直線偏光であり、第1偏光が左回りの円偏光(或いは、右回りの円偏光)であり、第2偏光が右回りの円偏光(或いは、左回りの円偏光)であってもよい。この場合、液晶素子80は、第1偏光と第2偏光との切替えに際して、いずれも電圧を印加することになるが、クロストーク低減のメリットが得られる。
【0041】
なお、観察者は、第1偏光及び第2偏光の種類に対応する偏光メガネを着用して、偏光メガネを通して立体画像を視認することに留意すべきである。
【0042】
第1実施形態では、液晶素子80は、DMD50と投写ユニット60との間に配置される。
【0043】
(作用及び効果)
第1実施形態では、偏光板70は、光源10から出射される光の光路に偏光板70が重ならない位置まで、光源10から出射される光の光路の外に移動可能に構成されている。従って、2Dモードにおいて、光源10から出射される光の光路から偏光板70を移動することによって、2Dモードにおいて画像の輝度低下を抑制することができる。
【0044】
第1実施形態では、光変調素子としてDMD50が用いられる。すなわち、DMD50は、DMD50から出射される光の偏光を揃える機能を有していないことに留意すべきである。
【0045】
[変更例1−1]
以下において、第1実施形態の変更例1−1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0046】
具体的には、変更例1−1では、偏光板70及び液晶素子80の配置バリエーションについて説明する。
【0047】
図2及び図3に示すように、偏光板70は、ロッドインテグレータ30の光出射側に配置されており、ロッドインテグレータ30から出射される光の偏光を揃えてもよい。液晶素子80は、ロッドインテグレータ30と反射ミラー40との間に配置されてもよい。なお、偏光板70の移動方向は、図2及び図3に示すように任意であることに留意すべきである。
【0048】
或いは、図4に示すように、偏光板70は、ロッドインテグレータ30の光入射側に配置されており、光源10から出射される光の偏光を揃えてもよい。液晶素子80は、光源10とカラーホイール20との間に配置されてもよい。
【0049】
或いは、図5に示すように、偏光板70は、ロッドインテグレータ30の光入射側に配置されており、光源10から出射される光の偏光を揃えてもよい。液晶素子80は、ロッドインテグレータ30と反射ミラー40との間に配置されてもよい。このように、偏光板70及び液晶素子80は隣接して配置される必要は特にない。
【0050】
或いは、図6に示すように、偏光板70は、DMD50の光出射側に配置されており、DMD50から出射される光の偏光を揃えてもよい。液晶素子80は、投写ユニット60の光入射側に配置されてもよい。
【0051】
或いは、図7に示すように、偏光板70は、DMD50の光出射側に配置されており、DMD50から出射される光の偏光を揃えてもよい。液晶素子80は、DMD50の光出射側に配置されてもよい。
【0052】
或いは、図8に示すように、ロッドインテグレータ30の光出射側に配置されており、ロッドインテグレータ30から出射される光の偏光を揃えてもよい。液晶素子80は、DMD50の光出射側に配置されてもよい。
【0053】
[第2実施形態の概要]
第2実施形態に係る投写型映像表示装置は、光源と、前記光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する。投写型映像表示装置は、前記複数の視点画像のうち、第1視点画像のクロストークを抑制するように第2視点画像を制御する画像制御部を備える。前記画像制御部は、前記投写面における位置に応じて、クロストークの抑制量を制御する。
【0054】
第2実施形態では、画像制御部は、投写面における位置に応じて、クロストークの抑制量を制御する。従って、クロストークを適切に抑制することができる。
【0055】
特に、投写ユニットと投写面との距離が非常に近い(超)短焦点型の投写型映像表示装置では、投写面に対する映像光の入射角が投写面における位置に応じて大きく異なる。従って、第2実施形態は、(超)短焦点型の投写型映像表示装置に適用されることが好ましい。ここで、投写面に対する映像光の入射角が大きくなるほど、偏光の乱れが大きくなり、クロストーク量も大きくなることに留意すべきである。
【0056】
なお、第1視点画像は、第2視点画像に干渉する画像であり、第2視点画像は、第1視点画像によって干渉される画像である。例えば、左目視点画像及び右目視点画像が時分割で表示されるケースでは、第1視点画像は、n−1番目に表示される視点画像であり、第2視点画像は、n番目に表示される視点画像である。或いは、左目視点画像及び右目視点画像が同時に表示されるケースでは、第1視点画像は、左目視点画像(或いは、右目視点画像)であり、第2視点画像は、右目視点画像(或いは、左目視点画像)である(裸眼式2視点表示)。
【0057】
第2実施形態では、第1視点画像が左目視点画像であり、第2視点画像が右目視点画像であるケースについて例示する。しかしながら、実施形態がこれに限定されないことは勿論である。
【0058】
なお、投写型映像表示装置の構成は、第1実施形態と同様であってもよいため、投写型映像表示装置の構成の説明については省略する。
【0059】
[第2実施形態]
(制御ユニットの構成)
以下において、第2実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図9は、第2実施形態に係る制御ユニット200を示す図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられる。制御ユニット200は、図9に示すように、取得部210と、画像制御部220とを有する。
【0060】
取得部210は、立体画像を構成する映像入力信号を取得する。例えば、取得部210は、テレビチューナ、DVDプレーヤ或いはパーソナルコンピュータなどの装置から映像入力信号を取得する。
【0061】
画像制御部220は、DMD50上に表示される視点画像を制御する。例えば、画像制御部220は、投写面における位置に応じて、クロストークの抑制量を制御する。なお、クロストークの抑制量は、例えば、後述する減算処理モードにおける減算量(クロストーク量)である。或いは、クロストークの抑制量は、例えば、後述する加算処理モードにおける加算量(反転クロストーク量)である。
【0062】
クロストークの抑制量は、後述するように、投写面に対する映像光の入射角に応じて定められる。投写面に対する映像光の入射角が大きい位置ほど、クロストークの抑制量として大きな値が設定される。
【0063】
また、画像制御部220は、第1視点画像(ここでは、左目視点画像)のクロストークを抑制するように第2視点画像(ここでは、右目視点画像)を制御する。画像制御部220は、立体画像を構成する映像入力信号に応じて、減算処理モードとの加算処理モードとの間で、クロストークを抑制する制御モードを切り替えてもよい。
【0064】
詳細には、画像制御部220は、減算処理モードにおいて、第1視点画像に対応するクロストーク量を、第2視点画像を構成する映像入力信号から減算する。ここで、画像制御部は、第1視点画像において、コントラストが急峻に変化する画像領域のコントラストの変化を緩和するように、第2視点画像を構成する映像入力信号を調整することが好ましい。
【0065】
一方で、画像制御部220は、加算処理モードにおいて、第1視点画像の反転画像に対応する反転クロストーク量を、第2視点画像を構成する映像入力信号に加算する。ここで、画像制御部は、第1視点画像の反転画像において、コントラストが急峻に変化する画像領域のコントラストの変化を緩和するように、第2視点画像を構成する映像入力信号を調整することが好ましい。
【0066】
なお、第1視点画像の反転画像は、第1視点画像を構成する映像入力信号を反転した反転映像入力信号によって構成される画像である。
【0067】
ここで、画像制御部220は、第2視点画像を構成する映像入力信号からクロストーク量を減算しても、画素値が下限値を下回る画素が存在しない場合には、加算処理モードではなくて、減算処理モードを適用する。このようなケースでは、第2視点画像を構成する映像入力信号からクロストーク量を減算しても、画素値が下限値を下回る画素が存在しないため、“二重画像”、“黒浮き”及び“白とび”が発生しないことに留意すべきである。
【0068】
画像制御部220は、第2視点画像を構成する映像入力信号からクロストーク量を減算しても、画素値が下限値を下回る画素が存在する場合であっても、第2視点画像を構成する映像入力信号に反転コントラスト量を加算すると、画素値が上限値を上回る画素が存在する場合には、加算処理モードではなくて、減算処理モードを適用する。このようなケースでは、第2視点画像を構成する映像入力信号に反転コントラスト量を加算すると、画素値が上限値を上回る画素が存在するため、減算処理モードを適用することによって、“白とび”が抑制されることに留意すべきである。なお、減算処理モードにおいて、コントラストが急峻に変化する画像領域のコントラストの変化が緩和されるため、“二重画像”が抑制される。但し、“黒浮き”の発生は不可避である。
【0069】
画像制御部220は、第2視点画像を構成する映像入力信号からクロストーク量を減算しても、画素値が下限値を下回る画素が存在し、第2視点画像を構成する映像入力信号に反転コントラスト量を加算しても、画素値が上限値を上回る画素が存在しない場合には、減算処理モードではなくて、加算処理モードを適用する。このようなケースでは、第2視点画像を構成する映像入力信号に反転コントラスト量を加算しても、画素値が上限値を上回る画素が存在しないため、加算処理モードを適用しても、“白とび”が発生しないことに留意すべきである。
【0070】
(クロストークの発生)
以下において、クロストークの発生について、図10を参照しながら説明する。図10では、説明を簡略化するために、第1視点画像(ここでは、左目視点画像)及び第2視点画像(ここでは、右目視点画像)の双方が画像領域#1及び画像領域#2によって構成されるケースについて例示する。画像領域#1は、例えば、高輝度の画像領域(物体画像領域)であり、左目視点画像と右目視点画像との間で視差が設けられる。画像領域#2は、例えば、低輝度の画像領域(背景画像領域)であり、左目視点画像と右目視点画像との間で視差が設けられていない。
【0071】
このようなケースにおいて、左目視点画像のクロストーク(左目視点画像から右目視点画像に対する干渉)が生じると、右目視点画像のうち、画像領域#3及び画像領域#4の輝度が上昇してしまう。言い換えると、直線L上において、画素Aと画素Bとの間においてクロストークが生じる。
【0072】
(減算処理モード)
以下において、減算処理モードについて、図11〜図15を参照しながら説明する。ここで、右目視点画像は、図11に示すように、画像領域#1及び画像領域#2によって構成される。左目視点画像に対応するクロストーク量は、図12に示すように、画像領域#1の映像入力信号値(例えば、輝度)に一定比率“r/R”を乗算した値である。
【0073】
ここで、右目視点画像の画像領域#2を構成する映像入力信号の信号レベルは“MIN(例えば“0”)”であるため、右目視点画像の画像領域#2を構成する映像入力信号から、左目視点画像に対応するクロストーク量を減算することができない。
【0074】
従って、画像制御部220は、左目視点画像に対応するクロストーク量を減算することを前提として、右目視点画像を構成する映像入力信号に加算すべき信号値(加算信号値)を算出する。
【0075】
図13に示すように、第1に、画像制御部220は、左目視点画像に対応するクロストーク量を加算信号値としてセットする。第2に、画像制御部220は、画素A及び画素Bの近傍画素について、表示される画像の変化が所定閾値以内となるように、具体的には、隣接画素間の加算信号値の変化が所定閾値以内となるように加算信号値を補正する。第3に、画像制御部220は、左目視点画像に対応するクロストーク量を加算信号値から減算する。
【0076】
続いて、画像制御部220は、図14に示すように、右目視点画像を構成する映像入力信号に加算信号値を加算する。最終的には、左目視点画像に対応するクロストーク量が加味されて、ユーザが視聴すべき実際の右目視点画像の信号レベルが定められる。
【0077】
例えば、図15に示すように、ユーザが視聴すべき実際の右目視点画像は、画像領域#3及び画像領域#4(クロストーク発生領域)の周囲において、コントラストの変化が緩和された画像領域#5及び画像領域#6が設けられる。このように、コントラストの変化が緩和された画像領域#5及び画像領域#6によって、“二重画像”の輪郭がぼやけるため、“二重画像”が軽減される。
【0078】
なお、コントラストの変化が緩和される画像領域は、映像入力信号が調整される画像領域である。例えば、コントラストの変化が緩和される画像領域は、画像領域#5及び画像領域#6でる。
【0079】
(加算処理モード)
以下において、加算処理モードについて、図16〜図20を参照しながら説明する。ここで、右目視点画像は、図16に示すように、画像領域#1及び画像領域#2によって構成される。左目視点画像の反転画像に対応する反転クロストーク量は、図17に示すように、画像領域#1の反転映像入力信号値(例えば、輝度)に一定比率“r/R”を乗算した値である。一定比率“r/R”は、ディスプレイの性能やメガネの性能によって定められる。
【0080】
図18に示すように、第1に、画像制御部220は、左目視点画像の反転画像に対応する反転クロストーク量を加算信号値としてセットする。第2に、画像制御部220は、画素A及び画素Bの近傍画素について、表示される画像の変化が所定閾値以内となるように、具体的には、隣接画素間の加算信号値の変化が所定閾値以内となるように加算信号値を補正する。
【0081】
続いて、画像制御部220は、図19に示すように、右目視点画像を構成する映像入力信号に加算信号値を加算する。最終的には、左目視点画像に対応するクロストーク量が加味されて、ユーザが視聴すべき実際の右目視点画像の信号レベルが定められる。
【0082】
例えば、図20に示すように、ユーザが視聴すべき実際の右目視点画像は、画像領域#3及び画像領域#4(クロストーク発生領域)の周囲において、コントラストの変化が緩和された画像領域#5及び画像領域#6が設けられる。画像領域#5及び画像領域#6の周囲において、加算信号値が加算された画像領域#7及び画像領域#8が設けられる。
【0083】
なお、コントラストの変化が緩和される画像領域は、映像入力信号が調整される画像領域である。例えば、コントラストの変化が緩和される画像領域は、画像領域#5及び画像領域#6でる。
【0084】
(クロストークの抑制量)
以下において、クロストークの抑制量について、図21〜図23を参照しながら説明する。
【0085】
第1に、投写面の正面から映像光が投写面上に投写されるケースについて説明する。このようなケースでは、投写面に対する映像光の入射角は、投写面の中心部で最も小さい。また、投写面に対する映像光の入射角は、投写面の中心部から離れるに従って大きくなる。
【0086】
ここで、投写面に対する映像光の入射角が大きくなるほど、偏光の乱れが大きくなり、投写面の中心から離れるに従って、クロストーク量も大きくなる。
【0087】
従って、図21に示すように、投写面は、投写面の中心部を中心として同心円上の領域(領域#1〜領域#5)に区分けされる。クロストークの抑制量は、領域#1から領域#5の順で大きくなる。
【0088】
第2に、投写面の中心下方から映像光が投写面上に投写されるケースについて説明する。このようなケースでは、投写面に対する映像光の入射角は、投写面の中心下部で最も小さい。また、投写面に対する映像光の入射角は、投写面の中心下部から離れるに従って大きくなる。
【0089】
従って、図22に示すように、投写面は、投写面の中心下部を中心として同心円上の領域(領域#1〜領域#6)に区分けされる。クロストークの抑制量は、領域#1から領域#6の順で大きくなる。
【0090】
なお、上述した例では、投写面は、同心円上の領域に区分けされるが、実施形態はこれに限定されるものではない。具体的には、投写面は、図23に示すように、矩形のブロックに区分けされていてもよい。各ブロックにおけるクロストークの抑制量は、投写面に対する映像光の入射角に応じて定められる。
【0091】
(作用及び効果)
第2実施形態では、画像制御部220は、投写面における位置に応じて、クロストークの抑制量を制御する。従って、クロストークを適切に抑制することができる。
【0092】
特に、投写ユニット60と投写面との距離が非常に近い(超)短焦点型の投写型映像表示装置100では、投写面に対する映像光の入射角が投写面における位置に応じて大きく異なる。従って、第2実施形態は、(超)短焦点型の投写型映像表示装置100に適用されることが好ましい。
【0093】
第2実施形態では、画像制御部220は、立体画像を構成する映像入力信号に応じて、減算処理モードと加算処理モードとの間で、クロストークを抑制する制御モードを切り替える。従って、“二重画像”、“黒浮き”及び“白とび”が抑制される。
【0094】
[変更例2−1]
以下において、第2実施形態の変更例2−1について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0095】
具体的には、変更例2−1では、上述した画像制御部220は、画像内における位置に応じて、コントラストの変化を緩和する処理を制御する。なお、変更例2−1では、例えば、図24〜図26に示すように、夜景の画像を例に挙げて説明する。この画像において、背景には、山や木が存在しており、全体として、輝度が段階的に異なるグラデーションがかかっている。ここで、暗い領域(夜空)には、星170が輝いている。また、暗い領域に、白抜きの字幕180が出ている。このように、特定領域の周囲(背景)の輝度が所定閾値よりも低く、特定領域の輝度が所定閾値よりも高い領域について主として考える。
【0096】
第1に、画像制御部220は、特定領域について、コントラストの変化を緩和して、特定領域以外の他の領域について、コントラストの変化を緩和しない。
【0097】
第2に、画像制御部220は、特定領域に対応する緩和領域として、特定領域以外の他の領域に対応する緩和領域よりも大きな領域を設定する。なお、緩和領域は、コントラストの変化を緩和すべき画像領域である。例えば、図25に示すように、白抜きの字幕180の周囲に緩和領域が設けられる。
【0098】
第3に、画像制御部220は、特定領域に対応する緩和領域として、予め定められた形状(例えば、楕円や矩形など)の領域を設定する。例えば、図26に示すように、白抜きの字幕180を包むように楕円形状の緩和領域が設けられる。
【0099】
なお、特定領域は、例えば、以下のように定められる。(1)画像制御部220は、画像に含まれるライン(例えば、水平方向のライン)毎の周波数成分を抽出し、所定閾値よりも周波数成分の平均値が高いライン数が所定数以上である領域を特定領域として特定する。或いは、(2)画像制御部220は、予め定められた領域を特定領域として特定する。なお、字幕180が表示される領域が予め定められているケースがあり、(2)の方法は、このようなケースに有効である。
【0100】
第4に、画像制御部220は、画像を構成する複数の画像領域毎にコントラストの代表値(合計値や平均値)を算出して、コントラストの代表値が大きい画像領域ほど、緩和領域として大きな領域を設定する。
【0101】
第5に、画像制御部220は、画像の中央に近いほど、緩和領域として小さな領域を設定し、画像の端に近いほど、緩和領域として大きな領域を設定する。
【0102】
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0103】
第1実施形態では、偏光板70は、光源10から出射される光の光路(ここでは、DMD50から出射される光の光路)に偏光板70が重ならない位置まで、光源10から出射される光の光路の外に移動可能に構成されている。
【0104】
これに対して、第3実施形態では、投写型映像表示装置100は、図27に示すように、偏光板70として機能する偏光領域271と、光源10から出射される光の光路長を調整する透明領域272とを有する板状光学素子270を備える。板状光学素子270は、矩形形状を有する。
【0105】
偏光領域271は、偏光板70と同様に、光源10から出射される光の偏光を揃える光学素子である。具体的には、偏光領域271は、所定の偏光成分のみを透過する。
【0106】
透明領域272は、光源10から出射される光の光路に重ならない位置まで偏光領域271が移動された場合に、光源10から出射される光の光路長の変化を吸収する。透明領域272は、例えば、透明樹脂フィルムを貼ることによって構成される。
【0107】
詳細には、板状光学素子270は、光源10から出射される光の光路に偏光領域271が重ならない位置まで移動可能に構成される。光源10から出射される光の光路に偏光領域271が重ならない位置まで板状光学素子270が移動された場合に、光源10から出射される光の光路に透明領域272が重なる。具体的には、板状光学素子270は、P方向に沿ってスライド可能に構成される。
【0108】
図27に示す例では、板状光学素子270は、板状光学素子270の向きを識別するための切り欠き273を有する。切り欠き273は、透明領域272に設けられていてもよく、偏光領域271に設けられていてもよい。
【0109】
なお、板状光学素子270は、板状光学素子270の向きを識別するためのマークを有していてもよい。このようなマークを板状光学素子270が有する場合には、切り欠き273が設けられていなくてもよい。
【0110】
[変更例3−1]
以下において、第3実施形態の変更例3−1について説明する。以下においては、第3実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0111】
第3実施形態では、板状光学素子270は、矩形形状を有しており、スライド可能に構成される。これに対して、変更例3−1では、板状光学素子270は、図28に示すように、円形形状を有しており、回動可能に構成される。具体的には、板状光学素子270は、点Oを中心として回動する。
【0112】
なお、偏光領域271又は透明領域272は、光源10から出射される光の光路の範囲(有効領域)をカバー可能なサイズを有することは勿論である。
【0113】
[変更例3−2]
以下において、第3実施形態の変更例3−2について説明する。以下においては、第3実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0114】
第3実施形態では、板状光学素子270は、矩形形状を有しており、スライド可能に構成される。これに対して、変更例3−2では、板状光学素子270は、図29に示すように、扇型形状を有しており、回動可能に構成される。具体的には、板状光学素子270は、点Oを中心として回動する。
【0115】
なお、偏光領域271又は透明領域272は、光源10から出射される光の光路の範囲(有効領域)をカバー可能なサイズを有することは勿論である。
【0116】
[変更例3−3]
以下において、第3実施形態の変更例3−3について説明する。以下においては、第3実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0117】
変更例3−3では、図30に示すように、投写型映像表示装置100が超短焦点タイプのプロジェクタであるケースについて例示する。このようなケースでは、DMD50は、投写ユニット60の光軸Lからシフトした位置(ここでは、光軸Lから上方にシフトした位置)にDMD50の中心が設けられるように配置される。また、投写型映像表示装置100は、投写ユニット60から出射された光を投写面側に反射する反射ミラー110を有する。反射ミラー110は、例えば、非球面の凹面ミラーである。
【0118】
このようなケースにおいて、板状光学素子270は、図31に示すように、投写ユニット60の光軸Lが延びる方向Y及びDMD50のシフト方向Zに対して直交する方向Xに沿ってスライド可能であることが好ましい。
【0119】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0120】
実施形態では、立体画像を構成する複数の視点画像が左目視点画像及び右目視点画像であるケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、複数の視点画像は、3つ以上の視点画像を含んでもよい。
【0121】
実施形態において、減算処理モードと加算処理モードとの間で、クロストークを抑制する制御モードを切り替える。制御モードの切り替えタイミングは、例えば、シーンチェンジのタイミング、ユーザ設定の変更タイミング、ユーザによって指定されたタイミングなどである。
【0122】
実施形態では、クロストークを抑制する制御モードを決定する際に、第2視点画像を構成する映像入力信号からクロストーク量を減算した場合に、画素値が下限値を下回るか否かを判定する。このようなケースにおいて、全ての画素のいずれかの画素値が下限値を下回るか否かを判定してもよく、全ての画素の平均画素値が下限値を下回るか否かを判定してもよい。
【0123】
実施形態では、主として、投写面に対する映像光の入射角に起因して、クロストーク量が異なる点について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。具体的には、観察者が投写面を観察する角度(投写面に対する観察者の向き)に起因して、クロストーク量が異なる。例えば、投写面に対して斜め方向から観察者が投写面を観察することが予め既知な利用シーンにおいては、画像制御部は、観察者が投写面を観察する角度に応じて、クロストークの抑制量を制御してもよい。
【0124】
実施形態では特に触れていないが、偏光板70(又は、板状光学素子270)の移動中においては、投写型映像表示装置100は、投写面上に黒画像を表示することが好ましい。
【0125】
第3実施形態では、投写型映像表示装置100は、光源10から出射される光の光路長を調整する透明領域272を有する板状光学素子270を備える。しかしながら、第1実施形態に示す偏光板70のように、透明領域272が設けられていなくてもよい。このようなケースでは、反射ミラー110のシフトによって、光源10から出射される光の光路長が調整されてもよい。すなわち、光源10から出射される光の光路と重ならない位置に偏光板70が移動される場合に、光源10から出射される光の光路に沿って反射ミラー110をシフトすることによって、光源10から出射される光の光路長が調整される。
【符号の説明】
【0126】
10…光源、20…カラーホイール、30…ロッドインテグレータ、40…反射ミラー、50…DMD、60…投写ユニット、70…偏光板、80…液晶素子、100…投写型映像表示装置、110…反射ミラー、111…レンズ、112…レンズ、170…星、180…字幕、200…制御ユニット、210…取得部、220…画像制御部、270…板状光学素子、271…偏光領域、272…透明領域、273…切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源から出射された光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットとを有しており、立体画像を表示する3Dモードと平面画像を表示する2Dモードとを切り替え可能な投写型映像表示装置であって、
前記光源から出射される光の偏光を揃える偏光板と、
前記偏光板から出射される光の偏光を第1偏光と第2偏光との間で切り替える液晶素子とを備え、
前記偏光板は、前記光源から出射される光の光路に前記偏光板が重ならない位置まで、前記光源から出射される光の光路の外に移動可能に構成されていることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記光変調素子は、複数の微小ミラーによって構成される表示素子であることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
複数の視点画像のうち、第1視点画像のクロストークを抑制するように第2視点画像を制御する画像制御部をさらに備え、
前記画像制御部は、前記投写面における位置に応じて、クロストークの抑制量を制御することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記偏光板として機能する偏光領域と、前記光源から出射される光の光路長を調整する透明領域とを有する板状光学素子を備え、
前記板状光学素子は、前記光源から出射される光の光路に前記偏光領域が重ならない位置まで移動可能に構成されており、
前記光源から出射される光の光路に前記偏光領域が重ならない位置まで前記板状光学素子が移動された場合に、前記光源から出射される光の光路に前記透明領域が重なることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
光源と、前記光源から出射される光を変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調される光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置であって、
複数の視点画像のうち、第1視点画像のクロストークを抑制するように第2視点画像を制御する画像制御部を備え、
前記画像制御部は、前記投写面における位置に応じて、クロストークの抑制量を制御することを特徴とする投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−7990(P2013−7990A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−269472(P2011−269472)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】