説明

投射型画像表示装置及び画像表示方法

【課題】光学式ウォブリング方式による画像表示において、静止画像の長時間表示での焼き付きや液晶材料の信頼性低下のない画像表示装置を提供する。
【解決手段】元画像に対して複数のフィールド画像を生成するフィールド画像生成回路101と、複数のフィールド画像を垂直走査により表示する液晶表示素子21Rと、フィールド画像Wに対応した信号電圧を液晶表示素子21Rへ供給する信号電圧供給部108と、液晶表示素子21Rで表示されるフィールド画像に対応して液晶表示素子21Rからの変調光の光路をシフトする光路シフト素子30と、垂直走査期間毎に信号電圧の極性を反転する極性反転部107と、垂直走査期間毎にフィールド画像を切り替え、且つ極性反転周期の正の整数倍で規定される切り替え期間毎にフィールド画像の表示順序を切り替えるフィールド画像切り替え部106とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子の光学像を拡大投射して表示する投射型画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大画面・高品質な画像表示を可能とする表示装置として、光源装置と、該光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する表示素子と、表示素子からの光束を拡大投射する投射光学系とを備える投射型画像表示装置が広く用いられている。
【0003】
近年、フルハイビジョンや4K×2K(水平方向4096画素、垂直方向2160画素)等に代表されるように、より高画素数、高精細の画像に対する要求が高まっており、投射型画像表示装置の表示素子についても高画素数化、高精細化技術に大きな進展がみられる。
【0004】
しかしながら、投射型画像表示装置における表示素子の画素配列ピッチの縮小には限界があり、技術的に実現可能な最小画素ピッチを前提にした場合、画素数を増やすことによって素子サイズが大型化し、表示素子の歩留まり影響による表示素子そのもののコスト、及び光学系の大型化に伴うコスト増大が避けられない。また、表示画素数の増大に伴い、表示素子駆動にも画素数に比例した高速動作が要求されることから周辺駆動回路部の高コスト化も問題となる。
【0005】
この課題を解決するものとして、投射画像の画素位置を単位フィールド毎にシフト(以下、「画素シフト」ともいう。)させるとともに、サンプリング点がずれた画像をフィールド単位で時分割表示する、いわゆる光学ウォブリング方式による画像表示装置について開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
特許文献1では、1フレーム画像を空間的にサンプリング点がずれた複数のフィールド画像で構成し、投射画像上ではこれらのフィールド画像のサンプリング点のずれに相当するピッチで表示画素位置をずらして表示を行う。サンプリング点が補間関係にある複数のフィールド画像は人間の視覚特性の残像効果で積分され、高解像度の画像として知覚される。この結果、表示素子そのものの画素数の制限を越えた、より高精細な画像表示に対応することができる。
【0007】
また、表示素子に反射型液晶表示素子を用い、光学ウォブリング機能を有する光路変調素子を偏光ビームスプリッタと投射レンズ間に配置し、高精細な表示を可能とした画像投射装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−113308号公報
【特許文献2】特開2003−5132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献2に開示されているように、液晶の光変調作用によって画像を表示する反射型液晶表示素子等の液晶表示素子を用いて光学ウォブリング方式による高解像度の画像表示装置を実現する場合、直流電圧成分による画像の焼き付きや液晶材料の信頼性劣化を防止するために、液晶を正負対称の交流電圧で駆動する必要がある。具体的には、表示対象の画像データに対応した信号電圧を液晶表示素子に供給する際、垂直走査期間毎に信号電圧を所定の基準電位に対して極性反転して駆動する「フレーム反転駆動方式」が多く用いられている。
【0010】
一方、光学ウォブリング方式による画像表示装置では、上述したように、空間的なサンプリング位置が互いに補間関係にある複数のフィールド画像を時分割で表示するとともに、各フィールド画像の空間的なサンプリング点に対応して観察される画素がシフトするように変調光の光路をシフトする。このため、通常は表示素子の垂直走査期間毎に表示するフィールドを更新することが基本となる。
【0011】
しかしながら、極性が反転関係にある前後のフィールドに対して画素シフトに応じた異なるサンプリング画像表示を割り当てた場合、ウォブリング表示の交番表示画像間で互いの画像サンプリング点が異なるため、画像エッジ部分や細かい絵柄部分については、正負極性で信号電圧に非対称が生じる。この結果、液晶の焼き付きが発生したり、液晶材料の信頼性が著しく低下したりするという課題があった。
【0012】
上記課題を鑑み、本発明の目的は、光学式ウォブリング方式による画像表示において、静止画像の長時間表示での焼き付きや液晶材料の信頼性低下のない投射型画像表示装置及び画像表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、元画像に対して相補的なサンプリング点を持つ複数のフィールド画像(W1,W2)を生成するフィールド画像生成回路(101)と、複数のフィールド画像(W1,W2)を垂直走査により順次且つ周期的に表示する液晶表示素子(21R,21G,21B)と、複数のフィールド画像(W1,W2)に対応した信号電圧を液晶表示素子(21R,21G,21B)へ供給する信号電圧供給部108と、液晶表示素子(21R,21G,21B)で表示される複数のフィールド画像(W1,W2)に対応して、液晶表示素子(21R,21G,21B)から射出した変調光の光路をシフトする光路シフト素子(30)と、液晶表示素子(21R,21G,21B)の垂直走査期間毎に、信号電圧の極性を反転する極性反転部(107)と、垂直走査期間毎に、液晶表示素子(21R,21G,21B)で表示される複数のフィールド画像(W1,W2)を切り替え、且つ信号電圧の極性を正負で反転した極性反転周期(F1,F2,…,F9)の正の整数倍で規定される切り替え期間(T1,T2)毎に、信号電圧の極性と液晶表示素子(21R,21G,21B)で表示される複数のフィールド画像(W1,W2)との対応関係が直前の切り替え期間(T1,T2)の対応関係と逆転するように、複数のフィールド画像(W1,W2)の表示順序を切り替えるフィールド画像切り替え部(106)とを備える投射型画像表示装置が提供される。
【0014】
本発明の一態様において、フィールド画像(W1,W2)の垂直走査レートを倍速変換する倍速変換処理部(104,105)を更に備えていても良い。
【0015】
本発明の一態様において、光路シフト素子(30)は、液晶表示素子(21R,21G,21B)から射出した変調光の偏光方向を電圧のオン・オフ制御により相対的に90度回転させる偏光部材(31)と、偏光部材(31)からの変調光の偏光方向に応じて、変調光を直進又は屈折させる複屈折部材(32)とを備えていても良い。
【0016】
本発明の一態様において、液晶表示素子(21R,21G,21B)は、フィールド画像(W1,W2)の更新を、全表示画素について同時に一括して行っても良い。
【0017】
本発明の他の態様によれば、元画像に対して相補的なサンプリング点を持つ複数のフィールド画像(W1,W2)を生成するステップと、複数のフィールド画像(W1,W2)を液晶表示素子(21R,21G,21B)が垂直走査により順次且つ周期的に表示するステップと、複数のフィールド画像(W1,W2)に対応した信号電圧を液晶表示素子(21R,21G,21B)へ供給するステップと、液晶表示素子(21R,21G,21B)で表示される複数のフィールド画像(W1,W2)に対応して、液晶表示素子(21R,21G,21B)から射出した変調光の光路をシフトするステップと、液晶表示素子(21R,21G,21B)の垂直走査期間毎に、信号電圧の極性を反転するステップと、垂直走査期間毎に、液晶表示素子(21R,21G,21B)で表示される複数のフィールド画像(W1,W2)を切り替えるステップと、信号電圧の極性を正負で反転した極性反転周期(F1,F2,…,F9)の正の整数倍で規定される切り替え期間(T1,T2)毎に、信号電圧の極性と液晶表示素子(21R,21G,21B)で表示される複数のフィールド画像(W1,W2)との対応関係が直前の切り替え期間(T1,T2)の対応関係と逆転するように、複数のフィールド画像(W1,W2)の表示順序を切り替えるステップとを含む画像表示方法が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光学式ウォブリング方式による画像表示において、静止画像の長時間表示での焼き付きや液晶材料の信頼性低下のない投射型画像表示装置及び画像表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る制御部の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る投射型画像表示装置の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光路シフト素子の一例を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る1/2波長板、光路シフト素子及び投射レンズの斜視図である。
【図5】図5(a)は、本発明の実施の形態に係る奇数フィールド(W1)のサンプリング点を示す概略図である。図5(b)は、本発明の実施の形態に係る偶数フィールド(W2)のサンプリング点を示す概略図である。
【図6】図6(a)は、本発明の実施の形態に係る投射画像上の奇数フィールドの表示画素位置を示す概略図である。図6(b)は、本発明の実施の形態に係る投射画像上の偶数フィールドの表示画素位置を示す概略図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像表示方法の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施の形態の変形例に係る液晶表示素子の一例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例に係る液晶表示素子の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】比較例に係る画像表示方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】比較例に係る画像表示方法を説明するための他のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0021】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0022】
(投射型画像表示装置)
本発明の実施の形態に係る投射型画像表示装置として、反射型液晶表示素子を用いてカラー表示を行う投射型画像表示装置を一例として説明する。
【0023】
本発明の実施の形態に係る投射型画像表示装置は、図1に示すように、元画像に対して相補的なサンプリング点を持つ複数のフィールド画像W1,W2を生成するフィールド画像生成回路101と、複数のフィールド画像W1,W2を垂直走査により順次且つ周期的に表示する液晶表示素子21R,21G,21Bと、複数のフィールド画像W1,W2に対応した信号電圧を液晶表示素子21R,21G,21Bへ供給する信号電圧供給部108と、液晶表示素子21R,21G,21Bで表示される複数のフィールド画像W1,W2に対応して、液晶表示素子21R,21G,21Bから射出した変調光の光路をシフトする光路シフト素子(画素シフト素子)30と、液晶表示素子21R,21G,21Bの垂直走査期間毎に、信号電圧の極性を反転する極性反転部107と、垂直走査期間毎に、液晶表示素子21R,21G,21Bで表示される複数のフィールド画像W1,W2を切り替え、且つ信号電圧の極性を正負で反転した極性反転周期の正の整数倍で規定される切り替え期間毎に、信号電圧の極性と液晶表示素子21R,21G,21Bで表示される複数のフィールド画像W1,W2との対応関係が直前の切り替え期間の対応関係と逆転するように、複数のフィールド画像W1,W2の表示順序を切り替えるフィールド画像切り替え部106とを備える。
【0024】
図2に示すように、本発明の実施の形態に係る投射型画像表示装置は、全体構成として、光源10と、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対応した液晶表示素子21R,21G,21Bと、光源10からの照明光を用いて液晶表示素子21R,21G,21Bを照明し、且つ液晶表示素子21R,21G,21Bから射出された変調光を投射する光学系1と、液晶表示素子21R,21G,21Bから射出された変調光の光路をシフトする光路シフト素子30と、液晶表示素子21R,21G,21B及び光路シフト素子30を制御する制御部100を備える。
【0025】
光学系1は、集光レンズ11、フライアイレンズ対12、偏光変換光学素子(PCS)13、レンズ14,18R,18G,18B、ダイクロイックミラー15,17、折り返しミラー16,16B、偏光板19R,19B,19G,22R,22B,22G、ワイヤーグリッド偏光板20R,20B,20G、ダイクロイックプリズム23、1/2波長板24及び投射レンズ25を備える。
【0026】
光源10からの照明光は、集光レンズ11、フライアイレンズ対12、偏光変換光学素子(PCS)13、レンズ14を経て、ダイクロイックミラー15で青色光と黄色光に分解され、折り返しミラー16,16Bで各光路方向にそれぞれ折り返される。黄色光は、更にダイクロイックミラー17で緑色光と赤色光に分解される。赤色光、緑色光及び青色光のそれぞれは、レンズ18R,18G,18Bを介して偏光板19R,19B,19Gによって偏光の直線偏光度を向上した後、斜め45度配置したワイヤーグリッド偏光板20R,20B,20Gを透過し、各液晶表示素子21R,21G,21Bに入射する。
【0027】
液晶表示素子21R,21G,21Bとしては、例えばLCOS(Liquid Crystal on Silicon)等が使用可能である。各液晶表示素子21R,21G,21Bの液晶変調部材には、水平、垂直方向にマトリクス状に配列した反射電極を単位として、図1に示した信号電圧供給部108から駆動信号としての信号電圧(変調電圧)が印加される。各液晶表示素子21R,21G,21Bに入射した照明光は、信号電圧に対応した変調作用を受けて射出される。
【0028】
各液晶表示素子21R,21G,21Bから射出された変調光は、45度配置のワイヤーグリッド偏光板20R,20B,20Gで反射され、偏光板22R,22B,22Gで不要な偏光成分を検光で除去した後、ダイクロイックプリズム23でカラー合成される。ダイクロイックプリズム23でカラー合成された射出光は、1/2波長板24を介して光路シフト素子30に入射し、投射レンズ25からスクリーン26に投射される。
【0029】
光路シフト素子30は、図3に示すように、前段に配置された偏光部材(偏光スイッチ)31と、偏光スイッチ31の射出側に配置された複屈折板32を備える。偏光スイッチ31は、制御電圧(V)がオフレベルのとき、直線偏光の入射光の偏光方向を維持して射出し、制御電圧(V)がオンレベル電圧のとき入射光の偏光方向を90度回転させる。偏光スイッチ31としては、対向した透明電極基板に液晶を封入した液晶セルが使用可能である。液晶セルに電圧を印加すると、電圧に応じて分子の配列状態が変化し、特定の偏光方向成分の光について複屈折を示す。この複屈折による厚さd1の光路中での位相差が、入射光波長の1/2(180度)となるように制御すれば、射出光の偏光方向を90度回転した直線偏光として取り出すことができる。偏光スイッチ31に好適な液晶材料・動作モードとしては、例えばスイッチ速度が非常に高速な強誘電性液晶や、OCB(Optically Compensated Bend)モード液晶等が用いられる。
【0030】
複屈折板32としては、水晶板等の光学異方性を有する結晶材料が使用可能である。光学軸に対して常光線と異常光線の偏光成分を有する光を入射すると、常光線では屈折率が入射光の光学軸に対する角度に依存せず一定であるのに対して、異常光線では入射光の光学軸に対する角度によって変化し、光学軸との角度が垂直の条件で最大となる。これより、複屈折板32に入射する光の偏光を切り替えることで光の屈折状態が変化し、射出面でのビーム位置をシフトさせることができる。光路シフト素子30によるビーム変位量は屈折角と複屈折板32の厚みd2の関係で決まることから、複屈折板32の厚みd2を変えることで変位量を任意の値に設計することができる。
【0031】
図4に示すように、光路シフト素子30の前段部には、1/2波長板24が配置されている。1/2波長板24は、光路シフト素子30による画素シフトを斜め45度方向とし、2つのフィールド画像で画素シフト表示を行う例において、複屈折板32の光学軸方向45度と偏光方向を合致させるためのものである。偏光スイッチ31に対して制御電圧(V)をオン、オフレベルで交番制御することで、光路シフト素子30を1組だけ使用して、投射画像の画素位置を斜め45度方向、水平垂直各0.5画素ピッチの画素シフトを精度よく制御できる。図4に示すように、偏光スイッチ31を電圧で切り替えることにより光軸がシフトし、投射レンズ25による投射画像の画素位置をずらすことができる。
【0032】
制御部100は、図1に示すように、フィールド画像生成回路101、制御タイミング信号生成回路102、データ処理部103、極性反転部107、信号電圧供給部108、光路シフト制御回路109を備える。データ処理部103は、第1及び第2の倍速変換処理部104,105、及びフィールド画像切り替え部106を備える。
【0033】
フィールド画像生成回路101は、図5(a)に示すように、外部から入力された元画像から水平、垂直方向に1画素おきのサンプリング点P1をとったフィールド画像W1と、図5(b)に示すように、元画像から水平、垂直方向に1画素おきのサンプリング点P2をとったフィールド画像W2をそれぞれ生成する。フィールド画像W1、W2は、相互のサンプリング点P1,P2が元画像に対して上下、左右とも1画素ずれており、結果として斜め45度方向について相補的な関係を持つ。元画像に対するサンプリング及びフィールド画素データの生成については、元画像を単純に1画素おきに間引いて生成することが可能な他、必要に応じて着目画素と隣接関係にある周辺画素データの情報を重み付けで反映するフィルタ処理を備えたサンプリング手法を用いてもよい。
【0034】
図1に示した制御タイミング信号生成回路102は、外部から入力された同期信号及び基準クロックに応じて、制御タイミング信号Aを極性反転部107に出力し、制御タイミング信号Eをフィールド画像切り替え部106及び光路シフト制御回路109に出力するとともに、書き込み制御信号群WT_CTL及び読み出し制御信号群RD_CTLを第1及び第2の倍速変換処理部104,105のそれぞれに出力する。
【0035】
第1及び第2の倍速変換処理部104,105のそれぞれはフィールドメモリで構成されており、例えば先入れ先出し(FIFO)メモリ等が使用可能である。第1及び第2の倍速変換処理部104,105は、制御タイミング信号生成回路102からの書き込み制御信号群WT_CTL及び読み出し制御信号群RD_CTLに応じて、読み出し制御を書き込み制御の2倍のレートで行うことにより、フィールド画像W1、W2の垂直走査周波数を2倍にそれぞれ倍速化する。例えば元画像が一般的な動画像の垂直走査レートである60Hzの信号であれば、本処理によって各フィールド画像の垂直走査レートは120Hzに倍速化される。
【0036】
フィールド画像切り替え部106は例えばデータセレクタである。フィールド画像切り替え部106は、制御タイミング信号生成回路102からの制御タイミング信号Eに同期して、第1及び第2の倍速変換処理部104,105により倍速処理されて出力された複数のフィールド画像W1、W2のいずれかを選択・切り替えて出力する。これにより、2つのフィールド画像W1、W2を、倍速化した垂直走査期間を基本単位として切り替える。
【0037】
極性反転部107は、制御タイミング信号生成回路102からの制御タイミング信号(フラグ信号)Aに同期して、フィールド画像切り替え部106から出力されたフィールド画像W1、W2の極性(デジタルコードの0,1)を、正極性から負極性へ、又は負極性から正極性へ反転させる。本制御は液晶表示素子21R,21G,21Bの極性反転駆動周期に対応するため、垂直走査期間毎の切り替えが基本である。
【0038】
信号電圧供給部108は、液晶表示素子21R,21G,21Bの各表示画素に対してフィールド画像W1、W2に対応した信号電圧を供給する。即ち、信号電圧供給部108は、極性反転部107により極性反転処理されたフィールド画像W1、W2のデータをD/A変換してアナログ信号に変換し、且つ液晶表示素子21R,21G,21Bの駆動信号電圧範囲に合うように電圧レベル変換を行う。生成したアナログ信号電圧は液晶表示素子21R,21G,21Bに駆動信号として供給される。
【0039】
光路シフト制御回路109は、フィールド画像切り替え部106の制御タイミング信号Eと同期して、制御信号Gを光路シフト素子30へ出力する。光路シフト素子30は、フィールド画像W1、W2の各表示期間と同期して、図6(a)及び図6(b)に示すように投射画像上の画素位置を、互いにずれた画素位置P,Qにシフトする。
【0040】
このように、図5(a)及び図5(b)に示したサンプリング点P1,P2のずれた複数のフィールド画像W1、W2の時分割表示と、図6(a)及び図6(b)に示した投射画像の画素位置P,Qのシフトを連動させる光学ウォブリング方式により、液晶表示素子21R,21G,21Bの画素数以上の高解像度画像表示を実現することができる。
【0041】
ここで、光学ウォブリング方式による画像表示を行う場合の比較例を図10を用いて説明する。図10(a)に液晶表示素子の駆動における信号電圧の変化を示し、図10(b)に液晶表示素子に表示されるフィールド画像W1、W2の変化を示す。
【0042】
図10(a)に示す信号電圧の極性が正負で反転する極性反転周期F11,F12に、図10(b)に示すフィールド画像W1、W2をそのまま割り当てた場合、正極性(+)期間は常にフィールド画像W1に基づく駆動電圧で駆動され、負極性(−)期間は常にフィールド画像W2に基づく駆動電圧で駆動されることになる。よってこの方法では信号電圧の正極性期間と負極性期間で異なるフィールド画像W1,W2をもとに液晶を駆動することから、極性反転駆動の本来の目的である正負極性対称な交流駆動を実現することができないという不具合が生じる。特に、画像のエッジ部分では、液晶表示素子中の同じ画素に供給されるフィールド画像W1、W2のデータの差分が大きいため、交流駆動の非対称性の影響が顕著に現われ、焼き付きや液晶材料信頼性劣化等の問題が生じる。
【0043】
その対応として、複数のフィールド画像W1,W2を時分割で表示する際、各々のフィールド信号を用いてn回ずつ(nは2以上の整数)の垂直走査を行い、同一フィ−ルド表示期間内における複数回の垂直走査期間の単位毎に信号電圧の極性反転を行う方法がある。この方法を図11を用いて説明する。図11(a)に液晶表示素子の駆動における信号電圧の変化を示し、図11(b)に液晶表示素子に表示されるフィールド画像W1、W2の変化を示す。
【0044】
図11(b)に示すフィールド画像W1,W2による垂直走査を2回ずつとし、同一フィールド画像W1,W2にもとづく信号電圧が確実に正・負両極性で対称に印加される。この方法によれば、液晶表示素子の交流駆動の非対称性が原理的にないため、焼き付きや信頼性劣化の問題は解決し得る。
【0045】
しかしながら、図11(a)及び図11(b)に示した同一フィールド画像W1,W2で複数回ずつ走査を行う方法では、光学ウォブリング方式でのフィールド画像W1,W2の表示更新の周期、すなわちウォブリング表示の切り替え期間が垂直走査期間のn倍に伸び、この周期でフィールド画像W1,W2が低い周波数で交番表示されることになる。このため、画像エッジ部や細かいパターン部で表示画素単位の明滅(フリッカー)が視認されやすく、画像の表示品位が低下につながる、という問題がある。
【0046】
(画像表示方法)
次に、本発明の実施の形態に係る投射画像表示装置を用いた画像表示方法の一例を、図7のタイミングチャートを参照しながら説明する。図7(A)〜(G)は、図1に記した各点(ノード)A〜Gの出力の変化の態様を示す。図7(H)は、光路シフト素子30によりシフトされた投射画像の画素位置P,Qの変化の態様を示す。
【0047】
図7(A)に示すように、制御タイミング信号生成回路102から出力された制御タイミング信号(フラグ信号)Aは、第1及び第2の倍速変換処理部104,105によりフィールド倍速化した垂直走査期間毎にハイ/ローレベルに切り替わる。
【0048】
極性反転部107は、制御タイミング信号(フラグ信号)Aに同期して、フィールド倍速化した垂直走査期間毎に、信号電圧の極性を反転する。その結果、信号電圧供給部108が液晶表示素子21R,21G,21Bへ供給する信号電圧は、図7(B)に示すように、垂直走査期間毎にその極性が+、−、+、−、…のように反転する。ここで、正極性期間と負極性期間の1組を極性反転周期F1,F2,F3,…,F9とする。即ち、極性反転周期F1,F2,F3,…,F9は、垂直走査期間の2倍の期間である。
【0049】
図7(C)及び図7(D)に示すように、第1及び第2の倍速変換処理部104,105は、フィールド倍速化した垂直走査期間毎にフィールド画像W1,W2をそれぞれ出力する。
【0050】
図7(E)に示すように、制御タイミング信号生成回路102は、2系列のフィールド画像W1,W2を選択して出力するフィールド画像切り替え部106への制御タイミング信号Eを生成する。
【0051】
ここで、制御タイミング信号Eに基づくフィールド画像データの時分割切り替えが垂直走査期間毎、という一律の周期ではなく、上述した極性反転周期F1,F2,F3,…,F9の正の整数倍で規定される切り替え期間T1,T2,…を基本単位として逆転させることを特徴とする。
【0052】
図7(E)及び図7(F)の表示フィールドの時分割出力制御に着目すると、時刻t=t0から時刻t=t1までの第1の切り替え期間T1では、フィールド画像をW1、W2、W1、…、W1、W2の順序で表示する。即ち、第1の切り替え期間T1では、フィールド画像W1が信号電圧の正極性期間と対応し、且つフィールド画像W2が信号電圧の負極性期間と対応する。
【0053】
そして、時刻t=t1から時刻t=t2までの第2の切り替え期間T2では、直前の第1の切り替え期間T1におけるフィールド画像W1,W2と対応関係と信号電圧の極性との対応関係が逆転するように、フィールド画像をW2、W1、W2、…、W2、W1の順序で表示する。即ち、第2の切り替え期間T2では、フィールド画像W2が信号電圧の正極性期間と対応し、且つフィールド画像W1が信号電圧の負極性期間と対応する。
【0054】
これ以降、第3、第4、…の切り替え期間でこの切り替えを繰り返すことによって、各フィールド画像W1,W2について、時間積分上の極性非対称が相殺される。
【0055】
図7(G)に示すように、光路シフト制御回路109から光路シフト素子30への制御信号Gは、フィールド画像切り替え部106に対する制御タイミング信号Eと同期して切り替わる。図7(H)に示すように、光路シフト素子30が、フィールド画像W1の表示期間においては投射画像の画素位置を画素位置Pに、フィールド画像W2の表示期間においては投射画像の画素位置を画素位置Qにシフトさせる。このように光学式ウォブリング方式によりフィールド画像W1の順序表示と画素シフトとを連動させることで、液晶表示素子21R,21G,21Bの有効画素数より高い解像度の表示が実現できる。
【0056】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る投射画像表示装置及びこれを用いた画像表示方法よれば、ウォブリング方式による画像表示において、液晶交流駆動の各極性に対応したフィールド期間毎に複数のフィールド画像W1,W2を交番表示させて場合であっても、所定の切り替え期間T1,T2,…で極性反転とフィールド画像W1,W2の対応付けが逆転することにより、静止画を長時間表示する際に特に問題となる画像エッジや細かい画像パターン部分での駆動電圧の直流成分が時間平均上キャンセル可能となる。この結果、静止画像の長時間表示での焼き付きや液晶材料劣化を大幅に低減することができる。
【0057】
なお、表示対象の画像が動画像の場合には、厳密には図7中の第1、第2、第3…の各期間で表示対象となる元画像のフレーム情報が異なるため、各期間の間での交流平均化が完全には機能しないが、通常、液晶の焼き付きや直流電圧成分の影響は、定常的に一定の条件でDC電圧が印加される静止画の長時間表示での条件が最も厳しいことから、本発明の駆動、表示制御によって、従来課題の大幅な改善効果を得ることができる。
【0058】
(変形例)
次に、本発明の実施の形態の変形例として、光学ウォブリング方式の投射型画像表示装置の実現により適した液晶表示素子を説明する。
【0059】
本発明の実施の形態の変形例に係る液晶表示素子21は、図8に示すように、表示部205、水平走査回路201及び垂直走査回路204を備える。表示部205は、マトリクス状に配列されたm×n個の画素回路P11〜Pmnを備える。各画素回路P11〜Pmnは、2つのスイッチング・トランジスタTr,Tr2と、信号電圧を保持するための2つのキャパシタC1、C2と、各画素の液晶に信号電圧を印加・駆動する画素電極LCを含む。
【0060】
水平走査回路201は、水平シフトレジスタ202及びサンプリングスイッチ群S1〜Smを備える。水平シフトレジスタ202には水平走査同期の基準タイミング信号HSTと水平シフトクロックHCKが供給され、水平走査周期毎に、各出力段サンプリングスイッチ群S1〜Smの制御端子に順次パルス信号を送出する。サンプリングスイッチ群S1〜Smの入力端子は共有に配線されており、液晶表示素子21に書き込む信号電圧Videoが供給され、サンプリングスイッチ群S1〜Smを順次オン状態とすることで画素部信号線に信号電圧を順次サンプリングして保持する。
【0061】
垂直走査回路204には垂直走査同期の基準タイミング信号VSTと垂直シフトクロックVCKが供給され、各出力段に対応する画素行の書き込み用スイッチであるスイッチング・トランジスタTr1に順次オン・パルスを送出し、書き込み行の順次選択を行う。本駆動動作を垂直走査周期で繰り返すことで、表示画素に対する信号電圧を順次書き込み、画像を表示する。
【0062】
液晶表示素子21では、画素回路P11〜Pmnに2段直列のスイッチング・トランジスタTr1,Tr2を形成し、スイッチング・トランジスタTr1によって信号電圧を順次走査で書き込んだ後、キャパシタC1での保持された電圧をした各画素行の順次走査タイミングとは異なるタイミングで、スイッチング・トランジスタTr2によって画素電極LC側の保持キャパシタC2に再転送することが可能な構成となっている。
【0063】
次に、本発明の実施の形態の変形例に係る液晶表示素子21の駆動・表示動作の一例を図9を用いて説明する。
【0064】
図9の最上段の「F1」、「F2」、「F3」及び「F4」は、液晶表示素子21に供給される各垂直走査期間での駆動信号の入力を表し、(W1)及び(W2)は、フィールド画像W1、W2に対応することを意味する。
【0065】
図9の「A1」及び「B1」は、図8に示した垂直走査の先頭行(第1行)の画素回路Pm1のノードA1,B1に対応しており、「A1」はキャパシタC1の保持信号電圧、「B1」はスイッチング・トランジスタTr2の出力ノード、すなわち液晶を最終的に駆動する画素電極電圧の変化を示す。
【0066】
図9の「An」及び「Bn」は、図8に示した垂直走査の最終行(第n行)の画素回路PmnのノードAn,Bnに対応しており、「An」はキャパシタC1の保持信号電圧、「Bn」はスイッチング・トランジスタTr2の出力ノード電圧の変化を示す。
【0067】
図9の「TRIG」は、図8に示した共通制御信号TRIGの変化の態様を示す。図9の最下段は、光路シフト素子30によりシフトした画素位置P,Qの変化の態様を示す。
【0068】
図9の「A1」及び「An」に示すように、走査先頭行(第1行)と走査最終行(第n行)の信号書き込みタイミングは、順次走査による時間差をもっており、その時間差は垂直走査期間とほぼ等価である。本発明の実施の形態の変形例では、各画素回路P11〜Pmnがスイッチング・トランジスタTr2を備えており、全画素についてこのスイッチング・トランジスタTr2のオン・オフを共通制御信号TRIGで制御する。具体的には、垂直走査で最終画素行での信号書き込みが完了した直後のタイミングで、制御信号TRIGによって全画素の第2スイッチング・トランジスタTr2を同時一括的にオンとする。これより、図9の「B1」及び「Bn」において、最終的に液晶駆動に寄与する信号電圧は、前フィールドから現フィールドの情報に全面同時に変化することになる。
【0069】
以上説明したように、本発明の実施の形態の変形例によれば、ウォブリング方式による画像表示を実現する上で、ウォブリング表示方式の時分割・複数フィールド画像表示と光路シフト制御を走査時間差の影響を受けることなく良好に同期制御できる。このため、ウォブリング表示効果の面内不均一等の問題がない高画質な画像表示を実現可能となる。
【0070】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0071】
例えば、本発明の実施の形態において、図7に示すように極性反転周期F1,F2,…,F9単位の4倍の切り替え期間T1,T2毎にフィールド画像W1,W2の表示順序の切り替えがなされているが、この切り替え期間はこれに限定されるものではない。例えば、表示特性や液晶特性等を考慮して、極性反転周期F1,F2,…,F9の2倍、3倍、5倍又はそれ以上の正の整数倍の切り替え期間毎を適宜採用可能である。
【0072】
また、本発明の実施の形態において、図1に示すように3板式の液晶表示素子21R,21G,21Bを用い、ダイクロイックプリズム23で合成してから画素シフト素子30でウォブリングする場合を説明したが、3板式の液晶表示素子21R,21G,21Bのそれぞれの射出側に画素シフト素子をそれぞれ配置して、個別にウォブリングをしても良い。また、3板式に代えて、単板式の液晶表示素子を用いても良い。
【0073】
また、本発明の実施の形態において、元画像を2つのフィールド画像W1,W2に時分割する場合を説明したが、相補的なサンプリング点を持つ更に複数(3つ、4つ、…)のフィールド画像に分割しても良い。その場合、例えば画素シフト素子30を複数個組み合わせ、複数のフィールド画像のそれぞれに対応して投射画像の画素位置をシフトすれば良い。
【0074】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0075】
1…光学系
10…光源
11…集光レンズ
12…フライアイレンズ対
14,18R,18G,18B…レンズ
15,17…ダイクロイックミラー
16,16B…折り返しミラー
17…ダイクロイックミラー
19R,19B,19G,22R,22B,22G…偏光板
20R,20B,20G…ワイヤーグリッド偏光板
21,21R,21G,21B…液晶表示素子
23…ダイクロイックプリズム
24…波長板
25…投射レンズ
30…光路シフト素子
31…偏光スイッチ
32…複屈折板
100…制御部
101…フィールド画像生成回路
102…制御タイミング信号生成回路
103…データ処理部
104…第1の倍速変換処理部
105…第2の倍速変換処理部
106…フィールド画像切り替え部
107…極性反転部
108…信号電圧供給部
109…光路シフト制御回路
201…水平走査回路
202…水平シフトレジスタ
204…垂直走査回路
205…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
元画像に対して相補的なサンプリング点を持つ複数のフィールド画像を生成するフィールド画像生成回路と、
前記複数のフィールド画像を垂直走査により順次且つ周期的に表示する液晶表示素子と、
前記複数のフィールド画像に対応した信号電圧を前記液晶表示素子へ供給する信号電圧供給部と、
前記液晶表示素子で表示される前記複数のフィールド画像に対応して、前記液晶表示素子から射出した変調光の光路をシフトする光路シフト素子と、
前記液晶表示素子の垂直走査期間毎に、前記信号電圧の極性を反転する極性反転部と、
前記垂直走査期間毎に、前記液晶表示素子で表示される前記複数のフィールド画像を切り替え、且つ前記信号電圧の極性を正負で反転した極性反転周期の正の整数倍で規定される切り替え期間毎に、前記信号電圧の極性と前記液晶表示素子で表示される前記複数のフィールド画像との対応関係が直前の前記切り替え期間の対応関係と逆転するように、前記複数のフィールド画像の表示順序を切り替えるフィールド画像切り替え部
とを備えることを特徴とする投射型画像表示装置。
【請求項2】
前記フィールド画像の垂直走査レートを倍速変換する倍速変換処理部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の投射型画像表示装置。
【請求項3】
前記光路シフト素子は、
前記液晶表示素子から射出した変調光の偏光方向を電圧のオン・オフ制御により相対的に90度回転させる偏光部材と、
前記偏光部材からの変調光の偏光方向に応じて、前記変調光を直進又は屈折させる複屈折部材
とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の投射型画像表示装置。
【請求項4】
前記液晶表示素子は、前記フィールド画像の更新を、全表示画素について同時に一括して行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の投射型画像表示装置。
【請求項5】
元画像に対して相補的なサンプリング点を持つ複数のフィールド画像を生成するステップと、
前記複数のフィールド画像を液晶表示素子が垂直走査により順次且つ周期的に表示するステップと、
前記複数のフィールド画像に対応した信号電圧を前記液晶表示素子へ供給するステップと、
前記液晶表示素子で表示される前記複数のフィールド画像に対応して、前記液晶表示素子から射出した変調光の光路をシフトするステップと、
前記液晶表示素子の垂直走査期間毎に、前記信号電圧の極性を反転するステップと、
前記垂直走査期間毎に、前記液晶表示素子で表示される前記複数のフィールド画像を切り替えるステップと、
前記信号電圧の極性を正負で反転した極性反転周期の正の整数倍で規定される切り替え期間毎に、前記信号電圧の極性と前記液晶表示素子で表示される前記複数のフィールド画像との対応関係が直前の前記切り替え期間の対応関係と逆転するように、前記複数のフィールド画像の表示順序を切り替えるステップ
とを含むことを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−50628(P2013−50628A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189220(P2011−189220)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】