説明

抗ムスカリン活性を有するアゾール誘導体

本発明は、ムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患、特にM3ムスカリン性受容体媒介疾患を治療するための式(I)
【化1】


[式中、R1、R2、x、X、YおよびBは、説明の中で定義する如くである]
で表される化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗ムスカリン性化合物、特にアゾール誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
抹消および中枢神経系の中のコリン作動性ニューロンから放出される神経伝達物質であるアセチルコリンは、主要な2種類のアセチルコリン受容体、即ちニコチン性およびムスカリン性アセチルコリン受容体と相互作用することで数種の生物学的プロセスに影響を与える。ムスカリン性受容体はG蛋白共役受容体(GPCR)スーパーファミリーの員であり、アセチルコリンによって活性化する5種類の受容体サブタイプ (M1, M2, M3, M4, M5)で構成されている。そのような受容体は複数の器官および組織の中に幅広く分布していて、中枢および抹消コリン作動性神経伝達の維持にとって重要であり、かつ興奮作用と抑制作用の両方を媒介し得る。そのような受容体サブタイプの分布の研究および実証が成され、例えばM1 サブタイプは主に神経組織(大脳皮質、自立神経節)の中で発現し、M2 サブタイプは主に心臓の中に存在し(コリン作動的に誘発される徐脈を媒介し)、一方、M3サブタイプは主に平滑筋(気道、膀胱、胃腸管)および唾液腺の中に存在する(非特許文献1、2)。各受容体サブタイプはユニークな薬理学的特性を示す(非特許文献3)。
【0003】
ムスカリンの種類の作動薬および拮抗薬の治療および医薬的面が記述された(非特許文献4)。
【0004】
いろいろな病態生理学的状態に関してムスカリン性アセチルコリン受容体不全が注目された。
【0005】
例えば、M3受容体サブタイプ刺激増大が膀胱過収縮による失禁を媒介することが立証された;
過敏性腸症候群(IBS)で胃腸管が炎症を起こすと結果としてM3媒介過剰運動がもたらされる。
【0006】
喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、炎症状態によって、肺平滑筋を供給する副交感神経に対する阻害性M2 ムスカリン性アセチルコリン自己受容体機能の損失がもたらされ、それが原因で迷走神経が刺激されることでアセチルコリン放出量が多くなる。そのような不全の結果としてM3刺激増大が媒介する気道過敏がもたらされる。ウイルス感染、オゾンへの暴露または抗原吸入後に迷走神経媒介型反射性気管支収縮の度合が増大することが見られる。あらゆるケースで、迷走神経終末に対する阻害性M2 ムスカリン性受容体の不全がアセチルコリン放出量増加の一因になり得る。喘息発作が引き金になって起こる反射性気管支収縮が増大することから、抗コリン作動性化合物は、特に、例えば急性喘息などで用いるに有用であり得る。抗コリン作動性医薬(選択的M3拮抗薬を包含)を向上させることができれば、そのような反射作用の有効な遮断がもたらされるであろう。
【0007】
ムスカリン作動薬(ピロカルピン)および拮抗薬(アトロピン)は一世紀以上に渡って知られてはいるが、受容体サブタイプに選択的な化合物を見いだすことに関する進展はほとんどなくかつ臨床で用いられる抗ムスカリン性化合物の数は副作用が大きいことが理由で比較的少ない。例えば、ムスカリン拮抗薬、例えばアトロピンなどは効力のある気管支拡張薬ではあるが、抹消および中枢副作用、例えば頻脈、かすみ目、口の渇き、便秘などの高い罹患率が理由でそれらの臨床使用は限られている。その結果として、アトロピンの第四級誘導体、例えばイプラトロピウム(非特許文献5)など、またはスコピンの他の第四級誘導体、例えばチオトロピウム(非特許文献6、7)が開発されたことで、許容性がより高い薬剤を同定する方法がもたらされた。それにも拘らず、それらは大部分が理想的な抗コリン作動性気管支拡張薬ではない、と言うのは、ムスカリン性受容体サブタイプに対する選択性が不足しているからである。
【0008】
抗炎症および気管支拡張活性を有する3−置換オキサゾリジンジオンが特許文献1に開示されている。
【0009】
ムスカリン活性を有するアゾール誘導体が特許文献2に開示されている。
【0010】
アゾール誘導体が選択的ニューロキニン拮抗薬として特許文献3に開示されている。
【0011】
4−イミダゾリン−2−オン誘導体が薬剤、特に抗炎症薬として用いるに有用なMAPキナーゼ阻害薬として特許文献4に開示されている。
【0012】
オキサゾリジン−2−オンが呼吸器疾患、例えば喘息などの治療で用いるに有用なケモカイン受容体CCR8阻害薬として特許文献5に開示されている。
【0013】
ジアレパノン誘導体が頭痛、片頭痛および群発頭痛で用いるに有用なCGRP受容体拮抗薬として特許文献6に開示されている。
【0014】
従って、それにも拘らず、個々のサブタイプと相互作用する能力を有することで副作用の発生を回避する高度に選択的なムスカリン拮抗薬が求められている。
【0015】
【特許文献1】米国特許第2954381号
【特許文献2】WO 99/32481
【特許文献3】WO 01/44200
【特許文献4】WO 03/035638
【特許文献5】WO 04/032856
【特許文献6】WO 05/072308
【非特許文献1】Nature, 1986, 323-411
【非特許文献2】Science, 1987, 237-527
【非特許文献3】The Muscarinic Receptors, The Humana Press, Inc., 1989, Clifton, NJ
【非特許文献4】Molecules 2001, 6-142
【非特許文献5】Molecules, 2001, 142-193
【非特許文献6】Molecules, 2001, 142-193
【非特許文献7】Eur. Resp. J. 1993, 1031-1036
【発明の開示】
【0016】
発明の詳細な記述
本発明は、ムスカリン性アセチルコリン受容体媒介疾患、特にM3受容体媒介疾患を治療するための式(I)で表される化合物またはこれらの製薬学的に受け入れられる塩に関する。
【0017】
本発明は、一般式(I)
【0018】
【化1】

【0019】
{式中、
R1 は、直鎖もしくは分枝 C1-C7 アルキル;C3-C7 シクロアルキル;フェニル,ベンジル,フェニルオキシメチル、または任意に、下記の基: F, Cl, Br, 直鎖もしくは分枝 C1-C6 アルキル, C3-C6 シクロアルキル, メチレンジオキシ, エチレンジオキシ, ビニル, CF3, NO2, CN, COOH, OCF3, CH2OR4, OR4, NR4R5, SO2NR4R5, CONR4R5, SR4, SO2R4, COR4[ここで、R4 は、H, 直鎖もしくは分枝 C1-C6 アルキル, フェニル, ベンジル、または任意に、F, Cl, Br, 直鎖もしくは分枝 C1-C6 アルキル, C3-C6 シクロアルキル, メチレンジオキシ, エチレンジオキシ, ビニル, CF3, NO2, CN, CH2OHで置換されていてもよい単もしくは縮合複素環であり、そしてR5 は、H, 直鎖もしくは分枝 C1-C7 アルキル, CO-(直鎖もしくは分枝 C1-C7 アルキル)であるか、或はR4 とR5 が原子数が8以下の単もしくは縮合複素環を形成していてもよい]の中の1個以上で置換されていてもよい単もしくは縮合複素環を表し、
x は、
【0020】
【化2】

【0021】
が二重結合の時には0 であり、そして
【0022】
【化3】

【0023】
が単結合の時には1 であり、
R2 は、Hであるか、或はR1と同じ意味を有し、
Y は、C=O;CHOH;(CH2)m[ここで、mは1から3の整数である]、またはCH基を表し、
X は、硫黄またはNR7 基[ここで、R7 は、水素またはG-R6 基(ここで、Gは、CO, SO2, (CH2)n, (CH2)nCONHから選択され、ここで、nは0-3であり、そしてR6 は、H,COOH 基であるか、或はR1と同じ意味を有する)である]を表し、
B は、下記の基:
a1)
【0024】
【化4】

【0025】
[ここで、AおよびA’は、互いに独立して、水素, 直鎖もしくは分枝 C1-C4 アルキル基を表し、ここで、mは0-2であり、そしてR3 は、M-R6 基(ここで、M は、CO, CONH, SO2, (CH2)n, (CH2)nCONHから選択され、ここで、 nは1-3であり、そしてR6は、H, COOH基であるか、或はR1と同じ意味を有する)である]
a2)
【0026】
【化5】

【0027】
[ここで、AおよびA’は、互いに独立して、水素, 直鎖もしくは分枝 C1-C4 アルキル基を表し、ここで、mは0-2であり、そしてR3 は、M-R6 基(ここで、Mは、CO, CONH, SO2, (CH2)n, (CH2)nCONHから選択され、ここで、nは0-3であり、そしてR6 は、H, COOH基であるか、或はR1と同じ意味を有する)である]
b)
【0028】
【化6】

【0029】
[ここで、R6, mおよびnは、この上で定義した通りである]
c)
【0030】
【化7】

【0031】
[ここで、
R6, m およびnは、この上で定義した通りであり、そしてR8 は、R1と意味を有するか、或は(CH2)nR6 とR8がこれらの結合している窒素原子と一緒になって任意に、フェニル環で置換されていてもよいか或は任意に、ベンゼン環または単もしくは縮合複素環と縮合していてもよい4から7員の複素環式環を形成しており、そして
Z- は、製薬学的に受け入れられるアニオン、好適には塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、しゅう酸塩、こはく酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩、より好適には塩化物、臭化物、蟻酸塩、トリフルオロ酢酸塩またはメタンスルホン酸塩から選択される製薬学的に受け入れられるアニオンである]
の中の1つから選択される}
で表される化合物に関する。
【0032】
用語「単もしくは縮合複素環」は、各環中に環原子を5から10個含有しかつS, N, Oから選択されるヘテロ原子を4個以下の数で含有する複素環式環を意味し、これを、ピロール,ピラゾール,フラン, チオフェン, インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリンおよびあらゆる相当する飽和および部分飽和複素環から選択する。
【0033】
より好適には、そのような複素環式環をチオフェン、ベンゾチオフェン、フラン、ピリジンから選択する。
【0034】
式 (I)で表される化合物の1番目の好適な群は、式 (IA)
【0035】
【化8】

【0036】
{式中、
B は、式 (IIa)
【0037】
【化9】

【0038】
[ここで、AおよびA’は好適には水素原子であり、ここで、mは0-2であり、そしてR3は、好適には、M-R6基(ここで、Mは(CH2)n であり、ここで、nは 1であり、そしてR6は、水素、置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環である)である]
で表される基;または
式 (IIb)
【0039】
【化10】

【0040】
[ここで、R3は、好適には、M-R6 基(ここで、Mは(CH2)n であり、ここで、nは 1であり、そしてR6は、水素, メチル, 置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環である)である]
で表される基;または
式 (IId)
【0041】
【化11】

【0042】
[ここで、R3 は、好適には、M-R6基(ここで、M は(CH2)nであり、ここで、nは 1であり、そしてR6は、水素, メチル, 置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環である)である]
で表される基;または
式 (IIn)
【0043】
【化12】

【0044】
で表される基、または
式 (IIq)
【0045】
【化13】

【0046】
で表される基である}
で表される化合物の群である。
【0047】
式 (IIn)および(IIq)で表される基に関して、AおよびA’は好適には水素であり、m は0-1であり、nは1であり、R6は水素, メチル, 置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環であり、そしてR8はメチル, 2-チエニル-プロピル, シクロヘキシルメチル, 2-N,N-ジメチルアミノエチル,2-テトラヒドロフリルメチル, カルボキシメチル, 2-(5-アミノピリジニルメチル),2-(SO3H)-エチルから選択されるか、或は(CH2)nR6とR8がこれらが結合している窒素原子と一緒になって下記の基:
【0048】
【化14】

【0049】
の中の1つを形成している。
【0050】
その上、式 (IA)で表される化合物に関して、
R1 を好適には任意に、この上で定義した如く置換されていてもよいフェニル,シクロペンチル; シクロヘキシル; ベンジル; 2-チエニルおよび水素から選択し、
R2 を好適には水素, 任意に、この上で定義した如く置換されていてもよいフェニル、任意に、この上で定義した如く置換されていてもよいフェノキシメチル,シクロヘキシル; 2-チエニルおよびメチルから成る群から選択し、そして
R7 は好適には水素またはG-R6基[ここで、G は(CH2)n であり、ここで、nは 1であり、そしてR6 はメチル, 置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環である]である。
【0051】
式 (I)で表される化合物の好適な2番目の群は、式 (IB)
【0052】
【化15】

【0053】
{式中、
R7 は水素であり、
B は、式 (IIa)
【0054】
【化16】

【0055】
[ここで、AおよびA’は、好適には、水素原子であり、ここで、mは0-1であり、そしてR3 は、好適には、M-R6 基(ここで、Mは(CH2)nであり、ここで、nは 1であり、そしてR6 は、水素、または置換されているフェニル、または単もしくは縮合複素環である)である]
で表される基、または式 (IIn)
【0056】
【化17】

【0057】
で表される基、または式 (IIq)
【0058】
【化18】

【0059】
で表される基である}
で表される化合物の群である。
【0060】
式 (IIn)および(IIq)で表される群におけるAおよびA’は、好適には、水素であり、mは0-1であり、nは1であり、R6 は、水素、メチル、置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環であり、そしてR8 は、メチル,2-チエニル-プロピル, シクロヘキシルメチル,2-N,N-ジメチルアミノエチル, 2-テトラヒドロフリルメチル, カルボキシメチル, 2-(5-アミノピリジニルメチル), 2-(SO3H)-エチルから選択されるか、或は(CH2)nR6とR8がこれらが結合している窒素原子と一緒になって下記の基:
【0061】
【化19】

【0062】
の中の1つを形成している。
【0063】
式 (I)で表される化合物の3番目の好適な群は、式 (IC)
【0064】
【化20】

【0065】
{式中、
Bは、式 (IIa)
【0066】
【化21】

【0067】
で表される基、または式 (IIf)
【0068】
【化22】

【0069】
[ここで、AおよびA’は、好適には、水素であり、ここで、mは0-1であり、そしてR3は、M-R6 基(ここで、Mは(CH2)n であり、ここで、nは 1-3であり、そしてR6は水素,置換もしくは非置換フェニル, フェノキシ, シクロヘキシルまたは単もしくは縮合複素環である)である]
で表される基、または式 (IIb)
【0070】
【化23】

【0071】
[ここで、R3 は、好適には、M-R6基(ここで、Mは(CH2)n であり、ここで、nは 0または1であり、そしてR6 は、水素、置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環である)である]
で表される基、または式 (IId)
【0072】
【化24】

【0073】
[ここで、R3 は、好適には、M-R6基(ここで、Mは(CH2)nであり、ここで、nは 1であり、そしてR6は、水素、メチルまたは置換フェニルまたは縮合複素環である)である]
で表される基、または式 (IIn)
【0074】
【化25】

【0075】
で表される基、または式 (IIq)
【0076】
【化26】

【0077】
で表される基または式 (IIp)
【0078】
【化27】

【0079】
で表される基である}
で表される化合物の群である。
【0080】
式 (IIn),(IIq)および(IIp)で表される群におけるAおよびA’は、好適には、水素であり、mは0-2であり、nは1-3であり、R6は水素, フェニル, 単もしくは縮合複素環,または任意に、SR4, SO2R4, CN, OR4, COR4, CONHR4(ここで、R4は、任意に、置換されていてもよいフェニル, ベンジル, 2-もしくは-3-チエニル, 2-, 3-もしくは4-ピリジニル, C1-C4アルキルから選択される)で置換されていてもよいC1-C4 アルキルであり、そしてR8 は、メチル, 2-チエニル-プロピル, シクロヘキシルメチル, 任意に、置換されていてもよいベンジル, フェノキシエチル, 2-N,N-ジメチルアミノエチル; 2-テトラヒドロフリルメチル, カルボキシメチル, 2-(5-アミノピリジニルメチル), 2-(SO3H)-エチルから選択されるか、或は(CH2)nR6とR8がこれらが結合している窒素原子と一緒になって下記の基:
【0081】
【化28】

【0082】
の中の1つを形成している。
【0083】
式 (IC)で表される化合物に関して、
R1 を、好適には、任意に、この上で定義した如く置換されていてもよいフェニル,シクロペンチル, シクロヘキシル,ベンジル,2-チエニルから選択し、
R2 を、好適には、水素、任意に、この上で定義した如く置換されていてもよいフェニルもしくはフェノキシメチル,シクロペンチル; シクロヘキシル; 2-チエニルおよびメチルから成る群から選択し、そして
R7 は、好適には、水素またはG-R6基[ここで、Gは(CH2)nであり、ここで、nは 1であり、そしてR6 は、水素,メチル,置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環である]である。
【0084】
式 (I)で表される化合物の4番目の好適な群は、式 (IE)
【0085】
【化29】

【0086】
{式中、:
R1 はフェニルであり、
R7 はG-R6 基[ここで、Gは(CH2)nであり、ここで、nは 1であり、そしてR6 はフェニルである]であり、そして
B は、好適には、式 (IIa)
【0087】
【化30】

【0088】
で表される基、または式 (IIb)
【0089】
【化31】

【0090】
で表される基であり、ここで、R3は、この上で定義した通りであり、好適には、M-R6 基[ここで、Mは(CH2)n であり、ここで、nは 0-1であり、そしてR6 は水素, 置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環である]である}
で表される化合物の群である。
【0091】
本発明の化合物の調製は、以下のスキーム 1-9に記述する合成経路に従って実施可能である。スキーム 3-7 および9では、ピペリジン誘導体[mは1の式 (IIa)に相当する]を用いて合成経路を例示した。(IIa) (式中、mは0-2)、IIb, IIc, IId, IIeを持つ本発明の化合物を調製する場合にも同じ合成経路を用いることができる。
【0092】
X = NR7でY = COの場合の中間的ヒダントイン誘導体 (1)および(2) の調製は文献(Page, P.他, Tetrahedron 1992, 48, 7265-7274; Stalker, R.A.他, Tetrahedron 2002, 58, 4863-4839)に記述されている方法に従って実施可能であり、その合成で用いる代表的な合成経路をスキーム 1に報告する。X = NHのヒダントイン誘導体 (1)の調製では、相当するケトン(3a)を用いて出発して、シアン化カリウムおよび炭酸アンモニウムとのBucherer-Bergs反応を密封型ステンレス鋼製管の中で高温で起こさせることでか、或は別法として、相当するジケト誘導体(3b)を尿素および水酸化カリウムと一緒にエタノール中で用いることで調製を実施した。
【0093】
2番目の手順では、同じ誘導体 (1)の調製を、相当するアミノ酸の第一級アミド (4)に尿素を用いた環化をBucherer-Bergs反応 (Davies, M.A.他, J. Med. Chem. 1964, 7, 439-445)に関して記述された条件と同じ条件で起こさせることで実施した。前記アミノ酸の調製は文献に記述されている如く実施可能であり、例えばケト酸誘導体 (5)を用いて出発してこれをグリニヤール試薬と反応させてR2 置換基を導入し、そのようにして得たヒドロキシルエステルをアンモニアと一緒に密封型管内で加熱することでアミノアミド (4)に変化させることができる (Turner, W.B.他, J. Chem. Soc Perkin Trans. 1967, 2225-2228)。
【0094】
R7 ≠ Hの置換ヒダントイン誘導体(2)の調製では、アミノ-アミド誘導体(4)をZが適切な脱離基である適切な反応体R7-Zと反応させることで誘導体(6)の場合と同様にアミノ基に官能化を受けさせる(アミノ基の反応性に関する一般的論評に関してはSmith, M.B., March, J. Advanced Organic Chemistry, Wiley, 2001を参照)。次に、化合物(1)に関して記述したように、ヒダントインを生じさせる環化を尿素を用いて密封型環内で起こさせるか、或は別法として、相当するp-ニトロフェニルカルバメートを生じさせた後に水酸化ナトリウムを用いて環化を起こさせることによる2段階でヒダントインを得る (De Lucca, G. V. 他, J. Med. Chem. 2002, 45, 3794-3804)。
【0095】
【化32】

【0096】
Y = OでX = O, Sの複素環式中間体、例えば(7)または(8)などの調製では、スキーム2に示す合成経路に従った。
【0097】
ケト−エステルまたはチオ−ケトエステル誘導体(9)とグリニヤール化合物を文献(Mayrargue, J. 他., Bull. Soc. Chim. Fr. 1984, 129-132)に記述されているように反応させることで相当するα-ヒドロキシもしくはα-メルカプトエステルを得た。そのエステルにアンモニアを用いた処理を60℃のメタノール中で受けさせることでそれを第一級アミド(10)に変化させた。尿素と一緒に密封型管内で加熱することで環化を起こさせるか、或は別法として、p−ニトロフェニルカーボネート(またはチオカーボネート)を生じさせた後に水酸化ナトリウムを用いて環化を起こさせることを伴う2段階手順で環化を起こさせる。
【0098】
【化33】

【0099】
X = S, NR7の中間体(1), (2), (8)の3位に位置する窒素原子の所にさらなる官能化をスキーム3に記述する如く受けさせることで中間体(11)を生じさせた。アミノ基の所が保護基(PG)、例えばt−ブチルオキシカルボニル(BOC)またはベンジルオキシカルボニル(Cbz)誘導体などでか或は別法としてベンジルまたはメチル誘導体として適切に保護されているアミノ−アルコールで構成させた反応体(12)と中間体(1), (2), (8)をヒダントインまたは同様な化合物に関して文献(Pelletier, J.C. 他, Tetr Lett. 2001, 41, 797-800)に記述されている如き光延反応で反応させることで(11)を得た。
【0100】
いろいろな合成経路を用いて、中間体 (1), (2), (8)の3位の所の窒素に脱プロトンを受けさせた後にそれをメシレート誘導体(13)またはアルコール基が脱離基として活性化されている同様な誘導体と反応させることでそれらの官能化を達成することができる。文献 (Bentley, J. 他, J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1994, 2, 2531)に記述されているようにして化合物(12)を例えばメシルクロライドおよびトリエチルアミンと塩化メチレン中で反応させることなどで中間体(13)を得ることができる。
【0101】
【化34】

【0102】
その後、中間体(11)の修飾をスキーム 4に記述した如く達成することでY = CHOHまたはY=CHでありそしてR2がYと一緒に結合を形成している誘導体を得た。
【0103】
水素化ナトリウムビス-(2-メトキシエトキシ)アルミニウム(Red-Al)またはLiAlH4とAlCl3 の混合物を用いた還元を室温で実施(Knabe, J.他, Arch. Pharm. (Weinheim), 1993, 326, 331-334)することでヒドロキシ誘導体(14)を得た後、R2= Hの場合、それを穏やかな酸性条件下で不飽和化合物(15)に変化させることができる。誘導体(11)にRed-AlまたはLiAlH4+AlCl3を用いた還元を還流下のTHF中で受けさせることで飽和中間体(16)を得た(Marquez, V.E.他, J. Org. Chem. 1972, 37(16), 2558-2561)。
【0104】
【化35】

【0105】
置換基R3を導入して最終的な化合物 (17), (18), (19), (20), (21)を得るさらなる官能化をスキーム 5に示すようにして達成した。保護基PG、適切にはBOCまたはCBzまたはベンジルまたはメチルの除去を文献に記述されている方法、即ち例えばBOC基の除去ではHClをEt2Oに入れて用い (Stahl, G.L.他, J. Org. Chem.. 1978, 43, 2285)、CBzまたはベンジル基の除去では炭に担持されているパラジウムを用いた水添を実施し(Bergman, M.他, Chem. Ber. 1932, 65, 1192)、メチル基の場合にはクロロ蟻酸α-クロロエチルを用いた処理に続いて水酸化ナトリウムを用いた加水分解を行う(Olofsen, R.A.他, J. Org. Chem. 1984, 49, 2081-2082)ことで実施した。
【0106】
(17)として記述した化合物は最終的化合物であるか或は残基R3を導入するための中間体であると見なすことができる。
【0107】
残基R3の導入は第二級アミノ基の官能化に関して文献に記述されているあらゆる手段を用いて実施可能である、即ちアルキル化、還元アミノ化、アリール化、アシル化、スルホニル化、イソシアニドとの反応で実施可能である(アミノ基の反応性に関する一般的論評に関してはSmith, M.B., March, J. Advanced Organic Chemistry, Wiley, 2001を参照)。
【0108】
R3が窒素原子が第三級アミノ基の性質を維持するようなR3である化合物(18)に有機もしくは無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、しゅう酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸など)を用いた処理を受けさせることによるさらなる官能化を受けさせることでタイプ(19)のアンモニウム塩を得ることができ、また、化合物(18)を第四級アンモニウム塩、例えば化合物(20)に変化(Lim, L.他, Tetr. Lett.1997, 38, 3243)させるか或はN-オキサイド誘導体(21)に変化(Albin, A.他, Heterocyclic N-Oxides, CRC Press, 1991, 31)させることも可能である。
【0109】
【化36】

【0110】
代替合成経路として、スキーム6に示すように、置換基R3を合成の早い方の段階で導入することも可能である。
【0111】
化合物(22)に第二級アミノ基に官能化を受けさせることに関して文献に記述されているあらゆる手段を用いた官能化、即ちアルキル化、還元アミノ化、アリール化、アシル化、スルホニル化、イソシアネートとの反応(アミノ基の反応性に関する一般的論評に関してはSmith, M.B., March, J. Advanced Organic Chemistry, Wiley, 2001を参照)を受けさせることで中間体 (23)を得ることができる。この上に示したスキーム3に記述した手順と同じ手順に従って、化合物(23)と中間体(1), (2)または(8)を光延反応またはアルキル化で反応させることで化合物(24)を得ることができる。そのような化合物は最終的な化合物であり得るか或はそれに還元をこの上に示したスキーム4に記述した手順と同様な手順である程度または完全に受けさせることでそれぞれ最終的化合物(26)または(27)を得ることができる。
【0112】
その上、あらゆる最終的化合物(24), (26), (27)にさらなる官能化をアンモニウム塩としてか、第四級アンモニウム塩としてか或はN−オキサイド誘導体としてこの上に示したスキーム5に記述したようにして受けさせることも可能である。
【0113】
【化37】

【0114】
X=N-R7の最終的化合物の場合には、スキーム7に記述する如き代替合成経路を採用することで、合成の後期段階で置換基R7を導入することができる。
【0115】
最終的化合物であると見なすことができかつこの上に示したスキーム6に記述した如く調製可能な化合物(28) (X=NHの場合)に適切な反応体R7-Z (ここで、Z は適切な脱離基である)を用いたアルキル化またはアリール化またはアシル化またはスルホニル化反応を受けさせてもよい。そのようにして得た最終的化合物(29)をこの上に示したスキーム4に記述したようにして更に反応させることで最終的化合物(30)および(31)を得ることができる。
【0116】
その上、あらゆる最終的化合物(29), (30), (31)にさらなる官能化をアンモニウム塩としてか、第四級アンモニウム塩としてか或はN−オキサイド誘導体としてこの上に示したスキーム5に記述したように受けさせることも可能である。
【0117】
【化38】

【0118】
中間体(37)および(38)の合成に関して、Y=CH2 の場合、スキーム1および2に記述した方法の代替として、以下のスキーム8に記述する如き異なる合成経路を採用することができる。
【0119】
アミノ酸の第一級アミド(4)の調製をスキーム 1に記述した如く実施した。
【0120】
その第一級アミド基に還元を文献 (Challis, B.C.他, TheChemistry of Amides, 1970, Wiley,795; Brown, H.C.他, Tetr. 1992, 41, 996)に記述されている反応条件を用いて受けさせることで第一級アミノ基を生じさせることができ、例えばボラン-ジメチルスルフィド錯体または水素化リチウムアルミニウムなどと反応させることで中間体(33)を得ることができる。別法として、化合物(4)を適切な反応体R7-Z(ここで、Zは適切な脱離基である)と反応させてそれが有する第一級アミノ基に官能化を受けさせることで中間体(34)を得ることができ、その後、それに還元を受けさせることで第一級アミン(35)を生じさせることができる。
【0121】
次に、中間体(33), (35)に環化反応を受けさせることでそれぞれイミダゾリジン(37)および(38)を得ることができる。この環化段階は文献に記述されている手順を用いて実現可能であり、例えばカルボニルジイミダゾール(De Cicco, P.他, Bioorg. Med. Chem. Lett. 1997, 7(18), 2331-2336)またはホスゲンもしくはトリホスゲン(Gawley, R.E.他, J. Org. Chem. 1996, 61, 8103-8112)をカルボニル基源として用いることで実現可能であり、別法として、相当する p-ニトロフェニルカルバメートもしくはカーボネートを生じさせた後に水酸化ナトリウムを用いて環化を起こさせることによる2段階で同じ環化を達成することも可能である(Akiba, T.他, Tetrahedron 1994, 50(13), 3905-3914)。
【0122】
【化39】

【0123】
スキーム 8に記述した様式と同じ様式で、スキーム6に記述した最終的化合物(27)の場合には代替合成経路を採用することも可能である。その合成経路の概略をスキーム 9に示す。
【0124】
アミノ酸のアミド(40)の調製を文献(Challis, B.C.他, The Chemistry of Amides,1970, Wiley,795)に記述されている如く実施、例えば縮合剤、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドおよび1-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどを用いて実施した。
【0125】
そのアミド基に還元を文献(Challis, B.C.他, The Chemistry of Amides, 1970, Wiley,795; Brown, H.C.他, Tetr. 1992, 41, 996)に記述されている反応条件、例えばボラン−ジメチルスルフィド錯体または水素化リチウムアルミニウムなどを用いて受けさせてそれを第一級アミノ基にすることで中間体(42)を得ることができる。この中間体に環化を例えばカルボニルジイミダゾールまたはトリホスゲンなどを用いて受けさせることで最終的化合物(44)を得ることができる。
【0126】
【化40】

【0127】
前記式(I)で表される化合物は抗ムスカリン活性を有し、特に、それらはM3サブタイプと効力のある相互作用を示す。それらはまたムスカリン性受容体M1およびM2に関して異なる選択性を示し、呼吸器、泌尿器または胃腸疾患、例えば喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、咳、肺気腫および鼻炎など、尿失禁、膀胱関連疾患、過敏性腸症候群の治療用製薬学的組成物を製造する目的で使用可能である。
【0128】
本発明の化合物または組成物はいずれかの経路で投与する目的で調製可能であり、好適には、それを単位投与形態またはヒトである患者が彼ら自身に単一の投薬の状態で投与することが可能な形態にする。本組成物は有利に経口、直腸、局所、非経口、静脈内または筋肉内投与に適する。有効成分が徐放されるように製剤を考案することも可能である。
【0129】
通常の方法および賦形剤を用いて標準的な製薬学的組成物を調製することができる。
【0130】
本明細書の以下に示す下記の実験章に本発明をより詳細に例示する。
【0131】
実験章
本発明の化合物がムスカリン性受容体サブタイプM1, M2, M3 に対して示す親和性を放射性リガンド結合検定(以下に記述する如く実施)で測定した。
【0132】
細胞株および膜の調製
ヒトM1, M2 またはM3受容体を発現するCHO−K1クローン細胞(それぞれSwissprot P11229, P08172, P20309)をこれらがCa++/Mg++遊離燐酸塩緩衝食塩水に入っている状態で収穫した後、1500 rpmの遠心分離を3分間実施することで集めた。その沈澱物を氷冷緩衝液A (15 mM Tris-HCl pH 7.4, 2 mM MgCl2, 0.3 mM EDTA, 1 mM EGTA)に入れて再懸濁させた後、PBIポリトロン(politron)(5で15秒間に設定)で均一にした。40000 gの遠心分離を4℃で20分間行う段階を2回連続(緩衝液Aを用いた洗浄段階で分離させた)実施することで粗膜画分を集めた。その得た沈澱物を最終的に緩衝液B (75 mM Tris HCl pH 7.4, 12.5 mM MgCl2, 0.3 mM EDTA, 1 mM EGTA, 250 mM スクロース)に入れて再懸濁させた後、一定分量に分けて-80°Cで貯蔵した。
【0133】
放射性リガンド結合条件
凍結させておいた膜を実験日に緩衝液C (50 mM Tris-HCl pH 7.4, 2.5 mM MgCl2, 1 mM EDTA)に入れて再懸濁させた。非選択的ムスカリン性放射性リガンド[3H]-N-メチルスコポラミン(Mol. Pharmacol. 45:899-907)を用いてM1, M2およびM3結合部位に標識を付けた。結合実験を96穴プレートを用いて0.1-0.3 nMの放射性リガンド濃度で重複(10点濃度曲線)して実施した。非特異的結合の測定を冷N−メチルスコポラミンを10 mM存在させて実施した。サンプル(最終的体積0.75 ml)を室温でM1結合検定の場合には120分間、M2結合検定の場合には60分間そしてM3 結合検定の場合には90分間インキュベートした。GF/B Unifilterプレートに通す迅速濾過の後にPackard Filtermate Harvesterを用いて冷緩衝液Cを用いた2回の洗浄(0.75 ml)を実施することで反応を停止させた。そのフィルターが示す放射能をミクロプレートシンチレーションカウンターTopCount NXT (Camberra Packard)で測定した。
【0134】
製造実施例
手順1−スキーム1に記述した中間体(1)
5-フェニル-5-シクロヘキシル ヒダントイン (1a)の合成
シクロヘキシルフェニルケトン(0.564 g, 3 ミリモル)をステンレス鋼製密封型管の中でエタノールと水が1:1の混合物(20 mL)に溶解させる。シアン化カリウム(0.585 g, 9 ミリモル)および炭酸アンモニウム (3.28 g, 30 ミリモル)を加えた後の混合物を100°Cに18時間加熱する。
【0135】
次に、その反応混合物を室温に冷却し、20 mLの水で希釈した後、0°Cに冷却すると、所望の生成物が白色の固体として沈澱し、それを濾過することで高純度の生成物を0.70 g得る。
【0136】
ヒダントイン誘導体(1b)-(1g)の合成を相当する市販ケトンを用いて出発して同じ手順に従って実施した。化合物(1b)および(1c)の場合には出発ケトン誘導体の調製をReichard, G.A. 他, Org. Lett. 2003 5(23), 4249-4251に記述されている如く実施した。
【0137】
【表1】

【0138】
ヒダントイン誘導体(1i)の合成を相当する市販ケトンを用いて出発して同じ手順1に従って実施した。
【0139】
【表2】

【0140】
手順 2 -スキーム1に記述した中間体 (1)
5,5-ジ-(4-フルオロフェニル) ヒダントイン(1h)の合成
ビス-(4-フルオロフェニル)-エタンジオン (1.23 g, 5 ミリモル)をエタノール (20 mL)に溶解させた後、尿素 (0.39 g, 6.5 ミリモル)および水酸化カリウム(ペレット, 0.476 g, 8.5 ミリモル)を加え、その結果として得た混合物を80°Cに24時間加熱する。その反応物を室温に冷却し、水 (40 mL)で希釈した後、0°Cに冷却すると、所望の生成物が白色の固体として沈澱し、それを濾過することで高純度の生成物を0.62 g得る。
【0141】
【表3】

【0142】
ヒダントイン誘導体(1j)の合成を相当する市販ケトンを用いて出発して同じ手順2に従って実施した。
【0143】
【表4】

【0144】
手順 3 - スキーム1に記述した中間体(2)
1-ベンジル-5-フェニルヒダントイン (2a)の合成
1. N-ベンジルフェニルグリシンアミド
N-ベンジルフェニルグリシンエチルエステル(Browne, L.他, J. Org. Chem. 1952, 17, 1187-1190に記述されているようにして調製)を0.57 g (2.1ミリモル)の量でエタノール (20 mL)に溶解させた後、30%のアンモニア水溶液(8 mL)に加える。その混合物を60°Cに8時間加熱した後、溶媒を蒸発させることで生成物を油(0.51 g)として得て、それをさらなる精製無しに次の段階で用いる。
2. N-ベンジル-N-(4-ニトロフェニルカルバモイル)フェニルグリシンアミド
N-ベンジルフェニルグリシンアミド (0.51 g, 2.08 ミリモル)を無水THF (15 mL)に窒素雰囲気下で溶解させる。N-メチルモルホリンを加え、その反応混合物を0°Cに冷却した後、クロロ蟻酸4-ニトロフェニル(642 mg, 3.18 ミリモル)を加える。その反応物を室温で2 時間撹拌し、溶媒を真空下で蒸発させ、その残留物を酢酸エチルに溶解させ、水に続いて食塩水で抽出し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することでオレンジ色の油(0.82 g)を得て、それをさらなる精製無しに次の段階で用いる。
3. 1-ベンジル-5-フェニルヒダントイン (2a)
N-ベンジル-N-(4-ニトロフェニルカルバモイル)フェニルグリシンアミド(0.82 g, 2.02 ミリモル)をメタノール (20 mL)に溶解させた後、2Mの水酸化ナトリウム溶液を3 mL加える。その混合物を室温で2 時間撹拌する。
【0145】
溶媒を真空下で蒸発させ、その残留物を酢酸エチルに溶解させ、飽和NaHCO3 溶液、水に続いて食塩水で抽出し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することで黄色の固体を得て、それをメタノールから結晶化させることで所望の生成物を白色の固体として得る (0.27 g)。
【0146】
【表5】

【0147】
手順 4
スキーム3に記述した中間体 (11)
およびスキーム6に記述した最終的化合物 (24)
3-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)-5,5-ジフェニル-イミダゾリジン-2,4-ジオン(24a)の合成
市販の5,5-ジフェニルヒダントイン (フェニトイン, 0.50 g, 1.98 ミリモル)を無水THF (20 mL)に溶解させた後、その反応混合物にトリフェニルホスフィン (0.78 g, 2.97 ミリモル)および4-ヒドロキシ-N-ベンジルピペリジン(0.567 g, 2.97 ミリモル)を加える。その結果として生じた溶液を0°Cに冷却した後、アザ−ジカルボン酸ジエチル(DEAD, 0.47 mL)を滴下する。次に、その反応物を室温で24 時間撹拌する。溶媒を真空下で蒸発させた後、生成物をシリカゲル使用カラムクロマトグラフィー(500g,溶離剤: AcOEt:ヘキサン= 2:8からAcOEt)で精製することで高純度の生成物を白色の固体として0.8 g得る。
【0148】
表 4 に記述する化合物の合成を相当するヒダントインまたはオキサゾリジン-2,4-ジオンを用いて出発して同じ手順に従って実施した。
【0149】
【表6】

【0150】
【表7】

【0151】
【表8】

【0152】
【表9】

【0153】
【表10】

【0154】
手順 5
スキーム3に記述した中間体 (11)およびスキーム6に記述した最終的化合物(24)
1. メタンスルホン酸8−メチル−8−アザ−ビシクロ [3.2.1]オクト-3-イルエステル(トロピンンシレート)の合成
トロピン(0.150 g, 1.063 ミリモル)をトリエチルアミン(0.207 mL, 1.5 ミリモル)を無水DCM (10 mL)に入れることで生じさせた溶液に加え、その結果として得た混合物を0°Cに冷却した後、塩化メシル(0.099 mL, 1.276 ミリモル)を加える。その反応物を0°Cで1時間撹拌した後、溶媒を真空下で蒸発させることで生成物を白色の固体として得て、それを精製無しに次の段階で用いる。
2. 3-(8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-5,5-ジフェニル-イミダゾリジン-2,4-ジオン (24l)の合成
市販の5,5-ジフェニルヒダントイン(フェニトイン, 0.20 g, 0.793 ミリモル) を無水DMF (10 mL)に溶解させた後、K2CO3 (0.33 g, 2.38 ミリモル) およびトロピンメシレート (この上の段階で調製)を無水DMF (3 mL)に溶解させて加える。次に、その反応物を80°Cで18時間撹拌する。その反応混合物を水で希釈して酢酸エチルで抽出し、その有機相を水に続いて食塩水で洗浄し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することで黄色がかった固体を得て、それをエチルエーテルから結晶化させることで所望の生成物を白色の固体として得る(0.18 g)。
【0155】
表5に記述する化合物の合成を相当するヒダントインを用いて出発して同じ手順に従って実施した。
【0156】
【表11】

【0157】
【表12】

【0158】
手順6
スキーム4に記述した中間体 (16)およびスキーム6に記述した最終的化合物 (27)
3-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)-5,5-ジフェニル-イミダゾリジン-2-オン(27a)の合成
化合物 (24a) (1.0 g, 2.3 ミリモル)を無水THF (20 mL)に窒素雰囲気下で溶解させる。その溶液を0°C に冷却した後、トルエン中3.5 Mの水素化ナトリウムビス-(2-メトキシエトキシ)アルミニウム(Red-Al)溶液 (5.37 mL, 18.4 ミリモル)を加える。次に、その混合物を85°Cに4 時間加熱する。その反応物を再び0°Cに冷却し、水 (5 mL)で反応を消滅させた後、2Mの水酸化ナトリウム (10 mL)を加え、その混合物に酢酸エチルを用いた抽出を受けさせ、その有機相を水に続いて食塩水で洗浄し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することで黄色がかった固体を得て、それをアセトンから結晶化させることで所望の生成物を白色の固体として得る (0.80 g)。
【0159】
表6に記述する化合物の合成を相当するヒダントインを用いて出発して同じ手順で実施した。
手順 7
スキーム4に記述した中間体 (16)およびスキーム6に記述した最終的化合物 (27)
1-ベンジル-3-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)-5-フェニル-イミダゾリジン-2-オン(27r)の合成
水素化リチウムアルミニウム (0.309 g, 8.16 ミリモル)を無水THF (15 ml)に窒素雰囲気下で入れて懸濁させる。その懸濁液を0°Cに冷却した後、三塩化アルミニウム(1.085 g, 8.16 ミリモル)を無水THF (10 mL)に入れることで生じさせた溶液を加える。その結果として得た混合物を0°Cで 30分間撹拌する。次に、そのLiAlH4+ AlCl3混合物に化合物 (24o) (0.5 g, 2.04 ミリモル) を無水THF (12 mL)に入れることで生じさせた溶液を加え、その結果として生じた懸濁液を65°Cに3 時間加熱する。その反応物を再び0°Cに冷却し、水 (5 mL)で反応を消滅させた後、1Mの水酸化ナトリウム(10 mL)を加え、その混合物に酢酸エチルを用いた抽出を受けさせ、その有機相を水に続いて食塩水で洗浄し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することで黄色がかった固体を得て、それをアセトンから結晶化させることで所望の生成物を白色の固体として得る(0.310 g)。
【0160】
表7に記述する化合物の合成を相当するヒダントインを用いて出発して同じ手順で実施した。
【0161】
【表13】

【0162】
【表14】

【0163】
【表15】

【0164】
【表16】

【0165】
【表17】

【0166】
【表18】

【0167】
【表19】

【0168】
【表20】

【0169】
【表21】

【0170】
【表22】

【0171】
手順 8
スキーム4に記述した中間体 (15)およびスキーム6に記述した最終的化合物 (26)
3-ベンジル-1-(8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル)-4-フェニル-1,3-ジヒドロ-イミダゾール-2-オン(26o)の合成
化合物 (24o) (1.0 g, 2.3 ミリモル)を無水THF (20 mL)に窒素雰囲気下で溶解させる。その溶液を0°Cに冷却した後、トルエン中3.5 Mの水素化ナトリウムビス-(2-メトキシエトキシ)アルミニウム(Red-Al)溶液(5.37 mL, 18.4 ミリモル)を加える。次に、その混合物を室温で24時間撹拌する。その反応物を再び0℃に冷却し、水 (5 mL)で反応を消滅させた後、1Mの塩酸 (10 mL)を加えて、その混合物を室温で30分間撹拌する。その反応混合物に2Mの水酸化ナトリウム(15 mL)を加えた後、それに酢酸エチルを用いた抽出を受けさせ、その有機相を水に続いて食塩水で洗浄し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することで黄色がかった油を得て、それを逆相クロマトグラフィー(C-18 被覆SiO2, 500 g; 溶離剤: MeOH:H2O=1:1)で精製することで所望の生成物を白色の固体として得る(0.262 g)。
【0172】
【表23】

【0173】
手順 9
スキーム5に記述した中間体 (17)
4,4-ジフェニル-1-ピペリジン-4-イル-イミダゾリジン-2-オン (17a)の合成
化合物 (27a) (0.50 g, 1.2 ミリモル)をメタノール (15 mL)と水 (5 mL)に溶解させる。37%の塩酸 (0.5 mL)および炭に担持されているパラジウム(0.20 g)を加えた後、その溶液に水添を室温のParr装置(H2:20 psi)内で8時間受けさせる。触媒を濾過で除去した後、その透明な溶液に蒸発を受けさせることで高純度の生成物を白色の固体として得る(0.380 g)。
【0174】
表9に記述する他の化合物の合成を相当する第三級ベンジルアミンを用いて出発して同じ手順9に従って実施した。
【0175】
【表24】

【0176】
化合物 (17a)の調製もまた同じ中間体を用いて出発して異なる手順に従って実施可能である。
手順 10
スキーム5に記述した中間体 (17)
4,4-ジフェニル-1-ピペリジン-4-イル-イミダゾリジン-2-オン (17a)の合成
化合物 (27b) (0.125 g, 0.37 ミリモル)を無水トルエン(20 mL)に溶解させ、クロロ蟻酸α-クロロエチル(0.075 mL, 0.74 ミリモル)を加えた後、その反応混合物を3時間還流させる。溶媒を真空下で蒸発させ、その残留物をメタノール (20 mL)に溶解させた後、10%のNaOH水溶液 (5 mL)を加える。その混合物を60°Cに3時間加熱した後、溶媒を真空下で蒸発させる。その残留物を水に溶解させ、酢酸エチルで抽出し、その有機相を水に続いて食塩水で洗浄し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することで黄色がかった固体を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, 60 g;溶離剤: DCM:MeOH= 9:1)で精製することで所望の生成物を白色の固体として得る(0.085 g)。
【0177】
表 9 bis に記述する化合物の合成を相当する第三級メチルもしくはベンジルアミンを用いて出発して同じ手順10に従って実施した。
【0178】
【表25】

【0179】
手順11
スキーム5に記述した最終的生成物(18)
1-[1-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-ピペリジン-4-イル]-4,4-ジフェニル-イミダゾリジン-2-オン(18a)の合成
化合物 (17a) (0.100 g, 0.311 ミリモル) を無水DCM(10 mL)に溶解させた後、固体状のK2CO3 (0.20 g, 1.45 ミリモル)を加える。その混合物を室温で激しく撹拌した後、臭化3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル(0.057 mL, 0.311モル)を加える。その反応物を室温で5時間撹拌した後、固体状のK2CO3を濾過で除去し、そしてその溶液に蒸発を受けさせることで無色の油を得て、それをジ−イソプロピルエーテルから結晶化させることで高純度の生成物を白色の固体として得る(0.060 g)。
【0180】
表 10 に記述する化合物の合成を (17a)を用いるか或は表に示す中間体を用いて出発して同じ手順11に従ってそれを相当するアルキル化剤と反応させることで実施した。
【0181】
【表26】

【0182】
【表27】

【0183】
【表28】

【0184】
【表29】

【0185】
【表30】

【0186】
【表31】

【0187】
【表32】

【0188】
【表33】

【0189】
手順12
スキーム5に記述した最終的生成物(18)
1-[1-(4-クロロ-ベンジル)-ピペリジン-4-イル]-4,4-ジフェニルイミダゾリジン-2-オン(18q)
化合物 (17a) (0.100 g, 0.311 ミリモル)をメタノール (10 mL)に窒素雰囲気下で溶解させた後、4-クロロベンズアルデヒド(0.050 g, 0.341 ミリモル)を加える。その混合物を室温で30分間撹拌した後、固体状のNaBH3CN (0.040 g, 0.622 ミリモル) を加える。その反応物を室温で18時間撹拌した後、溶媒を真空下で蒸発させる。その残留物を水に溶解させ、酢酸エチルで抽出し、その有機相を水に続いて食塩水で洗浄し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することで黄色がかった固体を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, 6 g; 溶離剤: DCM:MeOH= 9:1)で精製することで所望の生成物を白色の固体として得る(0.074 g)。
【0190】
表 11 に記述する化合物の合成を(17a)を用いて出発して同じ手順に従って相当するアルデヒドと反応させることで実施した。
【0191】
【表34】

【0192】
【表35】

【0193】
【表36】

【0194】
【表37】

【0195】
【表38】

【0196】
手順13
スキーム5に記述した最終的生成物(19)の合成
ヨウ化1-ベンジル-1-メチル-4-(2-オキソ-4,4-ジフェニルイミダゾリジン-1-イル)-ピペリジニウム (19)
化合物 (27a) (0.040 g, 0.097 ミリモル)をジクロロメタン(2 ml)に溶解させる。次に、ヨウ化メチル(0.2 ml, 3.212 ミリモル)を加えた後の反応混合物を室温で3時間撹拌する。その反応混合物に蒸発を受けさせることで高純度の生成物を白色の固体として得る(0.035g)。
【0197】
表 12 および 表 12 bis に記述する化合物の合成を相当する第三級アミノ誘導体および適切なアルキル化剤を用いて出発して同じ手順に従って実施した。
【0198】
【表39】

【0199】
【表40】

【0200】
【表41】

【0201】
【表42】

【0202】
【表43】

【0203】
【表44】

【0204】
【表45】

【0205】
【表46】

【0206】
【表47】

【0207】
【表48】

【0208】
【表49】

【0209】
【表50】

【0210】
【表51】

【0211】
【表52】

【0212】
【表53】

【0213】
【表54】

【0214】
【表55】

【0215】
【表56】

【0216】
【表57】

【0217】
【表58】

【0218】
【表59】

【0219】
【表60】

【0220】
【表61】

【0221】
【表62】

【0222】
【表63】

【0223】
【表64】

【0224】
手順 13b
スキーム5に記述した最終的生成物 (21)
1-[1-ベンジル-1-オキシ)-ピペリジン-4-イル]-4,4-ジフェニル-イミダゾリジン-2-オン(21a)の合成
化合物 (27a) (0.100 g, 0.243 ミリモル)を無水DCM(3ml)に窒素雰囲気下で溶解させる。その反応混合物を0°Cに冷却した後、m-クロロ過安息香酸(0.063g, 0.364 ミリモル)を加える。その反応物を0°C で30分間に続いて室温で3時間撹拌する。
【0225】
次に、その反応混合物をDCMで希釈した後、飽和炭酸カリウム溶液で2回、水そして食塩水で洗浄する。
【0226】
その有機相を乾燥させた後、蒸発させることで高純度の生成物を白色の固体として得る (0.075 g)。
【0227】
表 13 に記述する化合物(21b)の合成を中間体 (18ar)を用いて出発して同じ手順13bに従って実施した。
【0228】
【表65】

【0229】
手順 14
スキーム9に記述した最終的生成物(44)
1-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)-3-メチル-4-フェニル-イミダゾリジン-2-オン(44a)の合成
1. 2-(N-t−ブチルオキシカルボニル)-アミノ-2-フェニル-N-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)- アセトアミド
市販のN-BOC保護フェニルグリシン(5.0g, 19.9 ミリモル)をアセトニトリル (50 mL)とジクロロメタン (50 mL)の混合物に入れて懸濁させる。その懸濁液を窒素雰囲気下で激しく撹拌する。N-ヒドロキシベンゾトリアゾール (2.97 g, 22 ミリモル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド (4.53 g, 22 ミリモル)を加えた後の混合物を室温で2時間撹拌する。4-アミノ-N-ベンジルピペリジン(4.18g, 22 ミリモル)を加えた後の反応物を室温で一晩撹拌する。
【0230】
次に、その反応混合物をDCMで希釈した後、飽和炭酸カリウム溶液で2回、水そして食塩水で洗浄する。その有機相を乾燥させた後、真空下で濃縮すこで油を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー (SiO2, 120 g; 溶離剤: DCM:MeOH= 95:5)で精製することで所望の生成物を白色の固体として得る (6.4 g)。
2. 二塩酸2-アミノ-N-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)-2-フェニルアセトアミド
2-(N-t−ブチルオキシカルボニル)-アミノ-2-フェニル-N-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)- アセトアミドをジクロロメタン (80 mL)に溶解させた後、塩化水素をジエチルエーテル (50 mL)に入れることで生じさせた飽和溶液を加えた。その反応混合物を室温で4時間撹拌する。所望の生成物が白色の固体として沈澱し、それを次に濾過した後、真空下で乾燥させる(4.5 g)。
3. 塩酸N-2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-1-フェニルエタン-1,2-ジアミン
二塩酸2-アミノ-N-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-2-フェニルアセトアミド (0.44 g, 1.15 ミリモル)を無水トルエン (10ml)に入れることで生じさせた溶液にボラン-硫化メチル錯体 (0.22ml, 2.3 ミリモル)を不活性な雰囲気下で加えた。その混合物を4時間還流させた後、MeOH (0.5 ml)を加えた。1時間後、その溶液を冷却した後、エチルエーテル中10%のHCl溶液(10ml)を用いて処理した。白色の沈澱物を濾過した後、エーテルで洗浄した(0.45g)。
4. 1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-フェニルイミダゾリジン-2-オン
塩酸N-2-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-1-フェニルエタン-1,2-ジアミン (0.4g, 0.95 ミリモル)を無水1,4-ジオキサン (10ml)に入れることで生じさせた懸濁液にカルボニル-ジイミダゾール (0.2g, 1.14 ミリモル)を加えた。その混合物を2時間還流させた後、溶媒を除去した。その粗材料を水で処理した後、酢酸エチルで抽出した。その有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮することで白色の固体を得た(0.22g)。
【0231】
表 14 に記述する他の化合物の合成を相当する市販の出発材料を用いて出発して同じ手順14に従って実施した。
【0232】
【表66】

【0233】
手順 15
スキーム7に記述した最終的生成物(30)
1-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)-3-メチル-4-フェニル-イミダゾリジン-2-オン(30a)の合成
化合物 (44a) (0.100 g, 0.243 ミリモル)を無水THFに窒素雰囲気下で溶解させ、その溶液を0°Cに冷却した後、固体状のNaH (0.010 g, 0.243 ミリモル)を加える。その反応物を0℃で15分間撹拌した後、臭化ベンジル(0.042 g, 0.243 ミリモル)を加えて、撹拌を室温で3時間継続する。その反応物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、その有機相を水に続いて食塩水で洗浄し、最終的に乾燥させた後、真空下で濃縮することで油を得て、それを調製用HPLCで精製することで所望の生成物を白色の固体として得る(0.041 g)。
【0234】
表 15 に記述する化合物の合成を相当する誘導体および適切なアルキル化剤を用いて出発して同じ手順に従って実施した。
【0235】
【表67】

【0236】
【表68】

【0237】
【表69】

【0238】
手順 16
スキーム9に記述した最終的生成物(30)
1-(1-ベンジル-ピペリジン-4-イル)-3,4-ジフェニル-イミダゾリジン-2-オン(30aa)
化合物 (44a) (100 mg, 0.3 ミリモル)をDMF (1 mL)に溶解させる。ヨードベンゼン(0.067 mL)、ヨウ化銅(I)(60 mg)およびK2CO3 (40 mg)を加えた後、その結果として得た混合物を窒素雰囲気下で150℃に4時間加熱する。次に、その混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトの詰め物の上に置いて濾過した後、その結果として得た溶液を真空下で乾燥させる。生成物を調製用HPLCで精製することで高純度の生成物を白色の固体として45 mg得る。
【0239】
表 16 に記述する化合物の合成を記述する中間体を用いて出発して同じ手順18に従って実施した。
【0240】
【表70】

【0241】
手順 17
スキーム5に記述した最終的生成物(18)
アジ化トリブチル錫
アジ化ナトリウム(265 mg, 4 ミリモル)を水 (4 mL)に溶解させる。その溶液を0°C に冷却した後、塩化トリブチル錫 (1.08 mL, 4 ミリモル)を滴下する。その溶液を室温で2時間撹拌した後、その水性混合物に塩化メチレンを用いた抽出を2回受けさせ、その有機相をMgSO4 で乾燥させた後、溶媒を真空下で蒸発させることでアジ化トリブチル錫を980 mg得る。
4,4-ジフェニル-1-[1-(1H-テトラゾール-5-イルメチル)-ピペリジン-4-イル]-イミダゾリジン-2-オン
化合物 (18 m) (100 mg, 0.27 ミリモル)と混ぜ物無しのアジ化トリブチル錫 (980 mg)を100°Cの温度で4 時間反応させる。次に、その反応混合物を室温に冷却し、メタノール(3 mL)および2Nの HCl (1 mL)を加えた後、その結果として得た混合物を室温で1時間撹拌する。その溶液に酢酸エチルを用いた抽出を受けさせ、その有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮することで油を得て、それをシリカゲル使用クロマトグラフィー (溶離剤: ジクロロメタン:メタノール 95:5)で精製することで所望の生成物を黄色の固体として得る (61 mg)。
【0242】
表 17 に記述する化合物の合成を相当するシアノ誘導体を用いて出発して同じ手順に従って実施した。
【0243】
【表71】

【0244】
手順 18
(3-ヒドロキシメチル-フェニル)-カルバミン酸エチルエステル
3-アミノ-ベンジルアルコール (1.0 g, 8.1 ミリモル) (1.36 mL, 9.7 ミリモル)を無水ジクロロメタン (15 mL)に溶解させる。その結果として生じた溶液を0℃に冷却した後、クロロ蟻酸エチル(0.86 mL, 8.9 ミリモル)を滴下する。その混合物を0℃で2時間撹拌した後、K2CO3水溶液(1M, 20 mL)を加え、その混合物にジクロロメタンを用いた抽出を2回受けさせ、その有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮することで所望の生成物をオレンジ色の油として得て、それをシリカゲル使用クロマトグラフィー(溶離剤: ジクロロメタン:メタノール 95:5) で精製することで所望の生成物を明黄色の油として得る(1.0g)。
メタンスルホン酸3-エトキシカルボニルアミノ-ベンジルエステル
(3-ヒドロキシメチル-フェニル)-カルバミン酸エチルエステル (0.63 g, 3.2 ミリモル)とトリエチルアミン(0.59 mL, 4.2 ミリモル) を無水ジクロロメタン (10 mL)に溶解させる。その結果として生じた溶液を0℃に冷却した後、塩化メタンスルホニル (0.28 mL, 3.58 ミリモル)を滴下する。その結果として得た混合物を室温で2時間撹拌した後、K2CO3水溶液(1M, 20 mL)を加え、その混合物にジクロロメタンを用いた抽出を2回受けさせ、その有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下で濃縮する。所望生成物を更にシリカゲル使用クロマトグラフィー (溶離剤: 酢酸エチル:ヘキサン 9:1)で精製することで無色の油を得る (0.13 g)。
化合物 (18aq):
1-[1-(3-メチルアミノ-ベンジル)-ピペリジン-4-イル]-4,4-ジフェニル-イミダゾリジン-2-オン
化合物 (18aq)の合成を中間体 (17a)を用いて出発して下記の2段階で実施した:
段階1: メタンスルホン酸3-エトキシカルボニルアミノ-ベンジルエステルを用いた(17a)のアルキル化を手順12に記述した如く実施することで{3-[4-(2-オキソ-4,4-ジフェニル-イミダゾリジン-1-イル)-ピペリジン-1-イルメチル]-フェニル}-カルバミン酸エチルエステルを得た。
段階2: {3-[4-(2-オキソ-4,4-ジフェニル-イミダゾリジン-1-イル)-ピペリジン-1-イルメチル]-フェニル}-カルバミン酸エチルエステルに還元を手順6に記述した如く受けさせることで所望の化合物を生じさせた。
【0245】
【表72】

【0246】
本発明の化合物は、この上に記述した方法に従う放射性リガンド結合検定で抗ムスカリン性M3 活性を示す。本発明の化合物がM3受容体に対して示した結合親和性は0.1から2000 nM (Ki)の範囲であり、最も好適な化合物が示したKiは0.1から100 nMの範囲である。以下のデータにいくつかの例を示す:
【0247】
【表73】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

{式中、
R1 は、直鎖もしくは分枝 C1-C7 アルキル;C3-C7 シクロアルキル;フェニル,ベンジル,フェニルオキシメチル、または任意に、下記の基: F, Cl, Br, 直鎖もしくは分枝 C1-C6 アルキル, C3-C6 シクロアルキル, メチレンジオキシ, エチレンジオキシ, ビニル, CF3, NO2, CN, COOH, OCF3, CH2OR4, OR4, NR4R5, SO2NR4R5, CONR4R5, SR4, SO2R4, COR4[ここで、R4 は、H, 直鎖もしくは分枝 C1-C6 アルキル, フェニル, ベンジル、または任意に、F, Cl, Br, 直鎖もしくは分枝 C1-C6 アルキル, C3-C6 シクロアルキル, メチレンジオキシ, エチレンジオキシ, ビニル, CF3, NO2, CN, CH2OHで置換されていてもよい単もしくは縮合複素環であり、そしてR5 は、H, 直鎖もしくは分枝 C1-C7 アルキル, CO-(直鎖もしくは分枝 C1-C7 アルキル)であるか、或はR4 とR5 が原子数が8以下の単もしくは縮合複素環を形成していてもよい]の中の1個以上で置換されていてもよい単もしくは縮合複素環を表し、
x は、
【化2】

が二重結合の時には0 であり、そして
【化3】

が単結合の時には1 であり、
R2 は、Hであるか、或はR1と同じ意味を有し、
Y は、C=O;CHOH;(CH2)m[ここで、mは1から3の整数である]、またはCH基を表し、
X は、硫黄またはNR7 基[ここで、R7 は、水素またはG-R6 基(ここで、Gは、CO, SO2, (CH2)n, (CH2)nCONHから選択され、ここで、nは0-3であり、そしてR6 は、H,COOH 基であるか、或はR1と同じ意味を有する)である]を表し、
B は、下記の基:
a1)
【化4】

[ここで、AおよびA’は、互いに独立して、水素, 直鎖もしくは分枝 C1-C4 アルキル基を表し、
mは0-2であり、そして
R3 は、M-R6 基(ここで、M は、CO, CONH, SO2, (CH2)n, (CH2)nCONHから選択され、ここで、 nは1-3であり、そしてR6は、H, COOH基であるか、或はR1と同じ意味を有する)である]
a2)
【化5】

[ここで、AおよびA’は、互いに独立して、水素, 直鎖もしくは分枝 C1-C4 アルキル基を表し、
mは0-2であり、そして
R3 は、M-R6 基(ここで、Mは、CO, CONH, SO2, (CH2)n, (CH2)nCONHから選択され、ここで、nは0-3であり、そしてR6 は、H, COOH基であるか、或はR1と同じ意味を有する)である]
b)
【化6】

[ここで、R6, mおよびnは、この上で定義した通りである]
c)
【化7】

[ここで、
R6, m およびnは、この上で定義した通りであり、そしてR8 は、R1と意味を有するか、或は(CH2)nR6 とR8がこれらの結合している窒素原子と一緒になって任意に、フェニル環で置換されていてもよいか或は任意に、ベンゼン環もしくはこの上で定義した如き複素環と縮合していてもよい4から7員の複素環式環を形成しており、
Z- は、製薬学的に受け入れられるアニオンである]
の中の1つから選択され、そしてここで、
単もしくは縮合複素環は、各環中に環原子を5から10個含有しかつS, N, Oから選択されるヘテロ原子を4個以下の数で含有する複素環式環であり、これは、ピロール,ピラゾール,フラン, チオフェン, インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリンおよびあらゆる相当する飽和および部分飽和複素環から選択される}
で表される化合物。
【請求項2】
式 (IA)
【化8】

[式中、R1, R2, R7 およびB は、請求項1で定義した通りである]
で表される請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式 (IB)
【化9】

[式中、R7 およびBは、請求項1で定義した通りである]
で表される請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式 (IC):
【化10】

[式中、R1, R2, R7 およびBは、請求項1で定義した通りである]
で表される請求項1記載の化合物。
【請求項5】
式 (IC)
【化11】

[式中、Bは、式 (IIa)
【化12】

で表される基または式 (IIf)
【化13】

で表される基であり、ここで、
Aおよび A’、好適には、水素であり、ここで、mは0-1であり、そしてR3はM-R6 基(ここで、Mは(CH2)nであり、ここで、nは 1-3であり、そしてR6 は、水素, 置換もしくは非置換 フェニル, フェノキシ, シクロヘキシルまたは単もしくは縮合複素環である)であり、
R1 は、好適には、任意に、この上で定義した如く置換されていてもよいフェニル、シクロペンチル, シクロヘキシル,ベンジル,2-チエニルおよびメチルから選択され、
R2 は、好適には、水素,任意に、この上に定義した如く置換されていてもよいフェニルもしくはフェノキシメチル,シクロペンチル, シクロヘキシル; 2-チエニルおよびメチルから成る群から選択され、そして
R7 は、好適には、水素またはG-R6基(ここで、Gは(CH2)nであり、ここで、nは 1であり、そしてR6 は、水素, メチル, 置換もしくは非置換 フェニルまたは単もしくは縮合複素環である)である]
で表される請求項4記載の化合物。
【請求項6】
実施例27aの目的物でありかつ下記の式
【化14】

で表される請求項5記載の化合物。
【請求項7】
式 (IC)
【化15】

[式中、
B は、式 (IIn)
【化16】

で表される基、または式 (IIq)
【化17】

で表される基、または式 (IIp)
【化18】

で表される基であり、ここで、
A およびA’ は、好適には、水素であり、
m は0-2であり、
nは1-3であり、
R6 は、水素, フェニル, 単もしくは縮合複素環,または任意に、SR4, SO2R4, CN, OR4, COR4, CONHR4(ここで、R4は、任意に、置換されていてもよいフェニル, ベンジル, 2-もしくは3-チエニル, 2-, 3-もしくは4-ピリジニル、C1-C4アルキルから選択される)で置換されていてもよいC1-C4 アルキルであり、そしてR8 は、メチル, 2-チエニル-プロピル, シクロヘキシルメチル, 任意に、置換されていてもよい ベンジル, フェノキシエチル, 2-N,N-ジメチルアミノエチル; 2-テトラヒドロフリルメチル, カルボキシメチル, 2-(5-アミノピリジニルメチル), 2-(SO3H)-エチルから選択されるか、或は(CH2)nR6とR8がこれらが結合している窒素原子と一緒になって下記の基:
【化19】

の中の1つを形成しており、
R1 は、好適には、任意に、この上で定義した如く置換されていてもよいフェニル、シクロペンチル, シクロヘキシル,ベンジル,2-チエニルから選択され、
R2は、好適には、水素、任意に、この上で定義した如く置換されていてもよいフェニルもしくはフェノキシメチル、シクロペンチル, シクロヘキシル; 2-チエニルおよびメチルから成る群から選択され、そして
R7 は、好適には、水素またはG-R6基(ここで、G は(CH2)nであり、ここで、nは 1であり、そしてR6 は、水素, メチル、置換もしくは非置換フェニルまたは単もしくは縮合複素環である)であり、そして
Z- は、製薬学的に受け入れられるアニオンである]
で表される請求項4記載の化合物。
【請求項8】
実施例19bzの目的物でありかつ下記の式
【化20】

[式中、Z- は製薬学的に受け入れられるアニオンである]
で表される請求項7記載の化合物。
【請求項9】
式 (IE)
【化21】

[式中、R1, R7およびBは、請求項1で定義した通りである]
で表される請求項1記載の化合物。
【請求項10】
Z- が塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、しゅう酸塩、こはく酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩から選択される製薬学的に受け入れられるアニオンである請求項1-4および7-9記載の化合物。
【請求項11】
一般式(I)で表される化合物を製造する方法であって、
(a)式(a’)
【化22】

で表される中間体をアミノ基の所がt−ブチルオキシカルボニル (BOC), ベンジルオキシカルボニル (Cbz), ベンジルまたはメチル誘導体から選択される保護基(PG)で適切に保護されているアミノ−アルコールと反応させるか、或は3位の所の窒素に脱プロトンを受けさせた後にそれをアミノ基の所が保護基(PG)で適切に保護されているアミノ−アルコールのメシレート誘導体またはアルコール基が脱離基として活性化されている同様な誘導体と反応させることで、3位に位置する窒素原子の所に官能化を受けさせて式 (a”)
【化23】

で表される化合物を生じさせ、
(b)文献に記述されている方法を用いて前記保護基PGを除去することで最終的な化合物または中間体{これに、文献に記述されている方法を用いて第二級アミノ基の所に残基R3を導入することでBが下記の基:
a1)
【化24】

[ここで、AおよびA’は、互いに独立して、水素, 直鎖もしくは分枝 C1-C4 アルキル基を表し、
mは0-2であり、そして
R3 は、M-R6 基(ここで、M はCO, CONH, SO2, (CH2)n, (CH2)nCONHから選択され、ここで、nは1-3であり、そしてR6 はH, COOH基であるか、或はR1と同じ意味を有する]
a2)
【化25】

[ここで、AおよびA’は、 互いに独立して、水素, 直鎖もしくは分枝 C1-C4 アルキル基を表し、
mは0-2であり、そして
R3 は、M-R6 基(ここで、M はCO, CONH, SO2, (CH2)n, (CH2)nCONHから選択され、ここで、nは0-3であり、そしてR6 はH,COOH基であるか、或はR1と同じ意味を有する]
の中の1つから選択される式(I)で表される化合物を生じさせることによるさらなる官能化を受けさせてもよい}を得、
(c)その得た化合物の同じ窒素原子の所に文献に記述されている方法を用いたさらなる官能化、即ち
− 塩酸、臭化水素酸、しゅう酸、フマル酸、酒石酸の中から選択した有機もしくは無機酸を用いた処理でアンモニウム塩を生じさせること、
− m-クロロ過安息香酸またはオキソンを用いた処理でBが下記の基
【化26】

[ここで、R6, mおよびnは、この上で定義した通りである]
の中の1つから選択される式(I)のN−オキサイド誘導体に変化させること、
− 適切なアルキル化剤を用いた処理でBが下記の基
【化27】

[ここで、
R6, mおよびnは、この上で定義した通りであり、そしてR8 は、R1と同じ意味を有するか、或は(CH2)nR6 とR8がこれらが結合している窒素原子と一緒になって任意に、フェニル環で置換されていてもよいか或は任意に、ベンゼン環またはこの上で定義した如き複素環と縮合していてもよい4から7員の複素環式環を形成しており、そして
Z- は、製薬学的に受け入れられるアニオンである]
の中の1つから選択される式(I)の第四級アンモニウム塩に変化させること、
を受けさせてもよい、
段階を含んで成る方法。
【請求項12】
請求項1−9のいずれか1項記載の化合物の使用であって、呼吸器、泌尿器または胃腸疾患、尿失禁および膀胱関連疾患、過敏性腸症候群の治療用薬剤を製造するための使用。
【請求項13】
前記呼吸器疾患が喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、咳、肺気腫または鼻炎である請求項11記載の使用。
【請求項14】
請求項1-9のいずれか1項記載の化合物をこれが適切な担体および/または賦形剤と混ざり合っている状態で含有する製薬学的組成物。

【公表番号】特表2008−525357(P2008−525357A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547364(P2007−547364)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013887
【国際公開番号】WO2006/066924
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(591095465)キエシ・フアルマチエウテイチ・ソチエタ・ペル・アチオニ (12)
【Fターム(参考)】