説明

抗うつ薬および抗不安薬としてのベンゾフラノキシエチルアミン

5HT1Aレセプターおよび/または5HT1Dレセプターへの強力な親和性を有する、式(I)
【化1】


式中、R、R、R、R、mおよびnは、請求項1に示した意味を有する、
で表される新規なベンゾフラノキシエチルアミン。この化合物は、セロトニン再取り込みを阻害し、セロトニン−アゴニストおよびアンタゴニスト特性を示し、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、神経遮断薬および/または抗高張薬として適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】

式中、
は、Hまたは、OH、OA、CN、Hal、CORもしくはCHRによる単置換もしくは二置換を示し、
Rは、OH、OA、NH、NHAまたはNAを示し、
、Rは、HまたはAを示し、
は、Hまたは、OH、OA、NH、NHA、NA、CN、Hal、CORもしくはCHRによる単置換もしくは二置換を示し、
Aは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、2、3、4、5または6を示し、
nは、1、2、3または4を示す、
で表されるベンゾフラノキシエチルアミン並びに、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体に関する。
【0002】
本発明は、価値ある特性を有する新規な化合物、特に医薬の製造に用いられる化合物を見出す目的を有していた。
他のインドール誘導体は、EP 648767 (Merck)またはWO 99/51575 (American Home Prod.)から知られている。
【0003】
本発明の式Iで表される化合物およびこれらの生理学的に許容し得る酸付加塩は、これらが、セロトニン作動性伝達に影響する点で、中枢神経系に対する作用、特に5−HT再取り込み阻害作用を有するため、良好に許容される一方、価値ある薬理学的特性を有することが見出された。これらは、5−HTレセプターへの親和性を有し、サブタイプ5HT1Aは、特に好ましい。5HTにおいて、Xは1A、1D、2A、2C、3または4を示す。
【0004】
この化合物がまた、セロトニン再取り込みを阻害するため、これらは、特に、抗うつ薬および抗不安薬として適する。この化合物は、セロトニンアゴニストおよびアンタゴニスト特性を示す。これらは、トリチウム標識したセロトニンリガンドの海馬レセプターへの結合(Cossery et al., European J. Pharmacol. 140 (1987), 143-155)を阻害し、シナプトソームセロトニン再取り込み(Sherman et al., Life Sci. 23 (1978), 1863-1870)を阻害する。
【0005】
セロトニン再取り込み阻害のエクスビボ例証を、シナプトソーム取り込み阻害(Wong et al., Neuropsychopharmacol. 8 (1993), 23-33)およびp−クロロアンフェタミン拮抗作用(Fuller et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 212 (1980), 115-119)を用いて行う。
【0006】
式Iで表される化合物の結合特性を、特に、既知の5−HT1A(セロトニン)結合試験(5−HT1A(セロトニン)結合試験:Eur. J. Pharmacol.: 140, 143-155 (1987)を参照したMatzen et al., J. Med. Chem., 43, 1149-1157, (2000)、特に1156頁)により決定することができる。
【0007】
本発明の化合物を、セロトニン神経伝達物質系に関連し、例えば高い親和性のセロトニンレセプター(5−HT1Aレセプター)が伴う疾患の処置のために、用いることができる。
【0008】
従って、式Iで表される化合物は、獣医学およびまたヒト医学の両方において、中枢神経系の機能不全および炎症の処置に適する。これらを、脳梗塞(脳卒中)の結果、例えば発作および脳虚血を予防し、これに対処するために、並びに神経遮断薬の錐体外路運動副作用およびパーキンソン病を処置するために、アルツハイマー病の急性および対症療法のために、並びに筋萎縮性側索硬化症の処置のために、用いることができる。これらは、同様に、脳および脊髄外傷の処置のための治療薬として適する。しかし、特に、これらは、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、神経遮断薬、抗高張薬(antihypertonics)のための、および/または強迫性障害(OCD)、不安状態、不安発作、精神病、食欲不振症、妄想強迫、片頭痛、アルツハイマー病、睡眠障害、遅発性運動障害、学習障害、年齢依存性記憶障害、摂食障害、例えば過食症、薬剤誤用および/または性的機能不全に正に影響するための医薬活性成分として適する。
【0009】
一般式Iで表される化合物の投与についての重要な適応症は、すべてのタイプの精神病、特にまた統合失調症群からの精神疾患である。さらに、化合物をまた、認知能力における欠陥を低下させるために、即ち学習能力および記憶を改善するために用いることができる。一般式Iで表される化合物はまた、アルツハイマー病の徴候に対処するのに適する。さらに、本発明の一般式Iで表される物質は、脳梗塞(脳卒中)、例えば脳発作および脳虚血の予防および抑制に適する。この物質は、さらに、病理学的不安状態、過剰興奮(overexcitation)、機能亢進並びに小児および若年者における注意障害、重篤な発育障害および精神的遅延を伴う社会的挙動の障害、うつ症、狭い意味での妄想障害(OCD)および広い意味での妄想障害(OCSD)、ある性的機能不全、睡眠障害および栄養素取り込みにおける障害、並びに年齢痴呆およびアルツハイマータイプの痴呆の一部としての精神医学的徴候、即ち最も広い意味での中枢神経系の疾患などの疾患を処置するのに適する。
【0010】
式Iで表される化合物は、同様に、錐体外路運動疾患の処置に、慣用の抗パーキンソン病医薬に伴う錐体外路運動疾患の処置において生じる副作用の処置に、または神経遮断薬により誘発された錐体外路徴候(EPS)の処置に適する。
【0011】
錐体外路運動疾患は、例えば、特発性パーキンソン病、パーキンソン症候群、運動障害、舞踏病またはジストニア症候群、振戦、ジル・ド・ラ・トゥーレット症候群、バリズム、筋肉けいれん、レストレスレッグス症候群、ウィルソン病、レーヴィ体痴呆、ハンティントンおよびトゥーレット症候群である。
【0012】
本発明の化合物はまた、神経変性疾患、例えばラティリスム、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンティントン病の処置に特に適する。
【0013】
式Iで表される化合物は、慣用のパーキンソン病の医薬に伴う特発性パーキンソン病の処置において生じる副作用の処置に特に適する。従って、これらをまた、パーキンソン病の処置における上乗せ療法として用いることができる。既知のパーキンソン病の医薬は、薬剤、例えばL−ドパ(レボドパ)およびベンセラジドまたはカルビドパと組み合わせたL−ドパ、ドーパミンアゴニスト、例えばブロモクリプチン、アポモルヒネ、カベルゴリン、プラミペキソール、ロピニロール、ペルゴリド、ジヒドロ−α−エルゴクリプチンまたはリスリドおよびドーパミンレセプターの刺激をもたらすすべての医薬、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)の阻害剤、例えばエンタカポンまたはトルカポン、モノアミンオキシダーゼ(MAO)の阻害剤、例えばセレジリンおよびD−アスパラギン酸N−メチル(NMDA)レセプターのアンタゴニスト、例えばアマンタジンまたはブジピンである。
【0014】
従って、一般式Iで表される化合物並びにこれらの許容される塩および溶媒和物を、医薬、例えば抗不安薬、抗うつ薬、神経遮断薬および/または抗高張薬のための活性成分として用いることができる。
【0015】
生物体における医薬活性成分の取り込みの基準は、この生物学的利用能である。
医薬活性成分が、静脈内で、生物体に、注射溶液の形態で供給される場合には、この絶対的な生物学的利用能、即ち全身的な血液、即ち一般的な循環に、不変の形態で達する薬剤の割合は、100%である。
【0016】
治療的活性成分の経口投与の場合において、活性成分は、一般的には、配合物中で固体の形態であり、従って先ず溶解して、進入障壁、例えば消化管、口粘膜、鼻粘膜もしくは皮膚、特に角質層を克服することができなければならないか、または体により吸収され得る。即ち生物学的利用能に関する薬物動態学的データは、J. Shaffer et al, J. Pharm. Sciences, 1999, 88, 313-318の方法と同様にして得られる。
【0017】
治療的活性成分の吸収性の他の基準は、logD値である。その理由は、この値は、分子の親油性の基準であるからである。
一般式Iで表される化合物が、光学的に活性である場合には、式Iは、両方の各々単離された光学的対掌体およびまた、すべての考えられる組成における、対応する場合によってはラセミ混合物を包含する。
【0018】
式Iで表される化合物の溶媒和物の用語は、これらの相互引力のために形成される式Iで表される化合物上への不活性溶媒分子の付加を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば、一もしくは二水和物または、アルコール、例えばメタノールもしくはエタノールでの付加化合物である。
【0019】
本発明は、請求項1の式Iで表される化合物およびこれらの塩および溶媒和物並びに、式Iで表される化合物およびこれらの塩、溶媒和物および立体異性体の製造方法であって、
式II
【化2】

式中、
、R、Halおよびmは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物を、式III
【0020】
【化3】

式中、
、R、Rおよびnは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
および/または
式Iで表される塩基性または酸性化合物を、この塩または溶媒和物の1種に、酸または塩基での処理により変換する
ことを特徴とする、前記方法に関する。
【0021】
薬学的に使用可能な誘導体の用語は、例えば、本発明の化合物の塩およびいわゆるプロドラッグ化合物を意味するものと解釈される。
プロドラッグ誘導体の用語は、例えば、アルキルもしくはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾されており、生物体中で迅速に開裂されて、本発明の活性化合物を形成する、式Iで表される化合物を意味するものと解釈される。
これらはまた、例えばInt. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)に記載されているように、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体を含む。
【0022】
Aは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示し、非分枝状(直鎖状)または分枝状である。特に好ましいのは、メチルまたはエチルである。
Aはまた、シクロアルキルを示す。
シクロアルキルは、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。
【0023】
Halは、好ましくは、F、Cl、Br、しかしまたIを示す。
OAは、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシまたはtert−ブトキシを示す。
Rは、好ましくは、NH、OH、O−メチルまたはO−エチルを示す。
は、好ましくはCNまたはFを示す。
は、好ましくはHまたはメチルを示す。
は、好ましくはHまたはメチルを示す。
は、好ましくはCONH、COOC、CONHAを示す。
mは、好ましくは2または3を示す。
nは、好ましくは2または4を示す。
【0024】
従って、本発明は、特に、前述の基の少なくとも1つが、上記で示した好ましい意味の1つを有する、式Iで表される化合物に関する。
【0025】
式Iで表される請求項1に記載の化合物およびまたこれらの製造のための出発物質は、さらに、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているような自体公知の方法により、正確には、知られており、前述の反応に適する反応条件の下で、製造される。また、ここで、自体公知であり、ここでは一層詳細には述べない変法を用いることができる。
【0026】
所望により、出発物質をまた、インサイチュ(in situ)で生成して、これらが反応混合物から単離されず、代わりに直ちにさらに、式Iで表される請求項1に記載の化合物に変換されるようにすることができる。
式IIおよびIIIで表される出発化合物は、一般的に知られている。しかし、これらが新規である場合には、これらを、自体公知の方法により製造することができる。
式Iで表される化合物を、式IIで表される化合物を式IIIで表される化合物と、標準的な条件の下で反応させることにより、製造することができる。
【0027】
反応を、一般的に、不活性溶媒中で、酸結合剤、好ましくはアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩またはアルカリもしくはアルカリ土類金属、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムもしくはセシウムの弱酸の他の塩の存在下で行う。有機塩基、例えばエチルジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンの添加はまた、好適であり得る。反応時間は、用いる条件に依存して、数分〜14日の間であり、反応温度は、約0℃〜150℃、通常20℃〜130℃である。
【0028】
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム(diglyme));ケトン、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド、例えばアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル、例えば酢酸エチルまたは前述の溶媒の混合物である。
【0029】
エステルを、例えば、酢酸を用いて、または水中のNaOHもしくはKOH、水/THFもしくは水/ジオキサンを用いて、0〜100℃の温度において鹸化することができる。
遊離のアミノ基を、さらに慣用の方法で、酸塩化物もしくは無水物を用いてアシル化するか、または非置換もしくは置換ハロゲン化アルキルを用いてアルキル化するか、またはCH−C(=NH)−OEtと、有利には不活性溶媒、例えばジクロロメタンもしくはTHF中で、および/または塩基、例えばトリエチルアミンもしくはピリジンの存在下で、−60〜+30℃の温度において反応させることができる。
【0030】
式Iで表される塩基を、酸を用いて関連する酸付加塩に、例えば等量の塩基および酸を、不活性溶媒、例えばエタノール中で反応させ、続いて蒸発させることにより、変換することができる。この反応に適する酸は、特に、生理学的に許容し得る塩を生成する酸である。従って、無機酸、例えば硫酸、亜硫酸、二チオン酸、硝酸、ハロゲン化水素酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸、リン酸、例えばオルトリン酸、スルファミン酸、さらに有機酸、特に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)、芳香族もしくは複素環式一もしくは多塩基カルボン酸、スルホン酸もしくは硫酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンもしくはエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリメトキシ安息香酸、アダマンタンカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、エンボン酸、クロロフェノキシ酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、グリオキシル酸、パルミチン酸、パラ−クロロフェノキシイソ酪酸、シクロヘキサンカルボン酸、グルコース1−リン酸塩、ナフタレンモノおよびジスルホン酸またはラウリル硫酸を用いることが可能である。生理学的に許容し得ない酸との塩、例えばピクリン酸塩を、式Iで表される化合物の単離および/または精製のために用いることができる。
【0031】
他方、式Iで表される化合物を、対応する金属塩、特にアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩に、または対応するアンモニウム塩に、塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム)を用いて変換することができる。
【0032】
本発明はまた、医薬活性成分としての、式Iで表される請求項1に記載の化合物およびこれらの生理学的に許容し得る塩または溶媒和物に関する。
本発明は、さらに、5HT1A、5HT1D、5HT2Aアゴニストとしての、および5−HT再取り込みの阻害剤としての、式Iで表される化合物およびこれらの生理学的に許容し得る塩または溶媒和物に関する。
【0033】
本発明はまた、疾患に対処するにあたり用いるための、式Iで表される請求項1に記載の化合物およびこれらの生理学的に許容し得る塩または溶媒和物に関する。
本発明の式Iで表される化合物は、これらの分子構造のためにキラルであり得、従って種々の鏡像体形態で存在することができる。従って、これらは、ラセミ体で、または光学的に活性な形態で存在することができる。
【0034】
本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的活性が、異なり得るため、鏡像体を用いるのが望ましい場合がある。これらの場合において、最終生成物またはさらに中間体を、鏡像体化合物に、当業者に知られている化学的もしくは物理的手段で分離するか、またはさらに合成においてこのようなものとして用いることができる。
【0035】
本発明は、さらに、特に非化学的方法による、医薬(医薬組成物)の製造への、式Iで表される化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得る塩の使用に関する。これらを、ここで、少なくとも1種の固体、液体および/または半液体添加剤または補助剤と共に、および所望により、1種または2種以上の他の活性成分と組み合わせて、好適な投薬形態に変換することができる。
【0036】
本発明は、さらに、式Iで表される少なくとも1種の化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、並びに随意に補形剤および/または補助剤を含む、医薬に関する。
【0037】
本発明は、さらに、一般式Iで表される化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の、ヒトもしくは動物疾患、特に中枢神経系の疾患、例えば病理学的ストレス状態、うつ症および/または精神病の処置に、(例えばアルファ−メチルドパでの)高血圧の処置における副作用の低下に、内分泌科および/または婦人科の疾患の処置に、例えば先端巨大症、性腺機能低下症、続発性無月経、月経後症候群および思春期における不所望な催乳の処置に、並びにある麦角アルカロイドと同様の方法での特に老人病科における脳疾患(例えば片頭痛)の予防および療法に、並びに脳梗塞(脳卒中)、例えば脳卒中および脳虚血の抑制および予防に、錐体外路運動疾患の処置に、慣用の抗パーキンソン病医薬に伴う錐体外路運動疾患の処置において生じる副作用の処置に、または神経遮断薬により誘発された錐体外路徴候(EPS)の処置に適する医薬の製造のための使用に関する。さらに、一般式Iで表される化合物を含む医薬組成物および医薬は、認知能力を改善するのに、およびアルツハイマー病の徴候を処置するのに適する。
【0038】
特に、このタイプの医薬は、統合失調症群からの精神疾患を処置するのに、および精神病的不安状態に対処するのに適する。本発明の目的のために、処置の用語は、ヒトまたは動物疾患の予防および療法を含む。
【0039】
本発明は、さらに、式Iで表される化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の、セロトニン神経伝達物質系に関連し、高い親和性のセロトニンレセプター(5−HT1Aレセプター)および/または5HT1Dレセプターが伴う疾患に対処するための医薬の製造のための使用に関する。
【0040】
本発明は、さらに、式Iで表される化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の、抗不安薬、抗うつ薬、神経遮断薬および/または降圧薬としての医薬の製造のための使用に関する。
【0041】
一般式Iで表される物質を、通常、既知の商業的に入手可能な医薬組成物(例えばブロモクリプチンおよびジヒドロエルゴコルニンの)と同様にして、好ましくは投薬単位あたり0.2〜500mg、特に0.2〜15mgの投与量で投与する。毎日の投薬単位は、体重1kgあたり0.001〜10mgである。低い用量(投薬単位あたり0.2〜1mg、体重1kgあたり0.001〜0.005mgの)は、片頭痛の処置のための医薬組成物に特に適する。投薬単位あたり10〜50mgの用量が、他の適応症のために好ましい。しかし、投与されるべき用量は、多数の因子、例えば対応する成分の効能、年齢、体重および患者の健康の一般的状態に依存する。
【0042】
本発明は、さらに、式Iで表される少なくとも1種の化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、並びに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む、医薬に関する。
【0043】
本発明はまた、
(a)式Iで表される化合物および/または、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の有効量、
並びに
(b)有効量の他の医薬活性成分
の個別のパックからなる、セット(キット)に関する。
【0044】
このセットは、好適な容器、例えば箱、個別の瓶、袋またはアンプルを含む。このセットは、例えば、個別のアンプルを含むことができ、各々は、式Iで表される化合物および/または、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の有効量、並びに溶解したかまたは凍結乾燥された形態での、有効量の他の医薬活性成分を含む。
【0045】
本明細書中、すべての温度を、℃で示す。以下の例において、「慣用の精製操作(work-up)」は、以下のことを意味する:所要に応じて水を加え、pHを、所要に応じて、最終生成物の構成に依存して、2〜10の値に調整し、混合物を、酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、生成物を、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより、調製用HPLCにより、および/または結晶化により精製する。精製された化合物を、随意に凍結乾燥する。
質量分析法(MS):EI(電子衝突イオン化)M
FAB(迅速原子衝撃)(M+H)
ESI(エレクトロスプレー(electrospray)イオン化)(M+H)
(他に述べない限り)
【0046】
例1
7−{2−[2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミドの調製:
合成スキーム:
【化4】

【0047】
7−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステルの調製:
2gの7−メトキシベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステルを、50mlのジクロロメタンに溶解する。溶液を、−15℃に冷却し、8.5mlの三臭化ホウ素を、Nの下で加える。反応混合物を、この温度で約3時間および室温で一晩撹拌する。10mlのメタノールおよび20mlのNaCl溶液を加え、混合物を、酢酸エチルで抽出する。
【0048】
有機相を混ぜ合わせ、乾燥し、蒸発させる。残留物を、石油エーテルで粉砕し、濾別し、乾燥し、1.87gの7−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸が得られる。
カルボン酸を、30mlのエタノールに溶解し、約0℃に冷却する。1.5mlの塩化チオニルを、ゆっくりと滴加し、混合物を、室温で一晩放置して撹拌する。
水を、溶液に加え、この間、所望の生成物が沈殿し、1.5gの7−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステルが得られる。
EI−MS(M) 205
【0049】
同一の方法において、メタノールをエタノールの代わりに用いた場合には、7−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸メチルエステルが得られる。
EI−MS(M) 192
【0050】
7−(2−クロロエトキシ)ベンゾフラン−2−カルボン酸メチルエステルの調製:
2.8gの前に得られた7−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸メチルエステルおよび5.2mlの1−ブロモ−2−クロロエタンを、60mlのアセトンに溶解し、2gの炭酸カリウムおよび20mlのヨウ化カリウムを加える。全体の混合物を、2日間還流の下で沸騰させる。
精製操作のために、溶媒を、ロタベーパー(Rotavapor)中で除去する。水を、残留物に加え、次にこれを、酢酸エチルで抽出する。全体の有機相を、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過し、溶媒を、ロタベーパー中で除去し、2.8gの所望の物質が得られる。
HPLC−MS(M+H) 255
【0051】
7−{2−[2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミドの調製:
上記で調製した物質318mgおよび215mgの2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチルアミンを、10mlのアセトニトリルに溶解する。415mgの炭酸カリウムおよび83mgのヨウ化カリウムを加える。混合物を、還流の下で約3日間放置して沸騰させる。
精製操作のために、反応混合物を、水/氷に加える。混合物を、酢酸エチルで抽出する。全体の有機相を、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過し、溶媒を、ロタベーパー中で除去する。
精製のために、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーを、行う(ジクロロメタン/メタノール 9/1)。
80mgの7−{2−[2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステルを、単離する。
HPLC−ESI−MS(M+H) 397
【0052】
エステルを、2mlのメタノールに溶解し、4mlの25%アンモニア溶液を加える。全体の混合物を、一晩室温で撹拌する。精製のために、調製用HPLCを行う:
カラム:RP18(7mum)リクロソルブ(Lichrosorb)250×25(Art.No. 151494)
溶離剤:A=98HO、2CHCN+0.1%のTFA
B=10HO、90CHCN+0.1%のTFA
UV:225NM;
流量:10ml/分(1フラクション=1分)
勾配:0分 15%のB
5分 15%のB
50分 80%のB
70分 95%
23mgの所望の物質が得られる。
HPLC−ESI−MS(M+H) 382
【0053】
b)以下の生成物のすべては、例の合成と同様にして、前に示した合成スキームおよび作業手順により得られる。
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
【表3】

【0056】
【表4】

【0057】
前述の例の特徴づけ:
【表5】

EI−MS:電子衝突質量分析
ESI−MS:エレクトロスプレー質量分析
MALDI−MS:マトリックス補助レーザー脱着/イオン化質量分析
【0058】
以下の例は、医薬組成物に関する:
例A:注射バイアル
100gの式Iで表される活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの2回蒸留水に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
【0059】
例B:座剤
20gの式Iで表される活性成分の混合物を、100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターと共に溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
【0060】
例C:溶液
1gの式Iで表される活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの2回蒸留水中に溶液を調製する。pHを、6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
【0061】
例D:軟膏
500mgの式Iで表される活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
【0062】
例E:錠剤
1kgの式Iで表される活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して、錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
【0063】
例F:被覆した錠剤
例Eと同様にして、錠剤を圧縮し、その後、慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
【0064】
例G:カプセル
2kgの式Iで表される活性成分を、硬質ゼラチンカプセル中に、慣用の方法で導入して、各々のカプセルが、20mgの活性成分を含むようにする。
【0065】
例H:アンプル
1kgの式Iで表される活性成分を60lの2回蒸留水に溶解した溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。
【0066】
例I:吸入スプレー
14gの式Iで表される活性成分を、10lの等張性NaCl溶液に溶解し、この溶液を、ポンプ機構を有する商業的に入手し得るスプレー容器中に移送する。溶液を、口または鼻中にスプレーすることができる。1回のスプレー噴射(約0.1ml)は、約0.14mgの用量に相当する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、
は、HまたはOH、OA、CN、Hal、CORもしくはCHRによる単置換または二置換を示し、
Rは、OH、OA、NH、NHAまたはNAを示し、
、Rは、HまたはAを示し、
は、Hまたは、OH、OA、NH、NHA、NA、CN、Hal、CORもしくはCHRによる単置換もしくは二置換を示し、
Aは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、2、3、4、5または6を示し、
nは、1、2、3または4を示す、
で表される化合物並びに、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体。
【請求項2】
が、CNまたはFを示し、
Rが、NH、OH、O−メチルまたはO−エチルを示す、
請求項1に記載の化合物並びに、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体。
【請求項3】
が、Hまたはメチルを示し、
が、Hまたはメチルを示す、
請求項1または2に記載の化合物並びに、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体。
【請求項4】
Aが、メチルまたはエチルを示す、
請求項1〜3のいずれかに記載の化合物並びに、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体。
【請求項5】
が、CONH、COOCまたはCONHAを示す、
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物並びに、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体。
【請求項6】
mが、2または3を示し、
nが、2または4を示す、
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物並びに、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体。
【請求項7】
4−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸メチルエステル、
5−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル、
6−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル、
4−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
7−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル、
7−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸メチルエステル、
7−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
7−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸、
5−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
5−{2−[2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
6−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
5−ブロモ−7−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸メチルエステル、
5−ブロモ−7−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
7−{2−[2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
7−{2−[4−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)ブチルアミノ]エトキシ}−5−ニトロベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
7−{2−[2−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ]エトキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
7−{3−[2−(5−シアノ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ]プロポキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド、
7−{3−[2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ]プロポキシ}ベンゾフラン−2−カルボン酸アミド
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の化合物並びにこれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の製造方法であって、
式II
【化2】

式中、
、R、Halおよびmは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物を、式III
【化3】

式中、
、R、Rおよびnは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
および/または
式Iで表される塩基性または酸性化合物を、この塩または溶媒和物の1種に、酸または塩基での処理により変換する
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
5HT1Aアゴニスト、5HT1Dおよび/または5HT2A並びに5−HT再取り込みの阻害剤としての、式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の化合物およびこれらの生理学的に許容し得る塩または溶媒和物。
【請求項10】
式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、並びに随意に補形剤および/または補助剤を含む、医薬。
【請求項11】
式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種の化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体、並びに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む、医薬。
【請求項12】
式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の、医薬の製造のための使用。
【請求項13】
式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の、セロトニン神経伝達物質系に関連し、高い親和性のセロトニンレセプター(5−HT1Aレセプター)および/または5HT1Dレセプターが関与する疾患に対処するための医薬の製造のための使用。
【請求項14】
式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の、抗不安薬、抗うつ薬、神経遮断薬および/または抗高張薬としての医薬の製造のための使用。
【請求項15】
式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の化合物および/またはすべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の、精神病、アルツハイマー病の徴候、病理学的不安状態、過剰興奮、機能亢進、小児および若年者における注意障害、重篤な発育障害および精神的遅延を伴う社会的挙動の障害、うつ症、狭い意味での妄想障害(OCD)および広い意味での妄想障害(OCSD)、性的機能不全、睡眠障害、栄養素取り込みにおける障害、並びに年齢痴呆およびアルツハイマータイプの痴呆の一部としての精神医学的徴候に対処するための、認知能力における欠陥を低下させるための、または脳梗塞(脳卒中)の予防および抑制のための、錐体外路運動疾患の処置のための、慣用の抗パーキンソン病医薬に伴う錐体外路運動疾患の処置において生じる副作用の処置のための、または神経遮断薬により誘発された錐体外路徴候(EPS)の処置のための医薬の製造のための使用。
【請求項16】
(a)式Iで表される請求項1〜7のいずれかに記載の化合物および/または、すべての比率での混合物を含む、これらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の有効量、並びに
(b)有効量の他の医薬活性成分
の個別のパックからなる、セット(キット)。

【公表番号】特表2006−517931(P2006−517931A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501556(P2006−501556)
【出願日】平成16年1月19日(2004.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000348
【国際公開番号】WO2004/074281
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】