説明

抗炎、抗アレルギーおよび抗喘息活性を有するPseudolysimachionlongifolium抽出物およびこれから分離されたカタルポール誘導体を含有する薬学組成物

本発明は、抗炎、抗アレルギーおよび抗喘息活性を有するPseudolysimachion属植物の抽出物およびこれから分離されたカタルポール誘導体を含有する組成物に関する。 前記Pseudolysimachion属植物の抽出物およびこれから分離されたカタルポール誘導体は、卵白アルブミン(OVA)誘導された喘息マウスモデルにおいて、プラズマとBALFで増加したIgE、IL−4およびIL−13水準、並びに好酸球増多を強力に抑制し、肺組織における粘液過多分泌を抑制する機能を行う。したがって、炎症、アレルギーおよび喘息疾患を予防および治療するための治療薬または健康機能食品として使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗炎、抗アレルギーおよび抗喘息活性を有するPseudolysimachion longifolium抽出物およびこれから分離されたカタルポール誘導体を含有する薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
喘息(asthma)とは、気道に発生する複合症状であって、気道障害、急性または慢性炎症、気道過敏性(AHR)および構造リモデリングを示す(Kumar R. K. Pharmacol. Ther., 91, pp 93-104, 2001)。
気道に発生するアレルギー性炎症は、喘息発生に重要な役割を果たすものと報告されている。また、アレルギー性喘息患者の数は、最近、世界人口の約10%に増加した。その数は米国で1700万名に達し、アレルギー性喘息治療剤の米国市場の規模は現在まで約64億$であると報告されている。
【0003】
喘息は、2つの類型、すなわち外因性喘息と内因性喘息に分けられる。外因性喘息とは、抗原に露出されたときに症状が現われる喘息をいい、イエダニが主原因抗原であり、その他に花粉、動物の上皮、カビなどが原因抗原として作用する。原因抗原に対する皮膚試験または気管支誘発試験では陽性反応を示し、一般に若い年齢で発生する。内因性喘息は、上気道感染、運動、情緒不安、寒冷気候および湿度の変化などが喘息を誘発または悪化させる場合であるが、成人型喘息に良く見られる。
【0004】
病態生理学的な側面からみて、喘息は、T−helper2免疫細胞で生成するサイトカインによって炎症細胞が増殖、分化および活性化され、気道および気道周辺組織に移動、浸潤して現われる慢性炎症疾患として認識されている。好酸球や肥満細胞などの活性化された炎症細胞はサイトカイン、ケモカイン、シグナル分子、接着分子および成長因子などの多様な炎症媒介因子を分泌し、気道中の構造細胞は多様な段階の喘息に関与する(Elias JA et al., J Clin Invest., 111, pp 291-7, 2003)。ノックアウトマウスモデルおよび臨床研究を用いた多数の研究において、喘息の臨床観察はいろいろの特性因子、例えば免疫反応、好酸球増加症、AHRおよび構造リモデリングに分けられる(Moffatt JD. Pharmacol Ther. 107, pp 343-57, 2005; Spina D et al., Trends Pharmacol Sci, 23, pp 311-5, 2002)。それぞれの因子は、互いに直接関連していないものと見られるが、IgE−媒介免疫反応および好中球増加症はアレルギー性喘息の気道に発生する重要な症状であり(Bochner B.S. et al., Annu. Rev. Immunol., 12, pp 295-335, 1994; Bousquet H et al. N. Med. 323, pp 1033-9, 1990)、アレルギー過程でIL−4、IL−5、IL−13などの生産されたサイトカインはAHR発生および気道リモデリングに重要な役割を果たす(Riffo-Vasquez Y et al., Pharmacol. Ther., 94, pp 185-211, 2002)。当然、喘息は組織化された炎症の結果であり、その大部分は喘息の気道に作用する特殊な抑制剤を含み、例えばヒスタミンH1拮抗剤、トロンボキサン拮抗剤、血小板活性因子拮抗剤、シクロオキシゲナーゼ抑制剤、窒素モノオキシゲナーゼ抑制剤、およびプロスタグランジン抑制剤が試みられたが、臨床実験で失敗した(Moffatt J.D., Pharmacol. Ther., 107, pp 343-57, 2005)。反面、サイトカイン合成およびサイトカイン媒介細胞生存の広範囲な抑制によって炎症細胞の先駆濃度を基底線(baseline)として抑制するグルココルチコイドは、これまで30年の期間にわたって喘息患者の症状を管理するのに用いられてきた(Baatjes A. J. et al., Pharmacol, Ther., 95, pp 63-72, 2002)。これらの報告によれば、喘息管理治療研究は喘息過程の特殊な気道の強力な抑制剤を探すことよりは喘息因子の均衡を回復するのに焦点を合わせるべきであるということを提案している。
【0005】
Pseudolysimachion longifoliumは、Pseudolysimachion属に属し、韓国、中国、ロシアおよびヨーロッパなどに分布する多年生草本である。このような属の多数種、例えばPseudolysimachion ovutum、Pseudolysimachion kiusianum、 Pseudolysimachion kiusianum var diamanticum、Pseudolysimachion kiusianum var villosum、Pseudolysimachion dahuricum、Pseudolysimachion pyrethrinum、Pseudolysimachion linarifolium、Pseudolysimachion linarifolium var. villosulum、Pseudolysimachion rotundum var. subintegrum、 Pseudolysimachion rotundum var. coreanum、Pseudolysimachion insulare、 およびPseudolysimachion undulataが報告されており、植物は主成分としてマンニトール、6−ヒドロキシルテオリン(6-hydroxyluteolin)を含む(Chun BS and Shin MK, HyangyakDaeSaJeon, Youngrimsa, pp913-914, 1998)。
【0006】
したがって、Pseudolysimachion longifoliumからの抽出物およびこれから分離されたカタルポール誘導体の炎症性、アレルギーおよび喘息疾患に対する抑制効果は、本明細書において参考として紹介する前記引用文献の何処にも報告または掲載されていない。
そこで、本発明者らは、Pseudolysimachion longifolium抽出物およびこれから分離されたカタルポール誘導体が、OVA−sensitized/challengedマウスモデルにおいて免疫グロブリンE(IgE)水準、サイトカイン放出、および好酸球増加、ARと粘液過多分泌などの喘息因子を抑制する効果を示すことを見出し、本発明を完成した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、毒性なしで炎症、アレルギーおよび喘息疾患の治療および予防のためのより効果的な薬剤の開発が求められる。
それ故に、本発明の目的は、Pseudolysimachion 属植物の粗抽出物または有機溶媒可溶性抽出物を含有する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに記述された用語「粗抽出物」は、植物質を水、低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、好ましくはメタノール、またはその混合物で抽出することにより製造された抽出物を含む。
ここに記述された用語「有機溶媒可溶性抽出物」は、上述した粗抽出物を有機溶媒、例えばブタノール、アセトン、エチルアセトン、クロロホルムまたはジクロロホルム、好ましくはブタノールで抽出して製造することができる。
【0009】
ここに記述された用語、「Pseudolysimachion属」は、P. longifolium、P. ovutum、P. kiusianum、P. kiusianum var. diamanticum、P. kiusianum var. villosum、P. dahuricum、P. pyrethrinum、P. linarifolium、P. linarifolium var. villosulum、P. rotundum var. subintegrum、P. rotundum var. coreanum、P. insulareまたはP. undulataを含む。
本発明は、活性成分として、下記一般式(I)で表されるカタルポール誘導体またはその薬学的に許容される塩を炎症、アレルギーまたは喘息疾患の予防または治療に有効な量で含む、薬学組成物を提供する。
[一般式I]
【化1】

式中、Rは独立に水素原子、C〜C低級アルキル基またはC〜C低級アルコキシ基でそれぞれ置換されたベンゾイルまたはシンナモイル基から選ばれた少なくとも一つの基である。
【0010】
前記一般式(I)の好適な化合物群としては、R置換基が3,4−ジヒドロキシベンゾイル、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾイル、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイル、4−ヒドロキシベンゾイル、3,4−ジメトキシベンゾイル、3,4−ジヒドロキシシンナモイル、または3−ヒドロキシ−4−メトキシシンナモイルである化合物群である。
本発明のカタルポール誘導体は、Pseudolysimachion longifoliumから分離し、或いは当業界で公知の一般手続きによって合成することができる(Herbert O. house., Modern Synthetic Reactions, 2" Ed., The Benjamin/Cummings Publishing Co., 1972)。
本発明によれば、Pseudolysimachion属植物の粗抽出物または有機溶媒可溶性抽出物の用途、または炎症、アレルギーおよび喘息疾患を予防または治療するために使用される薬剤の製造のために、前記抽出物から分離されたカタルポール誘導体が提供される。
【0011】
本発明によれば、Pseudolysimachion属植物の粗抽出物または有機溶媒可溶性抽出物、またはこれから分離されたカタルポール誘導体の治療学的に有効な量を炎症、アレルギーおよび喘息の患者に投与することを含む、哺乳動物の炎症、アレルギーおよび喘息を予防または治療する方法が提供される。
Pseudolysimachion属植物から分離された本発明の抽出物、またはこれから分離されたカタルポール誘導体は、次の好適な実施態様によって製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、抗炎、抗アレルギーおよび抗喘息活性を有するカタルポール誘導体を有効成分として含有する炎症疾患、アレルギーおよび喘息の予防または治療のための薬学組成物および健康機能食品を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明のカタルポール誘導体化合物をPseudolysimachion longifolium抽出物から分離する過程を考察すると、本発明のPseudolysimachion longifolium粗抽出物は、Pseudolysimachion longifoliumを採集し、陰乾した後、磨砕して粉末化した後、これをPseudolysimachion longifolium試料重量の約2〜20倍、好ましくは5〜10倍に達する体積極性溶媒、例えば水、およびメタノール、エタノール、ブタノールなどのC〜Cの低級アルコールの極性溶媒またはこれらの混合物、好ましくはメタノールと混合し、20〜100℃、好ましくは20〜50℃で約10時間〜48時間、好ましくは20〜30時間熱水抽出、冷浸抽出、還流冷却抽出または超音波抽出などの適切な抽出方法、好ましくは冷浸抽出を用いて、残基を濾した後、極性溶媒可溶抽出物を乾燥させた。
【0014】
前記抽出物を前述の過程で製造する際に、本発明の有機溶媒可溶抽出物を得るために、水に懸濁させた後、1〜100倍で混合し、好ましくは1〜5倍体積のブタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルムまたはジクロロメタン、好ましくはブタノール有機溶媒と混合する。
【0015】
幾つかの分画物を得るために、前記有機溶媒可溶抽出物は、混合割合の変化に伴って極性が増加するクロロホルム:メタノールの混合溶媒(メタノール0〜100%、段階的増加)に溶けているシリカゲルで充填されたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって得られる。このような分画物のうち、本発明のカタルポール誘導体を得るために、正常相シリカカラムクロマトグラフィーを用いて3番目の分画物に対してシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し行った(メタノール10〜50%段階的増加)。前述したNMR、EI−MSおよび光学回転を用いて構造を確認し(Afifi-Yazar F et al., Helv Chim Acta, 63, pp 1905-7, 1980)、カタルポール誘導体の精製物はHPLCシステムを用いて99.5%以上の純度で得られた。
【0016】
本発明の別の様態として、粗抽出物およびPseudolysimachion longifoliumの有機溶媒可溶抽出物、または前記製造方法で得られたカタルポール誘導体化合物を有効成分として含有する抗塩、抗アレルギーおよび喘息疾患の予防および治療用薬学組成物を提供する。
本発明の別の様態として、抗炎、抗アレルギーおよび喘息疾患の予防および治療用薬剤の生産のための粗抽出物およびPseudolysimachion longifoliumの有機溶媒可溶抽出物、または前記製造方法で得られたカタルポール誘導体化合物の用途を提供する。
本発明の別の様態として、抗炎、抗アレルギーおよび喘息疾患の予防および治療のための方法を提供するが、これは、炎症、アレルギーおよび喘息疾患を持つ哺乳類に、粗抽出物およびPseudolysimachion longifoliumの有機溶媒可溶抽出物、または前記製造方法で得られたカタルポール誘導体化合物の治療学的有効量を投与することを含む。
【0017】
前記一般式(I)のカタルポール誘導体化合物は、当該技術分野における通常の方法によって、薬学的に許容される塩および溶媒和物に製造できる。薬学的に許容される塩としては、遊離酸によって形成された酸付加塩が有用である。酸付加塩は、通常の方法、例えば化合物を過量の酸水溶液に溶解させ、この塩をメタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルなどの水混和性有機溶媒を用いて沈殿させて製造する。同じモル量の化合物および水中の酸またはアルコール(例えば、グリコールモノメチルエーテル)を加熱し、その後前記混合物を蒸発させて乾燥させ、或いは析出された塩を吸引濾過させることができる。
【0018】
この際、遊離酸としては、有機酸と無機酸を使用することができ、有機酸としては、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸、安息香酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グルクロン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、炭酸、バニリン酸、ヨウ化水素酸などを使用することができ、無機酸としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、酒石酸などを使用することができる。
また、塩基を用いて、薬学的に許容される金属塩を作ることができる。アルカリ金属またはアルカリ土金属塩は、通常の方法で製造できるが、例えば化合物を過量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土金属水酸化物溶液中に溶解させ、非溶解化合物塩を濾過した後、ろ液を蒸発、乾燥させて得る。この際、金属塩としては、特にナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩を製造することが薬学的に適し、また、これに対応する銀塩は、アルカリ金属またはアルカリ土金属塩を適当な銀塩(例えば硝酸銀)と反応させて得る。
【0019】
前記化合物の薬学的に許容される塩は、別に指示しない限りは、トリシン化合物に存在しうる酸性または塩基性基の塩を含む。例えば、薬学的に許容される塩としては、ヒドロキシル基のナトリウム、カルシウムおよびカリウム塩などが含まれる。アミノ基のその他の薬学的に許容される塩としては、臭化水素塩、水素硫酸塩、リン酸塩、水素リン酸塩、二水素リン酸塩、酢酸塩、琥珀酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシラート)、およびp−トルエンスルホン酸塩(トシレート)などがあり、当業界で知られている塩の製造方法または製造過程によって製造できる。
炎症、アレルギー、喘息を予防および治療するための本発明の薬学組成物は、組成物の総重量に対して前記抽出物または化合物を0.1〜50重量%で含む。
【0020】
本発明の化合物を含む薬学組成物は、薬学的組成物の製造に通常用いられる適切な担体、賦形剤および希釈剤をさらに含むことができるが、その例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、未晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシ安息香酸、プロピルヒドロキシ安息香酸、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱物油を挙げることができる。これらの投与後、活性組成物の成分は速く提供でき、当業界で公知の過程によって患者に投与された以後、活性成分の投与が維持または遅滞できる。
【0021】
例えば、本発明の組成物は、注射剤に製造するためによく用いられる方法であって、他の溶媒、プロピレングリコールまたはオイルに溶解できる。キャリアの適切な例としては、生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物性オイル、ミリスチン酸イソプロピルなどがあるが、これらの例によって限定されない。局所性(topical)投与方法のために、本発明の抽出物は軟膏またはクリームの形で製造できる。
【0022】
本発明の組成物を含む薬学的形態は、口腔投与形態(粉末、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、液状薬剤、シロップ、エリキシル丸薬、サシェ(sachet)、顆粒剤)、または局所用製剤(クリーム、軟膏、ローション、ゲル、バーム(balm)、パッチ(patch)、ペースト、エアロゾルなど)、または注射用製剤(液状、懸濁液、エマルジョン)などのいずれの形態でも製造できる。
本発明の化合物の薬学的投与形態は、これらの薬学的に許容される塩の形態でもあってもよく、単独でまたは他の薬学的活性化合物との結合および適切な集合形態であってもよい。
【0023】
本発明の化合物の好ましい投与量は、患者の状態および体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路および期間によって異なるが、当業者によって適切に選択できる。ところが、好ましい効果のために、本発明の化合物は1日0.0001〜100mg/kg、好ましくは0.001〜10mg/kgで投与することがよい。投与は1日に1回投与してもよく、数回分けて投与してもよい。
本発明の化合物は、例えばラット、マウス、家畜またはヒトなどの哺乳動物に多様な経路で投与できる。投与の全ての方式は予想できるが、例えば経口、直腸を介して、または静脈、筋肉、皮下、子宮内くも膜または脳血管内注射によって投与できる。
【0024】
本発明の他の目的は、抗炎、抗アレルギーおよび喘息疾患の治療と予防のために、薬学的に許容される添加剤とPseudolysimachion longifoliumからの抽出物または化合物を含む健康機能食品を提供することにある。
健康機能食品の改善のために、追加可能な、本発明の前記抽出物および化合物を含む食品は、例えば多様な食品、飲料、チューインガム、ビタミン複合体、健康増進食品などがあり、粉末、顆粒、錠剤、チューイン錠剤、カプセルまたは液剤の形で使用できる。
【0025】
前述した組成物は、食品または飲料に添加できる。この際、食品または飲料中の前記抽出物の量は、全体食品重量の0.01〜80重量%で加えることができ、好ましくは0.01〜15重量%であり、健康飲料組成物は、100mLを基準として0.02〜5g、好ましくは0.3〜1gの割合で加えることができる。
本発明の健康機能性飲料組成物は、指示された割合で必須成分として前記化合物を含有する以外には他の成分には特別な制限がなく、通常の飲料のように様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。上述した天然炭水化物の例としては、例えばブドウ糖、果糖などの単糖類、例えばマルトース、スクロースなどの二糖類、例えばデキストリン、シクロテキストリンなどの通常の糖、および例えばキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールがある。上述したもの以外の香味剤として、天然香味剤(タウマチン(taumatin)、ステビア抽出物(例えば、レバウジオシド(levaudioside)A、グリシルヒジン(glycyrrhizin)など)および合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に使用することができる。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100mL当り一般に約1〜20g、好ましくは約5〜12gである。
【0026】
この他に、本発明の化合物は、いろいろの栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤および天然風味剤などの風味剤、着色剤および増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含有することができる。その他に、本発明の化合物は、天然果物ジュースおよび果物ジュース飲料および野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。このような成分は、独立にまたは組み合わせて使用することができる。このような添加剤の割合は、あまり重要ではないが、本発明の化合物100重量部当り0〜約20重量部の範囲で選択されることが一般的である。上述した抽出物を含む多様な食品、飲料、チューインガム、ビタミン複合体、健康増進食品およびこれと類似の様々なものが例示できる。
本発明の独創的な抽出物は、毒性がなく、副作用なしで安全に使用できる。
当業界で公知の技術として多様な変形が可能であり、変形物は合成物で製造されることも可能である。このような用途と製造は、本発明の思想および領域を逸脱しないことを明かしておく。
【0027】
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の組成物、用途および製剤において多様な改良および変化を加え得ることは、当業者には自明なことである。
本発明は、次の実施例によってさらに具体的に説明されるであろう。ところが、本発明は、これらの実施例に限定されないものと理解すべきである。
【実施例】
【0028】
本発明は、次の実施例によってさらに具体的に説明されるであろう。ところが、本発明は、これらの実施例に限定されないものと理解すべきである。
下記の実施例および実験例は、その領域が制限されることなく、本発明をさらに具体的に説明するためのものである。
【0029】
実施例1.Pseudolysimachion longifoliumの粗抽出物の製造
Pseudolysimachion longifolium7.9kgを乾燥、粉砕してメタノール50Lを加えた後、常温で24時間攪拌し、真空濾過によって上澄み液を回収した。この過程を3回繰り返して上澄み液を集めた後、減圧下の55〜65℃の回転式攪拌器による濃縮によってPseudolysimachion longifoliumメタノール粗抽出物950.5gを得た。
【0030】
実施例2.極性溶媒および非極性溶媒可溶性抽出物の製造
2−1.酢酸エチル可溶性分画の製造
10Lの蒸留水を、実施例1で得た425gの粗抽出物に添加した。1.101Lの酢酸エチルを分離漏斗に添加し、激烈に振とうして酢酸エチル層および水可溶性層に分離した。
上述した酢酸エチル層は、回転式攪拌器で濃縮し、冷凍乾燥機で乾燥させて酢酸エチル可溶性抽出物を得た。
2−2.ブタノール/水溶解性分画の製造
水溶解性層は、10Lのブタノールと混合し、最終的に144.0gのn−ブタノール溶解性抽出物と混合して分画し、水溶解性抽出物を得て次の実験でサンプルとして使用した。
【0031】
実施例3.Pseudolysimachion longifolium抽出物からのカタルポール誘導体の製造
3−1.ベルプロシド(verproside)(6−O−3,4−ジヒドロキシベンゾイルカタルポール)の製造
n−ブタノール溶解性分画物144.0gに対してシリカゲルクロマトグラフィー(72〜230メッシュ、8.5×65cm)を行い、クロロホルム−メタノール混合物(メタノール0〜100%、段階的に増加させる)で溶出させて5つの分画物を得た。分画2(29.1g)に対して、正常相シリカカラムクロマトグラフィーを用いてカラムクロマトグラフィーを繰り返し行った(シリカゲル、230〜400メッシュ、6.0×60cm、クロロホルム−メタノール混合物、メタノール10〜50%段階的増加)。分画2−4をメタノールで再結晶してベルプロシド、すなわち6−O−3,4−ジヒドロキシベンゾイルカタルポールを得た。その構造は、以前に報告された光学回転、NMR(H、13D、DEPT、HMQC、HMBC)およびEI−MSで確認した(Afifi-Yazar F et al., HeIv ChimActa, 63, pp 1905-7, 1980)。ベルプロシドの純度は95.5%以上のHPLC計で分析した(Shimadzu SCL-IOA with SPD-M 1OA vp PDA detector, column; Phenomenex Synergi 4 um Fusion RP-80, 4.6x150 mm, elution: MeOH/DW, 35/65, v/v, 0.8 ml/min)。
6−O−3,4−ジヒドロキシベンゾイルカタルポール(ベルプロシド)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 2.47(1H, dd, J=8.0, 9.2 Hz, H-9), 2.59(1H, dddd, J=1.6, 4.0, 8.0, 8.0, H-5), 3.00(1H, m, H-G4), 3.05 (1H, m, H-G2), 3.14(1H, m, H-G5), 3.18(1H, m, H-G3), 3.42, 3.71(2H, m, H-G6). 3.67(1H, s, H-7), 3.71, 3.91(2H, d, J=13.2 Hz, each, H-10), 4.61(1H, d, J=7.6 Hz, H-G1), 4.94(1H, dd, J=4.0, 6.0 Hz, H-4), 5.03 (1H, d, J=8.0 Hz, H-6), 5.09(1H, d, J=9.2 Hz, H-1), 6.41(1H, dd, J=1.6. 6.0 Hz, H-3), 6.82(1H, d, J=8.0 Hz, H-5'), 7.35(1H, dd, J=2.0, 8.0 Hz, H-6'), 7.39(1H, d, J=2.0 Hz, H-2')。
13C-NMR (100 MHz, DMSO- d6) δ: 93.0(C-1), 141.1(C-3), 101.8 (C-4), 35.2(C-5), 79.5(C-6), 58.2(C-7), 65.8(C-8), 41.8(C-9), 120.0 (C-1'), 116.4(C-2'), 145.1(C-3'), 150.8(C-4'), 115.4(C-5'), 122.6 (C-6'), 165.6(C-7'), 97.9(C-G1), 73.4(C-G2), 76.4(C-G3), 70.3(C-G4), 77.5(C-G5), 61.4(C-G6)。
【0032】
3−2.Pseudolysimachion longifolium抽出物からのイソバニリルカタルポールの製造
分画3 17.3gに対して正常相シリカカラムを用いてカラムクロマトグラフィーを行った(シリカゲル、230〜400メッシュ、6.0×60cm、クロロホルム−メタノール混合物、メタノール10〜50%段階的増加)。8.5gの分画3−3をメタノールで再結晶して7.2gのイソバニリルカタルポール、すなわち6−O−3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイルカタルポールを得た。
6−O−3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイルカタルポール(イソバニリルカタルポール)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 2.47(1H, m, H-9), 2.55(1H, m H-5), 3.00(1H, m, H-G4), 3.05 (1H, m, H-G2), 3.14(1H, m, H-G5), 3.18(1H, m, H-G3), 3.43, 3.70(2H, m, H-G6), 3.70(1H, br s, H-7), 3.72, 3.92(2H, d, J=13.2, each, H-10), 4.62(1H, d, J=8.0 Hz, H-G1), 4.95(1H, dd, J=4.4, 6.0 Hz, H-4), 5.06 (1H, d, J=8.0 Hz, H-6), 5.11(1H, d, J=9.2 Hz, H-1), 6.42(1H, d, J=6.0 Hz, H-3), 7.04(1H, d, J=8.4 Hz, H-5'), 7.42(1H, br s, H-2'), 7.48(1H, d, J= 8.4 Hz, H-6'), 3.84(3H, s, 4'-O-CH3)。
13C-NMR (100 MHz, DMSO- d6) δ: 93.0(C-1), 141.0(C-3), 101.6 (C-4), 35.2(C-5), 79.7(C-6), 58.2(C-7), 65.8(C-8), 41.8(C-9), 58.4(C-10), 121.7(C-1'), 115.7(C-2'), 146.3(C-3'), 152.1(C-4'), 111.4(C-5'), 121.3 (C-6'), 165.3(C-7'), 97.8(C-G1), 73.4(C-G2), 76.4(C-G3), 70.3(C-G4), 77.4(C-G5), 61.4(C-G6), 55.7(4'-OCH3)。
【0033】
3−3.Pseudolysimachion longifolium抽出物からのピクロシド(picroside)IIの製造
1.5gの分画3−5を可逆相シリカゲルカラム(RP−8、YMC gel ODS−A,6.0×60cm、メタノール/水、1/4、v/v)で処理し、S ephadex LH−20カラムクロマトグラフィー(メタノール/水、85/15、v/v)で処理して101.0mgのピクロシドII、すなわち6−O−4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾイルおよび30.0mgのベルミノシド(verminoside)、すなわち6−O−3,4−ジヒドロキシシンナモイルカタルポールを得た。
6−O−4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾイル(ピクロシドII)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 2.47(1H, dd, J=8.0, 9.6 Hz, H-9), 2.58(1H, dddd, J=1.2, 6.0, 8.0, 8.4 Hz, H-5), 3.00(1H, m, H-G4), 3.05 (1H, m, H-G2), 3.14(1H, m, H-G5), 3.18(1H, m, H-G3), 3.42, 3.71(2H, m, H-G6), 3.67(1H, br s, H-7), 3.72, 3.92(2H, d, J=13.2, each, H-10), 4.62(1H, d, J=7.6 Hz, H-G1), 4.99(1H, dd, J=4.4, 6.0 Hz, H-4), 5.06 (1H, d, J=8.4 Hz, H-6), 5.11(1H, d, J=9.6 Hz, H-1), 6.42(1H, dd, J=1.6. 6.0 Hz, H-3), 6.89(1H, d, J=8.4 Hz, H-5'), 7.46(1H, d, J=2.0 Hz, H-2'), 7.52(1H, dd, J=2.0, 8.4 Hz, H-6'), 3.83(3H, s 3'-O-CH3)。
13C-NMR (100 MHz, DMSO- d6) δ: 93.0(C-1), 141.1(C-3), 101.8 (C-4), 35.2(C-5), 79.7(C-6), 58.2(C-7), 65.8(C-8), 41.8(C-9), 58.5(C-10), 121.0(C-1'), 112.7(C-2'), 147.5(C-3'), 152.0(C-4'), 115.3 (C-5'), 123.8(C-6'), 165.6(C-7'), 97.9(C-G1), 73.4(C-G2), 76.4(C-G3), 70.3(C-G4), 77.5(C-G5), 61.4(C-G6), 55.7(3'-OCH3)。
6−O−3,4−ジヒドロキシシンナモイルカタルポール(ベルミノシド)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 2.43(1H, m, H-9), 2.45(1H, m, H-5), 3.01(1H, m, H-G4), 3.05 (1H, m, H-G2), 3.14(1H, m, H-G5), 3.18(1H, m, H-G3), 3.42, 3.70(2H, m, H-G6), 3.64(1H, br s, H-7), 3.71, 3.90(2H, d, J=13.2 Hz, each, H-10), 4.61(1H, d, J=8.4 Hz, H-G1), 4.94(1H, dd, J=4.0, 5.6 Hz, H-4), 4.99 (1H, d, J=7.2 Hz, H-6), 5.08(1H, d, J=9.2 Hz, H-1), 6.42(1H, d, J=5.6 Hz, H-3), 6.77(1H, d, J=8.0 Hz, H-5'), 7.08(1H, d, J=1.6 Hz, H-2'), 7.05(1H, dd, J=1.6, 8.0 Hz, H-6')。
13C-NMR (100 MHz, DMSO- d6) δ: 92.9(C-1), 141.1(C-3), 101.7 (C-4), 35.1(C-5), 79.2(C-6), 58.2(C-7), 65.7(C-8), 41.8(C-9), 58.5 (C-10), 125.4(C-1'), 115.8(C-2'), 146.0(C-3'), 148.6(C-4'), 113.3 (C-5'), 121.6(C-6'), 145.6(C-7'), 115.0 (C-8'), 97.9(C-G1), 73.4(C-G2), 76.4(C-G3), 70.3(C-G4), 77.5(C-G5), 61.4(C-G6)。
【0034】
3−4.Pseudolysimachion longifolium抽出物からの6−O−ベラトロイルカタルポールの製造
6.2gの分画4に対してカラムクロマトグラフィーを行った。1.2gの分画4−3をメタノールで再結晶して672.6mgの6−O−ベラトロイルカタルポール、すなわち6−O−3,4−ジメトキシベンゾイルを得た。
6−O−3,4−ジメトキシベンゾイルカタルポール(6−O−ベラトロイルカタルポール)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 2.47(1H, dd, J=8.0, 9.6 Hz, H-9), 2.59(1H, dddd, J=1.6, 4.8, 8.0,8.0 Hz, H-5), 3.00(1H, m, H-G4), 3.05 (1H, m, H-G2), 3.14(1H, m, H-G5), 3.18(1H, m, H-G3), 3.42, 3.71(2H, m, H-G6), 3.70(1H, br s, H-7), 3.72, 3.90(2H, d, J=13.2 Hz, each, H-10), 4.61(1H, d, J=7.6 Hz, H-G1), 4.97(1H, dd, J=4.8, 6.0 Hz, H-4), 5.08 (1H, d, J=8.8 Hz, H-6), 5.10(1H, d, J=9.6 Hz, H-1), 6.42(1H, dd, J=1.6. 6.0 Hz, H-3), 7.09(1H, d, J=8.4 Hz, H-5'), 7.46(1H, d, J=2.0 Hz, H-2'), 7.64(1H, dd, J=2.0, 8.4 Hz, H-6'), 3.81, 3.84(6H, s each, 3', 4'-OCH3)。
13C-NMR (100 MHz, DMSO- d6) δ: 92.9(C-1), 141.1(C-3), 101.8 (C-4), 35.2(C-5), 79.9(C-6), 58.2(C-7), 65.9(C-8), 41.8(C-9), 58.4 (C-10), 121.3(C-1'), 111.8(C-2'), 148.5(C-3'), 153.2(C-4'), 111.2 (C-5'), 123.5(C-6'), 165.5(C-7'), 97.8(C-G1), 73.4(C-G2), 76.4(C-G3), 70.3(C-G4), 77.5(C-G5), 61.4(C-G6), 55.6, 55.7(3', 4'-OCH3)。
【0035】
3−5.Pseudolysimachion longifolium抽出物からのミネコシド(minecoside)の製造
261.0mgの分画4−4および288.0mgの分画4−5をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール混合物、メタノール10〜20%、段階的増加)で処理して52.5mgのミネコシド、すなわち6−O−3−ヒドロキシ−4−メトキシシンナモイルカタポールを得た。
6−O−3−ヒドロキシ−4−メトキシシンナモイルカタルポール(ミネコシド)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 2.46(1H, m, H-9), 2.48(1H, m, H-5), 3.00(1H, m, H-G4), 3.05 (1H, m, H-G2), 3.14(1H, m, H-G5), 3.18(1H, m, H-G3), 3.42, 3.70(2H, m, H-G6), 3.67(1H, br s, H-7), 3.72, 3.91(2H, d, J=13.2 Hz, each, H-10), 4.61(1H, d, J=8.8 Hz, H-G1), 4.94(1H, dd, J=4.0, 6.0 Hz, H-4), 5.00 (1H, d, J=7.2 Hz, H-6), 5.09(1H, d, J=9.2 Hz, H-1), 6.42(1H, dd, J=1,2, 5.6 Hz, H-3), 6.96(1H, d, J=8.0 Hz, H-5'), 7.13(1H, d, J=2.0 Hz, H-2'), 7.17(1H, dd, J=2.0, 8.0 Hz, H-6'), 3.82(3H, s, -OCH3)。
13C-NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ: 93.0(C-1), 141.1(C-3), 101.7 (C-4), 35.1(C-5), 79.3(C-6), 58.2(C-7), 65.7(C-8), 41.8(C-9), 58.5 (C-10), 126.8(C-1'), 114.5(C-2'), 146.7(C-3'), 150.2(C-4'), 112.0(C-5'), 121.4(C-6'), 145.7(C-7'), 114.5 (C-8'), 97.9(C-G1), 73.4(C-G2), 76.4(C-G3), 70.3(C-G4), 77.5(C-G5), 61.4(C-G6), 55.6 (4'-OCH3)。
【0036】
3−6.Pseudolysimachion longifolium抽出物からのカタルポールの製造
ベルプロシド(verproside)を0.1NのNaOHで加水分解してカタルポール(化合物1)を得た。溶液を室温で8時間攪拌し、0.1NのHCl溶液で中和した。生成物を減圧の下に回転式蒸発器で濃縮し、可逆相シリカゲルカラム(RP18、メタノール/水、1/4、v/v)を行って54.0mgのカタルポールを得た。
カタルポール
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 2.12(1H, dddd, J=1.6, 4.0, 8.0, 8.0Hz, H-5), 2.31(1H, d, J=8.0, 9.6Hz, H-9), 3.00(1H, m, H-G4), 3.05(1H, m, H-G2), 3.11(1H, m, H-G5), 3.17(1H, m,H-G3), 3.34(1H, br s, H07), 3.40, 3.70(2H, m, H-G6), 3.63, 3.87(2H, d, J=12.8, each, H-10), 3.76(1H, d, J=8.0Hz, H-6), 4.59(1H, d, J=8.0Hz, H-G1), 4.90(1H, d, J=9.6Hz, H-1), 5.01(1H, dd, J=4.6, 6.0Hz, H-4), 6.36(1H, dd, J=1.6, 6.0Hz, H-3)
13C-NMR (100 MHz, DMSO- d6) δ: 93.2(C-1), 140.2(C-3), 103.3 (C-4), 37.4(C-5), 77.1(C-6), 60.7(C-7), 64.8(C-8), 42.1(C-9), 58.9(C-10), 97.8(C-G1), 73.4(C-G2), 76.4(C-G3), 70.2(C-G4), 77.4(C-G5), 61.3(C-G6)。
【0037】
実験例1.MTT分析
Pseudolysimachion longifolium抽出物およびこれから分離された化合物の細胞毒性は、(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT))方法で測定した(Wang Z et al., Biol., Pharm. Bull., 24, pp159-162, 2001)。
Promyelotic HL−60細胞(HL−18103、5×10cells/mL)をNGF非含有条件で96ウェルプレートに播種した。24時間培養後、細胞は10μLのDMSOおよび10μLのMTT溶液(5mg/mL)中に溶解されたサンプルの混合物で処理し、類似の条件下に4時間培養し、4時間後にMTTを除去し、100μLのDMSOを各ウェルに滴下して結晶を溶解させた。570nmでUV吸光度をマイクロプレートリーダー(BIO−RAD、米国)で測定して細胞生存度を計算した。
表1に示すように、結果は、細胞生存度が50μMで98%〜116%、100μMで95%〜114%の範囲であることを立証する。本発明の抽出物または化合物は、細胞毒性がないものと確認された。
【0038】
【表1】

【0039】
実験例2.気道過敏性(AHR)
最終卵白アルブミン(OVA)感作24時間後、Penh値(増加した後で停止した値)を計算して測定した。OVA処理されたグループのPenh値は、PBS対照グループに比べて著しく増加した。Pseudolysimachion longifolium抽出液+OVA−Challengedグループは、30mg/mLのメタコリンにOVA処理されたグループと比較して、Penh値が著しく減少した(表2参照)。OVA処理されたグループ(P<0.05)の値と比較して、ベルプロシド+OVA−ChallengedグループはPenh値が著しく減少した。陽性調節、抗喘息薬剤として広く用いられるモンテルカスト(montelukast、ML)はベルプロシド処理時のAHRと類似の減少を示す。
【0040】
【表2】

【0041】
実験例3.BALFにおける卵白アルブミン(OVA)誘導された好酸球上のPseudolysimachion longifolium抽出物の効果
3−1.動物感作と気道免疫
関連した呼吸器病原体を血清学的に周期的に測定した8〜10週齢の特定の病原体未感染白マウス雌(BALB/c)を(株)オリエント(ソウル、韓国)から購入した。
次の処理方法:(1)PBS(phosphate-buffered saline;ipNeb)にSham−感作させる。(2)OVA(ovalbumin:Sigma A5503;Sigma、St.Louis,MO)(ipNeb)に添加して感作させる。(3)OVA(Neb)とサンプル(Pseudolysimachion longifolium抽出物またはモンテルカスト)の攻撃が加えられたOVA(i.p.)感作させたものはマウスのグループに注入される(n=5)。要するに、マウスは0日と14日に20μg卵白アルブミンを腹腔内注入することにより感作させ、この卵白アルブミンはPBSバッファ100μL(pH7.4)に水酸化アルミニウム2mgと乳化させて注入した。その後、28日、29日、30日目に超音波噴霧器(ultrasonic nubuilizer、NE−U12;Omron Corp.,東京、日本)を用いて卵白アルブミン(PBS内1%)を20分間気道を介して噴霧した。マウスはアレルギー性喘息の気道上におけるPseudolysimachion longifolium抽出物またはベルプロシドの抑制効果を確認するために、最終投与(32日)48時間後に致死させた。
【0042】
3−2.サンプル処理
Pseudolysimachion longifoliumおよびベルプロシドは、PBSに懸濁させ、25−ゲージステンレススチルブラントフィーディングニッドル(25-gauge stainless steel blunt feeding needle)を用いて各処理1時間前に胃内に投与し、対照群はPBS溶液にのみ露出させた。陽性対照群として、実験における同じ過程を経てモンテルカスト(MSK Korea Ltd.,ソウル、韓国)を処理した。
マウスは、最終投与後に過量のペントバルビタール(pentobarbital)(Sigma P3761)を用いて致死させ、気管切開が行われた。冷たいPBS0.5mLを肺に染み込ませた後、気管挿管方法(Yamazaki T, J. Jap. Bot, 43, pp 117-24,1968)で3回吸い込んで気管支肺胞液(BALF)を得た(総1.5mL)。
【0043】
3−3.気管支肺胞洗浄液における炎症細胞の測定
全体炎症細胞の数は、トリパンブルー(Daigle I. et al., Swiss Med Wkly, 131 pp231-7, 2001)で染色されて確認された死細胞を除いたヘモサイトメーター(hemocytometer)で少なくとも5区域の細胞数を数えて測定した。得た気管支肺胞液(BALF)100μLをスライドに置き、サイトスピン機器(cytospine machine)(Hanil Science Industrial、韓国)を用いて遠心分離(200×g、4℃、10分)して細胞をスライドに固定した。製造者の指針に基づいて、細胞はDiff−Quict染色試薬(Sysmex、Cat No.38721、スイス)で染色された。統計学的分析は、Student’s two−tailed t−testで行い、P<0.05の臨界値を示した。
【0044】
卵白アルブミン投与マウスにおける好酸球へのベルプロシドの抑制程度を測定するために、気管支肺胞洗浄液に誘引された細胞数を最終投与48時間後に測定した。卵白アルブミンは、PBS対照群において気管支肺胞洗浄液への顕著な白血球流入を引き起こした。図2に示すように、PBS処理された対照群(2.3±0.6×10細胞/マウス)と比較し、全体細胞は40±16.4×10細胞/マウス(P<0.001)で計算された。好酸球はPBS処理されたマウスにおいて全体細胞の5%未満で示されたが、卵白アルブミン投与されたマウスの気管支肺胞洗浄液において、全体白血球は75%以上と急激に増加した。ベルプロシド処理されたマウスにおいて、細胞移動は顕著に鈍化した;卵白アルブミン投与された対照群から全体細胞の79.3±13.1%減少(P<0.005)および好酸球の86.2±7.2%減少(P<0.001)。陽性対照、モンテルカスト(ML)を処理したグループでは、全体細胞の78.3±12.1%減少(P<0.005)および好酸球の80.7±11.1%の減少(P<0.005)(図2を参照)を示し、気管支肺胞洗浄液における白血球流入抑制効果と同一の効果を示した。Pseudolysimachion longifoliumとOVAを処理するにおいて、細胞の流入も顕著に減少した;それぞれ、全体細胞の66.0±13.2%減少および好酸球の75.8±7.6%減少。
【0045】
実験例4.肺組織学
好酸球においてベルプロシドの抑制効果を測定するために、肺組織は最終処理48時間後に収集された。肺は、10%中和されたホルマリン溶液に24時間浸漬固定した。パラフィンに固定された後、4−μmの厚さに切片を製造し、組織はH&E溶液で染色された(hematoxylin;Sigma MHS−16およびeosin、Sigma HT110−I−32)。卵白アルブミン処理されたマウスにおいて、白血球は気管支周辺および血管周辺の結合組織に浸透するものと明らかになった;このような白血球の好酸球増加症が主に観察された。(図3−IVを参照。PP<0.005)ベルプロシド+卵白アルブミン−浸透されたマウスにおいて、好酸リッチ白血球の浸透は卵白アルブミン処理されたマウスと比較し、顕著に鈍化した(図3−IIIを参照、P<0.05)。モンテルカスト(ML)の抑制効果はベルプロシドのそれと類似であった(図3−IV参照、P<0.05)。 Pseudolysimachion longifolium抽出物+卵白アルブミンの処理において、白血球浸透の抑制効果は明確に示されていない(図3−Vを参照)。
【0046】
PAS(periodic acid Schiff)染色において、正常マウスに比べて、卵白アルブミン処理されたマウスで粘液過多分泌が気管支から紫色で明確に観察された。反面、粘液は、ベルプロシド+卵白アルブミン処理されたマウスで顕著に減少した(図4−Aを参照)。気道表面にける杯細胞過多増殖を5段階システムで分析した;0,杯細胞なし;1,上皮の<25%;2,上皮の25〜50%;3,上皮の50〜75%;4,上皮の>75%。各マウスにおいて、左肺を介して無作為に選定した5部分の気道セクションが分析され、それらの平均が測定された。粘液生産の定量分析は、イメージ分析器(Leica Microsystem Imaging solution Ltd;Cambridge、UK)を用いて行われた。図4−Bに示すように、PBS処理されたマウスと比較するとき、 粘液区域は、卵白アルブミン処理されたマウスでは3.60±0.64(P<0.05)であり、ベルプロシド+卵白アルブミン処理されたマウスでは1.43±0.23と顕著に減少したが、これは陽性対照群としてのモンテルカスト(1.53±0.24、P<0.05)よりさらに低い数値であった。このような結果は、ベルプロシドが気道リモデリング過程で顕著な好酸球増加と粘液過多分泌を減少させるということが分かった。
【0047】
実験例5.IgEとサイトカインの測定
マウスIgE抗体における相補的な結合および検出抗体対は、PharMingen(San Diego、CA)から購入し、製造社の方法に従い、IgE ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)を行った。プラズマにおいて、2倍のサンプルは1:100で希釈された。各サンプルにおけるIgE水準は450nmで光学密度を測定し、IgE濃度は組み換えIgE(5〜2000ng/mL)を用いて測定された標準曲線から計算された。BALF(気管支肺胞洗浄液)に含有されているIL−4およびIL−13の量は特異的マウスELISAキット(R&D Systems;Minneapolis、MN)で測定された。分析の検出限界は250pg/mLであった。
【0048】
図5−Aに示すように。IgE水準は、卵白アルブミン(OVA)で感作された実験群で急激に増加することが観察された:PBS処理されたマウス(プラズマでは16.9±23.9μg/mL、気管支肺胞洗浄液では1.0±0.1ng/mL)と比較して85.6±17.3μg/mL(プラズマ、P<0.05)および59.4±38.4(BALF、P<0.005)であった。ベルプロシド処理されたマウスのIgE水準は40.2±13.2μg/mL(プラズマ、P<0.005)および21.5±11.2ng/mL(気管支肺胞洗浄液、P<0.05)と顕著に減少した。モンテルカストの場合、前記IgE水準は31.4±14.2μg/mL(プラズマ、P<0.005)および3.8±0.7ng/mL(気管支肺胞洗浄液、P<0.05)とさらに一層減少した。
【0049】
卵白アルブミン誘導された喘息マウスにおけるサイトカインへのベルプロシドの効果を確認するために、気管支肺胞洗浄液におけるサイトカインの水準(IL−4およびIL−3)は、最終投与48時間後にELISAを用いて測定した。卵白アルブミン投与は、対照群(IL−4、0.1±0.5pg/mL;IL−13、0.1±1.0pg/mL)と比較するとき、気管支肺胞洗浄液において14.1±6.1pg/mL(IL−4)および178.5±96.4pg/mL(IL−13)とサイトカインの顕著な上昇を誘導した。ベルプロシド投与群において、サイトカインは顕著に減少した;卵白アルブミン処理された群において、IL−4(P<0.05)では64.5±27.7%、IL−13(P<0.005)では74.9±15.5%)と減少した。モンテルカストもIL−4(69.5±22.0%減少、P<0.05)およびIL−13(84.5±8.2%減少、P<0.05)と対照群に比べて顕著な減少を示した。このような結果は、ベルプロシドはモンテルカストのように喘息モデルの気管支肺胞洗浄液でIL−4およびIL−13の濃度が減少することを示す(図5−Cおよび5−D)。
次に、添加剤の種類および方法についての製剤例を説明するが、これらの製剤例は本発明を限定するものではない。その代表的な製剤例は、次の通りである。
【0050】
注射剤の製造
実施例1の乾燥パウダーまたはベルプロシド 100mg
メタ重亜硫酸ナトリウム(Sodium metabisulfite) 3.0mg
メチルパラベン 0.8mg
プロピルパラベン 0.1mg
注射用蒸留水適量
注射剤は、活性成分を溶解させて製造され、約pH7.5程度に調節した後、全成分を2mLのアンプルに充填し、通常の注射剤製造方法に従って滅菌した。
【0051】
パウダーの製造
実施例1の乾燥パウダーまたはベルプロシド 500mg
トウモロコシ澱粉 100mg
乳糖 100mg
タルク 10mg
パウダーの製造は、前記の成分を混合してシールパッケージに充填することにより行われる。
【0052】
錠剤の製造
実施例1の乾燥パウダーまたはベルプロシド 200mg
トウモロコシ澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
錠剤の製造は、前記の成分を混合し、通常の錠剤製造方法によって打錠することにより行われる。
【0053】
カプセル剤の製造
実施例1の乾燥パウダーまたはベルプロシド 100mg
乳糖 50mg
トウモロコシ澱粉 50mg
タルク 2mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
錠剤の製造は、前記の成分を混合し、通常のゼラチン製造方法によってゼラチンカプセルに充填することにより行われる。
液剤の製造
実施例1の乾燥パウダーまたはベルプロシド 1000mg
砂糖 20g
多糖類 20g
レモン香(Lemon flavor) 20g
液剤の製造は、活性成分を溶解させた後、通常の液剤製造方法に従って全成分を1000mLのアンプルに充填することにより行われる。
【0054】
健康食品の製造
実施例1の乾燥パウダーまたはベルプロシド 1000mg
ビタミン混合物 適量
ビタミンAアセテート 70mg
ビタミンE 1.0mg
ビタミンB 0.13mg
ビタミンB 0.15mg
ビタミンB 0.5mg
ビタミンB12 0.2mg
ビタミンC 10mg
ビオチン 1.7mg
葉酸 50mg
パントテン酸カルシウム 0.5mg
無機質混合物 適量
硫酸第1鉄 1.75mg
酸化亜鉛 0.82mg
炭酸マグネシウム 25.3mg
第1リン酸カリウム 15mg
第2リン酸カルシウム 55mg
クエン酸カリウム 90mg
炭酸カルシウム 100mg
塩化マグネシウム 24.8mg
前記のビタミンおよびミネラル混合物は様々に変化させることができる。このような多様な方法が本発明の思想および領域を逸脱するのではない。
【0055】
健康飲料の製造
実施例1の乾燥パウダーまたはベルプロシド 1000mg
クエン酸 1000mg
オリゴー糖 100g
梅濃縮液 2g
タウリン 1g
精製水 900mL
健康飲料の製造は、活性成分を溶解させ、混合し、85℃で1時間攪拌して製造され、ろ過後、1000mLのアンプルに成分を充填し、通常の健康飲料製造方法に従って滅菌することにより行われる。
上述した本発明は様々な方法で変化できる。このような変形が本発明の思想または領域を逸脱するのではなく、当業界で公知の全ての変形は請求の領域内に含まれることは自明である。
【0056】
上述したように、本発明は、Pseudolysimachion longifolium抽出物およびこれから分離されたカタルポール誘導体は、卵白アルブミン(OVA)誘導された喘息マウスモデルにおいて、プラズマとBALFで増加したIgE、IL−4、およびIL−13水準を抑制し、好酸球増多を抑制し、肺組織における粘液過多分泌を抑制する機能を行う。したがって、炎症、アレルギーおよび喘息疾患を予防または治療するのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
この発明の前記および他の目的、特徴およびその他の利点は、添付図面を参照する次の詳細な説明によって明確に理解されるであろう。
【図1】図1は気道過敏性(AHR、airway hyperre-sponsiveness)へのPseudolysimachion longifolium抽出物の効果を示す図である。
【図2】図2は気管支肺胞洗浄液(BALF、bronchoalveolar lavge fluid)で炎症細胞の誘引においてベルプロシド(verproside)、ピクロシドII(picroside II)、Pseudolysimachion longifoliumから分離された分画3の効果を示す図である。
【図3】図3は気管支肺胞洗浄の組織学的検査を用いて、好酸球増加症における、Pseudolysimachion longifoliumから分離されたベルプロシドの効果を示す図である。
【図4】図4は気管支肺胞洗浄の組織学的検査を用いて、杯細胞(goblet-cell)における、Pseudolysimachion longifoliumから分離されたベルプロシドの効果を示す図である。
【図5】図5は気管支において粘液過多分泌を減少させるPseudolysimachion longifoliumから分離されたベルプロシドの効果を示す図である。
【図6】図6は気管支肺胞洗浄液においてIgE水準、IL−4、およびIL−3を減少させるPseudolysimachion longifoliumから分離されたベルプロシドの効果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗炎、抗アレルギー、抗喘息活性を有する Pseudolysimachion属植物の粗抽出物または有機溶媒可溶抽出物を有効成分として含有する、炎症、アレルギーおよび喘息疾患の予防または治療のための薬学組成物。
【請求項2】
前記粗抽出物または有機溶媒可溶抽出物は、水、低級アルコール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタンまたはこれらの混合物よりなる群から選ばれた溶媒で抽出した抽出物であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学組成物。
【請求項3】
前記抽出物は、P. longifolium、P. ovutum、P. kiusianum、P. kiusianum var. diamanticum、P. kiusianum var. villosum、P. dahuricum、P. pyrethrinum、P. linarifolium、P. linarifolium var. villosulum、P. rotundum var. subintegrum、P. rotundum var. coreanum、P. insulareまたはP. undulataから抽出されたことを特徴とする、請求項1に記載の薬学組成物。
【請求項4】
下記一般式(I)で表されるカタルポール誘導体またはその薬学的に許容される塩を含む、炎症、アレルギーまたは喘息疾患の予防または治療のための薬学組成物。
[一般式I]
【化1】

(式中、Rは独立に水素原子、C〜C低級アルキル基またはC〜C低級アルコキシ基でそれぞれ置換されたベンゾイルまたはシンナモイル基から選ばれた少なくとも一つの基である。)
【請求項5】
前記R基は、3,4−ジヒドロキシベンゾイル、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾイル、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイル、4−ヒドロキシベンゾイル、3,4−ジメトキシベンゾイル、3,4−ジヒドロキシシンナモイル、および3−ヒドロキシ−4−メトキシシンナモイルよりなる群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
抗炎、抗アレルギー、抗喘息を治療または予防するための薬物の製造のための請求項1に記載の Pseudolysimachion属植物の粗抽出物または有機溶媒可溶抽出物、または請求項4に記載のカタルポール誘導体の用途。
【請求項7】
食品学的に許容される添加剤、および請求項1に記載の Pseudolysimachion属植物の粗抽出物または有機溶媒可溶抽出物、または請求項4に記載ののカタルポール誘導体を含む、炎症、アレルギー、喘息の予防および改善のための健康機能食品。
【請求項8】
前記健康機能食品は、丸薬、粉末、顆粒剤、錠剤、チューイン錠剤、カプセル剤、または液剤である、請求項7に記載の健康機能食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−542363(P2008−542363A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514551(P2008−514551)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【国際出願番号】PCT/KR2006/002092
【国際公開番号】WO2006/129964
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(507393344)コリア リサーチインスティテュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー (1)
【出願人】(507393595)
【Fターム(参考)】