説明

抗菌剤としての[4−(1−アミノ−エチル)−シクロヘキシル]−メチル−アミン及び[6−(1−アミノ−エチル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−メチル−アミン誘導体

本発明は、式I(式中、Rは、アルコキシ又はハロゲンを表し;U、V及びWは、それぞれCHを表すか、又は、U、V及びWの1つはNを表し、かつ他は、それぞれCHを表し;Aは、CH又はOを表し;GはCH=CH−Eであり、式中、Eは、1又は2個のハロゲンで置換されたフェニル基を表すか、又は、Gは、下式(II)、(III)の1つの基(式中、ZはCH又はNを表し、QはO又はSを表し、そしてKはO又はSを表す。)の1つである。)の抗菌性化合物、及びそのような化合物の塩に関する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、[4−(1−アミノ−エチル)−シクロヘキシル]−メチル−アミン及び[6−(1−アミノ−エチル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−メチル−アミン誘導体、それらを含有する医薬抗菌組成物、及び感染症(例、細菌感染症)の治療のための医薬の製造におけるこれらの化合物の使用に関する。これらの化合物は、中でもグラム陽性及びグラム陰性、好気性及び嫌気性菌、並びにマイコバクテリアを含む多様なヒト及び動物の病原体に対して有効な、有用な抗菌剤である。
【背景技術】
【0002】
抗生剤の広範な使用は、微生物に対して選択的進化圧を与え、遺伝子ベースの耐性機構を生じてきた。現代の医療及び社会経済的挙動は、例えば人工関節内で、病原菌の遅延した増殖状態を形成し、また例えば免疫障害を有する患者における長期間宿主保有の支持により、耐性の発達の問題を悪化させている。
【0003】
病院の環境では、主な感染源である、益々多数のStaphylococcus aureus、Streptococcus pneumonia、Enterococcus spp.、及びPseudomonas aeruginosa株が多剤耐性となっており、従って治療が不可能ではなくとも困難である:
−S.aureusは、β−ラクタム、キノロン、及び現在はバンコマイシンにも耐性である;
−S.pneumoniaeは、ペニシリン又はキノロン抗生物質、及び新しいマクロライドに対してさえも、耐性となっている;
−Enteroccocciは、キノロン及びバンコマイシンに耐性であり、β−ラクタム抗生物質は、これらの株に対して全く効果を有さなかった;
−Enterobacteriaceaは、セファロスポリン及びキノロン耐性である;
−P.aeruginosaは、s−ラクタム及びキノロン耐性である。
【0004】
さらに、Enterobacteriacea及びPseudomonas aeruginosa等の多剤耐性グラム陰性株の発生が着実に増大しており、そして現在使用されている抗生剤を用いた治療中に選択されたAcinetobacter spp.のような新たに出現した生物が、実際に病院環境内で問題となっている。従って、A.baumannii、ESBL−産生E.coli及びKlebsiella種並びにPseudomonas aeruginosa等の多剤耐性グラム陰性桿菌を克服する新しい抗生剤に対する医療上の高い需要が存在する(Clinical Infectious Diseases(2006)、42657−68)。
【0005】
加えて、持続性感染症の原因となる微生物は、消化性潰瘍又は心疾病のような重篤な慢性疾病の原因物質又は補助因子として益々認識されている。
【0006】
WO2006/134378は、特に式(A1)及び(A2)の抗菌性化合物を記述する。
【0007】
【化1】

【0008】
式中、
、Z及びZはC又はNであるが、ただし、Z、Z又はZがNである場合には、Ra、Rc又はRdは存在せず;
a、Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立に、(特に)H、フルオロ、クロロ又は(C−C)アルコキシを表してもよく;
「−−−−」は結合であるか、又は存在せず;
「−−−−」が結合である場合は、ZはCH若しくはNであり、又は「−−−−」が存在しない場合には、ZはO又はNHであり;
はCRaRb−CRcRdを表してもよく、式中、Ra、Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立に、H又は(C−C)アルキルを表してもよく;
Mは、特に基、
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、Yは、特にCH又はOであってもよい。)を表してもよく;
は、特にNH−CHを表してもよく;
Rは、特に、アリール又はヘテロアリールであって、炭素上で任意に置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表してもよく;そして
L、U、M、U及びRのいずれもが、炭素上にて、(特に)ハロ、オキソ又はアミノから選択される1〜3個の置換基により任意に置換されていてもよい。
【0011】
しかしながら、WO2006/134378は、U基に結合するアミノ基を有するいかなる化合物をも、特異的に開示していない。
【0012】
WO2006/137485、WO2007/138974及びWO2008/009700は、1H−キノリン−2−オン、1H−キノキサリン−2−オン又は1H−[1,5]ナフチリジン−2−オンモチーフを基本とする類似の抗菌性化合物を開示する。これらの文献にもまた、中間鎖(the middle chain)に結合するアミノ基を有するこのタイプの化合物は記載されていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、1H−キノリン−2−オン、1H−キノキサリン−2−オン、1H−[1,5]ナフチリジン−2−オン又は1H−[1,8]ナフチリジン−2−オンモチーフを基本とするさらなる抗菌性化合物を提供する。
【0014】
本発明の種々の態様を以下に示す:
i) 本発明は、第一に、式Iの化合物、及び式Iの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0015】
【化3】

【0016】
式中、
は、アルコキシ又はハロゲンを表し;
U、V及びWは、それぞれCHを表すか、又は、U、V及びWの1つはNを表し、かつ他は、それぞれCHを表し;
Aは、CH又はOを表し;
GはCH=CH−Eであり、式中、Eは、1又は2個のハロゲン(特に、フッ素)で置換されたフェニル基を表すか、又は、Gは、下式
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、ZはCH又はNを表し、QはO又はSを表し、そしてKはO又はSを表す。)の1つの基である。
【0019】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしており、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用されることを意図している。
【0020】
「アルキル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も、1〜4個の炭素原子を含む、飽和の、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。アルキル基の代表的な例には、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルが含まれる。「(C−C)アルキル」という用語(xは整数である。)は、1〜x個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。
【0021】
「アルコキシ」という用語は、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も、1〜4個の炭素原子を含む、飽和の、直鎖又は分岐鎖アルコキシ基を意味する。アルコキシ基の代表的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシが含まれる。「(C−C)アルコキシ」という用語は、1〜x個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルコキシ基を意味する。
【0022】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を、好ましくは、フッ素又は塩素を意味する。
【0023】
本出願において、波線によって中断された結合は、記載された基の、分子の残りの部分への結合点を示す。例えば、下記の基
【0024】
【化5】

【0025】
は、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル基である。
【0026】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217を参照してもよい。
【0027】
さらに、本明細書で使用される「室温」という用語は、25℃の温度を意味する。
【0028】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
【0029】
ii) 従って、本発明は、特に、UがCHを表し、そして、GがCH=CH−E(式中、Eは、1又は2個のハロゲン(特に、フッ素)で置換されたフェニル基を表す。)を表すか、又は、Gが、式
【0030】
【化6】

【0031】
(式中、ZはCH又はNを表し、そしてQはO又はSを表す。)の基を表すような、態様i)に従う式Iの化合物、及びそのような式Iの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0032】
iii) 特に、本発明は、式ICEの化合物でもある、態様i)に従う式Iの化合物、及び式ICEの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する:
【0033】
【化7】

【0034】
式中、
は、アルコキシ又はフッ素(特にアルコキシ、そしてとりわけメトキシ)を表し;
U、V及びWは、それぞれCHを表すか、又はUはCHを表し、V及びWの一方はNを表し、かつ他方はCHを表すか、又はUはNを表し、かつV及びWは、それぞれCHを表し;
Aは、CH又はOを表し;
GはCH=CH−E(式中、Eは、2個のハロゲンにより置換された(特に、2個のフッ素により置換された)フェニル基を表す。)であるか、又はGは、下式
【0035】
【化8】

【0036】
(式中、ZはCH又はNを表し、そしてQはO又はSを表す。)の1つの基である。
【0037】
iv) 従って、本発明は、特に、UがCHを表し、V及びWが、それぞれCHを表すか、又は、V及びWの1つがNを表し、かつ他方がCHを表し、そしてGがCH=CH−E(式中、Eは、2個のハロゲンにより置換された(特に、2個のフッ素により置換された)フェニル基を表す。)であるか、又はGが、式
【0038】
【化9】

【0039】
(式中、ZはCH又はNを表し、そしてQはO又はSを表す。)の基であるような、態様iii)に従う、式ICEの化合物、及びそのような式ICEの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0040】
v) 本発明の好ましい態様によれば、上記態様i)〜iv)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが、(C−C)アルコキシ又はフッ素(そして好ましくは(C−C)アルコキシ、特にメトキシ又はエトキシ、とりわけメトキシ)であるような化合物又はそれらの塩である。
【0041】
vi) 本発明の主態様によれば、上記態様i)〜v)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、UがCHを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0042】
vii) 本発明の特定の副態様において、上記態様vi)に定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、V及びWが、それぞれCHであるような化合物又はそれらの塩である。
【0043】
viii) 本発明の別の特定の副態様において、上記態様vi)に定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、V及びWの一方がNを表し、かつ他方がCHを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0044】
ix) 副態様viii)の1変形によれば、上記態様viii)に定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、VがNを表し、かつWがCHを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0045】
x) 副態様viii)の他の変形によれば、上記態様viii)に定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、VがCHを表し、かつWがNを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0046】
xi) 本発明の別の主態様によれば、上記態様i)〜v)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、UがNを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0047】
xii) 好ましくは、上記態様xi)に定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、V及びWが、それぞれCHを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0048】
xiii) 概して、上記態様i)に定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、好ましくは、U、V及びWがそれぞれCHを表すか、又は、U及びWがそれぞれCHを表し、かつVがNを表すか、又は、U及びVがそれぞれCHを表し、かつWがNを表すか、又は、UがNを表し、かつV及びWがそれぞれCHを表す(この場合、Rは、好ましくは(C−C)アルコキシ又はフッ素であり、より好ましくは(C−C)アルコキシであり、特にメトキシ又はエトキシであり、とりわけメトキシである。)ような化合物又はそれらの塩である。
【0049】
xiv) 本発明の1つの主変形によれば、上記態様i)〜xiii)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、AがCHを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0050】
xv) 本発明の他の主変形によれば、上記態様i)〜xiii)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、AがOを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0051】
xvi) 本発明の1つの主態様によれば、上記態様i)〜xv)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Gが、式、CH=CH−E(この場合、当該基の二重結合は、好ましくは(E)配置にある。)の基であるような化合物又はそれらの塩である。
【0052】
xvii) 好ましくは、上記態様xvi)に定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Eが、2個のハロゲンにより置換された(特に、2個のフッ素により置換された、例えば2,5−ジフルオロフェニル)フェニル基を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0053】
xviii) 本発明の別の主態様によれば、上記態様i)〜xv)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Gが、式
【0054】
【化10】

【0055】
(式中、ZはCH又はNを表し、そしてQはO又はSを表す。)の基であるような化合物又はそれらの塩である。
【0056】
xix) 好ましくは、上記態様xviii)に定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、ZがCHを表し、かつQがOを表すか、又は、ZがNを表し、かつQがO又はSを表す(特に、ZがNを表し、かつQがO又はSを表す)ような化合物又はそれらの塩である。
【0057】
xx) 本発明のさらに別の主態様によれば、上記態様i)〜xv)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Gが、式、
【0058】
【化11】

【0059】
(式中、KはO又はS(そして好ましくはO)を表す。)の基であるような化合物又はそれらの塩である。
【0060】
xxi) 概して、上記態様i)若しくはiii)、又は態様i)若しくはiii)の態様v)〜xv)のいずれかとの組み合わせに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Gが、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシン[2,3−c]ピリジン−7−イル又は2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−ビニル(そして特に、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル又は2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−ビニル)を表すような化合物又はそれらの塩である。
【0061】
xxii) また、概して、上記態様ii)若しくはiv)、又は態様ii)若しくはiv)の態様v)〜x)、xiv)及びxv)のいずれかとの組み合わせに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Gが、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル又は2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−ビニルを表すような化合物又はそれらの塩である。
【0062】
xxiii) さらに、上記態様i)〜xxii)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、それらが下記の立体化学を有するような化合物又はそれらの塩である:
【0063】
【化12】

【0064】
換言すれば、上記態様i)〜xxii)の1つに定義した式Iの化合物、又はそれらの塩(中でも、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、好ましくは、シクロヘキサン又はテトラヒドロピラン環の非水素側鎖がtrans−配置にあるような化合物又はそれらの塩である。従って、AがOを表す特定の場合には、テトラヒドロピラン環の絶対配置は、好ましくは(2S,5R)である。
【0065】
xxiv) 態様i)又はiii)に定義する式Iの下記の化合物が特に好ましい:
6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
1−((2S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノキサリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
1−((1S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((1R)−2−アミノ−2−{4−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−シクロヘキシル}−エチル)−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン;
並びにその塩(特に薬学的に許容される塩)。この場合において、最初の9化合物及びそれらの塩(特に薬学的に許容される塩)が、特定の副態様を構成する。
【0066】
本発明、すなわち、態様i)〜xxiv)の1つに従う式Iの化合物は、ヒト及び動物医療における、化学療法に有効な化合物として、及び無機及び有機素材、特にすべてのタイプの有機素材、例えばポリマー、滑沢剤、塗料、繊維、皮革、紙及び木材の保存のための物質としての使用に適切である。
【0067】
本発明の式Iの化合物は、特に細菌及び細菌様生物に対して活性である。従って、それらは、ヒト及び動物における、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Moraxella catarrhalis、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、E.faecium、E.casseliflavus、S.epidermidis、S.haemolyticus、又はPeptostreptococcus spp.による感染に関連した肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、扁桃炎、及び乳突炎;Streptococcus pyogenes、Groups C及びG streptococci、Corynebacterium diphtheriae、又はActinobacillus haemolyticumによる感染に関連した咽頭炎、リウマチ熱、及び糸球体腎炎;Mycoplasma pneumoniae、Legionella pneumophila、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連した気道感染症;例えば非限定的にβ−ラクタム、バンコマイシン、アミノグリコシド、キノロン、クロランフェニコール、テトラサイクリン及びマクロライド等の公知の抗菌剤に耐性の株を含む、S.aureus、S.haemolyticus、E.faecalis、E.faecium、E.duransを原因とする心内膜炎及び骨髄炎を含む血液及び組織感染;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococci(即ち、S.epidermidis、S.haemolyticus等)、Streptococcus pyogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcal群C−F(minute colony streptococci)、viridans streptococci、Corynebacterium minutissimum、Clostridium spp.、又はBartonella henselaeによる感染に関連した非併発性皮膚及び軟組織感染症及び膿瘍、並びに産褥熱;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococcal種、又はEnterococcus spp.による感染に関連した非併発性急性尿路感染症;尿道炎及び子宮頚管炎;Chlamydia trachomatis、Haemophilus ducreyi、Treponema pallidum、Ureaplasma Urealyticum、又はNeiserria gonorrhoeaeによる感染に関連した性感染症;S.aureusによる感染に関連した毒素疾患(食中毒及び毒素ショック症候群)、又はA、B、及びC群streptococci;Helicobacter pyloriによる感染に関連した潰瘍;Borrelia recurrentisによる感染に関連した全身性熱性症候群;Borrelia burgdorferiによる感染に関連したライム病;Chlamydia trachomatis、Neisseria gonorrhoeae、S.aureus、S.pneumoniae、S.pyogenes、H.influenzae、又はListeria spp.による感染に関連した結膜炎、角膜炎、及び涙嚢炎;Mycobacterium avium、又はMycobacterium intracellulareによる感染に関連した播種性鳥型結核菌複合体(MAC)病;Mycobacterium tuberculosis、M.leprae、M.paratuberculosis、M.kansasii、又はM.cheloneiを原因とする感染症;Campylobacter jejuniによる感染に関連した胃腸炎;Cryptosporidium spp.による感染に関連した消化管内原虫;viridans streptococciによる感染に関連した歯性感染症;Bordetella pertussisによる感染に関連した持続性の咳;Clostridium perfringens又はBacteroides spp.による感染に関連したガス壊疽;並びにHelicobacter pylori又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連したアテローム性動脈硬化症又は心血管系疾病を含む、これら病原体を原因とする局所及び全身感染症、並びに細菌感染症に関連した疾患の予防及び化学療法に特に適切である。
【0068】
本発明の式Iの化合物は、さらに、例えばE.coli、Klebsiella pneumoniae及び他のEnterobacteriaceae、Acinetobacter baumaniiを含むAcinetobacter spp.、Stenothrophomonas maltophilia、Neisseria meningitidis、Bacillus cereus、Bacillus anthracis、Corynebacterium spp.、Propionibacterium acnes並びにbacteroide spp等の細菌により仲介される感染症の治療のための医薬の製造に有用である。
【0069】
本発明の式Iの化合物は、さらに、Plasmodium malaria、Plasmodium falciparum、Toxoplasma gondii、Pneumocystis carinii、Trypanosoma brucei及びLeishmania sppを原因とする原虫感染症の治療に有用である。
【0070】
上記した病原体のリストは、単なる例として解釈するべきであり、限定を意図するものでは全くない。
【0071】
本発明の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用してもよく、そして細菌感染症の予防又は治療に適切である
ヒトと同様、細菌感染症は、式Iの化合物(又はこれらの薬学的に許容される塩)を用いて、豚、反芻動物、馬、犬、猫及び家禽のような他の種においても治療し得る。
【0072】
本発明はまた、式Iの化合物の薬学的に許容される塩並びに組成物及び製剤にも関する。
【0073】
式Iの化合物に対するいかなる言及も、適宜かつ好都合に、そのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)にも言及しているものと理解されるべきである。
【0074】
本発明の医薬組成物は、活性薬剤として、式Iの化合物(又はこれらの薬学的に許容される塩)の少なくとも一つと、任意に担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバントとを含み、さらなる公知の抗生物質を含んでいてもよい。
【0075】
式Iの化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0076】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」[published by Lippincott Williams & Wilkins]を参照されたい。)、記述された式Iの化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な薬学的に許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0077】
本発明の別の側面は、薬学的に活性な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、患者における細菌感染症の予防又は治療方法に関する。
【0078】
さらに、式Iの化合物(化合物自体、その塩、当該化合物又はその塩を含む組成物、当該化合物又はその塩の使用、その他であるかを問わない)に対して示されたいかなる好適性も、式ICEの化合物に準用される。
【0079】
さらに、式Iの化合物は、例えば外科器具から病原菌及び細菌を除去し、又は部屋若しくは領域を無菌にするための、清浄目的に使用することもできる。その目的のために、式Iの化合物を、溶液中又はスプレー製剤中に含有させることができる。
【0080】
式Iの化合物は、下記の手順を用いて、本発明に従って製造することができる。
【0081】
式Iの化合物の製造
略語
明細書及び実施例を通して、以下の略語が使われる:
Ac アセチル
AcOH 酢酸
AD−mixα 1,4−ビス(ジヒドロキニン)フタラジン、
Fe(CN)、KCO及びKOsO.2H
AD−mixβ 1,4−ビス(ジヒドロキニジン)フタラジン、
Fe(CN)、KCO及びKOsO.2H
Alloc アリルオキシカルボニル
aq. 水性
br. 広域
Boc tert−ブトキシカルボニル
Cbz ベンジルオキシカルボニル
CC シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー
DEAD ジエチルアゾジカルボキシレート
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
(DHQD)PYR ヒドロキニジン 2,5−ジフェニル−4,6−
ピリミジンジイル ジエーテル
DIAD ジイソブチルアゾジカルボキシレート
DIPE ジイソプロピルエーテル
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPA ジフェニルリン酸アジド
EA 酢酸エチル
ESI 電子スプレーイオン化
eq. 当量
エーテル ジエチルエーテル
Et エチル
EtOH エタノール
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
Hex ヘキサン
Hept ヘプタン
HV 高真空条件
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
MCPBA メタ−クロロ過安息香酸
Me メチル
MeOH メタノール
MS 質量分析法
Ms メタンスルホニル(メシル)
NMO N−メチルモルホリン N−オキシド
org. 有機
Pd/C 炭素上パラジウム
Pd(OH)/C 炭素上水酸化パラジウム
Ph フェニル
Piv ピバロイル
PTT フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド
Pyr ピリジン
quant. 定量的
rac. ラセミ
rt 室温
sat. 飽和した
tBu tert−ブチル
TEA トリエチルアミン
Tf トリフルオロメタンスルホニル(トリフリル)
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMSCl トリメチルシリルクロリド
Ts パラ−トルエンスルホニル
wt% 重量%
%v/v 体積%
【0082】
一般的反応技術:
一般的反応技術1:アミン保護:
アミンは、通常、Alloc、Cbz、Boc又はFmocのようなカーバメートとして保護される。これらは、アミンを、NaOH、TEA、DMAP又はイミダゾール等の塩基の存在下、クロロギ酸アリル若しくはベンジル、二炭酸ジ−tert−ブチル又はFmoc−Clと反応させることにより得られる。これらはまた、NaCO又はTEA等の塩基の存在下における、臭化又は塩化ベンジルとの反応により、N−ベンジル誘導体として保護することもできる。あるいは、N−ベンジル誘導体は、ベンズアルデヒド及びNaBH、NaBHCN又はNaBH(OAc)等のボロヒドリド試薬の存在下、EtOH等の溶媒中において、還元的アミノ化を通じて得ることができる。他のアミン保護基を導入するさらなる戦略は、Protecting groups in Organic Synthesis、3rdEd(1999)、494−653;T.W.Greene、P.G.M.Wuts;(出版社:John Wiley and Sons、Inc.、New York、N.Y.)に記載されている。
【0083】
一般反応技術2:還元的アミノ化:
アミンとアルデヒド又はケトンとの反応は、生成した水を、物理的又は化学的手段(例えば、溶媒−水共沸混合物の蒸留、又はモレキュラー・シーヴ、MgSO又はNaSO等の乾燥剤の存在)にて除去できる溶媒系内で行われる。そのような溶媒の代表は、トルエン、Hex、THF、DCM若しくはDCE、又はMeOH−DCE等の溶媒の混合物である。反応は、微量の酸(通常、AcOH)により触媒することができる。中間体イミンは、適切な還元剤(例えば、NaBH、NaBHCN,又はNaBH(OAc)で、又はPd/C等の貴触媒上での水素化を通じて還元される。反応は、−10℃と110℃の間、好ましくは0℃と60℃の間にて行われる。反応はまた、ワンポットで行うこともできる。反応はまた、MeOH又は水等のプロトン性溶媒中で、ピコリン−ボラン錯体の存在下で行うこともできる(Tetrahedron(2004)、60、7899−7906)。アンモニアの特定の場合には、酢酸アンモニウムを代用物として用いることができ、この場合、好ましい還元剤はNaBHCNである。
【0084】
一般的合成方法3:Mitsunobu反応:
O.Mitsunobuにより、Synthesis(1981)、1中で概説されているように、アルコールを、フタルイミド、DPPA、又は(酸性媒体中NaNから生成する)アジ化水素等の異なる求核試薬と、PPh及びDEAD又はDIADの存在下、THF、DMF、DCM又は1,2−DME等の溶媒中で、−20℃と60℃の間にて、反応させる。
【0085】
一般的反応技術4:アルコールの酸化:
アルコールは、それぞれ、Swern(D.Swernら、J.Org.Chem.(1978)、43、2480−2482を見よ。)、Dess Martin(D.B.Dess及びJ.C.Martin、J.Org.Chem.(1983)、48、4155を見よ。)又はLey(過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムを用いて。Synthesis(1994)、7、639−66を見よ。)条件下での酸化を通じて、それらの対応するアルデヒド又はケトンに変換することができる。
【0086】
一般的反応技術5:アミノ脱保護:
ベンジルカーバメートは、貴金属触媒(例えば、Pd/C又はPd(OH)/C)上での水素化分解により、脱保護される。Boc基は、HCl等の酸性条件下で、MeOH又はジオキサン等の有機溶媒中、又はTFAニート、若しくはDCM等の溶媒で希釈したTFA中で、除去することができる。Fmoc基は、DMF等の溶媒中、ピペリジン又はモルフォリン等の有機塩基での処理により除かれる。アミン保護基を除くための、さらなる一般的方法は、Protecting Groups in Organic Synthesis、3rd Ed(1999)、494−653;T.W.Greene、P.G.M.Wuts;(出版社:John Wiley and Sons、Inc.、New York、N.Y.)に記載されている。
【0087】
一般的反応技術6:アルデヒド又はケトンの、それらの対応するアルコールへの還元:
アルデヒド又はケトンは、Comprehensive Organic Transformations A guide to Functional Group Preparations、2nd Ed.、Wiley、New York、Chichester、Weinheim、Brisbane、Singapore、Toronto(1999)、Section Alcohols and phenols;p.1075〜1110においてLarock、R.C.により概説されているように、種々の還元剤を用いて、それらの対応するアルコールに還元することができる。これらの中で、LiAlH及びNaBHが最も好ましい。
【0088】
一般的反応技術7:アルコールの活性化:
アルコールを、TEA等の塩基の存在下、Pyr、THF又はDCM等の乾燥非プロトン性溶媒中、−30℃と+50℃の間にて、MsCl、TfCl又はTsClと反応させる。トリフルオロメタンスルフォネート又はメタンスルフォネートの場合には、TfO又はMsOを用いることもできる。これらのスルフォネートは、アセトン中、+40℃と+80℃の間にて、NaIと反応させることができ、対応するヨウ化誘導体を与える。
【0089】
一般的合成方法8:アジドからのアミンの入手:
アジドは、MeOH又はEA等の溶媒中、Pd/C等の貴金属触媒上で水素化される。MeOH中SnCl又はAcOH中Zn等の他の還元剤を用いることもできる。J.Med.Chem.(1993)、36、2558−68に記載されているように、還元は、水の存在下、PPhを用いて行うこともできる。
【0090】
一般的合成方法9:cis−ジヒドロキシ化:
アセトン−水又はDCM−水混合物等の水性溶媒中での、NMO等の共酸化剤の存在下においての、触媒量の四酸化オスミウムを用いた対応するエチレン性誘導体のジヒドロキシ化により、ジオールが得られる(Cha、J.K.Chem.Rev.(1995)、95、1761−1795を見よ。)。キラルなcis−ジオールは、Chem.Rev.(1994)、94、2483に記載されているように、水/2−メチル−2プロパノール混合物中において、メタンスルホンアミドの存在下、AD−mixα又はAD−mixβを用いることにより得られる。誘導の感度は、AD混合物中に含まれるキラル・リガンド、AD−mixα中のジヒドロキニン−ベース・リガンド又はAD−mixβ中のジヒドロキニジン−ベース・リガンドによる。
【0091】
一般的製造方法:
式Iの化合物の製造
式Iの化合物は、下記の方法により、実施例に記載された方法により、又は類似の方法により製造することができる。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質又は溶媒により変わるが、そのような条件は、当業者のルーティンの最適化手順により決定することができる。
【0092】
以下のセクションa)〜d)に、式Iの化合物を製造するための一般的な方法を記載する。完成した中間体及び基本的な構成要素の製造は、その後に記載する。下記のスキームを通じて繰り返し使用される一般的合成方法については、言及され、そして本セクションの最後に記載される。特に断らない限り、包括的な基又は整数、U、V,W、R、A及びGは、式Iに対して定義された通りである。
【0093】
a) 式Iの化合物は、式IIの化合物
【0094】
【化13】

【0095】
(式中、PGは、(Boc、Fmoc又はCbz等の)アミノ保護基である。)の、一般的反応技術5に従う脱保護により得ることができる。
【0096】
b) 式Iの化合物は、式IIIの化合物
【0097】
【化14】

【0098】
を、一般的反応技術8に従って還元することにより得ることができる。
【0099】
c) 式Iの化合物は、式IVの化合物
【0100】
【化15】

【0101】
(式中、RはN又はNHBocである。)を、式G−CHOのアルデヒドと一般的反応技術2に従って反応させ、次いで、RがNHBocの場合には、一般的反応技術5を用いて保護基を除去し、又は、RがNの場合には、一般的反応技術8を用いてアジド基をアミノ基に変換することにより得ることができる。
【0102】
d) 式Iの化合物は、式Vの化合物
【0103】
【化16】

【0104】
を、一般的反応技術2に従って酢酸アンモニウムと反応させ、次いで、一般的反応技術5に従ってアミノ保護基を除去することにより得ることができる。
【0105】
このようにして得られた式Iの化合物は、必要に応じ、それらの塩、及び特にそれらの薬学的に許容される塩に変換してもよい。
【0106】
さらに、式Iの化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーは、当業者に知られた方法、例えばジアステレオマー塩の形成及び分離、又はRegis Whelk−O1(R,R)(10μm)カラム、Daicel ChiralCel OD−H(5−10μm)カラム、又はDaicel ChiralPak IA(10μm)若しくはAD−H(5μm)カラム等のキラル固定相上のHPLC、を用いて分離することができる。キラルHPLCの典型的な条件は、0.8から150mL/分の流速における、溶出液A(EtOH。トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミンの存在下又は非存在下で)及び溶出液B(ヘキサン)の無勾配混合物である。式Iの化合物がジアステレオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、それらは、シリカゲルクロマトグラフィー、HPLC及び結晶化技術の適宜な組み合わせにより分離してもよい。
【0107】
合成中間体の製造
式II及びIVの化合物は、下記のスキーム1に記載の通りに製造することができる。
【0108】
【化17】

【0109】
スキーム1において、PG及びPGは、互いに独立に、Cbz、Fmoc又はBoc等の直交(orthogonal)アミノ保護基を表す(特に、PG=Fmocで、かつPG=Boc)。
【0110】
式I−1のケトン誘導体は、一般的反応技術6を用いて還元することができる。あるいは、式I−2のアルコールはまた、KCO等の無機塩基の存在下における、式I−3の誘導体の式I−4のエポキシドとの反応により得ることができる。式I−2のアルコールは、一般的反応技術7を用いたヒドロキシ基の活性化、続く50℃と120℃の間での、THF又はDMF等の溶媒中における、アジ化ナトリウムとの反応の後、さらに対応する式I−5のアジド誘導体に変換することができる。あるいは、式I−5の化合物は、一般的反応技術3に従う、式I−2のアルコールのHN又はDPPAとの反応により得ることができる。式I−6のアミンは、式I−5のアジドから、一般的反応技術8に従って得ることができる。あるいは、式I−6のアミンは、一般的反応技術2に従う、式I−1のケトンの還元的アミノ化により得ることができる。式I−6の中間体は、さらに一般的反応技術1を用いて保護することができ、その後、一般的反応技術5に従って、RがNHPGである式IVの誘導体に、そして一般的反応技術2に従って、式IIの誘導体に連続的に変換することができる。次いで、RがNである式IVの化合物を、一般的反応技術5に従う、式I−5の化合物のアミノ保護基の除去により得ることができる。
【0111】
式IIIの化合物は、一般的反応技術2を用いた、RがNである式IVの誘導体の、式G−CHOの化合物との還元的アミノ化により得ることができる。
【0112】
式I−1及びVの化合物は、下記のスキーム2に記載の通りに製造することができる。
【0113】
【化18】

【0114】
スキーム2において、Xは、臭素等のハロゲンを表し、PGは、Boc、Cbz又はFmoc等のアミノ保護基を表し、そしてPGは、H又はBoc、Cbz若しくはFmoc等のアミノ保護基を表す。
【0115】
式I−3の中間体は、KCO等の塩基の存在下、THF又はDMF等の溶媒中で、40℃と100℃の間にて、式II−1及びII−2のハロゲン化ケトンと反応させることができ、それぞれ式I−1及びVの化合物を与える。
【0116】
出発化合物の製造:
がMeOである式I−3の化合物は、購入可能であるか(U=W=CH)、又は、文献に従って製造することができる(U=CH、W=N:WO2008/009700;U=N、W=CH:J.Heterocyclic Chem.(1986)、23(2)、501−504;U=V=N:WO2006/134378)。
【0117】
がハロゲンである式I−3の化合物は、購入可能であるか(R=F、U=CH、かつW=CH;R=Br、U=CH、かつW=CH又はW=N)、又は、文献に従って製造することができる(R=F、U=CH、かつW=N:WO2008/009700)。
【0118】
式I−4の化合物は、下記のスキーム3に記載の通りに製造することができる。
【0119】
【化19】

【0120】
式III−1のエチレン性誘導体(購入可能であるか、(例えば、A=CHかつPG=Bocである場合)、又はWO2006/032466に従って製造される(例えば、A=O、かつPG=Boc)。)は、一般的反応技術9を用いて、cis−ジヒドロキシ化に付すことができる。得られる式III−2のジオールは、一般的反応技術7を用いた第一アルコールの活性化、続く、KCO等の塩基の存在下におけるエポキシド形成の後、又は、オルト酢酸トリメチルとの反応、続く、TMSClとの反応、そしてNaH等の塩基の存在下におけるエポキシド形成を通じて、対応する式I−4のエポキシドに変換することができる。あるいは、エポキシドは、MCPBA等の過酸を用いて、式III−2のエチレン性誘導体のエポキシ化を通じて直接得ることができる。キラルエポキシドが必要な場合には、それらは、J.Am.Chem.Soc.(2002)、124、1307−1315及びScience(1997)、277、936−938においてJacobsenらによって記載されたように、キラルな(サレン)−Co(III)錯体(例えば、[(R,R)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミナト(2−)]コバルト(III))を触媒として用いた、エポキシドのラセミ体混合物の、加水分解による速度論的光学分割(HKR)により得ることができる。あるいは、キラルエポキシドはまた、Acc.Chem.Res.(2004)、37、488−496に記載のように、キラルケトンを用いたShi不斉エポキシ化を通じて、又は、一般的反応技術9に従う、AD−混合物を用いた不斉cis−ジヒドロキシ化後に、一般的反応技術7を用いて、第一アルコールのメシレートを形成し、そして塩基性条件下でエポキシドを形成することにより得ることもできる。
【0121】
AがCHであり、PGがBoc又はCbzである式II−1の化合物は、購入可能である。式II−1の他の化合物及び式II−2の化合物は、例えば、下記スキーム4に記載の通りに製造することができる。
【0122】
【化20】

【0123】
スキーム4において、Xは、臭素等のハロゲンを表し、PG及びPGは、互いに独立に、Cbz、Fmoc又はBoc等のアミノ保護基を表す。
【0124】
式II−1の化合物は、式IV−1のヒドロキサメート誘導体(A=CHの場合には購入可能であるか、又は、5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロピラン−2−カルボン酸(WO06/032466を見よ。)及びN,O−ジメチルヒドロキシアミンから、プロパンホスホン酸無水物、及びDIPEA等の有機塩基の存在下で製造される。)の、メチルマグネシウムブロミドとの反応により得ることができる。式IV−2のケトンは、LiHDMS及びPTTと反応させることができ、式II−1の臭化ケトン誘導体を与える。これらの誘導体はまた、式I−4のエポキシドをLiBrを用いて開環し、次いで、一般的反応技術10を用いて、対応する式IV−3の臭化アルコール誘導体を酸化することにより得ることもできる。式II−2の化合物は、式IV−3の化合物の保護基を除去し、次いで、一般的反応技術2を用いて、式G−CHOの化合物を還元的アミノ化に付すことによりにより得ることができる。式IV−4の中間体は、一般的反応技術1を用いて保護することができ、式IV−5の中間体を与え、次いで、この化合物は、一般的反応技術4を用いて式II−2の化合物に酸化することができる。
【0125】
本発明の特定の態様を下記の実施例に記載するが、それらは、本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、発明の範囲をいかなる意味においても限定するものではない。
【実施例】
【0126】
製造A:(3R,6S)−[6−((2S)−オキシラニル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
A.i.(3R、6S)−{6−[(2R)−1,2−ジヒドロキシ−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
(3R,6S)−(6−ビニル−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(WO2006/032466に記載の通りに製造;4.27g、18.79mmol)を、2−メチル−2−プロパノール−水混合物(1:1、190mL)中に溶解した。AD−mix α(登録商標)(26.30g)を添加し、そして混合物をrtにて一晩攪拌した。亜硫酸水素ナトリウム(28.18g)を添加した。2層をデカントし、そして水層をEA(2x150mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(brine)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮して、黄色の油状物を得た。残渣をCC(DCM−MeOH、19:1、次いで9:1)で精製して、表題のジオールを白色の固体(3.92g、収率80%)として得た。化合物を、ジアステレオマーの6−1混合物として得た。H NMR(CDCl)、主たるジアステレオマー δ:4.23(br. s、1H);4.09(ddd、J=2.4、5.1、10.5Hz、1H);3.68−3.74(m、2H);3.52−3.66(m、2H);3.35(ddd、J=2.4、5.1、11.4Hz、1H);2.98(t、J=10.8Hz、1H);2.51(br. d、J=6.0Hz、1H);2.09−2.21(m、2H);1.78(m、1H);1.54(m、1H);1.43(s、9H);1.22−1.36(m、1H)。MS(ESI、m/z):262.4[M+H]。
【0127】
A.ii. 2,2−ジメチル−プロピオン酸(2R)−2−[(2S,5R)−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル]−2−ヒドロキシ−エチルエステル:
中間体A.i(3.92g、15mmol)とDMAP(3.67g、30mmol)の、DCM(75mL)中の、0℃に冷却した溶液に、Piv−Cl(2.4mL、19.5mmol)を添加した。反応を1h進行させた。反応混合物を、sat.NaHCO(100mL)とEA(150mL)の間で分画した。水層をEA(100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をCC(Hept−EA、1:1)で精製して、表題化合物を白色の固体(3.68g、収率71%)として得た。MS(ESI、m/z):346.1[M+H]。
【0128】
A.iii. 2,2−ジメチル−プロピオン酸(2R)−2−[(2S,5R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル]−2−メタンスルフォニルオキシ−エチルエステル:
中間体A.ii(3.68g、10.653mmol)の、DCM(55mL)中の0℃に冷却した溶液に、TEA(3.00mL、2eq.)とMsCl(1.0mL、1.2eq.)を添加した。反応液を0℃にて1h攪拌した。Sat.NaHCO(185mL)とDCM(185mL)を添加した。2層をデカントし、そして有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をCC(EA−Hept、1:1)で精製して、表題化合物を無色のフォーム(4.23g、収率94%)として得た。MS(ESI、m/z):424.3[M+H]。
【0129】
A.iv. (3R,6S)−[6−((2S)−オキシラニル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体A.iii(4.12g、9.73mmol)のTHF(50mL)中の溶液に、NaOMe(MeOH中の25wt%溶液、4.5mL)を添加した。混合物をrtにて15min攪拌した。反応混合物を、10% aq.NaHSO(100mL)とEA(200mL)の間で分画した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮し、次いで、HV下で乾燥して、表題エポキシドを薄黄色の固体(2.36g、quant.)として得た。化合物を、ジアステレオマーの6:1混合物として得た。H NMR(CDCl) δ:4.22(br. s、1H);4.11(m、1H);3.60(br. s、1H);2.92−3.11(m、3H);2.78(m、1H);2.64(m、1H);2.11(m、1H);1.54−1.78(m、2H);1.43(s、9H);1.27(qd、J=4.2、12.3Hz、1H)。MS(ESI、m/z):244.3[M+H]。
【0130】
製造B:trans−[4−(2−ブロモ−アセチル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
B.i. (4−アセチル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
[4−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(11g、38.4mmol)の、エーテル(200mL)中の0℃に冷却した溶液に、MeMgBr(エーテル中3M、32mL、96mmol)を添加した。混合物をrtにて4h攪拌した。10% aq.NaHSO(200mL)を注意深く添加した。2層をデカントし、そして水層をEA(100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をCC(Hept−EA、2:1)で精製して、表題のメチルケトンを白色の固体(7.4g、収率80%)として得た。H NMR(dDMSO) δ:6.69(br. d、J=7.2Hz、1H);3.10(m、1H);2.22(m、1H);2.06(s、3H);1.74−1.88(m、4H);1.36(s、9H);1.06−1.26(m、4H)。
【0131】
B.ii. trans−[4−(2−ブロモ−アセチル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
−78℃に冷却した、LiHMDS(THF中1M、55mL)の溶液に、TMSCl(33mL、260mmol)を滴下した。5min後、中間体B.i(5.7g、23.62mmol)のTHF(100mL)中の溶液を滴下した。混合物をこの温度にて25min攪拌した後、素早く0℃に温めた。10min後、PTT(9.76g、25.95mmol)を一度に添加し、そして混合物を0℃にて35min攪拌した。反応混合物をsat.NaHCO(200mL)中に注ぎ、そしてEA(100mL)で希釈した。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をEA−Hept中で粉砕し、ろ過し、そしてHV下で乾燥して、表題化合物を黄色がかった固体(5.3g)として得た。H NMR(CDCl) δ:4.36(br. s、1H);4.12(s、1H);3.92(s、1H);3.38(br. s、1H);2.63(m、1H);2.04−2.16(m、2H);1.88−2.00(m、2H);1.41−1.50(m、2H);1.43(s、9H)、1.08−1.22(m、2H)。
【0132】
参考例1:rac−6−(trans−{4−[1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
R1.i. rac−{trans−4−[2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−アセチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造Bの化合物(3.20g、10mmol)と7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン(1.46g、7.5mmol)の、DMF(40mL)中の混合物に、KCO(2.07g、15mmol)を添加した。混合物を75℃にて45min加熱した。溶媒を真空蒸発させ、そして残渣を、水(100mL)とEA(200mL)の間で分画した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(Hept−EA、1−1、次いで4−1)に付して、表題化合物を白色の固体(1.7g、収率55%)として得た。H NMR(dDMSO) δ:7.86(d、J=9.3Hz、1H);7.64(d、J=8.7Hz、1H);6.87(dd、J=2.4、8.7Hz、1H);6.75(d、J=8.1Hz、1H);6.64(d、J=2.4Hz、1H);6.41(d、J=9.3Hz、1H);5.31(s、2H);3.82(s、3H);3.19(br. s、1H);2.64(m、1H);2.00(m、2H);1.88(m、2H);1.18−1.41(m、4H);1.39(s、9H)。MS(ESI、m/z):415.2[M+H]。
【0133】
R1.ii. rac−{trans−4−[ヒドロキシ−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−メチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体R1.i(1.7g、4.1mmol)の、MeOH(30mL)とTHF(3mL)中の混合物に、NaBH(0.775g、20mmol)を添加した。混合物を同温にて1h攪拌した。水(200mL)を添加した。揮発物を真空除去した。残渣をEA(200mL)中に取った。2層をデカントし、そして有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をHV下で乾燥して、表題アルコールを黄色がかったフォーム(1.7g、収率100%)として得た。MS(ESI、m/z):417.4[M+H]。
【0134】
R1.iii. rac−1−[trans−2−(4−アミノ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−エチル]−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン:
中間体R1.ii(1.7g、4.1mmol)の、TFA(10mL)及びDCM(2mL)中の溶液を、rtにて20min攪拌した。溶媒を真空除去し、そして残渣を、sat.NaHCO(20mL)と1M NaOH(20mL)の間で分画した。水層をDCM−MeOH(9−1、5x150mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。CC(1%v/v aq.NHOHを含む、DCM−MeOH、9−1)の後、表題のアミンを黄色がかったフォーム(0.92g、収率71%)として得た。H NMR(CDCl) δ:7.65(d、J=9.3Hz、1H);7.49(d、J=8.7Hz、1H);6.84(dd、J=2.4、8.7Hz、1H);6.80(d、J=2.4Hz、1H);6.56(d、J=9.3Hz、1H);4.65(dd、J=9.9、14.7Hz、1H);4.12(dd、J=2.1、14.7Hz、1H);3.90(s、3H);3.86(重複ddd、J=2.4、5.7、9.9Hz、1H);2.67(tt、J=3.9、10.8Hz、1H);1.88−2.10(m、5H);1.64−1.09(m、7H)。MS(ESI、m/z):317.4[M+H]。
【0135】
R1.iv. trans−{4−[(1RS)−1−ヒドロキシ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体R1.iii(0.82g、2.6mmol)の、アセトン(10mL)と水(5mL)中の、0℃に冷却した溶液に、NaHCO(0.435g、5.2mmol)とCbz−Cl(0.45mL、3.12mmol)を添加した。反応混合物を0℃にて1h攪拌した後、rtに温めた。1h後、反応混合物を水(100mL)で希釈し、そして固形物をろ過した。固形物を水で徹底的に洗浄し、そしてEA(200mL)中に取った。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、表題化合物を白色の固体(1.14g、収率98%)として得た。MS(ESI、m/z):451.4[M+H]。
【0136】
R1.v. rac−メタンスルホン酸 trans−1−(4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−シクロヘキシル)−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチルエステル:
中間体R1.iv(1.18g、2.64mmol)のDCM(30mL)中の溶液に、TEA(0.735mL、5.28mmol)とMsCl(0.245mL、3.17mmol)を添加した。反応液を同温にて30min攪拌した。反応混合物を、sat.NaHCO(30mL)とDCM(100mL)の間で分画した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、表題のメシレートを無色のフォーム(1.40g、quant.)として得た。MS(ESI、m/z):529.3[M+H]。
【0137】
R1.vi. rac−{trans−4−[1−アジド−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体R1.v(1.40g、2.64mmol)のDMF(15mL)中の溶液に、NaN(0.516g、7.94mmol)を添加した。混合物を80℃に2h加熱した。反応混合物をrtに冷却し、そして水(100mL)で希釈した。固形物をろ過し、そしてEA(300mL)中に取った。有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、表題のアジドを無色のフォーム(1.14g、収率91%)として得た。MS(ESI、m/z):476.2[M+H]。
【0138】
R1.vii. rac−{trans−4−[1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体R1.vi(1.14g、2.41mmol)の、THF(12mL)と水(3mL)中の溶液に、PPh(1.29g、4.85mmol)を添加した。混合物を55℃にて8h攪拌した。Rtに冷却後、溶媒を蒸発乾固し、そして残渣を、CC(1%v/v aq.NHOHを含む、DCM−MeOH、9:1)で直接精製して、表題化合物を無色のフォーム(0.950g、収率87%)として得た。H NMR(CDCl) δ:7.59(d、J=9.3Hz、1H);7.47(d、J=9.0Hz、1H);7.30−7.38(m、5H);6.80−6.83(m、2H);6.55(d、J=9.3Hz、1H);5.09(s、2H);4.60(重複br. s、1H);4.56(dd、J=9.9、14.1Hz、1H);4.06(dd、J=4.2、14.1Hz、1H);3.90(s、3H);3.48(m、1H);3.09(m、1H);2.04−2.18(m、3H);1.87(m、1H);1.10−1.50(m、7H)。MS(ESI、m/z):450.3[M+H]。
【0139】
R1.viii. trans−{4−[(1RS)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体R1.vii(0.95g、2.11mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、BocO(0.7g、3.2mmol)を添加した。混合物をrtにて一晩攪拌した。溶媒を蒸発乾固し、そして残渣を、HeptとDIPE中で粉砕し、表題化合物を白色の固体(1.2g、quant.)として得た。MS(ESI、m/z):550.2[M+H]。
【0140】
R1.ix. rac−[trans−1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体R1.viii(1.2g、2.11mmol)のEA(20mL)中の溶液に、20%Pd(OH)/C(湿潤化、0.6g)を添加した。反応混合物を、水素雰囲気下で3h攪拌した。触媒をろ去し、そしてろ液を濃縮乾固した。残渣をCC(1%v/v aq.NHOHを含む、DCM−MeOH、9:1)で精製して、表題のアミンを白色のフォーム(0.7g、収率77%)として得た。MS(ESI、m/z):416.3[M+H]。
【0141】
R1.x. rac−(2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−1−trans−{4−[(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−エチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体R1.ix(0.2g、0.481mmol)の、DCE(9mL)とMeOH(3mL)中の溶液に、3Åモレキュラー・シーヴ(2.0g)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド(WO02/056882に従って製造;0.098g、1.05eq.)を添加した。混合物を50℃にて一晩攪拌した。冷却後、NaBH(0.16g)を添加した。反応を45min進行させた。反応混合物をDCM−MeOH(9−1、100mL)で希釈した。固形物をろ過し、そしてDCM(50mL)で洗浄した。ろ液をsat.NaHCO(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。CC(1%v/v aq.NHOHを含む、DCM−MeOH、9−1)の後、表題化合物をベージュ色の固体(0.28g、収率98%)として得た。MS(ESI、m/z):594.2[M+H]。
【0142】
R1.xi. rac−6−(trans−{4−[1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体R1.x(0.280g、0.47mmol)を出発物質として、工程R1.iiiの手順を用い、表題化合物をベージュ色の固体(0.2g、収率86%)として得た。粗製物をエーテル中で粉砕した。H NMR(dDMSO) δ:10.82(br. s、1H);7.79(d、J=9.3Hz、1H);7.70(d、J=7.8Hz、1H);7.60(d、J=8.4Hz、1H);7.07(d、J=7.8Hz、1H);6.93(d、J=2.1Hz、1H);6.86(dd、J=2.1、8.4Hz、1H);6.39(d、J=9.3Hz、1H);4.18(br. d、J=6.3Hz、2H);3.85(s、3H);3.71(s、2H);3.50(s、2H);2.89(m、1H);2.29(m、1H);1.84−2.00(m、3H);1.50−1.80(m、3H);0.93−1.30(m、6H)。MS(ESI、m/z):494.2[M+H]。
【0143】
参考例2:rac−6−(trans−{4−[1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体R1.ix(0.2g、0.481mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(WO02/056882に従って製造;0.095g、1.1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x及びR1.iii(還元的アミノ化、収率79%;Boc脱保護、収率88%)の手順を順番に用い、表題化合物を白色の固体(0.160g)として得た。粗製物を、必要に応じて、1%v/v aq.NHOHを含む、DCM−MeOH、9:1を溶出液として用いて、CCにより精製した。H NMR(dDMSO) δ:7.79(d、J=9.3Hz、1H);7.61(d、J=8.7Hz、1H);7.27(d、J=7.8Hz、1H);7.00(d、J=7.8Hz、1H);6.93(d、J=2.4Hz、1H);6.86(dd、J=2.4、8.7Hz、1H);6.39(d、J=9.3Hz、1H);4.58(s、2H);4.18(br. d、J=6.3Hz、2H);3.85(s、3H);3.68(s、2H);2.89(m、1H);2.29(m、1H);1.84−2.00(m、3H);1.50−1.80(m、3H);0.91−1.30(m、6H)。MS(ESI、m/z):478.2[M+H]。
【0144】
実施例1:6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
方法A:
参考例1の化合物を、キラルHPLCを用いて分離して、表題化合物を得てもよい。
方法B:
1.B.i. Trans−(4−ビニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
tBuOK(13.78g、122.7mmol)を、メチルトリフェニルホスフォニウムブロミド(43.85g、122.7mmol)の、THF(145mL)中の白色の懸濁液に、窒素下、rtにて一度に添加した。得られる懸濁液をrtにて1h攪拌し、そしてtrans−(4−ホルミル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(13.95g、61.37mmol)のTHF(40mL)中の溶液を添加した。混合物をrtにて30min攪拌した。10%NaHSO溶液(240mL)を添加し、そして混合物をEA(500mL)で希釈した。2層をデカントし、そして水層をEA(250mL)で1回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣を素早くろ過し(EA−Hept、1−2)、表題化合物を白色の固体(13.58g)として得た。MS(ESI、m/z):226.2[M+H]。
【0145】
1.B.ii. [4−((2R)−1,2−ジヒドロキシ−エチル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体1.B.i(21.65g、96.08mmol)の、2−メチル−2−プロパノール(480mL)と水(480mL)中の混合物に、フェリシアン化カリウム(94.9g)、炭酸カリウム(39.9g)、(DHQD)Pyr(0.847g)及びKOsO(OH)(0.354g)を添加した。混合物を0℃にて30h攪拌した。次いで、亜硫酸水素ナトリウム(144g)を用いて、反応を注意深くクェンチした。次いで、2層をクェンチし、そして水層をEA(400mL)で1回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。得られた油状物をCC(DCM−MeOH、9−1)で精製して、表題化合物を黄色の固体(23.02g、収率92%)として得た。MS(ESI、m/z):260.2[M+H]。
【0146】
1.B.iii. Trans−[4−((2S)−オキシラニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体1.B.ii(23.02g、88.762mmol)のDCM(240mL)中の溶液に、TsOH(0.795g、0.05eq.)、次いでオルト酢酸トリメチル(16.1mL、1.3eq.)を添加した。反応をrtにて30min進めた。溶媒を減圧下で除き、そして残渣をHV下で10minさらに乾燥した。残渣をDCM(120mL)中に取り、そしてMeOH(0.03mL)とTMSCl(16.0mL、1.4eq.)を添加した。次いで、反応混合物をrtにて1h攪拌した。sat.aq.NaHCO溶液(250mL)を添加し、そして2層を分離した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をMeOH(150mL)中に取り、そしてNaOMe(MeOH中25%wt、40.5mL)を添加した。反応をrtにて1h進めた。反応混合物をDCM(300mL)と10%NaHSO溶液(120mL)で希釈した。水層をDCM−MeOH、9−1(3x150mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(200mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して、黄色の油状物を得た。残渣をクロマトグラフ(EA/Hept、2:1)に付して、表題化合物を白色の固体(17.35g)として得た。MS(ESI、m/z):260.2[M+H]。
【0147】
1.B.iv. 1−[(2R)−2−(4−aアミノ−シクロヘキシル)−2−アジド−エチル]−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン:
中間体1.B.iii(1.3g、5.38mmol)と7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン(0.97g、5.51mmol)を出発物質として、実施例3、工程3.i(エポキシド開環、収率50%)、3.ii(メシレート形成、収率98%)、3.iii(アジド形成、収率72%)及び3.iv(Boc除去、収率100%)に記載の手順を用い、表題化合物(0.396g)を黄色がかったフォームとして製造した。必要に応じて、粗製反応混合物を、適宜な溶出液を用いて、クロマトグラフィーにより精製した。MS(ESI、m/z):342.4[M+H]。
【0148】
1.B.v. 6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体1.B.iv(0.090g、0.262mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド(0.051g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率82%)及び実施例3、工程3.vi(Staudinger還元、収率98%)の手順を用い、表題化合物を灰白色のフォーム(0.094g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOHの勾配を溶出液として用いて精製した。MS(ESI、m/z):494.3[M+H]。
【0149】
実施例2:6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
方法A:
参考例2の化合物を、キラルHPLCを用いて分離して、表題化合物を得てもよい。
方法B:中間体1.B.iv(0.100g、0.293mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.053g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率75%)及び実施例3、工程3.vi(Staudinger還元、収率98%)の手順を用い、表題化合物を白色の固体(0.089g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOHの勾配を溶出液として用いて精製した。MS(ESI、m/z):478.0[M+H]。
【0150】
実施例3:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
3.i. {6−[1−ヒドロキシ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造Aの化合物(1.040g、4.275mmol)のDMF(5.5mL)中の溶液に、7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン(0.824g、1.1eq.)の、DMF(11mL)中の懸濁液とCsCO(2.78g、2eq.)を添加した。反応混合物を80℃にて5h攪拌した。溶媒を減圧下で除き、次いで残渣を水(100mL)とEA(100mL)の間で分画した。水層をEA(100mL)でもう一度抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして蒸発乾固した。残渣をCC(EA−Hept、4−1)で精製して、表題化合物を黄色のフォーム(0.784g、収率44%)として得た。MS(ESI、m/z):419.3[M+H]。
【0151】
3.ii. メタンスルホン酸(1S)−1−((2S,5R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチルエステル:
中間体3.i(0.770g、1.840mmol)のDCM(10mL)中の、0℃に冷却した溶液に、TEA(0.52mL、2eq.)とMs−Cl(0.18mL、1.2eq.)を添加した。反応液を0℃にて1h攪拌した。Sat.NaHCO(30mL)とDCM(30mL)を添加した。2層をデカントし、そして有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をCC(EA−Hept、2:1)で精製して、表題化合物を白色の固体(0.545g、収率60%)として得た。化合物を、ジアステレオマーの6:1混合物として得た。H NMR(CDCl)、主たるジアステレオマー δ:7.62(d、J=9.3Hz、1H);7.45(d、J=8.7Hz、1H);7.04(d、J=2.1Hz、1H);6.83(dd、J=2.1、8.7Hz、1H);6.51(d、J=9.3Hz、1H);5.04(m、1H);4.75(m、1H);4.50(m、1H);4.14−4.28(m、2H);3.91(s、3H);3.51(m、1H);3.46(dd、J=5.1、12.6Hz、1H);3.04(t、J=10.5Hz、1H);2.76(s、3H);2.17(m、1H);1.71−1.90(m、2H);1.44(s、9H);1.31(m、1H)。MS(ESI、m/z):497.4[M+H]。
【0152】
3.iii. {(3R,6S)−6−[(1S)−1−アジド−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
DMF(9mL)中の、中間体3.iiとそのジアステレオマーの6:1混合物(0.545g、1.091mmol)、及びNaN(0.192g、2.7eq.)を、80℃にて45min加熱した。溶媒をHV下で除き、そして残渣を水(70mL)とEA(80mL)の間で分画した。水層をEA(70mL)で1回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をCC(EA−Hept、2:1)で精製して、表題のアジドを白色のフォーム(0.484g、収率100%)として得た。化合物を、ジアステレオマーの6:1混合物として得た。H NMR(CDCl)主たるジアステレオマー δ:7.63(d、J=9.3Hz、1H);7.46(d、J=8.7Hz、1H);7.07(d、J=2.4Hz、1H);6.83(dd、J=2.4、8.7Hz、1H);6.52(d、J=9.3Hz、1H);4.53(dd、J=7.8、14.1Hz、1H);4.43(dd、J=5.1、14.1Hz、1H);4.16−4.24(m、2H);3.91(s、3H);3.84(m、1H);3.67(m、1H);3.42(m、1H);2.97(t、J=10.5Hz、1H);2.17(m、1H);1.74−1.92(m、2H);1.44(s、9H);1.31(m、1H)。MS(ESI、m/z):444.0[M+H]。
【0153】
3.iv. 1−[(2S)−2−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−アジド−エチル]−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン:
中間体3.iiiとそのジアステレオマー(0.265g、0.6mmol)の6:1混合物を出発物質として、参考例1、工程R1.iii.の手順を用い、表題アミンを黄色がかったフォーム(0.202g、収率98%)として得た。粗製物を、さらに精製することなく用いた。MS(ESI、m/z):344.5[M+H]。
【0154】
3.v. 6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アジド−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
工程3.ivで得た粗製物(0.110g、0.173mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.057g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.xの手順を用い、表題化合物を白色の固体(0.138g、収率85%)として得た。粗製物をCC(0.7%v/v aq.NHOHを含む、DCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(dDMSO) δ:11.13(s、1H);7.83(d、J=9.6Hz、1H);7.63(d、J=8.1Hz、1H);7.28(d、J=8.7Hz、1H);6.98−7.01(m、2H);6.89(dd、J=2.1、8.7Hz、1H);6.41(d、J=9.6Hz、1H);4.63(重複m、1H);4.59(s、3H);4.27(dd、J=5.1、15.0Hz、1H);4.02(m、1H);3.86(s、3H);3.67−3.75(m、3H);3.47(m、1H);2.96(t、J=10.5Hz、1H);1.99−2.09(m、2H);1.74(m、1H);1.51(m、1H);1.22(m、1H)。MS(ESI、m/z):506.4[M+H]。
【0155】
3.vi. 6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体3.v(0.130g、0.257mmol)のTHF(4mL)中の溶液に、PPh(0.136g、2eq.)を添加した。混合物を60℃にて50min加熱し、次いで水(1.2mL)を添加した。3h後、反応混合物をrtに冷却し、そして溶媒を真空除去した。残渣をCC(0.7% aq.NHOHを含む、DCM−MeOH、93:7)で精製して、表題化合物を灰白色の固体(0.105g、収率85%)として得た。H NMR(dDMSO) δ:7.78(d、J=9.3Hz、1H);7.59(d、J=8.7Hz、1H);7.27(d、J=8.1Hz、1H);7.06(d、J=2.1Hz、1H);6.99(d、J=8.1Hz、1H);6.85(dd、J=2.1、8.7Hz、1H);6.38(d、J=9.3Hz、1H);4.58(s、2H);4.30(m、1H);4.02−4.12(m、2H);3.97(m、1H);3.83(s、3H);3.68(dd、AB syst.J=14.7Hz、Δ=0.06ppm、2H);3.15(d、J=4.8Hz、1H);3.06(m、1H);2.97(m、1H);2.90(t、J=10.5Hz、1H);1.98(m、1H);1.91(br. s、1H);1.50−1.64(m、2H);1.51(br. s、1H);1.16(m、1H)。MS(ESI、m/z):480.3[M+H]。
【0156】
実施例4:1−((2S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン:
中間体3.iv(0.100g、0.291mmol)と(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロペナール(0.049g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.iv(還元的アミノ化、収率60%)及び実施例3、工程3.vi(Staudinger還元、収率25%)の手順を用い、表題化合物を黄色がかったフォーム(0.021g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOH勾配を溶出液として用いて精製した。H NMR(dDMSO) δ:7.78(d、J=9.3Hz、1H);7.59(d、J=8.7Hz、1H);7.44(m、1H);7.22(m、1H);7.04−7.11(m、2H);6.85(dd、J=2.4、8.4Hz、1H);6.58(d、J=16.2Hz、1H);6.46(td、J=5.4、16.2Hz、1H);6.39(d、J=9.3Hz、1H);4.31(dd、J=8.1、13.8Hz、1H);3.98−4.11(m、2H);3.83(s、3H);3.36(br. t、J=5.4Hz、2H);3.07(m、1H);2.99(m、1H);2.90(t、J=10.5Hz、1H);2.02(m、1H);1.48−1.68(m、5H);1.22−1.08(m、2H)。MS(ESI、m/z):470.3[M+H]。
【0157】
実施例5:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体3.iv.(0.090g、0.262mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド(0.051g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率83%)及び実施例3、工程3.vi(Staudinger還元、収率91%)の手順を用い、表題化合物を黄色がかったフォーム(0.094g)として得た。粗製物を、10%aq.NHOHを含む、DCM−MeOH勾配を溶出液として用いて精製した。H NMR(dDMSO) δ:10.81(s、1H);7.78(d、J=9.3Hz、1H);7.71(d、J=8.1Hz、1H);7.60(d、J=8.7Hz、1H);7.06(d、J=8.1Hz、1H);7.05(d、J=2.1Hz、1H);6.85(dd、J=2.1、8.7Hz、1H);6.38(d、J=9.3Hz、1H);4.30(m、1H);4.07(m、1H);3.97(m、1H);3.83(s、3H);3.71(dd、AB syst.、J=17.1Hz、Δ=0.071ppm、2H);3.50(s、2H);3.07(m、1H);2.98(m、1H);2.90(t、J=10.5Hz、1H);2.01(m+重複br. s、2H);1.41−1.60(m、4H);1.10−1.25(m、2H)。MS(ESI、m/z):496.4[M+H]。
【0158】
実施例6:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
6.i. {(3R,6S)−6−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
7−メトキシ−1H−[1,5]ナフチリジン−2−オン(WO2007/138974に従って製造;2.0g、11.3mmol)と製造Aの化合物(2.50g、10.27mmol)を出発物質として、実施例3、工程3.iに記載の手順を用い、表題化合物を無色のフォーム(1.82g、収率42%)として得た。粗製物をCC(DCM−MeOH、97:3)で精製して、化合物をジアステレオマーの6:1混合物として得た。MS(ESI、m/z):420.1[M+H]。
【0159】
6.ii. 1−[(2S)−2−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−アジド−エチル]−7−メトキシ−1H−[1,5]ナフチリジン−2−オン:
中間体6.i(1.6g、3.81mmol)を出発物質として、実施例3、工程3.ii(メシレート形成、収率72%)、3.iii(アジド形成、収率81%)及び3.iv(Boc脱保護、収率92%)に報告された手順を順番に用い、表題のアジドを濃厚な黄色がかった油状物(0.694g、2.01mmol)として得た。必要に応じ、粗製反応混合物を、適宜な溶出液を用いてCCで精製した。化合物をジアステレオマーの8:1混合物として得た。(MS(ESI、m/z):345.3[M+H]。
【0160】
6.iii. 6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体6.ii(0.1g、0.29mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド(0.057g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率92%)及び実施例3、工程3.vi(アジド還元、収率77%)に報告された手順を用い、表題化合物を黄色がかったフォーム(0.099g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOH勾配を溶出液として用いて精製した。H NMR(dDMSO) δ:10.81(s、1H);8.24(d、J=2.1Hz、1H);7.82(d、J=9.9Hz、1H);7.70(d、J=8.1Hz、1H);7.47(d、J=2.1Hz、1H);7.05(d、J=8.1Hz、1H);6.62(d、J=9.9Hz、1H);4.25(m、1H);4.09(m、1H);3.95(重複m、1H);3.91(s、3H);3.69(dd、AB syst.、J=15.0Hz、Δ=0.062ppm、2H);3.50(s、2H);3.05(m、1H);2.95(m、1H);2.86(t、J=10.5Hz、1H);2.01(br. s+重複m、2H);1.48−1.58(m、3H);1.42(br. s、1H);1.08−1.24(m、2H)。MS(ESI、m/z):497.4[M+H]。
【0161】
実施例7:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体6.ii(0.1g、0.29mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.051g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率83%)及び実施例3、工程3.vi(アジド還元、収率69%)に報告された手順を用い、表題化合物を白色のフォーム(0.079g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOHの勾配を溶出液として用いて精製した。H NMR(dDMSO) δ:8.24(d、J=2.4Hz、1H);7.83(d、J=9.6Hz、1H);7.48(d、J=2.4Hz、1H);7.28(d、J=8.1Hz、1H);6.98(d、J=8.1Hz、1H);6.64(d、J=9.9Hz、1H);4.59(s、2H);4.26(dd、J=8.1、14.4Hz、1H);4.09(dd、J=5.7、14.4Hz、1H);3.96(重複m、1H);3.92(s、3H);3.67(dd、AB syst.、J=14.7Hz、Δ=0.063ppm、2H);3.05(m、1H);2.95(m、1H);2.86(t、J=10.8Hz、1H);2.00(m、1H);1.91(m、1H);1.48−1.58(m、3H);1.44(br. s、1H);1.08−1.24(m、2H)。MS(ESI、m/z):481.4[M+H]。
【0162】
実施例8:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン:
中間体6.ii(0.1g、0.29mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(購入可能;0.051g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率59%)及び実施例3、工程3.vi(アジド還元、収率62%)に報告された手順を用い、表題化合物を黄色がかったフォーム(0.050g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOH勾配を溶出液として用いて精製した。MS(ESI、m/z):480.4[M+H]。
【0163】
実施例9:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノキサリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
(3R,6S)−[6−((2S)−オキシラニル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.50g、2.05mmol)と7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン(WO2006/134378に従って製造;0.4g、1.1eq.)を出発物質として、実施例6に報告された合成シークエンスを用い、表題化合物を黄色の固体(0.007g)として得た。必要に応じ、粗製物を、適宜な溶出液を用いてCCにより精製した。MS(ESI、m/z):497.2[M+H]。
【0164】
実施例10:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
10.i. 7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
7−クロロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン(J.Org.Chem.(1990)、55、4744に記載の通りに製造;5.36g、29.68mmol)のMeOH(98mL)中の溶液に、ナトリウムメトキシド(MeOH中25wt%、161mL)を添加した。得られた溶液を、還流下15h攪拌した。溶媒を真空除去した。水(100mL)とEA(80mL)を添加した。相を分離し、そして水相をEA(8x80mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させた。表題化合物をベージュ色の固体(5.22g、収率100%)として得た。H NMR(dDMSO) δ:11.96(s、1H);7.96(d、J=8.5Hz、1H);7.81(d、J=9.4Hz、1H);6.63(d、J=8.5Hz、1H);6.34(d、J=9.4Hz、1H);3.90(s、3H)。
【0165】
10.ii. 1−[(2S)−2−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−アジド−エチル]−7−メトキシ−1H−[1,5]ナフチリジン−2−オン:
中間体10.i(1.06g、6mmol)と製造Aの化合物(1.46g、6mmol)を出発物質として、実施例3、工程3.i(エポキシド開環、収率84%)、3.ii(メシレート形成、収率100%)、3.iii(アジド形成、収率67%)及び3.iv(Boc脱保護、収率100%)に報告された手順を順番に用い、表題化合物(0.478g)を無色のフォームとして得た。必要に応じ、粗製反応混合物を、適宜な溶出液を用いてCCで精製した。化合物を、ジアステレオマーの8:1混合物として得た。MS(ESI、m/z):345.3[M+H]。
【0166】
10.iii. 6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体10.ii(0.09g、0.252mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド(0.050g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率81%)及び実施例3、工程3.vi(アジド還元、収率89%)に報告された手順を用い、表題化合物を白色のフォーム(0.084g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOHの勾配を溶出液として用いて精製した。H NMR(dDMSO) δ:10.82(s、1H);8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);7.71(d、J=7.9Hz、1H);7.07(d、J=7.9Hz、1H);6.68(d、J=8.5Hz、1H);6.46(d、J=9.4Hz、1H)、4.51(dd、J=8.8、12.6Hz、1H);4.30(dd、J=4.7、12.6Hz、1H);3.96(重複m、1H);3.93(s、3H);3.71(dd、AB syst.、J=15.0Hz、Δ=0.062ppm、2H);3.50(s、2H);3.05−3.15(m、2H);2.92(t、J=10.5Hz、1H);2.43(重複m、1H);2.01(br. s+重複m、2H);1.49−1.59(m、2H);1.42(br. s、1H);1.11−1.24(m、2H)。MS(ESI、m/z):497.2[M+H]。
【0167】
実施例11:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体10.ii(0.09g、0.252mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.047g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率88%)及び実施例3、工程3.vi(アジド還元、収率96%)に報告された手順を用い、表題化合物を白色のフォーム(0.096g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOHの勾配を溶出液として用いて精製した。H NMR(dDMSO) δ(非交換性H):8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);7.28(d、J=7.9Hz、1H);6.99(d、J=7.9Hz、1H);6.68(d、J=8.5Hz、1H);6.46(d、J=9.4Hz、1H)、4.59(s、2H);4.51(dd、J=9.1、12.6Hz、1H);4.29(dd、J=5.0、12.6Hz、1H);3.95(重複m、1H);3.93(s、3H);3.71(dd、AB syst.、J=15.0Hz、Δ=0.062ppm、2H);3.05−3.15(m、2H);2.91(t、J=10.5Hz、1H);2.43(重複m、1H);2.01(m、1H);1.49−1.59(m、2H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):481.2[M+H]。
【0168】
実施例12:1−((1S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体10.ii(0.100g、0.290mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.048g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率58%)及び実施例3、工程3.vi(アジド還元、収率90%)に報告された手順を用い、表題化合物を白色のフォーム(0.096g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOHの勾配を溶出液として用いて精製した。H NMR(dDMSO) δ(非交換性H):8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.98(s、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);6.91(s、1H);6.68(d、J=8.5Hz、1H);6.46(d、J=9.4Hz、1H);4.50(dd、J=8.8、12.3Hz、1H);4.24−4.34(m、5H);3.94(重複m、1H);3.93(s、3H);3.68(dd、AB syst.、J=15.0Hz、Δ=0.062ppm、2H);3.04−3.14(m、2H);2.90(t、J=10.3Hz、1H);2.41(重複m、1H);1.97(m、1H);1.47−1.57(m、2H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):468.2[M+H]。
【0169】
実施例13:1−((1R)−2−アミノ−2−{4−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−シクロヘキシル}−エチル)−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン:
中間体1.B.iv(0.2g、0.58mmol)と(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロペナール(0.098g、1eq.)を出発物質として、参考例1、工程R1.x(還元的アミノ化、収率81%)及び実施例3、工程3.vi(Staudinger還元、収率80%)の手順を用い、表題化合物を黄色がかったフォーム(0.180g)として得た。粗製物を、10% aq.NHOHを含む、DCM−MeOHの勾配を溶出液として用いて精製した。MS(ESI、m/z):468.3[M+H]。
【0170】
発明化合物の薬理学的特性
イン ヴィトロアッセイ
実験方法:
これらのアッセイは、「Methods for dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically、4th ed.;Approved standard:NCCLS Document M7−A4;National Committee for Clinical Laboratory Standards:Villanova、PA、USA、1997」の記載に従って行われた。最小阻害濃度(MIC;mg/l)は、NCCLSガイドライン(National Committee for Clinical Laboratory Standards。Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility)に従って、ミクロ希釈法によりカチオン調整Mueller−Hinton Broth(BBL)中で測定した。試験培地のpHは7.2〜7.3であった。
【0171】
結果:
全実施例化合物を、S.aureus、E.faecalis、S.pneumoniae、M.catarrhalis、A.baumanii、E.coli又はP.aeruginosa等の数種のグラム陽性及びグラム陰性菌に対して試験した。
【0172】
典型的な抗菌試験の結果を下記の表に示す(MICはmg/lで表す。)。
【0173】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化1】

式中、
は、アルコキシ又はハロゲンを表し;
U、V及びWは、それぞれCHを表すか、又は、U、V及びWの1つはNを表し、かつ他は、それぞれCHを表し;
Aは、CH又はOを表し;
GはCH=CH−Eであり、式中、Eは、1又は2個のハロゲンで置換されたフェニル基を表すか、又は、Gは、下式
【化2】

(式中、ZはCH又はNを表し、QはO又はSを表し、そしてKはO又はSを表す。)の1つの基である。
【請求項2】
UがCHを表し、GがCH=CH−E(式中、Eは、1又は2個のハロゲンで置換されたフェニル基を表す。)を表すか、又は、Gが、式
【化3】

(式中、ZはCH又はNを表し、そしてQはO又はSを表す。)の基を表す、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項3】
U、V及びWがそれぞれCHを表すか、又は、U及びWがそれぞれCHを表し、かつVがNを表すか、又は、U及びVがそれぞれCHを表し、かつWがNを表すか、又は、UがNを表し、かつV及びWがそれぞれCHを表し;そして
がメトキシ又はエトキシである、
請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項4】
式ICEの化合物でもある、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化4】

式中、
は、アルコキシ又はフッ素を表し;
U、V及びWは、それぞれCHを表すか、又はUはCHを表し、V及びWの一方はNを表し、かつ他方はCHを表すか、又はUはNを表し、かつV及びWは、それぞれCHを表し;
Aは、CH又はOを表し;
GはCH=CH−E(式中、Eは、2個のハロゲンにより置換されたフェニル基を表す。)であるか、又はGは、下式
【化5】

(式中、ZはCH又はNを表し、そしてQはO又はSを表す。)の1つの基である。
【請求項5】
がメトキシを表す、請求項1〜4の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項6】
AがCHを表す、請求項1〜5の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項7】
AがOを表す、請求項1〜5の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項8】
Gが、式
【化6】

(式中、ZはCH又はNを表し、そしてQはO又はSを表す。)の基である、請求項1〜7の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項9】
Gが、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシン[2,3−c]ピリジン−7−イル又は2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−ビニルを表す、請求項1〜7の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項10】
下記から選択される請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
1−((2S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノキサリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
1−((1S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((1R)−2−アミノ−2−{4−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−シクロヘキシル}−エチル)−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン。
【請求項11】
下記から選択される請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−(trans−{4−[(1R)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
1−((2S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−キノリン−2−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;及び
6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノキサリン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン。
【請求項12】
医薬としての、請求項1〜11の1項に定義する式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1〜11の1項に定義する式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩を、活性成分として、そして少なくとも1つの治療上不活性な賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
細菌感染症の予防又は治療のための医薬の製造のための、請求項1〜11の1項に定義する式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項15】
細菌感染症の予防又は治療のための、請求項1〜11の1項に定義する式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2011−522033(P2011−522033A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512258(P2011−512258)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052307
【国際公開番号】WO2009/147616
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】