説明

抗癌治療のための標的としてのトレホイル因子3(TFF3)

本発明は、癌(例えば、トレホイル(trefoil)因子3(TFF3)の特異な発現(differential expression)によって特徴づけられる癌)の治療および予防方法に関する。本発明の方法は、TFF3の活性または発現を調節する薬剤を患者に投与する工程を包含する。本発明は、さらに、細胞の運動性またはアポトーシス耐性の阻害を含む、細胞中のTFF3発現の生理学的効果を減少に関する。TFF3の発現または活性を調節することができるオリゴヌクレオチドおよび抗体もまた、提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の処置または予防のための医薬の調製における、TFF3中和剤の使用。
【請求項2】
前記TFF3中和剤が核酸を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記癌が、乳癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣癌、または胃癌である、請求項1および請求項2のいずれか1項に記載の使用。
【請求項4】
前記TFF3が、前記癌の細胞中で特異的に発現される、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記中和剤がアンチセンス分子を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
前記アンチセンス分子が、配列番号5〜19のいずれかの配列を含むか重複する、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記中和剤がRNAi分子を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記RNAi分子が、配列番号5〜19のいずれかに対応する配列を含むか重複する、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記TFF3中和剤が、TFF3に特異的に結合する抗体を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
前記癌が、結腸癌や前立腺癌でない、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
癌の処置または予防のための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用であって、該薬物は従来の癌処置と組み合わせて使用される、使用。
【請求項12】
前記従来の癌処置が化学治療である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記従来の癌処置がホルモンアブレーション治療である、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
前記ホルモンがアンドロゲンである、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
細胞におけるアポトーシスを調節するための医薬の調製における、TFF3中和剤の使用。
【請求項16】
前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記細胞が癌細胞である、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
前記細胞が、胸部細胞、前立腺細胞、結腸細胞、卵巣細胞、または胃細胞である、請求項15に記載の使用。
【請求項19】
腫瘍成長の阻害または腫瘍体積の減少のための医薬の調製における、TFF3中和剤の使用。
【請求項20】
前記腫瘍が、TFF3が特異的に発現される細胞を含む、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
細胞中におけるTFF3の発現に関連する少なくとも1つの生理学的効果を調節するための医薬の調製における、TFF3中和剤の使用。
【請求項22】
前記生理学的効果が、細胞の運動性またはアポトーシス耐性の増加である、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
細胞の移動、接着、または増殖を阻害するための医薬の調製における、TFF3中和剤の使用。
【請求項24】
癌細胞の浸潤を減少するための医薬の調製における、TFF3中和剤の使用。
【請求項25】
細胞におけるTFF3発現を調節するための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用。
【請求項26】
生物学的サンプル中のTFF3を検出する方法であって、該方法は、該サンプルをTFF中和剤に接触させる工程、および該サンプル中の該中和剤とTFF3との間の結合を検出する工程を包含する、方法。
【請求項27】
生物学的サンプル中の癌の存在を検出する方法であって、該方法は、該生物学的サンプルをTFF中和剤に接触させる工程および該生物学的サンプル中のTFF3の特異な発現の証拠を検出する工程を包含し、ここで、TFF3の特異な発現の証拠が癌の存在の指標となる、方法。
【請求項28】
前記検出が、前記接触の結果とコントロールとを比較する工程を包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
TFF3中和剤に対する患者の感受性を決定する方法であって、該方法は、該患者の癌サンプル中のTFF3の特異な発現の証拠を検出する工程を包含し、ここで、TFF3の特異な発現の証拠が、該TFF3中和剤に対する患者の感受性の指標となる、方法。
【請求項30】
前記TFF3の特異な発現の証拠が、前記患者の癌サンプル中のTFF3の上方制御である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記患者の癌サンプルが、乳房組織、前立腺組織、結腸組織、卵巣組織、または胃組織に由来する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
患者における癌の進行を評価する方法であって、該方法は、第1の時点での患者におけるTFF3発現を第2の時点でのTFF3発現と比較する工程を包含し、ここで、該第1の時点に対する該第2の時点でのTFF3発現の増加が、該癌の進行の指標となる、方法。
【請求項33】
前記TFF3発現の増加が、少なくとも約25%の発現の増加である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
患者における癌の転移リスクの増加を検出する方法であって、該方法は、第1の時点での該患者のTFF3発現を第2の時点でのTFF3発現と比較する工程を包含し、ここで、該第1の時点に対する該第2の時点でのTFF3発現の増加が、該転移リスクの増加の指標となる、方法。
【請求項35】
前記TFF3中和剤が検出可能な標識を含む、請求項1〜請求項34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記TFF3中和剤が放射性標識を含む、請求項1〜請求項35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記TFF3中和剤が、抗体、核酸、アンチセンス分子、またはRNAi分子を含む、請求項11〜請求項36のいずれか1項に記載の使用。
【請求項38】
TFF3の発現を調節する、アンチセンス分子。
【請求項39】
前記アンチセンス分子が、配列番号5〜19のいずれかの配列を含むか重複する、請求項38に記載のアンチセンス分子。
【請求項40】
配列番号5〜19のいずれかを含む、請求項38に記載のアンチセンス分子。
【請求項41】
TFF3発現を調節する、RNAi分子。
【請求項42】
前記RNAi分子が配列番号5〜19のいずれかの配列を含むか重複する、請求項41に記載のRNAi分子。
【請求項43】
請求項38に記載のアンチセンス分子および薬学的に許容可能なキャリアを含む、組成物。
【請求項44】
請求項43に記載のRNAi分子および薬学的に許容可能なキャリアを含む、組成物。
【請求項45】
単離された抗TFF3抗体であって、該抗体が、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28に対応するTFF3配列の少なくとも1つの領域を認識する、抗体。
【請求項46】
請求項45に記載の抗体であって、該抗体が、以下の工程:
a)ファージ上で抗体のライブラリーを合成する工程、
b)該ファージと配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28に対応するTFF3配列の少なくとも1つの領域を含む組成物と接触させることによって、前記ライブラリーをサンプルに対してパニングする工程、
c)該組成物に結合するファージを単離する工程であって、該抗体が、少なくとも10l/の結合親和性で配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28に対応するTFF3配列の少なくとも1つの領域に結合する能力によって特徴づけられる、工程、および
d)配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28に対応するTFF3配列の少なくとも1つの領域が結合するアミノ酸配列をコードする配列を決定するために、単離された該ファージを分析する工程、
を包含するプロセスによって産生される、抗体。
【請求項47】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項45に記載の抗体。
【請求項48】
前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項45に記載の抗体。
【請求項49】
前記抗体がキメラ抗体である、請求項45に記載の抗体。
【請求項50】
前記抗体がヒト化抗体である、請求項45に記載の抗体。
【請求項51】
前記抗体が単鎖抗体である、請求項45に記載の抗体。
【請求項52】
前記抗体がFabフラグメントである、請求項45に記載の抗体。
【請求項53】
前記抗体が標識されている、請求項45に記載の抗体。
【請求項54】
前記標識が、酵素、放射性同位体、またはフルオロフォアである、請求項53に記載の抗体。
【請求項55】
前記抗体の結合親和性が、TFF3以外のポリペプチドに対して約1×10Ka未満である、請求項45に記載の抗体。
【請求項56】
請求項45に記載の抗体を産生する、単離された細胞。
【請求項57】
請求項45に記載の抗体を産生する、ハイブリドーマ。
【請求項58】
請求項45に記載の抗TFF3抗体および薬学的に許容可能なキャリアを含む、組成物。
【請求項59】
癌の処置または予防のための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用であって、ここで、該中和剤が請求項45に記載の抗体である、使用。
【請求項60】
癌の処置または予防のための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用であって、該医薬が、従来の癌処置と組み合わせて使用され、ここで、該TFF3中和剤が請求項45に記載の抗体である、使用。
【請求項61】
前記従来の癌処置が化学治療である、請求項60に記載の使用。
【請求項62】
前記従来の癌処置がホルモンアブレーション治療である、請求項60に記載の使用。
【請求項63】
前記ホルモンがアンドロゲンである、請求項62に記載の使用。
【請求項64】
アポトーシスを誘導するための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用であって、ここで、該中和剤が請求項45に記載の抗体である、使用。
【請求項65】
前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項64に記載の使用。
【請求項66】
前記細胞が癌細胞である、請求項64に記載の使用。
【請求項67】
腫瘍体積の減少、腫瘍成長の防止または腫瘍成長の阻害のための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用であって、該TFF3中和剤が請求項45に記載の抗体である、使用。
【請求項68】
前記腫瘍が、TFF3が特異的に発現される細胞を含む、請求項67に記載の使用。
【請求項69】
細胞におけるTFF3の発現に関連する少なくとも1つの生理学的効果を調節するための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用であって、ここで、該TFF3中和剤が請求項45に記載の抗体である、使用。
【請求項70】
前記生理学的効果が、細胞の運動性またはアポトーシス耐性の増加である、請求項69に記載の使用。
【請求項71】
細胞の移動、接着、または増殖を阻害するための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用であって、ここで、該TFF3中和剤が請求項45に記載の抗体である、使用。
【請求項72】
癌の浸潤を減少するための医薬の調製におけるTFF3中和剤の使用であって、該TFF3中和剤が請求項45に記載の抗体である、使用。
【請求項73】
生物学的サンプル中のTFF3の検出方法であって、該方法は、該サンプルを請求項45に記載の抗体に接触させる工程、および該サンプル中の該中和剤とTFF3との間の結合を検出する工程を包含する、方法。
【請求項74】
前記TFF3中和剤が検出可能な標識を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
生物学的サンプル中の癌の存在の検出方法であって、該方法は、該サンプルを請求項45に記載の抗体に接触させる工程、および該生物学的サンプル中のTFF3の特異な発現の証拠を検出する工程を包含し、ここで、該TFF3の特異な発現の証拠が癌の存在の指標となる、方法。
【請求項76】
前記検出が、前記接触の結果とコントロールとを比較する工程を包含する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記TFF3中和剤が検出可能な標識を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28から選択される3つまたはそれ未満のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチド。
【請求項79】
前記ポリペプチドが、約8アミノ酸長〜約80アミノ酸長である、請求項78に記載のペプチド。
【請求項80】
前記ポリペプチドが抗TFF3抗体に特異的に結合する、請求項78に記載のペプチド。
【請求項81】
サンプル中のTFF3の特異な発現を検出するための抗体の使用方法であって、該方法は、以下:
a)抗体:TFF3複合体を形成可能な条件下で、請求項45に記載の抗体を該サンプルと組み合わせる工程、
b)該複合体の量を測定する工程、および
c)該複合体の量をコントロールと比較する工程であって、ここで、該サンプル中の複合体レベルの上昇がTFF3の特異な発現を示す、工程
を包含する、方法。
【請求項82】
配列番号1〜4のポリペプチドの、単離されたエピトープ保有フラグメント。
【請求項83】
配列番号1〜4の約6個と約20個との間の連続アミノ酸からなる、請求項82に記載のエピトープ保有フラグメント。
【請求項84】
配列番号1〜4の約10個の連続アミノ酸からなる、請求項83に記載のエピトープ保有フラグメント。
【請求項85】
配列番号2の約6個と約20個との間の連続アミノ酸からなる、請求項82に記載のエピトープ保有フラグメント。
【請求項86】
配列番号2の約10個の連続アミノ酸からなる、請求項83に記載のエピトープ保有フラグメント。
【請求項87】
配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28を含む、請求項83に記載のエピトープ保有フラグメント。
【請求項88】
請求項83に記載のエピトープ保有フラグメントでの、被験体の免疫化によって得られる、単離された抗TFF3抗体。
【請求項89】
請求項45に記載の抗体および薬学的に許容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項90】
前記抗体がTFF3を中和する、請求項89に記載の薬学的組成物。
【請求項91】
癌処置のための抗体の生成方法であって、該方法は、TFF3に結合し、かつTFF3を中和する抗体を同定する工程、および組換え発現宿主細胞において該抗体を発現させる工程を包含する、方法。
【請求項92】
TFF3に結合し、かつTFF3を中和する抗体および薬学的に許容可能なキャリアを含む薬学的組成物であって、ここで、該抗体は、組換え宿主細胞を使用して生成される、薬学的組成物。
【請求項93】
前記組換え宿主細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細胞、骨髄腫細胞、および細菌宿主細胞からなる群から選択される、請求項92に記載の薬学的組成物。

【図1】
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【図2】
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【図8−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−501616(P2007−501616A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522760(P2006−522760)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/025508
【国際公開番号】WO2005/013802
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Macintosh
【出願人】(505418696)カイロン コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】