説明

抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーとしての、特定のカチオン性ポリマーの使用

【課題】本発明の目的は、従来技術の欠点を持たない新規な抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジンジャーのシステムを利用可能にすることである。特に本発明の目的は、酸化媒体中でも非常に有効であり、化粧品組成物中で容易に使用でき、安定で、毛髪などの被着体に塗布されると優れた親和性を有し、優れた美容効果がある抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーを提供することである。
【解決手段】本発明はフリーラジカルスカベンジャーとして以下の式(I)


に相当する繰り返し単位を含有する第四級ジアンモニウム重縮合物の使用に関する。本発明は、酸化組成物を塗布する間の毛髪髪の劣化を減らすことを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に毛髪染料組成物のような化粧品組成物における、抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーとしての特定のカチオン性ポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
抗酸化剤および/またはフリーラジカルスカベンジャーを化粧品組成物に使用することにより、組成物それ自体の劣化またはこれらが塗布される被着体の劣化に対して有効なことが知られている。特に、毛髪用組成物を塗布している間のヘアダメージを少なくするために抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーを使用することが知られている。
【0003】
例えば、国際特許出願(WO)第2004/087086号は、拡散定数が10-14m2/s以下のフリーラジカルスカベンジャー化合物を含む組成物を記載している。この定義に相当する多数のフリーラジカルスカベンジャー化合物が引用されている。
【0004】
今日まで使用されてきた抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーの化合物は、化粧品組成物中または塗布される被着体上で、時にはあまり安定ではない製品である。さらにこれらの製品は通常、その被着体、特に毛髪のなどのケラチン物質に対してわずかな親和性しか持たない。よってこれらは容易に排除され、被着体の劣化を制限するその能力が低下する。したがって化粧品への影響は通常、よくも悪くもない程度だが、時には好ましくない場合もある。
【0005】
最後にその有効性は、特に酸化組成物に限られることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願(WO)第2004/087086号
【特許文献2】仏国特許第2080759号
【特許文献3】仏国特許第2190406号
【特許文献4】仏国特許第2320330号
【特許文献5】仏国特許第2270846号
【特許文献6】仏国特許第2316271号
【特許文献7】仏国特許第2336434号
【特許文献8】仏国特許第2413907号
【特許文献9】米国特許第2273780号
【特許文献10】米国特許第2375853号
【特許文献11】米国特許第2388614号
【特許文献12】米国特許第2454547号
【特許文献13】米国特許第3206462号
【特許文献14】米国特許第2261002号
【特許文献15】米国特許第2271378号
【特許文献16】米国特許第3874870号
【特許文献17】米国特許第4001432号
【特許文献18】米国特許第3929990号
【特許文献19】米国特許第3966904号
【特許文献20】米国特許第4005193号
【特許文献21】米国特許第4025617号
【特許文献22】米国特許第4025627号
【特許文献23】米国特許第4025653号
【特許文献24】米国特許第4026945号
【特許文献25】米国特許第4027020号
【特許文献26】欧州特許出願第A122324号
【特許文献27】欧州特許出願(EP)第A269243号
【特許文献28】英国特許(GB)第1026978号
【特許文献29】英国特許(GB)第1153196号
【特許文献30】独国特許(DE)第2359399号
【特許文献31】日本国特許(JP)第88-169571
【特許文献32】日本国特許(JP)第91-10659号
【特許文献33】国際特許出願(WO)第96/15765号
【特許文献34】仏国特許出願(FR)第A2750048号
【特許文献35】独国特許(DE)第3843892号
【特許文献36】独国特許(DE)第4133957号
【特許文献37】国際特許出願(WO)第94/08969号
【特許文献38】国際特許出願(WO)第94/08970号
【特許文献39】仏国特許出願(FR)第A2733749号
【特許文献40】独国特許出願(DE)第19543988号
【特許文献41】仏国特許出願(FR)第2886136号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】百科事典「Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」John Wiley and Sons、Vol.5、708〜739頁
【非特許文献2】J. of Photochemistry and Photobiology B: Biology 57 (2000) 102-112 TOBI et al: Glutathione modulates the level of free radicals produced in UVA irradiated cells
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の欠点を持たない新規な抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジンジャーのシステムを利用可能にすることである。特に本発明の目的は、酸化媒体中でも非常に有効であり、化粧品組成物中で容易に使用でき、安定で、毛髪などの被着体に塗布されると優れた親和性を有し、優れた美容効果がある抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって本発明の主題は、フリーラジカルスカベンジャーとしての以下の式(I):
【0010】
【化1】

【0011】
(式(I)中、
R13、R14、R15およびR16は、同一または異なり、1〜6個の炭素原子を含有する脂肪族基、環式脂肪族基もしくはアリール脂肪族基またはより低級のヒドロキシアルキル脂肪族基を表すか、R13、R14、R15およびR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になってまたは別々に、窒素以外の第2のヘテロ原子を含有していてもよい複素環を構成するか、R13、R14、R15およびR16は、ニトリル基、エステル基、アシル基、アミド基、または-CO-O-R17-D基もしくは-CO-NH-R17-D基(式中、R17はアルキレン基であり、Dは第四級アンモニウム基である)で置換されている線状または分枝のC1〜C6のアルキル基を表し、
A1およびB1は、線状または分枝の飽和または不飽和であってよく、主鎖を含有しているか、主鎖に結合しているか、主鎖に組み込まれていてもよい、2〜20個の炭素原子を含有するポリメチレン基、1種もしくは複数の芳香環、または1種もしくは複数の酸素原子もしくは硫黄原子、またはスルホキシド基、スルホン基、ジスルフィド基、アミノ基、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、第四級アンモニウム基、ウレイド基、アミド基もしくはエステル基を表し、
X-は、無機または有機酸から誘導されるアニオンを意味し、
A1、R13およびR15は、それらが結合している2個の窒素原子と共にピペラジン環を形成してもよい)に相当する繰り返し単位を含有する第四級ジアンモニウム重縮合物の使用である。
【0012】
この使用により、重縮合物が塗布される被着体の、塗布の間もしくは塗布の後の、劣化をよりわずかにすることが可能となる。被着体全体に対するこの観点における改善は、通常、より優れた美容的外観によって現される。
【0013】
この被着体は本質的にケラチン物質であり、より特にはケラチン繊維である。それはいっそうより特に毛髪に関する。
【0014】
本発明の使用は、特に、酸化染料を含む毛髪染料組成物における式(I)の重縮合物の使用に関する。
【0015】
ある実施態様にしたがって、本発明は、少なくとも1つの酸化染料を含む毛髪染料組成物における、フリーラジカルスカベンジャー及び/または抗酸化剤としての式(I)の第四級ジアンモニウム重縮合物の使用に関する。
【0016】
式(I)の重縮合物は、通常化粧品組成物に塗布される。かかる化粧品組成物は、1種以上の特定の第四級ジアンモニウム重縮合物を含む。これらの重縮合物は前述の通りである。
【0017】
式(I)におけるX-は、クロライドまたはブロミドなどのアニオンが好ましい。
【0018】
この種類のポリマーは、仏国特許第2320330号、仏国特許第2270846号、仏国特許第2316271号、仏国特許第2336434号および仏国特許第2413907号、ならびに米国特許第2273780号、米国特許第2375853号、米国特許第2388614号、米国特許第2454547号、米国特許第3206462号、米国特許第2261002号、米国特許第2271378号、米国特許第3874870号、米国特許第4001432号、米国特許第3929990号、米国特許第3966904号、米国特許第4005193号、米国特許第4025617号、米国特許第4025627号、米国特許第4025653号、米国特許第4026945号および米国特許第4027020号に特に記載されている。
【0019】
式:
【0020】
【化2】

【0021】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なり、約1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基を意味し、nおよびpは約2〜6まで変化する整数であり、X-は無機または有機酸から誘導されるアニオンである)に相当する繰り返し単位で構成されるポリマーを特に使用してもよい。
【0022】
特に好ましい、式(a)の一化合物は、R1、R2、R3およびR4がメチル基を表し、n=3、p=6およびX=Clであるもの、すなわち、INCI(CTFA)命名法によって「ヘキサジメトリンクロライド」として知られる、ヘキサジメトリンクロライドである。
【0023】
ある特定の実施態様において、本発明で使用される重縮合物は、5meq/グラムより大きな、より好ましくは6meq/グラムより大きなカチオン電荷密度を有する。この電荷密度は、ケルダール法で実験的に測定するか、またはポリマー構造から計算により求めることができる。
【0024】
ある実態態様において、重縮合物は、1種または複数の酸化剤を含む特定の毛髪用化粧品組成物において、水性組成物中で使用される。かかる毛髪用組成物は、通常、毛髪を染色させ、もしくはブリーチするために使用される。
【0025】
使用し得る酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属ブロメート、過酸基塩、例えば過ほう酸塩および過硫酸塩など、過酸、ならびにオキシダーゼ酵素、この中でも、ペルオキシダーゼ、ウリカーゼなどの2-電子オキシドレダクターゼ、およびラッカーゼなどの4-電子オキシゲナーゼ、ならびにその可能な共同因子、例えばウリカーゼに対する尿酸などが挙げられる。過酸化水素は特に好ましい。
【0026】
組成物のpHは、一般的に2〜14の間の数値であり、5〜13の間が好ましい。
【0027】
酸性化剤には、例として、塩酸、オルトリン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、またはスルホン酸などのカルボン酸などの、無機酸または有機酸が挙げられる。
【0028】
一変法によれば、化粧品組成物は、7〜14の間、好ましくは8〜12の間のアルカリpHを有する。存在し得るアルカリ化剤としては、水酸化アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩、炭酸アンモニウム、アミノ酸、特にリジンまたはアルギニンなどの塩基性アミノ酸、モノ-、ジ-、トリ-エタノールアミンなどのアルカノルアミンおよびその誘導体、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、ならびに以下の式:
【0029】
【化3】

【0030】
(式中、Wはヒドロキシル基またはC1〜C4アルキル基で置換していてもよいプロピレン残基であり、Ra、Rb、RcおよびRdは、同一または異なり、水素原子、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表す)の化合物などが挙げられる。
【0031】
重縮合物は、通常、組成物の重量に対して、0.00001重量%〜10重量%の範囲にある量で化粧品組成物に存在する。
【0032】
化粧品組成物中に存在する水の量は、一般的に5〜95%の間、好ましくは20〜90%、さらに良いのは30〜80%である。
【0033】
組成物は、様々な形態、例えば液状、クリーム状、ゲル状、またはケラチン線維、および特にヒトの毛髪に塗布するのに適切な他の任意の形態で存在し得る。重縮合物を含む化粧品組成物は、毛髪または染料組成物を処置するための化粧品組成物であってよい。
【0034】
本発明の使用によって、ヒドロキシラジカルOHoなどのフリーラジカルによる破壊的作用と有効に戦うことが可能となる。このようなラジカルは、ケラチン線維の劣化の原因となることが多いので、ヒドロキシラジカルに対するこの作用は、毛髪の酸化染色に使用される酸化媒体中で有利である。この染料組成物を過酸化水素などの酸化剤と混合する場合には、この使用によって、フリーラジカルスカベンジャー効果および/または抗酸化効果を特に改善することができる。
【0035】
本発明で使用可能である化粧品組成物が、毛髪の染色用組成物であって、特に毛髪の酸化を介して染色する組成物である場合、化粧品組成物は、1種または複数の酸化塩基と、任意選択で1種もしくは複数のカプラーを含む。
【0036】
従来から使用されている酸化塩基として挙げられるのは、オルト-およびパラ-フェニレンジアミン、二重塩基、オルト-およびパラ-アミノフェノール、以下の複素環塩基、さらにこれらの酸付加塩である。
【0037】
特に、以下のものが挙げられる。
(A)以下の式(II):
【0038】
【化4】

【0039】
(式中、
R1は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基または窒素性のフェニル基または4'-アミノフェニル基で置換されているC1〜C4アルキル基を表し、
R2は、水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基またはC2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、または窒素性の基で置換されているC1〜C4アルキル基を表し、
R1およびR2は、それらを保持する窒素原子と共に、1種もしくは複数のアルキル基、ヒドロキシル基またはウレイド基で置換していてもよい、5または6員環の窒素性の複素環を形成してもよく、
R3は、水素原子、塩素原子などのハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、スルホ基、カルボキシ基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C1〜C4ヒドロキシアルコキシ基、アセチルアミノ(C1〜C4)アルコキシ基、メシルアミノ(C1〜C4)アルコキシ基またはカルバモイルアミノ(C1〜C4)アルコキシ基を表し、
R4は、水素原子もしくはハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基を表す)のパラ-フェニレンジアミンおよびこれらの酸付加塩。
【0040】
上の式(II)の窒素性の基の中でも、特にアミノ基、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ基、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ基、トリ(C1〜C4)アルキルアミノ基、モノヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ基、イミダゾリニウム基およびアンモニウム基が挙げられる。
【0041】
上の式(II)のパラ-フェニレンジアミンの中でも、より具体的には、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-(エチル-β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミンおよび2-メチル-1-N-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、およびこれらの酸付加塩が挙げられる。
【0042】
上の式(II)のパラ-フェニレンジアミンの中では、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミンおよび2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、およびこれらの酸付加塩が特に最も好ましい。
【0043】
-(B)本発明によれば、二重塩基という用語は、アミノ基および/またはヒドロキシル基を保持する少なくとも2つの芳香族核を含有する化合物を指すと理解されている。
【0044】
本発明によるすぐ使用できる染料組成物中の酸化塩基として使用することができる二重塩基の中でも、以下の式(III)
【0045】
【化5】

【0046】
(式中、
-Z1およびZ2は、同一または異なっていてもよくC1〜C4アルキル基またはリンカーアームYで置換されていてもよいヒドロキシルまたは-NH2基を表し、
-リンカーアームYは、1〜14個の炭素原子を含有する線状または分枝のアルキレン鎖を表し、1種もしくは複数の窒素性の基および/または1種もしくは複数のヘテロ原子、例えば酸素、硫黄または窒素原子などで中断または終結していてもよく、1種もしくは複数のヒドロキシル基またはC1〜C6アルコキシ基で置換されていてもよく、
-R5およびR6は、水素原子もしくはハロゲン原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C4アミノアルキル基またはリンカーアームYを表し、
-R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、同一または異なってもよく、水素原子、リンカーアームYまたはC1〜C4アルキル基を表す)
に相当する化合物およびこれらの酸付加塩が特に挙げられ、式(III)の化合物は、1分子につき1個のリンカーアームYしか含有しないことが理解される。
【0047】
上の式(III)の窒素性基の中でも、アミノ基、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ基、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ基、トリ(C1〜C4)アルキルアミノ基、モノヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ基、イミダゾリニウム基およびアンモニウム基が特に挙げられる。
【0048】
上の式(III)の二重塩基の中でも、より具体的にはN,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン、およびこれらの酸付加塩が挙げられる。
【0049】
式(III)のこれらの二重塩基の中でも、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノールおよび1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサ-オクタン、またはこれらの酸付加塩の1つが特に好ましい。
【0050】
-(C)以下の式(IV):
【0051】
【化6】

【0052】
(式中、
R13は、水素原子、フッ素などのハロゲン原子、またはC1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基、C1〜C4アミノアルキル基もしくはヒドロキシ(C1〜C4)アルキルアミノ(C1〜C4)アルキル基を表し、
R14は、水素原子、フッ素などのハロゲン原子、またはC1〜C4アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C4アミノアルキル基、C1〜C4シアノアルキル基もしくは(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基を表す)に相当するパラ-アミノフェノール、およびこれらの酸付加塩。
【0053】
上の式(IV)のパラ-アミノフェノールの中でも、より具体的には、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノールおよび4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、およびこれらの酸付加塩が挙げられる。
【0054】
-(D)本発明の範囲内で酸化塩基として使用することができるオルト-アミノフェノールは、2-アミノフェノール、2-アミノ-1-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン、2-アミノ-1-ヒドロキシ-6-メチルベンゼンおよび5-アセトアミド-2-アミノフェノール、ならびにこれらの酸付加塩から特に選択される。
【0055】
-(E)本発明による染料組成物における酸化塩基として使用することができる複素環塩基の中でも、より具体的には、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体、ならびにこれらの酸付加塩が挙げられる。
【0056】
ピリジン誘導体の中でも、より具体的には、例えば、英国特許(GB)第1026978号および英国特許(GB)第1153196号などに記載の化合物、例えば2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジンおよび3,4-ジアミノピリジン、ならびにこれらの酸付加塩が挙げられる。
【0057】
ピリミジン誘導体の中でも、より具体的には、例えば、独国特許(DE)第2359399号または日本国特許(JP)第88-169571および日本国特許(JP)第91-10659号または国際特許出願(WO)第96/15765号に記載の化合物、例えば2,4,5,6-テトラ-アミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジンおよび2,5,6-トリアミノピリミジン、ならびにピラゾロピリミジン誘導体、例えば仏国特許出願(FR)第A2750048号に記載のものなど、中でもピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン; 2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン; ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン; 2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン; 3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール; 3-アミノピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-5-オール; 2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール; 2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール; 2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール; 2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-エタノール; 5,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン; 2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン; 2,5,N7,N7-テトラメチルピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミンおよび3-アミノ-5-メチル-7-イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、およびこれらの付加塩、さらに互変異性平衡が存在する場合はその互変異性の形態、ならびにこれらの酸付加塩などが挙げられる。
【0058】
ピラゾール誘導体の中でも、より具体的には、独国特許(DE)第3843892号、独国特許(DE)第4133957号ならびに国際特許出願(WO)第94/08969号、国際特許出願(WO)第94/08970号、仏国特許出願(FR)第A2733749号および独国特許出願(DE)第19543988号に記載の化合物、例えば4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)-ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾールおよび3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、など、ならびにこれらの酸付加塩が挙げられる。
【0059】
ピラゾール誘導体としてはまた、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾピラゾロン、および特に仏国特許出願(FR)第2886136号に記載のもの、例えば以下の化合物およびこれらの付加塩などが挙げられる。
【0060】
これらの化合物の中でも、好ましい化合物は、
2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4,5-ジアミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン;
2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン;
4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン;
4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロ-ピラゾール-3-オン;
2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンである。
【0061】
複素環塩基としては、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、およびその付加塩を使用するのが好ましいであろう。
【0062】
使用し得るカプラー(複数可)は、酸化染料組成物に従来から使用されてきたもの、すなわち例えばメタ-アミノフェノール、メタ-フェニレンジアミン、メタ-ジフェノール、ナフトールおよび複素環のカプラー、例えば、インドール誘導体、インドリン誘導体、セサモールおよびその誘導体、ピリジン誘導体、ピラゾロトリアゾール誘導体、ピラゾロン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、1,3-ベンゾジオキソールおよびキノリン、ならびにこれらの酸付加塩である。
【0063】
このようなカプラーは、より具体的には、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、セサモール、1-アミノ-2-メトキシ-4,5-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、3,6-ジメチルピラゾロ[3,2-c]-1,2,4-トリアゾールおよび2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾールから、およびこれらの酸付加塩から選択される。
【0064】
酸化塩基(複数可)およびカプラー(複数可)は、一般的に組成物の総重量に対して0.0005重量%〜12重量%の範囲の量、好ましくは0.01重量%〜8重量%の範囲の量で存在する。
【0065】
一般的に、酸化塩基とカプラーの酸付加塩は、塩化水素塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、乳酸塩および酢酸塩から特に選択される。
【0066】
染料組成物はまた、明るくする(lightning)直接染料組成物であってもよい。次いで、この組成物は、1種または複数の直接染料を含有してもよく、特に、中性、酸性またはカチオン性のニトロベンゼン染料、中性、酸性またはカチオン性のアゾ直接染料、中性、酸性またはカチオン性のキノン、特にアントラキノン直接染料、アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、インドアミン直接染料ならびに天然の直接染料から選択してもよい。
【0067】
直接染料(複数可)は、すぐに使用できる組成物の総重量の約0.001重量〜20重量%、より好ましくは約0.005重量〜10重量%を占めることが好ましい。
【0068】
一変法によれば、染料組成物は、混合物として、1種もしくは複数の酸化塩基及び1種もしくは複数の直接染料を含む。
【0069】
本発明に使用される組成物用の適切な培地(または担体)は、水で構成される水性媒体が好ましく、化粧品的見地から許容可能な有機溶媒を有利に含有してもよく、より具体的にはこれは、アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールおよびフェニルエチルアルコールなど、またはグリコールもしくはグリコールエーテル、例えば、モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルおよびモノブチルエーテルなど、プロピレングリコールまたはそのエーテル、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにジエチレングリコールアルキルエーテルなど、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはモノブチルエーテルなどを含む。よって溶媒は、組成物の総重量に対して、およそ0.5重量〜20重量%の間、好ましくはおよそ2重量〜10重量%の間の濃度で存在してもよい。
【0070】
本発明に使用することができる化粧品組成物はまた、従来から染毛組成物に使用されている様々な補助剤、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性または双性イオンの界面活性剤またはその混合物など、本発明の重縮合物以外のポリマー、無機増粘剤または有機増粘剤、他の抗酸化剤またはフリーラジカルスカベンジャー、浸透剤、金属イオン封鎖剤、芳香剤、緩衝剤、分散剤、コンディショニング剤、例えば、揮発性または非揮発性の、改質または無改質のシリコーン、膜形成剤、セラミド、保存剤および乳白剤などを含有してもよい。
【0071】
上記補助剤は一般的に、組成物の重量に対して、それぞれ0.01重量〜20重量%の間の量で存在する。
【0072】
もちろん当業者であれば、本発明による染料組成物に内因的に関連している有利な特性が、予想される添加物(複数可)により支障を受けない、または実質的に支障を受けないように、任意選択の追加の化合物または上記化合物を選択するのは確実であろう。
【0073】
本発明で使用することが可能である組成物は、例えば毛髪などのようなケラチン繊維に塗布してもよい。
【0074】
上記に記載した組成物を使用する一方法に従って、これらの組成物を、繊維に塗布し、任意選択ですすぐ。それが染料組成物の課題の場合には、この組成物を、所望の着色を発現させるのに十分な時間で繊維に塗布し、次いでこの繊維をすすぎ、任意選択でシャンプーで洗浄し、再びすすいで乾燥する。
【0075】
以下の例は、本発明の範囲を限定することなしに、本発明を例示することを意図している。
【実施例】
【0076】
ケラチノサイトに誘発されるUVA酸化ストレスに関する本発明のポリマーの抗酸化活性/フリーラジカルスカベンジャー活性の評価方法
光防護の評価技法は、周知の方法(J. of Photochemistry and Photobiology B: Biology 57 (2000) 102-112 TOBI et al: Glutathione modulates the level of free radicals produced in UVA irradiated cells)に従って実行される。この技法は、蛍光プローブであって、細胞内全体酸化ストレスに対するマーカーである、2’-7’-ジクロロフルオレシンジアセテート(DCFH-DA)を使用する。
【0077】
原理
酸化ストレスのマーカーとしてのDCFH-DAの使用は、その物理化学的性質に基づく。それは、細胞膜を通って拡散することが可能である、非極性かつ非イオン性の分子である。いったん細胞内に入ると、DCFH-DAは細胞内エステラーゼによって加水分解されて、非蛍光化合物:DCFH、すなわち2,7-ジクロロフルオレシンとなる。活性酸素種が存在すると、DCFHは素早く酸化されて、蛍光性をより強く有する化合物:DCFすなわち2,7-ジクロロフルオレセインとなる。
【0078】
手順
3つの化合物を試験した:ヘキサジメトリンクロライド(式(I)の重縮合物に相当するChimex社製のMEXOMERE PO)、クエン酸及びグリシン(MEXOMERE POに対して0.0001% w/v、クエン酸及びグリシンに対して30μM)。
【0079】
1. ケラチノサイトの治療
コンフルエンス時のケラチノサイトを、培地中、37℃、5%のCO2において、用量効果(3濃度)に従った、試験する化合物の存在下で24時間インキュベーションした。
【0080】
2. DCFH-DAの取込み
前処理したケラチノサイトをリンスし、次いで暗闇においてDCFH-DAの存在下でインキュベーションした。
【0081】
3. UVAの照射
このインキュベーション後、DCFH-DA溶液を取り除き、次いで細胞をUVA(2 J/cm2)に暴露する。
観察
暴露させていない対照プレートを、室温で暗闇下に保持する。
【0082】
4. 蛍光の測定
DCFの蛍光度を、蛍光光度計(励起:480 nm、放出:530 nm)によって、UVAに暴露後すぐに評価する。
【0083】
5. 結果
‐MEXOMERE POは、HaCatに誘発されるUVA酸化ストレスに関して、0.0001%(すなわち0.08μm)で約23%の防護を有し、抗酸化効力を有する。
【0084】
クエン酸及びグリシンは、30μmで、およそ18%及び15%の防護レベルを有する、抗酸化効力を有する。
【0085】
MEXOMERE POの効果は、グリシンまたはクエン酸のそれらよりも大きい。
【0086】
組成例
以下の2種の染料組成物を調製した:
(特に明示しない限りは、グラムで表す)
【0087】
【表1】

【0088】
この組成物と、過酸化水素9%を含むpH2.3の酸化剤とを、重量比で混合する。生成した混合物は、白色の髪を90%含有する白髪に30分間塗布する。すすぎおよび乾燥した後には、毛髪は栗色の色合いに染められている。毛髪はソフトで、あまり劣化していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーラジカルスカベンジャーまたは抗酸化剤としての以下の式(I):
【化1】

(式(I)中、
R13、R14、R15およびR16は、同一または異なり、1〜6個の炭素原子を含有する脂肪族基、環式脂肪族基もしくはアリール脂肪族基またはより低級のヒドロキシアルキル脂肪族基を表すか、R13、R14、R15およびR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になってまたは別々に、窒素以外の第2のヘテロ原子を含有していてもよい複素環を構成するか、R13、R14、R15およびR16は、ニトリル基、エステル基、アシル基、アミド基、または-CO-O-R17-D基もしくは-CO-NH-R17-D基(式中、R17はアルキレン基であり、Dは第四級アンモニウム基である)で置換されている線状または分枝のC1〜C6のアルキル基を表し、
A1およびB1は、線状または分枝の飽和または不飽和であってよく、主鎖を含有しているか、主鎖に結合しているか、主鎖に組み込まれていてもよい、2〜20個の炭素原子を含有するポリメチレン基、1種もしくは複数の芳香環、または1種もしくは複数の酸素原子もしくは硫黄原子、またはスルホキシド基、スルホン基、ジスルフィド基、アミノ基、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、第四級アンモニウム基、ウレイド基、アミド基もしくはエステル基を表し、
X-は、無機または有機酸から誘導されるアニオンを意味し、
A1、R13およびR15は、それらが結合している2個の窒素原子と共にピペラジン環を形成してもよい)に相当する繰り返し単位を含有する第四級ジアンモニウム重縮合物の使用。
【請求項2】
前記第四級ジアンモニウム重縮合物が式:
【化2】

(式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なり、約1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基を意味し、nおよびpは約2〜6まで変化する整数であり、X-は無機または有機酸から誘導されるアニオンである)に相当する繰り返し単位で構成される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
特定の前記第四級ジアンモニウム重縮合物が、R1、R2、R3およびR4がメチル基を表し、n=3、p=6およびX=Clであるヘキサジメトリンクロライドである、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
式(I)の前記第四級ジアンモニウム重縮合物が、組成物の総重量に対して0.00001重量%〜10重量%の範囲の量でそれぞれ存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
水性化粧品組成物中における、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記組成物が1種もしくは複数の酸化剤を含むことを特徴とする、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属ブロメート、過酸基塩、過酸およびオキシダーゼ酵素から選択される、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記組成物が、ビスフェニルアルキレンジアミン、パラ‐フェニレンジアミン、オルト-アミノフェノール、パラ‐アミノフェノール、及び複素環塩基、これらの酸付加塩から選択される1種もしくは複数の酸化塩基、ならびに任意選択でメタ‐フェニレンジアミン、メタ‐アミノフェノール、メタ‐ジフェノール、ナフトールのカプラー、複素環のカプラー、及びこれらの酸付加塩から選択されるカプラーを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記組成物が、1種もしくは複数の直接染料を含む、請求項5から8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記組成物が、7~14の間、好ましくは8~12の間のpHを有する、請求項5から9のいずれか一項に記載の使用。

【公開番号】特開2009−196994(P2009−196994A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−38333(P2009−38333)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】