説明

投影装置、投影制御方法及びプログラム

【課題】照明として多彩なバリエーションで使用できるようにする。
【解決手段】光源部16と、画像信号を入力する入力系(11〜13)と、光源部からの光を用い、入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する、投影画角とフォーカスを調整可能な投影レンズ部18を含んだ投影系(14,15,17〜19)と、照明用画像信号を記憶する照明用画像記憶部31Aと、投影対象までの距離を測定する撮影系(20〜24)と、入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影モードまたは光源部からの光を用いて照明を行なう照明モードを操作部32での操作に応じて選択的に設定し、照明モード設定時に、照明用画像記憶部から照明用画像信号を読出し、入力系で入力した画像信号に代えて投影系によりそれに応じた光像を投影させ、撮影系で得た投影対象までの距離に基づき、投影系の投影レンズ部を投影モード時は異なる状態に調整するCPU29と備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体発光素子を光源に用いるプロジェクタなどに好適な投影装置、投影制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
異なった機能を備えた機器を融合させることで、従来の技術では実現されていなかった新たな使い勝手を実現した携帯型情報機器として、プロジェクタにより単純な懐中電灯的使用方法を可能とした技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−093801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載された技術では、携帯型のプロジェクタを懐中電灯として使用する際に、投影画像の光像を形成するための画像パターン形成部、具体的には透過型のカラー液晶パネルを光路から退避することで、光源の発する照明光を直接効率的に被写体に照射するものとしている。このように、携帯型の装置であるために電源の容量等も限られていることから、光源の明るさを最大限に照明光に利用する方向での技術が模索されている。
【0005】
一方で、携帯しての使用を前提とせず、1箇所に固定設置したプロジェクタを照明装置としても使用する場合を考えると、必ずしも光源となる素子の明るさを最大限に利用する必要はなく、むしろ、近年の省エネルギ指向等を考慮すると、明るさを控えめとしながらも、使用環境に適した多彩な照明パターンが求められるものと思われる。この点を考慮した技術に関して、上記特許文献の記載を含めて、該当するものは見当たらない。
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、照明として多彩なバリエーションで使用することが可能な投影装置、投影方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、光源と、画像信号を入力する入力手段と、上記光源からの光を用い、上記入力手段で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影光学系を含んだ投影手段と、上記入力手段で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影モードと、上記光源からの光を用いて照明を行なう照明モードとを選択的に設定するモード設定手段と、照明用画像信号を記憶する画像記憶手段と、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記画像記憶手段から上記照明用画像信号を読出し、上記入力手段で入力した画像信号に代えて上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる画像制御手段と、上記投影手段による投影対象までの距離を測定する測距手段と、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記測距手段で得た投影対象までの距離に基づき、上記投影手段の投影光学系を上記投影モード時は異なる状態に調整する光学制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、照明として多彩なバリエーションで使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明プロジェクタの機能回路構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に係る投影動作全体の処理内容を示すフローチャート。
【図3】同実施形態に係る図2のスポット照明条件設定処理のサブルーチンの処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係る図2のぼかし照明条件設定処理のサブルーチンの処理内容を示すフローチャート。
【図5】同実施形態に係るスポット照明モードでの照明動作を例示する図。
【図6】同実施形態に係るスポット照明モードでの被写体位置への追従動作を説明する図。
【図7】同実施形態に係るぼかし照明モードでの照明動作を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をDLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式を採用した天井据付け型の照明兼用プロジェクタ装置(照明機能を備えたプロジェクタ装置)(以下「照明プロジェクタ」と称する)に適用した場合の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
すなわち本実施形態では、例えばリビングルームのテーブルが設置された位置の上側の天井部に据付けた照明プロジェクタを、照明器具であるダウンライトとして使用する一方で、外部から入力した画像信号により、例えば直下に設置される該テーブルの天板をスクリーンとして画像を投影可能とするものである。
【0012】
本実施形態に係る照明プロジェクタは、投影レンズ系内にズームレンズを備え、照明モード時には例えば120°程度の広い投影画角で室内を照射する一方で、画像投影モード時には投影画角を45°程度まで絞り、光束を集中した明るい画像の投影が可能であるものとする。
【0013】
図1は、本実施形態に係る照明プロジェクタ10の主として電子回路の機能構成を説明する図である。同図中、無線LANアンテナ11から無線LANインタフェース(I/F)12を介して無線による画像信号が、また入力部13を介して有線接続された図示しない外部機器からの画像信号がそれぞれ入力される。
【0014】
無線LANインタフェース12は、例えばIEEE802.11a/b/g/n規格に則ったWi−Fi対応のインタフェース回路であり、後述するCPU29の制御の下に上記無線LANアンテナ11を介して、外部機器としての例えばパーソナルコンピュータ等と無線によるデータの送受を制御する。
【0015】
入力部13は、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、D−sub15タイプのRGB入力端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)規格の画像/音声入力端子、及びUSB(Universal Serial Bus)コネクタを有し、これらのいずれかの端子を介して有線接続される外部機器から、画像信号及び音声信号を入力する。
【0016】
無線LANインタフェース12または入力部13から入力された各種規格の画像信号はデジタル化された後、システムバスSBを介して投影画像駆動部14に送られる。この投影画像駆動部14は、送られてきた画像データに応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、マイクロミラー素子15を表示駆動する。
【0017】
このマイクロミラー素子15は、アレイ状に配列された複数、例えばWXGA(横1280画素×縦768画素)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作して表示動作することで、その反射光により光像を形成する。
【0018】
一方で、光源部16から時分割でR,G,Bの原色光が循環的に出射される。光源部16は、半導体発光素子であるLEDを有し、R,G,Bの原色光を時分割で繰返し出射する。光源部16が有するLEDは、広義でのLEDとして、LD(半導体レーザ)や有機EL素子を含むものとしても良い。この光源部16からの原色光が、ミラー17で全反射して上記マイクロミラー素子15に照射される。
【0019】
そして、マイクロミラー素子15での反射光で光像が形成され、形成された光像が投影レンズ部18を介して外部に投射して表示される。
【0020】
上記投影レンズ部18は、内部のレンズ光学系中に、フォーカス位置を移動するためのフォーカスレンズ及びズーム(投影)画角を可変するためのズームレンズを含み、それら各レンズはレンズモータ(M)19により図示しないギヤ機構を介して光軸方向に沿った位置が選択的に駆動される。
【0021】
また、上記投影レンズ部18と隣接するようにして撮影レンズ部20を配設する。この撮影レンズ部20は、フォーカス位置を移動するためのフォーカスレンズを含み、上記投影レンズ部18の最広角での投影画角をカバーするような撮影画角を有する。撮影レンズ部20に入光する外部の光像は、固体撮像素子であるCMOSイメージセンサ21上に結像される。
【0022】
CMOSイメージセンサ21での結像により得られる画像信号は、A/D変換器22でデジタル化された後、撮影画像処理部23に送られる。
【0023】
この撮影画像処理部23は、上記CMOSイメージセンサ21を走査駆動して連続した撮影動作を実行させ、撮影により得た時系列の画像データそれぞれの輪郭抽出と画像間の動き検出等の画像処理を実施することで、後述するように画像中に移り込んでいる人物の動き(ジェスチャ)を抽出する。
【0024】
加えて撮影画像処理部23は、上記撮影レンズ部20のフォーカスレンズ位置を移動させるためのレンズモータ(M)24を駆動する。
【0025】
さらに上記投影レンズ部18及び撮影レンズ部20と近設し、撮影レンズ部20と同等の検出範囲となるように、レンズ25を介して赤外線センサ26が、レンズ27を介して照度センサ28がそれぞれ設けられる。
【0026】
赤外線センサ26は、人感センサとして設けられたものであり、投影レンズ部18の最広角投影範囲内に人体が存在する場合に、その人体から放射される赤外線を検出する。検出結果はデジタル化した上で後述するCPU29へ出力する。
【0027】
照度センサ28は、投影レンズ部18の最広角投影範囲内の平均的な照度を検出し、その検出結果をデジタル化した上で後述するCPU29へ出力する。
【0028】
上記各回路の動作すべてをCPU29が制御する。このCPU29は、メインメモリ30及びプログラムメモリ31と直接接続される。メインメモリ30は、例えばSRAMで構成され、CPU29のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ31は、電気的書換可能な不揮発性メモリ、例えばフラッシュROMで構成され、CPU29が実行する動作プログラムや各種定型データ等を記憶する。
【0029】
プログラムメモリ31には、図示する如く照明用画像記憶部31A及びジェスチャ内容記憶部31Bが含まれる。照明用画像記憶部31Aは、照明モード時に投影する画像(照明用画像)情報、例えば後述するスポット照明モードであれば照明位置のみが白色、その他の周辺が黒色となるような画像情報や、その際のパラメータ(明るさ等)のデータを記憶する。ジェスチャ内容記憶部31Bは、予め設定されている、ユーザのジェスチャ動作の内容を時系列の動きベクトルで表現したデータを記憶する。
【0030】
CPU29は、上記プログラムメモリ31に記憶されている動作プログラムや定型データ等を読出し、メインメモリ30に展開して記憶させた上で当該プログラムを実行することにより、この照明プロジェクタ10を統括して制御する。
【0031】
上記CPU29は、操作部32からの操作信号に応じて各種投影動作を実行する。この操作部32は、照明プロジェクタ10の本体に備える赤外線受光部を介してこの照明プロジェクタ10専用の図示しないリモートコントローラから送られてきたキー操作信号を受信し、そのキー操作内容に応じた信号を上記CPU29へ送出する。操作部32が受信する図示しないリモートコントローラからの操作信号としては、例えば照明プロジェクタ10の電源のオン/オフ、後述する照明モードの切換え等を含む。
【0032】
また、CPU29は、撮影画像処理部23と協働して、ジェスチャの内容がどのような動作に対応するものかを判断する。
【0033】
上記CPU29はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部33と接続される。
音声処理部33は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声信号をアナログ化し、スピーカ部34を駆動して放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0034】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお以下に示す動作は、上述した如くCPU29がプログラムメモリ31から読出した動作プログラムや定型データ等をメインメモリ30に展開した上で実行するものである。プログラムメモリ31に記憶される動作プログラム等は、この照明プロジェクタ10の工場出荷時にプログラムメモリ31に記憶されていたもののみならず、ユーザがこの照明プロジェクタ10を購入後に無線LANインタフェース12及び無線LANアンテナ11を介して図示しないパーソナルコンピュータ等からインターネット経由でダウンロードしたバージョンアップ用のプログラム等をインストールした内容を含む。
【0035】
図2は、CPU29が実行する基本的な動作の処理内容を示す。その当初には、操作部32によりリモートコントローラから電源をオンするキー操作があるのを待機する(ステップM101)。
【0036】
電源をオンするキー操作がリモートコントローラでなされた時点でCPU29は、上記ステップM101でそれを判断し、所定の初期設定処理を実行する(ステップM102)。
【0037】
次いでCPU29は測距処理として、撮影画像処理部23によりCMOSイメージセンサ21での撮像動作を開始させる一方で、レンズモータ24を介して撮影レンズ部20のフォーカスレンズ位置を順次移動させ、例えばコントラスト方式のAF(自動合焦)動作により投影レンズ部18が対向している投影面までの正確なフォーカス位置を取得させる(ステップM103)。
【0038】
次にCPU29は、その時点で設定されている投影のモード情報をプログラムメモリ31から読出す(ステップM104)。
本実施形態では、入力される画像信号に対応した投影を行なう「通常投影モード」、注目したい範囲を集中的に照明する、第1の照明モードとしての「スポット照明モード」、及び注目したい位置周辺全体を照明する、第2の照明モードとしての「ぼかし照明モード」の計3つのモードがあり、電源をオンした直後は例えばスポット照明モードがデフォルトで設定されるものとする。
【0039】
CPU29は、読出したモード情報に基づいて、まずいずれかの照明モードを示すものであるか否かを判断する(ステップM105)。
ここでいずれの照明モードでもないと判断した場合、CPU29は通常投影モードでの動作に移行するべく、通常投影モードでの条件を設定する処理を実行する(ステップM106)。
【0040】
この通常投影モードの設定条件としては、例えば前回の電源オフ時に設定されていた画像信号の入力切換え情報、投影する画像の明るさや色彩を示す投影モードの情報、音声情報の有無や音声を出力する場合の音量を示す音声情報等を含む。
【0041】
また上記ステップM105で、照明モードが設定されていると判断した場合、CPU29は次にその照明モードがスポット照明モードであるか否かを判断する(ステップM107)。
ここでスポット照明モードであると判断すると、CPU29は次にそのスポット照明モードでの条件設定処理を実行する(ステップM108)。
【0042】
図3は、このスポット照明モードでの条件設定処理の詳細な内容を示すサブルーチンである。サブルーチンの処理当初にCPU29は、デフォルトの予備照明として、マイクロミラー素子15の全面を用いた白一色となるテスト用の画像を照明用画像記憶部31Aから読出して投影することにより、投影対象面での被写体を認識可能とする(ステップS101)。
【0043】
次にCPU29は、撮影画像処理部23によりCMOSイメージセンサ21での撮像動作を実行させ、被写体を含む投影対象面の画像を撮影させる(ステップS102)。撮影により得た画像に対し、CPU29はさらに撮影画像処理部23内でその画像中から輪郭抽出処理等により被写体の認識処理を実行させる(ステップS103)。
【0044】
この認識処理の結果に対してCPU29では、予め記憶させておいたテーブルの形状を示すデータと比較することで、テーブルとは異なる形状の被写体を画像中から抽出まで待機する(ステップS104)。
【0045】
このとき撮像範囲内にいるユーザは、必要に応じてテーブル上の被写体の位置を示すようなジェスチャ、例えば被写体を手指で指し示すような動作を行ない、それを撮影画像処理部23、CPU29で認識させるものとしても良い。
【0046】
その場合に撮影画像処理部23は、CPU29の制御の下にA/D変換器22から得られる時系列の各画像データそれぞれの輪郭抽出と画像間の動き検出等の画像処理を実施する。CPU29は、この撮影画像処理部23から得られる人物の手指等の動きを表すデータを、プログラムメモリ31のジェスチャ内容記憶部31Bに記憶されている、予め設定された各種投影動作の操作に関するジェスチャ内容のデータそれぞれと比較して一致度を認識率として算出し、一定の認識率、例えば80[%]を超えるものを認識結果とする。
【0047】
被写体の形状を抽出できたと判断した時点でCPU29は、次に撮影画像処理部23により画像中から抽出した被写体の形状とその範囲をカバーするような投影画角とを認識させる(ステップS105)。
【0048】
さらにCPU29は、予めプログラムメモリ31に記憶されている、照明用の投影画像の選択設定情報を読出す(ステップS106)。
【0049】
CPU29はさらに、被写体の形状に追従した投影画像の形状とするモードが予め設定されているか否かを判断する(ステップS107)。ここで同設定が予めなされていないと判断した場合にCPU29は、直前のステップS106で読出した、予めなされていた設定に対応する画像の形状(例えば「円」)の照明用画像情報を、照明用画像記憶部31Aに記憶されている複数の照明用画像情報の中から選択する(ステップS108)。
【0050】
また上記ステップS107で被写体の形状に追従した投影画像の形状とするモードが設定されていたと判断した場合にCPU29は、上記ステップS105で認識した被写体の形状と合致する形状(円に近いだ円、横長だ円、矩形等)の照明用画像情報が予めプログラムメモリ31の照明用画像記憶部31Aにあるか否かを判断する(ステップS109)。
【0051】
ここで照明用画像記憶部31Aに合致する形状の照明用画像情報があると判断した場合、CPU29はその形状が合致すると判断した照明用画像情報を選択して照明用画像記憶部31Aから読出す(ステップS110)。
【0052】
また上記ステップS109で照明用画像記憶部31Aに合致する形状の照明用画像情報がないと判断した場合、CPU29は被写体の形状に合致するような照明用画像情報を新たに作成する(ステップS111)。
【0053】
上記ステップS108,S110,S111のいずれかで照明用画像情報を選択または作成すると、次にCPU29は照明色反映モードが予め設定されているか否かを判断する(ステップS112)。
【0054】
ここで照明色反映モードが設定されていると判断した場合、CPU29は撮影画像中の被写体の主要な色を認識した上で(ステップS113)、その認識した色が映えるような照明色を選択する(ステップS114)。
【0055】
この照明色の選択に関しては、例えばプログラムメモリ31に予めルックアップテーブルを用意しておき、認識した色を参照して対応する照明色を読出すことで、簡易に照明色を選択できる。
【0056】
また上記ステップS112で照明色反映モードが設定されていないと判断した場合、CPU29は認識した被写体の主要な色に関係なく、予め設定されているデフォルトの照明色、例えば白色を選択する(ステップS115)。
【0057】
その後、中央のスポット照明を行なう部分に対して、その周辺側のぼかし度合いをどの程度にするのかを予め設定されている内容を反映して決定する(ステップS116)。
【0058】
さらに、投影レンズ部18を構成するレンズ光学系に光軸をシフトする機構、所謂「アオリ」を行なう機構が形成されている場合には、光軸を必要な角度だけスイングまたはチルトさせることで変更して、投影面に対する投影光軸が直交していない場合の画像の変形を抑止するような設定を行なっても良い(ステップS117)。
【0059】
続けてCPU29は、スポット照明モードで予め設定されている光学系の情報を読出した上で(ステップS118)、読出した情報に基づいて投影レンズ部18中のズームレンズをレンズモータ19の駆動により設定されたズーム画角となるように移動させる(ステップS119)。
【0060】
ここでは、スポット照明という性質から、詳細は後述するが、ズーム画角は被写体とその近傍のみを含む画角となるよう小さく絞るように移動させることが好ましい。
【0061】
合わせてCPU29は、上記メインルーチンのステップM103で取得した投影面までの距離情報に基づいて投影レンズ部18中のフォーカスレンズをレンズモータ19の駆動により移動させる(ステップS120)。
ここでは、スポット照明という性質から、詳細は後述するが、フォーカスは合焦状態となるように移動させる。
【0062】
以上でこの図3のサブルーチンを一旦終了し、上記図2のメインルーチンの処理に復帰する。
【0063】
また、図2のメインルーチンのステップM107で、照明モードがスポット照明モードではないと判断した場合、設定されている照明モードはぼかし照明モードであることとなるので、CPU29は次にそのぼかし照明モードでの条件設定処理を実行する(ステップM109)。
【0064】
図4は、このぼかし照明モードでの条件設定処理の詳細な内容を示すサブルーチンである。サブルーチンの処理当初にCPU29は、予めプログラムメモリ31に記憶されている、照明用の投影画像の選択設定情報を読出す(ステップS201)。
【0065】
CPU29は、読出した設定情報から、投影画像の形状の指示がなされているか否かを判断する(ステップS202)。ここで形状を指示する設定がなされていると判断した場合にCPU29は、その指示にしたがった画像の形状(例えば「円形」)の照明用画像情報を、照明用画像記憶部31Aに記憶されている複数の照明用画像情報の中から選択する(ステップS203)。
【0066】
また上記ステップS202で形状の指示が設定されていないと判断した場合にCPU29は、デフォルトの形状、例えば表示素子のアスペクト比に対応するだ円形の照明用画像情報を、照明用画像記憶部31Aに記憶されている複数の照明用画像情報の中から選択する(ステップS204)。
【0067】
上記ステップS203またはS204で照明用画像情報を選択すると、次にCPU29は周辺側のぼかし度合いをどの程度にするのかを予め設定されている内容を反映して決定する(ステップS205)。
【0068】
続けてCPU29は、ぼかし照明モードで予め設定されている光学系の情報を読出した上で(ステップS206)、読出した情報に基づいて投影レンズ部18中のズームレンズをレンズモータ19の駆動により設定されたズーム画角となるように移動させる(ステップS207)。
【0069】
ここでは、ぼかし照明という性質から、詳細は後述するが、ズーム画角は最大画角となるように移動させるようにする。
【0070】
合わせてCPU29は、上記メインルーチンのステップM103で取得した投影面までの距離情報に基づいて投影レンズ部18中のフォーカスレンズをレンズモータ19の駆動により移動させる(ステップS208)。
ここでは、ぼかし照明という性質から、詳細は後述するが、フォーカスは非合焦状態となるように移動させるようにする。
【0071】
以上でこの図4のサブルーチンを一旦終了し、上記図2のメインルーチンの処理に復帰する。
【0072】
図2のメインルーチンでは、上記ステップM106で設定した通常投影モードの条件、あるいは上記ステップM108で設定したスポット照明モードの条件、あるいは上記ステップM109で設定したぼかし照明モードの条件にしたがって投影または照明動作を実行する(ステップM110)。
【0073】
図5は、スポット照明モードでの照明動作を例示する。図5(A)は、抽出した被写体OJ1を中心として、投影画像IA11中、被写体OJ1の周囲に対応する円形範囲SA11内のみを白色で照明し、それ以外は黒色(照明せず)とした状態を示す。
【0074】
被写体OJ1の大きさに合わせて投影レンズ部18のズームレンズを移動して投影画角を絞ることで、図5(B)に示すように全体の投影画像IA12の範囲を狭める。このとき被写体OJ1を含む円形範囲SA12を相対的に大きくすることで、結果として上記図5(A)に示した円形範囲SA11と同等の大きさを維持しており、且つ、全体の投影画像IA12に占める円形範囲SA12の大きさの割合を増やしているため、同範囲SA12内は光源部16の輝度を有効に活用し、より明るく照明されることになる。
【0075】
さらに図5(C)では、投影面及び被写体OJ1までの距離を測定したことにより投影レンズ部18のフォーカスレンズ位置を調整して正確に投影面に合焦させることで、円形範囲SA13を周囲から明確に区分し、被写体OJ1を際立つように照明できる。
【0076】
図6は、スポット照明モードでの被写体位置の追従動作を説明する図である。この例では、テーブルTB上から抽出した被写体OJ3の位置に追従し、当該被写体OJ3が含まれる範囲までズーム位置を絞った投影画像IA31中、被写体OJ3の周囲に対応する楕円範囲SA31内のみを白色で照明し、それ以外は黒色(照明せず)とした状態を示す。
【0077】
図7は、ぼかし照明モードでの照明動作を例示する。図7(A)は、投影画像IA21中、形状として楕円が指示されている場合を示す。同図(A)では同心状に複数の楕円が外側に行くほど輝度が低くなるようにグラデーションを描いた投影画像IA21を示す。
【0078】
投影レンズ部18のズームレンズを移動して投影画角を広げることで、図7(B)に示すように全体の投影画像IA22の範囲を広げている。
【0079】
さらに図7(C)では、投影レンズ部18のフォーカスレンズ位置を調整して最も遠方側で合焦するように移動させて、意図的にぼかした投影画像IA23とすることで、輝度変化の境目がなく自然にぼかした照明を実現できる。
【0080】
上記のようにして通常投影モード、スポット照明モード、及びぼかし照明モードのいずれか設定されたモードでの投影動作を実行しながら、合わせて操作部32よりユーザによって何らかのキー操作またはジェスチャによる指示がなされたか否かを判断し(ステップM111)、操作または指示がなければ上記ステップM110の投影、照明動作を続行する。
【0081】
この動作状態で、操作部32からキー操作信号が入力されるか、またはジェスチャ指示が認識された場合、CPU29は上記ステップM111でそれを判断し、まずそのキー操作またはジェスチャ指示が電源のオフを指示するためのものであったか否かを判断する(ステップM112)。
【0082】
ここで電源のオフを指示するものであったと判断した場合、CPU29は各種設定状態の記憶から、次の電源オンに備えた一部の回路以外への電源供給の停止までを含む一連の電源オフ処理を実行した上で(ステップM113)、上記ステップM101からの処理に戻る。
【0083】
また上記ステップM112で電源のオフが指示されたのではないと判断した場合、CPU29は次いでモードの変更が指示されたか否かを判断する(ステップM114)。ここでモードの変更が指示されたと判断した場合、CPU29は操作されたキー操作信号またはジェスチャ指示にしたがってモード状態の変更設定を行なった後(ステップM115)、上記ステップM110からの処理に戻る。
【0084】
上記ステップM114でモードの変更が指示されたのでもないと判断した場合、CPU29は次にそのキー操作信号またはジェスチャ指示が照明設定の変更を指示するためのものであったか否かを判断する(ステップM116)。
【0085】
ここで照明設定の変更を指示するための操作またはジェスチャ指示であったと判断した場合、CPU29はユーザのキー操作またはジェスチャ指示に従って照明設定の任意項目の変更処理を実行する(ステップM117)。
【0086】
この照明設定の変更に関して、スポット照明モードでは、例えば被写体形状の追従の有無(デフォルト有)、被写体形状の追従がない場合の照明用画像(枠画像)の形状(円(デフォルト)、楕円、矩形、星形・・・)の選択、被写体色の反映の有無、被写体色の反映がない場合の照明色(枠内色(白(デフォルト)、青、・・・)、枠外色(黒(デフォルト)、黄色、・・・)の選択、照明用画像周辺のぼかし度(なし(デフォルト)、弱、中、強)の選択、被写体に応じたズーム画角の追従の有無、被写体に応じたズーム画角の追従がない場合のズーム画角(最広角、広角、中、望遠、最望遠)、被写体に対するフォーカス位置(最近非合焦状態、合焦状態(デフォルト)、最遠非合焦状態)の選択、及び輝度(暗、中、明(デフォルト))の選択等を含む。
【0087】
また、ぼかし照明モードでの照明設定の変更に関しては、照明用画像の枠形状(円、楕円(デフォルト)、・・・)の選択、照明用画像の照明色(枠内色(白(デフォルト)、青、・・・)、枠外色(黒(デフォルト)、黄色、・・・)の選択、照明用画像の周辺のぼかし度(弱、中(デフォルト)、強)の選択、ズーム画角(最広角(デフォルト)、広角、中、望遠、最望遠)の選択、投影面に対するフォーカス位置(最近非合焦状態、合焦状態、最遠非合焦状態(デフォルト))の選択、及び輝度(暗(デフォルト)、中、明)の選択等を含む。
【0088】
なお、上記括弧内に記載した内容、デフォルト設定は、具体例であって、任意に設定可能なものである。
【0089】
照明設定の変更処理を実行すると、続いてCPU29は、その変更設定された照明設定の内容を保持するべくプログラムメモリ31内に記憶させた上で(ステップM118)、変更した照明設定を活かすべく上記ステップM110からの処理に戻る。
【0090】
また上記ステップM116でキー操作またはジェスチャ指示された内容が照明設定の変更でもないと判断した場合にCPU29は、キー操作またはジェスチャ指示の内容に対応するその他の処理を実行した上で(ステップM119)、上記ステップM110からの処理に戻る。
【0091】
以上詳述した如く本実施形態によれば、投影のために使用する投影光学系(ズーム機能やフォーカス調整機能、シフト機構等)のための駆動機構を照明モード時にも活用することで、多彩なバリエーションでシチュエーションに合わせた照明として使用することが可能となる。
【0092】
加えて上記実施形態では、照明モードを複数設け、それらから任意の1つを選択して照明を実行可能としたので、状況や嗜好に合わせて任意の照明モードを選択して照明させることが可能となる。
【0093】
また上記実施形態では、スポット照明モードで照明範囲内にある被写体の形状を認識してその形状に合わせた形状のスポット光を選択、あるいは作成した上で照明するものとしたので、被写体の形状を活かした効果的な照明を実現できる。
【0094】
さらに上記実施形態では、照明で用いる色を被写体の色を認識して設定することが可能としたので、例えば被写体の色が映えるような色で照明することにより、好適なスポット効果を奏することができる。
【0095】
また上記実施形態では、設定当初に予備照明としてテスト用の画像を用いた照明を行なうことで、被写体の形状や色を正確に認識し、適切な照明に活用することができる。
【0096】
さらに上記実施形態では、投影レンズ部18を構成するレンズ光学系のズームレンズやフォーカスレンズの各位置を照明モードに合わせて制御するものとしたので、各照明モードに対応して投影系の機構を有効に活用し、より多彩で表現力に富んだ照明を実現できる。
【0097】
特に上記実施形態では、ぼかし照明モードで意図的にフォーカスレンズを最遠または最近側に位置させるなど、非合焦状態による自然なぼかし効果を演出できるようにした。
【0098】
また上記実施形態では、特に投影レンズ部18を構成するレンズ光学系のズームレンズにより照明モードに適した投影画角での照明を行なうものとしたので、例えばスポット照明モードでは、光源部16の発する光を有効に利用して、必要な照明範囲に合わせてより明るい照明光による照明を実現でき、照明モードに適した画角で効果的な照明を行なうことができる。
【0099】
なお上記実施形態は、本発明をDLP(登録商標)方式を採用した天井据付け型の照明兼用プロジェクタ装置に適用した場合について説明したものであるが、本発明はプロジェクタ方式や据付け場所、光源の発光素子、各種センサの構成等を限定するものではない。
【0100】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0101】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
請求項1記載の発明は、光源と、画像信号を入力する入力手段と、上記光源からの光を用い、上記入力手段で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影光学系を含んだ投影手段と、上記入力手段で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影モードと、上記光源からの光を用いて照明を行なう照明モードとを選択的に設定するモード設定手段と、照明用画像信号を記憶する画像記憶手段と、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記画像記憶手段から上記照明用画像信号を読出し、上記入力手段で入力した画像信号に代えて上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる画像制御手段と、上記投影手段による投影対象までの距離を測定する測距手段と、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記測距手段で得た投影対象までの距離に基づき、上記投影手段の投影光学系を上記投影モード時は異なる状態に調整する光学制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0102】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記光学制御手段は、上記投影手段の投影光学系の投影画角、フォーカス及びシフト機構の少なくとも一つを上記投影モード時は異なる状態に調整することを特徴とする。
【0103】
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、上記モード設定手段で設定する照明モードは、複数の照明モードを含むことを特徴とする。
【0104】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、上記画像記憶手段は、複数の照明用画像信号を記憶し、上記画像制御手段は、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記画像記憶手段から設定された照明モードに対応した上記照明用画像信号を読出して、上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させることを特徴とする。
【0105】
請求項5記載の発明は、上記請求項1乃至4何れか記載の発明において、上記投影手段により光像を投影する投影対象面を撮像する撮像手段をさらに具備することを特徴とする。
【0106】
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、上記撮像手段で得た投影対象面の画像から、被写体の形状を認識する形状認識手段をさらに具備し、上記画像制御手段は、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記形状認識手段で認識した被写体の形状に対応した上記照明用画像信号を読出して、上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させることを特徴とする。
【0107】
請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、上記形状認識手段で認識した被写体の形状に応じた照明用画像信号を作成する画像作成手段をさらに具備し、上記画像制御手段は、上記形状認識手段で認識した被写体の形状に対応した照明用画像信号が上記画像記憶手段になかった場合、上記投影手段により上記画像作成手段で作成した照明用画像信号に応じた光像を投影させることを特徴とする。
【0108】
請求項8記載の発明は、上記請求項6または7記載の発明において、上記投影手段は、投影画角が調整可能な投影光学系を含み、上記光学制御手段は、上記形状認識手段で認識した被写体の形状に基づいて、上記投影手段の投影光学系を上記投影モード時は異なる投影画角に調整することを特徴とする。
【0109】
請求項9記載の発明は、上記請求項5乃至8何れか記載の発明において、上記撮像手段で得た投影対象面の画像から、被写体の色を認識する色認識手段をさらに具備し、上記画像制御手段は、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記色認識手段で認識した被写体の色に対応した上記照明用画像信号を読出して、上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させることを特徴とする。
【0110】
請求項10記載の発明は、上記請求項5乃至9何れか記載の発明において、上記画像記憶手段は、投影手段により光像を投影する投影対象面の被写体の形状または色を判断するためのテスト照明用画像信号を記憶し、上記画像制御手段は、上記撮像手段による投影対象面の画像撮影時に上記画像記憶手段からテスト照明用画像信号を読出して、上記投影手段により上記テスト照明用画像信号に応じた光像を投影させることを特徴とする。
【0111】
請求項11記載の発明は、上記請求項3乃至10何れか記載の発明において、上記光学制御手段は、上記モード設定手段による照明モード設定時に、設定された照明モードに応じて上記投影手段の投影光学系を異なる状態に調整することを特徴とする。
【0112】
請求項12記載の発明は、上記請求項1乃至11何れか記載の発明において、上記投影手段は、フォーカスを調整可能な投影光学系を含み、上記光学制御手段は、照明モード設定時に、上記投影手段の投影光学系を非合焦状態に調整することを特徴とする。
【0113】
請求項13記載の発明は、光源、画像信号を入力する入力部、上記光源からの光を用い、上記入力部で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影光学系を含んだ投影部を備えた装置での投影制御方法であって、上記入力部で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影モードと、上記光源からの光を用いて照明を行なう照明モードとを選択的に設定するモード設定工程と、上記モード設定工程による照明モード設定時に、照明用画像信号を記憶する画像記憶部から上記照明用画像信号を読出し、上記入力部で入力した画像信号に代えて上記投影部により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる画像制御工程と、上記投影部による投影対象までの距離を測定する測距工程と、上記モード設定工程による照明モード設定時に、上記測距工程で得た投影対象までの距離に基づき、上記投影部の投影光学系を上記投影モード時は異なる状態に調整する光学制御工程とを有したことを特徴とする。
【0114】
請求項14記載の発明は、光源、画像信号を入力する入力部、上記光源からの光を用い、上記入力部で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影光学系を含んだ投影部を備えた装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、上記入力部で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影モードと、上記光源からの光を用いて照明を行なう照明モードとを選択的に設定するモード設定手段、上記モード設定手段による照明モード設定時に、照明用画像信号を記憶する画像記憶部から上記照明用画像信号を読出し、上記入力部で入力した画像信号に代えて上記投影部により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる画像制御手段、上記投影部による投影対象までの距離を測定する測距手段、及び上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記測距手段で得た投影対象までの距離に基づき、上記投影部の投影光学系を上記投影モード時は異なる状態に調整する光学制御手段として機能させることを特徴とする。
【符号の説明】
【0115】
10…照明プロジェクタ、11…無線LANアンテナ、12…無線LANインタフェース(I/F)、13…入力部、14…投影画像駆動部、15…マイクロミラー素子、16…光源部、17…ミラー、18…投影レンズ部、19…レンズモータ(M)、20…撮影レンズ部、21…CMOSイメージセンサ、22…A/D変換器、23…撮影画像処理部、24…レンズモータ(M)、25…レンズ、26…赤外線センサ、27…レンズ、28…照度センサ、29…CPU、30…メインメモリ、31…プログラムメモリ、31A…照明用画像記憶部、31B…ジェスチャ内容記憶部、32…操作部、33…音声処理部、34…スピーカ部、SB…システムバス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
画像信号を入力する入力手段と、
上記光源からの光を用い、上記入力手段で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影光学系を含んだ投影手段と、
上記入力手段で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影モードと、上記光源からの光を用いて照明を行なう照明モードとを選択的に設定するモード設定手段と、
照明用画像信号を記憶する画像記憶手段と、
上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記画像記憶手段から上記照明用画像信号を読出し、上記入力手段で入力した画像信号に代えて上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる画像制御手段と、
上記投影手段による投影対象までの距離を測定する測距手段と、
上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記測距手段で得た投影対象までの距離に基づき、上記投影手段の投影光学系を上記投影モード時は異なる状態に調整する光学制御手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項2】
上記光学制御手段は、上記投影手段の投影光学系の投影画角、フォーカス及びシフト機構の少なくとも一つを上記投影モード時は異なる状態に調整することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
上記モード設定手段で設定する照明モードは、複数の照明モードを含むことを特徴とする請求項1または2記載の投影装置。
【請求項4】
上記画像記憶手段は、複数の照明用画像信号を記憶し、
上記画像制御手段は、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記画像記憶手段から設定された照明モードに対応した上記照明用画像信号を読出して、上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる
ことを特徴とする請求項3記載の投影装置。
【請求項5】
上記投影手段により光像を投影する投影対象面を撮像する撮像手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4何れか記載の投影装置。
【請求項6】
上記撮像手段で得た投影対象面の画像から、被写体の形状を認識する形状認識手段をさらに具備し、
上記画像制御手段は、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記形状認識手段で認識した被写体の形状に対応した上記照明用画像信号を読出して、上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる
ことを特徴とする請求項5記載の投影装置。
【請求項7】
上記形状認識手段で認識した被写体の形状に応じた照明用画像信号を作成する画像作成手段をさらに具備し、
上記画像制御手段は、上記形状認識手段で認識した被写体の形状に対応した照明用画像信号が上記画像記憶手段になかった場合、上記投影手段により上記画像作成手段で作成した照明用画像信号に応じた光像を投影させる
ことを特徴とする請求項6記載の投影装置。
【請求項8】
上記投影手段は、投影画角が調整可能な投影光学系を含み、
上記光学制御手段は、上記形状認識手段で認識した被写体の形状に基づいて、上記投影手段の投影光学系を上記投影モード時は異なる投影画角に調整する
ことを特徴とする請求項6または7記載の投影装置。
【請求項9】
上記撮像手段で得た投影対象面の画像から、被写体の色を認識する色認識手段をさらに具備し、
上記画像制御手段は、上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記色認識手段で認識した被写体の色に対応した上記照明用画像信号を読出して、上記投影手段により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる
ことを特徴とする請求項5乃至8何れか記載の投影装置。
【請求項10】
上記画像記憶手段は、投影手段により光像を投影する投影対象面の被写体の形状または色を判断するためのテスト照明用画像信号を記憶し、
上記画像制御手段は、上記撮像手段による投影対象面の画像撮影時に上記画像記憶手段からテスト照明用画像信号を読出して、上記投影手段により上記テスト照明用画像信号に応じた光像を投影させる
ことを特徴とする請求項5乃至9何れか記載の投影装置。
【請求項11】
上記光学制御手段は、上記モード設定手段による照明モード設定時に、設定された照明モードに応じて上記投影手段の投影光学系を異なる状態に調整することを特徴とする請求項3乃至10何れか記載の投影装置。
【請求項12】
上記投影手段は、フォーカスを調整可能な投影光学系を含み、
上記光学制御手段は、照明モード設定時に、上記投影手段の投影光学系を非合焦状態に調整する
ことを特徴とする請求項1乃至11いずれか記載の投影装置。
【請求項13】
光源、画像信号を入力する入力部、上記光源からの光を用い、上記入力部で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影光学系を含んだ投影部を備えた装置での投影制御方法であって、
上記入力部で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影モードと、上記光源からの光を用いて照明を行なう照明モードとを選択的に設定するモード設定工程と、
上記モード設定工程による照明モード設定時に、照明用画像信号を記憶する画像記憶部から上記照明用画像信号を読出し、上記入力部で入力した画像信号に代えて上記投影部により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる画像制御工程と、
上記投影部による投影対象までの距離を測定する測距工程と、
上記モード設定工程による照明モード設定時に、上記測距工程で得た投影対象までの距離に基づき、上記投影部の投影光学系を上記投影モード時は異なる状態に調整する光学制御工程と
を有したことを特徴とする投影制御方法。
【請求項14】
光源、画像信号を入力する入力部、上記光源からの光を用い、上記入力部で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影光学系を含んだ投影部を備えた装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、
上記コンピュータを、
上記入力部で入力した画像信号に応じた光像を形成して投影する投影モードと、上記光源からの光を用いて照明を行なう照明モードとを選択的に設定するモード設定手段、
上記モード設定手段による照明モード設定時に、照明用画像信号を記憶する画像記憶部から上記照明用画像信号を読出し、上記入力部で入力した画像信号に代えて上記投影部により上記照明用画像信号に応じた光像を投影させる画像制御手段、
上記投影部による投影対象までの距離を測定する測距手段、及び
上記モード設定手段による照明モード設定時に、上記測距手段で得た投影対象までの距離に基づき、上記投影部の投影光学系を上記投影モード時は異なる状態に調整する光学制御手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76923(P2013−76923A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217790(P2011−217790)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】