抗コネキシン化合物およびそれらの使用

【課題】コネキシン、ヘミチャネルおよびギャップ結合の調整が有利な種々の疾患、容態および障害の治療に有用な抗コネキシン化合物および組成物、そしてこれらの化合物および組成物ならびに薬学的処方物、キットおよび医学的デバイスの使用方法を提供する。
【解決手段】例えば、心血管、脈管、神経、創傷および他の適応症の治療のためのコネキシン活性を調整するための方法および組成物を提供する。これらの化合物および方法を、治療的に使用して、例えば、直接的な細胞−細胞伝達の局所的破壊またはヘミチャネル開口の予防が望ましい疾患および障害に関連する副作用の重篤度を軽減することができる。1つの態様では、脈管障害を罹患した被験体を治療するための化合物、組成物および方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、Colin R.GreenおよびDavid L.Beckerによって2005年2月3日に出願された仮特許出願U.S.S.N.60/650,075(発明の名称「Anti−connexin compounds and methods of use」)からの優先権を主張する。この仮特許出願の内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
分野
本開示は、例えば、種々の疾患、障害、および容態(心血管、神経、および脈管の疾患、障害、および容態が含まれるが、これらに限定されない)の予防および治療で有用なギャップ結合およびヘミチャネルの調整のための医薬品(薬剤、化合物、組成物、処方物が含まれる)および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
以下には、本発明の理解に有用であり得る情報が含まれる。本明細書中で提供したいかなる情報も先行技術または本明細書中に記載の発明または特許請求の範囲に記載の発明の関連技術であると認めていないか、具体的または暗に引用したいかなる刊行物や書類も先行技術であると認めていない。
【0004】
冠状動脈性心疾患は、ほとんどの西洋諸国における主な死因である。心血管疾患の死亡率は、カナダでの100,000人あたり29人(男性、女性は24人)からロシア連邦での213人(男性、女性は154人)までと様々であることが報告されている。他の西洋諸国については、死亡率は31〜55人(43〜26人)である。脳卒中に寄与する死亡者の約半分が肺炎および敗血症などの医学的合併症の結果であり、半分が新規の脳硬塞および脳浮腫などの神経学的合併症に寄与する(Brott,T.and Bogousslavsky,J.,New Engl J.Med.343:710−722(2000))。
【0005】
脳卒中は、先進国において第3の主な死亡原因であり、公衆衛生に計り知れない影響を与える。約700,000症例が毎年米国で新たに生じる(American Stroke Association)。脳卒中患者の約25%は、脳卒中またはそれによる合併症の結果として死亡する。さらに、ほぼ50%の脳卒中の犠牲者が、中等度から重篤な健康障害および長期障害に見舞われる。虚血性脳卒中の発生率は過去20年間にわたり減少しているにもかかわらず、平均年齢が上昇しているので、脳卒中の絶対数は増加し続けている。最近の予測では、2050年までに、米国で毎年100万人が脳卒中を発症することを示している。脳卒中は、一般に、脳への血流が減少するいくつかの内在する容態の結果であり、障害または死に至る。事実上約85%の脳卒中が虚血(血餅または血管の遮断)である。Foulkes MR,et al.,Stroke;19:547−54(1988)。虚血性脳卒中は、脳の動脈内に形成される血餅(血栓性脳卒中)または体内の他の場所で形成されて脳に輸送された血餅(塞栓性脳卒中)に起因し得る。血栓性脳卒中は、全虚血性脳卒中の52%を示す。血栓性脳卒中は、一般に、アテローム性動脈硬化症(脂肪沈着物、カルシウム、およびフィブリノゲンおよびコレステロールのような血液凝固因子の集合によって血管が詰まるようになる)の結果である。
【0006】
炎症は、多因子過程であり、多くの疾患、障害、および容態で発症し、累積的に健康に莫大な影響を与える。炎症性疾患(関節リウマチ、狼瘡、乾癬、多発性硬化症、および喘息が含まれる)は、以前として全世界で死亡率および罹患率の主な原因である。自己免疫疾患も炎症に関連し、報告によれば、米国で増加中であり、5000万人以上に影響を与えている。多数の自己免疫疾患では、細胞、組織、関節、および器官の損傷は、莫大な一連の炎症経路の無制御活性化に起因する。関節リウマチ(RA)は、関節が炎症し、それにより、腫脹、痛み、および機能喪失することによって特徴づけられる1つのこのような慢性炎症性疾患である。RAは、米国で少なくとも250万人が罹患すると見積もられ、事象の組み合わせ(初期の感染または傷害、異常な免疫応答、および遺伝因子が含まれる)に起因する。免疫系が制御不能になり、健康な組織を攻撃する場合、少なくとも80の自己免疫疾患のうちの任意の1つを発症し得る。
【0007】
ギャップ結合タンパク質としても公知のコネキシンは、細胞質にC末端およびN末端を有する4回膜貫通タンパク質である。6つのコネキシンが互いに組み合わされて、「コネクソン」と呼ばれるヘミチャネルを形成する。
【0008】
ギャップ結合は、直接的に細胞−細胞伝達を行う構造である。ギャップ結合は、2つの連結したコネクソン(このコネクソンは、各隣接細胞が寄与してドッキング時に機能的ギャップ結合を形成する)から構成される。
【0009】
コネキシンがリボゾームによって翻訳される時、コネキシンは小胞体膜に挿入される。Bennett MV,Zukin RS.Electrical coupling and neuronal synchronization in the Mammalian brain.Neuron.2004 Feb 19;41(4):495−511。これらが集合してヘミチャネル(コネクソン)を形成し、小胞中の細胞膜に輸送され、これらが他の細胞由来のヘミチャネルと出会うまで膜を介して拡散し、ヘミチャネルがドッキングして1つのチャネルを形成することができる(前出)。コネキシン上の分子がヘミチャネル中の他のコネキシンおよび他の細胞のヘミチャネルのコネキシンを「認識し」、正確に整列し、チャネルを形成する(Kandel ER,Schwartz JH,Jessell TM.Principles of Neural Science,4th ed.,pp.178−180.McGraw−Hill,New York(2000))。
【0010】
コネキシンタンパク質は、共通の膜貫通トポロジー(4つのαヘリックス膜貫通ドメイン、2つの細胞外ループ、細胞質ループ、および細胞質N末端ドメインおよびC末端ドメイン)を有する。配列は、膜貫通ドメインおよび細胞外ドメインで最も保存されているが、コネキシン間の多くの重要な機能の相違は、これらの非常に保存されたドメイン中のアミノ酸の相違によって決定される。各細胞外ループは、チャネル機能に必要な不変空間(invariant spacing)(1つのイソ型を確保する)を有する3つのシステインを含む。結合チャネルは、2つの末端−末端ヘミチャネル(それぞれ、コネキシンサブユニットの六量体である)から構成される。結合チャネルでは、細胞外ループ中のシステインが2ループ間に単量体内ジスルフィド結合を形成し、単量体間結合やヘミチャネル内結合は形成しない。ヘミチャネル間の末端−末端同種親和性結合は、非共有相互作用を介する。変異誘発研究により、ドッキング領域がβ構造を含み、ポリンチャネルのβバレル構造といくらか類似し得ることが示唆される。結合チャネルを構成する2つのヘミチャネルは、相互比較して約30°回転しながらよじれており、各コネキシン単量体のαヘリックスは並列したヘミチャネル中の2つの隣接単量体のαヘリックスと軸方向に整列する。
【0011】
膜中の各コネクソンまたはヘミチャネルは、通常の条件下で、隣接細胞のコネクソンとドッキングするまで閉じたままである。しかし、本発明者らは、ヘミチャネルを発現する細胞をストレス(例えば、生理学的、機械的など)に供した場合、ヘミチャネルは、ドッキングしない場合でさえも開くことができると考える。細胞外ヘミチャネル伝達の阻害には、開いたヘミチャネルを介した細胞外空間または細胞膜周辺腔由来の小分子の流れの阻害が含まれる。いかなる機構に拘束または制限されることを意図しないが、作用様式には、ヘミチャネルの遮断(一部または全部)、コネクソンの内在化の誘発およびその後の膜からの除去、コネクソンを閉じさせるためのコネキシンタンパク質の高次構造の変化の誘導、およびチャネル開口の誘発に関与する部位(カルシウム結合部位)のマスキングまたは結合が含まれる。
コネキシンに対するアンチセンス(AS)ヌクレオチドおよびその使用は、説明されている。January 27,2000年にBecker et alが提出した、発明の名称が「Formulations Comprising Antisense Nucleotides to Connexins」の特許文献1を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第00/44409号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
概要
本明細書中に記載され、且つ特許請求の範囲に記載の発明は、多数の特質および実施形態(前記または概要に記載もしくは引用されているものが含まれる)を有する。本明細書中に記載され、且つ特許請求の範囲に記載の発明は、本概要で特定された特徴または実施形態に制限されないかこれらに基づき、本発明の例示のみを目的として含まれ、本発明を制限しない。
【0014】
本明細書中に記載され、且つ特許請求の範囲に記載の発明は、選択された組織、細胞、および患者(例えば、心血管容態、炎症性容態、神経容態、脈管容態、創傷、他の容態および障害、ならびにその合併症を罹患しているかリスクのある患者)におけるコネキシン、ヘミチャネル、およびギャップ結合の調整のための抗コネキシン化合物(ポリペプチド(例えば、模倣ペプチドおよびペプチド模倣物、抗体、および抗体フラグメント、ならびに合成構築物)およびポリヌクレオチド(例えば、アンチセンスポリヌクレオチド)が含まれる)に関する。
【0015】
コネキシン、ヘミチャネル、およびギャップ結合の調整が有利な種々の疾患、容態、および障害(例えば、心血管、神経、脈管、および他の容態または障害)の治療(創傷治療が含まれる)に有用な抗コネキシン化合物および組成物を提供する。例えば、これらの化合物および組成物ならびに薬学的処方物、キット、および医学的デバイスの使用方法も提供する。
【0016】
1つの態様では、脈管障害を罹患した被験体を治療するための化合物、組成物、および方法を提供する。このような方法は、コネキシン、ヘミチャネル、またはギャップ結合の発現、形成、または活性を阻害することができる抗コネキシン化合物(例えば、アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の抗コネキシン化合物(本明細書中に提供するものが含まれる))を被験体に投与する工程を含む。
【0017】
別の態様では、炎症性障害を罹患した被験体を治療するための抗コネキシン化合物、組成物、および方法を提供する。このような方法は、コネキシン、ヘミチャネル、またはギャップ結合の発現、形成、または活性を阻害することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の抗コネキシン化合物(本明細書中に提供するものが含まれる)を被験体に投与する工程を含む。
【0018】
別の態様では、創傷を有する被験体を治療するための抗コネキシン化合物、組成物、および方法を提供する。このような方法は、コネキシン、ヘミチャネル、またはギャップ結合の発現、形成、または活性を阻害することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の抗コネキシン化合物(本明細書中に提供するものが含まれる)を被験体に投与する工程を含む。
【0019】
別の態様では、移植または移植手順に関連する被験体を治療するための抗コネキシン化合物、組成物、および方法を提供する。このような方法は、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、作用または活性を阻害することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の抗コネキシン化合物(本明細書中に提供するものが含まれる)を被験体に投与する工程を含む。このような方法はまた、移植または移植手順に関連する組織の浮腫を阻害および/または予防することができる。
【0020】
別の態様では、コネキシンヘミチャネルに結合するか発現、形成、作用または活性を調整することができる抗コネキシン結合タンパク質(模倣ペプチド、抗体、抗体フラグメントなどが含まれる)を提供する。結合タンパク質は、ギャップ結合およびヘミチャネルのモジュレーターとして有用である。
【0021】
特定の非限定的な実施形態では、抗コネキシン化合物は、コネキシンの膜貫通領域に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。このようなコネキシンには、例えば、コネキシン45、43、26、30、31.1、および37、が含まれる。ヒトコネキシンが好ましい種である。
【0022】
非限定的であるが好ましい実施形態では、抗コネキシン化合物は、コネキシン45の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。特定の非限定的な実施形態では、例えば、配列番号62の約3〜約30個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号62の約5〜約20個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号62の約8〜約15個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、または配列番号62の約11、12、または13個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである。他の非限定的な実施形態には、配列番号62の少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、または30個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである抗コネキシン化合物が含まれる。本明細書中に提供した一定の抗コネキシン化合物では、模倣ペプチドは、配列番号62の46〜75位および199〜228位のアミノ酸に対応するコネキシン45の細胞外ドメインに基づく。したがって、本明細書中に記載の一定のペプチドは、配列番号62の46〜75位および199〜228位の領域に対応するアミノ酸配列を有する。ペプチドは、配列番号62の一部と同一のアミノ酸配列を有する必要はなく、ペプチドが本明細書中に記載のアッセイおよび当該分野で公知の他のアッセイで結合活性または機能的活性を保持するように保存的にアミノ酸を変化させることができる。他の実施形態では、模倣ペプチドは、細胞外ドメイン以外のコネキシンタンパク質内のペプチド標的領域(例えば、46〜75位および199〜228位に対応しない配列番号62の一部)に基づく。
【0023】
別の非限定的であるが好ましい実施形態では、抗コネキシン化合物は、コネキシン43の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。特定の非限定的な実施形態では、例えば、配列番号63の約3〜約30個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号63の約5〜約20個の連続するアミノ酸、配列番号63の約8〜約15個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、または配列番号63の約11、12、または13個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである。他の非限定的な実施形態には、配列番号63の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、または30個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである抗コネキシン化合物が含まれる。他の抗コネキシン化合物では、模倣ペプチドは、配列番号63の37〜76位および178〜208位のアミノ酸に対応するコネキシン43の細胞外ドメインに基づく。したがって、本明細書中に記載の一定のペプチドは、配列番号63の37〜76位および178〜208位の領域に対応するアミノ酸配列を有する。ペプチドは、配列番号63の一部と同一のアミノ酸配列を有する必要はなく、ペプチドが本明細書中に記載のアッセイおよび当該分野で公知の他のアッセイで結合活性または機能的活性を保持するように保存的にアミノ酸を変化させることができる。他の実施形態では、模倣ペプチドは、細胞外ドメイン以外のコネキシンタンパク質内のペプチド標的領域(例えば、37〜76位および178〜208位に対応しない配列番号63の一部)に基づく。
【0024】
他の特定の化合物、これらの化合物の作製方法、およびその活性の測定方法を、本明細書中により詳細に記載する。
【0025】
あるいは、抗コネキシン化合物(特定の実施形態で提供および使用されるものが含まれる)は、1つまたは複数のアンチセンス化合物を含む。適切なアンチセンス化合物を、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アンチセンスポリヌクレオチド、デオキシリボザイム、モルホリノオリゴヌクレオチド、RNAi分子、siRNA分子、PNA分子、DNAザイム、および5’末端変異U1小核RNA、ならびに上記のアナログからなる群から選択することができる。これらおよび他の化合物を、単独または1つを超える模倣ペプチドまたは他の結合ペプチドと組み合わせて使用することができる。
【0026】
アンチセンス化合物または模倣ペプチドなどの抗コネキシン化合物を、例えば、コネキシン45、43、26、37、30、および/または31.1にターゲティングすることができる。一定の非限定的であるが好ましい実施形態では、アンチセンス化合物または模倣ペプチドは、コネキシン45またはコネキシン43をターゲティングする。一定の非限定的であるが好ましい実施形態では、配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有するコネキシンをコードする核酸分子の少なくとも約8個の核酸塩基をターゲティングするアンチセンス化合物などの抗コネキシン化合物。アンチセンス化合物は、例えば、配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有するコネキシンをコードする核酸分子の少なくとも約12個の核酸塩基をターゲティングするアンチセンス化合物を含み得る。特定の他の実施形態では、アンチセンス化合物は、配列番号1〜11から選択される核酸塩基配列を含む。アンチセンス化合物は、例えば、約15核酸塩基長と約35核酸塩基長との間(例えば、約25〜30または約30)のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み得る。
【0027】
アンチセンス化合物は、例えば、天然に存在する核酸塩基および非修飾ヌクレオシド間結合(例えば、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合)を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み得る。修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合を含み得る。他のアンチセンス化合物は、例えば、少なくとも1つの修飾糖部分を有するオリゴヌクレオチドを含み得る。さらに他のアンチセンス化合物は、例えば、少なくとも1つの修飾核酸塩基を有するオリゴヌクレオチドを含み得る。
【0028】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物または模倣ペプチドなどの抗コネキシン化合物を、組織損傷の減少または治癒の促進に有用な第2の化合物と組み合わせて使用することができる。第2の化合物は、成長因子またはサイトカインなどであり得る。適切な同時投与化合物には、例えば、FGF、NGF、NT3、PDGF、TGF、VEGF、BDGF、EGF、KGF、インテグリン、インターロイキン、プラスミン、およびセマフォリンが含まれる。ヒト療法のために、上記列挙のこのような同時投与化合物は、ヒトまたはヒト起源である。
【0029】
ヘミチャネル調整が有利である、被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞への抗コネキシン化合物の投与を提供する。
【0030】
被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞への抗コネキシン化合物の投与の方法を提供する。したがって、特定の非限定的な実施形態では、被験体を、1つまたは複数の以下のためにヘミチャネルに結合するかヘミチャネルを調整することができる抗コネキシン化合物の投与によって処置する:心血管疾患、冠動脈心疾患、心不全、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、心臓麻痺性または他の器官輸送または貯蔵培地、再灌流傷害、呼吸性または代謝性アシドーシス、肺水腫(二酸化窒素などの有毒ガスへの曝露が含まれる)、内皮細胞が破壊される血管性病態生理学(食物誘導性高コレステロール血症病変)、血管障害(微小血管性および大血管性)、脳卒中、脳血管障害(脳虚血)、血栓症、外傷に起因する血管損傷(例えば、皮下創傷、ステント挿入、再狭窄、または血管形成術)、グルコースレベルの上昇に起因する脈管損傷(糖尿病)、四肢の血管病、器官虚血、視神経症、炎症、および関節リウマチ(RA)、亜慢性または慢性炎症、癲癇(癲癇事象および癲癇性事象後に拡大した病変)、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、およびHarrison’s,Principles of Internal Medicine 15th Edition(McGraw Hill,Inc.,New York)(本明細書中で参考として援用される)により詳細に記載された一定の他の適応症。
【0031】
一定の他の非限定的な実施形態では、被験体を、1つまたは複数の以下のためのヘミチャネルに結合するか、そうでなければヘミチャネルを調整することができる抗コネキシン化合物の投与によって治療する:(1)例えば、虚血または外傷の後またはその結果としての脊髄浮腫の予防または治療、(2)例えば、虚血または外傷の後またはその結果としての組織(例えば、脳、視神経、脊髄、および心臓)の血管壁変性の予防または治療、(3)例えば、浮腫および/または炎症が症候性であるか、例として、例えば、持続的炎症の結果として血管が枝枯れ(die back)する炎症性関節炎および他の炎症性障害の予防または治療、(4)亜急性または慢性創傷(例えば、角膜創傷)の予防または治療(例として、血管の枝枯れの予防により、角膜輪部(limbal)虚血が回復する)、(5)例えば、再上皮化を誘発する手段としての亜急性または慢性創傷(例えば、角膜創傷)の予防または治療、(6)例として、上皮の回復を誘発し、亜急性角膜輪部虚血を回復させるための火傷(例えば、化学火傷)の治療、(7)亜急性または慢性皮膚創傷(例えば、糖尿病性潰瘍が含まれる)の予防または治療(例として、継続的な血管の枝枯れの予防により、組織虚血が回復する)、(8)慢性創傷(例えば、糖尿病性潰瘍が含まれる)の治療(例として、例えば、先端でのコネキシン43の継続的発現により、再上皮化が予防される)、(9)例えば、脳室に直接か脊柱および/または脊髄を介して送達することができるコネキシン模倣ペプチドを使用した周産期虚血の予防または治療、(10)例えば、脳室に直接か脊柱および/または脊髄を介して送達されるコネキシン模倣ペプチドを使用した周産期虚血後の浮腫の阻害または予防、(11)例えば、全身送達されるコネキシン模倣ペプチドを使用した周産期虚血の治療、(12)例えば、全身および/または脳室に直接か脊柱および/または脊髄を介して送達されるコネキシン模倣ペプチドを使用した脳卒中またはCNS虚血の治療、(13)脳内の癲癇様活動(例えば、癲癇)(虚血後の癲癇様活動)の防止、ならびに/または(14)臓器移植後の再潅流に起因する病変の拡大、浮腫(および拒絶)の予防。このような方法および適応症の予防および/治療のためのコネキシンおよびギャップ結合に結合するかこれを調整することができる抗コネキシン化合物を提供する。
【0032】
抗コネキシン化合物を、種々の所定の回数で投与することができる。
【0033】
特定の非限定的な実施形態では、コネキシンヘミチャネルの、活性、作用、発現、または形成を、内皮細胞中で阻害する。
【0034】
特定の非限定的な実施形態では、コネキシンヘミチャネルの、活性、作用、発現、または形成を、上皮細胞中で阻害する。
【0035】
特定の非限定的な実施形態では、被験体の脈管障害(脳卒中が含まれる)を治療することができる。
【0036】
特定の非限定的な実施形態では、被験体の脈管障害(虚血が含まれる)を治療することができる。このような虚血は、例えば、組織虚血、心筋虚血、または脳虚血であり得る。
【0037】
特定の非限定的な実施形態では、被験体は、虚血によって神経機能を喪失するリスクがある。
【0038】
特定の非限定的な実施形態では、被験体の脈管障害を治療することができ、虚血に起因し得る中枢神経系または末梢神経系の細胞の死または変性の治療または改善を含む。
【0039】
特定の非限定的な実施形態では、被験体の脈管障害を治療することができ、抗コネキシン化合物(例えば、アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の結合ペプチド)を、被験体に実施した脈管手順または冠状動脈手順と組み合わせて投与する。他の非限定的な実施形態では、抗コネキシン化合物(例えば、アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の結合ペプチド)を、脈管手順または冠状動脈手順中に投与する。抗コネキシン化合物を、脈管手順または冠状動脈手順またはその両方の前または後に投与することもできる。
【0040】
特定の非限定的な実施形態では、抗コネキシン化合物(アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の結合ペプチドが含まれる)を、脈管手順または冠状動脈手順の実施の約1時間後以内に投与するか、例えば、脈管手順または冠状動脈手順の実施の約2時間後以内に投与する。他の実施形態では、抗コネキシン化合物を、脈管手順または冠状動脈手順の実施の約24時間後以内に投与する。抗コネキシン化合物を、要望または必要に応じて、これらの時間枠以外で投与することもできる。
【0041】
特定の実施形態では、抗コネキシン化合物(アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の結合ペプチドが含まれる)を、被験体に実施した心臓手順(心臓手術など)と組み合わせて投与する。
【0042】
特定の他の実施形態では、抗コネキシン化合物(アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または他の結合ペプチドが含まれる)を、脈管手順または他の手順の実施のための医学的デバイスと組み合わせて投与する。
【0043】
別の態様では、薬学的に許容可能なキャリアならびにコネキシンヘミチャネルおよびその後のコネクソン形成を調整することができる薬剤(例えば、ヘミチャネルの発現、形成、作用、および/または活性の遮断または改善など)を含む、被験体に投与するための薬学的処方物を提供する。
本発明は例えば、以下の項目を提供する:
(項目1)
脈管障害を治療する方法であって、抗コネキシン化合物を前記脈管障害に関連する組織中でコネキシンヘミチャネルを調整することができる量で被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目2)
炎症性障害の被験体を治療する方法であって、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害することができる治療有効量の抗コネキシン化合物を被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目3)
移植または移植手順に関連する被験体を治療する方法であって、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害することができる量の抗コネキシン化合物を被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目4)
創傷を治療する方法であって、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害することができる抗コネキシン結合タンパク質を創傷に投与する工程を含む、方法。
(項目5)
前記移植または移植手順に関連する組織の浮腫が改善される、項目4に記載の方法。
(項目6)
模倣ペプチドを使用する、項目1〜項目4のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記抗コネキシン化合物が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アンチセンスポリヌクレオチド、デオキシリボザイム、モルホリノオリゴヌクレオチド、RNAi分子、siRNA分子、PNA分子、DNAザイム、および5’末端変異U1小核RNA、ならびにこれらのアナログからなる群から選択されるアンチセンス化合物である、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記抗コネキシン化合物を1回投与する、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記ヘミチャネルの調整が、細胞外ヘミチャネル伝達の阻害を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記抗コネキシン化合物が、コネキシン43の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドである、項目1〜項目4のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記ペプチドが、配列番号62または配列番号63の約5〜約20個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記ペプチドが、配列番号62または配列番号63の約8〜約15個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記ペプチドが、配列番号62または配列番号63の約11〜約13個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記抗コネキシン化合物が、コネキシン45の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドである、項目1〜項目4のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記ペプチドが、配列番号62または配列番号63の約5〜約20個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記ペプチドが、配列番号62または配列番号63の約8〜約15個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記ペプチドが、配列番号62または配列番号63の約11〜約13個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有する、項目14に記載の方法。
(項目18)
ヘミチャネルの発現、形成、または活性が内皮細胞中で阻害される、項目1〜項目4のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記脈管障害が脳卒中である、項目1に記載の方法。
(項目20)
血管の枝枯れが改善される、項目1に記載の方法。
(項目21)
血管の破壊が改善される、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記脈管障害が、中枢神経系の損傷である、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記脈管障害が虚血を含む、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記虚血が組織虚血である、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記虚血が心筋虚血である、項目23に記載の方法。
(項目26)
前記虚血が脳虚血である、項目23に記載の方法。
(項目27)
前記被験体が、虚血によって神経機能を喪失するリスクがある、項目1に記載の方法。
(項目28)
虚血に起因する中枢神経系または末梢神経系の細胞の死または変性が改善される、項目1に記載の方法。
(項目29)
前記抗コネキシン化合物を、被験体に実施した脈管手順または冠状動脈手順と組み合わせて投与する、項目1に記載の方法。
(項目30)
前記抗コネキシン化合物を、脈管手順または冠状動脈手順の間に投与する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記抗コネキシン化合物を、脈管手順または冠状動脈手順の実施後約1時間以内に投与する、項目29に記載の方法。
(項目32)
前記抗コネキシン化合物を、脈管手順または冠状動脈手順の実施後約2〜24時間以内に投与する、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記抗コネキシン化合物を、被験体に実施した心臓手術と組み合わせて投与する、項目1に記載の方法。
(項目34)
前記抗コネキシン化合物を、脈管手順実施のための医学的デバイスと組み合わせて投与する、項目1に記載の方法。
(項目35)
前記アンチセンス化合物が、配列番号1〜11から選択される核酸塩基配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目36)
前記コネキシン標的が、コネキシン45、43、26、37、30、および31.1からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目37)
前記コネキシン標的がコネキシン45である、項目1に記載の方法。
(項目38)
前記コネキシン標的がコネキシン43である、項目1に記載の方法。
(項目39)
前記抗コネキシン化合物が、配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有するコネキシンをコードする核酸分子の少なくとも約8個の核酸塩基をターゲティングするアンチセンス化合物である、項目1に記載の方法。
(項目40)
前記アンチセンス化合物が、約15核酸塩基長と約35核酸塩基長との間のアンチセンスオリゴヌクレオチドである、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記抗コネキシン化合物が、配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有するコネキシンをコードする核酸分子の少なくとも約12個の核酸塩基をターゲティングするアンチセンス化合物である、項目1に記載の方法。
(項目42)
前記抗コネキシン化合物が、配列番号1〜11から選択される核酸塩基配列を含むアンチセンス化合物である、項目1に記載の方法。
(項目43)
前記抗コネキシン化合物が、天然に存在する核酸塩基および非修飾ヌクレオシド間結合を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドである、項目1に記載の方法。
(項目44)
前記抗コネキシン化合物が、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドである、項目1に記載の方法。
(項目45)
前記修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合である、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記抗コネキシン化合物が、少なくとも1つの修飾糖部分を含むオリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物である、項目1に記載の方法。
(項目47)
前記抗コネキシン化合物が、少なくとも1つの修飾核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むアンチセンス化合物である、項目1に記載の方法。
(項目48)
前記抗コネキシン化合物を、組織損傷の減少または治癒の促進に有用な第2の化合物と組み合わせて投与する、項目1に記載の方法。
(項目49)
前記第2の化合物が、成長因子またはサイトカインである、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記成長因子またはサイトカインが、FGF、NGF、NT3、PDGF、TGF、VEGF、BDGF、EGF、KGF、プラスミン、インテグリン、インターロイキン、およびセマフォリンからなる群から選択される、項目49に記載の方法。
(項目51)
心臓手術と組み合わせた投与のための薬学的処方物であって、前記処方物が、コネキシンヘミチャネルを遮断することができる薬剤および心臓手術を受けた被験体のための薬学的に許容可能な薬剤を含む、薬学的処方物。
(項目52)
前記コネキシンヘミチャネル調整が、ヘミチャネルを保有する細胞の細胞質から細胞外空間への分子の伝達を阻害する、項目1に記載の方法。
(項目53)
前記脈管障害が、組織損傷に起因する脳卒中の後に続く、項目1に記載の方法。
(項目54)
前記抗コネキシン化合物を、被験体に全身投与する、項目1に記載の方法。
(項目55)
前記抗コネキシン化合物を、被験体に静脈内投与する、項目1に記載の方法。
(項目56)
前記抗コネキシン化合物を、被験体に関節内投与する、項目1に記載の方法。
(項目57)
前記抗コネキシン化合物を、被験体の関節周囲に投与する、項目1に記載の方法。
(項目58)
前記抗コネキシン化合物を、被験体に門脈内投与する、項目1に記載の方法。
(項目59)
前記抗コネキシン化合物を、被験体の器官に直接投与する、項目1に記載の方法。
(項目60)
前記抗コネキシン化合物を、被験体の脳脊髄液内(ICSF)に投与する、項目1に記載の方法。
(項目61)
前記抗コネキシン化合物を、被験体の脳脊髄液内(ICSF)に投与する、項目1に記載の方法。
(項目62)
前記抗コネキシン化合物を、被験体に頭蓋内投与する、項目1に記載の方法。
(項目63)
前記抗コネキシン化合物を、被験体の脊髄髄質に投与する、項目1に記載の方法。
(項目64)
前記抗コネキシン化合物を、被験体の心臓に直接投与する、項目1に記載の方法。
(項目65)
前記抗コネキシン化合物を、ボーラス用量として投与する、項目1に記載の方法。
(項目66)
前記抗コネキシン化合物を徐放性送達によって投与する、項目1に記載の方法。
(項目67)
虚血が存在し、前記抗コネキシン化合物を、虚血後少なくとも72時間にわたって投与する、項目1に記載の方法。
(項目68)
前記脈管障害が、虚血性卒中、一過性脳虚血性発作、脳内出血、くも膜下出血、血栓塞栓性卒中、静脈血栓症、肺塞栓症、塞栓性卒中、脳血管障害、末梢性閉塞性動脈疾患、動静脈奇形、および動脈瘤からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目69)
前記脈管障害が、1つまたは複数の冠動脈心疾患、冠血管脈管障害、アテローム硬化型脈管疾患、アテロームプラーク破綻、および/または血栓塞栓性、高血圧、心筋梗塞、アンギナ、虚血性心疾患、大動脈障害、末梢動脈疾患、線維筋性異形成、もやもや病、または血栓性血管炎に関連する脈管障害に関連する、項目1に記載の方法。
(項目70)
前記炎症性障害が、関節炎、関節リウマチ(RA)、炎症、関節の破壊または損傷、炎症性障害、グレーブス病、橋本病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、免疫血小板減少性紫斑病、多発性硬化症、重症筋無力症、強皮症、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症および敗血症性ショック、ならびに消化器系の自己免疫疾患からなる群から選択される、項目2に記載の方法。
(項目71)
被験体は、1つまたは複数の鬱血、血栓症、線維素溶解、循環器疾患、糖尿病、心臓に影響を与える内分泌疾患、妊娠に関連する循環器疾患、リウマチ熱、HIV感染症に関連する心血管障害、心疾患に関連する血液学的または腫瘍学的障害、心疾患に関連する神経障害、および心疾患に関連する腎疾患を有する、項目1〜項目4に記載の方法。
(項目72)
前記被験体を、心不全、先天性心疾患、小児の後天性心疾患、心臓弁膜症、感染性心内膜炎、心筋症、心臓の腫瘍、心膜心疾患、外傷性心疾患、肺塞栓症、肺高血圧症、肺性心、スポーツ心臓症候群、末梢性動脈性循環障害、臓器系に影響を与える血管障害、中枢神経系に影響を与える血管障害、脳に影響を与える血管障害、網膜に影響を与える血管障害、腎臓に影響を与える血管障害、神経に影響を与える血管障害、微小血管障害、および大血管性障害に関連する移植または移植手順で治療する、項目4に記載の方法。
(項目73)
被験体を、1つまたは複数の心臓移植、腎臓移植、肝臓移植、肺移植、膵臓移植、腸移植、または臓器移植の組み合わせから選択される関連する移植または移植手順で治療する、項目4に記載の方法。
(項目74)
被験体を、1つまたは複数の眼組織、皮膚、心臓弁、骨、腱、静脈、靭帯、骨髄移植片、歯または歯肉組織、美容外科に関連する移植または体内移植、臀部または関節置換手順に関連する移植または体内移植、および幹細胞に関連する組織の移植または体内移植に関連する移植片または移植手順で治療する、項目4に記載の方法。
(項目75)
脈管障害を罹患した被験体の治療で用いる抗コネキシン模倣ペプチド。
(項目76)
炎症性障害を罹患した被験体の治療で用いるコネキシンタンパク質に対する抗コネキシン模倣ペプチド。
(項目77)
移植または移植手順に関連する組織浮腫を予防または阻害するために被験体の治療で用いるコネキシンタンパク質に対する抗コネキシン模倣ペプチド。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、器官型培養24時間後のラット脊髄セグメントを示す。コントロール脊髄(図1A)では、切断末端に有意な腫脹が認められる(点線は、元の切断面を示す)。コネキシン43特異的アンチセンスODN処置セグメント(図1B)は、腫脹や浮腫がほとんどないことを示す。
【図2】図2は、器官型培養24時間後のコントロール脊髄の樹脂切片のクマシーブリリアントブルー染色を示す。ニューロンは、ヘミチャネルが開いて細胞外液が細胞に侵入した「水疱化」事象を伴って膜に沿って空胞化して浮腫性を示す(矢印)。
【図3】図3は、細胞外ループ(図3A中に緑色で示したGap7M抗体)およびタンパク質の細胞質カルボキシルテール(図3A中に赤色で示)に結合する抗体を使用したコネキシン43の免疫組織学的標識を示す。細胞質抗体は、全コネキシン43タンパク質を標識し(赤色)、Gap7Mはヘミチャネルの露呈した細胞外ループのみを標識することができ(緑色)、これは、細胞間にインタクトなチャネルを形成するドッキングしたコネクソンへの結合由来の立体障害が起こるからである。図3Bは、圧挫創から24時間後の脊髄中の2つの抗体での二重標識を示す。2つの抗体が共存しているほとんどの標識が黄色で認められ、存在するタンパク質のかなりの部分が隣接細胞のコネクソンとドッキングせずにヘミチャネルのままであることを示す。コネキシン43特異的アンチセンスODNはタンパク質翻訳を防止し、処置脊髄にヘミチャネルはほとんど認められない(図3C)。
【図4】図4は、器官型培養で5日間培養した脊髄由来の組織切片のイソレクチンB4標識を示す。レクチンは、小グリア細胞および血管内皮細胞の両方に結合する。このコネキシン43特異的アンチセンスODN処置セグメント中の毛細管は、5日間インタクトなままである(矢印)。コントロール脊髄では、2日後に完全にインタクトな血管はほとんどなく、5日目までに、コントロール中で活性化マクロファージ表現型グリア細胞が主に標識される。
【図5】図5は、圧挫創に対して5mm吻側の脊髄組織の切片を示す。脊髄の圧挫から4時間後、FITCタグ化BSAを動物の尾静脈に注射し、組織を取り出し、切片にした。コントロール脊髄では(図5A)、色素が血管から広範囲に漏れ出し(傷害部位から5mmまで)、毛細管壁の破壊および血液脳関門の破壊を示す。コネキシン43特異的アンチセンスODN処置脊髄では(図5B)、毛細管内に含まれない色素は非常に少なく、血管の完全性が維持されていることを示す。
【図6A】図6は、梗塞形成から24時間後の虚血性梗塞組織の近傍およびこの梗塞内のヒツジ心室壁中のヒツジ心臓組織の三重標識を示す。組織を、血管内皮細胞を示すイソレクチン(isolection)B4(青色)、コネキシン43の抗体(赤色)、およびGap7Mの抗体(緑色)で標識する。Gap7M抗体は、コネキシンタンパク質の保存された細胞外ループ領域(コネキシンイソ型特異的ではない)を認識するが、ヘミチャネルを記す(これらは、インタクトなチャネル中のそのエピトープへの接近によって立体的に込み合う)。図6Aは、梗塞領域から離れた組織由来の4つの画像組を示し、毛細管のイソレクチンB4標識(青色−左上)および筋細胞の介在板中のコネキシン43ギャップ結合(左下−赤色)を示す。ヘミチャネルのGAP7M標識は実質的に存在しない(右上−緑色)。右下の画像は、他の3つの重ね合わせである。血管はインタクトなままであり、筋細胞自体の損傷の兆候はない。図6Bでは、領域は依然として梗塞とは掛け離れているが、より梗塞に近づいた領域を示す。同一の3つの標識および重ね合わせた画像を、4つのパネルで示す。ほとんどの血管は依然としてインタクトであるが、血管壁が複数の領域で崩壊している。これらの領域では、ヘミチャネル標識は、破裂した血管壁と共存している。4つの画像の最後のパネル(図6C)は、梗塞領域自体の内部である。広範なヘミチャネル発現後に、見かけ上インタクトなままの毛細管はほとんどない。コネキシン43標識は分散するようになり、もはや介在板に含まれなくなる。これは、ここで筋細胞が激しく損傷するようになることを示す。いかなる場合でも、Gap7M抗体標識は、コネキシン43標識と共存せず(脊髄でも同様)、これらは異なるギャップ結合タンパク質イソ型であり、コネキシン45である可能性が最も高い。
【図6B】図6は、梗塞形成から24時間後の虚血性梗塞組織の近傍およびこの梗塞内のヒツジ心室壁中のヒツジ心臓組織の三重標識を示す。組織を、血管内皮細胞を示すイソレクチン(isolection)B4(青色)、コネキシン43の抗体(赤色)、およびGap7Mの抗体(緑色)で標識する。Gap7M抗体は、コネキシンタンパク質の保存された細胞外ループ領域(コネキシンイソ型特異的ではない)を認識するが、ヘミチャネルを記す(これらは、インタクトなチャネル中のそのエピトープへの接近によって立体的に込み合う)。図6Aは、梗塞領域から離れた組織由来の4つの画像組を示し、毛細管のイソレクチンB4標識(青色−左上)および筋細胞の介在板中のコネキシン43ギャップ結合(左下−赤色)を示す。ヘミチャネルのGAP7M標識は実質的に存在しない(右上−緑色)。右下の画像は、他の3つの重ね合わせである。血管はインタクトなままであり、筋細胞自体の損傷の兆候はない。図6Bでは、領域は依然として梗塞とは掛け離れているが、より梗塞に近づいた領域を示す。同一の3つの標識および重ね合わせた画像を、4つのパネルで示す。ほとんどの血管は依然としてインタクトであるが、血管壁が複数の領域で崩壊している。これらの領域では、ヘミチャネル標識は、破裂した血管壁と共存している。4つの画像の最後のパネル(図6C)は、梗塞領域自体の内部である。広範なヘミチャネル発現後に、見かけ上インタクトなままの毛細管はほとんどない。コネキシン43標識は分散するようになり、もはや介在板に含まれなくなる。これは、ここで筋細胞が激しく損傷するようになることを示す。いかなる場合でも、Gap7M抗体標識は、コネキシン43標識と共存せず(脊髄でも同様)、これらは異なるギャップ結合タンパク質イソ型であり、コネキシン45である可能性が最も高い。
【図6C】図6は、梗塞形成から24時間後の虚血性梗塞組織の近傍およびこの梗塞内のヒツジ心室壁中のヒツジ心臓組織の三重標識を示す。組織を、血管内皮細胞を示すイソレクチン(isolection)B4(青色)、コネキシン43の抗体(赤色)、およびGap7Mの抗体(緑色)で標識する。Gap7M抗体は、コネキシンタンパク質の保存された細胞外ループ領域(コネキシンイソ型特異的ではない)を認識するが、ヘミチャネルを記す(これらは、インタクトなチャネル中のそのエピトープへの接近によって立体的に込み合う)。図6Aは、梗塞領域から離れた組織由来の4つの画像組を示し、毛細管のイソレクチンB4標識(青色−左上)および筋細胞の介在板中のコネキシン43ギャップ結合(左下−赤色)を示す。ヘミチャネルのGAP7M標識は実質的に存在しない(右上−緑色)。右下の画像は、他の3つの重ね合わせである。血管はインタクトなままであり、筋細胞自体の損傷の兆候はない。図6Bでは、領域は依然として梗塞とは掛け離れているが、より梗塞に近づいた領域を示す。同一の3つの標識および重ね合わせた画像を、4つのパネルで示す。ほとんどの血管は依然としてインタクトであるが、血管壁が複数の領域で崩壊している。これらの領域では、ヘミチャネル標識は、破裂した血管壁と共存している。4つの画像の最後のパネル(図6C)は、梗塞領域自体の内部である。広範なヘミチャネル発現後に、見かけ上インタクトなままの毛細管はほとんどない。コネキシン43標識は分散するようになり、もはや介在板に含まれなくなる。これは、ここで筋細胞が激しく損傷するようになることを示す。いかなる場合でも、Gap7M抗体標識は、コネキシン43標識と共存せず(脊髄でも同様)、これらは異なるギャップ結合タンパク質イソ型であり、コネキシン45である可能性が最も高い。
【図7】図7は、虚血から24時間後の梗塞中の毛細管内皮細胞を記すイソレクチンB4(緑色)および筋細胞の筋節(sacromere)中のM線(M line)を記すミオメシン抗体の共存を示す。この領域は、図6Cと同一である。毛細管が完全に崩壊し、正常な筋細胞の筋節のバンディングパターンが破壊され、血管壁崩壊と並行して筋細胞死が起こることを示す。パネル中の上の画像は、イソレクチンB4を示し、中央の画像はミオメシン標識を示し、下の画像はこれら2つの重ね合わせを示す。
【図8】図8は、全脊髄セグメント領域と比較した腫脹率を示す棒グラフを示す。コントロール(培地のみ)セグメント、ヘミチャネルを遮断するために色素取り込み実験で示したペプチドVDCFLSRPTEKT(配列番号35)およびSRPTEKTIFII(配列番号36)(図8中のペプチド4および5としてそれぞれ示す)で処置したセグメント、およびヘミチャネルを遮断しなかったペプチドQQPGCENVCYDK(配列番号39)(図8中のペプチド8として示す)で処置したセグメントを示す。ペプチドSRPTEKTIFII(配列番号36、図8中のペプチド5)(組織学的研究に基づいたより優れた遮断薬)を、5つの異なる濃度で使用し、最も低い濃度が浮腫の軽減に最も有効であった。
【図9】図9は、コネキシンタンパク質の細胞外ループ領域を認識する抗体を使用した偽コントロール(左)および30分の脳虚血から24時間後の短期胎児ヒツジ脳のコネキシンヘミチャネル標識を示す。コントロール脳では、コネキシンヘミチャネル標識は認められないのに対して、虚血後では、ヘミチャネルが広範に上方制御される。ヘミチャネル発現は、細胞体上(水平方向の矢印)および、血管内皮細胞中(垂直方向の矢印)において特に高い。虚血後に上方制御された主なコネキシンは、コネキシン43である。
【図10】図10は、短期胎児ヒツジにおける30分の脳虚血エピソードから90分後に開始した人為的CSFi.c.v.注入またはペプチド注入の例を示す。これらの動物の注入を、虚血から72時間まで継続した。賦形剤(人為的CSF)注入動物(左)は、重篤な継続的発作の発症が遅延し(癲癇発作重積状態;例を挿入ボックスに示す(上))、その後、皮質インピーダンスが段階的に増加し(下、細胞腫脹の測定)、48時間で最大になる。約48時間までに発作が消失した。ペプチド模倣物の注入(右)により、連続的発作から不連続な個別の発作に変化した。脳インピーダンスが著しく遅延し、上昇が小さくなった。
【図11】図11は、コントロール、2.5、5、および10μMの濃度のコネキシン43特異的AS−ODNを使用した、視神経(図11A)組織の腫脹および(図11B)細胞死の用量−応答曲線を示す。両パラメーターは、濃度増加に伴った減少傾向を示す。10μMでは、組織の腫脹は、コントロールと比較して、処置後6時間の早期に減少し、24時間後に69%まで減少する。視神経の前および中間のセグメントの両方における細胞死は、アンチセンス処置によって減少する。
【図12】図12は、コントロールおよびAS−ODN処置した視神経の腫脹率を示す(全ての時点でn=6)。浮腫は、コントロール組織でより顕著であり、調査した全時点で相違が統計的に有意である。アスタリスクは、2群間の統計的有意性を示す。
【図13】図13:(上のパネル)虚血誘導から2、6、および24時間後のコントロール(A、B、C)およびAS−ODN処置(D、E、F)視神経セグメントの中間における死細胞のヨウ化プロピジウム。3つの時点でコントロールと比較した場合、コネキシン43特異的AS−ODN処置群で染色はほとんど示されない(下のパネル)。線グラフは、コントロールおよびAS−ODN処置した視神経の中間の神経領域の単位領域あたりの死細胞数を示す。コントロール群の細胞死は最初増加し、6時間後にピークに達し、その後減少する(単位領域あたりの遊離細胞数がより少ない組織浮腫を反映すると考えられる)。AS−ODN処置組織は、培養24時間後でさえも細胞死は非常にわずかしか増加しなかった。アスタリスクは、処置間の統計的有意差を示す。
【図14】図14は、コントロール(緑色)およびコネキシン43特異的アンチセンス処置視神経(青色)における平均血管セグメント長を示す。全ての時点で、アンチセンス処置神経はより長いセグメントを有し、これは、おそらくヘミチャネルの形態であるかギャップ結合媒介性バイスタンダー効果を介したコネキシン発現の結果として、血管破壊がより少ないことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書中で参照した全ての色は、対応する白黒の図中にグレースケールで示す。
詳細な説明
本発明の実施は、当業者の範囲内の分子生物学(組換え技術が含まれる)、微生物学、細胞生物学、生化学、核酸化学、および免疫学の種々の従来の技術を含むか使用することができる。このような技術は、文献で完全に説明されており、例示のみを目的として、以下が含まれるが、これらに限定されない:Molecular Cloning:A Laboratory Manual,second edition(Sambrook et al.,1989)およびMolecular Cloning:A Laboratory Manual,third edition(Sambrook and Russel,2001)(本明細書中で、両方および個別に「Sambrook」として参照している);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.,1987);Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir & C.C.Blackwell,eds.);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller & M.P.Calos,eds.,1987);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel et al,eds.,1987(2001年までの増補版を含む);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991);The Immunoassay Handbook(D.Wild,ed.,Stockton Press NY,1994);Bioconjugate Techniques(Greg T.Hermanson,ed.,Academic Press,1996);Methods of Immunological Analysis(R.Masseyeff,W.H.Albert,and N.A.Staines,eds.,Weinheim:VCH Verlags gesellschaft mbH,1993),Harlow and Lane(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Publications,New YorkおよびHarlow and Lane(1999)Using Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(本明細書中で、両方および個別に「Harlow and Lane」として参照している),Beaucage et al.eds.,Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry John Wiley & Sons,Inc.,New York,2000);ならびにAgrawal,ed.,Protocols for Oligonucleotides and Analogs,Synthesis and Properties Humana Press Inc.,New Jersey,1993)。
【0046】
定義
一般的および種々の非限定的な特定の実施形態に関して本発明をさらに記載する前に、本発明を記載する状況で使用される一定の用語を説明する。他で示さない限り、以下の用語は、本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される場合、以下の意味を有する。以下または本明細書中の他の場所で定義されない用語は、その技術分野が認識する意味を有するものとする。
【0047】
本明細書中に提供した化合物中で使用されるアミノ酸(例えば、ペプチドおよびタンパク質)は、遺伝的にコードされたアミノ酸、天然に存在する遺伝的にコードされないアミノ酸、または合成アミノ酸であり得る。上記のいずれかのL型およびD型の鏡像異性体の両方を、化合物中で使用することができる。以下の遺伝的にコードされたアミノ酸(およびその残基)について以下の略語を本明細書中で使用することができる:アラニン(Ala、A);アルギニン(Arg、R);アスパラギン(Asn、N);アスパラギン酸(Asp、D);システイン(cyteine)(Cys、C);グリシン(Gly、G);グルタミン酸(Glu、E);グルタミン(Gln、Q);ヒスチジン(His、H);イソロイシン(Ile、I);ロイシン(Leu、L);リジン(Lys、K);メチオニン(Met、M);フェニルアラニン(Phe、F);プロリン(Pro、P);セリン(Ser、S);トレオニン(Thr、T);トリプトファン(Trp、W);チロシン(Tyr、Y);およびバリン(Val、V)。
【0048】
遺伝的にコードされず、且つ本発明の化合物中に存在し得る一定の一般に遭遇するアミノ酸には、β−アラニン(b−Ala)および他のω−アミノ酸(3−アミノプロピオン酸(Dap)、2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr、Z)、および4−アミノ酪酸など);α−アミノイソ酪酸(Aib);ε−アミノヘキサン酸(Aha);δ−アミノ吉草酸(Ava);メチルグリシン(MeGly);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t−ブチルアラニン(t−BuA);t−ブチルグリシン(t−BuG);N−メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニン(Cha);ノルロイシン(Nle、J);2−ナフチルアラニン(2−Nal);4−クロロフェニルアラニン(Phe(4−Cl));2−フルオロフェニルアラニン(Phe(2−F));3−フルオロフェニルアラニン(Phe(3−F));4−フルオロフェニルアラニン(Phe(4−F));ペニシラミン(Pen);1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic);β−2−チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(MSO);ホモアルギニン(hArg);N−アセチルリジン(AcLys);2,3−ジアミノ酪酸(Dab);2,3−ジアミノ酪酸(Dbu);p−アミノフェニルアラニン(Phe(pNH));N−メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys);3−ベンゾチアゾール−2−イル−アラニン(BztAla、B);およびホモセリン(hSer)が含まれるが、これらに限定されない。意図されるさらなるアミノ酸アナログには、ホスホセリン、ホスホトレオニン、ホスホチロシン、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、馬尿酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、スタチン、α−メチル−アラニン、パラ−ベンゾイル−フェニルアラニン、プロパルギルグリシン、およびサルコシンが含まれる。本発明の範囲内に含まれるペプチドは、L型もしくはD型の任意の上記アミノ酸または本明細書中に記載されているか(現在または将来的に)当該分野で公知の任意の他のアミノ酸を有し得る。
【0049】
互いに置換されるアミノ酸は、一般に、類似のクラスまたはサブクラス内に存在する。当業者に公知のように、アミノ酸を、異なるクラスに配置することができ、これは、主にアミノ酸側鎖の化学的性質および物理的性質に依存する。例えば、いくつかのアミノ酸を、一般に、親水性または極性アミノ酸と見なされるものもあれば、疎水性または無極性アミノ酸と見なされるものもある。極性アミノ酸には、酸性、塩基性、または親水性の側鎖を有するアミノ酸が含まれ、無極性アミノ酸には、芳香族または疎水性の側鎖を有するアミノ酸が含まれる。無極性アミノ酸を、特に、脂肪族アミノ酸が含まれるようにさらに分類することができる。本発明で使用されるアミノ酸クラスの定義を以下に示す。
【0050】
「無極性アミノ酸」は、生理学的pHで荷電されておらず、極性でなく、一般に水溶液に反発する側鎖を有するアミノ酸をいう。遺伝的にコードされた疎水性アミノ酸の例には、Ala、Ile、Leu、Met、Trp、Tyr、およびValが含まれる。遺伝的にコードされない無極性アミノ酸には、t−BuA、Cha、およびNleが含まれる。
【0051】
「芳香族アミノ酸」は、共役π電子系(芳香族基)を有する少なくとも1つの環を含む側鎖を有する無極性アミノ酸をいう。芳香族基を、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ニトロ基、およびアミノ基などにさらに置換することができる。遺伝的にコードされる芳香族アミノ酸の例には、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンが含まれる。一般的に遭遇する遺伝的にコードされない芳香族アミノ酸には、フェニルグリシン、2−ナフチルアラニン、β−2−チエニルアラニン、3−ベンゾチアゾール−2−イル−アラニン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、4−クロロフェニルアラニン、2−フルオロフェニルアラニン、3−フルオロフェニルアラニン、および4−フルオロフェニルアラニンが含まれる。
【0052】
「脂肪族アミノ酸」は、飽和または不飽和の直鎖、分岐鎖、または環式炭化水素側鎖を有する無極性アミノ酸をいう。遺伝的にコードされた脂肪族アミノ酸の例には、Ala、Leu、Val、およびIleが含まれる。コードされない脂肪族アミノ酸には、Nleが含まれる。
【0053】
「極性アミノ酸」は、生理学的pHで荷電されているか荷電されておらず、一般に2つの電子によって共有されている電子対が原子の1つによってより密接に保持されている側鎖を有する親水性アミノ酸をいう。極性アミノ酸は一般に親水性であり、これらが水溶液に引き付けられる側鎖を有するアミノ酸を有することを意味する。遺伝的にコードされた極性アミノ酸の例には、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、リジン、およびセリンが含まれる。遺伝的にコードされない極性アミノ酸の例には、シトルリン、ホモシステイン、N−アセチルリジン、およびメチオニンスルホキシドが含まれる。
【0054】
「酸性アミノ酸」は、7未満のpK値の側鎖を有する親水性アミノ酸をいう。酸性アミノ酸は、典型的に、水素イオンの喪失のために生理学的pHで負電荷の側鎖を有する。遺伝的にコードされた酸性アミノ酸の例には、アスパラギン酸(アスパルテート)およびグルタミン酸(グルタメート)が含まれる。
【0055】
「塩基性アミノ酸」は、7を超えるpK値の側鎖を有する親水性アミノ酸をいう。塩基性アミノ酸は、典型的に、ヒドロニウムイオンへの会合のために生理学的pHで正電荷の側鎖を有する。遺伝的にコードされた塩基性アミノ酸の例には、アルギニン、リジン、およびヒスチジンが含まれる。遺伝的にコードされない塩基性アミノ酸の例には、オルニチン、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、およびホモアルギニンが含まれる。
「イオン性アミノ酸」は、生理学的pHで荷電することができるアミノ酸をいう。このようなイオン性アミノ酸には、酸性および塩基性アミノ酸(例えば、D−アスパラギン酸、D−グルタミン酸、D−ヒスチジン、D−アルギニン、D−リジン、D−ヒドロキシリジン、D−オルニチン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−アルギニン、L−リジン、L−ヒドロキシリジン、またはL−オルニチン)が含まれる。
【0056】
当業者に明らかなように、上記分類は絶対ではない。いくつかのアミノ酸は、1つを超える特性を示し、したがって、1つを超えるカテゴリーに含まれ得る。例えば、チロシンは、非極性芳香環および極性水酸基の両方を有する。したがって、チロシンは、非極性、芳香族、および極性として記載することができるいくつかの特徴を有する。しかし、非極性環が支配しているので、チロシンは、一般に、非極性と見なされる。同様に、ジスルフィド結合を形成することができることに加えて、システインは非極性の特性も有する。したがって、システインは厳密には疎水性または非極性アミノ酸に分類されないが、多くの場合、システインを使用して、ペプチドに疎水性または非極性を付与することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明で意図される極性アミノ酸には、例えば、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ホモシステイン、リジン、ヒドロキシリジン、オルニチン、セリン、トレオニン、および構造的に関連するアミノ酸が含まれる。1つの実施形態では、極性アミノ酸は、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、リジン、またはオルニチンなどのイオン性アミノ酸である。
【0058】
使用することができる極性または非極性アミノ酸残基の例には、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンなどが含まれる。
【0059】
「抗コネキシン化合物」には、コネキシン、コネキシンヘミチャネル(コネクソン)、またはギャップ結合の活性、発現、または形成に影響を与えるか調整する化合物が含まれる。抗コネキシン化合物には、アンチセンス化合物(例えば、アンチセンスポリヌクレオチド)、抗体およびその結合フラグメント、ならびにペプチドおよびポリペプチド(「ペプチド模倣物」および「模倣ペプチド」が含まれる)が含まれるが、これらに限定されない。
【0060】
「アンチセンス化合物」には、遺伝子の発現、翻訳、または機能を阻害するように作用する異なる分子型(治療への適用のためのmRNAの配列特異的ターゲティングによって作用する型が含まれる)が含まれる。アンチセンス化合物には、アンチセンスDNA化合物およびアンチセンスRNA化合物が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは好ましい形のアンチセンス化合物であるが、本発明は、他のオリゴマーアンチセンス化合物(オリゴヌクレオチド模倣物が含まれるが、これらに限定されない)を含む。本発明のアンチセンス化合物は、好ましくは、約8個〜約50個の核酸塩基(すなわち、約8個〜約50個の結合したヌクレオシド)を含む。特に好ましいアンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、さらにより好ましくは、約12個〜約30個の核酸塩基を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドである。アンチセンス化合物には、リボザイム、外部ガイド配列(EGS)オリゴヌクレオチド(オリゴザイム)、および標的核酸とハイブリッド形成してその発現を調整する他の短い触媒RNAまたは触媒オリゴヌクレオチドが含まれる。これらには、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド(S−ODN)が含まれる。
【0061】
したがって、アンチセンス化合物には、例えば、主に核酸ベースの遺伝子サイレンシング分子(例えば、化学修飾されたアンチセンスオリゴデオキシリボ核酸(ODN、リボザイムおよびsiRNA(Scherer,L.J.and Rossi,J.J.Nature Biotechnol.21:1457−1465(2003)など)が含まれる。アンチセンス化合物には、アンチセンス分子(例えば、ペプチド核酸(PNA)(Braasch,D.A.and Corey,D.R.,Biochemistry 41,4503−4510(2002))、モルホリノホスホロジアミデート(Heasman,J.,Dev.Biol,243,209−214(2002)、DNAザイム(Schubert,S.et al.,Nucleic Acids Res.31,5982−5992(2003).Chakraborti,S.and Banerjea,A.C,Mol Ther.7,817−826(2003),Santoro,S.W.and Joyce,G.F.Proc,Natl Acad.Sci USA 94,4262−4266(1997)、および最近開発された5’末端変異U1小核酸RNA(Fortes,P.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA 100,8264−8269(2003)など)が含まれ得る。
【0062】
用語「アンチセンス配列」は、アンチセンス化合物活性を有するポリヌクレオチドをいい、例えば、RNA配列に相補的であるか、部分的に相補的であるか、対応する配列が含まれるが、これらに限定されない。したがって、アンチセンス配列には、例えば、リボゾームによるmRNAの転写を遮断するためのmRNAまたはその一部に結合する核酸配列が含まれる。アンチセンス法は、一般に、当該分野で周知である。例えば、PCT公開WO94/12633号、Nielsen et al.,Science 254:1497(1991);Oligonucleotides and Analogues,A Practical Approach,edited by F.Eckstein,IRL Press at Oxford University Press(1991);Antisense Research and Applications(1993,CRC Pressを参照のこと。選択された標的に対するアンチセンス配列により、非標的配列に非特異的に結合しても結合しなくてもよい。非標的配列への非特異的結合が最小であるか、存在しないか、検出不可能であるアンチセンス配列が好ましい。
【0063】
本明細書中で使用される、「メッセンジャーRNA」には、三文字の遺伝コードを使用したタンパク質をコードするための配列情報だけでなく、5’非翻訳領域、3’非翻訳領域、および5’キャップ領域を形成する会合リボヌクレオチド配列ならびに種々の二次構造を形成するリボヌクレオチド配列も含まれる。本発明にしたがって任意のこれらの配列の全部または一部をターゲティングするオリゴヌクレオチドを処方することができる。
【0064】
一般に、核酸(オリゴヌクレオチドが含まれる)を、「DNA様」(すなわち、2’−デオキシ糖、一般に、U塩基よりもむしろT塩基を有する)または「RNA様」(すなわち、2’−ヒドロキシまたは2’修飾糖、一般に、T塩基よりもむしろU塩基を有する)と記載することができる。核酸ヘリックスは、1つを超える構造型、最も一般的には、A形態およびB形態を選択することができる。一般に、B形態様構造を有するオリゴヌクレオチドは「DNA様」であり、A形態様構造を有するオリゴヌクレオチドは「RNA様」であと考えられる。
【0065】
用語「相補的」は、一般に、例えば、許容可能な塩および温度条件下での塩基対合によるポリヌクレオチドの天然の結合をいう。例えば、配列「A−G−T」は、相補的配列「T−C−A」に結合する。2つの一本鎖分子間の相補性は、いくつかの核酸のみが相補的なような「部分的」であり得るか、一本鎖分子間の全てが相補性を示すような「完全」であり得る。核酸分子間の相補性の程度は、そのハイブリッド形成の効率および強さに有意に影響を与える。「ハイブリッド形成」および「相補的な」は、例えば、DNAまたはRNA標的とオリゴヌクレオチドとの間に意図する作用を行うのに十分な結合(好ましくは、安定な結合)が起こるのに十分な程度の相補性を示すために使用される用語である。オリゴヌクレオチドはハイブリッド形成可能となるためにその標的核酸配列と100%相補的である必要はないと理解され、結合は標的特異的であり得るか、非特異的結合が有意または好ましくなく治療または他の目的を妨げない限り、他の非標的分子に結合することができるとも理解される。オリゴヌクレオチドを使用して、標的分子の正常な機能を妨害して活性を喪失または減少させるか、特異的結合が望まれる条件下で(すなわち、in vivoアッセイまたは治療上の処置の場合の生理学的条件下、in vitroアッセイの場合のアッセイが行われる条件下)、非標的配列へのオリゴヌクレオチドの非特異的または望ましくない結合を回避するのに十分な程度の相補性であることが好ましい。絶対相補性は必要ない。生理学的条件下で20℃、30℃、または40℃を超える融点を有する二重鎖を形成するのに十分な相補性を有するポリヌクレオチドが一般に好ましい。
【0066】
「障害」は、本発明の分子または組成物での治療から利益が得られる任意の容態(本明細書中または特許請求の範囲に記載の容態が含まれる)である。これには、慢性および急性の障害または疾患(哺乳動物が問題の障害を罹患しやすい生理学的容態が含まれる)が含まれる。
【0067】
本明細書中で使用される、「被験体」は、哺乳動物(ヒト、家畜、および動物園の動物、競技用動物、またはペット動物(イヌ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウシなど)が含まれる)と分類される任意の動物をいう。好ましい被験体はヒトである。
【0068】
選択した核酸標的へのオリゴヌクレオチドの「ターゲティング」は、多段階の過程である。この過程は、その機能を調整すべき核酸配列の同定から開始され得る。これは、例えば、発現が特定の病状に関連する細胞遺伝子(または遺伝子から作製されたmRNA)であり得る。ターゲティング過程には、所望の効果(すなわち、タンパク質発現の阻害、活性の調整など)が得られるようにオリゴヌクレオチド相互作用を起こすための核酸配列内の部位の決定も含まれ得る。一旦標的部位または部位が同定されると、標的と十分または望ましく相補的である(すなわち、十分および適切または所望の特異性でハイブリッド形成して所望の活性が得られる)アンチセンス化合物(例えば、オリゴヌクレオチド)を選択する。本発明では、標的は、1つまたは複数のコネキシンをコードする核酸分子を含む。ターゲティング過程はまた、所望の効果が得られるようにアンチセンス相互作用を引き起こすための部位の決定を含み得る。好ましい遺伝子内部位は、例えば、遺伝子の読み取り枠(ORF)の翻訳開始または終止コドンを含む領域である。翻訳開始コドンは、典型的には、5’−AUG(転写mRNA分子中、対応するDNA分子では5’−ATG)であり、「AUGコドン」、「開始コドン」、または「AUG開始コドン」とも言うことができる。少数の遺伝子は、RNA配列5’−GUG、5’−UUGまたは5’−CUG、および5’−AUAを有する翻訳開始コドンを有し、5’−ACGおよび5’−CUGがin vivoで機能することが示されている。したがって、用語「翻訳開始コドン」および「開始コドン」は、それぞれの例でのイニシエーターアミノ酸が典型的にはメチオニン(真核生物)またはホルミルメチオニン(原核生物)であるにもかかわらず、多数のコドン配列を含み得る。真核生物および原核生物の遺伝子が2つまたはそれを超える別の開始コドンを有することができ、そのうちのいずれか1つを、特定の細胞型もしくは組織または特定の条件組での翻訳開始のために優先的に使用することができることも当該分野で公知である。
【0069】
用語「オリゴヌクレオチド」には、天然に存在する塩基、糖、および糖間(骨格)結合からなるヌクレオチドまたはヌクレオシドモノマーのオリゴマーもしくはポリマーが含まれる。用語「オリゴヌクレオチド」には、同様に機能する非天然に存在するモノマーまたはその一部を含むオリゴマーまたはポリマーも含まれる。このような修飾または置換されたオリゴヌクレオチドは、例えば、増強された細胞取り込み、ヌクレアーゼの存在下での増加した安定性、または増強された標的親和性などの性質のために、しばしば好ましい優れた天然の形態である。多数のヌクレオチドおよびヌクレオシド修飾物は、これらが天然のオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)よりもヌクレアーゼ消化耐性が高いオリゴヌクレオチドを作製することが示されている。ヌクレアーゼ耐性を、オリゴヌクレオチドを細胞抽出物または単離ヌクレオチド溶液とインキュベートし、通常、ゲル電気泳動によって長期間残存するインタクトなオリゴヌクレオチドの範囲を測定することによって日常的に測定する。そのヌクレアーゼ耐性を増強するように修飾されたオリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチドよりも長期間インタクトで生存することができる。多数の修飾物も、オリゴヌクレオチドのその標的への結合(親和性)が増加することが示されている。オリゴヌクレオチドのその標的に対する親和性を、例えば、オリゴヌクレオチド/標的対のTm(融点)(オリゴヌクレオチドおよび標的が解離する温度である)の測定によって日常的に決定する。解離を、分光光度法で検出することができる。Tmが高いほど、オリゴヌクレオチドの標的との親和性が高い。いくつかの場合、標的結合親和性を増強するオリゴヌクレオチド修飾物は、ヌクレアーゼ耐性を増強することもできる。
【0070】
「ポリヌクレオチド」は、複数のヌクレオチドを意味する。したがって、用語「ヌクレオチド配列」、「核酸」、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、または「オリゴデオキシヌクレオチド」は全て、これらのヌクレオチドの配列またはヌクレオチドのヘテロポリマーをいう。これらの句はまた、ゲノムまたは合成起源のDNAまたはRNAをいい、一本鎖または二本鎖であってよく、ペプチド核酸(PNA)または任意のDNA様またはRNA様材料に対してセンス鎖またはアンチセンス鎖を示し得る。
【0071】
コネキシン、コネキシンフラグメント、またはコネキシン変異型(variant)をコードするポリヌクレオチドには、以下をコードするポリヌクレオチドが含まれる:天然で見出されるコネキシンの成熟形態(および天然に存在する種およびその変異型);天然で見出されるコネキシンの成熟形態およびさらなるコード配列(例えば、リーダー配列、シグナル配列、またはプロタンパク質配列)(ならびに天然に存在する種およびその変異型);上記および非コード配列のいずれか(例えば、天然で見出されるポリペプチドの成熟形態のコード配列の5’および/または3’のイントロンまたは非コード配列);天然で見出されるコネキシンの成熟形態のフラグメント、および、記載のように、天然で見出されるコネキシンの成熟形態の変異型。したがって、「コネキシンコードポリヌクレオチド」などは、所望のコネキシン、フラグメント、または変異型のコード配列のみを有するポリヌクレオチドおよびさらなるコード配列および/または非コード配列などの他のヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを含む。
【0072】
本発明の文脈では、メッセンジャーRNAは、三文字遺伝コードを使用してタンパク質をコードするための情報だけでなく、5’非翻訳領域、3’非翻訳領域、5’キャップ領域、およびイントロン/エクソン連結リボヌクレオチドとして当業者に公知の領域を形成する会合リボヌクレオチドも含む。したがって、本発明にしたがって、これらの会合リボヌクレオチドおよび情報リボヌクレオチドを全部または一部ターゲティングするオリゴヌクレオチドを処方することができる。したがって、オリゴヌクレオチドは、転写開始部位領域、翻訳開始コドン領域、5’キャップ領域、イントロン/エクソン連結点、コード配列、翻訳終止コドン領域、または5’または3’非翻訳領域中の配列と特異的にハイブリッド形成することができる。少数の遺伝子は、RNA配列5’−GUG、5’−UUGまたは5’−CUG、および5’−AUAを有する翻訳開始コドンを有し、5’−ACGおよび5’−CUGがin vivoで機能することが示されている。したがって、用語「翻訳開始コドン」および「開始コドン」は、それぞれの例でのイニシエーターアミノ酸が典型的にはメチオニン(真核生物)またはホルミルメチオニン(原核生物)であるにもかかわらず、多数のコドン配列を含み得る。真核生物および原核生物の遺伝子が2つまたはそれを超える別の開始コドンを有することができ、そのうちのいずれか1つを、特定の細胞型もしくは組織または特定の条件組での翻訳開始のために優先的に使用することができることも当該分野で公知である。本発明の文脈では、「開始コドン」および「翻訳開始コドン」は、このようなコドンの配列と無関係に、コネキシンをコードする遺伝子から転写されたmRNA分子の翻訳を開始するためにin vivoで使用されるコドンをいう。遺伝子の翻訳終止コドン(または「終結コドン」)が、3つの配列(すなわち、5’−UAA、5’−UAG、および5’−UGA(対応するDNA配列は、それぞれ、5’−TAA、5’−TAG、および5’TGAである))のうちの1つを有し得ることも当該分野で公知である。用語「開始コドン領域」、「AUG領域」、および「翻訳開始コドン領域」は、翻訳開始コドンからいずれかの方向の(すなわち、5’または3’)約25〜約50個の連続するヌクレオチドを含むmRNAまたは遺伝子の一部をいう。この領域は、好ましい標的領域である。同様に、用語「終結コドン領域」および「翻訳終始コドン領域」は、翻訳終止コドンからいずれかの方向の(すなわち、5’または3’)約25〜約50個の連続するヌクレオチドを含むmRNAまたは遺伝子の一部をいう。この領域は、好ましい標的領域である。翻訳開始コドンと翻訳終止コドンとの間の領域をいうことが当該分野で公知である読み取り枠(ORF)または「コード領域」は、有効にターゲティングすることができる領域でもある。他の好ましい標的領域には、翻訳開始コドンから5’方向のmRNAの一部をいうことが当該分野で公知の5’非翻訳領域(5’UTR)が含まれ、したがって、5’キャップ部位とmRNAの翻訳開始コドンとの間のヌクレオチドまたは遺伝子上の対応するヌクレオチド、および翻訳終止コドンから3’方向のmRNAの一部をいうことが公知の3’非翻訳領域(3’UTR)が含まれ、したがって、翻訳終始コドンとmRNAの3’末端との間のヌクレオチドまたは遺伝子上の対応するヌクレオチドが含まれる。mRNAの5’キャップは、5’−5’三リン酸結合を介してmRNAの5’のほとんどの残基に連結したN7メチル化グアノシン残基を含む。mRNAの5’キャップ領域は、5’キャップ構造自体およびキャップに隣接する最初の50個のヌクレオチドを含むと見なされる。5’キャップ領域はまた、好ましい標的領域であり得る。
【0073】
いくつかの真核生物mRNA転写物が直接翻訳されるにもかかわらず、多くは、「イントロン」として公知の1つまたは複数の領域を含み、イントロンは、プレmRNA転写物から切り出されて1つまたは複数の成熟mRNAが得られる。残存する(したがって、翻訳される)領域は、「エクソン」として公知であり、これらが互いにスプライシングされて連続するmRNA配列を形成する。mRNAスプライス部位(すなわち、エクソン−エクソン連結点またはイントロン−エクソン連結点)も好ましい標的領域であり得、異常なスプライシングが疾患に関与するか特定のmRNAスプライス産物の過剰産生が疾患に関与する状況で特に有用である。再編成または欠失に起因する異常な融合連結点も好ましい標的である。選択的にスプライシングされたmRNA中の特定のエクソンのターゲティングも好ましいかもしれない。イントロンが、例えば、DNAまたはプレmRNAをターゲティングしたアンチセンス化合物の有効な(したがって、好ましい)標的領域でもあり得ることも見出された。
【0074】
用語「ペプチド模倣物」および「模倣物」には、これらが模倣するタンパク質領域と同一の構造および機能の特徴を実質的に有し得る天然に存在する化合物および合成化合物が含まれる。コネキシンについて、これらは、例えば、コネクソン−コネクソンドッキングおよび細胞−細胞チャネル形成に関与する反対のコネキシンの細胞外ループを模倣する事ができる。
【0075】
テンプレートペプチドに類似の性質を有するペプチドアナログは、非ペプチド薬であり得る。ペプチドベースの化合物が含まれる「ペプチド模倣物(peptide mimetics)」または「ペプチド模倣物(peptidomimetics)」には、このような非ペプチドベースの化合物も含まれる(Fauchere,J.Adv.Drug Res.15:29(1986);Veber and Freidinger;TINS;392(1985);およびEvans et al,J.Med.Chem.30:1229(1987);Beeley N.,Trends Biotechnol.Jun;12(6):213−6(1994);Kieber−Emmons T,et al;Curr Opin Biotechnol.Aug;8(4):435−41(1997))。治療に有効なペプチドと構造が類似のペプチド模倣物を使用して、等価または増強された治療効果または予防効果を得ることができる。一般に、ペプチド模倣物は、パラダイムポリペプチド(すなわち、生物学的または薬理学的機能または活性を有するポリペプチド)と構造が同一または類似しているが、例えば、−CHNH−、−CHS−、−CH−CH−、−CH=CH−(シスおよびトランス)、−COCH−、−CH(OH)CH−、および−CHSO−からなる群から選択される結合に任意選択的に置換された1つまたは複数のペプチド結合も有し得る。模倣物は、天然のアミノ酸、非天然のアミノ酸のアナログ、のいずれかから全て構成され得るか、部分的に天然のペプチドアミノ酸および部分的に非天然のアミノ酸のアナログのキメラ分子である。模倣物はまた、置換が模倣活性を実質的に変化させない限り、任意の量の天然アミノ酸の保存的置換を含み得る。例えば、模倣組成物がコネキシンタンパク質またはコネクソンの生物学的作用および活性(例えば、ギャップ結合媒介細胞−細胞伝達を形成するためのコネクソンのドッキングを防止または細胞質を細胞外環境に曝露するためのコネクソン開口の防止など)を下方制御することができる場合、模倣組成物は本発明の範囲内である。ペプチド模倣物、模倣ペプチド、およびコネキシン調整ペプチドは、本明細書中に記載のペプチド模倣物、模倣ペプチド、およびコネキシン調整ペプチド、ならびに当該分野で公知であり得るもの(現在公知のものまたは今後開発されるのも)を含む。
【0076】
用語「組成物」は、1つまたは複数の成分を含む生成物を含むことを意図する。
【0077】
本明細書中で種々の形態で使用される、用語、コネキシン活性の「モジュレーター」および「調整」は、コネキシンの発現、作用、または活性の全部または一部の阻害を含むことを意図する。このようなモジュレーターには、コネキシンの機能または発現の小分子アンタゴニスト、アンチセンス分子、リボザイム、三重らせん分子、およびRNAiポリヌクレオチド、および遺伝子治療法などが含まれる。
【0078】
句「同一率(%)」は、2つまたはそれを超える配列の比較で見出された配列類似率をいう。同一率を、例えば、任意の適切なソフトウェアを使用して、電子的に決定することができる。同様に、2つの配列(またはこれらのいずれかまたは両方1つまたは複数の一部)の間の「類似性」を、ある配列の配列と第2の配列との比較によって決定する。
【0079】
「薬学的に許容可能な」化合物および組成物または処方物の他の成分(例えば、キャリア、希釈剤、または賦形剤)は、そのレシピエントへの投与に適切である。
【0080】
一般に、用語「タンパク質」は、1つのアミノ酸(またはアミノ酸残基)のα炭素に結合したカルボン酸基のカルボキシル炭素原子が隣接するアミノ酸のα炭素に結合したアミノ基のアミノ窒素原子に共有結合するようになる場合に起こる、ペプチド結合を介して連結した2つまたはそれを超える個別のアミノ酸(天然に存在するか存在しない)の任意のポリマーをいう。これらのペプチド結合およびこれらを含む原子(すなわち、α炭素原子、カルボキシル炭素原子(およびその置換酸素原子)、およびアミノ窒素原子(およびその置換水素原子))は、タンパク質の「ポリペプチド骨格」を形成する。さらに、本明細書中で使用される、用語「タンパク質」は、用語「ポリペプチド」および「ペプチド」(時折、本明細書中で交換可能に使用することができる)を含むと理解される。同様に、タンパク質のフラグメント、アナログ、誘導体、および変異型を、本明細書中で「タンパク質」ということができ、他で示さない限り、「タンパク質」であると見なすものとする。用語、タンパク質の「フラグメント」は、タンパク質の全てのアミノ酸残基よりも少ないアミノ酸残基を含むポリペプチドをいう。タンパク質の「ドメイン」はフラグメントでもあり、活性または機能を付与するためにしばしば必要なタンパク質のアミノ酸残基を含む。
【0081】
用語「ストリンジェントな条件」は、ポリヌクレオチド間でハイブリッド形成させる条件をいう。ストリンジェントな条件を、塩濃度、有機溶媒(例えば、ホルムアミド)の濃度、および当該分野で周知の他の条件によって定義することができる。塩濃度の減少、有機溶媒(例えば、ホルムアミド)の濃度の増加、またはハイブリッド形成温度の上昇によってストリンジェンシーを増加することができる。例えば、ストリンジェントな塩濃度は、通常、約750mM未満のNaClおよび75mMクエン酸三ナトリウム、好ましくは、約500mM未満のNaClおよび50mMクエン酸三ナトリウム、最も好ましくは、約250mM未満のNaClおよび25mMクエン酸三ナトリウムである。有機溶媒(例えば、ホルムアミド)の非存在下で低ストリンジェンシーのハイブリッド形成を行うことができる一方で、有機溶媒(例えば、少なくとも約35%のホルムアミド、最も好ましくは、少なくとも約50%のホルムアミド)の存在下で、高ストリンジェンシーのハイブリッド形成を行うことができる。ストリンジェントな温度条件は、通常、少なくとも約30℃、より好ましくは、少なくとも約37℃、最も好ましくは、少なくとも約42℃を含む。種々のさらなるパラメーター(例えば、ハイブリッド形成時間、界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))の濃度、およびキャリアDNAの含有または排除)は、当業者に周知である。種々のストリンジェンシーレベルを、必要に応じてこれらの種々の条件を組み合わせるによって達成し、これは、当業者の範囲内である。ストリンジェントなハイブリッド形成条件を、標的配列および標的に正確またはほぼ正確に相補性を示すプローブの融点(Tm)よりも約5℃〜約20℃または25℃低い融点範囲の条件によって定義することもできる。本明細書中で使用される、「融点」は、二本鎖核酸分子集団の半分が解離して一本鎖になる温度である。核酸のTmの計算方法は、当該分野で周知である(例えば、Berger and Kimmel,Methods In Enzymology,Vol.152:Guide To Molecular Cloning Techniques,San Diego(1987):Academic Press,Inc.and Sambrook et al.,Molecular Cloning(1989):A Laboratory Manual,2nd Ed.,Vols.1−3,Cold Spring Harbor Laboratoryを参照のこと)。標準的な参考文献によって示されるように、核酸が1M NaClの水溶液に存在する場合、Tm値の簡単な推定値を、以下の式によって計算することができる:Tm=81.5+0.41(%G+C)(例えば、Anderson and Young,“Quantitative Filter Hybridization” in Nucleic Acid Hybridization(1985)を参照のこと)。ハイブリッドの融点(およびそれによるストリンジェントなハイブリッド形成のための条件)は、種々の要因(プローブの長さおよび性質(DNA、RNA、塩基の組成)、標的のプローブおよび性質(溶液中に存在するか固定されているDNA、RNA、塩基の組成など)、塩および他の成分の濃度(例えば、ホルムアミド、硫酸デキストラン、ポリエチレングリコールの有無)など)に影響を受ける。これらの要因の影響は当該分野で周知であり、当該分野の標準的な参考文献で考察されている(例えば、Sambrook,supra,and Ausubel,supraを参照のこと)。典型的には、ストリンジェントなハイブリッド形成条件は、約1.0M未満のナトリウムイオン、典型的には、約0.01〜1.0Mのナトリウムイオン(pH7.0〜8.3)、短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)のための少なくとも約30℃の温度、および長いプローブ(例えば、50ヌクレオチド超)のための少なくとも約60℃の温度である。述べたように、ストリンジェントな条件を、ホルムアミドなどの脱安定剤の添加によって達成することもでき、この場合、より低い温度を使用することができる。本発明では、ポリヌクレオチドは、中程度から高いストリンジェンシーの条件下で(0.03M塩化ナトリウムおよび約50℃〜約60℃の0.03Mクエン酸ナトリウムなど)コネキシンmRNAにハイブリッド形成するポリヌクレオチドであり得る。
【0082】
用語「治療有効量」は、所望の応答(例えば、研究者、獣医、医師、または他の臨床家によって探求される組織、系、動物、またはヒトの生物学的応答または医学的応答)を誘発する標的化合物の量を意味する。
【0083】
「治療」は、治療上の処置および予防手段または防止手段をいう。治療を必要とする者には、既に障害を罹患している者および障害を予防すべき者が含まれる。
【0084】
用語「ベクター」は、プラスミド、ファージ、またはウイルスが、細菌、酵母、無脊椎動物、および/または哺乳動物宿主細胞と共に機能的であり得る場合、核酸の細胞への送達のためのプラスミド、ファージ、ウイルス、または他の系(天然に存在するか合成)の形態の核酸分子の増幅、複製、および/または発現の送達体をいう。ベクターは、宿主細胞のゲノムDNAから独立性を確保することができるか、全てまたは一部をゲノムDNAに組み込むことができる。ベクターは、一般に、ベクターと適合する任意の宿主細胞中で機能的であるために必要な全てのエレメントを含むが、その必要はない。「発現ベクター」は、外因性ポリヌクレオチド(例えば、適切な条件下で結合ドメイン融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)の発現を指向することができるベクターである。
【0085】
本明細書中で記載される、用語「相同性およびホモログ」には、コネキシンポリヌクレオチド中の配列(例えば、mRNA)のホモログであり得るポリヌクレオチドが含まれる。このようなポリヌクレオチドは、典型的には、少なくとも約70%の相同性、好ましくは、例えば、少なくとも約15、20、30、40、50、100を超える(相同配列の)連続ヌクレオチドの領域にわたって、関連配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、または99%の相同性を有する。
【0086】
当該分野の任意の方法に基づいて、相同性を計算することができる。例えば、UWGCG Packageは、(例えば、そのデフォルト設定値で使用した場合)相同性を計算するために使用することができるBESTFITプログラムを提供している(Devereux et al.,Nucleic Acids Research 12,p387−395(1984))。例えば、Altschul S.F.;J Mol Evol 36:290−300(1993);Altschul,S.F.et al.,;J Mol Biol 215:403−10(1990)に記載のように、(典型的には、デフォルト設定値で)PILEUPおよびBLASTアルゴリズムを使用して、相同性を計算するか配列を整列させることができる。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/L)で公的に利用可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同一の長さのワードとアラインメントした場合にいくつかの正の数の閾値スコアTと適合するか満たすクエリー配列中での長さWの短いワードの同定により高スコアリング配列対の最初の同定を含む。Tは、隣接ワードスコアの閾値をいう(Altschul et al.,supra)。これらの最初の隣接ワードのヒットは、これらを含むHSPを見出すための検索開始のための種として作用する。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加し得る範囲まで各配列に沿って両方向に伸長する。各方法でのワードヒットの伸長は、以下の場合に中止される:累積アラインメントスコアがその達成された最大値から量Xまで低下した場合、1つまたは複数の負のスコアリング残基のアラインメントの蓄積によって累積スコアが0またはそれ未満になる場合、またはいずれかの配列の末端に到達した場合。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T、およびXが、アラインメントの感度および速さを決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、ワード(W)の長さ11、BLOSUM62スコアリング行列(Henikoff and Henikoff Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919(1992)を参照のこと)、アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=4、および両鎖の比較を使用する。
【0087】
BLASTアルゴリズムは、2配列間の類似性の統計分析を行う。例えば、Karlin and Altschul Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787(1993)を参照のこと。BLASTアルゴリズムによって得られる同一性の1つの基準は、確率の最小和(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間の適合が偶然に起こる確率を示す。例えば、第1の配列と比較した確率の最小和が約1未満、好ましくは、約0.1未満、より好ましくは、約0.01未満、最も好ましくは、約0.001未満である場合、配列は別の配列に類似すると見なす。
【0088】
相同配列は、典型的に、少なくとも(またはたった)約1、2、5、10、15、20、またはそれを超える変異(置換、欠失、または挿入であり得る)によって関連配列と異なる。これらの変異を、相同性の計算に関して上記の任意の領域にわたって測定することができる。相同配列は、典型的には、元の配列と、バックグラウンドを有意に超えるレベルで選択的にハイブリッド形成する。選択的ハイブリッド形成を、典型的には、中程度から高いストリンジェンシー条件(例えば、約50℃〜約60℃の0.03Mの塩化ナトリウムおよび0.03Mのクエン酸ナトリウム)を使用して行う。しかし、当該分野で公知の任意の適切な条件下でこのようなハイブリッド形成を行うことができる(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1989)を参照のこと)。例えば、高ストリンジェンシーが必要な場合、適切な条件は、60℃で0.2×SSCを含む。より低いストリンジェンシーが必要な場合、適切な条件は、60℃で2×SSCを含む。
【0089】
「細胞」は、所望の適用に適切な任意の生きた細胞を意味する。細胞には、真核細胞および原核細胞が含まれる。
【0090】
用語「遺伝子産物」は、遺伝子から転写されたRNA分子または遺伝子によってコードされたかRNAから翻訳されたポリペプチドをいう。
【0091】
用語「組換え」は、in vitroで合成されたか操作されたポリヌクレオチド(例えば、「組換えポリヌクレオチド」)、細胞または他の生体系で遺伝子産物を産生するための組換えポリヌクレオチドの使用方法、または組換えポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド(「組換えタンパク質」)をいう。したがって、「組換え」ポリヌクレオチドを、産生方法またはその構造のいずれかによって定義する。その産生方法に関して、過程は、組換え核酸技術(例えば、ヒトによる核酸配列の介入(典型的には、選択または産生))の使用をいう。あるいは、過程は、互いに天然に連続していない2つまたはそれを超えるフラグメントの融合を含む配列の生成によって作製されたポリヌクレオチドであり得る。したがって、例えば、任意の天然に存在しないベクターでの細胞の形質転換によって作製された産物が含まれ、任意の合成オリゴヌクレオチド過程を使用して誘導した配列を含むポリヌクレオチドも同様に含まれる。同様に、「組換え」ポリペプチドは、組換えポリヌクレオチドから発現されるものである。
【0092】
「組換え宿主細胞」は、ベクター(例えば、クローニングベクターまたは発現ベクター)を含む細胞または目的のタンパク質を発現するための組換え技術によって操作された細胞である。
【0093】
コネキシン遺伝子ファミリーは、多様であり、配列決定されたヒトゲノム中で20のメンバーが同定されている。異なるコネキシン遺伝子産物を組み合わせて、異なる性質(間隙コンダクタンス、サイズ選択性、電荷選択性、電圧ゲーティング特性、および化学的ゲーティング特性が含まれる)を有するギャップ結合が形成され、異なる組織中で異なる発症時期または疾患過程中に発現する。最近の文献では、コネキシンは、最も一般的にはその分子量に従って命名される(例えば、Cx26は26Kdのコネキシンタンパク質である)。これにより、異なる種由来のコネキシン遺伝子を比較する場合、混乱し得る(例えば、ヒトCx36はゼブラフィッシュCx35と相同である)。したがって、本明細書中で使用されるように、特定のコネキシンに対する基準はその分子量が異なる場合でさえも、その全ての種の変異型に対する基準と理解すべきである。したがって、例えば、「コネキシン43」の基準は、ヒトコネキシン43だけでなく、43Kdでもあるかどうかにかかわらず、互いの種で類似のコネキシンも意味する。同様に、非ヒト「コネキシン43」の基準は、この種のコネキシン43アナログまたは変異型の基準である。したがって、例えば、「ウマコネキシン43」の基準は、分子量が43Kdでない場合でさえも、ウマにおけるヒトコネキシン43の関連アナログまたは変異型の基準である。
【0094】
化合物
本明細書中に記載の化合物は、種々の障害および容態(心筋容態、炎症性容態、神経容態、脈管容態が含まれるが、これらに限定されない)の改善、治療、または予防、ならびに創傷治癒に有用である。化合物はまた、薬学的組成物ならびに医学的デバイスおよび手順(例えば、手術、移植手順、および器官または組織の移植が含まれる)との関連において有用である。本明細書中に記載の一定の好ましい化合物は、細胞内および細胞外への分子の輸送を調整するか影響を与える(例えば、遮断または阻害)ことができる。したがって、本明細書中に記載の一定の抗コネキシン化合物は細胞伝達(例えば、細胞間)を調整する。一定の抗コネキシン化合物は、細胞質と細胞膜周辺腔または細胞外空間との間の分子の伝達を調整するか影響を与える。ヘミチャネルが細胞質と細胞外空間または組織との間の小分子の交換に独立して関与するので、このような化合物は、一般に、ヘミチャネル(コネクソン)をターゲティングする。したがって、本明細書中に提供した化合物は、細胞間または細胞と細胞外空間または組織との間のカップリングを直接または間接的に減少させることができ、細胞から細胞外空間への分子輸送の調整は、本発明の一定の化合物および実施形態の範囲内である。
【0095】
ギャップ結合またはコネキシンヘミチャネルを介した分子の通過(例えば、輸送)の望ましい阻害を誘発することができる任意の分子を、本発明の実施形態で使用することができる。ギャップ結合またはコネキシンヘミチャネルを介した分子の通過を調整する化合物(例えば、細胞質から細胞外空間への分子の通過を調整する化合物)も特定の実施形態で提供する。このような化合物は、ギャップ結合がアンカップリング(ギャップ結合を介した分子輸送の遮断)しているかアンカップリングしていないギャップ結合またはコネキシンヘミチャネルを介した分子の通過を調整することができる。このような化合物には、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、および他の有機化合物が含まれ、これらは、例えば、ギャップ結合またはヘミチャネルの機能または発現を全部または部分的に遮断することができる。いくつかのギャップ結合インヒビターのリストについては、例えば、Evans,W.H.and Boitano,S.Biochem.Soc.Trans.29:606−612(2001)を参照のこと。
【0096】
ペプチドおよびポリペプチドのコネキシンインヒビター
結合タンパク質(ペプチド、ペプチド模倣物、抗体、および抗体フラグメントなどが含まれる)は、ギャップ結合およびヘミチャネルならびに特定の実施形態におけるギャップ結合の適切なモジュレーターである。結合タンパク質には、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)、およびFvフラグメント;単鎖抗体、単鎖Fv、および単鎖結合分子(例えば、結合ドメイン、ヒンジ、CH2、およびCH3ドメインを含む単鎖結合分子))(2002年7月25日にLedbetter et al.によって公開されたWO02/056910号に記載されている)、抗原決定基(すなわち、分子の一部、一般に、エピトープと呼ばれる)に結合して特定の抗体または他の結合分子と接触することができる組換え抗体および抗体フラグメントが含まれる。結合タンパク質(抗体および抗体フラグメントなどが含まれる)は、キメラ抗体またはヒト化抗体であり得るか、投与される被験体での抗原性をより低くされ、合成するか、組換え産生するか、発現ライブラリー中で産生することができる。当該分野で公知であるかその後に発見された任意の結合分子(本明細書中で参照され、そして/または当該分野でより詳細に記載されている結合分子など)が想定される。Harlow,E.,and Lane,D.,“Antibodies:A Laboratory Manual,” Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY,349(1988)(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。例えば、結合タンパク質には、抗体などだけでなく、標的(例えば、コネキシン、ヘミチャネル、または会合分子)に結合するリガンド、受容体、模倣ペプチド、または他の結合フラグメントもしくは分子(例えば、ファージディスプレイによって産生)も含まれる。
【0097】
結合分子は、一般に、所望の特異性(結合特異性が含まれるが、これらに限定されない)および所望の親和性を有する。親和性は、例えば、約10−1以上、約10−1以上、約10−1以上、約10−1以上のKaであり得る。さらに10−1を超える親和性(約10−1以上、約1010−1以上、約1011−1、および約1012−1の親和性)が適切である。本発明の結合タンパク質の親和性を、従来の技術(例えば、Scatchard et al.,1949 Ann.N.Y.Acad.Sci.51:660に記載の技術)を使用して容易に決定する事ができる。
【0098】
ギャップ結合およびヘミチャネルのペプチドインヒビター(例えば、模倣ペプチド)は、本明細書中に提供した特定の実施形態で好ましい。例えば、Berthoud,V.M.et al,Am J.Physiol.Lung Cell Mol.Physiol.279:L619−L622(2000);Evans,W.H.and Boitano,S.Biochem.Soc.Trans.29:606−612,and De Vriese A.S.,et al.Kidney Int.61:177−185(2001)を参照のこと。
【0099】
ヒドロパシープロットから得たデータの使用により、コネキシンが4つの膜貫通領域および2つの短い細胞外ループを含むことが報告されている。Paul DL.J Cell Biol 103:123−134(1996)。コネキシンの第1および第2の細胞外領域の配置を、分割されたギャップ結合上の対応するエピトープの免疫局在化のために使用した抗ペプチド抗体の報告された産生によってさらに特徴づけられている。Goodenough D.A.J Cell Biol 107:1817−1824(1988);Meyer R.A.,J Cell Biol 119:179−189(1992)。
【0100】
2つの隣接細胞が寄与するヘミチャネルの細胞外ドメインが互いに「ドッキング」して、完全なギャップ結合チャネルを形成する。これらの細胞外ドメインの相互作用を干渉する試薬は、細胞−細胞伝達を損なう。コネキシンの細胞外ドメイン内の配列に対応する短いペプチドは、細胞間伝達のインヒビターとして報告されている。Boitano S.and Evans W.Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 279:L623−L630(2000)。対合したツメガエル卵母細胞で発現したコネキシン(Cx)32によって産生された細胞−細胞チャネル形成のインヒビターとしてのペプチドの使用が報告されている。Dahl G,et al.,Biophys J 67:1816−1822(1994)。Berthoud,V.M.and Seul,K.H.は、これらの結果のいくつかをまとめている。Am J.Physiol.Lung Cell Mol.Physiol.279:L619−L622(2000)。チロシン残基のリン酸化によるヘミチャネル機能の調整は、Jensen et al.(US2004/0092429)が報告しており、その教示は、本明細書中で提供した抗コネキシン化合物および方法を含んでいない。
【0101】
別の態様では、抗コネキシン化合物は、コネキシン(例えば、コネキシン45、43、26、30、31.1および37)の膜貫通領域(例えば、第1〜第4)に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。特定の実施形態では、抗コネキシン化合物は、コネキシン45の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。特定の実施形態では、抗コネキシン化合物は、配列番号62の約5〜約20個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号62の約8〜約15個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、または配列番号62の約11〜13個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである。他の実施形態は、配列番号62の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、または30個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである抗コネキシン化合物に関する。本明細書中に提供した一定の抗コネキシン化合物では、配列番号62の46〜75位および199〜228位のアミノ酸に対応するコネキシン45の細胞外ドメインを使用して、特定のペプチド配列を構築する。したがって、本明細書中に記載の一定のペプチドは、配列番号62の46〜75位および199〜228位の領域に対応するアミノ酸配列を有する。ペプチドは、配列番号62の一部と同一のアミノ酸配列を有する必要はなく、ペプチドが本明細書中に記載のアッセイおよび当該分野で公知の他のアッセイで結合活性または機能的活性を保持するように保存的にアミノ酸を変化させることができる。他の実施形態では、細胞外ドメイン以外のコネキシンタンパク質内のペプチド標的領域(例えば、46〜75位および199〜228位に対応しない配列番号62の一部)。
【0102】
他の態様では、抗コネキシン化合物は、コネキシン43の膜貫通領域の一部に対応するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。特定の実施形態では、抗コネキシン化合物は、配列番号63の約5〜約20個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、配列番号63の約8〜約15個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチド、または配列番号63の約11〜13個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである。他の実施形態は、配列番号63の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、または30個の連続するアミノ酸を含むアミノ酸配列を有するペプチドである抗コネキシン化合物に関する。他の抗コネキシン化合物では、配列番号63の37〜76位および178〜208位のアミノ酸に対応するコネキシン43の細胞外ドメインを使用して、特定のペプチド配列を構築する。したがって、本明細書中に記載の一定のペプチドは、配列番号63の37〜76位および178〜208位の領域に対応するアミノ酸配列を有する。ペプチドは、配列番号63の一部と同一のアミノ酸配列を有する必要はなく、ペプチドが本明細書中に記載のアッセイおよび当該分野で公知の他のアッセイで結合活性または機能的活性を保持するように保存的にアミノ酸を変化させることができる。他の実施形態では、細胞外ドメイン以外のコネキシンタンパク質内のペプチド標的領域(例えば、37〜76位および178〜208位に対応しない配列番号63の一部)。
【0103】
特定の非限定的な実施形態では、抗コネキシンペプチドは、ペプチドが機能的に活性な抗コネキシン化合物であるような保存的アミノ酸置換が行われるコネキシン細胞外ドメインの一部に対応する配列を含む。例示的な保存的アミノ酸置換には、例えば、非極性アミノ酸の別の非極性アミノ酸との置換、芳香族アミノ酸の別の芳香族アミノ酸との置換、脂肪族アミノ酸の別の脂肪族アミノ酸との置換、極性アミノ酸の別の極性アミノ酸との置換、酸性アミノ酸の別の酸性アミノ酸との置換、塩基性アミノ酸の別の塩基性アミノ酸の置換、イオン性アミノ酸の別のイオン性アミノ酸の置換が含まれる。
【0104】
コネキシン43をターゲティングする例示的ペプチドを、以下の表1に示す。M1、M2、M3、およびM4は、それぞれ、コネキシン43タンパク質の第1〜第4の膜貫通領域をいう。E2は、それぞれ、第1および第2の細胞外ドメインループをいう。
【0105】
表1.細胞間伝達のペプチド性インヒビター(cx43)
【0106】
【表1】

表2は、ヘミチャネルまたはギャップ結合機能の阻害で使用したさらなる例示的コネキシンペプチドを示す。他の実施形態では、ペプチドまたはそのフラグメントに対して、保存的にアミノ酸を変更する。
【0107】
表2.細胞間伝達のさらなるペプチド性インヒビター(cx32、cx43)
【0108】
【表2】

表3は、本明細書中に記載のペプチドインヒビターを構築するために使用されるコネキシンファミリーメンバーの細胞外ループを示す。表3に示したペプチドおよびそのフラグメントを、特定の非限定的な実施形態でペプチドインヒビターとして使用する。他の非限定的な実施形態では、この表中のペプチドの約8〜15個、約11〜13個の連続したアミノ酸を含むペプチドは、本発明のペプチドインヒビターである。他の実施形態では、ペプチドまたはそのフラグメントに対して保存的にアミノ酸を変更する。Boitano S.and Evans W.Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 279:L623−L630(2000)を参照のこと。
【0109】
表3.種々のコネキシンファミリーメンバーについての細胞外ループ
【0110】
【表3】

異なるコネキシンアイソタイプのE2ドメインの配列を、太字で示したペプチド配列番号35およびペプチド配列番号36に相同なアミノ酸と共に示す。ペプチド配列番号36の最後の4アミノ酸が第4の膜ドメインの一部であることに留意のこと。表4は、本明細書中に記載のペプチドインヒビターを構築するために使用されるコネキシンファミリーメンバーの細胞外ドメインを示す。表4に示したペプチドおよびそのフラグメントを、特定の非限定的な実施形態でペプチドインヒビターとして使用する。他の非限定的な実施形態では、この表中のペプチドの約8〜15個、約11〜13個の連続したアミノ酸を含むペプチドは、本発明のペプチドインヒビターである。他の実施形態では、ペプチドまたはそのフラグメントに対して保存的にアミノ酸を変更する。
【0111】
表4.細胞外ドメイン
【0112】
【表4】

表5は、コネキシン40の細胞外ループ(E1およびE2)に関して示したコネキシン40のペプチドインヒビターを示す。太字のアミノ酸は、コネキシン40の膜貫通領域に関する。
【0113】
表5.cx40ペプチドインヒビター
【0114】
【表5】

表6は、コネキシン45の細胞外ループ(E1およびE2)に関して示したコネキシン45のペプチドインヒビターを示す。太字のアミノ酸は、コネキシン45の膜貫通領域に関する。
【0115】
表6.cx45ペプチドインヒビター
【0116】
【表6】

特定の実施形態では、一定のペプチドインヒビターが、望ましいギャップ結合の遮断を伴わずにヘミチャネルを遮断することが好ましい。いかなる特定の理論または機構に拘束されることを望まないが、一定の模倣ペプチド(例えば、VCYDKSFPISHVR、配列番号53)は、ギャップ結合をアンカップリングすることなくヘミチャネルを阻害する(Leybeart et al.,Cell Commun Adhes 10:251−257(2003)を参照のこと)。ペプチドSRPTEKTIFII(配列番号54)を使用して、例えば、ギャップ結合をアンカップリングすることなくヘミチャネルを阻害することもできる。ペプチドSRGGEKNVFIV(配列番号61)をコントロール配列として使用することができる(DeVriese et al.,Kidney Internat.61:177−185(2002))。コネキシン45のペプチドインヒビターの例は、YVCSRLPCHP(配列番号132)、QVHPFYVCSRL(配列番号133)、FEVGFLIGQYFLY(配列番号134)、GQYFLYGFQVHP(配列番号135)、GFQVHPFYVCSR(配列番号136)、AVGGESIYYDEQ(配列番号137)、YDEQSKFVCNTE(配列番号138)、NTEQPGCENVCY(配列番号139)、CYDAFAPLSHVR(配列番号140)、FAPLSHVRFWVF(配列番号141)、LIGQY(配列番号142)、QVHPF(配列番号143)、YVCSR(配列番号144)、SRLPC(配列番号145)、LPCHP(配列番号146)、GESIY(配列番号147)、YDEQSK(配列番号148)、SKFVCN 配列番号149)、TEQPGCEN(配列番号150)、VCYDAFAP(配列番号151)、LSHVRFWVFQ(配列番号152)である。ペプチドは、たった3アミノ酸長(SRL、PCH、LCP、CHP、IYY、SKF、QPC、VCY、APL、HVR)、またはそれを超え得る(例えば、LIQYFLYGFQVHPF(配列番号153)、VHPFYCSRLPCHP(配列番号154)、VGGESIYYDEQSKFVCNTEQPG(配列番号155)、TEQPGCENVCYDAFAPLSHVRF(配列番号156)、AFAPLSHVRFWVFQ(配列番号157)である。
【0117】
特定の非限定的な実施形態では、式1A中のペプチドの約3〜約30個、約8〜15個、約11〜13個の連続するアミノ酸を含むペプチドは、本発明のペプチドインヒビターである。
式1A
【0118】
【数1A】

(式中、XおよびX37は、独立して、Leu、Ile、Met、およびValからなる群から選択され、Xは、Thr、Asn、Ser、およびAlaからなる群から選択され、Xは、Ala、Ser、Gly、およびThrからなる群から選択され、X、X18、X29、X40、およびX44は、独立して、Val、Ile、Met、およびLeuからなる群から選択され、Xは、Gly、Glu、Asp、Ser、およびAlaからなる群から選択され、X、X13、X22、およびX27は、独立して、Glu、Asp、Gln、およびLysからなる群から選択され、X、X15、およびX38は独立して、Ser、Ala、Asn、およびThrからなる群から選択され、Xは、Ile、Val、Leu、およびMetからなる群から選択され、X10、X11、およびX31は、独立して、Tyr、Phe、Trp、およびHisからなる群から選択され、X12およびX32は、独立して、Asp、Glu、およびAsnからなる群から選択され、X14およびX23は、独立して、Gln、Glu、Arg、およびLysからなる群から選択され、X16は、Lys、Arg、Glu、およびGlnからなる群から選択され、X17およびX34は、独立して、Phe、Tyr、およびTrpからなる群から選択され、X20およびX28は、独立して、Asn、Ser、His、およびAspからなる群から選択され、X21は、ThrおよびSerからなる群から選択され、X33およびX35は、独立して、AlaおよびSerからなる群から選択され、X39は、His、Tyr、およびAsnからなる群から選択され、
41は、Arg、Lys、およびGlnからなる群から選択され、X42およびX45は、独立して、Phe、Tyr、Cys、Leu、およびTyrからなる群から選択され、X43は、Trp、Tyr、Arg、Lys、Cys、およびPheからなる群から選択され、X46は、Gln、His、Glu、Lys、Arg、Asn、およびAspからなる群から選択される)
特定の非限定的な実施形態では、図1B中のペプチドの約3〜約30個、約8〜15個、約11〜13個の連続するアミノ酸を含むペプチドは、本発明のペプチドインヒビターである。
式1B
【0119】
【数1B】

(式中、X22は、独立して、Val、Ile、Met、およびLeuからなる群から選択され、Xは、Gly、Glu、Asp、Ser、およびAlaからなる群から選択され、X、X12、およびX26は、独立して、Leu、Ile、Met、およびValからなる群から選択され、X、X32、X36、X44、およびX48は、独立して、Ile、Val、Leu、およびMetからなる群から選択され、XおよびX16は、独立して、Gln、Glu、Arg、およびLysからなる群から選択され、X10、X13、およびX21は、独立して、Tyr、Phe、Trp、およびHisからなる群から選択され、X11、X15、X20、およびX35は、独立して、Phe、Tyr、およびTrpからなる群から選択され、X18およびX29は、独立して、His、Tyr、およびAsnからなる群から選択され、X24およびX37は、独立して、Ser、A
la、Asn、およびThrからなる群から選択され、X25およびX38は、独立して、Arg、Lys、およびGlnからなる群から選択され、X31およびX42は、独立して、Lys、Arg、Glu、およびGlnからなる群から選択され、X33は、Asp、Glu、およびAsnからなる群から選択され、X40およびX43は、独立して、ThrおよびSerからなる群から選択され、X41は、Glu、Asp、Gln、およびLysからなる群から選択され、X46およびX47は、独立して、Val、Ile、Met、Leu、およびPheからなる群から選択される。)
特定の非限定的な実施形態では、図2A中のペプチドの約3〜約30個、約8〜15個、約11〜13個の連続するアミノ酸を含むペプチドは、本発明のペプチドインヒビターである。
式2A
【0120】
【数2A】

(式中、XおよびX44は、独立して、Leu、Ile、Met、Val、およびProからなる群から選択され、Xは、Gly、Glu、Asp、Ser、およびAlaからなる群から選択され、Xは、Thr、Ser、Asn、およびAlaからなる群から選択され、Xは、Ala、Ser、Gly、およびThrからなる群から選択され、X、X28、X39、およびX43は、独立して、Val、Ile、Met、およびLeuからなる群から選択され、X、X12、およびX26は、独立して、Glu、Asp、Gln、およびLysからなる群から選択され、X、X14、X33、およびX37は、独立して、Ser、Ala、Asn、およびThrからなる群から選択され、XおよびX15は、独立して、AlaおよびSerからなる群から選択され、Xは、Trp、Tyr、およびPheからなる群から選択され、X11およびX31は、独立して、Asp、Glu、およびAsnからなる群から選択され、X13、X21、およびX22は、独立して、Gln、Glu、Arg、およびLysからなる群から選択され、X16およびX34は、独立して、Phe、Tyr、およびTrpからなる群から選択され、X17およびX40は、独立して、Arg、Lys、およびGlnからなる群から選択され、X19およびX27は、独立して、Asn、Ser、His、およびAspからなる群から選択され、X20は、ThrおよびSerからなる群から選択され、X30は、Tyr、Phe、Trp、およびHisからなる群から選択され、X32は、Lys、Arg、Glu、およびGlnからなる群から選択され、X36は、Ile、Val、Leu、およびMetからなる群から選択され、X38は、His、Tyr、およびAsnからなる群から選択され、X41は、Phe、Tyr、Cys、Leu、およびTrpからなる群から選択され、X42は、Trp、Tyr、Phe、Arg、Lys、およびCysからなる群から選択され、X45は、Gln、His、Glu、Lys、Arg、Asn、およびAspからなる群から選択される。)
特定の非限定的な実施形態では、式2B中のペプチドの約3〜約30個、約8〜15個、約11〜13個の連続するアミノ酸を含むペプチドは、本発明のペプチドインヒビターである。
式2B
【0121】
【数2B】

(式中、X、X、およびX45は、独立して、Phe、Tyr、Cys、Trp、およびLeuからなる群から選択され、Xは、Glu、Asp、Gln、Gly、His、Arg、Asn、およびLysからなる群から選択され、X、X17、およびX22は、独立して、Val、Ile、Met、およびLeuからなる群から選択され、Xは、Gly、Glu、Asp、Ser、およびAlaからなる群から選択され、X、X12、およびX26は、独立して、Leu、Ile、Met、およびValからなる群から選択され、X、X32、X36、X44、およびX48は、独立して、Ile、Val、Leu、およびMetからなる群から選択され、XおよびX16は、独立して、Gln、Glu、Arg、およびLysからなる群から選択され、X10、X13、およびX21は、独立して、Tyr、Phe、Trp、およびHisからなる群から選択され、X11、X15、X20、およびX35は、独立して、Phe、Tyr、およびTrpからなる群から選択され、X18およびX29は、独立して、His、Tyr、およびAsnからなる群から選択され、X24およびX37は、独立して、Ser、Ala、Asn、およびThrからなる群から選択され、X25およびX38は、独立して、Arg、Lys、およびGlnからなる群から選択され、X31および/またはX42は、Lys、Arg、Glu、およびGlnからなる群から選択され、X33は、Asp、Glu、およびAsnからなる群から選択され、X40およびX43は、独立して、ThrおよびSerからなる群から選択され、X41は、Glu、Asp、Gln、およびLysからなる群から選択され、X46およびX47は、独立して、Val、Ile、Met、Leu、およびPheからなる群から選択される。)
ペプチドの親和性結合アッセイ
プルダウンアッセイを使用して、タンパク質−ペプチド相互作用を検証することができる。このアッセイでは、ペプチドを、タンパク質反応性タグまたは融合タグ(すなわち、GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)でタグ化することができ、これを使用して、セルロース、アガロース、またはニッケルビーズへの結合を介してタンパク質結合パートナーを捕捉し、「プルダウンする(pull−down)」。SDS−PAGEローディング緩衝液または競合分析物溶離のいずれかを使用した複合体の溶離後、複合体を、SDS−PAGEゲルでの泳動およびウェスタン分析の検出法の使用によって視覚化する。当該分野で公知の結合アッセイの実施方法は、Einarson,M.B.and Orlinick,J.R.,“Identification of Protein−Protein Interactions with Glutathione S−Transferase Fusion Proteins” In Protein−Protein Interactions:A Molecular Cloning Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,pp.37−57(2002),Einarson,M.B.Detection of Protein−Protein Interactions Using the GST Fusion Protein Pulldown Technique.In Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,pp.18.55−18.59(2001),and Vikis,H.G.and Guan,K.L.Glutathione−S−Transferase−Fusion Based Assays for Studying Protein−Protein Interactions.In Protein−Protein Interactions,Methods and Applications,Methods in Molecular Biology,261,Fu,H.Ed.Humana Press,Totowa,N.J.,pp.175−186(2004)(その全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されている。
【0122】
タンパク質およびペプチドの相互作用および親和性を、これらの相互作用をリアルタイムで測定することができる表面プラズモン共鳴テクノロジー(BIAcoreで利用可能)を使用して評価することができる。このアプローチは、親和性の低いタンパク質相互作用の検出に有利である。表面プラズモン共鳴は、生体分子特異的表面での分子の溶液濃度の変化を測定するために使用される光学現象に依存する。このシグナルは、全反射条件下での金属薄膜中で生じる。このシグナルは、表面と接触した溶液の屈折率に依存する。溶液中の分子は、屈折率の変化を示すので、生体分子特異的相互作用が起こる場合に測定可能なシグナルが生じる。典型的には、いくつかの可能な方法の1つによって、タンパク質をカルボキシメチル化デキストラン−金表面に固定する。目的の相互作用ペプチドを表面上に注入し、結合速度をリアルタイムで測定する。当該分野で公知の結合アッセイの実施方法は、Schuck,P.,“Reliable determination of binding affinity and kinetics using surface plasmon resonance biosensors”,Currrent Opinion in Biotechnology,8(4):498−502(1997),and Zhang,X.,Oglesbee,M.“Use of surface plasmon resonance for the measurement of low affinity binding interactions between HSP72 and measles virus nucleocapsid protein.” Biological Procedures Online.5(1):170−181(2003)に記載されている。
【0123】
機能アッセイ
機能アッセイを使用して、模倣ペプチドがヘミチャネルの開口を遮断することができるかどうかを決定することができる。HeLaヒト子宮頸癌細胞株を、目的のCx43、Cx45、または別の特定のコネキシンで安定にトランスフェクトする。細胞を、コネキシンヘミチャネルを活性化することが示されているゼロカルシウム溶液(1mM EGTAを含むHBSS−HEPES)中でインキュベートする(Braet,K.,et al.,“Pharmacological sensitivity of ATP release triggered by photoliberation of inositol−1,4,5−trisphosphate and zero extracellular calcium in brain endothelial cells.Journal of Cellular Physiology”,197(2):p.205−213(2003),DeVries,S.H.and E.A.Schwartz,“Hemi−gap−junction channels in solitary horizontal cells of the catfish retina.” Journal of Physiology,445:p.201−230(1992),and Li,H.,et al.,Properties and regulation of gap junctional hemichannels in the plasma membranes of cultured cells.Journal of Cell Biology,134(4):p.1019−1030(1996)を参照のこと)。次いで、細胞を、1mM EGTAおよび2mMヨウ化プロピジウムを含むHBSS−HEPES溶液中で30分間インキュベートする。ヨウ化プロピジウムは、膜不浸透性を示すがその分子量の小ささのためにヘミチャネルを通して侵入することができる蛍光色素である。蛍光顕微鏡法を使用して、ヨウ化プロピジウム取り込みを決定する。細胞を、模倣ペプチドの存在下でヨウ化プロピジウムとインキュベートして、これらが色素取り込みを妨害することができるかどうかを決定する。
【0124】
ポリヌクレオチドおよび核酸コネキシンインヒビター
特定の実施形態でアンチセンス化合物を使用することもできる。アンチセンス化合物には、特異的コネキシンイソ型をターゲティングしてタンパク質イソ型の翻訳を減少させ、細胞ギャップ結合機能を干渉する、アンチセンスデオキシヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、RNAi、およびデオキシリボザイムなどのポリヌクレオチドが含まれる。これらのアンチセンス化合物の投与により、コネキシン発現が下方制御された部位でのギャップ結合媒介性細胞−細胞伝達が減少する。
【0125】
例えば、アンチセンス化合物を、ウイルス性疾患、真菌性疾患、および代謝疾患に関与する遺伝子発現の調整のために使用されている。米国特許第5,166,195号は、HIVのオリゴヌクレオチドインヒビターを提案している。米国特許第5,004,810号は、単純ヘルペスウイルスVmw65mRNAへのハイブリッド形成および複製の阻害のためのオリゴマーを提案している。
【0126】
コネキシンをコードする核酸分子の機能の調整、最終的なコネキシン産生量の調整のためのアンチセンス化合物(オリゴヌクレオチドが含まれる)を提供する。例えば、コネキシンをコードする核酸(好ましくは、mRNA)と特異的にハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドを提供することによってこれを行う。
【0127】
アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、例えば、コネキシンmRNAの全部または一部とハイブリッド形成することができる。典型的には、アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAのリボゾーム結合領域またはコード領域とハイブリッド形成する。ポリヌクレオチドは、コネキシンmRNA領域の全部または一部と相補的であり得る。例えば、ポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAの全部または一部の正確な相補物であり得る。アンチセンスポリヌクレオチドは、コネキシンの転写および/または翻訳を阻害することができる。好ましくは、ポリヌクレオチドは、コネキシン遺伝子の転写および/または翻訳の特異的インヒビターであり、他の遺伝子の転写および/または翻訳を阻害しない。産物は、(i)コード配列の5’、および/または(ii)コード配列の3’、および/または(iii)コード配列の3’のいずれかのコネキシン遺伝子またはmRNAに結合することができる。一般に、アンチセンスポリヌクレオチドにより、減少すべき細胞中でコネキシンmRNAおよび/またはタンパク質が発現される。アンチセンスポリヌクレオチドは、一般に、コネキシンmRNAに対するアンチセンスである。このようなポリヌクレオチドは、コネキシンmRNAとハイブリッド形成することができ、コネキシンmRNA代謝(転写、mRNAプロセシング、核からのmRNA輸送、翻訳、またはmRNAの分解が含まれる)の1つまたは複数の態様の干渉によってコネキシン発現を阻害することができる。アンチセンスポリヌクレオチドは、典型的には、コネキシンmRNAとハイブリッド形成して二重鎖を形成し、これにより、mRNAの翻訳および/または不安定化を直接阻害することができる。このような二重鎖は、ヌクレアーゼによる分解に感受性を示し得る。
【0128】
アンチセンスオリゴヌクレオチドのmRNAとのハイブリッド形成により、1つまたは複数のmRNAの正常な機能が干渉される。干渉すべきmRNAの機能には、ウイルス機能(例えば、タンパク質翻訳部位へのRNAの転位置、RNAからのタンパク質の翻訳、1つまたは複数のmRNA種を得るためのRNAのスプライシング、およびRNAに関与し得る触媒活性など)が含まれる。特異的タンパク質のRNAへの結合を、RNAへのアンチセンスオリゴヌクレオチドのハイブリッド形成によって干渉することができる。
【0129】
mRNA機能の干渉の全効果は、コネキシン発現の調整である。本発明の文脈では、「調整」には、阻害または刺激のいずれか(すなわち、発現の減少または増加のいずれか)が含まれる。この調整を、当該分野で日常的な方法(例えば、mRNA発現のノーザンブロットアッセイ、逆転写酵素PCR(本出願の実施例で教示されている)、タンパク質発現のウェスタンブロットアッセイもしくはELISAアッセイ、またはタンパク質発現の免疫沈降アッセイ)で測定することができる。細胞増殖または腫瘍細胞成長に対する効果を、本出願の実施例に教示のように測定することができる。ここでは、阻害が好ましい。
【0130】
一旦標的部位または部位が同定されると、望ましく調整するために標的と十分に相補的な(すなわち、十分に良くおよび十分な特異性でハイブリッド形成する)オリゴヌクレオチドを選択する。アンチセンス核酸(DNA、RNA、修飾物、およびアナログなど)を、核酸の任意の適切な産生方法を使用して作製することができる。他のコネキシンタンパク質に指向するオリゴヌクレオチドを、任意の当該分野で認識されているアプローチ(例えば、コンピュータプログラムMacVectorおよびOligoTech(Oligos etc.Eugene,Oregon,USA)など)によってそのヌクレオチド配列に関して選択することができる。このような合成装置は、いくつかのベンダー(MacVectorおよびOligoTech(Oligos etc.Eugene,Oregon,USA)が含まれる)から利用可能である。アンチセンスポリヌクレオチドに関する一般的方法については、Antisense RNA and DNA,D.A.Melton,Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY(1988))を参照のこと。Dagle et al.,Nucleic Acids Research,19:1805(1991)も参照のこと。アンチセンス療法については、例えば、Uhlmann et al.,Chem.Reviews,90:543−584(1990)を参照のこと。典型的には、発現の阻害が望まれるコネキシンのヌクレオチド配列の少なくとも一部が公知である。ポリヌクレオチド標的を、ウォーキング技術およびウォーキングPCRによってさらに同定することができる。公知のヌクレオチド配列に隣接する未知のポリヌクレオチド配列の同定についてのこのようなアプローチは、当該分野で周知である。例えば、ウォーキングPCRの説明については、Parker J.D.,et al.Nucleic Acids Res 19:3055−60(1991)を参照のこと。上記の全引例および本明細書中に引用した他の引例は、その全体が本明細書中で参考として援用される。好ましくは、アンチセンス化合物は、1つまたは複数の特異的コネキシンアイソタイプをターゲティングする。特定のコネキシンアイソタイプを、その一過性または空間的発現に基づいてターゲティングすることができる。ギャップ結合を、脈管組織中で発現し、特定の実施形態では、脈管組織(例えば、内皮細胞)中に発現したコネキシンアイソタイプをターゲティングする。Camelliti P.et al.,Cardiovasc.Res.62:414−425(2004)を参照のこと。内皮細胞、内皮前駆細胞、および平滑筋細胞は、コネキシン37、40、43、および45を発現することが報告されている。De Wit,(2004);Haefliger et al.,(2004),Sohl and Willecke,(2004),and Szmitko et al.,(2003)を参照のこと。コネキシン43が創傷部位に隣接する血管中で上方制御されることも報告されている。Qiu C et al.,Current Biology,13:1967−1703(2003)。
【0131】
他の実施形態では、他のアイソタイプがターゲティングされる。アンチセンス化合物によってターゲティングすることができるコネキシンの特定のアイソタイプには、45,43,37,31.1、26、および本明細書中に記載の他のアイソタイプが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、抗コネキシン化合物は、コネキシン43、45、および/または40をターゲティングし、他では、抗コネキシン化合物は、コネキシン7、32、および/または26をターゲティングする。1つまたは1つを超えるコネキシンをターゲティングすることができる。特定の実施形態では、1つの抗コネキシン化合物は、1つを超えるコネキシン(例えば、コネキシン43およびコネキシン45)をターゲティングする。他の実施形態では、1つを超える抗コネキシン化合物が、処方物または組成物(例えば、薬学的組成物)中に含まれる。本明細書中に記載されているか、当該分野で公知であるか、後に発見される1つまたは1つを超える抗コネキシン化合物によって任意のコネキシンをターゲティングすることができることが本発明で意図される。
【0132】
ターゲティングされたコネキシンがヒトであることが好ましいが、必要ではない。コネキシンは、例えば、配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有し得る。特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有するコネキシンをコードする核酸分子の少なくとも8個の核酸塩基をターゲティングする。
【0133】
コネキシン標的は、操作またはリモデリングすべき組織型に応じて変化し、本発明で使用されるアンチセンスポリヌクレオチドの正確な配列は、標的コネキシンタンパク質に依存する。オリゴヌクレオチドによってターゲティングされるコネキシンタンパク質は、下方制御を指示される部位に依存する。これは、コネキシンサブユニット組成物に関して全身の異なる部位でのギャップ結合の不均一な構成を反映する。しかし、組織中の分布に関して、いくつかのコネキシンタンパク質は、他のコネキシンタンパク質より遍在している。
【0134】
オリゴヌクレオチドのみまたはその組み合わせを、角膜操作またはリモデリングの適用に適切なコネキシン45、43、26、37、30、および/または31.1(配列番号12〜31)にターゲティングすることができる。本発明の1つの態様では、オリゴヌクレオチドは、未修飾ホスホジエステルオリゴマーであり得る。本発明の別の態様では、ポリヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖であり得る。
【0135】
一定の非限定的な例では、アンチセンス化合物を、コネキシンmRNAまたはプレmRNA分子(エクソン、イントロン、mRNAスプライス部位(エクソン−エクソンまたはイントロン−エクソン連結点)、5’非翻訳領域、および3’非翻訳領域が含まれる)の特異的領域にターゲティングする。
【0136】
個別のコネキシンタンパク質にターゲティングされたオリゴヌクレオチドを組み合わせて使用することができる(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれを超える異なるコネキシンをターゲティングすることができる)ことも意図される。例えば、コネキシン45およびコネキシンファミリーの1つまたは複数の他のメンバー(コネキシン43、26、30、31.1、37、および43など)にターゲティングされるODNを、組み合わせて使用することができる。各アンチセンスポリヌクレオチドが特定のコネキシンに特異的であり得るか、1つ、2つ、3つ、またはそれを超える異なるコネキシンをターゲティングすることができることも意図される。特異的ポリヌクレオチドは、一般に、コネキシン間で保存されないコネキシン遺伝子またはmRNA中の配列をターゲティングするのに対して、非特異的ポリヌクレオチドは保存配列をターゲティングする。したがって、特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、ヒトコネキシン26、コネキシン30、コネキシン31.1、ヒトコネキシン37、コネキシン43、コネキシン45をコードする核酸分子の少なくとも8個の核酸塩基をターゲティングし、このアンチセンス化合物は、患者の眼に関連する細胞中のヒトコネキシンタンパク質の発現を阻害する。
【0137】
特定の実施形態では、コネキシンに対応する核酸分子は、本出願の配列表に含まれる配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有する(含有物(includes)(例えば、相補物、cDNA、コネキシンタンパク質をコードする部分など)に対応する)。特定の実施形態では、組成物は、2つまたはそれを超えるヒトコネキシンタンパク質をターゲティングし、2つまたはそれを超えるヒトコネキシンタンパク質の発現を阻害する。さらなる特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。コネキシン43に対する例示的アンチセンスオリゴヌクレオチドには、GTA ATT GCG GCA AGA AGA ATT GTT TCT GTC(配列番号1);GTA ATT GCG GCA GGA GGA ATT GTT TCT GTC(配列番号2);およびGGC AAG AGA CAC CAA AGA CAC TAC CAG CAT(配列番号3)が含まれる。コネキシン26に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの例は、配列TCC TGA GCA ATA CCT AAC GAA CAA ATA(配列番号4)を有する。選択されたコネキシン37に対する例示的アンチセンスオリゴヌクレオチドには、5’ CAT CTC CTT GGT GCT CAA CC 3’(配列番号5)および5’ CTG AAG TCG ACT TGG CTT GG 3’(配列番号6)が含まれる。選択されたコネキシン30に対する例示的アンチセンスオリゴヌクレオチドには、5’CTC AGA TAG TGG CCA GAA TGC 3’(配列番号7)および5’ TTG TCC AGG TGA CTC CAA GG 3’(配列番号8)が含まれる。選択されたコネキシン31.1に対する例示的アンチセンスオリゴヌクレオチドには、5’ CGT CCG AGC CCA GAA AGA TGA GGT C 3’(配列番号9);5’ AGA GGC GCA CGT GAG ACA C 3’(配列番号10);および5’ TGA AGA CAA TGA AGA TGT T 3’(配列番号11)が含まれる。
【0138】
さらなる実施形態では、以下の配列から選択されたオリゴデオキシヌクレオチドは、コネキシン43発現の下方制御に特に適切である。
【0139】
【数3】

さらに別の実施形態では、以下の配列群から選択されたオリゴデオキシヌクレオチドは、コネキシン26、37、30、および31.1に特に適切である。
【0140】
【数4】

本明細書中に提供したアンチセンス化合物は、一般に、約8〜約40個の核酸塩基(すなわち、約8個〜約40個の結合したヌクレオシド)、より典型的には、約12〜約40個の核酸塩基、さらにより典型的には約30個の核酸塩基を含む。ポリヌクレオチドを含むアンチセンス化合物は、少なくとも約40(例えば、少なくとも約60または少なくとも約80)ヌクレオチド長、100、200、300、400、500、1000、2000、または3000までまたはそれを超えるヌクレオチド長であり得る。適切なアンチセンス化合物には、例えば、30量体のODNが含まれる。
【0141】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有するコネキシンをコードする核酸分子の少なくとも8個の核酸塩基をターゲティングする。他の実施形態出端は、アンチセンス化合物は、配列番号12〜31から選択される核酸塩基配列を有するコネキシンをコードする核酸分子の少なくとも約10個、少なくとも約12個、少なくとも約14個、少なくとも約16個、少なくとも約18個、少なくとも約20個、少なくとも約25個、少なくとも約30個、および少なくとも約35個の核酸塩基をターゲティングする。アンチセンス化合物(ヒトコネキシンをコードする核酸分子の少なくとも8個と35個との間の核酸塩基をターゲティングするオリゴデオキシヌクレオチドが含まれる)のサイズは、8個またはそれを超える核酸塩基、8個と100個との間の核酸塩基、8個と50個との間の核酸塩基、8個と40個との間の核酸塩基、10個と50個との間の核酸塩基、12個と50個との間の核酸塩基、14個と50個との間の核酸塩基、16個と50個との間の核酸塩基、18個と50個との間の核酸塩基、20個と50個との間の核酸塩基、25個と50個との間の核酸塩基、および15個と35個との間の核酸塩基などであり得る。本発明の他のアンチセンス化合物は、より小さいかより大きいサイズであり得る(例えば、100個を超える核酸塩基長を有する)。
【0142】
アンチセンス化合物には、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ODN)、アンチセンスポリヌクレオチド、デオキシリボザイム、モルホリノオリゴヌクレオチド、RNAi分子またはそのアナログ、siRNA分子またはそのアナログ、PNA分子またはそのアナログ、DNAザイムまたはそのアナログ、および5’末端変異U1小核RNAまたはそのアナログが含まれるが、これらに限定されない。
【0143】
本明細書中に提供されるように、アンチセンス化合物には、オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の使用が含まれ得る。ODNは、一般に、約20ヌクレオチド長であり、プレmRNAおよびmRNAとのハイブリッド形成によって作用して、形成されたRNA−DNA二重鎖のRNA鎖を特異的に分解するリボヌクレアーゼH(RNアーゼH)の基質を産生する。RNアーゼHの作用を防止するような方法で修飾した場合、ODNは、立体障害によってmRNAの翻訳を阻害するか、プレmRNAのスプライシングを阻害することができる。ODNおよびその修飾を使用して、三重らせんの形成による転写阻害のためにdsDNAがターゲティングされている。ODNを、当該分野で認識されている自動化合成方法によって得ることができ、任意の配列のODNを得て、アンチセンス塩基対合を介した遺伝子発現を遮断することは比較的容易である。
【0144】
一定の態様では、ODNのホスホジエステル骨格を、遺伝子発現の遮断のための標的特異的因子としてその有効性を増加させるために修飾することができる。これらの骨格修飾物を、ODNの安定性を改善し、その細胞取り込みを増強するために構築した。最も広く使用されている修飾は、非架橋酸素を硫黄原子と置換してホスホロチオエートODNを作製する修飾である。少なくとも1つのホスホロチオエートODNがFDAで承認されており、いくつかの他のホスホロチオエートアンチセンスODNは、種々の癌および炎症性疾患についての臨床試験の初期段階にある。
【0145】
遺伝子機能の遮断に関するODNの作用機構は、ODN骨格に応じて変化する(Branch,A.D.Hepatology 24,1517−1529(1996);Dias,N.and Stein,C.A.Mol.Cancer Thor.1,347−355(2002);Stein,C.A.and Cohen,J.S.,Cancer Res.48,2659−2668(1988);Zon,G.Ann.N.Y.Acad Sci.,616,161−172(1990)。正味の負電荷のODN(ホスホジエステルおよびホスホロチオエートなど)は、標的mRNAのRNアーゼH媒介性切断を誘発する。標的RNAと共に形成されたヘリックスの電荷または型の欠如により、RNアーゼHを採用しない他の骨格修飾を、立体障害ODNと分類することができる。この後者の群の一般的に使用されるメンバーには、モルホリノ、U−O−メチル、2’’−O−アリル、固定(locked)核酸、およびペプチド核酸(PNA)が含まれる。これらのODNは、他の阻害標的もあるが、スプライシング、翻訳、核−細胞質輸送、および翻訳を遮断することができる。
【0146】
別の態様では、コネキシン発現の調整は、リボザイムの使用を含む。リボザイムは、タンパク質の完全な非存在下でさえも酵素として作用するRNA分子である。リボザイムは、異常な特異性による共有結合を破壊および/または形成し、それによってターゲティングされた反応の自発的速度を何倍も加速する触媒活性を有する。
【0147】
リボザイムは、ワトソン−クリック塩基対合によってRNAに結合し、ホスホジエステル骨格の加水分解の触媒によって標的RNAを分解するように作用する。いくつかの異なるリボザイムクラスが存在し、「ハンマーヘッド」リボザイムが最も広く研究されている。その名称が意味するように、ハンマーヘッドリボザイムはその標的mRNAとハイブリッド形成した時に固有の二次構造を形成する。リボザイム内の触媒的に重要な残基は、標的RNA切断部位に隣接する標的相補配列に隣接する。リボザイムによる切断には、2価イオン(マグネシウムなど)が必要であり、標的RNAの構造および近づきやすさにも依存する。局在化シグナルの使用による細胞内でのリボザイムの標的RNAとの共存により、そのサイレンシング効率は非常に増加する。ハンマーヘッドリボザイムは、化学合成されるのに十分に短いか、ベクターから転写することができ、細胞内でリボザイムを連続的に産生することが可能である。
【0148】
RNAの、触媒として作用する能力は、テトラヒメナ・サーモオフィラの自己スプライシング群IイントロンおよびRNアーゼのRNA部分で最初に証明された。これら2つのRNA酵素の発見後、RNA媒介性触媒は、酵母、真菌、および植物のミトコンドリア(ならびにクロロプラスト)の一本鎖植物ウイロイドおよびウイロイドRNA、デルタ型肝炎ウイルス、およびアカパンカビミトコンドリア由来のサテライトRNAの自己スプライシング群IIと関連することが見出されている。リボザイムは天然に存在するが、特定の配列の発現およびターゲティングのために、シス(同一核酸鎖上)またはトランス(非共有結合した核酸)で人為的に操作することもできる。新規の生化学活性が、in vitro選択プロトコールのおよびRNA以外の基質に作用する新規のリボザイムモチーフの生成を使用して構築されている。
【0149】
T.サーモフィラの群Iイントロンは、ゲノム研究および可能な治療法の両方で有用となるトランス反応形態(本発明者らは、イントロン/リボザイムと呼ぶ)に変換される第1のシス切断リボザイムであった。トランススプライシング反応では、ターゲティングされたmRNAの欠損エクソンを、イントロン/リボザイムに共有結合した正確なエクソンと交換することができる。これは、スプライシング反応によって起こり、スプライシング反応は、イントロンに結合したエクソンが塩基対合によって標的mRNAに配置され、その結果、エステル交換反応において標的転写物の5’’末端に共有結合することができる。この反応を使用して、野生型配列を鎌状細胞グロビン転写物および変異p53転写物にトランススプライシングし、筋強直性ジストロフィー遺伝子座中のプロテインキナーゼ転写物の3’’−UTR中の拡大トリプレットが置換されている。
【0150】
エンドリボヌクレアーゼRNアーゼPは、自然界全体の生物中で見出されている。この酵素は、単離される生物に応じて、RNAおよび1つまたは複数のタンパク質成分を有する。大腸菌および枯草菌の酵素由来のRNA成分は、タンパク質トレーダー(trader)の一定の塩およびイオン条件の非存在下で部位特異的切断因子として作用することができる。ヒト酵素および細菌酵素の基質要件の研究により、いずれかの酵素の最小の基質が伝令RNA分子のセグメントに類似することが示された。この構造を、固有にデザインしたアンチセンスRNAによって模倣することができ、このアンチセンスRNAは、標的RNAと対合し、試験管および細胞中でのRNアーゼP媒介性部位特異的切断の基質としての機能を果たす。アンチセンス成分をRNアーゼP RNAに共有結合し、それにより、酵素を目的の標的RNAのみに指向させることができることも示されている。研究者は、目的の標的mRNAに対合して標的の部位特異的切断を刺激し、細胞培養で単純ヘルペスウイルスおよびサイトメガロウイルスの両方の阻害をターゲティングするためのアンチセンスRNAのデザインでこの性質を活用した。
【0151】
多数の小植物病原性RNA(ウイロイド、サテライトRNA、およびウイルソイド)、アカパンカビミトコンドリアDNAプラスミド由来の転写物、および動物デルタ肝炎ウイルスは、タンパク質の非存在下にてin vitroで自己切断反応を受ける。反応には、中性pHおよびMg2+が必要である。自己切断反応は、複製のin vivoローリングサークル機構の不可欠な部分である。これらの自己切断RNAを、切断部位周囲で形成された配列および二次構造に応じた群にさらに分類することができる。小リボザイムは、一本鎖植物ウイロイドおよびウイルソイドRNAで見出されるモチーフに由来していた。共有二次構造および保存されたヌクレオチド組に基づいて、この自己切断ドメインの1つの群に用語「ハンマーヘッド」が与られている。ハンマーヘッドリボザイムは、30個のヌクレオチドから構成される。ハンマーヘッド触媒ドメインの単純さから、トランス作用リボザイムのデザインで一般的に選択されている。ワトソン−クリック塩基対合を使用して、ハンマーヘッドリボザイムを、任意の標的RNAを切断するようにデザインすることができる。切断部位の要件は、比較的簡潔であり、実質上任意のUH配列モチーフ(HはU、C、またはAである)をターゲティングすることができることである。
【0152】
タバコ輪点サテライトRNAのマイナス鎖で最初に同定された第2の植物由来の自己切断モチーフは、「ヘアピン」または「ペーパークリップ」と呼ばれている。ヘアピンリボザイムは、可逆的反応でRNA基質を切断して2’’を生成し、この触媒モチーフのYサークルホスフェートおよび5’’ヒドロキシT1末端(この触媒モチーフの操作バージョン)はまた、種々の標的の複数のコピーをトランスで切断し、代謝回転する。ヘアピンの基質要件にはGUCが含まれ、このGのすぐ上流で切断が起こる。ヘアピンリボザイムはまた、ライゲーション反応を触媒するが、切断反応のためにより頻繁に使用される。
【0153】
特異的細胞標的およびウイルス標的の下方制御のために細胞においてハンマーヘッドリボザイムおよびヘアピンリボザイムは多数適用されている。Haseloff and Gerlachは、正しい標的と対合するアームの修飾によって任意の標的を切断するように操作することができるハンマーヘッドモチーフをデザインした(Haseloff and Gerlach;Nature.Aug 18;334(6183):585−91(1988))。Ramemzani et al.は、このハンマーヘッドリボザイムモチーフが、抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)gagリボザイムを発現するように操作された細胞を使用してウイルス遺伝子の発現および複製が事実上完全に阻害された研究で治療に適用される可能性があることを証明した(Ramezani A.et al.,Frontiers in Bioscience 7:a,29−36;(2002))。
【0154】
別の態様では、コネキシン発現の調整は、触媒DNA(またはDNAザイム)の使用を含む。RNA標的の部位特異的切断が可能な小DNAを、in vitro進化を介して構築した(公知のDNA酵素が天然に存在しないので)。異なる切断部位特異性を有する2つの異なる触媒モチーフを同定した。最も一般的に使用されている10〜20の酵素は、ワトソン−クリック塩基対合を介してそのRNA基質に結合し、この部位は、ハンマーヘッドリボザイムおよびヘアピンリボザイムと同様に標的RNAを特異的に切断して2;3’’環状ホスフェートおよび5’’−OH末端が得られる。標的mRNAの切断によってこれらが破壊され、DNAザイムが再利用され、複数の基質が切断される。触媒DNAは比較的安価で合成され、且つ良好な触媒特性を有するので、アンチセンスDNAまたはリボザイムの有用な基質となっている。
【0155】
細胞培養物中のDNAザイムのいくつかの適用(veg FmRNAおよびその後の血管形成の予防、および慢性骨髄性白血病に特徴的なbcr/abl融合転写物発現の阻害が含まれる)が公開されている。触媒DNAを外因性で送達することができ、これらの骨格を、キャリアの非存在下での全身送達を最適にするために修飾することができる。
【0156】
本発明の別の態様では、構成性コネキシン遺伝子の調整は、モルホリノ骨格構造を有するオリゴヌクレオチドの使用を含む。Summerton,J.E.and Weller,D.Dに付与された米国特許第5,034,506号。
【0157】
本発明の別の態様では、アンチセンスポリヌクレオチドを、そのヌクレアーゼ耐性を増強し、細胞侵入有効性を増加させるために化学修飾することができる。例えば、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドのセグメントおよび修飾オリゴデオキシまたはオリゴリボヌクレオチドの適切に配置されたセグメントを含む混合骨格オリゴヌクレオチド(MBO)を使用することができる。MBOは、ホスホロチオエート結合のセグメントおよび他の修飾オリゴヌクレオチド(メチルホスホネート、ホスホラミデート、ホスホロジチオエート、N3’P5’−ホスホラミデート、およびオリゴリボヌクレオチドホスホロチオエート、ならびにその2’−O−アルキルアナログおよび2’−O−メチルリボヌクレオチドメチルホスホネート(非イオン性であり、且つヌクレアーゼまたは2’−O−アルキルオリゴリボヌクレオチド耐性が非常に高い)など)の他のセグメントを有する。
【0158】
当該分野で公知のように、ヌクレオシドは、塩基−糖組み合わせである。ヌクレオシドの塩基部分は、通常、複素環塩基である。このような複素環塩基の2つの最も一般的なクラスは、プリンおよびピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドについて、リン酸基を、糖の2’、3’、または5’ヒドロキシル部分のいずれかに結合することができる。オリゴヌクレオチドの形成では、リン酸基が隣接するヌクレオシドと相互に共有結合して、線状高分子化合物を形成する。同様に、この線状高分子構造の各末端がさらに連結して、環状構造を形成するが、一般に、開口線状構造が好ましい。オリゴヌクレオチド構造内で、リン酸基は、一般に、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間骨格の形成に関して言及される。RNAおよびDNAの通常の結合または骨格は、3’−5’ホスホジエステル結合である。
【0159】
本発明で有用なアンチセンス化合物には、修飾骨格または非天然ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドが含まれ得る。修飾骨格を有するオリゴヌクレオチドには、骨格中にリン原子を保持するオリゴヌクレオチドおよび骨格中にリン原子を持たないオリゴヌクレオチドが含まれる。本発明の文脈では、そのヌクレオシド間骨格中にリン原子を持たない修飾オリゴヌクレオチドもオリゴヌクレオシドと見なすことができる。
【0160】
本発明で有用な修飾オリゴヌクレオチド骨格を有するアンチセンス化合物には、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび他のアルキルホスホン酸塩(3’−アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートが含まれる)、ホスフィネート、ホスホラミデート(3’−アミノホスホラミデートおよびアミノアルキルホスホラミデートが含まれる)、チオノホスホラミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびに通常の3’−5’結合を有するボラノホスフェート、これらの2’−5’結合アナログ、および逆の極性を有するもの(ヌクレオシド単位の隣接対が、3’−5’から5’−3’または2’−5’から5’−2’で結合している)が含まれ得る。種々の塩、混合塩、および遊離酸形態も含まれる。
【0161】
1つの態様では、リン原子を含まない修飾オリゴヌクレオチド骨格は、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つまたは複数の短鎖ヘテロ原子または複素環ヌクレオシド間結合によって形成された骨格を有することが意図される。これらには、モルホリノ結合(ヌクレオシドの糖部分から一部形成される)、シロキサン骨格、スルフィド、スルホキシドおよびスルホン骨格、ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルファメート骨格、メチレンイミノおよびメエチレンヒドラジノ骨格、スルホネートおよびスルホンアミド骨格、アミド骨格、およびN、O、S、およびCH2成分が混合した骨格を有するものが含まれる。
【0162】
1つの態様では、オリゴヌクレオチド模倣物(糖およびヌクレオシド間結合(すなわち、ヌクレオチド単位の骨格)の両方)を新規の基に置換することが意図される。適切な核酸標的化合物とのハイブリッド形成のために塩基単位を維持する。1つのこのようなオリゴマー化合物(優れたハイブリッド形成性を有することが示されているオリゴヌクレオチド模倣物)を、ペプチド核酸(PNA)という。PNA化合物では、オリゴヌクレオチドの糖骨格を、アミド含有骨格(特に、アミノエチルグリシン骨格)に置換する。核酸塩基を保持し、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接または間接的に結合する。PNA化合物のさらなる教示は、Nielsen et al.(Science,254,1497−1500(1991))で見出すことができる。
【0163】
1つの態様では、ホスホロチオエート骨格を有するオリゴヌクレオチドおよびヘテロ原子骨格を有するオリゴヌクレオシド(特に、−−CH2−NH−−O−−CH2−−、−−CH−−2N(CH)3−−O−−CH−−2(メチレン(メチルイミノ)またはMIMI骨格として公知)、−−CH2−−O−−N(CH3)−−CH2−、−−CH2−−N(CH3)−−N(CH3)−−CH2−−、および−−O−−N(CH3)−−CH2−−CH2−−(天然のホスホジエステル骨格を、−−O−−P−−O−−CH2−−として示す)を意図する。さらに別の態様では、モルホリノおよびアミド骨格構造を有するオリゴヌクレオチドも意図する。
【0164】
別の態様では、修飾オリゴヌクレオチドが1つまたは複数の置換糖部分も含み得ることが意図される。例えば、オリゴヌクレオチドは、2’位に以下の1つを含む:OH;F;O−−、S−−、またはN−アルキル、O−アルキル−O−アルキル、O−−、S−−、またはN−アルケニル、O−−、S−−、またはN−アルキニル(ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換または非置換C1〜C10アルキルまたはC2〜C10アルケニルおよびアルキニルであり得る)。O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2)nOCH3、O(CH2)2ON(CH3)2、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2(ここで、nおよびmは、1〜約10である)が特に好ましい。他の好ましいすうオリゴヌクレオチドは、2’位に以下の1つを含み得る:C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルまたはO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、介入物、オリゴヌクレオチドの薬物動態学特性を改良する基、オリゴヌクレオチドの薬力学特性を改良する基、および類似の性質を有する他の置換基。好ましい修飾には、2’−メトキシエトキシ(2’−−O−−CH2CH2OCH3、2’−−O−−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても公知)(Martin et al.Helv.Chim.Acta 1995,78,486−504)(すなわち、アルコキシアルコキシ基)が含まれる。他の修飾物には、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ(すなわち、O(CH2)2ON(CH3)2基(2’−DMAOE)としても公知)および2’−ジメチルアミノ−エトキシエトキシ(2’−DMAEOE)(すなわち、2’−−O−−CH2−−O−−CH2−−N(CH2)2)が含まれる。
【0165】
修飾物には、2’−メトキシ(2’−−O−−CH3)、2’−アミノプロポキシ(2’−−OCH2CH2CH2NH2)、および2’−フルオロ(2’−F)が含まれ得ることがさらに意図される。オリゴヌクレオチド上の他の位置、特に、3’末端ヌクレオチド上または2’−5’結合オリゴヌクレオチド中の糖の3’位および5’末端ヌクレオチドの5’位に類似の修飾を行うこともできる。オリゴヌクレオチドはまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣物を有することができる。
【0166】
別の態様では、オリゴヌクレオチドには、核酸塩基(しばしば当該分野で単純に「塩基」という)修飾または置換も含まれ得ることが意図される。本明細書中で使用される、「未修飾」または「天然の」核酸塩基には、プリン塩基であるアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)が含まれる。修飾核酸塩基には、他の合成および天然の核酸塩基(5−メチルシトシン(5−me−Cまたはm5c)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミカデニン(2−amincadenine)、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン、および2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシン、およびチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル、および他の8置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ(特に、5−ブロモ)、5−トリフルオロメチル、および他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニン、ならびに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンなど)が含まれる。さらなる核酸塩基には、米国特許第3,687,808号に開示の核酸塩基、Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,pages 858−859(1990),Kroschwitz,J.John Wiley & Sonsに開示の核酸塩基、Englisch et al(Angewandte Chemie,International Edition,30,613−722(1991))に開示の核酸塩基、およびSanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,pages 289−302,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,ed.,CRC Press(1993)に開示の核酸塩基が含まれる。これらの一定の核酸塩基は、オリゴマー化合物の結合親和性の増加に特に有用である。これらには、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、およびN−2、N−6、およびO−6置換プリン(2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンが含まれる)が含まれる。5−メチルシトシン置換物は、核酸二重鎖の安定性を0.6〜1.2℃増加させることが示されており(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,eds.,Antisense Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,pages 276−278(1993))、これらは本発明で好ましい塩基置換物であり、2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わせた場合、なおさらに特に好ましい。
【0167】
別の態様では、オリゴヌクレオチドの修飾が、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞取り込みを増強する1つまたは複数の部分または抱合体(conjugate)のオリゴヌクレオチドへの化学結合を含むことが意図される。このような部分には、脂質部分(コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86,6553−6556(1989)など)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.4,1053−1059(1994))、チオエーテル(例えば、ヘキシ−S−トリチルチオ(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.660,306−309;Manoharan et al.,Bioorg(1992).Med.Chem.Let.3,2765−2770(1993))、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,20,533−538(1992))、脂肪族鎖(例えば、ドデカンジオールまたはウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al.,EMBO J.10,1111−1118(1991);Kabanov et al.,FEBS Lett.259,327−330(1990);Svinarchuk et al.,Biochimie 75,49−54(1993)))、リン脂質(例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールまたはトリエチルアンモニウムl,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.36,3651−3654(1995);Shea et al.,Nucl.Acids Res.18,3777−3783(1990)))、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides 14,969−973(1995))、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.36,3651−3654(1995))、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta 1264,229−237(1995))、またはオクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.277,923−937(1996))が含まれるが、これらに限定されない。
【0168】
キメラオリゴヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドの使用も意図される。「キメラ」オリゴヌクレオチドまたは「キメラ」は、本発明の文脈では、2つまたはそれを超える化学的に個別の領域を含み、それぞれが少なくとも1つのヌクレオチドから構成されているオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌクレオチドは、典型的には、オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ分解耐性の増加、細胞取り込みの増加、および/または標的核酸に対する親和性の増加を付与するようにオリゴヌクレオチドが修飾された少なくとも1つの領域を含む。オリゴヌクレオチドのさらなる領域は、RNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドを切断することができる酵素の基質としての機能を果たすことができる。例として、RNアーゼHは、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼである。したがって、RNアーゼHの活性化により、RNA標的が切断され、それにより、遺伝子発現のアンチセンス阻害効率が非常に増加する。RNA標的の切断を、ゲル電気泳動および必要に応じて当該分野で公知の会合核酸のハイブリッド形成技術によって日常的に検出することができる。RNA標的のこのRNアーゼH媒介切断は、核酸を切断するためのリボザイムの使用と異なる。
【0169】
キメラオリゴヌクレオチドの例には、通常、互いに化学的に等価であるがギャップから離れている2つの領域が中心領域に隣接している3つの異なる領域が存在する「ギャップマー(gapmer)」が含まれるが、これらに限定されない。ギャップマーの好ましい例は、オリゴヌクレオチドの中心部分(「ギャップ」)がRNアーゼHの基質としての機能を果たし、好ましくは、2’−デオキシヌクレオチドから構成されている一方で、隣接部分(5’および3’「ウイング」)が標的RNA分子に対してより高い親和性を有するが、ヌクレアーゼ活性を支持することができないように修飾されている(例えば、フルオロ−または2’−O−メトキシエチル置換)オリゴヌクレオチドである。キメラオリゴヌクレオチドは、糖が修飾されたものに制限されないが、修飾骨格(例えば、ホスホロチオエート(P=S)およびホスホジエステル(P=O)骨格結合領域またはMMIおよびP=S骨格結合領域)を有するオリゴヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドも含まれ得る。他のキメラには、2つの異なる領域を有するオリゴヌクレオチドである、当該分野で「ヘミマー(hemimer)」としても公知の「ウイングマー(wingmer)」が含まれる。ウイングマーの好ましい例では、オリゴヌクレオチドの5’部分は、RNアーゼHの基質としての機能を果たし、好ましくは、2’−デオキシヌクレオチドから構成されるのに対して、3’部分は、標的RNA分子に対してより高い親和性を有するが、ヌクレアーゼ活性を支持することができないような様式で修飾されている(例えば、2’−フルオロ−または2’−O−メトキシエチル置換)かその逆である。1つの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオチドの糖部分に2’−O−メトキシエチル(2’−−O−−CH2CH2OCH3)修飾を含む。この修飾は、オリゴヌクレオチドのその標的に対する親和性およびオリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を増加させることが示されている。本発明によれば、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドサブユニットの1つ、複数、または全部は、2’−O−メトキシエチル(−−O−−CH2CH2OCH3)修飾を保有し得る。2’−O−メトキシエチル修飾を有する複数のヌクレオチドサブユニットを含むオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド内の任意のヌクレオチドサブユニットにこのような修飾を有し得、キメラオリゴヌクレオチドであり得る。2’−O−メトキシエチル修飾の他またはそれに加えて、アンチセンス有効性、効力、または標的親和性を増強する他の修飾を含むオリゴヌクレオチドも意図される。
【0170】
本発明はまた、二本鎖または二重鎖コネキシン核酸(例えば、コネキシンRNAの折り畳み領域中またはコネキシン遺伝子中)と結合して三重らせんまたは「三重鎖」核酸を形成するポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNA、またはPNAなど)を提供する。三重らせん形成により、例えば、コネキシン遺伝子転写を防止し、それにより、細胞中のコネキシン活性が減少または消失することによってコネキシン発現が阻害される。任意の特定の機構に拘束されることを意図しないが、三重らせん対合によって二重らせんがポリメラーゼ、転写因子、または調節分子に結合するために十分に開く能力を損なうと考えられる。
【0171】
三重鎖オリゴおよびポリヌクレオチドを、三重らせん形成の塩基対合規則(例えば、Cheng et al,J.Biol.Chem.263:15110(1988);Ferrin and Camerini−Otero,Science 354:1494(1991);Ramdas et al,J.Biol.Chem.264:17395(1989);Strobel et al,Science 254:1639(1991);and Rigas et al,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83:9591(1986)を参照のこと)、コネキシンmRNAおよび/または遺伝子配列を使用して構築する。典型的には、三重鎖形成オリゴヌクレオチドは、コネキシンRNAまたは遺伝子中の特異的配列に対する約10〜約25ヌクレオチドまたはそれを超える「相補性」を含む(すなわち、安定な三重らせんを形成するのに非常に十分であるが、送達様式に応じて、必要に応じてin vivoで投与するには不十分である)。この文脈では、「相補性」は、安定な三重らせんを形成することができることを意味する。1つの実施形態では、オリゴヌクレオチドを、コネキシン遺伝子の調節領域(例えば、コネキシン5’隣接配列、プロモーター、およびエンハンサー)または転写開始部位(例えば、転写開始部位から−10と+10との間)に特異的に結合するようにデザインする。三重鎖DNAを使用した最近の治療の進歩の概説については、Gee et al,in Huber and Carr,1994,Molecular and Immunologic Approaches,Futura Publishing Co,Mt Kisco NY and Rininsland et al,Proc.Natl Acad.Sci USA 94:5854(1997)を参照のこと。
【0172】
本発明はまた、コネキシン活性の阻害に有用なリボザイムを提供する。リボザイムは、コネキシンmRNAに結合し、特異的に切断し、不活化する。有用なリボザイムは、コネキシンmRNAに相補的な5’および3’末端配列を含むことができ、当業者は、コネキシンmRNA配列に基づいて操作することができる。本明細書中に提供したリボザイムには、群Iイントロンリボザイムの特徴を有するリボザイム(Cech,Biotechnology 13:323(1995))および他のハンマーヘッドリボザイム(Edgington,Biotechnology 10:256(1992))が含まれることが意図される。
【0173】
リボザイムには、GUA、GUU、およびGUCなどの切断部位を有するリボザイムが含まれる。切断部位を含む標的コネキシン遺伝子領域に対応する15と20の間のリボヌクレオチド長の短いRNAオリゴヌクレオチドを、オリゴヌクレオチドをより望ましくすることができる二次構造の特徴について評価することができる。切断部位の適切性を、リボヌクレアーゼタンパク質アッセイを使用した相補オリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成のし易さの試験または当該分野で公知の標準的手順によるin vitroリボザイム活性の試験によって評価することもできる。
【0174】
アンチセンスおよびリボザイムの機能を1つのオリゴヌクレオチドに組み合わせることができるアンチセンス化合物がさらに意図される。さらに、リボザイムは、上記の本明細書中に提供した例示的アンチセンスオリゴヌクレオチドの記載と併せて、1つまたは複数の修飾ヌクレオチドまたはヌクレオチド間に修飾結合を含み得る。
【0175】
本発明はまた、RNA干渉(RNAi)などの方法によるコネキシン活性の阻害に有用なポリヌクレオチドを提供する。この技術および他の遺伝子抑制技術は、当該分野で周知である。この技術の概説は、Science 288:1370−1372(2000)で見出される。RNAiは、転写後レベルを操作し、配列特異的である。この過程は、一部または全部が二本鎖の特性を有するRNAまたはこのようなRNAの前駆体もしくはこのようなRNAをコードすることができる物質の細胞または細胞外環境への導入を含む。
【0176】
Fire et al.に付与された米国特許第6,506,559号に記載のように、RNAは、1つまたは複数の重合リボヌクレオチド鎖を含み得る。二本鎖構造を、1つの自己相補RNA鎖または2つの相補RNA鎖によって形成することができる。RNAは、リン酸−糖骨格またはヌクレオシドのいずれかの修飾を含み得る。RNA二重鎖形成を、細胞内または細胞外のいずれかで開始することができる。
【0177】
研究により、1つまたは複数のリボヌクレアーゼが二本鎖RNAに特異的に結合し、短いフラグメントに分解することが証明されている。リボヌクレアーゼは、依然としてこれらのフラグメントに会合し、相補mRNAに特異的に結合する(すなわち、コネキシン遺伝子の転写されたmRNA鎖に特異的に結合する)。また、コネキシン遺伝子のmRNAを、リボヌクレアーゼによって短いフラグメントに分解し、それにより、コネキシン遺伝子の翻訳および発現を回避し、それにより、コネキシン活性を阻害する。さらに、RNAポリメラーゼは、短いフラグメントの多数のコピーの合成を容易にするように作用し、系の有効性を指数関数的に増加させることができる。この遺伝子抑制経路の固有の特徴は、スプライシングが開始される細胞にスプライシングが制限されないことである。遺伝子スプライシング効果を、生物の他の部分に拡大し、さらに、生殖系列を介していくつかの世代に伝達することができる。
【0178】
1つの態様では、RNAiの二本鎖(ds)RNA依存性遺伝子特異的転写後サイレンシングストラテジーは、短い干渉RNA(siRNA)の使用を含む。一般的なRNAiアプローチの使用には、一定の制限があり、その制限には、長いdsRNA分子に応答して活性化される哺乳動物細胞の非特異的抗ウイルス防御機構が含まれる(Gil J,Esteban M,“Induction of apoptosis by the dsRNA−dependent protein kinase(PKR):Mechanisms of action”.Apoptosis 2000,5:107−114)。21個のヌクレオチドRNAの合成二重鎖が一般的な抗ウイルス防御機構を誘発することなく哺乳動物細胞中で遺伝子特異的RNAiを媒介することができることが証明されたことがこの分野を発展させている(Elbashir S,et al,“Duplexes of 21 −nucleotide RNAs mediate RNA interference in cultured mammalian cells”.Nature,411:494−498(2001);Caplen N.et al,Proc Natl Acad Sci,98:9742−9747(2001))。したがって、siRNAは、遺伝子特異的調整のための強力なツールとしての認識が高まっている。
【0179】
本明細書中に記載のように、RNAiは、末端エフェクター分子が、例えば、小さな21〜23個のヌクレオチドのアンチセンスRNA(これに限定されない)である多数の共通の生化学成分を共有する関連遺伝子サイレンシング機構群を含む。1つの機構は、比較的長いdsRNA「トリガー」を使用し、これが細胞酵素ダイサーによって、例えば、siRNAと呼ばれる短い21〜23個のヌクレオチドdsRNAにプロセシングされる。標的RNAに相補的なsiRNA鎖は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と呼ばれる多タンパク質複合体に組み込まれるようになり、これが、標的部位内のmRNA鎖のエンドヌクレアーゼ切断のガイドとしての機能を果たす。これにより、全mRNAが分解され、アンチセンスsiRNAを再利用することができる。下等生物では、RNA依存性RNAポリメラーゼはまた、プライマーとしてアニーリングしたガイドsiRNAを使用して標的前により多数のdsRNAを生成し、これがダイサーの基質としての機能を果たし、より多数のsiRNAを生成し、siRNAシグナルを増幅する。この経路は、一般に、植物のウイルス防御機構として使用されている。
【0180】
本明細書中に記載のように、siRNAは、例えば、2つの個別の21〜23個のヌクレオチド(これに限定されない)がアニーリングされた1つの鎖(末端の2つの3’’ヌクレオチドが対合していない(3’’オーバーハング))からなり得る。あるいは、siRNAは、1つのステム−ループの形態であり得、しばしば、短いヘアピンRNA(shRNA)と呼ばれる。典型的には、shRNAのアンチセンス鎖はまた、si/shRNAのセンスパートナー鎖と完全に相補的であるが、常にそうではない。
【0181】
哺乳動物細胞では、長いdsRNA(通常、30ヌクレオチド長を超える)は、インターフェロン経路を誘発し、プロテインキナーゼRおよび2;5’’−オリゴアデニレート合成を活性化する。インターフェロン経路の活性化により、翻訳の大域的下方制御および大域的RNA分解が起こり得る。しかし、哺乳動物細胞中に外因的に導入されたより短いsiRNAにより、インターフェロン経路を迂回することが報告されている。
【0182】
siRNAアンチセンス産物はまた、内因性ミクロRNAにも由来し得る。ヒト細胞では、最初の形態(siRNAおよびミクロRNA)またはプロセシング経路と無関係に、最終的な成熟形態(例えば、mRNAに完全に相同な21〜23ヌクレオチドアンチセンスRNA(これに限定されない))は、mRNA切断を指示する。一般に、siRNAと標的部位との間のミスマッチの影響は、一部しか理解されていないので、ほとんどなしから活性の完全な抑止までさまざまであり得るが、少なくとも1つの事例では、部分的相同性によりmRNA翻訳が阻害された。一般に、原型的なミクロRNA−標的相互作用を模倣するようにデザインされた標的ミスマッチを有するsiRNAは、特異的相互作用およびmRNA中の標的部位数の両方に応じて、種々の翻訳抑制度を媒介することができる。RNAiを、予め形成させたsiRNAの外因性送達またはsiRNAまたはshRNAのプロモーターベースの発現のいずれかによって活性化することができる。
【0183】
短い干渉RNA(siRNA)を、化学合成するか、DNAベースのベクター系によって生成することができる。一般に、これは、短いヘアピン(sh)RNAを転写し、これを有効にプロセシングして細胞内にsiRNAを形成させる工程を含む(Paddison P,Caudy A,Hannon G:Stable suppression of gene expression by RNAi in mammalian cells.Proc Natl Acad Sci U S A 99:1443−1448(2002);Paddison P,Caudy A,Bernstein E,Hannon G,Conklin D:Short hairpin RNAs(shRNAs)induce sequence−specific silencing in mammalian cells.Genes & Dev 16:948−958(2002);Sui G,et al.,Proc Natl Acad Sci 8:5515−5520(2002);Brummelkamp T,et al.,Science 296:550−553(2002))。したがって、文脈では、siRNAを、組織特異的ターゲティングおよび遺伝子発現の調整のための有効なストラテジーとして使用することができる。
【0184】
本発明で使用されるオリゴヌクレオチドを、周知の固相合成技術によって都合よく且つ日常的に作製することができる。このような合成装置は、当該分野で公知のいくつかのベンダーから販売されている。このような合成の任意の他の手段も使用することができ、実際のオリゴヌクレオチド合成は、当該分野で十分に認識されている。ホスホロチオエートおよび2’−アルコキシまたは21−アルコキシアルコキシ誘導体(2’−O−メトキシエチルオリゴヌクレオチドが含まれる)などのオリゴヌクレオチドを調整するために類似の技術を使用することが周知である(Martin,P.HeIv.Chim.Acta 78,486−504(1995))。蛍光標識オリゴヌクレオチド、ビオチン化オリゴヌクレオチド、または他の抱合オリゴヌクレオチドを合成するために、類似の技術、市販の修飾アミダイト、細孔性ガラス(controlled−pore glass)(CPG)製品(ビオチン、フルオレセイン、アクリジン、またはソラレン修飾アミダイトおよび/またはCPG(Glen Research,Sterling,Va.で市販されている)など)を使用することも周知である。
【0185】
方法
別の態様では、本発明は、本明細書中に提供した化合物の投与による、被験体(例えば、患者)、標的器官、標的組織、または標的細胞の治療方法を含む。
【0186】
特定の実施形態は、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中に提供した他の化合物を被験体に投与する工程を含む、脈管障害を罹患した被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞を治療する方法に関する。脈管障害には、例えば、動脈、血管、および脈管系および/または心血管系に関連する任意の障害または容態(関連する器官または組織中の障害または容態が含まれる)が含まれる。代表例には、アテローム性動脈硬化症、微小血管障害、大血管障害、脳卒中、脳血管障害(脳虚血)、血栓症、外傷に起因する血管損傷(例えば、皮下創傷、ステント挿入、再狭窄、または血管形成術)、グルコースレベルの上昇に起因する脈管損傷(糖尿病)、糖尿病性網膜症、四肢の血管病、器官虚血、および血管内皮細胞破壊が含まれるが、これらに限定されない。
【0187】
他の実施形態は、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中に提供した他の化合物を被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞に投与する工程を含む、炎症性障害を治療する方法に関する。
【0188】
他の実施形態は、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害し、移植片または移植手順に関連する組織浮腫を阻害または予防することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中に提供した他の化合物を被験体に投与する工程を含む、移植片または移植手順に関連する被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞を治療する方法に関する。
【0189】
他の実施形態は、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中に提供した他の化合物を被験体に投与する工程を含む、心筋梗塞およびその関連心疾患を治療する方法に関する。
【0190】
さらに他の実施形態は、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中に提供した他の化合物を被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞に投与する工程を含む、冠状動脈疾患を治療する方法に関する。
【0191】
他の実施形態は、虚血(初期虚血損傷およびその後の再潅流傷害が含まれる)に関連する障害を治療する方法に関する。
【0192】
他の実施形態は、心臓に関連する虚血病態の治療のための他の公知の治療アプローチまたは手順(Baker D.W.et al.(ACC/AHA Guidelines for the Evaluation and Management of Chronic Heart Failure in the Adult,2001;American College of Cardiology and the American Heart Association(その内容が本明細書中で参考として援用される))に記載のものが含まれる)と組み合わせた、コネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を阻害することができるアンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中に提供した他の化合物を被験体に同時投与する工程を含む、心筋梗塞およびその関連する心疾患を治療する方法に関する。このような手順には、例えば、心臓移植、外科的および機械的アプローチ、血行力学的および臨床的改善のための僧帽弁形成術または置換、循環を補助するための体外装置、左心補助循環装置、機械的減圧、左心室切除術(バチスタ手術)、虚血性心筋症患者の管理のための心筋形成術および動脈瘤切除手順の変形形態が含まれる。
【0193】
インプラント(implant)または他の外科的または医学的デバイスを、以下の種々の様式で、本発明の薬剤(例えば、抗コネキシン化合物および組成物)でコーティングする(または放出するように適合させる)ことができる:例えば、(a)抗コネキシン薬または組成物のインプラントまたはデバイスへの直接固定(例えば、ポリマー/薬物フィルムのインプラントもしくはデバイスへの噴霧、ポリマー/薬物溶液へのインプラントもしくはデバイスの浸漬、または他の共有結合手段もしくは非共有結合手段)、(b)抗コネキシン組成物(または上記の抗コネキシン因子)を吸収するヒドロゲルなどの物質でのインプラントまたはデバイスのコーティング、(c)インプラントまたはデバイスに抗コネキシン組成物をコーティングした線維を絡ませること(またはポリマー自体が線維を形成する)、(d)抗コネキシン組成物から構成されるかこれをコーティングしたスリーブまたはメッシュへのインプラントまたはデバイスの挿入、(e)抗コネキシン薬または組成物を使用したインプラントまたはデバイス自体の構築、または(f)抗コネキシン薬を放出させるためのインプラントまたはデバイスの適合が含まれるが、これらに限定されない。本発明の好ましい実施形態内で、組成物は、保存中または挿入時にインプラントまたはデバイスに強固に接着すべきである。抗コネキシン薬または組成物はまた、好ましくは、保存中、挿入前、または体内挿入後に(これが必要な場合)体温に温められた場合に分解すべきではない。さらに、好ましくは、抗コネキシン薬が均一に分布されるようにインプラントまたはデバイスを滑らか且つ均一にコーティングする一方で、ステントの外観を変化させるべきではない。本発明の好ましい実施形態内で、抗コネキシン薬または組成物は、一旦分散されると、インプラントまたはデバイス周辺の組織に抗コネキシン因子を均一で予測可能に長期間放出させるべきである。血管ステントのために、上記性質に加えて、組成物は、ステントに血栓形成させたり(血餅を形成させる)、血流を有意に乱れさせたり(ステントをコーティングしていない場合、ステント自体よりも起こると予想される)するべきではない。
【0194】
本明細書中に提供した抗コネキシン化合物、組成物、および方法を、インプラント、ならびに医学的および外科的デバイスなどを使用する種々の手順で使用することができる。1つの態様では、インプラント、外科的デバイス、またはステントを、本明細書中に提供した任意の抗コネキシン薬でコーティングするか、そうでなければ抗コネキシン薬を含有および/または放出するように構築する。代表例には、心血管デバイス(例えば、埋め込み型静脈カテーテル、静脈ポート、トンネル型静脈カテーテル、慢性注入ラインまたはポート(肝臓動脈注入カテーテル、ペースメーカワイヤー、埋め込み型除細動器が含まれる);神経/神経外科的デバイス(例えば、心室腹膜シャント、心室心房シャント、神経刺激デバイス、硬膜外線維症の椎弓切除術後を予防するための硬膜パッチおよびインプラント、連続的くも膜下注入のためのデバイス);胃腸デバイス(例えば、慢性留置カテーテル、栄養管、およびシャント)、眼科学的インプラント(例えば、マルチノインプラント(multino implant)および血管新生緑内障のための他のインプラント、翼状片のための薬物溶出コンタクトレンズ、ダクロシスタリノストミー(dacrocystalrhinostomy)不成功のためのスプリント、角膜新生血管のための薬物溶出コンタクトレンズ、糖尿病性網膜症のためのインプラント、リスクの高い角膜移植のための薬物溶出コンタクトレンズ);耳鼻咽喉科デバイス(例えば、耳小骨インプラント、経鼓膜流出物(transtempanic drain)の代替物としての中耳炎または慢性耳炎のための耳管スプリントまたはステント);形成外科的プラント(例えば、胸筋下または腺下アプローチまたは乳腺切除術後のゲルまたは生理食塩水含有乳房インプラントまたは顎インプラントに応答した線維拘縮の予防)、および整形外科インプラント(例えば、セメント質整形外科プロテーゼ)が含まれる。
【0195】
アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中で提供した他の化合物を、特定の実施形態で、所定の期間投与することができる。特定の実施形態では、アンチセンスコネキシンヘミチャネルの発現、形成、または活性を、内皮細胞中で阻害する。特定の実施形態では、被験体の脈管障害(脳卒中が含まれる)を治療することができる。特定の実施形態では、被験体の脈管障害(虚血が含まれる)を治療することができる。このような虚血は、例えば、組織虚血、心筋虚血、または脳虚血であり得る。特定の実施形態では、本明細書中で治療される被験体は、虚血によって神経機能を喪失するリスクがある。他の実施形態では、被験体の脈管障害を治療することができ、虚血に起因する中枢神経系または末梢神経系の細胞の死または変性の治療または改善を含む。特定の実施形態では、被験体の脈管障害を治療することができ、アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中に提供した他の化合物を、被験体に実施した脈管手順または冠状動脈手順と組み合わせて投与する。他の実施形態では、アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中に提供した他の化合物を、脈管手順または冠状動脈手順中に投与する。
【0196】
本明細書中に提供した化合物を、選択した時点の前後に投与することができる。「選択した時点」は、例えば、障害または容態(心血管障害、炎症、脈管障害、または虚血事象など)の発症または医学的手順(脈管または冠状動脈手順など)の実施に対応し得る。本明細書中に提供した化合物(例えば、アンチセンス化合物、模倣ペプチドなど)を、例えば、選択した時点の前、同時、または後に投与することができる。特定の実施形態では、化合物を、選択した時点の直後または約24時間後までに投与する。他の実施形態では、化合物を、選択された時点から約1時間以内、選択された時点から約2時間以内、選択された時点から約3時間以内、選択された時点から約4時間以内、選択された時点から約5時間以内、選択された時点から約6時間以内、選択された時点から約8時間以内、選択された時点から約10時間以内、選択された時点から約12時間以内、選択された時点から約14時間以内、選択された時点から約16時間以内、選択された時点から約20時間以内、または選択された時点から約24時間以内に投与する。特定の実施形態では、本明細書中に提供した化合物を、患者に実施した心臓手術または他の手術を組み合わせて投与する。「選択された時点」は、本明細書中で、傷害時間、手順の実施時間(例えば、心臓または脈管手順など)が含まれる。特定の他の実施形態では、本明細書中に提供した化合物を、脈管手順を行うための医学的デバイスと組み合わせて投与する。
【0197】
特定の実施形態では、治療される脈管障害は、1つまたは複数の虚血性卒中、一過性脳虚血性発作、脳内出血、くも膜下出血、血栓塞栓性卒中、静脈血栓症、肺塞栓症、塞栓性卒中、脳血管障害、末梢性閉塞性動脈疾患、動静脈奇形、および動脈瘤から選択される。
【0198】
特定の実施形態では、脈管障害が、1つまたは複数の冠動脈心疾患、冠血管脈管障害、アテローム硬化型脈管疾患、アテロームプラーク破綻、および/または血栓塞栓性、高血圧、心筋梗塞、アンギナ、虚血性心疾患、大動脈障害、末梢動脈疾患、線維筋性異形成、もやもや病、または血栓性血管炎に関連する脈管障害に関連する。
【0199】
特定の実施形態では、炎症性障害は、関節炎、関節リウマチ(RA)、炎症、関節の破壊または損傷、炎症性障害、グレーブス病、橋本病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、免疫血小板減少性紫斑病、多発性硬化症、重症筋無力症、強皮症、乾癬、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症および敗血症性ショック、ならびに消化器系の自己免疫疾患からなる群から選択される。
【0200】
特定の他の実施形態では、被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞を、1つまたは複数の鬱血(hemostatis)、血栓症、線維素溶解、循環器疾患、糖尿病、心臓に影響を与える内分泌疾患、妊娠に関連する循環器疾患、リウマチ熱、HIV感染症に関連する心血管障害、心疾患に関連する血液学的または腫瘍学的障害、心疾患に関連する神経障害、および心疾患に関連する腎疾患に関連する容態について治療する。
【0201】
特定の他の実施形態では、被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞を、心不全、先天性心疾患、小児の後天性心疾患、心臓弁膜症、感染性心内膜炎、心筋症(cardiomypopathy)、心臓の腫瘍、心膜心疾患(pericardial heart disease)、外傷性心疾患、肺塞栓症、肺高血圧症、肺性心、スポーツ心臓症候群、末梢性動脈性循環障害、臓器系に影響を与える血管障害、中枢神経系に影響を与える血管障害、脳に影響を与える血管障害、網膜に影響を与える血管障害、腎臓に影響を与える血管障害、神経に影響を与える血管障害、微小血管障害、および大血管性障害に関連する移植片または移植手順で治療する。被験体を、1つまたは複数の心臓移植、腎臓移植、肝臓移植、肺移植、膵臓移植、腸移植、または臓器移植の組み合わせから選択される関連する移植片または移植手順で治療することができる。被験体を、1つまたは複数の眼組織、皮膚、心臓弁、骨、腱、静脈、靭帯、骨髄移植片、歯または歯肉組織、美容外科に関連する移植または体内移植、臀部または関節置換手順に関連する移植または体内移植、および幹細胞に関連する組織の移植または体内移植に関連する移植片または移植手順で治療することができる。
【0202】
特定の機構に拘束されることや制限されることを意図しないが、特定の実施形態では、被験体、標的器官、標的組織、または標的細胞を、所望の効果を達成する目的のために、コネキシン(ヘミチャネル)に結合するか調整することができる抗コネキシン化合物の投与によって治療し、所望の効果には、例えば、1つまたは複数の以下が含まれる:虚血または外傷の後の脊髄浮腫の予防、虚血または外傷の後の組織(例えば、脳、視神経、脊髄、および心臓)の血管壁変性の予防、浮腫および炎症が症候性であるか、持続的炎症の結果として血管が枝枯れする炎症性関節炎および他の炎症性障害の治療、眼の角膜に対する亜急性または慢性創傷の治療(血管の枝枯れの予防により、角膜輪部虚血が回復する)、再上皮化を誘発する手段としての眼の角膜に対する亜急性または慢性創傷の治療、上皮の回復を誘発し、亜急性角膜輪部虚血を回復させるための眼の化学火傷の治療、亜急性または慢性皮膚創傷または糖尿病性潰瘍の治療(継続的な血管の枝枯れの予防により、組織虚血が回復する)、慢性皮膚創傷または糖尿病性潰瘍の治療(先端でのコネキシン43の継続的発現により、再上皮化が予防される)、脳室に直接か脊柱および/または脊髄を介して送達されるコネキシン模倣ペプチドを使用した周産期虚血の治療、脳室に直接か脊柱および/または脊髄を介して送達されるコネキシン模倣ペプチドを使用した周産期虚血後の浮腫の阻害または予防、全身送達されるコネキシン模倣ペプチドを使用した周産期虚血の治療、脳室に直接か脊柱および/または脊髄を介して送達されるコネキシン模倣ペプチドを使用した脳卒中またはCNS虚血の治療、全身送達されるコネキシン模倣ペプチドを使用した脳卒中またはCNS虚血の治療、虚血後の脳内の癲癇様活動の予防、脳内の癲癇様活動(例えば、癲癇)の予防、コネクソン模倣ペプチドまたはコネキシン特異的アンチセンスポリヌクレオチドを使用した組織浮腫の予防、ならびに/または臓器移植後の再潅流に起因する病変の拡大、浮腫(および拒絶)の予防。
【0203】
別の態様では、本発明の化合物を、コネキシン、ヘミチャネル、またはギャップ結合の発現、形成、または活性を調整するのに望ましい量で投与する。
【0204】
いかなる機構に拘束または制限されることを意図せず、いかなる制限も意図しないが、特定の実施形態では、標的コネキシンヘミチャネルは細胞膜上に存在すると考えられ、細胞質から細胞外空間への分子の望ましくない伝達を阻害することが望ましいかもしれない。また、いかなる特定の機構にも制限されることを意図しないが、特定の実施形態では、細胞生存および/または組織修復の増強に有効な量の血液の損傷組織への再潅流の促進、脳卒中または中枢神経系傷害後の内皮細胞破壊の阻害による血液脳関門の維持、組織損傷後の脈管完全性の維持、または移植片または移植手順に関連する組織浮腫の阻害または予防のために血管内皮細胞の完全の維持によって心臓の進行性梗塞および再潅流傷害を阻害または予防することができる本明細書中に提供した化合物を投与することが望ましいかもしれない。
【0205】
薬学的組成物
別の態様では、本発明は、本発明の化合物(アンチセンス化合物および模倣ペプチドが含まれる)を含む薬学的組成物を含む。
【0206】
本明細書中に提供したアンチセンス化合物はまた、生体等価化合物(薬学的に許容可能な塩およびプロドラッグ)も含み得る。これは、動物(ヒトが含まれる)に投与した際に、生物活性代謝産物またはその残渣を(直接または間接的に)得ることができる任意の薬学的に許容可能な塩、エステル、またはこのようなエステルの塩、または任意の他の化合物を含むことを意図する。例えば、ペプチドを、体内でのその安定性を増強されるように変化させることができる。例えば、互いに結合して環状になるペプチドが得られる合成側鎖を付加することができる。N末端とC末端を互いに連結してプロドラッグを形成することによってもこの環状化を行うことができ、体内への挿入後、プロテアーゼ活性によって線状にする。したがって、例えば、核酸の薬学的に許容可能な塩およびこのような核酸のプロドラッグも開示される。「薬学的に許容可能な塩」は、本明細書中に提供した核酸の生理学的および薬学的に許容可能な塩(すなわち、親化合物の所望の生物活性を保持するが、望ましくない毒物学的効果を付与しない塩)である(例えば、Berge et al,J.of Pharma Sci.66,1−19(1977)を参照のこと)。
【0207】
ペプチドまたはその変異型を、in vitroで(例えば、固相ペプチド合成法または酵素触媒ペプチド合成、または組換えDNAテクノロジーの補助による)合成することができる。固相ペプチド合成法は確立されており、広く使用されている方法であり、以下などの参考文献に記載されている:Stewart et al.,Solid Phase Peptide Synthesis,W.H.Freeman Co.,San Francisco(1969);Merrifield,J Am.Chem.Soc.85 2149(1963);Meienhofer in ”Hormonal Proteins and Peptides,” ed.;CH.Li,Vol.2(Academic Press,1973),pp.48−267;and Bavaay and Merrifield,”The Peptides,” eds.E.Gross and F.Meienhofer,Vol.2(Academic Press,1980)pp.3−285。これらのペプチドを、免疫親和性カラムまたはイオン交換カラム、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカまたは陰イオン交換樹脂(DEAEなど)によるクロマトグラフィ、等電点電気泳動、SDS−PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、ゲル濾過(例えば、Sephadex G−75を使用)、リガンド親和性クロマトグラフィ、または非極性溶媒もしくは非極性/極性溶媒混合物からの結晶化もしくは沈殿によってさらに精製することができる。結晶化または沈殿による精製が好ましい。
【0208】
本発明の薬学的処方物は、至適な成分として、当該分野で利用可能な型の薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、可溶化剤、または乳化剤、および塩を含み得る。このような物質の例には、通常の生理食塩水(生理学的緩衝化生理食塩水など)および水が含まれる。本発明の薬学的処方物で有用なキャリアおよび/または希釈剤の特定の非限定的な例には、水および生理学的に許容可能な緩衝化生理食塩水(pH7.0〜8.0のリン酸緩衝化生理食塩水など)が含まれる。適切な薬学的キャリアには、滅菌水、塩溶液(リンゲル液など)、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(ラクトース、アミロース、またはデンプンなど)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが含まれるが、これらに限定されない。薬学的調製物を、滅菌し、必要に応じて、活性化合物と有害に反応しない賦形剤(例えば、潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝液、着色剤、および/または芳香族物質など)と混合することができる。これらを、必要に応じて、代謝分解を減少させるための他の活性物質(例えば、酵素インヒビター)と組み合わせることもできる。
【0209】
本発明のペプチドまたはペプチド変異型のカルボキシル基の塩を、通常の様式で、所望の塩基の1つまたは複数の等価物(例えば、金属水酸化物塩基(例えば、水酸化ナトリウム)、金属カルボン酸または重炭酸塩基(例えば、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウム)、またはアミン塩基(例えば、トリエチルアミンおよびトリエタノールアミンなど))とのペプチドの接触によって調製することができる。
【0210】
ペプチドまたはペプチド変異型のアミノ基のN−アシル誘導体を、最終縮合のためのN−アシル保護アミノ酸の使用または保護または非保護ペプチドのアシル化によって調製することができる。O−アシル誘導体を、例えば、遊離ヒドロキシペプチドまたはペプチド樹脂のアシル化によって調製することができる。いずれかのアシル化を、標準的なアシル化試薬(アシルのハロゲン化物、無水物、およびアシルイミダゾールなど)を使用して行うことができる。必要に応じて、N−アシル化およびO−アシル化を共に行うことができる。
【0211】
ペプチドもしくは変異ペプチドの酸付加塩またはペプチドもしくは変異ペプチドのアミノ残基の酸付加塩を、所望の無機酸または有機酸(例えば、塩酸など)の1つまたは複数の等価物とのペプチドまたはアミンの接触によって調製することができる。ペプチドのカルボキシル基のエステルを、当該分野で公知の任意の有用な方法によって調製することもできる。
【0212】
オリゴヌクレオチドについて、薬学的に許容可能な塩の例には、(a)ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、カルシウムなどの陽イオン、スペルミンおよびスペルミジンなどのポリアミンで形成された塩、(b)無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、および硝酸など)で形成された酸付加塩、(c)有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、およびポリガラクツロ酸など)で形成された塩、および(d)塩素、臭素、およびヨウ素などの元素陰イオンで形成された塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0213】
さらにまたはあるいは、本明細書中に提供したオリゴヌクレオチドを、「プロドラッグ」形態で送達させるために調製することができる。用語「プロドラッグ」は、内因性酵素または他の化学物質および/または条件の作用によって体内またはその細胞内で活性形態(すなわち、薬物)に変換される不活性形態で調製された治療薬を示す。特に、オリゴヌクレオチドのプロドラッグバージョンを、1993年12月9日にGosselin et al.によって公開されたWO 93/24510号に開示の方法にしたがって、SATE[(S−アセチル−2−チオエチル)ホスフェート]誘導体として調製することができる。
【0214】
本明細書中に提供した化合物を、薬学的組成物中に配合することができ、薬学的組成物は、オリゴヌクレオチドに加えて、薬学的に許容可能なキャリア、増粘剤、希釈剤、緩衝液、防腐剤、界面活性剤、中性またはカチオン性脂質、脂質複合体、リポソーム、浸透増強剤、キャリア化合物、および他の薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤などを含み得る。
【0215】
薬学的組成物はまた、1つまたは複数の有効成分(インターフェロン、抗菌薬、抗炎症薬、麻酔薬など)を含み得る。非経口投与用処方物は、滅菌水溶液を含み得、これは、緩衝液、リポソーム、希釈剤、および他の適切な添加物も含み得る。本明細書中に提供したオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物は、オリゴヌクレオチドの栄養送達を増強するための浸透増強剤を含み得る。浸透増強剤を、5つの大きなカテゴリー(すなわち、脂肪酸、胆汁塩、キレート剤、界面活性剤、および非界面活性剤)のうちの1つの属するように分類することができる((Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 8,91−192(1991);Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 7,1−33(1990)))。1つまたは複数のこれらの広いカテゴリーの1つまたは複数の浸透増強剤を含み得る。
【0216】
浸透増強剤として作用する種々の脂肪酸およびその誘導体には、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプリン酸塩、トリカプリン酸塩、レシンレ酸塩、モノオレイン(a k.a.1−モノオレオイル−rac−グリセロール)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセリル 1−モノカプリレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、モノグリセリドおよびジグリセリド、ならびにその生理学的に許容可能な塩(すなわち、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、リノール酸塩など)が含まれる。Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems page 92(1991);Muranishi、Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 7,1(1990);El−Hariri et al.,J.Pharm.Pharmacol.44、651−654(1992))。
【0217】
胆汁の生理学的役割には、脂質および脂溶性ビタミンの分散および吸収の促進が含まれる(Brunton,Chapter 38 In:Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th Ed.,Hardman et al.McGraw−Hill,New York,N.Y.,pages 934−935(1996))。種々の天然の胆汁塩およびその合成誘導体は、浸透増強剤として作用する。したがって、用語「胆汁塩」には、任意の天然に存在する胆汁成分および任意のその合成誘導体が含まれる。
【0218】
1つまたは複数の浸透増強剤を含む複合処方物を使用することができる。例えば、胆汁塩を、脂肪酸と組み合わせて使用して、複合処方物を作製することができる。キレート剤には、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、クエン酸、サリチル酸塩(例えば、サリチル酸ナトリウム、5−メトキシサリチラート、およびホモバニラート)、コラーゲンのN−アシル誘導体、ラウレス−9、およびβ−ジケトンのN−アミノアシル誘導体(エナミン)が含まれるが、これらに限定されない(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems page 92(1991);Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 7,1−33(1990);Buur et al.,J.Control Rel.14,43−51(1990))。キレート剤は、DNアーゼインヒビターとしての機能も果たすというさらなる利点を有する。
【0219】
界面活性剤には、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテル(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems page 92(1991))ならびにペルフルオロ化合物乳濁液(FC−43など)(Takahashi et al.,J.Pharm.Phamacol.40,252−257(1988))が含まれる。非界面活性剤には、例えば、不飽和環状尿素、1−アルキル−および1−アルケニルアザシクロ−アルカノン誘導体(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drag Carrier Systems page 92(1991))および非ステロイド系抗炎症薬(ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、およびフェイルブタゾンなど)(Yamashita et ah,J.Pharm.Pharmacol.39,621−626(1987))が含まれる。
【0220】
本明細書中で使用される、「キャリア化合物」には、不活性である(すなわち、それ自体が生物活性を持たない)核酸またはそのアナログが含まれるが、in vivo過程で、例えば、生物活性核酸の分解または循環からのその除去の促進によって生物活性を有する核酸の生物学的利用能が減少する核酸と認識される。核酸およびキャリア化合物の同時投与(典型的には、後者の物質を過剰に使用する)により、肝臓、腎臓、または他の循環外貯蔵所(extracirculatory reservoir)中の核酸回収量を実質的に減少させることができ、これはおそらくキャリア化合物と核酸との間の共通の受容体の競合に起因する。キャリア化合物と対照的に、「薬学的に許容可能なキャリア」(賦形剤)は、薬学的に許容可能な溶媒、懸濁剤、または1つまたは複数の核酸を動物に送達させるための任意の他の薬理学的に不活性なビヒクル(vehicle)である。薬学的に許容可能なキャリアは液体または固体であってよく、核酸および所与の薬学的組成物の他の成分と組み合わせた場合に所望の嵩、一貫性などが得られるかを考慮した計画された投与様式で選択する。典型的な薬学的に許容可能なキャリアには、結合剤(例えば、α化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、充填剤(例えば、ラクトースおよび他の糖、微結晶性セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリル酸塩、またはリン酸水素カルシウムなど)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、金属ステアリン酸、硬化植物油、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど)、崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウムなど)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0221】
本明細書中に提供した組成物は、さらに、その分野で確立されている使用レベルで伝統的に薬学的組成物中に見出される他の付加成分を含み得る。したがって、例えば、組成物は、さらなる適合可能な薬学的に活性な材料(例えば、痒み止め薬、収斂薬、局所麻酔薬、または抗炎症薬など)を含み得るか、本発明の組成物の種々の投薬形態の物理的処方に有用なさらなる材料(色素、香味物質、防腐剤、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤、および安定剤など)を含み得る。しかし、このような材料は、添加した場合、本明細書中に提供した組成物の成分の生物活性を過度に干渉すべきではない。
【0222】
化合物(例えば、オリゴヌクレオチド、模倣ペプチドなど)を患者に導入する方法と無関係に、コロイド分散系を、オリゴヌクレオチドのin vivo安定性の増強および/またはオリゴヌクレオチドの特定の器官、組織、または細胞型へのターゲティングのための送達ビヒクルとして使用することができる。コロイド分散系には、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、および脂質ベースの系(水中油滴型乳濁液、ミセル、混合ミセル、リポソーム、および構造が特徴づけられていない脂質:オリゴヌクレオチド複合体が含まれる)が含まれるが、これらに限定されない。好ましいコロイド分散系は、複数のリポソームが存在する。リポソームは、脂質から構成された1つまたは複数の外層に囲まれた水性コアを二重層の配置で有する微小球体である(一般に、Chonn et al,Current Op.Biotech.6,698−708(1995)を参照のこと)。
【0223】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物および模倣ペプチドを、体内分布指示部分(1つまたは複数のポリマーが含まれる)に組み込むかこれと組み合わせて使用して、アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本明細書中で提供した他の化合物を所望の標的の近傍に体内分布させてその連続的放出を可能にすることができる。活性成分(active agent)には、例えば、治療有効性の増加、体内分布および生物学的利用能の至適化、組織損傷の軽減、治癒の促進、患者の快適さの増加に有用な化合物が含まれ、例示的活性成分には、血管作用薬、麻酔薬、虚血用治療薬、成長因子、およびサイトカインが含まれる。あるいは、微粒子またはナノ粒子高分子ビーズの投薬形態を、本明細書中に提供した組成物中で使用することができる。本明細書中に提供した化合物を、活性成分と組み合わせて使用し、特定の投薬形態中にこれらに結合した多数のリガンドまたは抗リガンド分子と共にカプセル化することができる。
【0224】
この様式では、模倣ペプチド、アンチセンス化合物、および本明細書中に提供した他の化合物を、単独または他の活性成分と組み合わせて、持続的治療の利点が得られる部位に長期間放出させる。徐放性投薬形態は、本発明の実施で有用な他の活性成分(成長因子およびサイトカインなど)に関しても有用である。本発明の特定の投薬形態からの活性成分の放出は、拡散および特定のマトリックスの侵食の結果として起こり得る。生分解率は、活性成分の放出速度に直接影響を与える。
【0225】
特定の実施形態では、模倣ペプチド組成物、アンチセンス化合物、および本発明の化合物の制御放出非経口処方物を、インプラント、油性注射液、または粒子系として作製することができる。粒子系には、ミクロスフェア、微粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノスフェア、およびナノ粒子が含まれる。マイクロカプセルは、中心コア(central core)として治療タンパク質を含む。ミクロスフェアでは、治療薬を、粒子全体に分散させる。リポソームを、制御放出および捕捉薬物の薬物ターゲティングのために使用することができる。
【0226】
アンチセンスポリヌクレオチドは、実質的に単離された形態で存在し得る。生成物を、生成物の意図する目的を干渉しないキャリアまたは希釈剤と混合することができ、依然として実質的に単離されていると見なされると理解される。生成物はまた、実質的に精製された形態であり得、この場合、生成物は、一般に、90%(例えば、少なくとも約95%、98%、または99%)のポリヌクレオチドまたは調製物の乾燥質量を含む。
【0227】
特定の実施形態では、本発明の薬学的組成物(アンチセンス化合物または模倣ペプチドが含まれる)を、局所、鼻、経口、胃腸、気管支内、膀胱内、膣内、子宮内、皮下、筋肉内、関節周囲、関節内、脳脊髄液内(ICSF)、脳組織内(例えば、頭蓋内投与)、脊髄髄質内、創傷内、腹腔内、胸膜内、全身(例えば、静脈内、動脈内)、門脈内、または器官(心臓など)に直接投与することができる。静脈内投与した薬剤は、他の経路を介して投与した薬剤よりも早く生物学的に利用可能になり、したがって、一般に、静脈内投与された薬剤はより有毒となる。あるいは、アンチセンス化合物、模倣ペプチド、または本発明の他の化合物の動脈内投与を、供給動脈が接近可能な器官または組織中に存在する疾患標的に適用することができる。動脈内送達の適用には、例えば、肝臓動脈投与による肝臓関連容態の治療、頸動脈投与による脳関連容態の治療、気管支動脈投与による肺関連容態の治療、および腎臓動脈投与による腎臓関連容態の治療が含まれる。したがって、例えば、特定の実施形態では、化合物は全身送達のためのペプチド/ポリペプチド(例えば、模倣ペプチド)であり、他の実施形態では、化合物は、直接送達(例えば、脳室または脊髄)のためのペプチド/ポリペプチド(例えば、模倣ペプチド)である。
【0228】
例えば、Hammondの米国特許第6,752,987号および公開特許公報20030148968号(本明細書中で参考として援用される)は、心臓疾患のためのin vivo送達が記載され、この送達は、血管または心筋もしくは組織に直接供給する他の導管への薬学的組成物の注射によって達成することができる。好ましくは、注射を、冠状動脈または他の組織特異的動脈の一方または両方への投与(例えば、末梢組織へのボーラス注射)によって行うことができる。例として、心筋への送達のために、好ましくは、冠状動脈の一方または両方または1つまたは複数の伏在静脈、内乳動脈移植片、もしくは心筋に血液を送達させる他の導管の管腔内に実質的に導入された(典型的には、少なくとも約1cm)カテーテルによってこのような注射を行う。好ましくは、心臓領域全体に分布するように左および右の冠状動脈の両方に注射する。活性成分と組み合わせたペプチド模倣物の局在送達をさらに増加させ、送達効率を高めるために、本発明によれば、血管作用薬(好ましくは、ヒスタミン、ヒスタミンアゴニスト、血管内皮成長因子(VEGF)タンパク質、または一酸化窒素供与体(例えば、ニトロプルシドナトリウム))を、活性成分と組み合わせたペプチド模倣物の導入と同時または好ましくは数分前に治療すべき組織に注入することができる。
【0229】
1つの態様では、脊髄投与方法には、当該分野で公知の脊髄注射技術が含まれるが、これらに限定されない。脊髄内への一般的な注射または投与方法には、例えば、硬膜外注射(仙骨ブロック注射、経腰注射、および大孔注射が含まれる)、面関節注射(関節間注射および神経ブロック注射が含まれる)、ハードウェア注射、仙腸関節注射、および差分下肢注射が含まれる。ほとんどの脊髄注射を使用して、局所麻酔(麻酔薬)(例えば、リドカイン(またはキシロカイン)またはブピバカイン(マーカイン)など)を、特定の脊髄領域に同時注射する。
【0230】
一定の態様では、アンチセンス化合物または模倣ペプチドを単独で投与するか、脳卒中および虚血の一般的治療のために使用される薬剤と組み合わせて同時投与することができる。これらには、例えば、閉塞の除去および脳への血流の回復によって治療される虚血性脳卒中、および2)動脈瘤および動静脈奇形の破裂および出血を予防するための閉塞の導入を含む出血性脳卒中が含まれる。1つの態様では、虚血性脳卒中の治療は、tPAなどのクロットバスターの使用を含み得る。一般に、tPAを、症状の発症から3時間以内に投与する。別の態様では、治療は、抗凝固薬/抗血小板薬の投与を用いた予防手段を含み得る。アスピリンなどの抗血小板薬およびワルファリンなどの抗凝固薬は、血液の凝固能力を妨害し、これらを使用して脳卒中の発症を防止することができる。1つの態様では、虚血性脳卒中の治療には、血管の遮断を頸動脈から外科的に除去する手順である頸動脈血管内膜剥離術が含まれ得る。別の態様では、虚血性脳卒中の治療には、血管形成術/ステントが含まれ、これは、機械的デバイスを使用して血管を閉塞する脂肪蓄積物を取り除く心血管疾患を治療するためのバルーン血管形成およびステントと呼ばれる埋め込み型スチールスクリーンの使用を含む。出血性脳卒中のために、金属チップを動脈瘤のふもと(ネックと呼ばれる)に配置するか、動静脈奇形(AVM)を含む異常な血管を除去するための外科的治療がしばしば推奨される。1つのこのような例は、血管内手順(例えば、「コイル」)であり、これは、侵襲性が低く、脚または腕の主要な動脈を介して導入し、動脈瘤またはAVMまで誘導され、これらに破裂を防止するための機械的因子(コイルなど)を蓄積させるカテーテルの使用を含む。
【0231】
一定の態様では、アンチセンス化合物または模倣ペプチドを、脳卒中および虚血の外科的治療のための組み合わせ様式として同時投与することができる。脳卒中治療のための外科的介入には、脳卒中を予防するか、急性脳卒中を治療するか、脈管の損傷または奇形(例えば、AVM)を修復するために脳内および脳周囲に使用することができる従来の脳卒中の外科的治療様式が含まれるが、これらに限定されない。これらには、例えば、頸動脈血管内膜剥離術(頸動脈が遮断された場合に頸動脈由来のアテローム硬化性プラークを除去するために使用される手順である)、頭蓋外/頭蓋内(EC/IC)バイパス(遮断された動脈によって影響を受けた脳組織領域への頭皮中の健康な動脈の経路再選択によって脳組織の血液枯渇領域への血流を修復する手順である)が含まれる。
【0232】
他の態様では、脳卒中または虚血のための外科的様式には、例えば、くも膜下出血を引き起こす脳動脈瘤の治療に有用なクリッピング技術が含まれる。クリッピングは、血管から動脈瘤を締め出し、動脈瘤が破裂して出血する機会を減少させる工程を含む。別の態様では、外科的様式には、高リスク頭蓋内動脈瘤治療のための「離脱式コイル技術」が含まれ得る。この技術は、一般に、大腿内の動脈を介した小さなプラチナ製のコイルを挿入し、動脈を介して動脈瘤部位を縫うようにして進む工程を含む。次いで、コイルを動脈瘤に放出し、ここで身体からの免疫応答を引き起こさせる。身体は、動脈瘤内に血餅を生成して動脈壁を強化し、破裂リスクを軽減する。一旦動脈瘤が安定化されると、神経外科医は動脈瘤をクリッピングし、患者の出血および死亡のリスクが低くなる。脳卒中の外科的治療には、AVMおよび動脈瘤の定位顕微手術(Stereotactic Microsurgery)などの最近開発された技術が含まれることも意図される。これは、AVMの正確な位置を特定する精巧なコンピュータテクノロジーおよび幾何学原理を使用する。この手順中、特別に適合させたフレームを患者の頭部に付着させ、CTまたはMRIを使用して三次元基準点を確立する。この技術により、神経外科医は、1mmまたは2mm以内にAVMの所在を確認することが可能であり、それにより、顕微鏡増強法および精密機器を使用して、正常な脳組織に影響を与えることなくAVMを操作することができる。他の様式には、例えば、AVMの定位放射線治療が含まれ、これは、AVMの正確な位置を特定するために定位顕微手術と同一の基礎技術を使用する、侵襲性が最小の比較的低リスクの手順である。一旦所在が確認されると、放射ビームを当てて凝固させ、その後消失させることによってAVMを除去することができる。この技術の正確さのために、正常な脳組織は通常は影響をうけない。他の様式には、例えば、低体温法が含まれ、これは、巨大且つ複雑な動脈瘤または異なるAVMの外科的治療中の脳卒中を予防するために低体温症(身体の冷却)を利用する。脳温度の低下により、外科医は、手術によって誘導される脳卒中のリスクを最小にして手術に必要な時間を与えられる。心肺バイパス装置として公知の特別な装置を時折使用して、身体を超低体温にしながら脳から離れた血流を完全に切り替える。他の様式には、例えば、血管再生が含まれ、これは、動脈瘤または遮断された脳動脈の治療のための外科的技術である。この技術は、本質的に、脳動脈に別の血管を移植し、脳に新規の血流源を提供することによって脳に新規の血液経路を提供する。
【0233】
特定の実施形態では、アンチセンス化合物または模倣ペプチドを単独または他の薬剤(例えば、有効性の増加、組織損傷の軽減、治癒の促進、または患者の快適さの増加に有用な化合物など)と組み合わせて使用して、ターゲティング投与(targeted administration)を行うことができる。公開特許公報20040259768号は、ターゲティングされた放出のための方法および薬剤を記載しており、その内容が本明細書中で参考として援用される。
【0234】
当該分野で公知のように、種々のカテーテルおよび送達経路を使用して、冠状動脈内送達を行うことができる。例えば、種々の汎用カテーテルおよび本発明での使用に適切な修正カテーテルは、Advanced Cardiovascular Systems(ACS)、Target Therapeutics、およびCordisなどの供給業者から市販されている。また、冠状動脈への直接注射(現在、最も好ましい)によって心筋への送達を行う場合、当該分野で公知のように、多数のアプローチを使用して、カテーテルを冠状動脈に導入することができる。例として、カテーテルを、大腿動脈に都合よく導入し、腸骨動脈および腹大動脈を介して逆行しながら冠状動脈を縫うようにして進むことができる。あるいは、カテーテルを最初に上腕動脈または頸動脈に導入し、冠状動脈に逆行して縫うようにして進む。これらおよび他の技術の詳細な説明を、当該分野で見出すことができる(例えば、Topol,E J(ed.),The Textbook of Interventional Cardiology,2nd Ed.(W.B.Saunders Co.1994);Rutherford,R B,Vascular Surgery,3rd Ed.(W.B.Saunders Co.1989);Wyngaarden J B et al.(eds.),The Cecil Textbook of Medicine,19th Ed.(W.B.Saunders,1992);and Sabiston,D,The Textbook of Surgery,14th Ed.(W.B.Saunders Co.1991)を参照のこと)。
【0235】
本明細書中に提供した化合物を、非経口で投与することができる。一定の化合物を薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて薬学的組成物を生成することが時折好ましい。適切なキャリアおよび希釈剤には、等張生理食塩水(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水)が含まれる。組成物を、非経口投与、筋肉内投与、脳内投与、静脈内投与、皮下投与、または経皮投与のために処方することができる。哺乳動物細胞による核酸の取り込みを、いくつかの公知のトランスフェクション技術(例えば、トランスフェクション剤を使用する技術)によって増強する。投与される処方物は、このような薬剤を含み得る。これらの薬剤の例には、カチオン性薬剤(例えば、リン酸カルシウムおよびDEAE−デキストラン)およびリポフェクタント(例えば、リポフェクタム(商標)およびトランスフェクタム(商標))が含まれる。
【0236】
局所投与のための処方物には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、点滴薬、座剤、スプレー、液体、および粉末が含まれ得る。従来の薬学的キャリア、水溶液、粉末、または油性基剤、および増粘剤などが必要であるか望ましいかもしれない。コーティングされたグローブおよびコンドームなども有用であり得る。経口投与のための組成物には、粉末または顆粒、水性または非水性媒質の懸濁液または溶液、カプセル、サシェ、または錠剤が含まれる。増粘剤、香味物質、希釈剤、乳化剤、分散助剤、または結合剤が望ましいかもしれない。非経口投与のための組成物には、滅菌水溶液が含まれ得、これは、緩衝液、希釈剤、および他の適切な添加物を含み得る。いくつかの場合、治療計画の有効性を高めるための他の伝統的な治療様式と組み合わせてオリゴヌクレオチドを使用して、患者を治療することがより有効であり得る。本明細書中で使用される、用語「治療計画」は、治療様式、緩和様式、および予防様式を含むことを意味する。
【0237】
投与は、多数の要因(治療すべき病状の重篤度および反応性が含まれる)に依存し得、一連の治療が数日から数ヵ月まで続けられるか、病態が治癒するか軽減されるまで続けられる。本明細書中に提供した化合物の毒性および治療有効性を、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定することができる(例えば、LD50(50%の集団を死滅させる用量)およびED50(50%の集団で治療有効性を示す用量)を決定するため)。有毒と治療効果との間の用量の比は治療指数であり、LD50/ED50比として示すことができる。大きな治療指数を呈する化合物が好ましい。有毒な副作用を示す化合物を使用することができるが、非感染細胞への潜在的な損傷を最小にし、それにより、副作用を軽減するために、このような化合物が罹患組織部位をターゲティングする送達系のデザインには注意を払うべできる。
【0238】
細胞培養アッセイおよび動物研究から得たデータを、ヒトで使用される投薬量範囲の配合で使用することができる。このような化合物の投薬量は、好ましくは、循環濃度範囲内であり、毒性がほとんどないか全くないED50を含む。投薬量は、使用される投薬形態および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。本発明の方法で使用される任意の化合物のために、治療有効用量を、細胞培養アッセイから最初に推定することができる。細胞培養で決定したIC50(すなわち、症状の半分が阻害される試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度を達成する用量を動物モデルに処方することができる。このような情報を使用して、ヒトで有用な用量をより正確に決定することができる。血漿レベルを、例えば、高速液体クロマトグラフィによって測定することができる。投与計画を、患者の体内の薬物蓄積量の測定値から計算することができる。投薬量は、各化合物(ペプチド模倣物またはオリゴヌクレオチドが含まれる)の相対的効力に応じて変化し得、一般に、in vitroおよびin vivo動物モデルで有効であることが見出されたEC50に基づいて推測することができる。
【0239】
適切な投薬量は、例えば、投与経路に応じて、約0.1μgから約1gの総用量まで変化し得る。特定の投薬量および送達方法のガイダンスが文献に記載されており、一般に、当業者が利用可能である。当業者は、タンパク質またはそのインヒビターよりもヌクレオチドのための異なる処方物を使用する。同様に、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、および本明細書中に提供した化合物の送達は、特定の細胞、条件、および位置に特異的である。一般に、投薬量は、0.01mg/kg〜100mg/kg体重であり、これを毎日、毎週、毎月、もしくは毎年1回または複数回、またはさらに2〜20年毎に1回投与することができる。特定の実施形態では、手術直後から24時間後まで投与することができ、別の実施形態では、2時間後から24時間後まで投与する。長時間作用性組成物を、特定の処方物の半減期およびクリアランス速度に応じて、3〜4日毎、1週間毎、または2週間毎に投与することができる。当業者は、体液または組織中の薬物の測定した滞留時間および濃度に基づいて、投与繰り返し率を予測することができる。首尾のよい治療後、病状の再発を予防するための患者を維持療法に供することが望ましく、この療法は、模倣ペプチドを、0.01mg/kg〜100mg/kg体重の範囲の維持用量で、1日1回または複数回から20年毎に1回投与する。コネキシン調整が必要な病態の治療または予防では、適切な投薬レベルは、一般に、0.001〜100mg/kg患者体重/日であり、これを単回または複数回用量で投与することができる。適切な投薬レベルは、約1〜約40mg/kg/日であり得る。特定の実施形態では、本明細書中に提供した化合物(具体的には、アンチセンス化合物または模倣ペプチドが含まれる)を、約1μM〜約1mM、約10μM〜約500mM、または約30μM〜約300mMのin vivo濃度、および約25μM〜約300mMの最終濃度を達成するための量を損傷部位に投与する(約25μM、約160μM、または約300μMの最終濃度、さらにより典型的には、約1μM〜約10μMの最終濃度の損傷部位への投与が含まれる)。
【0240】
別の態様では、約0.1μg/ml〜約1mg/ml、約10μg/ml〜約500μg/ml、約100μg/ml〜約500μg/ml、約250μg/ml、または約300μg/mlの最終濃度を達成するペプチドインヒビターおよび模倣ペプチドを、損傷部位に投与することができる。
【0241】
抗コネキシン化合物(例えば、ペプチド模倣分子)を、好ましくは、1×10−10M〜1×10−4Mの多数の異なる濃度で導入する。一旦、コネキシンを適切に調整することができる最小濃度が同定されると(コントロール遺伝子発現が含まれる)、この至適用量は、in vivoでの使用に適切な投薬量に変えられる。したがって、被験体(例えば、哺乳動物)の特定の細胞、組織、または器官におけるin vivoでの所望の濃度を得るために、抗コネキシン化合物を投与することができる。例えば、特定の実施形態では、模倣ペプチドまたは他のペプチドベースの抗コネキシン化合物を、約0.1μM(1×10−7M)、約1μM(1×10−6M)、約2μM(2×10−6M)、約3μM(3×10−6M)、約5μM(5×10−6M)、約10μM(1×10−5M)、約50μM(5×10−5M)、約250μM(2.5×10−4M)、約500μM(5×10−4M)、および1mM(1×10−3M)、および5mM(1×10−3M)、またはそれを超える最終in vivoペプチド濃度を得るために投与する(例えば、全身、経口、または非経口(例えば、IVなど))。いくつかの模倣ペプチドを使用して、約1〜10μM(1×10−6M〜1×10−5M)(約5μM(5×10−6M)が含まれる)のin vivo濃度が望ましい。別の態様では、ペプチドベースの抗コネキシン化合物を、約0.1μM/kg、1μM/kg、10μM/kg、50μM/kg、250μM/kg、500μM/kg、1000μM/kg、5000μM/kgの量で組織(例えば、哺乳動物の脳室)に直接投与する。例えば、一定の化合物について、1×10−7Mの培養における阻害濃度は、約0.6mg/kg体重の用量に変えられる。約100mg/kg体重の抗コネキシン化合物(例えば、アンチセンス化合物または模倣ペプチド分子)レベルは、実験動物における化合物の毒性試験後に予想することができる。脊椎動物由来の細胞を取り出し、模倣ペプチドで処置し、脊椎動物に再導入することも意図される。
【0242】
本明細書中に記載の化合物を、診断、治療、予防に使用することができ、研究試薬として、およびキット中で使用することができる。本発明のオリゴヌクレオチドは、コネキシンをコードする核酸とハイブリッド形成し、この事実を活用するために、サンドイッチアッセイ、熱量アッセイ、および他のアッセイを容易に構築することができる。オリゴヌクレオチドのコネキシン遺伝子またはmRNAとのハイブリッド形成の検出手段を、日常的に準備することができる。このような準備には、酵素抱合、放射性標識、または任意の他の適切な検出系が含まれ得る。コネキシンの有無の検出キットも準備することができる。
【0243】
本発明の化合物を、研究目的で使用することもできる。したがって、オリゴヌクレオチドによって示された特異的ハイブリッド形成を、アッセイ、精製、細胞生成物の調製、および当業者によって認識することができる他の方法のために使用することができる。
【0244】
本発明の種々の態様を、ここに、以下の実施例の部を参照して記載しているが、これは、本発明の例示として提供し、本発明を制限すると解釈されないと理解される。
【0245】
以下の実施例は、例示のために記載し、本発明を制限しない。
【実施例】
【0246】
実施例1:中枢神経系
中枢神経系の損傷は、長期的に多額の費用がかかり、患者の看護において社会に打撃を与え得る。重篤に損傷した神経組織で起こる病理学的変化は、共通の特徴を有する。傷害から24〜48時間以内に、損傷が有意に拡大し、罹患領域のサイズが有意に増加する。この拡大は、ギャップ結合チャネルが神経毒を拡大し、カルシウムが損傷部位から他の健康な組織に流れる(wave)ギャップ結合媒介バイスタンダー効果によって増加する。Lin,J.H.et al.Nature Neurosci.1:431−432(1998)。しかし、これは、炎症腫脹も伴い、これにより、細胞外空間が閉じ、24〜48時間後に細胞が死滅する。胎児脳損傷では、例えば、腫脹を、細胞傷害性浮腫を測定する皮質電気インピーダンスの変化として追跡することができる(Reddy,K.,et al.,Pediatric Research 43:674−682(1998))。この新規の損傷は、初期傷害の直接の結果ではなくその後の事象であり、傷害から6時間〜48時間後に起こるが、2時間という早さで起こる可能性があり、損傷拡大の予防的治療のタイミングのいい機会が得られる。
【0247】
図1は、脊髄が動物から切り出した場合でさえも浮腫および腫脹が起こることを示す(図1A)。両方の場合、浮腫を、ギャップ結合タンパク質コネキシン43の翻訳を防止するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を使用して遮断することができる(図1B)。切り出した脊髄セグメントでは、評価される腫脹体積は、処置群とコントロールとの間で有意に異なる(上から見た腫脹領域の測定によって評価した、p=0.001)。
【0248】
CNS損傷後に認められ、コネキシン特異的アンチセンスODNを使用して遮断されたこの腫脹は、ギャップ結合ヘミチャネルが発現され、病理学的条件下で開き、細胞質と細胞外空間との間に直接的経路が得られることを示す。その後にニューロンが死滅する。損傷から24時間後の細胞試験は、細胞外液の取り込みによって生じた空胞化および膜内側の水疱化(図2)を示す。カラー写真について図3Aの説明に記載するように、細胞外ループに結合する抗体(コネキシン組織分布図の左上の広いバンドおよび標識したGap7M)およびタンパク質の細胞質カルボキシルテールに対する抗体(コネキシン組織分布図の右下の広いバンドおよび標識したGAP1A)を使用したコネキシン43の免疫組織化学的標識を示す。細胞質抗体は全コネキシン43タンパク質を標識し、これを赤色蛍光標識二次抗体と共に使用する。Gap7M抗体はヘミチャネルの露呈した細胞外ループのみを標識することができ、これを緑色蛍光タグ化二次抗体と共に使用する。Gap7Mは、ドッキングしたコネキシンへの結合によって立体障害を起こし、細胞間にインタクトなチャネルを形成し、両方の抗体で標識される(したがって、赤色および緑色の二次抗体の両方が共存する場合、黄色を呈する)コネキシンのみがヘミチャネルとして存在する。図3B:カラー写真について図の説明に記載のように、この画像は、圧挫創から24時間後の脊髄切片に適用した図3Aに記載の2つの抗体での二重標識を示す。画像は、標識コネキシンである小さな明るい点およびDAPIで標識した細胞核を記す巨大なより淡い影のある点を有する。コネキシン標識のかなりの部分は組み合わせ画像で黄色を呈し、2つの抗体(Gap7MおよびGAP1A)が共存することを示す。これは、コネキシン細胞外ループが露呈し、存在するほとんどのコネキシンが隣接細胞のコネキシンとドッキングせず、ヘミチャネルとして残存することを意味する。図3C:カラー写真について図の説明に記載のように、この画像は、圧挫創から24時間後の脊髄切片に適用した図3Aに記載の2つのコネキシン抗体での二重標識を示す。この場合、コネキシン43特異的アンチセンスODNを適用してタンパク質翻訳を防止した。ヘミチャネルは、明るい点(緑色蛍光タグ化Gap7Mおよび赤色蛍光タグ化GAP1Aが共存するカラー画像で黄色を示す)として出現する。より巨大なより淡い点は、DAPIで標識した細胞核である。これらの処置した脊髄中でギャップ結合タンパク質はほとんど標識されず、ヘミチャネルはわずかしか認められない。
【0249】
さらに、コネキシンタンパク質の細胞外ループに結合して標識するギャップ結合抗体(Gap7M抗体−図3A)は、ラット脊髄傷害から24時間後に広範なレベルのタンパク質を標識することを示した(図3B)。これらの抗体は、相互作用するヘミチャネルの一部のみに結合し、膜でのドッキングの際に多量体(mutimer)を形成する。これらのデータは、CNS損傷後の初期段階で認められるコネキシン43の上方制御の大部分がヘミチャネル形態のままであることを示す。
【0250】
コネキシンタンパク質の発現およびヘミチャネル形成は、創傷形成時にPluronic F−127(ポロクサマー)ゲルに適用したコネキシン43特異的アンチセンスODNを使用して遮断される(図3C)。
【0251】
この処置は、外植モデルにおけるODN処置が、2時間以内に明らかなノックダウンの適用から6〜8時間後のタンパク質レベルおよび約24時間後に回収したタンパク質レベルに対して最大の効果がある(最大ノックダウン)ことを示す(Qiu et al,2003;Becker et al,1999を参照のこと)。同様に、脳では、培養物に入れた組織のスライスは腫脹するが、この腫脹を、コネキシン43特異的アンチセンスODNを使用して遮断し、ヘミチャネル形成を防止することができる(C、緑色−データ示さず)。
【0252】
傷害後、コネキシンレベルの上方制御によってヘミチャネルが形成され、細胞浮腫を引き起こし、死滅する。しかし、これは、神経集団に限られたことではない。切り出した脊髄セグメントでは、イソレクチンB4標識(小グリア細胞および血管内皮細胞の表面上の炭水化物に結合する)は、アンチセンス処置組織における培養5日後でさえも、毛細血管の輪郭を描く(図5)。コントロールセグメントでは、2日後に毛細血管はほとんど残存しない(さらに、5日後に、支配的なイソレクチンB4標識は、活性化マクロファージ表現型(泡)グリア細胞に由来する)。コネキシン43アンチセンス処置脳スライスでは、毛細血管は、培養2週間後でさえもインタクトなままである一方で、コントロールスライスでは、インタクトなままのものは存在しない(データ示さず)。
【0253】
in vivoでのラット脊髄傷害後、ラットを、コネキシン特異的アンチセンスODNで処置し、24時間後に、フルオレセイン標識ウシ血清アルブミン(FITCタグ化BSA)をラットの尾静脈に注射した。コントロール動物は、創傷部位に対して5mm吻側でさえ脈管系から周辺組織への色素の広範な漏れを示す(図5A)。著しく対照的に、アンチセンス処置動物は、色素の漏れのサインがほとんどなく、毛細血管床に限局している(図5B)。コネキシン43を発現する毛細血管内皮細胞はまた、ヘミチャネルを形成し、破壊されるようになる。重要には、本明細書中に提供したコネキシン43特異的アンチセンスODN処置は、血液脳関門の破壊、脈管系の破壊(再潅流および回収に必要)、および損傷の拡大を予防する。結果は、毛細血管系/血管系のこの破壊が中枢神経系に限定されないことを示し、より広範な適用(脈管容態の治療など)により、コネキシン調整から利益が得られるであろう。カラー写真について図5Aの説明に記載のように、この画像は、虚血性梗塞から24時間後のヒツジ心室の三重標識を示す。この画像を含む4つのパネルは、梗塞領域から離れた組織に由来する。組織を、血管内皮細胞に結合するイソレクチンB4(左上のパネル)、Gap7Mに対する抗体(右上のパネル)、およびコネキシン43に対する抗体(左下のパネル)で標識する。Gap7M抗体は、コネキシンタンパク質の保存された細胞外ループ領域を認識し、それにより、コネキシンイソ型に特異的ではないが、ヘミチャネルをマークする(これらは、インタクトなチャネル中のそのエピトープの接近によって立体障害を起こす)。左上の画像は、この領域に正常な毛細血管構造が存在することを示す。ヘミチャネルは存在しないが(右上)、コネキシン43は作動している心筋の介在板中に存在する(左下)。右下のパネルは、他の3つの画像の重ね合わせを示す。コネキシン43標識は毛細血管壁にほとんど重ね合わせられず、これは、コネキシン43が主に筋細胞と会合しているからである。カラー写真について図5Bの説明に記載のように、この画像は、虚血性梗塞から24時間後のヒツジ心室の三重標識を示す。認められた領域は、梗塞から離れているが、図5Bで認められるものより近く、組織が、血管内皮細胞に結合するイソレクチンB4で標識されていることを示す(左上のパネル)。ほとんどの血管は依然としてインタクトであるが、血管壁は複数の領域(標識がより広く分散した領域)で破壊している。Gap7Mに対する抗体(右上のパネル)はヘミチャネルを標識する。密度の高いヘミチャネル標識の細長いパッチが明らかである。左下のパネルは、コネキシン43の抗体標識を示す。これらの最初の3つのパネルの注意深い比較または他の3つを重ね合わせた右下のパネル上に存在するパターンの分析により、コネキシン43が筋細胞に固有に会合することが示される。しかし、ヘミチャネル抗体は、破壊されたと考えられる血管壁の同時標識領域を有し、これは、これらの領域中にコネクソンヘミチャネルが存在することを示す。カラー写真について図5Cの説明に記載のように、この画像は、虚血性梗塞から24時間後のヒツジ心室の三重標識を示す。示した領域は、梗塞領域自体に存在する。組織を、血管内皮細胞に結合するイソレクチンB4で標識する(左上のパネル)。ほとんどの血管は、破壊されているようである(不連続な線中に存在するより広く分散した標識領域)。Gap7Mに対する抗体(右上のパネル)はヘミチャネルを標識する。全パネルを通して、密度の高いヘミチャネル標識の複数のパッチが明らかである。左下のパネルは、コネキシン43の抗体標識を示す。これらの最初の3つのパネルの注意深い比較または他の3つのパネルを重ね合わせた右下のパネル上に存在するパターンの分析により、コネキシン43が筋細胞に固有に会合するが、標識は短いパッチ中に存在し、心筋の介在板中のコネキシン43の通常の標識とかけ離れていることが示される。これは、この梗塞中心領域で筋細胞が重篤に損傷していることを示す。ヘミチャネル抗体は、破壊されたと考えられる血管壁の広範な同時標識領域を有し、これは、血管壁にコネクソンヘミチャネルが存在することを示す。このヘミチャネル発現後、毛細血管は見かけ上インタクトなままのものはほとんどない。ここで、図6Bに示すように、Gap7M抗体標識は、コネキシン43標識と共存せず(脊髄でも同様である−図2B)、これらが異なるギャップ結合タンパク質イソ型(コネキシン45の可能性が最も高い)に由来しなければならないことを示す(Camelliti,P.,et al.,Cardiovasc.Res.62:414−425(2004)を参照のこと)。
【0254】
実施例2:心血管系
本実施例は、虚血組織損傷に隣接する毛細血管床中で脈管の完全性を維持するためのギャップ結合ヘミチャネルの調節および役割を調査する。滅菌ゲルフォームを、左前下行枝または回旋動脈を介して送達させ、貫壁性心筋梗塞を誘導した。本質的に、Devlin,G.,et al,J.An ovine model of chronic stable heart failure.J.Card.Fail.6:140−143(2000)の方法に従って、ゲルを送達させた。毛細血管内皮細胞のイソレクチンB4標識は、虚血組織に隣接する毛細血管床が破壊していることを示す。本発明者らは、最近、ヒツジ梗塞モデルで進行性梗塞を分析し(Camelliti et al,Spatially and temporally disctinct expression of fibroblast connexins after sheep infarction,Cardiovascular Research,62:415−425(2004))、これがギャップ結合媒介性バイスタンダー効果に起因することを提案した。本明細書中に示すデータは、内皮細胞分布に関連し、ギャップ結合ヘミチャネルの発現後のギャップ結合媒介性バイスタンダー効果の重要な役割を示す。イソレクチンB4、コネキシン43、およびヘミチャネル抗体を使用した24時間のヒツジ虚血心臓の三重標識では、データは、この場合はヘミチャネルがコネキシン43ではないが、その代わり、コネキシン45のようであることを示す(図6A、6B、6C)。Gap7M抗体がコネキシンタンパク質の第1の細胞外ループの保存領域を認識し、且つコネキシン特異的ではなく、多数のコネキシンファミリーメンバーと交差反応することに留意のこと。コネキシン45は、虚血性心傷害後に上方制御されるべき第1のコネキシンである(Camelliti et al,2004)。このパネル組(図6A、6B、6C)は、血管壁の損傷は梗塞領域から明らかに離れていないが(図6A)、梗塞領域に近づくにつれて段階的に悪化するようになり(図6B)、ヘミチャネル発現と関連することを示す。虚血領域自体で(図6C)、ヘミチャネルタンパク質発現が高く、毛細血管壁は広範に破壊され、筋細胞の介在板(コネキシン43ギャップ結合が局在している)は分散するようになる。カラー写真について図6の説明に記載のように、この画像は、虚血から24時間後のヒツジ心室中の毛細血管内皮細胞を記すイソレクチンB4(上のパネル)および筋細胞の肉腫(sacromere)中のM系統を記すミオメシン(myomesin)抗体標識(中央のパネル)を示す。この領域は、図6Cで示す領域と同一である。毛細血管は、完全に破壊され、通常の筋細胞肉腫バンドパターンが破壊され、これは、血管壁崩壊と並行して筋細胞死が起こっていることを示す。下の画像は、上の2つの重ね合わせであり、破壊毛細血管と異常な筋バンド標識との間の関係を示す。
【0255】
図7は、肉腫のMバンドを標識するミオメシンの抗体を使用して示した肉腫破壊と相関する梗塞領域内の破壊血管のイソレクチンB4標識を示す。神経組織などの場合、血管壁のその後の損傷によってヘミチャネル発現が続き、一般に、細胞死が顕著になり、これは、ヘミチャネル開口の結果として起こる。
【0256】
30分間低酸素にし、ヘプタノール(非特異性ギャップ結合チャネル遮断薬)を含む媒質で再潅流した心臓は、高収縮(hypercontraction)および筋細胞死を引き起こす酸素パラドックスが予防されることが報告されている。Garcia−Dorada et al,Circulation 96:3579−3586(1997)。これらの著者は、高収縮がギャップ結合を介して隣接筋細胞に伝達し得ると報告していた。本発明者らのデータは、30分以内にヘミチャネル発現が高収縮において重要な役割を果たし得るという見解と一致する。
【0257】
病理学的条件下でのギャップ結合タンパク質発現の増加およびヘミチャネル開口により、虚血損傷組織周囲の領域で内皮細胞が破壊し、心血管系が崩壊する。この所見は、本明細書中に最初に記載され、再潅流傷害治療に関して多くの意義があると考えられ、進行性梗塞の有望な機構である。Robbins,S.and Cotran,R.1979.Pathologic basis of disease.2nd Edition.WB Saunders Company,Philadelphia。
【0258】
実施例3:模倣ペプチドのデザイン
模倣ペプチドのデザイン
本実施例では、コネキシンドッキングプロセスに関与すると考えられているコネキシン43細胞外ループ領域と同一のアミノ酸配列を有するように9つの重複ペプチド模倣物をデザインした(Foote et al.,J Cell Biol 140(5):1187−97,(1998))。これらの特定のペプチドは全て11〜13残基長であるようにデザインした。いくつかのペプチドは、機能阻害を増強することができるαヘリックス膜貫通サブユニットの外側部に適合するアミノ酸を含んでいた。細胞外ループ領域中のコネキシン配列の保存により、全てのこれらのペプチドが必ずしもコネキシン43特異的というわけではない。
【0259】
コネクソン43(ヘミチャネル)をターゲティングするペプチドを以下に示す。M1、M2、M3、およびM4は、それぞれ、コネクソン43タンパク質の第1〜第4の膜貫通領域をいう。E1およびE2は、それぞれ、第1および第2の細胞外ループをいう。
【0260】
【数6】

実施例5:模倣ペプチドの機能試験
ペプチドを使用して、2つの機能試験を行った。これらの機能試験は、以下であった(i)脊髄スライス中の細胞による色素(ルシフェルイエロー(Lucifer Yellow))取り込みの遮断、および(ii)脊髄セグメント中の浮腫の予防(ポジティブコントロールとしてコネキシン43特異的アンチセンスを使用)。使用した全てのペプチドを、Sigma−Genosys(Australia)によって合成した。
脊髄スライス中の細胞による色素(ルシフェルイエロー)取り込みの遮断
ルシフェルイエローは、ギャップ結合チャネルを介して細胞から細胞を通過することができるが、細胞膜を横断することができない小さな水溶性で固定可能な色素である。細胞外基質へのルシフェルイエローの添加により、開いたギャップ結合ヘミチャネルの存在をチェックすることが可能である。色素は、開いたチャネルを発現する細胞の細胞質で認められる。
【0261】
Wistar7ラットを、二酸化炭素で麻酔し、その直後に断頭する。脊髄を切り出し、冷ハンクス平衡塩溶液(HBSS)(pH7.4)に移した。過剰な分岐神経(branch nerve)および靭帯を除去し、脊髄を手動組織チョッパーに移し、一連の500ミクロン厚のスライスに切断した。スライスに起因する損傷は、全スライスを通してコネキシン43上方制御を誘導し(ギャップ結合媒介バイスタンダー効果によって悪化する)、コネキシンヘミチャネルを発現させる。スライスを、24ウェルプレート中の直径3cmのMilliporeインサートに入れ、模倣ペプチドの存在下にて培地中で培養した。試験した9つ全てのペプチドの最終濃度は、500μMであった。コントロールは、ペプチドを添加せず、1%エタノールまたは1%DMSOを添加し、これは、いくつかのペプチドがこれらの化合物中で再溶解するからである(ペプチドを凍結乾燥させた)。コントロール実験として、いくつかのスライスを、コネキシン43特異的アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを含む30%Pluronic F−127ゲルまたはゲルのみでも同時に処置した。アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドで処置したスライスは、アンチセンスがコネキシン発現およびその後の色素取り込みを防止し、したがって、これらがポジティブコントロールとして作用することを示した。
【0262】
スライスを、37℃で4時間インキュベートし、次いで、2.5mg/mlのルシフェルイエローを各ウェルに30分間添加した(暗所)。次いで、組織を、PBSで2回リンスし、さらに10分間の洗浄を3回行い、スライスを4%パラホルムアルデヒドで固定した。次いで、これらを、Leica TCS4Dレーザースキャニング共焦点顕微鏡を使用して観察し、細胞への色素取り込みの有無を評価した。
【0263】
結果は、培地のみで培養したスライス、DMSO、エタノール、およびゲルのみで処置したスライスは有意に色素を取り込んだことを示した。コネキシン43処置スライスは、色素を取り込まなかった。以下のペプチド(重複配列を有する)で処置したスライスを除き、ペプチド処置スライスは、相当な色素取り込みを示した。
【0264】
【数7】

配列番号32〜34((FEVAFLLIQWI(配列番号32)、LLIQWYIGFSL(配列番号33)、SLSAVYTCKRDPCPHQ(配列番号34))および配列番号37〜40(LGTAVESAWGDEQ(配列番号37)、QSAFRCNTQQPG(配列番号38)、QQPGCENVCYDK(配列番号39)、およびVCYDKSFPISHVR(配列番号40))を有するペプチドで処置したスライスの色素取り込みレベルは、コントロールスライスと同程度であった。
【0265】
まとめると、これらのデータは、脊髄スライスが傷害から4時間以内に開くヘミチャネルを発現することを示す。重要には、データはまた、配列番号35および36に対応するペプチドがヘミチャネルの開口を防止および/または遮断および/または閉じることができること及び、腫脹を防止できることを示す。
【0266】
脊髄中の浮腫の予防
実施例1に記載の系を使用して、培養脊髄セグメントに対するペプチドVDCFLSRPTEKT(配列番号35)およびSRPTEKTIFII(配列番号36)の効果を調査し、腫脹を遮断する能力を試験した。
【0267】
ペプチドQQPGCENVCYDK(配列番号39)をネガティブコントロールとして使用した。これは、このペプチドが上記のスライス培養中で色素を取り込むことが可能であり、したがって、セグメント中の浮腫を遮断することができない。DMSOを、さらなるコントロールとして再度使用した。
【0268】
長さ5mmの脊髄セグメントを、HBSSを含む24ウェルプレートの個別のウェルに入れた。スーパーグルー(Superglue)の小滴を使用して、セグメントをウェルの底に保持した。HBSSを除去し、500μMペプチド(最終濃度)を培地に添加した(培地のみまたはDMSOコントロールについてはペプチドはなし)。プレートを24時間インキュベートし、培地を除去し、組織をブアン固定液で24時間固定した。分析は、上記由来の脊髄セグメントの写真撮影、セグメントの切断末端の腫脹領域と比較した全脊髄セグメント領域を計算するために使用したImageJを含んでいた。腫脹(浮腫)を、(培養領域−元の領域)/元の領域で計算し、腫脹率を得た。一因子分散分析を使用して、統計的有意性を決定した(有意性のカットオフレベルはp=0.05)。
【0269】
結果として、DMSO処置脊髄セグメントが最も腫脹し(33%)、全てのコントロール脊髄セグメントが21〜23%腫脹した。ペプチドQQPGCENVCYDK(配列番号39)で処置したセグメントも23%の腫脹を示したが、ペプチドVDCFLSRPTEKT(配列番号35)およびSRPTEKTIFII(配列番号36)は、それぞれ、15%および17%の腫脹に減少した(図8)。ペプチドVDCFLSRPTEKT(配列番号35)とSRPTEKTIFII(配列番号36)で処置した脊髄セグメントとコントロールとの間の相違は有意であった(p=0.43)。その後の組織の組織学的試験により、ペプチドSRPTEKTIFII(配列番号36)処置セグメントがより良好な形態を保持することが明らかとなり、それにより、このペプチドを使用して用量応答試験を行った。
【0270】
脊髄セグメント中の浮腫の遮断のためのペプチドSRPTEKTIFII(配列番号36)の最も有効な濃度の決定を、同一のプロトコールを使用して行った。この場合、用量応答を、5、10、50、250、および500μMの最終濃度を使用して決定した。結果を図8に示す。興味深いことに、培地のみと比較して、最も低濃度のペプチド(5μM)から最も良好な結果(最小の浮腫)が得られた(p=0.001)。反復試験において、中間の範囲である50μMは、いくらか効果が低かった。
【0271】
免疫組織化学分析により、24時間培養後のペプチドSRPTEKTIFII(配列番号36)処置セグメントにおいて星状細胞増加症が軽減した。また、5μMが、炎症反応の予防に最も有効であったが、使用濃度間の相違は、浮腫試験よりも顕著ではなかった。全処置は、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)発現の有意な減少を示した(ImageJを使用して分析した切片領域あたりの標的領域)(表7)。
【0272】
本発明者らの実験は、1mlの人工CSFi.c.v.(対CSFのみのビヒクル)を1時間にわたって投与し、その後にさらに1ml/日を脳内に72時間潅流した、選択されたペプチド模倣物(配列番号36)の周産期ヒツジ実験(この胎齢で平均25g)のための5μmol/kg脳重量の用量が有意な効果があることを示した。約5μmol/kg脳重量、50μmol/kg脳重量、および250μmol/kg脳重量の投薬量も可能である。静脈内(全身送達)のために、血漿濃度の対数オーダーの増加の効果を使用して、0.5μmol/Lを達成するための負荷用量から開始し(この年齢での本発明者らの周産期ヒツジにおける平均胎児血液体積は約350mlである)、次いで、5、10、50、250、500、および500μMにすることにより、適切な用量を決定することができる。
【0273】
ImageJは、Java(登録商標)スクリプトのオープンソースであり、NIHによって最初に開発された公的なドメイン画像分析ソフトウェア(NIH Imageと呼ばれる)である。
【0274】
表7
【0275】
【表7】

表7:スライスから24時間後の脊髄を取り込んだ画像におけるGFAP標識領域。コントロール脊髄は高レベルのGFAPを有し、炎症反応および処置セグメントよりも高いバイスタンダー効果を示す。より低いペプチド濃度は、星状細胞増加症の制限で最も有効である。
【0276】
活性化小グリア細胞数は、予想通り、24時間で相違がなかった。この二次炎症反応(得られた小グリア細胞からマクロファージ表現型への分化および増殖)は、通常、3日〜7日を要する。
【0277】
実施例6:周産期ヒツジモデルにおける虚血および癲癇様脳活性を遮断するためのコネキシン特異的模倣ペプチドのin vivo適用
脳虚血に起因する脳損傷は、依然として生命の全段階で重大な問題である。新生期では、生産児1000人あたり2〜3人に出生時に中程度から重度の損傷が発生する。最も顕著な特徴の1つは、傷害が長期にわたって最も重篤に損傷した領域の外側から以前に損傷していない領域に拡大することである。脳虚血直後に、脳代謝が一過性に回復し、それが何時間か続く。しかし、この後、進行性のミトコンドリア不全が起こり、二次細胞腫脹を伴い、最初の傷害から36〜48時間で最大に達する。
【0278】
グリアとニューロンとの間のギャップ結合の能動的結合は、バイスタンダー効果を媒介し、細胞死シグナルが死滅細胞から重篤度の低い傷害細胞または健康な細胞に伝達される。初期の研究では、ギャップ結合タンパク質であるコネキシン43特異的アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドのin vivo局所適用によって傷害の拡大および外傷後の二次炎症を制限することができることが示されている。発明の名称が「Formulations Comprising Antisense Mucleotides to Connexins」であるBecker,D.and Green.CのWO2000/44409号を参照のこと。
【0279】
ペプチドSRPTEKTIFII(配列番号36)を、周産期ヒツジ虚血のin vivoモデルで使用した。データは、コネキシン特異的模倣ペプチドによって周産期虚血脳中または脳卒中後の二次損傷を有意に減少させる可能性がある治療法が得られることを示す。予備分析は、出産が近い胎児ヒツジの脳虚血から24時間後に、ギャップ結合ヘミチャネル(すなわち、非カップリングコネクソン)の発現が増加することを示した(図9)。
【0280】
ロムニー−スフォーク(Romney−Suffolk)交配胎児ヒツジに、他の場所に詳細に記載されるように、全身麻酔下で117日と124日の間の妊娠期間(通常期間の0.85倍(0.85 term))に器具を使用した(Gerrits et al,Pediatr Res 57(3):342−6,(2005);Guan et al.,Neuroscience 95(3):831−839,(1999);Guan et al.,J Cereb Blood Flow Metab 21(5):493−502,(2001);Gunn et al.,J Clin Invest 99(2):248−256,(1997),Gunn et al.,Pediatrics 102(5):1098−1106,(1998),Gunn et al.,Pediatr Res 46(3):274−280,(1999);Roelfsema et al.,J Cereb Blood Flow Metab 24(8):877−886,(2004))。器具類は、上腕動脈および上腕静脈のカテーテル、EKG電極、胎児頸動脈周囲の膨張式閉塞物(Gunn et al.,1997;Roelfsema et al.,2004)、5mmおよび15mm前ならびに10mm外側から前頂の頭頂部EEG電極、皮質インピーダンスを測定するためのこれらの外側に配置した電極対(細胞傷害性浮腫の測定(Gunn et al.,1997))、および4mm前および6mm外側から前頂の長さ17mmの左i.c.v.カニューレを含んでいた。器具類を、母親の脇腹を露出させ、子宮および腹壁を閉じ、胎児血管カテーテルをヘパリン処理した(20 IU/ml)。母親の創傷を、長期間作用性局所麻酔ブピバカイン(100mg/20ml)で浸透させた。
【0281】
5日目の回収後、30分間の両側頸動脈閉塞によって、胎児脳潅流低下を誘導した(Gunn et al.,1997;Roelfsema et al.,2004;Tan et al.,Ann Neurol 32(5):677−682,(1992);Tan et al.,Pediatr Res 39(5):791−797,(1996))。コネキシン模倣ペプチド5の脳室内注入を、虚血の90分後に開始し、72時間持続した。5μmol/kg脳重量(この胎齢で平均25g)のペプチド模倣物5を、1mlの人工CSFi.c.v.(対CSFのみのビヒクル)に1時間にわたって投与し、その後にさらに1ml/日を脳内に72時間潅流した。母親への過剰用量のペントバルビタールナトリウム(30ml、300mg/ml)の静脈内投与によって実験を終了させた。組織学および免疫組織化学分析のために胎児脳を取り出した。
【0282】
結果(図10)は、ペプチドの初期注入によって、続発性遅延型発作活性および細胞傷害性浮腫が軽減されることを示す。
【0283】
まとめると、これらのデータは、コネキシン43ヘミチャネルの細胞外ドメインをターゲティングするペプチド模倣タンパク質が脳虚血後の続発性浮腫および炎症を抑制することができることを証明する。出産が近い胎児ヒツジでは、本発明者らは、脳虚血が虚血の24時間以内のコネキシン43およびヘミチャネルの劇的な誘導に関連する一方で、再潅流から90分後の出産予定日の胎児へのペプチド模倣タンパク質のi.c.v.注入によって続発性発作および細胞傷害性浮腫が有意に軽減されることを見出した。
【0284】
実施例7:亜急性創傷におけるコネキシン43特異的アンチセンスでのヒト患者の治療−血管の枝枯れの予防は角膜輪部(limbal)虚血を回復させる
本研究では、患者は、眼に亜急性非治癒創傷(化学火傷)を罹患している。眼は、炎症を起こしたままであり、8日後に角膜輪部虚血が依然として存在する(不十分な角膜輪部脈管化を示す)。角膜輪部は、角膜上皮の回復に必要な幹細胞を含む。コネキシン43特異的アンチセンスでの処置後、角膜輪部虚血が20時間以内に発症し、再上皮化が開始された。継続的炎症が血管の持続的枝枯れを引き起こし、角膜輪部虚血を介して傷害を悪化させるということが結論である。コネキシン43アンチセンスでの眼の処置により、炎症反応が軽減され、上皮の回復が誘発された(Qiu et al.,Curr Biol 13:1697−1703,(2003))。しかし、これは亜急性創傷であり、慢性創傷治療が可能であることを意味する(ヒトにおけるこのような創傷は、上皮前縁(leading edge)でのコネキシン43レベルを保持する)ことに留意のこと(Brandner et al.,J Invest Dermatol 122:1310−1320,(2004))。さらに、処置により、血管が回復した。本発明者らは、関連する機構が血管壁におけるさらなるヘミチャネル発現の防止であり、それにより、血管を再成長させると提案する。
【0285】
患者:患者は、25歳の男性であった。彼は、最初に、建設現場での高圧コンクリートホースによる事故後に左目にアルカリ熱傷を負った(コンクリート/アルカリが眼に入り、最初の処置が遅れた)。損傷した眼は、眼の前面(全角膜を含む)を覆う上皮が残存していなかった。
【0286】
初期治療:患者に、10%アスコルビン酸点滴薬、10%クエン酸点滴薬、1%酢酸プレドニゾン(ステロイド)点滴薬、1%シクロペンタレートおよびクロラムフェニコール、および経口ビタミンCおよびデオキシシクリンを滴下した。プレドニゾンを、最初の5日間は1時間毎に送達させ、その後、用量を1日に4回に減少させた。
【0287】
4日目に、羊膜を角膜に縫い付けた。
【0288】
コネキシン43アンチセンス処置(0日目):傷害から8日後に、患者は依然として炎症度が高く、角膜輪部虚血を発症し、上皮回復の兆しはなかった。患者の眼を救うことができるいかなる実行可能な代替法も存在しないことに基づいて、倫理上の承認を得た。他の眼は、円錐角膜の徴候があり、したがって、後日の角膜輪部移植に適切ではなかった。傷害を負った眼を、外科的に除去するか、「結合眼(conjunctive eye)」になる(白色の鞘の形態の角膜が眼上に成長して患者が盲目になる)。
【0289】
コネキシン43アンチセンスを含む30%F−127プルロニックゲルを、カテーテルニードルを使用して、羊膜の下の角膜のいずれかの側の2つの位置に注射した。約100μlの2μMの抗コネキシン43を注射し、綿棒を用いて羊膜上の角膜周囲に穏やかに広げた。注射したゲルを冷却し、その直後に軟質ゼリー状の物質に固化した。
【0290】
治療によるいかなる潜在的な副作用も回避するために、患者を、全ての他の治療対象から8日間外した。次いで、患者を、ステロイド点滴(1日3回)、シクロペンタレート(1日1回)、およびアスコルビン酸塩、クエン酸塩、クロラムフェニコールの点滴(それぞれ、1日4回)に戻した。
【0291】
コネキシン43アンチセンス処置(1日目):コネキシン43アンチセンス処置から20時間以内に、眼は、実質的に鎮静され(炎症の軽減)、上皮は、3つの位置で成長して元に戻った。角膜輪部は、十分に脈管化し、血流は良好であり、角膜輪部虚血の徴候がなかった(すなわち、治療後20時間以内に角膜輪部に全血流が戻った)。
【0292】
コネキシン43アンチセンス(3日目):コネキシン43アンチセンス処置から72時間後以内に、患者は改善し続けた。眼は鎮静し、角膜輪部の血液供給は優れており、上皮は、360度成長して元に戻った。片側に、薄層状に爬行した(lamellapodial crawling)小領域が認められたが、角膜周囲の残りの領域は、内側に向けて良好に成長した。
【0293】
コネキシン43アンチセンス処置(6日目):処置から6日目以内に(傷害から14日後)、上皮は完全に回復したが(完全に成長した)、所々がわずかに粒状になり、恐らく、所々が斑点状であるか薄くなっていた(羊膜を通した目視で評価した)。角膜輪部は、依然として十分に脈管化し、血流は完全であった。
【0294】
処置から40日後、患者は化学火傷からの優れた回復力を示し、肉眼で6/48、ピンホールで6/15の視力を示した。上皮の2/3が完全に健康であり、周辺の1/3がいくらか結膜が成長したが、瞳孔を被覆せず、脈管化しなかった。角膜輪部が非常に良好に脈管化した。
【0295】
視神経障害
視神経の発作としても公知の虚血性視神経症(ION)は、視神経への血液供給に影響を与える一連の疾患である。IONを、位置または原因論に基づいて分類することができる。前ION(AAOIN)は、篩板の前の神経セグメントに影響を与える疾患をいい、反対側は後ION(PION)に当てはまる(Buono et al.,Survey of Ophthalmology 50:15−26,(2005);Collignon et al.,Ophthalmology 111:1663−1672,(2004))。PIONは、一般的にあまり認められず、視神経の眼窩内部分の梗塞によって生じ、巨細胞性動脈炎(GCA)または外科的手順の続発性合併症に起因する可能性が最も高いと考えられる(Buono and Foroozan,2005;Ho et al.,Journal of Neurosurgical Anesthesiology 17:38−44,(2005))。IONを、原因論に基づいて、動脈性(動脈性ION)および非動脈性(NAION)に分類することもできる。動脈性IONは、常にGCAによって生じ、通常、後毛様体動脈の血栓性閉塞を発症し、それにより、視神経の他の動脈が同時に閉塞し得る(Galasso et al.,Seminars in Ophthalmology 19:75−77,(2004))。NAIONは、1年間に10,000人あたり2.3人が発症する非緑内障性視神経症の最も一般的な形態である(Collignon−Robe et al.,Ophthalmology 111:1663−1672,(2004))。GCAは、炎症性巨細胞数の増加によって特徴づけられる脳内の大血管および中血管の慢性脈管炎である(Buono et al.,Survey of Ophthalmology 50:15−26,(2005);Khosla et al.,Journal of Postgraduate Medicine 50:219−221,(2004);Penn et al.,Autoimmunity Reviews 2:199−203,(2003))。失明は一般的ではないが、視神経を供給する前の血管の閉塞による続発性合併症として発症し、しばしば不可逆性である(Khosla et al.,2004)。西洋諸国におけるGCAの発生率は、10,000人あたり1〜30人の範囲であり、50歳を超える集団では有病率ははるかに高い(Penn and Dasgupta,2003)。
【0296】
IONの典型的な結果は、軸索神経路の変性であり、視力低下または失明を伴う(Buono et al.,2005;Khosla et al.,2004;Penn and Dasgupta,2003)。
【0297】
従来のION治療は、副腎皮質ステロイドおよび抗血小板薬の投与を含むが(Arnold et al.,Seminars in Ophthalmology 17:39−46,(2002))、これらの薬物で治療された患者からこの疾患の有意な改善は証明されていない。
【0298】
視神経では、星状細胞および乏突起膠細胞は、コネキシン分子を発現する。コネキシン43は、星状細胞中に豊富に認められ、潜在的に種々の疾患過程に関与する。視神経中の血管内皮細胞もコネキシン43を発現する。
【0299】
この研究では、視神経虚血をex vivoモデルで誘導し、神経セグメントを、30%F−127プルロニックゲルまたはコントロールゲル中に送達させたコネキシン43特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理した器官型培地に入れた。
【0300】
組織調製物
出生後21〜25日(p21〜p25)のウィスターラットを使用した。ウィンナーラットを、二酸化炭素の過剰投与によって屠殺し、正中方向に開頭し、小脳に対して尾側の脳領域を切り出し、破棄した。次いで、嗅葉下を切開して、視神経の頭蓋内領域を露呈させた。視神経交叉および視神経管の終点にわたる約0.3〜0.5mmの視神経を、この方法によって得ることができる。次いで、下記のように、神経を、虚血に供した。
【0301】
IONプロトコールの生きた器官型培養モデルは、CNS虚血について研究しているSundstrom et al.,Drug Discovery Today 10:993−1000,(2005)から示唆された。実験前に、グルコースおよびグルタミンを含まないファルコンチューブ中に調製した10mLの培地に、95%Nおよび5%COの気体混合物を30分間バブリングして全酸素を除去した。切開した視神経を、酸素グルコース枯渇(OGD)溶液に移し、パラフィルムおよびセロファンでシールした。視神経を、虚血溶液中にて37℃で2時間インキュベートし、その後、必要な期間器官型培養条件に戻した。
【0302】
静止期培養法を使用した。OGD液中でのインキュベーション後、視神経を、半多孔質膜上におき、B27サプリメント、D−グルコース、L−グルタミン、および抗生物質(Gibco,USA)を含む6ウェルプレートに入れた。アンチセンス処置のために、10μMのコネキシン43翻訳ブロック(translational block)に特異的なAS−ODNを含む7μLのプルロニックF−127ゲル(#P2443,Sigma,USA)を、各視神経を被覆するために投与した。この量は、組織を過剰浸水することなく全セグメントを被覆するのに十分であった。ゲルのみおよびコントロール群のために、同量(7μL)のプルロニックF−127ゲルおよび培地を、それぞれ神経に適用した。次いで、37℃、5%COに設定したインキュベーターに培養プレートを入れた。この培養技術の主な利点は、確実に上から常に酸素が供給される一方で、栄養が下から拡散することである。
【0303】
培養後、神経を、1×PBS(#BR14,oxoid,England)で15分間リンスし、4%パラホルムアルデヒド(PFA)中で約2時間固定し、その後、20%および30%のスクロースを含むPBSに通すことによって凍結を防止した。次いで、神経を、さらなる処理の準備ができるまで15%スクロースを含むPBS中に保存した。組織を切片にするために、視神経を、OCT(#4583,Tissue Tek(登録商標),USA)に包埋し、−20℃で凍結し、その後に長手方向に厚さ14μmおよび18μmの切片に切断した。スライスを、Histobondスライド(#0810001,Marienfeld,Germany)上に回収し、さらなる処理のために−80℃の冷凍庫中に保存した。
【0304】
腫脹(浮腫)を、上記由来の視神経の写真撮影および測定((培養領域−元の領域)/元の領域)によって評価し、腫脹率を得た。細胞死を、損傷細胞の核を標識するためのヨウ化プロピジウムを使用して評価した。神経の切断末端付近および神経の中間領域の細胞死を評価した。
【0305】
図11は、虚血性傷害後に6時間および24時間培養したアンチセンスおよびコントロール処置視神経の用量応答曲線を示す。図11Aは腫脹率を示し、図11Bは、神経の切断末端(前)および中間領域でのヨウ化プロピジウム数を使用して評価した細胞死を示す。浮腫は、特に、本発明者らが以前に脊髄研究において圧挫創に至適であることを示した(非公開)10μmolの濃度で、コネキシン43アンチセンスを使用した神経で減少する。神経の切断末端および中間領域の細胞死は、アンチセンスを使用して減少し、それにより、用量依存様式で両領域中の死細胞数が減少する。
【0306】
以下の図12は、腫脹(浮腫)の減少が長期間維持されることを示す。図13は、虚血誘導から2、6、および24時間後のコントロールおよびコネキシン43特異的AS−ODN処置視神経セグメントの中間領域中の死細胞のヨウ化プロピジウム染色を示す。3つ全ての時点でコントロールと比較した場合、コネキシン43特異的AS−ODN処置群で染色はほとんど認められなかった。図13中の線グラフは、コントロールおよびAS−ODN処置視神経についての神経の中間領域中の単位領域あたりの死細胞数を示す。コントロール群の死細胞は、最初に増加し、6時間後にピークに達し、その後わずかに減少する(おそらく、単位領域あたりより少ない細胞を放出する組織浮腫に起因する)。培養24時間後でさえもほんのわずかな死細胞数の増加は、AS−ODN処置組織で認められた。
血管セグメント長−フォン・ヴィレランド因子染色
虚血モデルにおけるコントロールおよびコネキシン43特異的アンチセンス処置視神経中のコネキシン発現血管によって血管完全性が妥協されることを証明するために、フォン・ヴィレランド因子(内皮細胞マーカー)で標識した。血管が崩壊するにつれてより小さなセグメントの増加を計数し、セグメント長を測定することができる。切片あたりの血管の平均の長さおよび数を、各時点で2匹の動物から得た6つの個別の切片中の60を超える血管で調査した。
【0307】
平均して、コントロール中の血管セグメント数は、調査した中で最も長い時点以外の全ての時点で、コネキシン43特異的AS−ODN処置神経よりも少なかった(表8)。棒グラフ(図14)は、コネキシン43特異的AS−ODN処置視神経の平均血管長が最初の3日間を通して比較的一貫していたが、6日目までに約30%まで低下し始めたことを示す。コントロール群で類似の一過性パターンが認められたが、全ての時点で平均血管セグメント長はアンチセンス処置群よりも有意に短い。
【0308】
表8
【0309】
【表8】

表Bは、コントロールおよび処置群で計数した平均血管セグメント数を示す。最初の3日間では、AS処置群は、平均して、コントロールと比較して、血管セグメントが28〜50%少ない。たった6日後に、器官型培養で、AS処置神経はコントロールよりセグメント数が多く、血管が24%多い。培養期間の拡大により、その時まで効果を有し得る。
【0310】
本実施例は、視神経虚血後のコネキシン43発現の防止により、浮腫(腫脹の減少)、病変拡大(元の損傷領域から離れた単位領域あたりの死細胞数)、および血管分解が減少することを示す。したがって、これは、実施例1で報告した様式(脊髄)に類似の様式で挙動する。同一の浮腫および血管の喪失がin vivo研究で報告されているので(Bernstein et al.,Invest Ophthalmol Vis Sci 44:4153−4162,(2003))、これは治療に応用される。
【0311】
本明細書中に参照または言及している全ての特許、刊行物、科学論文、ウェブサイト、他の書類、および試料は、本発明に属する当業者の能力レベルを示し、これらの各参照書類および試料は、その全体が個別に参考として援用されるかその全体が本明細書中に記載されるのと同一の範囲で本明細書中に参考として援用される。出願人は、任意のこのような特許、刊行物、科学論文、ウェブサイト、電子的に利用可能な情報、および他の引用した試料または書類から得た任意および全ての試料および情報を本明細書中に物理的に援用する権利を保留する。
【0312】
本明細書中に記載の特定の方法および組成物は、好ましい実施形態の代表および例示であり、本発明の範囲を制限することを意図しない。当業者によって、本明細書を考慮して、他の目的、態様、および実施形態が得られ、これらは、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神の範囲内に含まれる。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書中に開示の本発明の種々の置換形態および修正形態を得ることができることが当業者に容易に明らかである。本明細書中に例示的に記載した発明を、任意の要素の非存在下または制限された状態で実施することができ、これらは、必要に応じて本明細書中に特に開示されていない。したがって、例えば、本明細書中のそれぞれの場合、本発明の実施形態または実施例で、用語「〜を含む」、「〜から本質的になる」、および「〜からなる」のいずれかを、本明細書中の他の2つの用語のいずれかと置換することができる。また、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などは、拡張的に読み取るべきであり、制限されない。本明細書中に例示的に記載された方法および過程を、工程の異なる順序で実施することができ、これらの過程は、本明細書中または特許請求の範囲に示した工程の順序に必ずしも制限されない。また、本明細書中および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」、および「the」には、他で明確に示さない限り、複数形が含まれる。本特許は、どのような状況においても、本明細書中に具体的に開示した特定の実施例、実施形態、または方法に制限されると解釈されない。本特許は、どのような状況においても、特許商標庁の審査官または任意の他の職員もしくは被雇用者が作製した書面が、具体的且つ留保または限定されることなく、出願人によって作成された応答書で明確に採用されない限り、特許商標庁の審査官または任意の他の職員もしくは被雇用者が作製したいかなる書面に制限されると解釈されない。
【0313】
使用した用語および表現は、説明のために使用したが、本発明を制限せず、表示および記載した特徴またはその一部の任意の等価物を排除するためにこのような用語および表現を使用することを意図しないが、特許請求の範囲に記載の発明の範囲内で種々の修正が可能であると認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態および最適な特徴によって具体的に開示されているが、当業者は本明細書中に開示の概念の修正および変形を行うことができ、このような修正形態および変形形態は添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であると見なされると理解される。
【0314】
本発明を、本明細書中に広範且つ一般的に記載している。一般的開示内に分類されるそれぞれのより狭い種(species)および亜属(subgeneric)も本発明の一部を形成する。これには、切除した材料が本明細書中に具体的に引用されているかどうかに関係なく、属由来の任意の主題を除いた条件付きまたは消極的な限定を含む本発明の一般的記載が含まれる。
【0315】
他の実施形態が以下の特許請求の範囲内に含まれる。さらに、本発明の特徴または態様をマーカッシュ形式で記載する場合、当業者は、本発明が、マーカッシュ形式により、マーカッシュグループの任意の個別のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても記載されていると認識する。
[配列表]














































【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−107065(P2012−107065A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−47133(P2012−47133)
【出願日】平成24年3月2日(2012.3.2)
【分割の表示】特願2007−553747(P2007−553747)の分割
【原出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(507261526)コーダ セラピューティクス リミテッド (2)
【Fターム(参考)】