説明

抗インテグリン活性を有するフルオロ−アルキル−シクロペプチド誘導体

式(I)の化合物:シクロ[NX−R−CO−NX−R−CO−NX−R−CO−NX−CO−NX−R−CO](式中、様々な基の意味は明細書中に記載するとおりである)は、インテグリン、特にαvβ3およびαvβ5ファミリーに属するものの阻害剤であり、したがって医薬、特に異常な血管新生の原因である疾患、例えば、網膜症、急性腎不全、骨粗鬆症および転移の治療のための医薬として有用である。本明細書に記載する化合物はまた、適当に標識すると診断薬としても有用であり、特に小さい腫瘤および動脈閉塞現象の検出と位置づけのために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載する本発明は、抗インテグリン活性を有するフルオロ-アルキル-シクロペプチド誘導体、特に下記式(I)に示すように、ペプチド結合の窒素上および/またはC-α位にフルオロ-アルキル基を含む環状ペプチド化合物に関する。本明細書に記載する本発明はまた、該化合物の調製方法、その医薬、特にインテグリン受容体の阻害剤として、抗血管新生および抗転移薬として有用な医薬としての使用およびそれを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
インテグリンは細胞接着現象に関与する一つのクラスの受容体である。それは2つのサブユニットαおよびβからなる糖タンパク質であり、様々なファミリーを形成する。さらなる詳細については、Kessler、H.、et al.、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、1997、36、1374-89を参照されたい。
【0003】
すべてのインテグリンは、共通ペプチド配列Arg-Gly-Asp(3つのアミノ酸を決定する一文字標記によるとRGDとも称される)を認識することが出来る「普遍的細胞認識部位」を有する。ただし、各インテグリンはこのトリペプチドのそれぞれ異なるコンホメーションを優先的に認識する(Kessler、H.、et al.、J. Am. Chem. Soc.、1996、118、7461-72)。
【0004】
β1インテグリンファミリーは組織編成に重要な役割を果たし、β2インテグリンは免疫系に重要であり、β3インテグリンは血液凝固プロセスおよび血管新生を調節する。
【0005】
薬化学の1つの目的はインテグリンファミリーと相互作用することが出来る化合物を医師に利用可能にすることであるが、インテグリンファミリーのそれぞれの生理病理学レベルにおいて果たす役割の多様性を鑑みると、様々なサブタイプに選択的に相互作用することが出来る化合物が求められる。
【0006】
本明細書に記載する本発明の目的は、血管新生機構に関与するインテグリンである。
【0007】
様々な成長因子の作用が内皮細胞上のインテグリンαvβ3(ビトロネクチン受容体)の発現を刺激する。その結果としての内皮細胞の血管新生刺激に向かう遊走の間に、αvβ3インテグリン受容体を有する膜は、細胞外マトリックス上に様々な形態にて存在するトリペプチド配列RGDに結合する。この結合により、タリン(thalin)、パキシリン(paxilin)、α-アクチニン、テンシン(tensin)、およびビンキュリン型の細胞骨格のタンパク質の蓄積が導かれる。これは遊走プロセスに有利であり、内皮細胞生存シグナルとして作用し、新しい血管の形成を伴う。可溶性RGDアナログの投与は受容体上のタンパク質の構築を妨げ、プログラムされた細胞死(アポトーシス)を導き、内皮細胞遊走に対抗し、新血管新生を妨げる(Giannis、A.、et al.、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、1997、36、588-90)。
【0008】
選択的に血管新生に関与する多くの分子の中でも、インテグリンは癌治療および制御されない新血管新生に関与するすべての疾患の有望な標的である。
【0009】
この対象についての最初の科学的研究(Saiki、I.、et al.、Jpn. J. Cancer Res.、1990、81:668-675)は、RGD配列を含むペプチドの、インテグリンを認識し、腫瘍における血管新生を阻害する作用を報告している。
【0010】
RGDトリペプチドは、かかる受容体の天然のリガンド、例えばビトロネクチン、フィブロネクチンおよびフィブリノーゲンに存在する。
【0011】
より最近の研究は、αvβ3およびαvβ5型インテグリンが内皮細胞腫瘍の血管新生において上昇しており、αvインテグリンの抗体、RGD環状ペプチドおよびRGDペプチド疑似薬による阻害により新血管新生をブロックすることが出来ることを示している(Arap、W.、et al.、Current Opinion in Oncology、1998、10:560-565)。β1インテグリン(α1β1およびα2β1)も血管新生において役割を果たしているようであるが、その役割はいまだにあまり研究されていない。
【0012】
抗-αvβ3抗体、例えば、LM609抗体(Vitaxin)の全身投与は、腫瘍血管新生を阻害し、ヒト乳癌の増殖および浸潤性を減少させる(Brooks、P.C.、et al.、J. Clin. Invest.、1995、96:1815-22)。
【0013】
多くのインテグリンはRGD配列を組み込んでいる小ペプチドによって阻害することが出来る。D-アミノ酸を含むペンタ-またはヘキサ-ペプチド環中にこの配列を組み込むことによって、通常強力かつ選択的なインテグリン阻害剤である分子が導かれる(Haubnev、R.、et al.、J. Am. Chem. Soc.、1996、118:7881-91)。
【0014】
ビトロネクチンは、血管マトリックスのタンパク質であり、αvβ3受容体の選択的アンタゴニストであり、別のタンパク質であるフィブリノーゲンは、αIIbβ3受容体への選択的結合を示す。
【0015】
今日まで、RGDアナログの探索は主に、強力かつ選択的であって経口投与できるαIIbβ3受容体のアンタゴニストに向けられてきた。かかる抗凝血剤として使用される非-ペプチドRGDアナログは現在臨床試験にて調べられている。
【0016】
一方、抗血管新生薬として必要とされているのはαIIbβ3受容体に影響を与えることなくαvβ3および/またはαvβ5 受容体を選択的に阻害することが出来るRGDアナログである。
【0017】
αvβ3受容体を阻害する化合物の例およびその用途に関しては、本出願人により出願された、参考文献であって技術水準を記載する欧州特許第1077218号を参照されたい。
【0018】
Arg-Gly-Asp (RGD) 配列を含む環状ペプチド構造の例は、欧州特許第0596350号、Merck特許; Wer-muth、J.、et al.、J. Am. Chem. Soc.、1997、119(6)、1328-1335; 米国特許第5705481号、Merck 特許;国際特許出願WO 99/58162号、Du Pont Pharmaceuticals; Liu、S.、et al.、Bioconjugate Chemistry (2001)、12(4)、559-568; ;国際特許出願WO 01/097860号に記載されている。
【0019】
本明細書に記載する本発明の目的の1つは長期治療に有用な特徴を有する経口投与することが出来るαvβ3受容体の選択的アゴニストを提供することである。
【0020】
フッ素原子を含む天然化合物の例は非常に少ない。この元素は、その物理化学的特性(大きさ、電気陰性度等)のために、生理活性有機化合物に特定の特徴を与えることができる。
【0021】
近年、より扱いやすいフッ素化剤が入手可能となり、有望な特徴を有する有機誘導体が調製されるようになった。例えば:ピリドキサル-依存酵素(トランスアミナーゼおよびデカルボキシラーゼ)のアミノ酸基質はフッ素化されると特異的不活性化剤として作用する;フッ素化ピリミジンは抗癌活性を発揮する; カプトプリルのトリフルオロメチル化アナログはnM未満で活性を有する;天然アントラサイクリンのフッ素化アナログは抗癌剤としての活性が非常に高い(Giannini、G.、Current Medicinal Chem.、2002、9:1867-93);トリフルオロメチル化エンケファリンアナログは10,000倍以上有効である。RGDのフッ素化直鎖状アナログはA. Dal Pozzo、et al.、J. Chem. Res. (S) 468-469 (1999)に記載されている。Ojima、I.、Organofluorine Compounds in Medicinal Chemistry and Biomedical Applications; R. Filler (ed)、1993 - Elsevier Science Publisher; Ojima、I. et al.、Biomedical Frontiers of Fluorine Chemistry - ACS Symposium Series 639 (1996); Sewald、N. et al.、Amino Acids (1995) 8:187-194も参照されたい。
【0022】
アミノ酸のアルキル化は薬化学の非常に重要な側面である。インテグリン阻害剤の分野においてもアミノ酸のN-アルキル化の例があり(Kessler、H.、et al.、J. Med. Chem.、1999、42、3033-40)、これによってMerck によって開発され、現在フェーズII臨床試験が行われているEMD 121874 (Cilengitide)と称される生成物が生じた。
【0023】
α−アルキル化アプローチは、それもまた非常に有望であるにもかかわらずあまり行われいない。実際、Cα-ジ置換アミノ酸のペプチドの鍵となる位置への組込みにより二次構造の改変および安定化が可能であることが知られている(Marshall、G.R.、Int. J. Pept. Protein Res.、1998、32、544-5)。さらに、水素をフッ素に置換することにより、それを含むペプチドのタンパク分解安定性および可溶性に影響が及ぼされる(Koksch、B.、J. Pept. Sci.、1997、3、157-67)。
【0024】
アルキル化の次の段階はアミノ酸のフルオロアルキル化である。この場合も直鎖状オリゴペプチドのフルオロアルキル化の例がある(Dal Pozzo、A.、et al. Tetrahedron、1998、54: 6019-28; Koksch、B. et al. Biomedical Frontiers of Fluorine Chemistry; ACS Symposium Series 639、Chapter 3、1996、42-58)。フルオロアルキル化ペプチドは以下の利点を有する: アルキルと同様の生理的ペプチダーゼの保護;疎水性の有意な上昇(ほとんどのアルキル基より勝る)によるバイオアベイラビリティ(吸収および分布)の上昇;その体積によるコンフォメーションの硬化(これは溶液中では単純なメチル基より大きい)、これは水素結合を生じさせることが出来る能力であり、とりわけカルバミド結合のまわりの回転を拘束しうる。
【0025】
本発明のもう1つの目的は、鍵となる位置においてC-αおよび/またはN-位におけるフルオロアルキル化アミノ酸を含むペプチドの合成方法を提供すること、および、生じる新しい構造の立体的大きさおよび電気的作用にかかわらず、強力かつ選択的なαvβ3および/またはαvβ5インテグリン受容体阻害剤などの化合物の生物学的性質を発見することである。
【発明の開示】
【0026】
(発明の概要)
このたび、新たに式(I)の化合物:
【化1】

[式中:
は以下から選択される:CH(CHNHC(NH)NH;C[CH](CHNHC(NH)NH
は基、CH;CH−CH
【化2】

は以下から選択される:CHCHCOOH;C[CH]CH−COOH;
は以下から選択される:CH−CH−Ph;C[CH]CH−Ph;CH−CH−(4−OH)Ph;CH−CH−(4−OMe)Ph;CH−CH−(4−F)Ph;CH−CH(OH)−Ph;C(CH;CH−C(CH;CH−CH−COOH;
【化3】

は以下から選択される:CH−CH−Ph;C[CH]CH−Ph;CH−CH(CH;C[CH]CH(CH;CH−C(CH
あるいはNX−R−CO−NX−R−CO基は3−アミノメチル−ベンゾイル
n+m=3
−Xは同一であっても異なっていてもよく、以下である:H、(CH−CH;(CH
【化4】

CHF;(CH−CHF、(CH−CF、ここでn=0−3;ただし、少なくとも1つのα−フルオロアルキル化アミノ酸が式(I)の化合物に存在する。ここで、各NX−R−COアミノ酸は絶対配置がR型でもS型でもよい。]
;その個々のエナンチオマー、ジアステレオ異性体、関連混合物、医薬上許容される塩がαβおよび/またはαβインテグリン受容体の選択的阻害剤であることが見いだされた。
【0027】
それゆえ本発明の目的は上記の式(I)の化合物、その調製方法、その医薬としての使用およびそれを含む医薬組成物である。
【0028】
これらおよびその他の本発明の目的を以下に詳細に記載し、実施例によっても記載する。
【0029】
(発明の詳細な説明)
本発明によると、医薬上許容される塩は、該塩を医薬として用いた場合に望ましくない作用を引き起こさない酸または塩基を用いて当業者が調製することが出来るすべての塩である。
【0030】
本発明においては、以下の化合物が好ましい:
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-Tfm-Phe) (ST1930/ST1931);
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(R,S)-Dfm-Phe) (ST1932);
c(Arg-Gly-(RまたはS)-Tfm-Asp-D-Phe-Val) (ST2189/2190);
c(Arg-Gly-Asp-(RまたはS)-Tfm-Phe-Val) (ST2191/2192);
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-Tfm-Val) (ST2409/ST2410);
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-N-Me-Tfm-Phe。
【0031】
より広い態様において、本発明はRGD配列を含むリガンドに対するαvβ3およびαvβ5インテグリンを介する細胞接着を選択的に阻害する方法を提供する。別の態様において、本発明の目的は式(I)の化合物の、異常な血管新生を患う患者の治療に有用な医薬の調製のための使用である。本発明による医薬の使用の例は、転移の低減および網膜症、急性腎不全および骨粗鬆症の治療である。
【0032】
別の態様において、本発明の目的は上記化合物の診断薬としての使用である。特に、本発明による化合物は、好適に標識された場合、小さい腫瘤の検出および位置づけに有用である。同様に、該標識化合物は動脈閉塞現象、例えば、脳卒中または心筋梗塞の分析にも有用である。
【0033】
それゆえ、本発明のさらなる目的は、上記式(I)の化合物の診断薬の調製のための使用であり、特に腫瘍、より好ましくは小さい腫瘤または動脈閉塞現象、例えば脳卒中または心筋梗塞の検出および位置づけのための使用である。少なくとも1つの式(I)の化合物を含む診断薬も本発明に含まれる。本発明による化合物の標識に関しては、その知識に基づいて適当な標識試薬の選択および本発明による化合物の誘導体化を行うことが出来る当業者の通常の技術範囲に含まれる。本発明による化合物の適用例は国際特許出願WO99/11590号および以下の文献に記載されている: Su、Z.F.、et al.、Bioconjug. Chem. 2002 May-Jun; 13(3):561-70; Haubner、R.、et al.、Cancer Res. 2001 Mar 1;61(5):1781-5; Haubner R、et al.、J. Nucl. Med. 2001 Feb; 42(2):326-36; van Hagen、P.M、et al.、Int. J. Cancer、2000 Aug 20; 90(4):186-98; Sivolapenko、G.B.、et al.、Eur. J. Nucl. Med. 1998 Oct; 25(10):1383-9; Pearson、D.A.、et al.、J. Med. Chem. 1996 Mar 29; 39(7):1372-82。
【0034】
化学的観点から、本発明は多数の非天然アミノ酸(フルオロアルキルアミノ酸)を含むペプチド構造の環化誘導体を得ることにあり、その合成は公知であり適切に研究されている。
【0035】
シクロペプチドはカルボン酸エステル形態のフルオロメチル化アミノ酸から出発して合成した;これを対応するN-保護アミノ酸臭化物でアシル化する。こうして得られたジペプチドエステルの加水分解の後末端カルボキシルをH-Orn(Cbz)-Gly-OtBuと縮合する。
【0036】
こうして得られたテトラペプチドから窒素末端の保護を除いた後これをFmoc-Allgly-OH(アスパラギン酸前駆体)によってアシル化して完全に保護された直鎖状ペンタペプチドを得る。2つの保護末端基の脱保護の後、工程を続けてTBTUによる環化の後、過マンガン酸塩によりアリル残基を酸化する。最終工程はオルニチン側鎖上のCbzの放出を含み、その後、アミン官能基をグアニジル化して最終的なシクロペプチドを得、これをRP-HPLCにて精製し、2つのジアステレオ異性体を分離する。
【0037】
以下の記載はフッ素化アミノ酸の合成のための調製物(成分)の例である:
【0038】
調製物1
H-(R,S)-α-Tfm-Phe-OEt
(Burger、K.、Gaa、K.、Chemiker Zeitung、1990、114、101-104)
生成物は上記参考文献に記載のように調製した。
1H-NMR (CDCl3)δ7,33-7,18 (m、5H、arom.)、4.26 (q、CH2-CH3)、3.45-2.95 (dd、CH2-C6H5)、1.32 (t、CH3)
【0039】
調製物2
H-(R,S)-α-Dfm-Phe-OEt
(Bey、P.、Vevert、J.P.、Van Dorsselaer、V. and Kolb、M.、J. Org. Chem. 1979、44、2732-42)
生成物は上記参考文献に記載のように調製した。
1H-NMR (CDCl3)δ 7.28-7.13 (m、5H、arom.)、6.14-5.77 (t、CHF2)、4.16 (q、CH2-CH3)、3.20-2.87 (2 dd、CH2-C6H5)、1.21 (t、CH3)
【0040】
調製物3
N-CH3-(R,S)-α-Tfm-Phe-OCH3
(Buvger、K. and Hollweer、W.、Synlett. 1994、751-3)
生成物は上記参考文献に記載のように調製した。
1H-NMR (CDCl3)δ 7.28-7.15 (m、5H、arom.)、3.73 (s、OCH3)、3.27、3.22、3.16、3.12 (q、CH2-C6H5)、2.47 (s、N-CH3)
【0041】
これらの合成ブロック(成分)を当業者に周知の技術を用いて本発明によるシクロペプチドの合成に用いる。
【0042】
以下の実施例により本発明をさらに説明する。
略記...TEA:トリメチルアミン;THF:テトラヒドロフラン;LDA:リチオ-イソプロピルアミド;DMF:ジメチルホルムアミド;ブロモエナミン: 1-ブロモ-N,N-2-トリメチル-1-プロペニルアミン;HATU:O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N1,N1,N1-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;DIEA:ジイソプロピルアミン;DCM:ジクロロメタン;DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド;HOAT:アザベンゾトリアゾール; allgly: 2-アリルグリシン; Tfm:トリフルオロメチル; Dfm:ジフルオロメチル;TBTU:O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)N,N,N1,N1-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(borate)
【実施例1】
【0043】
C(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-Tfm-Phe) (ST1930/ST1931)
Pht-D-Phe-Brの調製(Dal Pozzo、A.、Bergonzi、R. and Ni、M.H.、Tetrahedron Lett.、2001、42、3925-7)
1.4 g (4.75 mmol)のPht-D-Phe-OHをアルゴン下で19 mlのDCM 中の0.5 Mブロモエナミン溶液に溶解した。10分後、溶液は使用可能となった。
【0044】
0℃に冷却した12.5 mlのブロミド溶液(上記のように調製)に、248 mg (0.950 mmol)のH-α-Tfm-Phe-OEtおよびコリジン(1当量)を添加した;混合物を室温で(a.t.)撹拌し、10分後にさらに6.5 mlのブロミド溶液および1当量のコリジンを添加した。2時間後、混合物を乾燥させ、15 mlのNaHCO3 5%と15 mlのEtOAcで抽出し、30分間撹拌しながら放置した。溶媒を水、HCl 1Nおよび水で洗浄し、蒸発させ、残渣をヘキサン-EtOAc 8:2を溶媒として用いるフラッシュクロマトグラフィーカラムで精製した。
【0045】
21 mlの無水 DCM中の460 mg のジペプチド Pht-D-Phe-α-Tfm-Phe-OEtの溶液に4.3 ml のDCM 中のBBr3の1M溶液を添加した;混合物を2時間向流縮合加熱し、21 mlの水で洗浄し、乾燥させた。
【0046】
390 mgの酸ペプチド(b)を6 mlの406.7 mg (1.4当量)のHATUおよび2.8当量のDIEAを含む無水CH3CNに溶解し、15分間撹拌しながら放置し、その後548 mg (2当量)のHCl.H-Orn(Cbz)-OtBuおよびさらに2当量のDIEAを添加した。2時間後、反応物を15 mlのDCMで希釈し、20 mlの塩水で抽出した。有機相を再びHCl 2N、NaHCO3および水で洗浄した。残渣をヘキサン-EtOAc 6:4を溶媒として用いるフラッシュクロマトグラフィーカラムで精製した。
【0047】
424 mgの上記のようにして得られたトリペプチドを2.2 mlのTFA/DCM (1:1)に溶解し、30分後に乾燥させた。
【0048】
283.8 mgの得られた化合物を5.7 mlのDCMに溶解し、HCl.H-Gly-OtBu (1当量)、DIEA (2当量)、HOAT (3当量)およびDCC (3当量)を添加した。20分後、混合物をろ過し、ろ過物を水、HCl 0.1N、NaHCO3 5%および水で洗浄し、乾燥させた。
【0049】
349 mgの上記のようにして得られたテトラペプチドを5 mlのEtOHに溶解し、600μlのEtOH中のNH2-NH2. H2Oの1M溶液(1.5当量)を添加し、反応物を2.5時間向流縮合加熱した。EtOHを除き、抽出を10 mlのDCMおよび10 mlの63.6 mgのNa2CO3(1.5当量)を含む水溶液で行った。10分の撹拌後、有機相を乾燥させ、残渣をCHCl3-MeOH 98:2を用いたフラッシュクロマトグラフィーで精製した。
【0050】
134 mgの脱保護されたテトラペプチドを2.7 mlのDCMに溶解した。Fmoc-AllGly-OH (1当量)、DIEA (1当量)、HOAT (1.2当量)および DCC (1.2当量)を添加し、上記のように反応を行った。
【0051】
151.6 mgの上記のようにして得たペンタペプチドを5 mlのDCMに溶解し、140μlのピペリジンを添加した。2時間後、反応混合物を水、バッファーpH 5.5、水、NaHCO3 5%、および水で洗浄し、乾燥させた。残渣をシリカゲルでのろ過によって精製し、まずCHCl3、次いでCHCl3-MeOH、95:5で洗浄した。
【0052】
ペンタペプチドを上記のようにカルボキシル末端において脱保護した。
【0053】
116 mgの脱保護された直鎖状ペンタペプチドを86 mlのDMFに溶解し、TBTU (3当量)、HOBT (3当量)およびDIEA (860μl)を添加した。5分後、混合物を乾燥させ、残渣を10 mlのDCMで抽出し、溶液を塩水、HCl 2N、水、NaHCO3 5%および水で洗浄した。
【0054】
80.9 mgの上記のようにして得た環状ペンタペプチドを6.9 mlのアセトンに溶解し、溶液を冷却し、KMnO4水溶液(620μl中100.5 mg)を滴下した。0℃で1時間後、反応混合物を室温で一晩放置した。最後に、770μlのH2SO4 3Nおよび40% NaHSO3溶液を完全な脱色が達成されるまで添加した。アセトンを除いた後、反応液を水で希釈し、生成物をEtOAcで抽出した。
【0055】
66.8 mgの環状ペンタペプチドを1 mlのDMF/AcOH6:4混合物に溶解した; 23.8 mgのギ酸アンモニウム(ammonium formiate)(5当量)を添加し、次いで33.4 mgのPd/C 10%を添加した。15分後、反応混合物をMeOHで希釈し、セライトでろ過し、ろ過物を乾燥させた。
【0056】
60.5 mgの完全に脱保護された環状ペンタペプチドを540μlのMeOHに溶解し、73 μlのDIEA (5当量)および 49.8 mgのピラゾール-カルボキサミジンモノクロロヒドラート(4当量)を添加した。1時間後、反応液をTFAで中和し、乾燥させた。精製と同時に2つのジアステレオ異性体の分離を以下の条件の分取RP-HPLCで行った:
カラム: Alltima (Alltech Italia) C18、10 μm、250 x 22 mm;
移動相: H2O+0,1% TFA 中アセトニトリル34%
流速:12 ml/分
ジアステレオ異性体 I (Rt 21.30) ST1930
ジアステレオ異性体 II (Rt 26.76) ST1931
【0057】
最後の3工程に基づいて計算した総収率:33%
ジアステレオ異性体 I (ST1930)
1H-NMR (CD3OD):δ 7.30-7.19 (m、arom.)、4.70、4.28 および 4.08 (m、α-CH)、3.80-3.15 (CH2-Gly)、3.32 (m、CH2-N)、3.15-2.80 (m CH2-Asp + CH2-Phe + CH2-Tfm-Phe)、1.63-1.35 (m、CH2-CH2-Arg)
19F-NMR (CD3OD):δ 5.18
MS(M+H+): 691.13
ジアステレオ異性体II (ST1931)
1H-NMR (CD3OD): δ7.23-7.20 (m、arom.)、4.85-4.05 (m、α-CH)、4.30-3.75 (2 dd CH2-Gly)、3.18 (m、CH2-N)、3.50-2.50 (m CH2-Asp + CH2-Phe + CH2-Tfm-Phe)、2.10-1.55 (m、CH2-CH2-Arg)
19F-NMR (CD3OD):δ4.17
MS (M+H+): 691.13
【実施例2】
【0058】
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(R,S)-Dfm-Phe) (ST1932)
H-(R,S)-Dfm-Phe-OEtから出発して、実施例1に記載の方法を用いた。分離されていない2つのジアステレオ異性体の混合物を得た。
【0059】
1H-NMR (CD3OD): δ8,00-7,05 (d、NH)、7.35-7.15 (m、arom.)、6.42-5.6 (t、CHF2)、4.74-4.32 (m、α-CH)、4.32-3.96 (2 dd、CH2-Gly)、3.68-2.50 (m)、1.75-1.45 (m、CH2-CH2-Arg)
19F-NMR (CD3OD):δ-54.4 〜 -55.5.
MS (M+H+): 673,14
【実施例3】
【0060】
c(Arg-Gly-(RまたはS)-Tfm-Asp-D-Phe-Val) (ST2189/2190)
H-(R,S)-Tfm-Allgly-OetをPth-Gly-Brと縮合し、実施例1に記載のように進めた。2つのジアステレオ異性体の混合物を分離し、水 + 0.1% TFA中のCH3CN 22%を用いた分取HPLCによって精製した。
【0061】
ジアステレオ異性体 I (Rt 20.76)
1H-NMR (DMSOD6+D2O): δ 7.30-7.12、4.70、4.26、4.10 3.86、3.60-2-70、1.72、1.52-1-12、0.65.
MS (M+H+): 643.2.
ジアステレオ異性体 II (Rt 25.44)
1H-NMR (DMSOD6+D2O): δ7.30-6.96、4.50、4.15、4.10-2.75、1.90、1.62、1.43-1.20、0.82.
MS (M+H+): 643.2.
【実施例4】
【0062】
c(Arg-Gly-Asp-(RまたはS)-Tfm-Phe-Val) (ST2191/2192)
HCl .H-(R,S)-Tfm-Phe-OEtをPth-AllGly-Brと縮合し、実施例1に記載のように進めた。2つのジアステレオ異性体の混合物を分離し、水 + 0.1% TFA中のCH3CN 30%を用いた分取HPLCによって精製した。
【0063】
ジアステレオ異性体 I (Rt 17.19)
1H-NMR (D2O):δ 7.50-7.30、4.90、4.30-4.16、4.05 3.76-3.60、3.32-2.82、2.03-170、1.57、0.86、0.73.
MS (M+H+): 643.2.
ジアステレオ異性体 II (Rt 22.17)
1H-NMR (D2O):δ7.48-7.12、4.75、4.25、4.07、3.75-3.10、2.95、2.10、1.85、1.63-1.00、0.77.
MS (M+H+): 643.2.
【実施例5】
【0064】
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-Tfm-Val) (ST2409/2410)
HCl.H-(R,S)-Tfm-Val-OEtをPth-D-Phe-Br (塩酸塩であり、計3当量のコリジンを用いた)と縮合した。次いで実施例1に記載の方法を実施してテトラ-ペプチド Pht-D-Phe-(R,S)-Tfm-Val-Orn(Cbz)-Gly-OtBuを得た。2つの中間体ジアステレオ異性体の混合物をフラッシュクロマトグラフィー[ヘキサン-AcOEt = 4:6]により分離した。
【0065】
ジアステレオ異性体 I (速く移動、Rf 0.23)
ジアステレオ異性体 II (遅く移動、Rf 0.36).
【0066】
2つのキラル純粋な中間体生成物を別々に実施例1に記載の工程と類似の工程により2つの並行する合成により処理した。
【0067】
ジアステレオ異性体 I (ST2409)
1H-NMR (D2O) δ 7.37-7.25; 4.83、4.73、4.46、4.13、3.47、3.21、3.08-2.69、2.33、1.92-1.50、1.08.
19F-NMR (D2O) δ10.50、0.97
MS (M+H+): 643.16
ジアステレオ異性体 II (ST2410)
1H-NMR (D2O) δ7.37-7.29; 4.87、4.73、4.56、4.46、3.53、3.18、3.00-2.55、1.87、1.60、1.18、0.85.
19F-NMR (D2O) δ9.29、0.97
MS (M+H+): 643.16
【実施例6】
【0068】
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-N-Me-Tfm-Phe) [ST2552/2553]
【化5】

【0069】
末端カルボキシルにおけるエステルの加水分解の後、H-Orn(Cbz)-Gly-OtBuとのカップリングを行った; 次いでアジド基を[Et3NH][Sn(SPh) 3]により還元し、直鎖状ペンタペプチドがN-末端におけるFmoc-Allglyとの縮合により完成した。この中間体生成物から、実施例1に記載のようにシクロペンタペプチドの合成を続けた。
【0070】
インテグリンαvβ3受容体への結合
96-ウェルプレートを一晩0.5 μg/mlのインテグリンαvβ3(Chemicon、cat. CC1020)によるコーティングに供した。翌日、ウェルを洗浄し、インキュベーションを0.05 nM の (125I)エチスタチン(Echistatin)(Amersham、cat. IM304)とともに本発明による化合物の不在下または存在下で行った。3-時間のインキュベーションおよび一連の洗浄後、各ウェルから放射性物質に結合したインテグリンをNaOH 2Nで可溶化し、放射能をガンマカウンターを用いて測定した。すべてのサンプルから差し引くべき非特異的結合を、エチスタチン1μMの存在下で測定した。
【0071】
インテグリンαvβ5 受容体への結合
96-ウェルプレートを一晩1μg/mlのインテグリンαvβ5 (Chemicon、cat. CC1022)によるコーティングに供した。翌日、ウェルを洗浄し、インキュベーションを0.05 nM の (125I)エチスタチン(Echistatin)(Amersham、cat. IM304)とともに本発明による化合物の不在下または存在下で行った。先のケースで記載した方法を実施した。
【0072】
IC50パラメーターの評価
本発明による化合物のビトロネクチン受容体に対するアフィニティーを「ALLFIT」ソフトウェアを用いて得られるパラメーターであるIC50±SD 値(nM)として表した。
【0073】
以下の表1は得られた結果を示す。特に、ST2552はビトロネクチン受容体αvβ3 とαvβ5の両方に対して高い結合アフィニティーを示した。
【0074】
【表1】

【0075】
細胞培養
ウシ副腎からの微小血管内皮細胞(ウシ微小血管内皮細胞- BMEC)を屠殺された直後に研究室に到着するまで氷中で保存された動物から単離した。無菌条件下で、副腎をベタジン(betadine)溶液中で5分間洗浄し、次いで2リットルの無菌PBS中で洗浄した。副腎を次ぎに使い捨て無菌ランセットでおよそ2 mmの断片に切断し、PBS (30 ml/副腎)を含むポリスチレンファルコンチューブに移した。+4℃に冷却した遠心分離器での600 rpmの遠心の後、上清をデカントして捨てた。ペレットを0.12% のコラゲナーゼA溶液(Boehringer Mannheim)を用いて1:2にて再懸濁し、37℃で2時間撹拌しながらインキュベートした。まず200、次いで100メッシュのフィルターろ過(Sigma)の後、上清を15% FBSを含有するDMEM溶液に添加してコラゲナーゼAの作用を阻害した。溶液を室温で1000 rpmにて遠心し、沈殿を20% FBS、50 μg/mlのウシ脳抽出物 (BBE)、50 μg/mlのヘパリン(Sigma)、0.5% v/v ゲンタマイシン (Sigma)、および1% v/v L-グルタミンを含有するDMEM培地に再懸濁した。細胞を1%ゼラチン(Sigma ブタゼラチン)でゼラチン処理したペトリ皿に播いた。集密すると、細胞を内皮マーカーにより因子 VIIIとして特徴づけた。
【0076】
American Type Culture Collection (ATCC)から得たヒトメラノーマMeWo 細胞を、10% FCS、2 mM L-グルタミンおよび 50μg/ml ゲンタマイシンを含有する完全イーグル最小必須培地(complete Eagle Minimal Essential Medium)(EMEM)中にて培養した。
【0077】
SK-LMS-1ヒト平滑筋肉腫細胞(ATCC)を10% FCS、2 mM L-グルタミンおよび50μg/ml ゲンタマイシンを追加したEMEMで培養した。
【0078】
すべての細胞を5% CO2を含有する加湿雰囲気中37℃で維持した。
【0079】
細胞接着アッセイ
96-ウェルプレートを5μg/mlのヒトビトロネクチン(Cal-biochem)で12時間+4℃で前処理した。BMECまたはMeWo細胞をトリプシン-EDTAで剥離し、計数しビトロネクチン基質上に播いた。分子を0.1から100μMの範囲のスカラー濃度でアッセイし、細胞と共インキュベートして接着させた。インキュベーションの後、細胞をCa2+およびMg2+を含むPBSで1回洗浄し、基質に接着していない細胞を除いた。接着細胞を4% パラホルムアルデヒド溶液で10分間室温で固定した。細胞を次ぎに1% トルイジンブルー溶液で10分間室温で染色した。染色後、細胞を二回蒸留水で洗浄し、乾燥させ、1% SDS 溶液に可溶化した。細胞をVictor マルチラベルプレートカウンター(Wal-lac)で 600 nmの吸光度の読みにより定量した。
【0080】
分子の活性についての評価パラメーターはIC50±SD (μM)の値とした。
【0081】
以下の表2は、ビトロネクチン受容体に対して主な結合アフィニティーを有することが判明した分子により得られた結果を示す。特に、分子ST2552は、MeWo ヒトメラノーマ細胞のビトロネクチンに対する接着をIC50値0.33μMにて阻害することが示された。
【0082】
【表2】

【0083】
本発明の別の目的と一致して、医薬組成物は、有意な治療効果を奏するための量の少なくとも1つの式(I)の化合物を活性成分として含む。本発明に含まれる組成物は医薬分野の技術常識によって得られ、例えばそれはRemington's Pharmaceutical Science Handbook、Mack Pub. N.Y. 最新版に記載されている。選択された投与経路に応じて、組成物は経口、非経口または静脈内投与に好適な固形または液体形態である。本発明による組成物は活性成分と共に、少なくとも1つの医薬上許容される媒体または賦形剤を含む。これらは特に有用な製剤共補佐剤(coadjuvant)、例えば、可溶化剤、分散剤、懸濁剤、および乳化剤であってよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
は以下から選択される:
CH(CHNHC(NH)NH;C[CH](CHNHC(NH)NH
は基、CH;CH−CH
【化2】

は以下から選択される:CHCHCOOH;C[CH]CH−COOH;
は以下から選択される:CH−CH−Ph;C[CH]CH−Ph;CH−CH−(4−OH)Ph;CH−CH−(4−OMe)Ph;CH−CH−(4−F)Ph;CH−CH(OH)−Ph;C(CH;CH−C(CH;CH−CH−COOH;
【化3】

は以下から選択される:CH−CH−Ph;C[CH]CH−Ph;CH−CH(CH;C[CH]CH(CH;CH−C(CH
あるいは、基NX−R−CO−NX−R−COは3−アミノメチル−ベンゾイルである;
n+m=3
−Xは同一であっても異なっていてもよく、H、(CH−CH
【化4】

(CH−CHF;(CH−CHF、(CH−CF、ここでn=0−3;
ただし、少なくとも1つのα−フルオロアルキル化アミノ酸が式(I)の化合物において存在する;
ここで各NX−R−COアミノ酸は絶対配置がR型でもS型でもよい]、その個々のエナンチオマー、ジアステレオ異性体、関連混合物、医薬上許容される塩。
【請求項2】
以下からなる群から選択される請求項1の化合物:
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-Tfm-Phe);
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(R,S)-Dfm-Phe);
c(Arg-Gly-Asp-(RまたはS)-Tfm-Phe-Asp-D-Phe-Val);
c(Arg-Gly-Asp-(RまたはS)-Tfm-Phe-Val);
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-Tfm-Val);
c(Arg-Gly-Asp-D-Phe-(RまたはS)-N-Me-Tfm-Phe。
【請求項3】
医薬としての請求項1または2の化合物の使用。
【請求項4】
αvβ3およびαvβ5系に属するインテグリンのファミリーに属する受容体を阻害する医薬の調製のための請求項1または2の化合物の使用。
【請求項5】
該医薬が抗血管新生活性を有する請求項4の使用。
【請求項6】
該医薬が抗転移活性を有する請求項5の使用。
【請求項7】
該医薬が網膜症、急性腎不全、および骨粗鬆症からなる群から選択される疾患の治療に有用である請求項5の使用。
【請求項8】
請求項1または2の少なくとも1つの化合物を活性成分として、医薬上許容される媒体および/または賦形剤との混合物において含む医薬組成物。
【請求項9】
診断薬の調製のための請求項1または2の化合物の使用。
【請求項10】
該化合物が標識されている請求項9の使用。
【請求項11】
該診断薬が腫瘤の検出および位置づけに用いられる請求項9または10の使用。
【請求項12】
該腫瘤が小さい腫瘤である請求項11の使用。
【請求項13】
該診断薬が動脈閉塞現象の検出および位置づけに用いられる請求項9または10の使用。
【請求項14】
該現象が脳卒中または心筋梗塞である請求項13の使用。
【請求項15】
請求項1または2の少なくとも1つの化合物を含む診断薬。

【公表番号】特表2006−515563(P2006−515563A)
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−524061(P2004−524061)
【出願日】平成15年7月18日(2003.7.18)
【国際出願番号】PCT/IT2003/000446
【国際公開番号】WO2004/011487
【国際公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】