説明

抗ウイルス性ヌクレオシド類似体

本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、並びにこの化合物を含む医薬組成物、およびこの化合物を調製するのに有用な合成方法および中間体を提供する。式(I)の化合物は、抗ウィルス薬および/または抗癌剤として有用である。本発明は、ウイルスRNAおよびDNAポリメラーゼ(たとえば、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーA群ウイルスおよびB群ウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、天然痘ウイルス、エボラウイルス、および西ナイル熱ウイルスによるポリメラーゼ)の抑制剤であり、HCV、並びにその他のウイルス感染(たとえば、フラビウイルス感染症)、および癌の処置に有用な化合物を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の優先権)
本出願は、2007年1月12日に出願された、米国仮特許出願第60/880278号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ウイルス性疾患は、世界中で主な死因および経済的損失の原因である。
【0003】
ウイルスのフラビウイルス科は、次の3つの属から成る:フラビウイルス(デング熱ウイルス、西ナイル熱ウイルス、および黄熱病ウイルスを含む)、肝炎ウイルス(HCV)、並びにペスチウイルス(ウシウイルス性下痢ウイルス、BVDVを含む)。この科の員によって生じる病状および症状としては、黄熱病、デング熱、日本脳炎、セントルイス脳炎、B型およびC型肝炎、西ナイル熱、およびAIDSが挙げられる。現在、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、B型肝炎ウイルス(HBV)感染症、およびC型肝炎ウイルス(HCV)感染症は、世界的に、ウイルスによる死因の最多数を占めている。HIVの処置に有益な薬物はいくつかあるが、HBVの処置に有用な薬物は少なく、HCVの処置に広く有益な薬物はない。
【0004】
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)は、合成の、インターフェロンを含まない広域性の抗ウイルス性ヌクレオシドである。リバビリンは、構造的にグアノシンに類似しており、フラビウイルス科を含むいくつかのDNAおよびRNAウイルスに対してインビトロで活性を有する(非特許文献1)。リバビリンは、40%の患者で血清アミノトランスファーゼのレベルを通常の正常レベルまで減少させるが、HCV−RNAの血清レベルは低下させない(非特許文献1)。したがって、リバビリン単独では、ウイルスのRNAレベルを減少させるのに効果的ではない。さらに、リバビリンは著しい毒性を有し、貧血を誘発することが分かっている。
【0005】
インターフェロン(IFN)は、慢性肝炎を処置するために約10年間にわたって市販されてきた化合物である。IFNは、ウイルス感染に反応して免疫細胞によって生成される糖タンパク質である。IFNは、HCVを含む多くのウイルスのウイルス複製を抑制する。C型肝炎感染の単独の処置に使用すると、IFNは、血清HCV−RNAを検出不能なレベルまで抑制する。さらに、IFNは、血清アミノトランスファーゼのレベルを正常化する。残念ながら、IFNの効果は一時的であり、持続した反応は、慢性的にHCVに感染した患者のわずか8%〜9%に生じるにすぎない(非特許文献1)。
【0006】
HCVは、特徴が明らかなRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)、および特徴が明らかな疾患の悪化を伴うプラス鎖ssRNAウイルスである。HCVは、全世界でおよそ1億7,000万人に感染しており、この疾患の結果、主な健康の危機の原因になっている。当然、今後数年間で、HCV関連の肝疾患および肝細胞癌による死亡数は、AIDSによる死亡数を上回る可能性がある。エジプトは、世界で最も被害の大きい国であり、人口の23%がウイルスを持っていると概算されているが、米国の場合、慢性感染症の有病率は、最近、約1.87%(270万人)であると決定された。HCV感染症は、症例の約50%で慢性になる。これらの症例のうち、約20%は、肝細胞癌を含む肝不全の原因になり得る肝硬変を発現する。
【0007】
HCVのNS5B領域は、ウイルスのゲノム複製に関与すると考えられる65KDaのRdRpをエンコードする。RdRpは、すべてのプラス鎖ウイルスの複製に必要なウイルスレプリカーゼの触媒サブユニットとして機能する。NS5Bタンパク質は特徴が明らかであり、RdRpの保存GDDモチーフを有することが分かっており、インビトロアッセイシステムで報告されている。細胞内局在調査では、NS5Bは、NS5Aなどの小胞体中において膜結合性であり、これは、これらの2つのタンパク質が、タンパク質分解過程後に互いに結合した状態を維持し得ることを示唆している。その他の証拠は、NS3、NS4A、およびNS5Bが互いに相互作用して、HCVの複製機序の一環として機能する錯体を形成することを示唆している。
【0008】
NS5Bアポ酵素のX線結晶構造が測定され、ごく最近の3つの文献は、分子の独特な形状について記述している。平面球体に似ているこの特異なポリメラーゼの形状は、活性部位が完全に包囲され、直径15Åおよび深さ20Åの空洞を形成するような、手指および親指サブドメインの間の広範囲な相互作用によるものである。モデリングの調査は、NS5Bアポ酵素が、サブドメインを大幅に移動させずにテンプレートプライマーを収容することができることを示し、これは、この構造が重合反応時に維持されることを示唆している。フラビウイルス科およびその他のウイルス科の様々な員のRdRpポリペプチドは、保存されていることが分かっている(非特許文献2)。
【0009】
現在、HCVポリメラーゼを対象としている安全かつ効果的な治療薬は市販されていない。現在、HCV、HIV、およびHBVなどのウイルス感染症の処置に有用な治療薬および治療法に対するニーズがある。
【0010】
さらに、癌の処置に有用な治療薬および治療法に対する目下のニーズもある。癌の処置は著しく進歩してきたにも関わらず、今なお大きい健康上の懸念がある。癌は、4人に1人以下のアメリカ人の主な死因であると報告されている。癌およびその他の疾患の処置が進歩したにも関わらず、癌の処置に効果的な新規な薬物に対するニーズがさらにある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Davis.Gastroenterology 118:S104−S114,2000
【非特許文献2】J.A.Bruenn,Nucleic Acids Research,Vol.19,No.2p.217,1991
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本発明は、ウイルスRNAおよびDNAポリメラーゼ(たとえば、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーA群ウイルスおよびB群ウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、天然痘ウイルス、エボラウイルス、および西ナイル熱ウイルスによるポリメラーゼ)の抑制剤であり、HCV、並びにその他のウイルス感染(たとえば、フラビウイルス感染症)、および癌の処置に有用な化合物を提供する。
【0013】
したがって、本発明は、以下に記載の式Iの新規な化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0014】
本発明は、式Iの化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ、および製薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物も提供する。この組成物は、1つまたは複数の追加の抗ウイルス剤または抗癌剤を任意に含むことが可能である。
【0015】
本発明は、動物のウイルス感染を処置する方法であって、有効量の式Iの化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを動物に投与することを含む方法をさらに提供する。
【0016】
本発明は、ウイルスのRNAまたはDNAポリメラーゼを阻害する方法であって、ポリメラーゼを有効阻害量の式Iの化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグに接触させる(インビトロまたはインビボで)ことを含む方法をさらに提供する。
【0017】
本発明は、動物の癌を処置する方法であって、有効量の式Iの化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを動物に投与することを含む方法をさらに提供する。
【0018】
本発明は、医薬療法に使用される(たとえば、ウイルス感染症の処置に使用するか、あるいは癌の処置に使用する)式Iの化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグをさらに提供する。
【0019】
本発明は、式Iの化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを使用して、動物(たとえば、ヒト)のウイルス感染症を処置するのに有用な薬剤を調製する方法をさらに提供する。
【0020】
本発明は、式Iの化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを使用して、動物(たとえば、ヒト)の癌を処置するのに有用な薬剤を調製することをさらに提供する。
【0021】
本発明は、式Iの化合物、またはその塩もしくはプロドラッグを調製するのに有用であると本明細書に開示される新規な合成中間体および合成方法をさらに開示する。式Iの化合物のいくつかは、その他の式Iの化合物を調製するための合成中間体として有用であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(発明の詳細な説明)
定義
本明細書で使用する「製薬学的に許容可能な塩」は、製薬学的に許容可能な塩基、無機酸、または有機酸に由来する本開示の化合物を意味する。適切な酸の例としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、トリフルオロ酢酸、およびベンゼンスルホン酸を含むが、これらだけに限らない。適切な塩基に由来する塩としては、ナトリウムおよびアンモニアなどのアルカリが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0023】
本明細書で使用する「処置する(treat)」、「処置、処置する(treating)」、および「処置(treatment)」は、病状/症状の臨床的な症候の開始前に化合物を投与して、何らかの症候を予防すること、および病状/症状の臨床的な症候の開始後に化合物を投与して、病状/症状の何らかの症候、態様または特徴を減少または緩和させることを含む。このような処置は、絶対的に有用である必要はない。
【0024】
本明細書で使用する「動物」という用語は、マウス、ラット、その他の齧歯動物、ウサギ、犬、猫、猪、牛、羊、馬、および霊長類などの哺乳動物を含む任意の動物を意味するが、これらだけに限らない。本発明の特定の一実施態様では、動物はヒトである。
【0025】
「治療上有効な量」という用語は、病状/症状の処置に関して、単独の化合物、あるいは単回投与または多回投与した時に、病状/症状の何らかの症候、態様、または特徴に何らかの検知可能な好ましい効果を有することが可能な医薬組成物中に含まれるある量の化合物を意味する。このような効果は、絶対的に有益である必要はない。
【0026】
本明細書で使用する「アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルなどの基によって実証される。特定の一実施態様では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有し、低級アルキルと呼ばれる。
【0027】
本明細書で使用する「置換アルキル」という用語は、1〜3個の置換基を有するアルキル基であって、この置換基が、アルコキシ、アルコキシアルキル、トリ(C−Cアルキル)シリル、置換アルコキシ、アシル、置換アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、オキシアシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、N、カルボキシル、カルボキシルエステル、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロallcyl、チオヘテロ環、置換チオヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、および置換ヘテロ環から成る群から選択されるアルキル基を意味する。本発明の特定の一実施態様では、「置換アルキル」という用語は、1〜3個の置換基で置換されたアルキル基であって、この置換基が、アルコキシ、アルコキシアルキル、トリ(C−Cアルキル)シリル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、オキシアシル、アミノ、アミノアシル、アリール、アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、N、カルボキシル、カルボキシルエステル、チオール、チオアルキル、チオアリール、チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、チオヘテロ環、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロ環から成る群から選択されるアルキル基を意味する。
【0028】
本明細書で使用する「アルケニル」または「アルケン」という用語は、2〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1つのアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を意味する。このような基は、ビニル(エテン−1−イル)、アリル、ブト−3−エン−1−イルなどによって実証される。
【0029】
本明細書で使用する「置換アルケニル」という用語は、1〜3個の置換基を有するアルケニル基であって、この置換基が、置換アルキルに関して既述の置換基から選択されるアルケニル基を意味する。
【0030】
本明細書で使用する「アルキニル」または「アルキン」という用語は、2〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1つのアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を意味する。このような基は、エチン−1−イル、プロピン−1−イル、プロピン−2−イル、1−メチルプロップ−2−イン−1−イル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ブチン−3−イルなどによって実証されるが、これらだけに限らない。
【0031】
本明細書で使用する「置換アルキニル」は、1〜3個の置換基を有するアルキニル基であって、この置換基が、置換アルキルに関して既述の置換基から選択されるアルキニル基を意味する。
【0032】
「アルコキシ」という用語は、アルキル−O−基を意味する。
【0033】
本明細書で使用する「置換アルコキシ」という用語は、置換アルキル−O−基を意味する。
【0034】
本明細書で使用する「アシル」という用語は、アルキル−C(O)−基、アルケニル−C(O)−基、アルキニル−C(O)−基、シクロアルキル−C(O)−基、アリール−C(O)−基、ヘテロアリール−C(O)−基、およびヘテロ環−C(O)基を意味する。
【0035】
本明細書で使用する「置換アシル」という用語は、置換アルキル−C(O)−基、置換アルケニル−C(O)−基、置換アルキニル−C(O)−基、置換シクロアルキル−C(O)−基、置換アリールC(O)−基、置換ヘテロアリール−C(O)基、および置換ヘテロ環−C(O)−基を意味する。
【0036】
本明細書で使用する「アシルアミノ」という用語は、ZおよびZの各々が、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、並びに置換アルキルの定義で既述の置換基から成る群から独立して選択される−C(O)NZ基を意味する。
【0037】
本明細書で使用する「アシルオキシ」という用語は、アルキル−C(O)O−基、置換アルキル−C(O)O−基、アルケニル−C(O)O−基、置換アルケニル−C(O)O−基、アルキニル−C(O)O−基、置換アルキニル−C(O)O−基、アリール−C(O)O−基、置換アリールC(O)O−基、シクロアルキル−C(O)O−基、置換シクロアルキル−C(O)O−基、ヘテロアリール−C(O)O−基、置換ヘテロアリール−C(O)O−基、ヘテロ環−C(O)O−基、および置換ヘテロ環−C(O)O−基を意味する。
【0038】
本明細書で使用する「オキシアシル」という用語は、アルキル−OC(O)−基、置換アルキル−OC(O)−基、アルケニル−OC(O)−基、置換アルケニル−OC(O)−基、アルキニル−OC(O)−基、置換アルキニル−OC(O)−基、アリール−OC(O)−基、置換アリール−OC(O)−基、シクロアルキル−OC(O)−基、置換シクロアルキル−OC(O)−基、ヘテロアリール−OC(O)−基、置換ヘテロアリール−OC(O)−基、ヘテロ環−OC(O)−基、および置換ヘテロ環−OC(O)−基を意味する。
【0039】
本明細書で使用する「アミノ」という用語は、−NH基を意味する。
【0040】
本明細書で使用する「置換アミノ」という用語は、ZおよびZがともに水素ではないことを条件として、ZおよびZが、アシルアミノの定義で既述されている−NZ基を意味する。
【0041】
本明細書で使用する「アミノアシル」という用語は、Zが水素またはアルキルである−NZC(O)アルキル基、−NZC(O)置換アルキル基、−NZC(O)シクロアルキル基、−NZC(O)置換シクロアルキル基、−NZC(O)アルケニル基、−NZC(O)置換アルケニル基、−NZC(O)アルキニル基、−NZC(O)置換アルキニル基、−NZC(O)アリール基、−NZC(O)置換アリール基、−NZC(O)ヘテロアリール基、−NZC(O)置換ヘテロアリール基、−NZC(O)ヘテロ環基、および−NZC(O)置換ヘテロ環基を意味する。
【0042】
本明細書で使用する「アリール」という用語は、単環(たとえば、フェニル)または複数の縮合環(たとえば、ナフチルまたはアントリル)を有する、6〜14個の炭素原子の一価芳香循環基を意味し、縮合環は、芳香性でも芳香性でなくても良い。例示的なアリールとしては、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0043】
本明細書で使用する「置換アリール」という用語は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、並びに置換アルキルの定義で既述の置換基から選択される1〜3個の置換基で置換されるアリール基を意味する。
【0044】
本明細書で使用する「アリールオキシ」という用語はアリール−O−基を意味し、これは、例としてフェノキシ、ナフトキシなどを含むが、これらだけに限らない。
【0045】
本明細書で使用する「置換アリールオキシ」という用語は、置換アリールO−基を意味する。
【0046】
本明細書で使用する「カルボキシル」という用語は、−COOHまたはその塩を意味する。
【0047】
本明細書で使用する「カルボキシルエステル」という用語は、−C(O)O−アルキル基、−C(O)O−置換アルキル基、−C(O)O−アリール基、および−C(O)O−置換アリール基を意味する。
【0048】
本明細書で使用する「シクロアルキル」という用語は、1〜3個の環および1つの環に3〜7個の炭素を含むものなどの飽和または不飽和環状炭化水素環系を意味する。例示的な基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびアダマンチルが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0049】
本明細書で使用する「置換シクロアルキル」という用語は、オキソ(=O)基、チオキソ(=S)基、アルキル基、置換アルキル基、および置換アルキルの定義で既述の置換基から成る群から選択される1〜5個の置換基を有するシクロアルキルを意味する。
【0050】
本明細書で使用する「シクロアルコキシ」という用語は、−O−シクロアルキル基を意味する。
【0051】
本明細書で使用する「置換シクロアルコキシ」という用語は、−O−置換シクロアルキル基を意味する。
【0052】
本明細書で使用する「フォルミル」という用語は、HC(O)−を意味する。
【0053】
本明細書で使用する「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0054】
本明細書で使用する「ヘテロアリール」という用語は、環内の酸素、窒素、硫黄から成る群から選択された1〜10個の炭素原子および1〜4個のヘテロ原子の芳香基を意味する。硫黄原子および窒素ヘテロ原子は、これらの酸化型で存在しても良い。このようなヘテロアリール基は、単環(たとえば、ピリジルまたはフリル)、あるいは多縮合環(たとえば、インドジニルまたはベンゾチエニル)を有することが可能であり、縮合環は、芳香性であっても芳香性でなくても、および/またはヘテロ原子を含んでも含まなくても良い。例示的なヘテロアリール基としては、ピリジル、ピロリル、チエニル、インドリル、チオフェニル、およびフリルを含むヘテロアリールが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0055】
本明細書で使用する「置換ヘテロアリール」という用語は、置換アリールに関して定義した置換基と同じ群から選択された1〜3個の置換基で置換されたヘテロアリール基を意味する。
【0056】
本明細書で使用する「ヘテロアリールオキシ」という用語は、−O−ヘテロアリール基を意味する。
【0057】
本明細書で使用する「置換ヘテロアリールオキシ」という用語は、−O−置換ヘテロアリール基を意味する。
【0058】
「ヘテロ環」または「ヘテロ環の」または「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環中の窒素、酸素、硫黄から成る群から選択された単環または多縮合環式の1〜10個の炭素原子、および1〜4個のヘテロ原子を有する飽和または不飽和基(ヘテロアリール以外)を意味し、縮合環系中では、1つまたは複数の環は、結合位置がヘテロ環式環を通ることを条件として、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで良い。硫黄ヘテロ原子および窒素ヘテロ原子も、それぞれの酸化型で存在して良い。
【0059】
「置換ヘテロ環」または「置換ヘテロ環の」または「置換ヘテロシクロアルキル」という用語は、置換アリールに関して定義したものと同じ1〜3個の置換基で置換されたヘテロ環基を意味する。
【0060】
ヘテロ環およびヘテロアリールの例としては、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンシノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルフォリニル、チオモルフォリニル(チアモルフォリニルとも呼ばれる)、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0061】
本明細書で使用する「ヘテロシクリルオキシ」という用語は、−O−ヘテロ環基を意味する。
【0062】
本明細書で使用する「置換ヘテロシクリルオキシ」という用語は、−O−置換ヘテロ環基を意味する。
【0063】
本明細書で使用する「リン酸塩」という用語は、−OP(O)(OH)(一リン酸塩またはリン酸)基、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)(二リン酸塩または二リン酸)基および−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)(三リン酸塩または三リン酸)基、あるいは部分塩を含むこれらの塩を意味する。一、二、および三リン酸塩の最初の酸素は、糖の酸素原子を含み得ると考えられる。
【0064】
本明細書で使用する「リン酸エステル」という用語は、上記の一、二、および三リン酸塩基を意味し、1つまたは複数のヒドロキシル基はアルコキシ基に置換される。
【0065】
「ホスホン酸塩」という用語は、−OP(O)(Z4)(OH)基または−OP(O)(Z)(OZ)基、あるいは部分塩を含むこれらの塩を意味し、Zの各々は、水素、アルキル、置換アルキル、カルボン酸、およびカルボキシルエステルから独立して選択される。ホスホン酸塩の最初の酸素は、糖の酸素を含み得ると考えられる。
【0066】
本明細書で使用する「チオール」という用語は、−SH基を意味する。
【0067】
「チオアルキル」または「アルキルチオエーテル」または「チオアルコキシ」という用語は、−S−アルキル基を意味する。
【0068】
「置換チオアルキル」または「置換アルキルチオエーテル」または「置換チオアルコキシ」という用語は、−S−置換アルキル基を意味する。
【0069】
本明細書で使用する「チオシクロアルキル」という用語は、−S−シクロアルキル基を意味する。
【0070】
本明細書で使用する「置換チオシクロアルキル」は、−S−置換シクロアルキル基を意味する。
【0071】
本明細書で使用する「チオアリール」という用語は、−S−アリール基を意味する。
【0072】
本明細書で使用する「置換チオアリール」という用語は、−S−置換アリール基を意味する。
【0073】
本明細書で使用する「チオヘテロアリール」という用語は、−S−ヘテロアリール基を意味する。
【0074】
本明細書で使用する「置換チオヘテロアリール」という用語は、−S−置換ヘテロアリール基を意味する。
【0075】
本明細書で使用する「チオヘテロ環」という用語は、−S−ヘテロ環基を意味する。
【0076】
本明細書で使用する「置換チオヘテロ環」という用語は、−S−置換ヘテロ環基を意味する。
【0077】
「アミノ酸側鎖」という用語は、式ZNHCH(Z)COOHのα−アミノ酸のZ置換基を意味し、Zは、水素、アルキル、置換アルキル、およびアリールから成る群から選択され、Zは水素であるか、Z、およびそれぞれZに結合する窒素原子および炭素原子とともに、ヘテロ環式環を形成する。一実施態様では、α−アミノ酸側鎖は、天然の20個のLアミノ酸の1つの側鎖である。
【0078】
本明細書に記載する糖は、DまたはL構成のいずれでも良い。
【0079】
式Iの化合物
本発明の化合物は、式Iの化合物を含む:
【0080】
【化1】

ここで:
RはOR、SR、NR、NRNR、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、(CH−CH(NHR)CO、(CH−S−アルキル、(CH−S−アリール、Cl、F、Br、I、CN、COOR、CONR、NHC(=NR)NHR、NROR、NRNO、NHCONHR、NRN=NR、NRN=CHR、NRC(O)NR、NRC(S)NR、NRC(O)OR、CH=N−OR、NRC(=NH)NR、NRC(O)NRNR、O−C(O)R、OC(O)−OR、ONH−C(O)O−アルキル、ONHC(O)O−アリール、ONR、SNR、S−ONR、CHO、C(=S)NR、ニトロ、CH(NR)OR、またはSONRであり;およびRは、H、CN、NO、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CH=CF、CH(=NR)OR、CHO、CH=CH−OCH、NHCONH、NHCSNH、CONR、CSNR、CO、アルコキシ、NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロゲン、(1,3−オキサゾール−2−イル)、(1,3−オキサゾール−5−イル)、(1,3−チアゾール−2−イル)、(イミダゾール−2−イル)、(2−オキソ[1,3]ジチオール−4−イル)、(フラン−2−イル)、(2H[1,2,3]トリアゾール−4−イル)、C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、C(=NOH)NH、アシル、置換アシル、OR、C(=NR)R、CH=NNR、CH=NOR、CH(OR、B(OR、C≡C−C(=O)NR、(CH−S−アルキル、(CH−S−アリール、(CH−S(O)−アルキル、(CH−S(O)−アリール、(CH−S(O)−アルキル、(CH−S(O)−アリール、(CH−SONR、または(CH−ORであるか;あるいはRおよびRは、これらが結合する原子とともに、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールを形成し得る;
nは0〜5である;
はH、NR、Cl、F、OR、SR、NHCOR、NHSO、NHCONHR、CN、アルキル、アリール、ONR、またはNRC(O)ORである;
は、ヌクレオシド糖基である;
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキル、アミノ、置換アミノ、およびNOから成る群から選択されるか;あるいは、RおよびRは、これらが結合している窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成するか;あるいは、RおよびRは、これらが結合している窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成し、
並びにR、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから成る群から独立して選択されるか;あるいはR、およびRは、これらが結合しているN原子とともに、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリール;
あるいは製薬学的に許容可能なその塩またはプロドラッグを形成し得る。
【0081】
本発明の一実施態様では、本発明の化合物は、式Iの化合物を含む:
【0082】
【化2】

ここで、
Rは、OR、SR、NR、NRNR、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、(CH−CH(NHR)CO、(CH−S−アルキル、(CH−S−アリール、Cl、F、Br、I、CN、COOR、CONR、NHC(=NR)NHR、NROR、NRNO、NHCONHR、NRN=NR、NRN=CHR、NRC(O)NR、NRC(S)NR、NRC(O)OR、CH=N−OR、NRC(=NH)NR、NRC(O)NRNR、O−C(O)R、OC(O)−OR、ONH−C(O)O−アルキル、ONHC(O)O−アリール、ONR、SNR、S−ONR、CHO、C(=S)NR、ニトロ、CH(NR)OR、またはSONRであり;およびRは、H、CN、NO、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CH=CF、CH(=NR)OR、CHO、CH=CH−OCH、NHCONH、NHCSNH、CONR、CSNR、CO、アルコキシ、NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロゲン、(1,3−オキサゾール−2−イル)、(1,3−オキサゾール−5−イル)、(1,3−チアゾール−2−イル)、(イミダゾール−2−イル)、(2−オキソ[1,3]ジチオール4−イル)、(フラン−2−イル)、(2H[1,2,3]トリアゾール−4−イル)、C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、C(=NOH)NH、アシル、置換アシル、OR、C(=NR)R、CH=NNR、CH=NOR、CH(OR、B(OR、C≡C−C(=O)NR、またはN(=NHNH)NHNHであるか;あるいはRおよびRは、これらが結合している原子とともに、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールを形成し得る;
nは0〜5である;
は、H、NR、Cl、F、OR、SR、NHCOR、NHSO、NHCONHR、CN、アルキル、アリール、ONR、またはNRC(O)ORである;
は、ヌクレオシド糖基である;
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキル、アミノ、置換アミノ、およびNOから成る群から独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、これらが結合している窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成するか;あるいはRおよびRは、これらが結合している窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成し;
およびRは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから成る群から独立して選択されるか;あるいはR、およびRは、これらが結合しているN原子とともに、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリール;
あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを形成し得る。
【0083】
本発明の一実施態様では、式(I)の化合物は、式(12)の化合物ではない:
【0084】
【化3】

本発明は、一実施態様では、上記の式Iの化合物であって、RがOR、Cl、SR、NR、またはNRNRである化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0085】
本発明は、一実施態様では、上記の式Iの化合物であって、RがNRであり;Rが、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキルおよびNOから成る群から選択され;およびRが、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキルおよびNOから成る群から選択されるか;あるいはRおよびRが、これらが結合している窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成する化合物を提供する。
【0086】
本発明は、一実施態様では、上記の式Iの化合物であって、Rが、NRNR、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、(CH−CH(NHR)CO、Cl、F、Br、I、CN、COOR、CONR、NHC(=NR)NHR、NROR、NRNO、NHCONHR、NRN=NR、NRN=CHR、NRC(O)NR、NRC(S)NR、NRC(O)OR、CH=N−OR、NRC(=NH)NR、NRC(O)NRNR、O−C(O)R、OC(O)−OR、ONH−C(O)O−アルキル、ONHC(O)O−アリール、ONR、SNR、S−ONR、またはSONRである化合物を提供する。
【0087】
本発明は、一実施態様では、上記の式Iの化合物であって、RがHまたはNRである化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0088】
本発明は、一実施態様では、上記の式Iの化合物であって、Rが、以下に記載するA、B、C、D、E、またはF群のヌクレオシド糖基である化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0089】
もう1つの実施態様では、本発明は、上記の式Iの化合物であって、Rがリボース、2−メチルリボース、2−デオキシリボース;2−デオキシ−2−フルオロリボース;アラビノース;2−デオキシ−2−フルオロアラビノース;2,3−ジデオキシリボース;2,3−ジデオキシ−2−フルオロアラビノース;2,3−ジデオキシ−3−フルオロリボース;2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロリボース;2,3−ジデオキシ−3−アジドリボース;2,3−ジデオキシ−3−チアリボース;または2,3−ジデオキシ−3−オキサリボースである化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0090】
もう1つの実施態様では、本発明は、上記の式Iの化合物であって、Rが、チオリボース、2−デオキシチオリボース;2−デオキシ−2−フルオロチオリボース;チオアラビノース;2−デオキシ−2−フルオロチオアラビノース;2,3−ジデオキシチオリボース;2,3−ジデオキシ−2−フルオロチオアラビノース;2,3−ジデオキシ−3−フルオロチオリボース;2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロチオリボース;または2,3−ジデオキシ−3−アジドチオリボースである化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0091】
もう1つの実施態様では、本発明は、上記の式Iの化合物であって、Rが、4−ヒドロキシメチルシクロペンタ−2−エン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタ−4−エン;3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンテン;2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−5−メチレンシクロペンタン;4−ヒドロキシメチルシクロペンタン、2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;または2,3−ジヒドロキシメチルシクロブタンである化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0092】
もう1つの実施態様では、本発明は、上記の式Iの化合物であって、Rが、4−ヒドロキシメチルピロリジン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;2/3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;または3−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジンである化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0093】
もう1つの実施態様では、本発明は、上記の式Iの化合物であって、Rが、CN、NO、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CH=CF、CH(=NR)OR、CHO、CH=CH−OCH、NHCONH、NHCSNH、CONR、CSNR、CO、アルコキシ、NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロゲン、(1,3−オキサゾール−2−イル)、(1,3−オキサゾール−5−イル)、(1,3−チアゾール−2−イル)、(イミダゾール−2−イル)、(2−オキソ[1,3]ジチオール−4−イル)、(フラン−2−イル)、(2H[1,2,3]トリアゾール−4−イル)、C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、C(=NOH)NH、アシル、置換アシル、OR、C(=NR)R、CH=NNR、CH=NOR、CH(OR、B(OR、C≡C−C(=O)NR、(CH−S−アルキル、(CH−S−アリール、(CH−S(O)−アルキル、(CH−S(O)−アリール、(CH−S(O)−アルキル、(CH−S(O)−アリール、または(CH−SONR、(CH−ORである化合物を提供する。
【0094】
もう1つの実施態様では、本発明は、上記の式Iの化合物であって、Rが、CN、置換アルキル、アルケニル、CONR、CO、ハロゲン、またはC(=NH)NHである化合物を提供する。
【0095】
もう1つの実施態様では、本発明は、上記の式Iの化合物であって、Rが、CN、ヒドロキシメチル、1,2−ジヒドロキシエチル、ビニル、アミノカルボニル、メトキシカルボニル、カルボキシ、フルオロ、ブロモ、またはC(=NH)NHである化合物を提供する。
【0096】
もう1つの実施態様では、本発明は、上記の式Iの化合物であって、R、R、R、およびRが、H、アルキル、および置換アルキルから成る群から独立して選択されるか;あるいはRおよびRが、これらが結合している窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成するか;あるいはRおよびRが、これらが結合している窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成する化合物を提供する。
【0097】
もう1つの実施態様では、本発明は、以下の式(11)の化合物;
【0098】
【化4】

あるいは、製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグである式Iの化合物を提供する。
【0099】
もう1つの実施態様では、本発明は、以下の式(III)の化合物
【0100】
【化5】

であって、XがHまたはアルキルである式Iの化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0101】
本発明の一実施態様では、「ハロゲン」はBr、Cl、またはFである。
【0102】
プロドラッグ
本明細書で使用する「プロドラッグ」という用語は、インビボで新陳代謝させて、式Iの化合物を提供することが可能な化合物を意味する。したがって、プロドラッグは、インビボで新陳代謝させて、式Iの化合物を提供することが可能な対応する化合物を提供するために、式Iの化合物中の1つまたは複数の官能基を修飾することによって調製可能な化合物を含む。このような修飾は、当該技術分野で公知である。たとえば、式Iの化合物中の1つまたは複数のヒドロキシ基またはアミン基は、アルキル−C(=O)−基を使用するか、またはアミノ酸残基を使ってアシル化させて、プロドラッグを提供することができる。あるいは、式Iの化合物中の一、二、または三リン酸塩官能基の1つまたは複数の側鎖ヒドロキシル基は、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アリールオキシ基、または置換アリールオキシ基に転換させることが可能である。
【0103】
一実施態様では、プロドラッグという用語は、ヌクレオシド糖基上の1つまたは複数のヒドロキシ基(たとえば、2’、3’、または5’ヒドロキシ基)が、インビボで新陳代謝させて式Iの化合物を提供することが可能な基に転換された化合物を含む。たとえば、本発明は、ヌクレオシド糖基上の1つまたは複数のヒドロキシ基(たとえば、2’、3’、または5’ヒドロキシ基)が、Rがカルボキシ結合アミノ酸であるアシルオキシ基、アシルアミノ基、またはR−O基に転換された化合物を提供する。
【0104】
一実施態様では、プロドラッグという用語は、式Iの化合物中の一、二、または三リン酸塩官能基からの1つまたは複数の側鎖ヒドロキシル基が、R−O−基に転換され、各々のRが、それぞれ1〜20個の分枝または未分枝、飽和または不飽和炭素鎖であり、ここで、1つまたは複数の(たとえば、1、2、3、または4個の)炭素原子が任意に−O−または−S−で置換され、1つまたは複数の炭素原子が、任意にオキソ(=O)またはチオキソ(=S)で置換された化合物を含む(Lefebvre等、J.Med.Chem.1995,38,3941−50参照)。
【0105】
もう1つの実施態様では、プロドラッグという用語は、式Iの化合物中の一、二、または三リン酸塩官能基からの1つまたは複数の側鎖ヒドロキシル基が、R−N−基に転換され;各々のRが、アミノ酸残基である化合物を含む。したがって、本発明の処置方法では、「投与」という用語は、式Iの化合物の投与、およびインビボで式Iの化合物またはその塩に転換するプロドラッグの投与を含む。プロドラッグ誘導体の選択および調製に関する従来の手順は、たとえば「Design of Prodrugs」H.Bundgaard,Elsevier,1985編集;および国際特許出願の公開番号WO2005/084192に記載されている。様々なプロドラッグも、国際公開番号WO2004/096286として発行された国際特許出願公開番号US2004/013063号に記載されている。
【0106】
もう1つの実施態様では、プロドラッグは、以下の式の1つまたは複数の基を含む:
【0107】
【化6】

ここで:
15は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、およびアミノ酸であり;
16は、H、任意に置換された単環式アリール、または任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;R17は、H、ハロゲン、CN、−CO−R20、−CON(R21、−CO20、−SO20、−SON(R21、−OR21、−SR21、−R21、−N(R21、−O−COR20、−O−CO20、−SCOR20、−S−CO20、−NHCOR21、−NHCO21、−(CH−OR22、または−(CH−SR22であるか;あるいはR16およびR17は、追加の3〜5個の原子を介して接続されて、リンに結合するOに対してβおよびγ位置でアリール基に縮合する、1つのヘテロ原子を任意に含む環基を形成するか;あるいはR17およびR18は、以下のように接続され;
18およびR19の各々は、独立してH、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであるか;あるいはR18およびR19は、追加の2〜5個の原子を介して接続されて、任意に0〜2個のヘテロ原子を含む環基を形成し、あるいはR17およびR18は、追加の3〜5個の原子を介して接続されて、任意に1つのヘテロ原子を含む1つの環基を形成し、およびR19は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
20は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
21は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
22は、Hまたは低級アシルであり;
nは、2〜5の整数であり;
mは、10〜20の整数であり;
pは、2〜3の整数である。
【0108】
プロドラッグは、様々な窒素官能基(アミノ、ヒドロキシアミノ、アミドなど)を有する化合物の形態のプロドラッグとしては、以下のタイプの誘導体が挙げられ、ここで、各々のR基は、それぞれ、上記で定義した水素、置換または非置換アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロ環、アルキルアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基で良い。
【0109】
(a)−NHC(O)Rで表現されるカルボキサミド、
(b)−NHC(O)ORで表現されるカルバメート、
(c)NHC(O)OROC(O)Rで表現される(アシルオキシ)アルキルカルバメート、
(d)−NHCR(=CHCO)または−NHCR(=CHCONR)で表現されるエナミン
(e)−N=CRで表現されるシッフ塩基
(f)RCONHCHNRで表現されるマンニッヒ塩基(カルボキシミド化合物由来)
このようなプロドラッグ誘導体の調製は、様々な文献で取り上げられている(たとえば、Alexander等、J.Med.Chem.1988,31,318;Aligas−Martin等、国際公開第WO0041531号、30ページ)。
【0110】
カルボキシルを有する化合物の形態のプロドラッグ形式としては、R基が、酵素または加水分解プロセスによる体内における放出が、製薬学的に許容可能なレベルであると思われる任意のアルコールに対応するエステル(−CO)を含む。カルボン酸に由来するもう1つのプロドラッグは、Bodor、J.Med.Chem.1980,23,469により記述されている第4級塩タイプの構造で良い。
【0111】
【化7】

ヌクレオシド糖基
本明細書で使用する「ヌクレオシド糖基」という用語は、式Iのヌクレオシド類似体の糖部分として含むことができる環基または非環基を含む。このような基の多くの例は、ヌクレオシド化学の分野で公知である(たとえば、Ashgate Publishing Ltd.によって発行されたJohn S.DriscollのAntiviral Drugs(2002)参照)。
【0112】
ヌクレオシド糖基という用語は、以下の(A)群に記載されているものを含む置換および非置換テトラヒドロフラニルおよびジヒドロフラニル化合物、以下の(B)群に記載されているものを含む置換および非置換テトラヒドロチオフェニルおよびジヒドロチオフェニル化合物、以下の(C)群に記載されているものを含む置換および非置換アルキル化合物、以下の(D)群に記載されているものを含む置換および非置換シクロアルキルおよびシクロアルケニル化合物、以下の(E)群に記載されているものを含む置換および非置換ジヒドロピロリジニルおよびテトラヒドロピロリジニル化合物、並びに以下の(F)群に記載されているものを含む置換および非置換ジオキソラン、置換および非置換チオキソラン、および置換および非置換ジチオラン化合物を含む。
【0113】
A群
置換テトラヒドロおよびジヒドロフラニル化合物の例としては、以下の一般構造式で表される化合物が挙げられる:
【0114】
【化8】

特定の例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらだけに限らない:
【0115】
【化9】

【0116】
【化10】

B群
置換テトラヒドロチオフェニルおよびジヒドロチオフェニル化合物の例としては、以下の一般構造式により表される化合物が挙げられる:
【0117】
【化11】

特定の例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらだけに限らない:
【0118】
【化12】

C群
置換アルキル化合物の例としては、以下により表される化合物が挙げられる:
【0119】
【化13】

特定の例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらだけに限らない:
【0120】
【化14】

D群
置換シクロアルキルおよびシクロアルケニル化合物の例としては、以下の一般構造式により表される化合物が挙げられる:
【0121】
【化15】

特定の例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらだけに限らない:
【0122】
【化16】

E群
置換ジヒドロピロリジニルおよびテトラヒドロピロリジニル化合物の例としては、以下の一般構造式で表される化合物が挙げられる:
【0123】
【化17】

特定の例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらだけに限らない:
【0124】
【化18】

F群
置換ジオキソラン、置換チオキソランおよび置換ジチオラン化合物の例としては、以下の一般構造式で表される化合物が挙げられる:
【0125】
【化19】

特定の例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらだけに限らない:
【0126】
【化20】

A〜F群の構造に関して、以下の定義を適用する:
は、H、OR14、N、NH、またはF;およびR’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニル;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFで良い;ここで、RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではない;
は、H、OR14、N、NH、またはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFで良い;ここで、RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではない;
あるいはRおよびRはともに以下を形成する
【0127】
【化21】

ここで:R100は、C1−12アルキル C3−8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の任意のC1−12アルキルおよびC3−8シクロアルキルは、置換されていないか、あるいはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1−4アルコキシから選択された1〜3個の置換基で置換され;R100の任意のアリールまたはヘテロアリールは置換されていないか、あるいはR101から独立して選択された1〜5個の置換基で置換され;
各々のR101は、独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4alkylsulfoyl、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、C1−4アルカノイル、C1−4アルカノイルオキシ、またはC1−4アルキルオキシカルボニルであり;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−二リン酸塩、CH−三リン酸塩
【0128】
【化22】

であり、
10およびR11の各々は、独立してH、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N−結合アミノ酸残基(たとえば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;および
14はHであり;
nは、2〜5であり;および
mは、10〜20である。
【0129】
A〜F群の構造に関する本発明の特定の一実施態様では:
は、H、OR14、N、NH、またはF;およびR’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニル;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFで良い;ここで、RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではなく:R’’はアルキルまたは置換アルキルである。
【0130】
は、H、OR14、N、NH、またはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFであり得;RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではない;
は、H、CH、C、またはNである;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOHであり、
【0131】
【化23】

10およびR11の各々は、独立してH、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N−結合アミノ酸残基(たとえば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
13は、H、CH、C、CHF、CHOH、CHCHF、CHCHOH、CH、CHCH、CHNH、またはCHCHNHであり;
14は、Hであり;
nは、2〜5であり;および
mは、10〜20である。
【0132】
式Iの化合物の一実施態様では、R14は、製薬学的に許容可能なプロドラッグ、たとえば、アシルオキシアシル、ホスホン酸塩、リン酸塩、リン酸エステル、ホスホンアミダート、ホスホロジアミダート、ホスホルアミダートモノエステル、環式ホスホルアミダート、環式ホスホロジアミダート、ホスホルアミダートジエステル、C(O)CHR15NHから成る群から選択されるプロドラッグを形成するように置換され、
【0133】
【化24】

ここで:
15は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、またはアミノ酸であり;
16は、H、任意に置換された単環式アリール、または任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;R17は、H、ハロゲン、CN、−CO−R20、−CON(R21、−CO20、−SO20、−SON(R21、−OR21、−SR21、−R21、−N(R21、−O−COR20、−O−CO20、−SCOR20、−S−CO20、−NHCOR21、−NHCO21、−(CH−OR22、または−(CH−SR22であるか;あるいはR16およびR17は、追加の3〜5個の原子を介して接続されて、リンに結合するOに対してβおよびγ位置でアリール基に縮合する、1つのヘテロ原子を任意に含む環基を形成するか;あるいはR17およびR18は、以下のように接続され;
18およびR19の各々は、独立してH、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであるか;あるいはR18およびR19は、追加の2〜5個の原子を介して接続され、任意に0〜2個のヘテロ原子を含む環基を形成するか;あるいはR17およびR18は、追加の3〜5個の原子を介して接続され、任意に1つのヘテロ原子を含む環基を形成し、およびR19は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;および
20は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
21は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
22は、Hまたは低級アシルであり;および
pは、2〜3の整数である。
【0134】
合成プロセス
式Iの化合物、あるいはその製薬学的に許容可能な塩またはプロドラッグを調製するプロセス、および式Iの化合物、またはその製薬学的に許容可能な塩またはプロドラッグを調製するために使用することが可能な中間化合物を調製するプロセスは、本発明のさらに他の実施態様として提供される。たとえば、本発明は、一実施態様では、式Iの化合物の製薬学的に許容可能な塩を調製する方法であって、対応する式Iの化合物をその塩に転換することを含む方法を提供する。
【0135】
もう1つの実施態様では、本発明は、式Iの化合物のプロドラッグを調製する方法であって、対応する式Iの化合物をプロドラッグに転換することを含む方法を提供する。
【0136】
もう1つの実施態様では、本発明は、式Iの化合物を調製する方法であって、1つまたは複数の保護基を含む対応する式Iの化合物を脱保護して、式Iの化合物を提供する方法を提供する。
【0137】
合成中間体
本発明はさらに、式Iの化合物あるいはその塩またはプロドラッグを調製するのに有用な合成中間体を提供する。たとえば、本発明は、本明細書の実施例に記載されているものを含む新規な合成中間体を提供する。
【0138】
異性体および物理的形状
当業者は、キラル中心を有する本発明の化合物が、光学的に活性のラセミ体として存在し、こうしたラセミ体として隔離し得ることが分かるであろう。化合物によっては、同質異形を示す場合がある。本発明は、本明細書に記載する有用な特性を有している、本発明の化合物(たとえば式Iの化合物)の任意のラセミ体、光学的活性体、多形互変異性体、また立体異性体、あるいはこれらの混合物を含むと考えられ、光学活性体をどのように調製するか(たとえば、再結晶化技術によってラセミ体を分解するか、光学的活性の出発原料から合成する、キラル合成する、あるいはキラル静止相を使用してクロマトグラフ分離を行うことにより)、および本明細書に記載する標準のテストを用いるか、または当該技術分野で周知の他の類似テストを用いて、抗ウイルスまたは抗癌活性をどのように判断するかは、当該技術分野で公知である。本発明は、本明細書に記載されている化合物のすべての異性体を含むが、本発明の一実施態様は、本明細書の実施例に記載する絶対立体化学を有する化合物を提供する。
【0139】
医薬組成物、投与形式、および処置方法
本開示は、DNAおよび/またはRNAウイルスポリメラーゼ抑制剤、および抗癌剤である上記の一般式Iの化合物を開示する。様々な形態のDNAおよびRNAウイルスポリメラーゼは、開示されている化合物によって抑制され、こうした化合物は、ウイルスRdRpに限られない。したがって、本開示の化合物は、宿主中のウイルス感染を処置および/または防止し、ウイルス感染によって生じるか、ウイルス感染に関連する多様な病状および/または症状を処置および/または防止するのに有用である。一実施態様では、この化合物は、ウイルスRNAおよびDNAポリメラーゼを阻害することによって処置および/または防止する際に有用である。このようなウイルス性因子としては、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーA群ウイルスおよびB群ウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、天然痘ウイルス、エボラウイルス、および西ナイル熱ウイルスが挙げられるが、これらだけに限らない。特定の実施態様では、ウイルス感染症の原因物質はフラビウイルスである。
【0140】
本開示は、一般式Iの化合物、本明細書に記載されている一般式Iの少なくとも1つの化合物の製薬学的に有効な量を含む医薬組成物を提供する。このような化合物および/または医薬組成物は、ウイルスRNAおよびDNAポリメラーゼを阻害することが望ましい疾患または症状を処置および/または防止するために、薬剤の製造時に使用することができる。このような医薬組成物は、製薬学的に許容可能な担体、および当該技術分野で公知のその他の成分をさらに含むか、あるいは一般式Iの化合物のみを含んで良い。
【0141】
本明細書に記載する製薬学的に許容可能な担体としては、媒体、助剤、賦形剤、または希釈剤が挙げられるが、これらだけに限らず、こうした担体は、当業者が周知している。一般に、製薬学的に許容可能な担体は、活性化合物に対して化学的に不活性であり、使用条件下で有害な副作用または毒性を持たない。製薬学的に許容可能な担体は、ポリマーおよびポリマーマトリックスを含むことができる。
【0142】
本開示に記載されている化合物は、個々の治療薬として、あるいはその他の治療薬と組み合わせて調合薬に関連して使用するように、任意の従来の方法で投与することができる。
【0143】
上記の化合物は、製薬学的に有効な量を投与される。製薬学的に有効な量の化合物、および投与される医薬組成物の用量は、当然、特定の薬剤、並びにその投与方法および経路の薬力学的特徴;受容者の年齢、健康状態、および体重;病状または症状の重篤度および段階;併用療法の種類;処置の頻度、並びに所望の効果など、既知の要因によって異なることになる。
【0144】
有効成分の1日の用量は、1日に付き体重1キログラム(kg)当たり約0.001〜1000ミリグラム(mg)と予想することができる。一実施態様では、総量は、1日に付き約0.1mg/kg体重〜約100mg/kg体重であり;別の実施態様では、1日に付き約1.1mg/kg〜約50mg/kg体重であり、さらに別の実施態様では、1日に付き0.1mg/kg〜約30mg/kgである。上記の量は、必要な場合、一連の比較的少量の用量で一定期間にわたって投与して良い。製薬学的に有効な量は、送達される親化合物の重量に基づいて計算することができる。塩またはプロドラッグが、それ自体で活性を示す場合、製薬学的に有効な量は、塩またはプロドラッグの重量を用いて上記のように、あるいは当業者が周知しているその他の手段により概算することができる。有効成分の用量は、必要な場合、毎日ではなく投与して良い。
【0145】
投与される化合物の総量は、投与の経路、時期、および頻度、並びに化合物の投与に伴うと思われる何らかの有害な副作用の存在、性質、および程度、並びに所望の生理学的効果によっても決定される。当業者は、様々な症状または病状、特に慢性の症状または病状は、多回投与を含む長期間の処置を要する場合があることが分かるであろう。
【0146】
本明細書に記載する医薬組成物の剤形(投与に適する医薬組成物の形状)は、単位当たり約0.1mg〜約3000mgの有効成分(つまり、開示されている化合物)を含む。これらの医薬組成物では、有効成分は、通常、組成物の総重量に基づいて約0.5〜95重量%の量で存在するであろう。複数の剤形は、1回の処置の一部として投与することができる。有効成分は、約0.2〜70μM、または約1.0〜10μMという有効成分のピーク血漿濃度を達成するように投与することができる。
【0147】
有効成分は、カプセル、錠剤、および粉末などの固体剤形、あるいはエリキシル剤、シロップおよび懸濁剤などの液体剤形として経口投与することができる。また、殺菌液体剤形として非経口投与することもできる。有効成分は、鼻腔内(点鼻薬)から、あるいは肺系統を介した吸入に、たとえば推進薬を用いる定量吸入器または乾燥粉末吸入デバイスにより投与することもできる。その他の剤形は、パッチ機序または軟膏による経皮的投与などが潜在的に可能である。
【0148】
経口投与に適する製剤としては、(a)水、生理食塩水、またはオレンジジュースなどの希釈液中に溶解された製薬学的に有効な量の化合物などの溶液;(b)固体または顆粒など、予め決められた製薬学的に有効な量の有効成分を各々含むカプセル、サッシェ、錠剤、ロゼンジ、およびトローチ;(c)粉末;(d)適切な液体中の懸濁剤;並びに(e)適切な乳剤が挙げられる。液体製剤は、水、およびアルコール、たとえば、製薬学的に許容可能な界面活性剤、懸濁剤、または乳化剤を添加するかどうかに関わらず、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、およびポリエチレンアルコールなどの希釈剤を含み得る。カプセル剤は、たとえば界面活性剤、潤滑剤、および不活性充填剤、たとえばラクトース、サッカロース、リン酸塩カルシウム、およびコーンスターチを含む通常の硬質または軟質シェルのゼラチンタイプのもので良い。錠剤は、以下の1つまたは複数を含むことができる:ラクトース、サッカロース、マンニトール、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸、微結晶セルロース、アカシア、ゼラチン、グァーガム、コロイド状二酸化ケイ素、錠剤崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、およびその他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、粉末化剤、湿潤剤、防腐剤、香料添加剤、および薬理学的に相溶性の担体。ロゼンジ剤は、香味料、通常はサッカロースおよびアカシアまたはトラガカント、並びに有効成分のほかに、当該技術分野で公知の担体を含むゼラチンおよびグリセリン、またはサッカロースおよびアカディア、乳剤、およびゲルなどの不活性ベース中に有効成分を含む香剤中に有効成分を含むことができる。
【0149】
非経口投与に適する製剤としては、水性および非水性の等張殺菌注射液が挙げられ、この注射液は、抗酸化物質、緩衝剤、静菌薬、および製剤を患者の血液と等張にする溶質、並びに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および防腐剤を含むことが可能な水性および非水性殺菌懸濁剤を含むことができる。
【0150】
化合物は、水、生理食塩水、水性ブドウ糖および関連する糖溶液、アルコール、たとえばエタノール、イソプロパノール、またはヘキサデシルアルコール、グリコール、たとえばプロピレングリコール、またはポリエチレングリコール、たとえばポリ(エチレングリコール)400、グリセロールケタール、たとえば2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール、エーテル、オイル、脂肪酸、脂肪酸エステルまたはグリセリド、あるいはアセチル化脂肪酸グリセリドを含む殺菌液または液体の混合物など、製薬学的に許容可能な担体として生理学的に許容可能な希釈剤に入れて、製薬学的に許容可能な界面活性剤、たとえば石鹸または洗剤、懸濁化剤、たとえばペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロース、または乳化剤およびその他の補助剤を添加するかどうかに関わらず投与することができる。
【0151】
非経口製剤に使用することが可能なオイルとしては、石油、動物、野菜、または合成オイルが挙げられる。オイルの特定の例としては、ピーナッツ油、大豆油、ゴマ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、ワセリン、鉱油が挙げられる。非経口製剤に使用するのに適する脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、およびイソステアリン酸が挙げられる。オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソ−プロピルは、適切な脂肪酸エステルの例である。非経口製剤に使用するのに適する石鹸としては、脂肪アルカリ金属、アンモニウム、およびトリエタノールアミン塩が挙げられ、適切な洗剤としては、(a)陽イオン洗剤、たとえばハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム、およびハロゲン化アルキルピリジニウム、(b)陰イオン洗剤、たとえばアルキル、アリール、およびオレフィンスルホネート、アルキル、オレフィン、エーテル、および硫酸モノグリセリド、およびスルホコハク酸塩、(c)非イオン洗剤、たとえば脂肪族アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、およびポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマー、(d)両性洗剤、たとえばアルキル、β−アミノプロピオネート、および2−アルキルイミダゾリン第4アンモニウム塩、並びに(e)これらの混合物が挙げられる。
【0152】
非経口製剤は、一般に、溶液中に約0.5重量%〜25重量%の有効成分を含む。適切な防腐剤および緩衝剤は、こうした製剤に使用することができる。注入部位の炎症を最小限にするか、あるいは排除するために、これらの組成物は、約12〜約17の親水性−親油性バランス(HLB)を有する1つまたは複数の非イオン界面活性剤を含むことができる。これらの製剤中の界面活性剤の量は、約5重量%〜約15重量%の範囲である。適切な界面活性剤としては、ソルビタンモノオレエートなどのポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびプロピレンオキシドのプロピレングリコールとの縮合によって形成される、エチレンオキシドの疎水性ベースとの高分子量付加物が挙げられる。
【0153】
製薬学的に許容可能な賦形剤も、当業者に良く知られている。賦形剤の選択は、一部には特定の化合物によって決まり、また組成物の投与に使用される特定の方法によって決まるであろう。したがって、本発明の医薬組成物には、適切な多様な製剤がある。以下の方法および賦形剤は、単なる実例であり、決して限定するものではない。製薬学的に許容可能な賦形剤は、有効成分の作用を妨げず、有害な副作用を生じないことが好ましい。適切な担体および賦形剤としては、水、アルコール、およびプロピレングリコール、固体吸収剤(absorbants)、希釈剤、界面活性剤、懸濁化剤、錠剤結合剤、潤滑剤、香味料、および着色剤が挙げられる。
【0154】
本発明の化合物は、単独で、あるいは他の適切な成分と組み合わせて、吸入により投与されるエアロゾル製剤として製造することができる。これらのエアロゾル製剤は、加圧された許容可能な推進薬、たとえばジクロロジフルオロメタン、プロパン、および窒素として配置することができる。このようなエアロゾル製剤は、定量吸入器によって投与し得る。これらのエアロゾル製剤は、ネブライザまたはアトマイザなどにおける不圧製剤用の調合薬として調製しても良い。
【0155】
製剤は、単回用量または多回用量の封止容器、たとえばアンプル剤およびビンに入れて提示することができ、冷凍乾燥(凍結乾燥)状態で保存して、使用直前に注入するための殺菌液体賦形剤、たとえば水を添加するだけで良い。即時注射液および懸濁剤は、殺菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。注入可能な組成物に有効な製薬学的に許容可能な担体の要件は、当業者に良く知られている。Pharmaceutics and Pharmacy Practice、J.B.Lippincott Co.、Philadelphia、Pa.,Banker and Chalmers、Eds.,238−250(1982)およびASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,4th ed.622−630(1986)参照。
【0156】
局所投与に適する製剤としては、ゼラチンおよびグリセリンまたはサッカロースおよびアカシアなどの不活性ベース中に有効成分を含む香剤、並びに有効成分のほかに、当該技術分野で公知の担体を含むクリーム、乳剤、およびゲルが挙げられる。さらに、経皮パッチは、当該技術分野で公知の方法を用いて調製することができる。
【0157】
さらに、直腸投与に適する製剤は、乳化ベースまたは水溶性ベースなどの多様なベースを混合することによって座薬として提示し得る。膣内投与に適する製剤は、有効成分のほかに、当該技術分野で適していることが分かっている担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体、または噴霧製剤として提示し得る。
【0158】
当業者は、本発明の化合物を患者に投与するのに適する方法があり、特定の化合物を投与するために、複数の経路を使用することができるが、ある特定の経路は、別の経路より直接的で、より効果的な反応を提供することが可能であることが分かるであろう。
【0159】
本発明により化合物を投与するための医薬剤形の有用な実施態様は、以下のように説明することができる。
【0160】
多くの硬質シェルカプセルは、標準の2ピース硬質ゼラチンカプセルに、100mgの粉末状有効成分、150mgのラクトース、50mgのセルロース、および6mgのステアリン酸マグネシウムを充填して調製される。
【0161】
大豆油、綿実油、またはオリーブ油などの消化性油中の有効成分の混合物を調製し、容積移送式ポンプにより融解ゼラチン中に注入し、100mgの有効成分を含む軟質ゼラチンカプセルを形成する。カプセルは、洗浄して乾燥させる。有効成分は、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物中に溶解して、水混和性薬物混合物を調製することができる。
【0162】
多くの錠剤は、用量単位が100mgの有効成分、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶セルロース、11mgのデンプン、および98.8mgのラクトースになるように、従来の手順で調製される。美味性を高め、外観および安定性を改善し、または吸収を遅らせるために、適切な水性および非水性コーティングを施すと良い。
【0163】
短時間作用型錠剤/カプセルは、従来および新規なプロセスで製造される固形の経口剤形である。これらのユニットは、水なしで経口摂取され、直ちに溶解して薬物が送達される。有効成分は、糖、ゼラチン、ペクチンおよび甘味料などの成分を含む液体中で混合される。これらの液体は、冷凍乾燥および固体抽出技術によって固形の錠剤またはカプレット状に凝固される。薬物化合物は、粘弾性および熱可塑性の糖およびポリマー、または発泡性成分で圧縮して、水を必要としない短時間作用型を意図する多孔性マトリックスを製造することができる。
【0164】
さらに、本発明の化合物は、点鼻薬、あるいは定量噴霧、および鼻または口内吸入器の形態で投与することができる。薬物は、微細な霧状の点鼻溶液、またはエアロゾルの粉末から送達される。
【0165】
一実施態様では、本開示の教示は、ウイルス感染を処置するか、またはこのようなウイルス感染によって、またはウイルス感染に関連して生じる病態および/または症状を処置する方法におけるこうした医薬組成物および薬剤の使用を提供する。一実施態様では、処置は、ウイルスのRNAまたはDNAポリメラーゼの阻害の結果であり、こうしたポリメラーゼとしては、RdRpが挙げられるが、これだけに限らない。このような処置方法または阻害は、必ずしも完全に有用である必要はない。この処置方法は、以下のステップを含む:(i)このような処置を必要とする患者を特定する;(ii)本発明の少なくとも1つの化合物を含むこうした医薬組成物を提供する;および(iii)治療上有効な量のこのような医薬組成物を投与して、このような処置を必要とする患者のウイルス感染を処置するか、あるいはこのような処置を必要とする患者のウイルスのRNAまたはDNAポリメラーゼの活性を阻害する。
【0166】
一実施態様では、本開示の教示は、ウイルス感染を予防または抑制するか、あるいはこのようなウイルス感染によって生じるか、またはウイルス感染に関連する病態および/または症状を予防または抑制する方法における、このような医薬組成物および薬剤の使用を提供する。一実施態様では、予防または抑制は、ウイルスのRNAまたはDNAポリメラーゼの阻害の結果であり、こうしたポリメラーゼとしては、RdRpが挙げられるが、これだけに限らない。このような予防、抑制または阻害は、必ずしも完全に有用である必要はない。予防または抑制方法は、任意に以下のステップを含むことができる:(i)このような処置を必要とする患者を特定する;(ii)一般式Iの少なくとも1つの化合物を含むこうした医薬組成物を提供する;および(iii)治療上有効な量のこのような医薬組成物を投与して、このような処置を必要とする患者のウイルス感染を予防または抑制するか、あるいはこのような処置を必要とする患者のウイルスのRNAまたはDNAポリメラーゼの活性を阻害する。
【0167】
ウイルス感染、あるいはこのウイルス感染によって生じるか、または関連する病態および/または症状を処置および予防する方法は、さらに、特にHCVに対して活性であり得る別の抗ウィルス薬の治療上有効な量と組み合わせて、本発明の治療上有効な量の化合物を投与することを含む。HCVに対して活性の薬剤としては、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、チモシンα−1、HCV NS3セリンプロテアーゼ阻害剤、イノシン一リン酸塩デヒドロゲナーゼ阻害剤、インターフェロン−α阻害剤、ペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)、インターフェロン−αとリバビリンとの組合せ、ペグインターフェロン−αとリバビリンとの組合せ、インターフェロン−αとレボビリンとの組合せ、並びにペグインターフェロン−αとレボビリンとの組合せが挙げられるが、これらだけに限らない。インターフェロン−αとしては、組み換え型インターフェロン−α2a、インターフェロン−α2b、コンセンサスインターフェロン、および精製インターフェロン−α生成物が挙げられるが、これらだけに限らない。
【0168】
本開示の化合物および医薬組成物は、多くの癌を予防および/または処置するために、患者に投与することができる。癌としては、白血病およびリンパ腫、たとえば急性リンパ性白血病、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、および多発性骨髄腫、小児固形腫瘍、たとえば脳腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、ウィルムス腫瘍、骨腫瘍、および軟部組織肉腫、成人の一般固形腫瘍、たとえば肺癌、大腸および直腸癌、乳癌、前立腺癌、泌尿器癌、子宮癌、口頭癌、膵臓癌、黒色腫およびその他の皮膚癌、胃癌、卵巣癌、脳腫瘍、肝臓癌、咽頭癌、甲状腺癌、食道癌、および睾丸癌が挙げられるが、これらだけに限らない。癌は、ウイルス感染、またはウイルスのDNAまたはRNAポリメラーゼの活性に関連し得る。
【0169】
癌を処置および予防する方法は、さらに、本開示の任意の化合物または医薬組成物と組み合わせて化学療法薬を投与することを含み得る。この目的には、任意の適切な化学療法薬を用いることができる。化学療法薬は、一般に、アルキル化剤、代謝拮抗物質、天然物、ホルモン剤、および混合型薬剤から成る群から選択される。
【0170】
アルキル化化学療法薬の例としては、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、ロムスチン、シクロホスファミド、メルファラン、メクロレタミン、プロカルバジン、チオテパ、ウラシルマスタード、トリエチレンメラミン、ブスルファン、ピポブロマン、ストレプトゾシン、イホスファミド、ダカルバジン、カルボプラチン、およびヘキサメチルメラミンが挙げられる。
【0171】
代謝拮抗物質である化学療法薬の例としては、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、アザセリン、チオグアニン、フロキシウリジン、フルダラビン、クラドリビン、およびL−アスパラギナーゼが挙げられる。
【0172】
天然物である化学療法薬の例としては、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、カンプトセシン、ダウノマイシン、ドキソルビシン、エトポシド、マイトマイシンC、TAXOL(商標)(パクリタキセル)、タキソテール、テニポシド、ビンクリスチン、ビノレルビン、ミトラマイシン、イダルビシン、MITHRACIN(商標)(プリカマイシン)、およびデオキシコホルマイシンが挙げられる。
【0173】
ホルモン化学療法薬の例としては、タモキシフェンが挙げられる。上記の混合型化学療法薬の例としては、ミトタン、ミトキサントロン、ビンブラスチン、およびレバミゾールが挙げられる。
【0174】
ウイルスポリメラーゼを阻害する化合物の能力は、既知のアッセイを用いて評価することができる。HCV NS5Bポリメラーゼを阻害する化合物の能力は、以下のアッセイを用いて評価することができる。
【0175】
HCV NS5B ポリメラーゼアッセイ
試験化合物の抗ウイルス能力は、ヒト胚芽腫細胞株、Huh7のトランスフェクションによって誘導された(Blight等、Sci.2000、290、1972)安定したHCV−RNA複製細胞株、AVA5中で評価した(Okuse等、Antiviral Res.2005、65、23−34)。化合物を、毎日1回3日間にわたって分割培養物に添加した。媒質は、化合物を添加するごとに変えた。培養物は、殆どの場合、30〜50%の集密度でアッセイを開始し、処置の最終日に集密状態に達した。細胞内のHCV−RNAレベルおよび細胞毒性は、化合物を最後に投与してから24時間後に評価した。
【0176】
HCV−RNAレベル(48ウェルおよび96ウェルプレート上)および細胞毒性(96ウェルプレート上)に関して、トリプリケートの培養物を使用した。合計6つの未処置対照培養物、およびα−インターフェロンおよびリバビリンで処置したトリプリケートの培養物は、陽性の抗ウイルスおよび毒性対照として使用した。
【0177】
細胞内HCV RNAレベルは、HCV RNAレベルが、個々の培養物各々におけるB−アクチンRNAのレベルに正規化される従来のブロットハイブリダイゼーション法を使用して測定した。(Okuse等、Antivir.Res.2005、65、23−34)。細胞毒性は、ニュートラルレッド色素摂取アッセイを使用して測定した(KorbaおよびGerin、Antivir.Res.1992、19、55)。処置培養物のHCV RNAレベルは、未処置培養物で検出されたRNAの平均レベルの割合で表される。
【0178】
代表的な式Iの化合物は、このアッセイにおける著しい活性を実証した。
【0179】
化合物合成
式Iの化合物は、既知の合成中間体および合成手順を使用して調製することができるか、あるいは本明細書に記載する、たとえば以下のスキームに記載されている合成中間体および合成手順を使用して調製することができる。
【0180】
本明細書では、以下の略語を使用する。
Tr: トリチル
Bn: ベンジル
TBDPS: tert−ブチルジフェニルシリル
m−CPBA: 3−クロロ過安息香酸
TFA : トリフルオロ酢酸
TBDMSCl: 塩化tert−ブチルジメチルシリル
DMF: ジメチルホルムアミド
THF: テトラヒドロフラン
LDA: リチウムジイソプロピルアミン
TEAB: トリエチルアンモニウム重炭酸塩
MmTrCl: 塩化モノメトキシトリチル
MMTrCl: 塩化モノメトキシトリチル
DMAP: ジメチルアミノピリジン
DEAE: ジエチルアミノエチル−セファロース
CMA−80: クロロホルム 80:MeOH 18:NHOH:2
CMA−50: クロロホルム 50:MeOH 40:NHOH:10
Bz: ベンゾイル
BnBr: 臭化ベンジル
LiHMDS: リチウムヘキサメチルジシラザン(disalazane)
TBDPSCl: 塩化tert−ブチルジフェニルシリル
DMSO: ジメチルスルホキシド
RMgBr: 臭化アルキルマグネシウム
DIBAL: ジイソブチルアルミニウム水素化物
DBN: 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
DBU: 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン
MeMgBr: 臭化メチルマグネシウム
P: 適切な保護基を表す。
【0181】
【化25】

スキームA−2。
【0182】
2’−C−メチルを含まない化合物は、リボノラクトンまたはリボースから開始するスキームA−1に記載した方法と同じだが、多少変更した方法で調製する。
【0183】
【化26】

スキームA−3。
【0184】
環にSを含み、2’−CHを含むか/含まない化合物は、スキームA−1に記載した方法と同じだが、多少変更した方法で調製する。
【0185】
【化27】

スキームA−4。
【0186】
シクロペンタン環を含む化合物は、適切に保護されたシクロペンタノン誘導体から開始して調製される。
【0187】
【化28】

ピロリジン環系を含む化合物は、以下の経路で調製される。
イミンは、文献に記載されている標準の手順を用いて調製することができる。
【0188】
スキームA−6。
【0189】
また、アルキル側鎖を含む化合物は、スキームA−1に記載されている同じ方法で、対応するアルデヒドから開始して調製される。
【0190】
【化29】

修飾リボース(たとえば、2−デオキシリボース、2−フルオロ−2−デオキシリボース、アラビノース、2,2’−ジフルオロ−2−デオキシリボース、3−デオキシリボース、2,3−ジデオキシリボース、2,3−ジデオキシジデヒドロリボース、4−アジドリボースなど)、チアリボース、ピロリジン、シクロペンタン環系を含む化合物は、文献で公知の手順で調製され、スキームA−1に従って、ピロール環にアミノおよびシアノ基を含む所望の前駆物質に変換される。
【0191】
【化30】

保護基(P)は、分子中の他の基、または当該分子自体に影響しない通常の条件で脱保護可能な任意の適切な基で良い。
【0192】
スキームB−2。
【0193】
構造(I)にR置換基を含む化合物は、以下のスキームで調製される。これらの基のいくつかの例は、このスキームに記載されている。
【0194】
【化31】

保護基「P」の除去は、本発明の化合物を提供する
【0195】
【化32】

【0196】
【化33】

スキームB−6。
【0197】
構造(I)にR置換基を含む化合物は、以下のスキームで調製される。
【0198】
【化34】

【0199】
【化35】

【0200】
【化36】

【0201】
【化37】

スキームC−1。
【0202】
リン酸塩、ホスホン酸塩および三リン酸塩の調製
【0203】
【化38】

【0204】
【化39】

このようなホスホン酸塩のプロドラッグは、文献の手順で調製することができる。
【0205】
スキームD−1およびD−2は、本発明のプロドラッグの調製を示す。
【0206】
【化40】

【0207】
【化41】

次に、本発明について、以下の非制限的な実施例により具体的に説明する。
【実施例】
【0208】
(実施例1)
【0209】
【化42】

(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール ヒドロクロリド(1k)。
【0210】
【化43】

a.ジエチルエーテル(100mL)で新たに抽出したピロール(6.79g、100.89mmol)の攪拌溶液に、臭化エチルマグネシウム(エーテル中の33.6mL、100.89mmol、3M溶液)を20℃で徐々に添加した。反応混合物は、20℃で1時間さらに攪拌し、真空下で溶剤を除去して、1bを生じさせた。ジクロロメタン(500mL)中の1bに、(3R,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−(ベンジルオキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−オール(1c、WO 2006/050161、10.96g、25.22mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液を0℃で添加し、4℃で72時間さらに攪拌した。反応混合物は、塩化アンモニウム(200mL)の飽和溶液を添加して急冷し、有機層を分離した。水層は、ジクロロメタン(2×200mL)でさらに抽出した。結合有機抽出物は、水(2×50mL)および食塩水(1×50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。濾過後、1dを含む濾液は、20℃においてトリフルオロ酢酸(4.14g、36.34mmol)で処置し、14時間攪拌した。反応混合物は、水(2×100mL)および食塩水(1×50mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。濾過後、濾液を濃縮して原料1eを生じさせた。
注:ジエチルエーテルの代わりにグリニャール試薬を生成するために、THFも使用した。THFは蒸留により除去し、極微量は共沸混合により除去した。
【0211】
b.オキシ塩化リン(19.33g、126.1mmol)は、0℃のN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)に添加し、30分間攪拌した。この溶液に、ジクロロメタン(50mL)中の1e(12.1g、25.22mmol)を徐々に、15分間0℃で添加し、攪拌は1時間継続した。反応混合物は、酢酸ナトリウム(100mL)の飽和溶液を添加して急冷し、30分間攪拌した。反応混合物を濃縮してジクロロメタンを除去し、残渣は、酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層を分離し、水(2×100mL)および食塩水(1×50mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。濾過後、濾液を濃縮して、残渣は、ヘキサン(0〜12%)中の酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィにより精製し、2.92g(1cから22.6%)の暗褐色のシロップ1fを生じさせた。MS(ES):510.2(M−H)
注:DMFだけは溶剤としても使用した;ジクロロメタンの必要はなかった。精密検査には、酢酸ナトリウムの代わりに2N NaOHを使用した。
【0212】
c.テトラヒドロフラン(50mL)中で上記で得た1f(2.5g、4.88mmol)の攪拌溶液に、水酸化ナトリウム(0.39g、9.77mmol、60%、鉱油中に分散)を0℃で添加した。30分間0℃で攪拌した後、O−(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン(1g、1.15g、5.37mmol、Krause、J.G.Synthesis、1972、140の方法で調製)を0℃で添加し、さらに2時間攪拌した。水(20mL)を添加して反応混合物を急冷し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。結合有機抽出物は、水(2×25mL)および食塩水(1×25mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。濾過後、濾液を濃縮して、2.75gの暗色のシロップ1hを生じさせた。MS(ES):527.43(M + H)
【0213】
化合物1hも、以下のように調製することができる。
【0214】
d.アルデヒド1f(5.2Kg、10.16mol)は、メチルメチルtert−ブチルエーテル(72.8L)中で溶解させ、清潔なSS反応器(600L)内に充填した。アリコット336(0.25Kg、0.61mol)および塩化アンモニウム(6.53Kg、122.07mol)を反応器に添加して、反応混合物を0〜5℃に急冷した。水酸化アンモニウム(19.08L、137mol、28%水溶液)を0〜5℃で添加した後、低温(0〜5℃)の水酸化ナトリウム溶液(66Lの水中16.59Kg、414.75mol)を同じ温度で、3時間添加した。次亜塩素酸ナトリウム(251L、222.58mol、6%溶液)の添加を0℃で開始し、添加時に温度を15℃まで上昇させた。反応混合物は、室温で2時間さらに攪拌した。TLCは、反応の終了を示した。酢酸エチル(104L)を反応混合物に添加し、層を分離した。水層は、酢酸エチル(2×104L)で再度抽出した。結合有機層は、水(52L)、チオ硫酸ナトリウム(2×156L、10%溶液)、水(52L)および食塩水(70L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(10.4Kg)上で乾燥させた。濾過後、濾液は、40度未満の真空下で濃縮して、原料化合物1h(4.4kg)を暗色のシロップとして提供した。
【0215】
e.ジオキサン(50mL)中の攪拌溶液1h(2.56g、4.88mmol)に水(15mL)を添加して、0℃まで冷却した。0℃のこの冷却溶液に、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(1.93g、17.10mmol)を添加した。1時間攪拌した後、水酸化カリウム(2.19g、39.0mmol)の水およびジオキサン(20mL+20mL)の低温溶液を添加し、0℃で1時間さらに攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、有機層を分離して、水(2×50mL)および食塩水(1×50mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。濾過後、濾液を濃縮して、2.6gの1iを提供し、これは、それ自体次のステップで使用された。
【0216】
f.N,N−ジメチルアセトアミド(70mL)中の攪拌溶液1i(2.55g、4.88mmol)に、酢酸ホルムアミジン(5.08g、48.88mmol)を添加し、反応混合物を140℃で3時間攪拌した。殆どのN,N−ジメチルアセトアミドは真空下で除去され、残渣は水(100mL)中に懸濁し、これは酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。結合有機抽出物は、水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。濾過後、濾液を濃縮して、残渣は、ヘキサン(0〜30%)中の酢酸エチルおよびメタノール(9:1)の混合物を使用してフラッシュクロマトグラフィにより精製し、不純化合物(1.25g)を提供した。シリカゲル上のクロマトグラフィによりさらに精製すると、0.48g(1fから17.8%)の1j、7−((2S,3S,4R,5R)−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−5−(ベンジルオキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンが淡褐色の固形として得られた。H NMR(CDCl):δ 7.87(s,1H),7.43−7.21(m,15H),6.88(d,J=4.5 Hz,1H),6.50(d,J=4.5 Hz,1H),5.87(s,1H),5.36(b,2H,DO 交換可能),4.83(dd,J=31.8,12.2 Hz,2H),4.68−4.52(m,4H),4.40−4.35(m,1H),4.04(d,J=8.8 Hz,1H),3.88(dd,J=10.9,2.3 Hz,1H),3.69(dd,J=11.1,3.6 Hz,1H),1.00(s,3H). MS(ES): 551.40(M + H)
注:酢酸およびn−BuOHは、ジメチルアセトアミドの代わりに溶剤として使用することもできる。
【0217】
g.ジクロロメタン(25mL)中の攪拌溶液1j(0.27g、0.484mmol)に、−40℃の三塩化ホウ素(ジクロロメタン中の4.84mL、4.84mmol、1M溶液)を添加し、混合物を−40℃で30分間さらに攪拌し、徐々に約30分間で0℃にして、0℃で20分間攪拌した。反応は、エチルアルコール(50mL)を添加して急冷し、減圧状態で濃縮した。やはり、エチルアルコール(50mL)を添加して、濃縮した。この作業は、4回繰り返した。濃縮後、残渣は、イソ−プロピルアルコールおよびメタノール(20および2mL)の混合物中で溶解し、メタノールは、真空下で濃縮することによって除去した。固形物を分離し、濾過によって収集して、60℃において真空下で乾燥させ、39mg(25%)の1k、(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオールを無色の固形物として提供した。H NMR(DMSO−d):δ 9.71(bs,1H,DO 交換可能),8.99(bs,1H,DO 交換可能),8.16(s,1H),7.41(d,J=4.5Hz,1H),6.97(d,J=4.7 Hz,1H),5.34(s,1H),4.8−4.0(m,3H,DO 交換可能),3.81−3.56(m,4H),0.79(s,3H). MS(ES): 281.6(M + H). 分析:C1216.HClの計算値: C,45.50;H,5.40;N,17.68;Cl,11.19;実測値:C、45.53;H、5.54;N、17.93;Cl、11.17。
【0218】
化合物1kは、以下のように調製することもできる。
【0219】
h.化合物1j(128g)のメタノール(1.4L)溶液に、濃HCl(130mL)、次に10%Pd/C(12g)を添加し、混合物を70psiで10時間水素化した。化合物を溶液から沈殿させてから、水(500mL)を混合物に添加し、60℃で約1時間加熱し、セライトパッドを通して濾過した。パラジウムを含むセライトパッドは、水(400mL)およびメタノール(400mL)の混合物中で再度浮遊させ、60℃で約1時間加熱し、再びセライトを通して濾過した。この作業は、化合物が溶解しない状態で残らなくなるまで繰り返した。この結合濾液を真空下で濃縮して、水およびエタノール(1:20)から再結晶させ、32.5gの所望の生成物1kを淡黄色の結晶として生成した。母液を再度濃縮して再結晶させ、5.6gの別の作物を生成した。
【0220】
(実施例2)
【0221】
【化44】

(2S,3R,4R,5R)−2−(4−(ジメチルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール(2e)。
【0222】
【化45】

a.1i(500mg、0.95mmol、実施例1に従って得られた製剤)のEtOH(25mL)溶液は、濃NHOH(28−30%、9.5mL)および過酸化水素(水中で30%、0.3mL)で処理した後、室温で20時間攪拌した。追加の過酸化水素(水中で30%、0.1mL)を添加し、4時間攪拌し続けた。反応混合物は、乾燥するまで濃縮した。残渣をクロロホルム(50mL)で処理し、水(50mL)で洗浄した。水相は、クロロホルム(50mL)で再度抽出した。結合抽出物は、食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過し、濃縮して黄色シロップ(2a、0.51g)を得た。MS(ES):540.1(M−H)。原料2a(0.48g)は、オルト蟻酸トリエチル(10mL)中で溶解させ、TFA(0.07mL、0.91mmol)で処理した後、80℃で45分間攪拌し、乾燥するまで濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜1:1)上でカラムクロマトグラフィによって精製し、2b(2回のステップで375mg、76%、R=0.33,ヘキサン/EtOAc=1:0)を淡褐色のシロップとして得た。H NMR(DMSO−d): δ 11.70(bs,1H),7.90(d,J=3.1Hz,1H),7.43−7.20(m,15H),6.84(d,J=4.4Hz,1H),6.67(d,J=4.4Hz,1H),5.56(s,1H),4.77−4.53(m,6H),4.22−4.15(m,1H),3.99(d,J=8.2Hz,1H),3.85−3.65(m,2H),1.07(s,3H);MS(ES):550.6(M−H)
【0223】
b.2b(3.413g、6.19mmol)のアセトニトリル(80mL)溶液は、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(2.88g、98%、12.39mmol)およびN、N−ジメチルアニリン(1.2mL、9.37mmol)で処理した。混合物を80℃まで加熱し、オキシ塩化リン(3.5mL、37.85mol)で処理して、80℃で45分間攪拌した。追加のオキシ塩化リン(15mL)を添加し、80℃における攪拌を2.5時間続けた。オキシ塩化リン(10mL)の第3部分を添加して、80℃における攪拌をさらに3時間続けた。反応混合物は、乾燥するまで濃縮した。残渣は、クロロホルム(400mL)中で溶解させ、1M NaHCO(200mL)、水(200mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮して、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜4:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、2c(2.67g、76%、R=0.45、ヘキサン/EtOAc=4:1)を黄色油として得た。H NMR(DMSO−d): δ 8.49(s,1H),7.44−7.22(m,16H),7.07(d,J=4.7Hz,1H),5.74(s,1H),4.79−4.55(m,6H),4.29−4.21(m,1H),4.05(d,J=8.0Hz,1H),3.89−3.70(m,2H),1.03(s,3H)。
【0224】
c.2c(200mg、0.35mmol)のEtOH(6mL)およびクロロホルム(1.5mL)溶液は、トリエチルアミン(0.92mL、6.6mmol)、次にジメチルアミン(水中で40%、0.44mL、3.51mmol)で処理した後、50℃で12時間攪拌した。反応混合物を濃縮して、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜1:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、2d(189mg、93%、R=0.42、ヘキサン/EtOAc=1:1)を淡黄色のシロップとして得た。H NMR(DMSO−d):δ7.87(s,1H),7.42−7.25(m,15H),6.91(d,J=4.6Hz,1H),6.78(d,J=4.6Hz,1H),5.70(s,1H),4.80−4.54(m,6H),4.23−4.15(m,1H),3.99(d,J=8.5Hz,1H),3.87−3.67(m,2H),3.36(s,6H),1.03(s,3H);MS(ES):579.1(M+H)
【0225】
d.2d(109mg、0.19mmol)のMeOH(15mL)溶液を1N HCl(水溶液0.69mL)およびPd/C(10%、50mg)で処理した後、20時間水素化(60psi)を行った。反応混合物を濾過し、濃縮した。残渣は、シリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜1:1)上でカラムクロマトグラフィによって精製し、所望の化合物、2e(52mg、89%、R=0.60、クロロホルム/CMA 80=1:1)を白色固形物として得た。Mp:181℃;H NMR(DMSO−d):δ 7.83(s,1H),6.93(d,J=4.5Hz,1H),6.77(d,J=4.5Hz,1H),5.42(s,1H),4.89(d,J=7.0Hz,1H),4.80(t,J=5.4Hz,1H),4.70(s,1H),3.80−3.54(m,4H),3.35(s,6H),0.77(s,3H);MS(ES):309.5(M+H);IR(KBr):3477,3382,2913,1593,1559,1416,1054cm−1. 分析 C1420の計算値: C,54.53;H,6.54;N,18.17.実測値:C,54.45;H,6.72;N,17.70。
【0226】
(実施例3)
【0227】
【化46】

(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−ブロモピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール(3b)。
【0228】
【化47】

a.溶液1j(100mg、0.18mmol、実施例1に従って得られた製剤)は、氷/水槽で冷却し、いくつかの部分(32mg、0.18mmol)ごとに処理し、室温で1時間攪拌した。反応混合物をシリカゲル(クロロホルム/メタノール、1:0〜20:1)上でカラムクロマトグラフィにより濃縮して精製し、3a(102mg、90%、R=0.53、クロロホルム/MeOH=95:5)を黄色固形物として得た。H NMR(DMSO−d):δ 7.89(s,1H),7.42−7.25(m,15H),6.91(s,1H),5.64(s,1H),4.74(s,2H),4.66−4.52(m,4H),4.22−4.16(m,1H),4.03(d,J=8.7Hz,1H),3.90−3.68(m,2H),1.05(s,3H);MS(ES):631.3(M+H)
【0229】
b.3a(87mg、0.14mmol)のジクロロメタン(2.5mL)溶液を−78℃まで冷却し、滴状のBCl(ジクロロメタン中の1M、1.4mL)で処理した後、−78℃で2時間、−25℃で2.5時間攪拌した。反応混合物をCHCl/MeOH(1:1、1.5mL)で処理し、−15℃で0.5時間攪拌した。次に、濃NH4OHで0℃において中和し、室温で15分間攪拌した後、真空下で濃縮した。残渣は、1,4−ジオキサン(12.5mL)中のMeOH(25mL)および4M HClで処理し、室温で1時間攪拌した後、濃縮した。残渣は、クロロホルム:CMA 80(1:0〜1:1、R=0.24、クロロホルム:CMA 80=1:1)を溶離剤として使用して、シリカゲルカラム上で精製した。この残渣は、HPLCでさらに精製した(CHCN/HO、0−40分間、0−30%CHCN、244nmで監視)。所望の生成物3b(t=30.5分)を含む部分を濃縮して、白色固形物を得た(15.7mg、収量:31%、純度をHPLC:98.4%で検査)。H NMR(DMSO−d,DO 交換可能):δ 7.85(s,1H),6.94(s,1H),5.36(s,1H),3.78−3.50(m,4H),0.79(s,3H);MS(ES):357.2(M−H);IR(KBr):3465,1636,1473,1065cm−1
【0230】
(実施例4)
【0231】
【化48】

(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−ビニルピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール(4f)。
【0232】
【化49】

a.1k HCl(504mg、1.59mmol)のDMF(15mL)およびアセトン(15mL)懸濁液は、2,2−ジメトキシプロパン(3.5mL、98%、27.96mmol)およびp−TsOH(440mg、98.5%、2.28mmol)で処理した後、室温で5時間攪拌した。反応混合物は、2N NaOH(水溶液)で中和した後、乾燥するまで濃縮した。残渣は、シリカゲル(クロロホルム/メタノール、1:0〜95:5)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、4a(504mg、99%、R=0.33、クロロホルム/メタノール=95:5)を黄色固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 7.83(s,1H),7.68(bs,2H),6.87(d,J=4.6Hz,1H),6.63(d,J=4.6Hz,1H),5.54(s,1H),4.97(t,J=5.8Hz,1H),4.37(d,J=2.4Hz,1H),4.03−3.96(m,1H),3.65−3.50(m,2H),1.55(s,3H),1.33(s,3H),1.15(s,3H);MS(ES):321.2(M+H)
【0233】
b.4a(467mg、1.46mmol)のピリジン(14mL)溶液は、DMAP(46mg、99%、0.37mmol)および塩化トリチル(630mg、2.21mmol)で処理した後、室温で16時間攪拌した。追加の塩化トリチル(900mg、3.16mmol)を添加し、室温で70時間攪拌を続けた。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(2×100mL)および食塩水(100mL)で洗浄して、mgSO上で乾燥させ、濾液を濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc/MeOH、1:1:0〜1:1:0.1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、4b(682mg、83%、R=0.48、ヘキサン/EtOAc/MeOH=1:1:0.1)を黄色油として得た。H NMR(DMSO−d): δ 7.83(s,1H),7.70(s,2H),7.50−7.24(m,15H),6.89(d,J=4.3Hz,1H),6.55(d,J=4.3Hz,1H),5.57(s,1H),4.26(d,J=3.0Hz,1H),4.20−4.12(m,1H),3.23(d,J=5.2Hz,2H),1.54(s,3H),1.31(s,3H),1.08(s,3H);MS(ES):585.1(M+Na)
【0234】
c.4b(606g、1.08mmol)のCHCl(50mL)溶液は、氷/水で冷却し、いくつかの部分(627mg、3.49mmol)ごとにNBSで処理した後室温で1時間攪拌した。反応混合物をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc/MeOH、1:1:0〜1:1:0.1)上でカラムクロマトグラフィにより濃縮して精製し、4c(626mg、90%、R=0.62、ヘキサン/EtOAc/MeOH=1:1:0.1)を白色固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 7.87(s,1H),7.50−7.25(m,17H),6.64(s,1H),5.53(s,1H),4.26(d,J=3.1Hz,1H),4.23−4.16(m,1H),3.23(d,J=5.5Hz,2H),1.53(s,3H),1.31(s,3H),1.03(s,3H);MS(ES):663.1(M+Na)。
【0235】
d.4c(15.45g、24.08mmol)のピリジン(260mL)溶液は、4−メトキシトリフェニルメチルクロリド(38g、97%、119.36mmol)で処理した後、70℃で37時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(800mL)で希釈し、水(2×500mL)および食塩水(300mL)で洗浄して、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜8:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、4d(31g、それ自体を次のステップで使用、R=0.56、ヘキサン/EtOAc=4:1)を淡黄色固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 7.94(s,1H),7.63(s,1H),7.50−7.16(m,27H),6.89(d,J=9.0 Hz,2H),6,.72(s,1H),5.49(s,1H),4.24(d,J=2.8 Hz,1H),4.22−4.14(m,1H),3.73(s,3H),3.23(d,J=5.5 Hz,2H),1.49(s,3H),1.28(s,3H),1.05(s,3H);MS(ES): 937.3(M+Na)
【0236】
e.上記4d(前のステップからの31g)のDME(500mL)溶液は、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(7.8g、58.23mmol)、NaHCO(5.9g、70.23mmol)、Pd(PPhCl(1.2g、98%、1.68mmol)、およびHO(55mL)で処理した後、6時間還流した。反応混合物を水(500mL)で処理し、EtOAc(1.0Lおよび0.5L)で抽出した。結合抽出物を食塩水(500mL)で洗浄し、mgSO上で乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜8:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、4e(2回のステップ用の11.32g、55%、R=0.22、ヘキサン/EtOAc=8:1)を黄色固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 7.54(s,1H),7.48−7.20(m,28H),7.13(dd,J=17.4,11.0 Hz,1H),6.85(d,J =8.8Hz,2H),6.76(s,1H),5.55(dd,J=17.4,1.4 Hz,1H),5.50(s,1H),5.29(dd,J =11.0,1.4 Hz,1H),4.24(d,J =3.0 Hz,1H),4.18−4.12(m,1H),3.71(s,3H),3.22(d,J=5.3 Hz,2H),1.48(s,3H),1.27(s,3H),1.07(s,3H)。
【0237】
f.4e(205mg、0.23mmol)のアセトニトリル(25mL)溶液を1N HCl(水溶液2.5mL)で処理した後、室温で23時間攪拌した。反応混合物を乾燥するまで濃縮して、シリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜1:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製した後、4f(36mg、51%、R=0.12、クロロホルム/CMA 80=1:1)を黄色固形物として得た。mp:128−131C;H NMR(DMSO−d): δ 7.78(s、1H)、7.32(s、2H)、7.23(dd、J =16.9、10.8 Hz、1H)、7.03(s、1H)、5.58 dd、J =16.9、1.5 Hz、1H)、5.35(s、1H)、5.12(dd、J=10.8、1.5 Hz、1H)、4.90(d、J=6.4 Hz、1H)、4.83(t、J=5.5 Hz、1H)、4.69(s、1H)、3.80−3.52(m、4H)、0.79(s、3H);MS(ES): 307.1(M+H);HPLC純度: 98.9%(270 nm、t=10.6 分;溶媒 A: 0.1M 酢酸アンモニウム、溶媒 B: アセトニトリル;0−5 分、0% B;5−15 分、0−45% B;15−20 分、45−90% B;20−25 分、90−0% B.);IR(ニート): 3323、1621、1592、1377 cm−1. 分析 C1418・0.5 HO・0.5 MeOHの計算値: C、52.56;H、6.39;N、16.91. 実測値: C、52.51;H、6.00;N、16.61。
【0238】
(実施例5)
【0239】
【化50】

7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン(5)。
【0240】
【化51】

2b(300mg、0.54mmol、処方は実施例2で説明)のMeOH(40mL)溶液は、1N HCl(水溶液1.85mL)およびPd/C(10%、150mg)で処理した後、18時間水素化(60psi)を行った。反応混合物を濾過し、濃縮した。残渣は、シリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜1:1)上でカラムクロマトグラフィによって精製し、5(48mg、32%、R=0.66、クロロホルム/CMA80=1:1)を黄色固形物(比率=2:1の2つのジアステレオ異性体の混合物)として得た。H NMR(DMSO−d): δ 11.61(bs、1H)、7.84(s) & 7.81(s)(1H),6.852(d,J=4.3 Hz) & 6.846(d,J=4.3 Hz)(1H),6.65(d,J=4.3 Hz) & 6.63(d,J=4.3 Hz)(1H),5.28(s) & 5.23(s)(1H),4.96(d,J=6.6 Hz) & 4.93(d,J=6.6 Hz)(1H),4.83−4.62(m,2H),3.86−3.50(m,4H),1.09(s) & 0.79(s)(3H);MS(ES): 280.4(M−H). 分析 C1215・1.75 HOの計算値: C,46.08;H,5.96;N,13.43;実測値: C,45.91;H,5.54;N,13.21。
【0241】
(実施例6)
【0242】
【化52】

4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボキサミド(6g)。
【0243】
【化53】

a.3a(27.85g、44.23mmol、実施例3で得られた製剤)のピリジン(400mL)溶液を4−メトキシトリフェニルメチルクロリド(56.74g、178.24mmol)で処理した後、70℃で16時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(1.5L)で希釈し、水(2×700mL)および食塩水(500mL)で洗浄した後、MgSO上で乾燥させて濾過し、濾液を濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜4:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、6a(28.38g、71%、R=0.49、ヘキサン/EtOAc=4:1)を淡黄色の固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 7.91(s,1H),7.63(s,1H),7.45−7.12(m,27H),6.96(s,1H),6.87(d,J=8.9 Hz,2H),5.56(s,1H),4.74−4.50(m,6H),4.20−4.12(m,1H),4.02(d,J=8.5 Hz,1H),3.87−3.64(m,2H),3.71(s,3H),1.05(s,3H)。
【0244】
b.6a(26.1g、28.94mmol)のDME(500mL)溶液は、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(7.2g、53.75mmol)、NaHCO(7.2g、85.70mmol)、Pd(PPhCl(1.4g、98%、1.99mmol)、およびHO(65mL)で処理した後、6時間還流した。反応混合物を水(500mL)で処理し、EtOAc(1.8 Lおよび0.5L)で抽出した結合抽出物は、塩水(500mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過し、濾液を濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜6:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、6b(18.3g、74%、R=0.39)を淡黄色の固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 7.56(s,1H),7.44−7.12(m,28H),7.01(dd,J =17.2,11.0 Hz,1H),6.93(s,1H),6.84(d,J =8.8 Hz,2H),5.57(s,1H),5.31(d,J=17.2 Hz,1H),5.16(d,J=11.0 Hz,1H),4.76−4.52(m,6H),4.22−4.13(m,1H),4.04(d,J=8.4 Hz,1H),3.88−3.70(m,2H),3.71(s,3H),1.05(s,3H);MS(ES): 849.5(M+H)
【0245】
c.6b(8g、9.42mmol)のジクロロメタン(250mL)およびMeOH(40mL)溶液を−78℃に冷却し、青色が現れるまでOで泡立てた。反応混合物をNaBH(1.8g、46.63mmol)で−78℃において処理し、加温して、室温で19時間攪拌した。次に、HOAcで中和した後に濃縮し、殆どの溶剤を除去した。残渣をEtOAc(500mL)で処理し、水(2×400mL)で洗浄した。EtOAc(300mL)で再び水層を抽出した。結合有機抽出物は、食塩水(500mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過し、濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜3:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、6c(3.987g、50%、R=0.46)を白色固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 9.77(s,1H),7.49(s,1H),7.40−7.12(m,27H),6.81(d,J=9.0 Hz,2H),6.66(s,1H),6.27(t,J=5.0 Hz、1H)、5.57(s、1H)、4.74−4.50(m、8H)、4.20−4.12(m、1H)、4.01(d、J=8.4 Hz、1H)、3.86−3.66(m、2H)、3.70(s、3H)、1.06(s、3H);MS(ES): 853.2(M+H)
【0246】
d.6c(717mg、0.84mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液は、Dess−Martin試薬(15%、w/w、2.8mL、1.33mmol)で処理した後、室温で4時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、少量のMgSOで処理し、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜3:1)上でカラムクロマトグラフィにより濃縮し、精製して、6d(621mg、87%、R=0.48)を白色固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 10.89(s,1H),9.28(s,1H),7.84(s,1H),7.47(s,1H),7.44−7.10(m,27H),6.84(d,J =8.9 Hz,2H),5.56(s,1H),4.76−4.50(m,6H),4.24−4.14(m,1H),4.06(d,J=8.3 Hz,1H),3.90−3.70(m,2H),3.71(s,3H),1.09(s,3H)。
【0247】
e.6d(220mg、0.26mmol)の1,4−ジオキサン(3.4mL)溶液を水(1.0mL)、次にヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(106mg、97%、0.91mmol)で処理した後、室温で45分間攪拌した。追加のヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(318mg、97%、2.73mmol)を添加し、攪拌を2時間継続した。反応混合物を氷/水で冷却し、水(2mL)および1,4−ジオキサン(2mL)中の低温の懸濁剤KOH(7.09mmol)で処理した後、室温で2時間攪拌した。反応混合物はEtOAc(100mL)で希釈し、水(60mL)で洗浄した。EtOAc(80mL)で再び水層を抽出した。結合抽出部を水(60mL)および食塩水(500mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜2:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、6e(86mg、57%、R=0.25、ヘキサン/EtOAc=2:1)を淡褐色のゲルとして得た。H NMR(DMSO−d): δ 8.13(s,1H),7.45−7.25(m,16H),5.63(s,1H),4.74(s,2H),4.68−4.53(m,4H),4.25−4.17(m,1H),4.04(d,J=8.5 Hz,1H),3.91−3.70(m,2H),1.06(s,3H);MS(ES): 598.1(M+Na)
【0248】
f.6e(20mg、0.035mmol)のEtOH(6mL)溶液を濃NHOH(28−30%、1.8mL)、次に滴状のH(HO中で30%、0.011mLを取得して、0.2mLのEtOHに添加した)で処理した後、室温で18時間攪拌した。反応混合物をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜1:1、次にヘキサン/EtOAc/MeOH 1:1:0.1)上で濃縮して精製し、6f(12mg、58%、R=0.36、ヘキサン/EtOAc/MeOH=1:1:0.1)を白色固形物として得た。H NMR(MeOH−d): δ 7.87(s,1H),7.40−7.00(m,16H),5.70(s,1H),4.75−4.42(m,6H),4.26−4.18(m,1H),3.90(d,J=8.0 Hz,1H),3.82−3.64(m,2H),1.04(s,3H);MS(ES): 594.1(M+H)
g.6f(10mg,0.017mmol)のMeOH(15mL)溶液を1N HCl(水溶液0.69mL)およびPd/C(10%、50mg)で処理した後、15時間水素化した(60psi)。反応混合物を濾過して濃縮した。残渣をシリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜0:1、次にCMA80/CMA 50 1:1、R=0.55、CMA 80/CMA 50=1:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製した後、HPLC精製(CHCN/HO、0〜40分間、0〜35% CHCN、244nmで監視)、および再度シリカゲル(CMA80/CMA 50、1:0〜1:1)上のカラム精製を行って、6g(3.3mg、無色の膜、60%)を得た。H NMR(MeOH−d): δ 8.06(s,2H),7.89(s,1H),7.30(s,1H),5.57(s,1H),4.02−3.80(m,4H),0.99(s,3H);MS(ES): 324.2(M+H);IR(ニート): 3550,3020,2917,1674,1334 cm−1
【0249】
(実施例7)
【0250】
【化54】

(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−(ヒドロキシメチル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール(7)。
【0251】
【化55】

6c(120mg、0.14mmol、実施例6で得られた製剤)のMeOH(15mL)溶液を1N HCl(水溶液0.69mL)およびPd/C(10%、50mg)で処理した後、24時間水素化した(60psi)。反応混合物を濾過して濃縮した。残渣をアセトニトリル(15mL)および1N HCl(水溶液1.5mL)で処理した後、室温で16時間攪拌した。この残渣は、シリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜0:1)上でカラムクロマトグラフィにより乾燥するまで濃縮し、精製して、7(17mg、39%、R=0.33、CMA 80)を黄色油として得た。H NMR(DMSO−d,DO 交換可能): δ 7.80(s,1H),6.63(s,1H),5.37(s,1H),4.69(s,2H),3.84−3.40(m,4H),0.81(s,3H);MS(ES): 311.1(M+H)
【0252】
(実施例8)
【0253】
【化56】

(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−フルオロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール(8f)。
【0254】
【化57】

a.2b(200mg、0.36mmol、実施例2で得られた製剤)のジクロロメタン(16mL)溶液を氷/水で冷却し、いくつかの部分ごとにNBS(65mg、0.36mmol)で処理して、室温で22時間攪拌した。反応混合物をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜1:1、R=0.58、ヘキサン/EtOAc=1:1)上のカラムクロマトグラフィにより濃縮して精製し、8a(155mg、無色、油、68%)を得た。H NMR(DMSO−d): δ 11.79(s,1H),7.92(s,1H),7.44−7.20(m,15H),6.79(s,1H),5.53(s,1H),4.77−4.50(m,6H),4.22−4.14(m,1H),4.01(d,J=8.9 Hz,1H),3.90−3.66(m,2H),1.08(s,3H);MS(ES): 628.5(M−H)
【0255】
b.8a(2.42g、3.84mmol)のPOCl(40mL)溶液を80℃で4時間攪拌し、乾燥するまで濃縮した。残渣をクロロホルム(300mL)、水(150mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。濾過および濃縮後、残渣をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜8:1、R=0.53、ヘキサン/EtOAc=6:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、8b(1.68g、68%)を黄色シロップとして得た。MS(ES):670.2(M+Na)
【0256】
c.8b(2.2g、3.39mmol)のTHF(24mL)溶液を−78℃まで冷却し、滴状のn−BuLi(ヘキサン、2.95mL、7.38mmol中2.5M)で処理した。反応混合物を−78℃で0.5時間攪拌し、滴状の塩化トリメチルスズ(THF、3.4mL、3.4mmol中1M)で−78℃において処理した後、室温でまで加温して室温で19時間攪拌した。この反応混合物は、次に飽和NHCl(水溶液200mL)で処理し、EtOAc(2×200mL)で抽出した。結合抽出物を食塩水(150mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させて、濾液を濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜6:1、R=0.59、ヘキサン/EtOAc=6:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、8c(386mg、未だ純粋ではなく、それ自体を次のステップで使用される)を黄色油として得た。MS(ES):733.4(M+H)
【0257】
d.上記の生成物8c(351mg)のアセトニトリル(7mL)溶液をSelectfluor(商標)(180mg、95%、0.48mmol)で処理し、室温で17時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、残渣をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜6:1、R=0.25、ヘキサン/EtOAc=6:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、8d(12mg、それ自体を次のステップで使用する)を黄色油として得た:610.0(M+Na)
【0258】
e.上記の生成物8d(114mg)のEtOH(3mL)およびクロロホルム(0.75mL)溶液をトリエチルアミン(0.57mL、4.09mmol)、次にメトキシルアミンヒドロクロリド(172mg、98%、2.20mmol)で処理した後、50℃で14時間攪拌した。反応混合物をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜2:1、R=0.42、ヘキサン/EtOAc=2:1)上でカラムクロマトグラフィにより濃縮して精製し、8e(13.5mg、それ自体を次のステップで使用)を無色の膜として得たMS(ES):599.1(M+H)
【0259】
f.上記の生成物8e(6.5mg)のMeOH(10mL)溶液を1N HCl(水溶液0.46mL)およびPd/C(10%、35mg)で処理した後、22時間水素化した(60psi)。反応混合物をシリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜0:1、R=0.39、CMA 80)上で濾過、濃縮、および精製した後、HPLC精製(CHCN/HO、0〜40分間、0〜35%CHCN、244nmで監視)、再度カラム精製(クロロホルム/CMA 80、1:0〜0:1)を行って、8f(2.0mg、0.5%、4つのステップ用)を白色の固形物として得た。H NMR(MeOH−d): δ 7.70(s,1H),6.62(s,1H),5.55(s,1H),4.00−3.60(m,4H),0.97(s,3H);19F NMR(MeOH−d): δ−160.93(s,1F);MS(ES): 299.1(M+H);IR(ニート): 3296,2919,1620,1530 cm−1
【0260】
(実施例9)
【0261】
【化58】

4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボニトリル(9d)。
【0262】
【化59】

a.4e(2g、2.32mmol、実施例4で得た製剤)のジクロロメタン(60mL)およびMeOH(9.6mL)溶液を−78℃まで冷却し、青色になるまでOで泡立てた。反応混合物をNaBH(440mg、11.40mmol)で−78℃において処理し、室温で20時間攪拌した。追加のNaBH(500mg、12.95mmol)を添加し、室温で1時間攪拌を続けた。反応混合物をHOAcで中和して濃縮し、殆どの溶剤を除去した。残渣をEtOAc(300mL)で処理し、水(2×150mL)および食塩水(100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜3:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、9a(529mg、26%、R=0.49、ヘキサン/EtOAc=1:0)を白色の固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 9.80(s,1H),7.50−7.12(m,28H),6.82(d,J=8.9Hz,2H),6.49(s,1H),6.31(t,J=5.1Hz,1H),5.50(s,1H),4.81(d,J=5.1Hz,2H),4.22(d,J=3.0Hz,1H),4.16−4.08(m,1H),3.70(s,3H),3.32−3.12(m,2H),1.47(s,3H),1.26(s,3H),1.09 9s,3H);MS(ES): 863.2(M−H)
【0263】
b.9a(487mg、0.56mmol)のジクロロメタン(25mL)溶液をDess−Martin試薬(15%、w/w、1.9mL、0.9mmol)で処理した後、室温で3時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、少量のMgSOおよびシリカゲルで処理して濃縮し、カラム精製(ヘキサン/EtOAc、1:0〜3:1)して、9b(448mg、93%、R=0.64)を白色の固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 10.96(s,1H),9.73(s,1H),7.82(s,1H),7.50−7.16(m,28H),6.85(d,J=8.9Hz,2H),5.48(s,1H),4.26(d,J=2.8 Hz,1H),4.22−4.14(m,1H),3.71(s,3H),3.34−3.16(m,2H),1.49(s,3H),1.28(s,3H),1.08(s,3H)。
【0264】
c.9b(244mg、0.28mmol)の1,4−ジオキサン(4.4mL)溶液を水(1.1mL)、次にヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(460mg、97%、3.95mmol)で処理した後、室温で1.5時間攪拌した。追加のヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(230mg、97%、1.97mmol)を添加し、攪拌を2時間続けた。反応混合物を氷/水で冷却し、水(3mL)および1,4−ジオキサン(3mL)中の低温の懸濁剤KOH(11.51mmol)で徐々に処理した後、室温で2時間攪拌を続けた。この反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(60mL)で洗浄した。再びEtOAc(80mL)で水層を抽出した。結合抽出物を水(60mL)および食塩水(60mL)で洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜2:1)上のカラムクロマトグラフィにより精製し、9c(76mg、46%、R=0.29、ヘキサン/EtOAc=2:1)を透明な油として得た。H NMR(DMSO−d): δ 8.10(s,1H),7.50−7.74(m,15H),7.00(s,1H),5.51(s,1H),4.28−4.12(m,2H),3.34−3.12(m,2H),1.53(s,3H),1.30(s,3H),1.00(s,3H);MS(ES): 586.1(M−H)
【0265】
d.9c(63mg、0.11mmol)のアセトニトリル(12mL)溶液を1N HCl(水溶液1.2mL)で処理した後、室温で19時間攪拌した。反応混合物をシリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜0:1、R=0.50、CMA 80)上のカラムクロマトグラフィにより濃縮および精製して、9d(26mg、77%)を白色の固形物として得た。H NMR(DMSO−d): δ 8.12(s,1H),7.36(s,1H),5.36(s,1H),4.97(d,J=6.7 Hz,1H),4.89(t,J=5.2 Hz,1H),4.83(s,1H),3.82−3.56(m,4H),0.81(s,3H);MS(ES): 328.1(M+Na);HPLC純度: 99.5%(270 nm,t=9.7 分;溶媒 A: 0.1 M 酢酸アンモニウム,溶媒 B:アセトニトリル;0−5 分,0% B;5−15 分,0−45% B;15−20 分,45−90% B;20−25 分,90−0% B.);IR(ニート): 3374,3257,2215,1657,1517,1034 cm−1
【0266】
(実施例10)
【0267】
【化60】

4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボキシミダミド(10b)。
【0268】
【化61】

6e(31mg、0.054mmol、実施例6で得た製剤)のEtOH(5mL)溶液をNHOH(50%、HO、0.5mL、8.16mmol中)で処理した後、1時間還流させて濃縮し、10aを得た。MS(ES):607.6(M−H)。残渣をEtOH(15mL)中に溶解させ、HOAc(1.5mL)および少量のラネーニッケルで処理した後、21時間水素化した(60psi)。反応混合物を濾過し、濃縮した。残渣をMeOH(15mL)中で溶解し、1N HCl(水溶液0.92mL)およびPd/C(10%、60mg)で処理した後、22時間水素化した(60psi)。反応混合物を濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(CMA 80/CMA 50、1:0〜1:1、R=0.28、CMA 80/CMA 50=1:1)上でカラムクロマトグラフィにより2回精製し、10b(5.7mg、33%)を淡褐色の膜として得た。H NMR(MeOH−d): δ 7.96(s,1H),7.20(s,1H),5.50(s,1H),3.92−3.66(m,4H),0.88(s,3H). MS(ES): 323.1(M+H)
【0269】
(実施例11)
【0270】
【化62】

4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボン酸メチル(11c)
【0271】
【化63】

a.6d(200mg、0.24mmol、その処方は、実施例6に記載)のアセトニトリル(5.4mL)およびt−BuOH(1.8mL)溶液を水(1.0mL)で処理し、約8℃まで冷却した。冷却した溶液を2−メチル−2−ブテン(0.2mL、1.89mmol)、NaHPO(48mg、0.4mmol)、およびNaClO(240mg、80%、2.12mmol)で処理し、室温で23時間攪拌した。追加のNaClO(240mg、80%、2.12mmol)を添加し、室温で42時間攪拌した。反応混合物をエーテル(200mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。再びエーテル(100mL)で水層を抽出した。結合抽出物を食塩水(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させて、濾過および濃縮した。残渣をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc/MeOH、3:1:0〜3:1:0.08)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、11a(60mg,29%,R=0.43,ヘキサン/EtOAc/MeOH=3:1:0.08)を透明な油として得た。H NMR(DMSO−d): δ 7.70(s,1H),7.62(s,1H),7.44−7.14(m,28H),6.83(d,J=9.0 Hz,2H),5.58(s,1H),4.74−4.52(m,6H),4.20−4.10(m,1H),3.99(1H),3.84−3.64(m,2H),3.70(s,3H),1.06(s,3H)。
【0272】
b.11a(50mg、0.058mmol)のDMF(2mL)溶液をDMAP(14mg、0.113mmol)、およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(240mg、1.25mmol)で処理し、室温で16時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(120mL)で希釈し、水(2×60mL)および食塩水(60mL)で洗浄して、MgSO上で乾燥させて、濾過および濃縮した。残渣をシリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜4:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、11b(20mg、39%、R=0.48、ヘキサン/EtOAc=4:1)を透明な油として得た。H NMR(CHCl−d): δ 11.45(s,1H),7.86(s,1H),7.44−7.04(m,28H),6.83(d,J =8.8 Hz,2H),5.78(s,1H),4.90−4.46(m,6H),4.44−4.32(m,1H),4.08(d,J=8.7 Hz,1H),3.96−3,60(m,2H),3.80(s,3H),3.75(s,3H),1.12(s,3H)。
【0273】
c.11b(20mg、0.023mmol)のMeOH(10mL)およびEtOAc(5mL)溶液を1N HCl(水溶液0.69mL)およびPd/C(10%、50mg)で処理し、60psiで23時間水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜1:1、R=0.23、クロロホルム/CMA 80=1:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、11c(3.1mg、淡褐色の固形物、40%)を得た。H NMR(MeOH−d):δ 7.94(s、1H)、7.34(s、1H)、5.56(s、1H)、4.00−3.70(m、4H)、3.92(s、3H)、0.97(s、3H);MS(ES): 337.9(M−H)
【0274】
(実施例12)
【0275】
【化64】

4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボン酸(12)
【0276】
【化65】

11a(77mg、0.089mmol、その処方は実施例11に記載)のMeOH(15mL)溶液を1N HCl(水溶液0.69mL)およびPd/C(10%、50mg)で処理した後、60psiで29時間水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を水(50mL)で処理し、EtOAc(2×25mL)で洗浄した。水相を乾燥するまで濃縮し、所望の生成物(12、12mg、42%、黄色の固形物)をMeOH/EtOAcから結晶化した。H NMR(DMSO−d): δ 13.28(s,1H),9.59(s,1H),8.49(s,1H),8.07(s,1H),7.30(s,1H),5.37(s,1H),4.10−3.50(m,4H),0.81(s,3H);MS(ES): 325.0(M+H)
(実施例13)
【0277】
【化66】

(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−(1,2−ジヒドロキシエチル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール(13b)
【0278】
【化67】

a.4e(500mg、0.58mmol、その処方は、実施例4で説明)のアセトン/水(9:1、10mL)溶液を4−メチルモルホリンN−オキシド(140mg、97%、1.16mmol)、次に四酸化オスミウム(4%w/v、水、0.15mL、0.024mmol中)で処理した後、室温で12時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、濃縮してアセトンのみを除去した。水性残基をEtOAc(200mL)で処理し、水(2×100mL)および食塩水(100mL)で洗浄して、MgSO上で乾燥させて濾過し、濾液を濃縮した。残渣は、シリカゲル(ヘキサン/EtOAc、1:0〜2:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、13a(287mg、ジアステレオ異性体の混合物、比率=1.1/1.0、55%、R=0.46、ヘキサン/EtOAc=2:1)を透明な油として得た。H NMR(DMSO−d): δ 10.02(s) & 9.95(s)(1H),7.28−6.88(m,28H),6.60(d,J=8.9 Hz,2H),6.46(d,J=3.5 Hz) & 6.39(d,J=3.8 Hz)(1H),6.32(d,J=1.3 Hz,1H),5.30(s,1H),.4.73−4.61(m,2H),4.02(d,J=3.0 Hz) & 4.00(d,J=3.0 Hz)(1H),3.93−3.86(m,1H),3.49(s,3H),3.48−3.31(m,2H),3.05−2.91(m,2H),1.26(s,3H),1.05(s,3H),0.91(s) & 0.89(s)(3H);MS(ES): 895.3(M+H)
【0279】
b.13a(120mg、0.13mmol)のアセトニトリル(14mL)溶液を1N HCl(水溶液1.4mL)で処理し、室温で20時間攪拌した。反応混合物を濃縮した。残渣をシリカゲル(クロロホルム/CMA 80、1:0〜0:1、次にCMA80/CMA 50 1:1、R=0.40、CMA 80/CMA 50=1:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製した後、13b(11mg、ジアステレオ異性体の混合物、黄色の固形物、25%)を得た。H NMR(MeOH−d): δ 7.77(s,1H),6.75(s) & 6.74(s)(1H),5.55(s) & 5.54(s)(1H),5.02−4.90(m,1H),4.00−3.58(m,6H),0.95(s,3H);MS(ES): 341.1(M+H)
【0280】
(実施例14)
【0281】
【化68】

((2R,3R,4R,5S)−5−(4−アミノピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル三リン酸四水素塩(14d)。
【0282】
【化69】

a.1k HCl塩(300mg、0.95mmol)のピリジン(9mL)懸濁液をDMAP(99%、30mg、0.24mmol)およびMMTrCl(97%、460mg、1.44mmol)で処理した後、室温で15時間攪拌した。反応混合物をクロロホルム(150mL)で希釈し、水(2×60mL)で洗浄して、MgSO上で乾燥させた。濾液の濾過および濃縮後、残渣をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル、1:0〜1:1、次にクロロホルム/CMA 80、1:0〜2:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製して、539mgの14a(R=0.29、クロロホルム/CMA 80=2/1)を白色固形物として得た。この固形物は、次のステップで使用するのに十分に純粋だった。MS(ES):575.3(M + Na)
【0283】
b.上記14a(300mg)のピリジン(20mL)溶液をDMAP(99%、35mg、0.28mmol)および塩化4−ニトロベンゾイル(520mg、98%、2.75mmol)で処理した後、70℃で14時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(200mL)で洗浄し、水(2×100mL)および食塩水(75mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させた。濾液の濾過および濃縮後、残渣をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル、1:0〜1:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、14b(2つのステップ用のR=0.77、ヘキサン/酢酸エチル=1/1、312mg、59%、黄色固形物)を得た。濾液の濾過および濃縮後、残渣をカラムクロマトグラフィにより精製し、14bを得た。H NMR(DMSO−d):δ 8.44−6.88(m,30H),6.06(bs,1H),5.81(d,J=3.9 Hz,1H),4.50−4.40(m,1H),3.75(s,3H),3.55−3.48(m,2H),1.56(s,3H);MS(ES): 998.8(M−1)。
【0284】
c.14b(276mg、0.28mmol)のCHCN(28mL)溶液を0.2N HCl(水溶液1.4mL)で処理し、室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を0.5N NaOH(水溶液)でpH=5に中和した後、水(40mL)を添加して、真空下で濃縮し、CHCNのみを除去した。水性残基をCHCl/MeOH(5:1、100mL,50mL)の混合物で抽出した。結合有機抽出物をMgSO上で乾燥させた。濾液の濾過および濃縮後、残渣をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル、1:0〜1:1)上でカラムクロマトグラフィにより精製し、14c(R=0.58、ヘキサン/酢酸エチル=1/1、150mg、74%)を黄色固形物として得た。H NMR(DMSO−d):8.81−7.80(m,14H),7.32(bs,1H),7.12(bs,1H),6.02(bs,1H),5.73(d,J=3.4Hz,1H),5.26(t,1H),4.32−4.25(m,1H),3.90−3.80(m,2H),1.52(s,3H);MS(ES):728.2(M + H).分析 C332513・0.25 EtOAcの計算値: C,54.48;H,3.63;N,13.08.実測値: C,54.72;H,3.84;N,12.71。
【0285】
d.14c(50mg、0.069mmol)のピリジン(70μL)混合物中の懸濁液を新たに調製したクロロ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オン(ジオキサン、80μL中で1M)溶液で処理した。反応混合物を室温で20分間攪拌した後、トリブチルアンモニウムピロリン酸塩(1.6 BuN・1.0 H、50mg、0.11mmol)のDMF(220μL)およびトリ−n−ブチルアミン(70μL)溶液で同時に処理した。生成された透明な溶液を室温で30分間攪拌した後、Py/HO(98/2)中の2.9mLの1%Iで処理した。過剰なヨウ素は、チオ硫酸ナトリウム(200μL)の5%水溶液で減少させ、結果として得られた溶液を乾燥するまで濃縮した。残渣は、濃NHOH(15mL)で処理し、室温で一晩攪拌した後、乾燥するまで濃縮した。残渣をHO(20mL)中で溶解し、CHCl(2×15mL)で洗浄した。水相を真空下で短時間濃縮して、極微量のCHClを除去し、直線勾配のTEAB緩衝液(1M TEAB緩衝液、pH=8.0/HO、0:1〜1:0、合計:500mL)で、DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィにより精製した。所望のヌクレオチドを含む部分を結合して濃縮した。残渣をHO中で再度溶解させて、HPLC(CHCN/0.1 M TEAB緩衝液、pH=8.0、0〜20分、0〜35%CHCN;244nmで監視)によりさらに精製し、14d(t=17.00分)を得た。14dを含む部分を再度濃縮し、3mLのHO中で再度溶解させると、14dの濃度は、UV(244nm、ε=35,000M−1cm−1)により4.1mM(収量:18%)と測定された。H NMR(DO):δ 7.77(bs,1H),6.93(d,J=4.0 Hz,1H),6.85(d,1H),5.45(s,1H),4.34−4.10(m,2H),4.10−3.96(m,2H),0.78(s,3H);31P NMR(DO): δ−9.25(d,J=17.8 Hz,1P),−9.78(d,J=17.9 Hz,1P),−21.70(m,1P);MS(ES): 519.1( M−1)。
【0286】
(実施例15)
以下は、治療または予防のためにヒトに使用される、式Iの化合物、または製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ(「化合物X」)を含む代表的な医薬剤形を示す。
i)錠剤 1 mg/錠剤
化合物X= 100.0
ラクトース 77.5
ポビドン 15.0
錠剤崩壊剤 12.0
微結晶セルロース 92.5
ステアリン酸マグネシウム 3.0
300.0

ii)錠剤 2 mg/錠剤
化合物X= 20.0
微結晶セルロース 410.0
デンプン 50.0
デンプングリコール酸ナトリウム 15.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
500.0

iii)カプセル mg/カプセル
化合物X= 10.0
コロイド状二酸化ケイ素 1.5
ラクトース 465.5
α化デンプン 120.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
600.0

iv)注入1(1mg/ml) mg/ml
化合物X=(遊離酸型) 1.0
リン酸水素二ナトリウム 12.0
リン酸二水素ナトリウム 0.7
塩化ナトリウム 4.5
1.0 N 水酸化ナトリウム溶液
(7.0〜7.5にpH調節) 適量
注入用水 1mLに適量添加

v)注入2(10mg/ml) mg/ml
化合物X=(遊離酸型) 10.0
リン酸水素ナトリウム 0.3
リン酸水素二ナトリウム 1.1
ポリエチレングリコール 400 200.0
01 N水酸化ナトリウム溶液
(7.0〜7.5にpH調節) 適量
注入用水 1mLに適量添加

vi)エアロゾル mg/缶
化合物X= 20.0
オレイン酸 10.0
トリクロロモノフルオロメタン 5,000.0
ジクロロジフルオロメタン 10,000.0
ジクロロテトラフルオロエタン 5,000.0

上記の処方は、製薬技術で良く知られている従来の手順で得ることができる。
【0287】
すべての出版物、特許、および特許文献は、それぞれが引用により包含されるかのように、引用することにより本明細書に包含する。本発明について、特定および好ましい様々な実施態様および技術を引用して説明してきた。しかし、本発明の精神および範囲内で、多くの変形および修正を加えることができることを理解するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物であって:
【化70】

ここで:
RはOR、SR、NR、NRNR、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、(CH−CH(NHR)CO、(CH−S−アルキル、(CH−S−アリール、Cl、F、Br、I、CN、COOR、CONR、NHC(=NR)NHR、NROR、NRNO、NHCONHR、NRN=NR、NRN=CHR、NRC(O)NR、NRC(S)NR、NRC(O)OR、CH=N−OR、NRC(=NH)NR、NRC(O)NRNR、O−C(O)R、OC(O)−OR、ONH−C(O)O−アルキル、ONHC(O)O−アリール、ONR、SNR、S−ONR、CHO、C(=S)NR、ニトロ、C(=NR)OR、またはSONRであり;およびRは、H、CN、NO、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CH=CF、CH(=NR)OR、CHO、CH=CH−OCH、NHCONH、NHCSNH、CONR、CSNR、CO、アルコキシ、NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロゲン、(1,3−オキサゾール−2−イル)、(1,3−オキサゾール−5−イル)、(1,3−チアゾール−2−イル)、(イミダゾール−2−イル)、(2−オキソ[1,3]ジチオール4−イル)、(フラン−2−イル)、(2H[1,2,3]トリアゾール−4−イル)、C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、C(=NOH)NH、アシル、置換アシル、OR、C(=NR)R、CH=NNR、CH=NOR、CH(OR、B(OR、C≡C−C(=O)NR、(CH−S−アルキル、(CH−S−アリール、(CH−S(O)−アルキル、(CH−S(O)−アリール、(CH−S(O)−アルキル、(CH−S(O)−アリール、(CH−SONR、または(CH−ORであるか;あるいはRおよびRは、これらが結合する原子とともに、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールを形成することができ;
nは0〜5であり;
は、H、NR、Cl、F、OR、SR、NHCOR、NHSO、NHCONHR、CN、アルキル、アリール、ONR、またはNRC(O)ORであり;
は、ヌクレオシド糖基であり;
、R、R、およびRは、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキル、アミノ、置換アミノ、およびNOから成る群から独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、これらが結合する窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成するか;あるいはRおよびRは、これらが結合する窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成し;
およびRは、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから成る群から独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、これらが結合するN原子とともに、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールを形成することができ;
ただし、式(I)の化合物は式(12):
【化71】

の化合物ではない、化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
RがOR、Cl、SR、NR、またはNRNRである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Rがヒドロキシ、クロロ、メトキシ、メルカプト、アミノ、メチルアミノ、イソプロピルアミノ、プロピルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、シクロプロピルアミノ、2−アミノエチルアミノ、1−(2−ヒドロキシエチル)ヒドラジノ、ヒドラジノ、1−メチルヒドラジノ、アゼチジノ、またはピロリジノである、請求項1〜2の何れか1項に記載の化合物。
【請求項4】
がHまたはNRである、請求項1〜3の何れか1項に記載の化合物。
【請求項5】
が以下:、
【化72】

であり、ここで:
はH、OR14、N、NH、またはFであり;およびR’はH、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFであり得;ここで、RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではなく;
はH、OR14、N、NH、またはF;およびR’はH、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニル;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFであり得;ここで、RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNの場合、他方はOHではないか;
あるいはRおよびRはともに、以下を形成することができ
【化73】

ここで:R100は、C1−12アルキル C3−8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の任意のC1−12アルキルおよびC3−8シクロアルキルは未置換か、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換され;R100の任意のアリールまたはヘテロアリールは未置換か、またはR101から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され;
各々のR101は、独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、C1−4アルカノイル、C1−4アルカノイルオキシ、またはC1−4アルキルオキシカルボニルであり;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−二リン酸塩、CH−三リン酸塩
【化74】

であり、
10およびR11の各々は、独立してH、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N−結合アミノ酸残基(たとえば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14はHであり;
nは2〜5であり;および
mは10〜20である、
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が、以下から選択される:
【化75】

請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物。
【請求項7】
が以下:
【化76】

であり、ここで:
は、H、OR14、N、NH、またはF;およびR’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFであり得;ここでRおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではなく;
は、H、OR14、N、NH、またはF;およびR’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFであり得;ここでRおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではないか;
あるいはRおよびRはともに、以下を形成し
【化77】

ここで:R100は、C1−12アルキル C3−8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の任意のC1−12アルキルおよびC3−8シクロアルキルは未置換か、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換され;R100の任意のアリールまたはヘテロアリールは、未置換か、またはR101から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され;
各々のR101は、独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、C1−4アルカノイル、C1−4アルカノイルオキシ、またはC1−4アルキルオキシカルボニルであり;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−二リン酸塩、CH−三リン酸塩
【化78】

であり、
10およびR11の各々は、独立してH、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N−結合アミノ酸残基(たとえば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14はHであり;
nは2〜5であり;および
mは10〜20である、
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物。
【請求項8】
が以下から選択される、
【化79】

請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Rは:
【化80】

であり、ここで
’’は、アルキルまたは置換アルキルであり;
10およびR11の各々は、独立してH、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N−結合アミノ酸残基(たとえば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
13は、H、CH、C、CHF、CHOH、CHCHF、CHCHOH、CH、CHCH、CHNH、またはCHCHNHであり;
14はHであり;
nは2〜5であり;および
mは10〜20である、化合物。
【請求項10】
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Rが以下:
【化81】

である化合物。
【請求項11】
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Rが以下:
【化82】

であり、ここで:
はH、OR14、N、NH、またはFであり;R’はH、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’はともに、=CH、=CHFであり得;RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではなく;
は、H、OR14、N、NH、またはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであり;あるいはRおよびR’はともに、=CH、=CHFであり得;RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではなく;
あるいはRおよびRはともに、以下を形成することができ、
【化83】

ここで:R100は、C1−12アルキル C3−8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の任意のC1−12アルキルおよびC3−8シクロアルキルは未置換か、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換され;R100の任意のアリールまたはヘテロアリールは未置換か、または独立してR101から選択される1〜5個の置換基で置換され;
各々のR101は、独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、C1−4アルカノイル、C1−4アルカノイルオキシ、またはC1−4アルキルオキシカルボニルであり;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−二リン酸塩、CH−三リン酸塩
【化84】

であり、
10およびR11の各々は、独立してH、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N−結合アミノ酸残基(たとえば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14は、Hであり;
nは、2〜5であり;および
mは、10〜20である、化合物。
【請求項12】
請求項1〜4の何れか項に記載の化合物であって、Rが:
【化85】

から選択される化合物。
【請求項13】
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Rが以下であり:
【化86】

ここで:
は、H、OR14、N、NH、またはFであり;R’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’はともに、=CH、=CHFであり得;RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではなく;
は、H、OR14、N、NH、またはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’はともに=CH、=CHFであり得;RおよびR’はともにOHではなく;RおよびR’の一方がNHである場合、他方はOHではなく;RおよびR’の一方がNである場合、他方はOHではなく;
あるいはRおよびRはともに、以下を形成することができ
【化87】

ここで;R100は、C1−12アルキル C3−8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の任意のC1−12アルキルおよびC3−8シクロアルキルは未置換か、または独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、およびC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換され;R100の任意のアリールまたはヘテロアリールは、未置換か、R101から独立して選択される1〜5個の置換基で置換され;
各々のR101は、独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、C1−4アルカノイル、C1−4アルカノイルオキシ、またはC1−4アルキルオキシカルボニルであり;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−二リン酸塩、CH−三リン酸塩
【化88】

であり
10およびR11の各々は、独立してH、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N−結合アミノ酸残基(たとえば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14はHであり;
nは2〜5であり;および
mは10〜20である化合物。
【請求項14】
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Rが以下:
【化89】

である化合物。
【請求項15】
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Rが以下であり:
【化90】

ここで
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−二リン酸塩、CH−三リン酸塩
【化91】

であり、
10およびR11の各々は、独立してH、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N−結合アミノ酸残基(たとえば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
13は、H、CH、C、CHF、CHOH、CHCHF、CHCHOH、CH、CHCH、CHNH、またはCHCHNHであり;
14はHであり;
nは2〜5であり;および
mは10〜20である化合物。
【請求項16】
請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物であって、Rが:
【化92】

である化合物。
【請求項17】
が、リボース、2−メチルリボース、2−デオキシリボース;2−デオキシ−2−フルオロリボース;アラビノース;2−デオキシ−2−フルオロアラビノース;2,3−ジデオキシリボース;2,3−ジデオキシ−2−フルオロアラビノース;2,3−ジデオキシ−3−フルオロリボース;2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロリボース;2,3−ジデオキシ−3−アジドリボース;2,3−ジデオキシ−3−チアリボース;または2,3−ジデオキシ−3−オキサリボースである、請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ。
【請求項18】
が、チオリボース、2−デオキシチオリボース;2−デオキシ−2−フルオロチオリボース;チオアラビノース;2−デオキシ−2−フルオロチオアラビノース;2,3−ジデオキシチオリボース;2,3−ジデオキシ−2−フルオロチオアラビノース;2,3−ジデオキシ−3−フルオロチオリボース;2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロチオリボース;または2,3−ジデオキシ−3−アジドチオリボースである、請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ。
【請求項19】
が、4−ヒドロキシメチル−シクロペンタ−2−エン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタ−4−エン;3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンテン;2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−5−メチレンシクロペンタン;4−ヒドロキシメチルシクロペンタン、2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;または2,3−ジヒドロキシメチルシクロブタンである、請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ。
【請求項20】
が、4−ヒドロキシメチル−ピロリジン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;2/3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;または3−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジンである、請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ。
【請求項21】
が、CN、NO、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CH=CF、CH(=NR)OR、CHO、CH=CH−OCH、NHCONH、NHCSNH、CONR、CSNR、CO、アルコキシ、NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロゲン、(1,3−オキサゾール−2−イル)、(1,3−オキサゾール−5−イル)、(1,3−チアゾール−2−イル)、(イミダゾール−2−イル)、(2−オキソ[1,3]ジチオール−4−イル)、(フラン−2−イル)、(2H[1,2,3]トリアゾール−4−イル)、C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、C(=NOH)NH、アシル、置換アシル、OR、C(=NR)R、CH=NNR、CH=NOR、CH(OR、B(OR、C≡C−C(=O)NR、(CH−S−アルキル、(CH−S−アリール、(CH−S(O)−アルキル、(CH−S(O)−アリール、(CH−S(O)−アルキル、(CH−S(O)−アリール、または(CH−SONR、(CH−ORである、請求項1〜20の何れか1項に記載の化合物。
【請求項22】
が、CN、置換アルキル、アルケニル、CONR、CO、ハロゲン、またはC(=NH)NHである、請求項1〜20の何れか1項に記載の化合物。
【請求項23】
が、CN、ヒドロキシメチル、1,2−ジヒドロキシエチル、ビニル、アミノカルボニル、メトキシカルボニル、カルボキシ、フルオロ、ブロモ、またはC(=NH)NHである、請求項1〜20の何れか1項に記載の化合物。
【請求項24】
、R、R、およびRが、H、アルキル、および置換アルキルから成る群から独立して選択されるか;あるいはRおよびRが、これらが結合する窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成するか、あるいはRおよびRが、これらが結合する窒素とともに、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成する、請求項1〜22の何れか1項に記載の化合物。
【請求項25】
以下の式(11)の化合物
【化93】

である、請求項1に記載の化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ。
【請求項26】
以下の式(III)の化合物:
【化94】

であって、XがHまたはアルキルである、請求項1に記載の化合物、あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ。
【請求項27】
プロドラッグである、請求項1〜26の何れか1項に記載の化合物。
【請求項28】
1つまたは複数の一、二、または三リン酸塩基を含む、請求項1〜27の何れか1項に記載の化合物。
【請求項29】
1つまたは複数の一リン酸塩基を含む、請求項1〜27の何れか1項に記載の化合物。
【請求項30】
前記一、二、または三リン酸塩基からの1つまたは複数の側鎖ヒドロキシル基が、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、または置換アリールオキシ基に変換された、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
前記一、二、または三リン酸塩基からの1つまたは複数の側鎖ヒドロキシル基が、R−O−基に変換され、各々のRが、それぞれ1〜20個の分枝または未分枝、飽和または不飽和炭素鎖であり、1つまたは複数の炭素原子が、任意に−O−または−S−と置換され、1つまたは複数の炭素原子が、任意にオキソ(=O)またはチオキソ(=S)で置換された請求項28に記載の化合物。
【請求項32】
前記一、二、または三リン酸塩基からの1つまたは複数の側鎖ヒドロキシル基が、R−N−基に変換され、各々のRがアミノ酸残基である、請求項28に記載の化合物。
【請求項33】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
以下の式の1つまたは複数の基を含むプロドラッグであり、
【化95】

ここで:
15は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、またはアミノ酸であり;
16は、H、任意に置換された単環式アリール、または任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;およびR17は、H、ハロゲン、CN、−CO−R20、−CON(R21、−CO20、−SO20、−SON(R21、−OR21、−SR21、−R21、−N(R21、−O−COR20、−O−CO20、−SCOR20、−S−CO20、−NHCOR21、−NHCO21、−(CH−OR22、または−(CH−SR22であるか;あるいはR16およびR17は、追加の3〜5個の原子を介して接続されて、リンに結合するOに対してβおよびγ位置でアリール基に縮合する、1つのヘテロ原子を任意に含む環基を形成するか;あるいはR17およびR18は、以下のように接続され;
18およびR19の各々は、独立してH、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであるか;あるいはR18およびR19は、追加の2〜5個の原子を介して接続されて、任意に0〜2個のヘテロ原子を含む環基を形成するか、R17およびR18は、追加の3〜5個の原子を介して接続されて、任意に1個のヘテロ原子を含む環基を形成し、およびR19は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
20は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
21は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
22は、Hまたは低級アシルであり;
pは、2〜3の整数である、
請求項1〜23の何れか1項に記載の化合物。
【請求項35】
化合物(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール;
(2S,3R,4R,5R)−2−(4−(ジメチルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール;
(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−ブロモピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール;
(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−ビニルピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール;
7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4(3H)−オン;
4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボキサミド;
(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−(ヒドロキシメチル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール;
(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−フルオロピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール;
4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボニトリル;
4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボキシミダミド;
((2R,3R,4R,5S)−5−(4−アミノピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル三リン酸四水素塩;
4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボン酸メチル;
4−アミノ−7−((2S,3R,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−2−イル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−5−カルボン酸;または
(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−5−(1,2−ジヒドロキシエチル)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチルテトラヒドロフラン−3,4−ジオール;
あるいは製薬学的に許容可能なその塩もしくはプロドラッグ。
【請求項36】
請求項1〜35の何れか1項に記載の化合物、および製薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項37】
1つまたは複数の追加の抗ウィルス薬をさらに含む、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
1つまたは複数の抗ウィルス薬が、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、チモシンα−1、セリンプロテアーゼ抑制剤、イノシン一リン酸塩デヒドロゲナーゼ抑制剤、インターフェロン−α、およびペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)から選択される、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
1つまたは複数の追加のHCVポリメラーゼ抑制剤をさらに含む、請求項36〜38の何れか1項に記載の組成物。
【請求項40】
1つまたは複数のプロテアーゼ抑制剤をさらに含む、請求項36〜39の何れか1項に記載の組成物。
【請求項41】
リバビリンをさらに含む、請求項36〜40の何れか1項に記載の組成物。
【請求項42】
インターフェロン−αまたはペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)をさらに含む、請求項36〜41の何れか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記1つまたは複数の抗癌剤をさらに含む、請求項36に記載の組成物。
【請求項44】
前記1つまたは複数の抗癌剤が、アルキル化剤、代謝拮抗物質、天然物、およびホルモン剤から選択される、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
動物のウイルス感染を処置する方法であって、有効量の請求項1〜35の何れか1項に記載の化合物、または請求項36〜42の何れか1項に記載の組成物を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項46】
前記ウイルス感染が、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーA群ウイルスおよびB群ウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、天然痘ウイルス、エボラウイルス、および西ナイル熱ウイルスから成る群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ウイルス感染がHCVである、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
1つまたは複数の追加のHCVポリメラーゼ抑制剤を前記動物に投与することをさらに含む、請求項45〜47の何れか1項に記載の方法。
【請求項49】
1つまたは複数のプロテアーゼ抑制剤を前記動物に投与することをさらに含む、請求項45〜48の何れか1項に記載の方法。
【請求項50】
リバビリンを前記動物に投与することをさらに含む、請求項45〜49の何れか1項に記載の方法。
【請求項51】
インターフェロン−αまたはペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)を前記動物に投与することをさらに含む、請求項45〜50の何れか1項に記載の方法。
【請求項52】
動物の癌を処置する方法であって、有効量の請求項1〜35の何れか1項に記載の化合物、または請求項36および43〜44の何れか1項に記載の組成物を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項53】
1つまたは複数の追加の抗癌化合物が投与される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記動物がヒトである、請求項45〜53の何れか1項に記載の方法。
【請求項55】
ウイルスのRNAまたはDNAポリメラーゼを阻害する方法であって、前記ポリメラーゼをインビトロまたはインビボで、有効阻害量の請求項1〜35の何れか1項に記載の化合物と接触させることを含む方法。
【請求項56】
前記ウイルスポリメラーゼがRdRpである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
医薬療法に使用される、請求項1〜35の何れか1項に記載の化合物。
【請求項58】
動物のウイルス感染を処置するのに有用な薬剤を調製するための、請求項1〜35の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項59】
動物の癌を処置するのに有用な薬剤を調製するための、請求項1〜35の何れか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−515760(P2010−515760A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545720(P2009−545720)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/050929
【国際公開番号】WO2008/089105
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(507141273)バイオクライスト ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】