説明

抗腫瘍1,2−ジフェニルピロール化合物及びその調製方法

本発明は、抗腫瘍活性を有する新たな一連の式(I)の1,2−ジフェニルピロール類又はその薬学的に許容可能な塩、又はその薬学的に許容可能な溶媒和物に関し、ここで、R及びRはハロゲン、置換されていてもよいO(C−C)アルキル、及び置換されていてもよい(C−C)アルキルからなる群から個々に選択され;RはH、(C−C)アルキル、CONH及び(C=NH)NHからなる群から選択される。本発明はまたそれらを調製する方法、それらを含む薬学的組成物、及び癌、特に肺癌、結腸直腸癌、乳癌及び/又は前立腺癌の治療のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、双方とも2009年7月29日に出願された欧州特許出願第09166668号及び米国仮特許出願第61/229643号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、抗腫瘍活性を有する新たな一連の1,2−ジフェニルピロール類、それらを調製する方法、及びそれらを含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
癌は、動物とヒトの双方に死を生じせしめうる腫瘍細胞の蓄積によって特徴づけられる異質な疾患である。癌を治療する一般的な方法は、外科処置、遺伝毒性薬剤、及び最近では標的レセプターの小分子阻害剤の投与又は治療用部分、標的膜レセプターにコンジュゲートされた抗体又は抗体断片の投与を含む。しかしながら、今日まで、かかる治療の成功は限られていた。
【0004】
一般的な適用性を有する抗腫瘍治療法の開発は薬化学における主要な目標の一つである。新しい抗腫瘍治療を開発するために考えられる方策のなかで、細胞死の促進、特にこれまであまり探求されていない機序である接着点を介したシグナル伝達の阻害によるアポトーシスの誘導は特に魅力的である。この興味の理由は、接着点を介した構成的シグナル伝達の遮断によって誘導される抗腫瘍及び転移抑制活性にある。接着点を介した構成的シグナル伝達は、それらが形質転換し、腫瘍増殖及び転移性広がりに関与するプロセスである足場非依存性増殖に対する能力を獲得するようになったときに、必ずしも全ての腫瘍ではないが殆どにおいて生じる。この点で、できる限り多くの癌においてアポトーシス誘導原として作用しうる新規化合物の開発は非常に大きな科学的、社会的及び経済的影響を有する。
【0005】
多くの医薬が癌治療に使用されてきたが、現在、殆どのタイプの癌に対して治癒的療法は存在していない。
【0006】
欧州特許出願公開第927555号は、腫瘍、腫瘍関連疾患及び悪液質の治療又は予防のための1,2−ジフェニルピロール誘導体の使用を開示している。この出願の化合物じゃCOX−2阻害剤である。選択的COX−2阻害を示す化合物は、当初は抗炎症薬としてのその使用のために開発されたが、後で抗腫瘍剤として開発された。しかしながら、COX−2阻害剤はある望まれない作用、例えば心血管毒性を示す場合があると記載されている。
【0007】
従って、癌の治療において改善された活性を示し、望まれない作用が少ない化合物を開発する興味が尚存在している。
【発明の概要】
【0008】
発明者は、亢進した抗腫瘍活性を示す新たな一連の1,2−ジフェニルピロール類を見出した。特に、本発明の1,2−ジフェニルピロール類は、ピロール環の2位に結合したフェニル環に二つの置換基を含み、癌において有意に低い腫瘍細胞生存性を示し、ここで癌は肺癌、結腸直腸癌、乳癌及び前立腺癌からなる群から選択される。
【0009】
従って、本発明の第一の態様は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩又は水和物を含むその薬学的に許容可能な溶媒和物に関し、

ここで、R及びRはハロゲン、一又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよいO(C−C)アルキル、及びハロゲン、OH及びO(C−C)アルキルから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい(C−C)アルキルから個々に選択され;及びRはH、(C−C)アルキル、CONH及び(C=NH)NHから選択される。
【0010】
本発明の他の態様は、上で定義された式(I)の化合物の調製方法であって、
a)金属触媒及び塩基の存在下で、
式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させ、

ここで、R、R及びRは上に定義したものと同じ意味を有し;RはX又はYを表し;
はRがYを表すときはXを表し、又はRはRがXを表すときはYを表し;Xは、ハロゲン、トリフルオロメタンスルホネート及びRSiOから選択され;Yは、SnR、ZZnMg、ZZnCu、B(OH)、B(OR)及び

から選択され;
Rは(C−C)アルキルを表し;Zはハロゲンを表し;及びR’はH又は(C−C)アルキルを表し;
b)場合によっては、一又は複数の工程で、式(I)の化合物を式(I)の他の化合物に転換させ;及び
c)場合によっては式(I)の化合物を塩基又は酸と反応させて、対応する塩を得る
ことを含む方法に関する。
【0011】
本発明の他の態様は、上述の式(I)の化合物の有効量を、一又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤又は担体と共に含有する薬学的組成物に関する。
【0012】
先に記載したように、本発明の化合物は癌の治療に対して有用である。従って、本発明の他の態様は、癌の治療のための、上で定義された式(I)の化合物に関する。よって、この態様は、癌の治療のための医薬の製造のための、上で定義された式(I)の化合物の使用に関し、また式(I)の先に定義された化合物の有効量と、一又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤又は担体を、それを必要とする被験者に投与することを含む癌の治療方法として記載されうる。
【0013】
本発明のこれらの態様は以下の詳細な説明のセクションにおいて更に記載する。特段の記載がない限り、ここで使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。ここに記載のものと類似か又は等価な方法及び材料を本発明の実施に使用することができる。明細書及び特許請求の範囲を通じて、「含む」なる用語及びその変形語は他の技術的特徴、付加物、成分、又は工程を排除することを意図しない。本発明の更なる態様、利点及び特徴は、明細書を調べると当業者には明らかになるか、又は発明の実施によって知得されうる。更に、本発明はここに記載された特定かつ好ましい実施態様のあらゆる可能な組み合わせを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、20、40又は60μM濃度の化合物A(比較例)又はB(実施例2)に4時間の間(ヒト結腸直腸癌細胞由来の)LS174T細胞株を曝露した後の腫瘍細胞生存率を示す。
【図2】図2は、20、40又は60μM濃度の化合物A(比較例)又はB(実施例2)に4時間の間(乳癌細胞由来の)CAL51細胞株を曝露した後の腫瘍細胞生存率を示す。
【図3】図3は、20、40又は60μM濃度の化合物A(比較例)又はB(実施例2)に4時間の間(ヒト肺癌細胞由来の)H−460細胞株を曝露した後の腫瘍細胞生存率を示す。
【図4】図4は、20、40又は60μM濃度の化合物A(比較例)又はB(実施例2)に4時間の間(ヒト肺癌細胞由来の)H−727細胞株を曝露した後の腫瘍細胞生存率を示す。
【図5】図5は、20、40又は60μM濃度の化合物A(比較例)又はB(実施例2)に4時間の間(ヒト前立腺癌細胞由来の)PC3細胞株を曝露した後の腫瘍細胞生存率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明によれば、第一の態様は、上述の式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩又は薬学的に許容可能な溶媒和物に関する。
この発明の目的において、(C−C)アルキルなる用語は、1から4の炭素原子を含み、特段の記載がない限り場合によっては置換されうる直鎖状又は分枝状のアルキル鎖を意味する。例は、とりわけ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル基を含む。
ハロゲンなる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
【0016】
「一又は複数で置換されていてもよい」なる表現は、この基が置換可能な1、2、3又は4つの位置を有している限り、基を一又は複数、好ましくは1、2、3又は4の置換基で置換することができることを意味する。
治療目的で使用される場合にそれらが薬学的に許容可能である限り、使用できる塩のタイプに制約はない。「薬学的に許容可能な塩」なる用語は、アルカリ金属塩を形成するため、及び遊離酸又は遊離塩基の付加塩を形成するために一般的に使用される塩を包含する。
【0017】
塩は、式(I)の化合物を十分な量の所望の酸又は塩基で処理して常套的に塩を得ることによって調製することができる。式(I)の化合物又はその塩は、所定の物理的性質において異なっている場合があるが、本発明の目的に対しては均等である。
【0018】
本発明の化合物のあるものは、水和形態を含む溶媒和形態で存在しうる。一般に、水、エタノール等のような薬学的に許容可能な溶媒との溶媒和形態は本発明の目的に対する非溶媒和形態と均等である。
【0019】
本発明の好ましい実施態様では、式(I)の化合物において、RはHを表す。
及びRは、フェニル環の利用できる位置の何れにでも位置させうる。好ましい実施態様では、R及びRはフェニル環の2位及び5位;フェニル環の3位及び5位;又は2位及び3位の何れかに位置させられる。より好ましい実施態様では、R及びRは、フェニル環の2及び5位;又はフェニル環の3及び5位の何れかに位置させられる。
より好ましい実施態様では、RはHを表し、R及びRはフェニル環の2及び5位か、又はフェニル環の3及び5位の何れかに位置させられる。
【0020】
他の好ましい実施態様では、R及びRは、ハロゲン及びハロゲン、OH及びO(C−C)アルキルからなる群から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい(C−C)アルキルからなる群から個々に選択される。より好ましい実施態様では、R及びRは、ハロゲン及び一又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい(C−C)アルキルからなる群から個々に選択される。更により好ましい実施態様では、R及びRはクロロ、ブロモ、フルオロ、メチル及びトリフルオロメチルからなる群から個々に選択される。
【0021】
他の好ましい実施態様では、R及びRは同じ意味を有している。より好ましい実施態様では、RはHを表し、R及びRは同じ意味を有しており、フェニル環の2及び5位、又はフェニル環の3及び5位の何れかにそれぞれ位置させられ;またハロゲン及び一又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい(C−C)アルキルからなる群から個々に選択される。
【0022】
本発明の他の好ましい実施態様では、式(I)の化合物は、
4−[2−(2,5−ジメチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼン−スルホンアミド、
4−[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼン−スルホンアミド、
4−[2−(3,5−ジメチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼン−スルホンアミド、
4−[2−(3,5−ジクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼン−スルホンアミド、及び
4−[2−(2,5−ジクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼン−スルホンアミド
からなる群から選択される。
【0023】
上で定義した式(I)の化合物は、一般に、次のスキームに示すように、式(II)の化合物を式(III)の化合物とカップリングさせることによって得ることができる:

ここで、R、R、R、R及びRはこれまで記載したものと同じ意味を有している。
【0024】
好ましい実施態様では、RはXを表し、RはYを表す。より好ましい実施態様では、YはSn(CH、ClZnMg、ClZnCu、B(OH)、B(OR)及び

から選択され、ここで、R 及びR' はこれまでに記載した意味を有している。
【0025】
より好ましい実施態様では、Rは、ハロゲン、トリフルオロメタン−スルホネート及びトリメチルシリルオキシから選択され、RはB(OH)、B(OR)及び

から選択され;
ここで、R及びR’はこれまでに記載したものと同じ意味を有している。この実施態様は、中間体化合物はより容易に入手できるという利点を有している。より好ましい実施態様では、Rはトリフルオロメタン−スルホネートを表し、YはB(OH)を表す。
【0026】
それぞれの特定の場合、この方法を実施するための最善の反応条件(温度、溶媒等)は使用される出発材料に応じて変わり得、当業者によって容易に決定することができる。
【0027】
一般に、この反応は、室温と使用される溶媒の沸点温度の間からなる温度で、適切な溶媒系中、適切な金属触媒及び塩基の存在下で実施されうる。好ましくは、反応は環流下で実施される。
【0028】
好ましくは、金属触媒は、パラジウム又はニッケル化合物からなる群から選択される。より好ましくは、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl(dppf))及びパラジウム(II)アセテート/トリフェニルホスフィン(Pd(OAc)/PPh)から選択される。
【0029】
使用される溶媒系は、好ましくは水又は有機溶媒、例えば極性非プロトン性溶媒、又はその混合物から選択される。そのような溶媒の例は、限定しないが、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)又は1,4−ジオキサンを含む。より好ましくは、溶媒は1,4−ジオキサンである。
【0030】
塩基は好ましくはアミン、アルカリ金属のカーボネート及びホスフェートから選択される。より好ましくは、塩基は、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びリン酸カリウムから選択される。
【0031】
式(I)の化合物はまた一又は複数の工程で式(I)の他の化合物に転換されうる。
よって、例えば、R又はRがOHで置換された(C−C)アルキルである式(I)の化合物は、当該技術分野でよく知られているアルキル化反応によって、R又はRがO(C−C)アルキルで置換された(C−C)アルキルである式(I)の化合物に転換されうる。
あるいは、RがSONHである式(I)の化合物は、当該技術分野でよく知られているアルキル化反応によって、RがSONH(C−C)アルキルである式(I)の化合物に転換されうる。
あるいは、RがSONHである式(I)の化合物は、シクロヘキサノールのような適切な溶媒中、それぞれ尿素又はグアニジンの存在下でアミノ基転移反応と、好ましくは加熱によって、RがSONHCONH又はSONH(C=NH)NHである式(I)の化合物に転換されうる。
【0032】
更に、式(II)の化合物において、RがXを表すとき、つまり式(IIa)の化合物のとき、これらの化合物は、次のスキームに示される合成プロセスに従って簡便に調製できる:

ここで、R及びXはこれまでに記載された意味を有し;Rは(C−C)アルキルを表し;Zはハロゲン、好ましくはBrを表し;RはH又はSONHRを表す。
【0033】
このプロセスによれば、対応するカルボン酸から一般的な合成によって得ることができる式(VII)の化合物をハロゲン化して式(VI)の化合物を得ることができる。この反応は、適切な溶媒、例えばCCl中、ラジカル開始剤、例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、過酸化ベンゾイル又はメタ−クロロ過安息香酸の存在下で、場合によっては開始に200ワットランプを使用して、N−ブロモスクシンイミド(NBS)で実施されうる。別法では、光化学剤をラジカル開始剤として使用してもよい。
【0034】
式(VI)の化合物は続いて式(V)の化合物と反応させられて、式(IV)のラクタムが得られる。この後の反応は、ジメチルホルムアミド(DMF)のような適切な溶媒中、2,3,5−トリメチルピリジン(TMP)のような塩基の存在下で生じる。コリジン又はトリエチルアミン(TEA)のような他の塩基、及びジメチルスルホキシド(DMSO)又はジエチレングリコール(DEG)のような他の極性非プロトン性溶媒をまた使用することができる。
【0035】
式(V)の化合物において、RがSONHRを表すとき、ラクタム(IV)は如何なる更なる工程もなしに式(IIa)のピロールに転換される。しかしながら、式(V)の化合物において、RがHを表す場合、得られるラクタム(IV)は、RがSONHRを表す式(IV)の他のラクタムに転換される。この反応は、適切な溶媒、例えばクロロホルム、CCl又はジクロロメタン中、式ZSONHR(ここで、Zはハロゲン、好ましくはCl)の化合物の存在下で実施されうる。
【0036】
がSONHRを表すラクタム(IV)は更に式(IIa)のピロールに転換される。式(IIa)の化合物において、Xがハロゲンを表す場合、反応は、好ましくは還流温度で数時間、ラクタム(IV)を、POCl又はPOBrと反応させることにより実施される。
【0037】
式(IIa)の化合物において、Xがトリフルオロメタンスルホネートを表す場合、反応は、ジクロロメタン(DCM)のような適切な溶媒中、好ましくは低温で、ラクタム(IV)をトリフルオロメタン−無水スルホン酸と反応させることによって実施される。
【0038】
式(IIa)の化合物において、XがRSiOを表し、Rが(C−C)アルキルである場合、反応は、ジクロロメタン(DCM)のような適切な溶媒中、好ましくは低温で、ラクタム(IV)をRSiZ(ここで、Zはハロゲン、好ましくはヨードである)と反応させることによって実施することができる。
【0039】
がボロン酸又はスタンナン誘導体からの基である式(II)の化合物は、Xがハロゲン、好ましくはBrである式(IIa)の化合物を、有機金属化合物、例えばブチルリチウム(BuLi)又はリチウムジイソプロピルアミド(LDA)と反応させることによって簡便に調製することができる。一般に、この反応は、低温、好ましくは−75℃で、適切な極性非プロトン性溶媒、例えばジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン(THF)中で実施される。
【0040】
得られたリチウム中間体は、Rが(C−C)アルキルである式B(OR)のボロン誘導体と続いて反応させて、YがB(OH)である式(II)の化合物を得ることができる。この反応は、−78℃と室温の間の温度でジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン(THF)中で実施されうる。
【0041】
所望ならば、式(IIb’)の化合物は、YがB(OH)である式(II)の化合物を式ROHのアルコールと反応させることによって、YがB(OR)である式(II)の他の化合物に転換されうる。この反応は、−78℃と室温の間の温度でジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン(THF)中で実施されうる。
【0042】
あるいは、所望ならば、YがB(OH)である式(II)の化合物は、YがB(OH)である式(II)の化合物を、式HOC(R’R’)−C(R’R’)OHのジオールと反応させることによって、Yが

である式(II)の他の化合物に転換されうる。
【0043】
上記の得られたリチウム中間体は、続いて式ZSnRのスタンナン誘導体と反応させることができ、ここで、Zはハロゲン、好ましくはブロモである。この反応は、−78℃と室温の間の温度でジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン(THF)中で実施されうる。
がZZnMgを表し、Zが好ましくはClである式(II)の化合物は、Xがハロゲン、好ましくはBrを表す式(IIa)の化合物を、有機金属化合物、例えばヨウ化メチルマグネシウム又は金属マグネシウムと反応させてオルガノマグネシウム中間体を得、続いて亜鉛誘導体、例えばZnClを加えることによって簡便に調製することができる。
がZZnCuを表し、Zが好ましくはClである式(II)の化合物は、上で得られたオルガノマグネシウム中間体をClCuと反応させ、続いて亜鉛誘導体、例えばZnClを加えることによって簡便に調製することができる。
【0044】
一般に、マグネシウム又は銅酸化物誘導体を調製するための全てのこれらの反応はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)又はジオキサンのような適切な溶媒中、及び好ましくは低温で実施される。加熱が必要な場合、溶媒としてジエチレングリコールを使用することができる。
【0045】
式(V)及び(VII)の化合物は市販されているか又は一般的な合成方法によって得ることができる。
【0046】
本発明はまた式(I)の化合物を必要なら賦形剤又は他の補助薬剤と共に含有する薬学的組成物に関する。薬学的製剤の選択は活性化合物の性質及びその投与経路に依存するであろう。例えば経口、非経口及び局所投与など、任意の投与経路を使用することができる。
【0047】
例えば、薬学的組成物は経口投与用に製剤化することができ、固形又は液体形態で一又は複数の生理学的に適合性のある担体又は賦形剤を含みうる。これらの調製物は、結合剤、フィラー、滑剤、及び許容可能な湿潤剤のような一般的な成分を含みうる。
【0048】
薬学的組成物は、水又は適当なアルコールのような一般的な注射可能な液体担体と組み合わせて非経口投与用に製剤化されうる。注射用の一般的な薬学的賦形剤、例えば安定剤、可溶化剤、及びバッファーをかかる組成物中に含めることができる。これらの薬学的組成物は好ましくは筋肉内、腹腔内又は静脈内に注射することができる。
【0049】
薬学的組成物は、とりわけ、錠剤、ペレット、カプセル、水溶液又は油性溶液、懸濁液、エマルジョン、又は即時又は遅延放出のための、使用前に水又は他の適切な液体媒体での再構成に適した乾燥粉末化形態を含む任意の形態でありうる。
【0050】
治療的恩恵を得るための本発明の化合物の特定の用量は、とりわけ、患者の大きさ、体重、年齢及び性別、疾患の性質及び段階、疾患の攻撃性、及び投与経路を含む個々の患者の特定の環境に依存して変わりうる。例えば、約0.01から約100mg/kg/日の毎日の用量が使用されうる。
【0051】
本発明の化合物は癌の治療に有用である。好ましい実施態様では、癌は、肺癌、結腸直腸癌、乳癌及び前立腺癌からなる群から選択される。
【0052】
本発明の化合物は、先行技術の最も近い化合物と比較してのより高い抗腫瘍活性に加えて、COX−2阻害を示さない。COX−2阻害剤はある望まれない作用、特に心血管毒性を伴っている。
【実施例】
【0053】
次の実施例は例証手段のために提供されるもので、本発明を限定することを意味するものではない。
式(II)の化合物:1−(4−スルファモイルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−2−イルトリフルオロメタンスルホネート(R=トリフルオロメタンスルホネート、R=NH
a)4−(2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(IV、R=NH
無水ジメチルホルムアミド(DMF)(3mL)中の4−アミノフェニルスルホンアミド(V、R=NH)(0.77mmol)及び2,3,5−トリメチルピリジン(0.1mL、0.78mmol)の混合物を、無水DMF(3mL)中の4−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)−2−ブテン酸エチル(VI、Z=Br=CHCH、S.C. Welch、J. M. Gruber、J. Org. Chem. 1982、vol. 47、p. 385におけるようにして得た)(0.2g、0.77mmol)の冷(0℃)溶液に加えた。添加が終わったところで、冷却浴を除去し、反応混合物を室温で24時間攪拌した。この後、HOを添加し、反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)で抽出した。有機溶液を1MのHCl(2×5mL)及びブライン(2×5mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させた。溶媒を除去し、残留物を、シリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製した。ヘキサン/EtOAc(1:1)での溶出により11%の収率が得られた。融点209−211℃。IR(KBr):3300、3297、1703、1245、1159、883、607。H NMR(200MHz、(CDCO)δ2.84(s、2H);6.58(bs、2H);6.87(q、J=1.8Hz、1H H5);7.91(d、J=9.0Hz、2H);8.05(d、J=9.0Hz、2H)。13C NMR(100MHz、(CDCO)δ50.2(t);118.5(d);127.4(d);130.3(d);130.4(s);139.8(s);142.0(s);167.2(s)。MS(EI)307(M+1、16);306(M、100);226(50);198(53)。
【0054】
b)表題化合物
無水ジクロロメタン(DCM)(17mL)中の上で得られたピロロンIV(R=NH)(8.85mmol)の冷(0℃)溶液をトリフルオロメタノスルホン酸無水物(4当量、0.57mL、3.4mmol)にゆっくりと添加した。反応混合物を0−5℃で30分間攪拌した。冷却浴を除去し、混合物を室温で21時間攪拌した。この後、DCMを加えた。有機溶液を水(3×15mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を除去し、粗反応物を、溶出剤としてヘキサン/EtOAcを使用してシリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製した。収率37%、融点118−119℃。IR(KBr):3360、3280、3220;1526、1430、1160、1127、839。H NMR(100MHz、CDCl)δ6.41(s、1H);7.08(s、1H);7.55(d、J=8.8H、2H);8.10(d、J=8.8H、2H).13CNMR(100MHz、CDCl):97.5(d);117.7(d);125.7(d);128.4(d);138.9(s);142.5(s);147.5(s)。MS(EI)439(M+1、0,1);438(M、5);305(100);
【0055】
式(I)の化合物:一般的方法
1,4−ジオキサン(10mL)中の上で得られた式(II)(R=トリフルオロメタンスルホネート、R=NH)(1当量)の化合物、式(III)(R=B(OH))の化合物(4当量)、KCO(8当量)の溶液を室温、窒素下で25分間攪拌し、Pd(PPh(0.1当量)を加えた。反応混合物を還流温度で1時間攪拌した。この後、反応を冷却し、水(15mL)を加えた。水性混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出し、1NのNaOH(2×10mL)、飽和NaCO(2×5mL)及び最後に水(2×10mL)で洗浄した。有機溶液を乾燥させ、蒸発させた。粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。
この一般的な方法に従い、各例における式(III)の適切な化合物を使用して、次の化合物を得た:
【0056】
実施例1:4−[2−(2,5−ジメチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(R、R=2−CH、5−CH、R=H)
式(III)の出発化合物:(2,5−ジメチルフェニル)ボロン酸(R、R=2−CH、5−CH、R=B(OH))。
収率21%。H NMR(400MHz、CDCl)δ2.27(s、3H);2.33(s、3H);6.46(s、1H);7.02−7.06(m、3H);7.20(d、J=8.8Hz、2H);7.29(s、1H);7.82(d、J=8.8Hz、2H).MS(CI、NH):412(M+NH、100);395(M+1、74);394(M、40);375(17)。13C NMR(100MHz、CDCl)δ19.8(q);21.1(q);121.2(d);122.2(d);124.9(d);127.9(d);130.1(d);130.6(d);132.1(d);134.5(s);135.8(s);143.3(s);156.8(s)。
【0057】
実施例2:4−[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(R、R=3−CF、5−CF、R=H)。
式(III)の出発化合物:[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(R、R=3−CF、5−CF、R=B(OH))。
収率42%。IR(KBr):3300、3277、1577、1501、1367、1280、1184。H NMR(CDCl、400MHz)δ4.89(s、2H);6.81(s、1H);7.28(d、J=8.4Hz、2H);7.31(s、1H);7.33(s、2H);7.68(s、1H);8.00(d、J=8.4Hz、2H)。13C NMR(100MHz、CDCl)δ110.1(d);121.1(d);124.2(s);126.4(d);128.1(d);131.8(s);141.9(s);142.1(d)。MS(CI、NH)520(M+NH、100);502(M、27)。
【0058】
実施例3:4−[2−(3,5−ジメチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(R、R=3−CH、5−CH、R=H)。
式(III)の出発化合物:(3,5−ジメチルフェニル)ボロン酸(R、R=3−CH、5−CH、R=B(OH))。
収率10%。IR(KBr):3300、2268、1600、1346、1259、1164、1113。H NMR(400MHz、CDCl)δ2.21(s、3H);2.44(s、3H);4.89(bs、2H);6.72(s、1H);6.91(s、1H);7.29(d、J=8.4Hz、2H);7.90(d、J=8.4Hz、2H)。13C NMR(100MHz、CDCl)δ21.2(q);21.3(q);108.4(d);122.3(d);125.9(d);126.6(d);127.7(d);129.6(d);130.9(s);131.2(s);133.3(s);134.4(s);137.3(s);138.1(s);140.5(s)。MS(EI):396(M+2、26);395(M+1、38);394(M、100)。
【0059】
実施例4:4−[2−(3,5−ジクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(R、R=3−Cl、5−Cl、R=H)。
式(III)の出発化合物:(3,5−ジクロロフェニル)ボロン酸(R、R=3−Cl、5−Cl、R=B(OH))。
収率15%。IR(KBr):3300、3271、1597、1560、1262、1165。H NMR(CDCl、400MHz)δ6.66(s、1H);6.98(s、2H);7.31(d、J=8.4Hz、2H);7.98(d、J=8.4Hz、2H)。13C NMR(CDCl、100MHz)δ109.9(d);123.7(d);125.9(d);126.7(d);127.8(d);128.1(d);131.9(s);132.2(s);133.8(s);135.2(s);141.5(s);142.1(s)。MS(EI):436(M+1、67);435(M、28);434(100)。
【0060】
実施例5:4−[2−(2,5−ジクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(R=2−Cl、R=5−Cl、R=H)。
式(III)の出発化合物:(2,5−ジクロロフェニル)ボロン酸(R、R=2−Cl、5−Cl、R=B(OH))。
収率20%。HPLC−MS:435(M)、871(2M+H)。H NMR(CDCl、400MHz)δ4.84(s、2H);6.60(s、1H);7.23(s、1H);7.24(d、J=8.8Hz、2H);7.27(d、J=2.4Hz、1H);7.32(m、1H);7.36(d、J=2.4Hz、1H);7.88(d、J=8.8Hz、2H)。13C NMR(CDCl、100MHz)δ110.5(d);122.2(d);124.9(d);127.9(d);128.7(s);130.3(d);130.5(s);131.1(d);132.0(s);132.3(d);132.8(s);140.8(s);142.6(s);149.9(s);153.4(s)。
【0061】
上述の一般的方法に従い、式(III)の化合物の代わりに(4−フルオロフェニル)−ボロン酸を使用して、次の比較例を得た:
比較例:4−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド。
収率14.3%。HPLC−MS:385(M+H)、408(M+Na+H)、769(2M+H)。H NMR(CDCl、400MHz)δ4.82(s、2H);6.57(s、1H);6.98−7.11(m、5H);7.28(d、J=8.7Hz、2H);7.92(d、J=8.7Hz、2H)。
【0062】
抗腫瘍活性
細胞株及び培養条件
ヒト肺癌及びヒト前立腺癌PC3細胞から由来するH−727及びH−460細胞株を、10%のウシ胎仔血清、1%のグルタミン及び100単位/mlのペニシリン/ストレプトマイシン(Life Technologies、Inc.)を補填したRPMI1640培地中で培養した。ヒト結腸直腸癌由来のLS174T細胞、及び乳癌由来のCAL51細胞を、10%のウシ胎仔血清、1%のグルタミン及び100単位/mlのペニシリン/ストレプトマイシン(Life Technologies、Inc.)を補填したDMEM培地中で培養した。全ての細胞株を、5%のCOを含む加湿雰囲気中、37℃でインキュベートした。各化合物の原液をDMSO中で再構成し、使用前に培養培地で希釈した。
【0063】
細胞生存率アッセイ
抗腫瘍活性を、細胞増殖キットII(XTT)を使用し製造者(Roche Diagnostics)の推奨に従って細胞代謝能(生存率)を測定して評価した。アッセイは、曝露されていない細胞を含むコントロール、ビヒクルを含む細胞、又は培地+化合物の三組で実施した。細胞を100μlの培地中、96ウェルプレートに播種し、24時間インキュベートした。その後、実施例2の化合物、比較例の化合物又はビヒクルを、20、40又は60μMの濃度で添加し、4時間インキュベートした。インキュベーション期間の終わりに、XTT及び電子カップリング試薬を含む混合物の50μlを各ウェルに添加した。37℃でのインキュベーションから4時間後、490nmの吸光度を読み取った。増殖阻害活性を、ブランクの吸光度を減算し、未処理コントロールと比較して、細胞増殖阻害の割合として表した。
【0064】
図面に示されるように、実施例2の化合物は、先行技術の比較化合物と比較して、これらの癌細胞株において腫瘍細胞生存率を有意に減少させた。特に、本発明の化合物は、LS174T、CAL51及びH−460細胞株において比較例と比較して、40μmで60%を越える腫瘍細胞生存割合の減少を示した。そして40μmでの減少はLS174T、CAL51、H−460及びH−727細胞株において50%より多かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、又は水和物を含むその薬学的に許容可能な溶媒和物であって、

ここで、
及びRは、ハロゲン、一又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよいO(C−C)アルキル、及びハロゲン、OH及びO(C−C)アルキルからなる群から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい(C−C)アルキルからなる群から個々に選択され;
は、H、(C−C)アルキル、CONH及び(C=NH)NHからなる群から選択される化合物。
【請求項2】
がHを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
及びRがフェニル環の2及び5位に位置している請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRがフェニル環の3及び5位に位置している請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
及びRが、ハロゲンと、ハロゲン、OH及びO(C−C)アルキルからなる群から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい(C−C)アルキルからなる群から個々に選択される請求項1から4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項6】
及びRが、ハロゲンと一又は複数のハロゲン原子で置換されていてもよい(C−C)アルキルからなる群から個々に選択される請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
及びRが、クロロ、ブロモ、フルオロ、メチル及びトリフルオロメチルからなる群から個々に選択される請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
及びRが同じ意味を有している請求項1から7の何れか一項に記載の化合物。
【請求項9】
4−[2−(2,5−ジメチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、
4−[2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、
4−[2−(3,5−ジメチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、
4−[2−(3,5−ジクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド、及び
4−[2−(2,5−ジクロロフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピロール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド
からなる群から選択される請求項1から8の何れか一項に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の式(I)の化合物の調製方法であって、
a)金属触媒及び塩基の存在下で、
式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させ、

ここで、R、R及びRは請求項1に記載されたものと同じ意味を有し;
はX又はYを表し;
はRがYを表すときはXを表し、又はRはRがXを表すときはYを表し;
Xは、ハロゲン、トリフルオロメタンスルホネート及びRSiOからなる群から選択され;
Yは、SnR、ZZnMg、ZZnCu、B(OH)、B(OR)及び

からなる群から選択され;
Rは(C−C)アルキルを表し;
Zはハロゲンを表し;及び
R’はH又は(C−C)アルキルを表し;
b)場合によっては、一又は複数の工程で、式(I)の化合物を式(I)の他の化合物に転換させ;及び
c)場合によっては式(I)の化合物を塩基又は酸と反応させて、対応する塩を得る
ことを含む方法。
【請求項11】
がXを表し、RがYを表す請求項10に記載の方法。
【請求項12】
がトリフルオロメタンスルホネートを表し、RがB(OH)を表す請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から9の何れか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩又は薬学的に許容可能な溶媒和物の有効量を、一又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤又は担体と共に含有する薬学的組成物。
【請求項14】
癌の治療のための、請求項1から9の何れか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物。
【請求項15】
癌が、肺癌、結腸直腸癌、乳癌及び前立腺癌からなる群から選択される請求項14に記載の式(I)の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−500310(P2013−500310A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522167(P2012−522167)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060983
【国際公開番号】WO2011/012660
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512021195)
【Fターム(参考)】